(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】居住設備
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20241203BHJP
B60P 3/35 20060101ALI20241203BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20241203BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H02J3/38 120
B60P3/35 ZHV
H02J3/46
E04B1/343 Q
(21)【出願番号】P 2024039250
(22)【出願日】2024-03-13
【審査請求日】2024-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 遼
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-157782(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224784(JP,U)
【文献】小島 一浩 Kazuhiro Kojima,第9回 ネットワーク生態学シンポジウム 予稿集 [CD-ROM] 第9回ネットワーク生態学シンポジウム予稿集,2012年12月16日,1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
B60P 3/35
H02J 3/46
E04B 1/343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地に配置される居住設備であって、
自然エネルギーから直流電力を生成する第1自然エネルギー発電装置と、第1分電盤と、を有した第1トレーラーハウスと、
自然エネルギーから直流電力を生成する第2自然エネルギー発電装置と、第2分電盤と、を有する第2トレーラーハウスと、
電力連携装置と、を備え、
前記第1自然エネルギー発電装置及び前記第2自然エネルギー発電装置が直列又は並列に接続され、前記第1分電盤が前記第2分電盤に接続され、前記第1自然エネルギー発電装置及び前記第2自然エネルギー発電装置が直流電力を前記電力連携装置に供給し、前記電力連携装置が前記第1自然エネルギー発電装置と前記第2自然エネルギー発電装置と前記第1分電盤と前記第2分電盤を電力的に連携させる
ことを特徴とする居住設備。
【請求項2】
請求項1に記載の居住設備であって、
前記第2トレーラーハウスが電力変換器を更に有し、
前記第2自然エネルギー発電装置が前記第1自然エネルギー発電装置から前記電力変換器に付け替え可能であり、前記第2分電盤が前記第1分電盤から切り離し可能であり、
前記第2自然エネルギー発電装置が前記電力変換器に接続され、且つ、前記第2分電盤が前記第1分電盤から切り離された場合に、前記電力変換器が前記第2自然エネルギー発電装置から供給された直流電力を交流電力に変換し、前記電力変換器がその交流電力を前記第2分電盤に供給する
ことを特徴とする居住設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の居住設備であって、
前記電力連携装置は更にバッテリーを電力的に連携する
ことを特徴とする居住設備。
【請求項4】
請求項3に記載の居住設備であって、
前記バッテリーが前記敷地に設置された定置型バッテリー又は前記敷地に駐車された電動車のバッテリーである
ことを特徴とする居住設備。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の居住設備であって、
前記第1トレーラーハウス及び前記第2トレーラーハウスが前記敷地に駐留され、
前記電力連携装置が前記敷地に設置されている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の居住設備であって、
水再生装置を更に備え、
前記第2トレーラーハウスが水回り設備を有し、
前記水再生装置が、前記水回り設備から排出された排水を上水又は中水に再生して、前記上水又は前記中水を前記水回り設備に供給する
ことを特徴とする居住設備。
【請求項7】
請求項6に記載の居住設備であって、
前記水再生装置が前記敷地に設置されている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項8】
請求項6に記載の居住設備であって、
給湯器を更に備え、
前記水再生装置が前記上水又は前記中水を前記給湯器に供給し、前記給湯器が前記上水又は前記中水を加熱して前記水回り設備に供給する
ことを特徴とする居住設備。
【請求項9】
請求項8に記載の居住設備であって、
前記給湯器が前記敷地に設置されている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の居住設備であって、
前記第1トレーラーハウスと前記第2トレーラーハウスが隣り合って駐車され、前記第1トレーラーハウスと前記第2トレーラーハウスはそれらの家屋同士が連結される
ことを特徴とする居住設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、太陽光発電装置、蓄電装置及び充放電制御部を有する複数の被牽引車を開示する。充放電制御部は、複数の被牽引車の相互間において、被牽引車のそれぞれに備えられる蓄電装置のうち充電率が所定の閾値以上の蓄電装置に対して電力を供給する充電制御方法に基づいて蓄電装置の充放電を制御する。
【0003】
特許文献2及び特許文献3は、太陽光発電装置付きのトレーラーハウスを開示する。特許文献2によれば、太陽光発電装置の設置箇所がトレーラーハウスの屋根であることから、太陽光発電装置が小型であり、太陽光発電装置の出力電力がそれほど大きくない。そのため、太陽光発電装置は、トレーラーハウスで居住に必要な電力の全てを賄えない。トレーラーハウスの内側の居住スペースの広さも限られていることから、快適な生活を居住スペースで送れるとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-157443号公報
【文献】実登3224784号公報
