(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】呼吸装置のための送風機
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20241203BHJP
F04D 29/056 20060101ALI20241203BHJP
F04D 29/053 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A61M16/00 380
A61M16/00 305A
F04D29/056 Z
F04D29/053 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008576
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2023000264の分割
【原出願日】2017-04-28
【審査請求日】2024-02-21
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】クリガー ドナルド ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ボスマ ヨハネス ニコラアス
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-514558(JP,A)
【文献】特開2015-033522(JP,A)
【文献】特表2015-506253(JP,A)
【文献】特開2012-087744(JP,A)
【文献】実開昭59-062298(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
F04D 29/056
F04D 29/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内のモータコアと、
シャフトを介してロータに結合されているインペラと
を含み、
前記インペラは、
ハブと、
前記ハブから延びるブレードと、
スタブブレードと、
環状リングと、
を
含み、前記環状リングが、前記スタブブレードを支持する、呼吸装置のための送風機。
【請求項2】
前記環状リングが前記ブレード内に形成されている、請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記環状リングが前記ブレード間に延びている、請求項1に記載の送風機。
【請求項4】
前記環状リングは、空気を軸方向に案内するために出口の方に向けられた縁部を有する、請求項2に記載の送風機。
【請求項5】
前記ブレードはさらに、前記ハブから延びる垂直平坦部分を含む、請求項1に記載の送風機。
【請求項6】
前記スタブブレードは、前記ハブの途中まで延びる、
請求項1に記載の送風機。
【請求項7】
前記スタブブレードは、前記ブレード間に空間をあけて配置されている、
請求項1に記載の送風機。
【請求項8】
前記スタブブレードは、前進角付きである、
請求項1に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは持続的気道陽圧(CPAP)呼吸装置などの呼吸装置で使用するための、フットプリントを低減した送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
送風機は、様々な呼吸装置用途及び他の用途でも使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、小型送風機を提供することである。これにより、送風機を、ポータブル、体/頭部取付式及び/又は小型化された呼吸装置などのより低重量、低慣性及び/又は小寸法が望ましい様々な用途で使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、スタブアクスルを有する底部支持体と、スタブアクスルを有する上部支持体と、モータステータとロータとを含むモータコアと、シャフトを介してモータコアに結合されているインペラとを含み、シャフトは、第1の端部において上部支持体のスタブアクスルに、第2の端部において底部支持体のスタブアクスルを介して回転可能に結合されている、呼吸装置のための送風機を含み得る。
【0005】
任意選択的に、シャフトは、第1の端部及び第2の端部においてシャフト内の軸受によってスタブアクスルに回転可能に結合されている。
【0006】
任意選択的に、スタブアクスルは、弾力及び/又は弾性がある。
【0007】
任意選択的に、シャフトは、部分的に又は完全に中空であり、且つ第1の端部及び第2の端部は、中空内に軸受を有する。
【0008】
任意選択的に、各軸受は、内レースと、外レースとを含み、及び各スタブアクスルは、それぞれの内部軸受レースに結合している。
【0009】
任意選択的に、シャフトの最大直径寸法は、軸受径の寸法と独立である。
【0010】
任意選択的に、送風機は、軸方向入口/軸方向出口送風機である。
【0011】
任意選択的に、送風機は、単一ステージ軸方向入口/軸方向出口送風機である。
【0012】
任意選択的に、インペラは、シャフトと一体形成されているか、又はプレス嵌めによって結合されている。
【0013】
任意選択的に、ロータ又は磁石は、シャフト上にプレス嵌めされている。
【0014】
別の態様では、本発明は、ハウジングと、ハウジング内のモータコアと、シャフトを介してロータに結合されているインペラと、空気流ステータとを含み、インペラは、ハウジング内の領域内で回転し、且つ出口空気を、空気流ステータリングを通して軸方向に案内する、呼吸装置のための送風機を含み得る。
【0015】
任意選択的に、渦巻きがない。
【0016】
任意選択的に、ハウジングは、モータのための領域と、入口空気を軸方向に受け入れるための1つ以上のアパーチャとを有する下部ハウジングを含む。
【0017】
任意選択的に、送風機は、単一ステージである。
【0018】
任意選択的に、ハウジング直径に対するインペラ直径の比率は、少なくとも約90%である。
【0019】
別の態様では、本発明は、ハウジングと、ハウジング内のモータコアと、シャフトを介してロータに結合されているインペラとを含み、インペラは、ハブと、ハブから延びるブレードと、ブレード間に支持されたスタブブレードとを含む、呼吸装置のための送風機を含み得る。
【0020】
任意選択的に、環状リングは、ブレードの周囲に延び、且つスタブブレードを支持している。
【0021】
任意選択的に、環状リングは、出口空気を軸方向に案内するために出口の方に向けられた縁部を有する。
【0022】
任意選択的に、送風機は、
・約53mm以下の直径、
・約21mm以下の高さ、及び/又は
・約50グラム以下、又は好ましくは47グラム以下、及び好ましくは27グラムの重量
を有する。
【0023】
