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特許7598195肥満及び関連する障害の予防及び治療のための化合物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】肥満及び関連する障害の予防及び治療のための化合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/15 20060101AFI20241204BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241204BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241204BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20241204BHJP
   C07C 251/86 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61K31/15
A61K9/20
A61K9/48
A61P1/16
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/00
A61P9/12
C07C251/86
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021551942
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020020707
(87)【国際公開番号】W WO2020180821
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】62/812,314
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520319303
【氏名又は名称】アブレキサ ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Abrexa Pharmaceuticals, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラフランカ,ヘスース エ
【審査官】今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0305181(US,A1)
【文献】APPETITE,2018年,128,pp.44-49
【文献】Diabetes Obes Metab.,2017年,19,pp.1242-1251
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における肥満を治療又は予防する、減量を支援又は誘発する、食欲を抑制する、又は体重増加を抑制するための医薬組成物であって、式I:
【化1】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体
のいずれか1つから選択される、治療的有効量の化合物を含む、医薬組成物
[式中、
は、H及びメチルからなる群より選択され;
は、トリフルオロメチル又は他のフルオロ置換アルキルであり;
はカルボニルであり;
は、存在ごとに独立して、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、カルボニル、アリール、置換アリール、置換複素環式、ハロゲン、シアノ、シアノアルキル、ニトロ、アミノ、アミジノ、カルバメート、S(O)、及びC(O)Rからなる群より選択されるか、あるいは、隣接する位置にある2つのRが結合して、前記隣接するフェニル部分と融合した、任意選択的に置換されたヘテロアリール又はヘテロアルキル環を形成し;
は、H、R、NH、HNR、又はNR10であり;
は、OH、OR、NH、NHR、又はNR10であり;
及びR10は、存在ごとに独立して、任意選択的に置換されたアルキルであり;かつ
n=1又は2である]。
【請求項2】
前記化合物が、式IIの構造:
【化2】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体
を有する、請求項1に記載の医薬組成物[式中、
(i)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(ii)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(iii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はHであるか;又は
(iv)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(v)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はHであるか;又は
(vi)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はメチルであるか;又は
(vii)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はメチルであるか;又は
(viii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はHであるか;又は
(ix)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はHであるか;又は
(x)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はCOOHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xi)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3及びRA6はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xii)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3及びRA5はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xiii)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3はメトキシであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はClであるか;又は
(xiv)RA3及びRA5はHであり、RA2及びRA6はFであり、RA4はヒドロキシルであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はFであるか;又は
(xv)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3はヒドロキシルであり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFであるか;又は
(xvi)RA2、RA5、及びRA6はHであり、RA3とRA4を合わせて-O-CH-O-であり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFである]。
【請求項3】
前記化合物が、式IVの構造:
【化3】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体
を含む、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
前記対象がヒトである、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記化合物が経口投与又は静脈内投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項6】
前記化合物が錠剤又はカプセルとして処方される、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項7】
前記対象が25以上の肥満度指数を有する成人である、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項8】
前記対象が30以上の肥満度指数を有する、請求項7に記載の医薬組成物
【請求項9】
前記対象が、糖尿病を患っているか、又は糖尿病を患うリスクがある、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項9に記載の医薬組成物
【請求項11】
前記対象が高血圧を患っている、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項12】
前記対象が脂肪肝疾患を患っている、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項13】
前記対象が、心臓病又は心血管疾患を患っているか、あるいは心臓病又は心血管疾患を患うリスクがある、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項14】
前記化合物が1日1回投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記化合物が、運動の0.1から3時間前に投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減量を誘発及び/又は食欲を抑制する、肥満の治療及び/又は予防のための化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、高度に発展した国及び新興国の両方において一般的な臨床障害である。世界中で3億人を超える成人が臨床的に肥満であると見なされている。肥満が心血管疾患、高血圧、及び糖尿病と相関していることを明らかにする、これまでに蓄積された実質的な臨床的及び疫学的証拠も存在する。
【0003】
