(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20241203BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20241203BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/52
(21)【出願番号】P 2024002390
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-04-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】梅井 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】三木 達
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 弘人
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-159540(JP,A)
【文献】特開2020-014533(JP,A)
【文献】「攻撃を当てた時のヒット感~見せ方2~」編,BYKING秘伝書 [online],2019年09月13日,URL: <https://www.byking.jp/blog/2019/09/13/%E3%80%8C%E6%94%BB%E6%92%83%E3%82%92%E5%BD%93%E3%81%A6%E3%81%9F%E6%99%82%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%88%E6%84%9F%EF%BD%9E%E8%A6%8B%E3%81%9B%E6%96%B9%EF%BC%92%EF%BD%9E%E3%80%8D%E7%B7%A8/>,[令和5年11月7日検索日]
【文献】コンボ解析,テイルズ オブ グレイセス f まとめWiki [online],2015年03月18日,URL: <https://w.atwiki.jp/talesofgracesf/pages/120.html>,[令和5年11月8日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付手段、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御手段、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定手段、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御手段、
として機能させ、
前記受付手段は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせるプログラム。
【請求項2】
前記第1のアクションは、攻撃であり、
前記第1の演出は、攻撃を実行した対象の動き、攻撃を受けた対象の動き、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにすることであり、
前記所定の対象は、攻撃を実行した対象及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方であり、
前記第2の演出は、前記所定の対象に所定の動作を行わせること、及び前記所定の対象の拡大縮小を繰り返させること、の少なくとも一方を含み、
前記演出決定手段は、前記時間長情報に基づき、前記所定の動作の大きさ、及び前記拡大縮小の変化の大きさの少なくとも一方に関係する決定を行う請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記演出決定手段は、前記時間長情報で示される時間の長さが長いほど前記所定の動作の大きさを大きくする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記演出決定手段は、前記時間長情報で示される時間の長さが長いほど前記拡大縮小の変化の大きさを大きくする請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1の対象の攻撃の種類毎に、前記第1の演出の時間の長さの基準値が予め設定されており、
前記コンピュータを、前記第1の対象が攻撃を行う場合、前記基準値とその他のパラメータに基づく演算で、前記第1の演出の実際の時間の長さを決定する演出時間決定手段としてさらに機能させ、
前記時間長情報は、前記基準値であり、
前記演出決定手段は、前記第1の対象が攻撃を行う場合、前記第1の対象が行う攻撃の種類に対応する前記基準値に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に前記所定の対象に対して行う前記第2の演出の内容を決定し、
前記演出制御手段は、前記第1の対象が攻撃を行った場合、前記基準値に基づき決定された時間の長さで前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付手段、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御手段、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定手段、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御手段、
として機能させ、
前記受付手段は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値以上であれば、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせ、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値未満であれば、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせるプログラム。
【請求項7】
前記第1のアクションは、同一の対象に対する攻撃である請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付部と、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定部と、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御部と、
を有し、
前記受付部は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御部は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる処理装置。
【請求項9】
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付部と、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定部と、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御部と、
を有し、
前記受付部は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御部は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値以上であれば、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせ、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値未満であれば、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる処理装置。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータが、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させ、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定し、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせ、
前記入力を受付ける処理では、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記第2の演出を行わせる処理では、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる処理方法。
【請求項11】
1つ以上のコンピュータが、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させ、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定し、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせ、
