(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20241203BHJP
G06F 40/56 20200101ALI20241203BHJP
G06F 40/44 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
G06F40/56
G06F40/44
(21)【出願番号】P 2024050963
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2023158872
(32)【優先日】2023-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田弘明
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0119728(KR,A)
【文献】特開2022-174244(JP,A)
【文献】特表2022-537879(JP,A)
【文献】特開2023-030308(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113032524(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0111021(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/56
G06F 40/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感情エンジンを用いて、ユーザの感情状態を特定する手段と、
特定のパラメータに基づ
き名称を生成する手段と、
生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登
記の申請情報を整理する手段を含
み、
前記生成する手段は、ユーザの感情状態と、前記ユーザから提供された前記特定のパラメータとしての業界、ターゲット層、及びサービス内容を組み合わせたプロンプト文に基づいて、生成AIモデルを用いて、名称を生成するシステム。
【請求項2】
特定のパラメータに基づ
き名称を生成する手段と、
生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登
記の申請情報を整理する手段を含
み、
前記生成する手段は、ユーザから提供された前記特定のパラメータとしてのゲームアプリに関するジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態を組み合わせたプロンプト文に基づいて、生成AIモデルを用いて、ゲームアプリの名称を生成するシステム。
【請求項3】
ユーザから入力された、ゲームに関する情報と、ゲーム開発者又はユーザの感情データとに基づいて、ゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴、及び感情を認識する手段と、
特定のパラメータに基づ
き名称を生成する手段と、
生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登
記の申請情報を整理する手段を含
み、
前記生成する手段は、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情を組み合わせたプロンプト文に基づいて、生成AIモデルを用いて、ゲームの名称を生成するシステム。
【請求項4】
前記名称の生成を行う手段が、特定の業界、ターゲット層、及びサービス内容に応じた名称を生成することを指示するプロンプト文を生成系AIモデルに入力することにより、複数の名称を生成し、
前記各国での登記可能性を確認する手段が、商標登記データベースにアクセスして、商標登録の有無を問い合わせて得られた情報に基づいて、生成された複数の名称の各国での登記可能性を確認し、
前記商標侵害の確認を行う手段が、商標に関する法律情報を検索して得られた情報に基づいて、生成された複数の名称が各国で商標侵害にならないかを確認し、
前記リスト化する手段が、生成された複数の名称ごとに登記可能性の高さ及び商標侵害のリスクの有無をリスト化し、
前記整理する手段が、名称の商標登記の申請に関連する申請情報を整理する
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記名称の生成を行う手段が、特定の業界、ターゲット層、及びサービス内容に応じた名称を生成することを指示するプロンプト文を生成系AIモデルに入力することにより、複数の名称を生成し、
前記各国での登記可能性を確認する手段が、商標データベースにアクセスして、生成された複数の名称の各国での登記可能性を確認し、
前記商標侵害の確認を行う手段が、商標データベースにアクセスして、生成された複数の名称が各国で商標侵害にならないかを確認し、
前記リスト化する手段が、生成された複数の名称ごとに登記可能性の高さ及び商標侵害のリスクの有無をリスト化する
前記整理する手段が、ユーザにより選定された名称の登記申請に関連する申請情報を整理する
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記名称の生成を行う手段が、コンテンツの属性に応じた名称を生成することを指示するプロンプト文を生成系AIモデルに入力することにより、複数の名称を生成する
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記名称の生成を行う手段が、コンテンツの属性に応じた名称を生成することを指示するプロンプト文を生成系AIモデルに入力することにより、複数の名称を生成する
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記コンテンツの属性は、コンテンツのジャンル、ターゲット層、又は特徴を含む請求項
7記載のシステム。
【請求項9】
前記整理する手段が、ユーザにより選択された名称に基づいて、商標登記の申請に関連する申請情報を整理し、登記の手続きを行う
請求項1記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも一つのプロセッサにより遂行される、ペルソナチャットボット制御方法であって、ユーザ発話を受信するステップと、前記ユーザ発話を、チャットボットのキャラクターに関する説明と関連した指示文を含むプロンプトに追加するステップと前記プロンプトをエンコードするステップと、前記エンコードしたプロンプトを言語モデルに入力して、前記ユーザ発話に応答するチャットボット発話を生成するステップ、を含む、方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新しいサービスや新規事業の開発において、社名やサービス名を考える際には、名前のふさわしさ(意味合い・イメージなど)だけでなく、各国での登記可能性や商標侵害にならないかという権利・手続面の確認が必要である。しかし、これらの確認作業は手間がかかり、効率的に行うことが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、名前の生成を行う手段と、生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段を含むシステムを提供する。これにより、名前の検討・実施にあたり、権利・手続面の確認を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係るデータ処理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図2】第1実施形態に係るデータ処理装置及びスマートデバイスの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図3】第2実施形態に係るデータ処理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図4】第2実施形態に係るデータ処理装置及びスマート眼鏡の要部機能の一例を示す概念図である。
【
図5】第3実施形態に係るデータ処理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図6】第3実施形態に係るデータ処理装置及びヘッドセット型端末の要部機能の一例を示す概念図である。
【
図7】第4実施形態に係るデータ処理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図8】第4実施形態に係るデータ処理装置及びロボットの要部機能の一例を示す概念図である。
【
図9】複数の感情がマッピングされる感情マップを示す。
【
図10】複数の感情がマッピングされる感情マップを示す。
【
図11】形態例1の実施例1におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図12】形態例1の応用例1におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図13】形態例2の実施例2におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図14】形態例2の応用例2におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図15】感情エンジンを組み合わせた場合の形態例1の実施例1におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図16】感情エンジンを組み合わせた場合の形態例1の応用例1におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図17】感情エンジンを組み合わせた場合の形態例2の実施例2におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図18】感情エンジンを組み合わせた場合の形態例2の応用例2におけるデータ処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面に従って本開示の技術に係るシステムの実施形態の一例について説明する。
【0008】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0009】
以下の実施形態において、符号付きのプロセッサ(以下、単に「プロセッサ」と称する)は、1つの演算装置であってもよいし、複数の演算装置の組み合わせであってもよい。また、プロセッサは、1種類の演算装置であってもよいし、複数種類の演算装置の組み合わせであってもよい。演算装置の一例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)、APU(Accelerated Processing Unit)、又はTPU(Tensor Processing Unit)等が挙げられる。
【0010】
以下の実施形態において、符号付きのRAM(Random Access Memory)は、一時的に情報が格納されるメモリであり、プロセッサによってワークメモリとして用いられる。
【0011】
以下の実施形態において、符号付きのストレージは、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する1つ又は複数の不揮発性の記憶装置である。不揮発性の記憶装置の一例としては、フラッシュメモリ(SSD(Solid State Drive))、磁気ディスク(例えば、ハードディスク)、又は磁気テープ等が挙げられる。
【0012】
以下の実施形態において、符号付きの通信I/F(Interface)は、通信プロセッサ及びアンテナ等を含むインタフェースである。通信I/Fは、複数のコンピュータ間での通信を司る。通信I/Fに対して適用される通信規格の一例としては、5G(5th Generation Mobile Communication System)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等を含む無線通信規格が挙げられる。
【0013】
以下の実施形態において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0014】
[第1実施形態]
【0015】
図1には、第1実施形態に係るデータ処理システム10の構成の一例が示されている。
【0016】
図1に示すように、データ処理システム10は、データ処理装置12及びスマートデバイス14を備えている。データ処理装置12の一例としては、サーバが挙げられる。
【0017】
データ処理装置12は、コンピュータ22、データベース24、及び通信I/F26を備えている。コンピュータ22は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。コンピュータ22は、プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32を備えている。プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32は、バス34に接続されている。また、データベース24及び通信I/F26も、バス34に接続されている。通信I/F26は、ネットワーク54に接続されている。ネットワーク54の一例としては、WAN(Wide Area Network)及び/又はLAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0018】
スマートデバイス14は、コンピュータ36、受付装置38、出力装置40、カメラ42、及び通信I/F44を備えている。コンピュータ36は、プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50を備えている。プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50は、バス52に接続されている。また、受付装置38、出力装置40、及びカメラ42も、バス52に接続されている。
【0019】
受付装置38は、タッチパネル38A及びマイクロフォン38B等を備えており、ユーザ入力を受け付ける。タッチパネル38Aは、指示体(例えば、ペン又は指等)の接触を検出することにより、指示体の接触によるユーザ入力を受け付ける。マイクロフォン38Bは、ユーザの音声を検出することにより、音声によるユーザ入力を受け付ける。制御部46Aは、タッチパネル38A及びマイクロフォン38Bによって受け付けたユーザ入力を示すデータをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12では、特定処理部290が、ユーザ入力を示すデータを取得する。
【0020】
出力装置40は、ディスプレイ40A及びスピーカ40B等を備えており、データをユーザ20が知覚可能な表現形(例えば、音声及び/又はテキスト)で出力することでデータをユーザ20に対して提示する。ディスプレイ40Aは、プロセッサ46からの指示に従ってテキスト及び画像等の可視情報を表示する。スピーカ40Bは、プロセッサ46からの指示に従って音声を出力する。カメラ42は、レンズ、絞り、及びシャッタ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子とが搭載された小型デジタルカメラである。
【0021】
通信I/F44は、ネットワーク54に接続されている。通信I/F44及び26は、ネットワーク54を介してプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受を司る。
【0022】
図2には、データ処理装置12及びスマートデバイス14の要部機能の一例が示されている。
【0023】
図2に示すように、データ処理装置12では、プロセッサ28によって特定処理が行われる。ストレージ32には、特定処理プログラム56が格納されている。特定処理プログラム56は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。プロセッサ28は、ストレージ32から特定処理プログラム56を読み出し、読み出した特定処理プログラム56をRAM30上で実行する。特定処理は、プロセッサ28がRAM30上で実行する特定処理プログラム56に従って特定処理部290として動作することによって実現される。
【0024】
ストレージ32には、データ生成モデル58及び感情特定モデル59が格納されている。データ生成モデル58及び感情特定モデル59は、特定処理部290によって用いられる。
【0025】
スマートデバイス14では、プロセッサ46によって受付出力処理が行われる。ストレージ50には、受付出力プログラム60が格納されている。受付出力プログラム60は、データ処理システム10によって特定処理プログラム56と併用される。プロセッサ46は、ストレージ50から受付出力プログラム60を読み出し、読み出した受付出力プログラム60をRAM48上で実行する。受付出力処理は、プロセッサ46がRAM48上で実行する受付出力プログラム60に従って、制御部46Aとして動作することによって実現される。
【0026】
次に、データ処理装置12の特定処理部290による特定処理について説明する。
【0027】
「形態例1」
【0028】
本発明のシステムは、名前の生成を行う手段として生成系AIを用いる。生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段と、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これらの手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0029】
「形態例2」
【0030】
具体的な例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を考える。生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性と商標侵害の確認を行う手段により評価され、確認結果はリスト化される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0031】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0032】
「形態例1」
【0033】
ステップ1:生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。
【0034】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0035】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0036】
「形態例2」
【0037】
ステップ1:新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合、生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。
【0038】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0039】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0040】
(実施例1)
【0041】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0042】
現代の商業環境では、製品やサービスの名称がブランド価値に直接影響を及ぼすため、適切な名称の選定は極めて重要である。しかしながら、国際的な市場を視野に入れた場合、異なる国での商標登記の可能性や商標侵害のリスクを効率的に評価することは困難である。従来の方法では、このような評価を行うためには膨大な時間と資源が必要とされ、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となっている。この問題を解決し、名称の生成から法的リスクの評価までを迅速かつ効率的に行う方法が求められている。
【0043】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0044】
この発明では、サーバは、特定の業界、ターゲット層、サービス内容を考慮したプロンプト文を生成系AIに入力して適切な名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを商標登記データベースと商標法規制情報を検索するAPIの連携により評価する手段と、上記評価結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する手段と、を含む。これにより、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮した名称を選定することが可能となる。
【0045】
「特定のパラメータ」は、名称生成の際に考慮される業界、ターゲット層、サービス内容といった条件である。
【0046】
「名称」は、製品、サービス、企業などを識別するために用いられる言葉や組み合わせである。
【0047】
「各国での登記可能性」は、ある名称が特定の国において商標として登録可能かどうかの状態である。
【0048】
「商標侵害」は、他者の商標権を不当に侵害する行為、特に無断で使用することによって生じる法的問題である。
【0049】
「リスト化する手段」は、情報を一覧表形式で整理し、可視化する方法である。
【0050】
「登記等の申請情報を整理する手段」は、名称の商標登記やその他の申請に関連する情報を体系的に整理し、管理する方法である。
【0051】
「生成系AI」は、入力されたデータや条件に基づき、新しい内容やアイデアを自動的に生み出す人工知能モデルである。
【0052】
「プロンプト文」は、生成系AIモデルに特定のタスクを指示するために用いられる指示文や質問文である。
【0053】
「商標登記データベースを参照するAPI」は、商標登録の有無や詳細情報を問い合わせるために外部システムにアクセスするインターフェースである。
【0054】
「商標法規制情報を検索するAPI」は、特定の国や地域の商標に関する法律や規制情報を検索するためのプログラミングインターフェースである。
【0055】
この発明を実施するための形態では、主にサーバ、端末、ユーザの三者が協働して作業を進める。サーバには、生成系AIモデル(例:TensorFlowやPyTorchを使用した機械学習モデル)が搭載されており、端末を介してユーザから提供される特定のパラメータ(例:業界、ターゲット層、サービス内容)に基づいてプロンプト文を生成し、適切な名称を提案する機能が備わっている。
【0056】
端末は、ユーザの入力を受け取るインターフェースとして機能し、入力されたパラメータをサーバに送信する。例えば、ユーザが「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」というプロンプト文を入力すると、この情報は端末からサーバへと送られる。
【0057】
サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成系AIモデルを用いて複数の名称案を生成する。生成された名称案は、さらに商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するために、商標登記データベースを参照するAPIと商標法規制情報を検索するAPIに問い合わせを行う。これらのAPIは、例えば、国際商標情報データベースや特定国の商標法規制情報にアクセスするために使用される。
【0058】
得られた情報はサーバによって整理され、端末を通じてユーザに表示される。この表示では、各名称案に対して、その登記可能性の高さや商標侵害のリスクが明示される。ユーザはこの情報を基に、最適な名称を選択することができる。
【0059】
この形態により、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮しながら、新しい製品やサービスの名称を決定することが可能となる。特に、国際的な市場を視野に入れた場合、このシステムは多大な利便性を提供し、名称選定プロセスの時間とコストを大幅に削減する。
【0060】
【0061】
ステップ1:ユーザからの入力受付
【0062】
ユーザは端末を介して、特定の業界、ターゲット層、サービス内容といったパラメータを入力する。この入力情報は、名称生成のためのプロンプト文の作成に使用される。端末は、ユーザからの入力を受け取り、これをサーバに送信する。この時、入力されたパラメータは、適切な名称を生成するための条件として機能する。
【0063】
ステップ2:プロンプト文の生成と名称の生成
【0064】
サーバはユーザから受け取ったパラメータを基にプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルに入力され、特定の条件にマッチする名称を生成するために用いられる。生成系AIモデルは、このプロンプト文をデータ加工・演算の基にして、一連の名称案を出力する。例えば、プロンプト文が「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」とする場合、AIモデルはこの条件に適した複数の名称を生成する。
【0065】
ステップ3:商標登記可能性と商標侵害の確認
【0066】
生成された名称に対して、サーバは商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するため、関連APIに問い合わせを行う。このプロセスでは、商標登記データベースを参照するAPIと、商標法規制情報を検索するAPIが使用される。各名称について、これらのAPIから得られた情報は、名称の登記可能性と商標侵害リスクを評価するためにデータ加工・演算され、結果がサーバに返される。
【0067】
ステップ4:結果のリスト化と提示
【0068】
サーバは、ステップ3で得られた情報を基に、各名称の登記可能性と商標侵害リスクをリスト化し整理する。この整理された情報は、端末を通じてユーザに提示される。提示される情報には、生成された名称ごとに登記可能性の高さや商標侵害リスクの有無が明示される。ユーザは、この情報を参考にして最終的な名称を選択する。このステップにより、ユーザは法的リスクを考慮しつつ、適切な名称を迅速に選定することが可能となる。
【0069】
(応用例1)
【0070】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0071】
仮想空間内で使用する商業施設や商品の名前を決定する際、創造性に富んだ名前を生成すると同時に、その名前が各国での商標登録が可能であり、商標侵害のリスクがないかを効率的に確認することは困難である。この課題を解決するために、名前生成の自動化と、生成された名前の法的な問題点を迅速に評価するシステムが必要である。
【0072】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0073】
この発明では、サーバは、業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて名前を生成する手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する手段と、評価結果をリスト化してユーザーに提供する手段と、を含む。これにより、ユーザーは効率的に創造性に富んだ名前を生成し、その法的な問題点を迅速に把握し、適切な名前の選定と登記申請が可能となる。
【0074】
「名前の生成を行う手段」とは、入力されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容等)に基づき、人工知能技術を用いて適切な名前を自動的に創出する機能である。
【0075】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、特定の名前が各国の法律や商標登録の規制に則って登記可能かどうかを判定するプロセスを実行する機能である。
【0076】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、創出された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかを、国別の商標データベースを参照して分析し判断する機能である。
【0077】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の登記可能性および商標侵害のリスクに関する確認結果を、一覧形式で整理し表示する機能である。
【0078】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザーが提出する必要がある登記申請に関する書類や情報を管理し、整理するプロセスを支援する機能である。
【0079】
「仮想空間内の商業施設や商品に適用される名前の提案を行う手段」とは、バーチャル環境内で使用される店舗や商品のための名前を生成し、提案する機能である。
【0080】
「業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて生成系AIを用いて行う」とは、指定された業種、目標とする顧客層、提供するサービスの特性などの情報を基に、人工知能が適切な命名案を自動生成するプロセスである。
【0081】
「関連APIの連携により行う」とは、外部のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を活用して、商標登録の可能性や商標侵害のリスクを評価する作業がオンライン上で自動的に実行されることである。
【0082】
この発明を実施するための形態は、名前生成と法的評価を組み合わせたシステムである。このシステムは、サーバベースのソフトウェアアプリケーションで構成され、ユーザーが端末を介してアクセスする。サーバには、生成系AIモデルと、外部APIへのアクセス機能が備わっている。具体的には、Python言語で記述されたプログラムが、生成系AIモデル(例えばGPT-3やその後継モデル)を利用して、ユーザーから提供されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて名前を生成する。生成された名前は、外部APIを通じて、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価するために使用される。
【0083】
ユーザーは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイなどの端末を通じて、サービスにアクセスし、必要なパラメータを入力する。サーバはこの入力を受け取り、名前の生成と評価を行い、結果をユーザーにフィードバックする。このプロセスを通じて、ユーザーはバーチャル空間内で使用する商業施設や商品の名前を効率的かつ安全に決定することができる。
【0084】
具体例としては、「カフェ」「若者」「環境に優しい」というパラメータを入力する場合、生成系AIモデルはこれらのパラメータに基づき「GreenSip Cafe」や「EcoBrew Corner」などの名前を提案する。その後、サーバは外部APIを用いてこれらの名前について、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価し、ユーザーに結果を提供する。このプロセスにより、ユーザーは名前選定の際のリスクを事前に理解し、適切な決定を下すことができる。
【0085】
【0086】
ステップ1:ユーザが端末を通じて業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータを入力する。この入力は、名前生成のための基礎データとしてサーバに送信される。端末から送信されたデータは、サーバによって受け取られ、次の処理のために一時的に保存される。
【0087】
ステップ2:サーバは、ステップ1で受け取ったパラメータを基に、生成系AIモデルを用いて名前を生成する。このプロセスでは、入力されたパラメータがAIモデルによって解析され、関連性の高い名前が創出される。生成された名前は、次のステップのためにサーバによって一時保存される。
【0088】
ステップ3:サーバは、生成された名前に対して、関連APIを通じて各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この評価プロセスでは、サーバが外部の商標データベースにアクセスし、生成された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを調査する。評価結果は、サーバによって収集され、整理される。
【0089】
ステップ4:サーバは、ステップ3で得られた評価結果をリスト化し、ユーザーに対して表示する。このステップでは、登記可能性および商標侵害のリスクに関する情報が、ユーザーにわかりやすい形で提供される。ユーザーは、この情報を基に、使用する名前を最終的に選定することができる。
【0090】
ステップ5:ユーザーが最終的に選定した名前に基づき、サーバは登記等の申請情報を整理し、ユーザーに提供する。このプロセスでは、選定された名前を使用しての登記申請に必要な書類や情報が整理され、ユーザーがスムーズに申請作業を行えるよう支援される。
【0091】
これらのステップを経て、ユーザーはバーチャル空間内で使用する店舗や商品の名前を効率的かつ安全に選定し、必要な登記手続きを進めることが可能となる。各処理ステップでは、サーバと端末間のデータ交換、生成系AIモデルによるデータ加工、外部APIとの連携による情報収集と評価、そしてユーザーへの情報提供が行われる。
【0092】
(実施例2)
【0093】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0094】
新規コンテンツの名称を考案する際に、創造性に富んだ提案を行いつつ、国際的な商標登記の可能性と商標侵害のリスクを同時に評価することは、多大な時間と労力を要する課題である。特に、複数の市場での利用を考慮した場合、法的な制約を満たしつつ、魅力的な名称を速やかに特定することは困難である。
【0095】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0096】
この発明では、サーバは、コンテンツの属性に基づいて名称の生成を行う手段と、生成された名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段と、確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する手段と、ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する手段を含む。これにより、創造性に富んだ名称の迅速な提案と、その法的な適用性の同時評価が可能となる。
【0097】
「コンテンツの属性」とは、コンテンツが持つジャンル、ターゲット層、特徴など、そのコンテンツを定義するための基本的な要素である。
【0098】
「名称の生成」とは、入力されたコンテンツの属性に基づいて、新たなコンテンツに適した名前を創出するプロセスである。
【0099】
「国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認」とは、特定の名称が世界各国の商標登記において利用可能かどうか、および他の商標との類似性による侵害リスクが存在するかを調査する行為である。
【0100】
「確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する」とは、調査した登記可能性や商標侵害の有無の情報を分類し、この情報をユーザが視覚的に理解しやすい形で表示することである。
【0101】
「ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する」とは、ユーザによって選択された名称を用いて、必要な登記や申請に関連する情報を集約し、これらのプロセスを効率化・自動化することである。
【0102】
