(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】カートリッジレセプタクル、カートリッジシステム、飲料準備システムおよび飲料を準備するための方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20241203BHJP
A47J 31/40 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B67D1/04 Z
A47J31/40 107
A47J31/40 101
(21)【出願番号】P 2023541261
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2022050160
(87)【国際公開番号】W WO2022148785
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】102021200070.3
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521365451
【氏名又は名称】フリーツィオ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】FREEZIO AG
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エンプル,ギュンター
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-501087(JP,A)
【文献】米国特許第07658213(US,B1)
【文献】国際公開第2015/139062(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料物質で満たされ、密閉要素(19)で密閉された貯槽(17)を備えるカートリッジ(16)を用いて飲料を生成するためのカートリッジレセプタクル(1)であって、
前記カートリッジ(16)に接続するための接続領域(2)を有し、前記カートリッジ(16)を伴って飲料準備機械に挿入可能であり、
前記貯槽(17)と流体接続可能な混合チャンバ(3)と、
前記混合チャンバ(3)の中へ液体を導入するように前記混合チャンバ(3)の中に開く流体供給部(4)と、
前記貯槽(17)から前記飲料物質を少なくとも部分的に前記混合チャンバ(3)に移動するためのカートリッジ解放装置と、
前記混合チャンバ(3)から、飲料を飲料容器に放出するための飲料出口(5)と、を有するものにおいて、
前記混合チャンバ(3)において放出されたガスを放出するためのガス出口(6)を有し、前記ガス出口(6)の上部入口面が前記飲料出口(5)の上部入口面よりも高く配置されることを特徴とする、カートリッジレセプタクル。
【請求項2】
前記ガス出口(6)および/または前記飲料出口(5)が、チャネル形に構成されていること、および/または前記流体供給部(4)が、前記飲料準備機械の流体ラインと流体接続するように構成された流体供給開口であることを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項3】
前記ガス出口(6)が前記飲料出口(5)に対して平行に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項4】
前記ガス出口(6)が前記カートリッジレセプタクル(1)の中で中央に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項5】
前記飲料出口(5)の開口が前記ガス出口(6)の開口よりも大きく、前記飲料出口(5)が、前記ガス出口(6)よりも大きい断面を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項6】
前記カートリッジ解放装置が、圧縮空気接続部(9)と、前記圧縮空気接続部(9)から圧縮空気出口(10)まで延在する圧縮空気ライン(11)とを備え、前記圧縮空気出口(10)が、前記カートリッジの前記貯槽(17)の方向に突出し、前記圧縮空気接続部(9)が、前記貯槽(17)の中へ圧縮空気を導入するように構成され、前記カートリッジ解放装置が、前記飲料物質が前記圧縮空気によって前記貯槽(17)から前記混合チャンバ(3)に移動され得るように構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項7】
前記カートリッジ解放装置が、ピンガイド(8)と、前記ピンガイド(8)の内部で変位可能に装着された穿刺ピン(14)とを備え、前記穿刺ピン(14)が、前記穿刺ピン(14)が前記密閉要素から離れた後退位置と、前記穿刺ピン(14)が前記密閉要素を穿刺して前記貯槽(17)の中へ突出する突出位置との間で変位可能であ
ることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項8】
前記ガス出口(6)、前記飲料出口(5)および/または前記ピンガイド(8)が円形の断面を有することを特徴とする、請求項7に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項9】
前記ガス出口(6)が前記ピンガイド(8)および/または前記流体供給部(4)と前記飲料出口(5)との間に配置されていることを特徴とする、請求項7または8に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項10】
前記カートリッジレセプタクル(1)が、残排出口(7)を備え、前記残排出口(7)は、飲料準備の間の配向において、前記カートリッジレセプタクル(1)の最下のポイントに配置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項11】
前記飲料出口(5)が噴流成形要素(15)を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項12】
前記ガス出口(6)が、前記密閉要素からの最小間隔を保つための少なくとも1の間隔手段(12)を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項13】
前記流体供給部(4)に面する領域に、前記流体供給部(4)を通って前記混合チャンバ(3)の中に導かれる液体の層流を保証するための流れ成形要素(13)を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル。
【請求項14】
飲料を生成するために飲料準備機械に挿入可能なカートリッジシステムであって、
飲料物質で満たされる貯槽(17)を備えるカートリッジ(16)と、
前記カートリッジ(16)に接続された、請求項1から13のいずれか1項に記載のカートリッジレセプタクル(1)と、を有する、カートリッジシステムにおいて、
前記カートリッジレセプタクル(1)と前記カートリッジ(16)とが接続領域(2)において接続されており、前記カートリッジ(16)がカートリッジ開口を有し、前記カートリッジ開口が、縁部領域に前記密閉要素(19)を有し、前記密閉要素が、前記貯槽(17)を、前記カートリッジレセプタクル(1)に対して流体密封するやり方で密閉することを特徴とする、カートリッジシステム。
【請求項15】
前記密閉要素に面する前記ガス出口(6)の開口が、前記密閉要素に面する前記飲料出口(5)の開口よりも、前記密閉要素からの間隔が狭いことを特徴とする、請求項14に記載のカートリッジシステム。
【請求項16】
前記密閉要素に面する前記ガス出口(6)の前記開口と前記密閉要素との前記間隔が、0.1mm~1.0mmであることを特徴とする、請求項15に記載のカートリッジシステム。
【請求項17】
前記密閉要素に面する前記ガス出口(6)の前記開口と前記密閉要素との間隔が、前記密閉要素に面する前記飲料出口(5)の前記開口と前記密閉要素との前記間隔の5%~50%であることを特徴とする、請求項15または16に記載のカートリッジシステム。
【請求項18】
飲料準備機械および請求項14から17のいずれか1項に記載のカートリッジシステムを備える飲料準備システムであって、前記飲料準備機械が、前方に突出するように構成されかつ前記カートリッジシステムを挿入可能であるカートリッジホルダ(24)と、液体貯槽と、前記液体貯槽からの液体を調整するための液体調整システムと、前記カートリッジ解放装置を作動させるためのアクチュエータ要素(23)と、前記調整された液体を、前記流体供給部を通して前記混合チャンバ(3)に導入するために設けられた、前記カートリッジシステムに結合可能な流体供給システムと、前記液体調整システム、前記流体供給システム、および/または、前記アクチュエータ要素を制御するための制御装置と、を備える、飲料準備システム。
【請求項19】
前記飲料準備機械が、前記カートリッジホルダ(24)の中に前記カートリッジシステムを可逆的に固定するための係止手段を有し、前記係止手段がユーザによって作動され得ることを特徴とする、請求項18に記載の飲料準備システム。
【請求項20】
請求項18または19に記載の飲料準備システムを用いて飲料を準備するための方法であって、
- カートリッジ(16)およびカートリッジレセプタクル(1)から成るカートリッジシステムを前記カートリッジホルダ(24)に挿入するステップと、
- 前記流体供給システムと前記カートリッジレセプタクル(1)との間を流体接続するステップと、
