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特許7597977情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20241203BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024106320
(22)【出願日】2024-07-01
【審査請求日】2024-07-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)行為1 ▲1▼ 公然実施日 2024年4月15日 ▲2▼ 実施内容・場所 PayPay株式会社が配信するウェブ広告 ▲3▼ 公開者 PayPay株式会社
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】泉 佳織
(72)【発明者】
【氏名】澤野 大輝
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-119751(JP,A)
【文献】特許第7361967(JP,B1)
【文献】特開2022-180106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、前記加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案する提案部と、
前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された前記広告のパフォーマンスを、前記電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測する計測部と、
前記広告配信プラットフォームによって計測された前記広告の第2パフォーマンス情報に、前記第1パフォーマンス情報を加えて前記加盟店に報告する報告部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記提案部は、前記電子決済サービスの利用者情報に基づいて、前記ターゲットを提案する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに、前記ターゲットが設定された前記広告を出稿する出稿部を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出稿部は、利用者端末装置上でクリックされると、前記利用者端末装置の表示を、前記電子決済サービス上の前記特典に関するページに遷移させるリンク情報を前記広告に設定して、前記広告を前記広告配信プラットフォームに出稿する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記計測部は、前記広告配信プラットフォームにおける、前記広告をクリックした利用者の識別子と、前記電子決済サービスにおける、前記利用者の識別子とを紐づけて、前記第1パフォーマンス情報を計測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記報告部は、計測された前記第1パフォーマンス情報に基づいて、前記ターゲットをレコメンドするためのレコメンド情報をさらに前記加盟店に報告する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記報告部は、同一の特典に関する広告が複数出稿された場合、前記複数の広告のうち、前記加盟店が前記広告の出稿のために費やしたコストに比して、計測された前記第1パフォーマンス情報が優れた広告のターゲットをレコメンドする前記レコメンド情報をさらに前記加盟店に報告する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典は、前記電子決済サービスの利用者が利用者端末装置上で所定操作を行うことによって獲得可能である、前記電子決済サービスの決済に利用可能なクーポンであり、
前記計測部は、前記第1パフォーマンス情報として、前記利用者が前記所定操作を行ったか否かと、獲得した前記クーポンを前記電子決済サービスの決済に利用したか否かと、の一方又は両方を計測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記報告部は、計測された前記第1パフォーマンス情報に基づいて、前記ターゲットをレコメンドするためのレコメンド情報をさらに前記加盟店に報告し、
前記報告部は、同一の特典に関する広告が複数出稿された場合、前記複数の広告のうち、前記加盟店が前記広告の出稿のために費やしたコストに比して、前記利用者が前記所定操作を行ったか否かと、獲得した前記クーポンを前記電子決済サービスの決済に利用したか否かと、の一方又は両方のパフォーマンスが優れた広告のターゲットをレコメンドする前記レコメンド情報をさらに前記加盟店に報告する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、前記加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案し、
前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された前記広告のパフォーマンスを、前記電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測し、
前記広告配信プラットフォームによって計測された前記広告の第2パフォーマンス情報に、前記第1パフォーマンス情報を加えて前記加盟店に報告する、
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、前記加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案させ、