前記入力を受付ける処理では、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記第2の演出を行わせる処理では、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値以上であれば、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせ、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値未満であれば、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理装置、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示に関連する技術が特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1は、ゲームに関する技術であって、攻撃の種類毎に攻撃を受けた側のモーション及び動作制限期間を設定しておくこと(
図2)、及び攻撃の種類に応じて動作制限期間が異なること(
図2、請求項9)を開示している。
【0004】
非特許文献1は、ゲームに関する技術であって、攻撃が当たった瞬間にキャラクタの動作を停止するヒットストップを開示している。また、非特許文献1は、ヒットストップ中は攻撃を受けた側を大きく、攻撃した側を小さく振動すること、振動の大きさは時間経過で徐々に弱まっていくこと、地上では横に、空中では縦に振動すること、及びカメラが引いているほど振動を大きくすること等を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】“ヒットストップ”,[online],最終更新日時2021年8月26日,大乱闘スマッシュブラザーズWiki,[令和5年12月25日検索],インターネット,
【0007】
<URL:https://smashwiki.info/%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ゲーム中に、ゲームの中のキャラクタや画面の全体や画面の一部等を停止したり、スローモーションにしたりする演出が広く利用されている。このような演出としては、例えば、キャラクタの攻撃に応じて、攻撃したキャラクタ及び攻撃を受けたキャラクタの少なくとも一方の動きを停止したり、スローモーションにしたりする演出が挙げられる。
【0009】
非特許文献1に開示の技術のように、このような演出に加えて、キャラクタを振動させる等の追加の演出を行うことで、ゲームへの没入感やエンターテイメント性等を向上させることができる。しかし、非特許文献1に開示の追加の演出の具体的な内容は、「攻撃を受けた側を大きく、攻撃した側を小さく振動する」、「振動の大きさは時間経過で徐々に弱まっていく」、「地上では横に、空中では縦に振動する」、及び「カメラが引いているほど振動を大きくする」等であり、まだまだ工夫の余地があった。
【0010】
本開示の目的の一例は、上述した問題を鑑み、ゲームにおける新たな演出を実現する処理装置、処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示によれば、
コンピュータを、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付手段、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御手段、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定手段、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0012】
また、本開示によれば、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付部と、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定部と、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御部と、
を有する処理装置が提供される。
【0013】
また、本開示によれば、
1つ以上のコンピュータが、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させ、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定し、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一態様によれば、ゲームにおける新たな演出を実現する処理装置、処理方法及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示にかかる処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示にかかる処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】本開示にかかる処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図4】本開示にかかる第2の演出の一例を説明するための図である。
【
図5】本開示にかかる第2の演出の内容を決定する処理の一例を説明するための図である。
【
図6】本開示にかかる処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本開示にかかるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図8】本開示にかかる処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示にかかる処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示にかかる処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。本開示において図面は、1以上の実施形態に関連付けられる。また、全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
<<第1の実施形態>>
<概要>
まず、本実施形態の処理装置が実行する処理の概要を説明する。本実施形態の処理装置は、ゲーム進行中、ゲームの中の対象による第1のアクションに応じて、第1の演出を行う。そして、処理装置は、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出をさらに行う。
【0018】
本実施形態では、第1のアクション、第1の演出、所定の対象及び第2の演出は以下の通りである。なお、以下でこれらの変形例を説明する。
【0019】
「第1のアクション」:攻撃
「第1の演出」:攻撃を実行した対象の動き、攻撃を受けた対象の動き、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにする
「所定の対象」:攻撃を実行した対象及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方
「第2の演出」:所定の対象に所定の動作(振動、一方向に傾く等)を行わせること、及び所定の対象の拡大縮小を繰り返させること、の少なくとも一方
【0020】
そして、処理装置は、第2の演出の内容、詳細には第2の演出の大きさ、より詳細には所定の動作の大きさ(振動の幅(振幅)、傾きの大きさ)や拡大縮小の変化の大きさ(拡大率、縮小率)を、第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき変化させる。以下、このような処理装置の構成を詳細に説明する。
【0021】
<ハードウエア構成>
処理装置のハードウエア構成の一例を説明する。処理装置の各機能部は、ハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。ソフトウエアは、予め装置を出荷する段階から格納されているプログラムや、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラム等を含む。
【0022】
図1は、処理装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図1に示すように、処理装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェース3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0023】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェース3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。入出力インターフェース3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェースや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェース等を含む。また、入出力インターフェース3Aはインターネット等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル、ゲーム機専用のコントローラ等である。出力装置は、例えばディスプレイ、投影装置、スピーカ、プリンタ、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0024】
