(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】仕分け作業補助システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B65G1/137 F
(21)【出願番号】P 2022077197
(22)【出願日】2022-05-09
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】白石 徹
(72)【発明者】
【氏名】川本 真
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2019/065153(JP,A1)
【文献】特開2014-069946(JP,A)
【文献】国際公開第2020/235185(WO,A1)
【文献】特開2022-037769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、
前記対象物品が前記対象エリアに到達する前に前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、
前記対象物品が前記対象エリアに到達する前に前記対象エリアの前記表示部に
前記撮影装置により複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側で撮影された前記対象物品の画像を表示させる、仕分け作業補助システム。
【請求項2】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した後、前記搬送装置による前記対象物品の搬送速度に基づいて定まる前記対象物品の前記対象エリアへの到達予想時刻に対して、予め定められた第1規定時間前に、前記報知部による報知を行わせる、仕分け作業補助システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記到達予想時刻に対して前記第1規定時間前に前記報知部による報知を開始し、前記対象エリアにおける前記仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった前記対象物品が当該対象エリアから退出すると予想される退出予想時刻以前に、前記報知部による報知を終了する、請求項2に記載の仕分け作業補助システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した時点である対象エリア決定時点において、その時点の前記搬送速度に基づく前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第1規定時間未満である場合には、前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第1規定時間以上となるように前記搬送速度を低下させる、請求項2又は3に記載の仕分け作業補助システム。
【請求項5】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した後、前記搬送装置による前記対象物品の搬送速度に基づいて定まる前記対象物品の前記対象エリアへの到達予想時刻に対して、予め定められた第2規定時間前に、前記表示部による前記対象物品の画像の表示を行う、仕分け作業補助システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記到達予想時刻に対して前記第2規定時間前に前記表示部による前記対象物品の画像の表示を開始し、前記対象エリアにおける前記仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった前記対象物品が当該対象エリアから退出すると予想される退出予想時刻以前に、前記表示部による前記対象物品の画像の表示を終了する、請求項5に記載の仕分け作業補助システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した時点である対象エリア決定時点において、その時点の前記搬送速度に基づく前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第2規定時間未満である場合には、前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第2規定時間以上となるように前記搬送速度を低下させる、請求項5又は6に記載の仕分け作業補助システム。
【請求項8】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の下流側に設定され、前記作業補助装置が配置されたバックアップ作業エリアを更に備え、
前記バックアップ作業エリアは、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品に対して作業者がバックアップ作業を行うエリアであり、
前記制御装置は、前記未認識物品が発生した場合には、前記バックアップ作業エリアの前記報知部に前記バックアップ作業の発生を報知させ、前記バックアップ作業エリアの前記表示部による前記未認識物品の画像の表示を行う、仕分け作業補助システム。
【請求項9】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品については、複数の前記仕分け作業エリアの全てを前記対象エリアとして決定し、全ての前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、全ての前記対象エリアの前記表示部による前記対象物品の画像の表示を行う、仕分け作業補助システム。
【請求項10】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに、前記物品受入部での前記物品の受け入れの有無を検出する受け入れ検出装置が配置され、
前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアを前記搬送方向の上流側から複数のグループに分け、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品がある場合には、前記搬送方向の最も上流側の前記グループから順に選択し、
選択された前記グループに含まれる前記仕分け作業エリアを前記対象エリアとして決定し、いずれかの前記対象エリアの前記受け入れ検出装置により前記物品の受け入れが検出されるまで、前記搬送方向の下流側に向かって前記グループの選択及び前記対象エリアの決定を順次行う、仕分け作業補助システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できた前記物品と、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品とで、前記報知部による報知の内容を異ならせる、請求項8から10のいずれか一項に記載の仕分け作業補助システム。
【請求項12】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
前記制御装置は、前記撮影装置により複数の前記物品からなる物品群が一度に撮影された場合であって、前記物品群のそれぞれの前記物品の前記識別情報が前記識別情報取得装置により取得された場合には、前記物品群のそれぞれの前記物品を前記対象物品とする複数の前記対象エリアの全ての前記表示部に前記物品群の画像の表示を行わせる、仕分け作業補助システム。
【請求項13】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに、前記物品受入部での前記物品の受け入れの有無を検出する受け入れ検出装置が配置され、
前記制御装置は、1つの前記対象エリアに複数の前記対象物品が同時期に搬送されてきた場合に、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の数に対応する作業数を表示し、前記対象エリアの前記受け入れ検出装置により前記対象物品の受け入れが検出された場合には、検出された前記対象物品の数を前記作業数から減算して前記表示部に表示する、仕分け作業補助システム。
【請求項14】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させ、
