(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20241204BHJP
A47J 31/00 20060101ALI20241204BHJP
A47J 31/10 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A47J31/46
A47J31/00 302
A47J31/10 106
(21)【出願番号】P 2021124778
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 吉広
(72)【発明者】
【氏名】寺本 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】米原 詩織
(72)【発明者】
【氏名】葛原 裕介
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-134003(JP,A)
【文献】米国特許第01917071(US,A)
【文献】特開平05-095836(JP,A)
【文献】特開昭63-300721(JP,A)
【文献】特開2004-033383(JP,A)
【文献】特表2015-536708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯とコーヒー粉とからコーヒー液を抽出する抽出容器と、
前記コーヒー液を貯留するサーバー容器と、
前記抽出容器内と前記サーバー容器内とを連通する連通部と、
前記抽出容器内に配置され、前記コーヒー液を透過させることで前記コーヒー粉をろ過して取り除くフィルターと、を備え、
前記コーヒー液を、前記フィルターでろ過しながら前記連通部を介して前記抽出容器から前記サーバー容器へ移動させるように構成され、
前記サーバー容器は、前記コーヒー液を抽出するための前記湯の基となる水を貯留
し、
前記サーバー容器に貯留された水のうち一部のものを一時的に貯留するサブタンクを備える、コーヒーメーカー。
【請求項2】
前記抽出容器は、前記サーバー容器の下方に配置される、請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項3】
前記連通部は、当接部を備え、
前記当接部は、前記連通部の下端の開口部から前記抽出容器の下部側に向かって突出して、前記抽出容器内において前記抽出容器の下部の内面に当接する、請求項1または請求項2に記載のコーヒーメーカー。
【請求項4】
前記コーヒー液の吐出終了後、前記サーバー容器から吐出口までの前記コーヒー液の吐出経路に外気を流通させて前記コーヒー液の吐出経路内に残留する前記コーヒー液を吐出させる、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のコーヒーメーカー。
【請求項5】
前記抽出容器内と前記サーバー容器内との間の圧力差を生じさせて、前記コーヒー液を、前記フィルターでろ過しながら前記連通部を介して前記抽出容器から前記サーバー容器へ移動させるように構成される、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー粉と湯とを用いて自動でコーヒー液を抽出するコーヒーメーカーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー粉と湯とを用いて自動でコーヒー液を抽出するコーヒーメーカーに関する技術は種々知られている。前記コーヒーメーカーには、例えば、サイフォン式やドリップ式のものがある。
【0003】
また、前記コーヒーメーカーには、コーヒー液を抽出する抽出容器と、コーヒー液を貯留するサーバー容器と、コーヒー液を透過させることでコーヒー粉をろ過して取り除くフィルターと、を備えるものが公知となっている(特許文献1参照)。前記コーヒーメーカーは、抽出容器において、所定の時間湯にコーヒー粉を浸した状態とした後、コーヒー液をフィルターでろ過しながらサーバー容器へ移動させるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、前記コーヒーメーカーでは、抽出容器とサーバー容器とは別に、抽出容器においてコーヒー液を抽出するための湯(湯または蒸気)の基となる水を貯留する水タンクを必要とする。このように、前記コーヒーメーカーでは、抽出容器とサーバー容器とは別に水タンクを必要とすることから、部品点数が多くなり、大型化し、且つ、手入れ性が悪いものとなっていた。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、部品点数を削減することができ、コンパクト化を実現することができ、且つ、手入れ性を向上させることができるコーヒーメーカーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコーヒーメーカーは、湯とコーヒー粉とからコーヒー液を抽出する抽出容器と、前記コーヒー液を貯留するサーバー容器と、前記抽出容器内と前記サーバー容器内とを連通する連通部と、前記抽出容器内に配置され、前記コーヒー液を透過させることで前記コーヒー粉をろ過して取り除くフィルターと、を備え、前記コーヒー液を、前記フィルターでろ過しながら前記連通部を介して前記抽出容器から前記サーバー容器へ移動させるように構成され、前記サーバー容器は、前記コーヒー液を抽出するための前記湯の基となる水を貯留し、前記サーバー容器に貯留された水のうち一部のものを一時的に貯留するサブタンクを備えるものである。