米国の国立衛生研究所は、肥満の推奨される定義を30以上の肥満度指数(又は「BMI」)として提示している。BMIは、成人の総体脂肪含有量と強く相関している。BMIは、対象の体重(キログラム)を対象の身長(平方メートル)で割ることによって数学的に計算することができる。BMI30は通常、対象が30ポンド(約13.6kg)の過体重であることを示唆する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のすべての研究にもかかわらず、肥満のヒトにとって意味のある減量を生み出す方法は非常に限られているように思われる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある特定の態様では、対象における減量、食欲抑制、及び/又は体重増加の抑制を支援又は誘発する、肥満を治療又は予防する方法が本明細書に提示され、該方法は、治療的有効量の本明細書に開示される化合物(例えば、本明細書では、本発明の化合物と呼ばれることもある)を対象に投与することを含む。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に開示される式IからIVのいずれか1つの構造、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含む。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は医薬組成物中に含まれる。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、式IVの構造:
【0006】
【化1】
【0007】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、対象はヒトである。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、0.1mg/kgから100mg/kgの用量で投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、5mg/kgから100mg/kgの用量で投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、1日1回、又は1日2回投与される。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、経口投与又は静脈内投与される。
【0009】
図面は、本技術の実施形態を示しているのであって、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】1mg/kg/日(三角)、10mg/kg/日(丸)、30mg/kg/日(星)、又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療されたビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する平均体重(y軸)のグラフ表示。図1Aは、オスのイヌの平均体重値を示している。
図1B】1mg/kg/日(三角)、10mg/kg/日(丸)、30mg/kg/日(星)、又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療されたビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する平均体重(y軸)のグラフ表示。図1Bは、メスのイヌの平均体重値を示している。
図1C】以前に30mg/kg/日(三角)又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療された犬の回復期間中(すなわち、最終治療の投与後)のビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する平均体重(Y軸)のグラフ表示。図1Cは、オスのイヌの平均体重値を示している。
図1D】以前に30mg/kg/日(三角)又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療された犬の回復期間中(すなわち、最終治療の投与後)のビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する平均体重(Y軸)のグラフ表示。図1Dは、メスのイヌの平均体重値を示している。
図2A】1mg/kg/日(三角)、10mg/kg/日(丸)、30mg/kg/日(星)、又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療されたビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する食物摂取量(y軸;グラム/日)のグラフ表示。図2Aは、オスのイヌの平均食物摂取量を示している。
図2B】1mg/kg/日(三角)、10mg/kg/日(丸)、30mg/kg/日(星)、又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療されたビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する食物摂取量(y軸;グラム/日)のグラフ表示。図2Bは、メスのイヌの平均食物摂取量を示している。
図2C】以前に30mg/kg/日(三角)又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療された犬の回復期間中(すなわち、最終治療の投与後)のビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する食物消費量(Y軸;グラム/日)のグラフ表示。図2Cは、オスのイヌの平均食物摂取量を示している。
図2D】以前に30mg/kg/日(三角)又は対照(すなわち、0mg/kg/日のJ147;四角)のJ147で治療された犬の回復期間中(すなわち、最終治療の投与後)のビーグル犬の経時(x軸;研究日数)に対する食物消費量(Y軸;グラム/日)のグラフ表示。図2Dは、メスのイヌの平均食物摂取量を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
減量を誘発し、体重増加を防ぎ、及び/又は食欲を抑制する、肥満の治療及び/又は予防のための化合物が本明細書に提示される。
【0012】
化合物
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、式Iの構造:
【0013】
【化2】
【0014】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含む。式Iの幾つかの実施形態では、Rは、水素(H)又はメチルであり;Rは、メチル、フッ素置換アルキル(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチル)、又は臭素置換アルキル(例えば、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル)であり;Lはカルボニルであり;Rは、存在ごとに独立して、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシル、メトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、カルボニル、カルボキシル、アリール、置換アリール、置換複素環式、ハロゲン、シアノ、シアノアルキル、アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、ニトロ、アミノ、アミジノ、カルバメート、CF、OCF、S(O)、及びC(O)Rから選択されるか、あるいは、隣接する位置にある2つのR6が結合して、隣接するフェニル部分と融合した、任意選択的に置換されたヘテロアリール又はヘテロアルキル環を形成し;ここで、Rは、H、R、NH、HNR、及びNR10から選択され;Rは、OH、OR、NH、NHR、及びNR10から選択され;ここで、R及びR10は、存在ごとに独立して、任意選択的に置換されたアルキルであり;かつ、nは1又は2である。
【0015】
式Iのある特定の実施形態では、Rは、存在ごとに独立して、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシル、アルコキシ、メトキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、カルボニル、カルボキシル、又はC(O)Rから選択され;ある特定のこのような態様では、Rは、存在ごとに、メチル、メトキシ、ペルフルオロメチル、ペルフルオロメトキシ、ヒドロキシル、Cl、F、又はIである。式Iの幾つかの実施形態では、Lはカルボニルであり、RはCFであり、RはHであり、Rは、存在ごとに、null又はHである。式Iの幾つかの実施形態では、Lはカルボニルであり、RはCFであり、RはHであり、Rは、存在ごとに、メチル又はメトキシから独立して選択される。式Iの幾つかの実施形態では、Lはカルボニルであり、RはCFであり、Rはメチルであり、Rは、存在ごとに、メチル又はメトキシから独立して選択される。
【0016】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、式IIの構造:
【0017】
【化3】
【0018】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含み、式中:
(i)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(ii)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(iii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はHであり;
(iv)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(v)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はHであり;
(vi)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はメチルであり;
(vii)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はメチルであり;