- 前記カートリッジ解放装置を作動させるための前記アクチュエータ要素(23)を作動させることにより前記密閉
要素を穿刺するステップと、
- 飲料物質を、前記カートリッジ(16)の前記貯槽(17)から前記カートリッジレセプタクル(1)の前記混合チャンバ(3)に移動するステップと、
- 前記流体供給部(4)を通して前記カートリッジレセプタクル(1)の前記混合チャンバ(3)に液体を導入するステップと、
- 前記混合チャンバ(3)の中で前記飲料物質を前記液体と混合することによって生成された飲料を、前記飲料出口(5)を通して放出するステップと、
- 前記混合中に放出されたガスを、前記ガス出口(6)を通して放出するステップと、
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジレセプタクル、カートリッジシステム、飲料準備システム、および飲料を準備するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなシステムは、例えば、特許文献1~8などの従来技術から既知であり、事前に分量されたカートリッジから成る飲料を生成するために使用される。そのようなシステムを使用した飲料の生成は、カートリッジを飲料準備機械に挿入して開始手順を始めるだけでよいので、ユーザにとって非常に簡単である。ディスペンサとも称される飲料準備機械は、飲料の準備を全自動で管理する。すなわち、詳細には食料基材または飲料基材が、所定量の液体、特に冷たい炭酸水と混合されて飲料容器に放出される。このように、詳細には混合された飲料が、ユーザにとって有意により簡単かつより迅速に、より少ない負担で生成され得る。ユーザは、複数の異なるカートリッジを選択することができるので、種々の飲料が要求通りに生成され得る。
【0003】
カートリッジは、飲料準備機械に挿入するために、接続領域において、飲料準備機械に結合するためのインターフェースを提供するカートリッジレセプタクルに接続される。特に炭酸水を使用する場合、特に炭酸ガスの形態の炭酸が、混合チャンバの中で、水から、詳細には体積流量および温度の関数として放出され得る。放出されたガスは、混合液体とともにカートリッジレセプタクルの飲料出口から流出することになり、液体流れの乱れにつながる。液体の噴流が中断されたり、気泡が混入したり、不規則に噴出したり、飛散したりする可能性がある。これが、飲料準備機械に近接した周囲を汚染する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2017/121802A1
【文献】国際公開2017/121801A1
【文献】国際公開2017/121800A1
【文献】国際公開2017/121799A1
【文献】国際公開2017/121798A1
【文献】国際公開2017/121797A1
【文献】国際公開2017/121796A1
【文献】国際公開2019/002293A1
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、前述の短所がないカートリッジレセプタクルおよびカートリッジシステムを提供することである。詳細には、カートリッジレセプタクルからの均一な噴流の流出を保証することが意図される。
【0006】
この目的は、請求項1に記載のカートリッジレセプタクルと、請求項18に記載のカートリッジシステムと、請求項19に記載の飲料準備システムと、請求項21に記載の方法とによって達成される。
【0007】
本発明のこの主題に関する実施形態は、本発明の他の主題にも同様に適合し、逆の場合も同じである。
【0008】
本発明は、貯槽を備えるカートリッジを用いて飲料を生成するためのカートリッジレセプタクルに関し、貯槽は、飲料物質で満たされ、密閉要素によって、特に密閉フィルムによって密閉される。カートリッジは、飲料物質が入る貯槽である空洞を有する。この飲料物質は好ましくは液体であり、詳細には濃縮液であって、飲料を生成するために、液体と、特に水と混合するように供給され、次いで、容器の中に、詳細には、好ましくはカートリッジレセプタクルの下に配置された飲料準備機械の支持体上に配置されたグラス、マグまたはカップの中に、収集される。飲料物質は、好ましくは、カフェイン、炭酸、レモネードやジュースなどの果実および/または糖分を含有するソフト飲料用、ビール(混合)飲料または他のアルコール性もしくは非アルコール性の(混合)飲料などの、液体の事前混合成分を含む。
【0009】
カートリッジレセプタクルは、カートリッジに接続するための接続領域を有し、カートリッジを伴って飲料準備機械に挿入され得る。カートリッジレセプタクルは、好ましくはキャップの形状に構成され、カートリッジに面する側に、大きな自由開口を有する。カートリッジレセプタクルは、好ましくは使用前に、カートリッジに対して、特にカートリッジネック対して、形状的嵌合、圧力嵌合、および/または、材料接続される。特に好ましくは、この接続は、例えばスナップオン接続、および/または、ねじ接続などの可逆性または非可逆性の方法により行われる。密閉要素は、特に密閉フィルムは、好ましくはカートリッジを開放端において密閉し、特に好ましくは、たとえば縁部において密閉されるカートリッジの自由端に材料接続(接着)によって接続される。密閉要素は、好ましくは気密方式でカートリッジを密閉して、飲料物質を貯槽の中に保持するように設けられる。
【0010】
カートリッジレセプタクルは、貯槽と流体接続され得る混合チャンバと、混合チャンバに液体を導入するように混合チャンバの中へと開く流体供給部とを有する。この混合チャンバは、好ましくはカートリッジレセプタクル内の自由空間であり、特に好ましくは接続領域とシームレスに接し、すなわち、特にカートリッジレセプタクルの自由開口を通じてアクセス可能である。流体供給部は、好ましくは流体供給開口であり、詳細には、カートリッジレセプタクルの側壁にあって、特に好ましくは、液体が、カートリッジとカートリッジレセプタクルとによって定義された長手軸に対して実質的に直角に、混合チャンバの中へ導入される。
【0011】
カートリッジレセプタクルは、飲料物質を貯槽から混合チャンバに少なくとも部分的に移動するためのカートリッジ解放装置を有する。なおまた、カートリッジレセプタクルは、混合チャンバから飲料を放出するための飲料出口を、特に飲料容器の中へ直接放出するための飲料出口を有する。カートリッジ解放装置は、飲料物質が混合チャンバの中へ不注意に移動されることのないように、好ましくは目標とされたやり方で作動され得る。特に好ましくは、カートリッジレセプタクルは、カートリッジに装着され、そこで、飲料準備機械において、カートリッジレセプタクルに対して下向きに面するように配置され、混合飲料が、特に重力によって、カートリッジレセプタクルから飲料容器に移動するように設けられる。
【0012】
したがって、本発明によれば、カートリッジレセプタクルは、カートリッジレセプタクルからガスを、特に混合チャンバにおいて放出された炭酸ガスを放出するための、ガス出口も有する。したがって、ガス出口は、飲料出口から離れて構成され、好ましくは、ガスが、もっぱら混合プロセス中に放出されるように構成され、すなわち、詳細には、液体や混合飲料が、カートリッジレセプタクルの周囲に放出されることはない。結果として、放出されたガスは、もはや液体および/または飲料に溶けることなく、放出される飲料の噴流に悪影響を及ぼすこともなく、引き続きカートリッジレセプタクルから流出し得ることが、特に有利なやり方で可能になる。同時に、ガス出口から液体および/または飲料が流出しないことが保証される。好ましくは、液体は炭酸水であり、この場合、ガスは、詳細には、もはや溶けない炭酸すなわち炭酸ガスである。
【0013】
好ましくは、カートリッジレセプタクルは、全面的または部分的に、プラスチック材料から、詳細には射出成形および/またはブロー成形の方法によって製作される。好ましい実施形態によれば、ガス出口および/または飲料出口は、実質的にチャネル形に、詳細には細長く構成され、かつ/または、流体供給部は、飲料準備機械の流体ラインと流体接続するように構成された流体供給開口である。特に好ましくは、カートリッジレセプタクルとカートリッジとが接続されたとき、ガス出口および/または飲料出口が、実質的にカートリッジの長手軸に沿って延在する。非常に好ましくは、飲料出口の長さはガス出口の長さよりも短い。ガス出口と飲料出口とが、詳細には出口側において実質的に同一の面に配置されているので、詳細には、飲料準備中の通常の配置では、混合チャンバのガス出口の開口が飲料出口の開口よりも高くなることを意味する。したがって、ガス出口から流出するのは、液体ではなくガスのみであることが有利に保証される。
【0014】
好ましい実施形態によれば、ガス出口は、飲料出口に対して実質的に平行に配置される。特に好ましくは、カートリッジレセプタクルとカートリッジとが接続されたとき、ガス出口および飲料出口が、実質的にカートリッジの長手軸に沿って延在する。平行設計のために、カートリッジレセプタクルが特により簡単に製作され得る。
【0015】
好ましい実施形態によれば、ガス出口は、カートリッジレセプタクルにおいて実質的に中央に配置される。結果として、有利にはガスが、混合チャンバのすべての領域から均一にガス出口を通って、簡単に流出することができる。
【0016】