【0008】
本発明に係るコーヒーメーカーによれば、水タンクとサーバー容器とを兼ねる構成とされる。したがって、部品点数を削減することができ、コンパクト化を実現することができ、且つ、手入れ性を向上させることができる。また、本構成によれば、コーヒー粉を浸すための水(湯)以外の水(湯や蒸気等)を確保することができずに、コーヒー液の抽出を適切に行えない状況を回避することができる。
【0009】
本発明において、前記抽出容器は、前記サーバー容器の下方に配置されると好適である。
【0010】
本構成によれば、コーヒー液を抽出する動作の演出性を向上させることができる。
【0011】
本発明において、前記連通部は、当接部を備え、前記当接部は、前記連通部の下端の開口部から前記抽出容器の下部側に向かって突出して、前記抽出容器内において前記抽出容器の下部の内面に当接すると好適である。
【0012】
本構成によれば、抽出容器において抽出されたコーヒー液が、連通部を介してサーバー容器に移動されずに抽出容器内に少量残った状態となることを防止することができる。
【0015】
本発明において、前記コーヒー液の吐出終了後、前記サーバー容器から吐出口までの前記コーヒー液の吐出経路に外気を流通させて前記コーヒー液の吐出経路内に残留する前記コーヒー液を吐出させると好適である。
【0016】
本構成によれば、コーヒー液の吐出終了後に、コーヒー液の吐出経路内に残留したコーヒー液が吐出口から滴下すること(ポタ落ちすること)を防止することができる。
【0017】
本発明において、前記抽出容器内と前記サーバー容器内との間の圧力差を生じさせて、前記コーヒー液を、前記フィルターでろ過しながら前記連通部を介して前記抽出容器から前記サーバー容器へ移動させるように構成されると好適である。
【0018】
本構成によれば、コーヒー液を抽出する動作の演出性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るコーヒーメーカーを示す斜視図。
【
図4】同じくコーヒーメーカーの内部構造を示す背面図。
【
図7】同じくコーヒーメーカーの第一流通管の拡大断面図。
【
図8】同じくコーヒーメーカーの抽出ユニットの拡大断面図。
【
図9】同じくコーヒーメーカーの抽出ユニットの一部分解斜視図。
【
図10】同じくコーヒーメーカーの、(A)第二容器へ注湯する状態を示す模式図、(B)湯にコーヒー粉を浸した状態を示す模式図、(C)コーヒー液をフィルターに透過させてコーヒー液を抽出しつつ第二容器から流出させて第一容器に流入させる状態を示す模式図。
【
図11】同じくコーヒーメーカーを制御ブロック図。
【
図12】同じくコーヒーメーカーを制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔コーヒーメーカーの全体構成〕
次に、
図1から
図11に示すコーヒーメーカー1について説明する。
図1から
図11に示すコーヒーメーカー1は、本発明に係るコーヒーメーカーの一実施形態である。なお、説明の便宜上、コーヒーメーカー1に対して、
図1から
図4に示した矢印のように、前後方向、左右方向、及び上下方向を規定している。もっとも、
図1から
図4に示した、前後方向、左右方向、及び上下方向については、本発明に係るコーヒーメーカーの前後方向、左右方向、及び上下方向を限定するものではない。また、以下の説明における、前、後、左、右、上、下等の記載は、コーヒーメーカー1を構成する各部が、コーヒーメーカー1が使用される際の所定位置に組み付けられている状態を基準として向きを表している。
【0021】
コーヒーメーカー1は、ユーザーによって操作されることで、コーヒー粉と湯とを用いて自動でコーヒー液を抽出する。コーヒーメーカー1は、浸漬式のコーヒーメーカー1であり、湯にコーヒー粉を浸した後にフィルター44でろ過することによってコーヒー液を抽出する。
図1から
図3に示すように、コーヒーメーカー1は、本体2と、抽出ユニット40と、を備える。
【0022】
〔本体〕
図1から
図3に示すように、本体2は、抽出スイッチ3と吐出スイッチ4と吐出口5と味設定部6とを備え、抽出ユニット40を支持する。本体2は、その筐体内にコーヒーメーカー1がコーヒー液を抽出する動作のための各種の部品を内蔵する。本体2(筐体)は、下部7と後部8と上部9とを備え、下部7の後端部から後部8が上方に延出し且つ後部8の上端部から上部9が前方に延出する構成とされて、側面視概C字状(コ字状)に構成される。本体2の上部9(上部9の左部)には上下方向に貫通する支持孔10が形成されて、本体2は支持孔10において抽出ユニット40を支持する。
【0023】
図1から
図3に示すように、抽出スイッチ3は、プッシュスイッチであり、上部9の右部の上面に配置される。なお、抽出スイッチ3は、プッシュスイッチであることに限定されず、例えばタッチパネル等で構成されてもよく、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて適宜なものに設定される。吐出スイッチ4は、レバースイッチであり、上部9の右部の側部に配置される。なお、吐出スイッチ4は、レバースイッチであることに限定されず、例えばタッチパネル等で構成されてもよく、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて適宜なものに設定される。吐出口5は、ユーザーの指示に基づいてコーヒー液を吐出する。吐出口5は、上部9の右部の下面に設けられ、下方に向かって開口する。
