(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】生体信号測定パッチ装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/276 20210101AFI20241204BHJP
A61B 5/257 20210101ALI20241204BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20241204BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61B5/276 200
A61B5/257
A61B5/276 100
A61B5/08
A61B5/11 200
(21)【出願番号】P 2023120005
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0096107
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520320745
【氏名又は名称】株式会社エイティセンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ジョン ウク
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0113535(US,A1)
【文献】特開2017-213391(JP,A)
【文献】特開2016-127966(JP,A)
【文献】特表2018-515293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0049377(US,A1)
【文献】中国実用新案第219021213(CN,U)
【文献】特表2003-505118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/06-5/22
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルな素材の基板と、
前記基板の第1領域に配されるハウジングと、
前記基板の第2領域に配される生体信号測定センシング電極と、
前記基板または前記ハウジングに配置される基準電極と、
前記基板に配され、前記基準電極とのキャパシタンス変化により、前記生体信号測定センシング電極の付着品質を測定する皮膚付着感知電極と、を含み、
前記基板には、前記第1領域及び前記第2領域を区画する方向に形成されるスリットが貫設され
、前記皮膚付着感知電極は、前記生体信号測定センシング電極を取り囲む位置に複数個配される、生体信号測定パッチ装置。
【請求項2】
前記スリットは、直列に複数個形成され、複数の前記スリット間には、前記第1領域と前記第2領域とを連結するブリッジが形成される、請求項1に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項3】
前記基準電極は、前記第1領域または前記ハウジングに配され、
前記皮膚付着感知電極は、前記第2領域に配される、請求項
1に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項4】
前記生体信号測定センシング電極は、複数個配され、
前記皮膚付着感知電極は、複数個配され、複数の前記生体信号測定センシング電極間に交互に配される請求項
1に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項5】
前記皮膚付着感知電極は、前記第1領域にさらに配され、
前記第1領域に配される前記皮膚付着感知電極と前記スリットとの距離は、前記ハウジング中央との距離より近く形成される、請求項
4に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項6】
生体信号測定センシング電極は、呼吸センサ、心電図センサ、いびきセンサ、寝返りセンサ、筋電図センサ、温度センサ及びインピーダンスセンサのうち少なくとも1以上を含む、請求項1に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項7】
前記第1領域が前記基板の下部領域に配され、前記第2領域が前記基板の上部領域に配される、請求項1に記載の生体信号測定パッチ装置。
【請求項8】
フレキシブルな素材の基板と、前記基板の第1領域に配されるハウジングと、前記基板の第2領域に配される生体信号測定センシング電極と、
前記基板または前記ハウジングに配される基準電極と、前記基板に配され、前記基準電極とのキャパシタンス変化により、前記生体信号測定センシング電極の付着品質を測定する皮膚付着感知電極と、を含み、前記基板には、前記第1領域及び前記第2領域を区画する方向に形成されるスリットが貫設され
、前記皮膚付着感知電極は、前記生体信号測定センシング電極を取り囲む位置に複数個配される生体信号測定パッチ装置を使用する方法において、
