(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】公共交通機関のゲートを自動的に開放するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241203BHJP
【FI】
G07B15/00 B
(21)【出願番号】P 2023543204
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2022057072
(87)【国際公開番号】W WO2022200185
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-18
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原田 諭
(72)【発明者】
【氏名】崎川 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02991041(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートを自動的に開放するように構成された公共交通機関の複数のゲートを備えるゲートシステムであって、前記ゲートシステムは、
複数の送信機であって、各送信機が、複数のゲートのうちの1つに設置され、それぞれの前記ゲートを識別するゲート識別子を含む送信機信号を送信するように構成された、複数の送信機と、
複数のゲート制御デバイスであって、各ゲート制御デバイスが、
乗客のモバイルデバイスから
、複数の送信機信号の信号周波数に基づいて前記モバイルデバイスが選択した1つの送信機信号のゲート識別子を含む検証信号を受信し、受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子を前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートのゲート識別子と比較し、
受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子が前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートの前記ゲート識別子に対応する場合に前記ゲートを開放する、
ように構成された複数のゲート制御デバイスと
を備える、システム。
【請求項2】
公共交通機関のゲートを自動的に開放するためのシステムであって、
複数の送信機であって、各送信機が、複数のゲートのうちの1つに設置され、それぞれの前記ゲートを識別するゲート識別子を含む送信機信号を送信するように構成された、複数の送信機と、
前記複数のゲートに到達する乗客の少なくとも1つのモバイルデバイスであって、前記乗客のモバイルデバイスが、
前記複数の送信機から複数の送信機信号を受信し、
受信された前記送信機信号の
信号周波数に基づいて、受信された前記複数の送信機信号のうちの1つを選択し、
選択された前記送信機信号に含まれた前記ゲート識別子を読み出して、選択された前記送信機信号の前記ゲート識別子と、前記乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子とを含む検証信号を、前記複数のゲートを制御する複数のゲート制御デバイスに送信する、ように構成された乗客のモバイルデバイスと、
前記複数のゲート制御デバイスであって、各ゲート制御デバイスが、
前記乗客のモバイルデバイスから前記検証信号を受信し、
受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子を前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートのゲート識別子と比較し、
受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子が前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートの前記ゲート識別子に対応する場合に前記ゲートを開放する、
ように構成された複数のゲート制御デバイスと
を備える、システム。
【請求項3】
前記モバイルデバイスは、受信された前記送信機信号の
信号強度および信号周波数に基づいて、受信された前記複数の送信機信号のうち1つを選択する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
バックオフィスであって、
バックオフィスデータ記憶ユニットであって、
ユーザステータス管理テーブルに複数のユーザのユーザステータスデータを記憶するように構成されたバックオフィスデータ記憶ユニットと、
ユーザステータス管理ユニットであって、
前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスから、前記乗客のモバイルデバイスの前記ユーザ識別子を含むユーザステータス要求を受信し、
受信された前記ステータス要求に含まれた前記ユーザ識別子に基づいて、前記ユーザステータス管理テーブルから前のユーザステータスを読み出し、
前記前のユーザステータスに基づいて現在のユーザステータスを決定し、
前記現在のユーザステータスを、前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスに送信する、
ように構成されたユーザステータス管理ユニットと、を備え、
前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスが、
前記現在のユーザステータスを受信し、
受信された前記現在のユーザステータスにしたがって前記ゲートの開放方向を決定する、ように構成された、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記バックオフィスの前記ユーザステータス管理ユニットが、
前のユーザステータスが前記ユーザステータス管理テーブルに記憶されていない場合、または前記ユーザステータス管理テーブルに記憶された前記前のユーザステータスが「外側」である場合、前記現在のユーザステータスが「内側」であるように決定し、
前記ユーザステータス管理テーブルに記憶されている前記前のユーザステータスが「内側」である場合に、前記現在のユーザステータスが「外側」であるように決定する、ように構成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ゲート制御デバイスが、
前記現在のユーザステータスが「内側」である場合、入場方向に開放するように、前記ゲートが開放されるように制御し、
前記現在のユーザステータスが「外側」である場合、退場方向に前記ゲートが開放されるように制御する、
ように構成された、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記バックオフィスの前記ユーザステータス管理ユニットが、
受信された前記ステータス要求に含まれる前記ゲート識別子に基づいて、ユーザの現在の位置を決定し、
決定された前記現在のユーザステータスおよび前記ユーザの決定された前記現在の位置にしたがって前記ユーザステータス管理テーブルを更新する、
ように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記乗客のモバイルデバイスが、
送信機信号受信ユニットであって、
複数のゲートに設置された複数の送信機からの、各々がゲート識別子を含む複数の送信機信号を受信するように構成された送信機信号受信ユニットと、
前記複数の送信機から受信された前記複数の送信機信号に含まれる前記ゲート識別子を含むゲート識別子リストを記憶するように構成されたモバイルデバイスデータ記憶ユニットと、
検証信号生成ユニットであって、
受信された前記送信機信号の
信号周波数に基づいて、前記ゲート識別子リストに記憶されている、受信された前記複数の送信機信号のうちの1つを選択し、
選択された前記信号に含まれる前記ゲート識別子を、前記ゲート識別子リストから読み出し、
選択された前記送信機信号の前記ゲート識別子および前記乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含む検証信号を生成する、ように構成された検証信号生成ユニットと、
検証信号送信ユニットであって、
生成された前記検証信号を複数のゲート制御デバイスに送信する、ように構成された検証信号送信ユニットと、を含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のゲート制御デバイスの各々が、
信号受信ユニットであって、
乗客のモバイルデバイスからの検証信号と、
バックオフィスのユーザステータス管理ユニットからの現在のユーザステータスとを受信するように構成された信号受信ユニットと、
信号分析ユニットであって、
受信された前記検証信号に含まれるゲート識別子を前記ゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子と比較し、
受信された前記現在のユーザステータスにしたがって前記ゲートの開放方向を決定する、ように構成された信号分析ユニットと、
ゲート開放制御ユニットであって、
受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子が前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートの前記ゲート識別子に対応する場合に前記ゲートを開放するよう制御し、
前記現在のユーザステータスが「内側」である場合、入場方向に前記ゲートを開放するように制御し、
前記現在のユーザステータスが「外側」である場合、退場方向に前記ゲートを開放するように制御する、
ように構成されたゲート開放制御ユニットと
を含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
公共交通機関のゲートを自動的に開放するための方法であって、
各送信機が複数のゲートのうちの1つに設置された複数の送信機によって、各々がそれぞれの前記ゲートを識別するゲート識別子を含む送信機信号を送信するステップと、
前記複数のゲートに到達する乗客のモバイルデバイスによって、前記複数の送信機信号を受信するステップと、