前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された前記広告のパフォーマンスを、前記電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測させ、
前記広告配信プラットフォームによって計測された前記広告の第2パフォーマンス情報に、前記第1パフォーマンス情報を加えて前記加盟店に報告させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告主が提供するサービスで利用可能なクーポンなどの特典を広告する技術が知られている。例えば、特許文献1には、広告主サイトで使用されるクーポンを広告サイトにおいて配布するクーポン配布システムにおいて、広告サイトへの再アクセス期間が判定期間を超えているときに、クーポンを発行する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-041055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、広告主と、広告対象のサービスの提供元とが一致している場合の広告に関するものである。一方、例えば、電子決済サービスにおいては、電子決済サービスの加盟店である広告主と、広告対象のサービスの提供元(すなわち、電子決済サービス事業者)とが一致しない場合がある。この場合、加盟店である広告主は、第3者の広告サイトの広告ポリシーに従って、自身が発行したクーポンなどの特典に関する広告のランディングページを、自社のサイトに設定する必要があり、サービスの提供元である電子決済サービスのページに設定できない場合があった。また、仮に広告のランディングページを電子決済サービスのページに設定可能である場合であっても、加盟店である広告主は、電子決済サービスの情報(例えば、決済履歴などの利用者情報)へのアクセスが制限され、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行うことができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子決済サービスの加盟店に対して、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行わせることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、前記加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案する提案部と、前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された前記広告のパフォーマンスを、前記電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測する計測部と、前記広告配信プラットフォームによって計測された前記広告の第2パフォーマンス情報に、前記第1パフォーマンス情報を加えて前記加盟店に報告する報告部と、を備える、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子決済サービスの加盟店に対して、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】クーポン情報178の内容の一例を示す図である。
図8】利用者端末装置10によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。
図9】提案部142による広告ターゲットの提案設定方法の一例を示す図である。
図10】出稿広告情報180の内容の一例を示す図である。
図11】出稿部144によって出稿される広告の一例を示す図である。
図12】広告パフォーマンス情報182の一例を示す図である。
図13】計測部146によって提供され、第2店舗端末装置70によって表示させるパフォーマンス情報の一例を示す図である。
図14】第2店舗端末装置70、決済サーバ100、広告配信プラットフォーム200によって実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及び広告配信プラットフォーム200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。また、後述する通り、加盟店向けインターフェース72は、加盟店が生成したクーポンの広告設定を受け付ける。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
広告配信プラットフォーム200は、決済サーバ100を介した加盟店からの広告出稿依頼に応じて、当該加盟店が電子決済サービス上で提供する特典に関する広告を配信するプラットフォームである。この場合、広告配信プラットフォーム200の観点では、広告主は、加盟店ではなく、電子決済サービス事業者となる。そのため、広告配信プラットフォーム200の広告ポリシー上、広告主と、ランディングページの提供元との一致が求められる場合であっても、加盟店は、広告のクリック先のランディングページを、電子決済サービス事業者が提供するページに設定することができる。広告配信プラットフォーム200は、例えば、検索エンジンサイト、動画共有サイト、画像共有アプリ、メッセージングアプリなど、任意のウェブサイトやアプリケーションプログラムを含み得る。
【0016】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0017】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0018】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0019】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0020】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は、さらに、提案部142と、出稿部144と、計測部146と、報告部148と、を備えるが、これらの機能の詳細については後述する。決済サーバ100のうち情報管理部140の機能が、「情報処理装置」の一例である。
