(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
G07F9/00 Z
(21)【出願番号】P 2024098961
(22)【出願日】2024-06-19
【審査請求日】2024-07-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524233078
【氏名又は名称】株式会社SDクリエーション
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】芳屋 昌治
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-067348(JP,A)
【文献】特開2013-196277(JP,A)
【文献】特開2008-176554(JP,A)
【文献】特開2012-064192(JP,A)
【文献】特開2008-165607(JP,A)
【文献】特開2020-087220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 1/00-17/42
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売する商品を収容する自動販売機であって、
前記商品が収容される収容部と、
前記収容部の外面に設けられ、かつ、前記収容部の内部に収容される前記商品とは異なる別商品の情報を表示する別商品表示部と、
を有し、
前記別商品表示部は、前記別商品の購入を希望するユーザの通信機器を、前記別商品を販売するネットワーク上のウェブサイトへ接続させる二次元コードを表示
し、
前記収容部の外面には、
前記商品を模したダミーを配置するダミー配置部と、
前記ダミー配置部に含まれるダミーに対応して配置された商品選択ボタンと、
前記ダミー配置部及び前記商品選択ボタンにより囲まれた余剰領域と、
が設けられ、
前記別商品表示部は、前記余剰領域に配置されている、自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機であって、
前記別商品表示部を覆う光透過性のカバーが、前記収容部の外面に取り付けられている、自動販売機。
【請求項3】
請求項1記載の自動販売機であって、
前記収容部の外面に、前記別商品の情報を表示する補助表示部が、更に設けられている、自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動販売機の内部に収容されている商品に加えて、自動販売機の内部に収容されていない別商品を販売できる自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機の内部に収容されている商品に加えて、自動販売機の内部に収容されていない別商品を販売できる自動販売機の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された自動販売機は、商品である1以上の内部商品を販売する自動販売機と、1以上の商品を少なくとも保管する庫であり、ユーザが自由に商品の取り出しができる庫である付属商品庫と、内部商品の販売に対する決済に関する内部決済処理を行い、かつ、付属商品庫が保管する商品である外部商品の販売に対する決済に関する外部決済処理を行う決済部と、を具備している。付属商品庫は、自動販売機とは異なる商品庫であり、自動販売機の側方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載されている自動販売機は、自動販売機の側方に付属商品庫を配置するスペースを確保しなければならない、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、自動販売機の内部に収容されている商品とは異なる別商品を販売でき、かつ、自動販売機の周囲に専用のスペースを確保せずに済む自動販売機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態は、販売する商品を収容する自動販売機であって、前記商品が収容される収容部と、前記収容部の外面に設けられ、かつ、前記収容部の内部に収容される前記商品とは異なる別商品の情報を表示する別商品表示部と、を有し、前記別商品表示部は、前記別商品の購入を希望するユーザの通信機器を、前記別商品を販売するネットワーク上のウェブサイトへ接続させる二次元コードを表示する、自動販売機を構成した。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、自動販売機の内部に収容されている商品とは異なる別商品を販売でき、かつ、自動販売機の周囲に専用のスペースを確保せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】商品販売システムの構成例を示す概念図である。
