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特許7598029半導体集積回路装置および半導体集積回路装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置および半導体集積回路装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20241204BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20241204BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H01L21/82 B
H01L27/092 A
H01L27/092 C
H01L27/092 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021550640
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 JP2020035675
(87)【国際公開番号】W WO2021065590
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2019182406
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 淳司
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/003634(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/025580(WO,A1)
【文献】特開2018-26565(JP,A)
【文献】特開2018-125542(JP,A)
【文献】特開2014-10839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/8238
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置であって、
前記第1および第2スタンダードセルは、第1方向に並んで配置されており、
前記第1スタンダードセルは、
第1ゲート配線と、
前記第1ゲート配線の前記第1方向における前記第2スタンダードセル側に、前記第1ゲート配線と隣接するように形成された第1ダミーゲート配線と、
前記第1ゲート配線と前記第1ダミーゲート配線との間に設けられた第1パッドと、
前記第1ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ナノシートと、
前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ダミーナノシートと
を備え、
前記第2スタンダードセルは、
第2ゲート配線と、
前記第2ゲート配線の前記第1方向における前記第1スタンダードセル側に、前記第2ゲート配線と隣接するように形成され、かつ、前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第2ダミーゲート配線と、
前記第2ゲート配線と前記第2ダミーゲート配線との間に設けられた第2パッドと
を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記第2スタンダードセルは、
前記第2ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続された第2ナノシートと、
前記第2ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続された第2ダミーナノシートと
をさらに備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体集積回路装置において、
前記第1および第2スタンダードセルの間に、フィラーセルが配置されていることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の半導体集積回路装置において、
平面視において、前記第1および第2ダミーゲート配線の間にローカル配線が形成されており、
前記ローカル配線は、前記第1方向と垂直をなす第2方向に延びていることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置であって、
前記第1および第2スタンダードセルは、第1方向に隣接して配置されており、
前記第1および第2スタンダードセルのセル境界に、第1ダミーゲート配線が形成されており、
前記第1スタンダードセルは、
前記第1方向において前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第1ゲート配線と、
前記第1ダミーゲート配線と前記第1ゲート配線との間に設けられた第1パッドと、
前記第1ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ナノシートと、
前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ダミーナノシートと
を備え、
前記第2スタンダードセルは、
前記第1方向において前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第2ゲート配線と、
前記第1ダミーゲート配線と前記第2ゲート配線との間に設けられた第2パッドと、
前記第2ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続された第2ナノシートと、
前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続され、かつ、前記第1ダミーナノシートと離間するように形成された第2ダミーナノシートと
を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項6】
第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置の製造方法であって、
前記第1および第2スタンダードセルは第1方向に隣接して配置されており、
半導体基板上に互いに異なる2種類の半導体を交互に積層して、積層半導体を形成するステップと、
前記積層半導体の上部において、前記第1および第2スタンダードセルのセル境界の位置に第1犠牲ゲート構造体を形成し、前記第1スタンダードセルの形成位置に第2犠牲ゲート構造体を形成し、前記第2スタンダードセルの形成位置に第3犠牲ゲート構造体を形成するステップと、
平面視において、前記第1および第2犠牲ゲート構造体の間、ならびに、前記第1および第3犠牲ゲート構造体の間に形成されている前記積層半導体を除去することにより、第1~第3犠牲ゲート構造体の下部に第1~第3積層半導体部をそれぞれ形成するステップと、
前記第1および第2積層半導体部をエピタキシャル成長させることによって、前記第1および第2積層半導体部の間に第1パッドを形成し、前記第1および第3積層半導体部をエピタキシャル成長させることによって、前記第1および第3積層半導体部の間に第2パッドを形成するステップと、
前記第1~第3犠牲ゲート構造体を除去するステップと、
前記第1パッドと前記第2パッドとが前記第2積層半導体部を介して電気的に接続されないように、前記第2積層半導体部の一部または全部を除去するステップと
を含む半導体集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナノシートFET(Field Effect Transistor)を用いたスタンダードセル(以下、適宜、単にセルともいう)を備えた半導体集積回路装置のレイアウト構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に半導体集積回路を形成する方法として、スタンダードセル方式が知られている。スタンダードセル方式とは、特定の論理機能を有する基本的単位(例えば、インバータ,ラッチ,フリップフロップ,全加算器など)をスタンダードセルとして予め用意しておき、半導体基板上に複数のスタンダードセルを配置して、それらのスタンダードセルを配線で接続することによって、LSIチップを設計する方式のことである。