<機能構成>
処理装置の機能構成の一例を説明する。
図2に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理装置10は、受付部11と、ゲーム制御部12と、ゲーム画面制御部13とを有する。ゲーム画面制御部13は、演出時間決定部131と、演出決定部132と、演出制御部133とを有する。
【0025】
本実施形態の処理装置10は、プレイヤが操作する端末装置である。端末装置は、ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話等が例示されるが、これらに限定されない。処理装置10に所定のプログラムをインストールしたり、所定のゲームソフト(プログラム)を挿入したりすることで、処理装置10において上述のような機能部が実現される。
【0026】
受付部11は、プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける。受付部11は、処理装置10が備える入力装置を介して当該入力を受付ける。
【0027】
受付部11は、プレイヤが操作する対象(以下、「操作対象」という場合がある)を操作する入力、例えば操作対象に所望のアクションを行わせる入力を受付けることができる。
【0028】
操作対象に行わせることができるアクションは、予めゲーム毎に設定されている。本実施形態のゲームは、操作対象が戦うゲームである。このようなゲームでは、操作対象に行わせることができるアクションとして、各種攻撃が設定されていてもよい。また、移動、ジャンプ、防御等のその他のアクションが、操作対象に行わせることができるアクションとして設定されていてもよい。
【0029】
「対象」は、プレイヤ又はコンピュータにより操作される対象である。対象は、例えばキャラクタ、アバター、乗り物(二輪車、四輪車、大型車、船、飛行体、戦車、戦闘機等)、その他の物体等であるが、これらに限定されない。
【0030】
「操作対象」は、ゲームに現れる対象の中の少なくとも1つであり、プレイヤが操作する対象である。
【0031】
「他の対象」は、ゲームに現れる対象の中の少なくとも1つであり、他のプレイヤ又はコンピュータが操作する対象である。
【0032】
ゲーム制御部12は、受付部11がプレイヤから受けた入力に基づきゲームを進行させる。
【0033】
例えば、ゲーム制御部12は、プレイヤからの入力に対応するアクションを、操作対象に実行させる。ゲーム制御部12は、プレイヤからの入力に基づき、操作対象に攻撃させたり、プレイヤが指定した種類の攻撃を操作対象に行わせたり、操作対象を移動させたり、操作対象にジャンプさせたり、操作対象に防御させたりすることができる。
【0034】
また、ゲーム制御部12は、他のプレイヤからの入力やコンピュータによる制御により決定されたアクションを、他の対象に実行させる。他の対象も、操作対象と同様のアクションを行うことができる。
【0035】
そして、ゲーム制御部12は、攻撃判定や各対象の状態パラメータ(ヒットポイント等)の更新等、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。
【0036】
ゲーム制御部12による上述のようなゲームの制御は、広く知られたあらゆる技術を利用して実現できる。
【0037】
ゲーム画面制御部13は、ゲーム制御部12によるゲームの制御に合わせて、ゲーム画面の表示内容を制御する。ゲーム画面は、処理装置10の出力装置に出力される。ゲーム画面には、操作対象や他の対象等が表示されている。
【0038】
例えば、予め、対象毎に、各アクションを行う時にゲーム画面上で行うモーションが設定されている。モーションは、身体の動き、表情の動き、乗り物等のボディーの動き等のような対象の外観の時間変化を示す。ゲーム画面制御部13は、ゲーム制御部12による制御に応じてある対象があるアクションを行う時、上記設定に基づきその対象のそのアクションに対応するモーションを読み出し、ゲーム画面上でその対象にそのモーションを行わせる。また、ゲーム画面制御部13は、ゲーム制御部12による制御に応じて、対象のゲーム画面上での位置や向き等を変化させてもよい。
【0039】
また、ゲーム画面制御部13は、演出時間決定部131、演出決定部132及び演出制御部133を有する。これらの機能部により、ある対象が第1のアクションを行った時の特別な演出をゲーム画面上で行うことができる。以下、詳細に説明する。
【0040】
演出時間決定部131は、ある対象が第1のアクションを行う場合、第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さを決定する。以下、第1のアクションを行う対象を「第1の対象」と呼ぶ。第1の対象は、操作対象であってもよいし、他の対象であってもよい。
【0041】
上述の通り、本実施形態では、第1のアクション及び第1の演出は以下の通りである。
「第1のアクション」:攻撃
「第1の演出」:攻撃を実行した対象の動き、攻撃を受けた対象の動き、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにする
【0042】
第1の演出は、ヒットストップ、ヒットスロー、ヒットディレイ等と呼ばれる演出である。「画面の全体」は画面に表示されているオブジェクト全体を指してもよいし、仮想カメラにて撮影されるゲーム空間全体を指してもよい。「画面の一部」は、画面に表示されているオブジェクト全体の一部を指してもよいし、仮想カメラにて撮影されるゲーム空間全体の一部を指してもよい。第1の演出の時間の長さは、様々な方法で決定することができる。以下、一例を説明する。
【0043】
一例では、各対象の各種攻撃毎に、第1の演出の時間の長さの基準値が予め設定されている。そして、演出時間決定部131は、第1の対象が第1の攻撃を行う場合、第1の対象の第1の攻撃に紐付く基準値とその他のパラメータに基づく演算で、第1の演出の実際の時間の長さを決定する。
【0044】
すなわち、当該例では、基準値がそのまま第1の演出の実際の時間の長さになるのでなく、基準値とその他のパラメータに基づく演算で、第1の演出の実際の時間の長さが決定される。
【0045】
当該例の場合、ゲームの設計者が予め、各対象の各種攻撃毎に基準値を設定する。例えば重い一撃、より具体的にはモーションの動きの大きさ、派手さから、威力が高いと思わせる攻撃に紐付けて相対的に長い基準値が設定される。そして、軽い一撃、より具体的にはモーションの動きの小ささ、簡素さから、威力が低いと思わせる攻撃、例えば素早く連続する攻撃に紐付けて相対的に短い基準値が設定される。
【0046】
図3に当該設定の一例を示す。図示する例では、キャラクタID(identifier)と、攻撃IDと、第1の演出の時間の長さの基準値と、攻撃力とが互いに紐付けられている。
【0047】
「キャラクタID」は、ゲームのキャラクタ(対象)を互いに識別する情報である。
【0048】
「攻撃ID」は、複数種類の攻撃を互いに識別する情報である。一のキャラクタが1種類の攻撃を行うことができてもよいし、複数種類の攻撃を行うことができてもよい。
【0049】
「第1の演出の時間の長さの基準値」は、時間の長さを示す。基準値は、例えば数秒程度である。例えば重い一撃に紐付けて相対的に長い基準値が設定され、軽い一撃に紐付けて相対的に短い基準値が設定される。
【0050】
「攻撃力」は、各攻撃の強さを示す。例えば重い一撃に紐付けて相対的に大きい攻撃力が設定され、軽い一撃に紐付けて相対的に小さい攻撃力が設定される。例えばこのような攻撃力に基づき、ゲーム制御部12による攻撃判定(ダメージを与えたか否かの判定や与えたダメージ量の判定等)が行われてもよい。
【0051】
第1の演出の実際の時間の長さの演算に用いる上記「その他のパラメータ」は、様々なパラメータを含むことができる。例えば、その他のパラメータは、以下の中の少なくとも1つを含んでもよい。
【0052】
・攻撃判定の結果(第1の対象が相手に与えたダメージ量)
・第1の対象(攻撃を実行した対象)のその時の状態を示すパラメータ(ヒットポイント等)
・攻撃を受けた対象のその時の状態を示すパラメータ(ヒットポイント等)
・攻撃を受けた対象の各種パラメータ(防御力等)
【0053】
演出時間決定部131は、予め生成されている関数やテーブル等の演算モデルを用いて、基準値とその他のパラメータとから第1の演出の実際の時間の長さを演算することができる。
【0054】
なお、ここで説明した第1の演出の実際の時間の長さを決定する手法はあくまで一例であり、その他の手法で第1の演出の実際の時間の長さを決定してもよい。
【0055】