「生成系AIモデル」とは、人工知能技術を用いて、特定の入力情報から新しいデータやテキストを自動的に創出するシステムである。
【0103】
「API連携」とは、異なるソフトウェアやサービス間で機能を共有し、相互にデータを交換するためのプログラミングインターフェイスを通じた連携である。
【0104】
「外部データベースにアクセスするためのAPI」とは、インターネット上に存在する他の組織が管理するデータベースへプログラムから直接問い合わせを行うことを可能にするインターフェイスである。
【0105】
この発明の実施形態において、システムは、名称を生成し、その国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認し、最終的にユーザに情報を提示するプロセスを含む。このプロセスは、主にサーバ上で実行されるソフトウェアと、ユーザの操作を受け付ける端末で構成される。
【0106】
サーバは、生成AIモデルを用いて、入力されたコンテンツの属性に基づく名称の生成を行う。この生成AIモデルとしては、例えばOpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)などのテキスト生成モデルが用いられる。生成された名称に関しては、外部データベースへのAPI連携を通じて、国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認が行われる。このAPI連携により、サーバは世界各国の商標データベースにアクセスし、提案された名称が既存の商標と競合しないかどうかを確認する。
【0107】
端末は、ユーザからの入力を受け付け、サーバへ送信する役割を担う。ユーザは端末を通じて、コンテンツのジャンル、ターゲット層、コンテンツの特徴などの属性を指定する。例えば、ユーザが「ジャンル: RPG、ターゲット層: 大人、特徴: ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイ」という属性を入力した場合、これらの情報はプロンプト文として整形され、サーバ上の生成AIモデルに送信される。
【0108】
サーバからの応答として、生成された名称とその法的評価結果は端末を通じてユーザに提示される。ユーザはこれらの情報を基に、最適な名称を選択し、その名称での登記や商標申請などの次の手続きに進むことができる。このプロセスを通じて、ユーザは効率的に、かつ法的なリスクを把握した上で、新規コンテンツの名称を決定することが可能となる。
【0109】
【0110】
ステップ1:ユーザは端末を使用して、コンテンツの属性(ジャンル、ターゲット層、特徴など)を入力する。この入力は、生成AIモデルが処理するための基礎データとなる。端末は、この入力データを受け取り、それを基にプロンプト文を作成する。
【0111】
ステップ2:端末は作成したプロンプト文をサーバに送信する。サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成AIモデルを使用して名称を生成する。入力されたプロンプト文から、サーバはコンテンツに適した名称を出力する。
【0112】
ステップ3:サーバは生成された名称を外部データベースに問い合わせることで、その名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この段階で、サーバは生成された名称を入力とし、外部データベースから得られる検索結果を出力とする。
【0113】
ステップ4:外部データベースからの検索結果を受け取ったサーバは、その情報をリスト化し、端末に送信する。このリストには、名称の登記可能性と商標侵害のリスクが含まれる。サーバは検索結果を処理し、整理された情報を端末に送信する。
【0114】
ステップ5:端末はサーバから受け取ったリストをユーザに提示する。ユーザは提示されたリストから、最も適切と思われる名称を選択する。端末は、ユーザの選択を受け取り、その情報をサーバに送信する。
【0115】
ステップ6:サーバはユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、ユーザに対して登記プロセスの自動化を行う。この段階では、サーバは選択された名称と必要な申請情報を処理し、ユーザに対して次のステップを案内する。
【0116】
これらのステップを通じて、システムはユーザが新規コンテンツの名称を効率的かつ効果的に決定し、その登記及び商標権の確認を自動化することを可能にする。
【0117】
(応用例2)
【0118】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0119】
オンライン市場での新規商品やブランドの立ち上げにおいて、適切な商品名及びブランド名を創出することは、その成功に直結する重要な要素である。しかし、創造的かつ魅力的な商品名やブランド名の考案は容易ではなく、さらにはその名前がオンラインで十分な検索可能性を持ち、SNSでの話題性を確保できるか、そして商標登録が可能であるかという点を総合的に評価する必要がある。これらの要件を満たす名前を効率的に生成し評価することは、特に中小規模の事業者にとって大きな課題である。
【0120】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0121】
この発明では、サーバは、商品名及びブランド名の生成を行う手段と、生成された商品名及びブランド名のオンラインでの検索可能性を確認する手段と、生成された商品名及びブランド名がSNSでの話題性を有するかを評価する手段と、生成された商品名及びブランド名の商標登録の可能性を確認する手段と、を含む。これにより、事業者は創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を効率的に生成し、その名前がオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を総合的に評価することが可能となる。このシステムによって、事業者は新規商品やブランドの市場導入時のリスクを低減し、成功の可能性を高めることができる。
【0122】
「商品名及びブランド名の生成を行う手段」とは、ユーザーが指定した商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴に基づいて、適切な商品名やブランド名を自動で考案する機能である。
【0123】
「オンラインでの検索可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名がインターネット上で容易に検索され得るかどうかを評価する機能である。
【0124】
「SNSでの話題性を有するかを評価する手段」とは、生成された商品名やブランド名がソーシャルネットワーキングサービス上でユーザーによって議論されやすいかどうかを判断する機能である。
【0125】
「商標登録の可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名が商標として登録可能かどうか、つまり他の商標との重複や類似がないかを調査する機能である。
【0126】
「関連APIの連携により行うこと」とは、外部のデータベースやサービスと連携し、自動的に情報収集や処理を行うために使用されるプログラミングインターフェースのことである。
【0127】
この発明を実施するための形態は、オンライン市場における商品名及びブランド名の生成と評価の自動化システムに関するものである。サーバは、生成系AIモデルを用いて商品名及びブランド名を生成するプログラムを実行する。このプログラムは、商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴といったユーザからの入力情報に基づいてプロンプト文を生成し、このプロンプト文を生成系AIモデルに送信する。生成系AIモデルは、送信されたプロンプト文をもとに、創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を提案する。
【0128】
生成された商品名及びブランド名に対して、サーバは更に、そのオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を評価するプログラムを実行する。この評価は、関連APIを通じて自動化されており、オンラインのデータベースや商標登録のデータベースにアクセスし、生成された名前のユニークネスや利用可能性を確認する。
【0129】
このシステムは、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語で開発され、TensorFlowやPyTorch、NLTKといった自然言語処理を行うためのライブラリを活用する。これらの技術を用いることで、サーバは複雑なテキスト分析とデータ処理を行い、ユーザにとって有益な情報を提供する。
【0130】
具体例として、「エコフレンドリーな素材を使用した若者向けファッションTシャツのブランド名」というプロンプト文が、商品のカテゴリー「ファッション」、ターゲット層「若者向け」、商品の特徴「エコフレンドリーな素材を使用」を反映したものとして生成される。生成系AIモデルは、このプロンプトに基づいて複数のブランド名を提案し、これらの名前についてオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性が自動で評価される。このプロセスを通じて、事業者は効率的に魅力的な商品名及びブランド名を選定し、市場導入の準備を進めることができる。
【0131】
【0132】
ステップ1:ユーザが商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴を入力する。この入力は、商品名及びブランド名の生成を行う基礎データとしてサーバに送信される。
【0133】
ステップ2:サーバは、入力された商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴からプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルによる商品名及びブランド名の生成のための指示となる。
【0134】
ステップ3:生成系AIモデルは、受け取ったプロンプト文に基づき、商品名及びブランド名を生成する。この過程で、AIモデルはテキスト生成技術を用いて、複数の候補を提案する。
【0135】
ステップ4:サーバは、生成された商品名及びブランド名に対して、オンラインでの検索可能性を確認する。この処理では、インターネット上の既存の検索エンジン結果を分析して、生成された名前のユニーク性を評価する。
【0136】
ステップ5:同時に、サーバは生成された商品名及びブランド名のSNSでの話題性を評価する。この評価は、ソーシャルメディアのトレンドやハッシュタグの分析に基づいて行われる。
【0137】
ステップ6:さらに、サーバは商標登録の可能性を確認する。これは、国内外の商標データベースを照会し、生成された名前が既存の商標と競合しないかを調べることで実現される。
【0138】
ステップ7:サーバは、オンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性の評価結果をユーザに対して報告する。この報告には、生成された商品名及びブランド名の推奨度や、潜在的な問題点が含まれる。
【0139】
このプロセスを通じて、ユーザは創造的かつ実用的な商品名及びブランド名を効率的に得ることができ、オンライン市場での成功の可能性を高めることができる。
【0140】
更に、ユーザの感情を推定する感情エンジンを組み合わせてもよい。すなわち、特定処理部290は、感情特定モデル59を用いてユーザの感情を推定し、ユーザの感情を用いた特定処理を行うようにしてもよい。
【0141】
「形態例1」
【0142】
本発明は、名前の生成、各国での登記可能性の確認、商標侵害の確認、確認結果のリスト化、登記等の申請情報の整理を行うシステムに、ユーザの感情を認識する感情エンジンを組み合わせたものである。具体的には、感情エンジンはユーザの感情を認識し、その感情に基づいて名前の生成を行う。例えば、ユーザが喜びの感情を示している場合、その感情に合致するポジティブな印象を与える名前を生成する。また、感情エンジンは、ユーザの感情に基づいて生成された名前の各国での登記可能性及び商標侵害の確認を行う。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0143】
「形態例2」
【0144】
具体例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を挙げる。ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識し、高揚感を表現するような名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価され、同様に、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0145】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0146】
「形態例1」
【0147】
ステップ1:ユーザの感情を感情エンジンが認識する。
【0148】
ステップ2:感情エンジンが認識した感情に基づいて、名前の生成を行う。
【0149】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0150】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0151】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0152】
「形態例2」
【0153】
ステップ1:ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識する。
【0154】
ステップ2:感情エンジンは認識した高揚感に基づいて、高揚感を表現するような名前を生成する。
【0155】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0156】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0157】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0158】
(実施例1)
【0159】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0160】
現代のビジネス環境において、新しい製品やサービスに適切な名前を付けることは極めて重要である。名前は、その製品やサービスの第一印象を形成し、消費者の記憶に残る要素となる。しかし、文化的背景や言語の違いを考慮に入れつつ、各国での登記可能性や商標侵害のリスクがない名前を見つけ出すことは非常に困難である。加えて、製品やサービスを市場に投入する企業や個人の感情や価値観を反映させた名前を生成する手法は、従来の技術では提供されていない。
【0161】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0162】
この発明では、サーバは、ユーザの感情データを収集する手段と、収集した感情データを分析する手段と、分析結果とユーザが提供した特定のパラメータを組み合わせて名前を生成する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や価値観を反映した、各国での登記可能性があり、かつ商標侵害のリスクがない名前の生成が可能となる。また、関連APIの連携によって、名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を迅速に確認できるため、ビジネス環境における新製品やサービスの名前決定プロセスの効率化と精度の向上が期待できる。
【0163】
「ユーザの感情データ」とは、ユーザの表情、声のトーン、身体言語などから収集される感情の状態に関する情報である。
【0164】
「収集した感情データを分析する手段」とは、収集された感情データを処理し、ユーザの現在の感情状態を特定するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0165】
「特定のパラメータ」とは、名前の生成にあたってユーザから提供される業界、ターゲット層、サービス内容などの具体的な情報である。
【0166】
「名前を生成する手段」とは、収集された感情データとユーザから提供された特定のパラメータを基に、適切な名前を創出するプロセスまたはアルゴリズムを指す。
【0167】
「各国での登記可能性を確認する手段」とは、生成された名前が特定の国で法的に登録可能かどうかを調査するプロセスやサービスを指す。
【0168】
「商標侵害にならないかを確認する手段」とは、生成された名前が特定の国において既存の商標権を侵害していないかを検証するプロセスやサービスを指す。
【0169】
「確認結果をリスト化する手段」とは、名前の各国での登記可能性や商標侵害の有無に関する確認結果を、整理し一覧表として表示するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0170】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名前の登記や商標申請に必要な情報を体系的に整理し、手続きを容易にするプロセスやシステムを指す。
【0171】
この発明を実施するための形態において、端末とサーバは、ユーザからの感情データの収集、そのデータの分析、名前の生成、及び生成された名前の法的な確認を行うために協働する。端末は、ユーザの感情データを収集する装置であり、カメラやマイクを通じてユーザの表情や声を記録し、それらを分析可能な形式でサーバに送信する。このプロセスには、表情認識ソフトウェア(例えば、OpenCV)や音声分析ライブラリ(例えば、WebRTC)が用いられる。
【0172】
サーバ側では、受け取った感情データを分析するために、ニューラルネットワークモデル(例えば、TensorFlowを用いたモデル)が用いられる。このモデルは、ユーザの感情状態を特定し、その結果を名前生成のプロセスにフィードバックする。名前の生成には、生成AIモデル(例えば、GPT系モデル)が用いられ、ユーザの感情と特定のパラメータを反映したプロンプト文(例えば、「喜びという感情を表す、健康食品業界向けの若年層ターゲットのサービス名を生成せよ」)に基づき名前を創出する。
【0173】
生成された名前の法的な確認には、商標登録データベースへのアクセスを提供する関連APIが用いられる。これにより、サーバは生成された名前が各国での登記可能性があり、商標侵害のリスクがないかを確認し、その結果をリスト化してユーザに報告する。
【0174】
この形態により、ユーザの感情を反映した名前の生成とその法的な確認が一連のプロセスで自動的に行われ、製品やサービスの名前決定における効率性と満足度を大幅に向上させることができる。
【0175】
【0176】
ステップ1:ユーザの感情データの収集
【0177】
端末は、ユーザの表情や声をカメラとマイクを用いて収集する。この収集プロセスでは、表情認識ソフトウェアと音声分析ライブラリを使用し、ユーザの感情を示唆するデータを収集する。収集されたデータ(入力)は、感情分析のためにサーバに送信される(出力)。
【0178】
ステップ2:感情データの分析
【0179】
サーバは、受信した感情データをニューラルネットワークモデルを用いて分析し、ユーザの感情状態を特定する。入力された感情データから、モデルは特徴を抽出し、それに基づいて感情を識別する(出力)。この出力は、名前生成のプロセスに利用される。
【0180】
ステップ3:名前の生成
【0181】
サーバ上の生成AIモデルは、特定された感情状態とユーザから提供された特定のパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容)を組み合わせたプロンプト文を用いて、適切な名前を生成する。このステップでは、入力として感情状態とパラメータが与えられ、生成AIモデルがこれらを加工して新しい名前(出力)を生成する。
【0182】
ステップ4:登記可能性と商標侵害の確認
【0183】
生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて、その名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する。このプロセスでは、入力として生成された名前が使用され、APIからの応答として登記可能性と商標侵害の情報が得られる(出力)。
【0184】
ステップ5:確認結果のリスト化と報告
【0185】
最後に、サーバは登記可能性と商標侵害の確認結果をリスト化し、この情報を整理してユーザに報告する。このステップでは、入力として確認結果のデータが使用され、整理された情報リストが出力される。このリストは、ユーザが最終的な名前の選択を行うための参考情報として端末を介して提供される。
【0186】
(応用例1)
【0187】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0188】
従来の名前生成システムでは、ユーザーの感情や感性を十分に反映させた名前の生成が難しいという課題があります。さらに、生成された名前が各国で登記可能であるか、また商標侵害にならないかの確認作業は複雑で、多大な時間と労力を要求されます。これらの課題は、特に国際的なバーチャル空間で活動を展開する事業者にとって、事業のスピードと効率性を低下させる要因となっています。
【0189】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0190】
この発明では、サーバは、ユーザーの感情を読み取る手段と、読み取った感情に基づいて感情に合致する印象を与える名前の生成を行う生成系AIを用いる手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する関連APIの連携による手段と、を含む。これにより、ユーザーの感情や感性を反映した名前の迅速な生成と、その名前の国際的な使用におけるリスクの低減が可能となる。
【0191】
「名前の生成を行う手段」とは、特定のパラメータやユーザーの感情データに基づいて、適切な名称や呼称を自動で考案し出力する機能。
【0192】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が、異なる国々の法律や登記システムにおいて使用可能かどうかを判定するプロセス。
【0193】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が、各国の商標法に違反しないかどうかを検証する機能。
【0194】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の生成及びその後の登記可能性と商標侵害確認の結果を整理し、視覚的にわかりやすい一覧表へとまとめ上げる操作。
【0195】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名称の使用に関する公式な登録や申請を行う際に必要な情報を体系的に整え、管理するプロセス。
【0196】
「ユーザーの感情を読み取る手段」とは、ユーザーの表情、声のトーン、またはその他の感情表現からユーザーの現在の感情状態を識別し解析する技術。
【0197】
「読み取った感情に基づいて名前の生成を行う手段」とは、ユーザーから得られた感情データを入力として使用し、その感情に適合または応答する名称を創出する機能。
【0198】
この発明の実施形態においては、サーバ上に構築されたシステムが中心となる。このシステムは、生成系AIモデル、感情読み取り機能、API連携機能を組み合わせて構成されている。サーバは、Python言語で開発されたプログラムを実行し、TensorFlowやPyTorchのような機械学習ライブラリを使用して生成系AIモデルを実装している。また、感情読み取り機能には、顔認識技術や音声分析技術を用いることで、端末を通じてユーザの感情状態を把握する。
【0199】
ユーザは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイのような端末を介してシステムにアクセスする。端末は、ユーザからの入力情報(業界、ターゲット層、サービス内容など)をサーバに送信すると同時に、カメラやマイクを通じてユーザの感情を捉え、そのデータもサーバに送信する。サーバはこれらのデータを基に、生成系AIモデルを用いて感情に適合する名前を生成する。その後、生成された名前に関する各国の登記可能性と商標侵害の確認は、サーバが関連APIと連携して行う。
【0200】
具体的な使用例として、「業界:ゲーム、ターゲット層:若年層、サービス内容:VR体験ゲーム、感情:喜び」というプロンプト文がユーザによって入力され、端末を通じてサーバに送信される。サーバはこのプロンプト文とユーザの感情データを用いて、「JoyVR Arcade」というような名前を生成し、この名前の商標登録の可否と商標侵害の有無を確認する。これにより、ユーザは自らの感情を反映させた、かつ法的なリスクが低い名前を短時間で得ることができる。
【0201】
【0202】
ステップ1:ユーザが端末を通じて、業界、ターゲット層、サービス内容などの入力情報と、端末のカメラやマイクを使用して捉えたユーザの感情データをサーバに送信する。このステップでは、入力情報と感情データがサーバに送られ、これが処理の基盤となる。
【0203】
ステップ2:サーバは受信した業界、ターゲット層、サービス内容の情報と感情データを基に、生成系AIモデルを用いて適切な名前を生成する。このプロセスにおいて、サーバは入力情報を解析し、それに応じた名前を出力する。生成系AIモデルは、入力されたパラメータと感情データをもとに、関連性の高い名前を創造するアルゴリズムを実行する。
【0204】
ステップ3:生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。このステップでは、サーバはAPIに生成された名前を送信し、APIからの応答として得られる登記可能性と商標侵害の確認結果を受け取る。サーバはこれらの結果を解析し、最終的な確認結果をリスト化する。
【0205】
ステップ4:サーバは確認結果のリストを整理し、これをユーザの端末に送信する。ユーザは端末を通じてこのリストを閲覧できるようになり、生成された名前の利用可能性と法的リスクを確認できる。この最終ステップにおいて、ユーザは生成された名前とそれに関する各国での登記可能性及び商標侵害の有無の情報を入手する。
【0206】
(実施例2)
【0207】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0208】
従来のシステムでは、ゲームアプリやその他のソフトウェア製品の名称を考案する過程で、創造性と合法性を両立させることが困難であった。特に、ユーザの感情や意向を反映した名称を生成し、その名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を避けることができるかを迅速に評価するシステムは存在しなかった。これにより、製品の命名プロセスにおいて多大な時間とリソースが費やされることが課題となっていた。
【0209】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0210】
この発明では、サーバは、ユーザから提供されたゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、およびユーザの感情状態に基づいて名称を生成する手段と、生成された名称の国際的な登記可能性を確認し、商標侵害のリスクを評価する手段と、上記確認結果をリスト化してユーザに提供する手段と、を含む。これにより、創造性を発揮しつつも、合法的な制約を考慮した名称の迅速な生成と評価が可能となる。
【0211】
「名称の生成を行う手段」とは、ユーザが提供したパラメータ(例えば、ゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を基に、適切かつ独創的な名称を自動的に創出する機能である。
【0212】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、ある名称が各国の商標登録システムにおいて登録可能かどうかを自動で検証する機能である。
【0213】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを、国際的な商標データベースを参照して自動で評価する機能である。
【0214】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名称の登記可能性および商標侵害リスクの評価結果を明確かつ整理された形式でユーザに提示する機能である。
【0215】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザが提案された名称に基づき、商標登録やその他の申請を行う際に必要な情報を整理し、手続きを容易にする機能である。
【0216】
この発明を実施するための形態では、ゲームアプリの名称を生成し、その登記可能性と商標侵害のリスクを評価するシステムが構成される。このシステムは、主にサーバ、端末、およびこれらを連携させるソフトウェアから構成される。
【0217】
サーバは、生成AIモデルを用いた名称生成機能と、商標検索APIを介して行われる登記可能性及び商標侵害評価機能を実装している。使用される生成AIモデルは、例えばOpenAIのGPTシリーズのような最先端の自然言語処理技術を活用し、入力されたパラメータに基づいて創造的な名称を生成する。商標検索は、USPTOのTESSや欧州連合知的財産局(EUIPO)のeSearchなどの公的なデータベースにアクセスするAPIを通じて行われる。
【0218】
端末は、ユーザがゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を入力し、これらの情報をプロンプト文としてサーバに送信する役割を担う。端末はまた、サーバから送信される生成された名称およびその評価結果を表示し、ユーザが最終的な選択を行えるようにする。
【0219】
具体例として、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が端末に入力される。この情報はサーバに送信され、生成AIモデルにより「FantasyQuest Online」という名称が提案される。その後、商標検索APIを通じてこの名称の登記可能性と商標侵害のリスクが評価され、結果が端末にリストとして返送される。
【0220】
この形態により、ユーザは自分のゲームアプリに適した名称を効率的に、かつ法的なリスクを避けながら選択することが可能となる。
【0221】
【0222】
ステップ1:ユーザの入力受付
【0223】
ユーザは、開発中のゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を端末に入力する。この情報はプロンプト文として整形され、サーバに送信される準備が整う。入力されたデータは、具体的な命名生成の指示として加工される。例えば、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が生成される。
【0224】
ステップ2:名称の生成
【0225】
サーバは、受け取ったプロンプト文を基に、生成AIモデルによる名称生成を開始する。このモデルは入力されたゲームアプリの情報を分析し、それに適合する創造的な名称を生成する。生成AIモデルは、プロンプト文から「FantasyQuest Online」のような名称を出力する。
【0226】
ステップ3:商標検索と評価
【0227】
生成された名称に対して、サーバは商標検索APIを利用して、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この過程では、名称が公的な商標データベースに照会され、既存の商標との競合を確認する。この操作の結果、名称の法的なリスク評価が出力される。
【0228】
ステップ4:結果のリスト化と送信
【0229】
サーバは、商標検索と評価の結果をリスト化し、そのリストを端末に送信する。このリストには、生成された名称の登記可能性と商標侵害のリスクに関する情報が含まれている。端末はこの情報を受け取り、ユーザに表示する。
【0230】
ステップ5:ユーザによる最終選択
【0231】
ユーザは、端末に表示された情報を参照して、最適なゲームアプリの名称を選択する。この選択プロセスでは、創造性と法的な安全性のバランスを考慮しながら、最終的な命名が行われる。
【0232】
(応用例2)
【0233】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマートデバイス14を「端末」と称する。
【0234】
従来の名称生成システムでは、単にランダムまたは既存のデータベースに基づいて名称を生成することは可能であるが、ユーザの感情やゲーム開発の具体的な要求(例えば、ジャンル、ターゲット層、特徴)を踏まえた上で、法的リスクを考慮した名称を効率的に提案することが難しい問題がある。また、生成された名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を起こさないかの確認作業は手間がかかり、そのプロセスを効率化する必要がある。
【0235】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0236】
この発明では、サーバは、ユーザからの入力情報に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段と、これらの情報を基に生成系AIを用いて名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性及び商標侵害の有無を自動で確認する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や要求を反映した名称の提案及びその法的リスクの自動評価が可能となる。
【0237】
「名称の生成を行う手段」とは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴及びユーザの感情などのパラメータに基づいて、新しいゲームの名称を提案する機能である。
【0238】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が各国の法律に則って商標登録が可能かどうかを自動で調査し評価する機能である。
【0239】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と競合しないか、各国の商標データベースを用いて自動で検証する機能である。
【0240】
「確認結果をリスト化する手段」とは、前述の登記可能性および商標侵害の確認結果を一覧表として整理し、ユーザに提供する機能である。
【0241】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、提案された名称に関する商標登録やその他の申請に必要な情報を整理し、効率的に申請プロセスを進めることができる機能である。
【0242】
「ユーザの入力に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段」とは、開発中のゲームに関する具体的な情報と、ゲーム開発者やユーザの感情を入力として受け取り、これらの情報を理解し分析する機能である。
【0243】
「これらの情報を基に名称を生成する手段」とは、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、および感情データを組み合わせて、これらに適合する新しいゲーム名称を創出するプロセスを実行する機能である。
【0244】