前記乗客のモバイルデバイスによって、受信された前記送信機信号の
信号周波数に基づいて、受信された前記複数の送信機信号のうちの1つを選択するステップと、
前記乗客のモバイルデバイスによって、選択された前記送信機信号に含まれる前記ゲート識別子を読み出すステップと、
前記乗客のモバイルデバイスによって、選択された前記送信機信号の前記ゲート識別子および前記乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含む検証信号を、前記複数のゲートを制御する複数のゲート制御デバイスに送信するステップと、
前記複数のゲート制御デバイスの各々によって、前記乗客のモバイルデバイスから前記検証信号を受信するステップと、
前記複数のゲート制御デバイスの各々によって、受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子を、前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートのゲート識別子と比較するステップと、
前記ゲート制御デバイスによって、受信された前記検証信号に含まれる前記ゲート識別子が前記ゲート制御デバイスによって制御される前記ゲートの前記ゲート識別子に対応する場合に前記ゲートを開放するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
バックオフィスのユーザステータス管理ユニットによって、前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスから、前記乗客のモバイルデバイスの前記ユーザ識別子を含むユーザステータス要求を受信するステップと、
前記ユーザステータス管理ユニットによって、受信された前記ステータス要求に含まれた前記ユーザ識別子に基づいて、前記
バックオフィスのバックオフィスデータ記憶ユニットに記憶されたユーザステータス管理テーブルから前のユーザステータスを読み出すステップと、
前記ユーザステータス管理ユニットによって、前記前のユーザステータスに基づいて現在のユーザステータスを決定するステップと、
前記ユーザステータス管理ユニットによって、前記現在のユーザステータスを、前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスに送信するステップと、
前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスによって、前記現在のユーザステータスを受信するステップと、
前記ゲートが開放されるように制御する前記ゲート制御デバイスによって、受信された前記現在のユーザステータスにしたがって前記ゲートの開放方向を決定するステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザステータス管理ユニットによって、前のユーザステータスが前記ユーザステータス管理テーブルに記憶されていない場合、または前記ユーザステータス管理テーブルに記憶された前記前のユーザステータスが「外側」である場合、前記現在のユーザステータスが「内側」であると決定され、
前記ユーザステータス管理テーブルに記憶されている前記前のユーザステータスが「内側」である場合、前記ユーザステータス管理ユニットによって、前記現在のユーザステータスが「外側」であると決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲート制御デバイスによって、前記現在のユーザステータスが「内側」である場合、入場方向に開放するように、開放される前記ゲートが制御され、
前記ゲート制御デバイスによって、前記現在のユーザステータスが「外側」である場合、退場方向に開放するように、開放される前記ゲートが制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザステータス管理ユニットによって、受信された前記ステータス要求に含まれる前記ゲート識別子に基づいて、ユーザの現在の位置が決定され、
前記ユーザステータス管理ユニットによって、決定された前記現在のユーザステータスおよび前記ユーザの決定された前記現在の位置にしたがって、前記ユーザステータス管理テーブルが更新される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項10~14の少なくとも一項に記載の方法を実行させる命令を含むメモリに記憶可能なコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、詳しくは、乗客がモバイルデバイスを使用して公共交通機関のゲートを自動的に開放するためのシステムに関する。対応する方法およびコンピュータプログラム製品も同様に提供される。
【背景技術】
【0002】
モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムは、ますます一般的となっている。それらのシステムは、例えば、乗客が異なる交通機関/輸送手段に乗降した時を決定し、その乗客によって使用された搬送ルートを決定し、一部のシステムは、乗客のモバイルデバイスによって提供される乗客の位置情報に基づいて運賃まで計算できる。そのようなシステムを使用したときに乗客はモバイルデバイスを携帯しているのみである。以下では、モバイルデバイスを装備した乗客がユーザと呼ばれる。
【0003】
特許文献1は、モバイルデバイスの位置履歴を決定するための方法を記載している。道路網と関連付けられた異なる到達可能道路区分に対応する異なる状態は、モバイルデバイスのいくつかの初期推定位置に基づいて決定され、決定された状態間の遷移確率を定義する移動度モデルが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公共交通機関のゲートを自動的に開放するための本開示システムは、上述したように、モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの一部である。本開示は、本モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの計算量および測定量を増やすことなく、駅を通る乗客の流れを改善する技術的目的を扱う。この目的は、添付の特許請求の範囲の主題によって達せられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によれば、自動的に開放できる複数のゲートを含むゲートシステム、ならびに公共交通機関のゲートを自動的に開放するためのシステムであって、複数の送信機と、乗客の少なくとも1つのモバイルデバイスと、複数のゲート制御デバイスによって制御される複数のゲートを含むゲートシステムとを備えるシステムが提供される。公共交通機関のゲートを開放する上記のシステムは、添付の請求項1に記載されるゲートシステムを含むことが好ましい。
【0007】
公共交通機関は、駅、駅の1つまたは複数のプラットフォーム、および/または鉄道もしくはバスなどの1つまたは複数の公共輸送手段への入場口/退出口を有する鉄道駅、バス停留所などであり得ることが好ましい。
【0008】
公共交通機関のゲートは、1人の乗客が入場方向もしくは退場方向でゲートを通過できるようにするターンスタイル、自在ドア、または任意の他の可動障壁を備える、自動的に開放する電気的乗客ゲートであり得ることが好ましい。ゲートは、公共交通機関の入場口/退場口および/またはプラットフォーム入場口/退場口に位置していてもよい。ゲートはまた、公共交通機関の内側に位置してもよく、異なるプラットフォームを互いに分離し得る。代替的または追加的に、ゲートは、プラットフォームおよびレールを分離する駅のプラットフォームの網戸など、公共輸送手段の入場口/退場口に位置してもよい。本システムによって制御される複数のゲートは、さらに本システムの機能を損なうことなく、互いに近接して位置してもよい。
【0009】
複数の送信機は、乗客のモバイルデバイスとのワイヤレス通信のために構成された適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実施され得る。特に、送信機は、乗客のモバイルデバイス、複数のゲート制御デバイス、および/またはサービスプロバイダのサーバと通信するように構成されたプロセッサ、通信モジュール、および/またはネットワークインターフェースコンポーネントを含むスタンドアロンデバイスとして動作し得る。好ましくは、送信機は、定期的および/または絶え間なく送信機周辺の事前に定義された範囲で信号を発信する。複数の送信機は、UWB(超広帯域無線)タグ、アクティブRFID(無線周波数識別)タグ、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)タグ、および/またはBLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)タグ(「ビーコン」)を含み得ることが好ましい。スタンドアロンデバイスとして動作して定期的および/または絶え間なく送信機周辺の事前に定義された範囲で信号を発信するのに適した任意の他の送信機も同様に使用され得る。送信機の事前に定義された送信範囲は、0.1m~100mの範囲であり得ることが好ましい。最も好ましい送信機の事前に定義された送信範囲は、0.1m~10mの範囲であり得る。
【0010】
各送信機は、複数のゲートのうちの1つに設置され、それぞれのゲートを識別するゲート識別子を含む送信機信号を送信し得る。「~に設置」という表現は、「~に接続」、「~に搭載」、および/または「~に含まれる」という意味で理解されるものとする。ゲート識別子によるゲートの識別は、各ゲートがそれぞれのゲートの位置を正確に特定する排他的ゲート識別子を有することを含むものとする。
【0011】
複数のゲートに到達する乗客のモバイルデバイスは、複数の送信機から複数の送信機信号を受信し得、受信された送信機信号の信号特性に基づいて、受信された複数の送信機信号のうちの1つを選択し得る。「到達する」という表現は、乗客がゲートに接近していること、または乗客がゲートに近づいていること、または乗客がゲートの特定の定義可能な範囲/近傍内に達していることを意味し得る。好ましくは、乗客のモバイルデバイスは、以下で説明するように、最も高い信号強度および/または最も高い信号周波数を有する送信機信号を(自動的に)選択し得る。信号強度および信号周波数がユーザから送信機への距離に対応するため、ユーザに最も近い送信機から受信された信号が選択され得る。