【0024】
図1に示すように、味設定部6は、上部9の右部の上面に設けられる。味設定部6は、ユーザーによって操作されて、コーヒーメーカー1に各種の動作を行わせ、コーヒーメーカー1の各種の設定等を行うものである。例えば、ユーザーによって味設定部6が操作されることによって、コーヒーメーカー1によって抽出されるコーヒー液の味(例えば、「すっきり」or「濃厚」の選択、または、「酸味が引き立つ」or「苦味が引き立つ」)の選択が行われる。味設定部6は、複数個のタクトスイッチで構成される。なお、味設定部6は、このような構成に限定されず、例えばタッチパネル等で構成されてもよく、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて表示態様やスイッチ操作の構成等については適宜なものに設定される。
【0025】
〔抽出ユニット〕
抽出ユニット40は、コーヒー液を抽出し、且つ、前記抽出したコーヒー液を貯留する。コーヒーメーカー1は、ユーザーによって抽出スイッチ3が操作されると、抽出ユニット40において制御部11に記憶されるプログラムに基づいて自動でコーヒー液の抽出動作を開始し、前記抽出されたコーヒー液を抽出ユニット40に貯留する。そして、ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されると、抽出ユニット40に貯留されたコーヒー液を吐出口5から吐出する。抽出ユニット40は、本体2に着脱可能に支持される。
図5、
図7から
図9に示すように、抽出ユニット40は、第一容器41と、第二容器42と、連通部43と、フィルター44と、フィルター台47と、支持部60と、を備える。
【0026】
第一容器41は、コーヒー液を貯留する前段において、コーヒー液を抽出するための湯(湯または蒸気)の基となる水を貯留する。前記第一容器41内への水の貯留は、ユーザーによって行われる。さらに、第一容器41は、抽出されたコーヒー液を貯留する。即ち、第一容器41は、水を貯留する水タンクと、コーヒー液を貯留するサーバー容器と、を兼ねる構成とされる。
図1から
図3に示すように、第一容器41は、第二容器42及び支持部60の上方(直上)に配置される。第一容器41は、有底筒状の部材であり、筒部とその上端に略半球状の底部とが配置されて構成される。第一容器41の筒部は側面視で若干末広がり状に構成される。第一容器41は、本体2に抽出ユニット40が取り付けられた状態において、本体2の上部9の上面から上方に突出する構成とされる。第一容器41は、耐熱ガラスで構成される。第一容器41は、透明または半透明に構成されて、貯留される水またはコーヒー液等を外部から視認可能に構成される。なお、第一容器41の形状についてはこのような構成に限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて適宜な形状とすることができる。また、第一容器41は、耐熱ガラスで構成されることまたは透明または半透明に構成されることに限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて構成される素材等が選択される。
【0027】
第二容器42は、湯とコーヒー粉とを混在させて湯にコーヒー粉を浸し、これをフィルター44でろ過することによって、コーヒー液を抽出する。即ち、第二容器42は、コーヒー粉からコーヒー液を抽出する抽出容器として構成される。
図1から
図3に示すように、第二容器42は、第一容器41及び支持部60の下方(直下)に配置される。第二容器42は、有底筒状の部材であり、筒部とその下端に略半球状の底部とが配置されて構成される。第二容器42の筒部は側面視で若干逆末広がり状に構成される。第二容器42は、本体2に抽出ユニット40が取り付けられた状態において、本体2の上部9の下面から下方に突出する構成とされる。第二容器42は、耐熱ガラスで構成される。第二容器42は、透明または半透明に構成されて、湯または抽出されるコーヒー液等を外部から視認可能に構成される。なお、第二容器42の形状についてはこのような構成に限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて適宜な形状とすることができる。第二容器42は、耐熱ガラスで構成されることまたは透明または半透明に構成されることに限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて構成される素材等が選択される。
【0028】
第一容器41と第二容器42との位置関係については、第一容器41が第二容器42の直上に配置されることに限定されず、例えば第一容器41が第二容器42の側方に配置されて、第一容器41と第二容器42とが平面視または側面視で互いの一部分のみ重なる構成であってもよく、または、第一容器41と第二容器42とが平面視または側面視で第一容器41と第二容器42とが重なならない構成であっても良いものとする。
【0029】
図5、
図7から