前記ハウジング及び生体信号測定電極が配された基板の一面を、ユーザの心臓部分に配させる基板配置段階と、
前記基板の他面に付着された接着パッチを利用し、前記基板を前記ユーザの皮膚に付着させる付着段階と、を含み、
前記基板配置段階において、前記第1領域が前記第2領域より下部に位置するように、前記基板を配する、生体信号測定パッチ装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心電図信号のような生体信号を測定し、健康管理に利用するための生体信号測定パッチ装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経済レベルの向上と、人口の高齢化により、健康管理に対する一般人の関心が高まりながら、身体活動、及び規則的なスポーツ活動を介し、健康状態を管理する健康マネジメントに対する関心が増大している。そのような健康マネジメントを行うために、心電図(ECG:electrocardiogram)、呼吸(respiration)、脈波(heart pulse wave)や、身体筋肉の動きに係わる筋電図(EMG:electromyogram)のような生体信号を常時測定することができるセンサを搭載した生体信号測定装置の開発が必要である。
【0003】
一例として、代表的な生体情報のうち一つである心電図(ECG)は、心臓の拍動により、心臓筋肉が収縮拡張されながら生じる活動電流を記録したものであり、身体の皮膚に電極を付着させ、心臓筋肉の収縮による活動電流または電圧を測定した後で測定されたデータをグラフに描くものである。
【0004】
そのような心電図は、心臓の異常有無の確認に利用されており、狭心症、心筋梗塞及び不整脈のような心臓系疾患の診断に基本的な測定方法として利用されている。
【0005】
前述のように、心電図を測定するためには、心電図(ECG)センサ電極が、皮膚と緊密な接触性を維持しなければならず、それは、筋電図を測定するための筋電図(EMG)センサ電極、及び呼吸信号を測定するためのセンサも同様である。しかしながら、経時的に接着力が低減されるという問題、人体の屈曲した形状による問題、及び人体に適用させうる接着剤の限界による問題により、測定される信号の品質が低下されるという問題点がある。従って、皮膚に前記センサを密着させ、接触力を維持させうる生体新号測定装置が要求されている。
【0006】
特許文献1の例示が
図1に図示されている。それを参照すれば、基板10上に、バッテリなどを含むハウジング20と、電極30とが固定されており、導線によって連結されている。ところで、そのような場合、基板10は、フレキシブルに形成されうるが、ハウジング30は、剛性により、人体に容易に付着されない。さらには、ハウジング30が接着が良好になされない上に、ハウジング射出物及びバッテリ重量により、重力方向に垂下しながら、残り基板部分の接着性まで低下されてしまうという問題がある。
【0007】
そのような問題を解決するために、特許文献1においては、電極30が形成された基板10部分にだけ接着部12を形成し、ハウジング20、及びハウジング20と電極30との間部分11には、接着部を形成せず、接着区域を分離する構造を開示している。しかしながら、その場合、ハウジング20がぶらつく形態でユーザ身体に基板10が付着し、ハウジング20の重量があるために、基板10が身体から落ちることを防止するのに限界がある。
【0008】
前述の背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有していたか、あるいは本発明の導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とすることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、具体的には、皮膚に生体信号測定のためのセンサを密着させ、接触力を維持することができる付着品質向上手段であり、生体信号測定パッチ装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
【0011】
ただし、そのような課題は、例示的なものであり、本発明の解決しようとする課題は、それに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態は、前述のところのような課題を解決するために、以下のような生体信号測定パッチ装置を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態による生体信号測定パッチ装置は、フレキシブルな素材の基板と、前記基板の第1領域に配されるハウジングと、前記基板の第2領域に配される生体信号測定センシング電極と、を含み、前記基板には、前記第1領域及び前記第2領域を区画する方向に形成されるスリットが貫設される。
【0014】
また、前記スリットは、直列に複数個形成され、複数の前記スリット間には、前記第1領域と前記第2領域とを連結するブリッジが形成されうる。
【0015】