前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれについて互いに異なる作業者が前記仕分け作業を担当する第1モードと、複数の前記仕分け作業エリアについて共通の作業者が前記仕分け作業を担当する第2モードと、を切り替え可能に構成され、
前記第1モードでは、前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれにおける前記作業補助装置を独立に動作させ、
前記第2モードでは、前記制御装置は、同じ作業者が担当する複数の前記仕分け作業エリアを作業エリア群として、前記作業エリア群の複数の前記作業補助装置のうち1つのみを動作させ、或いは、前記作業エリア群の複数の前記作業補助装置に同じ動作を行わせる、仕分け作業補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者による物品の仕分け作業が行われるラインでは、ラインの横に配置された作業者によって、搬送装置(コンベヤ等)により搬送されてくる物品がラインから取り出される。そして、作業者は、取り出した物品に付された情報を確認した後、その情報に基づく仕分け先に対応するシュート、コンベヤ、台車等へ当該物品を移動させることで、物品の仕分け作業を行っている。しかし、このような構成では、ラインから取り出した物品に付された情報の確認が、作業者の負担を増大させるものとなっていた。
【0003】
この点の解決を図った技術が、例えば登録実用新案第3186690号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示された仕分けラインでは、仕分けラインに沿ってコンベヤ(1)の進行方向に平行にLED電光表示板(2)を設置している。そして、搬送されてくる物品(4)の情報(3)を、コンベヤ速度と同じ速度で物品(4)と並走させるようにLED電光表示板(2)に表示している。これにより、コンベヤ(1)により搬送されてくる物品(4)の情報(3)を作業者(5)に知らせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、作業者は、自身が仕分け作業を行うべき物品が搬送されてくるか否かを確認するために、仕分けラインを常に注視する必要がある。その点からは、作業者の負担は依然として大きいままである。また、仕分けラインの注視中は作業者の時間が奪われることになるため、全体として作業効率が低下し易くなっていた。
【0006】
上記実状に鑑みて、仕分け作業を行う作業者の負担を軽減できる仕分け作業補助システムの実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムは、1つの態様として、搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、制御装置と、を備え、前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象物品が前記対象エリアに到達する前に前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象物品が前記対象エリアに到達する前に前記対象エリアの前記表示部に前記撮影装置により複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側で撮影された前記対象物品の画像を表示させる。
【0008】
本構成によれば、仕分け作業エリアにおいて行うべき仕分け作業が発生した場合に、報知部がその旨を報知する。そのため、作業者は、自身が行うべき仕分け作業の発生を報知部による報知によって認知することができる。これにより、作業者は、自身が仕分け作業を行うべき対象物品が搬送されてくるか否かを確認するために搬送経路を常に注視しておく必要がない。従って、本構成によれば、作業者の負担を軽減できると共に、仕分け作業を行わなくて良い期間を他の作業に充てることも可能となり、全体として作業効率を向上させることができる。また、本構成によれば、各仕分け作業エリアにおける仕分け作業の対象となる対象物品の画像が表示部に表示されるため、作業者は、搬送装置により搬送されてくる複数の物品の中から当該画像に基づいて対象物品を選択して取り出すことができる。そのため、作業者による仕分け作業の容易化を図ることができ、この点においても作業者の負担を軽減することができる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図8】第2実施形態において、表示部の表示態様を示す図
【
図9】第3実施形態において、制御装置によるモード切り替えを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
仕分け作業補助システムは、作業者による物品の仕分け作業を補助するシステムである。仕分け作業補助システムは、例えば、物流倉庫に利用され、複数の物品を出荷先毎に仕分ける作業を補助するために用いられる。以下、仕分け作業補助システムの実施形態について説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
仕分け作業補助システムの第1実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、仕分け作業補助システム100は、搬入エリアAiに搬入された複数の物品Gを予め定められた搬送経路Rに沿って搬送方向に搬送する搬送装置1と、搬入エリアAiよりも搬送方向の下流側において搬送経路Rに沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアAwと、搬送経路Rにおける搬入エリアAiよりも搬送方向の下流側であって複数の仕分け作業エリアAwよりも搬送方向の上流側に配置され、搬送装置1により搬送中の複数の物品Gのそれぞれを撮影する撮影装置2と、搬送経路Rにおける搬入エリアAiよりも搬送方向の下流側であって複数の仕分け作業エリアAwよりも搬送方向の上流側に配置され、搬送装置1により搬送中の複数の物品Gのそれぞれの識別情報Ig(
図2参照)を取得する識別情報取得装置3と、制御装置Cと、を備えている。そして、仕分け作業補助システム100は、複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれに配置された物品受入部4と、複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれに配置された作業補助装置5と、を備えている。
【0014】
搬入エリアAiは、搬送経路Rに物品Gを搬入するエリアである。詳細な図示は省略するが、搬入エリアAiには、作業者、ロボット、無人搬送車、又はコンベヤなどが配置され、これらによって複数の物品Gが搬送経路Rに順次搬入される。搬送経路Rに搬入された複数の物品Gは、搬送装置1によって搬送経路Rを順次搬送される。
【0015】
本実施形態では、搬送経路Rは、環状の閉じた経路となっている。そのため、搬送経路Rを搬送される物品Gは、搬送経路Rを周回可能となっている。
【0016】
本実施形態では、搬送装置1は、コンベヤを用いて構成されている。搬送装置1は、搬送経路Rに沿って配置されている。本例では、搬送装置1は、環状の搬送経路Rに沿って配置された、いわゆるサークルコンベヤとして構成されている。搬送装置1は、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ、ローラコンベヤなどの様々な形態のコンベヤを、一部あるいは全部に用いて構成されていてもよい。
【0017】
撮影装置2は、搬送経路R上の物品Gを撮影するように構成されている。撮影装置2は、作業者Wの目線に近い高さから、作業者Wの視線に近い方向から、或いは、作業者Wの目線に近い高さ且つ作業者Wの視線に近い方向から、物品Gを撮影するように構成されていると好適である。これによれば、撮影装置2により得られた物品Gの画像P(
図2参照)を、作業者Wが搬送経路R上の物品Gを実際に見た場合の当該作業者Wの目に映る風景に近いものとすることができる。
【0018】
識別情報取得装置3は、搬送経路R上の物品Gの識別情報Ig(
図2参照)を取得するように構成されている。識別情報Igは、物品G毎に設定された固有の情報である。識別情報Igには、物品コード、仕分け先コード、或いは出荷先コードなど、物品Gを特定するための様々な情報が含まれていてよい。
【0019】
本実施形態では、物品Gは識別情報Igを保持する情報保持部Giを有している。識別情報取得装置3は、情報保持部Giから識別情報Igを読み取るように構成されている。
