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特許7597927機械振動データに基づくシャーシの摩耗予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】機械振動データに基づくシャーシの摩耗予測
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20241203BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023525448
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2021053678
(87)【国際公開番号】W WO2022093503
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】16/949,450
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、リー
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、インピャオ
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-131137(JP,A)
【文献】特開2011-051518(JP,A)
【文献】特開2005-306255(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0091398(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 99/00
G01M 13/00
G01H 1/00
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(190)によって実行される方法であって、
機械(105)の一定期間の振動測定を識別する機械(105)振動データを受信するステップと、
前記機械(105)振動データを分割して、前記機械(105)のシャーシ(170)に関連する振動に関する時間領域信号を含む時間領域信号を得るステップと、
高速フーリエ変換(FFT)を使用して、前記時間領域信号をスペクトル領域信号に変換するステップと、
前記機械(105)の前記シャーシ(170)の部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の動きに関連するシグネチャスペクトラムを前記スペクトル領域信号から識別するステップと、
前記シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の摩耗量を予測するステップと、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記摩耗量に基づいてアクションを実行させるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記機械(105)の前記振動は、前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記動きによって引き起こされ、前記機械(105)の1つ以上の工具(150、160)が地面に係合することによって引き起こされ、
前記方法は、
前記1つ以上の工具(150、160)が前記一定期間内に地面に係合しているか否かを示す工具データを受信するステップをさらに含み、
前記機械(105)振動データを分割する前記ステップは、
前記工具データに基づいて前記機械(105)振動データを分割して、前記時間領域信号を識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械(105)振動データを受信するステップは、前記機械(105)の1つ以上の第1センサ装置(120)から前記機械(105)振動データを受信するステップを含み、
前記工具データを受信するステップは、
前記機械(105)の1つ以上の第2センサ装置(120)から、前記1つ以上の工具(150、160)が地面に係合しているか否かを示すセンサデータを受信するステップ、又は
前記機械(105)の1つ以上のオペレータコントロール(135)から、前記1つ以上の工具(150、160)が地面に係合しているか否かを示すオペレータ制御データを受信するステップの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間領域信号を前記スペクトル領域信号に変換するステップは、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記動きに対応する前記時間領域信号の第1部分を、前記時間領域信号のパワースペクトル密度に基づいて増幅させ、
前記機械(105)の位置における地形条件に関連するランダムノイズに対応する前記時間領域信号の第2部分を、前記時間領域信号のパワースペクトル密度に基づいて低減させるステップを含み、
前記パワースペクトル密度は、FFTを使用して決定され、
前記シグネチャスペクトラムは、前記時間領域信号の前記第1部分に対応するパワースペクトル密度の一部において識別される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アクションを実行するステップは、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)を修理するステップと、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)を交換するステップと、
前記機械(105)の操作を調整するステップと、
前記機械(105)のオペレータの装置(190)に警報を提供するステップとの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
システムであって
械(105)の振動の測定を識別する機械(105)振動データを受信し、
前記機械(105)の前記振動は、前記機械(105)のシャーシ(170)の部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の動きによって引き起こされる第1振動と、前記第1振動とは独立した第2振動との組み合わせによって引き起こされ、
前記機械(105)振動データ中の前記第1振動に対応するセグメントを識別し、
高速フーリエ変換(FFT)を使用して、前記セグメントを周波数領域の信号に変換し、
前記信号を分析して、前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記動きに関連するシグネチャスペクトラムを識別し、
前記シグネチャスペクトラムに基づいて前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の摩耗量を予測し、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記摩耗量に基づいてアクションを実行させるように構成される装置(190)を含む、システム。
【請求項7】
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記摩耗量を予測する際に、前記装置(190)は、
前記シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の前記摩耗量を予測するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクションを実行する際に、前記装置(190)は、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)を修理し、
前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)を交換し、