図2に戻り、演出決定部132は、第1の対象が第1のアクションを行う場合、その第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくともその第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する。
【0056】
上述の通り、本実施形態では、所定の対象及び第2の演出は以下の通りである。
「所定の対象」:攻撃を実行した対象(第1の対象)及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方
「第2の演出」:所定の対象に所定の動作(振動、一方向に傾く等)を行わせること、及び所定の対象の拡大縮小を繰り返させること、の少なくとも一方
【0057】
所定の動作は、攻撃のヒット感等を演出可能な様々な動作を含む。所定の動作の一例は振動であるがこれに限定されず、一方向に傾く等の他の動作であってもよい。振動は、
図4に示すように、ゲーム画面上における対象を左右方向に繰り返し素早く小さく移動させることである。
図4の例の場合、P
1の位置にいるキャラクタを、mの振幅(振動の幅)で振動させている。なお、振動の方向は左右方向に限定されず、その他の方向であってもよい。このような第2の演出により、攻撃のヒット感をより高めることができる。
【0058】
拡大縮小は、ゲーム画面上における対象の大きさを繰り返し素早く拡大縮小させることである。このような第2の演出により、攻撃のヒット感をより高めることができる。
【0059】
なお、所定の動作(振動、一方向に傾く等)や拡大縮小が行われている間、ゲーム画面上における見た目の対象の位置(対象を表示している領域)は変動する(
図4のP
1乃至P
3)。しかし、処理装置10が管理するゲーム空間上の対象の位置は変化させなくてもよい(例えば、
図4のP
1で固定)。このようにすることで、対象が所定の動作(振動、一方向に傾く等)や拡大縮小を繰り返し、ゲーム画面上における対象の見た目の位置が変動している場合であっても、攻撃判定等に利用する対象の位置を固定し、判定結果がぶれないようにすることができる。
【0060】
次に、第2の演出の内容の決定に用いる「時間長情報」について説明する。本実施形態の時間長情報は、上述した「第1の演出の時間の長さの基準値」である。演出決定部132は、第1の対象が第1の攻撃を行う場合、
図3に示すような予め設定されている情報を参照し、その第1の対象のその第1の攻撃に紐付けて予め設定されている基準値を、時間長情報として読み出す。
【0061】
なお、以下の変形例で説明するように、上述した「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」を時間長情報とすることもできる。しかし、本実施形態の時間長情報は、「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」でなく、「第1の演出の時間の長さの基準値」である。「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」でなく、「第1の演出の時間の長さの基準値」を利用することの効果は、後述する。
【0062】
次に、「時間長情報に基づき第2の演出の内容を決定する処理」を説明する。
【0063】
本実施形態の第2の演出は、所定の対象(攻撃を実行した対象及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方)に所定の動作(振動、一方向に傾く等)を行わせること、及び所定の対象の拡大縮小を繰り返させること、の少なくとも一方である。
【0064】
演出決定部132は、第2の演出の内容を決定する処理として、第2の演出の大きさに関係する決定を行う。例えば、演出決定部132は、時間長情報に基づき、所定の対象の所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)に関係する決定を行う。その他、例えば、演出決定部132は、時間長情報に基づき、所定の対象の拡大縮小の変化の大きさに関係する決定を行う。演出決定部132は、時間長情報に基づき、所定の対象の所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)、及び拡大縮小の変化の大きさの少なくとも一方に関係する決定を行うことができる。
【0065】
演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、第2の演出を大きくすることができる。また、演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、所定の対象の所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)を大きくすることができる。また、演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、所定の対象の拡大縮小の変化の大きさを大きくすることができる。
【0066】
ここで、「第2の演出の大きさに関係する決定」、すなわち「所定の動作(振動、一方向に傾く等)に関係する決定」や「拡大縮小に関係する決定」について説明する。
【0067】
ゲーム画面上での対象の所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の変化の大きさを制御する手法は様々であるが、例えば次のような例が考えられる。一例では、予め対象毎に第2の演出のモーション(振動するモーションや傾くモーションや拡大縮小するモーション等)を生成しておく。そして、第2の演出を行う際には、ゲーム画面制御部13は、ゲーム画面上で再生中の対象のモーションに、第2の演出のモーションを加算して再生することで、ゲーム画面上で対象に第2の演出のモーションを行わせることができる。この例の場合、第2の演出のモーションを加算する割合を制御することで、第2の演出の大きさを制御することができる。第2の演出のモーションの加算割合が大きくなるほど、第2の演出が大きくなる(振幅や傾きや拡大縮小の変化の大きさが大きくなる)。
【0068】
この例の場合、演出決定部132は、第2の演出の大きさに関係する決定として、第2の演出のモーションの加算割合を決定する。演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、より大きい加算割合を決定することができる。
【0069】
図5を用いて、時間長情報から第2の演出のモーションの加算割合を決定する手法の一例を説明する。
【0070】
図5の例の場合、時間長情報で示される時間の最小値はt
0であり、最大値はt
3である。t
0は0、又はそれより大きい値である。そして、加算割合の最小値はa
0であり、最大値はa
1である。a
0は0、又はそれより大きい値である。
【0071】
図5の例の場合、時間長情報で示される時間の長さがt
0以上t
1以下の場合、演出決定部132は、加算割合a
0を決定する。また、時間長情報で示される時間の長さがt
2以上t
3以下の場合、演出決定部132は、加算割合a
1を決定する。
【0072】
そして、時間長情報で示される時間の長さがt1より大t2より小の場合、演出決定部132は、所定の演算方法で、a0より大a1より小の間の値を決定する。この場合、演出決定部132は、予め用意された関数やテーブル等の演算モデルを用いて、時間長情報で示される時間の長さから加算割合を算出することができる。演算モデルは、時間長情報で示される時間の長さが大きいほど、加算割合が大きくなるものであればよく、様々な内容とすることができる。この演算モデルの一例は一次関数であるが、これに限定されない。
【0073】
図5に示す各種パラメータ(t
0乃至t
1、a
0及びa
1)は、対象毎に設定することができてもよい。また、
図5に示す各種パラメータは、各対象の各種攻撃毎に設定することができてもよい。
【0074】
なお、
図5に示す手法はあくまで一例であり、これに限定されない。例えば、時間長情報で示される時間の長さの全ての区間において(
図5の場合、t
0からt
3の区間)、上述した「時間長情報で示される時間の長さがt
1より大t
2より小の場合」の処理で、第2の演出の大きさを決定してもよい。
【0075】
ゲーム画面上での対象の所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の変化の大きさを制御する手法の他の例では、予め対象毎に、第2の演出のモーションとして、複数のバリエーションを生成しておく。複数のバリエーションは、第2の演出の大きさ(振幅や傾きや拡大縮小の大きさ等)が互いに異なる。
【0076】
そして、第2の演出を行う際には、ゲーム画面制御部13は、ゲーム画面上で再生中の対象のモーションに代えて、第2の演出のモーションを再生することで、ゲーム画面上で対象に第2の演出のモーションを行わせることができる。この例の場合、ゲーム画面制御部13は、第2の演出の大きさが互いに異なる複数のバリエーションの中から所定のバリエーションを選択し、再生することで、第2の演出の大きさを制御することができる。
【0077】