【0003】
また、LSIの基本構成要素であるトランジスタは、ゲート長の縮小(スケーリング)により、集積度の向上、動作電圧の低減、および動作速度の向上を実現してきた。しかし近年、過度なスケーリングによるオフ電流と、それによる消費電力の著しい増大が問題となっている。この問題を解決するため、トランジスタ構造を従来の平面型から立体型に変更した立体構造トランジスタが盛んに研究されている。その1つとしてナノシートFET(ナノワイヤFET)が注目されている。
【0004】
特許文献1には、ナノシートFETを用いたスタンダードセルにおいて、回路の論理機能に寄与しないダミーパッドが配置された半導体集積回路装置のレイアウト構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/025580号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、ナノシートFETのチャネル部を形成するナノシート、および、ナノシートの両端に接続され、ソース部またはドレイン部を形成するパッドについて、開示がなされている。しかし、特許文献1では、スタンダードセルに形成されるトランジスタの性能ばらつきを抑制するためのレイアウト構造やその製造方法についての詳細な検討はなされていなかった。
【0007】
本開示は、ナノシートFETを用いたスタンダードセルのレイアウト構造において、スタンダードセルに形成されるトランジスタの性能ばらつきを抑制するための半導体集積回路装置のレイアウト構造やその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様では、第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置であって、前記第1および第2スタンダードセルは、第1方向に並んで配置されている。前記第1スタンダードセルは、第1ゲート配線と、前記第1ゲート配線の前記第1方向における前記第2スタンダードセル側に、前記第1ゲート配線と隣接するように形成された第1ダミーゲート配線と、前記第1ゲート配線と前記第1ダミーゲート配線との間に設けられた第1パッドと、前記第1ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ナノシートと、前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ダミーナノシートとを備える。前記第2スタンダードセルは、第2ゲート配線と、前記第2ゲート配線の前記第1方向における前記第1スタンダードセル側に、前記第2ゲート配線と隣接するように形成され、かつ、前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第2ダミーゲート配線と、前記第2ゲート配線と前記第2ダミーゲート配線との間に設けられた第2パッドとを備える。
【0009】
本開示によると、第1パッドは、第1ゲート配線と、第1ゲート配線の第1方向における第2スタンダードセル側に、第1ゲート配線と隣接するように形成された第1ダミーゲート配線との間に設けられる。第1パッドは、第1ゲート配線と平面視で重なるように形成された第1ナノシートと、第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成された第1ダミーナノシートと接続されている。
【0010】
すなわち、第1パッドは、チャネル部として機能する第1ナノシートと、チャネル部として機能しない第1ダミーナノシートとの間に形成される。このため、第1パッドは、第1ナノシートおよび第1ダミーナノシートとなる積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。これにより、第1パッドは、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッドと同じように形成される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【0011】
本開示の第2態様では、第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置であって、前記第1および第2スタンダードセルは、第1方向に隣接して配置されている。前記第1および第2スタンダードセルのセル境界に、第1ダミーゲート配線が形成されている。前記第1スタンダードセルは、前記第1方向において前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第1ゲート配線と、前記第1ダミーゲート配線と前記第1ゲート配線との間に設けられた第1パッドと、前記第1ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ナノシートと、前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第1パッドと接続された第1ダミーナノシートとを備える。前記第2スタンダードセルは、前記第1方向において前記第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第2ゲート配線と、前記第1ダミーゲート配線と前記第2ゲート配線との間に設けられた第2パッドと、前記第2ゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続された第2ナノシートと、前記第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成されており、前記第2パッドと接続され、かつ、前記第1ダミーナノシートと離間するように形成された第2ダミーナノシートとを備える。
【0012】
本開示によると、第1方向に隣接して配置された第1および第2スタンダードセルのセル境界には、第1ダミーゲート配線が形成されている。第1パッドは、第1ダミーゲート配線と、第1方向において第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第1ゲート配線との間に設けられる。第1パッドは、第1ゲート配線と平面視で重なるように形成された第1ナノシートと、第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成された第1ダミーナノシートと接続されている。また、第2パッドは、第1ダミーゲート配線と、第1方向において第1ダミーゲート配線と隣接するように形成された第2ゲート配線との間に設けられる。第2パッドは、第2ゲート配線と平面視で重なるように形成された第2ナノシートと、第1ダミーゲート配線と平面視で重なるように形成され、かつ、第1ダミーナノシートと離間するように形成された第2ダミーナノシートと接続されている。
【0013】
すなわち、第1パッドは、チャネル部として機能する第1ナノシートと、チャネル部として機能しない第1ダミーナノシートとの間に形成される。第2パッドは、チャネル部として機能する第2ナノシートと、第1ダミーナノシートと離間され、チャネル部として機能しない第2ダミーナノシートとの間に形成される。このため、第1パッドは、第1ナノシートおよび第1ダミーナノシートとなる積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。第2パッドは、第2ナノシートおよび第2ダミーナノシートとなる積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。これにより、第1および第2パッドは、それぞれ、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッドと同じように形成される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【0014】
また、第1および第2スタンダードセルが、第1方向に隣接して配置されるため、半導体集積回路装置の小面積化を図ることができる。
【0015】