(viii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はHであり;
(ix)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はHであり;
(x)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はCOOHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(xi)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3及びRA6はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(xii)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3及びRA5はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであり;
(xiii)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3はメトキシであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はClであり;
(xiv)RA3及びRA5はHであり、RA2及びRA6はFであり、RA4はヒドロキシルであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はFであり;
(xv)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3はヒドロキシルであり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFであるか;又は
(xvi)RA2、RA5、及びRA6はHであり、RA3及びRA4を合わせて-O-CH-O-であり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFである。
【0019】
式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2及びRB4はメチルであり、RA4は、H、NO、OH、メトキシ、フェノール、メチル、フッ素(F)、N(CH、CHC(CN)、及びO-tert-ブチルジメチルシリル(OTBDMS)から選択される。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はHである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA4、RA5及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA4、RA5及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はHである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA4、RA5及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はHである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA3、RA5及びRA6はHであり、RA4はカルボキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである。式IIの化合物の幾つかの実施形態では、RA2、RA4、RA5及びRA6はHであり、RA3はカルボキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである。
【0020】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、式IIIの構造:
【0021】
【化4】
【0022】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含み、式中、Rは、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、又はトリブロモメチルであり;Rは、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ハロゲン、CF、OCH、OCF、又はOCBrであり;R及びRは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、Cl、F又はBr)、メチル、メトキシ、及びアミンから独立して選択される。式IIIの幾つかの実施形態では、RはCF(トリフルオロメチル)であり、RはOCHであり、R及びRはメチルである。式IIIの幾つかの実施形態では、RはCF(トリフルオロメチル)であり、RはOCFであり、R及びRはメチルである。
【0023】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、以下の式IVの構造、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含む。
【0024】
【化5】
【0025】
式IVの構造は、本明細書では「J147」と呼ばれることがある。
【0026】
以下の用語は、以下に記載されるそれぞれの定義を有する。
【0027】
「アルキル」とは、約1から最大約12個の範囲の炭素原子(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)を有する直鎖又は分岐鎖アルキルラジカルを指す。「置換アルキル」は、本明細書に記載される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するアルキルを指す。「任意選択的に置換されたアルキル」とは、アルキル又は置換アルキルを指す。
【0028】
「シクロアルキル」とは、約3から最大約12個の範囲の炭素原子を含む、環式環含有基を指す。「置換シクロアルキル」とは、アルキル、置換アルキル、並びに本明細書に記載される置換基のいずれかから選択される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するシクロアルキルを指す。「任意選択的に置換されたシクロアルキル」とは、シクロアルキル又は置換シクロアルキルを指す。
【0029】
「複素環」、「複素環式」などの用語は、環の一部として1つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を含み、かつ1から最大約14個の範囲の炭素原子を有する、環状(すなわち、環含有)基を指す。「置換複素環式」などの用語とは、本明細書に記載される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有する複素環を指す。例示的な複素環式部分には、飽和環、不飽和環、及び芳香族ヘテロ原子含有環系、例えば、エポキシ、テトラヒドロフラン、オキサゾリン、ピロール、ピリジン、フランなどが含まれる。「任意選択的に置換された複素環」などの用語とは、複素環又は置換複素環を指す。
【0030】
「任意選択的に置換された二環式環」への言及は、任意選択的に本明細書で定義されるような置換を含む、当技術分野で知られている二環式環構造を指す。
【0031】
「アルケニル」とは、少なくとも1つ、1~3、1~2、又は1つの炭素-炭素二重結合を有する、2から約20個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、又は環状ヒドロカルビル基を指す。「置換アルケニル」とは、本明細書に記載されるような置換を伴って、1つ以上、例えば、1、2、3、4、又はさらには5つの位置で置換されたアルケニルを指す。「任意選択的に置換されたアルケニル」とは、アルケニル又は置換アルケニルを指す。幾つかの実施形態では、アルケニルはエチレニル又はプロピレニルである。ある特定の実施形態では、置換アルケニルは、置換エチレニル又は置換プロピレニルである。幾つかの実施形態では、エチレニル又はプロピレニルは、1つ以上のCN部分で置換されている。例えば、幾つかの実施形態では、置換エチレニルは、(CN)C=CH-を含む。
【0032】
「アリール」とは、6から最大約14個の範囲の炭素原子を有する芳香族基を指す。「置換アリール」とは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、カルボニル、アリール、置換アリール、複素環式、置換複素環式、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、シアノ、シアノアルキル、ニトロ、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシル、カルバメート、SOX(ここで、Xは、H、R、NH、NHR又はNR、SOYであり、ここで、Yは、H、NH、NHR又はNR、又はC(O)Zであり、ここで、Zは、OH、OR、NH、NHR又はNRなどである)から選択される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するアリールラジカルを指す。「任意選択的に置換されたアリール」とは、アリール又は置換アリールを指す。
【0033】
「アラルキル」とは、アリール基で置換されたアルキル基を指す。「置換アラルキル」とは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、並びに本明細書に記載される置換基のいずれかから選択される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するアラルキルを指す。したがって、アラルキル基は、とりわけ、ベンジル、ジフェニルメチル、及び1-フェニルエチル(-CH(C)(CH))を含む。「任意選択的に置換されたアラルキル」とは、アラルキル又は置換アラルキルを指す。
【0034】
「ヘテロアリール」とは、典型的には2から最大約14個の範囲の炭素原子を有する、芳香族環の一部として1つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を含有する芳香族基を指し、「置換ヘテロアリール」とは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、並びに上記置換基のいずれかから選択される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するヘテロアリールラジカルを指す。