この例の場合、演出決定部132は、第2の演出の大きさに関係する決定として、所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の大きさを決定する。そして、演出決定部132は、第2の演出のモーションの複数のバリエーションの中から、決定した所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の大きさに対応するバリエーションを選択し、再生することができる。
【0078】
演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、より大きい所定の動作(より大きい振幅やより大きい傾き等)を決定することができる。また、演出決定部132は、時間長情報で示される時間の長さが長いほど、より大きい拡大縮小を決定することができる。演出決定部132は、上述した加算割合の決定と同様な手法で、所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の大きさを決定することができる。一例では、
図5の第2の演出の大きさを、所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の大きさに置き換えて、上述した加算割合の決定と同様な手法で、所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の大きさを決定することができる。
【0079】
以上説明したように、演出決定部132は、第1の対象が攻撃を行う場合、第1の対象が行う攻撃の種類に対応する基準値(時間長情報)に基づき、少なくとも第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定することができる。
【0080】
図2に戻り、演出制御部133は、ゲーム画面上の演出を制御する。演出制御部133は、決定された演出をゲーム画面上で行わせる。例えば、演出制御部133は、第1の対象が第1のアクションを行った場合、ゲーム画面上で第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出を行わせる。演出制御部133は、第1の演出が行われている間に加えて、第1の演出が行われていない間にも、所定の対象に対する第2の演出を行わせてもよい。例えば、演出制御部133は、第1の演出が行われている間に所定の対象に対する第2の演出を行わせ、その第1の演出が終了した後も引き続き所定の対象に対する第2の演出を行わせてもよい。
【0081】
例えば、演出制御部133は、第1の対象が攻撃(第1のアクション)を行った場合、それに応じて、演出時間決定部131が決定した第1の演出の時間の長さで第1の演出を行わせる。具体的には、演出制御部133は、演出時間決定部131が決定した第1の演出の時間の長さで、攻撃を実行した対象(第1の対象)、攻撃を受けた対象、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにする。
【0082】
そして、演出制御部133は、少なくとも上述した第1の演出が行われている間、演出決定部132が決定した内容で、所定の対象に対する第2の演出を行わせる。具体的には、演出制御部133は、演出決定部132により決定された第2の演出の大きさ(振幅や拡大縮小の大きさ)で、攻撃を実行した対象(第1の対象)、及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方(所定の対象)に所定の動作(振動、一方向に傾く等)を行わせたり、拡大縮小させたりする。
【0083】
なお、演出制御部133は、第1の対象が攻撃(第1のアクション)を行った場合、その攻撃(第1のアクション)が所定の条件を満たした場合に、ゲーム画面上で第1の演出及び第2の演出を行わせてもよい。所定の条件は、「その攻撃で相手にダメージを与えた」や「その攻撃で相手に所定値以上のダメージを与えた」等が例示されるが、これらに限定されない。
【0084】
次に、
図6のフローチャートを用いて、処理装置10が実行する処理の流れの一例を説明する。なお、ここでの目的は処理の流れを説明することである。各処理の詳細は上述したので、ここでは適宜省略する。
【0085】
図6のフローチャートの処理とは別に、処理装置10は、プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、当該入力に基づきゲームを進行させ、ゲーム画面の表示を制御する処理を実行している。そして、処理装置10は、この処理を実行している間に、
図6のフローチャートの処理を実行することができる。
【0086】
まず、処理装置10は、対象(以下、「第1の対象」)の攻撃(第1のアクション)待ちとなっている(S10)。
【0087】
第1のアクションが行われると(S10のYes)、処理装置10は、
図3に示すような情報を参照し、第1の対象のその攻撃の種類に対応する第1の演出の時間の長さの基準値を特定する(S11)。
【0088】
次いで、処理装置10は、特定した基準値に基づき、第2の演出の内容を決定する(S12)。具体的には、処理装置10は、第2の演出の大きさ(所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)や拡大縮小の変化の大きさ)に関係する決定を行う。例えば、処理装置10は、特定した基準値(時間長情報)に基づき第2の演出のモーションの加算割合を決定してもよい。
【0089】
また、処理装置10は、特定した基準値と、その他のパラメータとに基づき、第1の演出の実際の時間の長さを決定する(S13)。
【0090】
S12とS13の処理順は特段制限されない。S12とS13は、
図6に示すように並行して行われてもよいし、一方を行った後に他方を行ってもよい。
【0091】
その後、処理装置10は、第1の対象が攻撃を行った後、決定された時間の長さで第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出を行わせる(S14)。
【0092】
すなわち、処理装置10は、第1の対象が攻撃を行った場合、それに応じて、S13で決定した第1の演出の時間の長さで第1の演出を行わせる。具体的には、処理装置10は、S13で決定した第1の演出の実際の時間の長さで、攻撃を実行した対象(第1の対象)、攻撃を受けた対象、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにする。
【0093】
そして、処理装置10は、少なくとも上述した第1の演出が行われている間、S12で決定した内容で、所定の対象に対する第2の演出を行わせる。具体的には、処理装置10は、S12での決定内容に基づき、所定の第2の演出の大きさ(振幅や拡大縮小の大きさ)で、攻撃を実行した対象(第1の対象)、及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方(所定の対象)に所定の動作(振動、一方向に傾く等)を行わせたり、拡大縮小させたりする。
【0094】
そして、処理装置10は、同様の処理を繰り返す。
【0095】
<作用効果>
本実施形態の処理装置10は、第1の対象による第1のアクションに応じて第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に第2の演出を行わせることができる。このように第1の演出に加えて第2の演出を行わせる処理装置10によれば、演出効果を高め、ゲームへの没入感やエンターテイメント性等をより向上させることができる。
【0096】
また、本実施形態の処理装置10は、「第1の演出の時間の長さに関する時間長情報」、具体的には「第1の演出の時間の長さの基準値」に基づき、第2の演出の内容を決定することができる。「第1の演出の時間の長さの基準値」は、攻撃の内容に応じて予め設定された値である。例えば、重い一撃に紐付けて相対的に長い基準値が設定され、軽い一撃に紐付けて相対的に短い基準値が設定される。このような基準値に基づき第2の演出の内容を決定することで、第2の演出の内容を攻撃の内容に応じたものとすることができる。例えば、重い一撃の攻撃が行われた場合の第2の演出を相対的に大きくし、軽い一撃が行われた場合の第2の演出を相対的に小さくすることができる。第2の演出の内容を、このように攻撃の内容に応じたものとすることで、ゲームへの没入感やエンターテイメント性等をより向上させることができる。また、攻撃に応じて第2の演出の内容を異ならせることで、プレイヤは、攻撃の感触をよりリアルに感じることができる。
【0097】
ところで、「第1の演出の時間の長さ」という点では、「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」も存在する。しかし、「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」は、基準値の影響が含まれるものの、その他のパラメータの影響も含まれる。このような「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」は、ある程度、攻撃の内容に応じた値となっているものの、基準値に比べると、攻撃の内容の反映度は小さくなる。本実施形態の処理装置10は、「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」でなく、「第1の演出の時間の長さの基準値」に基づき第2の演出の内容を決定することで、より攻撃の内容を反映した第2の演出の内容を決定することができる。