図9に示すように、連通部43は、上下方向に延出する筒状の部材である。連通部43は、上端の開口部(一方の開口部)が第一容器41内に配置され且つ下端の開口部(他方の開口部)が第二容器42内に配置されて、第一容器41内と第二容器42内とを連通させる。連通部43は、コーヒー液が流通する流路として構成される。第二容器42において抽出されたコーヒー液(ろ過されたコーヒー液)は、連通部43を介して第二容器42から流出して第一容器41に流入する。連通部43は、耐熱ガラスで構成される。連通部43は、透明または半透明に構成されて、流通するコーヒー液を外部から視認可能に構成される。なお、連通部43は、耐熱ガラスで構成されることまたは透明または半透明に構成されることに限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて構成される素材等が選択される。連通部43の形状についてはこのような構成に限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて適宜な形状とすることができる。連通部43は、耐熱ガラスで構成されることまたは透明または半透明に構成されることに限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途等に応じて構成される素材等が選択される。
【0030】
図5、
図7から
図9に示すように、フィルター44は、コーヒー液が透過することによって、コーヒー液に混在するコーヒー粉をろ過して取り除く。フィルター44は、第二容器42内のフィルター台47上に配置されて、第二容器42内の空間を上下二つに分割する。フィルター44は、第二容器42内の下方であって連通部43の下方の開口部の上方近傍に配置される。第二容器42内においてフィルター44で分割される空間のうち一方(上方)の空間には連通部43の開口部が配置されず、他方(下方)の空間には連通部43の開口部が配置される。フィルター44は、ユーザーによって第二容器42内に配置され、所定量のコーヒー粉は、ユーザーによって前記フィルター44の上方に配置される。コーヒー液を抽出する際において、第二容器42内においてフィルター44で分割される空間のうち一方(上方)の空間においては、コーヒー液にコーヒー粉が混在した状態となっている。コーヒー液を抽出する際において、第二容器42内においてフィルター44で分割される空間のうち他方(下方)の空間においては、コーヒー液がフィルター44を透過して、コーヒー粉がフィルター44でろ過されてコーヒー液からコーヒー粉が取り除かれた状態となっている。
【0031】
図1から
図3に示すように、支持部60は、第一容器41、第二容器42、及び支持部60、を支持する。支持部60は、概平板円盤状に構成される。支持部60は、その上面と第一容器41の下端(第一容器41の開口)とが当接した状態で、パッキンが配置されて水密状に構成される。支持部60の上面と第一容器41内とで構成される空間において、水またはコーヒー液等を貯留する。支持部60の上面と第一容器41内とで構成される空間は、密閉空間として構成される。支持部60は、その下面と第二容器42の上端(第二容器42の開口)とが当接した状態で、パッキンが配置されて水密状に構成される。支持部60の下面と第二容器42内とで構成される空間において、コーヒー液が抽出されてろ過される。支持部60の略中央部には、上下方向に貫通する貫通孔が形成される。連通部43は、貫通孔に挿通された状態で支持部60に保持される。支持部60は、本体2に抽出ユニット40が取り付けられた状態において、本体2の上部9内に配置されて、水、湯、蒸気、またはコーヒー液等の流路である流通管(第一流通管101、第二流通管102、第六流通管106、第七流通管107、及び第十三流通管113)に接続される(
図4及び
図7参照)。
【0032】
〔本体の構成の詳細〕
図4から
図6に示すように、本体2は、制御部11と、電源部12と、サブタンク21と、第一ポンプ22と、ヒーター23と、第一弁部24と、第二ポンプ25と、蒸気空間26と、ドレイン27と、大気開放部28、第二弁部29と、安全弁シャフト30と、を備え、前記制御部11等は筐体内に配置される。また、本体2は、水、湯、蒸気、またはコーヒー液等の流路である複数個の流通管101~116を備え、前記複数個の流通管101~116は筐体内に配置される。
【0033】
図6に示すように、制御部11は、コーヒーメーカー1(抽出スイッチ3、吐出スイッチ4、吐出口5(吐出口5の弁)、味設定部6、電源部12、第一ポンプ22、ヒーター23、第一弁部24、第二ポンプ25、第二弁部29、及び安全弁シャフト30等)の各種の動作を制御する。制御部11は、抽出スイッチ3、吐出スイッチ4、吐出口5(吐出口5の弁)、電源部12、第一ポンプ22、ヒーター23、第一弁部24、第二ポンプ25、第二弁部29、及び安全弁シャフト30等に電気的に接続される。
【0034】
図6に示すように、電源部12は、制御部11に電力を供給して、制御部11からコーヒーメーカー1の各部(抽出スイッチ3、吐出スイッチ4、吐出口5、味設定部6、電源部12、第一ポンプ22、ヒーター23、第一弁部24、第二ポンプ25、第二弁部29、及び安全弁シャフト30等)に対し、各種の動作を行うための電力を供給する。電源部12は、コーヒーメーカー1のコンセントケーブル(不図示)を介してコンセントから供給される電力を、コーヒーメーカー1の各部に応じた所定の出力電力に変換する。また、コーヒーメーカー1は、電力を蓄電可能に構成される。
【0035】
図3、
図5、または