図2に示す例では、情報保持部Giは、物品Gの表面に貼付されたラベルを含み、ラベルには、一次元コードや二次元コードなどの識別コードが表示されている。そして、識別情報取得装置3は、識別コードを読み取るコードリーダとして構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、例えば、情報保持部GiがICタグを用いて構成され、識別情報取得装置3がICタグリーダを用いて構成されていてもよい。すなわちこの場合、識別情報取得装置3は、近距離無線通信を用いて情報保持部Giから識別情報Igを取得するように構成される。また、他の例として、識別情報取得装置3は、搬入エリアAiから搬入される物品Gの識別情報Igを管理する管理コントローラ(不図示)から、識別情報Igを取得するように構成されていてもよい。
【0020】
本実施形態では、識別情報取得装置3は、撮影装置2により撮影された物品Gの画像から、識別情報Igを取得するように構成されている。本例では、撮影装置2と識別情報取得装置3とは、1つの装置として構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、撮影装置2と識別情報取得装置3とは、互いに別の装置として構成されていてもよい。
【0021】
物品受入部4は、仕分け作業により仕分けられた物品Gを受け入れる要素である。物品受入部4に受け入れられた物品Gは、搬送経路Rから排出されて、当該物品Gの識別情報Ig(例えば出荷先など)に応じた次の工程が行われる場所へ搬送される。本実施形態では、物品受入部4は、シュートを用いて構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、物品受入部4は、コンベヤ、無人搬送車、又は台車などを用いて構成されていてもよい。
【0022】
仕分け作業エリアAwは、作業者Wが、搬送装置1により搬送されてくる複数の物品Gの中から対象物品Gtを取り出して物品受入部4に引き渡す仕分け作業を行うエリアである。仕分け作業補助システム100では、複数の物品Gのそれぞれに対して、複数の仕分け作業エリアAwのうち1つが、各物品Gの識別情報Igに基づいて紐づけられる。「対象物品Gt」は、特定の仕分け作業エリアAwと紐づけられた物品Gである。なお、以下では、対象物品Gtと紐づけられた特定の仕分け作業エリアAwを「対象エリアAt」と称する場合がある。
【0023】
本実施形態では、複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれに、物品受入部4での物品Gの受け入れの有無を検出する受け入れ検出装置6が配置されている。受け入れ検出装置6は、作業者Wによる仕分け作業によって物品Gが物品受入部4に受け入れられた場合に、物品Gの受け入れがあったことを検出する。本例では、受け入れ検出装置6は、作業者Wによって操作される操作部(不図示)を備えており、操作部が操作されることによって、物品Gの受け入れがあったことを検出する。受け入れ検出装置6の操作部は、ボタンやレバーを用いて構成されていてもよいし、モニタやタッチパネルに表示されたアイコンなどを用いて構成されていてもよい。
【0024】
本実施形態では、複数の仕分け作業エリアAwは、作業者Wが行き来することができるように構成されている。本例では、搬送経路Rと各物品受入部4との間に、作業者Wが通過することが可能な空間が設けられている。作業者Wは、当該空間を通過することによって、複数の仕分け作業エリアAwを行き来することができる。また、本例では、複数の仕分け作業エリアAwと後述するバックアップ作業エリアAbとの間も、作業者Wが行き来することができるように構成されている。
【0025】
図2に示すように、作業補助装置5は、撮影装置2により撮影された物品Gの画像Pを表示する表示部51と、当該作業補助装置5が配置された仕分け作業エリアAwで行うべき仕分け作業の発生を報知する報知部52と、を備えている。なお、本実施形態では、作業補助装置5は仕分け作業エリアAwに固定状態で配置されているが、作業補助装置5(具体的には、表示部51及び報知部52の少なくとも一方)を、例えば、作業者Wが身に着ける装置とすることもできる。作業者Wが身に着ける表示部51として、拡張現実により物品Gの画像Pを表示するスマートグラスを例示することができ、作業者Wが身に着ける報知部52として、イヤホンや後述する振動装置を例示することができる。このように作業補助装置5を作業者Wが身に着ける装置とする場合、作業補助装置5を身に着けた作業者Wが仕分け作業エリアAwに配置されることで、当該作業補助装置5が仕分け作業エリアAwに配置される。
【0026】
表示部51は、当該表示部51が配置された仕分け作業エリアAw(対象エリアAt)で仕分け作業を行うべき物品G(対象物品Gt)を表示するように構成されている。これにより、作業者Wは、自身が配置された仕分け作業エリアAwにおいて仕分け作業を行うべき物品G(対象物品Gt)の外観を、表示部51を介して把握することができる。表示部51は、作業者Wの目線に近い高さに配置されていると好適である。これによれば、表示部51に表示された物品Gの画像Pを作業者Wにとって視認し易い位置に配置することができる。
【0027】
報知部52は、当該報知部52が配置された仕分け作業エリアAw(対象エリアAt)で行うべき仕分け作業の発生を報知するように構成されている。これにより、作業者Wは、自身が配置された仕分け作業エリアAwにおいて行うべき仕分け作業の発生を認知することができる。本実施形態では、報知部52は、仕分け作業が発生した旨を視覚的手段によって作業者Wに報知するように構成されている。図示の例では、報知部52は、表示灯を用いて構成されており、視覚的手段により報知を行うように構成されている。例えば、報知部52の表示灯は、仕分け作業が発生した場合に点灯または点滅状態となり、それ以外の場合には消灯状態となるように構成されている。
【0028】
図1に示すように、本実施形態では、仕分け作業補助システム100は、複数の仕分け作業エリアAwよりも搬送方向の下流側に設定され、作業補助装置5が配置されたバックアップ作業エリアAbを更に備えている。
【0029】
バックアップ作業エリアAbは、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品Gである未認識物品Gn(
図4参照)に対して作業者Wがバックアップ作業を行うエリアである。未認識物品Gnは、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品Gであるため、当該未認識物品Gnの仕分け作業を行うべき仕分け作業エリアAwは不明である。そのため、未認識物品Gnは、各仕分け作業エリアAwにおいて受け入れられることなく(仕分け作業が行われることなく)、搬送方向の最も下流側に配置されたバックアップ作業エリアAbに搬送されてくる。バックアップ作業エリアAbでは、このような未認識物品Gnに対するバックアップ作業が作業者Wによって行われる。バックアップ作業の詳細については後述する。
【0030】
次に、制御装置Cについて説明する。制御装置Cは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各処理または各機能が実現される。
【0031】
制御装置Cは、搬送装置1及び作業補助装置5の動作を制御するように構成されている。また、制御装置Cは、撮影装置2、識別情報取得装置3、及び受け入れ検出装置6からの情報を取得するように構成されている。具体的には、制御装置Cは、物品Gの画像情報を撮影装置2から取得し、物品Gの識別情報Igを識別情報取得装置3から取得し、各仕分け作業エリアAwにおける物品受け入れの有無の情報を受け入れ検出装置6から取得するように構成されている。制御装置Cは、取得した各情報に基づいて、各装置を制御するように構成されている。
【0032】
図3は、制御装置Cが実行する処理を経時的に示している。図中の横軸Tが、時間の流れを示している。
【0033】