【0021】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、クーポン情報178、出稿広告情報180、広告パフォーマンス情報182などの情報が格納される。
【0022】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0023】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0024】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0025】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、クレジット払い設定、クレジット払い枠、クレジット払い利用額、クレジット払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、フォロー加盟店、獲得クーポン、保有ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0026】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。クレジット払い設定は、クレジット払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。クレジット払い枠は月ごとに利用可能なクレジット払いの限度額であり、クレジット払い利用額は、当月に既に利用されたクレジット払いの金額であり、クレジット払い利用可能額は、クレジット払い枠からクレジット払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能なクレジット払いの金額である。図ではクレジット払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方がクレジット払い枠に設定されてよい。クレジット払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、クレジット払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。フォロー加盟店、獲得クーポン、保有ポイントの詳細については後述する。
【0027】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0028】
図7は、クーポン情報178の内容の一例を示す図である。クーポン情報178は、例えば、クーポンID、加盟店ID、特典内容、利用条件、有効期限などの情報が対応付けられたものである。特典内容は、クーポンIDに対応するクーポンによって提供される特典の内容を示す情報である。例えば、クーポンID「0001」のクーポンの場合、利用者が当該クーポンを利用することによって、決済金額から10%の還元を受けることができることを意味する。利用条件は、決済時に、クーポンが利用可能となる条件を示す情報である。例えば、クーポンID「0001」のクーポンの場合、利用者は100円以上の支払いに対して当該クーポンを利用可能となることを意味する。有効期限は、クーポンが利用可能となる期限を示す情報である。なお、図7は、各クーポンが加盟店IDごと(加盟店ごと)に発行されている例を表しているが、本発明は、そのような構成に限定されず、各クーポンは各加盟店の店舗IDごと(店舗ごと)に発行されてもよい。クーポンは、特許請求の範囲における「特典」の一例である。
【0029】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、クーポン情報178、出稿広告情報180、広告パフォーマンス情報182を管理する。情報管理部140は、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、クーポン情報178、出稿広告情報180、広告パフォーマンス情報182について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0030】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0031】
決済処理部130は、「設定情報」が「クレジット払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。クレジット払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による支払い方法であり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、クレジット払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なおクレジット払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。クレジット払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、クレジット払い利用額に決済金額を加算し、クレジット払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額がクレジット払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0032】
[クーポンの利用]