好ましい実施形態によれば、飲料出口の開口がガス出口の開口よりも大きく、飲料出口は、詳細には少なくともいくつかの部分において、ガス出口よりも大きい断面を有する。カートリッジレセプタクルは、好ましくは、混合チャンバの中に実質的な層流が存在するように構成される。詳細には、乱流が実質的に防止されるので、液体から流出するガスがより少なくなり、ガス出口に必要な直径が小さくなる。飲料出口はガス出口よりも直径が比較的大きいので、これによって、十分に迅速な飲料準備が有利に保証され、その間にも飲料物質と液体との効果的な混合も同時に保証される。
【0017】
好ましい実施形態によれば、密閉要素に面するガス出口の開口は、密閉要素に面する飲料出口の開口よりも、密閉要素との間隔が狭くなる。結果として、ガス出口の開口が、混合チャンバ内の液体レベルの上にあることが有利に保証されるので、飲料の準備中にガス出口から流出し得るのはガスのみであることが保証される。特に好ましくは、密閉要素に面するガス出口の開口と密閉要素との間隔は、0.1mm~1.0mm、好ましくは0.3mm~0.8mm、詳細には0.4mm~0.6mmである。非常に好ましくは、密閉要素に面するガス出口の開口と密閉要素との間隔は、密閉要素に面する飲料出口の開口と密閉要素との間隔の、5%~50%、好ましくは10%~40%、詳細には20%~30%である。詳細には、これは、密閉要素が、静止位置にあること、すなわち重力および/または圧力による密閉要素の膨出はないことを意味する。当業者なら、詳細には、密閉要素としての密閉フィルムの場合には、圧力がかかっても、放出されるガス用に十分に大きい開口が存在するように、ガス出口の開口と密閉要素との間隔を十分に大きくとらなければならず、他方では、この間隔を小さくすれば、液体/飲料の物質または飲料がガス出口から流出することのないように、ガス出口と混合チャンバ内に流れる液体との間隔を保証することを理解する。
【0018】
好ましい実施形態によれば、カートリッジ解放装置は、圧縮空気接続部と、圧縮空気接続部から圧縮空気出口まで延在する圧縮空気ラインとを備え、圧縮空気出口は、詳細にはカートリッジの貯槽の方向に突出し、圧縮空気接続部は、貯槽の中へ圧縮空気を導入するように構成され、カートリッジ解放装置は、飲料物質が圧縮空気によって貯槽から混合チャンバに移動され得るように構成される。特に好ましくは、圧縮空気接続部は、カートリッジレセプタクルの壁における開口として構成される。非常に好ましくは、開口は流体供給部に隣接して配置される。結果として、圧縮空気と液体とが、同一の領域において、好ましくは飲料準備機械の要素によって、カートリッジレセプタクルに有利に供給され得る。準備中に、圧縮空気が、好ましくは液体と実質的に同時に供給され、その結果、液体と飲料物質とが混合チャンバの中へ同時に通過して、そこで混合される。当業者なら、混合チャンバにおける十分な混合を達成するために、構成に依拠して、短い時間オフセットもあり得ることを理解する。圧縮空気は、詳細には重力とともに、貯槽から飲料物質を追い出すことによって、貯槽が完全に空になるのを妨げ得る陰圧が貯槽に生じるのを防止する。
【0019】
好ましい実施形態によれば、カートリッジ解放装置は、ピンガイドと、ピンガイドの内部に変位可能に装着された、詳細には一方向に変異可能に装着された穿刺ピンとを備えこの穿刺ピンが、詳細には、飲料準備機械のアクチュエータ要素によって、前記穿刺ピンが密閉要素から離れた後退位置と、前記穿刺ピンが密閉要素に突き入って貯槽の中へ突出する突出位置との間で変位可能であり、圧縮空気ラインが好ましくは穿刺ピンに組み込まれる。結果として、カートリッジは、目標とする特に有利なやり方で突き入ることができ、したがって、目標とするやり方で飲料準備が作動され、穿刺ピンによって、単一の要素が密閉要素に入り込み、同時に圧縮空気を供給する。好ましくは、穿刺ピンは、外表面上に、少なくとも1つの、詳細には細長いチャネルを有する。結果として、貯槽からの飲料物質の流出が、特に簡単な信頼できる方式で可能になる。代わりに、またはそれに加えて、穿刺ピンの外側周辺に少なくとも1つの陥凹および/または隆起があって、好ましくはその複数が飲料物質用のドレインとして用意されている。陥凹および/または隆起の量およびサイズは、好ましくは基材の粘度に依拠する。したがって、穿刺手段の外部壁には、好ましくは、混合チャンバの方向に飲料物質を導くための少なくとも1つの横方向チャネルが備わっている。詳細には、飲料物質は、次いで、穿刺ピンと並ぶように構成された横方向チャネルによって、隔膜を通過して混合チャンバの方向に流れることができる。好ましくは、穿刺ピン上に、複数の横方向チャネルが構成される。横方向チャネルは、詳細には、それぞれの場合において、片側が開いた溝の形態に構成されている。横方向チャネルは、基材の混合チャンバの方向への流れを制御するかまたは制限するように、数および/または断面が基材の粘度に適合されることが考えられる。粘度が高ければ、複数の横方向チャネルまたはより大きい断面を有する複数の横方向チャネルが使用されるが、粘度が低ければ、より少数の横方向チャネルまたは、より少数のより小さい断面を有する横方向チャネルが設けられる。当業者なら、詳細には、それぞれの飲料物質用に、したがって種々のタイプのカートリッジ用に、適切なカートリッジレセプタクルが用意されることを意味することを理解する。これらの実施形態には、カートリッジレセプタクルの可動要素は穿刺ピンしかなく、したがってカートリッジレセプタクルが簡単なやり方で構成され、簡単なやり方で製作され得て、特に有利であることが共通する。好ましくは、流体接続部は、圧縮空気接続部と圧縮空気出口との間の突出位置にのみ存在する。詳細には、後退位置では、圧縮空気は圧縮空気出口から流出することができない。結果として、圧縮空気が圧縮空気出口を通るのは、突出位置においてのみ、すなわち密閉要素に穿刺ピンが突き入ったときのみであることが、特に有利なやり方で保証される。
【0020】
好ましい実施形態によれば、ガス出口、飲料出口および/またはピンガイドは、実質的に円形の断面を有する。代わりに、ガス出口、飲料出口および/またはピンガイドは、傾斜した断面を有する。円形の断面は、特に簡単に製作することができ、層流のために特に有利である。特に好ましくは、断面は、ガス出口、飲料出口および/またはピンガイドの全長にわたって一定である。代わりに、断面は長さにわたって変化し、たとえば流れ方向に拡大する。
【0021】
好ましい実施形態によれば、ピンガイドおよび/または流体供給部と飲料出口との間にガス出口が配置される。液体と飲料物質との十分な混合を保証するために、液体は、好ましくは流体供給部と飲料出口との間で十分に長い経路に及ぶ必要がある。したがって、好ましくは、流体供給部と飲料出口との間に、液体が流れない領域が設けられる。したがって、この領域にガス出口を配置するのが特に有利である。
【0022】
好ましい実施形態によれば、密閉要素に面するガス出口の開口と密閉要素との間隔は、密閉要素に面するピンガイドの開口と密閉要素との間隔の、10%~80%、好ましくは30%~60%、詳細には実質的に50%になる。穿刺ピンは、好ましくは、少なくとも突出位置において、ピンガイドの開口を越えて突出する。
【0023】
好ましい実施形態によれば、カートリッジレセプタクルが、詳細には飲料出口が、残排出口を備え、残排出口の断面は、飲料出口の断面の、好ましくは2%~30%であり、特に好ましくは5%~20%であって、詳細には10%である。特に好ましくは、残排出口が配置されるのは、詳細にはカートリッジレセプタクルの、飲料準備中の配向における最下のポイントである。結果として、カートリッジレセプタクルから、液体または飲料の最後の残余さえ除去されることが有利に保証され、その結果、飲料準備の後に、デッドボリュームが残らず、カートリッジレセプタクルおよびカートリッジが、カートリッジレセプタクルに残った液体、詳細にはしずくを流出させることなく、飲料準備機械から取り外され得る。したがって、衛生的かつ清潔な飲料準備が可能になる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、飲料出口は、特に十字形に構成された噴流形成要素を備える。当業者なら、噴流形成要素が、別の形状を有してもよいこと、特に飲料出口のより低い領域において流れ方向に配置されることを理解する。噴流形成要素は、特に好ましくは、飲料が、飲料出口から、均一な噴流で、詳細には層流で流出するように用意される。
【0025】
好ましい実施形態によれば、ガス出口は、密閉要素から最小間隔を維持するための少なくとも1つの間隔手段を有し、間隔手段は、好ましくは円弧形に構成される。有利には、高圧がかかって密閉要素が膨出しても、間隔手段によってガス出口の十分に大きい開口が設けられることが保証される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、カートリッジレセプタクルは、流体供給部を通って混合チャンバに導かれる液体の層流を保証するために、流体供給部に面する領域に流れ成形要素を有する。流れ成形要素は、詳細には、船首形に構成される。有利には、流れ成形要素は、混合チャンバに流れ込む液体が、乱流に変化することなく、詳細には分割されることを保証する。
【0027】
本発明のさらなる主題には、飲料を生成するためのカートリッジシステムがあり、カートリッジシステムは、飲料準備機械に挿入可能であり、飲料物質で満たされる貯槽と、カートリッジに接続された本発明によるカートリッジレセプタクルとを備える、カートリッジを有し、カートリッジレセプタクルとカートリッジとは接続領域において接続されており、カートリッジはカートリッジ開口を有し、カートリッジ開口は、縁部領域に、密閉要素を、詳細には密閉フィルムを有し、密閉要素は、貯槽を、カートリッジレセプタクルに対して流体密封するやり方で密閉する。