【0035】
「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリールアルキル」とは、1つ以上のヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指す。「置換ヘテロアラルキル」とは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、並びに本明細書に記載される置換基のいずれかから選択される1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、4、又はさらには5つ)をさらに有するヘテロアラルキルを指す。「任意選択的に置換されたヘテロアラルキル」とは、ヘテロアラルキル又は置換ヘテロアラルキルを指す。
【0036】
「ハロゲン」及び「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
【0037】
「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」とは、官能性-OHを指す。
【0038】
「アルコキシ」は、基-ORを示し、ここで、Rはアルキルである。「置換アルコキシ」は、基-ORを示し、ここで、Rは置換アルキルである。「任意選択的に置換されたアルコキシ」とは、アルコキシ又は置換アルコキシを指す。
【0039】
「アリールオキシ」は、基-ORを示し、ここで、Rはアリールである。「置換アリールオキシ」は、基-ORを示し、ここで、Rは置換アリールである。「任意選択的に置換されたアリールオキシ」とは、アリールオキシ又は置換アリールオキシを指す。
【0040】
「メルカプト」及び「チオール」とは、官能性-SHを指す。
【0041】
「アルキルチオ」及び「チオアルコキシ」とは、基-SR、-S(0)n=1-2-Rを指し、ここで、Rはアルキルである。「置換アルキルチオ」及び「置換チオアルコキシ」とは、基-SR、-S(O)n=1-2-Rを指し、ここで、Rは置換アルキルである。「任意選択的に置換されたアルキルチオ」及び「任意選択的に置換されたチオアルコキシ」とは、アルキルチオ又は置換アルキルチオを指す。
【0042】
「アリールチオ」は基-SRを示し、ここで、Rはアリールである。「置換アリールチオ」は基-SRを示し、ここで、Rは置換アリールである。「任意選択的に置換されたアリールチオ」とは、アリールチオ又は置換アリールチオを指す。
【0043】
「アミノ」とは、置換基-NHを含む、非置換、一置換、及び二置換アミノ基を指し、「モノアルキルアミノ」とは、Rがアルキル又は置換アルキルである、構造-NHRを有する置換基を指し、「ジアルキルアミノ」とは、各Rが独立してアルキル又は置換アルキルである、構造-NRの置換基を指す。
【0044】
「アミジノ」は基-C(=NR)NRを示し、ここで、R、Rr.、及びRは、独立して、水素又は任意選択的に置換されたアルキルである。
【0045】
「アミド基」への言及は、各Rが独立して、上記のようなH、アルキル、置換アルキル、アリール、又は置換アリールである、構造-C(O)-NRの置換基を包含する。各RがHである場合、置換基は、「カルバモイル」とも呼ばれる(すなわち、構造-C(O)-NHを有する置換基)。R基の1つのみがHである場合、置換基は、「モノアルキルカルバモイル」(すなわち、Rが上記のようなアルキル又は置換アルキルである、構造-C(O)-NHRを有する置換基)又は「アリールカルバモイル」(すなわち、アリールが置換アリールを含めて上記定義された通りである、構造-C(O)-NH(ary1)を有する置換基)とも呼ばれる。R基のいずれもHではない場合、置換基は、「ジアルキルカルバモイル」とも呼ばれる(すなわち、構造-C(O)-NRを有する置換基、ここで、各Rは独立して、上記のようなアルキル又は置換アルキルである)。
【0046】
「カルバメート」への言及は、構造-O-C(O)-NRの置換基を包含し、ここで、各Rは独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、又は置換アリールである。
【0047】
「エステル基」への言及は、構造-O-C(O)-ORの置換基を包含し、ここで、各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、又は置換アリールである。
【0048】
「アシル」は構造-C(O)Rを有する基を指し、ここで、Rは、本明細書で定義される水素、アルキル、アリールなどである。「置換アシル」とは、置換基Rが本明細書で定義されるように置換されているアシルを指す。「任意選択的に置換されたアシル」とは、アシル及び置換アシルを指す。
【0049】
「シアノアルキル」とは、基-R≡Nを指し、ここで、Rは、任意選択的に置換されたアルキレニルである。
【0050】
本明細書で用いられる場合、「置換」は、別の原子又は原子群(すなわち、置換基)で置換された原子又は原子群を示し、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はさらにはヘキサ置換など、化学的に許容されるすべてのレベルの置換が含まれる。置換は、炭素及び酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子における置換など、化学的にアクセス可能な任意の位置で及び任意の原子において行われうる。例えば、置換部分には、そこに含まれる水素又は(一又は複数の)炭素原子への1つ以上の結合が、非水素及び/又は(一又は複数の)非炭素原子への結合によって置き換えられているものが含まれる。置換には、F、Cl、Br、及びIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びエステル基などの基の酸素原子;チオール基、アルキル及びアリールスルフィド基、スルホン基、スルホニル基、及びスルホキシド基などの基の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド、及びエナミンなどの基の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基などの基のケイ素原子;並びに、当技術分野でよく知られている他の基のヘテロ原子が含まれうるが、これらに限定されない。
【0051】
置換基の非限定的な例には、限定はしないが、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-C(O)OH、-C(S)OH、-C(O)NH、-C(S)NH、-S(O)NH、-NHC(O)NH、-NHC(S)NH、-NHS(O)NH、-C(NH)NH、-OR、-SR、-OC(O)R、-OC(S)R、-C(O)R、-C(S)R、-C(O)OR、-C(S)OR、-S(O)R、-S(O)R、-C(O)NHR、-C(S)NHR、-C (O)NRR、-C(S)NRR、-S(O)NHR、-S(O)NRR、-C(NR)NHR、-C(NH)NRR、-NHC(O)R、-NHC(S)R、-NRC(O)R、-NRC(S)R、-NHS(O)R、-NRS(O)R、-NHC(O)NHR、-NHC(S)NHR、-NRC(O)NH、-NRC(S)NH、-NRC(O)NHR、-NRC(S)NHR、-NHC(O)NRR、-NHC(S)NRR、-NRC(O)NRR、-NRC(S)NRR、-NHS(O)NHR、-NRS(O)NH、-NRS(O)NHR、-NHS(O)NRR、-NRS(O)NRR、-NHR、-NRRが含まれ、ここで、Rは、存在ごとに独立して、H、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである。次の化学官能基のうちのつ以上を含む、任意選択的に置換されたヒドロカルビル部分での置換もまた、想定されている:-O-、-S-、-NR-、-O-C(O)-、-O-C(O)-O-、-O-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-S(O)-、-S(O)-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O、-O-S(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O-、-O-NR-C(O)-NR-、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)-、-S-S(O)-O-、-S-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-P(O)R-、-S-P(O)R-、又は-NRP(O)R-、ここで、Rは、存在ごとに独立して、H、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである。
【0052】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に開示される化合物の立体異性体(例えば、光学異性体及びジアステレオマー)、構造異性体、互変異性体、立体配座異性体、及び幾何異性体を含む異性体を含む。
【0053】
例示的な構造異性体には、例えば、限定はしないが、例えば2-プロピル置換に対する1-プロピル置換など、本発明の化合物を形成する官能性の異なる結合性から生じる異性体が含まれる。互変異性化と組み合わせた構造異性体は、二重結合及び置換基の移動を含む結合転位をさらに包含する。例えば、1~3の多面的水素シフトと組み合わせた互変異性化は、構造異性をもたらしうる。
【0054】
例示的な立体配座異性体には、例えば、限定はしないが、当技術分野でよく知られているように、分離可能な異性体が生じる程度まで回転が妨げられる、結合の周りの回転によって生まれる異性体が含まれる。
【0055】
例示的な幾何異性体は、当技術分野でよく知られているように、例えば、「E」又は「Z」配置の二重結合を含む。
【0056】