【0012】
これは、乗客のモバイルデバイスが、送信機信号の範囲内に位置付けられている時にモバイルデバイスによってワイヤレスで受信可能な無線信号などを介して送信機信号を送信する送信機と相互作用し得ることを意味する。モバイルデバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、などでもよい。モバイルデバイスは、モバイルデバイスのユーザに関連情報を表示するためにグラフィックユーザインターフェースをさらに有し得ることが好ましい。
【0013】
複数のゲート制御デバイスは、制御されるゲートに接続され得る。特に、各ゲート制御デバイスは、単一のゲートに接続され得る。ゲート制御デバイスは、ゲートに含まれ得る、またはゲートに取り付けられ得ることが好ましい。ゲート制御デバイスはまた、ゲートからリモートに位置付けられることも可能である。各ゲート制御デバイスは、ケーブルまたは無線で制御されるゲートに電気的に接続され得る。さらに、各ゲート制御デバイスは、接続されたゲートに設置された送信機から、および/または接続されたゲートのゲート識別子が記憶されているデータストレージから、接続されたゲートのゲート識別子を受信し得る。接続されたゲートのゲート識別子を受信するために任意の他の可能性があるゲート制御デバイスもまた使用可能である。各ゲート制御デバイスは、乗客のモバイルデバイスおよび/または固定サーバと通信するようにさらに構成され得る。
【0014】
さらに、乗客のモバイルデバイスは、選択された送信機信号に含まれたゲート識別子を読み出して、選択された送信機信号のゲート識別子と、乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子とを含む検証信号を、複数のゲートを制御する複数のゲート制御デバイスに送信し得る。ユーザ識別子は、モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの文脈において乗客のモバイルを明確に定義する識別子であり得る。すなわち、検証信号は、駅/プラットフォームに入場/退場するために選択されたゲート、ならびに選択されたゲートを通って駅/プラットフォームに入場または退場することを意図するユーザを識別するために使用可能である。
【0015】
複数のゲート制御デバイスの各々は、乗客のモバイルデバイスから検証信号を受信し得、受信された検証信号に含まれたゲート識別子を、ゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子と比較し得る。
【0016】
受信された検証信号に含まれるゲート識別子がゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子に対応する場合、ゲート制御デバイスは、ゲートを開放し得る。すなわち、受信された検証信号に含まれるゲート識別子と制御デバイスに接続されるゲートのゲート識別子との間で比較が行われる。検証信号に含まれるゲート識別子が、ゲートコントローラが接続されるゲートのゲート識別子と一致する場合、ゲートコントローラはゲートを開放し得る。
【0017】
開示された主題は、モバイルデバイスを装備した乗客(ユーザ)のために、ユーザがゲートに到着したときに、公共交通機関のゲートを自動的に開放することによって、駅を通る乗客の流れを改善できる。また、駅/プラットフォームの入場口/退場口に設置された複数のゲートにユーザが到達したときに、ユーザを最も近いゲートに方向付けることも可能である。これによって、本モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの計算量および測定量を増やすことなく、駅内のユーザのルートを最適化できる。代わりに、既存のシステムの構成要素は、ユーザの最も近くに位置するゲートを自動的またはハンズフリーで開放するために相乗作用的に使用可能である。
【0018】
好ましい態様によれば、受信された送信機信号の信号特性が、信号強度及び/又は信号周波数であり得る。信号強度は、送信機から1メートル離れた較正プロセスで決定される信号電力レベルを指すRSSI値(受信信号強度表示)によって表され得ることが好ましい。例えば、RSSI値は、-120dbm~0dbmの範囲にあり得る。RSSI値が高いほど(すなわちRSSI値が0dbmに近いほど)、ユーザは送信機の近くに位置し、したがって通過するゲートに近い。これは、乗客のモバイルデバイスが最も高いRSSI値を有する送信機信号を選択し得ることを意味する。ユーザが未だ遠くて即座にゲートを通過できないときにゲートが選択されることを回避するため、事前に定義されたRSSI閾値が受信された送信機信号のために定義されてもよく、RSSI閾値は、最も高いRSSI値を有する信号が選択可能である前に各送信機信号によって超過されなければならない。
【0019】
代替的または追加的に、ゲートに設置された送信機への距離は、信号周波数を使用して決定され得る。信号周波数は、乗客のモバイルデバイスが定期的に送信される送信機信号を受信する周波数でもよい。周波数が高いほど、ユーザは送信機の近くに位置し、したがって通過するゲートに近い。これは、乗客のモバイルデバイスが最も高い信号周波数を有する送信機信号を選択し得ることを意味する。
【0020】
乗客のモバイルデバイスによって受信される各送信機信号のゲート識別子は、ゲート識別子リストに記憶され、タイムスタンプがともに提供され得ることが好ましい。加えて、信号強度は、ゲート識別子リストに記憶され得ることが好ましい。
【0021】
例えば、信号周波数は、特定の時刻において、または特定の時間区分中にゲート識別子リストに記憶されているゲート識別子の数の和に基づいて決定され得る。特定の例として、信号周波数は、ゲート識別子リストに記憶されているゲート識別子の数の和を、開始している特定の時間区分で割ることによって決定され得る。特定の時間区分は、ゲート識別子がゲート識別子リストに記憶されている最初の特定時刻から、ゲート識別子がゲート識別子リストに記憶されている最後の特定時刻までの時間区分に基づいて決定され得る。
【0022】
選択されたゲート識別子を含む検証信号がゲート制御ユニットに送信される場合、ゲート識別子リストはクリアされ得る。上述の手順は、複雑な距離測定機器を必要とせずに、モバイルデバイスを用いてユーザに最も近いゲートを自動的に開放することを可能にする。ゲート識別子リストに既に取り込まれているデータに基づいて信号強度および/または信号周波数を決定することはまた、受信された送信機信号を分析するための計算量の削減に役立つ。
【0023】
好ましい態様によれば、システムは、乗客の複数のモバイルデバイスのユーザステータスデータをユーザステータス管理テーブルに記憶するためのバックオフィスデータ記憶ユニットを含むバックオフィスを備え得る。バックオフィスは、固定サーバまたは複数の固定サーバであり得ることが好ましい。「バックオフィス」という用語は、リモートコンピュータ、サーバ、プロセッサ、ストレージデバイスなどのリモートに位置するコンピュータ設備を概して説明するものである。サーバは、インターネット、モバイルネットワーク、またはワイヤレスローカルエリアネットワークなどのワイヤレスデータ接続を介して乗客のモバイルデバイスおよび複数のゲート制御ユニットに接続され得ることがさらに好ましい。
【0024】
バックオフィスデータ記憶ユニットは、ゲート識別子テーブルおよびユーザステータス管理テーブルに記憶可能な情報を記憶できるデータ記憶ユニットであり得る。バックオフィスデータ記憶ユニットは、特に、乗客の複数のモバイルデバイスのユーザステータスデータを、テーブル、または別の適切なデータ形式などとして構造化されるのが好ましいデータベースに記憶するための内部記憶ユニットであり得ることが好ましい。データストレージは、固定サーバ/複数の固定サーバとともに提供され得ることが好ましい。データストレージは、乗客のモバイルデバイスまたは別のリモート位置とともに提供されることも可能である。データストレージはまた、異なる記憶位置に分散され得る。
【0025】
ゲート識別子テーブルは、ゲート識別子によって識別されたゲートの位置に対応するゲート識別子を記憶するように構成され得ることが好ましい。
【0026】
ユーザステータス管理テーブルは、各乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子、ユーザの位置/乗客のモバイルデバイス、ユーザの位置/乗客のモバイルデバイスを決定した時刻を示すタイムスタンプ、およびユーザステータスを記憶するように構成され得ることが好ましい。
【0027】
バックオフィスは、開放されるようにゲートを制御するゲート制御デバイスからの乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含むユーザステータス要求を受信し得るユーザステータス管理ユニットをさらに備え得る。バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、ユーザステータス管理テーブルから前のユーザステータスを読み出し得る。
【0028】
「ユーザステータス」という用語は、鉄道駅またはバス停留所などの公共交通機関ならびに鉄道またはバスなどのその対応する交通機関の設備を使用するモバイルデバイスを装備する乗客(ユーザ)のステータスとして理解され得る。これは、それぞれの駅で輸送手段を待つ、輸送手段に乗車する、駅に入場する、駅の内側/外側にいる、などのアクティビティを含み得る。
【0029】
ユーザステータスは、「内側」および「外側」を含み得ることが好ましく、「内側」は、自分のモバイルデバイスを装備した乗客(ユーザ)が駅/プラットフォームの内側に位置付けられていることを示し、「外側」は、乗客が駅/プラットフォームの「外側」に位置付けられていることを示す。
【0030】