図8は、利用者端末装置10によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。図8の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスすることによって利用者端末装置10に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が決済アプリ20のトップ画面において、クーポンボタンをクリックし、クーポンを提供する店舗を検索した場合に表示されるものである。
【0033】
加盟店専用ページは、例えば、加盟店の店舗の概要情報が表示される領域A1、加盟店をフォローするためのボタンB1、加盟店の店舗の詳細情報がタブによって切り替え可能に表示される領域A2等を含む。利用者がフォローボタンB1を押下すると、決済アプリ20は、フォローボタンB1が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者情報172の「フォロー加盟店」に当該加盟店の識別情報(例えば、加盟店ID)を格納する。これにより、例えば、加盟店が加盟店専用ページの内容をアップデートする度に、決済サーバ100は、加盟店専用ページの内容をアップデートされたことを示す通知を、決済アプリ20を介して利用者に通知する。
【0034】
図8において、例えば、ユーザが領域A2に含まれる一つのタブである「クーポン」をタップした場合、現時点においてユーザが当該店舗での電子決済に使用可能なクーポンが表示される。ユーザが、例えば、加盟店をフォローし、かつクーポンを獲得するためのボタンB2を押下すると、決済アプリ20は、獲得ボタンB2が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者が獲得したクーポンの識別情報を利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。
【0035】
利用者がクーポンを獲得した後、利用者端末装置10が電子決済を実行すると、決済処理部130は、クーポン情報178を参照して、当該電子決済が、利用者が獲得しているクーポンの利用条件を満たしているか否かを判定し、クーポンの利用条件を満たしていると判定された場合、利用者にクーポン内容に応じた特典を付与する。例えば、図7に示すクーポン情報178のクーポンID「C0001」の場合、決済処理部130は、利用者の決済金額が100円以上であると判定された場合に、当該決済金額の10%に相当するポイントを付与する。
【0036】
その後、決済アプリ20は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域A3と、決済金額を表示する領域A4と、付与された特典および残りの利用可能回数を表示する領域A5とを合わせて表示する。図8の右部は、一例として、利用者が10%オフのクーポンを獲得したことに応じて、1000円の決済に対して100円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、100円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。
【0037】
[クーポンの広告]
このように、加盟店は、電子決済サービス上で利用可能なクーポンを発行し、利用者は当該クーポンを利用して電子決済を行うことによって、クーポン内容に応じた特典を取得することができる。この場合、クーポンを発行した加盟店は、より多くの利用者にクーポンの利用を促すため、発行したクーポンを電子決済サービスの内外で広告宣伝することを希望する場合がある。
【0038】
しかしながら、従来技術では、加盟店が電子決済サービスの外部の広告配信プラットフォーム200にて当該クーポンを広告宣伝する際、広告配信プラットフォーム200の広告ポリシー上、広告主と、ランディングページの提供元との一致が求められ、広告のクリック先のランディングページを、電子決済サービスのクーポンに関するページとは異なる自社ページに設定する必要がある場合があった。また、仮に広告のランディングページを電子決済サービスのページに設定可能である場合であっても、加盟店である広告主は、電子決済サービスの情報(例えば、利用者情報172)へのアクセスが制限されると共に、広告のパフォーマンス計測に限界(例えば、広告をクリックした利用者が、その後、決済アプリ20でどのように挙動したかを計測できない限界)が存在するため、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行うことができない場合があった。
【0039】
上記の事情を背景にして、本実施形態では、決済サーバ100の提案部142が、利用者情報172に基づいて、クーポンに関する広告のターゲットを加盟店に提案する。このとき、提案部142は、加盟店の運営者が加盟店向けインターフェース72上で広告のターゲットを設定するための操作画面を提供してもよい。加盟店は、提案を受けた広告のターゲットを吟味した後、加盟店向けインターフェース72上で広告のターゲットを設定するか、又は電子決済サービス事業者の担当者に、設定した広告のターゲットを連絡する。出稿部144は、加盟店向けインターフェース72上で設定されたターゲットに配信するための広告を広告配信プラットフォーム200に出稿する。代替的に、電子決済サービス事業者の担当者が、直接的に(例えば、メールや電話を用いて)広告配信プラットフォーム200、又は広告配信プラットフォーム200への広告出稿を代行する広告代理店に連絡を行ってもよい。このようにして出稿された広告の広告主は電子決済サービス事業者となるため(換言すると、電子決済サービス事業者は、広告主として加盟店の代行者となるため)、出稿広告は、利用者端末装置10上でクリックされると、利用者端末装置10の表示を、電子決済サービス上のクーポンに関するページに遷移させるリンク情報を含むことができる。すなわち、これにより、広告配信プラットフォーム200の広告ポリシーを順守することができる。
【0040】