任意選択的に、インペラは、
・約3mm以下の厚さ、
・約48mm以下、又はより好ましくは48.4mmの直径、
・約3グラム以下の重量
を有する。
【0024】
任意選択的に、インペラは、シャフトと一体形成されているか、又はプレス嵌めによって結合されている。
【0025】
その全ての新規な態様を考慮すべき本発明の更なる態様を以下の説明に記載する。
【0026】
本明細書中に記載されるこの好適な実施形態に対する様々な変更形態及び修正形態が当業者に明らかであろうことに留意されたい。このような変更形態及び修正形態は、本開示の装置及びシステムの範囲及び趣旨から逸脱することなく、且つその付帯的な利点を減じることなくなされ得る。例えば、様々な構成要素は、必要に応じて位置変更され得る。したがって、このような変更形態及び修正形態は、本開示の装置及びシステムの範囲内に含まれるものである。更に、特徴、態様、及び利点の全てが本開示の装置及びシステムの実施に必ずしも必要なわけではない。したがって、本開示の装置及びシステムの範囲は、以下の特許請求の範囲のみによって定義されるものである。
【0027】
本明細書におけるあらゆる先行技術への言及は、この先行技術が世界のあらゆる国での努力傾注分野における共通の一般知識の一部をなすという承認又は提案の何らかの形態であると解釈されず、また解釈されるべきではない。前述の説明では、整数又はその既知の均等物を有する成分に言及してきたが、これらの整数は、個々に説明するかのように本明細書中に組み込まれる。
【0028】
特に明確に必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」等の語は、排他的又は網羅的意味ではなく包含的な意味で、即ち「含むが限定されない」の意味で解釈されるべきである。
【0029】
本開示の装置及びシステムはまた、本出願の明細書で個々に又は集合的に言及されるか又は示される部品、要素、及び特徴を、上記部品、要素又は特徴の2つ以上の一部又は全部の組み合わせにおいて含むと広く言われ得る。
【0030】
ここで、以下の図面を参照しながら低プロファイルの送風機の実施形態について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1の実施形態による、軸方向入力及び軸方向出力を有する低プロファイルの送風機の断面斜視図を示す。
【
図2】低プロファイルの送風機の部分分解図を示す。
【
図3】第2の実施形態による、2つの軸方向入口と軸方向出力とを有する低プロファイルの送風機の断面斜視図を示す。
【
図4】第3の実施形態による、軸方向入口及び軸方向出力を有する低プロファイルの送風機の断面斜視図を示す。
【
図5】前述の実施形態のいずれとも使用され得るインペラの別の実施形態を示す。
【
図6】前述の実施形態のいずれとも使用され得るインペラの別の実施形態を示す。
【
図7】2つの代替的なスタブアクスル及び軸受配置構成を示す。
【
図8】第4の実施形態による、軸方向入口及び半径方向出口を有する低プロファイルの送風機の断面図を示す。
【
図9】第4の実施形態による、軸方向入口及び半径方向出口を有する低プロファイルの送風機の斜視図を示す。
【
図10】第4の実施形態による、軸方向入口及び半径方向出口を有する低プロファイルの送風機の斜視図を示す。
【
図11】第4の実施形態による、軸方向入口及び半径方向出口を有する低プロファイルの送風機の斜視図を示す。
【
図12A】変形形態において使用され得るスタブアクスル、軸受、及びシャフトの種々の構成を示す。
【
図12B】変形形態において使用され得るスタブアクスル、軸受、及びシャフトの種々の構成を示す。
【
図12C】変形形態において使用され得るスタブアクスル、軸受、及びシャフトの種々の構成を示す。
【
図13A】変形形態において使用され得る送風機の様々な入口構成/出口構成を示す。
【
図13B】変形形態において使用され得る送風機の様々な入口構成/出口構成を示す。
【
図13C】変形形態において使用され得る送風機の様々な入口構成/出口構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
第1の実施形態
図1及び
図2は、単一ステージ軸方向入口/軸方向出口送風機(フロージェネレータ又はファンとも呼ばれる)の一実施形態を示す。低プロファイルの送風機は、例えば、CPAP装置、高流量治療装置、又は任意の他の呼吸装置のフロージェネレータとして使用するためのものである。或いは、低プロファイルの送風機は、任意の他の適切な用途に使用され得る。
【0033】
送風機10は、底部ハウジング部分(「下部ハウジング」)11を含む。下部ハウジングは、内部環状シェルフ13を有する環状壁12として形成されている。半径方向のリブ14が環状シェルフ(又はパン)の下から延びる。リブは、下部部分から延び、中心(下部)ハブ15において合する半径方向アーム14bを有する壁部分14aとして形成されている。これにより、リブ14とリブ13との間の凹設領域(「サブハウジング」)20(
図2を参照されたい)、環状シェルフ、及びモータステータ16とロータ17とを含むモータコア4を受け入れるための下部ハブ15を形成する。下部ハウジング11/下部ハブ15は、モータステータ16の底部/下部支持体と、更にロータ17及びインペラ18の組立体の支持体を提供する、軸受の少なくとも部分支持体として機能する。リブ14間のアパーチャ又は間隙は、空気流「A」のための軸方向入口を提供する。これにより、モータの冷却も提供される。
【0034】
送風機10はまた、下部ハウジング11上に載る上部ハウジング部分(「上ハウジング」)19を含む。上ハウジングは、上ハブ22を形成している中心ボスを有する上部プレート21(内蓋)を含む。空気流リング23は、上部プレートを取り囲む。空気流リングは、下部ハウジング11の環状壁12の上部に載り、これに結合するリベート24a(
図2を参照されたい)を有する環状周囲部(外部環状壁)24と、内部環状壁25とを含む。これは、差込みピン、バンプ、スナップ嵌合、接着剤、超音波若しくは摩擦溶接、又は任意の他の適切な手段によるものであり得る。内部環状壁と外部環状壁との間に、インペラ18から空気流を受け入れ、減速し、圧力を生成するための例えば湾曲したチャネル26(
図2を参照されたい)が形成されている。上ハウジングは、軸受28を介し、ロータ及びインペラの組立体の上部/上支持体として機能する。
【0035】
「上」、「下」、「上部」、「底部」等の用語が本明細書の全体を通して使用されるが、これらの用語は、単に図面の参照のために使用される相対的な用語であることが理解されるであろう。使用時の実際の送風機は、異なるように向けられている可能性があり、本明細書中における垂直位への言及は、限定と考えるべきではなく、送風機及びその構成要素の実際の向きを意味するか又は限定するものと考えるべきではない。
【0036】