また、前記基板または前記ハウジングに配される基準電極と、前記基板に配され、前記基準電極とのキャパシタンス変化により、前記生体信号測定センシング電極の付着品質を測定する皮膚付着感知電極と、をさらに含むものでもある。
【0016】
また、前記皮膚付着感知電極は、前記生体信号測定センシング電極を取り囲む位置に複数個配されうる。
【0017】
また、前記基準電極は、前記第1領域または前記ハウジングに配され、前記皮膚付着感知電極は、前記第2領域に配されうる。
【0018】
また、前記生体信号測定センシング電極は、複数個配され、前記皮膚付着感知電極は、複数個配され、複数の前記生体信号測定センシング電極間に交互に配されうる。
【0019】
また、前記皮膚付着感知電極は、前記第1領域にさらに配され、前記第1領域に配される皮膚付着感知電極と前記スリットとの距離は、前記ハウジング中央との距離よりも近く形成される。
【0020】
また、前記生体信号測定センシング電極は、呼吸センサ、心電図(ECG)センサ、いびきセンサ、寝返りセンサ、筋電図センサ、温度センサ及びインピーダンスセンサのうち少なくとも1以上をさらに含むものでもある。
【0021】
また、前記第1領域が前記基板の下部領域に配され、前記第2領域が前記基板の上部領域に配されうる。
【0022】
併せて、本発明一実施形態による生体信号測定パッチ装置の使用方法は、前述の生体信号測定パッチ装置を使用する方法において、前記ハウジング及び生体信号測定電極が配された基板の一面を、ユーザの心臓部分に配させる基板配置段階と、及び前記基板の他面に付着された接着パッチを利用し、前記基板を前記ユーザの皮膚に付着させる付着段階と、を含み、前記基板配置段階において、前記第1領域が前記第2領域より下部に位置するように、前記基板を配することができる。
【0023】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の発明を実施するための具体的な内容、特許請求の範囲、及び図面から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0024】
以上で述べたような本発明の課題解決手段によれば、以下のような事項を含む多様な効果を期待することができる。ただし、本発明は、下記のような効果をいずれも発揮してこそなされるものではない。
【0025】
本発明の一実施形態による生体信号測定パッチ装置は、ハウジングと生体信号感知センサとの間にスリットを形成することにより、人体皮膚の屈曲及び動きに対応し、基板の変形が可能であるが、皮膚に生体信号測定のためのセンサを密着させ、接触力を維持することができる。
【0026】
また、本発明は、センサが皮膚に密着されているか否かということを皮膚付着感知電極によって正確に感知し、パッチが皮膚から落ちることに直ちに対応可能であるという長所がある。
【0027】
また、本発明は、心電図信号だけでなく、呼吸、いびき、寝返りなどもセンシング可能であり、呼吸信号または心電図信号が低減される場合、アラームを鳴らすようにさせることにより、モニタリングが容易であり、危急状況に迅速に対処することができる。
【0028】
また、本発明は、ハウジングが配される基板の第1領域が下部に配され、センサが配される第2領域が上部に配されることにより、ハウジングの重力により、第2領域が皮膚から分離されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来の心電図電極パッチ装置の斜視図である。
【
図2】本発明の生体信号測定パッチ装置の一実施形態の平面図である。
【
図3A】第1実施形態による生体信号測定パッチ装置の右側面図である。
【
図3B】第1実施形態による生体信号測定パッチ装置の右側面図である。
【
図4】
図2において、皮膚付着感知電極が第1領域に配されたところを図示する底面図である。
【
図5】
図2において、皮膚付着感知電極がセンサ周囲に配されるところを図示する底面図である。
【
図6】本発明の生体信号測定パッチ装置を使用する方法のフローチャートである。
【
図7】一実施例により、生体信号測定パッチ装置がユーザの心臓部分に付着された例示図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、発明の説明によって詳細に説明する。しかしながら、それらは、本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。本発明について説明するにあたり、他の実施形態に図示されているとしても、同一構成要素については、同一識別符号を使用する。
【0031】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それに係わる重複説明は、省略する。
【0032】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0033】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0034】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を事前に排除するものではない。