図7に示すように、第一流通管101を介して抽出ユニット40(第二容器42)と吐出口5とが連接される。ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されて吐出ONの操作がされると、吐出口5の弁が開いて、抽出ユニット40(第一容器41)に貯留されたコーヒー液は、抽出ユニット40から流出して、第一流通管101を経由し、吐出口5から吐出される。ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されて吐出OFFの操作がされると、吐出口5の弁が閉じて、吐出口5からのコーヒー液の吐出が停止される。なお、ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されると、吐出口5から定量のコーヒー液が吐出された後に自動的に吐出OFFとなる構成であっても良いものとする。
【0036】
図4または
図5に示すように、第二流通管102を介して抽出ユニット40(第一容器41)とサブタンク21とが連接され、第三流通管103を介してサブタンク21と第一ポンプ22とが連接され、第四流通管104を介して第一ポンプ22とヒーター23とが連接され、第五流通管105を介してヒーター23と第一弁部24とが連接され、第六流通管106を介して第一弁部24と抽出ユニット40(第一容器41)とが連接される。
【0037】
図4または
図5に示すように、サブタンク21は、第一容器41に貯留された水が第一容器41から流出して第二容器42に流入する際の水の流路上に配置される。第一容器41に貯留された水の全てがコーヒー粉を浸すための湯として用いられるものではなく、第一容器41に貯留された水のうち一部のものは、サブタンク21に一時的に貯留される。第一ポンプ22は、第一容器41内の水を吸引して第二容器42に供給する。第一ポンプ22は、ユーザーによって抽出スイッチ3が操作されてコーヒー液の抽出動作の開始の操作がされることによって前記水の吸引動作を行う。ヒーター23は、湯沸かしヒーター23(フロースルーヒーター)である。ヒーター23は、第一ポンプ22によって吸引されて第一容器41に貯留された水が経由することによって水を温めて(加熱して)湯にし、または、第一ポンプ22によって吸引されてサブタンク21で一時的に貯留される水が経由することによって水を温めて(加熱して)蒸気を発生させることが可能とされる。第一弁部24は、三方弁であり、ユーザーによって抽出スイッチ3が操作されてコーヒー液の抽出動作の開始の操作がされることによって、第六流通管106側への流路または第十六流通管116側への流路が開状態とされる。
【0038】
図4または
図5に示すように、第七流通管107を介して抽出ユニット40(第一容器41)と第二ポンプ25とが連接され、第八流通管108を介して第二ポンプ25と蒸気空間26とが連接され、第九流通管109を介して蒸気空間26とドレイン27とが連接され、第十流通管110を介して蒸気空間26と大気開放部28とが連接される。
【0039】
第二ポンプ25は、第一容器41内の気体を吸引して第一容器41内を減圧する。第二容器42内でコーヒー液を抽出した後、第一容器41内を減圧して連通部43を介して第二容器42内のコーヒー液を吸引して第一容器41に供給する。第二ポンプ25は、ユーザーによって抽出スイッチ3が操作されてコーヒー液の抽出動作が開始されてから所定時間経過後(コーヒー液の抽出が終了した後)自動的に前記吸引動作を行う。蒸気空間26は、第一容器41内の蒸気や水分をコーヒーメーカー1外に流出させる際の蒸気や水分等の流路上に配置される。ドレイン27は、蒸気空間26に溜まった水が第九流通管109を流通して不要な水分として溜められる部分であり、本体2の下部7内に配置される。ドレイン27は、着脱可能に構成され、例えば、ある程度廃水が溜められるとユーザーによって本体2から取り外されて溜められた廃水の処理が行われる。大気開放部28は、蒸気空間26を経由して不要な蒸気や気体等をコーヒーメーカー1外に排気する部分であり、本体2の上端部(本体2の上部9)に開口する。
【0040】
図4または
図5に示すように、第十一流通管111を介して第七流通管107(第七流通管107及び第一容器41)と第二弁部29とが連接され、第十二流通管112を介して第二弁部29と蒸気空間26が連接される。第十三流通管113を介して第二容器42とサブタンク21とが連接される。第十四流通管114を介して第五流通管105と安全弁シャフト30とが連接され、第十五流通管115を介して安全弁シャフト30とサブタンク21とが連接される。
【0041】
第二弁部29は、閉状態で第一容器41内を密閉空間とする。第一容器41内の内圧を下げたい場合(大気開放させたい場合)には第二弁部29を開状態とする。安全弁シャフト30は、第一容器41内、第二容器42内、及び流通管101~116内の圧力が異常に高い場合に、自動で開状態として第一容器41内、第二容器42内、及び流通管101~116内の内圧を下げる。第一容器41内、第二容器42内、及び流通管101~116内の圧力は圧力センサ(不図示)によって検知されて、圧力センサは異常値等を検知した際にその旨を制御部11に通信する。
【0042】
図4または