出稿された広告が広告配信プラットフォーム200によって配信されると、計測部146は、配信された広告のパフォーマンスを、電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報(後述するCVRなど)として計測する。報告部148は、広告配信プラットフォーム200によって計測された広告の第2パフォーマンス情報(後述するCTRなど)に、第1パフォーマンス情報を加えて加盟店に報告する。この場合の報告は、加盟店向けインターフェース72上での表示であってもよいし、加盟店のメールアドレスへの配信であってもよい。さらに、報告部148は、第1パフォーマンス情報および第2パフォーマンス情報に基づく、ターゲットのレコメンド情報を加盟店に報告してもよい。すなわち、これにより、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行うことができる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0041】
[広告のターゲット設定]
図9は、提案部142による広告ターゲットの提案設定方法の一例を示す図である。提案部142は、まず、クーポンに関する広告の出稿に先立って、加盟店向けインターフェース72を介して、加盟店の運営者に広告ターゲットを設定させる。提案部142は、加盟店向けインターフェース72に、例えば、加盟店向けインターフェース72にログインした加盟店およびそのアカウントを表す領域A6と、加盟店向けインターフェース72を介して操作可能なメニューを表す領域A7と、メニューA7から選択された項目に関する情報を表示する領域A8とを表示させる。図9は、提案部142が、メニューA7から「広告出稿」が選択されることに応じて、加盟店に、発行済みクーポンに関する広告を出稿するための設定を行うための設定画面を領域A8に表示させている例を表している。
【0042】
設定画面A8は、例えば、広告対象のクーポンを指定するための領域I1と、広告ターゲットの条件を手動設定するための領域A9と、手動設定した条件に従って、広告を出稿するためのボタンB3と、広告ターゲットの条件を自動設定するための領域A10と、自動設定した条件に従って、広告を出稿するためのボタンB4と、を含む。広告ターゲットの条件を手動設定するための領域A9は、例えば、年齢I2、性別I3、決済履歴の有無I4、決済単価I5、決済頻度I6、クーポン獲得の有無I7、クーポン利用の有無I8、指定期間決済の有無I9、クーポン利用決済頻度I10、特定店舗決済の有無I11、クーポン利用決済単価I12を含む。
【0043】
年齢I2は、広告の配信対象となる利用者の年齢範囲を指定するための入力領域である。性別I3は、広告の配信対象となる利用者の性別(男性/女性)を指定するための入力領域である。決済履歴の有無I4は、電子決済サービスでの決済履歴が存在する利用者のみに広告を配信するか否かを指定するための入力領域である。追加的に、入力領域I4では、決済履歴が存在するか否かを判定する対象期間(例えば、直近1年間など)を指定可能であってもよい。決済単価I5は、広告の配信対象となる利用者の決済単価の範囲(例えば、〇〇円以上、××円以下など)を指定するための入力領域である。
【0044】
決済頻度I6は、広告の配信対象となる利用者の決済頻度の範囲(例えば、週〇〇回以上、直近1ヵ月に××回以上など)を指定するための入力領域である。クーポン獲得の有無I7は、電子決済サービスでのクーポン獲得実績が存在する利用者のみに広告を配信するか否かを指定するための入力領域である。追加的に、入力領域I7では、クーポン獲得実績が存在するか否かを判定する対象期間(例えば、直近1年間など)を指定可能であってもよい。
【0045】
クーポン利用の有無I8は、電子決済サービスでのクーポン利用実績(すなわち、クーポンを獲得した後に、当該クーポンを適用して電子決済を行った実績)が存在する利用者のみに広告を配信するか否かを指定するための入力領域である。追加的に、入力領域I8では、クーポン利用実績が存在するか否かを判定する対象期間(例えば、直近1年間など)や、特定の加盟店や店舗(この場合、他の加盟店であってもよい)でのクーポン利用実績が存在するか否かを指定可能であってもよい。指定期間決済の有無I9は、指定期間(例えば、直近1ヵ月)に電子決済を行った利用者のみに広告を配信するか否かを指定するための入力領域である。追加的に、入力領域I9では、指定期間そのものを指定可能であってもよい。
【0046】
クーポン利用決済頻度I10は、広告の配信対象となる利用者のクーポン利用決済の範囲(例えば、週〇〇回以上、直近1ヵ月に××回以上、全体の電子決済のうち所定割合以上など)を指定するための入力領域である。特定店舗決済の有無I11は、特定の加盟店や店舗(この場合、他の加盟店であってもよい)で電子決済を行った利用者のみに広告を配信するか否かを指定するための入力領域である。追加的に、入力領域I11では、特定の加盟店や店舗で電子決済を行った否かを判定する対象期間(例えば、直近1年間など)を指定可能であってもよい。クーポン利用決済単価I12は、広告の配信対象となる利用者のクーポン利用決済の単価の範囲(例えば、〇〇円以上、××円以下など)を指定するための入力領域である。
【0047】
なお、図9では、説明を省略しているが、加盟店向けインターフェース72は、上記の入力領域I1~入力領域I12に加えて、広告の出稿先となる広告配信プラットフォーム200(例えば、検索エンジンサイトに出稿するか、動画共有サイトに出稿するか等)や、当該広告の配信予算、配信期間等を合わせて指定可能であってもよい。また、上記の入力領域I2~入力領域I12の全てが未入力で会った場合、広告の配信条件は無条件である(すなわち、広告配信プラットフォーム200によって任意の利用者に広告が配信される)ものと解釈されてもよい。
【0048】