モータコア4は、モータステータ16とロータ17とを含む。モータステータは、サブハウジング20内のリブ14の半径方向アーム14b上に支持されている。モータステータは、例えば、サブハウジング20に摩擦嵌合され得るか、オーバーモールドされ得るか、又は接着され得る。モータステータ16は、トロイダル巻線16bを有する環状スタック積層コア16aを含む。ロータは、シャフト27に結合されているトロイダル磁石17aを含む。磁石は、摩擦嵌合によってシャフトに結合され得るか、又はオーバーモールド若しくは接着によって結合され得る。シャフト27の下端部は、環状磁石を受け入れるための、環状磁石17aの内径に対応する外径を有する環状リベート27a(
図2を参照されたい)を有する。シャフト27は、軸受管の形態の円筒状管である。例えば、軸受28は、各端部が軸受管内に配置されている。軸受は、シャフト27と摩擦嵌合し得るか、又はオーバーモールド若しくは接着によって結合され得る。参照番号は、上部軸受28を指すが、これらは、底部軸受に等しく適用可能である。各軸受レースは、外部環状軸受レース/ハウジング28aと、内部環状軸受レース/ハウジング28bと、これらの間を保持器内において移動することができる玉軸受又はころ軸受28cとを含む。1つの非限定的な例として、軸受は、約4mm~8mmの外径、約1.5mm~3mmの内径、及び約2mm~4mmの厚さを有し得る。外部軸受レース28aは、内部軸受レース28bに対して回転する。内部軸受レースは、静止したままであり得る。代替的な形態では、平面軸受又はブッシュが代わりに使用され得る。シャフト27は、上ハウジング19と下部ハウジング11との間に簡便に支持されている。上ハウジングと下部ハウジングとの両方は、シャフトの各端部において各軸受の軸受レース28a、28b内に延び、軸受レース28a、28bに結合している弾力及び/又は弾性突起の形態のスタブアクスル29a、29bを含む。好ましくは、スタブアクスルは、中実及び/又は剛性とすることができ、シリコーンなどの弾性及び/又は可撓性材料でオーバーモールドされている。或いは、スタブアクスルは、エラストマー(例えば、シリコーン)又は他の弾力及び/若しくは弾性材料から形成されており、各軸受レース内に摩擦嵌合している。或いは、スタブアクスルは、中実であり得る。
【0037】
スタブアクスルのそれぞれは、各上部ハウジング及び下部ハウジングから遠位端まで延びる。スタブアクスルは、互いに向かって延びる。スタブアクスルのそれぞれは、実質的に円筒形状である。他の実施形態では、スタブアクスルの1つ又は両方は、それらの各々の上部ハウジング及び下部ハウジングから離れる方に延びるにつれて、直径が低減又は減少する。各スタブアクスルの遠位端には丸みがある。しかしながら、他の実施形態では、スタブアクスルの1つ又は両方の遠位端は、実質的に平坦である。各スタブアクスルはまた、フランジ又は段付き部によって形成された肩部を含む。他の実施形態では、肩部は、スタブアクスルのテーパによって形成されている。肩部は、各スタブアクスルの近位端又はその近傍から各スタブアクスルが延びる各ハウジングまで位置する。上部軸受及び下部軸受は、肩部又は各スタブアクスルに係合し、シャフトから遠ざかる軸受配置構成の軸方向の動きを制限する。シャフトはまた、各それぞれのスタブアクスル肩部に対して対向関係で各端部に形成された肩部を有する。各シャフト肩部は、シャフトの内部表面の凹部又は段付き部として形成されている。他の実施形態では、シャフト肩部は、シャフトの内部表面のテーパによって形成されている。上部軸受及び下部軸受はまた、シャフトの肩部とスタブアクスルの肩部との間に把持されるように、各シャフト肩部に係合している。シャフト/スタブアクスル/軸受配置構成は、シャフトが簡単に支持される手法で上部/下部ハウジングに回転可能に支持/結合されることを可能にする。
【0038】
例えば、外部軸受レース28aの外径は、約4mmであり得る。中空シャフトは、軸受レース28aのすべり嵌めを可能にするために、約4mmの対応する直径を有し得る。リベート27aにおける外部シャフト寸法は、約5mmであり得る。
【0039】
インペラ18は、シャフト27上に結合(例えば、プレス嵌め)され得るか、若しくはシャフト27と一体形成され得、又はシャフト上に一体形成され得るか、若しくはオーバーモールドされ得るか、若しくは接着され得る。インペラは、
図2に示される。シャフトは、従来のトポロジーにおけるシャフトと同様の直径のものとすることができ、インペラ及び磁石の堅固な機械的結合を可能にする。軸受はシャフトの内部に取り付けられていることから、シャフトの直径は軸受の内径に影響されない。シャフトの外径は、したがって、インペラの堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法、例えば約5mm又は代替的に約3mm~約5mmであり得る。軸受はシャフトの内部にあり、軸受の寸法(例えば、直径寸法)を、許容できる軸受速度に基づいて選択することができることから、軸受径の寸法の影響なく大径シャフトも依然として使用することができる。例えば、直径が小さいためにレース内で大きい軸受ほど迅速にボールが移動しないことから、より高い毎分回転数(RPM)を可能にする小さい軸受が使用され得る。小さい軸受は、一般にRPMが高いことで評価されているため、小さい軸受を使用するとRPMを高くすることができる。インペラは、
図2に示される。インペラはまた、
図5及び
図6により詳細に示される。同様に、磁石/ロータ17a/17は、シャフトに対して押される。シャフトは、堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法であり得るという同様の利点がこの場合も当てはまる。インペラ18は、ハブ部分5と、ハブ部分から半径方向に延び、ハブ部分に接続している平坦前進角付き(完全な長さの)ブレード(「ベーン」と呼ばれることがある)6とを含む。(或いはブレードは、後退角付き又は半径方向であり得る)。各ブレードは、ハブから延びる垂直平坦部分を含む。環状リブ/リング7がブレード6内に形成され、ブレード6間に延びてブレードの周囲に剛性を与える。リングは、出口7aに向かって湾曲し、ブレードに剛性を与えると共に、また空気流ステータ内に空気流を案内する。これについては後述する。ハブの途中まで延びる複数の短いスタブ(部分的な長さの)ブレード8(「スプリッタブレード」とも称される)は、完全な長さのブレード6間に空間をあけて配置されている。図示される実施形態では、スタブブレードのそれぞれはまた、前進角付きである。環状リブ7は、スタブブレード8内に形成され、スタブブレード8間に延び、したがってスタブブレード8を支持する。スタブブレードは、ハブにおける空隙を減少させる、ハブまで延びる材料を必要とすることなく、付加的なブレードによって通常得られる付加的な圧力を提供する。ハブにおける空隙の減少は、送風機10の最大流れ性能を低減する。ブレードの数が多すぎる(したがって、ブレードが多すぎることによりハブにおける空隙が少なすぎる)場合、入口流が閉塞し、送風機の出口空気流を制限する。