【0028】
カートリッジシステムは、好ましくはユーザによって組み立てられ得る。代わりに、カートリッジシステムは、工場において既に組み立てられている。カートリッジとカートリッジレセプタクルとの間の接続は、非常に好ましくは可逆である。代わりに、この接続は、不可逆であるか、または少なくとも非破壊やり方での可逆ではない。
【0029】
本発明のこの主題に関する実施形態は、本発明の他の主題にも同様に適合し、逆の場合も同じである。
【0030】
カートリッジは、全面的または部分的に、プラスチック材料から、詳細には射出成形および/またはブロー成形の方法によって製作されることが好ましい。カートリッジの側壁の断面は、たとえば円形、長方形、正方形、円錐形または楕円形である。一般に、側壁の一端に、詳細には側壁と一体化して製作された、ベースが設けられる。側壁および任意選択のベースは、飲料物質が特に液体の形態で供給される貯槽を形成する空洞に及ぶ。カートリッジは、側壁の他端に、接続領域によって画定された開口を有し、接続領域を介してカートリッジレセプタクルに接続される。好ましくは、接続領域は少なくとも1つのフランジを備える。フランジは、接続領域から、好ましくは接続領域の壁領域から、ある角度で、詳細には直角の角度で突出する。好ましくは、フランジは、固体材料から製作され、すなわち中空ではない。詳細には、フランジおよび/または接続領域は、側壁と一体化して構成される。特に好ましくは、フランジは位置決め手段を有する。位置決め手段により、カートリッジが、カートリッジレセプタクルに対して、特に特定の回転角において、特にカートリッジの長手軸に対する特定の位置においてのみ、接続され得ることが保証される。非常に好ましくは、位置決め手段は、陥凹および/または隆起であって、特にフランジから、詳細にはその周辺から突出する。好ましくは、位置決め手段はフランジと一体化して設けられる。たとえば、位置決め手段は、フランジの周辺の一点において一体的に形成された突起として構成される。特に好ましくは、位置決め手段の厚さは、フランジの厚さに、少なくとも実質的に対応する。
【0031】
好ましい実施形態によれば、壁領域と接続領域との間にカートリッジネックが設けられる。このカートリッジネックは、好ましくは円形の断面を有するが、詳細にはカートリッジの側壁と同一の断面を有する。カートリッジネックは、接続領域の壁領域を表す。フランジは、カートリッジネックに、好ましくは直角に接する。
【0032】
好ましい実施形態によれば、密閉要素は、詳細には密閉フィルムは、カートリッジを使用前にカートリッジを閉鎖する、詳細には密閉するものであり、フランジに、特にその前面に固定され、詳細にはフランジに対して密閉される。この目的のために、フランジは、詳細にはその前面が、密閉中に密閉ツールと協働するビードを、詳細には環状のビードを有し得る。好ましくは、隔膜の外径はフランジの直径よりも小さい。好ましくは、接続領域の壁領域および/またはカートリッジネックの領域に、固定手段が設けられる。特に好ましくは、カートリッジが、この固定手段によってカートリッジホルダに接続され得る。固定手段は、詳細にはカートリッジホルダの係止手段が係合する溝である。
【0033】
好ましい実施形態によれば、カートリッジの接続領域は、カートリッジレセプタクルの接続領域と、特に密閉式に協働する。特に好ましくは、カートリッジのフランジの周辺が、カートリッジレセプタクルの溝の中に係合する。この、フランジと溝との接続が、詳細には形状的嵌合および/または圧力嵌合して、飲料の準備中にカートリッジとカートリッジレセプタクルとの間に相対運動が生じないように設けられる。これは、カートリッジとカートリッジレセプタクルとの間の接続が緊密でなくなるのを有利に防止する。
【0034】
好ましい実施形態によれば、カートリッジとカートリッジレセプタクルとは、回転に関して共に固定して接続される。
【0035】
好ましい実施形態によれば、カートリッジには、カートリッジが識別され得る製品コードがある。一旦、カートリッジが識別されると、好ましくは、飲料物質および/または推奨された準備に関する情報が入手可能になる。同じことが、飲料または食料が収集される容器にも当てはまる。これは、情報および/または製品コードも含むことができる。特に好ましくは、カートリッジおよび/またはカートリッジレセプタクルは製品識別コードを有する。好ましくは、製品識別コードは、バーコード、RFIDコード、QRコード(登録商標)、データマトリクスコード、カラーコード、ホログラムコードまたは同種のものに埋め込まれる。したがって、有利には、製品識別コードの自動読取りが可能である。代わりに、製品識別コードが、別の自動読取り可能なコンピュータチップに埋め込まれることも考えられ得る。QRコードという用語は、本発明の意味の範囲内で、詳細には任意のデータマトリクスコードを包含する。この点に関して、QRコードという用語とデータマトリクスコードという用語とは同義的に使用される。代わりに、またはそれに加えて、製品識別コードが、バーコード、ドットコード、2進コード、モースコード、ブライユ点字キャラクタコード(ブライユ点字テキスト)または同種のものを含むことも考えられ得る。コードは、たとえばレリーフなどの3次元構造に埋め込むこともできる。製品識別コードは、詳細にはいわゆる製品識別番号を、特に、統一商品コード(UPC)、欧州統一商品番号(EAN)、GS1コード、国際取引商品番号(GTIN)、または同種のものを含む。このように、そのために新規の符号化システムを導入する必要はない。詳細には、製品識別コードはGS1規格の下で動作する。製品識別コードは、カートリッジに対して、好ましくは直接プリントされ、粘着的に接着され、かつ/または、カートリッジの生産中に、カートリッジの表面に、たとえば(レーザ)彫刻やプレス加工によって、もしくは直接、組み込まれる。代わりに、カートリッジが、たとえば製品識別コードが配置されるスリーブであるケーシングによって少なくとも部分的に密封されることも考えられる。ケーシングは、カートリッジに対する粘着的接合または溶接も可能である。ケーシングまたはスリーブは、プラスチックフィルム、織物または紙から製作され得る。
【0036】
本発明のもう一つの主題は、本発明による飲料準備機械およびカートリッジシステムを備える飲料準備システムであり、飲料準備機械は、詳細には、前方に突出するように構成されたカートリッジホルダを備え、これに、カートリッジシステムが挿入可能であり、飲料準備機械はまた、液体貯槽と、液体貯槽からの液体を調整するための、詳細には、加熱、冷却、および/または炭酸化するための液体調整システムと、カートリッジ解放装置を、詳細には穿刺ピンを、作動させるためのアクチュエータ要素と、調整された液体を、流体供給部を通して混合チャンバに導入するため、また、好ましくは圧縮空気接続部における圧縮空気を圧縮空気ラインに導入するために設けられた、カートリッジシステムに結合可能な流体供給システムと、液体調整システム、流体供給システムおよび/またはアクチュエータ要素を制御するための制御装置とを備える。本発明による飲料準備システムは、複数の別々の飲料が、簡単かつ衛生的なやり方で迅速に準備され得るので、特に有利である。カートリッジホルダは、好ましくは前方へ突出するように構成される。これは、詳細には、カートリッジホルダが、飲料準備機械の筐体から特に水平に突出することを意味する。カートリッジシステムが、好ましくは上からカートリッジホルダに挿入され、特に好ましくは、カートリッジレセプタクルから、飲料が、直接、すなわち、詳細には飲料準備機械のいかなる要素とも接触することなく、飲料容器の中へ降下する。詳細には、カートリッジホルダは、実質的に円盤状に構成される。こうすると、特に衛生的な飲料準備ばかりでなく、非常に高いレベルのカートリッジ可変性も可能になる。カートリッジホルダとカートリッジシステムとの間のインターフェースは、カートリッジレセプタクルの形態で用意される。カートリッジは、カートリッジホルダの上に配置されるので、実質的に任意の形状を有し得る。好ましくは、カートリッジホルダは、特に移動可能に配置された液体接続を有する。飲料を生成するために、液体が、この液体接続によって供給される。カートリッジホルダの液体接続は、好ましくはカートリッジレセプタクルの流体供給部に、詳細には流体密封のやり方で、接続される。
【0037】
本発明のこの主題に関する実施形態は、本発明の他の主題にも同様に適合し、逆の場合も同じである。
【0038】
好ましい実施形態によれば、液体貯槽は、飲料準備機械に、解放可能に挿入される。このように、液体貯槽は、たとえば充填のために飲料準備機械から取り外され得る。特に好ましくは、液体は水である。代わりに、またはそれに加えて、飲料準備機械は、外部液体供給部に、詳細には水供給部に、接続され得る。たとえば、外部の水供給源によって、液体貯槽が詳細には自動的に満たされ、かつ/または必要な液体が外部の水供給源から直接取り出される。結果として、飲料準備機械の利用の容易さが有利に改善される。好ましくは、飲料準備機械は、液体を運ぶための少なくとも1つのポンプを、詳細にはダイヤフラムポンプを有する。特に好ましくは、飲料準備機械はまた、液体の体積流量を検知して制御するための少なくとも1つの流量測定装置を、詳細にはたとえば超音波流れセンサ、磁気誘導性流れセンサといった流れセンサを有する。
【0039】