【
図3】自動販売機で別商品を購入する例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(概要)
本実施形態には、自動販売機の内部に収容されている商品に加えて、自動販売機の内部に収容されていない別商品を販売できる自動販売機の一例が開示されている。
図1に示す商品販売システム10は、自動販売機11、ユーザ端末12、管理コンピュータ13及びネットワーク14を含む。自動販売機11は、屋外、建築物の内部、通路、等に設置される。自動販売機11は、商品15を内部に収容しており、ユーザ16が自動販売機11を操作して商品15を購入することができる。
【0010】
また、自動販売機11は、内部に収容されていない別商品17をユーザ16へ販売するための構成を有している。ユーザ端末12は、ネットワーク14を介して管理コンピュータ13へ接続できる。ユーザ16は、ユーザ端末12を操作することにより、別商品17を購入することができる。
【0011】
(自動販売機の構成)
自動販売機11は、商品販売者等により管理される商品販売装置である。自動販売機11は、設置場所18の上に置かれている。自動販売機11は、箱形状の本体51と、本体51に取り付けられた前面部19と、を有する。前面部19は、本体51の正面へ開閉可能に取り付けられた扉である。前面部19を本体51に対して閉じられた状態に保持する鍵機構が設けられている。本体51及び前面部19は、主として金属材料により構成されている。本体51の内部に商品投入口、ラック、商品シュート、商品送り出し機構、制御装置54等が設けられ、商品15が、商品投入口を介して商品ラックへ収容されている。商品15は、飲料容器であり、容器は、ペットボトル、アルミニウム製缶、鉄製缶、等を含み、容器内の飲料は、ジュース、コーヒー、緑茶、スポーツドリンク、等を含む。
【0012】
制御装置54は、入力ポート及び出力ポート、演算処理装置、記憶装置等を有するマイクロコンピュータである。制御装置54は、商品選択ボタン32の操作信号を処理し、かつ、商品送り出し機構を制御する。なお、自動販売機11は、通信器53を備えていてもよい。制御装置54と通信器53とが通信ケーブルにより接続されている。通信器53は、アンテナ、通信回路を備えたモジュールである。つまり、通信器53は、ネットワーク14を介して管理コンピュータ13へ接続されるインタフェースである。
【0013】
自動販売機11を正面視すると、前面部19は、略四角形、具体的には長方形である。前面部19には、電部照(商品表示部)20、コイン投入口21、紙幣挿入口22、読み取り部23、返却レバー24、コイン返却口25、商品取り出し口26、販促(販売促進)パネル27、販促(販売促進)シール28等が設けられている。自動販売機11が設置場所18へ置かれた状態において、重力の作用方向、つまり、
図1の上下方向で、販促パネル27より下に商品取り出し口26が設けられている。商品取り出し口26を覆うカバーが設けられている。カバーは、合成樹脂製であり、かつ、開閉が可能である。また、電照部20、販促シール28、コイン投入口21、読み取り部23、紙幣挿入口22、返却レバー24は、
図1の上下方向で、販促パネル27と商品取り出し口26との間に配置されている。
【0014】
販促パネル27は、一例として合成樹脂製であり、販促パネル27は、前面部19の上端に取り付けられている。販促パネル27には、本体51の内部に収容される商品15とは異なる別商品17を販売するための説明及びキャッチフレーズ等が表示されている。販促シール28は、前面部19の表面に張り付けられており、販促シール28には、別商品17の具体的な説明等が表示されている。
【0015】