【0035】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0036】
以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の3つの軸に限定されるものではなく、それらを含む広い意味にも解釈される。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交しもするが、互いに直交せず、互いに異なる方向を称することもできる。
【0037】
ある実施形態が他形態に具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるようにも遂行される。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時にも遂行され、説明される順序と反対の順序にも進められる。
【0038】
本出願で使用された用語は、単に特定の実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。本出願において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1、またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0039】
本開示の明細書において、モニタリング装置は、プロセッサ、メモリ、通信モジュールを含む電子装置であり、デスクトップ、スマートフォン、携帯電話、ノート型パソコン、タブレットのような装置でもある。該モニタリング装置は、生体信号測定パッチ装置と通信し、該生体信号測定パッチ装置で測定された生体信号に係わるデータを受信することができる。
【0040】
以下、図面を参照し、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0041】
図2は、本発明の生体信号測定パッチ装置の一実施形態の平面図、
図3Aは、第1実施形態による生体信号測定パッチ装置右側面図、
図3Bは、第2実施形態による生体信号測定パッチ装置右側面図、
図4は、
図2において、皮膚付着感知電極140が第1領域110に配されたところを図示する底面図、
図5は、
図2において、皮膚付着感知電極140がセンサ周囲に配されるところを図示する底面図である。
【0042】
それら図面に図示されているように、本発明の一実施形態は、フレキシブルな素材の基板100、基板100上に配されるハウジング200、及び生体信号測定センシング電極300を含むものでもある。
図3Aにおいては、生体信号測定用感知電極300が基板100の上部に位置するが、
図3Bに示されているように、感知信号により、生体信号測定用感知電極300が下部に位置しうる。電圧をセンシングし(例:心電図)、生体信号を測定する生体信号測定センシング電極300を皮膚(下端)に付着させるように、基板の一面に位置させることができる。生体信号測定センシング電極300がモジュール(音響など)を含む場合、
図3Aのように、前面に位置しうる。
【0043】
基板100は、フレキシブルな素材によって形成され、人体屈曲により、柔軟に曲がり、皮膚に密着されるようにも着用される。基板100は、センサに電気を供給し、センサ信号を伝達されうるようにさせる構成であり、基板100上に回路が形成されうる。また、基板100は、柔軟な素材であるFPCB(flexible printed circuit board)によっても形成される。さらには、基板100は、複数によって構成され、FPCB上に一般的なPCBが結合された形態によっても形成される。このとき、該PCBは、良好に反る形状であり、幅が狭い部分を含んで形成されることが望ましい。該FPCBは、フィルム形態の材質、あるいは防水性繊維素材でもある。
【0044】
本発明の実施形態によれば、基板100は、第1領域110及び第2領域120に区画されうる。第1領域110には、ハウジング200が配され、第2領域120には、生体信号測定センシング電極300が配されうる。すなわち、基板100は、一側にハウジング200が配され、他側に生体信号測定センシング電極300が配されるようにも区画される。生体信号測定センシング電極300は、皮膚と接触する面に配されうる。生体信号測定センシング電極300は、
図3A及び
図3Bに示されているように、基板100の前面または背面にも配される。
【0045】
第1領域110には、ハウジング200配置のために、ハウジング配置ホール111が貫設されうる。ハウジング配置ホール111は、ハウジング200に設けられる部品のうち、人体と通電が必要な部分において、通電を可能にさせたものでもある。併せて、ハウジング配置ホール111は、ハウジング200の全体形状または一部形状と対応するようにも形成される。
【0046】