図3に示すように、時刻T0において、撮影装置2による物品Gの撮影と識別情報取得装置3による識別情報Igの取得が行われる。制御装置Cは、時刻T0において、識別情報取得装置3から物品Gの識別情報Igを取得する。そして、制御装置Cは、識別情報取得装置3により取得した複数の物品Gのそれぞれの識別情報Igに基づいて、複数の物品Gのそれぞれを対象物品Gtとして当該対象物品Gtの仕分け作業を行うべき仕分け作業エリアAwを対象エリアAtとして決定する。例えば、制御装置Cは、対象物品Gtの識別情報Igに基づいて、当該識別情報Igに関連付けられた仕分け先情報を取得し、当該仕分け先情報に示された仕分け先(例えば、出荷先)に対応する物品受入部4が配置された仕分け作業エリアAwを、対象エリアAtに決定する。対象エリアAtを決定した後、制御装置Cは、対象エリアAtの報知部52に仕分け作業の発生を報知させ、対象エリアAtの表示部51に対象物品Gtの画像Pを表示させる。
【0034】
本実施形態では、制御装置Cは、対象物品Gtについて仕分け作業を行うべき対象エリアAtを決定した後、搬送装置1による対象物品Gtの搬送速度に基づいて定まる対象物品Gtの対象エリアAtへの到達予想時刻Tinに対して、予め定められた第1規定時間T1前に、報知部52による報知を行わせる。これにより、仕分け作業が発生した場合に、当該仕分け作業の対象となる対象物品Gtが対象エリアAtに到達する時点Tinの第1規定時間T1前に報知部52による報知が行われる。すなわち、対象物品Gtが対象エリアAtに到達する前に、対象物品Gtが対象エリアAtに近づいていることを作業者Wに報知することができる。従って、作業者Wに対して適切な時点で仕分け作業の発生を報知することができる。なお、本例では、到達予想時刻Tinは、対象物品Gtの搬送方向下流端が対象エリアAtへの進入を開始した時点となるように予想される。
【0035】
本実施形態では、制御装置Cは、対象物品Gtについて仕分け作業を行うべき対象エリアAtを決定した時点である対象エリア決定時点T0において、その時点T0の搬送速度(搬送装置1による対象物品Gtの搬送速度)に基づく対象エリア決定時点T0から到達予想時刻Tinまでの時間が第1規定時間T1未満である場合には、対象エリア決定時点T0から到達予想時刻Tinまでの時間が第1規定時間T1以上となるように搬送速度を低下させる。これによれば、報知部52による報知を行ってから対象物品Gtの到達予想時刻Tinまでの時間(第1規定時間T1)を適切に確保することができる。
【0036】
本実施形態では、制御装置Cは、対象物品Gtについて仕分け作業を行うべき対象エリアAtを決定した後、搬送装置1による対象物品Gtの搬送速度に基づいて定まる対象物品Gtの対象エリアAtへの到達予想時刻Tinに対して、予め定められた第2規定時間T2前に、表示部51による対象物品Gtの画像Pの表示を行う。本例では、制御装置Cは、到達予想時刻Tinに対して第2規定時間T2前に、表示部51による対象物品Gtの識別情報Igの表示も行う(
図2参照)。これにより、仕分け作業が発生した場合に、当該仕分け作業の対象となる対象物品Gtが対象エリアAtに到達する時点Tinの第2規定時間T2前に、表示部51による対象物品Gtの画像P及び識別情報Igの表示が行われる。すなわち、対象物品Gtが対象エリアAtに到達する前に、対象物品Gtの外観及び識別情報Igを作業者Wに認識させることができる。
【0037】
本実施形態では、制御装置Cは、対象物品Gtについて仕分け作業を行うべき対象エリアAtを決定した時点である対象エリア決定時点T0において、その時点T0の搬送速度に基づく対象エリア決定時点T0から到達予想時刻Tinまでの時間が第2規定時間T2未満である場合には、対象エリア決定時点T0から到達予想時刻Tinまでの時間が第2規定時間T2以上となるように搬送速度を低下させる。これによれば、表示部51による対象物品Gtの画像P(及び識別情報Ig)の表示を行ってから対象物品Gtの到達予想時刻Tinまでの時間(第2規定時間T2)を適切に確保することができる。
【0038】
本実施形態では、報知部52による報知が行われる基準となる第1規定時間T1は、表示部51による表示が行われる基準となる第2規定時間T2よりも長い時間に設定されている。すなわち本例では、制御装置Cは、特定の対象物品Gtについて、報知部52による報知を行った後に、表示部51による表示を行う。なお、第1規定時間T1及び第2規定時間T2のそれぞれは、設備の運用等に応じて適宜設定することができる。例えば、第1規定時間T1及び第2規定時間T2をゼロに設定した場合には、到達予想時刻Tinに、報知部52による報知及び表示部51による表示が行われる。
【0039】
ここで、人為的なミスなどにより、本来仕分け作業が行われるべき対象物品Gtについて仕分け作業が行われることなく、当該対象物品Gtが対象エリアAtを通過する場合がある。
【0040】
本実施形態では、制御装置Cは、到達予想時刻Tinに対して第1規定時間T1前に報知部52による報知を開始し、対象エリアAtにおける仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった対象物品Gtが当該対象エリアAtから退出すると予想される退出予想時刻Tout以前に、報知部52による報知を終了する。これによれば、対象物品Gtに関する仕分け作業の発生の報知が無用に長く行われることを回避できる。なお、本例では、退出予想時刻Toutは、対象物品Gtの搬送方向下流端が対象エリアAtからの退出を開始した時点となるように予想される。
【0041】
本実施形態では、制御装置Cは、到達予想時刻Tinに対して第2規定時間T2前に表示部51による対象物品Gtの画像P(及び識別情報Ig)の表示を開始し、対象エリアAtにおける仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった対象物品Gtが当該対象エリアAtから退出すると予想される退出予想時刻Tout以前に、表示部51による対象物品Gtの画像P(及び識別情報Ig)の表示を終了する。これによれば、対象物品Gtに関する表示が無用に長く行われることを回避できる。
【0042】
なお、対象エリアAtを通過した対象物品Gtは、バックアップ作業エリアAbに搬送され、当該対象物品Gtについて必要な処理が施される。
【0043】
ここで、
図1を参照して上述したバックアップ作業エリアAbは、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品Gである未認識物品Gnに対して作業者Wがバックアップ作業を行うエリアである。
【0044】
図4は、未認識物品Gnの例を示している。例えば、物品Gの情報保持部Giが破損している場合、図示の例においては物品Gに貼付されたラベルが破れている場合には、識別情報取得装置3によって識別情報Igを取得することはできない。この場合には、当該物品Gは未認識物品Gnと認定される。
【0045】
また、物品Gの情報保持部Giが画像Pから認識できない位置にある場合、図示の例においてはラベルが下方を向くように物品Gが裏返しとなっている場合には、識別情報取得装置3によって識別情報Igを取得することはできない。この場合には、当該物品Gは未認識物品Gnと認定される。但し、情報保持部GiがICタグを用いて構成され、識別情報取得装置3がICタグリーダを用いて構成されている場合には、ICタグが画像Pから認識できない位置にある場合であっても識別情報Igを取得し得る。
【0046】
上記のような未認識物品Gnが発生した場合には、当該未認識物品Gnは、各仕分け作業エリアAwを通過してバックアップ作業エリアAbに搬送される。そして、制御装置Cは、未認識物品Gnが発生した場合には、バックアップ作業エリアAbの報知部52にバックアップ作業の発生を報知させ、バックアップ作業エリアAbの表示部51による未認識物品Gnの画像Pの表示を行う。本例では、制御装置Cは、未認識物品Gnの画像Pの表示に加えて、仕分け作業が不能である旨を表示部51に表示させる。
図4に示す例では、表示部51は「error」を表示するように構成されている。詳細は省略するが、バックアップ作業エリアAbの報知部52による報知態様(報知の開始タイミングや終了タイミング等)は、例えば、対象エリアAtの報知部52による報知態様と同様に設定することができる。また、バックアップ作業エリアAbの表示部51による表示態様(画像Pの表示の開始タイミングや終了タイミング等)は、例えば、対象エリアAtの表示部51による報知態様と同様に設定することができる。
【0047】
バックアップ作業では、未認識物品Gnについて仕分け作業が可能となるような作業が行われる。例えば、未認識物品Gnのラベルが破れている場合(