商品15とは異なる別商品17は、例えば、商品15とは種類が異なる別商品17、商品15とは単価が異なる別商品17、商品15とは材質が異なる別商品17、商品15とは目的が異なる別商品17、商品15とはサイズまたは重量の少なくとも一方が異なる別商品17、等という意味を含む。商品15とは目的または材質が異なる別商品17は、別商品17が飲料ではないという意味を含む。飲料ではない別商品17は、例えば、調味料、食器、衣類、等の意味を含む。商品15とはサイズまたは重量の少なくとも一方が異なる別商品17は、本体51内へ収容できないサイズまたは重量の別商品17という意味を含む。
【0016】
電照部20は、商品15の種類を購入者へ提示する箇所である。電照部20は、商品ダミー列29、30,31と、商品ダミー列29、30,31に対応する商品選択ボタン32と、別商品表示部33と、商品ダミー列29,30,31及び別商品表示部33を覆うカバー52と、を備えている。商品ダミー列29は、ダミー29Aを横方向に複数個並べて構成されている。商品ダミー列30は、ダミー30Aを横方向に複数個並べて構成されている。商品ダミー列31は、ダミー31Aを横方向に複数個並べて構成されている。ダミー29A,30A,31Aは、商品15の実物を模したラベル、または、商品15の容器の模型である。
【0017】
図2における上下方向において、商品ダミー列29の下に商品ダミー列30が配置され、商品ダミー列30の下に商品ダミー列31が配置されている。商品選択ボタン32は、商品ダミー列29,30,31の各ダミー29A,30A,31Aの下にそれぞれ配置されている。商品選択ボタン32の表面は、カバー52の外に露出されている。カバー52は、例えば、光透過性を有する合成樹脂製であり、カバー52の外部からカバー52の内部を目視することができる。
【0018】
さらに、商品ダミー列31の側方であり、かつ、商品ダミー列31の商品選択ボタン32と、商品ダミー列30の商品選択ボタン32の間に、余剰領域A1が存在する。余剰領域A1には、別商品表示部33が設けられている。別商品表示部33は、前面部19に張り付けられたシール、または、前面部19に設けられたディスプレイにより構成されている。
【0019】
別商品表示部33は、別商品17をユーザ16へ認識させるための広告であり、別商品表示部33には、別商品17の画像が表示される。画像は、静止画、または、動画の何れでもよい。また、別商品表示部33には、二次元コード34が表示されている。二次元コード34は、マトリックスコード、スタックコードの何れでもよく、例えば、QRコード(登録商標)が表示されている。この二次元コード34は、例えば、別商品17を販売する管理コンピュータ13にログインするためのアカウント、または、管理コンピュータ13が、別商品17を販売するためにネットワーク14上で提供しているウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator:ユニフォーム リソース ロケータ)に対応している。
【0020】
(ユーザ端末の説明)
ユーザ端末12は、ユーザ16により利用及び操作されるコンピュータである。ユーザ端末12は、ユーザ16が所持して屋外を移動できる可搬型コンピュータである。可搬型コンピュータは、スマートフォン、タブレットコンピュータを含む。ユーザ端末12は、ネットワーク14を介して管理コンピュータ13へ接続される。ユーザ端末12は、本体(ケーシング)、プロセッサ35、主メモリ36、補助メモリ37、操作部38、表示部39、画像取得装置40、通信器41等を備えている。プロセッサ35は、本体の内部に設けられ、かつ、演算装置(演算回路)と制御装置(制御回路)とが統合された中央演算処理装置(CPU(Central Processing Unit))により構成されている。プロセッサ35は、バス57を介して主メモリ36、補助メモリ37、操作部38、表示部39、画像取得装置40、通信器41等へ通信可能に接続されている。プロセッサ35は、本体の内部に設けられた他の装置及び回路、本体の外部に設けられた装置及び回路を包括して制御する構成を有する。
【0021】
プロセッサ35は、取得した情報の処理を実行する。プロセッサ35が処理する情報は、データ、テキスト、バーコード、二次元コード、画像、信号、等を含む。テキストは、文字、数字、文章、記号、図形、等を含む。画像は、映像、動画、静止画、写真、等を含む。プロセッサ35実行する処理は、演算、判断、比較、制御等を含む。プロセッサ35が実行する処理は、補助メモリ37から情報を読み出す処理、補助メモリ37に記憶されている情報の追加、変更及び更新、管理コンピュータ13から取得した情報の処理、各種の情報を管理コンピュータ13へ送信する処理、等を含む。