本発明の化合物は、適切な合成方法を使用して容易に調製することができる。例えば、クルクミンは、トルエン中で一晩加熱還流することにより、フェニルヒドラジンと縮合させることができる。任意選択的に、触媒量の酸(HCl)を使用することができる。幾つかの実施形態では、純粋なクルクミン(工業用に対して)及び新たに蒸留したフェニルヒドラジンを使用することができる。
【0057】
別の例として、3-メトキシベンズアルデヒドは、標準的なヒドラゾン調製条件(例えば、反応時間を短縮するためにマイクロ波で加熱する)を使用して、メタノール中で2,4-ジメチルフェニルヒドラジンと縮合させることができる。次に、遊離のNHをTFAA(無水トリフルオロ酢酸)と触媒(0.1%)量のDMAP(ジメチルアミノピリジン)、THE(テトラヒドロフラン)、又はDCM(ジクロロメタン)でアシル化する。
【0058】
幾つかの実施形態では、CF置換トリアゾールは、適切なアリールトリフルオロメチルアセチレンとアリールアジドとの間の1,3-双極子付加環化反応によって調製することができる。位置選択性は、適切なクリックケミストリーを利用することによって得ることができる(例えば、Huisgen R. (1984) 1,3-Dipolar Cycloaddition Chemistry, pp. 1-176, Lodon:Wiley;Padwa (1991) Comprehensive Organic Synthesis, Vol. 4:pp.1069-1109, Oxford: Pergamon;及び、Fan & Katritzky (1996) Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, Vol. 4:pp.101-126, Oxford: Pergamon参照)。明細書に開示される化合物を生成するさらなる方法は、Lima et al., (2015) Chem.Commun.51:10784-10796、及びKim et al., (2105) Org.Biomol. Chem. 13:9564-9569に見出すことができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で提供される。本発明の化合物は、任意の適切な無機又は有機塩と複合体を形成することができる。幾つかの実施形態では、本発明の化合物の塩は、本発明の化合物を、適切な有機又は無機の酸又は塩基と反応させることによって調製される。本発明の化合物と共に本明細書で使用することが想定されている有機塩の非限定的な例には、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナプシル酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ウンデカン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などが含まれる。幾つかの実施形態では、無機塩は、硫酸塩、重硫酸塩、半硫酸塩、塩酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの無機酸から形成することができる。塩基性塩の非限定的な例には、アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン、フェニルエチルアミンなどの有機塩基との塩;及び、アルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩などが含まれる。本発明の化合物の塩形態は、適切な方法を使用して調製することができる。
【0060】
方法及び兆候
治療的有効量の本発明の化合物を対象に投与するステップを含む、肥満を治療及び/又は予防する、対象の減量を支援する、減量を誘発する、食欲を抑制する、及び/又は対象の体重増加を抑制する方法が本明細書に提示される。幾つかの実施形態では、方法は、体重を減らすための対象の努力を支援することを含み、ここで、対象は本明細書に開示される化合物を投与される。幾つかの実施形態では、方法は、対象の減量を誘発することを含み、ここで、対象が本明細書に開示される化合物を投与される。「体重/重量」という用語は、対象の体重を指す。「減量」という用語は、時間の経過(例えば、日、週、又は月で測定される)に伴う対象の体重の減少を指す。ある特定の実施形態では、対象の体重は、本明細書の方法によって、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、又は5%以上減らすことができる。ある特定の実施形態では、対象の体重は、本明細書の方法によって、0.5ポンド(約0.227kg)以上、1ポンド(約0.45kg)以上、5ポンド(約2.27kg)以上、又は10ポンド(約4.54kg)以上減らすことができる。ある特定の実施形態では、対象の体重は、本明細書の方法によって、1~150ポンド(約0.45~68.0kg)、1~100ポンド(約0.45~45.4kg)、又は1~50ポンド(約0.45~22.70kg)減らすことができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、方法は、本明細書に開示される化合物を投与することによって対象の肥満を予防することを含む。肥満の予防とは、対象の体重を健康なBMI(例えば、約18から29の間)に維持するプロセス、及び/又は対象のBMIがBMI29.9を超えないようにするプロセスを指す。幾つかの実施形態では、方法は、本明細書に開示される化合物を投与することによって対象の肥満を治療することを含む。肥満の治療とは、対象のBMIをより低いレベルに低下させることを目的として、BMIが30以上の対象に本発明の化合物を投与することを指す。幾つかの実施形態では、肥満の治療は、対象のBMIを少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、又は時には少なくとも5だけ低下させることを含む。幾つかの実施形態では、肥満の治療は、減量を誘発することを含む。
【0062】
幾つかの実施形態では、方法は、本発明の化合物を対象に投与することによって対象の体重増加を抑制、遅延、又は防止することを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される体重増加を抑制、遅延、又は予防する方法は、時間経過(例えば、数日、数週間、又は数年の期間にわたる)に対する対象の体重の増加を抑制、遅延、又は防止することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、方法は、本発明の化合物を対象に投与することによって、対象における食欲を抑制することを含む。
【0064】
対象
「対象」という用語は、哺乳動物を指す。任意の適切な哺乳動物が、本明細書に記載される方法又は組成物によって治療されうる。哺乳動物の非限定的な例には、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、類人猿、ギボン、チンパンジー、オランウータン、サル、マカクなど)、家畜(例えば、イヌ及びネコ)、畜産動物(例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ)、及び実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)が含まれる。幾つかの実施形態では、対象は、非ヒト霊長類又はヒトである。幾つかの実施形態では、対象はヒトである。対象は、任意の年齢又は発達の任意の段階(例えば、成人、十代、子供、乳児、又は子宮内の哺乳動物)でありうる。対象は、男性/オス又は女性/メスでありうる。
【0065】
幾つかの実施形態では、対象は過体重である。幾つかの実施形態では、対象は30以上のBMIを有する。幾つかの実施形態では、対象は肥満である。幾つかの実施形態では、対象は摂食障害を有する。ある特定の実施形態では、対象は、過食症を患っているか、又は患っている疑いがある。ある特定の実施形態では、対象は、強迫性摂食障害又は過摂食障害を患っているか、又は患っている疑いがある。ある特定の実施形態では、対象は、強迫的過食又は過摂食の既往歴を有する。ある特定の実施形態では、対象は、3000カロリー/日を超える摂食の既往歴を有する。ある特定の実施形態では、対象は、5000カロリー/日を超える摂食の既往歴を有する。ある特定の実施形態では、対象は、体重の減少を望んでいるヒトである。
【0066】
ある特定の実施形態では、対象は、糖尿病を患っているか、又は患っている疑いがある。ある特定の実施形態では、対象は、心血管疾患を患っているか、又は患っている疑いがある。ある特定の実施形態では、対象は、糖尿病、心臓病、又は心血管疾患を患うリスク、又は糖尿病、心臓病、又は心血管疾患を発症するリスクがある。
【0067】
医薬組成物
幾つかの実施形態では、組成物又は医薬組成物は、本発明の化合物を含む。幾つかの実施形態では、組成物又は医薬組成物は、治療的有効量の本発明の化合物を含む。幾つかの実施形態では、組成物又は医薬組成物は、本明細書に開示される化合物を、1μgから1000mg、1μgから100mg、又は10μgから100μgの範囲の量で含む。幾つかの実施形態では、肥満の治療及び/又は予防、対象の減量の補助、対象における減量、食欲抑制、及び/又は体重増加の抑制の誘発に使用するための本発明の化合物を含む医薬組成物が、本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、本発明の化合物と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、添加剤、又は担体とを含む。
【0068】