図4の上図参照)には、バックアップ作業エリアAbの作業者Wは、未認識物品Gnの識別札などから当該未認識物品Gnの識別情報Igを取得し、当該未認識物品Gnについて仕分け作業が行われるべき仕分け作業エリアAwを特定する。そして、バックアップ作業エリアAbの作業者Wは、上記特定した仕分け作業エリアAwの作業者Wに対して未認識物品Gnの仕分け作業を指示する。上述のように、複数の仕分け作業エリアAwとバックアップ作業エリアAbとの間は、作業者Wが行き来することができるように構成されている。そのため、例えば指示を受けた作業者Wは、バックアップ作業エリアAbから自身が担当する仕分け作業エリアAwまで、未認識物品Gnを運ぶなどの対応を行う。
【0048】
また、例えば、ラベルが下方を向くように未認識物品Gnが裏返された状態となっている場合(
図4の下図参照)には、バックアップ作業エリアAbの作業者Wは、識別情報取得装置3によって識別情報Igを適切に読み取れる状態とするために、ラベルが上方を向くように未認識物品Gnの姿勢を整える。バックアップ作業エリアAbの作業者Wは、このように未認識物品Gnの姿勢を整えた状態で、当該未認識物品Gnを再び搬送経路Rに戻す作業を行う。上述のように、本例では、搬送経路Rは環状の閉じた経路となっているため、搬送経路Rに戻された未認識物品Gnは搬送経路Rを周回し、識別情報取得装置3は当該未認識物品Gnから識別情報Igを取得する。そして、当該未認識物品Gnの仕分け作業が行われるべき仕分け作業エリアAwが制御装置Cによって特定され、特定された仕分け作業エリアAwにおいて当該未認識物品Gnに対する仕分け作業が行われる。
【0049】
また、
図4に示した例とは異なる場合においても、識別情報取得装置3によって識別情報Igを取得できない未認識物品Gnが発生し得る。例えば、制御装置Cは、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品Gである未認識物品Gnについては、複数の仕分け作業エリアAwの全てを対象エリアAtとして決定し、全ての対象エリアAtの報知部52に仕分け作業の発生を報知させ、全ての対象エリアAtの表示部51による対象物品Gt(未認識物品Gn)の画像Pの表示を行う。この場合には、各仕分け作業エリアAwの作業者Wは、搬送されてくる未認識物品Gnが、自身が担当する仕分け作業エリアAwで仕分け作業を行うべき物品Gであるか否かを報知部52の報知によっては確定することができない。そのため、作業者Wは、未認識物品Gnの外観や識別札等の他の情報を用いて、当該未認識物品Gnが自身の仕分け作業エリアAwで仕分け作業を行うべき物品Gであるか否かを判断する。
【0050】
詳細な図示は省略するが、本実施形態では、制御装置Cは、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できた物品Gと、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品G(未認識物品Gn)とで、報知部52による報知の内容を異ならせる。例えば、報知部52が表示灯を用いて構成されている場合には、制御装置Cは、識別情報Igを取得できた物品Gが搬送されてくる場合には通常通り表示灯を点灯状態とし、未認識物品Gnが搬送されてくる場合には表示灯を点滅状態にする。これにより、各仕分け作業エリアAwの作業者Wに対して、未認識物品Gnの対応を行うよう注意喚起することができる。なお、報知部52による報知の内容を異ならせる他の例としては、表示灯の色を変えたり、複数の表示灯を用いて点灯或いは点滅させる表示灯の数を変えるなど、様々な態様がある。
【0051】
図5及び
図6に示すように、例えば、制御装置Cは、複数の仕分け作業エリアAwを搬送方向の上流側から複数のグループに分け、識別情報取得装置3により識別情報Igを取得できなかった物品Gである未認識物品Gnがある場合には、搬送方向の最も上流側のグループから順に選択し、選択されたグループに含まれる仕分け作業エリアAwを対象エリアAtとして決定し、いずれかの対象エリアAtの受け入れ検出装置6(
図1参照)により物品Gの受け入れが検出されるまで、搬送方向の下流側に向かってグループの選択及び対象エリアAtの決定を順次行う。1つのグループを構成する仕分け作業エリアAwの数は、1つであっても複数であってもよい。図示の例では、制御装置Cは、4つの仕分け作業エリアAwのうち、搬送方向の上流側に配置された2つの仕分け作業エリアAwを第1グループとして選択し、搬送方向の下流側に配置された残りの2つの仕分け作業エリアAwを第2グループとして選択している。なおこの場合には、上記と同様に、作業者Wは、搬送されてくる未認識物品Gnの外観や識別札等の他の情報を用いて、当該未認識物品Gnが自身の仕分け作業エリアAwで仕分け作業を行うべき物品Gであるか否かを判断する。
【0052】
ここで、撮影装置2によって撮影される対象は、単体の物品Gであることが好ましい。しかし、
図7に示すように、複数の物品Gからなる物品群が、撮影装置2によって一度に撮影される場合があり得る。この場合、撮影装置2によって撮影された画像Pには、複数の物品Gが映ることになり、当該複数の物品Gのそれぞれが、特定の1つの仕分け作業エリアAwにおいて仕分け作業を行われるべき物品Gであるとは限らない。
【0053】
そこで、本実施形態では、制御装置Cは、撮影装置2により複数の物品Gからなる物品群が一度に撮影された場合であって、物品群のそれぞれの物品Gの識別情報Igが識別情報取得装置3により取得された場合には、物品群のそれぞれの物品Gを対象物品Gtとする複数の対象エリアAtの全ての表示部51に物品群の画像Pの表示を行わせる。また、制御装置Cは、物品群の画像Pの表示に加えて、当該物品群を構成する複数の物品Gそれぞれの識別情報Igを表示部51に表示させる。複数の対象エリアAtにおける各作業者Wは、物品群の中から自身が仕分け作業を担当すべき対象物品Gtを、表示部51に表示された識別情報Igによって判断し、当該対象物品Gtのみについて仕分け作業を行う。これによれば、複数の物品Gが密集して搬送されているために複数の物品Gのそれぞれを別々に撮影できなかった場合であっても、それらの物品Gのそれぞれの仕分け作業を適切に行うことが可能となる。
【0054】
以上説明した仕分け作業補助システム100によれば、作業者Wは、自身が行うべき仕分け作業の発生を報知部52による報知によって認知することができる。これにより、作業者Wは、自身が仕分け作業を行うべき対象物品Gtが搬送されてくるか否かを確認するために搬送経路Rを常に注視しておく必要がない。従って、作業者Wの負担を軽減できると共に、仕分け作業を行わなくて良い期間を他の作業に充てることも可能となり、全体として作業効率を向上させることができる。
【0055】
〔第2実施形態〕
次に、仕分け作業補助システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態に比べて、制御装置Cが表示部51に表示させる表示態様が異なる。以下、第2実施形態について、上記第1実施形態とは異なる点を主に説明する。特に説明しない点については上記第1実施形態と同様である。
【0056】
図8に示すように、本実施形態では、制御装置Cは、1つの対象エリアAtに複数の対象物品Gtが同時期に搬送されてきた場合に、対象エリアAtの表示部51に対象物品Gtの数に対応する作業数を表示し、対象エリアAtの受け入れ検出装置6により対象物品Gtの受け入れが検出された場合には、検出された対象物品Gtの数を作業数から減算して表示部51に表示する。これによれば、1つの対象エリアAtに複数の対象物品Gtが同時期に搬送されてきた場合であっても、作業者Wはいくつの物品Gの仕分け作業を行う必要があるかを容易に認識することができる。従って、対象物品Gtの取り逃しが生じる可能性を低減できる。
【0057】
「同時期に搬送されてきた」とは、複数の対象物品Gtが時間的な誤差なく搬送されてきた場合、及び複数の対象物品Gtが特定の期間内に時間的な差がある状態で搬送されてきた場合を含む。この「特定の期間」は、例えば、対象エリア決定時点T0から到達予想時刻Tinまでの期間である(
図3参照)。すなわち、撮影装置2、及び識別情報取得装置3が配置された領域から対象エリアAtまでの間に、当該対象エリアAtにおいて仕分け作業を行われるべき対象物品Gtが複数存在する場合も、「複数の対象物品Gtが同時期に搬送されてきた」場合に含まれる。
【0058】