前記機械(105)の操作を調整し、
前記機械(105)の前記部品(172、174、176、178、180、182、184、186)の摩耗を監視する装置(190)の摩耗量に関する情報を提供し、又は、
前記機械(105)のオペレータの装置(190)に警報を提供するように構成される、請求項6~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記セグメントを識別する際に、前記装置(190)は、
前記機械(105)の工具(150、160)が地面に係合しているか否かを示す工具データを受信し、
前記工具データに基づいて前記セグメントを識別するように構成される、請求項6~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記工具データは、
前記機械(105)の速度を識別する機械(105)速度データと、
前記工具(150、160)を制御するための指令を識別する工具指令データと、
前記機械(105)のステアリング指令を識別するステアリング指令データと、
前記機械(105)のギア設定を識別するギア設定データとの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、機械のシャーシの摩耗を監視することに関し、例えば、機械振動データに基づいてシャーシの摩耗を予測することに関する。
【背景技術】
【0002】
機械のシャーシの部品(例えばトラックリンク、ブッシング、及び/又はピン)は時間が経過すると摩耗する。部品の摩耗を検出するための技術は、そのような部品の部品寸法の手動測定値を得ることを含む。手動測定値は、部品の指定された寸法と比較され得る。手動測定値を得るためには、機械は作業現場でのタスクの実行を一時停止する必要がある。手動測定値を取得するには、機械がタスクの実行を中断する必要があり、時間のかかるプロセスであるため(例えば、手動測定値を取得するための移動時間、及び/又は手動測定値を取得するための時間が原因で)、手動測定値を取得することは、作業現場の生産性に悪影響を及ぼす可能性がある。この点に関して、タスク(機械によって実行されるタスク)は、長い期間(例えば、手動測定値を取得する期間)中断する場合がある。
【0003】
また、このような手動測定値は正確ではない可能性がある。逆に、部品の寸法の不正確な測定は、部品の摩耗量の不正確な予測につながる可能性がある。このような不正確な予測の結果、部品が早期に故障したり、修理又は交換されたりする可能性がある(例えば、部品が交換又は修理を必要とするために十分に摩耗していない可能性がある)。このような部品の早期の故障や部品の早期の交換や修理も、作業現場の生産性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
国際特許公開番号 WO2020049526号(「562」開示)は、トラックシステムのロールピボット軸を画定する第1ピボット、ピッチピボット軸を画定する第2ピボット、及びヨーピボットを画定する第3ピボットのうちの少なくとも1つを含む取り付けアセンブリを開示する。‘562公報はまた、トラックシステムが、ロール及びヨーピボット軸のうちの少なくとも1つを中心にフレームアセンブリをピボットするための少なくとも1つのアクチュエータと、トラックシステムの状態及び地面状態のうちの少なくとも1つを少なくとも間接的に決定するための少なくとも1つの監視センサとをさらに含むことを開示する。‘562公開は、少なくとも1つの監視センサが、トラックシステムコントローラと通信して、トラックシステムの状態及び地面状態のうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つのアクチュエータのアクションを制御することを開示する。
【0005】
‘562公報は、少なくとも1つの監視センサがトラックシステムコントローラと通信していることを開示しているが、‘562公報は、トラックシステムコントローラが少なくとも1つの監視センサから振動データを受信していること、トラックシステムコントローラが、トラックシステムの摩耗量の決定に関して機械振動に影響を与える要因を考慮していることを開示していない。
【0006】
本開示の装置は、上記の問題のうちの1つ以上、及び/又は当技術分野における他の問題を解決する
【発明の概要】
【0007】
装置によって実行される方法であって、機械の一定期間の振動測定を識別する機械振動データを受信するステップと、前記機械振動データを分割して、前記機械のシャーシに関連する振動に関する時間領域信号を含む時間領域信号を得るステップと、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、前記時間領域信号をスペクトル領域信号に変換するステップと、前記機械の前記シャーシの部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムをスペクトル領域信号から識別するステップと、前記シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて前記部品の摩耗量を予測するステップと、前記部品の摩耗量に基づいてアクションを実行させるステップと、を含む。
【0008】
システムであって、前記機械の振動の測定を識別する前記機械振動データを受信し、前記機械の振動は、前記機械の前記シャーシの前記部品の動きによって引き起こされる第1振動と、前記第1振動とは独立した第2振動との組み合わせによって引き起こされ、前記機械振動データ中の第1振動に対応するセグメントを識別し、高速フーリエ変換を使用して、前記セグメントを周波数領域の信号に変換し、前記信号を分析して、前記部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムを識別し、前記シグネチャスペクトラムに基づいて部品の摩耗量を予測し、前記部品の摩耗量に基づいてアクションを実行させるように構成される装置を含む。
【0009】
前記装置は、1つ以上のメモリと、前記機械の振動の測定を識別する前記機械振動データを受信し、前記機械の振動は、前記機械の前記シャーシの前記部品の動きによって引き起こされる第1振動と、前記第1振動とは独立した第2振動との組み合わせによって引き起こされ、前記機械振動データ中の第1振動に対応するセグメントを識別し、高速フーリエ変換を使用して、前記セグメントを周波数領域の信号に変換し、前記信号を分析して、前記部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムを識別し、前記シグネチャスペクトラムに基づいて部品の摩耗量を予測し、前記部品の摩耗量に基づいてアクションを実行させるように構成される1つ以上のプロセッサと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書に記載の例示的な実装形態の図である。
図2】本明細書に記載の例の図である。
図3】機械学習モデルを用いたシャーシ摩耗予測に関連する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、機械の機械振動データに基づいて機械のシャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測する装置に関する。「機械」という用語は、例えば、採掘、建設、農業、輸送、又は他の産業のような産業に関連する操作を実行する任意の機械を意味することができる。さらに、1つ以上の工具を機械に接続することができる。
【0012】
図1は、本明細書に記載された例示的な実装形態100の図である。図1に示すように、例示的な実装形態100は、機械105と摩耗検出装置190とを含む。機械105は、ドーザなどの土木機械として具体化される。代替的に、機械105は、掘削機のような別のタイプのトラック式機械であってもよい。
【0013】