医薬組成物は、適切な投与経路で処方することができる。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、経口、皮下(s.c.)、皮内、筋肉内、腹腔内、及び/又は静脈内(i.v.)投与用に処方される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば、組成物のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解又は放出の速度、吸着又は浸透を改変、維持、又は保存するための製剤材料を含む。ある特定の実施形態では、適切な製剤材料には、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラニン、アルギニン、又はリジンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、又は亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝液(ホウ酸塩、重炭酸塩、トリス-HCl、クエン酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、又は適切な有機酸など);増量剤(マンニトール又はグリシン);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β-シクロデキストリン、又はヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンなど);着色剤、香味料、及び希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩を形成する対イオン(ナトリウムなど);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールなど);希釈剤;賦形剤及び/又は医薬品アジュバントが含まれるが、これらに限定されない。特に、医薬組成物は、それらの内容全体が、ここに参照することによって本明細書に組み込まれる、“Remington: The Science And Practice Of Pharmacy” Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition, (1995)(以下、Remington’95)、又は“Remington: The Science And Practice Of Pharmacy”, Pharmaceutical Press, Easton, PA, 22nd Edition, (2013)(以下、Remington2013)に記載されているように、任意の適切な担体、製剤、又は成分など、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0069】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、適切な賦形剤を含み、その非限定的な例には、付着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、結合剤、充填剤、単糖、二糖、他の炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、又はデキストリン)、糖アルコール(例えば、マンニトール又はソルビトール)、コーティング(例えば、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微結晶性セルロース、合成ポリマー、シェラック、ゼラチン、コーンプロテインゼイン、腸内細菌、又は他の多糖類)、デンプン(例えば、ジャガイモ、トウモロコシ、又は小麦デンプン)、シリカ、着色料、崩壊剤、香味剤、潤滑剤、防腐剤、吸着剤、甘味剤、ビヒクル、懸濁剤、界面活性剤、及び/又は湿潤剤(プルロニック(登録商標)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20、ポリソルベート80などのポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパルなど)、安定性向上剤(スクロース又はソルビトールなど)、及び張性増強剤(アルカリ金属ハロゲン化物、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、マンニトール、ソルビトーなどル)、及び/又はRemington’95又はRemington2013に開示される任意の賦形剤が含まれる。本明細書で用いられる「結合剤」という用語は、医薬混合物を組み合わせて維持するのに役立つ化合物又は成分を指す。医薬錠剤、カプセル、及び顆粒の調製にしばしば用いられる、医薬品製剤を製造するための適切な結合剤は当業者に知られている。
【0070】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、適切な薬学的に許容される添加剤及び/又は担体を含む。適切な添加剤の非限定的な例には、適切なpH調整剤、無痛化剤、緩衝液、硫黄含有還元剤、抗酸化剤などが含まれる。硫黄含有還元剤の非限定的な例には、N-アセチルシステイン、N-アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、及びC1~C7チオアルカン酸などのスルフヒドリル基(例えば、チオール)を有するものが含まれる。抗酸化剤の非限定的な例には、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α-トコフェロールl、酢酸トコフェロール、L-アスコルビン酸及びその塩、パルミチン酸L-アスコルビル、ステアリン酸L-アスコルビル、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、及び没食子酸プロピル、並びに、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、及びメタリン酸ナトリウムなどのキレート剤が含まれる。さらには、希釈剤、添加剤、及び賦形剤は、他の一般的に用いられる成分、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、及び重炭酸ナトリウムなどの無機塩、並びにクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、及び酢酸ナトリウムなどの有機塩を含みうる。
【0071】
本明細書で用いられる医薬組成物は、長期間にわたって、例えば、数ヶ月又は数年の単位で安定でありうる。幾つかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の適切な防腐剤を含む。防腐剤の非限定的な例には、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、過酸化水素など及び/又はそれらの組合せが含まれる。防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾキソニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化セパゾニウム、塩化セチルピリジニウム、又は臭化ドミフェン(BRADOSOL(登録商標))などの第四級アンモニウム化合物を含むことができる。防腐剤は、チメロサール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、又はホウ酸フェニル水銀などのチオサリチル酸のアルキル水銀塩を含むことができる。防腐剤は、メチルパラベン又はプロピルパラベンなどのパラベンを含むことができる。防腐剤は、クロロブタノール、ベンジルアルコール、又はフェニルエチルアルコールなどのアルコールを含むことができる。防腐剤は、クロルヘキシジン又はポリヘキサメチレンビグアニドなどのビグアニド誘導体を含むことができる。防腐剤は、過ホウ酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、及び/又はソルビン酸を含むことができる。防腐剤は、PURITE(登録商標)の商品名で知られ、市販されているような安定化されたオキシクロロ錯体を含むことができる。防腐剤は、Henkel KGaA社から商品名POLYQUART(登録商標)で知られ、市販されているようなポリグリコール-ポリアミン縮合樹脂を含むことができる。防腐剤は、安定化された過酸化水素を含むことができる。防腐剤は塩化ベンザルコニウムでありうる。幾つかの実施形態では、医薬組成物は防腐剤を含まない。
【0072】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物は、実質的に夾雑物(例えば、血球、血小板、ポリペプチド、ミネラル、血液由来の化合物又は化学物質、ウイルス、細菌、他の病原体、毒素など)を含まない。幾つかの実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物は、血清及び血清夾雑物(例えば、血清タンパク質、血清脂質、血清炭水化物、血清抗原など)を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物は、病原体(例えば、ウイルス、寄生虫、又はバクテリア)を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物は、エンドトキシンを実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物は無菌である。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物又は医薬組成物は、式I、II、III、又はIVの化合物を含む。
【0073】
本明細書に記載される医薬組成物は、それらを使用する治療法に従って、任意の適切な形態及び/又は量で対象に投与するように構成することができる。例えば、非経口投与(例えば、注射又は注入による)用に構成された医薬組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルションの形態をとることができ、それは、配合剤、賦形剤、添加剤、及び/又は水性又は非水性溶媒、共溶媒、懸濁溶液などの希釈剤、防腐剤、安定剤、及び/又は分散剤を含みうる。幾つかの実施形態では、非経口投与に適した医薬組成物は、1つ以上の賦形剤を含みうる。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末形態へと凍結乾燥される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、適切な医薬溶媒(例えば、水、生理食塩水、等張緩衝液(例えば、PBS)、DMSO、それらの組合せなど)での再構成に適した乾燥粉末形態へと凍結乾燥される。ある特定の実施形態では、凍結乾燥された医薬組成物の再構成された形態は、哺乳動物への非経口投与(例えば、静脈内投与)に適している。