本実施形態では、制御装置Cは、同時期に搬送されてくる複数の対象物品Gtの画像Pの全てを表示部51に表示させる。本例では、上記の作業数は、表示部51に表示された対象物品Gtの画像Pの数(画像数)である。図示の例では、同時期に搬送されてくる対象物品Gtが3つあり、表示部51は、3つの対象物品Gtそれぞれの画像Pa,Pb,Pcを表示している。この場合、画像数は「3」であるため、作業数は「3」となる。本例では、表示部51は、同時期に搬送されてくる複数の対象物品Gtのうち最も早く対象エリアAtに到達する対象物品Gtの画像Paを、他の対象物品Gtの画像Pb,Pcよりも大きく表示する。そして、表示部51は、最も早く対象エリアAtに到達する対象物品Gtの識別情報Igを表示する。これにより、直近で仕分け作業を行うべき対象物品Gtを対象エリアAtの作業者Wに認識させ易い。なお、直近で仕分け作業を行うべき対象物品Gtに対する作業が完了する毎に、当該対象物品Gtに関する画像Pが削除される。本例では、このような態様により、受け入れ検出装置6により検出された対象物品Gtの数を作業数から減算して表示部51に表示する。
【0059】
〔第3実施形態〕
次に、仕分け作業補助システムの第3実施形態について説明する。第3実施形態では、上記第1実施形態に比べて、制御装置Cが仕分け作業エリアAwのモード切り替えを行う点が異なる。以下、第3実施形態について、上記第1実施形態とは異なる点を主に説明する。特に説明しない点については上記第1実施形態と同様である。
【0060】
本実施形態では、制御装置Cは、複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれについて互いに異なる作業者Wが仕分け作業を担当する第1モードと(
図1参照)、複数の仕分け作業エリアAwについて共通の作業者Wが仕分け作業を担当する第2モードと(
図9参照)、を切り替え可能に構成されている。
【0061】
第1モードについては上記第1実施形態と同様であり、複数の仕分け作業エリアAwの数に等しい人数の作業者Wが、それぞれが担当する仕分け作業エリアAwに配置される。第1モードでは、制御装置Cは、複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれにおける作業補助装置5を独立に動作させる。
【0062】
そして、
図9は、第2モードの実行中を示している。
図9に示すように、第2モードでは、制御装置Cは、同じ作業者Wが担当する複数の仕分け作業エリアAwを作業エリア群として、作業エリア群の複数の作業補助装置5のうち1つのみを動作させ、或いは、作業エリア群の複数の作業補助装置5に同じ動作を行わせる。第2モードにおいて表示部51に表示される画像には、作業エリア群に含まれる複数の仕分け作業エリアAwのそれぞれにおける仕分け作業の対象となる対象物品Gtの画像が含まれ得る。例えば、作業エリア群に2つの仕分け作業エリアAwが含まれる場合、第2モードにおいて表示部51に表示される画像には、一方の仕分け作業エリアAwにおける仕分け作業の対象となる対象物品Gtの画像と、他方の仕分け作業エリアAwにおける仕分け作業の対象となる対象物品Gtの画像と、が含まれ得る。
【0063】
図9に示す例では、4つの仕分け作業エリアAwのうち搬送方向上流側の2つの仕分け作業エリアAwから成る作業エリア群を第1作業エリア群Aw1とし、搬送方向下流側の残りの2つの仕分け作業エリアAwから成る作業エリア群を第2作業エリア群Aw2としている。そして、制御装置Cは、第1作業エリア群Aw1については、複数の作業補助装置5(図示の例では表示部51)のうち1つのみを動作させている。また、制御装置Cは、第2作業エリア群Aw2については、複数の作業補助装置5(図示の例では表示部51)に同じ動作を行わせている。図中、各表示部51に示された「△」「☆」は、表示部51が表示している表示内容を簡易的に示し、黒色で示された表示部51は動作していない状態を示している。
図9の例において、第1作業エリア群Aw1の2つの表示部51のうち1つは、動作していない。第2作業エリア群Aw2の2つの表示部51は、共に同じ内容(☆)を示している。
【0064】
本実施形態によれば、複数の仕分け作業エリアAwでの仕分け作業を同じ作業者Wが担当する場合であっても、作業者Wによる仕分け作業を作業補助装置5により適切に補助することができる。また、作業者Wは、仕分け作業の対象となる対象物品Gtが搬送されてくるのをいずれかの仕分け作業エリアAwで待機しつつ、当該対象物品Gtの情報を適切に認知することができる。なお、上記第1実施形態でも説明したように、複数の仕分け作業エリアAwは、作業者Wが行き来することができるように構成されている。そのため、制御装置Cが第2モードを実行している場合でも、作業エリア群を構成する複数の仕分け作業エリアAwの間を作業者Wは自由に行き来することができ、各仕分け作業エリアAwにおいて適切に仕分け作業を行うことができる。
【0065】
〔その他の実施形態〕
次に、仕分け作業補助システムのその他の実施形態について説明する。
【0066】
(1)上記の実施形態では、報知部52による報知が行われる基準となる第1規定時間T1が、表示部51による表示が行われる基準となる第2規定時間T2よりも長い時間に設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1規定時間T1と第2規定時間T2とは、同一の時間に設定されていてもよい。この場合、制御装置Cは、特定の対象物品Gtについて、報知部52による報知と表示部51による表示とを同時に行う。
【0067】
(2)上記の実施形態では、制御装置Cが、対象エリアAtにおける仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった対象物品Gtが当該対象エリアAtから退出すると予想される退出予想時刻Tout以前に、報知部52による報知及び表示部51による表示を終了する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置Cは、退出予想時刻Toutよりも後に、報知部52による報知及び表示部51による表示の少なくとも一方を終了するようにしてもよい。
【0068】
(3)上記の実施形態では、報知部52による報知の終了及び表示部51による表示の終了が、制御装置Cの制御によって退出予想時刻Tout以前に行われる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、報知部52による報知の終了及び表示部51による表示の終了は、作業者Wの操作により行われてもよい。この場合、仕分け作業補助システム100は、作業者Wによって操作される操作部(報知及び表示を終了するための操作部)を備えているとよい。
【0069】
(4)上記の実施形態では、報知部52が、表示灯を用いて構成されており、視覚的手段により報知を行うように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、報知部52は、例えば、モニタに表示した文字や記号などにより報知を行うようにしてもよい。この場合、報知部52は、表示部51の画面を用いて報知を行ってもよい。また、報知部52は、視覚的手段とは別の手段として、音や振動による手段を用いて報知を行うように構成されていてもよい。報知部52は、音による手段を用いる場合には、音(警報音やアナウンス音声等)を発するスピーカを用いて構成されているとよい。報知部52は、振動による手段を用いる場合には、例えば、作業者Wが身に着けることが可能な振動装置(振動機能を有する腕時計やタブレット)を用いて構成されているとよい。
【0070】
(5)上記の実施形態では、制御装置Cが、1つの対象エリアAtに同時期に搬送されてきた複数の対象物品Gtの数に対応する作業数を表示部51に表示させる場合において、当該作業数が、表示部51に表示された画像Pの数(画像数)である例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上記作業数は数字であってもよい。すなわちこの場合、制御装置Cは、上記作業数として、数字を表示部51に表示させるようにしてもよい。
【0071】
(6)上記の実施形態では、仕分け作業補助システム100が、複数の仕分け作業エリアAwよりも搬送方向の下流側に設定されたバックアップ作業エリアAbを備えている例、すなわち、仕分け作業エリアAwとバックアップ作業エリアAbとが別々に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、複数の仕分け作業エリアAwのうち最も搬送方向下流側に配置された仕分け作業エリアAwが、バックアップ作業エリアAbを兼ねていてもよい。