図1に示すように、機械105は、エンジン110と、センサシステム120と、オペレータキャビン130と、オペレータコントロール135と、コントローラ140と、リア取り付け部150と、フロント取り付け部160と、地面係合部材170とを含む。
【0014】
エンジン110は、圧縮点火エンジン、火花点火エンジン、レーザ点火エンジン、プラズマ点火エンジン、及び/又は内燃機関を含むことができる。エンジン110は、機械105及び/又は機械105に関連する負荷のセット(例えば、電力を吸収し、及び/又は電力を使用して操作する部品)に動力を供給する。例えば、エンジン110は、1つ以上の制御システム(例えば、コントローラ140)、センサシステム120、オペレータキャビン130、及び/又は地面係合部材170に動力を供給することができる。
【0015】
エンジン110は、採鉱、建設、農業、輸送、又はその他の産業で使用される機械105の工具に動力を供給することができる。例えば、エンジン110は、機械105のリア取り付け部150及び/又はフロント取り付け部160の制御を容易にするために、部品(例えば、1つ以上の油圧ポンプ、1つ以上のアクチュエータ、及び/又は1つ以上の電動モータ)に動力を提供することができる。
【0016】
センサシステム120は、機械105のシャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測するために使用することができる信号を生成することができるセンサ装置を含むことができる(以下により詳細に説明する)。センサシステム120のセンサ装置のタイプについて、図2に関連して以下でより詳細に説明する。
【0017】
オペレータキャビン130は、一体型ディスプレイ(図示せず)とオペレータコントロール135とを含む。オペレータコントロールは、機械105のアクションを制御するための1つ以上の入力部品(例えば、一体型ジョイスティック、ボタン、制御レバー、及び/又はステアリングホイール)を含むことができる。例えば、オペレータコントロール135は、機械105の1つ以上の工具(例えば、リア取り付け部150及び/又はフロント取り付け部160)のアクションを制御し、及び/又は地面係合部材170のアクションを制御するために使用され得る。
【0018】
自律型機械の場合、オペレータコントロールは、オペレータが使用するように設計されるのではなく、オペレータから独立して動作するように設計され得る。この場合、例えば、オペレータコントロールは、オペレータ入力なしに他の部品によって使用される入力信号を提供する1つ以上の入力部品を含むことができる。
【0019】
コントローラ140(例えば、電子制御モジュール(ECM))は、機械105のアクションを制御及び/又は監視することができる。例えば、コントローラ140は、オペレータコントロール135からの信号、センサシステム120からの信号、及び/又は摩耗検出装置190からの信号に基づいて、機械105のアクションを制御及び/又は監視することができる。コントローラ140は、以下により詳細に説明するように、センサシステム120、オペレータコントロール135、及び/又は摩耗検出装置190からの信号に基づいて、シャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。
【0020】
リア取り付け部150は、リッパーアセンブリ、ウインチアセンブリ、及び/又は牽引バーアセンブリを含むことができる。フロント取り付け部160は、ブレードアセンブリを含むことができる。地面係合部材170は、機械105を推進するように構成されていてもよい。地面係合部材170は、機械105を推進するための車輪、トラック、ローラ、及び/又は同様の部品を含むことができる。地面係合部材170は、(図1に示すように)トラックを含むシャーシを含むことができる。トラックは、トラックリンクを含むことができる。トラックリンクは、トラックリンクブッシング及びトラックリンクピンを含むことができる。一例として、トラックは、第1トラックリンク172及び第2トラックリンク174を含むことができる。第1トラックリンク172は、第1トラックリンクブッシング176と第1トラックリンクピン178とを含む。第2トラックリンク174は、第2トラックリンクピン180を含む。
【0021】
スプロケット182は、1つ以上のセクション184(本明細書では、単に「セクション184」と称し、総称して「セクション184」と称する)を含むことができる。スプロケット182は、地面係合部材170に係合して地面係合部材170を駆動するように構成され得る。例えば、セグメント184は、トラックリンクブッシング(例えば、地面係合部材170のトラック)に係合し、トラックが機械105を推進するように回転するように構成することができる。いくつかの例では、1つ以上のアイドラ186は、機械105を前進させるためにトラックが回転するときにトラックを案内することができる。
【0022】
摩耗検出装置190は、シャーシの1つ以上の部品(例えば、1つ以上のトラック、1つ以上のトラックリンク例えば、第1トラックリンク172及び/又は第2トラックリンク174、1つ以上のトラックブッシング例えば、第1トラックリンクブッシング176、1つ以上のトラックリンクピン例えば、第1トラックリンクピン178及び/又は第2トラックリンクピン180、1つ以上のスプロケット182、1つ以上のセグメント184、及び/又は1つ以上のアイドラ186)の摩耗量を予測することができる1つ以上の装置を含むことができる。摩耗検出装置190は、摩耗量に基づいて、1つ以上の部品の余寿命を予測することができる。
【0023】
いくつかの例では、摩耗検出装置190は、1つ以上の部品の摩耗率を予測し、摩耗率に基づいて摩耗量を予測することができる。摩耗検出装置190は、以下により詳細に説明するように、機械学習モデルを使用して、1つ以上の部品の摩耗率及び/又は摩耗量を予測することができる。摩耗検出装置190は、機械105内に(例えば、コントローラ140の一部として)配置されてもよく、機械105の外部に配置されてもよく、機械105内に部分的に配置されてもよく、機械105の外部に部分的に配置されてもよい。
【0024】
上述したように、図1を一例として提供する。他の例は、図1を参照して説明した例とは異なる場合がある。
【0025】
図2は、本明細書に記載された例示的なシステム200の図である。図2に示すように、システム200は、センサシステム120と、オペレータコントロール135と、摩耗検出装置190と、測定装置210とを含む。摩耗検出装置190及び/又は測定装置210は、現場管理システム(例えば、機械105に関連する作業現場)の一部であってもよい。代替的に、摩耗検出装置190及び/又は測定装置210は、バックオフィスシステムの一部であってもよく、機械105の一部であってもよい。
【0026】
摩耗検出装置190及び/又は測定装置210は、同じ装置に含まれていてもよい。代替的に、摩耗検出装置190及び/又は測定装置210は、別個の装置であってもよい。
【0027】
センサシステム120は、シャーシの1つ以上の部品の摩耗量に関連するセンサデータを生成するセンサ装置を含むことができる。1つ以上の部品は、1つ以上のトラック、1つ以上のトラックリンク例えば第1トラックリンク172及び/又は第2トラックリンク174、1つ以上のトラックリンクブッシング例えば第1トラックリンクブッシング176、1つ以上のトラックリンクピン例えば第1トラックリンクピン178及び/又は第2トラックリンクピン180、1つ以上のスプロケット182、1つ以上のセクション184、及び/又は1つ以上のアイドラ186を含むことができる。センサデータは、1つ以上の部品の摩耗量を予測するために(例えば、摩耗検出装置190によって)使用されてもよい。センサデータは、センサデータが生成された時刻及び/又は日付を識別する情報を含むことができる。
【0028】