【0074】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に構成され、錠剤、マイクロ錠剤、ミニ錠剤、マイクロペレット、粉末、顆粒、カプセル(例えば、マイクロ錠剤、マイクロペレット、粉末、又は顆粒を充填したカプセル)、エマルション、溶液など、又はそれらの組合せとして製剤化することができる。経口投与用に構成された医薬組成物は、有効成分の放出を遅延又は持続するための適切なコーティングを含むことができ、その非限定的な例には、脂肪酸、ワックス、シェラック、プラスチック、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、ポリ酢酸ビニルフタレート(PVAP)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸トリメリト酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、植物繊維など、及びそれらの組合せなどの腸溶コーティングが含まれる。
【0075】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、局所投与用に構成することができ、結合剤及び/又は潤滑剤、ポリマー性グリコール、ゼラチン、カカオバター、又は他の適切なワックス又は脂肪のうちの1つ以上を含みうる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、概して局所薬物投与に適しており、かつ当業者に知られている任意の適切な材料を含む、局所担体を含有する局所製剤に組み込まれる。ある特定の実施形態では、医薬組成物の局所製剤は、局所パッチから本発明の化合物を投与するために製剤化される。
【0076】
ある特定の実施形態では、最適な医薬組成物は、例えば、意図される投与経路、送達フォーマット、及び所望の投薬量に応じて、当業者によって決定される(例えば、上記のRemington’95又はRemington2013を参照)。医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、粉末化、乳化、カプセル化、封入又は錠剤化プロセスを含む、任意の適切な方法によって製造することができる(例えば、Remington’95又はRemington2013に記載される方法を参照)。
【0077】
投与経路
本発明の組成物、医薬組成物、又は化合物を対象に投与する任意の適切な方法を使用することができる。本明細書に開示される本発明の化合物又は組成物の投与のために、任意の適切な製剤及び/又は投与経路を使用することができる(例えば、ここに参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、(例えば、ここに参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、Fingl et al. 1975, “The Pharmacological Basis of Therapeutics”を参照)。適切な製剤及び/又は投与経路は、例えば、対象のリスク、年齢、及び/又は状態を考慮して、医療専門家(例えば、医師)によって選択されうる。投与経路の非限定的な例には、局所又は局部(例えば、経皮的又は皮膚的に(例えば、皮膚又は表皮上)、眼内又は眼の上、鼻腔内、経粘膜、耳、耳内(例えば、鼓膜の後ろ))、経腸(例えば、胃腸管を介して、例えば、経口的に(例えば、錠剤、カプセル、顆粒、液体、乳化型、トローチ剤、又はそれらの組合せとして)、舌下、胃栄養チューブ、直腸などによって、送達される)、非経口投与(例えば、非経口的に、例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、腔内、頭蓋内、関節内、関節腔に、心臓内、(心臓に)、海綿体内注射、病巣内(病変に)、骨内注入(骨髄に)、脊髄内(脊柱管に)、子宮内、膣内、膀胱内注入、硝子体内)によるなど、又はそれらの組合せが含まれる。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される化合物又は組成物は、経口投与用に構成される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される化合物又は組成物は、経口投与される。
【0078】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される本発明の化合物又は医薬組成物は、適切な方法を使用して、肺、気管支、気管、食道、副鼻腔、又は鼻腔に投与され、その非限定的な例には、鼻腔内投与、気管内注入、及び経口吸入投与(例えば吸入器、例えば、単回/複数回投与の乾燥粉末吸入器、ネブライザなどの使用による)が含まれる。
【0079】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物又は本明細書に開示される医薬組成物は、対象に提供される。例えば、対象に提供される組成物は、自己投与のため、又は別の者(例えば、非医療専門家)による対象への投与のために、対象に提供されることがある。別の例として、組成物は、本明細書に記載される組成物又は治療を患者に提供することを許可する開業医によって書かれた指示(例えば、処方箋)として提供することができる。さらに別の例では、組成物は、対象が、例えば、経口、静脈内、又は吸入器を利用して組成物を自己投与する場合に、対象に提供されうる。
【0080】
あるいは、本発明の化合物又は組成物を、全身的ではなく局所的に、例えば、デポー又は徐放性製剤の使用を含む、治療のための皮膚、粘膜、又は目的の領域への直接適用によって投与することができる。
【0081】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物を含む医薬組成物は、単独で(例えば、単一の活性成分(AI、又は例えば、単一の医薬品有効成分(API)として)投与される。他の実施形態では、本発明の化合物を含む医薬組成物は、1つ以上の追加のAI/APIと組み合わせて、例えば、2つの別々の組成物として、若しくは1つ以上の追加のAI/APIが医薬組成物中の本発明の化合物と混合又は一緒に配合される単一の組成物として、投与される。
【0082】
用量及び治療的有効量
幾つかの実施形態では、本発明の化合物の量(例えば、医薬組成物中)は、治療的有効量である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、治療的有効量の本明細書に開示される化合物を含む。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物が対象に投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、有効な治療成績を得るために必要な量である。ある特定の実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量とは、本明細書で想定されるように、肥満を治療及び/又は予防し、対象の減量を支援し、減量を誘発し、アパタイトを抑制し、及び/又は体重増加を抑制するのに十分な量である。治療的有効量の決定は、とりわけ本明細書に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0083】
ある特定の実施形態では、治療的有効量は、有効な治療効果(例えば、有益な治療効果)を提供するのに十分に高い量であり、かつ、望ましくない有害作用を最小限に抑えるのに十分に低い量である。したがって、ある特定の実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、多くの場合、年齢、体重、対象の一般的な健康状態、肥満の重症度、及び/又は対象に投与される薬物の特定の組合せに応じて、対象ごとに異なりうる。したがって、幾つかの実施形態では、治療的有効量は経験的に決定される。したがって、化合物又は組成物の治療的有効量は、例えば、動物又は臨床研究において有効であることが見出された量、医師の経験、及び/又は推奨される用量範囲又は投薬ガイドラインに基づいて、当業者によって決定することができる。
【0084】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、許容可能な治療成績を得ることを目的とした適切な用量(例えば、適切な量、頻度、及び/又は濃度で(これは多くの場合、対象の体重、年齢、及び/又は状態に依存する))で投与される。ある特定の実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、少なくとも0.01mg/kg(例えば、対象の体重kgあたりの本発明の化合物のmg)、少なくとも0.1mg/kg、少なくとも0.5mg/kg、少なくとも1mg/kg、少なくとも10mg/kg、又は少なくとも100mg/kgから選択される1回以上の用量を含む。ある特定の実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、約0.001mg/kg(例えば、対象の体重kgあたりの本発明の化合物のmg)~約5000mg/kg、0.1mg/kg~5000mg/kg、1mg/kg~5000mg/kg、10mg/kg~5000mg/kg、0.01mg/kg~1000mg/kg、0.1mg/kg~1000mg/kg、1mg/kg~1000mg/kg、10mg/kg~1000mg/kg、100mg/kg~1000mg/kg、0.01mg/kg~500mg/kg、0.1mg/kg~500mg/kg、1mg/kg~500mg/kg、0.1mg/kg~250mg/kg、0.1mg/kg~150mg/kg、0.1mg/kg~100mg/kg、1mg/kg~100mg/kg、0.1mg/kg~75mg/kg、0.1mg/kg~50mg/kg、0.1mg/kg~25mg/kg、0.1mg/kg~10mg/kg、0.1mg/kg~5mg/kg、0.5mg/kg~5mg/kg、それらの介在量及び組合せの1回以上の用量から選択される。幾つかの態様では、対象に投与される本発明の化合物の治療的有効量は、約0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、50mg/kg、100mg/kg、500mg/kg、並びにそれらの介在量及び組合せの1回以上の用量を含む。幾つかの実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、約0.1mg/kgから約50mg/kgの間である。