【0098】
また、「攻撃の内容に応じたパラメータ」という点では、「第1の演出の時間の長さ」以外にも、各種攻撃の攻撃力等も存在する。しかし、このような攻撃力等のようなゲームの進行に影響するパラメータは、ゲームの開発段階、又リリース後のゲーム性の調整段階において変動し得る。例えば、ゲームの設計者は、ゲーム性をより高めるため、各対象の強さ(攻撃力)等を適宜修正し、最適化する。当該修正では、例えば、強すぎる対象を少し弱くしたり、弱すぎる対象を少し強くしたりし、対象間の強さのバランスを最適化することで、プレイヤがゲームをより楽しめるようにする。
【0099】
このような変動性の比較的高いパラメータを第2の演出の内容の決定に利用すると、当該パラメータの修正に応じて、第2の演出の内容も変更されてしまう。しかしながら、演出の変更は好ましくない場合がある。例えば、リリース後に演出が変更されると、演出の変更は視覚的なものなので、プレイヤがその変更に気付いてしまう可能性がある。
【0100】
一方で、あくまでゲームの演出に関するパラメータである「第1の演出の時間の長さの基準値」は、ゲーム性をより高めるために修正し、最適化するという必要性が低い。このような変動性の比較的低いパラメータを第2の演出の内容の決定に利用すると、第2の演出の内容の変動性も低くすることができる。
【0101】
このように、本実施形態の処理装置10は、変動性が比較的低い「演出に関するパラメータ」であって、対象毎又は対象の攻撃毎に設定され、かつ攻撃の内容に応じた内容となっているパラメータ(第1の演出の時間の長さの基準値)を利用して第2の演出の内容を決定することで、第2の演出の内容の変動性が高くなる不都合を抑制しつつ、第2の演出の内容を攻撃の内容に応じたものとすることを実現している。
【0102】
<<第2の実施形態>>
本実施形態のゲームでは、プレイヤが操作する操作対象を含む複数の対象が第1のアクションを実行可能である。例えば、ゲーム画面上に複数の対象が存在し、その複数の対象が同一の対象に対する攻撃を実行可能である。そして、処理装置10は、このような状況において、いずれの対象によって行われた攻撃かに応じて、第2の演出の内容を調整する機能を有する。以下、詳細に説明する。
【0103】
まず、本実施形態のゲームについて説明する。本実施形態のゲームでは、ゲーム画面上に、プレイヤが操作する操作対象を含む複数の対象が存在する。
【0104】
図7に、本実施形態のゲーム画面の一例を示す。
図7の例では、対象C
1が操作対象であり、対象C
2が操作対象以外の対象である。なお、図では操作対象の数が1であるが、操作対象の数は2以上であってもよい。例えば、処理装置10に複数のコントローラが繋がっている場合、各コントローラに対する入力で操作される複数の対象が操作対象となる。
【0105】
対象C2は、他のプレイヤによって操作されてよいし、コンピュータによって操作されてもよい。ここでの他のプレイヤは、他の処理装置10を操作してゲームを行っているプレイヤである。例えば、複数の処理装置10がオンラインで繋がり、複数のプレイヤが同時にゲームを楽しむオンラインゲーム等が存在する。あるプレイヤが操作する処理装置10が生成、表示するゲーム画面においては、そのプレイヤがその処理装置10を介して操作する対象Aが操作対象となる。そして、他のプレイヤが操作する他の処理装置10が生成、表示するゲーム画面においては、その対象Aは操作対象以外の対象となる。
【0106】
図7の例では、対象C
1(操作対象)、及び対象C
2(操作対象以外の対象)を含む複数の対象が、同一の対象ECに対する攻撃(第1のアクション)を実行可能である。
【0107】
このように複数の対象が第1のアクションを行う場合、複数の対象各々の第1のアクションに応じた複数の第2の演出が同じタイミングで発生するという第2の演出の衝突が発生し得る。そして、それらの第2の演出の内容が互いに異なり得る。例えば、それらの第2の演出の大きさが互いに異なる場合がある。このような内容が互いに異なる複数の第2の演出をゲーム画面上で同時に行うことはできないので、何らかの調整が必要になる。
【0108】
演出制御部133は、このような第2の演出の衝突が発生した場合に、「同時に発生した第2の演出各々が、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づき発生したものか否か」に基づき、ゲーム画面上での第2の演出の内容を調整する。以下、いくつかの調整例を説明する。
【0109】
「調整例1」
調整例1では、演出制御部133は、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出と、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出とが同時に発生した場合、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を優先して行わせる。
【0110】
この例の場合、演出制御部133は、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出が行われている間に、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出が発生しても、ゲーム画面上では、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を継続する。
【0111】
そして、演出制御部133は、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出が行われている間に、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出が発生すると、ゲーム画面上で、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出に切り替える。
【0112】
「調整例2」
調整例2では、演出制御部133は、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出と、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出とが同時に発生した場合、原則、操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を優先して行わせる。そして、ある条件を満たした場合のみ、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を優先して行わせる。
【0113】
条件は、以下の中のいずれかである。
・操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上
・操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上であり、かつ操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第2の閾値未満
・操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさよりも小さい
・操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさの所定割合よりも小さい
【0114】
演出の大きさは、第1の実施形態で説明した「第2の演出のモーションの加算割合」、「所定の動作(振動、一方向に傾く等)の大きさ(振動の幅や傾きの大きさ等)」、又は「拡大縮小の変化の大きさ(拡大率、縮小率)」等の数値で表現される。上記条件における第1の閾値、第2の閾値及び所定割合は、予め定められる値である。
【0115】
次に、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。以下説明する例では、処理装置10は、上記調整例2を実施する。そして、操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を優先する条件は「操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上」である。なお、条件を他の条件に置き換えた場合も、同じ流れで処理を実行可能である。
【0116】
まず、処理装置10は、プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、当該入力に基づきゲームを進行させ、ゲーム画面の表示を制御する処理を実行している。そして、処理装置10は、この処理を実行している間に、
図10のフローチャートの処理を実行することができる。
【0117】
S40乃至S43の処理は、
図6のS10乃至S13の処理と同じである。
図6のS10乃至S13の処理は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0118】