センサシステム120は、以下により詳細に説明されるように、1つ以上の部品の摩耗量を予測するためのセンサデータを提供することができる。例えば、センサシステム120は、定期的に(例えば、1時間毎、時間間隔毎、及び/又は作業シフト毎に)摩耗検出装置190にセンサデータを提供することができる。追加的に又は代替的に、センサシステム120は、トリガイベント(例えば、摩耗検出装置190からの要求、コントローラ140からの要求、及び/又は、機械105のオペレータからの要求(例えば、一体型ディスプレイ及び/又はオペレータコントロールを介して)に基づいて、センサデータを摩耗検出装置190に提供することができる。
【0029】
センサ装置は、振動センサ装置、動きセンサ装置、及び/又は1つ以上の部品の摩耗量を予測するために使用され得るセンサデータを提供する他のセンサ装置を含むことができる。振動センサ装置は、機械105の振動を感知し、その振動に基づいて機械振動データを生成する1つ以上の装置を含むことができる。一例として、振動センサ装置は、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。機械振動データは、機械105の一定期間の振動測定を示すことができる。
【0030】
動きセンサ装置は、機械105に関連する速度(例えば、エンジン110のエンジン速度及び/又はシャーシのトラック速度)を感知し、機械105に関連する速度を識別する速度データを生成する1つ以上の装置を含むことができる。いくつかの実装形態では、動きセンサ装置は、機械105の加速度をさらに感知し、機械105の加速度を識別する加速度データを生成してもよい。動きセンサ装置は、機械105の進行方向を感知し、機械105の進行方向を識別する方向データを生成することもできる。動きセンサ装置は、加速度計、回転速度計、速度計、及び/又はIMUを含むことができる。
【0031】
オペレータコントロール135は、機械105のアクションを制御するためのオペレータ制御データを生成することができる1つ以上の装置を含むことができる。例えば、オペレータコントロール135は、機械105の1つ以上の工具(例えば、リア取り付け部150及び/又はフロント取り付け部160)のアクションを制御し、及び/又は地面係合部材170のアクションを制御するために使用され得る。
【0032】
オペレータ制御データは、1つ以上の工具を制御するための指令を識別する工具指令データ、機械105のステアリング指令を識別するステアリング指令データ、及び/又は機械105のギア設定を識別するギア設定データを含むことができる。オペレータコントロール135は、定期的に、及び/又はトリガイベントに基づいて、オペレータ制御データを(例えば、摩耗検出装置190に)提供することができる。
【0033】
いくつかの例では、オペレータ制御データ及び/又はセンサデータは、工具データを形成することができる。シャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測する際に、以下により詳細に説明されるように、摩耗検出装置190は、工具データを使用して、1つ以上の工具が地面に係合しているか否か(従って機械105が振動しているか否か)を決定することができる。
【0034】
摩耗検出装置190は、以下により詳細に説明されるように、シャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測するように構成された1つ以上の装置(例えば、サーバ装置又はサーバ装置のセット)を含むことができる。摩耗検出装置190は、1つ以上のプロセッサ220(本明細書では「プロセッサ220」と別称され、「プロセッサ220」と総称される)及び1つ以上のメモリ230(本明細書では「メモリ230」と別称され、「メモリ230」と総称される)を含むことができる。
【0035】
プロセッサ220は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ220は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、加速処理ユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他のタイプの処理部品を含む。プロセッサ220は、機能を実行するようにプログラムすることができる。
【0036】
メモリ230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、及び/又は、機能を実行するためにプロセッサ220によって使用される情報及び/又は命令を格納する他のタイプの動的又は静的記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、及び/又は光メモリ)を含む。例えば、この機能が実行されると、摩耗検出装置190は、センサデータ(例えば、センサシステム120から)、オペレータ制御データ(例えば、オペレータコントロール135から)、及び/又は、過去の摩耗データ(例えば、測定装置210から)を取得することができ、センサデータ、オペレータ制御データ及び/又は過去の摩耗データに基づいて、1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、摩耗検出装置190は、クラウドコンピューティング環境の1つ以上のコンピューティングリソースによって実装されてもよい。摩耗検出装置190は、例えば、クラウドコンピューティング環境にホスティングされていてもよい。代替的に、摩耗検出装置190は、非クラウドベースであってもよく、部分的にクラウドベースであってもよい。
【0038】
測定装置210は、過去の部品の摩耗量に関する過去の摩耗データを提供することができる1つ以上の装置を含むことができる。過去の部品は、シャーシの1つ以上の部品(例えば、類似又は同一のタイプの部品、類似又は同一の仕様、及び/又は実行される類似又は同一の機能)と類似又は同一であってもよい。過去の摩耗データは、過去の部品の動きによって引き起こされる振動の振動データと、振動データに対応する過去の部品の摩耗量とを含むことができる。例えば、過去の摩耗データは、過去の部品の第1摩耗量に関連する第1振動データ、過去の部品の第2摩耗量に関連する第2振動データ等を含むことができる。一例として、過去の摩耗データは、上記の情報を含むデータ構造を含むことができる。
【0039】
過去の摩耗データは、過去の部品の測定値(例えば、過去の検査に関連する手動測定値)に基づいて得られた情報を含むことができる。例えば、過去の部品の摩耗量は、過去の部品の測定値に基づいて決定することができる。摩耗検出装置190は、以下により詳細に説明されるように、過去の摩耗データを使用して、シャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。測定装置210は、定期的に、及び/又はトリガイベントに基づいて、過去の摩耗データを(例えば、摩耗検出装置190に)提供することができる。
【0040】
図2に示すように、摩耗検出装置190は、センサシステム120からセンサデータを受信し、オペレータコントロール135からオペレータ制御データを受信し、及び/又は測定装置210から過去の摩耗データを受信してもよい。センサデータは、振動センサ装置から受信した機械振動データを含むことができる。機械振動データは、機械105の一定期間の振動測定を示すことができる。
【0041】
機械105の振動は、1つ以上の部品の動きによって引き起こされる第1振動(例えば、機械105の動きを引き起こす1つ以上の部品の周期的な動き)と、第1振動とは独立した第2振動との組み合わせを含むことができる。第2振動は、機械105の1つ以上の工具(例えば、フロント取り付け部150及び/又はリア取り付け部150)が地面(例えば、機械105が走行する地面)に係合することによって引き起こされ得る。第2振動は、エンジン110のような機械105の1つ以上の他の部品によって引き起こされ得る。
【0042】