【0040】
図5及び
図6に示すようなインペラでは、完全な長さのブレード6の各対間に3つのスタブブレードがある。しかしながら、他の数のサブブレード8も可能であることが理解されるであろう。例えば、1~7つのスタブブレード、又は3~5つのスタブブレード、又は1、2、3、4若しくは5つのスタブブレードがあり得る。
図3及び
図5の図示される実施形態では、スタブブレード8は、異なる長さのものであり得る。隣接する完全な長さのブレード間にあるスタブブレードの各群の中央又は中間スタブブレードは、隣接するスタブブレード(即ち、その群のスタブブレードの中央スタブブレードの両側のスタブブレード)よりも長い。サイドスタブブレードは、ほぼ同じ長さのものである。長さが異なるにもかかわらず、各群の全てのスタブブレードの周囲端部は、インペラの周囲半径方向の同一距離に配置されている。これは、より長い中央スタブブレードの内側端部が、各サイドスタブブレードの内側端部よりもインペラの中心の半径方向近傍に配置されていることを意味する。スタブブレード及び完全な長さのブレードの全ての周囲端部もインペラの周囲半径方向の同一距離に配置されている。スタブブレードのそれぞれは、その内側端部に向かってテーパしている。即ち、各スタブブレードは、その内側端部に向かって高さが減少する。このテーパを実現するために、各スタブブレードは、凸状上縁部を有する。したがって、スタブブレードのそれぞれは、その周囲端部に対してその内側端部の方が狭い。
【0041】
材料特性及び構築技法では、液体の密度が高いことから、液体を圧送する場合、ブレード数を増加させると有利であるとされている。例えば、回転速度(Hz)をブレードの数で乗じ、ブレード通過周波数を求める。ヒトの聴覚は、300Hz~15kHzのトーン入力に敏感であるため、音楽的なものではない場合には騒音として分類する。高周波の音波は、低周波の騒音に比べて減衰が容易である。典型的なCPAP(持続的気道陽圧)送風機は、約180毎秒回転数の回転速度を有する。したがって、減衰特性を向上させるためにブレード数を増加させると有利である。7、11、13、17、19及び23などの不等の異なる素数は、ロータとモータステータとの間の一般的な部分相互作用の減少を促進する。別の例として、流れ面積を急激に増加させることによる流体の減速は、境界層分離、流れの反転、及び乱流損失につながる可能性がある。拡散メカニズムによる圧力損失の回復では、ブレード間の角度は12度を超えるべきではないとされている。全周(360度)をブレード厚さ角度と流路角度との合計によって除すると、最適な拡散のための最小ブレード数を算出することができる。最適なものより多くのブレードを付加すると、流路寸法が減少し、圧力損失が増加する。
【0042】
しかし、単一のブレードが支持しなければならない力を分散させるため、且つ騒音除去を補助するためにブレード数を増加させると、インペラ内の流路の寸法が減少し、不利になる。本発明者らは、スタブ/スプリッタブレードを使用することによってこの課題を克服している。ハブの近傍における閉塞を最小にするために、いくつかのブレードが先端を切り取られ得、これは、スプリッタブレードと呼ばれる。スプリッタブレードは、その荷重の一部をハブに伝達するために支持円板又は覆い上に配置され得る。しかし、ブリスク(blisk)(ブレード付きディスク)及び覆い付きインペラは、回転モーメントがかなり高くなる。本発明者らは、記載したようにスプリッタブレードをリブ7上に支持することによってこれを回避している。これにより、覆い又は円板にかかる慣性を低減すると共に閉塞も最小にする。
【0043】
モータは、インペラを回転させて所望の出力空気流(圧力及び/又は流量の両方)を生成するために、電源と、コントローラとを使用して制御される。空気は、インペラによって軸方向入口のアパーチャ内に引かれ、冷却を提供するためにモータ上を通り、インペラのブレードにより空気流ステータ及びリングに案内される。空気流ステータリングは、流れを減速して圧力を生成し、流れは、空気流ステータリングを軸方向に出るように案内される。
【0044】
第2の実施形態
図3は、単一ステージ軸方向入口/軸方向出口送風機の別の実施形態を示す。この実施形態には、2つの軸方向入口があり、1つはモータの上部にあり、1つは底部にある。2つの入口によってより小さい入口を可能にし、更に、より大きい有効ブレード長さを可能にする。また、より小さい入口に伴う騒音も少なくなる。
【0045】
送風機50は、環状縁51bを有するプレート51aを含む上部ハウジング部分(「上ハウジング」)51を含む。プレートの中央部において、複数の半径方向のリブ52は、ボスとして形成された中心(上)ハブ54へ延びる。リブは、プレート内にアパーチャ53を作成し、送風機50への1つの軸方向空気入口を形成している。使用中、空気流「B」は、入口に入る。送風機はまた、底部ハウジング部分(「下部ハウジング」)55を含む。下部ハウジングは、環状シェルフ57bが半径方向に延びる同心内部環状スタブ壁57aを有する外部環状壁56から形成されている。湾曲したチャネル57cが外部環状壁と内部環状壁との間に形成されており、インペラ27から空気流を受け入れ、減速し、圧力を生成するための環状空気流ステータリング57を作成している。リブ58は、環状シェルフ57bの縁部から下方に延び、その後、半径方向に延び、中心(下部)ハブ59において合する。これにより、リブ間の凹設領域(「サブハウジング」)と、環状シェルフと、モータ(コア)ステータ16とロータ17とを含むモータコア4を受け入れるための下部ハブとを形成する。下部ハウジング/下部ハブは、モータステータ16の底部/下部支持体、及び軸受の少なくとも部分支持体として機能し、更にロータ及びインペラの組立体の支持体を提供する。リブ間に形成されているアパーチャは、送風機への別の軸方向空気入口「A」を提供する。これにより、モータの冷却も提供される。2つの小さい軸方向入口(上部及び底部)により、より大きい有効ブレード長さを提供する。上ハウジングは、下部ハウジングの外部環状壁の上部に結合している。これは、差込みピン、バンプ、スナップ嵌合、接着剤、超音波若しくは摩擦溶接、又は任意の他の適切な手段によるものであり得る。
【0046】