S42及びS43の後、処理装置10は、S40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象が、操作対象か否かを判定する(S44)。そして、S10で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象が操作対象以外の対象である場合(S44のNo)、処理装置10は処理A(
図8のフローチャートで示す処理)を実行する(S45)。一方、S10で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象が操作対象である場合(S44のYes)、処理装置10は処理B(
図9のフローチャートで示す処理)を実行する(S46)。
【0119】
「処理A(
図8)」
図8の処理は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象が操作対象以外の対象である場合に実行される。
図8では、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象(操作対象以外の対象)を「その対象」と呼んでいる。
【0120】
図8の処理では、処理装置10は、操作対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中か判断する(S20)。そして、操作対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中でない場合(S20のNo)、処理装置10は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象(操作対象以外の対象)がその攻撃を行った後、
図10のS43で決定された時間の長さで第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出を行わせる(S24)。ここで行わせる第2の演出の内容は、
図10のS42で決定された内容である。
【0121】
一方、操作対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中である場合(S20のYes)、処理装置10は、
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上か判定する(S21)。すなわち、処理装置10は、
図10のS42で決定された第2の演出の大きさが第1の閾値以上か判定する。
【0122】
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上でない場合(S21のNo)、処理装置10は、その時点で実行中の操作対象の攻撃に基づく第2の演出を優先する(S22)。すなわち、処理装置10は、その時点で実行中の操作対象の攻撃に基づく第2の演出を継続し、
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を行わせない。
【0123】
一方、
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出の大きさが第1の閾値以上である場合(S21のYes)、処理装置10は、
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を優先する(S23)。すなわち、処理装置10は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象(操作対象以外の対象)がその攻撃を行った後、その時点で実行中の操作対象の攻撃に基づく第2の演出を停止し、
図10のS40で検出した操作対象以外の対象(
図8中「その対象」)による攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を実行させる。
【0124】
「処理B(
図9)」
図9の処理は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う対象が操作対象である場合に実行される。
【0125】
図9の処理では、処理装置10は、操作対象以外の対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中か判断する(S30)。そして、操作対象以外の対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中でない場合(S30のNo)、処理装置10は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う操作対象がその攻撃を行った後、
図10のS43で決定された時間の長さで第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出を行わせる(S34)。ここで行わせる第2の演出の内容は、
図10のS42で決定された内容である。
【0126】
一方、操作対象以外の対象の攻撃に基づく第1の演出及び第2の演出を実行中である場合(S30のYes)、処理装置10は、その操作対象以外の対象の攻撃(第1のアクション)に基づく実行中の第2の演出の大きさが第1の閾値以上か判定する(S31)。
【0127】
実行中の第2の演出の大きさが第1の閾値以上でない場合(S31のNo)、処理装置10は、
図10のS40で検出した操作対象の攻撃に基づく第2の演出を優先する(S32)。すなわち、処理装置10は、
図10のS40で検出した攻撃(第1のアクション)を行う操作対象がその攻撃を行った後、その時点で実行中の操作対象以外の対象の攻撃に基づく第2の演出を停止し、
図10のS40で検出した操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を実行させる。
【0128】
一方、実行中の第2の演出の大きさが第1の閾値以上である場合(S31のYes)、処理装置10は、その時点で実行中の操作対象以外の対象の攻撃に基づく第2の演出を優先する(S33)。すなわち、処理装置10は、その時点で実行中の操作対象以外の対象の攻撃に基づく第2の演出を継続し、
図10のS40で検出した操作対象の攻撃(第1のアクション)に基づく第2の演出を行わせない。
【0129】
本実施形態の処理装置10のその他の構成は、第1の実施形態の処理装置10と同様である。
【0130】
本実施形態の処理装置10によれば、第1の実施形態と処理装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、第2の演出の衝突が発生した場合に、特徴的な手法でゲーム画面上の表示を制御することができる。
【0131】
一例では、処理装置10は、操作対象の第1のアクションに応じた第2の演出を優先させることができる。このようにすることで、ゲーム画面上では、プレイヤの操作結果に応じた第2の演出を、他のプレイヤやコンピュータの操作結果に応じた第2の演出よりも優先して実行させることができる。結果、プレイヤにとって魅力のあるゲーム画面を提供することが可能となる。
【0132】
また、一例では、処理装置10は、操作対象の第1のアクションに応じた第2の演出を原則優先させるが、所定の条件を満たした場合に操作対象以外の対象の第1のアクションに応じた第2の演出を優先させることができる。上述の通り、プレイヤの操作結果に応じた第2の演出を優先させることで、プレイヤにとって魅力のあるゲーム画面を提供することが可能となる。しかし、常にプレイヤの操作結果を優先させると、ゲーム画面上の演出が不自然となるなどの不都合が生じ得る。
【0133】
例えば、操作対象が軽い一撃を行い比較的小さい第2の演出が決定され、操作対象以外の対象が重い一撃の攻撃を行い比較的大きい第2の演出が決定される場合がある。このように、操作対象以外の対象が重い一撃の攻撃を行った場合にも、操作対象の攻撃に基づく比較的小さい第2の演出を継続すると、ゲーム画面上の演出が不自然となり得る。
【0134】
この例のように、操作対象の第1のアクションに応じた第2の演出を原則優先させるが、所定の条件を満たした場合に操作対象以外の対象の第1のアクションに応じた第2の演出を優先させることで、当該不都合を抑制できる。
【0135】
<<変形例>>
以下、全ての実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0136】
<変形例1>
上記実施形態では、上述した「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」でなく、上述した「第1の演出の時間の長さの基準値」を時間長情報として利用した
【0137】
変形例として、処理装置10は、上述した「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」を時間長情報として利用してもよい。
【0138】
「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」は、「第1の演出の時間の長さの基準値」に基づき算出される。このため、「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」は、「第1の演出の時間の長さの基準値」の影響をある程度受けた値となっている。このような「第1の演出の時間の長さの基準値」の影響をある程度受けた「基準値とその他のパラメータに基づく演算で算出した第1の演出の実際の時間の長さ」を時間長情報として利用することで、攻撃の内容をある程度反映した第2の演出の内容を決定することができる。