本開示の第3態様では、第1および第2スタンダードセルを備えた半導体集積回路装置の製造方法であって、前記第1および第2スタンダードセルは第1方向に隣接して配置されており、半導体基板上に互いに異なる2種類の半導体を交互に積層して、積層半導体を形成するステップと、前記積層半導体の上部において、前記第1および第2スタンダードセルのセル境界の位置に第1犠牲ゲート構造体を形成し、前記第1スタンダードセルの形成位置に第2犠牲ゲート構造体を形成し、前記第2スタンダードセルの形成位置に第3犠牲ゲート構造体を形成するステップと、平面視において、前記第1および第2犠牲ゲート構造体の間、ならびに、前記第1および第3犠牲ゲート構造体の間に形成されている前記積層半導体を除去することにより、第1~第3犠牲ゲート構造体の下部に第1~第3積層半導体部をそれぞれ形成するステップと、前記第1および第2積層半導体部をエピタキシャル成長させることによって、前記第1および第2積層半導体部の間に第1パッドを形成し、前記第1および第3積層半導体部をエピタキシャル成長させることによって、前記第1および第3積層半導体部の間に第2パッドを形成するステップと、前記第1~第3犠牲ゲート構造体を除去するステップと、前記第1パッドと前記第2パッドとが前記第2積層半導体部を介して電気的に接続されないように、前記第2積層半導体部の一部または全部を除去するステップとを含む。
【0016】
本開示によると、第1および第2積層半導体部は、第1方向に隣接して形成される。第1および第3積層半導体部は、第1方向に隣接して形成される。第1パッドは、第1積層半導体部および、第2積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。第2パッドは、第1積層半導体部の側面、および、第3積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。そして、第1積層半導体部は、第1パッドと第2パッドとが電気的に接続されないように、一部または全部が除去される。
【0017】
すなわち、第1および第2パッドは、それぞれ、第1方向に隣接して形成された積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。このため、第1および第2パッドは、チャネル部として機能する半導体層を含む積層半導体部の間に形成されたパッドと同じように形成される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によると、ナノシートFETを用いたスタンダードセルのレイアウト構造において、スタンダードセルに形成されるトランジスタの性能ばらつきを抑制するためのレイアウト構造やその製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウト構造の例を示す平面図。
図2】第1実施形態に係るスタンダードセルのレイアウト構造の例を示す断面図。
図3図1に示すスタンダードセルC1の回路図。
図4】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図5】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図6】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図7】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図8】第1実施形態に係るスタンダードセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
図9】第2実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウト構造の例を示す平面図。
図10】第2実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図11】第2実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図12】第2実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
図13】第2実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、半導体集積回路装置は複数のスタンダードセル(本明細書では、適宜、単にセルという)を備えており、この複数のスタンダードセルのうち少なくとも一部は、ナノシートFET(Field Effect Transistor)を備えるものとする。
【0021】
また、本明細書では、ナノシートの両端に形成され、トランジスタのソースまたはドレインとなる端子を構成する半導体層部のことを「パッド」という。
【0022】
また、以降の実施形態における平面図および断面図においては、各絶縁膜等の記載は省略することがある。また、以降の実施形態における平面図および断面図については、ナノシートおよびその両側のパッドを、簡易化した直線状の形状で記載することがある。また、本明細書において、「同一サイズ」等のように、サイズ等が同じであることを意味する表現は、製造上のばらつき範囲を含んでいるものとする。
【0023】
また、本明細書では、トランジスタのソースおよびドレインのことを、適宜、トランジスタの「ノード」と称する。すなわち、トランジスタの一方のノードとは、トランジスタのソースまたはドレインのことを指し、トランジスタの両方のノードとは、トランジスタのソースおよびドレインのことを指す。
【0024】
また、以下の実施形態では、「VDD」,「VSS」は、電圧または電源自体を示すために用いるとする。
【0025】
また、以下の実施形態およびその変形例において、同様の部材等については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0026】
(第1実施形態)
図1および図2は第1実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウト構造の例を示す図であり、図1は平面図、図2は平面視縦方向における断面図である。具体的には、図2図1に示す線C-C’の断面ある。
【0027】
なお、以下の説明では、図1等の平面図において、図面横方向をX方向、図面縦方向をY方向、基板面に垂直な方向をZ方向としている。また、図1等の平面図においてセルを取り囲むように表示された実線は、セル枠(スタンダードセルC1およびフィラーセルCFの外縁)を示す。
【0028】
図1では、複数のスタンダードセルがX方向に並んで配置されており、セル列を構成している。具体的に、スタンダードセルC1同士の間にフィラーセルCFが配置されている。なお、図面左側に配置されたスタンダードセルC1をスタンダードセルC1a、図面右側に配置されたスタンダードセルC1をスタンダードセルC1bということがある。
【0029】
スタンダードセルC1は、ナノシートFETを備え、論理機能(2入力NAND)を有している。また、フィラーセルCFは、ナノシートFETを備えておらず、論理機能を有していない。
【0030】
本開示では、スタンダードセルC1のように、セルの中にNANDゲート、NORゲート等の論理機能を有するセルを、適宜「論理セル」という。また、フィラーセルCFのように、論理機能を有さないため、回路ブロックの論理機能に寄与せず、論理セルの間に配置されたセルのことを、適宜「フィラーセル」という。
【0031】
また、本開示では、スタンダードセルC1等に、トランジスタのチャネル部として機能するナノシートと、トランジスタのチャネル部として機能しないナノシートが含まれる。特に、トランジスタのチャネル部として機能しないナノシートを「ダミーナノシート」という。
【0032】
また、本開示では、スタンダードセルC1等に、トランジスタを形成するゲート配線と、トランジスタを形成しないゲート配線とが含まれる。特に、トランジスタを形成しないゲート配線を「ダミーゲート配線」という。
【0033】
図1および図2に示すように、スタンダードセルC1およびフィラーセルCFには、Y方向における中央部から図面上端にかけて、X方向およびY方向に広がるNウェル領域1が形成されている。また、スタンダードセルC1およびフィラーセルCFには、Y方向両端において、X方向に延びる電源配線11,12がそれぞれ設けられている。電源配線11,12はともに、埋め込み配線層に形成された埋め込み電源配線(BPR:Buried Power Rail)である。電源配線11は、Nウェル領域1に形成され、電源電圧VDDを供給する。電源配線12は、電源電圧VSSを供給する。