【0022】
主メモリ36は、揮発性の記憶装置であり、主メモリ36は、プロセッサ35が処理を実行する場合に、ワーク領域及びバッファ領域として機能する。補助メモリ37は、主メモリ36より大容量であり、補助メモリ37は、プロセッサ35による入力命令及び出力命令により動作する。補助メモリ37は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、等により実現される。
【0023】
補助メモリ37は、不揮発性の記憶装置、つまり、非一時的な記憶媒体である。補助メモリ37には、非一時的なアプリケーション及びプロセッサ35により処理される情報が記憶されている。アプリケーションは、プログラム、設定ファイル、データを保管するファイル、各種ライブラリ等を含む。補助メモリ37に記憶される情報は、プロセッサ35の処理結果、各種データ、操作部38の操作内容、等を含む。
【0024】
プロセッサ35は、補助メモリ37に記憶されている非一時的なアプリケーションを読み込んで実行し、かつ、操作部38の操作内容、表示部39で表示する内容、画像取得装置40で取得された画像、通信器41から出力する信号、通信器41から入力される信号を処理し、かつ、補助メモリ37へ情報を記憶する処理を実行する構成である。
【0025】
通信器41は、ユーザ端末12を、無線通信システムまたは有線通信システムのうち、少なくとも何れか一方の通信システムにより、ネットワーク14へ接続する。
【0026】
操作部38は、ユーザ端末12へ情報、信号等の入力を行なう場合、ユーザ端末12で各種の処理を実行させる場合、ユーザ端末12から管理コンピュータ13へ各種の情報を送る場合、ユーザ端末12が管理コンピュータ13から各種の情報を取得する場合、等において操作される。
【0027】
操作部38は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、等のうち、少なくとも何れか1つの要素を含む。表示部39は、ユーザ16により目視されるディスプレイであり、ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、等の構造を含む。なお、ディスプレイは、モニタと定義してもよい。表示部39には、各種の画面、ネットワーク14上のウェブサイトの情報が表示される。また、表示部39は、画面に操作ボタン、操作タブ、等を表示できる。つまり、表示部39及び操作部38は、統合されたタッチパネルで構成されている。
【0028】
画像取得装置40は、対象物を撮影して画像を生成し、生成した画像を電気信号に変換して出力する。画像取得装置40は、例えば、カメラ、スキャナ、バーコードリーダ、等により構成される。画像取得装置40は、本体部へ直接に設けられる構造、または、ケーブルを介して本体部へ接続される構造の何れであってもよい。画像取得装置40が撮影する対象物は、二次元コード、景色、人物、書類、等を含む。画像は、動画、静止画、写真等を含む。画像取得装置40で取得された画像は、補助メモリ37へ記憶される。
【0029】
(管理コンピュータの説明)
管理コンピュータ13は、本体(ケーシング)、プロセッサ42、主メモリ43、補助メモリ44、通信インタフェース45等を備えたコンピュータである。プロセッサ42は、本体の内部に設けられ、かつ、演算装置(演算回路)と制御装置(制御回路)とが統合された中央演算処理装置(CPU(Central Processing Unit))により構成されている。プロセッサ42は、バス56を介して主メモリ43、補助メモリ44、通信インタフェース45等へ通信可能に接続されている。プロセッサ42は、本体の内部に設けられた他の装置及び回路、本体の外部に設けられた装置及び回路を包括して制御する。
【0030】
プロセッサ42は、アプリケーションを読み込み、かつ、取得した情報の処理を実行する。プロセッサ42が処理する情報は、データ、テキスト、画像、信号、等を含む。テキストは、文字、数字、文章、記号、図形、等を含む。画像は、映像、動画、静止画、写真、等を含む。プロセッサ42が実行する処理は、演算、判断、比較、制御等を含む。プロセッサ42が実行する処理は、補助メモリ44から情報を読み出す処理、外部から取得した情報の処理及び判断、補助メモリ44に記憶されている情報の追加、変更及び更新、等を含む。
【0031】