【文献】実登3230983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、居住スペースを広く取れるとともに、居住スペースで居住に必要な電力を賄える居住設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の括弧書きで示された参照符号は
図1及び
図2において参照される。
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1によれば、
敷地(2)に配置される居住設備(1)であって、
自然エネルギーから直流電力を生成する第1自然エネルギー発電装置(13)と、第1分電盤(16)と、を有した第1トレーラーハウス(10)と、
自然エネルギーから直流電力を生成する第2自然エネルギー発電装置(23)と、第2分電盤(28)と、を有する第2トレーラーハウス(20)と、
電力連携装置(100)と、を備え、
前記第1自然エネルギー発電装置(13)及び前記第2自然エネルギー発電装置(23)が直列又は並列に接続され、前記第1分電盤(16)が前記第2分電盤(28)に接続され、前記第1自然エネルギー発電装置(13)及び前記第2自然エネルギー発電装置(23)が直流電力を前記電力連携装置(100)に供給し、前記電力連携装置(100)が前記第1自然エネルギー発電装置(13)と前記第2自然エネルギー発電装置(23)と前記第1分電盤(16)と前記第2分電盤(28)を電力的に連携させる
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0008】
以上のような請求項1によれば、居住設備(1)が第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)を備えるため、居住スペースが広く、快適な生活を居住スペースで送れる。
第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)が第1自然エネルギー発電装置(13)及び第2自然エネルギー発電装置(23)をそれぞれ備え、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)が第1分電盤(16)及び第2分電盤(28)をそれぞれ備え、電力連携装置(100)が第1自然エネルギー発電装置(13)と第2自然エネルギー発電装置(23)と第1分電盤(16)と第2分電盤(28)を電力的に連携させるため、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)で居住に必要な電力が第1分電盤(16)及び第2分電盤(28)を通じて第1自然エネルギー発電装置(13)及び第2自然エネルギー発電装置(23)によって賄われる。
【0009】
請求項2によれば、請求項1に記載の居住設備(1)であって、
前記第2トレーラーハウス(20)が電力変換器(26)を更に有し、
前記第2自然エネルギー発電装置(23)が前記第1自然エネルギー発電装置(13)から前記電力変換器(26)に付け替え可能であり、
前記第2自然エネルギー発電装置(23)が前記電力変換器(26)に接続された場合に、前記電力変換器(26)が前記第2自然エネルギー発電装置(23)から供給された直流電力を交流電力に変換し、前記電力変換器(26)がその交流電力を前記第2分電盤(28)に供給する
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0010】
以上のような請求項2によれば、第2トレーラーハウス(20)が第1トレーラーハウス(10)から独立した場合、第2自然エネルギー発電装置(23)が第1自然エネルギー発電装置(13)から切り離され、第2自然エネルギー発電装置(23)が電力変換器(26)に接続され、電力変換器(26)が第2自然エネルギー発電装置(23)から供給された直流電力を交流電力に変換し、電力変換器(26)がその交流電力を第2分電盤(28)に供給するため、第2トレーラーハウス(20)では、電力連携装置(100)を用いずとも、第2自然エネルギー発電装置(23)によって生成された電力を使用することができる。そのため、第1トレーラーハウス(10)から第2トレーラーハウス(20)を独立して、第2トレーラーハウス(20)を移動したり、第2トレーラーハウス(20)を前記敷地(2)とは別の場所に駐留させたりすることができる。
第2トレーラーハウス(20)が第1トレーラーハウス(10)から独立した場合、電力連携装置(100)が第1自然エネルギー発電装置(13)とバッテリー(50又は60)と第1分電盤(16)とを電力的に連携させるため、第1トレーラーハウス(10)では、第1自然エネルギー発電装置(13)によって生成された電力を使用することができる。
【0011】
請求項3によれば、請求項1又は2に記載の居住設備(1)であって、
前記電力連携装置(100)が更にバッテリー(50又は60)を電力的に連携する
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0012】
以上のような請求項3によれば、電力連携装置(100)が更にバッテリー(50又は60)も連携させるため、第1自然エネルギー発電装置(13)及び第2自然エネルギー発電装置(23)によって生成された電力のうち余剰電力がバッテリー(50又は60)に充電される。第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)で居住に必要な電力が、第1自然エネルギー発電装置(13)及び第2自然エネルギー発電装置(23)によって生成された電力でも不足している場合、バッテリー(50又は60)が不足分を補う。そのため、余剰電力を有効利用できる。
第2トレーラーハウス(20)が第1トレーラーハウス(10)から独立した場合でも、バッテリー(50又は60)の充放電により余剰電力が第1トレーラーハウス(10)で有効利用される。
【0013】
請求項4によれば、
請求項3に記載の居住設備(1)であって、
前記バッテリー(50又は60)が、前記敷地(2)に設置された定置型バッテリー(50)又は前記敷地(2)に駐車された電動車(60)のバッテリーである
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0014】
以上のような請求項4によれば、定置型バッテリー(50)又は電動車(60)のバッテリーに対して充放電を行える。