【0034】
図3図1に示すスタンダードセルC1の回路図である。図3に示すように、スタンダードセルC1には、トランジスタP1,P2,N1,N2を有し、入力A,B、出力Yの2入力NAND回路が構成されている。
【0035】
(スタンダードセルC1の構成)
スタンダードセルC1の構成について、スタンダードセルC1aを例にとって説明する。なお、図1において、スタンダードセルC1bのナノシート25,26、ダミーナノシート35,36、パッド47~50、ゲート配線53、ダミーゲート配線57およびトランジスタP3,N3は、スタンダードセルC1(C1a)のナノシート21,23、ダミーナノシート31,33、パッド41,42,44,45、ゲート配線51、ダミーゲート配線55およびトランジスタP1,N1にそれぞれ相当する。
【0036】
スタンダードセルC1は、電源配線11,12よりも上層に、X方向およびY方向に広がるシート状のナノシート21~24およびダミーナノシート31~34が形成されている。ナノシート21,22およびダミーナノシート31,32は、X方向に並ぶように形成されている。ナノシート23,24およびダミーナノシート33,34は、X方向に並ぶように形成されている。
【0037】
ナノシート21,23は、ゲート配線51と平面視で重なっている。ナノシート22,24は、ゲート配線52と平面視で重なっている。ダミーナノシート31,33は、ダミーゲート配線55と平面視で重なっている。ダミーナノシート32,34は、ダミーゲート配線56と平面視で重なっている。
【0038】
ダミーナノシート31,33は、それぞれ、ダミーゲート配線55における図面右端から図面中央部(スタンダードセルC1の図面左側のセル枠付近)まで延びている。ダミーナノシート32,34は、それぞれ、ダミーゲート配線56における図面左端から図面中央部(スタンダードセルC1の図面右側のセル枠付近)まで延びている。
【0039】
ダミーナノシート31およびナノシート21の間、ナノシート21,22の間、並びに、ナノシート22およびダミーナノシート32の間に、P型半導体がドーピングされたパッド41~43がそれぞれ形成されている。ダミーナノシート33およびナノシート23の間、ナノシート23,24の間、並びに、ナノシート24およびダミーナノシート34の間に、N型半導体がドーピングされたパッド44~46がそれぞれ形成されている。
【0040】
ナノシート21~24が、トランジスタP1,P2,N1,N2のチャネル部をそれぞれ構成する。パッド41,42がトランジスタP1のノードを構成する。パッド42,43がトランジスタP2のノードを構成する。パッド44,45がトランジスタN1のノードを構成する。パッド45,46がトランジスタN2のノードを構成する。
【0041】
スタンダードセルC1には、Y方向およびZ方向に延びるゲート配線51,52およびダミーゲート配線55,56が形成されている。ダミーゲート配線55,56は、スタンダードセルC1のX方向両端にそれぞれ配置されている。また、ダミーゲート配線55、ゲート配線51,52およびダミーゲート配線56は、X方向に等ピッチとなるように配置されている。ゲート配線51はトランジスタP1,N1のゲートとなり、ゲート配線52はトランジスタP2,N2のゲートとなる。
【0042】
すなわち、ナノシート21、パッド41,42およびゲート配線51によって、トランジスタP1が構成される。ナノシート22、パッド42,43およびゲート配線52によって、トランジスタP2が構成される。ナノシート23、パッド44,45およびゲート配線51によって、トランジスタN1が構成される。ナノシート24、パッド45,46およびゲート配線52によって、トランジスタN2が構成される。
【0043】
図2に示すように、ナノシート22,24は、それぞれ、2枚のシート状の半導体層(ナノシート)からなる。ナノシート22,24は、2枚のナノシートが、平面視で重なるように配置されており、Z方向に離間して形成されている。図示は省略するが、ナノシート21,23およびダミーナノシート31~34も、ナノシート22,24と同様の構造である。すなわち、トランジスタP1,P2,N1,N2は、それぞれ、2つのナノシートを含む。
【0044】
図1に示すように、パッド41~46の上層には、Y方向に延びるローカル配線61~65が形成されている。ローカル配線61は、パッド41と接続されている。ローカル配線62は、パッド42と接続されている。ローカル配線63は、パッド43,46と接続されている。ローカル配線64は、パッド44と接続されている。ローカル配線65は、パッド45と接続されている。
【0045】
ローカル配線62は、電源配線11と平面視で重なる位置まで延びており、コンタクト71を介して、電源配線11と接続されている。ローカル配線64は、電源配線12と平面視で重なる位置まで延びており、コンタクト72を介して、電源配線12と接続されている。
【0046】
ローカル配線61~65よりも上層の第1メタル配線層には、X方向に延びる配線81~83が形成されている。配線81は、コンタクト91を介して、ローカル配線61と接続されており、コンタクト92を介して、ローカル配線63と接続されている。配線82は、コンタクト93を介して、ゲート配線52と接続されている。配線83は、コンタクト94を介して、ゲート配線51と接続されている。なお、配線81~83は、図3における出力Yおよび入力A,Bにそれぞれ相当する。
【0047】
上述したように、ナノシート21~24は、トランジスタP1,P2,N1,N2のチャネル部としてそれぞれ機能する。一方、ダミーナノシート31~34は、一端がパッド41,43,44,46とそれぞれ接続されているが、他端がパッドと接続されていない。このため、ダミーナノシート31~34は、それぞれ、トランジスタのチャネル部として機能しない。
【0048】
ここで、パッド42はナノシート21,22の間に形成されており、パッド45はナノシート23,24の間に形成されている。一方、パッド41はダミーナノシート31およびナノシート21の間に形成されており、パッド43はナノシート22およびダミーナノシート32の間に形成されており、パッド44はダミーナノシート33およびナノシート23の間に形成されており、パッド46はナノシート24およびダミーナノシート34の間に形成されている。すなわち、パッド42,45は、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されている。一方、パッド41,42,44,46は、チャネル部として機能するナノシートと、チャネル部として機能しないダミーナノシートとの間に形成されている。したがって、スタンダードセルC1には、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されているパッドと、チャネル部として機能するナノシートとチャネル部として機能しないダミーナノシートとの間に形成されているパッドとが含まれている。
【0049】
なお、上述したように、スタンダードセルC1bもスタンダードセルC1aと同様に構成されている。すなわち、トランジスタP3は、ナノシート25、パッド47,48およびゲート配線53によって構成される。トランジスタN3は、ナノシート26、パッド49,50およびゲート配線53によって構成される。また、パッド47は、トランジスタP3のチャネル部として機能するナノシート25と、トランジスタのチャネル部として機能しないダミーナノシート35との間に形成されている。パッド49は、トランジスタN3のチャネル部として機能するナノシート26と、トランジスタのチャネル部として機能しないダミーナノシート36との間に形成されている。
【0050】
(フィラーセルCFの構成)
図1に示すように、フィラーセルCFは、スタンダードセルC1a,C1bの間に配置されている。
【0051】
フィラーセルCFのX方向両端には、ダミーゲート配線56,57が形成されている。フィラーセルCFは、ダミーゲート配線56をスタンダードセルC1aと共有し、ダミーゲート配線57をスタンダードセルC1bと共有する。なお、フィラーセルCFには、スタンダードセルC1aのダミーナノシート32,34、および、スタンダードセルC1bのダミーナノシート35,36が含まれない。