図5に示すように、第十六流通管116を介して第一弁部24と第七流通管107とが連通される。第七流通管107の一端部は蒸気流通部46と連通されることから、第五流通管105、第一弁部24、第十六流通管116、第七流通管107、及び蒸気流通部46を介して、第一容器41内にヒーター23からの蒸気が流入可能に構成される。第一弁部24は、第六流通管106と第十六流通管116とで湯や蒸気等の流路の切り替え可能に構成される。第一弁部24は、ヒーター23からの湯を第二容器42内に流入させる場合(第二容器42への注湯の場合)には、第六流通管106に湯が流通するように設定される。第一弁部24は、湯とコーヒー粉とを攪拌させる際にヒーター23からの蒸気を第一容器41内に流入させる場合には、第十六流通管116に蒸気が流通するように設定される。
【0043】
〔コーヒー液を抽出する動作について〕
次に、コーヒーメーカー1によって、コ-ヒー液を抽出する動作について説明する。まず、
図10(A)に示すように、ユーザーによって抽出スイッチ3が操作されてコーヒー液の抽出動作の開始の操作がされると、第一ポンプ22が作動して、第一容器41に貯留された水は、抽出ユニット40から流出して、第二流通管102を経由し、サブタンク21に流入する。そして、前記サブタンク21に流入した水は、サブタンク21から流出して、第三流通管103を経由し、第一ポンプ22及び第四流通管104を介してヒーター23に流入する。ヒーター23に流入した水は、ヒーター23によって温められて湯になる。さらに、前記ヒーター23によって温められた湯は、ヒーター23から流出して第五流出管105を経由し、第一弁部24及び第六流通管106を介して第二容器42に流入する。所定量の水が第二容器42内に流入すると第一ポンプ22の動作が停止する。このようにして、第一容器41内の水を流出させ、前記水を湯にして、前記湯を第二容器42内に流入させる(第二容器42への注湯)。第二容器42への注湯動作時においては、第二弁部29は開状態とされる。
【0044】
そして、
図10(B)に示すように、第二容器42内(第二容器42内の上部の空間内)において、所定時間、湯とコーヒー粉とを混在させて湯にコーヒー粉を浸した状態(浸漬状態)とする。このとき、第一容器41には水が貯留されず空の状態となっている。前記湯にコーヒー粉を浸した状態とする所定時間は予め設定される。このときにおいても、第二弁部29は開状態とされる。
【0045】
さらに、湯とコーヒー粉とを混在させて湯にコーヒー粉を浸した状態とする際に、第二容器42内に蒸気を流入させて蒸気によって湯とコーヒー粉とを攪拌させる動作を行う。このとき、第一ポンプ22が作動して、サブタンク21に一時的に貯留される水がサブタンク21から流出してヒーター23に流入して、ヒーター23によって温められて蒸気となる。そして、ヒーター23によって温められた蒸気は、ヒーター23から流出して第一容器41に流入して連通部43を介して第二容器42内に流入する。このようにして、第二容器42内に蒸気を流入させて蒸気によって湯とコーヒー粉とを攪拌させる。所定時間、蒸気によって湯とコーヒー粉とを攪拌させると第一ポンプ22の動作が停止する。第二容器42内に蒸気を流入させるタイミング(第一ポンプ22が作動するタイミング)及び蒸気の量等は、プログラム等で予め定められている。なお、「湯とコーヒー粉とを混在させて湯にコーヒー粉を浸した状態とする際に、第二容器42内に蒸気を流入させて蒸気によって湯とコーヒー粉とを攪拌させる動作」については、行わない構成であっても良く、または、ヒーター23によって温められた蒸気が第一容器41及び連通部43を介さずにヒーター23から第二容器42内に流入する構成であっても良いものとする。
【0046】
所定の時間湯にコーヒー粉を浸した状態とした後、
図10(C)に示すように、コーヒー液をフィルター44に透過させてフィルター44でコーヒー液からコーヒー粉をろ過しながら、第二容器42において抽出したコーヒー液を、連通部43を介して第二容器42から流出させて第一容器41に流入させる。このとき、第一容器41内と第二容器42内との間の圧力差を生じさせて、コーヒー液をフィルター44でろ過しながら連通部43を介して第二容器42から第一容器41に移動させる。前記抽出したコーヒー液を第二容器42から第一容器41に移動させる際には、第二弁部29は閉状態とされ、第一容器41内は密閉状態とされる。以上のようにして、コーヒーメーカー1によってコ-ヒー液を抽出する動作を行う。
【0047】
以上のように、第一容器41(サーバー容器)は、コーヒー液を貯留する前段において水を貯留し、水タンクとサーバー容器とを兼ねる構成とされることから、水タンクとサーバー容器とが兼用されないもの(抽出容器とサーバー容器と水タンクとがそれぞれ別構成のもの)と比べて、部品点数を削減することができる。したがって、コンパクト化を実現することができ、且つ、手入れ性を向上させることができる。
【0048】
また以上のように、第一容器41は水タンクとサーバー容器とを兼ねて、第一容器41に貯留された水は、第二流通管102、サブタンク21、第三流通管103、第一ポンプ22、第四流通管104、ヒーター23、第五流出管105、第一弁部24、及び第六流通管106を経由して第二容器42に湯として流入する。そして、第二容器42内において抽出したコーヒー液を、第一容器41内と第二容器42内との間の圧力差を生じさせてフィルター44でろ過しながら連通部43を介して第二容器42から第一容器41へ移動させる。さらに、第一容器41、第二容器42、及び連通部43は、これらの内部の水やコーヒー液等を外部から視認可能に構成される。このため、コーヒー液を抽出する動作の演出性を向上させることができる。
【0049】
図1から