バッテリーが敷地(2)に設置された定置型バッテリー(50)であれば、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)の内側の居住スペースを広く取れる。バッテリーが敷地(2)に駐車された電動車(60)のバッテリーであっても、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)の内側の居住スペースを広く取れる。
【0015】
請求項5によれば、
請求項1又は2に記載の居住設備(1)であって、
前記第1トレーラーハウス(10)及び前記第2トレーラーハウス(20)が前記敷地(2)に駐留され、
前記電力連携装置(100)が前記敷地(2)に設置されている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0016】
以上のような請求項5によれば、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)が敷地(2)から移動させることができる。第1トレーラーハウス(10)が敷地(2)に戻れば、電気のある生活を第1トレーラーハウス(10)で送れる。第1トレーラーハウス(10)と第2トレーラーハウス(20)の両方が敷地(2)に戻って、電気のある生活を第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)で送れる。
電力連携装置(100)が敷地(2)に設置されているため、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)の内側の居住スペースを広く取れる。
【0017】
請求項6によれば、
請求項1又は2に記載の居住設備(1)であって、
水再生装置(40)を更に備え、
前記第2トレーラーハウス(20)が水回り設備(30)を有し、
前記水再生装置(40)が、前記水回り設備(30)から排出された排水を上水又は中水に再生して、前記上水又は前記中水を前記水回り設備(30)に供給する
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0018】
以上のような請求項5によれば、水のある生活を送れる。
【0019】
請求項7によれば、
請求項6に記載の居住設備(1)であって、
前記水再生装置(40)が前記敷地(2)に設置されている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0020】
以上のような請求項7によれば、水再生装置(40)が敷地(2)に設置されているため、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)の内側の居住スペースを広く取れる。
【0021】
請求項8によれば、
請求項6に記載の居住設備(1)であって、
給湯器(45)を更に備え、
前記水再生装置(40)が前記上水又は前記中水を前記給湯器(45)に供給し、前記給湯器(45)が前記上水又は前記中水を加熱して前記水回り設備(30)に供給する
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0022】
以上のような請求項8によれば、温かい湯のある生活を送れる。
【0023】
請求項9によれば、
請求項8に記載の居住設備(1)であって、
前記給湯器(45)が前記敷地(2)に設置されている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0024】
以上のような請求項9によれば、給湯器(45)が敷地(2)に設置されているため、第1トレーラーハウス(10)及び第2トレーラーハウス(20)の内側の居住スペースを広く取れる。
【0025】
請求項10によれば、
請求項1又は2に記載の居住設備(1)であって、
前記第1トレーラーハウス(10)と前記第2トレーラーハウス(20)が隣り合って駐車され、前記第1トレーラーハウス(10)と前記第2トレーラーハウス(20)はそれらの家屋同士が連結される
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0026】
以上のような請求項10によれば、第1トレーラーハウス(10)の家屋と第2トレーラーハウス(20)の家屋の間を容易に行き来することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、居住スペースが広く、快適な生活を居住スペースで送れる。
第1トレーラーハウス及び第2トレーラーハウスで居住に必要な電力が第1分電盤及び第2分電盤を通じて第1自然エネルギー発電装置及び第2自然エネルギー発電装置によって賄われる。
第1自然エネルギー発電装置及び第2自然エネルギー発電装置によって生成された電力のうち余剰電力がバッテリーに充電されることから、余剰電力を有効利用できる。第1自然エネルギー発電装置及び第2自然エネルギー発電装置によって生成された電力でも不足している場合、バッテリーが不足分を補う。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、居住設備の構成要素を示したブロック図である。
【
図2】
図2は、居住設備の第2トレーラーハウスが敷地から離れた状態を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の特徴及び技術的な効果は、以下の詳細な説明及び図面から理解される。ただし、本発明の範囲は、以下に開示された実施形態に限定されない。図面は例示のみのために提供されるため、本発明の範囲は図面の例示に限定されない。
【0030】
<1. 居住設備の概要>
図1に示すように、居住設備1は敷地2に配置されている。ここで、本明細書の説明において、「敷地2に配置」とは、対象物が敷地2に設置されているか、それとも対象物が敷地2に駐留されているかを問わない。「敷地2に設置」とは、対象物が敷地2に固定されていて敷地2から移動できないことをいう。「敷地2に駐留」とは、対象物が敷地2に固定されておらず敷地2から移動できることをいう。敷地2はキャンプ場、公園、遊園地、駐車場、避難場所、宅地、農地、山林又は森林である。敷地2のうち、居住設備1が配置される領域は、地上又は水上の何れであってもよい。敷地2のうち、少なくとも居住設備1が配置される領域の土地は造成されていることが好ましい。
【0031】
居住設備1は第1トレーラーハウス10、第2トレーラーハウス20、水再生装置40、給湯器45、定置型バッテリー50、電動車60及び電力連携装置100を備える。電力連携装置100は接続箱、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90を有する。