この発明を実施するための形態には、端末(例えばスマートフォンやタブレット)、サーバ、生成系AIモデル(例えばOpenAIのGPT)、及び商標データベースAPIが含まれる。端末は、ユーザからゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの入力を受け取り、この情報をサーバに送信する役割を持つ。サーバは、受け取った情報を基に生成系AIモデルを用いて適切なゲーム名称を生成する。この過程では、入力された情報をプロンプトとしてAIに提供し、AIはこれを基に名称を創出する。生成された名称は、さらにサーバによって商標データベースAPIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無が確認される。確認結果はサーバによってリスト化され、端末を通じてユーザに提示される。ユーザは提供された情報を基に最適な名称を選択し、この選択は再びサーバに送信される。最終的にサーバは選択された名称に関する申請情報を整理し、ユーザが商標登録等の手続きをスムーズに進められるように支援する。
【0245】
具体例として、ユーザが開発するゲームのジャンルを「RPG」、ターゲット層を「大人」、特徴を「ファンタジー、マルチプレイ」、感情を「冒険心」と入力した場合、これらの情報は端末からサーバに送信される。サーバはこの情報を生成系AIモデルに提供し、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、感情:冒険心」というプロンプトに基づき名称を生成する。この発明により、ユーザは自身の意向を反映したゲーム名称を効率的に創出し、法的リスクも同時に評価できるようになる。
【0246】
【0247】
ステップ1:ユーザが端末を使用して、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの情報を入力する。この入力情報はサーバに送信される。このステップでは、ユーザの意向と開発したいゲームの具体的な要件がデータ化され、サーバへの入力として機能する。
【0248】
ステップ2:サーバは、受け取った情報を基に、生成系AIモデルを用いて名称を生成する。このプロセスでは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情を考慮し、これらのパラメータに最適な名称が算出される。生成された名称は、その後のプロセスの入力として利用される。
【0249】
ステップ3:サーバは、生成された名称に対して各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この確認作業は、関連APIを通じて行われ、各国の商標データベースにアクセスして、名称が登記可能かつ商標侵害に該当しないかを検証する。このステップの出力は、登記可能性及び商標侵害の確認結果である。
【0250】
ステップ4:確認結果はリスト化され、サーバから端末へ送信される。ユーザはこのリストを通じて、生成された名称の法的リスクを評価することができる。このリスト化された確認結果には、各名称に対する登記可能性及び商標侵害の有無の情報が含まれる。
【0251】
ステップ5:ユーザが最終的に名称を選択した後、サーバは登記等の申請情報を整理する。このステップでは、選択された名称に関連する商標登録やその他の申請プロセスに必要な情報が整理され、ユーザがこれらの申請を効率的に進められるように支援する。
【0252】
これらの処理ステップを通じて、ユーザは自らの感情やゲーム開発の要件を反映した名称を効率的に生成し、その法的リスクを評価した上で、適切な名称の選択と申請を行うことができる。
【0253】
特定処理部290は、特定処理の結果をスマートデバイス14に送信する。スマートデバイス14では、制御部46Aが、出力装置40に対して特定処理の結果を出力させる。マイクロフォン38Bは、特定処理の結果に対するユーザ入力を示す音声を取得する。制御部46Aは、マイクロフォン38Bによって取得されたユーザ入力を示す音声データをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12では、特定処理部290が音声データを取得する。
【0254】
データ生成モデル58は、いわゆる生成AI(Artificial Intelligence)である。データ生成モデル58の一例としては、ChatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)等の生成AIが挙げられる。データ生成モデル58は、ニューラルネットワークに対して深層学習を行わせることによって得られる。データ生成モデル58には、指示を含むプロンプトが入力され、かつ、音声を示す音声データ、テキストを示すテキストデータ、及び画像を示す画像データ等の推論用データが入力される。データ生成モデル58は、入力された推論用データをプロンプトにより示される指示に従って推論し、推論結果を音声データ及びテキストデータ等のデータ形式で出力する。ここで、推論とは、例えば、分析、分類、予測、及び/又は要約等を指す。
【0255】
生成AIの他の例としては、Gemini(インターネット検索<URL: https://gemini.google.com/?hl=ja>)が挙げられる。
【0256】
上記実施形態では、データ処理装置12によって特定処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、スマートデバイス14によって特定処理が行われるようにしてもよい。
【0257】
[第2実施形態]
【0258】
図3には、第2実施形態に係るデータ処理システム210の構成の一例が示されている。
【0259】
図3に示すように、データ処理システム210は、データ処理装置12及びスマート眼鏡214を備えている。データ処理装置12の一例としては、サーバが挙げられる。
【0260】
データ処理装置12は、コンピュータ22、データベース24、及び通信I/F26を備えている。コンピュータ22は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。コンピュータ22は、プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32を備えている。プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32は、バス34に接続されている。また、データベース24及び通信I/F26も、バス34に接続されている。通信I/F26は、ネットワーク54に接続されている。ネットワーク54の一例としては、WAN(Wide Area Network)及び/又はLAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0261】
スマート眼鏡214は、コンピュータ36、マイクロフォン238、スピーカ240、カメラ42、及び通信I/F44を備えている。コンピュータ36は、プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50を備えている。プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50は、バス52に接続されている。また、マイクロフォン238、スピーカ240、及びカメラ42も、バス52に接続されている。
【0262】
マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を受け付けることで、ユーザ20から指示等を受け付ける。マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を捕捉し、捕捉した音声を音声データに変換してプロセッサ46に出力する。スピーカ240は、プロセッサ46からの指示に従って音声を出力する。
【0263】
カメラ42は、レンズ、絞り、及びシャッタ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子とが搭載された小型デジタルカメラであり、ユーザ20の周囲(例えば、一般的な健常者の視界の広さに相当する画角で規定された撮像範囲)を撮像する。
【0264】
通信I/F44は、ネットワーク54に接続されている。通信I/F44及び26は、ネットワーク54を介してプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受を司る。通信I/F44及び26を用いたプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受はセキュアな状態で行われる。
【0265】
図4には、データ処理装置12及びスマート眼鏡214の要部機能の一例が示されている。
図4に示すように、データ処理装置12では、プロセッサ28によって特定処理が行われる。ストレージ32には、特定処理プログラム56が格納されている。
【0266】
特定処理プログラム56は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。プロセッサ28は、ストレージ32から特定処理プログラム56を読み出し、読み出した特定処理プログラム56をRAM30上で実行する。特定処理は、プロセッサ28がRAM30上で実行する特定処理プログラム56に従って、特定処理部290として動作することによって実現される。
【0267】
ストレージ32には、データ生成モデル58及び感情特定モデル59が格納されている。データ生成モデル58及び感情特定モデル59は、特定処理部290によって用いられる。
【0268】
スマート眼鏡214では、プロセッサ46によって受付出力処理が行われる。ストレージ50には、受付出力プログラム60が格納されている。プロセッサ46は、ストレージ50から受付出力プログラム60を読み出し、読み出した受付出力プログラム60をRAM48上で実行する。受付出力処理は、プロセッサ46がRAM48上で実行する受付出力プログラム60に従って、制御部46Aとして動作することによって実現される。
【0269】
次に、データ処理装置12の特定処理部290による特定処理について説明する。
【0270】
「形態例1」
【0271】
本発明のシステムは、名前の生成を行う手段として生成系AIを用いる。生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段と、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これらの手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0272】
「形態例2」
【0273】
具体的な例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を考える。生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性と商標侵害の確認を行う手段により評価され、確認結果はリスト化される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0274】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0275】
「形態例1」
【0276】
ステップ1:生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。
【0277】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0278】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0279】
「形態例2」
【0280】
ステップ1:新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合、生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。
【0281】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0282】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0283】
(実施例1)
【0284】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0285】
現代の商業環境では、製品やサービスの名称がブランド価値に直接影響を及ぼすため、適切な名称の選定は極めて重要である。しかしながら、国際的な市場を視野に入れた場合、異なる国での商標登記の可能性や商標侵害のリスクを効率的に評価することは困難である。従来の方法では、このような評価を行うためには膨大な時間と資源が必要とされ、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となっている。この問題を解決し、名称の生成から法的リスクの評価までを迅速かつ効率的に行う方法が求められている。
【0286】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0287】
この発明では、サーバは、特定の業界、ターゲット層、サービス内容を考慮したプロンプト文を生成系AIに入力して適切な名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを商標登記データベースと商標法規制情報を検索するAPIの連携により評価する手段と、上記評価結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する手段と、を含む。これにより、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮した名称を選定することが可能となる。
【0288】
「特定のパラメータ」は、名称生成の際に考慮される業界、ターゲット層、サービス内容といった条件である。
【0289】
「名称」は、製品、サービス、企業などを識別するために用いられる言葉や組み合わせである。
【0290】
「各国での登記可能性」は、ある名称が特定の国において商標として登録可能かどうかの状態である。
【0291】
「商標侵害」は、他者の商標権を不当に侵害する行為、特に無断で使用することによって生じる法的問題である。
【0292】
「リスト化する手段」は、情報を一覧表形式で整理し、可視化する方法である。
【0293】
「登記等の申請情報を整理する手段」は、名称の商標登記やその他の申請に関連する情報を体系的に整理し、管理する方法である。
【0294】
「生成系AI」は、入力されたデータや条件に基づき、新しい内容やアイデアを自動的に生み出す人工知能モデルである。
【0295】
「プロンプト文」は、生成系AIモデルに特定のタスクを指示するために用いられる指示文や質問文である。
【0296】
「商標登記データベースを参照するAPI」は、商標登録の有無や詳細情報を問い合わせるために外部システムにアクセスするインターフェースである。
【0297】
「商標法規制情報を検索するAPI」は、特定の国や地域の商標に関する法律や規制情報を検索するためのプログラミングインターフェースである。
【0298】
この発明を実施するための形態では、主にサーバ、端末、ユーザの三者が協働して作業を進める。サーバには、生成系AIモデル(例:TensorFlowやPyTorchを使用した機械学習モデル)が搭載されており、端末を介してユーザから提供される特定のパラメータ(例:業界、ターゲット層、サービス内容)に基づいてプロンプト文を生成し、適切な名称を提案する機能が備わっている。
【0299】
端末は、ユーザの入力を受け取るインターフェースとして機能し、入力されたパラメータをサーバに送信する。例えば、ユーザが「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」というプロンプト文を入力すると、この情報は端末からサーバへと送られる。
【0300】
サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成系AIモデルを用いて複数の名称案を生成する。生成された名称案は、さらに商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するために、商標登記データベースを参照するAPIと商標法規制情報を検索するAPIに問い合わせを行う。これらのAPIは、例えば、国際商標情報データベースや特定国の商標法規制情報にアクセスするために使用される。
【0301】
得られた情報はサーバによって整理され、端末を通じてユーザに表示される。この表示では、各名称案に対して、その登記可能性の高さや商標侵害のリスクが明示される。ユーザはこの情報を基に、最適な名称を選択することができる。
【0302】
この形態により、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮しながら、新しい製品やサービスの名称を決定することが可能となる。特に、国際的な市場を視野に入れた場合、このシステムは多大な利便性を提供し、名称選定プロセスの時間とコストを大幅に削減する。
【0303】
【0304】
ステップ1:ユーザからの入力受付
【0305】
ユーザは端末を介して、特定の業界、ターゲット層、サービス内容といったパラメータを入力する。この入力情報は、名称生成のためのプロンプト文の作成に使用される。端末は、ユーザからの入力を受け取り、これをサーバに送信する。この時、入力されたパラメータは、適切な名称を生成するための条件として機能する。
【0306】
ステップ2:プロンプト文の生成と名称の生成
【0307】
サーバはユーザから受け取ったパラメータを基にプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルに入力され、特定の条件にマッチする名称を生成するために用いられる。生成系AIモデルは、このプロンプト文をデータ加工・演算の基にして、一連の名称案を出力する。例えば、プロンプト文が「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」とする場合、AIモデルはこの条件に適した複数の名称を生成する。
【0308】
ステップ3:商標登記可能性と商標侵害の確認
【0309】
生成された名称に対して、サーバは商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するため、関連APIに問い合わせを行う。このプロセスでは、商標登記データベースを参照するAPIと、商標法規制情報を検索するAPIが使用される。各名称について、これらのAPIから得られた情報は、名称の登記可能性と商標侵害リスクを評価するためにデータ加工・演算され、結果がサーバに返される。
【0310】
ステップ4:結果のリスト化と提示
【0311】
サーバは、ステップ3で得られた情報を基に、各名称の登記可能性と商標侵害リスクをリスト化し整理する。この整理された情報は、端末を通じてユーザに提示される。提示される情報には、生成された名称ごとに登記可能性の高さや商標侵害リスクの有無が明示される。ユーザは、この情報を参考にして最終的な名称を選択する。このステップにより、ユーザは法的リスクを考慮しつつ、適切な名称を迅速に選定することが可能となる。
【0312】
(応用例1)
【0313】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0314】
仮想空間内で使用する商業施設や商品の名前を決定する際、創造性に富んだ名前を生成すると同時に、その名前が各国での商標登録が可能であり、商標侵害のリスクがないかを効率的に確認することは困難である。この課題を解決するために、名前生成の自動化と、生成された名前の法的な問題点を迅速に評価するシステムが必要である。
【0315】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0316】
この発明では、サーバは、業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて名前を生成する手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する手段と、評価結果をリスト化してユーザーに提供する手段と、を含む。これにより、ユーザーは効率的に創造性に富んだ名前を生成し、その法的な問題点を迅速に把握し、適切な名前の選定と登記申請が可能となる。
【0317】
「名前の生成を行う手段」とは、入力されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容等)に基づき、人工知能技術を用いて適切な名前を自動的に創出する機能である。
【0318】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、特定の名前が各国の法律や商標登録の規制に則って登記可能かどうかを判定するプロセスを実行する機能である。
【0319】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、創出された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかを、国別の商標データベースを参照して分析し判断する機能である。
【0320】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の登記可能性および商標侵害のリスクに関する確認結果を、一覧形式で整理し表示する機能である。
【0321】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザーが提出する必要がある登記申請に関する書類や情報を管理し、整理するプロセスを支援する機能である。
【0322】
「仮想空間内の商業施設や商品に適用される名前の提案を行う手段」とは、バーチャル環境内で使用される店舗や商品のための名前を生成し、提案する機能である。
【0323】
「業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて生成系AIを用いて行う」とは、指定された業種、目標とする顧客層、提供するサービスの特性などの情報を基に、人工知能が適切な命名案を自動生成するプロセスである。
【0324】
「関連APIの連携により行う」とは、外部のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を活用して、商標登録の可能性や商標侵害のリスクを評価する作業がオンライン上で自動的に実行されることである。
【0325】
この発明を実施するための形態は、名前生成と法的評価を組み合わせたシステムである。このシステムは、サーバベースのソフトウェアアプリケーションで構成され、ユーザーが端末を介してアクセスする。サーバには、生成系AIモデルと、外部APIへのアクセス機能が備わっている。具体的には、Python言語で記述されたプログラムが、生成系AIモデル(例えばGPT-3やその後継モデル)を利用して、ユーザーから提供されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて名前を生成する。生成された名前は、外部APIを通じて、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価するために使用される。
【0326】
ユーザーは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイなどの端末を通じて、サービスにアクセスし、必要なパラメータを入力する。サーバはこの入力を受け取り、名前の生成と評価を行い、結果をユーザーにフィードバックする。このプロセスを通じて、ユーザーはバーチャル空間内で使用する商業施設や商品の名前を効率的かつ安全に決定することができる。
【0327】
具体例としては、「カフェ」「若者」「環境に優しい」というパラメータを入力する場合、生成系AIモデルはこれらのパラメータに基づき「GreenSip Cafe」や「EcoBrew Corner」などの名前を提案する。その後、サーバは外部APIを用いてこれらの名前について、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価し、ユーザーに結果を提供する。このプロセスにより、ユーザーは名前選定の際のリスクを事前に理解し、適切な決定を下すことができる。
【0328】
【0329】
ステップ1:ユーザが端末を通じて業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータを入力する。この入力は、名前生成のための基礎データとしてサーバに送信される。端末から送信されたデータは、サーバによって受け取られ、次の処理のために一時的に保存される。
【0330】
ステップ2:サーバは、ステップ1で受け取ったパラメータを基に、生成系AIモデルを用いて名前を生成する。このプロセスでは、入力されたパラメータがAIモデルによって解析され、関連性の高い名前が創出される。生成された名前は、次のステップのためにサーバによって一時保存される。
【0331】
ステップ3:サーバは、生成された名前に対して、関連APIを通じて各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この評価プロセスでは、サーバが外部の商標データベースにアクセスし、生成された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを調査する。評価結果は、サーバによって収集され、整理される。
【0332】
ステップ4:サーバは、ステップ3で得られた評価結果をリスト化し、ユーザーに対して表示する。このステップでは、登記可能性および商標侵害のリスクに関する情報が、ユーザーにわかりやすい形で提供される。ユーザーは、この情報を基に、使用する名前を最終的に選定することができる。
【0333】
ステップ5:ユーザーが最終的に選定した名前に基づき、サーバは登記等の申請情報を整理し、ユーザーに提供する。このプロセスでは、選定された名前を使用しての登記申請に必要な書類や情報が整理され、ユーザーがスムーズに申請作業を行えるよう支援される。
【0334】
これらのステップを経て、ユーザーはバーチャル空間内で使用する店舗や商品の名前を効率的かつ安全に選定し、必要な登記手続きを進めることが可能となる。各処理ステップでは、サーバと端末間のデータ交換、生成系AIモデルによるデータ加工、外部APIとの連携による情報収集と評価、そしてユーザーへの情報提供が行われる。
【0335】
(実施例2)
【0336】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0337】
新規コンテンツの名称を考案する際に、創造性に富んだ提案を行いつつ、国際的な商標登記の可能性と商標侵害のリスクを同時に評価することは、多大な時間と労力を要する課題である。特に、複数の市場での利用を考慮した場合、法的な制約を満たしつつ、魅力的な名称を速やかに特定することは困難である。
【0338】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0339】
この発明では、サーバは、コンテンツの属性に基づいて名称の生成を行う手段と、生成された名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段と、確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する手段と、ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する手段を含む。これにより、創造性に富んだ名称の迅速な提案と、その法的な適用性の同時評価が可能となる。
【0340】
「コンテンツの属性」とは、コンテンツが持つジャンル、ターゲット層、特徴など、そのコンテンツを定義するための基本的な要素である。
【0341】
「名称の生成」とは、入力されたコンテンツの属性に基づいて、新たなコンテンツに適した名前を創出するプロセスである。
【0342】
「国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認」とは、特定の名称が世界各国の商標登記において利用可能かどうか、および他の商標との類似性による侵害リスクが存在するかを調査する行為である。
【0343】
「確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する」とは、調査した登記可能性や商標侵害の有無の情報を分類し、この情報をユーザが視覚的に理解しやすい形で表示することである。
【0344】
「ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する」とは、ユーザによって選択された名称を用いて、必要な登記や申請に関連する情報を集約し、これらのプロセスを効率化・自動化することである。
【0345】
「生成系AIモデル」とは、人工知能技術を用いて、特定の入力情報から新しいデータやテキストを自動的に創出するシステムである。
【0346】
「API連携」とは、異なるソフトウェアやサービス間で機能を共有し、相互にデータを交換するためのプログラミングインターフェイスを通じた連携である。
【0347】
「外部データベースにアクセスするためのAPI」とは、インターネット上に存在する他の組織が管理するデータベースへプログラムから直接問い合わせを行うことを可能にするインターフェイスである。
【0348】
この発明の実施形態において、システムは、名称を生成し、その国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認し、最終的にユーザに情報を提示するプロセスを含む。このプロセスは、主にサーバ上で実行されるソフトウェアと、ユーザの操作を受け付ける端末で構成される。
【0349】
サーバは、生成AIモデルを用いて、入力されたコンテンツの属性に基づく名称の生成を行う。この生成AIモデルとしては、例えばOpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)などのテキスト生成モデルが用いられる。生成された名称に関しては、外部データベースへのAPI連携を通じて、国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認が行われる。このAPI連携により、サーバは世界各国の商標データベースにアクセスし、提案された名称が既存の商標と競合しないかどうかを確認する。
【0350】
端末は、ユーザからの入力を受け付け、サーバへ送信する役割を担う。ユーザは端末を通じて、コンテンツのジャンル、ターゲット層、コンテンツの特徴などの属性を指定する。例えば、ユーザが「ジャンル: RPG、ターゲット層: 大人、特徴: ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイ」という属性を入力した場合、これらの情報はプロンプト文として整形され、サーバ上の生成AIモデルに送信される。
【0351】
サーバからの応答として、生成された名称とその法的評価結果は端末を通じてユーザに提示される。ユーザはこれらの情報を基に、最適な名称を選択し、その名称での登記や商標申請などの次の手続きに進むことができる。このプロセスを通じて、ユーザは効率的に、かつ法的なリスクを把握した上で、新規コンテンツの名称を決定することが可能となる。
【0352】
【0353】
ステップ1:ユーザは端末を使用して、コンテンツの属性(ジャンル、ターゲット層、特徴など)を入力する。この入力は、生成AIモデルが処理するための基礎データとなる。端末は、この入力データを受け取り、それを基にプロンプト文を作成する。
【0354】
ステップ2:端末は作成したプロンプト文をサーバに送信する。サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成AIモデルを使用して名称を生成する。入力されたプロンプト文から、サーバはコンテンツに適した名称を出力する。
【0355】
ステップ3:サーバは生成された名称を外部データベースに問い合わせることで、その名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この段階で、サーバは生成された名称を入力とし、外部データベースから得られる検索結果を出力とする。
【0356】
ステップ4:外部データベースからの検索結果を受け取ったサーバは、その情報をリスト化し、端末に送信する。このリストには、名称の登記可能性と商標侵害のリスクが含まれる。サーバは検索結果を処理し、整理された情報を端末に送信する。
【0357】
ステップ5:端末はサーバから受け取ったリストをユーザに提示する。ユーザは提示されたリストから、最も適切と思われる名称を選択する。端末は、ユーザの選択を受け取り、その情報をサーバに送信する。
【0358】
ステップ6:サーバはユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、ユーザに対して登記プロセスの自動化を行う。この段階では、サーバは選択された名称と必要な申請情報を処理し、ユーザに対して次のステップを案内する。
【0359】
これらのステップを通じて、システムはユーザが新規コンテンツの名称を効率的かつ効果的に決定し、その登記及び商標権の確認を自動化することを可能にする。
【0360】
(応用例2)
【0361】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0362】
オンライン市場での新規商品やブランドの立ち上げにおいて、適切な商品名及びブランド名を創出することは、その成功に直結する重要な要素である。しかし、創造的かつ魅力的な商品名やブランド名の考案は容易ではなく、さらにはその名前がオンラインで十分な検索可能性を持ち、SNSでの話題性を確保できるか、そして商標登録が可能であるかという点を総合的に評価する必要がある。これらの要件を満たす名前を効率的に生成し評価することは、特に中小規模の事業者にとって大きな課題である。
【0363】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0364】
この発明では、サーバは、商品名及びブランド名の生成を行う手段と、生成された商品名及びブランド名のオンラインでの検索可能性を確認する手段と、生成された商品名及びブランド名がSNSでの話題性を有するかを評価する手段と、生成された商品名及びブランド名の商標登録の可能性を確認する手段と、を含む。これにより、事業者は創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を効率的に生成し、その名前がオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を総合的に評価することが可能となる。このシステムによって、事業者は新規商品やブランドの市場導入時のリスクを低減し、成功の可能性を高めることができる。
【0365】
「商品名及びブランド名の生成を行う手段」とは、ユーザーが指定した商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴に基づいて、適切な商品名やブランド名を自動で考案する機能である。
【0366】
「オンラインでの検索可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名がインターネット上で容易に検索され得るかどうかを評価する機能である。
【0367】
「SNSでの話題性を有するかを評価する手段」とは、生成された商品名やブランド名がソーシャルネットワーキングサービス上でユーザーによって議論されやすいかどうかを判断する機能である。
【0368】
「商標登録の可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名が商標として登録可能かどうか、つまり他の商標との重複や類似がないかを調査する機能である。
【0369】
「関連APIの連携により行うこと」とは、外部のデータベースやサービスと連携し、自動的に情報収集や処理を行うために使用されるプログラミングインターフェースのことである。
【0370】