図3に示すように、第二容器42は第一容器41の下方に配置される。第二容器42の下端部は、第一容器41の下端部よりも、下方に位置する。このため、コーヒーメーカー1によれば、コーヒー液を抽出する動作の演出性を向上させることができる。
【0050】
図8から
図9に示すように、連通部43は、複数個(三個)の当接部48・48・48を備える。当接部48は、第二容器42内において第二容器42の下部の最低位置の内面(底部の内面)に当接する。三個の当接部48・48・48は、連通部43の下端の開口部(他方の開口部)において周方向に均等にそれぞれ配置される。当接部48は、連通部43の下端の開口部から下方(第二容器42の下部側)に向かって突出して、その突出側端部(下端部)が第二容器42の下部に当接する。当接部48は、連通部43の下端の開口部から数mm程度(例えば2mm程度)突出する。当接部48が第二容器42に当接した状態において、連通部43の下端の開口部と第二容器42の下部の内面との間に若干の隙間が形成される。第二容器42において抽出されたコーヒー液(ろ過されたコーヒー液)は、前記隙間を通って連通部43の下端の開口部から連通部43内に流入し、連通部43を介して第一容器41に移動する。
【0051】
このように当接部48を備えることから、第二容器42において抽出されたコーヒー液は、連通部43を介して第一容器41に移動するときに第二容器42内においてコーヒー液が少量になった際に、当接部48を伝わるようにして連通部43の下端の開口部と第二容器42の下部の内面との間に隙間を通って連通部43内に流入する。このため、第二容器42において抽出されたコーヒー液が、連通部43を介して第一容器41に移動されずに第二容器42内に少量残った状態となることを防止することができる。なお、当接部48は、複数個であることに限定されず、単数個であっても良いものとする。当接部48は、二個以下または四個以上であっても良いものとする。当接部48の突出長さは、このようなものに限定されず、コーヒーメーカー1の仕様や用途に応じて適宜設定することができる。
【0052】
図8から
図9に示すように、フィルター台47は、概円盤状に形成される。フィルター台47は、その径方向外側端部が第二容器42の筒部の内面に当接した状態で第二容器42内に配置される。ィルター台47は、その上にフィルター44を配置とし、且つ、フィルター44でろ過されたコーヒー液が下方に流通可能なように複数個の開口部47aを有する。フィルター台47は、その中央部に挿通孔47bを有し、連通部43が挿通孔47bに挿通された状態で保持される。
【0053】
図8から
図9に示すように、連通部43は、第一連通部43aと第二連通部43bとキャップ43cとを備える。第一連通部43aは、上下方向に延出する筒状の部材である。第一連通部43aは、その下端部が支持部60の貫通孔に挿通されて支持部60に支持されて、第一容器41内に配置される。第一連通部43aの下端部の内周面にネジ溝が形成される。第二連通部43bは、上下方向に延出する筒状の部材である。第二連通部43bは、その上端部が支持部60の貫通孔に挿通されて支持部60に支持されて、第二容器42内に配置される。第一連通部43aの下端部と第二連通部43bの上端部とを螺合することによって、第一連通部43aと第二連通部43bとは連接される。
【0054】
このように、第二連通部43b(連通部43)は、第一連通部43aに螺合されている状態を解除して支持部60から引き抜くことで、第一連通部43a及び支持部60から取り外すことで、第二容器42から取り外すことができる。即ち、第二連通部43b(連通部43)は、支持部60に着脱可能に構成される。したがって、洗浄等の手入れする際に連通部43を第二容器42から取り外すことができ、手入れ性を向上させることができる。
【0055】
第二連通部43bの下部(上下中途部下方側)には、フランジ49が設けられる。フランジ49は、連通部43がフィルター台47の挿通孔47bに挿通されたときに当接して、連通部43に対するフィルター台47の位置決めとして構成される。第二連通部43bの下端部の外周面にはネジ山が形成される。キャップ43cは、筒状の部材であり、その内周面にネジ溝が形成される。キャップ43cは、第二連通部43bの下端部に螺合することによって取り付けられる。連通部43がフィルター台47の挿通孔47bに挿通された状態でキャップ43cが第二連通部43bに取り付けられことで、連通部43とフィルター台47とが一体的に構成される。
【0056】
このように、第二連通部43b(連通部43)とフィルター台47とが一体的に構成されることから、洗浄等の手入れする際に第二連通部43b(連通部43)を第二容器42から取り外すと、連通部43と一緒にフィルター台47を第二容器42から取り外すことができ、手入れ性を向上させることができる。また、キャップ43cは第二連通部43bに螺合されている状態を解除することで、フィルター台47を連通部43から取外すことができる。即ち、フィルター台47は連通部43に着脱可能に構成される。したがって、洗浄等の手入れする際にフィルター台47を連通部43から取り外すことができ、手入れ性を向上させることができる。
【0057】