【0032】
第1トレーラーハウス10、第2トレーラーハウス20及び電動車60は敷地2に駐留されている。第1トレーラーハウス10と第2トレーラーハウス20は敷地2内において並列又は縦列に隣り合って駐車されてもよいし、これらが敷地2内において離れて駐車されてもよい。第2トレーラーハウス20が第1トレーラーハウス10及び電動車60から独立して、牽引車によって敷地2から移動され得る。第1トレーラーハウス10が第2トレーラーハウス20及び電動車60から独立して、牽引車によって敷地2から移動され得る。電動車60は、第1トレーラーハウス10及び第2トレーラーハウス20から独立して、自走により敷地2から移動され得る。もちろん、第1トレーラーハウス10又は第2トレーラーハウス20が電動車60によって牽引されてもよい。
【0033】
水再生装置40及び給湯器45は敷地2に設置されている。電力連携装置100、つまり接続箱、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90は敷地2に設置されている。接続箱、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90のうち2つ又は3つが一体化されていてもよい。定置型バッテリー50は敷地2に配置されている。定置型バッテリー50は敷地2に設置されている。ただし、定置型バッテリー50は敷地2における設置箇所から取り外し可能であってもよい。
【0034】
<2. 第1トレーラーハウス>
第1トレーラーハウス10は、内燃機関又はモーターなどのような走行動力源を有さない被牽引車である。第1トレーラーハウス10は、シャーシ11、家屋12、自然エネルギー発電装置13、AC入力ソケット14、電力切換器15、メイン分電盤16、AC出力ソケット17及び管理装置18を備える。
【0035】
シャーシ11は車輪付き台車である。
家屋12はシャーシ11の上に据え付けられている。家屋12は、木質パネル接着工法によって組み立てられた木造家屋である。家屋12はその内側に居住スペースを有する。
【0036】
自然エネルギー発電装置13は家屋12の屋根の上に据え付けられている。自然エネルギー発電装置13は自然エネルギーから直流電力を生成する。自然エネルギー発電装置13の発電原理が誘導電動機などを用いて交流電力を生成する場合、自然エネルギー発電装置13がその交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバーターを有する。
【0037】
例えば、自然エネルギー発電装置13は、太陽光のエネルギーから直流電力を生成する太陽光発電パネルを有する。太陽光発電パネルは家屋12の屋根の上に敷設されている。自然エネルギー発電装置13は、太陽光発電パネルに加えて又は太陽光発電パネルとは別に、太陽光発電パネル以外の発電装置、例えば風力発電装置を有してもよい。
【0038】
自然エネルギー発電装置13が風力発電装置などのように高さを有する場合、自然エネルギー発電装置13の高さが第1トレーラーハウス10の走行に支障を及ぼすので、その支障を取り除くべく、自然エネルギー発電装置13が折り畳み可能又は収納可能であってもよい。自然エネルギー発電装置13は、生成した直流電力を出力する出力ソケットを有する。自然エネルギー発電装置13の出力ソケットは電線101を介して電力コントローラー70に接続されている。その電線101は、第1トレーラーハウス10の移動の際に、自然エネルギー発電装置13の出力ソケット若しくは電力コントローラー70又はこれら両方から切り離される。
【0039】
AC入力ソケット14は、100V又は200Vなどのような交流電力を受け入れる為のソケットである。AC入力ソケット14は家屋12に取り付けられている。AC入力ソケット14は電線102及び接続箱を介して電力コントローラー70に接続されている。その電線102は、第1トレーラーハウス10の移動の際に、AC入力ソケット14又は電力コントローラー70から切り離される。
【0040】
電力切換器15は電線を介してAC入力ソケット14に接続されている。電力切換器15は電線を介してメイン分電盤16及びAC出力ソケット17に接続されている。
【0041】
メイン分電盤(第1分電盤)16は、家屋12内に張り巡らされた宅内電気配線網に接続されている。家屋12の内側又は外側に配置又は設置された複数の負荷が宅内電気配線網に接続されている。メイン分電盤16は、電力切換器15を通じて電力コントローラー70から受けた交流電力を負荷に分配する。負荷は、宅内電気配線網を通じてメイン分電盤16から交流電力の供給を受けるとともに、その交流電力を消費する。負荷は、照明器、冷蔵庫、空調機器、通信ネットワーク機器(ルーター、無線親機、無線中継機、電話機等)、テレビ、音響機器、録画機及び調理家電などのような電気機器である。
【0042】
AC出力ソケット17は、メイン分電盤16及び電力切換器15に接続されている。AC出力ソケット17は、100V又は200Vなどのような交流電力を出力する為のソケットである。AC出力ソケット17は家屋12に取り付けられている。AC出力ソケット17は電線103を介して第2トレーラーハウス20のAC入力ソケット24に接続されている。
【0043】
管理装置18は、汎用コンピューターシステム又は専用コンピューターシステムから構成される。汎用コンピューターシステムとは、汎用OS(Operating System)がインストールされた例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピューター、ラップトップ型コンピューター及びデスクトップ型コンピューターなどのようなコンピューターシステムをいう。汎用OSは、例えば、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)又はUnix(登録商標)である。汎用OSには、家屋12内の負荷及び電力コントローラー70、の監視、管理、制御、電力監視、電力管理及び電力制御を実行するためのプログラムがインストールされている。専用コンピューターシステムとは、家屋12の壁などに設置されているとともに、家屋12内の負荷及び電力コントローラー70の監視、管理、制御、電力監視、電力管理及び電力制御を実行する機能に特化したコンピューターシステムをいう。例えば、専用コンピューターシステムとしては、HEMS(Home Energy Management System)コントローラーが挙げられる。