この発明を実施するための形態は、オンライン市場における商品名及びブランド名の生成と評価の自動化システムに関するものである。サーバは、生成系AIモデルを用いて商品名及びブランド名を生成するプログラムを実行する。このプログラムは、商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴といったユーザからの入力情報に基づいてプロンプト文を生成し、このプロンプト文を生成系AIモデルに送信する。生成系AIモデルは、送信されたプロンプト文をもとに、創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を提案する。
【0371】
生成された商品名及びブランド名に対して、サーバは更に、そのオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を評価するプログラムを実行する。この評価は、関連APIを通じて自動化されており、オンラインのデータベースや商標登録のデータベースにアクセスし、生成された名前のユニークネスや利用可能性を確認する。
【0372】
このシステムは、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語で開発され、TensorFlowやPyTorch、NLTKといった自然言語処理を行うためのライブラリを活用する。これらの技術を用いることで、サーバは複雑なテキスト分析とデータ処理を行い、ユーザにとって有益な情報を提供する。
【0373】
具体例として、「エコフレンドリーな素材を使用した若者向けファッションTシャツのブランド名」というプロンプト文が、商品のカテゴリー「ファッション」、ターゲット層「若者向け」、商品の特徴「エコフレンドリーな素材を使用」を反映したものとして生成される。生成系AIモデルは、このプロンプトに基づいて複数のブランド名を提案し、これらの名前についてオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性が自動で評価される。このプロセスを通じて、事業者は効率的に魅力的な商品名及びブランド名を選定し、市場導入の準備を進めることができる。
【0374】
【0375】
ステップ1:ユーザが商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴を入力する。この入力は、商品名及びブランド名の生成を行う基礎データとしてサーバに送信される。
【0376】
ステップ2:サーバは、入力された商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴からプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルによる商品名及びブランド名の生成のための指示となる。
【0377】
ステップ3:生成系AIモデルは、受け取ったプロンプト文に基づき、商品名及びブランド名を生成する。この過程で、AIモデルはテキスト生成技術を用いて、複数の候補を提案する。
【0378】
ステップ4:サーバは、生成された商品名及びブランド名に対して、オンラインでの検索可能性を確認する。この処理では、インターネット上の既存の検索エンジン結果を分析して、生成された名前のユニーク性を評価する。
【0379】
ステップ5:同時に、サーバは生成された商品名及びブランド名のSNSでの話題性を評価する。この評価は、ソーシャルメディアのトレンドやハッシュタグの分析に基づいて行われる。
【0380】
ステップ6:さらに、サーバは商標登録の可能性を確認する。これは、国内外の商標データベースを照会し、生成された名前が既存の商標と競合しないかを調べることで実現される。
【0381】
ステップ7:サーバは、オンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性の評価結果をユーザに対して報告する。この報告には、生成された商品名及びブランド名の推奨度や、潜在的な問題点が含まれる。
【0382】
このプロセスを通じて、ユーザは創造的かつ実用的な商品名及びブランド名を効率的に得ることができ、オンライン市場での成功の可能性を高めることができる。
【0383】
なお、更に、ユーザの感情を推定する感情エンジンを組み合わせてもよい。すなわち、特定処理部290は、感情特定モデル59を用いてユーザの感情を推定し、ユーザの感情を用いた特定処理を行うようにしてもよい。
【0384】
「形態例1」
【0385】
本発明は、名前の生成、各国での登記可能性の確認、商標侵害の確認、確認結果のリスト化、登記等の申請情報の整理を行うシステムに、ユーザの感情を認識する感情エンジンを組み合わせたものである。具体的には、感情エンジンはユーザの感情を認識し、その感情に基づいて名前の生成を行う。例えば、ユーザが喜びの感情を示している場合、その感情に合致するポジティブな印象を与える名前を生成する。また、感情エンジンは、ユーザの感情に基づいて生成された名前の各国での登記可能性及び商標侵害の確認を行う。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0386】
「形態例2」
【0387】
具体例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を挙げる。ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識し、高揚感を表現するような名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価され、同様に、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0388】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0389】
「形態例1」
【0390】
ステップ1:ユーザの感情を感情エンジンが認識する。
【0391】
ステップ2:感情エンジンが認識した感情に基づいて、名前の生成を行う。
【0392】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0393】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0394】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0395】
「形態例2」
【0396】
ステップ1:ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識する。
【0397】
ステップ2:感情エンジンは認識した高揚感に基づいて、高揚感を表現するような名前を生成する。
【0398】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0399】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0400】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0401】
(実施例1)
【0402】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0403】
現代のビジネス環境において、新しい製品やサービスに適切な名前を付けることは極めて重要である。名前は、その製品やサービスの第一印象を形成し、消費者の記憶に残る要素となる。しかし、文化的背景や言語の違いを考慮に入れつつ、各国での登記可能性や商標侵害のリスクがない名前を見つけ出すことは非常に困難である。加えて、製品やサービスを市場に投入する企業や個人の感情や価値観を反映させた名前を生成する手法は、従来の技術では提供されていない。
【0404】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0405】
この発明では、サーバは、ユーザの感情データを収集する手段と、収集した感情データを分析する手段と、分析結果とユーザが提供した特定のパラメータを組み合わせて名前を生成する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や価値観を反映した、各国での登記可能性があり、かつ商標侵害のリスクがない名前の生成が可能となる。また、関連APIの連携によって、名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を迅速に確認できるため、ビジネス環境における新製品やサービスの名前決定プロセスの効率化と精度の向上が期待できる。
【0406】
「ユーザの感情データ」とは、ユーザの表情、声のトーン、身体言語などから収集される感情の状態に関する情報である。
【0407】
「収集した感情データを分析する手段」とは、収集された感情データを処理し、ユーザの現在の感情状態を特定するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0408】
「特定のパラメータ」とは、名前の生成にあたってユーザから提供される業界、ターゲット層、サービス内容などの具体的な情報である。
【0409】
「名前を生成する手段」とは、収集された感情データとユーザから提供された特定のパラメータを基に、適切な名前を創出するプロセスまたはアルゴリズムを指す。
【0410】
「各国での登記可能性を確認する手段」とは、生成された名前が特定の国で法的に登録可能かどうかを調査するプロセスやサービスを指す。
【0411】
「商標侵害にならないかを確認する手段」とは、生成された名前が特定の国において既存の商標権を侵害していないかを検証するプロセスやサービスを指す。
【0412】
「確認結果をリスト化する手段」とは、名前の各国での登記可能性や商標侵害の有無に関する確認結果を、整理し一覧表として表示するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0413】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名前の登記や商標申請に必要な情報を体系的に整理し、手続きを容易にするプロセスやシステムを指す。
【0414】
この発明を実施するための形態において、端末とサーバは、ユーザからの感情データの収集、そのデータの分析、名前の生成、及び生成された名前の法的な確認を行うために協働する。端末は、ユーザの感情データを収集する装置であり、カメラやマイクを通じてユーザの表情や声を記録し、それらを分析可能な形式でサーバに送信する。このプロセスには、表情認識ソフトウェア(例えば、OpenCV)や音声分析ライブラリ(例えば、WebRTC)が用いられる。
【0415】
サーバ側では、受け取った感情データを分析するために、ニューラルネットワークモデル(例えば、TensorFlowを用いたモデル)が用いられる。このモデルは、ユーザの感情状態を特定し、その結果を名前生成のプロセスにフィードバックする。名前の生成には、生成AIモデル(例えば、GPT系モデル)が用いられ、ユーザの感情と特定のパラメータを反映したプロンプト文(例えば、「喜びという感情を表す、健康食品業界向けの若年層ターゲットのサービス名を生成せよ」)に基づき名前を創出する。
【0416】
生成された名前の法的な確認には、商標登録データベースへのアクセスを提供する関連APIが用いられる。これにより、サーバは生成された名前が各国での登記可能性があり、商標侵害のリスクがないかを確認し、その結果をリスト化してユーザに報告する。
【0417】
この形態により、ユーザの感情を反映した名前の生成とその法的な確認が一連のプロセスで自動的に行われ、製品やサービスの名前決定における効率性と満足度を大幅に向上させることができる。
【0418】
【0419】
ステップ1:ユーザの感情データの収集
【0420】
端末は、ユーザの表情や声をカメラとマイクを用いて収集する。この収集プロセスでは、表情認識ソフトウェアと音声分析ライブラリを使用し、ユーザの感情を示唆するデータを収集する。収集されたデータ(入力)は、感情分析のためにサーバに送信される(出力)。
【0421】
ステップ2:感情データの分析
【0422】
サーバは、受信した感情データをニューラルネットワークモデルを用いて分析し、ユーザの感情状態を特定する。入力された感情データから、モデルは特徴を抽出し、それに基づいて感情を識別する(出力)。この出力は、名前生成のプロセスに利用される。
【0423】
ステップ3:名前の生成
【0424】
サーバ上の生成AIモデルは、特定された感情状態とユーザから提供された特定のパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容)を組み合わせたプロンプト文を用いて、適切な名前を生成する。このステップでは、入力として感情状態とパラメータが与えられ、生成AIモデルがこれらを加工して新しい名前(出力)を生成する。
【0425】
ステップ4:登記可能性と商標侵害の確認
【0426】
生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて、その名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する。このプロセスでは、入力として生成された名前が使用され、APIからの応答として登記可能性と商標侵害の情報が得られる(出力)。
【0427】
ステップ5:確認結果のリスト化と報告
【0428】
最後に、サーバは登記可能性と商標侵害の確認結果をリスト化し、この情報を整理してユーザに報告する。このステップでは、入力として確認結果のデータが使用され、整理された情報リストが出力される。このリストは、ユーザが最終的な名前の選択を行うための参考情報として端末を介して提供される。
【0429】
(応用例1)
【0430】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0431】
従来の名前生成システムでは、ユーザーの感情や感性を十分に反映させた名前の生成が難しいという課題があります。さらに、生成された名前が各国で登記可能であるか、また商標侵害にならないかの確認作業は複雑で、多大な時間と労力を要求されます。これらの課題は、特に国際的なバーチャル空間で活動を展開する事業者にとって、事業のスピードと効率性を低下させる要因となっています。
【0432】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0433】
この発明では、サーバは、ユーザーの感情を読み取る手段と、読み取った感情に基づいて感情に合致する印象を与える名前の生成を行う生成系AIを用いる手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する関連APIの連携による手段と、を含む。これにより、ユーザーの感情や感性を反映した名前の迅速な生成と、その名前の国際的な使用におけるリスクの低減が可能となる。
【0434】
「名前の生成を行う手段」とは、特定のパラメータやユーザーの感情データに基づいて、適切な名称や呼称を自動で考案し出力する機能。
【0435】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が、異なる国々の法律や登記システムにおいて使用可能かどうかを判定するプロセス。
【0436】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が、各国の商標法に違反しないかどうかを検証する機能。
【0437】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の生成及びその後の登記可能性と商標侵害確認の結果を整理し、視覚的にわかりやすい一覧表へとまとめ上げる操作。
【0438】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名称の使用に関する公式な登録や申請を行う際に必要な情報を体系的に整え、管理するプロセス。
【0439】
「ユーザーの感情を読み取る手段」とは、ユーザーの表情、声のトーン、またはその他の感情表現からユーザーの現在の感情状態を識別し解析する技術。
【0440】
「読み取った感情に基づいて名前の生成を行う手段」とは、ユーザーから得られた感情データを入力として使用し、その感情に適合または応答する名称を創出する機能。
【0441】
この発明の実施形態においては、サーバ上に構築されたシステムが中心となる。このシステムは、生成系AIモデル、感情読み取り機能、API連携機能を組み合わせて構成されている。サーバは、Python言語で開発されたプログラムを実行し、TensorFlowやPyTorchのような機械学習ライブラリを使用して生成系AIモデルを実装している。また、感情読み取り機能には、顔認識技術や音声分析技術を用いることで、端末を通じてユーザの感情状態を把握する。
【0442】
ユーザは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイのような端末を介してシステムにアクセスする。端末は、ユーザからの入力情報(業界、ターゲット層、サービス内容など)をサーバに送信すると同時に、カメラやマイクを通じてユーザの感情を捉え、そのデータもサーバに送信する。サーバはこれらのデータを基に、生成系AIモデルを用いて感情に適合する名前を生成する。その後、生成された名前に関する各国の登記可能性と商標侵害の確認は、サーバが関連APIと連携して行う。
【0443】
具体的な使用例として、「業界:ゲーム、ターゲット層:若年層、サービス内容:VR体験ゲーム、感情:喜び」というプロンプト文がユーザによって入力され、端末を通じてサーバに送信される。サーバはこのプロンプト文とユーザの感情データを用いて、「JoyVR Arcade」というような名前を生成し、この名前の商標登録の可否と商標侵害の有無を確認する。これにより、ユーザは自らの感情を反映させた、かつ法的なリスクが低い名前を短時間で得ることができる。
【0444】
【0445】
ステップ1:ユーザが端末を通じて、業界、ターゲット層、サービス内容などの入力情報と、端末のカメラやマイクを使用して捉えたユーザの感情データをサーバに送信する。このステップでは、入力情報と感情データがサーバに送られ、これが処理の基盤となる。
【0446】
ステップ2:サーバは受信した業界、ターゲット層、サービス内容の情報と感情データを基に、生成系AIモデルを用いて適切な名前を生成する。このプロセスにおいて、サーバは入力情報を解析し、それに応じた名前を出力する。生成系AIモデルは、入力されたパラメータと感情データをもとに、関連性の高い名前を創造するアルゴリズムを実行する。
【0447】
ステップ3:生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。このステップでは、サーバはAPIに生成された名前を送信し、APIからの応答として得られる登記可能性と商標侵害の確認結果を受け取る。サーバはこれらの結果を解析し、最終的な確認結果をリスト化する。
【0448】
ステップ4:サーバは確認結果のリストを整理し、これをユーザの端末に送信する。ユーザは端末を通じてこのリストを閲覧できるようになり、生成された名前の利用可能性と法的リスクを確認できる。この最終ステップにおいて、ユーザは生成された名前とそれに関する各国での登記可能性及び商標侵害の有無の情報を入手する。
【0449】
(実施例2)
【0450】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0451】
従来のシステムでは、ゲームアプリやその他のソフトウェア製品の名称を考案する過程で、創造性と合法性を両立させることが困難であった。特に、ユーザの感情や意向を反映した名称を生成し、その名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を避けることができるかを迅速に評価するシステムは存在しなかった。これにより、製品の命名プロセスにおいて多大な時間とリソースが費やされることが課題となっていた。
【0452】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0453】
この発明では、サーバは、ユーザから提供されたゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、およびユーザの感情状態に基づいて名称を生成する手段と、生成された名称の国際的な登記可能性を確認し、商標侵害のリスクを評価する手段と、上記確認結果をリスト化してユーザに提供する手段と、を含む。これにより、創造性を発揮しつつも、合法的な制約を考慮した名称の迅速な生成と評価が可能となる。
【0454】
「名称の生成を行う手段」とは、ユーザが提供したパラメータ(例えば、ゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を基に、適切かつ独創的な名称を自動的に創出する機能である。
【0455】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、ある名称が各国の商標登録システムにおいて登録可能かどうかを自動で検証する機能である。
【0456】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを、国際的な商標データベースを参照して自動で評価する機能である。
【0457】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名称の登記可能性および商標侵害リスクの評価結果を明確かつ整理された形式でユーザに提示する機能である。
【0458】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザが提案された名称に基づき、商標登録やその他の申請を行う際に必要な情報を整理し、手続きを容易にする機能である。
【0459】
この発明を実施するための形態では、ゲームアプリの名称を生成し、その登記可能性と商標侵害のリスクを評価するシステムが構成される。このシステムは、主にサーバ、端末、およびこれらを連携させるソフトウェアから構成される。
【0460】
サーバは、生成AIモデルを用いた名称生成機能と、商標検索APIを介して行われる登記可能性及び商標侵害評価機能を実装している。使用される生成AIモデルは、例えばOpenAIのGPTシリーズのような最先端の自然言語処理技術を活用し、入力されたパラメータに基づいて創造的な名称を生成する。商標検索は、USPTOのTESSや欧州連合知的財産局(EUIPO)のeSearchなどの公的なデータベースにアクセスするAPIを通じて行われる。
【0461】
端末は、ユーザがゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を入力し、これらの情報をプロンプト文としてサーバに送信する役割を担う。端末はまた、サーバから送信される生成された名称およびその評価結果を表示し、ユーザが最終的な選択を行えるようにする。
【0462】
具体例として、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が端末に入力される。この情報はサーバに送信され、生成AIモデルにより「FantasyQuest Online」という名称が提案される。その後、商標検索APIを通じてこの名称の登記可能性と商標侵害のリスクが評価され、結果が端末にリストとして返送される。
【0463】
この形態により、ユーザは自分のゲームアプリに適した名称を効率的に、かつ法的なリスクを避けながら選択することが可能となる。
【0464】
【0465】
ステップ1:ユーザの入力受付
【0466】
ユーザは、開発中のゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を端末に入力する。この情報はプロンプト文として整形され、サーバに送信される準備が整う。入力されたデータは、具体的な命名生成の指示として加工される。例えば、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が生成される。
【0467】
ステップ2:名称の生成
【0468】
サーバは、受け取ったプロンプト文を基に、生成AIモデルによる名称生成を開始する。このモデルは入力されたゲームアプリの情報を分析し、それに適合する創造的な名称を生成する。生成AIモデルは、プロンプト文から「FantasyQuest Online」のような名称を出力する。
【0469】
ステップ3:商標検索と評価
【0470】
生成された名称に対して、サーバは商標検索APIを利用して、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この過程では、名称が公的な商標データベースに照会され、既存の商標との競合を確認する。この操作の結果、名称の法的なリスク評価が出力される。
【0471】
ステップ4:結果のリスト化と送信
【0472】
サーバは、商標検索と評価の結果をリスト化し、そのリストを端末に送信する。このリストには、生成された名称の登記可能性と商標侵害のリスクに関する情報が含まれている。端末はこの情報を受け取り、ユーザに表示する。
【0473】
ステップ5:ユーザによる最終選択
【0474】
ユーザは、端末に表示された情報を参照して、最適なゲームアプリの名称を選択する。この選択プロセスでは、創造性と法的な安全性のバランスを考慮しながら、最終的な命名が行われる。
【0475】
(応用例2)
【0476】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、スマート眼鏡214を「端末」と称する。
【0477】
従来の名称生成システムでは、単にランダムまたは既存のデータベースに基づいて名称を生成することは可能であるが、ユーザの感情やゲーム開発の具体的な要求(例えば、ジャンル、ターゲット層、特徴)を踏まえた上で、法的リスクを考慮した名称を効率的に提案することが難しい問題がある。また、生成された名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を起こさないかの確認作業は手間がかかり、そのプロセスを効率化する必要がある。
【0478】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0479】
この発明では、サーバは、ユーザからの入力情報に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段と、これらの情報を基に生成系AIを用いて名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性及び商標侵害の有無を自動で確認する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や要求を反映した名称の提案及びその法的リスクの自動評価が可能となる。
【0480】
「名称の生成を行う手段」とは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴及びユーザの感情などのパラメータに基づいて、新しいゲームの名称を提案する機能である。
【0481】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が各国の法律に則って商標登録が可能かどうかを自動で調査し評価する機能である。
【0482】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と競合しないか、各国の商標データベースを用いて自動で検証する機能である。
【0483】
「確認結果をリスト化する手段」とは、前述の登記可能性および商標侵害の確認結果を一覧表として整理し、ユーザに提供する機能である。
【0484】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、提案された名称に関する商標登録やその他の申請に必要な情報を整理し、効率的に申請プロセスを進めることができる機能である。
【0485】
「ユーザの入力に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段」とは、開発中のゲームに関する具体的な情報と、ゲーム開発者やユーザの感情を入力として受け取り、これらの情報を理解し分析する機能である。
【0486】
「これらの情報を基に名称を生成する手段」とは、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、および感情データを組み合わせて、これらに適合する新しいゲーム名称を創出するプロセスを実行する機能である。
【0487】
この発明を実施するための形態には、端末(例えばスマートフォンやタブレット)、サーバ、生成系AIモデル(例えばOpenAIのGPT)、及び商標データベースAPIが含まれる。端末は、ユーザからゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの入力を受け取り、この情報をサーバに送信する役割を持つ。サーバは、受け取った情報を基に生成系AIモデルを用いて適切なゲーム名称を生成する。この過程では、入力された情報をプロンプトとしてAIに提供し、AIはこれを基に名称を創出する。生成された名称は、さらにサーバによって商標データベースAPIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無が確認される。確認結果はサーバによってリスト化され、端末を通じてユーザに提示される。ユーザは提供された情報を基に最適な名称を選択し、この選択は再びサーバに送信される。最終的にサーバは選択された名称に関する申請情報を整理し、ユーザが商標登録等の手続きをスムーズに進められるように支援する。
【0488】
具体例として、ユーザが開発するゲームのジャンルを「RPG」、ターゲット層を「大人」、特徴を「ファンタジー、マルチプレイ」、感情を「冒険心」と入力した場合、これらの情報は端末からサーバに送信される。サーバはこの情報を生成系AIモデルに提供し、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、感情:冒険心」というプロンプトに基づき名称を生成する。この発明により、ユーザは自身の意向を反映したゲーム名称を効率的に創出し、法的リスクも同時に評価できるようになる。
【0489】
【0490】
ステップ1:ユーザが端末を使用して、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの情報を入力する。この入力情報はサーバに送信される。このステップでは、ユーザの意向と開発したいゲームの具体的な要件がデータ化され、サーバへの入力として機能する。
【0491】
ステップ2:サーバは、受け取った情報を基に、生成系AIモデルを用いて名称を生成する。このプロセスでは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情を考慮し、これらのパラメータに最適な名称が算出される。生成された名称は、その後のプロセスの入力として利用される。
【0492】
ステップ3:サーバは、生成された名称に対して各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この確認作業は、関連APIを通じて行われ、各国の商標データベースにアクセスして、名称が登記可能かつ商標侵害に該当しないかを検証する。このステップの出力は、登記可能性及び商標侵害の確認結果である。
【0493】
ステップ4:確認結果はリスト化され、サーバから端末へ送信される。ユーザはこのリストを通じて、生成された名称の法的リスクを評価することができる。このリスト化された確認結果には、各名称に対する登記可能性及び商標侵害の有無の情報が含まれる。
【0494】
ステップ5:ユーザが最終的に名称を選択した後、サーバは登記等の申請情報を整理する。このステップでは、選択された名称に関連する商標登録やその他の申請プロセスに必要な情報が整理され、ユーザがこれらの申請を効率的に進められるように支援する。
【0495】
これらの処理ステップを通じて、ユーザは自らの感情やゲーム開発の要件を反映した名称を効率的に生成し、その法的リスクを評価した上で、適切な名称の選択と申請を行うことができる。
【0496】
特定処理部290は、特定処理の結果をスマート眼鏡214に送信する。スマート眼鏡214では、制御部46Aが、スピーカ240に対して特定処理の結果を出力させる。マイクロフォン238は、特定処理の結果に対するユーザ入力を示す音声を取得する。制御部46Aは、マイクロフォン238によって取得されたユーザ入力を示す音声データをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12では、特定処理部290が音声データを取得する。
【0497】
データ生成モデル58は、いわゆる生成AI(Artificial Intelligence)である。データ生成モデル58の一例としては、ChatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)等の生成AIが挙げられる。データ生成モデル58は、ニューラルネットワークに対して深層学習を行わせることによって得られる。データ生成モデル58には、指示を含むプロンプトが入力され、かつ、音声を示す音声データ、テキストを示すテキストデータ、及び画像を示す画像データ等の推論用データが入力される。データ生成モデル58は、入力された推論用データをプロンプトにより示される指示に従って推論し、推論結果を音声データ及びテキストデータ等のデータ形式で出力する。ここで、推論とは、例えば、分析、分類、予測、及び/又は要約等を指す。
【0498】
生成AIの他の例としては、Gemini(インターネット検索<URL: https://gemini.google.com/?hl=ja>)が挙げられる。
【0499】
上記実施形態では、データ処理装置12によって特定処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、スマート眼鏡214によって特定処理が行われるようにしてもよい。
【0500】
[第3実施形態]
【0501】
図5には、第3実施形態に係るデータ処理システム310の構成の一例が示されている。
【0502】
図5に示すように、データ処理システム310は、データ処理装置12及びヘッドセット型端末314を備えている。データ処理装置12の一例としては、サーバが挙げられる。
【0503】
データ処理装置12は、コンピュータ22、データベース24、及び通信I/F26を備えている。コンピュータ22は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。コンピュータ22は、プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32を備えている。プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32は、バス34に接続されている。また、データベース24及び通信I/F26も、バス34に接続されている。通信I/F26は、ネットワーク54に接続されている。ネットワーク54の一例としては、WAN(Wide Area Network)及び/又はLAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0504】
ヘッドセット型端末314は、コンピュータ36、マイクロフォン238、スピーカ240、カメラ42、通信I/F44、及びディスプレイ343を備えている。コンピュータ36は、プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50を備えている。プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50は、バス52に接続されている。また、マイクロフォン238、スピーカ240、カメラ42、及びディスプレイ343も、バス52に接続されている。
【0505】
マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を受け付けることで、ユーザ20から指示等を受け付ける。マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を捕捉し、捕捉した音声を音声データに変換してプロセッサ46に出力する。スピーカ240は、プロセッサ46からの指示に従って音声を出力する。
【0506】
カメラ42は、レンズ、絞り、及びシャッタ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子とが搭載された小型デジタルカメラであり、ユーザ20の周囲(例えば、一般的な健常者の視界の広さに相当する画角で規定された撮像範囲)を撮像する。
【0507】
通信I/F44は、ネットワーク54に接続されている。通信I/F44及び26は、ネットワーク54を介してプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受を司る。通信I/F44及び26を用いたプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受はセキュアな状態で行われる。
【0508】
図6には、データ処理装置12及びヘッドセット型端末314の要部機能の一例が示されている。
図6に示すように、データ処理装置12では、プロセッサ28によって特定処理が行われる。ストレージ32には、特定処理プログラム56が格納されている。
【0509】
特定処理プログラム56は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。プロセッサ28は、ストレージ32から特定処理プログラム56を読み出し、読み出した特定処理プログラム56をRAM30上で実行する。特定処理は、プロセッサ28がRAM30上で実行する特定処理プログラム56に従って、特定処理部290として動作することによって実現される。
【0510】
ストレージ32には、データ生成モデル58及び感情特定モデル59が格納されている。データ生成モデル58及び感情特定モデル59は、特定処理部290によって用いられる。
【0511】
ヘッドセット型端末314では、プロセッサ46によって受付出力処理が行われる。ストレージ50には、受付出力プログラム60が格納されている。プロセッサ46は、ストレージ50から受付出力プログラム60を読み出し、読み出した受付出力プログラム60をRAM48上で実行する。受付出力処理は、プロセッサ46がRAM48上で実行する受付出力プログラム60に従って、制御部46Aとして動作することによって実現される。
【0512】
次に、データ処理装置12の特定処理部290による特定処理について説明する。
【0513】
「形態例1」
【0514】
本発明のシステムは、名前の生成を行う手段として生成系AIを用いる。生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段と、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これらの手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0515】
「形態例2」
【0516】
具体的な例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を考える。生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性と商標侵害の確認を行う手段により評価され、確認結果はリスト化される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0517】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0518】
「形態例1」
【0519】
ステップ1:生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。
【0520】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0521】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0522】
「形態例2」
【0523】
ステップ1:新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合、生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。
【0524】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0525】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0526】
(実施例1)
【0527】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0528】
現代の商業環境では、製品やサービスの名称がブランド価値に直接影響を及ぼすため、適切な名称の選定は極めて重要である。しかしながら、国際的な市場を視野に入れた場合、異なる国での商標登記の可能性や商標侵害のリスクを効率的に評価することは困難である。従来の方法では、このような評価を行うためには膨大な時間と資源が必要とされ、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となっている。この問題を解決し、名称の生成から法的リスクの評価までを迅速かつ効率的に行う方法が求められている。
【0529】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0530】
この発明では、サーバは、特定の業界、ターゲット層、サービス内容を考慮したプロンプト文を生成系AIに入力して適切な名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを商標登記データベースと商標法規制情報を検索するAPIの連携により評価する手段と、上記評価結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する手段と、を含む。これにより、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮した名称を選定することが可能となる。
【0531】
「特定のパラメータ」は、名称生成の際に考慮される業界、ターゲット層、サービス内容といった条件である。
【0532】
「名称」は、製品、サービス、企業などを識別するために用いられる言葉や組み合わせである。
【0533】
「各国での登記可能性」は、ある名称が特定の国において商標として登録可能かどうかの状態である。
【0534】
「商標侵害」は、他者の商標権を不当に侵害する行為、特に無断で使用することによって生じる法的問題である。
【0535】
「リスト化する手段」は、情報を一覧表形式で整理し、可視化する方法である。
【0536】
「登記等の申請情報を整理する手段」は、名称の商標登記やその他の申請に関連する情報を体系的に整理し、管理する方法である。
【0537】
「生成系AI」は、入力されたデータや条件に基づき、新しい内容やアイデアを自動的に生み出す人工知能モデルである。
【0538】
「プロンプト文」は、生成系AIモデルに特定のタスクを指示するために用いられる指示文や質問文である。
【0539】
「商標登記データベースを参照するAPI」は、商標登録の有無や詳細情報を問い合わせるために外部システムにアクセスするインターフェースである。
【0540】
「商標法規制情報を検索するAPI」は、特定の国や地域の商標に関する法律や規制情報を検索するためのプログラミングインターフェースである。
【0541】
この発明を実施するための形態では、主にサーバ、端末、ユーザの三者が協働して作業を進める。サーバには、生成系AIモデル(例:TensorFlowやPyTorchを使用した機械学習モデル)が搭載されており、端末を介してユーザから提供される特定のパラメータ(例:業界、ターゲット層、サービス内容)に基づいてプロンプト文を生成し、適切な名称を提案する機能が備わっている。
【0542】
端末は、ユーザの入力を受け取るインターフェースとして機能し、入力されたパラメータをサーバに送信する。例えば、ユーザが「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」というプロンプト文を入力すると、この情報は端末からサーバへと送られる。
【0543】
サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成系AIモデルを用いて複数の名称案を生成する。生成された名称案は、さらに商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するために、商標登記データベースを参照するAPIと商標法規制情報を検索するAPIに問い合わせを行う。これらのAPIは、例えば、国際商標情報データベースや特定国の商標法規制情報にアクセスするために使用される。
【0544】
得られた情報はサーバによって整理され、端末を通じてユーザに表示される。この表示では、各名称案に対して、その登記可能性の高さや商標侵害のリスクが明示される。ユーザはこの情報を基に、最適な名称を選択することができる。
【0545】
この形態により、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮しながら、新しい製品やサービスの名称を決定することが可能となる。特に、国際的な市場を視野に入れた場合、このシステムは多大な利便性を提供し、名称選定プロセスの時間とコストを大幅に削減する。
【0546】
【0547】
ステップ1:ユーザからの入力受付
【0548】
ユーザは端末を介して、特定の業界、ターゲット層、サービス内容といったパラメータを入力する。この入力情報は、名称生成のためのプロンプト文の作成に使用される。端末は、ユーザからの入力を受け取り、これをサーバに送信する。この時、入力されたパラメータは、適切な名称を生成するための条件として機能する。
【0549】
ステップ2:プロンプト文の生成と名称の生成
【0550】
サーバはユーザから受け取ったパラメータを基にプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルに入力され、特定の条件にマッチする名称を生成するために用いられる。生成系AIモデルは、このプロンプト文をデータ加工・演算の基にして、一連の名称案を出力する。例えば、プロンプト文が「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」とする場合、AIモデルはこの条件に適した複数の名称を生成する。
【0551】
ステップ3:商標登記可能性と商標侵害の確認
【0552】
生成された名称に対して、サーバは商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するため、関連APIに問い合わせを行う。このプロセスでは、商標登記データベースを参照するAPIと、商標法規制情報を検索するAPIが使用される。各名称について、これらのAPIから得られた情報は、名称の登記可能性と商標侵害リスクを評価するためにデータ加工・演算され、結果がサーバに返される。
【0553】
ステップ4:結果のリスト化と提示
【0554】
サーバは、ステップ3で得られた情報を基に、各名称の登記可能性と商標侵害リスクをリスト化し整理する。この整理された情報は、端末を通じてユーザに提示される。提示される情報には、生成された名称ごとに登記可能性の高さや商標侵害リスクの有無が明示される。ユーザは、この情報を参考にして最終的な名称を選択する。このステップにより、ユーザは法的リスクを考慮しつつ、適切な名称を迅速に選定することが可能となる。
【0555】
(応用例1)
【0556】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0557】
仮想空間内で使用する商業施設や商品の名前を決定する際、創造性に富んだ名前を生成すると同時に、その名前が各国での商標登録が可能であり、商標侵害のリスクがないかを効率的に確認することは困難である。この課題を解決するために、名前生成の自動化と、生成された名前の法的な問題点を迅速に評価するシステムが必要である。
【0558】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0559】
この発明では、サーバは、業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて名前を生成する手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する手段と、評価結果をリスト化してユーザーに提供する手段と、を含む。これにより、ユーザーは効率的に創造性に富んだ名前を生成し、その法的な問題点を迅速に把握し、適切な名前の選定と登記申請が可能となる。
【0560】
「名前の生成を行う手段」とは、入力されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容等)に基づき、人工知能技術を用いて適切な名前を自動的に創出する機能である。
【0561】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、特定の名前が各国の法律や商標登録の規制に則って登記可能かどうかを判定するプロセスを実行する機能である。
【0562】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、創出された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかを、国別の商標データベースを参照して分析し判断する機能である。
【0563】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の登記可能性および商標侵害のリスクに関する確認結果を、一覧形式で整理し表示する機能である。
【0564】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザーが提出する必要がある登記申請に関する書類や情報を管理し、整理するプロセスを支援する機能である。
【0565】
「仮想空間内の商業施設や商品に適用される名前の提案を行う手段」とは、バーチャル環境内で使用される店舗や商品のための名前を生成し、提案する機能である。
【0566】
「業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて生成系AIを用いて行う」とは、指定された業種、目標とする顧客層、提供するサービスの特性などの情報を基に、人工知能が適切な命名案を自動生成するプロセスである。
【0567】
「関連APIの連携により行う」とは、外部のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を活用して、商標登録の可能性や商標侵害のリスクを評価する作業がオンライン上で自動的に実行されることである。
【0568】
この発明を実施するための形態は、名前生成と法的評価を組み合わせたシステムである。このシステムは、サーバベースのソフトウェアアプリケーションで構成され、ユーザーが端末を介してアクセスする。サーバには、生成系AIモデルと、外部APIへのアクセス機能が備わっている。具体的には、Python言語で記述されたプログラムが、生成系AIモデル(例えばGPT-3やその後継モデル)を利用して、ユーザーから提供されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて名前を生成する。生成された名前は、外部APIを通じて、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価するために使用される。
【0569】
ユーザーは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイなどの端末を通じて、サービスにアクセスし、必要なパラメータを入力する。サーバはこの入力を受け取り、名前の生成と評価を行い、結果をユーザーにフィードバックする。このプロセスを通じて、ユーザーはバーチャル空間内で使用する商業施設や商品の名前を効率的かつ安全に決定することができる。
【0570】
具体例としては、「カフェ」「若者」「環境に優しい」というパラメータを入力する場合、生成系AIモデルはこれらのパラメータに基づき「GreenSip Cafe」や「EcoBrew Corner」などの名前を提案する。その後、サーバは外部APIを用いてこれらの名前について、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価し、ユーザーに結果を提供する。このプロセスにより、ユーザーは名前選定の際のリスクを事前に理解し、適切な決定を下すことができる。
【0571】
【0572】
ステップ1:ユーザが端末を通じて業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータを入力する。この入力は、名前生成のための基礎データとしてサーバに送信される。端末から送信されたデータは、サーバによって受け取られ、次の処理のために一時的に保存される。
【0573】
ステップ2:サーバは、ステップ1で受け取ったパラメータを基に、生成系AIモデルを用いて名前を生成する。このプロセスでは、入力されたパラメータがAIモデルによって解析され、関連性の高い名前が創出される。生成された名前は、次のステップのためにサーバによって一時保存される。
【0574】
ステップ3:サーバは、生成された名前に対して、関連APIを通じて各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この評価プロセスでは、サーバが外部の商標データベースにアクセスし、生成された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを調査する。評価結果は、サーバによって収集され、整理される。
【0575】
ステップ4:サーバは、ステップ3で得られた評価結果をリスト化し、ユーザーに対して表示する。このステップでは、登記可能性および商標侵害のリスクに関する情報が、ユーザーにわかりやすい形で提供される。ユーザーは、この情報を基に、使用する名前を最終的に選定することができる。
【0576】
ステップ5:ユーザーが最終的に選定した名前に基づき、サーバは登記等の申請情報を整理し、ユーザーに提供する。このプロセスでは、選定された名前を使用しての登記申請に必要な書類や情報が整理され、ユーザーがスムーズに申請作業を行えるよう支援される。
【0577】
これらのステップを経て、ユーザーはバーチャル空間内で使用する店舗や商品の名前を効率的かつ安全に選定し、必要な登記手続きを進めることが可能となる。各処理ステップでは、サーバと端末間のデータ交換、生成系AIモデルによるデータ加工、外部APIとの連携による情報収集と評価、そしてユーザーへの情報提供が行われる。
【0578】
(実施例2)
【0579】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0580】
新規コンテンツの名称を考案する際に、創造性に富んだ提案を行いつつ、国際的な商標登記の可能性と商標侵害のリスクを同時に評価することは、多大な時間と労力を要する課題である。特に、複数の市場での利用を考慮した場合、法的な制約を満たしつつ、魅力的な名称を速やかに特定することは困難である。
【0581】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0582】
この発明では、サーバは、コンテンツの属性に基づいて名称の生成を行う手段と、生成された名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段と、確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する手段と、ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する手段を含む。これにより、創造性に富んだ名称の迅速な提案と、その法的な適用性の同時評価が可能となる。
【0583】
「コンテンツの属性」とは、コンテンツが持つジャンル、ターゲット層、特徴など、そのコンテンツを定義するための基本的な要素である。
【0584】
「名称の生成」とは、入力されたコンテンツの属性に基づいて、新たなコンテンツに適した名前を創出するプロセスである。
【0585】
「国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認」とは、特定の名称が世界各国の商標登記において利用可能かどうか、および他の商標との類似性による侵害リスクが存在するかを調査する行為である。
【0586】
「確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する」とは、調査した登記可能性や商標侵害の有無の情報を分類し、この情報をユーザが視覚的に理解しやすい形で表示することである。
【0587】
「ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する」とは、ユーザによって選択された名称を用いて、必要な登記や申請に関連する情報を集約し、これらのプロセスを効率化・自動化することである。
【0588】
「生成系AIモデル」とは、人工知能技術を用いて、特定の入力情報から新しいデータやテキストを自動的に創出するシステムである。
【0589】
「API連携」とは、異なるソフトウェアやサービス間で機能を共有し、相互にデータを交換するためのプログラミングインターフェイスを通じた連携である。
【0590】
「外部データベースにアクセスするためのAPI」とは、インターネット上に存在する他の組織が管理するデータベースへプログラムから直接問い合わせを行うことを可能にするインターフェイスである。
【0591】
この発明の実施形態において、システムは、名称を生成し、その国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認し、最終的にユーザに情報を提示するプロセスを含む。このプロセスは、主にサーバ上で実行されるソフトウェアと、ユーザの操作を受け付ける端末で構成される。
【0592】
サーバは、生成AIモデルを用いて、入力されたコンテンツの属性に基づく名称の生成を行う。この生成AIモデルとしては、例えばOpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)などのテキスト生成モデルが用いられる。生成された名称に関しては、外部データベースへのAPI連携を通じて、国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認が行われる。このAPI連携により、サーバは世界各国の商標データベースにアクセスし、提案された名称が既存の商標と競合しないかどうかを確認する。
【0593】
端末は、ユーザからの入力を受け付け、サーバへ送信する役割を担う。ユーザは端末を通じて、コンテンツのジャンル、ターゲット層、コンテンツの特徴などの属性を指定する。例えば、ユーザが「ジャンル: RPG、ターゲット層: 大人、特徴: ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイ」という属性を入力した場合、これらの情報はプロンプト文として整形され、サーバ上の生成AIモデルに送信される。
【0594】
サーバからの応答として、生成された名称とその法的評価結果は端末を通じてユーザに提示される。ユーザはこれらの情報を基に、最適な名称を選択し、その名称での登記や商標申請などの次の手続きに進むことができる。このプロセスを通じて、ユーザは効率的に、かつ法的なリスクを把握した上で、新規コンテンツの名称を決定することが可能となる。
【0595】
【0596】
ステップ1:ユーザは端末を使用して、コンテンツの属性(ジャンル、ターゲット層、特徴など)を入力する。この入力は、生成AIモデルが処理するための基礎データとなる。端末は、この入力データを受け取り、それを基にプロンプト文を作成する。
【0597】
ステップ2:端末は作成したプロンプト文をサーバに送信する。サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成AIモデルを使用して名称を生成する。入力されたプロンプト文から、サーバはコンテンツに適した名称を出力する。
【0598】
ステップ3:サーバは生成された名称を外部データベースに問い合わせることで、その名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この段階で、サーバは生成された名称を入力とし、外部データベースから得られる検索結果を出力とする。
【0599】
ステップ4:外部データベースからの検索結果を受け取ったサーバは、その情報をリスト化し、端末に送信する。このリストには、名称の登記可能性と商標侵害のリスクが含まれる。サーバは検索結果を処理し、整理された情報を端末に送信する。
【0600】
ステップ5:端末はサーバから受け取ったリストをユーザに提示する。ユーザは提示されたリストから、最も適切と思われる名称を選択する。端末は、ユーザの選択を受け取り、その情報をサーバに送信する。
【0601】
ステップ6:サーバはユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、ユーザに対して登記プロセスの自動化を行う。この段階では、サーバは選択された名称と必要な申請情報を処理し、ユーザに対して次のステップを案内する。
【0602】
これらのステップを通じて、システムはユーザが新規コンテンツの名称を効率的かつ効果的に決定し、その登記及び商標権の確認を自動化することを可能にする。
【0603】
(応用例2)
【0604】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0605】
オンライン市場での新規商品やブランドの立ち上げにおいて、適切な商品名及びブランド名を創出することは、その成功に直結する重要な要素である。しかし、創造的かつ魅力的な商品名やブランド名の考案は容易ではなく、さらにはその名前がオンラインで十分な検索可能性を持ち、SNSでの話題性を確保できるか、そして商標登録が可能であるかという点を総合的に評価する必要がある。これらの要件を満たす名前を効率的に生成し評価することは、特に中小規模の事業者にとって大きな課題である。
【0606】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0607】
この発明では、サーバは、商品名及びブランド名の生成を行う手段と、生成された商品名及びブランド名のオンラインでの検索可能性を確認する手段と、生成された商品名及びブランド名がSNSでの話題性を有するかを評価する手段と、生成された商品名及びブランド名の商標登録の可能性を確認する手段と、を含む。これにより、事業者は創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を効率的に生成し、その名前がオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を総合的に評価することが可能となる。このシステムによって、事業者は新規商品やブランドの市場導入時のリスクを低減し、成功の可能性を高めることができる。
【0608】
「商品名及びブランド名の生成を行う手段」とは、ユーザーが指定した商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴に基づいて、適切な商品名やブランド名を自動で考案する機能である。
【0609】
「オンラインでの検索可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名がインターネット上で容易に検索され得るかどうかを評価する機能である。
【0610】
「SNSでの話題性を有するかを評価する手段」とは、生成された商品名やブランド名がソーシャルネットワーキングサービス上でユーザーによって議論されやすいかどうかを判断する機能である。
【0611】
「商標登録の可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名が商標として登録可能かどうか、つまり他の商標との重複や類似がないかを調査する機能である。
【0612】
「関連APIの連携により行うこと」とは、外部のデータベースやサービスと連携し、自動的に情報収集や処理を行うために使用されるプログラミングインターフェースのことである。
【0613】
この発明を実施するための形態は、オンライン市場における商品名及びブランド名の生成と評価の自動化システムに関するものである。サーバは、生成系AIモデルを用いて商品名及びブランド名を生成するプログラムを実行する。このプログラムは、商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴といったユーザからの入力情報に基づいてプロンプト文を生成し、このプロンプト文を生成系AIモデルに送信する。生成系AIモデルは、送信されたプロンプト文をもとに、創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を提案する。
【0614】
生成された商品名及びブランド名に対して、サーバは更に、そのオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を評価するプログラムを実行する。この評価は、関連APIを通じて自動化されており、オンラインのデータベースや商標登録のデータベースにアクセスし、生成された名前のユニークネスや利用可能性を確認する。
【0615】
このシステムは、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語で開発され、TensorFlowやPyTorch、NLTKといった自然言語処理を行うためのライブラリを活用する。これらの技術を用いることで、サーバは複雑なテキスト分析とデータ処理を行い、ユーザにとって有益な情報を提供する。
【0616】
具体例として、「エコフレンドリーな素材を使用した若者向けファッションTシャツのブランド名」というプロンプト文が、商品のカテゴリー「ファッション」、ターゲット層「若者向け」、商品の特徴「エコフレンドリーな素材を使用」を反映したものとして生成される。生成系AIモデルは、このプロンプトに基づいて複数のブランド名を提案し、これらの名前についてオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性が自動で評価される。このプロセスを通じて、事業者は効率的に魅力的な商品名及びブランド名を選定し、市場導入の準備を進めることができる。
【0617】
【0618】
ステップ1:ユーザが商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴を入力する。この入力は、商品名及びブランド名の生成を行う基礎データとしてサーバに送信される。
【0619】
ステップ2:サーバは、入力された商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴からプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルによる商品名及びブランド名の生成のための指示となる。
【0620】
ステップ3:生成系AIモデルは、受け取ったプロンプト文に基づき、商品名及びブランド名を生成する。この過程で、AIモデルはテキスト生成技術を用いて、複数の候補を提案する。
【0621】
ステップ4:サーバは、生成された商品名及びブランド名に対して、オンラインでの検索可能性を確認する。この処理では、インターネット上の既存の検索エンジン結果を分析して、生成された名前のユニーク性を評価する。
【0622】
ステップ5:同時に、サーバは生成された商品名及びブランド名のSNSでの話題性を評価する。この評価は、ソーシャルメディアのトレンドやハッシュタグの分析に基づいて行われる。
【0623】
ステップ6:さらに、サーバは商標登録の可能性を確認する。これは、国内外の商標データベースを照会し、生成された名前が既存の商標と競合しないかを調べることで実現される。
【0624】
ステップ7:サーバは、オンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性の評価結果をユーザに対して報告する。この報告には、生成された商品名及びブランド名の推奨度や、潜在的な問題点が含まれる。
【0625】
このプロセスを通じて、ユーザは創造的かつ実用的な商品名及びブランド名を効率的に得ることができ、オンライン市場での成功の可能性を高めることができる。
【0626】
なお、更に、ユーザの感情を推定する感情エンジンを組み合わせてもよい。すなわち、特定処理部290は、感情特定モデル59を用いてユーザの感情を推定し、ユーザの感情を用いた特定処理を行うようにしてもよい。
【0627】
「形態例1」
【0628】
本発明は、名前の生成、各国での登記可能性の確認、商標侵害の確認、確認結果のリスト化、登記等の申請情報の整理を行うシステムに、ユーザの感情を認識する感情エンジンを組み合わせたものである。具体的には、感情エンジンはユーザの感情を認識し、その感情に基づいて名前の生成を行う。例えば、ユーザが喜びの感情を示している場合、その感情に合致するポジティブな印象を与える名前を生成する。また、感情エンジンは、ユーザの感情に基づいて生成された名前の各国での登記可能性及び商標侵害の確認を行う。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0629】
「形態例2」
【0630】
具体例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を挙げる。ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識し、高揚感を表現するような名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価され、同様に、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0631】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0632】
「形態例1」
【0633】
ステップ1:ユーザの感情を感情エンジンが認識する。
【0634】
ステップ2:感情エンジンが認識した感情に基づいて、名前の生成を行う。
【0635】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0636】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0637】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0638】
「形態例2」
【0639】
ステップ1:ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識する。
【0640】
ステップ2:感情エンジンは認識した高揚感に基づいて、高揚感を表現するような名前を生成する。
【0641】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0642】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0643】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0644】
(実施例1)
【0645】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0646】