摩耗検出装置190は、機械振動データを分析して、第1振動に対応する機械振動データの第1部分を識別し、第2振動に対応する機械振動データの第2部分を識別することができる。例えば、摩耗検出装置190は、機械105の1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを示す工具データを使用して機械振動データを分析することができる。
【0043】
摩耗検出装置190は、機械105の1つ以上の工具が接地面に係合していないことを示す工具データに基づいて、機械振動データの第1部分を識別することができる。摩耗検出装置190は、機械105の1つ以上の工具が地面に係合していることを示す工具データに基づいて機械振動データの第2部分を識別することができる。摩耗検出装置190は、機械振動データの第2部分を考慮しなくてもよい。
【0044】
工具データは、ある期間中に生成された速度データ、加速度データ、及び/又は方向データ(例えば、センサデータに含まれる)を含むことができ、及び/又は、ある期間中に生成された工具指令データ、ステアリング指令データ、及び/又はギア設定データ(例えば、オペレータ制御データに含まれる)を含むことができる。工具データは、第1振動に対応する(機械振動データに関連する期間の)1つ以上の第1時間部分を識別する情報と、第2振動に対応する(前記期間の)1つ以上の第2時間部分を識別する情報とを含むことができる。
【0045】
例えば、1つ以上の第1時間部分は、1つ以上の工具が機械105を振動させていないとき(例えば、1つ以上の工具が地面に係合していないため)に対応することができる。1つ以上の第2時間部分は、1つ以上の工具が機械105を振動させるとき(例えば、1つ以上の工具が地面に係合しているため)に対応することができる。
【0046】
摩耗検出装置190は、機械速度データ、加速度データ及び/又は方向データに基づいて、1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを判定することができる。例えば、機械速度データが、速度(機械105に関連する)が一定であることを示す場合、加速度データが、機械105の加速度が一定であることを示す場合、及び/又は方向データが機械105が前進していることを示す場合、摩耗検出装置190は、1つ以上の工具が接地面(例えば、第1振動)に係合していないと判定することができる。
【0047】
代替的に、機械速度データが速度が可変であることを示す場合(例えば、機械105が1つ以上の工具を使用して材料を移動することに関連するタスクを実行しているため)、機械速度データが速度が閾値速度(例えば、1つ以上の工具を使用して材料を移動することに関連する速度)を満たすことを示す場合、加速度データが機械105の加速度が可変であることを示す場合、及び/又は方向データが機械105が後退していることを示す場合、摩耗検出装置190は、1つ以上の工具が地面に係合している(例えば、第2振動)と判定することができる。
【0048】
いくつかの例では、摩耗検出装置190は、工具指令データ、ステアリング指令データ、及び/又はギア設定データに基づいて、1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを判定してもよい。例えば、工具指令データが、機械105のオペレータが1つ以上の工具を使用する指令を発行していないことを示し、ステアリング指令データが、オペレータが1つ以上の工具の使用に関連するステアリング指令を発行していないことを示し、及び/又はギア設定データが、機械105が1つ以上の工具の使用に関しないギア位置にあることを示している場合、摩耗検出装置190は、1つ以上の工具が接地面に係合していないと判定することができる。
【0049】
代替的に、工具指令データが、オペレータが1つ以上の工具を使用する指令を発行したことを示し、ステアリング指令データが、オペレータが1つ以上の工具の使用に関連するステアリング指令を発行したことを示し、及び/又はギア設定データが、機械105が1つ以上の工具の使用に関連するギア位置にあることを示す場合、摩耗検出装置190は、1つ以上の工具が地面に係合していると判定することができる。
【0050】
摩耗検出装置190は、第1振動に対応する期間(機械振動データについて)の1つ以上の第1時間部分を識別する情報と、第2振動に対応する期間の1つ以上の第2時間部分を識別する情報(例えば、工具データに含まれる)とに基づいて、第1振動を第2振動から分離するために、機械振動データを工具データと組み合わせて分析することができる。場合によっては、摩耗検出装置190は、特定期間の1つ以上の第1時間部分の情報と、特定期間の1つ以上の第2時間部分の情報とに基づいて、機械振動データのセグメントを時間領域信号として識別することができる。
【0051】
一例として、摩耗検出装置190は、特定期間の1つ以上の第1時間部分を識別する情報と特定期間の1つ以上の第2時間部分を識別する情報とに基づいて、機械振動データを時間領域信号に分割することができる。時間領域信号は、機械振動データの第1部分(又は第1セグメント)に対応する第1時間領域信号と、機械振動データの第2部分(又は第2セグメント)に対応する第2時間領域信号とを含むことができる。摩耗検出装置190は、第1振動に対応する機械振動データの第1部分(又は第1部分)を識別して焦点を合わせることができ、第2振動に対応する機械振動データの第2部分(又は第2部分)を識別して破棄することができる。
【0052】
いくつかの実装形態では、第1時間領域信号は、1つ以上の部品の動き(例えば、第1振動)に対応する第1時間領域部分と、機械105の位置における地形条件に関連するランダムノイズに対応する時間領域信号の第2時間領域部分とを含むことができる。一例として、ランダムノイズは、機械105が平坦でない地面を走行すること、機械105が窪みの上を走行すること、機械105が地面の岩石に衝突すること、及び/又は機械105の動きに影響を与える他の事象によって引き起こされ得る。
【0053】
摩耗検出装置190は、第1時間領域信号の第1時間領域部分を増幅(又は最大化)し、第1時間領域信号の第2時間領域部分を減少(又は最小化)するために、第1時間領域信号をスペクトル領域信号に変換することができる。いくつかの例では、摩耗検出装置190は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、第1時間領域信号の変換を実行することができる。代替的に、摩耗検出装置190は、第1時間領域信号のパワースペクトル密度(PSD)を決定(又は計算)することにより、第1時間領域信号の変換を行うことができる。PSDは、FFTを使用して決定することができる。
【0054】
摩耗検出装置190は、PSDに関連する周波数分解能が、FFTを用いた変換に関連する周波数分解能を超えるので、PSDを決定することができる。例えば、PSDは、第1時間領域部分と第2時間領域部分との間のコントラストを、FFTによってイネーブルされる第1時間領域部分と第2時間領域部分との間のコントラストよりも高くすることができる。
【0055】
摩耗検出装置190は、スペクトル領域信号を分析して、1つ以上の部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムを識別することができる。例えば、摩耗検出装置190は、スペクトル領域信号を分析して、第1時間領域部分に関連するスペクトラムシグネチャを識別することができる。摩耗検出装置190は、パワースペクトル密度のうち第1時間領域部分に対応する部分のシグネチャスペクトラムを識別することができる。
【0056】