【0052】
また、フィラーセルCFのX方向における中央部には、Y方向に延びるローカル配線66,67が形成されている。ローカル配線66,67は、ローカル配線61~65と同層に形成されている。
【0053】
(第1実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法について)
図4図7を参照しつつ、半導体集積回路装置の製造方法を説明する。具体的に、図4図7図1のX1-X1’断面を示す。
【0054】
まず、図4(a)に示すように、半導体基板100の上に、積層半導体200を形成する。積層半導体200は、半導体層210および犠牲半導体層220を交互に積層することにより形成される。半導体層210および犠牲半導体層220には、互いに異なる半導体材料が用いられる。例えば、半導体材料には、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム合金(SiGe)、炭化シリコン(SiC)、炭化シリコンゲルマニウム(SiGeC)、III-V化合物半導体、またはII-VI化合物半導体などが用いられる。
【0055】
ここでは、半導体層210の材料としてシリコン(Si)が用いられ、犠牲半導体層220の材料としてシリコンゲルマニウム合金(SiGe)が用いられる。積層半導体200の積層構造は、半導体基板100上に、シリコン(Si)およびシリコンゲルマニウム合金(SiGe)をエピタキシャル成長によって交互に積層することにより実現することができる。エピタキシャル成長は、急速熱化学蒸着(RTCVD:rapid thermal chemical vapor deposition)、低エネルギープラズマ蒸着(LEPD:low-energy plasma deposition)、超高真空化学蒸着(UHVCVD:ultra-high vacuum chemical vapor deposition)、大気圧化学蒸着(APCVD:atmospheric pressure chemical vapor deposition)および分子線エピタキシー(MBE:molecular beam epitaxy)などの方法によって実現される。
【0056】
次に、図4(b)に示すように、積層半導体200に対してパターニングを行う。パターニングは、周知のリソグラフィーおよびエッチングにより実現される。これにより、図面左側に積層半導体部201が形成され、図面右側に積層半導体部202が形成される。
【0057】
次に、図5(a)に示すように、半導体基板100上および積層半導体部201,202の上部に、犠牲ゲート構造体301~304を形成する。具体的に、犠牲ゲート構造体301~304は、図1におけるゲート配線52、ダミーゲート配線56,57およびゲート配線53の形成位置にそれぞれ形成される。また、犠牲ゲート構造体302,303は、積層半導体部201の図面右側の側面、および、積層半導体部202の図面左側の側面をそれぞれ覆うように形成される。
【0058】
犠牲ゲート構造体301~304は、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金属(例えば、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、パラジウムおよび白金)や、複数の金属を材料とした合金などが材料として用いられる。犠牲ゲート構造体301~304は、これらの材料を層状に形成した構造物でもよい。また、犠牲ゲート構造体301~304の表面に、酸化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁材料を用いてスペーサを形成してもよい。
【0059】
犠牲ゲート構造体301~304は、例えば、化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)、プラズマ化学気相堆積(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、物理気相堆積(PVD:physical vapor deposition)、スパッタリング、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)などの方法により成膜される。そして、犠牲ゲート構造体301~304は、周知のリソグラフィーおよびエッチングにより所定の位置に形成される。
【0060】
次に、図5(b)に示すように、犠牲ゲート構造体301~304に覆われた部分以外の積層半導体部201,202を除去する。具体的に、反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etching)等の異方性エッチングにより、犠牲ゲート構造体301~304に覆われた部分以外の積層半導体部201,202を除去する。これにより、犠牲ゲート構造体301~304にそれぞれ覆われた積層半導体部203~206が半導体基板100上に形成される。なお、以下の説明において、積層半導体部203~206にそれぞれ含まれる半導体層を半導体層213~216とし、積層半導体部203~206にそれぞれ含まれる犠牲半導体層を犠牲半導体層223~226とする。
【0061】
ここで、積層半導体部203,206は、図面左右両側の側面が露出している。一方、積層半導体部204は、図面左側の側面が露出しており、図面右側の側面が犠牲ゲート構造体302に覆われている。また、積層半導体部205は、図面左側の側面が犠牲ゲート構造体303に覆われており、図面右側の側面が露出している。
【0062】
次に、図6(a)に示すように、半導体基板100上にスペーサとしての絶縁膜401を半導体基板100上に形成する。具体的に、絶縁膜401は、犠牲ゲート構造体301~304および積層半導体部203~206によって覆われていない半導体基板100の上面を覆うように形成される。絶縁膜401の材料として、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどが用いられる。絶縁膜401は、周知の成膜およびエッチングにより形成することができる。
【0063】
次に、図6(b)に示すように、パッド501~504を形成する。具体的に、積層半導体部203~206をエピタキシャル成長させることによりパッド501~504が形成される。なお、パッド501~504は、図1におけるパッド45,46,49,50にそれぞれ相当する。
【0064】
より具体的に、パッド501は、積層半導体部203の露出部分(図面左側の側面)を基点として積層半導体部203の図面左側に形成される。パッド502は、積層半導体部203の露出部分(図面右側の側面)、および、積層半導体部204の露出部分(図面左側の側面)を基点として、積層半導体部203,204の間に形成される。パッド503は、積層半導体部205の露出部分(図面右側の側面)、および、積層半導体部206の露出部分(図面左側の側面)を基点として、積層半導体部205,206の間に形成される。パッド504は、積層半導体部206の露出部分(図面右側の側面)を基点として、積層半導体部206の図面右側に形成される。
【0065】
ここで、積層半導体部204の図面右側の側面、および、積層半導体部205の図面左側の側面が犠牲ゲート構造体302,303によってそれぞれ覆われているため、犠牲ゲート構造体302,303の間には、パッドが形成されない。
【0066】
パッド501~504を形成するために行われるエピタキシャル成長には、不純物が添加された半導体材料が用いられる。半導体材料として、例えば、シリコンが用いられる。半導体材料に添加される不純物(半導体)として、例えば、P型半導体の場合には、ホウ素、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムなどが用いられ、N型半導体の場合には、アンチモン、ヒ素およびリンなどが用いられる。
【0067】
そして、パッド501~504の上部に、絶縁膜402が形成される。また、犠牲ゲート構造体302,303の間に絶縁膜403が形成される。絶縁膜402,403の材料として、例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸塩ガラスなどが用いられる。絶縁膜402,403は、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積などの方法により形成される。