受信されたステータス要求に含まれるユーザ識別子に基づいて、ユーザステータス管理ユニットは、前のユーザステータスに基づいて現在のユーザステータスを決定し得る。すなわち、ユーザステータス管理ユニットは、受信されたユーザ識別子によってユーザステータス管理テーブルに記憶されている、モバイルデバイスを装備した乗客(ユーザ)のステータスデータを識別し得、前のユーザステータスとして、ユーザステータス管理テーブルから最後のタイムスタンプを有する、識別されたユーザのユーザステータスを読み出し得る。
【0031】
さらに、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、現在のユーザステータスを、ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイスに送信し得る。現在のユーザステータスは、ゲートを通ることを意図しているユーザがゲートを通ることによって達成し得るステータスとして理解され得る。開放されるようにゲートを制御するゲート制御デバイスは、現在のユーザステータスを受信し得、受信された現在のユーザステータスにしたがってゲートの開放方向を決定し得、それによってゲートは、タイムラグがなく正しい方向にユーザに対して自動的に開放されることが可能になる。
【0032】
システムの好ましい態様によれば、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、前のユーザステータスがユーザステータス管理テーブルに記憶されていない場合に、現在のユーザステータスが「内側」であると決定し得る。この場合、ステータス情報が利用可能でないため、ユーザが、駅/プラットフォームの外側に存在しているにちがいないと仮定される。すなわち、前のユーザステータスが「外側」であると仮定される。さらに、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、ユーザステータス管理テーブルに記憶されている前のユーザステータスが「外側」である場合、現在のユーザステータスが「内側」であると決定し得る。バックオフィスデータ記憶ユニットに既に記憶されているデータテーブルに基づいて扉開放方向を決定することによって、ユーザステータスは、計算される必要がなく、それによってさらなる計算量が必要とされない。
【0033】
さらに、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、ユーザステータス管理テーブルに記憶されている前のユーザステータスが「内側」である場合、現在のユーザステータスが「外側」であると決定し得る。
【0034】
システムの好ましい態様によれば、ゲート制御デバイスは、現在のユーザステータスが「内側」である場合、入場方向にゲートが開放されるように制御し得、現在のユーザステータスが「外側」である場合、退場方向にゲートが開放されるように制御し得る。
【0035】
システムの態様によれば、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、受信されたステータス要求に含まれるゲート識別子に基づいてユーザの現在の位置を決定し得る。ユーザの現在の位置は、各ゲート識別子が対応ゲートの位置に関連して記憶され得るゲート識別子テーブルを使用してユーザが直前に通過したゲートの位置を決定することによって決定可能である。
【0036】
さらに、決定された現在のユーザステータスおよびユーザの決定された現在の位置にしたがって、ユーザステータス管理ユニットは、ユーザステータス管理テーブルを更新し得る。すなわち、ユーザステータス管理ユニットは、タイムスタンプとともに現在のユーザ位置が提供された現在のユーザステータスを、ステータス管理テーブルのそれぞれの列に書き込み得る。
【0037】
システムの好ましい態様によれば、乗客のモバイルデバイスは、送信機信号受信ユニットを含んでもよく、送信機信号受信ユニットは、各々が複数のゲートに設置された複数の送信機から、ゲート識別子を含む複数の送信機信号を受信し得る。送信機信号受信ユニットは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)、超広帯域無線などのワイヤレス通信を介して送信機信号を受信し得る。さらに、送信機信号受信ユニットは、送信機信号に含まれたゲート識別子が受信され、受信されたゲート識別子をタイムスタンプとともにゲート識別子リストに記憶する度に、ゲート識別子リストを継続的に更新するように構成され得る。
【0038】
さらに、モバイルデバイスは、上述したゲート識別子リストを記憶し得るモバイルデバイスデータ記憶ユニットを含み得る。モバイルデバイスデータ記憶ユニットは、特に、ゲート識別子リストを、テーブル、または別の適切なデータ形式などとして構造化されるのが好ましいデータベースに記憶するための内部記憶ユニットであり得ることが好ましい。データストレージは、ユーザのモバイルデバイスまたは他のリモート位置とともに提供され得る。データストレージはまた、異なる記憶位置に分散され得る。
【0039】
ゲート識別子リストは、テーブルに記憶され得ることが好ましい。テーブルは、例えば、受信されたゲート識別子が列挙されている第1の列、ゲート識別子に対応するタイムスタンプが列挙されている第2の列、受信された送信機信号の対応する信号強度が列挙されている第3の列を含み得る。
【0040】
さらに、乗客のモバイルデバイスは、受信された送信機信号の信号強度及び/又は信号周波数などの信号特性に基づいてゲート識別子リストに記憶されている、受信された送信機信号のうちの1つを選択し得る検証信号生成ユニットを含み得る。
【0041】
好ましくは、検証信号生成ユニットは、選択された信号のゲート識別子をゲート識別子リストから読み出し、選択された送信機信号のゲート識別子及び乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含む検証信号を生成し得る。
【0042】
加えて、乗客のモバイルデバイスは、生成された検証信号を複数のゲート制御デバイスに送信するように構成された検証信号送信ユニットを含み得る。
【0043】
選択されたゲート識別子を含む検証信号がゲート制御ユニットに送信される場合、ゲート識別子リストはクリアされ得る。
【0044】
検証信号送信ユニットは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)、超広帯域無線などのワイヤレス通信を介して検証信号を送信し得る。
【0045】
システムの好ましい態様によれば、複数のゲート制御デバイスの各々は、乗客のモバイルデバイスからの検証信号と、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットからの現在のユーザステータスとを受信し得る信号受信ユニットを含み得る。信号受信ユニットは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)、超広帯域無線などのワイヤレス通信を介して乗客のモバイルデバイスから検証信号を受信し得、インターネット、モバイルネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワークなどのワイヤレスデータ接続を介してバックオフィスのユーザステータス管理ユニットから現在のユーザステータスを受信し得る。
【0046】
さらに、複数のゲート制御デバイスの各々は、受信された検証信号に含まれるゲート識別子を、ゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子と比較し得、受信された現在のユーザステータスにしたがってゲートの開放方向を決定し得る信号分析ユニットを含み得る。信号分析ユニット
【0047】
加えて、複数のゲート制御デバイスの各々は、受信された検証信号に含まれるゲート識別子がゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子に対応する場合にゲートを開放するように制御し得る、ゲート開放制御ユニットを含み得る。さらに、ゲート開放制御ユニットは、現在のユーザステータスが「内側」である場合、入場方向にゲートが開放されるように制御し得、現在のユーザステータスが「外側」である場合、退場方向にゲートが開放されるように制御し得る。
【0048】
さらに、ゲートおよびゲート制御デバイスに関連する構成および態様はまた、モバイルデバイスおよびその構成とは別に特許請求され得ることに留意されたい。
【0049】
さらなる態様によれば、公共交通機関のゲートを自動的に開放するための方法が開示される。本方法は、各送信機が複数のゲートのうちの1つに設置された複数の送信機によって、各々がそれぞれのゲートを識別するゲート識別子を含む送信機信号を送信するステップと、複数のゲートに到達する乗客のモバイルデバイスによって、複数の送信機信号を受信するステップと、乗客のモバイルデバイスによって、受信された送信機信号の信号特性に基づいて、受信された複数の送信機信号のうちの1つを選択するステップと、乗客のモバイルデバイスによって、選択された送信機信号に含まれるゲート識別子を読み出すステップと、乗客のモバイルデバイスによって、選択された送信機信号のゲート識別子および乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含む検証信号を、複数のゲートを制御する複数のゲート制御デバイスに送信するステップと、複数のゲート制御デバイスの各々によって、乗客のモバイルデバイスから検証信号を受信するステップと、複数のゲート制御デバイスの各々によって、受信された検証信号に含まれるゲート識別子をゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子と比較するステップと、ゲート制御デバイスによって、受信された検証信号に含まれるゲート識別子がゲート制御デバイスによって制御されるゲートのゲート識別子に対応する場合にゲートを開放するステップと、を含み得る。
【0050】