摩耗検出装置190は、シグネチャスペクトラムの振幅(例えば、シグネチャスペクトラムの一部の振幅)に基づいて、1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。一例として、摩耗検出装置190は、シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて、また、過去の摩耗データに基づいて、1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。上述したように、過去の摩耗データは、過去の部品の第1摩耗量に関連する第1振動データ、過去の部品の第2摩耗量に関連する第2振動データ等を含むことができる。
【0057】
第1振動データは、過去の部品の動きによって引き起こされる振動に関連する第1シグネチャスペクトラムを識別する情報(例えば、過去の部品の摩耗量が第1摩耗量である場合)と、第1シグネチャスペクトラムの振幅を識別する情報とを含むことができる。第2振動データは、過去の部品の動きによって引き起こされる振動に関連する第2シグネチャスペクトラムを識別する情報(例えば、過去の部品の摩耗量が第2摩耗量である場合)と、第2シグネチャスペクトラムの振幅を識別する情報とを含むことができる。
【0058】
摩耗検出装置190は、シグネチャスペクトラムの振幅に対応する特定の振動データ(例えば、特定のシグネチャスペクトラムの特定の振幅)を識別するために、過去の摩耗データを分析することにより、1つ以上の部品の摩耗量を予測することができる。一例として、摩耗検出装置190は、シグネチャの振幅が第2シグネチャスペクトラムの振幅に対応すると判定したと仮定する。この場合、摩耗検出装置190は、1つ以上の部品の摩耗量が、過去の部品の第2摩耗量に相当すると予測することができる。
【0059】
1つ以上の部品の摩耗量を予測することに加えて、代替として、摩耗検出装置190は、1つ以上の部品の摩耗率を予測することができ、及び/又は、1つ以上の部品が交換及び/又は修理される日時を予測することができる。1つ以上の部品の予測摩耗率、1つ以上の部品の予測摩耗量、及び/又は予測日時は、以下では、「予測部品摩耗情報」と呼ばれることがある。
【0060】
いくつかの実装形態では、摩耗検出装置190は、機械学習モデルを使用して、予測された部品摩耗情報を決定することができる。例えば、摩耗検出装置190は、センサデータ及び/又はオペレータ制御データを機械学習モデルに入力してもよく、機械学習モデルは、予測された部品摩耗情報を出力してもよい。摩耗検出装置190は、機械105に関連する、及び/又は機械105に類似する1つ以上の他の機械に関連する過去のデータを使用して機械学習モデルを訓練することができる。1つ以上の機械は、機械105に類似した部品、類似した寸法、及び/又は類似した用途を含むことができる。
【0061】
類似した部品は、類似した地面係合部材170、類似したトラック、類似したトラックリンク、例えば第1トラックリンク172及び/又は第2トラックリンク174、類似したトラックリンクブッシング、例えば第1トラックリンクブッシング176、類似したトラックリンクピン、例えば第1トラックリンクピン178及び/又は第2トラックリンクピン180、類似したスプロケット182、類似したセグメント184、及び/又は類似したアイドラ186を含むことができる。過去のデータは、過去のセンサデータ、過去のオペレータ制御データ、及び/又は過去の摩耗データを含むことができる。過去のセンサデータは、センサシステム120から受信したセンサデータを含むことができ、過去のオペレータ制御データは、オペレータコントロール135から受信したオペレータ制御データを含むことができ、及び/又は過去の摩耗データは、測定装置210から受信した過去の摩耗データを含むことができる。
【0062】
摩耗検出装置190は、機械学習モデルを訓練する際に、訓練データを訓練セット(例えば、機械学習モデルを訓練するためのデータセット)、検証セット(例えば、機械学習モデルのフィッティングを評価するためのデータセット及び/又は機械学習モデルを微調整するためのデータセット)、テストセット(例えば、機械学習モデルの最終的なフィッティングを評価するためのデータセット)、及び/又は類似のものに分けることができる。摩耗検出装置190は、訓練データを最小の特徴セットに減らすために、次元削減を前処理及び/又は実行することができる。摩耗検出装置190は、この最小特徴セット上で機械学習モデルを訓練することができるので、機械学習モデルを訓練するための処理を削減することができ、分類技術を最小特徴セットに適用することができる。
【0063】
摩耗検出装置190は、論理回帰分類技術、ランダムフォレスト分類技術、勾配ブースティング機械学習(GBM)技術、及び/又は類似の技術などの分類技術を使用して、分類結果(例えば、1つ以上の部品の摩耗量)を決定することができる。摩耗検出装置190は、分類技術の使用に加えて、又は分類技術の使用に代わるものとして、ナイーブベイズ分類器技術を使用することができる。この場合、摩耗検出装置190は、二分再帰的分割を実行して、最小特徴セットの訓練データを領域及び/又は分岐に分割し、予測(例えば、1つ以上の部品の摩耗率及び/又は摩耗量)を実行するためにパーティション及び/又は分岐を使用することができる。再帰的分割の使用に基づいて、摩耗検出装置190は、データ項目の手動線形分類及び分析に関する計算リソースの使用を低減し、数千、数百万、又は数十億のデータ項目を使用してモデルを訓練することを可能にし、少ないデータ項目を使用するよりも正確なモデルをもたらすことができる。
【0064】
摩耗検出装置190は、対象分野の専門家(例えば、機械105及び/又は1つ以上の機械に関連する1つ以上のオペレータ)から機械学習モデルへの入力を受信することを含む教師付き訓練プロセスを使用して機械学習モデルを訓練することができ、これは、教師なし訓練プロセスに比べて、機械学習モデルを訓練するための時間量、処理リソース量及び/又は類似の量を削減することができる。摩耗検出装置190は、ニューラルネットワーク技術、潜在的セマンティックインデクシング技術、及び/又は類似の技術のような、1つ以上の他のモデル訓練技術を使用することができる。
【0065】
例えば、摩耗検出装置190は、(例えば、2層フィードフォワードニューラルネットワークアーキテクチャ、3層フィードフォワードニューラルネットワークアーキテクチャなどを使用して)人工ニューラルネットワーク処理技術を実行して、1つ以上の部品の異なる摩耗量のパターンに対してパターン認識を実行することができる。この場合、人工ニューラルネットワーク処理技術を使用することにより、ノイズ、不正確又は不完全なデータに対してよりロバストであり、かつ、摩耗検出装置190が人間のアナリスト又はシステムによって又はあまり複雑でない技術によって検出できないパターン及び/又は傾向を検出できるようにすることにより、摩耗検出装置190によって生成される機械学習モデルの精度を向上させることができる。
【0066】
訓練後、機械学習モデルを使用して、予測された部品摩耗情報を決定(又は予測)することができる。換言すれば、摩耗検出装置190は、機械学習モデルを訓練した後に機械105からセンサデータ及び/又はオペレータ制御データを受信し、受信したセンサデータ及び/又はオペレータ制御データを機械学習モデルに入力し、機械学習モデルは、1つ以上の部品の摩耗率及び/又は摩耗量に関するデータを出力することができる。機械学習モデルの出力は、予測された部品摩耗情報のスコアを含むことができる。予測された部品摩耗情報の場合、スコアは、予測された部品摩耗情報の信頼性の尺度を表すことができる。
【0067】
サーバ装置などの様々な装置が、機械学習モデルを生成し、訓練することができる。異なる装置は、摩耗検出装置190で使用するために機械学習モデルを提供することができる。異なる装置は、(例えば、スケジューリングベース、オンデマンドベース、トリガベース、周期ベース、及び/又は類似に)機械学習モデルを更新し、機械学習モデルを摩耗検出装置190に提供することができる。いくつかの例では、摩耗検出装置190は、追加の訓練データ(例えば、追加の過去のセンサデータ、追加の過去のオペレータ制御データ、及び/又は追加の過去の摩耗データ)を受信し、機械学習モデルを再訓練することができる。代替的に、摩耗検出装置190は、機械学習モデルを訓練するために、別の装置に追加の訓練データを提供することができる。機械学習モデルは、周期的に及び/又はトリガイベントに基づいて再訓練されてもよい。