【0068】
次に、図7(a)に示すように、犠牲ゲート構造体301~304および犠牲半導体層223~226を除去する。具体的に、犠牲ゲート構造体301~304が、周知のエッチングにより除去される。そして、積層半導体部203~206から犠牲半導体層223~226をそれぞれ選択的に除去(エッチング)することにより、半導体層213~216が半導体基板100上に残存する。なお、半導体層213~216が、図1および図2におけるナノシート24、ダミーナノシート34,36およびナノシート26にそれぞれ相当する。
【0069】
次に、図7(b)に示すように、犠牲ゲート構造体301~304および犠牲半導体層223~226が除去された部分に、ゲート酸化膜601~604およびゲート配線701~704を形成する。
【0070】
具体的に、ゲート酸化膜601は、絶縁膜402の側面、パッド501の図面右側の側面、パッド502の図面左側の側面、半導体層213の表面(図7(b)では、半導体層213の上面および下面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。ゲート酸化膜602は、絶縁膜402の側面、パッド502の図面右側の側面、絶縁膜403の図面左側の側面、半導体層214の表面(図7(b)では、半導体層214の上面、下面および図面右側の側面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うにように形成される。ゲート酸化膜603は、絶縁膜402の側面、絶縁膜403の図面右側の側面、パッド502の図面左側の側面、半導体層215の表面(図7(b)では、半導体層215の上面、下面および図面左側の側面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。ゲート酸化膜604は、絶縁膜402の側面、パッド503の図面右側の側面、パッド504の図面左側の側面、半導体層216の表面(図7(b)では、半導体層216の上面および下面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。
【0071】
ゲート酸化膜601~604は、例えば、シリコン酸化膜、窒化シリコン酸化膜、その他HighK膜(酸化シリコンより誘電率が高い材料を用いて形成されたもの)である。ゲート酸化膜601~604は、例えば、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、物理気相堆積、スパッタリング、原子層堆積などの方法により成膜される。
【0072】
そして、半導体基板100上に、ゲート配線701~704が形成される。具体的に、ゲート配線701は、パッド501,502の間に形成される。ゲート配線702は、パッド502および絶縁膜403の間に形成される。ゲート配線703は、絶縁膜403およびパッド503の間に形成される。ゲート配線704は、パッド503,504の間に形成される。なお、ゲート配線701~704は、図1および図2のゲート配線52、ダミーゲート配線56,57およびゲート配線53にそれぞれ相当する。
【0073】
ゲート配線701~704は、ポリシリコンや、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、パラジウムおよび白金などの金属や、それらの金属の合金などによって形成される。ゲート配線701~704は、例えば、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積などの方法によって形成される。
【0074】
以上の製造方法により、隣接するスタンダードセルC1a,C1bとフィラーセルCFとの境界付近のトランジスタN2,N3が形成される。図7(b)の後、周知の技術により、トランジスタの上層にビアおよびローカル配線等の配線が形成され、トランジスタ間の接続がなされる。
【0075】
以上の構成により、スタンダードセルC1a,C1bは、X方向に並んで配置されている。スタンダードセルC1aは、ゲート配線52と、ゲート配線52のX方向における図面右側(スタンダードセルC1b側)に、ゲート配線52と隣接するように形成されたダミーゲート配線56と、ゲート配線52とダミーゲート配線56との間に設けられたパッド46と、ゲート配線52と平面視で重なるように形成されており、パッド46と接続されたナノシート24と、ダミーゲート配線56と平面視で重なるように形成されており、パッド46と接続されたダミーナノシート34とを備える。スタンダードセルC1bは、ゲート配線53と、ゲート配線53のX方向における図面左側(スタンダードセルC1a側)にゲート配線53と隣接するように形成され、かつ、ダミーゲート配線56と隣接するように形成されているダミーゲート配線57と、ダミーゲート配線57とゲート配線53との間に設けられたパッド49とを備える。
【0076】
スタンダードセルC1aの図面右端部において、パッド46は、チャネル部として機能するナノシート24と、チャネル部として機能しないダミーナノシート34との間に形成される。パッド46は、ナノシート24およびダミーナノシート34となる積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。一方で、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッド(例えば、パッド45など)は、X方向両側に形成された積層半導体部からのエピタキシャル成長により形成される。すなわち、スタンダードセルC1のX方向における端部(右端部)に形成されるパッドも、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッドも、同様に形成される。これにより、それらのパッドの形状のばらつきは抑制される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【0077】
また、スタンダードセルC1bは、ゲート配線53と平面視で重なるように形成されており、パッド49と接続されたナノシート26と、ダミーゲート配線57と平面視で重なるように形成されており、パッド49と接続されたダミーナノシート36とを備える。
【0078】
スタンダードセルC1bの図面左端部において、パッド49は、チャネル部として機能するナノシート26と、チャネル部として機能しないダミーナノシート36との間に形成される。パッド49は、ナノシート26およびダミーナノシート36となる積層半導体部をエピタキシャル成長させることにより形成される。一方で、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッド(例えば、パッド50など)は、X方向両側に形成された積層半導体部からのエピタキシャル成長により形成される。すなわち、スタンダードセルC1のX方向における端部(左端部)に形成されるパッドも、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッドも、同様に形成される。これにより、それらのパッドの形状のばらつきは抑制される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【0079】
なお、フィラーセルCFには、ローカル配線66,67の一部または全部が形成されていなくてもよい。
【0080】
図8は第1実施形態に係るスタンダードセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、スタンダードセルC2では、スタンダードセルC1と比較すると、図面左端にX方向に延びるローカル配線68a,69aが形成されており、図面右端にX方向に延びるローカル配線68b,69bが形成されている。ローカル配線68a,68b,69a,69bは、ローカル配線61~65と同層に形成されている。
【0081】
図8のスタンダードセルC2同士がX方向に隣接して配置されることにより、図1と同様の半導体集積回路装置と同様のレイアウト構造が形成される。具体的に、左側に配置されたスタンダードセルC2のローカル配線68b,69bと右側に配置されたスタンダードセルC2のローカル配線68a,69aが共有される。これにより同様の効果を得ることができる。