好ましい態様によれば、方法は、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットによって、ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイスから、乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子を含むユーザステータス要求を受信するステップと、ユーザステータス管理ユニットによって、受信されたステータス要求に含まれたユーザ識別子に基づいて、ユーザステータス管理テーブルから前のユーザステータスを読み出すステップと、ユーザステータス管理ユニットによって、前のユーザステータスに基づいて現在のユーザステータスを決定するステップと、ユーザステータス管理ユニットによって、現在のユーザステータスを、ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイスに送信するステップと、ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイスによって、現在のユーザステータスを受信するステップと、ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイスによって、受信された現在のユーザステータスにしたがってゲートの開放方向を決定するステップと、をさらに含み得る。
【0051】
方法の好ましい態様によれば、ユーザステータス管理ユニットによって、前のユーザステータスがユーザステータス管理テーブルに記憶されていない場合、またはユーザステータス管理テーブルに記憶された前のユーザステータスが「外側」である場合、現在のユーザステータスが「内側」であると決定され得、ユーザステータス管理テーブルに記憶されている前のユーザステータスが「内側」である場合、現在のユーザステータスが「外側」であると決定され得る。
【0052】
方法の好ましい態様によれば、ゲート制御デバイスによって、開放されるゲートが、現在のユーザステータスが「内側」である場合に入場方向に開放するように、さらに現在のユーザステータスが「外側」である場合に退場方向に開放するように制御され得る。
【0053】
方法の好ましい態様によれば、ユーザステータス管理ユニットによって、受信されたステータス要求に含まれるゲート識別子に基づいて、ユーザの現在の位置が決定され得、ユーザステータス管理ユニットによって、決定された現在のユーザステータスおよび乗客のモバイルデバイスの決定された現在の位置にしたがって、ユーザステータス管理テーブルが更新され得る。
【0054】
すなわち、特許請求の範囲に記載のシステムの各構成はまた、それ自体で特許請求され得る方法を用いて、および/または本開示の別の態様におけるコンピュータプログラム製品請求項を用いて包含され得る。
【発明の効果】
【0055】
概要を述べると、開示される主題は、駅/プラットフォームに入場/退場するときにユーザが到着するゲートを自動的に開放することによって駅を通る乗客の流れを改善可能にする。この改善は、既に設置されている利用可能な技術を使用することによって、本モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの計算量および測定量を増加することなく達成可能である。加えて、ユーザをゲートに誘導するために、わずかに前進したユーザに最も近いゲートを開放することによって、駅内のユーザのルートを最適化することが可能である。既存のシステムに既に記憶されているデータに基づいて扉開放方向を決定することによって、ユーザステータスは計算される必要がなく、したがって追加の計算量も必要とされない。
【0056】
以下において、添付図面を参照して少なくとも1つの好ましい例に基づいて、特許請求の範囲に記載の主題がさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】公共交通機関の2つの例示的なゲートに到達しているモバイルデバイスを装備した乗客(ユーザ)を概略的に示す図である。
【
図2】公共交通機関のゲートを開放するための、特許請求の範囲に記載のシステムの一例を示す図である。
【
図3a】ゲート識別子テーブルの一例を示す図である。
【
図3b】ユーザステータス管理テーブルの一例を示す図である。
【
図3c】受信されたゲート識別子を示すゲート識別子リストの一例を示す図である。
【
図4】特許請求の範囲に記載のシステムのデバイス間の信号フローの一例を概略的に示す図である。
【
図5】ゲート識別子の選択を例示的に示すフローチャートである。
【
図6】検証信号の分析を例示的に示すフローチャートである。
【
図7】ユーザステータスの決定を例示的に示すフローチャートである。
【
図8】ユーザステータスにしたがってゲート開放を制御するプロセスを例示的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、駅/プラットフォームの外側から鉄道駅またはバス停留所などの公共交通機関の2つの例示的なゲート1200、1300に到達しているモバイルデバイス(ユーザ)100を装備した乗客を概略的に示している。図示されているゲート1200、1300は各々が、ターンスタイル1220、1320と、ゲート制御デバイス1210、1310と、送信機1201、1301とを備える。
【0059】
各送信機1201、1301は、送信機1201、1301が設置されているゲート1200、1300を一意に識別するゲート識別子を含む、無線信号などの送信機信号を定期的または絶え間なく送信し得る。
【0060】
図示されているユーザ100は、ゲート1200、1300に設置された2台の送信機1201、1301から、ゲート識別子(点線の矢印で示される)を含む送信機信号を受信し得るモバイルデバイス1100を携帯する。送信機信号を受信後、乗客のモバイルデバイス1100は、2つの送信機信号に含まれるゲート識別子をゲート識別子リストに記憶し、検証信号を生成するために最も高い信号強度および/または信号周波数を有する信号に含まれたゲート識別子を選択し得る。
【0061】
その後、乗客のモバイルデバイス1100は、生成された検証信号を2つのゲート1200、1300(実線の矢印で示される)のゲート制御デバイス1210、1310に送信し、ゲート識別子リストをクリアし得る。その結果、検証信号に含まれたゲート識別子を有するゲート1200、1300を制御するゲート制御デバイス1210、1310は、接続されたゲート1200、1300のターンスタイル1220、1320を開放し得る。各ゲート制御デバイス1210、1310が、例えば、その接続されたゲート1200、1300のゲート識別子を、ゲート1200、1300に設置された送信機1201、1301から受信してもよく、または、それぞれのゲート識別子が各ゲート1200、1300のゲート制御デバイス1210、1310のデータストレージに記憶されてもよい。
【0062】
図1の図示されている例では、ゲート1200がユーザ100により近く、したがってその乗客のモバイルデバイス1100がそのゲート1200に設置された送信機1201から最も高い信号強度/信号周波数を有する信号を受信し得る。それによって、モバイルデバイス1100は、ゲート1200のゲート識別子を含む検証信号を生成し得る。ゲート制御デバイス1210、1310は、検証信号に含まれたゲート識別子をそれらの接続されたゲート1200、1300のゲート識別子と比較し得る。ゲート1200のゲート識別子が検証信号に含まれ得るため、ゲート制御デバイス1210は、(ターンスタイル1220の横の湾曲した矢印によって示されるように)ターンスタイル1220を開放するようにゲート1200を制御してもよく、それによってユーザ100は、最短の可能な方法で駅/プラットフォームに入場できる。
【0063】
図2は、公共交通機関のゲートを開放するための、特許請求の範囲に記載のシステムの一例を概略的に図示する。図示されたシステムは、バックオフィス1000と、乗客のモバイルデバイス1100と、公共交通機関の少なくとも2つのゲート1200、1300と、バックオフィス1000およびゲート制御デバイス1210、1310を接続するネットワークNとを備える。
【0064】
複数のゲートについての一例として示されている2つのゲート1200、1300は各々が、送信機1201、1301およびゲート制御デバイス1210、1310を装備している。また、送信機1201、1301がゲート制御デバイス1210、1310に含まれることも可能である。あるいは、ゲート制御デバイス1210、1310がゲートからリモートに位置することも可能である。2つのゲート制御デバイス1210、1310の各々は、信号受信ユニット1202、1302と、信号分析ユニット1203、1303と、ゲート開放制御ユニット1204、1304とを備える。
【0065】
乗客のモバイルデバイス1100は、送信機信号受信ユニット1101と、ゲート識別子リスト1104が記憶されているモバイルデバイスデータ記憶ユニット1110と、検証信号生成ユニット1102と、検証信号送信ユニット1103とを備える。
【0066】
バックオフィス1000は、ゲート識別子テーブル1001およびユーザステータス管理テーブル1002が記憶されているバックオフィスデータ記憶ユニット1010、ならびにユーザステータス管理ユニット1003、行程履歴計算ユニット1004、および運賃計算ユニット1005を含む。代替的または追加的に、ユーザステータス管理テーブル1002は、乗客のモバイルデバイス1100に記憶され得る。バックオフィス1000は、インターネットまたはワイヤレスローカルエリアネットワークなどのワイヤレスデータ接続を介してゲート制御デバイス1210、1310に接続され得る。さらに、バックオフィス1000は、モバイルネットワークを介してモバイルデバイス1100に接続され得る。
【0067】
ゲート1200、1300に設置された送信機1201、1301は、定期的および/または絶え間なく送信機1201、1301周辺の事前に定義された範囲で無線信号を介して送信機信号を発信し得る。各送信機信号は、送信機1201、1301が設置されたゲート1200、1300を明確に識別するゲート識別子を含み得る。モバイルデバイス1100の送信機信号受信ユニット1101は、2台の送信機1201、1301からのゲート識別子を含む送信機信号を受信してもよく、さらに、モバイルデバイスデータ記憶ユニット1110に記憶されているゲート識別子リスト1104にタイムスタンプとともに、2つの送信機信号に含まれたゲート識別子を書き込んでもよい。ゲート識別子リスト1104の例示的な構造は、