モータコアは、モータステータ16とロータ17とを含む。モータステータは、サブハウジング内で下部ハブ59に支持されている。モータステータは、トロイダル巻線を有するスタック積層コアを含む。ロータは、シャフトに結合されている環状又はトロイダル磁石を含む。シャフトの下端部は、環状磁石を受け入れるための、環状磁石の内径に対応する外径を有する環状リベートを有する。シャフトは、軸受管の形態の円筒状管である。軸受は、各端部が軸受管内に配置されている。各軸受レースは、外部環状軸受レース/ハウジングと、内部環状軸受レース/ハウジングと、それらの間に玉軸受とを含む。1つの非限定的な例として、軸受は、約4mm~8mmの外径、約1.5mm~3mmの内径、及び約2mm~4mmの厚さを有し得る。内部軸受レースは、外部軸受レースに対して回転する。代替的な形態では、平面軸受又はブッシュが代わりに使用され得る。シャフトは、上ハウジングと下部ハウジングとの間に簡便に支持されている。上ハウジングと下部ハウジングとの両方は、シャフトの各端部において、各軸受の軸受レース内に延び、各軸受の軸受レースに結合している弾力及び/又は弾性突起の形態のスタブアクスルを含む。好ましくは、スタブアクスルは、エラストマー(例えば、シリコーン)又は他の弾力及び/若しくは弾性材料から形成されており、各軸受レースと摩擦嵌合している。或いは、スタブアクスルは、中実及び/又は剛性とすることができ、弾性及び/又は可撓性材料でオーバーモールドされている。或いは、スタブアクスルは、中実であり得る。スタブアクスルは、第1の実施形態に関して上述した特徴のいずれか1つ以上を有し得る。
【0047】
インペラは、シャフト上に結合(例えば、プレス嵌め)され得るか、又はシャフトと一体形成され得る。シャフトは、従来のトポロジーにおけるシャフトと同様の直径のものとすることができ、インペラの堅固な機械的結合を可能にする。軸受は、シャフトの内部に取り付けられていることから、シャフトの直径は、軸受の内径に影響されない。シャフトの外径は、したがって、インペラの堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法、例えば約5mm又は代替的に約3mm~約5mmであり得る。軸受は、シャフトの内部にあり、軸受の寸法(例えば、直径寸法)を、許容できる軸受速度に基づいて選択することができることから、(不必要に高い軸受速度につながる)軸受径の寸法の影響なく大径シャフトも依然として使用することができる。インペラは、
図2に示される。インペラはまた、
図5及び
図6により詳細に示される。同様に、磁石/ロータ17a/17は、シャフト上に押し込まれる。シャフトは、堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法であり得るという同様の利点がこの場合も当てはまる。インペラは、ハブ部分と、ハブ部分から半径方向に延び、ハブ部分に接続している平坦前進角付き(完全な長さの)ブレードとを含む。(或いはブレードは、後退角付き又は半径方向であり得る)。各ブレードは、ハブから延びる垂直平坦部分を含む。環状リブ/リング7がブレード6内に形成され、ブレード6間に延びてブレードの周囲に剛性を与える。リングは、出口7aに向かって湾曲し、ブレードに剛性を与えると共に、また空気流ステータ内に空気流を案内する。これについては後述する。ハブの途中まで延びる複数の短いスタブ(部分的な長さの)ブレード8(「スプリッタブレード」とも称される)は、完全な長さのブレード6間に空間をあけて配置されている。環状リブはまた、ブレード内に形成されると共にブレード間に延び、したがってブレードを支持している。スタブブレードは、ハブにおける空隙を減少する、ハブまで延びる材料を必要とすることなく、付加的な圧力を提供する。ハブにおける空隙の減少は、送風機10の最大流れ性能を低下させる。ブレードの数が多すぎる(したがって、ブレードが多すぎることによりハブにおける空隙が少なすぎる)場合、入口流が閉塞し、送風機の出口空気流を制限する。インペラは、
図5及び
図6に示される実施形態によるものであり得、第1の実施形態に関して上述した特徴のいずれか1つ以上を有し得る。
【0048】
この実施形態は、前述の実施形態で記載したものと同じ利点を有する。この実施形態はまた、デュアル軸方向入口という更なる利点を有し、より制限のない空気入口を提供する。この実施形態はまた、モータの冷却を提供する。
【0049】
第3の実施形態
図4は、単一ステージ軸方向入口/軸方向出口送風機の更に別の実施形態60を示す。この実施形態は、前述の実施形態に類似するが、モータの上部に1つの軸方向入口がある。
【0050】
モータは、環状縁51bを有するプレート51aを含む上部ハウジング部分(「上ハウジング」)51を含む。プレートの中央部において、複数のリブ52は、ボスとして形成された中心上ハブ54へ延びる。リブは、プレート51a内にアパーチャ53を作成し、送風機60への1つの軸方向空気入口を形成している。使用中、空気流「B」は、入口に入る。送風機はまた、底部ハウジング部分(「下部ハウジング」)65を含む。下部ハウジングは、環状シェルフ67bが半径方向に延びる同心内部環状スタブ壁67aを有する外部環状壁66から形成されている。湾曲したチャネル67cは、外部環状壁と内部環状壁との間に形成されており、インペラ27から空気流を受け入れ、減速し、圧力を生成するための環状空気流ステータリング67を作成している。環状壁68aが環状シェルフの縁部から下方に延び、その後、床68bが半径方向に延び、中心下部ハブ69において合する。これにより、壁と環状シェルフとの間に凹設領域(「サブハウジング」)68、及びモータステータとロータとを含むモータコアを受け入れるための下部ハブを形成する。下部ハウジング/下部ハブは、モータステータの底部/下部支持体、及び少なくとも軸受の部分支持体として機能し、更にロータ及びインペラの組立体の支持体を提供する。上ハウジングは、下部ハウジングの外部環状壁の上部に結合している。これは、差込みピン、バンプ、スナップ嵌合、接着剤、超音波若しくは摩擦溶接、又は任意の他の適切な手段によるものであり得る。
【0051】
モータコアは、モータステータとロータとを含む。モータステータは、サブハウジング内で下部ハブに支持されている。モータステータは、トロイダル巻線を有する環状スタック積層コアを含む。ロータは、シャフトに結合されている環状又はトロイダル磁石を含む。シャフトの下端部は、環状磁石を受け入れるための、環状磁石の内径に対応する外径を有する環状リベートを有する。シャフトは、軸受管の形態の円筒状管である。軸受は、各端部が軸受管内に配置されている。各軸受レースは、外部環状軸受レース/ハウジングと、内部環状軸受レース/ハウジングと、これらの間の軸受とを含む。1つの非限定的な例として、軸受は、約4mm~8mmの外径、約1.5mm~3mmの内径、及び約2mm~4mmの厚さを有し得る。内部軸受レースは、外部軸受レースに対して回転する。代替的な形態では、平面軸受又はブッシュが代わりに使用され得る。シャフトは、上ハウジングと下部ハウジングとの間に簡便に支持されている。上ハウジングと下部ハウジングとの両方は、シャフトの各端部において、各軸受の軸受レース内に延び、各軸受の軸受レースに結合している弾力及び/又は弾性突起の形態のスタブアクスルを含む。好ましくは、スタブアクスルは、エラストマー(例えば、シリコーン)又は他の弾力及び/若しくは弾性材料から形成されており、各軸受レースと摩擦嵌合している。或いは、スタブアクスルは、中実及び/又は剛性であり、弾性及び/又は可撓性材料でオーバーモールドされている。或いは、スタブアクスルは、中実であり得る。スタブアクスルは、第1の実施形態に関して上述した特徴のいずれか1つ以上を有し得る。