【0082】
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウト構造の例を示す平面図である。図9では、2つのスタンダードセルC3がX方向に隣接して配置されている。スタンダードセルC3には、スタンダードセルC1と同様に、2入力NAND回路が構成されている。また、図面左側に配置されたスタンダードセルC3をスタンダードセルC3a、図面右側に配置されたスタンダードセルC3をスタンダードセルC3bということがある。また、スタンダードセルC3bのナノシート25,26、ダミーナノシート35a,36a、パッド47~50、ゲート配線53、ダミーゲート配線56aおよびトランジスタP3,N3は、スタンダードセルC3(C3a)のナノシート21,23、ダミーナノシート31a,33a、パッド41,42,44,45、ゲート配線51、ダミーゲート配線55aおよびトランジスタP1,N1にそれぞれ相当する。
【0083】
具体的に、スタンダードセルC3aは、図面右端に形成されたダミーゲート配線56aをスタンダードセルC3bと共有している。また、図示は省略するが、スタンダードセルC3aは、図面左端に形成されたダミーゲート配線55aを、スタンダードセルC3aの図面左側に配置されたスタンダードセルと共有している。
【0084】
また、スタンダードセルC3aは、図面右端部にダミーナノシート32a,34aが形成されている。ダミーナノシート32a,34aは、パッド43,46とそれぞれ接続されている。ダミーナノシート32a,34aは、それぞれ、ダミーゲート配線56aにおける図面左端から図面右側に向けて延びている。ダミーナノシート32a,34aは、それぞれ、ダミーゲート配線56aと平面視で重なっている。
【0085】
スタンダードセルC3bは、図面左端部にダミーナノシート35a,36aが形成されている。ダミーナノシート35a,36aは、パッド47,49とそれぞれ接続されている。ダミーナノシート35a,36aは、それぞれ、ダミーゲート配線56aにおける図面右端から図面左側に向けて延びている。ダミーナノシート35a,36aは、それぞれ、ダミーゲート配線56aと平面視で重なっている。
【0086】
ダミーナノシート32a,35aは、互いに電気的に接続されないように、X方向に離間して形成されている。また、ダミーナノシート34a,36aは、互いに電気的に接続されないように、X方向に離間して形成されている。
【0087】
また、スタンダードセルC3aは、図面左端部に、ダミーナノシート31a,33aが形成されている。ダミーナノシート31a,33aは、パッド41,44とそれぞれ接続されている。ダミーナノシート31a,33aは、それぞれ、ダミーゲート配線55aにおける図面右端から図面左側に向けてそれぞれ延びている。ダミーナノシート31a,33aは、それぞれ、ダミーゲート配線55aと平面視で重なっている。図示は省略するが、ダミーナノシート31a,33aは、それぞれ、スタンダードセルC3aの図面左側に配置されたスタンダードセルのダミーゲート配線55aと重なって配置されたダミーナノシートと電気的に接続されないように、形成されている。
【0088】
(第2実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法について)
図10図13を参照しつつ、半導体集積回路装置の製造方法を説明する。具体的に、図10図13図9のX2-X2’断面を示す。
【0089】
まず、図10(a)に示すように、半導体基板100の上に、積層半導体230を形成する。積層半導体230は、半導体層240および犠牲半導体層250を交互に積層することにより形成される。半導体層240および犠牲半導体層250には、互いに異なる半導体材料が用いられる。具体的に、半導体層240および犠牲半導体層250には、半導体層210および犠牲半導体層220とそれぞれ同様の材料が用いられる。また、図4(a)と同様の方法によって、半導体基板100上に積層半導体230が形成される。
【0090】
なお、図示は省略するが、図10(a)の後に、積層半導体230に対してパターニングが行われる。パターニングは、周知のリソグラフィーおよびエッチングにより実現される。
【0091】
次に、図10(b)に示すように、積層半導体230上に、犠牲ゲート構造体311~313を形成する。具体的に、犠牲ゲート構造体311~313は、図9におけるゲート配線52、ダミーゲート配線56aおよびゲート配線53の形成位置にそれぞれ形成される。犠牲ゲート構造体311~313には、犠牲ゲート構造体301~304と同様の材料が用いられる。また、図5(a)と同様の方法によって、積層半導体230の所定の位置に、犠牲ゲート構造体311~313が形成される。
【0092】
次に、図11(a)に示すように、犠牲ゲート構造体311~313に覆われた部分以外の積層半導体230を除去する。図11(a)では、図5(b)と同様の方法によって、積層半導体230が除去される。これにより、犠牲ゲート構造体311~313にそれぞれ覆われた積層半導体部231~233が半導体基板100上に形成される。
【0093】
ここで、積層半導体部231~233は、それぞれ、図面左右両側の側面が露出している。なお、積層半導体部231~233にそれぞれ含まれる半導体層を半導体層241~243とする。積層半導体部231~233にそれぞれ含まれる犠牲半導体層を犠牲半導体層251~253とする。
【0094】
次に、図11(b)に示すように、半導体基板100上にスペーサとしての絶縁膜411を形成する。具体的に、絶縁膜411は、犠牲ゲート構造体311~313および積層半導体部231~233によって覆われていない半導体基板100の上面を覆うように形成される。絶縁膜411は、絶縁膜401と同じ材料で形成される。また、図11(b)では、図6(a)と同様の方法によって、絶縁膜411が形成される。
【0095】
次に、図12(a)に示すように、パッド511~514を形成する。具体的に、積層半導体部231~233をエピタキシャル成長させることによりパッド511~514が形成される。図12(a)では、図6(b)と同様の材料を用いてエピタキシャル成長が行われる。なお、パッド511~514は、図9におけるパッド45,46,49,50にそれぞれ相当する。
【0096】
より具体的には、パッド511は、積層半導体部231の露出部分(図面左側の側面)を基点として積層半導体部231の図面左側に形成される。パッド512は、積層半導体部231の露出部分(図面右側の側面)、および、積層半導体部232の露出部分(図面左側の側面)を基点として、積層半導体部231,232の間に形成される。パッド513は、積層半導体部232の露出部分(図面右側の側面)、および、積層半導体部233の露出部分(図面左側の側面)を基点として、積層半導体部232,233の間に形成される。パッド514は、積層半導体部233の露出部分(図面右側の側面)を基点として、積層半導体部233の図面右側に形成される。
【0097】
そして、パッド511~514の上部に、絶縁膜412が形成される。絶縁膜412には、絶縁膜402と同じ材料を用いられる。また、絶縁膜412は、図6(b)と同じ方法によって形成される。
【0098】
次に、図12(b)に示すように、犠牲ゲート構造体311~313および積層半導体部232の一部を除去する。具体的に、犠牲ゲート構造体311~313を、周知のエッチングにより除去する。その後、積層半導体部232のX方向中央部以外の部分をマスクして、積層半導体部232のX方向中央部を、異方性エッチングにより除去する。
【0099】
ここで、積層半導体部232は、左右両端部がわずかに残るよう中央部分が除去される。なお、以下の説明において、積層半導体部232のうち、図面左側に残された部分(パッド512に接している部分)を積層半導体部234とし、図面右側に残された部分(パッド513に接している部分)を積層半導体部235とする。また、積層半導体部234,235にそれぞれ含まれる半導体層を半導体層244,245とし、積層半導体部234,235にそれぞれ含まれる犠牲半導体層を犠牲半導体層254,255とする。
【0100】