主メモリ43は、揮発性の記憶装置であり、主メモリ43は、プロセッサ42が処理を実行する場合に、ワーク領域及びバッファ領域として機能する。補助メモリ44は、不揮発性の記憶装置、つまり、非一時的な記憶媒体である。補助メモリ44は、主メモリ43より大容量であり、補助メモリ44は、プロセッサ42による入力命令及び出力命令により動作する。
【0032】
補助メモリ44は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、等により実現される。磁気ディスクとしては、ハードディスクドライブが例示される。光ディスクとしては、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク、等が例示される。フラッシュメモリは、半導体メモリの一種であり、フラッシュメモリとしては、SDメモリーカード、USBフラッシュドライブ、ソリッドステートドライブ、等が例示される。補助メモリ44に含まれる1以上の要素は、本体へ取り付け及び取り外しができる記憶媒体44Aとして定義可能である。
【0033】
補助メモリ44には、非一時的なアプリケーションが記憶されている。アプリケーションは、プログラム、設定ファイル、データを保管するファイル、各種ライブラリ等を含む。また、補助メモリ44には、プロセッサ42により処理される情報が記憶される。補助メモリ44に記憶される情報は、プロセッサ42の処理結果、データ、指示、要求、等を含む。
【0034】
プロセッサ42は、補助メモリ44に記憶されている非一時的なアプリケーションを読み込んで起動することにより、ウェブサイト管理部46、注文処理部47、発送処理部48、自動販売機制御部55として機能する構成を有する。
【0035】
ウェブサイト管理部46は、別商品17の情報を含むウェブサイトを、ネットワーク14へ提供する。ウェブサイト管理部46は、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述されたウェブページを、ユーザ端末12へ送信する処理と、ユーザ端末12から送信される情報を受信する処理と、を行なう構成を有する。
【0036】
注文処理部47は、ユーザ端末12から取得した注文情報を処理し、かつ、処理した注文情報を補助メモリ44へ記憶する構成である。注文情報は、注文された別商品17の名称、注文された別商品17の数量、別商品17の単価及び合計金額、注文者であるユーザ16の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、別商品の発送方法、決済方法、別商品17の配達場所、等を含む。また、注文処理部47が行う注文情報の処理は、別商品17の購入申し込みを受け付けたこと、及び別商品17の発送を完了したことをユーザ端末12へ送信する処理、別商品17を購入したことを示す購入証明をユーザ端末12へ送信する処理を、含む。購入証明は、複数桁の数字及び記号を含む購入番号、二次元コード、等のうち何れであってもよい。
【0037】
発送処理部48は、注文を受けた別商品17をユーザ16が指定する配達場所へ発送するように、別商品発送部署49へ依頼する処理と、別商品発送部署49が別商品17の発送を完了したことをユーザ端末12へ送信する処理と、これらの処理を補助メモリ44へ記憶する処理と、を行なう構成を有する。
【0038】
自動販売機制御部55は、自動販売機11の別商品表示部33がディスプレイを備えている場合に、ディスプレイで表示する別商品17の情報を制御する構成を有する。自動販売機制御部55は、例えば、別商品表示部33のディスプレイに表示される別商品の情報、二次元コードを変更する構成を有する。
【0039】
通信インタフェース45は、管理コンピュータ13を無線通信システムまたは有線通信システムのうち、少なくとも何れか一方の通信システムにより、ネットワーク14へ接続する装置、機器及び規格を含む。管理コンピュータ13をネットワーク14へ接続する装置、機器は、ケーブル、アンテナ、ルータ、等を含む。
【0040】
(商品の購入例)
ユーザ16が、自動販売機11を利用して商品15を購入する例は、次の通りである。ユーザ16がコイン投入口21へコインを投入するか、または、紙幣挿入口22へ紙幣を挿入すると、制御装置54は、購入可能な商品15に対応する商品選択ボタン32のランプを点灯させる。ユーザ16が、ランプの点灯した商品選択ボタン32の何れか1つを押すと、制御装置54は、商品送り出し機構を動作させる。その結果、商品選択ボタン32の上に位置する商品ダミーに該当する商品15の実物が、商品取り出し口へ26搬送されて停止する。ユーザ16は、商品取り出し口26のカバーを開き、商品15の実物を取り出すことができる。ユーザ16が返却レバー24を操作すると、釣銭がコイン返却口25へ戻される。