「第一容器41内と第二容器42内との間の圧力差を生じさせて、コーヒー液をフィルター44でろ過しながら連通部43を介して第二容器42から第一容器41に移動させる」構成として、例えば、第一容器41内を吸引(第一容器41内の気体を吸気)して第一容器41内を減圧させて、第二容器42において抽出したコーヒー液を、連通部43を介して第二容器42から流出させて第一容器41に流入させるとしても良い。このとき、第二ポンプ25を作動させて第一容器41内に第七流通管107を介して第一容器41内を吸引する。このようにして、第二ポンプ25の吸引により第一容器41内を減圧させて第二容器42内におけるコーヒー液の抽出、及びコーヒー液の第二容器42から第一容器41への移動が行われる。即ち、第二容器42内の陰圧をコーヒー液の抽出及び移動に用いるように構成される。
【0058】
以上のように、第一容器41に貯留された水の全てがコーヒー粉を浸すための湯として用いられるものではなく、サブタンク21は、第一容器41に貯留された水のうち一部のものを一時的に貯留する。このため、「第一容器41内と第二容器42内との間の圧力差を生じさせて、コーヒー液をフィルター44でろ過しながら連通部43を介して第二容器42から第一容器41に移動させる」構成として、例えば、第二容器42内に蒸気を流入させて第二容器42内を加圧させて、第二容器42において抽出したコーヒー液を、連通部43を介して第二容器42から第一容器41に移動させるものとする場合においては、第二容器42内に流入させる蒸気とするための水をサブタンク21において一時的に貯留しておくことができる。したがって、コーヒー粉を浸すための水(湯)以外の水(湯や蒸気等)を確保することができずに、コーヒー液の抽出を適切に行えない状況を回避することができる。
【0059】
図11に示すように、サブタンク21は、第一容器41と側面視で重なるように配置することもできる。このとき、サブタンク21内に貯留される水の水位は外部から認識可能に構成される。さらに、第一容器41内に水が貯留されたとき、または、第一容器41内に水が貯留された第一容器41(抽出ユニット40)が本体2に取り付けられたとき、第一容器41内に貯留される水が第二流通管102を介してサブタンク21内に流入するように構成される。このため、第一容器41内に貯留される水の水位とサブタンク21に貯留される水の水位とが同じになることが外部から認識することができる。このため、第一容器41とサブタンク21とに貯留させる水の量を容易に調節することができ、抽出するコーヒー液の杯数に応じた量の水を第一容器41とサブタンク21とに貯留させることができる。
【0060】
図12に示すように、本体2は第十七連通管117を備えることもできる。第十七連通管117は、第一連通管101と、第八連通管108または第12連通管112とに連接される。第十七連通管117を介して、第一容器41から吐出口5までのコーヒー液の吐出経路(第一流通管101)と、外気を導入する経路(第二ポンプ25と連通される第八連通管108、または、第八連通管108と連通される第十二連通管112)と、が連通させる。このため、吐出口5からのコーヒー液の吐出終了後、第二ポンプ25を作動(例えば、1秒程度作動)させることによって、外気を第一流通管101内に流通させてコーヒー液の吐出経路(第一流通管101)内に残留するコーヒー液を吐出口5から吐出させることができる。したがって、コーヒー液の吐出終了後に、コーヒー液の吐出経路(第一流通管101)内に残留したコーヒー液が吐出口5から滴下すること(ポタ落ちすること)を防止することができる。
【0061】
制御部11は、吐出口5からのコーヒー液の吐出動作が終了後に、自動的に第二ポンプ25を作動させることによって、コーヒー液の吐出経路(第一流通管101)内に残留するコーヒー液を吐出口5から吐出させる構成とされる。このとき、制御部11は、ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されて吐出OFFの操作がされると(吐出口5の弁が閉じると)、吐出スイッチ4の吐出OFFを検知して、自動的に第二ポンプ25を作動させる構成とされる。また、ユーザーによって吐出スイッチ4が操作されると吐出口5から定量のコーヒー液が吐出された後に自動的に吐出OFFとなる構成の場合には、制御部11は、自動的に吐出OFFとなった後、吐出スイッチ4の吐出OFFを検知して、自動的に第二ポンプ25を作動させる構成とされる。また、ユーザーが所定の操作具(例えば本体2に備えられる操作スイッチやリモコン等)を操作することによって、即ち主導で、第二ポンプ25を作動させることによって、コーヒー液の吐出経路(第一流通管101)内に残留するコーヒー液を吐出口5から吐出させる構成とすることもできる。
【0062】
ここで、抽出スイッチ3または味設定部6の下方には制御基板(不図示)が配置され、制御基板は、第一流通管101の上方(第一流通管101の近傍)に配置される。第十七連通管117を介して、第一流通管101と、外気を導入する経路(第二ポンプ25と連通される第八連通管108、または、第八連通管108と連通される第十二連通管112)と、が連通することから、例えば、大気開放させる際に第二弁部29を開状態にして、大気を第一流通管101に流入させて吐出口5から流出させることによって、第一流通管101の近傍に配置される制御基板を、前記第一流通管101を流通する大気によって冷却することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 コーヒーメーカー
2 本体
41 第一容器(水容器兼サーバー容器)
42 第二容器(抽出容器)
43 連通部
44 フィルター