図3cと関連して後述される。
【0068】
乗客のモバイルデバイス1100の検証信号生成ユニット1102は、受信された送信機信号の信号強度および/または信号周波数などの信号特性に基づいてゲート識別子リスト1104に記憶されている、受信された送信機信号のうちの1つを選択し得る。その後、検証信号生成ユニット1102は、選択された信号のゲート識別子をゲート識別子リスト1104から読み出し、選択された送信機信号のゲート識別子および乗客のモバイルデバイス1100のユーザ識別子を含む検証信号を生成し得る。次のステップで、乗客のモバイルデバイス1100の検証信号送信ユニット1103は、生成された検証信号を、各ゲート制御デバイス1210、1310の信号受信ユニット1202、1302を介してゲート制御デバイス1210、1310に送信し得る。選択されたゲート識別子を含む検証信号がゲート制御ユニット1210、1310に送信される場合、ゲート識別子リスト1104はクリアされ得る。検証信号送信ユニット1103は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)、超広帯域無線などのワイヤレス通信を介して検証信号を送信し得る。
【0069】
その後、各ゲート制御デバイス1210、1310の信号分析ユニット1203、1303は、受信された検証信号に含まれるゲート識別子を、それぞれのゲート制御デバイス1210、1310によって制御されるゲート1200、1300のゲート識別子と比較し得る。受信されたゲート識別子がゲート制御デバイス1210、1310によって制御されたゲート1200、1300のゲート識別子と一致することをゲート制御デバイス1210、1310の信号分析ユニット1203、1303が決定した場合、それぞれのゲート制御ユニット1210、1310は、ユーザステータス要求をバックオフィス1000のユーザステータス管理ユニット1003へ送信し得る。
【0070】
ゲートが開放されるように制御するゲート制御デバイス1210、1310からユーザステータス要求をユーザステータス管理ユニット1003が受信すると、受信されたステータス要求に含まれるユーザ識別子に基づいて、ユーザステータス管理テーブル1002から前のユーザステータスを読み出し得る。ユーザステータス管理テーブル1002の例示的な構造は、
図3bと関連して後述される。
【0071】
ユーザステータス管理ユニット1003は、次いで、前のユーザステータスに基づいて現在のユーザステータスを決定し、現在のユーザステータスを、ユーザステータス要求を受信したゲート制御デバイスに送信し得る。それに応答して、それぞれのゲート制御デバイスの信号受信ユニット1103は、現在のユーザステータスを受信し得、現在のユーザステータスに基づいて、ゲート制御デバイス1210、1310の信号分析ユニット1203がゲート1200、1300の開放方向を決定し得る。次いで、ゲート制御デバイス1210、1310のゲート開放制御ユニット1204、1304は、決定された方向に開放するようにゲート1200、1300を制御し得る。
【0072】
加えて、バックオフィス1000のユーザステータス管理ユニット1003は、受信されたユーザステータス要求に含まれるゲート識別子に基づいてユーザ100の現在の位置を決定し得る。ユーザ100の現在の位置は、バックオフィスデータ記憶ユニット1010に記憶されているゲート識別子テーブル1001を使用してユーザ100が直前に通過したゲート1200、1300の位置を決定することによって決定可能であり、ゲート識別子テーブル1001において、各ゲート識別子は対応ゲートの位置に関連して列挙され得る。ゲート識別子テーブル1001の例示的な構造は、
図3aと関連して後述される。
【0073】
その後、決定された現在のユーザステータスおよびユーザ100の決定された現在の位置にしたがって、ユーザステータス管理ユニット1003は、ユーザステータス管理テーブル1002を更新し得る。
【0074】
加えて、図示されたバックオフィスは、行程履歴計算ユニット1003および運賃計算ユニット1005を含む。行程履歴計算ユニット1003は、移動開始駅および移動終了駅から乗客の行程を計算し得る。移動開始駅は、乗客が乗客の行程を開始したバス停留所または鉄道駅などの公共交通機関の駅でもよく、対応して、移動終了駅は公共交通機関の乗客が乗客の行程を終了した駅でもよい。移動開始駅および移動終了駅に基づいて、乗客が乗客行程中に移動した総距離が決定可能である。
【0075】
運賃計算ユニット1005は、行程履歴計算ユニット1004によって計算された移動開始駅と移動終了駅との間の距離にしたがって、移動開始駅から移動終了駅へ到達するために公共交通手段を使用する乗客によって支払われるべき対応運賃を計算し得る。
【0076】
図3aは、ゲート識別子テーブル1001の一例を示している。ゲート識別子テーブルは、ゲート識別子によって識別されたゲート1200、1300の位置に対応するゲート識別子を記憶するように構成され得ることが好ましい。例示的なゲート識別子テーブル1001の第1の列において、いくつかのゲート1200、1300のゲート識別子(ゲートID)が列挙されており、第2の列においてゲート識別子に対応するゲート1200、1300の位置が列挙されている。ゲート識別子テーブル1001は、ゲートID01000および01001を有するゲートが駅Aに位置し、ゲートID02000~02002を有するゲートが駅Bに位置することを示す。
【0077】
図3bは、ユーザステータス管理テーブル1002の一例を示している。ユーザステータス管理テーブル1002は、各乗客のモバイルデバイスのユーザ識別子、ユーザの位置、ユーザの位置を決定した時刻を示すタイムスタンプ、およびユーザステータスを記憶するように構成され得ることが好ましい。図示された例示的なユーザステータス管理テーブル1002の第1の列において、数人のユーザが列挙されており、第2の列において、ユーザの異なる位置が列挙されており、第3の列において、ユーザ位置を決定したタイムスタンプが列挙されており、第4の列において、異なるユーザステータスが列挙されている。
【0078】
テーブル1001および1002で提供される情報にしたがって、ユーザステータス管理ユニット1003は、前のユーザステータス「In」を有するユーザAが、ゲートID01000および01001を有するゲートのうちの1つを通過する場合に駅Aの外側に位置することを決定し得る。それに応じて、ユーザステータス管理ユニット1003は、ユーザBが、ゲートID02000~02003を有するゲートのうちの1つを通過する場合に駅Bの外側に位置することを決定し得る。前のユーザステータス「Out」を有するユーザCに関して、ユーザステータス管理ユニット1003は、ユーザCがゲートID01000および01001を有するゲートのうちの1つを通過する場合に駅Aの内側に位置すること、およびユーザCがゲートID02000~02002を有するゲートのうちの1つを通過する場合に駅Bの内側に位置することを決定し得る。
【0079】
図3cは、各々がタイムスタンプとともに提供された、受信されたゲート識別子を示すゲート識別子リストの一例を示している。図示された例示的なゲート識別子リスト1104の第1の列は、第2の列に列挙されているゲートIDが受信されたタイムスタンプを示す。第3の列は、受信された送信機信号のRSSI値を示す。ゲート識別子リスト1104において提供される情報によれば、ユーザのモバイルデバイスによって受信された送信機信号の対応RSSI値がより高い(0dBmにより近い)ため、ゲートID1001を有するゲートは、駅Aのゲートに到達するユーザにより近い。それによって、ユーザのモバイルデバイスは送信機信号を選択し、ゲートID1001を含む検証信号を、駅Aの2つのゲートのゲート制御デバイスに送信し得る。受信されたゲートIDをゲートのゲートIDと比較後、ゲートID1001を有するゲートに接続されたゲート制御デバイスは、ゲートを開放するように制御し得る。
【0080】
図4は、特許請求の範囲に記載のシステムのデバイス間の信号フローの一例を概略的に示す。それぞれのゲートID(ゲートID(A)、ゲートID(B))は、ゲートAおよびゲートBからモバイルデバイスに送信され、モバイルデバイスは、両方のゲートIDを受信し、ゲートBがモバイルデバイスにより近いため、ゲートID(B)を選択して検証信号を生成する。ユーザIDおよびゲートID(B)を含む生成された検証信号は、モバイルデバイスから、各々がゲート制御デバイスを備える両方のゲートに送信される。両方のゲート制御デバイスは、検証信号に含まれたゲートID(B)をそれらのゲートのゲートIDと比較する。受信されたゲートID(B)がゲートBのゲートIDと一致するため、ゲートBのゲート制御デバイスは、受信されたユーザIDを含むユーザステータス要求をバックオフィスに送信する。バックオフィスは、前のユーザステータスをチェックし、現在のユーザステータスを決定し、現在のユーザステータスをゲートBの制御デバイスに送信する。ゲートBの制御デバイスは、次いで、ゲートを開放するようにゲートBを制御する。
【0081】
図5は、受信された送信機信号の信号強度に応じた、乗客のモバイルデバイスによるゲート識別子の選択を例示的に示すフローチャートである。選択プロセスの開始後、モバイルデバイスが複数のゲートに設置された複数の送信機から少なくとも1つの送信機信号を受信したかが最初にチェックされる。それまでに信号がモバイルデバイスに全く送信されていない場合、モバイルデバイスは送信機信号の受信を継続し得る。1つまたは複数の信号がモバイルデバイスによって受信された場合、モバイルデバイスは、検証信号を生成するために受信された最も強い信号のゲートIDを選択し得る(S501)。次のステップS502で、モバイルデバイスは検証信号をゲート制御ユニットに送信し得、ステップS503で、モバイルデバイスは受信された信号のリスト(ゲート識別子リスト)をクリアし得る。その後、モバイルデバイスは選択プロセスを終了し得る。
【0082】
図6は、検証信号受信後の複数のゲート制御デバイスによる検証信号の分析を例示的に示すフローチャートである。プロセスを開始後、各ゲート制御デバイスは、受信された検証信号に含まれたゲート識別子GateID
recを、ゲート制御デバイスが接続されるゲートのゲート識別子GateID