さらに、提案部142は、加盟店向けインターフェース72に、広告ターゲットのおすすめ条件を提案し、自動設定するための領域A10を表示させる。提案部142は、例えば、加盟店と同一カテゴリに属する他の加盟店が過去に設定した広告ターゲットの条件のうち、出稿された広告のパフォーマンス(例えば、後述するCost Per Acquisition(CPA))が高い条件を、おすすめ条件として表示させてもよい。また、例えば、提案部142は、加盟店が過去に設定した広告ターゲットの条件のうち、出稿された広告のパフォーマンスが高い条件を、おすすめ条件として表示させてもよい。図9の場合、提案部142は、一例として、2つの条件「直近1年間に自加盟店での電子決済がない利用者」(条件1)および「前回配信の自加盟店クーポンを利用しなかった利用者」(条件2)を表示させている。利用者は、例えば、表示されたおすすめ条件のうち、広告の出稿を希望する条件のチェックボックスI13(条件1に対応)又はI14(条件2に対応)にチェックをつける。
【0049】
別の態様として、提案部142は、初回のレコメンドにあたって、加盟店のメタ情報を活用してもよい。例えば、提案部142は、加盟店が属するカテゴリや所在地などの属性情報を参照して、当該カテゴリで頻繁に電子決済を行う利用者や、当該所在地の近辺(例えば、同一の地区)で頻繁に電子決済を行う利用者を広告ターゲットのおすすめ条件として提案してもよい。さらに別の態様として、提案部142は、初回のレコメンドにあたって、機械学習アルゴリズムを活用してもよい。例えば、提案部142は、加盟店と、既に広告を出稿した他の加盟店との類似性を協調フィルタリングなどの機械学習アルゴリズムによって算出し、類似性が高いと判定された他の加盟店によって設定された広告ターゲットを提案してもよい。
【0050】
[広告の配信]
第2店舗端末装置70の利用者(例えば、加盟店の店員)が、上記入力領域I2~I14の一部又は全てを入力し、出稿ボタンB3又はB4を押下すると、第2店舗端末装置70は、入力された条件を広告出稿依頼として決済サーバ100に送信する。決済サーバ100が広告出稿依頼を受信すると、提案部142は、受信した広告出稿依頼に指定された広告ターゲットの条件を確定し、出稿広告情報180として記憶部170に保存するとともに、出稿部144は、入力された条件を満たす利用者を配信ターゲットとする広告を広告配信プラットフォーム200に出稿する。
【0051】
図10は、出稿広告情報180の内容の一例を示す図である。出稿広告情報180は、例えば、出稿広告ID、クーポンID、ターゲット条件、ターゲット利用者、広告配信プラットフォーム、広告期限、予算などの情報が対応付けられたものである。出稿広告IDは、出稿部144が出稿した広告を識別するための識別情報である。クーポンIDは、広告の対象となるクーポンを識別するための識別情報である。ターゲット条件は、提案部142によって確定された広告ターゲットの条件を表す情報である。
【0052】
ターゲット利用者は、広告配信プラットフォーム200によって広告配信の対象となる利用者を識別するための識別情報である。図10に示す通り、ターゲット利用者は、アカウントIDではなく、一例として、メールアドレスによって指定されている。これは、広告配信プラットフォーム200が指定された条件でターゲティングを行うためには、電子決済サービスと広告配信プラットフォーム200との間で識別子を共有する必要があるからである。提案部142は、広告ターゲットの条件を確定すると、利用者情報172を参照して、当該条件を満たす利用者を抽出し、広告の出稿先の広告配信プラットフォーム200と共通の識別子(メールアドレスや電話番号など)を特定する。出稿部144は、特定した共通の識別子を広告配信プラットフォーム200に通知する。これにより、広告配信プラットフォーム200によるターゲティングが可能となる。
【0053】
図11は、出稿部144によって出稿される広告の一例を示す図である。図11の左部は、利用者端末装置10の利用者が、検索エンジンサイトである広告配信プラットフォーム200を利用している場面を表している。図11の領域A11に示す通り、利用者端末装置10の利用者は、メールアドレス「xxx@abcmail.com」で広告配信プラットフォーム200にログインしており、そのため、広告配信プラットフォーム200は、当該利用者が、出稿広告A0001のターゲット利用者に該当することを特定することができる。これに応じて、広告配信プラットフォーム200は、出稿広告「A0001」に対応するクーポンID「C0001」のクーポンに関する広告を、検索エンジン広告として、領域A12に表示させている。
【0054】
利用者が、広告A12をクリックすると、広告配信プラットフォーム200は、利用者端末装置10の表示を、電子決済サービス上のクーポンに関するページに遷移させる。利用者端末装置10が、決済アプリ20をインストール済みである場合、広告配信プラットフォーム200は、決済アプリ20を起動させる。利用者端末装置10が、決済アプリ20をインストール済みでない場合、広告配信プラットフォーム200は、利用者端末装置10の表示を、決済アプリ20のダウンロードページに遷移させてもよいし、クーポンに関する電子決済サービスのWebサイトのページに遷移させてもよい。
【0055】
図11の右部は、利用者が広告A12をクリックしたことに応じて、広告配信プラットフォーム200が、利用者端末装置10の決済アプリ20を起動させ、クーポンの詳細説明ページに遷移させている例を表している。このとき、決済アプリ20は、広告配信プラットフォーム200の広告A12がクリックされたことによって起動されたことを示す情報を決済サーバ100に通知する。これにより、後述する計測部146による広告のパフォーマンス計測が可能となる。利用者が、クーポンの詳細説明ページに表示されたボタンB5を押下すると、決済アプリ20は、フォローおよび獲得ボタンB5が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信する。情報管理部140は、利用者情報172の「フォロー加盟店」に加盟店の識別情報を格納すると同時に、利用者が獲得したクーポンの識別情報を利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。これは、以下で説明する計測部146によってパフォーマンスとして計測される。