【0052】
インペラは、シャフト上に結合され得るか又はシャフトと一体形成され得る。シャフトは、従来のトポロジーにおけるシャフトと同様の直径のものとすることができ、インペラの堅固な機械的結合を可能にする。軸受は、シャフトの内部に取り付けられていることから、シャフトの直径は、軸受の内径に影響されない。シャフトの外径は、したがって、インペラの堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法、例えば約5mm又は代替的に約3mm~約5mmであり得る。軸受は、シャフトの内部にあり、軸受の寸法(例えば、直径寸法)を、許容できる軸受速度に基づいて選択することができることから、(不必要に高い軸受速度につながる)軸受径の寸法の影響なく大径シャフトも依然として使用することができる。インペラは、
図2に示される。インペラはまた、
図5及び
図6により詳細に示される。同様に、磁石/ロータ17a/17がシャフトに押し込まれる。シャフトは、堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法であり得るという同様の利点がこの場合も当てはまる。インペラは、ハブ部分と、ハブ部分から半径方向に延び、ハブ部分に接続している平坦前進角付き(完全な長さの)ブレードとを含む。(或いはブレードは、後退角付き又は半径方向であり得る)。各ブレードは、ハブから延びる垂直平坦部分を含む。環状リブ/リング7がブレード6内に形成され、ブレード6間に延びてブレードの周囲に剛性を与える。リングは、出口7aに向かって湾曲し、ブレードに剛性を与えると共に、また空気流ステータ内に空気流を案内する。これについては後述する。ハブの途中まで延びる複数の短いスタブ(部分的な長さの)ブレード8(「スプリッタブレード」とも称される)は、完全な長さのブレード6間に空間をあけて配置されている。年間(annual)リブはまた、ブレード内に形成されると共にブレード間に延び、したがってブレードを支持している。スタブブレードは、ハブにおける空隙を減少する、ハブまで延びる材料を必要とすることなく、付加的な圧力を提供する。ハブにおける空隙の減少は、送風機10の最大流れ性能を低下させる。ブレードの数が多すぎる(したがって、ブレードが多すぎることによりハブにおける空隙が少なすぎる)場合、入口流が閉塞し、送風機の出口空気流を制限する。インペラは、
図5及び
図6に示される実施形態によるものであり得、第1の実施形態に関して上述した特徴のいずれか1つ以上を有し得る。
【0053】
この実施形態は、前述の実施形態で記載したものと同じ利点を有する。
【0054】
上記実施形態で述べた弾性スタブアクスルの別の利点は、これらがシャフトと軸受との間の接続のミスアライメントに適応し、軸受に予荷重を加えることを可能にすることである。
【0055】
上述の実施形態では、シャフトは、軸受がシャフトの各端部内に位置することを可能にするために中空である。他の実施形態では、シャフトは、一部のみ中空の可能性があるものの、軸受がシャフト内に位置するほど十分な空間がある。例えば、シャフトは、各端部において、軸受が位置するための凹部を有し得る。
【0056】
図7を参照すると、別の代替形態では、上記の実施形態のスタブアクスルは、軸受の全体に延びない可能性がある。むしろ、各スタブアクスルは、軸受内の一部のみに延びる(例えば、スタブアクスル70を参照されたい)か又は軸受に接触するのみ(例えば、スタブアクスル71を参照されたい)である可能性がある。これら配置構成は、十分な支持をなお提供し、回転を可能にする。
【0057】
第4の実施形態
図8~
図10は、送風機の更に別の実施形態80を示す。この送風機は、単一ステージ軸方向入口/半径方向出口送風機である。
【0058】
送風機80は、底部ハウジング部分(「下部ハウジング」)85を含む。下部ハウジングは、円筒状側面85aと、環状収集部86(インペラから流れを収集するための)の一部をなすトロイダル状ベース部分85bと、環状収集部内の中央に同心状に位置する内部モータ領域87(
図10を参照されたい)とを有する略円筒体(round body)として形成されている。内部モータ領域は、下部ハウジング内の凹部として形成されている。収集部の内壁86aは、上方に湾曲して内部モータ領域87形成している。内部モータ領域(「サブハウジング」)87は、モータ(コア)ステータ89とロータ90とを含むモータコア88組立体を受け入れるためのものである。中心アパーチャを有する中央プレート91は、内部収集部壁86a上に支持されている。プレートは、プレート周囲93と、ハウジング本体85内の上部インペラ領域94を画定する内部円筒状側壁85aとの間に環状間隙92を有する寸法にされている。環状間隙92は、インペラ95から収集部86までの空気流路96を提供する。半径方向出口97導管が収集部86から延びて、インペラからの空気98の流れを供給する。
【0059】
送風機80は、中心空気入口アパーチャ82a(
図10、
図11を参照されたい)と、中心空気入口アパーチャ82aを横切ってハブまでプレート全体に半径方向に延びるリブ82bとを有するプレート82を含む上部ハウジング部分(「上ハウジング」)81を含む。リブ82bは、
図11に露出した状態で示されている。或いは、
図13Aの代替的実施形態に示すように、リブ82bは、中心ハブ200において歪むことができる。歪むことで、インペラのブレードとの相互作用を低減する。
図13に示される特定の実施形態では、リブのそれぞれは、半径方向部分と、歪む部分とを含む。各歪む部分は、その各半径方向部分の長手方向軸線を横断する軸線に沿って延びている。各半径方向部分は、プレートの周縁部から中心ハブの外縁部まで延び、各歪む部分は、他の歪む部分の全てに接続している中心接続部の外縁部から延びる。各隣接する歪む部分間に、モータに空気を流すための開口部が形成されている。他の実施形態では、各リブ82の歪む部分は、中心ハブ領域において湾曲し、インペラのブレードとの相互作用を最小限にすることができる。
図11及び
図13A~
図13Cは、5つのリブを示すが、様々な数のリブ、例えば3つ、5つ、又は9つのリブを設け得ることが理解されるであろう。リブがフード83の安定した支持ベースを提供するようにするために奇数のリブを有すると有利であり得る。
図11及び
図13A~
図13Cから分かるように、リブ82bは、等角状態に配置され得る。上ハウジング81は、上ハウジング81をフード83に向け且つ/又は取り付けるように構成された係合特徴を更に含み得る。
【0060】