現代のビジネス環境において、新しい製品やサービスに適切な名前を付けることは極めて重要である。名前は、その製品やサービスの第一印象を形成し、消費者の記憶に残る要素となる。しかし、文化的背景や言語の違いを考慮に入れつつ、各国での登記可能性や商標侵害のリスクがない名前を見つけ出すことは非常に困難である。加えて、製品やサービスを市場に投入する企業や個人の感情や価値観を反映させた名前を生成する手法は、従来の技術では提供されていない。
【0647】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0648】
この発明では、サーバは、ユーザの感情データを収集する手段と、収集した感情データを分析する手段と、分析結果とユーザが提供した特定のパラメータを組み合わせて名前を生成する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や価値観を反映した、各国での登記可能性があり、かつ商標侵害のリスクがない名前の生成が可能となる。また、関連APIの連携によって、名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を迅速に確認できるため、ビジネス環境における新製品やサービスの名前決定プロセスの効率化と精度の向上が期待できる。
【0649】
「ユーザの感情データ」とは、ユーザの表情、声のトーン、身体言語などから収集される感情の状態に関する情報である。
【0650】
「収集した感情データを分析する手段」とは、収集された感情データを処理し、ユーザの現在の感情状態を特定するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0651】
「特定のパラメータ」とは、名前の生成にあたってユーザから提供される業界、ターゲット層、サービス内容などの具体的な情報である。
【0652】
「名前を生成する手段」とは、収集された感情データとユーザから提供された特定のパラメータを基に、適切な名前を創出するプロセスまたはアルゴリズムを指す。
【0653】
「各国での登記可能性を確認する手段」とは、生成された名前が特定の国で法的に登録可能かどうかを調査するプロセスやサービスを指す。
【0654】
「商標侵害にならないかを確認する手段」とは、生成された名前が特定の国において既存の商標権を侵害していないかを検証するプロセスやサービスを指す。
【0655】
「確認結果をリスト化する手段」とは、名前の各国での登記可能性や商標侵害の有無に関する確認結果を、整理し一覧表として表示するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0656】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名前の登記や商標申請に必要な情報を体系的に整理し、手続きを容易にするプロセスやシステムを指す。
【0657】
この発明を実施するための形態において、端末とサーバは、ユーザからの感情データの収集、そのデータの分析、名前の生成、及び生成された名前の法的な確認を行うために協働する。端末は、ユーザの感情データを収集する装置であり、カメラやマイクを通じてユーザの表情や声を記録し、それらを分析可能な形式でサーバに送信する。このプロセスには、表情認識ソフトウェア(例えば、OpenCV)や音声分析ライブラリ(例えば、WebRTC)が用いられる。
【0658】
サーバ側では、受け取った感情データを分析するために、ニューラルネットワークモデル(例えば、TensorFlowを用いたモデル)が用いられる。このモデルは、ユーザの感情状態を特定し、その結果を名前生成のプロセスにフィードバックする。名前の生成には、生成AIモデル(例えば、GPT系モデル)が用いられ、ユーザの感情と特定のパラメータを反映したプロンプト文(例えば、「喜びという感情を表す、健康食品業界向けの若年層ターゲットのサービス名を生成せよ」)に基づき名前を創出する。
【0659】
生成された名前の法的な確認には、商標登録データベースへのアクセスを提供する関連APIが用いられる。これにより、サーバは生成された名前が各国での登記可能性があり、商標侵害のリスクがないかを確認し、その結果をリスト化してユーザに報告する。
【0660】
この形態により、ユーザの感情を反映した名前の生成とその法的な確認が一連のプロセスで自動的に行われ、製品やサービスの名前決定における効率性と満足度を大幅に向上させることができる。
【0661】
【0662】
ステップ1:ユーザの感情データの収集
【0663】
端末は、ユーザの表情や声をカメラとマイクを用いて収集する。この収集プロセスでは、表情認識ソフトウェアと音声分析ライブラリを使用し、ユーザの感情を示唆するデータを収集する。収集されたデータ(入力)は、感情分析のためにサーバに送信される(出力)。
【0664】
ステップ2:感情データの分析
【0665】
サーバは、受信した感情データをニューラルネットワークモデルを用いて分析し、ユーザの感情状態を特定する。入力された感情データから、モデルは特徴を抽出し、それに基づいて感情を識別する(出力)。この出力は、名前生成のプロセスに利用される。
【0666】
ステップ3:名前の生成
【0667】
サーバ上の生成AIモデルは、特定された感情状態とユーザから提供された特定のパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容)を組み合わせたプロンプト文を用いて、適切な名前を生成する。このステップでは、入力として感情状態とパラメータが与えられ、生成AIモデルがこれらを加工して新しい名前(出力)を生成する。
【0668】
ステップ4:登記可能性と商標侵害の確認
【0669】
生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて、その名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する。このプロセスでは、入力として生成された名前が使用され、APIからの応答として登記可能性と商標侵害の情報が得られる(出力)。
【0670】
ステップ5:確認結果のリスト化と報告
【0671】
最後に、サーバは登記可能性と商標侵害の確認結果をリスト化し、この情報を整理してユーザに報告する。このステップでは、入力として確認結果のデータが使用され、整理された情報リストが出力される。このリストは、ユーザが最終的な名前の選択を行うための参考情報として端末を介して提供される。
【0672】
(応用例1)
【0673】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0674】
従来の名前生成システムでは、ユーザーの感情や感性を十分に反映させた名前の生成が難しいという課題があります。さらに、生成された名前が各国で登記可能であるか、また商標侵害にならないかの確認作業は複雑で、多大な時間と労力を要求されます。これらの課題は、特に国際的なバーチャル空間で活動を展開する事業者にとって、事業のスピードと効率性を低下させる要因となっています。
【0675】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0676】
この発明では、サーバは、ユーザーの感情を読み取る手段と、読み取った感情に基づいて感情に合致する印象を与える名前の生成を行う生成系AIを用いる手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する関連APIの連携による手段と、を含む。これにより、ユーザーの感情や感性を反映した名前の迅速な生成と、その名前の国際的な使用におけるリスクの低減が可能となる。
【0677】
「名前の生成を行う手段」とは、特定のパラメータやユーザーの感情データに基づいて、適切な名称や呼称を自動で考案し出力する機能。
【0678】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が、異なる国々の法律や登記システムにおいて使用可能かどうかを判定するプロセス。
【0679】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が、各国の商標法に違反しないかどうかを検証する機能。
【0680】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の生成及びその後の登記可能性と商標侵害確認の結果を整理し、視覚的にわかりやすい一覧表へとまとめ上げる操作。
【0681】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名称の使用に関する公式な登録や申請を行う際に必要な情報を体系的に整え、管理するプロセス。
【0682】
「ユーザーの感情を読み取る手段」とは、ユーザーの表情、声のトーン、またはその他の感情表現からユーザーの現在の感情状態を識別し解析する技術。
【0683】
「読み取った感情に基づいて名前の生成を行う手段」とは、ユーザーから得られた感情データを入力として使用し、その感情に適合または応答する名称を創出する機能。
【0684】
この発明の実施形態においては、サーバ上に構築されたシステムが中心となる。このシステムは、生成系AIモデル、感情読み取り機能、API連携機能を組み合わせて構成されている。サーバは、Python言語で開発されたプログラムを実行し、TensorFlowやPyTorchのような機械学習ライブラリを使用して生成系AIモデルを実装している。また、感情読み取り機能には、顔認識技術や音声分析技術を用いることで、端末を通じてユーザの感情状態を把握する。
【0685】
ユーザは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイのような端末を介してシステムにアクセスする。端末は、ユーザからの入力情報(業界、ターゲット層、サービス内容など)をサーバに送信すると同時に、カメラやマイクを通じてユーザの感情を捉え、そのデータもサーバに送信する。サーバはこれらのデータを基に、生成系AIモデルを用いて感情に適合する名前を生成する。その後、生成された名前に関する各国の登記可能性と商標侵害の確認は、サーバが関連APIと連携して行う。
【0686】
具体的な使用例として、「業界:ゲーム、ターゲット層:若年層、サービス内容:VR体験ゲーム、感情:喜び」というプロンプト文がユーザによって入力され、端末を通じてサーバに送信される。サーバはこのプロンプト文とユーザの感情データを用いて、「JoyVR Arcade」というような名前を生成し、この名前の商標登録の可否と商標侵害の有無を確認する。これにより、ユーザは自らの感情を反映させた、かつ法的なリスクが低い名前を短時間で得ることができる。
【0687】
【0688】
ステップ1:ユーザが端末を通じて、業界、ターゲット層、サービス内容などの入力情報と、端末のカメラやマイクを使用して捉えたユーザの感情データをサーバに送信する。このステップでは、入力情報と感情データがサーバに送られ、これが処理の基盤となる。
【0689】
ステップ2:サーバは受信した業界、ターゲット層、サービス内容の情報と感情データを基に、生成系AIモデルを用いて適切な名前を生成する。このプロセスにおいて、サーバは入力情報を解析し、それに応じた名前を出力する。生成系AIモデルは、入力されたパラメータと感情データをもとに、関連性の高い名前を創造するアルゴリズムを実行する。
【0690】
ステップ3:生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。このステップでは、サーバはAPIに生成された名前を送信し、APIからの応答として得られる登記可能性と商標侵害の確認結果を受け取る。サーバはこれらの結果を解析し、最終的な確認結果をリスト化する。
【0691】
ステップ4:サーバは確認結果のリストを整理し、これをユーザの端末に送信する。ユーザは端末を通じてこのリストを閲覧できるようになり、生成された名前の利用可能性と法的リスクを確認できる。この最終ステップにおいて、ユーザは生成された名前とそれに関する各国での登記可能性及び商標侵害の有無の情報を入手する。
【0692】
(実施例2)
【0693】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0694】
従来のシステムでは、ゲームアプリやその他のソフトウェア製品の名称を考案する過程で、創造性と合法性を両立させることが困難であった。特に、ユーザの感情や意向を反映した名称を生成し、その名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を避けることができるかを迅速に評価するシステムは存在しなかった。これにより、製品の命名プロセスにおいて多大な時間とリソースが費やされることが課題となっていた。
【0695】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0696】
この発明では、サーバは、ユーザから提供されたゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、およびユーザの感情状態に基づいて名称を生成する手段と、生成された名称の国際的な登記可能性を確認し、商標侵害のリスクを評価する手段と、上記確認結果をリスト化してユーザに提供する手段と、を含む。これにより、創造性を発揮しつつも、合法的な制約を考慮した名称の迅速な生成と評価が可能となる。
【0697】
「名称の生成を行う手段」とは、ユーザが提供したパラメータ(例えば、ゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を基に、適切かつ独創的な名称を自動的に創出する機能である。
【0698】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、ある名称が各国の商標登録システムにおいて登録可能かどうかを自動で検証する機能である。
【0699】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを、国際的な商標データベースを参照して自動で評価する機能である。
【0700】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名称の登記可能性および商標侵害リスクの評価結果を明確かつ整理された形式でユーザに提示する機能である。
【0701】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザが提案された名称に基づき、商標登録やその他の申請を行う際に必要な情報を整理し、手続きを容易にする機能である。
【0702】
この発明を実施するための形態では、ゲームアプリの名称を生成し、その登記可能性と商標侵害のリスクを評価するシステムが構成される。このシステムは、主にサーバ、端末、およびこれらを連携させるソフトウェアから構成される。
【0703】
サーバは、生成AIモデルを用いた名称生成機能と、商標検索APIを介して行われる登記可能性及び商標侵害評価機能を実装している。使用される生成AIモデルは、例えばOpenAIのGPTシリーズのような最先端の自然言語処理技術を活用し、入力されたパラメータに基づいて創造的な名称を生成する。商標検索は、USPTOのTESSや欧州連合知的財産局(EUIPO)のeSearchなどの公的なデータベースにアクセスするAPIを通じて行われる。
【0704】
端末は、ユーザがゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を入力し、これらの情報をプロンプト文としてサーバに送信する役割を担う。端末はまた、サーバから送信される生成された名称およびその評価結果を表示し、ユーザが最終的な選択を行えるようにする。
【0705】
具体例として、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が端末に入力される。この情報はサーバに送信され、生成AIモデルにより「FantasyQuest Online」という名称が提案される。その後、商標検索APIを通じてこの名称の登記可能性と商標侵害のリスクが評価され、結果が端末にリストとして返送される。
【0706】
この形態により、ユーザは自分のゲームアプリに適した名称を効率的に、かつ法的なリスクを避けながら選択することが可能となる。
【0707】
【0708】
ステップ1:ユーザの入力受付
【0709】
ユーザは、開発中のゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を端末に入力する。この情報はプロンプト文として整形され、サーバに送信される準備が整う。入力されたデータは、具体的な命名生成の指示として加工される。例えば、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が生成される。
【0710】
ステップ2:名称の生成
【0711】
サーバは、受け取ったプロンプト文を基に、生成AIモデルによる名称生成を開始する。このモデルは入力されたゲームアプリの情報を分析し、それに適合する創造的な名称を生成する。生成AIモデルは、プロンプト文から「FantasyQuest Online」のような名称を出力する。
【0712】
ステップ3:商標検索と評価
【0713】
生成された名称に対して、サーバは商標検索APIを利用して、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この過程では、名称が公的な商標データベースに照会され、既存の商標との競合を確認する。この操作の結果、名称の法的なリスク評価が出力される。
【0714】
ステップ4:結果のリスト化と送信
【0715】
サーバは、商標検索と評価の結果をリスト化し、そのリストを端末に送信する。このリストには、生成された名称の登記可能性と商標侵害のリスクに関する情報が含まれている。端末はこの情報を受け取り、ユーザに表示する。
【0716】
ステップ5:ユーザによる最終選択
【0717】
ユーザは、端末に表示された情報を参照して、最適なゲームアプリの名称を選択する。この選択プロセスでは、創造性と法的な安全性のバランスを考慮しながら、最終的な命名が行われる。
【0718】
(応用例2)
【0719】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ヘッドセット型端末314を「端末」と称する。
【0720】
従来の名称生成システムでは、単にランダムまたは既存のデータベースに基づいて名称を生成することは可能であるが、ユーザの感情やゲーム開発の具体的な要求(例えば、ジャンル、ターゲット層、特徴)を踏まえた上で、法的リスクを考慮した名称を効率的に提案することが難しい問題がある。また、生成された名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を起こさないかの確認作業は手間がかかり、そのプロセスを効率化する必要がある。
【0721】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0722】
この発明では、サーバは、ユーザからの入力情報に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段と、これらの情報を基に生成系AIを用いて名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性及び商標侵害の有無を自動で確認する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や要求を反映した名称の提案及びその法的リスクの自動評価が可能となる。
【0723】
「名称の生成を行う手段」とは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴及びユーザの感情などのパラメータに基づいて、新しいゲームの名称を提案する機能である。
【0724】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が各国の法律に則って商標登録が可能かどうかを自動で調査し評価する機能である。
【0725】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と競合しないか、各国の商標データベースを用いて自動で検証する機能である。
【0726】
「確認結果をリスト化する手段」とは、前述の登記可能性および商標侵害の確認結果を一覧表として整理し、ユーザに提供する機能である。
【0727】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、提案された名称に関する商標登録やその他の申請に必要な情報を整理し、効率的に申請プロセスを進めることができる機能である。
【0728】
「ユーザの入力に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段」とは、開発中のゲームに関する具体的な情報と、ゲーム開発者やユーザの感情を入力として受け取り、これらの情報を理解し分析する機能である。
【0729】
「これらの情報を基に名称を生成する手段」とは、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、および感情データを組み合わせて、これらに適合する新しいゲーム名称を創出するプロセスを実行する機能である。
【0730】
この発明を実施するための形態には、端末(例えばスマートフォンやタブレット)、サーバ、生成系AIモデル(例えばOpenAIのGPT)、及び商標データベースAPIが含まれる。端末は、ユーザからゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの入力を受け取り、この情報をサーバに送信する役割を持つ。サーバは、受け取った情報を基に生成系AIモデルを用いて適切なゲーム名称を生成する。この過程では、入力された情報をプロンプトとしてAIに提供し、AIはこれを基に名称を創出する。生成された名称は、さらにサーバによって商標データベースAPIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無が確認される。確認結果はサーバによってリスト化され、端末を通じてユーザに提示される。ユーザは提供された情報を基に最適な名称を選択し、この選択は再びサーバに送信される。最終的にサーバは選択された名称に関する申請情報を整理し、ユーザが商標登録等の手続きをスムーズに進められるように支援する。
【0731】
具体例として、ユーザが開発するゲームのジャンルを「RPG」、ターゲット層を「大人」、特徴を「ファンタジー、マルチプレイ」、感情を「冒険心」と入力した場合、これらの情報は端末からサーバに送信される。サーバはこの情報を生成系AIモデルに提供し、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、感情:冒険心」というプロンプトに基づき名称を生成する。この発明により、ユーザは自身の意向を反映したゲーム名称を効率的に創出し、法的リスクも同時に評価できるようになる。
【0732】
【0733】
ステップ1:ユーザが端末を使用して、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの情報を入力する。この入力情報はサーバに送信される。このステップでは、ユーザの意向と開発したいゲームの具体的な要件がデータ化され、サーバへの入力として機能する。
【0734】
ステップ2:サーバは、受け取った情報を基に、生成系AIモデルを用いて名称を生成する。このプロセスでは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情を考慮し、これらのパラメータに最適な名称が算出される。生成された名称は、その後のプロセスの入力として利用される。
【0735】
ステップ3:サーバは、生成された名称に対して各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この確認作業は、関連APIを通じて行われ、各国の商標データベースにアクセスして、名称が登記可能かつ商標侵害に該当しないかを検証する。このステップの出力は、登記可能性及び商標侵害の確認結果である。
【0736】
ステップ4:確認結果はリスト化され、サーバから端末へ送信される。ユーザはこのリストを通じて、生成された名称の法的リスクを評価することができる。このリスト化された確認結果には、各名称に対する登記可能性及び商標侵害の有無の情報が含まれる。
【0737】
ステップ5:ユーザが最終的に名称を選択した後、サーバは登記等の申請情報を整理する。このステップでは、選択された名称に関連する商標登録やその他の申請プロセスに必要な情報が整理され、ユーザがこれらの申請を効率的に進められるように支援する。
【0738】
これらの処理ステップを通じて、ユーザは自らの感情やゲーム開発の要件を反映した名称を効率的に生成し、その法的リスクを評価した上で、適切な名称の選択と申請を行うことができる。
【0739】
特定処理部290は、特定処理の結果をヘッドセット型端末314に送信する。ヘッドセット型端末314では、制御部46Aが、スピーカ240及びディスプレイ343に対して特定処理の結果を出力させる。マイクロフォン238は、特定処理の結果に対するユーザ入力を示す音声を取得する。制御部46Aは、マイクロフォン238によって取得されたユーザ入力を示す音声データをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12では、特定処理部290が音声データを取得する。
【0740】
データ生成モデル58は、いわゆる生成AI(Artificial Intelligence)である。データ生成モデル58の一例としては、ChatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)等の生成AIが挙げられる。データ生成モデル58は、ニューラルネットワークに対して深層学習を行わせることによって得られる。データ生成モデル58には、指示を含むプロンプトが入力され、かつ、音声を示す音声データ、テキストを示すテキストデータ、及び画像を示す画像データ等の推論用データが入力される。データ生成モデル58は、入力された推論用データをプロンプトにより示される指示に従って推論し、推論結果を音声データ及びテキストデータ等のデータ形式で出力する。ここで、推論とは、例えば、分析、分類、予測、及び/又は要約等を指す。
【0741】
生成AIの他の例としては、Gemini(インターネット検索<URL: https://gemini.google.com/?hl=ja>)が挙げられる。
【0742】
上記実施形態では、データ処理装置12によって特定処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、ヘッドセット型端末314によって特定処理が行われるようにしてもよい。
【0743】
[第4実施形態]
【0744】
図7には、第4実施形態に係るデータ処理システム410の構成の一例が示されている。
【0745】
図7に示すように、データ処理システム410は、データ処理装置12及びロボット414を備えている。データ処理装置12の一例としては、サーバが挙げられる。
【0746】
データ処理装置12は、コンピュータ22、データベース24、及び通信I/F26を備えている。コンピュータ22は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。コンピュータ22は、プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32を備えている。プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32は、バス34に接続されている。また、データベース24及び通信I/F26も、バス34に接続されている。通信I/F26は、ネットワーク54に接続されている。ネットワーク54の一例としては、WAN(Wide Area Network)及び/又はLAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0747】
ロボット414は、コンピュータ36、マイクロフォン238、スピーカ240、カメラ42、通信I/F44、及び制御対象443を備えている。コンピュータ36は、プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50を備えている。プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50は、バス52に接続されている。また、マイクロフォン238、スピーカ240、カメラ42、及び制御対象443も、バス52に接続されている。
【0748】
マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を受け付けることで、ユーザ20から指示等を受け付ける。マイクロフォン238は、ユーザ20が発する音声を捕捉し、捕捉した音声を音声データに変換してプロセッサ46に出力する。スピーカ240は、プロセッサ46からの指示に従って音声を出力する。
【0749】
カメラ42は、レンズ、絞り、及びシャッタ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子とが搭載された小型デジタルカメラであり、ユーザ20の周囲(例えば、一般的な健常者の視界の広さに相当する画角で規定された撮像範囲)を撮像する。
【0750】
通信I/F44は、ネットワーク54に接続されている。通信I/F44及び26は、ネットワーク54を介してプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受を司る。通信I/F44及び26を用いたプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受はセキュアな状態で行われる。
【0751】
制御対象443は、表示装置、目部のLED、並びに、腕、手及び足等を駆動するモータ等を含む。ロボット414の姿勢や仕草は、腕、手及び足等のモータを制御することにより制御される。ロボット414の感情の一部は、これらのモータを制御することにより表現できる。また、ロボット414の目部のLEDの発光状態を制御することによっても、ロボット414の表情を表現できる。
【0752】
図8には、データ処理装置12及びロボット414の要部機能の一例が示されている。
図8に示すように、データ処理装置12では、プロセッサ28によって特定処理が行われる。ストレージ32には、特定処理プログラム56が格納されている。
【0753】
特定処理プログラム56は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。プロセッサ28は、ストレージ32から特定処理プログラム56を読み出し、読み出した特定処理プログラム56をRAM30上で実行する。特定処理は、プロセッサ28がRAM30上で実行する特定処理プログラム56に従って、特定処理部290として動作することによって実現される。
【0754】
ストレージ32には、データ生成モデル58及び感情特定モデル59が格納されている。データ生成モデル58及び感情特定モデル59は、特定処理部290によって用いられる。
【0755】
ロボット414では、プロセッサ46によって受付出力処理が行われる。ストレージ50には、受付出力プログラム60が格納されている。プロセッサ46は、ストレージ50から受付出力プログラム60を読み出し、読み出した受付出力プログラム60をRAM48上で実行する。受付出力処理は、プロセッサ46がRAM48上で実行する受付出力プログラム60に従って、制御部46Aとして動作することによって実現される。
【0756】
次に、データ処理装置12の特定処理部290による特定処理について説明する。
【0757】
「形態例1」
【0758】
本発明のシステムは、名前の生成を行う手段として生成系AIを用いる。生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段と、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これらの手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0759】
「形態例2」
【0760】
具体的な例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を考える。生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性と商標侵害の確認を行う手段により評価され、確認結果はリスト化される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0761】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0762】
「形態例1」
【0763】
ステップ1:生成系AIは、特定のパラメータ(例えば、業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて、適切な名前を生成する。
【0764】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0765】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0766】
「形態例2」
【0767】
ステップ1:新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合、生成系AIは、ゲームのジャンル(例えば、RPG、パズル、アクションなど)、ターゲット層(例えば、子供、大人、男性、女性など)、ゲームの特徴(例えば、ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイなど)などのパラメータに基づいて、適切な名前を生成する。
【0768】
ステップ2:生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価される。この手段は、関連APIの連携により行われ、各国の商標法規制や登記情報にアクセスする。
【0769】
ステップ3:同様に、生成された名前は、商標侵害の確認を行う手段により評価される。ステップ4:確認結果はリスト化され、登記等の申請情報とともに整理される。これにより、企画・手続きの効率化が図られる。
【0770】
(実施例1)
【0771】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0772】
現代の商業環境では、製品やサービスの名称がブランド価値に直接影響を及ぼすため、適切な名称の選定は極めて重要である。しかしながら、国際的な市場を視野に入れた場合、異なる国での商標登記の可能性や商標侵害のリスクを効率的に評価することは困難である。従来の方法では、このような評価を行うためには膨大な時間と資源が必要とされ、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となっている。この問題を解決し、名称の生成から法的リスクの評価までを迅速かつ効率的に行う方法が求められている。
【0773】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0774】
この発明では、サーバは、特定の業界、ターゲット層、サービス内容を考慮したプロンプト文を生成系AIに入力して適切な名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを商標登記データベースと商標法規制情報を検索するAPIの連携により評価する手段と、上記評価結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する手段と、を含む。これにより、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮した名称を選定することが可能となる。
【0775】
「特定のパラメータ」は、名称生成の際に考慮される業界、ターゲット層、サービス内容といった条件である。
【0776】