【0056】
[広告のパフォーマンス計測]
計測部146は、出稿部144によって出稿された広告のパフォーマンスを電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測するとともに、広告配信プラットフォーム200によって計測された広告の第2パフォーマンス情報を取得して、これら第1パフォーマンス情報および第2パフォーマンス情報をまとめて、広告パフォーマンス情報182として記憶部170に記憶する。図12は、広告パフォーマンス情報182の一例を示す図である。広告パフォーマンス情報182は、例えば、出稿広告IDおよびクーポンIDに対して、広告表示回数、クリック数、クリック率、クーポン獲得数、CVR1(クーポン獲得率)、クーポン利用数、CVR2(クーポン利用率)、コスト、CPAなどの情報が対応付けられたものである。
【0057】
広告表示回数は、出稿部144によって広告が出稿されてから現時点までの間に、広告配信プラットフォーム200が利用者端末装置10に広告を表示した表示回数を示す情報である。クリック数は、広告表示回数のうち、広告を閲覧した利用者が実際に広告をクリックした回数を示す情報である。クリック率は、広告表示回数をクリック数によって除算した値である。これら広告表示回数、クリック数、およびクリック率は、広告配信プラットフォーム200によって計測され、広告配信プラットフォーム200は、これら計測値を広告測定データとしてネットワークNWを介して計測部146に送信する。上述した通り、広告配信プラットフォーム200と決済サーバ100は、広告配信ターゲットについて、メールアドレスや電話番号などの識別子を共有しているため、計測部146は、このような情報を取得することができる。広告表示回数、クリック数、クリック率は、特許請求の範囲における「第2パフォーマンス情報」の一例である。
【0058】
クーポン獲得数は、利用者端末装置10に表示された広告をクリックした利用者が、遷移先の決済アプリ20のページで、フォローおよび獲得ボタンB5を押下して、クーポンを獲得した回数を示す情報である。CVR(conversion rate)1は、クーポン獲得数をクリック数によって除算した値である。代替的に、CVR1は、クーポン獲得数を広告表示回数によって除算した値であってもよい。クーポン利用数は、利用者端末装置10に表示された広告をクリックして、かつ遷移先の決済アプリ20のページでクーポンを獲得した利用者が、実際に当該クーポンを利用して電子決済を行った回数を示す情報である。CVR2は、クーポン利用数をクーポン獲得数によって除算した値である。代替的に、CVR2は、クーポン利用数を、広告表示回数又はクリック数によって除算した値であってもよい。
【0059】
コストは、広告配信プラットフォーム200が広告を配信することによって、加盟店が実際に支払うコストを示す情報である。コストは、図10に示す出稿広告情報180に記録された予算以下の値となる。CPAは、コストをクーポン利用数によって除算した値である。代替的に、CPAは、コストをクーポン獲得数によって除算した値であってもよいし、計測部146は、これら2つのCPAを算出してもよい。また、広告配信のターゲットに、決済アプリ20の未ダウンロード者が含まれている場合、計測部146は、広告をクリックした未ダウンロード者のうち、決済アプリ20をダウンロードした人数を計測し、CPAを、コストをダウンロード者数によって除算した値として算出してもよい。CPAは、加盟店が最も重視する、広告のパフォーマンスを表す情報と言える。CVR1(クーポン獲得率)、クーポン利用数、CVR2(クーポン利用率)、コスト、CPAは、特許請求の範囲における「第1パフォーマンス情報」の一例である。
【0060】
[広告に関するパフォーマンス情報およびレコメンド情報の報告]
報告部148は、計測部146によって広告のパフォーマンス情報が計測されると、計測されたパフォーマンス情報を加盟店に報告する。このとき報告されるパフォーマンス情報は、第1パフォーマンス情報および第2パフォーマンス情報の少なくとも一部である。例えば、報告部148は、計測されたパフォーマンス情報を第2店舗端末装置70に提供し、第2店舗端末装置70は取得したパフォーマンス情報を表示させる。図13は、報告部148によって提供され、第2店舗端末装置70によって表示させるパフォーマンス情報の一例を示す図である。図13は、報告部148が、メニューA7から「広告分析」が選択されることに応じて、加盟店に、発行済みクーポンに関する広告のパフォーマンスを閲覧させるための閲覧画面を領域A14に表示させている例を表している。
【0061】
閲覧画面A14は、例えば、分析対象クーポンを指定するための領域I15と、クーポンのパフォーマン情報を表示するための領域A15と、ターゲットのレコメンド情報を表示するための領域A16とを含む。図13は、一例として、領域I15に分析対象クーポン「C0001」が入力されたことに応じて、報告部148が、図12に示した広告パフォーマンス情報182のうち、クーポン「C0001」に対応する情報項目を領域A15に表示させている場合を表している。図13では、報告部148は、広告パフォーマンス情報182の情報項目全てを表示しているが、本発明はそのような構成に限定されず、報告部148は、広告パフォーマンス情報182の情報項目のうち一部を表示させてもよい。
【0062】
さらに、報告部148は、計測されたパフォーマンスに基づいて、ターゲットをレコメンドするためのレコメンド情報を生成し、パフォーマンス情報と合わせて第2店舗端末装置70に提供する。より具体的には、例えば、報告部148は、同一の(又は条件が類似する)クーポンに関する広告が複数出稿された場合、複数の広告のうち、パフォーマンスが最も優れたターゲットをレコメンド情報として第2店舗端末装置70に提供する。ここで、比較対象となるパフォーマンスとは、例えば、広告パフォーマンス情報182に記憶されたCPAである。図12に示す通り、クーポン「C0001」について二つの広告「A0001」、「A0002」が出稿されているが、広告「A0002」のCPA「760円」は、広告「A0001」のCPA「4,570円」に比して低いため、図13において、報告部148は、広告「A0002」のターゲットをレコメンド情報として第2店舗端末装置70に提供している。