図11から分かるように、プレート82は、円筒状側面85aに差込み継手201によって結合され得るが、摩擦嵌合又は他の結合を使用することができる。フード83がリブ上に載る。リブ82bは、空気がインペラ95に到達できるように、フード83をプレートから離れた状態でセットし、空気入口アパーチャ82aへの空気路99を与える。使用中、空気流9は、入口に入る。リブ82bはまた、中心アパーチャ82a内の中心上部ハブ84まで延び、これを支持し、上部ハブはまた、中心アパーチャ84aを含む。
【0061】
モータ組立体88は、内部モータ領域87に組み付けられている。モータステータ支持体101は、モータ領域87の環状開口部に配置されており、モータ88サブハウジングのベースを形成している。モータステータ支持体101は、内部収集部壁86a内の対応する環状リベート/棚86cに配置されている異形の環状周囲部101aを有する。モータステータ支持体101はまた、環状周囲部101cから、軸受レース110を収容する中心アパーチャ101eを有する底部ハブ101dへ半径方向に延びる複数のリブ101bを有する。前述のように、上部ハブ84は、フードのリブにより支持されており、また軸受レース110を収容する中心アパーチャ84aを有する。軸受レースは、前述の実施形態に記載したものとすることができる。代替的な形態では、平面軸受又はブッシュが代わりに使用され得る。シャフト111は、上部ハブ84と底部ハブ101dとの間で各軸受レース110内に支持されており、上部ハブ84から中央プレート91の中心アパーチャ92を通って延びる。シャフトは、中実であるが、代替的に、後述のように中空又は一部中空とすることもできる。シャフト111の両端部にあるスタブアクスル112は、各軸受110内のシャフトを支持している。モータステータ支持体の環状周囲部はまた、円筒状側壁101fを有し、トロイダル巻線89bを有する環状スタック積層コア89aを含む環状/トロイダルモータステータ89を同心状に支持するための領域114を形成している。環状/トロイダル磁石90は、シャフト111上に同心状に支持されており、モータステータ/モータステータ領域内に同心状に配置されている。インペラ95は、シャフト111上に支持されており、本体85のインペラ領域94内に収容されている。インペラ95は、前述のもののいずれかであり得る。インペラは、シャフト111上に結合され得るか又はシャフト111と一体形成され得る。シャフト111は、従来のトポロジーにおけるシャフトと同様の直径のものとすることができ、インペラの堅固な機械的結合を可能にする。
【0062】
動作時、インペラは、回転し、中心アパーチャを通して空気を引き、空気を環状間隙の周りを通して容積内に送り、半径方向出口から出す。
【0063】
この実施形態は、前述の実施形態に記載したものと同じ利点を有する。
【0064】
この実施形態のシャフト111/スタブアクスル112/軸受110配置構成は、前述の実施形態の反転配置構成である。軸受110がシャフト111内に支持され、スタブアクスル112が上部/下部ハウジング又はハブ内に支持されるよりもむしろ、この実施形態では、スタブアクスル112は、シャフト111上にあり、軸受110、は上部ハブ84及び底部ハブ101内にある。
【0065】
スタブアクスルのそれぞれは、シャフトの各上端部及び下端部から遠位端まで延びる。スタブアクスルは、互いに離れる方に延びる。スタブアクスルのそれぞれは、実質的に円筒形状である。他の実施形態では、スタブアクスルの1つ又は両方は、シャフトの各上端部及び下端部から離れる方に延びるにつれて直径が低減又は減少する。各スタブアクスルの遠位端には丸みがある。しかしながら、他の実施形態では、スタブアクスルの1つ又は両方の遠位端は、実質的に平坦である。各スタブアクスルはまた、フランジ又は段付き部によって形成された肩部を含む。他の実施形態では、肩部は、スタブアクスルのテーパによって形成されている。肩部は、シャフトの各スタブアクスルの近位端に又はその近傍に位置する。上部軸受及び下部軸受は、肩部又は各スタブアクスルに係合し、シャフトに向かう軸受配置構成の軸方向の動きを制限する。上部ハブ84及び底部ハブ101のそれぞれは、各それぞれのスタブアクスル肩部に対して対向関係にある肩部を有する。各ハブ肩部は、ハブの内部表面の凹部又は段付き部として形成されている。他の実施形態では、ハブ肩部は、ハブの内部表面のテーパによって形成されている。上部軸受及び下部軸受はまた、各ハブの肩部と各スタブアクスルの肩部との間に把持されるように各ハブ肩部に係合している。
【0066】
全ての実施形態において、配置構成は、軸受及びスタブアクスル配置構成がシャフトを送風機の上/上部支持体及び下/底部支持体に結合するようになっている。軸受及びシャフトは、他に類似の構成を有することができ(しかし、この実施形態では、シャフトが中空である必要はない)、したがって、配置構成は、前述の実施形態と同じ利点をなお提供する。シャフトは、従来のトポロジーにおけるシャフトと同様の直径のものとすることができ、インペラの堅固な機械的結合を可能にする。しかし、スタブアクスルは、シャフトより細く、軸受内に延び得ることから、シャフトの直径は、軸受の内径に影響されない。シャフトの外径は、したがって、インペラの堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法、例えば約5mm又は代替的に約3mm~約5mmであり得る。軸受がシャフトから離れているため、軸受径の寸法の影響なく大径シャフトも依然として使用することができる。軸受の寸法(例えば、直径の寸法)は、したがって、許容できる軸受速度に基づいて選択され得る。同様に、磁石/ロータ90がシャフトに押し込まれる。シャフトは、堅固な結合を可能にするほどの適切な寸法であり得るという同様の利点がこの場合も当てはまる。
【0067】
上記実施形態は、本発明の利点を提供するシャフト、スタブアクスル、及び軸受配置構成のいくつかの例を示す。しかしながら、これら実施形態は、網羅的ではない。より一般には、以下の構成の任意の組み合わせを有する他の実施形態も可能であることが理解されるであろう。
・シャフト内の軸受、又は代替的に上部/底部支持体上の軸受、
・上部/底部支持体内のスタブアクスル、又は代替的にシャフト上のスタブアクスル、
・中空、一部中空、又は中実シャフト。
【0068】
一例として及び
図12Aを参照すると、いくつかの実施形態では、送風機は、中空シャフト27と、シャフトの両端部にある軸受28と、上部/底部支持体上にあるスタブアクスル29a、29bとを有する。
【0069】
別の例として、及び
図12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、送風機は、中実シャフト111と、シャフト111の両端部にあるスタブアクスル112と、上部/底部支持体上にある軸受110とを有する。