【0044】
<3. 第2トレーラーハウス>
第2トレーラーハウス20は、内燃機関又はモーターなどのような走行動力源を有さない被牽引車である。第2トレーラーハウス20は、シャーシ21、家屋22、自然エネルギー発電装置23、AC入力ソケット24、DC入力ソケット25、電力変換器26、電力切換器27、サブ分電盤28、AC出力ソケット29及び水回り設備30を備える。なお、第2トレーラーハウス20が管理装置18と同様の管理装置を有し、その管理装置が第2トレーラーハウス20の家屋22内に設置されてもよい。第2トレーラーハウス20の管理装置と第1トレーラーハウス10の管理装置18はLAN等により相互通信可能に接続されてもよい。そのLANは衛星通信によりインターネットに接続されてもよい。
【0045】
シャーシ21、家屋22及び自然エネルギー発電装置23は、それぞれ、第1トレーラーハウス10のシャーシ11、家屋12及び自然エネルギー発電装置13と同様に設けられている。第1トレーラーハウス10と第2トレーラーハウス20が隣り合って駐車されることによって、家屋12と家屋22が連結されて、家屋12の内側と家屋22の内側の間を行き来することができてもよい。特に、家屋12の出入口と家屋22の出入口が連結されてもよく、この場合、家屋12若しくは家屋12又はこれら両方は別途第2の出入口を有することが好ましい。
【0046】
自然エネルギー発電装置23の出力ソケットは電線104を介して第1トレーラーハウス10の自然エネルギー発電装置13に接続されている。自然エネルギー発電装置23と自然エネルギー発電装置13の接続は直列接続と並列接続のどちらでもよい。自然エネルギー発電装置23によって生成された直流電力は、自然エネルギー発電装置13によって生成された直流電力とともに、電力コントローラー70に出力される。自然エネルギー発電装置23と自然エネルギー発電装置13を繋ぐ電線104は、自然エネルギー発電装置23若しくは自然エネルギー発電装置13又はこれら両方から切り離し可能である。
【0047】
なお、自然エネルギー発電装置23の出力ソケットが電線104を介して電力コントローラー70に接続されることによって、電力コントローラー70の内部において自然エネルギー発電装置23と自然エネルギー発電装置13が直列に又は並列に接続されてもよい。また、自然エネルギー発電装置23の出力ソケットの正極端子が電線を介して自然エネルギー発電装置13に接続され、自然エネルギー発電装置23の出力ソケットの負極端子が電線を介して電力コントローラー70に接続され、これにより、自然エネルギー発電装置23と自然エネルギー発電装置13が直列に又は並列に接続されてもよい。
【0048】
AC入力ソケット24は、100V又は200Vなどのような交流電力を受け入れる為のソケットである。AC入力ソケット24は家屋22に取り付けられている。AC入力ソケット24は電線103を介して第1トレーラーハウス10のAC出力ソケット17に接続されている。例えば
図2に示すように、第1トレーラーハウス10又は第2トレーラーハウス20の移動の際に、その電線103がAC入力ソケット24若しくはAC出力ソケット17又はこれら両方から切り離され、これによりメイン分電盤16が後述のサブ分電盤28から切り離されて、これら分電盤16,28がそれぞれ独立する。なお、敷地2以外の場所への第2トレーラーハウス20の駐車の際に、商用電源がAC入力ソケット24に接続されてもよい。
【0049】
DC入力ソケット25は直流電力を受け入れる為のソケットである。第2トレーラーハウス20が敷地2に駐車されている際には、DC入力ソケット25が自然エネルギー発電装置23の出力ソケットから遮断されている。一方、
図2に示すように、第2トレーラーハウス20の移動の際、又は、敷地2以外の場所への第2トレーラーハウス20の駐車の際には、DC入力ソケット25が自然エネルギー発電装置23の出力ソケットに接続されている。つまり、自然エネルギー発電装置23は、自然エネルギー発電装置13から後述の電力変換器26に付け替え可能である。
【0050】
電力変換器26は、DC/ACコンバーター及び継電器などを有するパワーコンディショナーである。電力変換器26はDC入力ソケット25に接続されている。電力変換器26は、DC入力ソケット25を介して自然エネルギー発電装置23から入力した直流電力を交流電力に変換する。なお、電力変換器26が継電器又は開閉器などのようなスイッチを介して自然エネルギー発電装置23に接続されており、敷地2への第2トレーラーハウス20の駐車の際には、スイッチが自然エネルギー発電装置23から電力変換器26を電気的に切り離し、第2トレーラーハウス20の移動の際、又は、敷地2以外の場所への第2トレーラーハウス20の駐車の際には、スイッチが自然エネルギー発電装置23から電力変換器26を電気的に接続してもよい。
【0051】
電力切換器27は電線を介してAC入力ソケット24に接続されている。電力切換器27は電線を介して電力変換器26に接続されている。電力切換器27は電線を介してサブ分電盤28に接続されている。電力切換器27がAC入力ソケット24及びAC出力ソケット17を介してメイン分電盤16に接続された場合、又は、電力切換器27がAC入力ソケット24を介して商用電源に接続された場合、電力切換器27はメイン分電盤16又は商用電源を電力供給元を設定して、メイン分電盤16又は商用電源から受けた交流電力をサブ分電盤28に供給する。電力切換器27がメイン分電盤16又は商用電源から切り離された場合、電力切換器27が電力変換器26を電力供給元に設定して、電力変換器26から受けた交流電力をサブ分電盤28に供給する。
【0052】
サブ分電盤28は、家屋22内に張り巡らされた宅内電気配線網に接続されている。家屋22の内側又は外側に配置又は設置された複数の負荷が宅内電気配線網に接続されている。サブ分電盤28は、電力切換器27、メイン分電盤16及び電力切換器15を通じて電力コントローラー70から受けた交流電力を負荷に分配する。負荷は、宅内電気配線網を通じてサブ分電盤28から交流電力の供給を受けるとともに、その交流電力を消費する。負荷は、照明器、冷蔵庫、空調機器、通信ネットワーク機器(ルーター、無線親機、無線中継機、電話機等)、テレビ、音響機器、録画機及び調理家電などのような電気機器である。
【0053】