【0041】
なお、現金以外のキャッシュレス器具を用いて商品を購入する場合、先に商品選択ボタン32を押してランプを点灯させた後、キャッシュレス器具を読み取り部23へかざすと、制御装置54は、商品送り出し機構を動作させる。その結果、商品15の実物が商品取り出し口26へ搬送されて停止する。キャッシュレス器具は、キャッシュレスカード、ユーザ端末12、腕時計型の器具、等の何れであってもよい。
【0042】
(別商品を購入する例)
図3には、ユーザ16が、自動販売機11を利用して別商品17を購入する例が示されている。管理コンピュータ13は、ステップS10において、ネットワーク14上にウェブサイトを提供している。ユーザ16は、ステップS11において、自動販売機11に付されている二次元コード34をユーザ端末12の画像取得装置40で読み取る。すると、プロセッサ35は、読み取った二次元コード34を処理して、ステップS12において、ユーザ端末12を、ネットワーク14上で別商品17を販売するウェブサイトにアクセスさせる。
【0043】
すると、表示部39の画面が遷移して、別商品17を販売するウェブサイトのウェブページが表示部39へ表示される。ウェブページには、別商品17の説明メニュー(情報)、別商品17を購入する注文メニュー、等が表示される。別商品17の説明メニューは、別商品17の種類及び名称、単価、等を含む。また、別商品17を購入する注文メニューは、購入する別商品17の名称名及び数量、支払い方法、注文者の住所・氏名、注文者の電話番号及びメールアドレス、等を含む。
【0044】
ユーザ16は、ステップS13でユーザ端末12の操作部38を操作することにより、購入する別商品17の名称及び数量、支払い方法、注文者の住所・氏名、注文者の電話番号及びメールアドレス等の注文情報を入力し、かつ、注文情報を管理コンピュータ13へ送信する。
【0045】
管理コンピュータ13は、ステップS14において、ユーザ端末12から取得した注文情報を処理する。また、管理コンピュータ13は、ステップS14において、別商品17の購入申し込みを受け付けたこと、及び別商品17を購入したこと、を示す購入証明をユーザ端末12へ送信する。ユーザ端末12は、ステップS15において、管理コンピュータ13から購入証明を取得し、補助メモリ37へ記憶する。
【0046】
さらに、管理コンピュータ13は、ステップS14に次ぐステップS16において、注文された別商品17を配達場所、例えば、ユーザ16の自宅50へ発送する依頼を、別商品発送部署49へ出す。別商品発送部署49は、ステップS16において、別商品17をユーザ16の自宅50へ発送する処理を行なう。その後、管理コンピュータ13は、別商品発送部署49が別商品17の発送を完了したことを示す購入証明を、ユーザ端末12へ送信する処理と、を行なう。ユーザ端末12は、別商品17の発送が完了したことの購入証明を取得する。さらに、ユーザ16は、ステップS16に次ぐステップS17において、自宅50で別商品17を受け取る。
【0047】
このように、本実施形態における自動販売機11は、別商品表示部33に二次元コード34が表示されている。ユーザ16は、ユーザ端末12で二次元コード34を読みとり、ユーザ端末12をネットワーク14上のウェブサイトに接続できる。そして、ウェブサイトで別商品17を注文し、かつ、配達場所、例えば自宅50で別商品17を受け取ることができる。
【0048】
したがって、自動販売機11の内部に収容されている商品15とは異なる別商品17を販売でき、かつ、自動販売機11の周囲に別商品17を販売する専用のスペースを設けずに済む。また、自動販売機11のサイズもそのままでよく、自動販売機11の設計変更等を行なわずに済む。さらに、別商品表示部33は、複数の商品選択ボタン32と、商品ダミー列31とにより囲まれた余剰領域A1に設けられている。
【0049】