好ましい実施形態によれば、液体調整システムは、液体の温度を制御するための少なくとも1つの温度制御装置を有する。特に好ましくは、温度制御装置は、液体を冷却するための熱冷却器である。代わりに、飲料準備機械は外部の温度制御装置に結合される。したがって、有利には、たとえば室温において、カートリッジ自体を冷却しなくても冷えた飲料を生成することができる。冷却器は、好ましくはコンプレッサ冷却器、吸収器冷却器または熱電クーラを備える。本発明のさらに好ましい実施形態によれば、液体調整システムは、液体に炭酸を入れるための少なくとも1つのソーダ水器を備える。特に好ましくは、飲料準備機械は、少なくとも1つの炭酸ガス貯槽用に、詳細には炭酸ガスカートリッジ用に、ソーダ水器に加えてレセプタクルも有する。有利には、このシステムで炭酸飲料(ソフト飲料)も生成することができる。代わりに、飲料準備機械は、外部の炭酸ガス供給源に結合され得る。
【0040】
好ましい実施形態によれば、アクチュエータ要素は、穿刺ピンの下端において形状的および/または非形状的に係合する少なくとも1つの突起を有し、作動時に、穿刺ピンを、ピンガイドの中で、カートリッジの方向へ、密閉要素に突き入るように変位させる。特に好ましくは、飲料準備機械はアクチュエータ要素用の駆動装置を備える。非常に好ましくは、駆動装置は飲料準備機械の筐体の内部に配置され、したがって、詳細にはカートリッジホルダには配置されず、適切な機構によって、カートリッジホルダ内のアクチュエータ要素に接続される。
【0041】
好ましい実施形態によれば、流体供給システムは、ポンプを、詳細には液体を移送するためのダイヤフラムポンプを有する。特に好ましくは、流体供給システムはまた、液体の体積流量を検知して制御するための少なくとも1つの流量測定装置を、詳細にはたとえば超音波流れセンサ、磁気誘導性流れセンサといった流れセンサを備える。非常に好ましくは、流体供給システムが備える移動可能な結合要素には、詳細には、圧縮空気ラインおよび/または液体ラインが組み込まれており、この結合要素は、カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入されたとき、流体供給部に対する流体密結合および/またはカートリッジレセプタクルの圧縮空気接続が生じるように、移動可能である。代わりに、結合要素は、移動可能であり、カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入されたとき流体供給部に対する流体密結合および/またはカートリッジレセプタクルの圧縮空気接続が生じるように、構成される。
【0042】
好ましい実施形態によれば、飲料準備機械および/または流体供給システムは圧縮空気源を備える。代わりに、飲料準備機械および/または流体供給システムは、外部の圧縮空気源に結合され得る。詳細には、飲料準備機械は、結合要素が圧縮空気接続部に結合されると、またはアクチュエータ要素が穿刺手段を作動させると、直ちに、圧縮空気がカートリッジレセプタクルの圧縮空気接続部に印加される。このように、密閉要素に突き入ったとき、飲料物質がすぐに混合チャンバの中へ移動され、詳細には、圧縮空気ラインに飲料物質が入って飲料準備機械が飲料物質で汚染されることはないと、有利に保証される。
【0043】
好ましい実施形態によれば、飲料準備機械は、カートリッジおよび/またはカートリッジレセプタクルの製品コードを検知するための製品コード検知器も有する。特に好ましくは、製品コード検知器は、カートリッジホルダの上および/または背後に、詳細にはカートリッジホルダの上の飲料準備機械の筐体の中に、配置される。製品コード検知器は、詳細には、たとえばCCDカメラなどの光センサを備え、これが、カートリッジシステムが飲料準備機械に挿入されたとき、製品コードを、詳細には製品識別コードを、自動的に読み取る。代わりに、製品コード検知器は、たとえばRFIDコードを自動的に読み取るための送受信アンテナを備える。
【0044】
好ましい実施形態によれば、飲料準備機械は、カートリッジホルダの中にカートリッジシステムを可逆的に係止するための係止手段を有し、係止手段はユーザによって作動され得る。特に好ましくは、係止手段は、カートリッジシステムがカートリッジホルダに首尾よく係止されているときに限って飲料調製プロセスが可能になるように、制御装置に接続される。このように、カートリッジシステムおよび/またはために飲料準備機械に対して起こり得る不具合および損傷が防止され、また、液体および/または飲料物質による汚染が回避される。非常に好ましくは、係止手段は固定フランジを備え、固定フランジは、カートリッジホルダへの挿入中または挿入後に、形状的嵌合および/または圧力嵌合によってカートリッジレセプタクルを包含する。固定フランジは、好ましくは作動機構も備え、作動機構は、固定フランジによってカートリッジレセプタクルを把持し、かつ/または固定フランジを変位させて、カートリッジレセプタクルと穿刺手段に接触しているアクチュエータ要素との間に相対運動を生じさせ、穿刺手段を後退位置から突出位置に移動するように動作するように構成される。作動機構は、たとえば手動操作用のハンドレバーを備え、ハンドレバーは、好ましくはカートリッジの長手軸に対して実質的に平行な回転軸のまわりで回転可能に構成される。なおまた、作動機構は、好ましくは、ハンドレバーの、長手軸に対して平行な回転軸のまわりの回転運動を、長手軸に対して実質的に平行な並進運動に変換する伝動装置を備える。カートリッジシステムがカートリッジホルダに挿入された後に、ユーザがハンドレバーを作動させることにより、カートリッジシステムがしっかりと把持され、作動要素に対して直線的に変位される。ねじれ防止装置と、回転運動の直線並進運動への変換とによって、カートリッジホルダに対するカートリッジの配向が一定のままであることが保証される。結果として、コードの可能な識別(製品識別)が有利に簡素化される。
【0045】
本発明のさらなる主題には、本発明による飲料準備システムを用いて飲料を準備するための方法があり、この方法は、
- カートリッジおよびカートリッジレセプタクルから成るカートリッジシステムをカートリッジホルダに挿入するステップと、
- 流体供給システムとカートリッジレセプタクルとの間を流体接続するステップと、
- カートリッジ解放装置を作動させるようにアクチュエータ要素を作動させることにより、詳細には、穿刺ピンを、後退位置から突出位置に移動することによって、密閉手段に穿孔するステップと、
- 特に、圧縮空気接続部を通してカートリッジに圧縮空気を供給することにより、飲料物質を、カートリッジの貯槽からカートリッジレセプタクルの混合チャンバに移動するステップと、
- 液体を、流体供給部を通してカートリッジレセプタクルの混合チャンバの中へ導入するステップと、
- 混合チャンバの中で飲料物質を液体と混合することによって生成された飲料を、飲料出口を通して放出するステップと、
- 混合中に放出されたガスを、詳細には炭酸ガスを、ガス出口を通して放出するステップと
によって特徴付けられるものである。
【0046】
本発明のこの主題に関する実施形態は、本発明の他の主題にも同様に適合し、逆の場合も同じである。
【0047】
有利には、本発明による方法は、唯一の条件が、飲料物質と液体との混合を可能にすることであるので、並外れて融通性がある、衛生的かつ迅速な飲料準備または飲料生成を可能にするものである。特にガス出口が分離しているので、流出する飲料の体積流量が放出ガスによって混乱されないことが保証され、したがって、噴流の部分的中断、飛沫、気泡等の望ましくない影響が回避される。当業者なら、放出ガスの量は、飲料物質および/または液体の、温度、圧力、体積流量、粘度や炭酸飽和の度合いなどの複数のパラメータに依拠することを理解する。しかしながら、ガス出口は、好ましくは、合理的に予期されるいかなる気体量も安全に放出できるように用意される。
【0048】
好ましい実施形態によれば、飲料物質の混合チャンバへの移動と、液体の混合チャンバへの導入とが、実質的に同時に行われる。結果として、均一な飲料が生成されて飲料容器の中へ移動されることが保証される。詳細には、一般に、液体や飲料物質が、カートリッジレセプタクルから少なくとも部分的に単独で流出することは望ましくない。
【0049】
好ましい実施形態によれば、液体は、混合チャンバに導入される前に、飲料準備機械において温度制御されるように、詳細には、冷却され、かつ炭酸ガスで飽和される。結果として、冷却された炭酸ソフト飲料の準備が有利に可能になる。
【0050】
好ましい実施形態によれば、アクチュエータ要素の活性化は、穿刺ピンをピンガイドに沿って変位させることを含む。ここで、カートリッジホルダまたは飲料準備機械のアクチュエータ要素の間で相対運動が生じることが重要であり、これは、カートリッジシステムおよび/またはアクチュエータ要素の運動を含み得る。
【0051】
好ましい実施形態によれば、係止手段が自動または手動で作動される、係止するステップは、カートリッジホルダにカートリッジシステムを挿入するステップに後続する。特に好ましくは、カートリッジホルダにカートリッジシステムを挿入するステップの間、またはその後に、カートリッジホルダの固定フランジが作動機構によって作動され、この作動機構は、固定フランジによってカートリッジレセプタクルを形状的および/または圧力によって把持し、かつ/または固定フランジを変位させて、カートリッジレセプタクルと、カートリッジ解放装置に対して動作可能に接続されたアクチュエータ要素との間に相対運動を生じさせるように、手動または電動機によって作動され、それによって穿刺手段を後退位置から突出位置に移動する。