AC出力ソケット29は、サブ分電盤28に接続されている。AC出力ソケット29は、100V又は200Vなどのような交流電力を出力する為のソケットである。AC出力ソケット29は家屋22に取り付けられている。AC出力ソケット29は電線105を介して給湯器45に接続され、交流電力がサブ分電盤28から給湯器45に供給される。AC出力ソケット29は電線106を介して水再生装置40に接続され、交流電力がサブ分電盤28から水再生装置40に供給される。
【0054】
水回り設備30は家屋22に設置されている。水回り設備30は、温水インレットポート31と、温水インレットポート31に接続された温水配管、常温水インレットポート32と、常温水インレットポート32に接続された常温水配管と、排水ポート33と、排水ポート33に接続された排水管と、温水配管若しくは常温水配管又はこれら両方に接続された給水機器34と、排水管に接続された排水機器35と、を有する。温水インレットポート31及び常温水インレットポート32に供給される水は、飲用に適した上水であってもよいし、飲用に不適な中水であってもよい。給水機器34は、例えば混合栓、温水栓又は常温水栓である。排水機器35は、例えばシンク、洗面器、手洗器又は風呂である。水回り設備30は、常温水配管又は浄化槽から供給された水により水洗する水洗トイレを有してもよい。水洗トイレは、敷地2に設置された下水管又は前記浄化槽に接続されてもよい。前記浄化槽は、単独処理浄化槽又は合併処理浄化槽である。合併処理浄化槽は、微生物により水を浄化する機能を有してもよい。前記排水管が分岐して前記浄化槽に接続されてもよい。
【0055】
<3. 水再生装置及び給湯器>
水再生装置40は、インレットポート、アウトレットポート、濾過器、膜処理器、殺菌処理器、タンク及びポンプなどを有する。水再生装置40のアウトレットポートは配管を通じて給湯器45のインレットポート及び常温水インレットポート32に接続されている。一方、
図2に示すように、第2トレーラーハウス20の移動の際、又は、敷地2以外の場所への第2トレーラーハウス20の駐車の際には、水再生装置40のアウトレットポートが常温水インレットポート32から切り離されている。
【0056】
水再生装置40は、水回り設備30の排水管から送られた排水を回収し、その排水を濾過器、膜処理器及び殺菌処理器により上水又は中水に再生し、再生した上水又は中水を水回り設備30の常温水配管及び給湯器45に供給する。なお、水回り設備30の排水管から送られた排水に加えて、雨水が水再生装置40によって上水又は中水に再生されてもよい。なお、上水が上水道から水回り設備30及び給湯器45に供給されてもよい。
【0057】
給湯器45は、水再生装置40から供給された上水又は中水を熱的サイクル、火力又は電熱により加熱して、加熱された温水を水回り設備30の温水インレットポート31に供給する。給湯器45が熱サイクル式給湯器である場合、給湯器45が、サブ分電盤28から供給された電力を用いて冷媒を循環させ、冷媒の熱的サイクル及び熱交換を利用して上水又は中水を加熱するヒートポンプである。給湯器45が火力式給湯器である場合、可燃性ガスがガス容器又はガス管から給湯器45に供給されるか、灯油又は重油等の可燃性オイルがオイルタンクから給湯器45に供給され、給湯器45が可燃性ガス又は可燃性オイルの燃焼熱により上水又は中水を加熱する。給湯器45が電熱式給湯器である場合、給湯器45がサブ分電盤28から供給された電力を用いて上水又は中水を加熱する。給湯器45は、加熱された上水又は中水を貯める貯湯器を有してもよい。
【0058】
<4. 定置型バッテリー及び電動車>
定置型バッテリー50は、例えばリチウムイオン電池、全個体電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池又はナトリウム硫黄電池などのような二次電池を有する。定置型バッテリー50は充放電可能である。
【0059】
電動車60は、車体、電動機及びバッテリーなどを有するEV(Electric Vehicle)である。電動車60は、更にエンジンを有するプラグインハイブリッド車であってもよい。電動車60のバッテリーは、例えばリチウムイオン電池、全個体電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池又はナトリウム硫黄電池などのような二次電池を有する。電動車60のバッテリーは充放電可能である。なお、居住設備1が電動車60と定置型バッテリー50のどちらか一方を有し、他方を有さなくてもよい。
【0060】
<5. 電力連携装置>
電力連携装置100は、メイン分電盤16、サブ分電盤28、自然エネルギー発電装置13,23、定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーを電力的に連携させて、メイン分電盤16及びサブ分電盤28への電力供給、定置型バッテリー50の充放電及び電動車60のバッテリーの充放電を制御する。電力連携装置100は、接続箱、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90を有する。なお、居住設備1が電動車60を有さない場合、電力連携装置100が車両用電力コンバーター90を有さない。居住設備1が定置型バッテリー50を有さない場合、電力連携装置100がバッテリー用電力コンバーター80を有さない。
【0061】
電力コントローラー70は、電線101を介して第1トレーラーハウス10の自然エネルギー発電装置13に接続されている。電力コントローラー70は、自然エネルギー発電装置13によって出力された直流電力の供給を受ける。電力コントローラー70は、電線101及び電線104を介して第2トレーラーハウス20の自然エネルギー発電装置23に接続されている。電力コントローラー70は、自然エネルギー発電装置13によって出力された直流電力の供給を受ける。電力コントローラー70は、バッテリー用電力コンバーター80に接続されている。電力コントローラー70とバッテリー用電力コンバーター80は互いに直流電力を授受する。電力コントローラー70は、車両用電力コンバーター90に接続されている。電力コントローラー70と車両用電力コンバーター90は互いに直流電力を授受する。
【0062】