【0072】
(7)上記の実施形態では、制御装置Cが搬送装置1の搬送速度を変更可能に構成されている例について説明した。このような構成において、制御装置Cは、搬送経路Rを搬送されている物品Gの数に応じて搬送装置1の搬送速度を変更させてもよい。例えば、制御装置Cは、搬送経路Rを搬送されている物品Gの数が規制数以上であることを条件に、物品Gの数が規定数未満である場合よりも搬送装置1の搬送速度を低下させる。このようにすることで、搬送経路Rを搬送されている全ての物品Gについて、各仕分け作業エリアAwの作業者Wが仕分け作業を行うのに必要な時間を確保し易い。
【0073】
(8)上記の実施形態では、撮影装置2により複数の物品Gからなる物品群が一度に撮影された場合であっても、物品群を構成する複数の物品Gのそれぞれに対して適切に仕分け作業を行うことが可能な構成について説明した。しかし、仕分け作業補助システム100は、物品群が一度に撮影されることを事前に回避することが可能な構成を備えていてもよい。詳細な図示は省略するが、例えば、仕分け作業補助システム100は、搬送経路Rにおいて密集して搬送される複数の物品Gを搬送方向に沿って分離させる分離装置を備えていてもよい。分離装置は、搬送経路Rにおける撮影装置2よりも搬送方向上流側に配置される。分離装置は、搬送方向に沿って隣接して配置されると共に、互いに独立して動作する複数のコンベヤを用いて構成される。分離装置が、複数のコンベヤ間で搬送速度を変化させることによって、搬送経路Rを密集して搬送される複数の物品Gどうしの間に搬送方向の隙間が形成され、これら複数の物品Gどうしを搬送方向に沿って分離することができる。このような構成によれば、物品群が撮影装置2によって一度に撮影されることを事前に回避することができる。
【0074】
(9)上記の実施形態では、制御装置Cが、複数の物品Gのそれぞれを対象物品Gtとして当該対象物品Gtの仕分け作業を行うべき仕分け作業エリアAwを対象エリアAtとして決定する例について説明した。このような構成において、制御装置Cは、複数の仕分け作業エリアAwでの仕分け作業数が均等となるように、対象エリアAtを決定するようにしてもよい。
【0075】
(10)上記の実施形態では、搬送経路Rが環状の閉じた経路となっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送経路Rは、閉じた経路とはなっていなくてもよい。
【0076】
(11)上記の実施形態では、搬送装置1が、コンベヤを用いて構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送装置1は、例えば、有軌道式あるいは無軌道式の無人搬送車を用いて構成されていてもよい。
【0077】
(12)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0078】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した仕分け作業補助システムについて説明する。
【0079】
作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムであって、
搬入エリアに搬入された複数の前記物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側において前記搬送経路に沿って並ぶように設定された複数の仕分け作業エリアと、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれを撮影する撮影装置と、
前記搬送経路における前記搬入エリアよりも前記搬送方向の下流側であって複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送装置により搬送中の複数の前記物品のそれぞれの識別情報を取得する識別情報取得装置と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された物品受入部と、
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに配置された作業補助装置と、
制御装置と、を備え、
前記仕分け作業エリアは、作業者が、前記搬送装置により搬送されてくる複数の前記物品の中から対象物品を取り出して前記物品受入部に引き渡す前記仕分け作業を行うエリアであり、
前記作業補助装置は、前記撮影装置により撮影された前記物品の画像を表示する表示部と、当該作業補助装置が配置された前記仕分け作業エリアで行うべき前記仕分け作業の発生を報知する報知部と、を備え、
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により取得した複数の前記物品のそれぞれの前記識別情報に基づいて、複数の前記物品のそれぞれを前記対象物品として当該対象物品の前記仕分け作業を行うべき前記仕分け作業エリアを対象エリアとして決定し、前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の画像を表示させる。
【0080】
本構成によれば、仕分け作業エリアにおいて行うべき仕分け作業が発生した場合に、報知部がその旨を報知する。そのため、作業者は、自身が行うべき仕分け作業の発生を報知部による報知によって認知することができる。これにより、作業者は、自身が仕分け作業を行うべき対象物品が搬送されてくるか否かを確認するために搬送経路を常に注視しておく必要がない。従って、本構成によれば、作業者の負担を軽減できると共に、仕分け作業を行わなくて良い期間を他の作業に充てることも可能となり、全体として作業効率を向上させることができる。また、本構成によれば、各仕分け作業エリアにおける仕分け作業の対象となる対象物品の画像が表示部に表示されるため、作業者は、搬送装置により搬送されてくる複数の物品の中から当該画像に基づいて対象物品を選択して取り出すことができる。そのため、作業者による仕分け作業の容易化を図ることができ、この点においても作業者の負担を軽減することができる。
【0081】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した後、前記搬送装置による前記対象物品の搬送速度に基づいて定まる前記対象物品の前記対象エリアへの到達予想時刻に対して、予め定められた第1規定時間前に、前記報知部による報知を行わせる、と好適である。
【0082】
本構成によれば、仕分け作業が発生した場合に、当該仕分け作業の対象となる対象物品が対象エリアに到達する時点の第1規定時間前に報知部による報知が行われる。従って、作業者に対して適切な時点で仕分け作業の発生を報知することができる。
【0083】
前記制御装置は、前記到達予想時刻に対して前記第1規定時間前に前記報知部による報知を開始し、前記対象エリアにおける前記仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった前記対象物品が当該対象エリアから退出すると予想される退出予想時刻以前に、前記報知部による報知を終了する、と好適である。
【0084】
本構成によれば、対象物品に関する仕分け作業の発生の報知が無用に長く行われることを回避できる。
【0085】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した時点である対象エリア決定時点において、その時点の前記搬送速度に基づく前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第1規定時間未満である場合には、前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第1規定時間以上となるように前記搬送速度を低下させる、と好適である。
【0086】
本構成によれば、報知部による報知を行ってから対象物品の到達予想時刻までの時間(第1規定時間)を適切に確保することができる。
【0087】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した後、前記搬送装置による前記対象物品の搬送速度に基づいて定まる前記対象物品の前記対象エリアへの到達予想時刻に対して、予め定められた第2規定時間前に、前記表示部による前記対象物品の画像の表示を行う、と好適である。
【0088】