【0052】
好ましい実施形態によれば、流体供給システムとカートリッジレセプタクルとを流体接続させることは、移動可能な結合要素とカートリッジレセプタクルとを、流体密封接続が生じるように相対運動させることを含む。特に好ましくは、機械側の液体ラインとカートリッジレセプタクルの流体供給部との間の流体接続と、機械側の圧縮空気ラインとカートリッジレセプタクルの圧縮空気接続部との間の流体接続とが、同時に生じる。
【0053】
好ましい実施形態によれば、圧縮空気がカートリッジ解放装置を通ってカートリッジの貯槽の中に導入されることにより、飲料物質が、詳細には穿刺ピンから密閉要素を通って混合チャンバに流れ込み、カートリッジの貯槽からカートリッジレセプタクルの混合チャンバに移動する。圧縮空気は、任意選択で、カートリッジ内の負圧を防止するためにのみ飲料物質の流出ボリュームを補償することができ、または積極的に、詳細には貯槽内の飲料準備用の圧力および/または大気圧よりも高い圧力で、飲料物質を変位させて、貯槽から混合チャンバに移動することができる。
【0054】
好ましい実施形態によれば、液体は、混合チャンバの中へ、層流が実質的に存在するように、詳細には排他的に存在するように導入される。当業者なら、これは、たとえば温度、炭酸飽和の度合い、体積流量、体積流量の断面などの種々のパラメータに依拠し、特に好ましくは、制御装置が、詳細には流体調整システムおよび/または流体供給システムによって、飲料準備機械に対する機械パラメータを、層流が存在するように適合させることを理解する。結果として、ガスの大量放出が有利に回避される。
【0055】
本発明の好ましい実施形態によれば、カートリッジシステムをカートリッジホルダに挿入すること、カートリッジに圧縮空気を供給すること、混合チャンバに液体を供給すること、および/またはカートリッジ解放装置の作動の前に、途中で、または後に、製品コード検知器によって、カートリッジおよび/またはカートリッジレセプタクルの少なくとも1つの製品コードが、詳細には製品識別コードが読み取られる。読み取られた製品識別コードは、好ましくは評価ユニットによって評価され、圧縮空気および/または液体の供給、および/またはカートリッジ解放装置の動作は、製品識別コードが評価ユニットによって検証されたときのみ行われる。このように、飲料準備機械用に、既知の、保証付きの、または認証されたカートリッジシステムを用いないと、飲料準備システムが作動され得ないことが保証され、そのため、たとえば圧縮空気および/または液体の圧力に耐えることができない間違ったカートリッジシステムの不注意な使用による、飲料準備システムの損傷またはユーザの傷害のリスクが回避される。供給される賦形剤の特性が、また、詳細には、体積流量の時間プロファイル、全ボリューム、圧力、運搬の一時停止、供給される圧縮空気の温度および/または炭酸飽和が、製品識別コードの関数として制御されることも考えられる。代わりに、またはそれに加えて、供給される圧縮空気の特性が、また、詳細には、体積流量の時間プロファイル、全ボリューム、運搬の一時停止、および/または供給される圧縮空気の圧力が、製品識別コードの関数として制御される。好ましくは、液体の体積流量と圧縮空気の体積流量との間の比が、製品識別コードの関数として制御される。詳細には、飲料準備機械によって設定され得る飲料物質または飲料準備のすべてのパラメータおよび/または飲料準備プロセスのパラメータ範囲が、製品識別コードに埋め込まれていて、そのため、飲料準備機械は、それぞれの飲料の生成のために必要な情報または少なくとも有用な情報のすべてをカートリッジから取得する。この情報が飲料準備機械の内部記憶装置に記憶されて、それぞれのカートリッジシステムに関する製品識別コードによって回復され、カートリッジホルダにおけるこのカートリッジシステムの存在が検知されると直ちに、飲料生成プロセスを制御するために使用されることも考えられる。
【0056】
本発明が、
図1~
図6を参照しながら以下で説明される。これらの説明は、単なる例であって、全体的に発明の概念を制限するものではない。これらの説明は、本発明によるカートリッジと、本発明によるカートリッジシステムと、本発明による飲料準備システムとに当てはまり、本発明による方法にも同様に当てはまるものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジレセプタクルの概略断面図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジレセプタクルの概略断面図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジレセプタクルの別の図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジレセプタクルの別の図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジシステムおよび飲料準備システムの概略断面と方法とを示す図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態によるカートリッジシステムおよび飲料準備システムの概略断面と方法とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1には、本発明の例示的な実施形態によるカートリッジレセプタクル1の概略断面が示されている。そのようなカートリッジレセプタクル1は、詳細にはキャップ式に構成されており、カートリッジシステムを形成するためにカートリッジ16に装着される。
【0059】
カートリッジ16は、明瞭さのためにここでは示されないが、側壁と、好ましくは側壁に接続されてこれと一体化して構成されたベースとを備える。カートリッジは、ベースの反対側の端に、好ましくはカートリッジネックによって囲まれた開口を有し、カートリッジネックは、特に好ましくは側壁よりも小さい直径を有する。カートリッジ16は、好ましくは、開放端に、詳細にはカートリッジ16の長手軸に対して直角に配向された少なくとも1つのフランジ18を有する。このフランジ18は、一方では、カートリッジレセプタクル1の接続領域2との形状的嵌合および/または圧力嵌合をもたらし、他方では、好ましくは、フランジ18に対して密閉要素が固定される。
【0060】
本明細書で説明した実施形態によれば、密閉要素は、密閉フィルム19であって、たとえばフランジ18に対して密封されることにより、カートリッジ16内の空洞を、詳細には流体密封のやり方で、すなわち液体密封かつ気体密封のやり方で密閉する。この空洞は、好ましくは液体の飲料物質用の貯槽17として働く。当業者なら、飲料物質が、代わりに、詳細には、たとえばベビーフード、粥、スープなどの流動食物質、または高カロリー食品などの医用品であり得ることを理解する。この(飲料)物質が、液体と、詳細には水と混合されるように供給されることが重要である。
【0061】
カートリッジ16は、詳細には側壁は、たとえば円形または傾斜した断面、および特に長さや直径の可能な限り広範囲の寸法といった、実質的に任意の形状を有し得る。カートリッジネックのみ、接続領域においてカートリッジレセプタクルの接続領域2に接続され得るように構成する必要がある。飲料準備機械のカートリッジホルダ24が好ましくは前方に突出するように構成されることは、本発明による飲料準備システムの特定の利益である。これは、特に、カートリッジホルダ24が飲料準備機械の筐体から詳細には実質的に水平に突出し、実質的に円盤状に構成されることを意味する。カートリッジシステムはカートリッジ16から成り、カートリッジレセプタクル1が、逆さまに、すなわち、カートリッジ16の開口が下向きに面し、カートリッジレセプタクル1がカートリッジシステムの最下の要素になって、好ましくはそこで可逆的に固定されるように、カートリッジホルダに挿入される。これは、カートリッジ16が、カートリッジホルダ24から上方へ自由に突出し、したがって形状に関して自由であることを意味する。
【0062】
カートリッジレセプタクル1は、接続領域2に開口を有し、これが、密閉フィルム19である密閉要素に直接接する。本発明によるカートリッジレセプタクル1は、反対側の端に少なくとも2つの開口部を有する。完成した混合飲料は、飲料出口5である一方の開口から出て、好ましくはカップ、マグまたはグラスなどの飲料容器の中へ直接移動され得る。飲料出口5は、好ましくはチャネル状に構成され、すなわち側壁および長手方向の広がりを備える。飲料出口5の長さは、詳細には均一な飲料噴流が導かれるように選択される。特に好ましくは、この目的のために、飲料出口は、たとえば十字形である噴流形成要素15も備え、これは、要求通りに噴流を成形するように構成されて下部の領域に配置される。
【0063】
流体供給部4は、カートリッジレセプタクル1の側壁に設けられ、ここでは穴として、詳細には円錐形の境界を伴って構成されている。この流体供給部4は、飲料準備機械と協働し、液体が、詳細には冷却されかつ/または炭酸を含む水が、流体供給部4によって、結合要素20を通ってカートリッジレセプタクル1に導入される。
【0064】
カートリッジレセプタクル1内の自由空間は、混合チャンバ3として働き、ここで、飲料物質が、流入する液体と混合されて所望の飲料を形成してから、飲料出口5を通って流出する。
【0065】