したがって、自動販売機11の外面に元々ある余剰領域A1を、別商品表示部33の配置場所として有効に活用できる。さらに、別商品表示部33は、カバー52により覆われているため、異物が別商品表示部33へ付着すること、別商品表示部33に傷が付くこと、を防止できる。したがって、ユーザ端末12の画像取得装置40で別商品表示部33の二次元コードを読み取る精度が低下することを抑制でき、ユーザ端末12をウェブサイトへ確実に誘導できる。
【0050】
(応用例)
別商品表示部33をディスプレイにより構成する場合、ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、等のうち、少なくとも何れか1つの要素を含む。そして、二次元コード34は、ディスプレイに表示されてもよいし、二次元コード34は、ラベルで表示されてもよい。
【0051】
さらに、自動販売機11に通信器53を設ける。そして、自動販売機11の制御装置54は、通信器53及び別商品表示部33のディスプレイへ接続される。通信器53は、ネットワーク14を介して管理コンピュータ13へ接続される。管理コンピュータ13のプロセッサ42は、自動販売機制御部55を有し、自動販売機制御部55は、別商品表示部33のディスプレイの表示を制御する構成を有する。
【0052】
このように構成されていると、ウェブサイトで販売される別商品17の種類、単価等が変更された場合、その情報を別商品表示部33のディスプレイへ表示できる。したがって、ユーザ16が別商品17の更新情報を迅速に知ることができる。また、別商品表示部33をラベルで構成する場合と比べて、張り替えずに済む。
【0053】
(その他の説明)
本実施形態において開示された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。自動販売機11は、自動販売機の一例である。本体51及び前面部19は、収容部の一例である。商品15は、商品の一例である。別商品17は、別商品の一例である。別商品表示部33は、別商品表示部の一例である。ユーザ端末12は、通信機器の一例である。二次元コード34は、二次元コードの一例である。商品ダミー列29、30,31は、ダミー配置部の一例である。ダミー29A,30A,31Aは、ダミーの一例である。商品選択ボタン32は、商品選択ボタン32の一例である。余剰領域A1は、余剰領域の一例である。カバー52は、カバーの一例である。販促パネル27及び販促シール28は、補助表示部の一例である。
【0054】
通信機器をウェブサイトへ接続させるアプリケーションは、通信機器へインストールされて動作するネイティブアプリケーション、ウェブブラウザ上で動作されるウェブアプリケーション、ハイブリッドアプリケーションのうちの何れであってもよい。ハイブリッドアプリケーションは、ネイティブアプリケーション及びウェブアプリケーションの両方の性質を備えている。管理コンピュータを管理している管理者(管理会社)と、商品発送部署(会社)とは、同じ会社であってもよいし、異なる会社であってもよい。
【0055】
管理コンピュータは、単数のコンピュータ、複数のデバイスにより構成された分散型コンピュータを含む。管理コンピュータは、スーパーコンピュータ、メインフレーム、サーバ、ワークステーション等のうち、1以上のコンピュータにより構成される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本実施形態は、自動販売機の内部に収容されている商品に加えて、自動販売機の内部に収容されていない別商品を販売できる自動販売機として利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
11…自動販売機、12…ユーザ端末、15…商品、17…別商品、19…前面部、27…販促パネル、28…販促シール、29、30,31…商品ダミー列、29A,30A,31A…ダミー、32…商品選択ボタン、33…別商品表示部、34…二次元コード、51…本体、52…カバー、A1…余剰領域
【要約】
【課題】自動販売機の内部に収容されている商品とは異なる別商品を販売でき、かつ、自動販売機の周囲に専用のスペースを確保せずに済む自動販売機を提供する。
【解決手段】販売する商品を収容する自動販売機11であって、商品が収容される本体51と、本体50の外面に設けられ、かつ、本体50の内部に収容される商品とは異なる別商品の情報を表示する別商品表示部33と、を有し、別商品表示部33は、別商品の購入を希望するユーザの通信機器を、別商品を販売するネットワーク上のウェブサイトへ接続させる二次元コード34を表示する、自動販売機を構成した。
【選択図】
図2