【0068】
いくつかの実装形態では、摩耗検出装置190は、コントローラ140が予測された部品摩耗情報を決定することを可能にするために、機械学習モデルをコントローラ140に提供することができる。代替的に、摩耗検出装置190は、予測された部品摩耗情報を決定するための要求をコントローラ140から受信してもよい。要求は、機械105のセンサデータを含むことができる。
【0069】
摩耗検出装置190(及び/又はコントローラ140)は、予測された部品摩耗情報に基づいてアクションを実行することができる。例えば、アクションは、摩耗検出装置190が1つ以上の部品の予測摩耗量に基づいて(例えば、予測摩耗量が閾値摩耗量を満たす場合に)機械105のアクションを調整することを含むことができる。例えば、摩耗検出装置190は、機械105の速度の変化、機械105の加速度の変化、機械105の進行方向の変化、工具指令の変化、ステアリング指令の変化、ギア設定の変化、及び/又は1つ以上の部品の摩耗率を低下させ、1つ以上の部品を修理又は交換しなければならないまでの時間を延長することができる他のアクションを引き起こすことができる。
【0070】
摩耗検出装置190は、1つ以上の部品の寿命を延ばすために、機械105を異なる作業場所にナビゲートし、異なる作業場所で1つ以上のタスクを実行させることを含むことができる。例えば、異なる作業場所は、機械105が現在位置している作業場所に関連する(1つ以上の部品の)摩耗率よりも小さい(1つ以上の部品の)摩耗率に関連してもよい。追加的に又は代替的に、摩耗検出装置190は、1つ以上の部品の寿命を延ばすために、機械105に異なるタスクを実行させることができる。例えば、異なるタスクは、機械105が現在実行しているタスクに関連する(1つ以上の部品の)摩耗率よりも小さい(1つ以上の部品の)摩耗率に関連することができる。
【0071】
このアクションは、摩耗検出装置190が、複数の機械(例えば、機械105を含む)の部品の摩耗量を監視する1つ以上の装置に摩耗情報を送信することを含むことができる。いくつかの例では、摩耗検出装置190は、(1つ以上の部品の)摩耗量が閾値摩耗量を満たす場合に、摩耗情報を送信することができる。摩耗情報は、1つ以上の部品の摩耗量、1つ以上の部品の摩耗率、1つ以上の部品の摩耗量、及び/又は1つ以上の部品の修理及び/又は交換に関連する提案を示すことができる。1つ以上の装置は、場所管理システムの装置、バックオフィスシステムの装置、機械105のオペレータに関連する装置、技術者に関連する装置、及び/又はコントローラ140を含むことができる。
【0072】
摩耗検出装置190は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置が1つ以上の交換部品を注文させるようにしてもよい。場合によっては、摩耗情報は、1つ以上の部品及び/又は1つ以上の交換部品を識別する情報を含むことができる。
【0073】
摩耗検出装置190は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置(例えば、コントローラ140)に機械105を修理施設に自律的にナビゲートさせることができる。追加的に又は代替的に、摩耗検出装置190は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置が、1つ以上の部品を検査及び/又は修理するために、技術者のカレンダをカレンダイベントで埋められるようにしてもよい。追加的に又は代替的に、摩耗検出装置190は、1つ又は複数の装置(例えば、コントローラ140)に警報をアクティブにさせるために摩耗情報を送信してもよい。警報は、1つ以上の部品を修理又は交換することを示唆する可能性がある。
【0074】
場合によっては、磨耗検出装置190は、磨耗情報を送信して、1つ又は複数の装置に1つ又は複数の部品を修理及び/又は交換するためのサービス要求を生成させることができる。サービス要求を生成することの一部として、1つ又は複数の装置は、本明細書で説明される1つ又は複数のアクションを実行することができる。
【0075】
いくつかの例では、アクションは、磨耗検出装置190により、第1自律装置が機械105に関連する位置に1つ又は複数の交換部品を送達するようにすることを含みうる。この位置は、機械105の現在の位置、機械105が複数のタスクを実行する作業場所の位置、機械105がタスクを実行していないときに機械105が配置されている位置、及び/又は機械105が修理及び/又は交換中であるときに機械105が配置されている位置を含むことができる。いくつかの例では、摩耗情報は、機械105に関連する位置を識別する情報を含むことができる。
【0076】
いくつかの例では、アクションは、摩耗検出装置190が、予測された部品摩耗情報を検証するように、機械105に関連する位置に第2自律装置をナビゲートさせることを含むことができる。第2自律装置は、部品摩耗情報の検証に基づいて検証情報を生成し、検証情報を摩耗検出装置190に送信することができる。摩耗検出装置190は、検証情報を用いて機械学習モデルを再訓練することができる。
【0077】
いくつかの例では、摩耗検出装置190は、(例えば、予測された部品摩耗情報に基づいて)1つ以上の部品の故障が間もなく発生するか否かを判定することができる。摩耗検出装置190が、故障が発生しようとしていると判断した場合、摩耗検出装置190は、上述したアクションのうちの1つ以上を実行することができる。摩耗検出装置190は、故障が差し迫っていないと判断した場合、アクションを行わないようにしてもよい。
【0078】
図2に示す装置及びネットワークの数及び配置を一例として提供する。実際には、図2に示されるものと比較して、追加の装置、より少ない装置、異なる装置、又は異なる配置の装置が存在することができる。さらに、図2に示す2つ以上の装置は、単一の装置内で実装されてもよく、又は、図2に示す単一の装置は、複数の分散装置として実装されてもよい。追加的に又は代替的に、システム200の装置のセット(例えば、1つ以上の装置)は、システム200の別の装置のセットが実行するものとして説明された1つ以上の機能を実行することができる。
【0079】
図3は、機械振動データに基づくシャーシの摩耗予測に関連する例示的なプロセス300のフローチャートである。図3の1つ以上の処理ブロックは、装置(例えば、摩耗検出装置190)によって実行することができる。図3の1つ以上の処理ブロックは、別の装置によって、又はコントローラ(例えば、コントローラ140)のような、装置から分離された、又は装置を含む装置のセットによって実行することができる。
【0080】
図3に示すように、プロセス300は、機械の一定期間の振動測定値を識別する機械振動データを受信することを含み得る(ブロック310)。例えば、上述したように、装置は、機械の一定期間の振動測定を識別する機械振動データを受信することができる。
【0081】
一例として、機械振動データを受信することは、機械の1つ以上の第1センサ装置から機械振動データを受信することを含むことができる。工具データを受信することは、1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを示すセンサデータを機械の1つ以上の第2センサ装置から受信すること、又は1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを示すオペレータ制御データを機械の1つ以上のオペレータ制御から受信することのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0082】