図から導出され得るように、飲料出口5の上部の開口は、噴流成形のための十分な長さが実現されるように、混合チャンバ3の下部領域の上方に配置される。混合チャンバ3の中で生成された飲料が、残余なく常にカートリッジレセプタクル1から放出され得るように、詳細には、カートリッジシステムを飲料準備機械から取り外すとき、しずくが連続することや、使用不可能なデッドボリュームが残るのを回避することができるように、カートリッジレセプタクル1には、詳細には混合チャンバの最下のポイントに、残排出口7も(飲料準備機械に装着される機構に存在するような配向で)設けられ得る。特に好ましくは、残排出口7は、飲料出口5に隣接して設けられ、かつ/または少なくとも部分的に飲料出口5の一部である。ここで、たとえば、飲料出口5は、実質的に円形の断面を有するように設けられ、この断面の小領域が、残排出口7の周辺の領域に構成される。詳細には、残排出口7の上部の吸気表面は、飲料出口5の上部の吸気表面よりも低く配置される。現在の場合、残排出口7は比較的小さい残余ボリュームを放出するためにのみ設けられるので、このように配置すると、残排出口7の長さおよび断面がまた、飲料出口5の長さおよび断面よりもかなり小さくなる。
【0066】
カートリッジレセプタクル1は、貯槽17から混合チャンバ3に飲料物質を移動するためのカートリッジ解放装置を有する。カートリッジレセプタクル1は、流体供給部4の下に圧縮空気接続部9を有し、圧縮空気接続部9も、飲料準備機械の圧縮空気供給と協働するために円錐形の境界を有し、そのため、圧縮空気がカートリッジレセプタクル1の中へ導入され得る。好ましくは、機械側結合要素20は、圧縮空気ライン21と液体ライン22との両方を備え、そのため、結合要素20は、両方の開口が、流体供給部4および圧縮空気接続部9と、詳細には同時に結合され得る。圧縮空気は、圧縮空気接続部9からピンガイド9の方向に導かれる。このピンガイドは、ここで、穿刺ピンが後退位置と突出位置との間で長手方向に変位できるように、図には示されていないが、形状的に穿刺ピン14を受容する開口として構成されている。圧縮空気接続部9、ピンガイド8および穿刺ピン14が、カートリッジ解放装置の一部を形成する。
【0067】
穿刺ピン14は、飲料準備機械の、詳細にはカートリッジホルダ24のアクチュエータ要素23と協働するように設けられ、それにより後退位置から突出位置に移動され得る。穿刺ピン14が、突出位置において密閉フィルム19に穿孔し、そのため、飲料物質が、密閉フィルム19を通って、詳細には穿刺ピン14の外周に配置された少なくとも1つの溝形チャネルを通って、混合チャンバ3に流入することができる。カートリッジシステムの機構およびカートリッジレセプタクル1の構成によってカートリッジ16の貯槽17の中に負圧が生じる恐れがあるので、穿刺ピン14は、圧縮空気出口10において穿刺ピン14のチップの中へ開く内部の圧縮空気ライン11を有し、穿刺ピン14と、特に圧縮空気ライン11とが、突出位置においてのみ、圧縮空気ライン11が圧縮空気接続部9に対して流体接続されるように構成される。結果として、圧縮空気が不注意に混合チャンバ3に導入されることはないことが保証される。準備中に、圧縮空気が貯槽17の中へ導入されて、混合チャンバ3の中へ飲料物質が流出することによってそこに放出された体積を置換する。好ましくは、混合チャンバへの飲料物質の移動を圧縮空気がさらに支援するように、すなわち、詳細にはカートリッジ16の中に小さい過剰圧力が形成されるように、飲料準備機械の制御装置によって圧縮空気供給が制御される。
【0068】
代わりに、またはそれに加えて、飲料準備の終了に向けて、飲料物質、液体および/または飲料の残留量が、カートリッジシステムから残排出口7を通って移動されるように、飲料準備機械が圧縮空気供給を制御することも考えられる。
【0069】
さらに、カートリッジレセプタクル1は流れ成形要素13も有する。この流れ成形要素13は、流体供給部に面し、好ましくは船首形に構成される。流れ成形要素13は、混合チャンバ3に入る液体流れを分割するように、詳細には均一に分配するように設けられる。詳細には、乱流が生じると、これが液体の均一な混合の妨げになり、また、特に炭酸水の場合、乱流において、詳細には炭酸ガスとして周囲に放出される炭酸が増加するので、それは回避されるべきである。実質的な層流を維持すれば、このガス放出は最小限になる。当業者なら、このガス放出は、とりわけ温度、圧力および流量に依存することを理解する。
【0070】
しかしながら、一般に、ある特定の体積のガスが、詳細には炭酸ガスが、混合チャンバの中に放出される。このガスが、たとえば飲料出口5を通って周囲に流出し、飲料噴流を混乱させる可能性がある。したがって、たとえば断続的な噴流、飛沫または気泡が生じる可能性がある。これは望ましくない。そこで、本発明によるカートリッジレセプタクル1は、特に飲料出口5から分離して構成されたガス出口6を有する。「分離」は、詳細には、混合チャンバ3からの液体および/またはガスの、飲料出口5から下流のガス出口6へ流れや、その逆方向の流れはあり得ず、したがって、好ましくはチャネル状に構成される2つの出口の間に穴または流体接続は存在しないことを意味する。その結果として、液体が、すなわち導入された液体、飲料物質または完成した飲料が、ガス出口6を通って流出することがなく、飲料は、主に飲料出口5を通って放出され、補助的により小さい残排出口を通って放出されることが保証され、ここに示されるように、ガス出口6の上部入口面は、飲料出口5の上部入口面よりも高く配置される。
【0071】
ガス出口6は、ここではカートリッジレセプタクル1の中で実質的に中央に設けられているが、たとえば縁部領域にも配置されてもよい。しかしながら、いかなる場合にも、液体と飲料物質とが、十分な混合のために、流体供給部4と飲料出口6との間で可能な限り長い経路に及ぶことが望まれ、したがって、ここに示された配置は、ピンガイド8と飲料出口5との間の中央部を都合よく利用することができるので有利である。
【0072】
しかしながら、飲料準備の条件およびパラメータに依拠して、密閉フィルム19が、重力および/または貯槽の中で支配的な圧力によって、完全には水平に配向されず、混合チャンバの方向に膨出する可能性がある。当業者なら、詳細には、ここで提案されたガス出口6の中央配置では、ガス出口6の上部の吸気開口が、密閉フィルム19の最大膨出の領域に配置されることを理解する。放出ガスの流出を可能にする十分に大きい開口が引き続き利用可能であるように、ガス出口6の上部の周辺に、この場合、たとえば、任意選択で、膨出した密閉フィルムと接触する少なくとも1つの円弧形の突起である少なくとも1つのスペーサ手段12があって、最小間隔を保証し、その結果、ガス出口の吸気開口と密閉フィルム19との間の最小限の自由開口断面を保証する。ここで示された例示的な実施形態によれば、ガス出口6の上端と仮想の水平密閉フィルム19との間隔は、少なくとも0.40mm、詳細には少なくとも0.45mmまたは0.50mmである。
【0073】
図2にはカートリッジレセプタクル1のさらなる概略断面が示されている。ここで、カートリッジレセプタクル1は、
図1に関連して説明された実施形態に実質的に相当し、そのため、関連する実施形態が参照される。
【0074】
ここで、カートリッジレセプタクル1は180°回転して示されており、すなわち流体供給部4および圧縮空気接続部9は図の左側に示されている。なおまた、ピンガイド8には穿刺ピン14も配置されており、ここでは、例として、突出位置における穿刺ピン14が示されている。図に見られるように、圧縮空気接続部9と圧縮空気出口10との間が、圧縮空気ライン11によって流体接続されている。示された位置で、すなわち装着されたカートリッジシステムにおいて、穿刺ピン14が密閉フィルム19に突き入ると、貯槽17から、飲料物質が、カートリッジ16に導入された圧縮空気で加圧されて混合チャンバの中へ移動する。穿刺ピン14の上部の左側領域にはチャネルも指示されており、それによって、飲料物質は、混合チャンバへ有利に流入することができる。このチャネルは、特に好ましくは外に向かって開き、すなわち溝の形状に構成される。
【0075】
図2には、穿刺ピン14がまた、好ましくは先端と、密閉フィルム19の穿孔を支援する傾斜した表面とを有することが示されている。穿刺ピン14において、圧縮空気出口10が、好ましくは前述の表面において、詳細には中央に設けられる。
【0076】
穿刺ピン14は、図における下端に、凹部として設計された領域を有し、ここに、飲料準備機械のアクチュエータ要素23が、穿刺ピン14を後退位置から突出位置に移動するために係合する。この領域は、作動要素23の簡単な心出しを可能にするために、好ましくは少なくともいくらかの部分において上方へ、すなわち穿刺ピン14の先端の方向へ先細りになるように構成され、それによって、ピンガイド8における穿刺ピン14の傾斜と、それに由来するカートリッジシステムおよび/または飲料準備機械の損傷の可能性が回避される。
【0077】
この場合、カートリッジレセプタクル1の下端領域は傾斜しているが、これは主に審美的判断であり、たとえば、詳細には、接続領域によって、詳細には上部の周縁部によって画定された開口面に対して平行に配向されて実質的に水平に配置された終端領域も可能であろう。
【0078】
ここで、ガス出口6および飲料出口5は実質的に円形の断面を有し、飲料出口5から小領域が取り除かれ、この領域が残排出口7によって採用されている。しかしながら、当業者なら、たとえば楕円形または多角形といった他の断面も原理的に可能であることを理解する。
【0079】
図2に示された実施形態によるカートリッジレセプタクル1の斜視図が、