「名称」は、製品、サービス、企業などを識別するために用いられる言葉や組み合わせである。
【0777】
「各国での登記可能性」は、ある名称が特定の国において商標として登録可能かどうかの状態である。
【0778】
「商標侵害」は、他者の商標権を不当に侵害する行為、特に無断で使用することによって生じる法的問題である。
【0779】
「リスト化する手段」は、情報を一覧表形式で整理し、可視化する方法である。
【0780】
「登記等の申請情報を整理する手段」は、名称の商標登記やその他の申請に関連する情報を体系的に整理し、管理する方法である。
【0781】
「生成系AI」は、入力されたデータや条件に基づき、新しい内容やアイデアを自動的に生み出す人工知能モデルである。
【0782】
「プロンプト文」は、生成系AIモデルに特定のタスクを指示するために用いられる指示文や質問文である。
【0783】
「商標登記データベースを参照するAPI」は、商標登録の有無や詳細情報を問い合わせるために外部システムにアクセスするインターフェースである。
【0784】
「商標法規制情報を検索するAPI」は、特定の国や地域の商標に関する法律や規制情報を検索するためのプログラミングインターフェースである。
【0785】
この発明を実施するための形態では、主にサーバ、端末、ユーザの三者が協働して作業を進める。サーバには、生成系AIモデル(例:TensorFlowやPyTorchを使用した機械学習モデル)が搭載されており、端末を介してユーザから提供される特定のパラメータ(例:業界、ターゲット層、サービス内容)に基づいてプロンプト文を生成し、適切な名称を提案する機能が備わっている。
【0786】
端末は、ユーザの入力を受け取るインターフェースとして機能し、入力されたパラメータをサーバに送信する。例えば、ユーザが「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」というプロンプト文を入力すると、この情報は端末からサーバへと送られる。
【0787】
サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成系AIモデルを用いて複数の名称案を生成する。生成された名称案は、さらに商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するために、商標登記データベースを参照するAPIと商標法規制情報を検索するAPIに問い合わせを行う。これらのAPIは、例えば、国際商標情報データベースや特定国の商標法規制情報にアクセスするために使用される。
【0788】
得られた情報はサーバによって整理され、端末を通じてユーザに表示される。この表示では、各名称案に対して、その登記可能性の高さや商標侵害のリスクが明示される。ユーザはこの情報を基に、最適な名称を選択することができる。
【0789】
この形態により、ユーザは迅速かつ効率的に法的リスクを考慮しながら、新しい製品やサービスの名称を決定することが可能となる。特に、国際的な市場を視野に入れた場合、このシステムは多大な利便性を提供し、名称選定プロセスの時間とコストを大幅に削減する。
【0790】
【0791】
ステップ1:ユーザからの入力受付
【0792】
ユーザは端末を介して、特定の業界、ターゲット層、サービス内容といったパラメータを入力する。この入力情報は、名称生成のためのプロンプト文の作成に使用される。端末は、ユーザからの入力を受け取り、これをサーバに送信する。この時、入力されたパラメータは、適切な名称を生成するための条件として機能する。
【0793】
ステップ2:プロンプト文の生成と名称の生成
【0794】
サーバはユーザから受け取ったパラメータを基にプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルに入力され、特定の条件にマッチする名称を生成するために用いられる。生成系AIモデルは、このプロンプト文をデータ加工・演算の基にして、一連の名称案を出力する。例えば、プロンプト文が「IT業界向け、ビジネスパーソンをターゲットとしたクラウドサービスの名前を生成せよ」とする場合、AIモデルはこの条件に適した複数の名称を生成する。
【0795】
ステップ3:商標登記可能性と商標侵害の確認
【0796】
生成された名称に対して、サーバは商標登記の可能性と商標侵害のリスクを評価するため、関連APIに問い合わせを行う。このプロセスでは、商標登記データベースを参照するAPIと、商標法規制情報を検索するAPIが使用される。各名称について、これらのAPIから得られた情報は、名称の登記可能性と商標侵害リスクを評価するためにデータ加工・演算され、結果がサーバに返される。
【0797】
ステップ4:結果のリスト化と提示
【0798】
サーバは、ステップ3で得られた情報を基に、各名称の登記可能性と商標侵害リスクをリスト化し整理する。この整理された情報は、端末を通じてユーザに提示される。提示される情報には、生成された名称ごとに登記可能性の高さや商標侵害リスクの有無が明示される。ユーザは、この情報を参考にして最終的な名称を選択する。このステップにより、ユーザは法的リスクを考慮しつつ、適切な名称を迅速に選定することが可能となる。
【0799】
(応用例1)
【0800】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0801】
仮想空間内で使用する商業施設や商品の名前を決定する際、創造性に富んだ名前を生成すると同時に、その名前が各国での商標登録が可能であり、商標侵害のリスクがないかを効率的に確認することは困難である。この課題を解決するために、名前生成の自動化と、生成された名前の法的な問題点を迅速に評価するシステムが必要である。
【0802】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0803】
この発明では、サーバは、業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて名前を生成する手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する手段と、評価結果をリスト化してユーザーに提供する手段と、を含む。これにより、ユーザーは効率的に創造性に富んだ名前を生成し、その法的な問題点を迅速に把握し、適切な名前の選定と登記申請が可能となる。
【0804】
「名前の生成を行う手段」とは、入力されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容等)に基づき、人工知能技術を用いて適切な名前を自動的に創出する機能である。
【0805】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、特定の名前が各国の法律や商標登録の規制に則って登記可能かどうかを判定するプロセスを実行する機能である。
【0806】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、創出された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかを、国別の商標データベースを参照して分析し判断する機能である。
【0807】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の登記可能性および商標侵害のリスクに関する確認結果を、一覧形式で整理し表示する機能である。
【0808】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザーが提出する必要がある登記申請に関する書類や情報を管理し、整理するプロセスを支援する機能である。
【0809】
「仮想空間内の商業施設や商品に適用される名前の提案を行う手段」とは、バーチャル環境内で使用される店舗や商品のための名前を生成し、提案する機能である。
【0810】
「業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて生成系AIを用いて行う」とは、指定された業種、目標とする顧客層、提供するサービスの特性などの情報を基に、人工知能が適切な命名案を自動生成するプロセスである。
【0811】
「関連APIの連携により行う」とは、外部のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を活用して、商標登録の可能性や商標侵害のリスクを評価する作業がオンライン上で自動的に実行されることである。
【0812】
この発明を実施するための形態は、名前生成と法的評価を組み合わせたシステムである。このシステムは、サーバベースのソフトウェアアプリケーションで構成され、ユーザーが端末を介してアクセスする。サーバには、生成系AIモデルと、外部APIへのアクセス機能が備わっている。具体的には、Python言語で記述されたプログラムが、生成系AIモデル(例えばGPT-3やその後継モデル)を利用して、ユーザーから提供されたパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容など)に基づいて名前を生成する。生成された名前は、外部APIを通じて、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価するために使用される。
【0813】
ユーザーは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイなどの端末を通じて、サービスにアクセスし、必要なパラメータを入力する。サーバはこの入力を受け取り、名前の生成と評価を行い、結果をユーザーにフィードバックする。このプロセスを通じて、ユーザーはバーチャル空間内で使用する商業施設や商品の名前を効率的かつ安全に決定することができる。
【0814】
具体例としては、「カフェ」「若者」「環境に優しい」というパラメータを入力する場合、生成系AIモデルはこれらのパラメータに基づき「GreenSip Cafe」や「EcoBrew Corner」などの名前を提案する。その後、サーバは外部APIを用いてこれらの名前について、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価し、ユーザーに結果を提供する。このプロセスにより、ユーザーは名前選定の際のリスクを事前に理解し、適切な決定を下すことができる。
【0815】
【0816】
ステップ1:ユーザが端末を通じて業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータを入力する。この入力は、名前生成のための基礎データとしてサーバに送信される。端末から送信されたデータは、サーバによって受け取られ、次の処理のために一時的に保存される。
【0817】
ステップ2:サーバは、ステップ1で受け取ったパラメータを基に、生成系AIモデルを用いて名前を生成する。このプロセスでは、入力されたパラメータがAIモデルによって解析され、関連性の高い名前が創出される。生成された名前は、次のステップのためにサーバによって一時保存される。
【0818】
ステップ3:サーバは、生成された名前に対して、関連APIを通じて各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この評価プロセスでは、サーバが外部の商標データベースにアクセスし、生成された名前が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを調査する。評価結果は、サーバによって収集され、整理される。
【0819】
ステップ4:サーバは、ステップ3で得られた評価結果をリスト化し、ユーザーに対して表示する。このステップでは、登記可能性および商標侵害のリスクに関する情報が、ユーザーにわかりやすい形で提供される。ユーザーは、この情報を基に、使用する名前を最終的に選定することができる。
【0820】
ステップ5:ユーザーが最終的に選定した名前に基づき、サーバは登記等の申請情報を整理し、ユーザーに提供する。このプロセスでは、選定された名前を使用しての登記申請に必要な書類や情報が整理され、ユーザーがスムーズに申請作業を行えるよう支援される。
【0821】
これらのステップを経て、ユーザーはバーチャル空間内で使用する店舗や商品の名前を効率的かつ安全に選定し、必要な登記手続きを進めることが可能となる。各処理ステップでは、サーバと端末間のデータ交換、生成系AIモデルによるデータ加工、外部APIとの連携による情報収集と評価、そしてユーザーへの情報提供が行われる。
【0822】
(実施例2)
【0823】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0824】
新規コンテンツの名称を考案する際に、創造性に富んだ提案を行いつつ、国際的な商標登記の可能性と商標侵害のリスクを同時に評価することは、多大な時間と労力を要する課題である。特に、複数の市場での利用を考慮した場合、法的な制約を満たしつつ、魅力的な名称を速やかに特定することは困難である。
【0825】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0826】
この発明では、サーバは、コンテンツの属性に基づいて名称の生成を行う手段と、生成された名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段と、確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する手段と、ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する手段を含む。これにより、創造性に富んだ名称の迅速な提案と、その法的な適用性の同時評価が可能となる。
【0827】
「コンテンツの属性」とは、コンテンツが持つジャンル、ターゲット層、特徴など、そのコンテンツを定義するための基本的な要素である。
【0828】
「名称の生成」とは、入力されたコンテンツの属性に基づいて、新たなコンテンツに適した名前を創出するプロセスである。
【0829】
「国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認」とは、特定の名称が世界各国の商標登記において利用可能かどうか、および他の商標との類似性による侵害リスクが存在するかを調査する行為である。
【0830】
「確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する」とは、調査した登記可能性や商標侵害の有無の情報を分類し、この情報をユーザが視覚的に理解しやすい形で表示することである。
【0831】
「ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する」とは、ユーザによって選択された名称を用いて、必要な登記や申請に関連する情報を集約し、これらのプロセスを効率化・自動化することである。
【0832】
「生成系AIモデル」とは、人工知能技術を用いて、特定の入力情報から新しいデータやテキストを自動的に創出するシステムである。
【0833】
「API連携」とは、異なるソフトウェアやサービス間で機能を共有し、相互にデータを交換するためのプログラミングインターフェイスを通じた連携である。
【0834】
「外部データベースにアクセスするためのAPI」とは、インターネット上に存在する他の組織が管理するデータベースへプログラムから直接問い合わせを行うことを可能にするインターフェイスである。
【0835】
この発明の実施形態において、システムは、名称を生成し、その国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認し、最終的にユーザに情報を提示するプロセスを含む。このプロセスは、主にサーバ上で実行されるソフトウェアと、ユーザの操作を受け付ける端末で構成される。
【0836】
サーバは、生成AIモデルを用いて、入力されたコンテンツの属性に基づく名称の生成を行う。この生成AIモデルとしては、例えばOpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)などのテキスト生成モデルが用いられる。生成された名称に関しては、外部データベースへのAPI連携を通じて、国際的な登記可能性及び商標侵害の有無の確認が行われる。このAPI連携により、サーバは世界各国の商標データベースにアクセスし、提案された名称が既存の商標と競合しないかどうかを確認する。
【0837】
端末は、ユーザからの入力を受け付け、サーバへ送信する役割を担う。ユーザは端末を通じて、コンテンツのジャンル、ターゲット層、コンテンツの特徴などの属性を指定する。例えば、ユーザが「ジャンル: RPG、ターゲット層: 大人、特徴: ファンタジー、リアルタイム、マルチプレイ」という属性を入力した場合、これらの情報はプロンプト文として整形され、サーバ上の生成AIモデルに送信される。
【0838】
サーバからの応答として、生成された名称とその法的評価結果は端末を通じてユーザに提示される。ユーザはこれらの情報を基に、最適な名称を選択し、その名称での登記や商標申請などの次の手続きに進むことができる。このプロセスを通じて、ユーザは効率的に、かつ法的なリスクを把握した上で、新規コンテンツの名称を決定することが可能となる。
【0839】
【0840】
ステップ1:ユーザは端末を使用して、コンテンツの属性(ジャンル、ターゲット層、特徴など)を入力する。この入力は、生成AIモデルが処理するための基礎データとなる。端末は、この入力データを受け取り、それを基にプロンプト文を作成する。
【0841】
ステップ2:端末は作成したプロンプト文をサーバに送信する。サーバはこのプロンプト文を受け取り、生成AIモデルを使用して名称を生成する。入力されたプロンプト文から、サーバはコンテンツに適した名称を出力する。
【0842】
ステップ3:サーバは生成された名称を外部データベースに問い合わせることで、その名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この段階で、サーバは生成された名称を入力とし、外部データベースから得られる検索結果を出力とする。
【0843】
ステップ4:外部データベースからの検索結果を受け取ったサーバは、その情報をリスト化し、端末に送信する。このリストには、名称の登記可能性と商標侵害のリスクが含まれる。サーバは検索結果を処理し、整理された情報を端末に送信する。
【0844】
ステップ5:端末はサーバから受け取ったリストをユーザに提示する。ユーザは提示されたリストから、最も適切と思われる名称を選択する。端末は、ユーザの選択を受け取り、その情報をサーバに送信する。
【0845】
ステップ6:サーバはユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、ユーザに対して登記プロセスの自動化を行う。この段階では、サーバは選択された名称と必要な申請情報を処理し、ユーザに対して次のステップを案内する。
【0846】
これらのステップを通じて、システムはユーザが新規コンテンツの名称を効率的かつ効果的に決定し、その登記及び商標権の確認を自動化することを可能にする。
【0847】
(応用例2)
【0848】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0849】
オンライン市場での新規商品やブランドの立ち上げにおいて、適切な商品名及びブランド名を創出することは、その成功に直結する重要な要素である。しかし、創造的かつ魅力的な商品名やブランド名の考案は容易ではなく、さらにはその名前がオンラインで十分な検索可能性を持ち、SNSでの話題性を確保できるか、そして商標登録が可能であるかという点を総合的に評価する必要がある。これらの要件を満たす名前を効率的に生成し評価することは、特に中小規模の事業者にとって大きな課題である。
【0850】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0851】
この発明では、サーバは、商品名及びブランド名の生成を行う手段と、生成された商品名及びブランド名のオンラインでの検索可能性を確認する手段と、生成された商品名及びブランド名がSNSでの話題性を有するかを評価する手段と、生成された商品名及びブランド名の商標登録の可能性を確認する手段と、を含む。これにより、事業者は創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を効率的に生成し、その名前がオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を総合的に評価することが可能となる。このシステムによって、事業者は新規商品やブランドの市場導入時のリスクを低減し、成功の可能性を高めることができる。
【0852】
「商品名及びブランド名の生成を行う手段」とは、ユーザーが指定した商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴に基づいて、適切な商品名やブランド名を自動で考案する機能である。
【0853】
「オンラインでの検索可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名がインターネット上で容易に検索され得るかどうかを評価する機能である。
【0854】
「SNSでの話題性を有するかを評価する手段」とは、生成された商品名やブランド名がソーシャルネットワーキングサービス上でユーザーによって議論されやすいかどうかを判断する機能である。
【0855】
「商標登録の可能性を確認する手段」とは、生成された商品名やブランド名が商標として登録可能かどうか、つまり他の商標との重複や類似がないかを調査する機能である。
【0856】
「関連APIの連携により行うこと」とは、外部のデータベースやサービスと連携し、自動的に情報収集や処理を行うために使用されるプログラミングインターフェースのことである。
【0857】
この発明を実施するための形態は、オンライン市場における商品名及びブランド名の生成と評価の自動化システムに関するものである。サーバは、生成系AIモデルを用いて商品名及びブランド名を生成するプログラムを実行する。このプログラムは、商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴といったユーザからの入力情報に基づいてプロンプト文を生成し、このプロンプト文を生成系AIモデルに送信する。生成系AIモデルは、送信されたプロンプト文をもとに、創造的かつ魅力的な商品名及びブランド名を提案する。
【0858】
生成された商品名及びブランド名に対して、サーバは更に、そのオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性を評価するプログラムを実行する。この評価は、関連APIを通じて自動化されており、オンラインのデータベースや商標登録のデータベースにアクセスし、生成された名前のユニークネスや利用可能性を確認する。
【0859】
このシステムは、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語で開発され、TensorFlowやPyTorch、NLTKといった自然言語処理を行うためのライブラリを活用する。これらの技術を用いることで、サーバは複雑なテキスト分析とデータ処理を行い、ユーザにとって有益な情報を提供する。
【0860】
具体例として、「エコフレンドリーな素材を使用した若者向けファッションTシャツのブランド名」というプロンプト文が、商品のカテゴリー「ファッション」、ターゲット層「若者向け」、商品の特徴「エコフレンドリーな素材を使用」を反映したものとして生成される。生成系AIモデルは、このプロンプトに基づいて複数のブランド名を提案し、これらの名前についてオンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性が自動で評価される。このプロセスを通じて、事業者は効率的に魅力的な商品名及びブランド名を選定し、市場導入の準備を進めることができる。
【0861】
【0862】
ステップ1:ユーザが商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴を入力する。この入力は、商品名及びブランド名の生成を行う基礎データとしてサーバに送信される。
【0863】
ステップ2:サーバは、入力された商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴からプロンプト文を生成する。このプロンプト文は、生成系AIモデルによる商品名及びブランド名の生成のための指示となる。
【0864】
ステップ3:生成系AIモデルは、受け取ったプロンプト文に基づき、商品名及びブランド名を生成する。この過程で、AIモデルはテキスト生成技術を用いて、複数の候補を提案する。
【0865】
ステップ4:サーバは、生成された商品名及びブランド名に対して、オンラインでの検索可能性を確認する。この処理では、インターネット上の既存の検索エンジン結果を分析して、生成された名前のユニーク性を評価する。
【0866】
ステップ5:同時に、サーバは生成された商品名及びブランド名のSNSでの話題性を評価する。この評価は、ソーシャルメディアのトレンドやハッシュタグの分析に基づいて行われる。
【0867】
ステップ6:さらに、サーバは商標登録の可能性を確認する。これは、国内外の商標データベースを照会し、生成された名前が既存の商標と競合しないかを調べることで実現される。
【0868】
ステップ7:サーバは、オンラインでの検索可能性、SNSでの話題性、及び商標登録の可能性の評価結果をユーザに対して報告する。この報告には、生成された商品名及びブランド名の推奨度や、潜在的な問題点が含まれる。
【0869】
このプロセスを通じて、ユーザは創造的かつ実用的な商品名及びブランド名を効率的に得ることができ、オンライン市場での成功の可能性を高めることができる。
【0870】
なお、更に、ユーザの感情を推定する感情エンジンを組み合わせてもよい。すなわち、特定処理部290は、感情特定モデル59を用いてユーザの感情を推定し、ユーザの感情を用いた特定処理を行うようにしてもよい。
【0871】
「形態例1」
【0872】
本発明は、名前の生成、各国での登記可能性の確認、商標侵害の確認、確認結果のリスト化、登記等の申請情報の整理を行うシステムに、ユーザの感情を認識する感情エンジンを組み合わせたものである。具体的には、感情エンジンはユーザの感情を認識し、その感情に基づいて名前の生成を行う。例えば、ユーザが喜びの感情を示している場合、その感情に合致するポジティブな印象を与える名前を生成する。また、感情エンジンは、ユーザの感情に基づいて生成された名前の各国での登記可能性及び商標侵害の確認を行う。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0873】
「形態例2」
【0874】
具体例として、新規に開発するゲームアプリの名前を考える場合を挙げる。ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識し、高揚感を表現するような名前を生成する。生成された名前は、各国での登記可能性を確認する手段により評価され、同様に、商標侵害の確認を行う手段により評価される。これにより、ユーザの感情を反映した名前の生成とその評価が可能となる。
【0875】
以下に、各形態例の処理の流れについて説明する。
【0876】
「形態例1」
【0877】
ステップ1:ユーザの感情を感情エンジンが認識する。
【0878】
ステップ2:感情エンジンが認識した感情に基づいて、名前の生成を行う。
【0879】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0880】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0881】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0882】
「形態例2」
【0883】
ステップ1:ユーザがゲーム開発に対して高揚感を示しているとき、感情エンジンはその感情を認識する。
【0884】
ステップ2:感情エンジンは認識した高揚感に基づいて、高揚感を表現するような名前を生成する。
【0885】
ステップ3:生成された名前の各国での登記可能性を確認する。
【0886】
ステップ4:生成された名前の商標侵害の確認を行う。
【0887】
ステップ5:確認結果をリスト化し、登記等の申請情報を整理する。
【0888】
(実施例1)
【0889】
次に、形態例1の実施例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0890】
現代のビジネス環境において、新しい製品やサービスに適切な名前を付けることは極めて重要である。名前は、その製品やサービスの第一印象を形成し、消費者の記憶に残る要素となる。しかし、文化的背景や言語の違いを考慮に入れつつ、各国での登記可能性や商標侵害のリスクがない名前を見つけ出すことは非常に困難である。加えて、製品やサービスを市場に投入する企業や個人の感情や価値観を反映させた名前を生成する手法は、従来の技術では提供されていない。
【0891】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0892】
この発明では、サーバは、ユーザの感情データを収集する手段と、収集した感情データを分析する手段と、分析結果とユーザが提供した特定のパラメータを組み合わせて名前を生成する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や価値観を反映した、各国での登記可能性があり、かつ商標侵害のリスクがない名前の生成が可能となる。また、関連APIの連携によって、名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を迅速に確認できるため、ビジネス環境における新製品やサービスの名前決定プロセスの効率化と精度の向上が期待できる。
【0893】
「ユーザの感情データ」とは、ユーザの表情、声のトーン、身体言語などから収集される感情の状態に関する情報である。
【0894】
「収集した感情データを分析する手段」とは、収集された感情データを処理し、ユーザの現在の感情状態を特定するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0895】
「特定のパラメータ」とは、名前の生成にあたってユーザから提供される業界、ターゲット層、サービス内容などの具体的な情報である。
【0896】
「名前を生成する手段」とは、収集された感情データとユーザから提供された特定のパラメータを基に、適切な名前を創出するプロセスまたはアルゴリズムを指す。
【0897】
「各国での登記可能性を確認する手段」とは、生成された名前が特定の国で法的に登録可能かどうかを調査するプロセスやサービスを指す。
【0898】
「商標侵害にならないかを確認する手段」とは、生成された名前が特定の国において既存の商標権を侵害していないかを検証するプロセスやサービスを指す。
【0899】
「確認結果をリスト化する手段」とは、名前の各国での登記可能性や商標侵害の有無に関する確認結果を、整理し一覧表として表示するプロセスやアルゴリズムを指す。
【0900】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名前の登記や商標申請に必要な情報を体系的に整理し、手続きを容易にするプロセスやシステムを指す。
【0901】
この発明を実施するための形態において、端末とサーバは、ユーザからの感情データの収集、そのデータの分析、名前の生成、及び生成された名前の法的な確認を行うために協働する。端末は、ユーザの感情データを収集する装置であり、カメラやマイクを通じてユーザの表情や声を記録し、それらを分析可能な形式でサーバに送信する。このプロセスには、表情認識ソフトウェア(例えば、OpenCV)や音声分析ライブラリ(例えば、WebRTC)が用いられる。
【0902】
サーバ側では、受け取った感情データを分析するために、ニューラルネットワークモデル(例えば、TensorFlowを用いたモデル)が用いられる。このモデルは、ユーザの感情状態を特定し、その結果を名前生成のプロセスにフィードバックする。名前の生成には、生成AIモデル(例えば、GPT系モデル)が用いられ、ユーザの感情と特定のパラメータを反映したプロンプト文(例えば、「喜びという感情を表す、健康食品業界向けの若年層ターゲットのサービス名を生成せよ」)に基づき名前を創出する。
【0903】
生成された名前の法的な確認には、商標登録データベースへのアクセスを提供する関連APIが用いられる。これにより、サーバは生成された名前が各国での登記可能性があり、商標侵害のリスクがないかを確認し、その結果をリスト化してユーザに報告する。
【0904】
この形態により、ユーザの感情を反映した名前の生成とその法的な確認が一連のプロセスで自動的に行われ、製品やサービスの名前決定における効率性と満足度を大幅に向上させることができる。
【0905】
【0906】
ステップ1:ユーザの感情データの収集
【0907】
端末は、ユーザの表情や声をカメラとマイクを用いて収集する。この収集プロセスでは、表情認識ソフトウェアと音声分析ライブラリを使用し、ユーザの感情を示唆するデータを収集する。収集されたデータ(入力)は、感情分析のためにサーバに送信される(出力)。
【0908】
ステップ2:感情データの分析
【0909】
サーバは、受信した感情データをニューラルネットワークモデルを用いて分析し、ユーザの感情状態を特定する。入力された感情データから、モデルは特徴を抽出し、それに基づいて感情を識別する(出力)。この出力は、名前生成のプロセスに利用される。
【0910】
ステップ3:名前の生成
【0911】
サーバ上の生成AIモデルは、特定された感情状態とユーザから提供された特定のパラメータ(業界、ターゲット層、サービス内容)を組み合わせたプロンプト文を用いて、適切な名前を生成する。このステップでは、入力として感情状態とパラメータが与えられ、生成AIモデルがこれらを加工して新しい名前(出力)を生成する。
【0912】
ステップ4:登記可能性と商標侵害の確認
【0913】
生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて、その名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する。このプロセスでは、入力として生成された名前が使用され、APIからの応答として登記可能性と商標侵害の情報が得られる(出力)。
【0914】
ステップ5:確認結果のリスト化と報告
【0915】
最後に、サーバは登記可能性と商標侵害の確認結果をリスト化し、この情報を整理してユーザに報告する。このステップでは、入力として確認結果のデータが使用され、整理された情報リストが出力される。このリストは、ユーザが最終的な名前の選択を行うための参考情報として端末を介して提供される。
【0916】
(応用例1)
【0917】
次に、形態例1の応用例1について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0918】
従来の名前生成システムでは、ユーザーの感情や感性を十分に反映させた名前の生成が難しいという課題があります。さらに、生成された名前が各国で登記可能であるか、また商標侵害にならないかの確認作業は複雑で、多大な時間と労力を要求されます。これらの課題は、特に国際的なバーチャル空間で活動を展開する事業者にとって、事業のスピードと効率性を低下させる要因となっています。
【0919】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0920】
この発明では、サーバは、ユーザーの感情を読み取る手段と、読み取った感情に基づいて感情に合致する印象を与える名前の生成を行う生成系AIを用いる手段と、生成された名前の各国での登記可能性と商標侵害の有無を確認する関連APIの連携による手段と、を含む。これにより、ユーザーの感情や感性を反映した名前の迅速な生成と、その名前の国際的な使用におけるリスクの低減が可能となる。
【0921】