電力コントローラー70は、DC/DCコンバーター、DC/ACコンバーター及び制御回路などを有するパワーコンディショナーである。電力コントローラー70は、自然エネルギー発電装置13,23から入力した直流電力の電圧をDC/DCコンバーターにより調整する。電力コントローラー70は、DC/DCコンバーターにより調整された直流電力をバッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90に供給する。電力コントローラー70は、DC/DCコンバーターにより調整された直流電力と、バッテリー用電力コンバーター80から供給された直流電力と、車両用電力コンバーター90から供給された直流電力と、をDC/ACコンバーターにより交流電力に変換して、電線102、AC入力ソケット14及び電力切換器15を通じて交流電力をメイン分電盤16に供給する。
【0063】
バッテリー用電力コンバーター80は、定置型バッテリー50に接続されている。バッテリー用電力コンバーター80は、双方向DC/DCコンバーター及び制御回路などを有するパワーコンディショナーである。バッテリー用電力コンバーター80は、定置型バッテリー50を充放電する。定置型バッテリー50の充電の際には、バッテリー用電力コンバーター80が電力コントローラー70から供給された直流電力の電圧を双方向DC/DCコンバーターにより調整し、調整された直流電力を定置型バッテリー50に供給する。定置型バッテリー50の放電の際には、バッテリー用電力コンバーター80が定置型バッテリー50から放電された直流電力の電圧を双方向DC/DCコンバーターにより調整し、調整された直流電力を電力コントローラー70に供給する。
【0064】
車両用電力コンバーター90は、双方向DC/DCコンバーター、プラグ付き充放電ケーブル及び制御回路などを有するパワーコンディショナーである。プラグ付き充放電ケーブルが電動車60のプラグに接続されることによって、車両用電力コンバーター90が電動車60のバッテリーに接続されて、車両用電力コンバーター90が電動車60のバッテリーを充放電する。電動車60のバッテリーの充電の際には、車両用電力コンバーター90が電力コントローラー70から供給された直流電力の電圧を双方向DC/DCコンバーターにより調整し、調整された直流電力を電動車60のバッテリーに供給する。電動車60のバッテリーの放電の際には、車両用電力コンバーター90が電動車60のバッテリーから放電された直流電力の電圧を双方向DC/DCコンバーターにより調整し、調整された直流電力を電力コントローラー70に供給する。
【0065】
電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90は連携されている。電力連携装置100は、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90の連携により、以下の(1)~(4)のように、メイン分電盤16及びサブ分電盤28への電力供給、定置型バッテリー50の充放電及び電動車60のバッテリーの充放電を制御する。
【0066】
(1) 第1トレーラーハウス10のAC出力ソケット17が第2トレーラーハウス20のAC入力ソケット24に接続されている場合、トレーラーハウス10,20における負荷の総消費電力が自然エネルギー発電装置13,23の総発電電力を超えるときには、電力連携装置100が定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーの放電させることによって不足電力をメイン分電盤16及びサブ分電盤28に供給する。
【0067】
(2) 第1トレーラーハウス10のAC出力ソケット17が第2トレーラーハウス20のAC入力ソケット24に接続されている場合、トレーラーハウス10,20における負荷の総消費電力が自然エネルギー発電装置13,23の総発電電力以下であるときには、電力連携装置100が自然エネルギー発電装置13,23の余剰電力を定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーに供給することによってこれらを充電する。
【0068】
(3) 第1トレーラーハウス10のAC出力ソケット17が第2トレーラーハウス20のAC入力ソケット24から切り離されている場合、第1トレーラーハウス10における負荷の総消費電力が自然エネルギー発電装置13の発電電力を超えているときには、電力連携装置100が定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーの放電させることによって不足電力をメイン分電盤16に供給する。
【0069】
(4) 第1トレーラーハウス10のAC出力ソケット17が第2トレーラーハウス20のAC入力ソケット24から切り離されている場合、第1トレーラーハウス10における負荷の総消費電力が自然エネルギー発電装置13の発電電力以下である場合には、電力連携装置100が自然エネルギー発電装置13の余剰電力を定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーに供給することによってこれらを充電する。
【0070】
なお、電動車60が車両用電力コンバーター90から切り離されている場合には、上記(1)~(4)において電力連携装置100が電動車60のバッテリーを充放電しないのは勿論である。上記(2)又は(4)において電力連携装置100が電動車60のバッテリーと定置型バッテリー50のどちらか一方を他方に対して優先的に充電してもよい。上記(1)又は(3)において電力連携装置100が電動車60のバッテリーと定置型バッテリー50のどちらか一方を他方に対して優先的に放電してもよい。上記(1)又は(3)において電動車60のバッテリーの充電率が所定閾値(例えば、80%)であれば、電力連携装置100が電動車60のバッテリーの放電を無効にしてもよい。
【0071】
なお、商用電源が接続箱を介して電力切換器15に接続されてもよい。商用電源が電力切換器15に接続された場合、電力切換器15は電力の供給元を商用電源のみに設定するするか、それとも商用電源及び電力コントローラー70の両方に設定するかの切換が可能である。
トレーラーハウス10,20への電力の供給元が商用電源のみに設定された場合、商用電源からメイン分電盤16に供給された交流電力がメイン分電盤16によって第1トレーラーハウス10内の負荷に分配され、商用電源からサブ分電盤28に供給された交流電力がサブ分電盤28によって第2トレーラーハウス20内の負荷に分配され、自然エネルギー発電装置13,23によって生成された電力は電力連携装置100によって電動車60のバッテリー及び定置型バッテリー50に充電される。自然エネルギー発電装置13,23によって生成された電力のうち余剰電力は電力連携装置100によって商用電源に逆潮流されてもよい。