【0139】
また、処理装置10は、その他の方法で算出された「第1の演出の実際の時間の長さ」を時間長情報として利用してもよい。第1の演出は、例えばヒットストップ、ヒットスロー、ヒットディレイ等と呼ばれる演出であり、このような演出の時間の長さを算出する方法は広く存在する。処理装置10は、そのような広く知られた方法を用いて算出された「第1の演出の実際の時間の長さ」を時間長情報として利用してもよい。
【0140】
<変形例2>
上記実施形態では、操作対象が戦うゲームに処理装置10が利用されていたが、これに限定されない。処理装置10は、スポーツ、アドベンチャーゲーム、ロールプレイ、レース等のその他のあらゆるゲームに利用可能である。
【0141】
そして、上記実施形態では、第2の演出を行わせるきっかけとなる第1のアクションは「攻撃」であったが、これに限定されない。第1のアクションは、例えば変身、必殺技の実行、アイテムの獲得、アイテムの実行、ゲーム中の物体に対する衝突、ゲーム中の物体に対するアクション(ボールを打つ、ボールを蹴る等)等、特別な演出(第1の演出及び第2の演出)が望まれるあらゆるアクションとすることができる。
【0142】
<変形例3>
上記実施形態では、処理装置10は、プレイヤが操作する端末装置であった。変形例として、処理装置10は、ゲームサーバであってもよい。また、処理装置10は、ゲームサーバと、プレイヤが操作する端末装置とを含む装置であってもよい。すなわち、ゲームサーバと、プレイヤが操作する端末装置とが連携して処理を実行することで、上述した処理装置10の処理が実行されてもよい。この場合、処理装置10と、プレイヤが操作する端末装置との処理負担は様々な組合せを採用できる。すなわち、処理装置10の複数の機能部の各々は、ゲームサーバ側に設けられてもよいし、プレイヤが操作する端末装置側に設けられてもよい。
【0143】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0144】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されている。しかし、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0145】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. コンピュータを、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付手段、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御手段、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定手段、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御手段、
として機能させるプログラム。
2. 前記第1のアクションは、攻撃であり、
前記第1の演出は、攻撃を実行した対象の動き、攻撃を受けた対象の動き、画面の全体、及び画面の一部の中の少なくとも1つを停止、又はスローモーションにすることであり、
前記所定の対象は、攻撃を実行した対象及び攻撃を受けた対象の少なくとも一方であり、
前記第2の演出は、前記所定の対象に所定の動作を行わせること、及び前記所定の対象の拡大縮小を繰り返させること、の少なくとも一方を含み、
前記演出決定手段は、前記時間長情報に基づき、前記所定の動作の大きさ、及び前記拡大縮小の変化の大きさの少なくとも一方に関係する決定を行う1に記載のプログラム。
3. 前記演出決定手段は、前記時間長情報で示される時間の長さが長いほど前記所定の動作の大きさを大きくする2に記載のプログラム。
4. 前記演出決定手段は、前記時間長情報で示される時間の長さが長いほど前記拡大縮小の変化の大きさを大きくする2又は3に記載のプログラム。
5. 前記第1の対象の攻撃の種類毎に、前記第1の演出の時間の長さの基準値が予め設定されており、
前記コンピュータを、前記第1の対象が攻撃を行う場合、前記基準値とその他のパラメータに基づく演算で、前記第1の演出の実際の時間の長さを決定する演出時間決定手段としてさらに機能させ、
前記時間長情報は、前記基準値であり、
前記演出決定手段は、前記第1の対象が攻撃を行う場合、前記第1の対象が行う攻撃の種類に対応する前記基準値に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に前記所定の対象に対して行う前記第2の演出の内容を決定し、
前記演出制御手段は、前記第1の対象が攻撃を行った場合、前記基準値に基づき決定された時間の長さで前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる2から4のいずれかに記載のプログラム。
6. 前記受付手段は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる1から5のいずれかに記載のプログラム。
7. 前記受付手段は、プレイヤから操作対象を操作する前記入力を受付け、
前記ゲームでは、前記操作対象を含む複数の対象が前記第1のアクションを実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出と、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出とが同時に発生した場合、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値以上であれば、前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせ、
前記操作対象以外の対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出の大きさが閾値未満であれば、前記操作対象による前記第1のアクションに基づく前記第2の演出を優先して行わせる1から6のいずれかに記載のプログラム。
8. 前記第1のアクションは、同一の対象に対する攻撃である6又は7に記載のプログラム。
9. プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付部と、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定部と、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる演出制御部と、
を有する処理装置。
10. 1つ以上のコンピュータが、
プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付け、
前記入力に基づき前記ゲームを進行させ、
前記ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、前記第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも前記第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定し、
前記第1の対象が前記第1のアクションを行った場合、前記第1の演出を行わせるとともに、少なくとも前記第1の演出が行われている間に、前記所定の対象に対する前記第2の演出を行わせる処理方法。
【0146】
上述した付記1のプログラムに従属する付記2乃至8の一部又は全ては、付記9の処理装置及び付記10の処理方法に対しても、付記1と付記2乃至8と同様の従属関係により従属し得る。さらに、上述した各実施の形態から逸脱しない範囲において、様々なハードウエア、ソフトウエア、ソフトウエアを記録するための種々の記録手段、又はシステムにおいて、付記として記載した構成の一部又は全てを実現することができる。
【符号の説明】
【0147】
10 処理装置
11 受付部
12 ゲーム制御部
13 ゲーム画面制御部
131 演出時間決定部
132 演出決定部
133 演出制御部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
【要約】
【課題】ゲームにおける新たな演出を実現する。
【解決手段】本開示の処理装置10は、プレイヤからゲームの進行に関する入力を受付ける受付部11と、入力に基づきゲームを進行させるゲーム制御部12と、ゲームの中の第1の対象が第1のアクションを行う場合、第1のアクションに応じて行われる第1の演出の時間の長さに関する時間長情報に基づき、少なくとも第1の演出が行われている間に所定の対象に対して行う第2の演出の内容を決定する演出決定部132と、第1の対象が第1のアクションを行った場合、第1の演出を行わせるとともに、少なくとも第1の演出が行われている間に、所定の対象に対する第2の演出を行わせる演出制御部133とを有する。
【選択図】
図2