また、ハウジング配置ホール111を取り囲む部分に、ハウジング固定ホール112が貫設されうる。ハウジング固定ホール112を利用して結び目を作ったり、ハウジング200に形成された突起を、ハウジング固定ホール112に挿入させたりすることにより、ハウジング200と基板100とを結合させることができる。
【0047】
また、ハウジング配置ホール111の一側には、分離部113が形成されうる。分離部113は、
図4に図示されているが、ハウジング200と、ハウジング200以外の電気部品とが電気的に連結される部分にも形成される。分離部113は、基板100上に、長手方向ホール形状に形成され、ホールの端部は、前記ハウジング配置ホール111と貫通されるようにも形成される。従って、基板100形状に変形があっても、変形を引き起こす外力が、分離部113により、ハウジング200内部まで伝達されず、耐久度を向上させることができる。
【0048】
第2領域120には、1以上の生体信号測定センシング電極300が配されうる。基板100において、第2領域120を除く領域が、第1領域110でもある。生体信号測定センシング電極300については、後述する。
【0049】
そして、第1領域110と第2領域120とによって区画される部分には、区画される方向に沿い、スリット130が形成されうる。スリット130は、第1領域110と第2領域120との境界に沿っても形成される。すなわち、
図2において、垂直方向に、第1領域110と第2領域120とが区画され、スリット130も、垂直方向にも形成される。スリット130は、複数個が直列に形成され、従って、スリット130と、スリット130との間には、第1領域110と第2領域120とを連結するブリッジ131が形成されうる。便宜上、スリット130を一方向に表示したが、多様な角度でもって、多数個に具現することができるということは、言うまでもない。
【0050】
なお、本発明の実施形態によれば、ハウジング200が配される基板100の第1領域110が下部にも配され、センサが配される第2領域120が上部にも配される。ハウジング200は、内部部品を保護するために、剛性が大きい材質によって形成されるが、それにより、ハウジング200ボディの重さと、内部部品の重さとが加えられ、他部分より重くもある。従って、第1領域110と第2領域120とが水平方向に配される場合、ハウジング200重量により、第1領域110と第2領域120とが相次いで皮膚から浮き上がる問題が生じうる。または、第1領域110が上部に位置し、第2領域120が下部に位置する場合にも同様に、第1領域110と第2領域120とが相次いで浮き上がる問題が生じうる。従って、第1領域110を下部に付着させ、第2領域120を上部に付着させることにより、ハウジング200の重量により、第2領域120が皮膚から分離されることを防止することができる。ここで、下部は、脚側方向であり、上部は、頭側方向でもある。
【0051】
また、本発明は、ハウジング200または基板100にアラーム部(図示せず)を含むものでもある。該アラーム部は、呼吸信号または心電図(ECG:electrocardiogram)信号の大きさが低減されたり、その頻度が減少したりする場合、ランプまたはスピーカを介し、視覚的、聴覚的なアラームを発生させるようにも制御される。
【0052】
また、基板100には、皮膚付着感知電極140がさらに配されうる。皮膚付着感知電極140は、後述する基準電極210との電位差を検出するものであり、人体に接触した状態におけるキャパシタンスと、人体に接触していないか、あるいは不良接触された状態におけるキャパシタンスとの差を利用し、本発明の生体信号測定パッチの正常付着いかん及び付着品質を判定することができる。
【0053】
皮膚付着感知電極140は、
図4及び
図5に図示されている。皮膚付着感知電極140は、
図3Aに示されているように、基板100の1つの面、すなわち、人体に接する面上にも付着される。皮膚付着感知電極140は、
図3Bに示されているように、人体と接する面である基板100の背面上にも付着される。
【0054】
それを参照すれば、一実施形態として、
図4に図示されているように、皮膚付着感知電極140は、第1領域110に配されうる。しかしながら、その場合、皮膚付着感知電極140は、スリット130側に配されうる。すなわち、皮膚付着感知電極140からスリット130までの距離が、そのハウジング200中心との距離よりも近く形成される。それは、付着が正確にならなければならない部位が、第2領域120であることを考慮し、第2領域120に近く配するためである。さらには、基準電極210がハウジング200に設けられることを考慮し、皮膚付着感知電極140と基準電極210との距離を確保し、電位差測定の正確度を高めるためである。
【0055】
皮膚付着感知電極140配置の他の実施形態として、