次に、図13(a)に示すように、犠牲半導体層251,253~255を除去する。具体的に、積層半導体部231,233~235から犠牲半導体層251,253~255をそれぞれ選択的に除去(エッチング)することにより、半導体層241,243~245が半導体基板100上に残存する。なお、半導体層241,243~245が、図9におけるナノシート24,26およびダミーナノシート34a,36aにそれぞれ相当する。
【0101】
次に、図13(b)に示すように、積層半導体部232の一部、犠牲ゲート構造体311~313および犠牲半導体層251,253~255が除去された部分に、ゲート酸化膜611~613およびゲート配線711~713が形成される。
【0102】
具体的に、ゲート酸化膜611は、絶縁膜412の側面、パッド511の図面右側の側面、パッド512の図面左側の側面、半導体層241の表面(図13(b)では、半導体層241の上面および下面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。ゲート酸化膜612は、絶縁膜412の側面、パッド512の図面右側の側面、パッド513の図面左側の側面、半導体層244の表面(図13(b)では、半導体層244の上面、下面および図面右側の側面)、半導体層245の上面、下面および図面左側の側面、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。ゲート酸化膜613は、絶縁膜412の側面、パッド513の図面右側の側面、パッド514の図面左側の側面、半導体層243の表面(図13(b)では、半導体層243の上面および下面)、ならびに、半導体基板100の上面を覆うように形成される。
【0103】
ゲート酸化膜611~613には、ゲート酸化膜601~604と同様の材料が用いられる。図13(b)では、図7(b)と同様の方法によって、ゲート酸化膜611~613が形成される。
【0104】
そして、半導体基板100上に、ゲート配線711~713が形成される。具体的に、ゲート配線711は、パッド511,512の間に形成される。ゲート配線712は、パッド512,513の間に形成される。ゲート配線713は、パッド513,514の間に形成される。ゲート配線711~713には、ゲート配線701~704と同様の材料が用いられる。図13(b)では、図7(b)と同様の方法により、ゲート配線711~713が形成される。なお、ゲート配線711~713は、図1および図2のゲート配線52、ダミーゲート配線56aおよびゲート配線53にそれぞれ相当する。
【0105】
以上の製造方法により、隣接するスタンダードセルC3a,C3bの境界付近のトランジスタN2,N3が形成される。図13(b)の後、周知の技術により、トランジスタの上層にビアおよびローカル配線等の配線が形成され、トランジスタ間の接続がなされる。
【0106】
以上の構成により、スタンダードセルC3a,C3bは、X方向に隣接して配置される。スタンダードセルC3a,C3bのセル境界には、ダミーゲート配線56aが形成されている。スタンダードセルC3aは、X方向においてダミーゲート配線56aと隣接するように形成されたゲート配線52と、ダミーゲート配線56aとゲート配線52との間に設けられたパッド46と、ゲート配線52と平面視で重なるように形成されており、パッド46と接続されたナノシート24と、ダミーゲート配線56aと平面視で重なるように形成されており、パッド46と接続されたダミーナノシート34aとを備える。スタンダードセルC3bは、X方向においてダミーゲート配線56aと隣接するように形成されたゲート配線53と、ダミーゲート配線56aとゲート配線53との間に設けられたパッド49と、ゲート配線53と平面視で重なるように形成されており、パッド49と接続されたナノシート26と、ダミーゲート配線56aと平面視で重なるように形成されており、パッド49と接続され、かつ、ダミーナノシート34aと離間するように形成されたダミーナノシート36aとを備える。
【0107】
スタンダードセルC3aの図面右端部において、パッド46は、チャネル部として機能するナノシート24と、チャネル部として機能しないダミーナノシート34aとの間に形成される。スタンダードセルC3bの図面左端部において、パッド49は、チャネル部として機能するナノシート26と、チャネル部として機能しないダミーナノシート36aとの間に形成される。ダミーナノシート34a,36aは、電気的に接続されないように、X方向に離間して形成されている。
【0108】
パッド46は、ナノシート24およびダミーナノシート34aとなる積層半導体をエピタキシャル成長させることにより形成される。パッド49は、ナノシート26およびダミーナノシート36aとなる積層半導体をエピタキシャル成長させることにより形成される。一方で、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッド(例えば、パッド45など)は、X方向両側に形成された積層半導体部からのエピタキシャル成長により形成される。すなわち、スタンダードセルC3のX方向における両端部に形成されるパッドも、チャネル部として機能するナノシート同士の間に形成されるパッドも、同様に形成される。これにより、それらのパッドの形状のばらつきは抑制される。したがって、トランジスタの製造精度のばらつき、および、トランジスタの性能のばらつきを抑制することができるため、半導体集積回路装置の信頼性向上、歩留まり向上が実現できる。
【0109】
また、スタンダードセルC3a,C3bが、X方向に隣接して配置されるため、半導体集積回路装置の小面積化を図ることができる。
【0110】
なお、図12(b)において、積層半導体部232の全部を除去してもよいし、積層半導体部234,235のいずれか一方を除去してもよい。
【0111】
また、上述の各実施形態では、スタンダードセルC1~C3には、2入力NAND回路が構成されているが、これに限られず、その他の回路が構成されていてもよい。
【0112】
また、上述の各実施形態では、1つのナノシートFETに含まれるナノシートは、2枚に限られず、1枚または3枚以上であってもよい。
【0113】
また、上述の各実施形態では、ナノシートの断面形状は長方形としているが、これに限られるものではない。例えば、正方形、円形、楕円形などであってもよい。
【0114】
また、上述の各実施形態では、各ナノシートは、全周をゲート配線に覆われるように図示しているが、一部がゲート配線に覆われていなくてもよい。例えば、図2では、ナノシート22の図面左側の側面、および、ナノシート24の図面右側の側面などが覆われなくてもよい。
【0115】
また、上述の各実施形態では、各積層半導体は、2つの半導体層と、2つの犠牲半導体層とで構成されているが、これに限られない。例えば、積層半導体は、2つ以上の半導体層と、2つ以上の犠牲半導体層とで構成されていてもよい。また、半導体層と犠牲半導体層との膜厚は、異なってもよいし、同じでもよい。
【0116】
また、上述の各実施形態では、半導体集積回路装置の製造工程において、半導体基板100上に絶縁膜401または絶縁膜411を形成するが、絶縁膜401または絶縁膜411を形成しなくてもよい。この場合、半導体基板100からエピタキシャル成長が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本開示では、ナノシートFETを用いたスタンダードセルを備えた半導体集積回路装置のレイアウト構造において、スタンダードセルに形成されるトランジスタの性能ばらつきを抑制することができる。
【符号の説明】
【0118】
C1(C1a,C1b),C2,C3(C3a,C3b) スタンダードセル
CF フィラーセル
11,12 電源配線
21~25 ナノシート
31~36,31a~36a ダミーナノシート
41~50 パッド
51~53 ゲート配線
55~57,55a,56a ダミーゲート配線
200,230 積層半導体
201~206,231~235 積層半導体部
210,213~216,241,243~245 半導体層
220,223~226,251,253~255 犠牲半導体層
301~304,311~313 犠牲ゲート構造体
501~504,511~514 パッド
601~604,611~613 ゲート酸化膜
701~704,711~713 ゲート配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13