本構成によれば、仕分け作業が発生した場合に、当該仕分け作業の対象となる対象物品が対象エリアに到達する時点の第2規定時間前に表示部による対象物品の画像の表示が行われる。従って、作業者は、適切な時点で対象物品の画像を確認することができる。
【0089】
前記制御装置は、前記到達予想時刻に対して前記第2規定時間前に前記表示部による前記対象物品の画像の表示を開始し、前記対象エリアにおける前記仕分け作業が行われなかった場合に当該仕分け作業の対象であった前記対象物品が当該対象エリアから退出すると予想される退出予想時刻以前に、前記表示部による前記対象物品の画像の表示を終了する、と好適である。
【0090】
本構成によれば、対象物品に関する表示が無用に長く行われることを回避できる。
【0091】
前記制御装置は、前記対象物品について前記仕分け作業を行うべき前記対象エリアを決定した時点である対象エリア決定時点において、その時点の前記搬送速度に基づく前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第2規定時間未満である場合には、前記対象エリア決定時点から前記到達予想時刻までの時間が前記第2規定時間以上となるように前記搬送速度を低下させる、と好適である。
【0092】
本構成によれば、表示部による対象物品の画像の表示を行ってから対象物品の到達予想時刻までの時間(第2規定時間)を適切に確保することができる。
【0093】
複数の前記仕分け作業エリアよりも前記搬送方向の下流側に設定され、前記作業補助装置が配置されたバックアップ作業エリアを更に備え、
前記バックアップ作業エリアは、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品に対して作業者がバックアップ作業を行うエリアであり、
前記制御装置は、前記未認識物品が発生した場合には、前記バックアップ作業エリアの前記報知部に前記バックアップ作業の発生を報知させ、前記バックアップ作業エリアの前記表示部による前記未認識物品の画像の表示を行う、と好適である。
【0094】
本構成によれば、識別情報取得装置により識別情報を取得できなかった物品が発生した場合であっても、当該物品に対して適切なバックアップ作業を行うことができる。
【0095】
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品については、複数の前記仕分け作業エリアの全てを前記対象エリアとして決定し、全ての前記対象エリアの前記報知部に前記仕分け作業の発生を報知させ、全ての前記対象エリアの前記表示部による前記対象物品の画像の表示を行う、と好適である。
【0096】
本構成によれば、識別情報取得装置により識別情報を取得できなかった物品(未認識物品)が発生した場合であっても、当該未認識物品に対する仕分け作業を各仕分け作業エリアの作業者により行うことができる。
【0097】
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに、前記物品受入部での前記物品の受け入れの有無を検出する受け入れ検出装置が配置され、
前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアを前記搬送方向の上流側から複数のグループに分け、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品である未認識物品がある場合には、前記搬送方向の最も上流側の前記グループから順に選択し、選択された前記グループに含まれる前記仕分け作業エリアを前記対象エリアとして決定し、いずれかの前記対象エリアの前記受け入れ検出装置により前記物品の受け入れが検出されるまで、前記搬送方向の下流側に向かって前記グループの選択及び前記対象エリアの決定を順次行う、と好適である。
【0098】
本構成によれば、識別情報取得装置により識別情報を取得できなかった物品(未認識物品)が発生した場合であっても、当該未認識物品に対する仕分け作業を、上流側のグループに属する仕分け作業エリアから順に、当該仕分け作業エリアの作業者により行うことができる。
【0099】
前記制御装置は、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できた前記物品と、前記識別情報取得装置により前記識別情報を取得できなかった前記物品とで、前記報知部による報知の内容を異ならせる、と好適である。
【0100】
本構成によれば、作業者は、搬送されてきた物品が、識別情報が取得されていて自身が担当する仕分け作業エリアで仕分け作業を行うことが確定している物品か、識別情報が取得されておらず自身が担当する仕分け作業エリアで仕分け作業を行うことが確定していない物品であるかを、報知部の報知内容によって判別することができる。従って、識別情報を取得できた物品と識別情報を取得できなかった物品とが混在した状態で搬送装置により搬送されてきた場合であっても、作業者による仕分け作業の容易化を図ることができる。
【0101】
前記制御装置は、前記撮影装置により複数の前記物品からなる物品群が一度に撮影された場合であって、前記物品群のそれぞれの前記物品の前記識別情報が前記識別情報取得装置により取得された場合には、前記物品群のそれぞれの前記物品を前記対象物品とする複数の前記対象エリアの全ての前記表示部に前記物品群の画像の表示を行わせる、と好適である。
【0102】
本構成によれば、複数の物品が密集して搬送されているために複数の物品のそれぞれを別々に撮影できなかった場合であっても、それらの物品のそれぞれの仕分け作業を適切に行うことが可能となる。
【0103】
複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれに、前記物品受入部での前記物品の受け入れの有無を検出する受け入れ検出装置が配置され、
前記制御装置は、1つの前記対象エリアに複数の前記対象物品が同時期に搬送されてきた場合に、前記対象エリアの前記表示部に前記対象物品の数に対応する作業数を表示し、前記対象エリアの前記受け入れ検出装置により前記対象物品の受け入れが検出された場合には、検出された前記対象物品の数を前記作業数から減算して前記表示部に表示する、と好適である。
【0104】
本構成によれば、1つの対象エリアに複数の対象物品が同時期に搬送されてきた場合であっても、作業者はいくつの物品の仕分け作業を行う必要があるかを容易に認識することができる。従って、対象物品の取り逃しが生じる可能性を低減できる。
【0105】
前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれについて互いに異なる作業者が前記仕分け作業を担当する第1モードと、複数の前記仕分け作業エリアについて共通の作業者が前記仕分け作業を担当する第2モードと、を切り替え可能に構成され、
前記第1モードでは、前記制御装置は、複数の前記仕分け作業エリアのそれぞれにおける前記作業補助装置を独立に動作させ、
前記第2モードでは、前記制御装置は、同じ作業者が担当する複数の前記仕分け作業エリアを作業エリア群として、前記作業エリア群の複数の前記作業補助装置のうち1つのみを動作させ、或いは、前記作業エリア群の複数の前記作業補助装置に同じ動作を行わせる、と好適である。
【0106】
本構成によれば、複数の前記仕分け作業エリアでの仕分け作業を同じ作業者が担当する場合であっても、作業者による仕分け作業を作業補助装置により適切に補助することができる。また、作業者は、仕分け作業の対象となる対象物品が搬送されてくるのをいずれかの仕分け作業エリアで待機しつつ、当該対象物品の情報を適切に認知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示に係る技術は、作業者による物品の仕分け作業を補助する仕分け作業補助システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
100 :仕分け作業補助システム
1 :搬送装置
2 :撮影装置
3 :識別情報取得装置
4 :物品受入部
5 :作業補助装置
51 :表示部
52 :報知部
6 :受け入れ検出装置
C :制御装置
Ab :バックアップ作業エリア
Ai :搬入エリア
At :対象エリア
Aw :仕分け作業エリア
G :物品
Gn :未認識物品
Gt :対象物品
Ig :識別情報
P :物品の画像
R :搬送経路
T0 :対象エリア決定時点
T1 :第1規定時間
T2 :第2規定時間
Tin :到達予想時刻
Tout :退出予想時刻
W :作業者