図12Bに示されているように、インペラのスタブアクスル29a、29bは、剛性であり、上部/底部支持体は、軸受を受けるための弾性「カップ」220を有する。カップ220の弾性材料は、薄く、断面図でのみ見ることができる。或いは、前述のように、スタブアクスル29a、29bは、弾性材料で作製されている。
【0070】
別の例として及び
図12Cを参照すると、いくつかの実施形態では、送風機は、部分中空シャフト210と、シャフトの両端部にある軸受28と、上部/底部支持体上にあるスタブアクスル29a、29bとを有する。これら実施形態では、シャフトは、シャフトの各端部に形成された凹部を有する。軸受及びスタブアクスルは、シャフトの各凹部内に少なくとも一部受け入れられている。
【0071】
上記実施形態は、入口/出口トポロジーの様々な構成を示す。入口トポロジーと出口トポロジーとの様々な組み合わせを上記実施形態のいずれにも組み込むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、
図13A、
図13Bに示すように、送風機は、軸方向入口A/軸方向出口Bトポロジー(リブ82bは各場合で異なる)を有し得る。他の実施形態では、
図11に示すように、送風機は、軸方向入口A/半径方向出口B/97トポロジーを有し得る。他の実施形態では、
図13Cに示すように、送風機は、軸方向入口A/接線出口C/230トポロジーを有し得る。
【0072】
モータの他のトポロジーも可能であり、記載したものは単に例示である。例えば、ブラシ付き又はブラシレスDCモータ、ACモータ、インダクタンスモータ、又は可変リラクタンスモータが使用され得る。ロータ及びモータステータは、記載したもの以外の形態を取ることができる。
【0073】
記載した実施形態は、いくつかの利点を有する。記載した実施形態は、プロファイル及び/又は平面の両方においてフットプリントを低減した送風機を提供する。小さいフットプリントは、小さいハウジングを可能にする。小さいフットプリントの理由の1つは、空気流ステータリングが、渦巻きを省略することを可能にし、送風機の全体的な直径を低減すると共に、ハウジング直径に対するブレードの長さの比率も増加させることである(即ち、ブレードの長さのためのスペースは、渦巻きの存在によって低減されず、渦巻きを有するハウジングに比べて、利用可能なフットプリント直径のより多くをブレードの長さに使用することを可能にする)。
【0074】
実施形態はまた、より小型の(即ち直径、厚さ及び/全重量が小さい)インペラの使用を可能にする。これは、更に、より小型/軽量の送風機及び/又は慣性が小さい送風機をもたらす。より小型/軽量のトポロジーは、送風機を、ポータブルで、小型化された状態で及び/又は頭部若しくはマスク取付式のCPAP、高流量治療、又は他の呼吸装置で使用することを可能にする。
【0075】
一例として、インペラは、直径約48mmのリングの内部に約47mmの直径を有し、98%のハウジング直径に対するブレード長さの比率を提供し得る。別の例は、半径約20mmのハウジング内に約18mmのブレードであり、90%の比率である。これらは単なる例示であり、他の直径も可能である。送風機の典型的な容器/フットプリントは、
・直径:≦約53mm、
・高さ:≦約21mm、
・重量:≦約50グラム、又は≦約47グラム(例えば、27グラム)
であり得る。
【0076】
任意選択的に、インペラは、
・約3mm以下の厚さ、
・約48mm以下、又はより好ましくは48.4mmの直径、
・約3グラム以下の重量
を有する。
【0077】
他の寸法は、本明細書を読めば明らかとなるであろう。ブレード対ハウジングの比率を最大化することが好ましい。
【0078】
これら寸法の小型インペラは、上述の用途での使用に適していない。これは、通常の速度(毎分回転数)で動作する場合、その空気流特性が、必要な治療を提供するのに不十分な(例えば、この性質の小型インペラによって発生した流量及び/又は圧力が十分でない)ことが理由である。更に、これらの速度は、いくつかの欠点をもたらすことから、これらのインペラを高速で駆動して必要な流量及び/又は圧力を生成することは不可能であった。例えば、速度を増加させると、軸受は、より高い速度及び/又は温度で動作する。これにより、セラミック、より高価な空気軸受又は流体軸受などの特殊な軸受の使用が必要になる。軸受の速度を低減するために、より小径の軸受レース及び軸受を使用する必要がある。これにより、シャフトがなお軸受レースの中心を通ることができるように、シャフト直径を低減することが必要になる。より小径のシャフトを使用する場合、例えば、一体設計又は摩擦嵌合によってインペラ及び/又はロータ磁石を取り付けることがはるかに困難である。これを実施可能な状態で行うには製造公差が厳密になりすぎる。したがって、小型のインペラの収容は、現在まで実現不可能であった。別の代替形態は、複数のインペラステージを有する送風機を使用することであるが、これにはより費用がかかり、大型となり、製造がより困難になる。
【0079】
本実施形態は、これらの課題を克服することができ、単一ステージ送風機におけるより小型のインペラの使用を可能にする。使用されるシャフトは、中空であるか又は少なくとも部分的に中空である。軸受は、シャフトの内部に取り付けられている。これは、2つのことを可能にする。第1に、シャフト直径を前述のものと同一又は類似の寸法のものとすることを可能にするため、インペラ及び/又はロータ(又は磁石)を通常の手法でシャフトに組み込むか又は取り付けることができ、第2に、軸受が内部に配置されていることから、(同一直径のシャフトをなお有しながらも)より小径の軸受の使用を可能にする。したがって、これにより、インペラがより高速で回転し、より小径のインペラで必要な流量及び/又は圧力を生成することを可能にする。しかし、インペラ/シャフトが高速で動作しているにもかかわらず、より小径の軸受は、従来使用されている大径の軸受に比べて低い周速(又は高い角速度)で動作し、上述の高速に関する課題を回避する。スタブアクスルは、したがって、軸受の内レースへの接続を可能にし、スタブアクスルの弾力/弾性は、シャフトが回転する際の弾力を可能にする。この配置構成はまた、シャフト及び/又は軸受における渦電流を低減又は排除する。渦電流は、軸受を劣化させるおそれがある。
【0080】
加えて、スタブブレード並びに空気入口の数及び/又は寸法の増加は、より短いブレードの長さからより大きい圧力を発生させることを可能にする。
【0081】
軸方向出口は、送風機フットプリントを増加する可能性のある接線出口ダクトの必要を排除する。
【0082】
この配置構成は、低減されたフットプリント又はより低い(低い)プロファイルを提供する単一ステージ軸方向入力/軸方向出力送風機も可能にする。記載されている実施形態は、渦巻きを有しないために寸法も減少する。空気流ステータリングは、静圧を生成する。軸方向気流入口は、モータステータの冷却を可能にする。