gateと比較する。両方のゲート識別子が一致しない場合、それぞれのゲート制御デバイスがプロセスを終了し得る。両方のゲート識別子が一致する場合、プロセスが終了される前に、それぞれのゲート制御デバイスは、ユーザステータス要求をバックオフィスに送信し得る(S601)。
【0083】
図7は、バックオフィスによるユーザステータスの決定を例示的に示すフローチャートである。プロセスを開始後、バックオフィスのユーザステータス管理ユニットは、受信されたユーザ識別子に割り当てられたユーザステータスがユーザステータス管理テーブルに記憶されているかを最初にチェックする。ユーザステータスが利用可能でない場合、現在のユーザステータスが「内側」であると決定され得る(S701)。ユーザステータス管理テーブルに記憶されている最後のユーザステータスが「内側」を示す場合、現在のユーザステータスは「外側」であると決定され得(S703)、そうでなければ現在のユーザステータスは「内側」であると決定され得る(S702)。続くステップS704で、ユーザの現在の位置が決定されてもよく、次いで、プロセスが終了される前に、ユーザステータス管理テーブルがユーザステータス管理ユニットによって更新され得る(S705)。
【0084】
図8は、ゲート制御デバイスによるユーザステータスにしたがってゲート開放を制御するプロセスを例示的に示すフローチャートである。プロセスを開始後、ゲート制御デバイスは、ゲートの通過を意図しているユーザの現在のユーザステータスが「内側」または「IN」(「OUT」ではない)であると示されているかをチェックする。「内側」または「IN」であると示されている場合、ゲート制御デバイスは、入場方向に開放するようにゲートを制御し(S802)、そうでなければ、プロセスを終了する前に、ゲート制御デバイスが退場方向に開放するようにゲートを制御する(S801)。すなわち、現在のユーザステータスは、乗客がゲートを通過する前に更新され得ることが好ましい。さらに換言すれば、ゲート開放の決定は、乗客のステータスの更新後に常に行われ得ることが好ましい。それに応じて、駅から出るためにゲートに接近する乗客の現在のユーザステータスは「OUT」になり、それによってゲートは退場方向に開放し、駅に入るためにゲートに接近する乗客は「IN」となり、それによってゲートは入場方向に開放する。開放方向の上記の好ましい例はまた、本明細書で説明される原理の技術的概念から逸脱することなく逆にし得る。
【0085】
概要を述べると、本開示は、公共交通機関のゲートを自動的に開放するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品を提供する。開示された主題は、モバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムの一部であり、とりわけ、既存のシステムの計算量を増加させることなく、モバイルデバイスを装備した乗客(ユーザ)の駅内のルートを最適化することによって、駅を通る乗客の流れを改善できる。開示された主題は、現在のモバイルコンピュータをベースとした公共輸送管理システムで既に使用されている利用可能な技術が乗客の流れを改善するためにさらに使用可能であるという利点を提供する。それによって、さらなる測定機器は必要とされない。既存のシステムに既に記憶されているデータに基づいて扉開放方向を決定することによって、ユーザステータスは計算される必要がなく、したがって追加の計算量も必要とされない。
【0086】
当業者には理解されるように、本開示は、上記の説明および添付図面で説明したように、方法、装置(デバイス、機械、システム、コンピュータプログラム製品、および/または任意の他の装置)、または上記の組み合わせとして具体化され得る。
【0087】
したがって、本開示の実施形態は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書において「システム」と全般的に呼ばれ得るソフトウェア態様およびハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態を有し得る。さらに、本開示の実施形態は、媒体において具体化されたコンピュータ実行可能プログラムコードを有するコンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を有し得る。
【0088】
なお、2つ以上のエンティティが関与する通信、転送、または他のアクティビティを表すために、矢印が図面中で使用され得ることに留意されたい。両方向矢印は、全般的に、アクティビティが両方向に発生し得ることを示す(例えば、ある方向におけるコマンド/要求と他方向の対応する応答、またはいずれかのエンティティによって開始されるピアツーピア通信)が、状況によっては、アクティビティが必ずしも両方向で発生しなくてもよい。
【0089】
片方向矢印は、概して、一方向のみ、または主に一方向のアクティビティを示すが、特定の状況において、そのような方向性のアクティビティは両方向のアクティビティ(例えば、送信元から受信先へのメッセージ、その受信先から送信元への受信通知、または転送前の接続の構築および転送後の接続の停止)を含み得ることに留意されたい。したがって、特定のアクティビティを表すために特定の図面で使用される矢印の種類は例示的なものであり、限定するとみなされるべきではない。
【0090】
態様は、方法および装置のフローチャートの図および/またはブロック図を参照して、さらに方法および/または装置によって生成されたグラフィカルユーザインターフェースの多くのサンプル図を参照して上記で説明されている。フローチャートの図および/またはブロック図の各ブロック、および/またはフローチャートの図および/またはブロック図中のブロックの組み合わせとともに、グラフィカルユーザインターフェースは、コンピュータ実行可能プログラムコードによって実施可能であることを理解されるであろう。
【0091】
コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるプログラムコードがフローチャート、ブロック図のブロック、図、および/または記述された説明において明示された機能/動作/出力を実施するための手段を創出するように、上記のコンピュータ実行可能プログラムコードは、特定の機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。
【0092】
これらのコンピュータ実行可能プログラムコードは、コンピュータ可読メモリにも格納されてもよく、コンピュータ可読メモリに格納されたプログラムコードが、フローチャート、ブロック図のブロック、図、および/または記述された説明において明示された機能/動作/出力を実施する命令手段を含む製品を製造するように、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定の手法で機能させ得る。
【0093】
コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行されるプログラムコードが、フローチャート、ブロック図のブロック、図、および/または記述された説明において明示された機能/動作/出力を実施するためのステップを提供するように、上記のコンピュータ実行可能プログラムコードは、一連の動作ステップがコンピュータ実施プロセスを創出するようにコンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行されるようにするためにコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にさらにロードされてもよい。もしくは、コンピュータプログラム実施ステップまたは動作は、実施形態を実行するために、オペレータまたは人間が実施したステップまたは動作と組み合わされてもよい。
【0094】
なお、「サーバ」および「プロセッサ」などの用語は、特定の実施形態で使用され得るデバイスを説明するために本明細書で使用される場合があり、文脈上必要な場合を除いて、特定のデバイスの種類に限定すると解釈されるべきではないことに留意されたい。したがって、デバイスは、限定なく、ブリッジ、ルータ、ブリッジ-ルータ(ブロウタ)、スイッチ、ノード、サーバ、コンピュータ、機器、または他の種類の装置を含み得る。そのようなデバイスは、典型的に、通信ネットワークを介して通信するための1つまたは複数のネットワークインターフェースと、それに応じてデバイスの機能を実行するように構成されたプロセッサ(例えば、メモリおよび他の周辺機器および/または特定用途向けハードウェアを有するマイクロプロセッサ)とを含む。
【0095】
通信ネットワークは、全般的に、公衆ネットワークおよび/またはプライベートネットワークを含んでもよく、ローカルエリア、ワイドエリア、メトロポリタンエリア、ストレージおよび/または他の種類のネットワークを含んでもよく、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth(登録商標))、ネットワーキング技術、およびインターネットワーキング技術を含むが決してそれに限定されない通信技術を用いてもよい。
【0096】
また、デバイスは、通信プロトコルおよびメッセージ(例えば、デバイスによって作成、送信、受信、格納、および/または処理されたメッセージ)を使用してもよく、そのようなメッセージは、通信ネットワークまたは媒体によって運ばれてもよいことに留意されたい。
【0097】
文脈上必要な場合を除き、本開示は、いずれかの特定の通信メッセージタイプ、通信メッセージフォーマット、または通信プロトコルに限定されると解釈されるべきではない。したがって、通信メッセージは、全般的に、限定なく、フレーム、パケット、データグラム、ユーザデータグラム、セル、または他のタイプの通信メッセージを含み得る。
【0098】
文脈上必要な場合を除き、特定の通信プロトコルへの言及は例示的なものであり、必要に応じて、代替実施形態がそのような通信プロトコル(例えば、その時々に作成され得るプロトコルの修正または拡張)または将来的に知られる、もしくは作成される、のいずれかの他のプロトコルの変形を用いてもよいことを理解されたい。
【0099】