【0063】
以上説明した通り、提案部142は、加盟店の運営者に、利用者情報172に基づいて、広告配信ターゲットを提案するとともに、クーポンの広告配信ターゲットを手動設定またはおすすめ設定することを可能にさせ、出稿部144は、設定された広告配信ターゲットに対して、広告のクリックによる遷移先が電子決済サービスのクーポンに関する詳細ページになるよう広告を出稿する。さらに、報告部148は、電子決済サービスの情報(例えば、利用者情報172)へのアクセスが制限された加盟店では取得が不可能であるパフォーマンス情報およびレコメンド情報を、当該加盟店に提供する。すなわち、これにより、電子決済サービスの加盟店に対して、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行わせることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、広告対象がクーポンである例について説明したが、本発明はそのような構成に限定されず、スタンプカードやキャンペーンに対しても適用することができる。ここで、スタンプカードとは、所定条件を満たす複数回以上の電子決済により、ポイントなどの特典が付与される仕組みを意味し、キャンペーンとは、クーポンのような事前操作を必要とすることなく、所定条件を満たす電子決済により、ポイントなどの特典が付与される仕組みを意味する。スタンプカードの場合、計測部146は、パフォーマンスとして、広告をクリックした利用者のうち、スタンプカードの条件を満たす初回決済を実行した利用者の数(およびそのCPA)を計測してもよいし、スタンプカードの条件を満たす最終回の決済を実行した(すなわち、スタンプカードをコンプリートとした)利用者の数(およびそのCPA)を計測してもよい。キャンペーンの場合、報告部148は、パフォーマンスとして、広告をクリックした利用者のうち、条件を満たす電子決済を実行した利用者の数(およびそのCPA)を計測してもよい。
【0065】
[処理の流れ]
次に、図14を参照して、第2店舗端末装置70、決済サーバ100、広告配信プラットフォーム200によって実行される処理の流れについて説明する。図14は、第2店舗端末装置70、決済サーバ100、広告配信プラットフォーム200によって実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0066】
まず、決済サーバ100は、第2店舗端末装置70に、クーポンに関する広告のターゲットを、利用者情報172に基づいて提案する(S11)。次に、第2店舗端末装置70は、図9を参照して説明した手動設定又はおすすめ設定を介して入力された広告配信のターゲットを取得する(S12)。次に、第2店舗端末装置70は、広告配信のターゲットが設定された広告出稿依頼を決済サーバ100に送信する(S13)。
【0067】
次に、決済サーバ100は、クリックされると、電子決済サービスのクーポンに関するページに遷移する広告をターゲットに配信するよう設定を行う(S14)。次に、決済サーバ100は、設定した広告を広告配信プラットフォーム200に出稿する(S15)。次に、広告配信プラットフォーム200は、出稿された広告を配信する(S16)。
【0068】
次に、広告配信プラットフォーム200は、配信された広告に関する第1パフォーマンス情報(広告表示回数など)を決済サーバ100に通知する(S17)。次に、計測部146は、配信された広告に関する広告パフォーマンスを電子決済サービス内で第2パフォーマンス情報として計測するとともに、レコメンド情報を生成する(S18)。次に、報告部148は、生成されたパフォーマンス情報およびレコメンド情報を第2店舗端末装置70に送信する(S19)。第2店舗端末装置70は、受信したパフォーマンス情報およびレコメンド情報を表示する(S20)。これにより、本シーケンス図の処理が終了する。
【0069】
以上説明した実施形態によれば、電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案し、電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された広告のパフォーマンスを、電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測し、広告配信プラットフォームによって計測された広告の第2パフォーマンス情報に、第1パフォーマンス情報を加えて加盟店に報告する。これにより、電子決済サービスの加盟店に対して、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行わせることができる。
【0070】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
142 提案部
144 出稿部
146 計測部
148 報告部
【要約】
【課題】電子決済サービスの加盟店に対して、広告配信のターゲット設定を簡便かつ高精度に行わせること。
【解決手段】電子決済サービスの加盟店からの依頼に応じて、前記加盟店が提供する特典に関する広告のターゲットを提案する提案部と、前記電子決済サービスとは異なる広告配信プラットフォームに出稿された前記広告のパフォーマンスを、前記電子決済サービス内で第1パフォーマンス情報として計測する計測部と、前記広告配信プラットフォームによって計測された前記広告の第2パフォーマンス情報に、前記第1パフォーマンス情報を加えて前記加盟店に報告する報告部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14