図3に示すように、プロセス300は、機械振動データを分割して、機械のシャーシに関連する振動に関する時間領域信号を含む時間領域信号を得ることを含み得る(ブロック320)。例えば、上述したように、装置は、機械振動データを分割して、機械のシャーシに関連する振動に関する時間領域信号を含む時間領域信号を得ることができる。
【0083】
一例として、機械振動は、部品の動きによって引き起こされることができ、機械の1つ以上の工具が地面に係合することによって引き起こされることができ、この方法は、時間内に1つ以上の工具が地面に係合しているか否かを示す工具データを受信することをさらに含む。機械振動データを分割することは、工具データに基づいて機械振動データを分割して時間領域信号を識別することを含む。
【0084】
時間領域信号は、第1時間領域信号とすることができる。時間領域信号は、機械のシャーシに関する振動とは独立した振動に関連する第2時間領域信号を含むことができる。
図3にさらに示すように、プロセス300は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して時間領域信号をスペクトル領域信号に変換することを含むことができる(ブロック330)。例えば、上述したように、装置は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、時間領域信号をスペクトル領域信号に変換することができる。
【0085】
時間領域信号をスペクトル領域信号に変換することにより、部品の動きに対応する時間領域信号の第1部分は、時間領域信号のパワースペクトル密度に基づいて増幅され、機械の位置における地形条件に関連するランダムノイズに対応する時間領域信号の第2部分は、時間領域信号のパワースペクトル密度に基づいて低減される。パワースペクトル密度は、FFTを使用して決定することができる。シグネチャスペクトラムは、時間領域信号の第1部分に対応するパワースペクトル密度の一部において識別することができる。
【0086】
図3に示すように、プロセス300は、機械のシャーシの部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムをスペクトル領域信号から識別することを含むことができる(ブロック340)。例えば、上述したように、装置は、機械のシャーシの部品の動きに関連するシグネチャスペクトラムをスペクトル領域信号から識別することができる。
【0087】
図3にさらに示すように、プロセス300は、シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて部品の摩耗量を予測することを含み得る(ブロック350)。例えば、上述したように、シグネチャスペクトラムの振幅に基づいて部品の摩耗量を予測することができる。
【0088】
部品の摩耗量を予測することは、シグネチャスペクトラムの振幅と部品に関連する過去の摩耗データとに基づいて部品の摩耗量を予測することを含むことができる。
【0089】
図3にさらに示すように、プロセス300は、部品の摩耗量に基づいてアクションを実行させることを含むことができる(ブロック360)。例えば、上述したように、部品の摩耗量に基づいてアクションを行うことができる。
【0090】
このアクションを実行することは、部品の修理を引き起こすこと、部品の交換を引き起こすこと、機械のアクションの調整を引き起こすこと、又は機械オペレータの装置にアラームを提供することのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0091】
図3はプロセス300のブロック例を示しているが、いくつかの実装形態では、プロセス300は、図3に示されたものよりも、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含んでもよい。追加的に又は代替的に、プロセス300の2つ以上のブロックを並列に実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、機械の機械振動に関連するセンサ装置からのセンサデータに基づいて、機械のシャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測する装置に関する。1つ以上の部品の摩耗量を予測するための装置は、機械のトラックの手動測定値(トラックの摩耗量を決定するための)及びトラックの摩耗量の不正確な予測に関連する問題を防止することができる。
【0093】
手動測定値を得る場合、トラックの手動測定値は、機械の移動を防止するための機械リソースを浪費する可能性がある。さらに、トラックの誤った手動測定値及び/又はトラック摩耗量の誤った予測は、トラック摩耗量の誤った手動測定値及び/又はトラック摩耗量の誤った予測に関連する問題(例えば、トラックの早期故障、トラックの早期修復及び/又はトラックの早期交換)を改善するための計算リソースを浪費する可能性がある。
【0094】
シャーシの1つ以上の部品の摩耗量を予測するための装置は、手動測定値及び摩耗量の不正確な予測に関する上記の問題を解決することができる。いくつかの利点は、開示されている装置に関連し得る。例えば、機械振動データに基づいて1つ以上の部品の摩耗量を予測することにより、機械のアクション中の中断を制限し、及び/又は機械の固定を制限して、機械が延長された期間(例えば、修理又はトラックの交換が必要になるまで)にわたってアクションを維持することを可能にすることができる。機械振動データに基づいて1つ以上の部品の摩耗量を予測することにより、トラックの修理又は交換が必要な場合に(トラックの早期修理又は交換とは対照的に)トラックの修理又は交換を可能にすることができる。
【0095】
機械振動データに基づいて1つ以上の部品の摩耗量を予測することにより、摩耗量の不正確な予測を低減することができる。トラックの摩耗量の不正確な予測を減少させることにより、この装置は、トラックが修理及び/又は交換される前にトラックが故障する可能性を減少させることができる。トラック摩耗量の不正確な予測を減少させることにより、装置は、正確でない手動測定値及びトラック摩耗量の不正確な予測に関連する問題(例えば、トラックの早期故障、トラックの早期修理、及び/又はトラックの早期交換)を改善するために本来使用される計算又は機械資源を保持することができる。
【0096】
上記の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は実施形態を開示された正確な形態に制限することを意図するものではない。上記の開示に基づいて修正や変更を行ってもよいし、実施形態の実践から修正や変更を得てもよい。さらに、1つ以上の実施形態を組み合わせることができない理由が上記の開示に明確に提供されていない限り、本明細書に記載されているいずれの実施形態を組み合わせることができる。特徴の特定の組み合わせは、請求項に記載され及び/又は明細書に開示されていても、これらの組み合わせは、種々の実施形態の開示を制限することを意図するものではない。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属することができるが、様々な実施形態の開示には、請求項セット内の全ての他の請求項と組み合わせる各従属請求項が含まれる。
本明細書に使用されるように、「一」、「1つ」及び「1セット」は、1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用されるように、冠詞「当該」は、冠詞「当該」と組み合わせて引用される1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。さらに、本明細書で使用される場合、「又は(or)」という用語は、一連で使用される場合、包括的であることを意図し、特に明記しない限り(例えば、「いずれの」又は「1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「及び/又は」と交換可能に使用され得る。

図1
図2
図3