トレーラーハウス10,20への電力の供給元が商用電源及び電力コントローラー70の両方に設定された場合、電力連携装置100は、電力コントローラー70、バッテリー用電力コンバーター80及び車両用電力コンバーター90の連携により、メイン分電盤16及びサブ分電盤28への電力供給、定置型バッテリー50の充放電及び電動車60のバッテリーの充放電の制御に加えて、トレーラーハウス10,20における負荷の総消費電力、自然エネルギー発電装置13,23の生成電力、定置型バッテリー50の充電率又は電動車60のバッテリーの充電率に基づいて、商用電源に対する順潮流及び逆潮流を制御する。
【0072】
<6. まとめ>
(1)
図1に示すように、居住設備1が2台のトレーラーハウス10,20を備えるため、居住スペースが広く、快適な生活を居住スペースで送れる。
【0073】
(2)
図1に示すように、トレーラーハウス10,20が自然エネルギー発電装置13,23をそれぞれ備え、トレーラーハウス10,20が分電盤16,28をそれぞれ備え、電力連携装置100が自然エネルギー発電装置13,23と分電盤16,28を電力的に連携させるため、トレーラーハウス10,20で居住に必要な電力が分電盤16,28を通じて自然エネルギー発電装置13,23によって賄われる。
【0074】
(3)
図1に示すように、電力連携装置100が自然エネルギー発電装置13,23及び分電盤16,28に加えて定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーも連携させるため、自然エネルギー発電装置13,23によって生成された電力のうち余剰電力が定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーに充電される。トレーラーハウス10,20で居住に必要な電力が自然エネルギー発電装置13,23よって生成された電力でも不足している場合、定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーが不足分を補う。これらのことは、余剰電力の有効利用に寄与する。
【0075】
(4)
図2に示すように、第2トレーラーハウス20が第1トレーラーハウス10から切り離された場合、電力連携装置100が第1自然エネルギー発電装置13と定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーとメイン分電盤16とを電力的に連携させるため、第1トレーラーハウス10では、第1自然エネルギー発電装置13によって生成された電力を使用することができる。
【0076】
(5)
図2に示すように、第2トレーラーハウス20が第1トレーラーハウス10から独立した場合でも、定置型バッテリー50及び電動車60のバッテリーの充放電により余剰電力が第1トレーラーハウス10で有効利用される。よって、敷地2以外でも、電気のある生活を第2トレーラーハウス20で送れる。
【0077】
(5) 定置型バッテリー50が敷地2に設置されているため、トレーラーハウス10,20がバッテリーを有さなくても済む。よって、トレーラーハウス10,20の内側の居住スペースを広く取れ、トレーラーハウス10,20で快適な生活を送れる。同様に、敷地2に駐車された電動車60のバッテリーを用いて余剰電力の充放電を行うため、トレーラーハウス10,20の内側の居住スペースを広く取れる。同様に、電力連携装置100、水再生装置40及び給湯器45が敷地2に設置されているため、トレーラーハウス10,20の内側の居住スペースを広く取れる。
【0078】
(6) 敷地2に駐車されたトレーラーハウス10,20は牽引により敷地2から移動され得る。第1トレーラーハウス10が敷地2に戻れば、電気のある生活を第1トレーラーハウス10で送れる。第1トレーラーハウス10と第2トレーラーハウス20の両方が敷地2に戻っても、電気のある生活をトレーラーハウス10,20で送れる。
【0079】
(7)
図1に示すように、敷地2に設置された水再生装置40が、第2トレーラーハウス20の水回り設備30から排出された排水を上水又は中水に再生して、上水又は中水を水回り設備30に供給する。よって、水のある生活をトレーラーハウス10,20で送れる。
【0080】
(8)
図1に示すように、水再生装置40が上水又は中水を給湯器45に供給し、給湯器45が上水又は中水を加熱して水回り設備30に供給する。よって、温かいお湯のある生活をトレーラーハウス10,20で送れる。
【0081】
(9) 家屋12,22の材料に木材が利用されている。木材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーは、金属材料又はコンクリート材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーよりも少ない。そのため、トレーラーハウス10,20は、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現と、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成とに貢献する。
【符号の説明】
【0082】
1 居住設備
2 敷地
10 第1トレーラーハウス
13 第1自然エネルギー発電装置
16 メイン分電盤(第1分電盤)
20 第2トレーラーハウス
23 第2自然エネルギー発電装置
26 電力変換器
28 サブ分電盤(第2分電盤)
30 水回り設備
40 水再生装置
45 給湯器
50 定置型バッテリー
60 電動車
100 電力連携装置
【要約】
【課題】本発明の目的は、居住スペースを広く取れるとともに、居住スペースで居住に必要な電力を賄える居住設備を提供することである。
【解決手段】居住設備(1)は、トレーラーハウス(10,20)及び電力連携装置(100)を備える。トレーラーハウス(10)は、自然エネルギー発電装置(13)及び分電盤(16)を有する。トレーラーハウス(20)は、自然エネルギー発電装置(23)、電力変換器(26)及び分電盤(28)を有する。自然エネルギー発電装置(13,23)が接続され、分電盤(16)が分電盤(28)に接続され、自然エネルギー発電装置(13,23)が直流電力を電力連携装置(100)に供給し、自然エネルギー発電装置(13,23)と分電盤(16,28)が電力的に連携される。自然エネルギー発電装置(23)が自然エネルギー発電装置(13)から電力変換器(26)に付け替えられる。
【選択図】
図1