図5に図示されているように、皮膚付着感知電極140は、生体信号測定センシング電極を取り囲む位置に複数個配されうる。さらには、センサが複数個配される場合、該センサと皮膚付着感知電極140とが交互に配されうる。皮膚付着感知電極140において、人体に付着していないと判断される電極に係わる情報、すなわち、電極の位置を、通信部を介し、外部のモニタリング装置に伝送することも可能である。それを介し、どの部分が浮き上がっているか、あるいは付着していないかということを感知することができる。
【0056】
図4に示されているように、バッテリ150は、基板100に設けられ、ハウジング200によって保護されるか、あるいはハウジング200内に設けられうる。図面には、バッテリ150が基板100に設けられるところが図示されている。
【0057】
図4に示されているように、ハウジング200は、基板100の第1領域110にあるハウジング配置ホール111に配されても設けられる。ハウジング200には、バッテリ150及びセンサから測定される情報を取り合わせ、モニタリング装置に伝送する通信部が含まれるものでもある。該通信部は、ブルートゥース(登録商標)連結のためのIDを含むものでもある。本開示の実施形態による生体測定パッチ装置は、さらには追加して、アラーム部及び前述のところの電機関連部品を制御するための制御部を含むものでもある。
【0058】
ハウジング200は、プラスチック射出物によっても形成され、内部に、バッテリ150などが配されることにより、所定厚みを有することになる。従って、基板100の他の部分より突出されるので、人体側に圧迫される場合、人体にさらに密着されやすい構造である。従って、音響を感知する呼吸センサが設けられる場合、該呼吸センサは、ハウジング200にも設けられる。
【0059】
また、ハウジング200には、基準電極210が設けられうる。基準電極210は、前述の皮膚付着感知電極140と共に、本発明の生体信号パッチの付着品質を測定するためのものである。基準電極210は、基板100の1つの面、すなわち、人体に接する面上にも付着される。
【0060】
生体信号測定センシング電極300は、生体信号を測定することができるものであり、例えば、呼吸センサ、心電図(ECG)センサ、いびきセンサ、寝返りセンサ、筋電図センサなどを含むものでもある。生体信号測定センシング電極300は、図面に図示されたように、3つの電極によっても具現されるが、それに限られず、2以上の電極によっても具現される。生体信号測定センシング電極300は、センサ電極または半導体によっても構成される。
【0061】
心電図(ECG)センサは、心電図電極を利用し、心臓の収縮及び膨脹による電位差をセンシングするセンサである。心電図センサは、センシングされる電位差を利用し、心臓拍動数、不整脈などを検出することができる。
【0062】
音響を感知する呼吸センサは、特に、人体に密着される必要がある。従って、圧迫時、基板100より密着が容易であるハウジング200にも設けられる。キャパシタを感知する呼吸センサは、呼吸時、胸郭のボリュームが収縮膨脹することにより、キャパシタンスが変わるところを測定するセンサであり、皮膚付着感知電極140でも測定が可能である。キャパシタンスの変化周期を利用し、時間当たり呼吸数を演算することができる。
【0063】
いびきセンサは、音響センサでもって、いびき音及び無呼吸状態を認識するセンサである。寝返りセンサは、加速度センサまたはジャイロセンサであり、ユーザの姿勢が変わるところを感知し、姿勢変化の程度により、寝返り程度を測定することができる。筋電図センサは、心電図電極と同様に、筋電図(EMG)電極間の電位差を測定することにより、筋肉動きに必要な電気信号を感知することができる。それら以外にも、温度センサ及びインピーダンスセンサをさらに含むものでもある。
【0064】
バッテリ150、皮膚付着感知電極140及び生体信号測定センシング電極300は、基板100上の導線310により、ハウジング200内部部品と電気的に連結され、特に、コネクタ320を介しても連結される。コネクタ320は、前述の基板100の分離部113側に設けられ、外力からも保護され、コネクタ320両側に、分離部113が形成されることが有利である。
【0065】
基板100の背面には、接着パッチ400が付着されうる。接着パッチ400は、
図3Aに示されているように、一面に接着剤が塗布されたパッチであるか、あるいは接着フィルムによって形成されたものである。接着パッチ400は、基板100の大きさより大きく形成され、基板100を保護し、端部分が人体に接着されうるように形成される。従って、接着パッチ400の背面は、接着性がなく、接着パッチ400の前面は、接着可能になるようにも形成される。接着パッチ400前面には、離型紙が付着され、該離型紙は、使用直前に除去して使用することができる。接着パッチ400は、
図3Bに示されているように、基板100の一部領域ほどに形成されるが、それに限られず、多様に変形可能である。
【0066】
以下、本発明一実施形態による生体信号測定パッチ装置の使用方法について説明する。該生体信号測定パッチ装置の使用方法は、前述の生体信号パッチ装置を使用する方法に係わり、同一の名称及び図面符号については、同一意味を有するようにも理解される。ただし、全ての生体信号測定パッチ装置の全ての構成を含んで実施してこそ、本発明の権利範囲に該当するとは言えず、一部構成を含んで使用しても、本発明の権利範囲に該当しうる。