図3に示されている。したがって、上記の実施形態は、
図3に示される実施形態にも適合する。
【0080】
詳細には、カートリッジレセプタクル1の成形は、ここでは単に例と考えられ得る。このカートリッジレセプタクルの上端(
図1および
図2による下端に相当する)には、壁状の長方形の縁部領域と、飲料出口5と、ガス出口6と、ガス出口6の中に配置されたピンガイド8とがある。
【0081】
カートリッジレセプタクル1は、この領域から離れて、実質的にドーム形の形状を有し、すなわち、開口の反対側の端において基本的に丸く構成される。
【0082】
図3において、詳細には、ガス出口6は、飲料出口5と比較して、詳細にはピンガイドとも比較して、より小さい開口断面を有することが識別され得る。
【0083】
ここではリブ形かつ十字形に構成された噴流成形要素15が、
図3の飲料出口5にも示されている。飲料出口5の長さ、飲料出口5の断面および噴流成形要素15は、ともに、流出する飲料噴流を成形し、かつ導くように働く。
【0084】
ガス出口6と密閉フィルム19との間隔は、ガス出口6と飲料出口5との間隔よりも狭いので、ガス出口6から流出し得るのはガスのみである。ガスは、ガス出口6からあらゆる様式で流出し得るが、ガス出口6にはそのような噴流成形要素は必要ではない。ガス出口6のある特定の最小長さは重要ではなく、そのため、ここに示されたガス出口が、簡素になり、詳細には(ここに示された配向によれば)ピンガイド8および/または飲料出口5よりも低くなる。
【0085】
図4には、カートリッジレセプタクル1の、接続領域2の側からの平面図のみが示されている。この実施形態は、上記で既に説明された実施形態に実質的に相当し、そのため、関連する実施形態がここにも適用され得る。ここで、詳細には、カートリッジレセプタクル1が、流体供給部4の領域内の平坦な部分と、飲料準備機械とのより簡単な結合を可能にするための圧縮空気接続部9とを伴う、実質的に円形の断面を有することが識別され得る。詳細には、カートリッジレセプタクル1を受け取るカートリッジホルダ24の領域は、好ましくは、カートリッジレセプタクル1を形状的嵌合および/または圧力嵌合によって受容するように構成される。平坦な領域のために、好ましい配向も有利に保証され、その結果、飲料準備機械に対する結合が確実になる。
【0086】
ここで、流れ成形要素13が船首形状であることが明らかに示され、この場合、流れ成形要素はピンガイド8と一体的に形成されており、流れ成形要素13、ピンガイド8、接続領域2、ガス出口6、飲料出口5および/または残排出口7は、好ましくは一体に形成される。
【0087】
好ましくは、カートリッジ16および/またはカートリッジレセプタクルは、詳細には、プラスチック材料から射出成形またはブロー成形の方法によって生産される。
【0088】
特に好ましくは、穿刺ピン14は、同一の材料から別個に、かつ/または同一の方法によって生産され、次いで、カートリッジレセプタクル1に挿入される。代わりに、穿刺ピン14は、カートリッジレセプタクル1と同時に生産される。
【0089】
残排出口7の構成は
図4においても識別され得る。ここで、残排出口7は実質的に楕円形の断面を有し、飲料出口5の実質的に円形の断面から弓形の領域が取り除かれ、そこに残排出口7が設けられている。言い換えれば、隔壁は別として、飲料出口5と残排出口7とは、ともに、実質的に円形の断面を形成する。重要なのは、残排出口7が混合チャンバ3の最下の領域に配置されることのみである。ここに示されるように、残排出口は飲料出口5の下流に移行することができる。
【0090】
ガス出口6とピンガイド8とはまた、例として、混合チャンバ3内の流れ状態を改善するために角を取った部分によって接続される。
【0091】
最後に、複数のポイントにおいて、接続領域2の周辺に沿って内側に、すなわち混合チャンバ3の方向に突出するリブが識別される。これらのリブは、カートリッジシステムの適切な装着が、任意選択でユーザ側においても、保証されるように、カートリッジ16用のスペーサとして働く。
【0092】
最後に、
図4から、詳細には、残排出口7、飲料出口5、ガス出口6、ピンガイド8、流体供給部4、および圧縮空気接続部9は、実質的に仮想の軸上で左から右に配置されており、混合チャンバ3は、主としてこの軸の両側に設けられることが識別され得る。
【0093】
図5および
図6には、本発明の例示的な実施形態による、飲料準備システムの飲料準備機械のカートリッジホルダ24に挿入されたカートリッジシステムの概略断面が示されている。
図5と
図6との相違は、
図5は穿刺ピン14の先端が密閉フィルム19に突き入った時点を示し、
図6は後の位置を示すことである。どちらの図も、後退位置と完全な突出位置との間の穿刺ピン14の位置を示すものである。
【0094】
図5および
図6に示されるカートリッジレセプタクル1の実施形態はまた、既に上記で説明された実施形態に実質的に相当するので、ここで、関連する実施形態が適用可能である。
【0095】
この場合、明瞭さのために、カートリッジ16および飲料準備機械のみ指示されている。図の上縁において識別され得るカートリッジ16は、少なくとも1つのフランジ18を備え、フランジ18により、接続領域2を通じて、カートリッジレセプタクル1に対して形状的嵌合および/または圧力嵌合により接続される。確かな接続を、詳細には回転式の固定接続を保証するために、カートリッジ16は、たとえば垂直方向に間隔を置いた2つの周辺フランジも有し得る。密閉フィルム19はフランジに対して密閉されており、したがってカートリッジ16の最も外側の要素を表す。
【0096】
図5は、穿刺ピン14の先端が密閉フィルム19に突き入ったところである。圧縮空気接続部9は、圧縮空気出口10に対してまだ流体接続されていないので、好ましくは、飲料物質が貯槽17から混合チャンバ3に通り抜けることは実質的に不可能である。
【0097】
カートリッジレセプタクル1の要素およびそれぞれの機能を明確にするために、この場合、飲料準備機械のアクチュエータ要素23は穿刺ピン14から間隔を置いて示されているが、当業者なら、穿刺ピン14のアクチュエータ要素レセプタクルとアクチュエータ要素23との間の恒久的な接触によって、詳細には力を恒久的に印加することによって、穿刺ピン14が、好ましくは後退位置から突出位置へ、ここでは垂直に上方へ移動されることを理解する。
【0098】
図5では、飲料準備機械の結合要素20が流体供給部4および圧縮空気接続部9と既に接触していて、詳細には、流体密封および確かな結合を保証するために、結合要素20の案内面が流体供給部4および圧縮空気接続部9の円錐面と協働することも識別され得る。結合要素20は、内部液体ライン22と内部圧縮空気ライン21との両方を有し、これらは、それぞれの場合において、飲料準備機械の液体貯槽、外部の液体供給源、飲料準備機械の圧縮空気源、または外部の圧縮空気供給源に対して間接的に接続される。「間接的に」は、この場合、詳細には、たとえば液体を、詳細には水を、炭酸ガスで飽和させるため、および/または冷却するため、また液体ライン22に圧力下の液体を導入するために、設けられた液体調整システムなどのさらなる構成要素が液体貯槽と液体ライン22との間に存在することを意味する。炭酸を含む冷却された水は、流体供給部4を通って混合チャンバ3に流入し、流れ成形要素13が、層流が実質的に保たれることを保証する。
【0099】
図6では、穿刺ピン14が、密閉フィルム19を通って前方へ十分に入り込み、圧縮空気出口10が貯槽17の内部に配置されており、穿刺ピン14の外表面に設けられたチャネル、詳細には溝形のチャネルが、貯槽17から混合チャンバ3への飲料物質用の経路をもたらす。穿刺ピン14の圧縮空気ライン11が、既に圧縮空気接続部9と部分的にオーバラップしており、そのため部分的な流体接続が存在し、圧縮空気が機械側圧縮空気ライン21から貯槽17に通過することができて、混合チャンバ3への飲料物質の移動に寄与し、ここで、飲料物質が、任意選択で炭酸ガスを飽和させられかつ/または冷却された水と、混合されてから、飲料出口5を通って、下に配置された飲料容器に分配される。当業者なら、飲料準備機械が飲料に依拠して、異なるパラメータを用いて作動され得ること、および/またはカートリッジレセプタクル1が対応して構成されることを理解する。したがって、たとえば、水の温度および/または炭酸化の度合いが制御され得る。希釈率も、特にユーザによって制御され得る。
【0100】
この目的のために、最初に、たとえば水である液体の体積流量が制御され得る。飲料物質の体積流量も制御され得る。これは、第1に圧縮空気の体積流量によって行われ得るが、第2に、たとえば穿刺ピン14のチャネルの数もしくはサイズ、および/または密閉フィルム19を通過する穿刺ピン14の直径によっても行われ得る。
【0101】
本発明によれば、準備中に放出されたガスが、詳細にはソーダ水の場合には炭酸ガスが、カートリッジレセプタクル1からガス出口6を通って周囲に放出される。
【符号の説明】
【0102】
1 カートリッジレセプタクル
2 接続領域
3 混合チャンバ
4 流体供給部
5 飲料出口
6 ガス出口
7 残排出口
8 ピンガイド
9 圧縮空気接続部
10 圧縮空気出口
11 圧縮空気ライン
12 間隔手段
13 流れ成形要素
14 穿刺ピン
15 噴流成形要素
16 カートリッジ
17 貯槽
18 フランジ
19 密閉フィルム
20 結合要素
21 圧縮空気ライン(機械側)
22 液体ライン(機械側)
23 アクチュエータ要素
24 カートリッジホルダ