「名前の生成を行う手段」とは、特定のパラメータやユーザーの感情データに基づいて、適切な名称や呼称を自動で考案し出力する機能。
【0922】
「生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が、異なる国々の法律や登記システムにおいて使用可能かどうかを判定するプロセス。
【0923】
「生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が、各国の商標法に違反しないかどうかを検証する機能。
【0924】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名前の生成及びその後の登記可能性と商標侵害確認の結果を整理し、視覚的にわかりやすい一覧表へとまとめ上げる操作。
【0925】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、名称の使用に関する公式な登録や申請を行う際に必要な情報を体系的に整え、管理するプロセス。
【0926】
「ユーザーの感情を読み取る手段」とは、ユーザーの表情、声のトーン、またはその他の感情表現からユーザーの現在の感情状態を識別し解析する技術。
【0927】
「読み取った感情に基づいて名前の生成を行う手段」とは、ユーザーから得られた感情データを入力として使用し、その感情に適合または応答する名称を創出する機能。
【0928】
この発明の実施形態においては、サーバ上に構築されたシステムが中心となる。このシステムは、生成系AIモデル、感情読み取り機能、API連携機能を組み合わせて構成されている。サーバは、Python言語で開発されたプログラムを実行し、TensorFlowやPyTorchのような機械学習ライブラリを使用して生成系AIモデルを実装している。また、感情読み取り機能には、顔認識技術や音声分析技術を用いることで、端末を通じてユーザの感情状態を把握する。
【0929】
ユーザは、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイのような端末を介してシステムにアクセスする。端末は、ユーザからの入力情報(業界、ターゲット層、サービス内容など)をサーバに送信すると同時に、カメラやマイクを通じてユーザの感情を捉え、そのデータもサーバに送信する。サーバはこれらのデータを基に、生成系AIモデルを用いて感情に適合する名前を生成する。その後、生成された名前に関する各国の登記可能性と商標侵害の確認は、サーバが関連APIと連携して行う。
【0930】
具体的な使用例として、「業界:ゲーム、ターゲット層:若年層、サービス内容:VR体験ゲーム、感情:喜び」というプロンプト文がユーザによって入力され、端末を通じてサーバに送信される。サーバはこのプロンプト文とユーザの感情データを用いて、「JoyVR Arcade」というような名前を生成し、この名前の商標登録の可否と商標侵害の有無を確認する。これにより、ユーザは自らの感情を反映させた、かつ法的なリスクが低い名前を短時間で得ることができる。
【0931】
【0932】
ステップ1:ユーザが端末を通じて、業界、ターゲット層、サービス内容などの入力情報と、端末のカメラやマイクを使用して捉えたユーザの感情データをサーバに送信する。このステップでは、入力情報と感情データがサーバに送られ、これが処理の基盤となる。
【0933】
ステップ2:サーバは受信した業界、ターゲット層、サービス内容の情報と感情データを基に、生成系AIモデルを用いて適切な名前を生成する。このプロセスにおいて、サーバは入力情報を解析し、それに応じた名前を出力する。生成系AIモデルは、入力されたパラメータと感情データをもとに、関連性の高い名前を創造するアルゴリズムを実行する。
【0934】
ステップ3:生成された名前に対して、サーバは関連APIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。このステップでは、サーバはAPIに生成された名前を送信し、APIからの応答として得られる登記可能性と商標侵害の確認結果を受け取る。サーバはこれらの結果を解析し、最終的な確認結果をリスト化する。
【0935】
ステップ4:サーバは確認結果のリストを整理し、これをユーザの端末に送信する。ユーザは端末を通じてこのリストを閲覧できるようになり、生成された名前の利用可能性と法的リスクを確認できる。この最終ステップにおいて、ユーザは生成された名前とそれに関する各国での登記可能性及び商標侵害の有無の情報を入手する。
【0936】
(実施例2)
【0937】
次に、形態例2の実施例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0938】
従来のシステムでは、ゲームアプリやその他のソフトウェア製品の名称を考案する過程で、創造性と合法性を両立させることが困難であった。特に、ユーザの感情や意向を反映した名称を生成し、その名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を避けることができるかを迅速に評価するシステムは存在しなかった。これにより、製品の命名プロセスにおいて多大な時間とリソースが費やされることが課題となっていた。
【0939】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0940】
この発明では、サーバは、ユーザから提供されたゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、およびユーザの感情状態に基づいて名称を生成する手段と、生成された名称の国際的な登記可能性を確認し、商標侵害のリスクを評価する手段と、上記確認結果をリスト化してユーザに提供する手段と、を含む。これにより、創造性を発揮しつつも、合法的な制約を考慮した名称の迅速な生成と評価が可能となる。
【0941】
「名称の生成を行う手段」とは、ユーザが提供したパラメータ(例えば、ゲームアプリのジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を基に、適切かつ独創的な名称を自動的に創出する機能である。
【0942】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、ある名称が各国の商標登録システムにおいて登録可能かどうかを自動で検証する機能である。
【0943】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と衝突する可能性があるかどうかを、国際的な商標データベースを参照して自動で評価する機能である。
【0944】
「上記確認結果をリスト化する手段」とは、名称の登記可能性および商標侵害リスクの評価結果を明確かつ整理された形式でユーザに提示する機能である。
【0945】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、ユーザが提案された名称に基づき、商標登録やその他の申請を行う際に必要な情報を整理し、手続きを容易にする機能である。
【0946】
この発明を実施するための形態では、ゲームアプリの名称を生成し、その登記可能性と商標侵害のリスクを評価するシステムが構成される。このシステムは、主にサーバ、端末、およびこれらを連携させるソフトウェアから構成される。
【0947】
サーバは、生成AIモデルを用いた名称生成機能と、商標検索APIを介して行われる登記可能性及び商標侵害評価機能を実装している。使用される生成AIモデルは、例えばOpenAIのGPTシリーズのような最先端の自然言語処理技術を活用し、入力されたパラメータに基づいて創造的な名称を生成する。商標検索は、USPTOのTESSや欧州連合知的財産局(EUIPO)のeSearchなどの公的なデータベースにアクセスするAPIを通じて行われる。
【0948】
端末は、ユーザがゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を入力し、これらの情報をプロンプト文としてサーバに送信する役割を担う。端末はまた、サーバから送信される生成された名称およびその評価結果を表示し、ユーザが最終的な選択を行えるようにする。
【0949】
具体例として、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が端末に入力される。この情報はサーバに送信され、生成AIモデルにより「FantasyQuest Online」という名称が提案される。その後、商標検索APIを通じてこの名称の登記可能性と商標侵害のリスクが評価され、結果が端末にリストとして返送される。
【0950】
この形態により、ユーザは自分のゲームアプリに適した名称を効率的に、かつ法的なリスクを避けながら選択することが可能となる。
【0951】
【0952】
ステップ1:ユーザの入力受付
【0953】
ユーザは、開発中のゲームアプリに関する情報(ジャンル、ターゲット層、特徴、ユーザの感情状態)を端末に入力する。この情報はプロンプト文として整形され、サーバに送信される準備が整う。入力されたデータは、具体的な命名生成の指示として加工される。例えば、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、ユーザの感情:高揚感」というプロンプト文が生成される。
【0954】
ステップ2:名称の生成
【0955】
サーバは、受け取ったプロンプト文を基に、生成AIモデルによる名称生成を開始する。このモデルは入力されたゲームアプリの情報を分析し、それに適合する創造的な名称を生成する。生成AIモデルは、プロンプト文から「FantasyQuest Online」のような名称を出力する。
【0956】
ステップ3:商標検索と評価
【0957】
生成された名称に対して、サーバは商標検索APIを利用して、各国での登記可能性と商標侵害のリスクを評価する。この過程では、名称が公的な商標データベースに照会され、既存の商標との競合を確認する。この操作の結果、名称の法的なリスク評価が出力される。
【0958】
ステップ4:結果のリスト化と送信
【0959】
サーバは、商標検索と評価の結果をリスト化し、そのリストを端末に送信する。このリストには、生成された名称の登記可能性と商標侵害のリスクに関する情報が含まれている。端末はこの情報を受け取り、ユーザに表示する。
【0960】
ステップ5:ユーザによる最終選択
【0961】
ユーザは、端末に表示された情報を参照して、最適なゲームアプリの名称を選択する。この選択プロセスでは、創造性と法的な安全性のバランスを考慮しながら、最終的な命名が行われる。
【0962】
(応用例2)
【0963】
次に、形態例2の応用例2について説明する。以下の説明では、データ処理装置12を「サーバ」と称し、ロボット414を「端末」と称する。
【0964】
従来の名称生成システムでは、単にランダムまたは既存のデータベースに基づいて名称を生成することは可能であるが、ユーザの感情やゲーム開発の具体的な要求(例えば、ジャンル、ターゲット層、特徴)を踏まえた上で、法的リスクを考慮した名称を効率的に提案することが難しい問題がある。また、生成された名称が国際的に登記可能であり、かつ商標侵害を起こさないかの確認作業は手間がかかり、そのプロセスを効率化する必要がある。
【0965】
データ処理装置12の特定処理部290による特定処理を、以下の各手段により実現する。
【0966】
この発明では、サーバは、ユーザからの入力情報に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段と、これらの情報を基に生成系AIを用いて名称を生成する手段と、生成された名称の各国での登記可能性及び商標侵害の有無を自動で確認する手段と、を含む。これにより、ユーザの感情や要求を反映した名称の提案及びその法的リスクの自動評価が可能となる。
【0967】
「名称の生成を行う手段」とは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴及びユーザの感情などのパラメータに基づいて、新しいゲームの名称を提案する機能である。
【0968】
「生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段」とは、提案された名称が各国の法律に則って商標登録が可能かどうかを自動で調査し評価する機能である。
【0969】
「生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段」とは、提案された名称が既存の商標と競合しないか、各国の商標データベースを用いて自動で検証する機能である。
【0970】
「確認結果をリスト化する手段」とは、前述の登記可能性および商標侵害の確認結果を一覧表として整理し、ユーザに提供する機能である。
【0971】
「登記等の申請情報を整理する手段」とは、提案された名称に関する商標登録やその他の申請に必要な情報を整理し、効率的に申請プロセスを進めることができる機能である。
【0972】
「ユーザの入力に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段」とは、開発中のゲームに関する具体的な情報と、ゲーム開発者やユーザの感情を入力として受け取り、これらの情報を理解し分析する機能である。
【0973】
「これらの情報を基に名称を生成する手段」とは、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、および感情データを組み合わせて、これらに適合する新しいゲーム名称を創出するプロセスを実行する機能である。
【0974】
この発明を実施するための形態には、端末(例えばスマートフォンやタブレット)、サーバ、生成系AIモデル(例えばOpenAIのGPT)、及び商標データベースAPIが含まれる。端末は、ユーザからゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの入力を受け取り、この情報をサーバに送信する役割を持つ。サーバは、受け取った情報を基に生成系AIモデルを用いて適切なゲーム名称を生成する。この過程では、入力された情報をプロンプトとしてAIに提供し、AIはこれを基に名称を創出する。生成された名称は、さらにサーバによって商標データベースAPIを通じて各国での登記可能性及び商標侵害の有無が確認される。確認結果はサーバによってリスト化され、端末を通じてユーザに提示される。ユーザは提供された情報を基に最適な名称を選択し、この選択は再びサーバに送信される。最終的にサーバは選択された名称に関する申請情報を整理し、ユーザが商標登録等の手続きをスムーズに進められるように支援する。
【0975】
具体例として、ユーザが開発するゲームのジャンルを「RPG」、ターゲット層を「大人」、特徴を「ファンタジー、マルチプレイ」、感情を「冒険心」と入力した場合、これらの情報は端末からサーバに送信される。サーバはこの情報を生成系AIモデルに提供し、「ジャンル:RPG、ターゲット層:大人、特徴:ファンタジー、マルチプレイ、感情:冒険心」というプロンプトに基づき名称を生成する。この発明により、ユーザは自身の意向を反映したゲーム名称を効率的に創出し、法的リスクも同時に評価できるようになる。
【0976】
【0977】
ステップ1:ユーザが端末を使用して、ゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情などの情報を入力する。この入力情報はサーバに送信される。このステップでは、ユーザの意向と開発したいゲームの具体的な要件がデータ化され、サーバへの入力として機能する。
【0978】
ステップ2:サーバは、受け取った情報を基に、生成系AIモデルを用いて名称を生成する。このプロセスでは、入力されたゲームのジャンル、ターゲット層、特徴、及び感情を考慮し、これらのパラメータに最適な名称が算出される。生成された名称は、その後のプロセスの入力として利用される。
【0979】
ステップ3:サーバは、生成された名称に対して各国での登記可能性及び商標侵害の有無を確認する。この確認作業は、関連APIを通じて行われ、各国の商標データベースにアクセスして、名称が登記可能かつ商標侵害に該当しないかを検証する。このステップの出力は、登記可能性及び商標侵害の確認結果である。
【0980】
ステップ4:確認結果はリスト化され、サーバから端末へ送信される。ユーザはこのリストを通じて、生成された名称の法的リスクを評価することができる。このリスト化された確認結果には、各名称に対する登記可能性及び商標侵害の有無の情報が含まれる。
【0981】
ステップ5:ユーザが最終的に名称を選択した後、サーバは登記等の申請情報を整理する。このステップでは、選択された名称に関連する商標登録やその他の申請プロセスに必要な情報が整理され、ユーザがこれらの申請を効率的に進められるように支援する。
【0982】
これらの処理ステップを通じて、ユーザは自らの感情やゲーム開発の要件を反映した名称を効率的に生成し、その法的リスクを評価した上で、適切な名称の選択と申請を行うことができる。
【0983】
特定処理部290は、特定処理の結果をロボット414に送信する。ロボット414では、制御部46Aが、スピーカ240及び制御対象443に対して特定処理の結果を出力させる。マイクロフォン238は、特定処理の結果に対するユーザ入力を示す音声を取得する。制御部46Aは、マイクロフォン238によって取得されたユーザ入力を示す音声データをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12では、特定処理部290が音声データを取得する。
【0984】
データ生成モデル58は、いわゆる生成AI(Artificial Intelligence)である。データ生成モデル58の一例としては、ChatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)等の生成AIが挙げられる。データ生成モデル58は、ニューラルネットワークに対して深層学習を行わせることによって得られる。データ生成モデル58には、指示を含むプロンプトが入力され、かつ、音声を示す音声データ、テキストを示すテキストデータ、及び画像を示す画像データ等の推論用データが入力される。データ生成モデル58は、入力された推論用データをプロンプトにより示される指示に従って推論し、推論結果を音声データ及びテキストデータ等のデータ形式で出力する。ここで、推論とは、例えば、分析、分類、予測、及び/又は要約等を指す。
【0985】
生成AIの他の例としては、Gemini(インターネット検索<URL: https://gemini.google.com/?hl=ja>)が挙げられる。
【0986】
上記実施形態では、データ処理装置12によって特定処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、ロボット414によって特定処理が行われるようにしてもよい。
【0987】
なお、感情エンジンとしての感情特定モデル59は、特定のマッピングに従い、ユーザの感情を決定してよい。具体的には、感情特定モデル59は、特定のマッピングである感情マップ(
図9参照)に従い、ユーザの感情を決定してよい。また、感情特定モデル59は、同様に、ロボットの感情を決定し、特定処理部290は、ロボットの感情を用いた特定処理を行うようにしてもよい。
【0988】
図9は、複数の感情がマッピングされる感情マップ400を示す図である。感情マップ400において、感情は、中心から放射状に同心円に配置されている。同心円の中心に近いほど、原始的状態の感情が配置されている。同心円のより外側には、心境から生まれる状態や行動を表す感情が配置されている。感情とは、情動や心的状態も含む概念である。同心円の左側には、概して脳内で起きる反応から生成される感情が配置されている。同心円の右側には概して、状況判断で誘導される感情が配置されている。同心円の上方向及び下方向には、概して脳内で起きる反応から生成され、かつ、状況判断で誘導される感情が配置されている。また、同心円の上側には、「快」の感情が配置され、下側には、「不快」の感情が配置されている。このように、感情マップ400では、感情が生まれる構造に基づいて複数の感情がマッピングされており、同時に生じやすい感情が、近くにマッピングされている。
【0989】
これらの感情は、感情マップ400の3時の方向に分布しており、普段は安心と不安のあたりを行き来する。感情マップ400の右半分では、内部的な感覚よりも状況認識の方が優位に立つため、落ち着いた印象になる。
【0990】
感情マップ400の内側は心の中、感情マップ400の外側は行動を表すため、感情マップ400の外側に行くほど、感情が目に見える(行動に表れる)ようになる。
【0991】
ここで、人の感情は、姿勢や血糖値のような様々なバランスを基礎としており、それらのバランスが理想から遠ざかると不快、理想に近づくと快という状態を示す。ロボットや自動車やバイク等においても、姿勢やバッテリー残量のような様々なバランスを基礎として、それらのバランスが理想から遠ざかると不快、理想に近づくと快という状態を示すように感情を作ることができる。感情マップは、例えば、光吉博士の感情地図(音声感情認識及び情動の脳生理信号分析システムに関する研究、徳島大学、博士論文:https://ci.nii.ac.jp/naid/500000375379)に基づいて生成されてよい。感情地図の左半分には、感覚が優位にたつ「反応」と呼ばれる領域に属する感情が並ぶ。また、感情地図の右半分には、状況認識が優位にたつ「状況」と呼ばれる領域に属する感情が並ぶ。
【0992】
感情マップでは学習を促す感情が2つ定義される。1つは、状況側にあるネガティブな「懺悔」や「反省」の真ん中周辺の感情である。つまり、「もう2度とこんな想いはしたくない」「もう叱られたくない」というネガティブな感情がロボットに生じたときである。もう1つは、反応側にあるポジティブな「欲」のあたりの感情である。つまり、「もっと欲しい」「もっと知りたい」というポジティブな気持ちのときである。
【0993】
感情特定モデル59は、ユーザ入力を、予め学習されたニューラルネットワークに入力し、感情マップ400に示す各感情を示す感情値を取得し、ユーザの感情を決定する。このニューラルネットワークは、ユーザ入力と、感情マップ400に示す各感情を示す感情値との組み合わせである複数の学習データに基づいて予め学習されたものである。また、このニューラルネットワークは、
図10に示す感情マップ900のように、近くに配置されている感情同士は、近い値を持つように学習される。
図10では、「安心」、「安穏」、「心強い」という複数の感情が、近い感情値となる例を示している。
【0994】
上記実施形態では、1台のコンピュータ22によって特定処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ22を含めた複数のコンピュータによる特定処理に対する分散処理が行われるようにしてもよい。
【0995】
上記実施形態では、ストレージ32に特定処理プログラム56が格納されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、特定処理プログラム56がUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの可搬型のコンピュータ読み取り可能な非一時的格納媒体に格納されていてもよい。非一時的格納媒体に格納されている特定処理プログラム56は、データ処理装置12のコンピュータ22にインストールされる。プロセッサ28は、特定処理プログラム56に従って特定処理を実行する。
【0996】
また、ネットワーク54を介してデータ処理装置12に接続されるサーバ等の格納装置に特定処理プログラム56を格納させておき、データ処理装置12の要求に応じて特定処理プログラム56がダウンロードされ、コンピュータ22にインストールされるようにしてもよい。
【0997】
なお、ネットワーク54を介してデータ処理装置12に接続されるサーバ等の格納装置に特定処理プログラム56の全てを格納させておいたり、ストレージ32に特定処理プログラム56の全てを記憶させたりしておく必要はなく、特定処理プログラム56の一部を格納させておいてもよい。
【0998】
特定処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、特定処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで特定処理を実行する。
【0999】
特定処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、特定処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【1000】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、特定処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、特定処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、特定処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【1001】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の特定処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【1002】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【1003】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【1004】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【1005】
(請求項1)
名前の生成を行う手段と、生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段を含むシステム。
【1006】
(請求項2)
前記名前の生成を行う手段が、生成系AIを用いて行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1007】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、関連APIの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1008】
(請求項4)
前記システムが、ユーザの感情を認識する感情エンジンを更に含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1009】
(請求項5)
前記感情エンジンが、ユーザの感情に基づいて名前の生成を行うことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【1010】
(請求項6)
前記感情エンジンが、ユーザの感情に基づいて生成された名前の各国での登記可能性及び商標侵害の確認を行うことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【1011】
「実施例1」
【1012】
(請求項1)
特定のパラメータに基づき適切な名称を生成する手段と、
生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登記等の申請情報を整理する手段を含むシステム。
【1013】
(請求項2)
前記名称の生成を行う手段が、特定の業界、ターゲット層、サービス内容を考慮したプロンプト文を生成系AIに入力して行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1014】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、商標登記データベースを参照するAPI及び商標法規制情報を検索するAPIの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1015】
「応用例1」
【1016】
(請求項1)
名前の生成を行う手段と、生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段と、仮想空間内の商業施設や商品に適用される名前の提案を行う手段を含むシステム。
【1017】
(請求項2)
前記名前の生成を行う手段が、業界、ターゲット層、サービス内容等のパラメータに基づいて生成系AIを用いて行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1018】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、関連APIの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1019】
「実施例2」
【1020】
(請求項1)
コンテンツの属性に基づいて名称の生成を行う手段と、
生成された名称の国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段と、
確認結果をカテゴリー別にリスト化し、ユーザインタフェースに提示する手段と、
ユーザが選択した名称に基づいて登記等の申請情報を整理し、手続きを自動化する手段を含むシステム。
【1021】
(請求項2)
前記名称の生成を行う手段が、複数のパラメータ(コンテンツのジャンル、ターゲット層、コンテンツの特徴等)を入力として受け取り、これらを基にしたプロンプト文を生成系AIモデルに供給することで、適切な名称を生成することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1022】
(請求項3)
前記国際的な登記可能性及び商標侵害の有無を確認する手段が、外部データベースにアクセスするためのAPI連携により、生成された名称についての検索を行い、その結果を分析することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1023】
「応用例2」
【1024】
(請求項1)
商品名及びブランド名の生成を行う手段と、生成された商品名及びブランド名のオンラインでの検索可能性を確認する手段と、生成された商品名及びブランド名がSNSでの話題性を有するかを評価する手段と、生成された商品名及びブランド名の商標登録の可能性を確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段を含むシステム。
【1025】
(請求項2)
前記商品名及びブランド名の生成を行う手段が、商品のカテゴリー、ターゲット層、商品の特徴を基にしたプロンプト文を用いて生成系AIを用いて行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1026】
(請求項3)
前記オンラインでの検索可能性を確認する手段及び商標登録の可能性を確認する手段が、関連APIの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1027】
「感情エンジンを組み合わせた場合の実施例1」
【1028】
(請求項1)
ユーザの感情データを収集する手段と、
収集した感情データを分析する手段と、
分析結果とユーザが提供した特定のパラメータを組み合わせて名前を生成する手段と、
生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登記等の申請情報を整理する手段を含むシステム。
【1029】
(請求項2)
前記名前の生成を行う手段が、生成系AIを用いて、ユーザの感情データ及び特定のパラメータに基づくプロンプト文を生成し、これを利用して名前を生成することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1030】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、関連APIの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1031】
「感情エンジンを組み合わせた場合の応用例1」
【1032】
(請求項1)
名前の生成を行う手段と、生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段と、ユーザーの感情を読み取る手段と、読み取った感情に基づいて名前の生成を行う手段を含むシステム。
【1033】
(請求項2)
前記名前の生成を行う手段が、生成系AIを用いて行い、さらにユーザーの感情を読み取る手段を通じて得た感情データに基づいて、感情に合致する印象を与える名前の生成を行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1034】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、関連APIの連携により行うこと、及びユーザーの感情に基づいて生成された名前についても同様の確認を行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1035】
「感情エンジンを組み合わせた場合の実施例2」
【1036】
(請求項1)
コンピュータによる名前の生成を行う手段と、
生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、
生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、
上記確認結果をリスト化する手段と、
登記等の申請情報を整理する手段と、
ユーザの入力に基づく属性情報とユーザの感情状態を考慮して名前を生成する手段と、
ユーザの感情状態を分析するための感情エンジンを活用する手段と、
提案された名前に対して、各国での登記可能性および商標侵害のリスクを評価する商標検索ツールを用いる手段を含むシステム。
【1037】
(請求項2)
前記名前の生成を行う手段が、生成系人工知能モデルを用いて行い、かつユーザの感情状態を考慮して名前を生成することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1038】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、外部データベースアクセスインタフェースの連携により行うことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1039】
「感情エンジンを組み合わせた場合の応用例2」
【1040】
(請求項1)
名称の生成を行う手段と、生成された名称の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名称が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段と、ユーザの入力に基づくゲームのジャンル、ターゲット層、ゲームの特徴及び感情を認識する手段と、これらの情報を基に名称を生成する手段を含むシステム。
【1041】
(請求項2)
前記名称の生成を行う手段が、生成系AIを用いて、ユーザの入力情報と感情データを基に名称を生成することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【1042】
(請求項3)
前記各国での登記可能性を確認する手段及び商標侵害の確認を行う手段が、関連APIの連携により行い、さらにユーザの感情を考慮した名称生成が可能なことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【符号の説明】
【1043】
10、210、310、410 データ処理システム
12 データ処理装置
14 スマートデバイス
214 スマート眼鏡
314 ヘッドセット型端末
414 ロボット
【要約】
【課題】システムを提供する。
【解決手段】名前の生成を行う手段と、生成された名前の各国での登記可能性を確認する手段と、生成された名前が各国で商標侵害にならないかを確認する手段と、上記確認結果をリスト化する手段と、登記等の申請情報を整理する手段を含むシステム。
【選択図】
図1