また、様々な態様にロジックを実演するために、ロジックの流れが本明細書に記載される場合があり、本開示を特定のロジックの流れまたはロジックの実施に限定すると解釈されるべきではないことに留意されたい。説明されたロジックは、本開示の全体的な結果を変更せずに、異なるロジックブロック(例えば、プログラム、モジュール、関数、またはサブルーチン)に分割され得る。
【0100】
多くの場合、ロジック要素は、異なる順序で、追加、修正、削除、実行されてもよく、または本開示の全体的な結果を変更せずに、異なるロジック構造(例えば、ロジックゲート、ルーピングプリミティブ、条件付きロジック、および他のロジック構造)を使用して実施され得る。
【0101】
本開示は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)とともに使用されるコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のPLD)とともに使用されるプログラマブルロジック、個別コンポーネント、集積サーキットリー(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含むが、決してそれらに限定されない多くの異なる形態で具体化され得る。上述された機能の一部または全部を実施するコンピュータプログラムロジックは、通常、それ自体がコンピュータ可読媒体に格納されオペレーティングシステムの制御の下でマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能形態に変換されるコンピュータプログラム命令のセットとして実施される。上述された機能の一部または全部を実施するハードウェアベースのロジックは、1つまたは複数の適切に構成されたFPGAを使用して実施され得る。
【0102】
本明細書で上述した機能の全部または一部を実施するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形態、コンピュータ実行可能形態、および様々な中間形態(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、またはロケータによって生成された形態)を含むが、決してそれらに限定されない様々な形態で具体化され得る。
【0103】
ソースコードは、様々なオペレーティングシステムまたは動作環境とともに使用される様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFortran、C、C++、JAVA、またはHTMLなどの高級言語)のいずれかで実施される一連のコンピュータプログラム命令を含み得る。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを定義および使用し得る。ソースコードは、コンピュータ実行可能形態(例えば、インタプリタによる)を有してもよく、またはソースコードは(例えば、トランスレータ、アセンブラ、またはコンパイラによって)コンピュータ実行可能形態に変換され得る。
【0104】
本開示の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ実行可能プログラムコードは、Java、Perl、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向、スクリプトまたは非スクリプトプログラミング言語で記述されてもよい。ただし、実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、同様に、「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語で記述されてもよい。
【0105】
本明細書で上述された機能の全部または一部を実施するコンピュータプログラムロジックは、単一のプロセッサ(例えば、同時)上で異なるタイミングで実行されてもよく、または複数のプロセッサ上で同一または異なるタイミングで実行されてもよく、さらに単一のオペレーティングシステムのプロセス/スレッドの下で、または異なるオペレーティングシステムのプロセス/スレッドの下で実行されてもよい。
【0106】
したがって、「コンピュータプロセス」という用語は、全般的に、異なるコンピュータプロセスが同一または異なるプロセッサ上で実行されるかに関わらず、および異なるコンピュータプロセスが同一のオペレーティングシステムのプロセス/スレッドまたは異なるオペレーティングシステムのプロセス/スレッドの下で実行されるかに関わらず、コンピュータプログラム命令のセットの実行を指し得る。
【0107】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または他のメモリデバイスなどの有形の格納媒体に永続的または一時的のいずれかで任意の形態(例えば、ソースコード形態、コンピュータ実行可能形態、または中間形態)で固定され得る。
【0108】
コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth(登録商標))、ネットワーキング技術、およびインターネットワーキング技術を含むが決してそれに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能である信号において任意の形態で固定され得る。
【0109】
コンピュータプログラムは、任意の形態で、印刷された文書または電子文書を添付したリムーバブル記憶媒体として(例えば、シュリンクラップされたソフトウェア)配布されることができ、コンピュータシステムに予めロードしておくことができ(例えば、システムROM上または固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはワールドワイドウェブ)を通じて、サーバまたは電子掲示板から配布され得る。
【0110】
本明細書で前述された機能の全部または一部を実施するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスとともに使用されるプログラマブルロジックを含む)は、従来の手作業の方法を使用して設計されてもよく、あるいはコンピュータ援用設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDLまたはAHDL)、またはPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、またはCUPL)などの様々なツールを使用して、電子的に、設計、キャプチャ、シミュレート、または文書化され得る。
【0111】
任意の適切なコンピュータ可読媒体が用いられてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、または媒体でもよいが、それに限定されない。
【0112】
コンピュータ可読媒体のより特定の例は、1つまたは複数の配線、または、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、または他の光学もしくは磁気格納デバイスなどの他の有形格納媒体を有する電気接続を含むが、それに限定されない。
【0113】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、または他のメモリデバイスなどの有形の格納媒体に永続的または一時的のいずれかで固定され得る。
【0114】
プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、およびインターネットワーキング技術を含むが決してそれに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能である信号で固定され得る。
【0115】
プログラマブルロジックは、印刷された文書または電子文書を添付したリムーバブル記憶媒体として(例えば、シュリンクラップされたソフトウェア)配布されることができ、コンピュータシステムに予めロードしておくことができ(例えば、システムROM上または固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはワールドワイドウェブ)を通じて、サーバまたは電子掲示板から配布され得る。当然ながら、いくつかの態様は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)とハードウェアとの両方の組み合わせとして実施され得る。さらに他の実施形態は、全体的にハードウェアとして、または全体的にソフトウェアとして実施され得る。
【0116】
特定の例示的な態様が説明され、添付図面にて示されたが、そのような態様は例示であり、さらに、前項で記載されたものに加えて、様々な他の変更、組み合わせ、削除、修正および置換が可能であるため、実施形態は、図示および説明された特定の構造および構成に限定されないことを理解されたい。
【0117】
当業者は、上記の実施形態の様々な適応、修正、および/または、組み合わせが構成可能であることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本開示が本明細書で具体的に記載された以外で実践され得ることを理解されたい。例えば、特記しない限り、本明細書に記載のプロセスのステップは、本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行されてもよく、1つまたは複数のステップが、結合、分割、または同時実行されてもよい。
【0118】
当業者は、さらに本開示を鑑みて、本明細書に記載の異なる実施形態または態様が、他の実施形態を形成するために結合され得ることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0119】
100 ユーザ
1000 バックオフィス
1100 乗客のモバイルデバイス
1101 送信機信号受信ユニット
1102 検証信号生成ユニット
1103 検証信号送信ユニット
1104 ゲート識別子リスト
1200、1300 ゲート
1201、1301 送信機
1202、1302 信号受信ユニット
1203、1303 信号分析ユニット
1204、1304 ゲート開放制御ユニット
1210、1310 ゲート制御デバイス