【0067】
図6は、一実施例による生体信号測定パッチ装置の使用方法のフローチャートである。
【0068】
生体信号測定パッチ装置の使用方法は、ハウジング200及び生体信号測定センシング電極300が配された基板100の一面を、ユーザの心臓部分に配させる基板配置段階(S110)、及び基板100の他面に付着された接着パッチ400を利用し、基板100をユーザの皮膚に付着させる付着段階(S120)を含む。ここで、心臓部分というのは、正確な心臓の位置を言うものではなく、心臓隣近の胸部をいずれも共にする意味である。ここで、基板の一面は、生体信号測定センシング電極300が配された面でもある。
【0069】
図7は、一実施例により、生体信号測定パッチ装置がユーザの心臓部分に付着された例示的な図面である。
【0070】
基板配置段階においては、基板100の第1領域110が、前記第2領域120より下部に位置するように、基板100を配することができる。
図7に示されているように、生体信号測定パッチ装置Tは、ハウジング200が、基板100上の他の部分より下部に位置する方向に、ユーザの心臓付近に付着されうる。ハウジング200が、基板100上の他の部分より下部に位置するように、基板100をユーザの心臓部分に付着させることができる。それは、ハウジング200が基板100上において、相対的に重い理由により、ハウジング200の重量により、基板100の第2領域120が皮膚から浮き上がることを防止するためである。
【0071】
以上のように、図面に図示された実施形態を参照し、本発明について説明したが、それらは、例示に過ぎない。当該技術分野で当業者であるならば、本実施形態から、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を十分に理解することができるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められなければならない。
【0072】
本実施形態で説明される特定記述内容は、一実施形態であり、本実施形態の技術範囲を限定するものではない。発明の説明を簡潔であって明確に記載するために、従来の一般的な技術と構成とに係わる記載は、省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結、または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、代替可能であったり、追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結によっても表現される。また、「必須な」、「重要に」というような具体的な言及がなければ、本発明の適用のために、必ずしも必要な構成要素ではないのである。
【0073】
発明の説明、及び特許請求の範囲に記載された「前記」、またはそれと類似した指示語は、特別に限定されない限り、単数及び複数のいずれをも称することができる。また、実施形態において、範囲(range)を記載した場合、前述の範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものとして(それに反する記載がなければ)、発明の説明に、前述の範囲を構成する各個別的な値を記載したところのようである。また、本実施形態による方法を構成する段階につき、明白に順序を記載するか、あるいはそれに反する記載がなければ、前述の段階は、適切な順序で実行されうる。必ずしも、前述の段階の記載順序により、本実施形態が限定されるものではない。本実施形態において、全ての例、または例示的な用語(例:など)の使用は、単に本実施形態について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されていない以上、前述の例、または例示的な用語により、本実施形態の範囲が限定されるものではない。また、当業者であるならば、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲内、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうるということを知ることができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の、生体信号測定パッチ構造及びその使用方法は、例えば、健康マネジメント関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
100 基板
110 第1領域
111 ハウジング配置ホール
112 ハウジング固定ホール
113 分離部
120 第2領域
130 スリット
131 ブリッジ
140 皮膚付着感知電極
150 バッテリ
200 ハウジング
210 基準電極
300 生体信号測定センシング電極
310 導線
320 コネクタ
400 接着パッチ