【0085】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示される本発明の化合物又は医薬組成物は、有効な治療成績を得るために必要とされる適切な頻度又は間隔でされる。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本明細書に開示される本発明の化合物又は医薬組成物を投与するステップは、適切な用量を、1時間ごと、2時間ごと、4時間ごと、6時間ごと、1日3回、1日2回、1日1回、週6回、週5回、週4回、週3回、週2回、週1回、それらの組合せで、及び/又はその規則的又は不規則な間隔で、及び/又は単に必要に応じた又は医療専門家によって推奨される頻度又は間隔で、投与することを含む。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本明細書に開示される本発明の化合物又は医薬組成物は、例えば適切な期間にわたる静脈内投与によって、連続的に投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、1から30日、1から52週間、1から5年、又は他の適切な期間投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、対象が、医療専門家によって決定されうる適切な健康肥満度指数(BMI)に達するまで投与される。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、対象が18.5~25のBMI又は18.5~29のBMIに達するまで投与される。ある特定の実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物を投与するステップは、約1から1000mg/kg、約1から100mg/kg、又は約1から30mg/kgの用量を1日1回の頻度で投与することを含む。
【0086】
幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物は、運動の前、最中、及び/又は後に、対象に投与される。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物は、運動又は激しい活動の最長1日前、最長20時間前、最長15時間前、最長10時間前、最長5時間前、最長2時間前、又は最長1時間前に、対象に投与される。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物は、運動又は激しい活動の0から72時間前、0から48時間前、0から24時間前、0から12時間前、0から6時間前、0から4時間前、又は0から2時間前に、対象に投与される。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物は、運動又は激しい活動の最中に投与される。幾つかの実施形態では、治療的有効量の本発明の化合物は、運動又は激しい活動の最長1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、2日後、3日後、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後、24ヶ月後、又は最長で36ヶ月後に、断続的又は連続的に投与される。
【0087】
キット
幾つかの実施形態では、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を含むキットが提供される。幾つかの実施形態では、キットは、本発明の化合物を含む医薬組成物の1回以上の用量を含む。幾つかの実施形態では、キットは、1回以上の用量の本明細書に記載される本発明の化合物又はその医薬組成物を含むことができる、1つ以上のパック及び/又は1つ以上の分配装置を含む。パックの非限定的な例には、本明細書に記載される本発明の化合物又は組成物含む、金属、ガラス、又はプラスチックの容器、シリンジ、又はブリスターパックが含まれる。ある特定の実施形態では、キットは、本明細書に記載される本発明の化合物又は組成物を含んでも含まなくてもよい、シリンジ又は吸入器などの分配装置を含む。パック及び/又は分配装置には、投与のための説明書を添付することができる。パック又はディスペンサには、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形式の容器に関連する通知を添付することもでき、この通知は、ヒト又は動物への投与用の薬物の剤形の機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、米国食品医薬品局によって処方薬について承認されたラベル、又は承認された製品インサートでありうる。
【0088】
幾つかの実施形態では、キット又はパックは、1日から1年、1日から180日間、1日から120日間、1日から90日間、1日から60日間、1日から30日間、1~24時間、1~12時間、1~4時間、又はそれらの間の時間量で、患者を治療するのに十分な本発明の化合物の量を含む。
【0089】
キットは、任意選択的に、構成要素の説明、若しくはキット内での構成要素のインビトロ、インビボ、又はエクスビボでの使用のための説明書を提供する、製品ラベル及び/又は1つ以上の包装インサートを含む。例示的な説明書は、治療プロトコル又は治療レジメンの説明書を含む。ある特定の実施形態では、キットは、該キットの構成要素を収容する物理的構造を指す、包装材を含む。包装材は、構成要素を無菌的に維持することができ、そのような目的に一般的に用いられる材料(例えば、紙、段ボール、ガラス、プラスチック、箔、アンプル、バイアル、チューブなど)で作ることができる。製品のラベル又はインサートには、「印刷物」、例えば、紙又は段ボールなど、若しくは別個の、又は構成成分、キット、梱包材(例えば箱)に貼り付けられているもの、若しくはキットの構成成分を含むアンプル、チューブ、又はバイアルに取り付けられているものが含まれる。ラベル又はインサートは、コンピュータ可読媒体、CD-又はDVD-ROM/RAM、DVD、MP3などの光ディスク、DVD、MP3、磁気テープ、若しくはRAM及びROMなどの電気記憶媒体(electrical storage media)、若しくは磁気/光学記憶媒体、フラッシュ媒体、又はメモリタイプのカードなどのハイブリッドをさらに含むことができる。製品ラベル又はインサートには、その中の1つ以上の構成成分の識別情報、用量量、作用機序を含めた有効成分の臨床薬理学、薬物動態(PK)、及び薬力学(PD)を含めることができる。製品ラベル又はインサートには、製造業者の情報、ロット番号、製造業者の所在地、日付、キット構成成分を使用することができる特定の状態、障害、病気、又は症状に関する情報を含めることができる。製品ラベル又はインサートには、方法、治療プロトコル、又は治療レジメンでキット構成成分の1つ以上を使用する臨床医又は対象のための説明書を含めることができる。説明書には、投与量、頻度、又は期間、及び本明細書に記載される方法、治療プロトコル、又は治療レジームのいずれかを実施するための説明を含めることができる。キットには、本明細書に記載される方法のいずれかを実施するためのラベル又は説明書を追加的に含めることができる。製品ラベル又はインサートには、可能性のある有害な副作用及び/又は警告に関する情報を含めることができる。
【実施例
【0090】
実施例1
J147又はビヒクルを、0、30、100、又は300mg/kgの1日用量で28日間連続して強制経口投与によってスプラーグドーリーラットに1日1回投与した。J174は、5%エタノール、5%DMSO、及び90%コーン油(v/v/v)を含むビヒクル製剤で調製した。認定された齧歯類の食餌及び水は、自由摂取可能であった。群1~4は、10匹の動物/性別/群を含んでいた。群1(対照)及び4(高用量)は、回復動物として使用するための追加の5匹の動物/性別/群も含んでいた。回復動物は、投与後14日間の回復期間の間、研究において維持された。群1~4の動物を、罹患率及び死亡率、臨床徴候、詳細な臨床観察、体重、食物摂取量、眼科パラメータ、機能観察総合評価法(FOB)及び運動活動テストからなる神経行動学的評価、血液学、凝固、血清化学、並びに尿検査パラメータについてモニタした。死後の評価は、解剖、選択された臓器重量の測定、及び組織の標準セットの顕微鏡評価を含んでいた。バイオアナリシス用の血漿試料を、群5から8のサテライトトキシコキネティクスの動物から1日目及び28日目に収集した。これらの群の動物は、最後の採血後に安楽死させ、死骸は検査せずに廃棄した。研究プロトコルを下記表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
詳細な結果
体重
平均体重を表2(オス)及び表3(メス)に示す。
【0093】
【表2-1】
【0094】
【表2-2】
【0095】
【表3-1】
【0096】
【表3-2】
【0097】
平均体重増加を表4(オス)及び表5(メス)に示す。
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
最終平均体重を表6に示す。
【0101】
【表6】
【0102】
群1の対照と比較して、オスの群平均体重は、28日目に、100及び300mg/kg/日のオスで5.9%及び16.2%減少した。群1の対照と比較して、メスの群平均体重は、28日目に、100及び300mg/kg/日のメスで6.9%及び12.4%減少した。群1及び2のオスの1日目~28日目までの群平均体重増加は、それぞれ、175グラム及び180グラムであったのに対し、群3及び4のオスの平均体重増加は、それぞれ、150グラム及び101グラムであった。
【0103】
群1及び2のメスの1日目~28日目までの群平均体重増加は、それぞれ、47グラム及び45グラムであったのに対し、群3及び4のメスの平均体重増加は、それぞれ、28グラム及び13グラムであった。
【0104】
体重及び体重増加のこれらの変化は、特に高用量レベルで統計的に有意であることが多く、試験品の曝露に関連していると考えられた。
【0105】
回復期間中、300mg/kg/日でのオス及びメスの両方の群平均体重増加は、ビヒクル治療対照で見られたものを上回った。回復期間中に体重及び体重増加の完全な回復が見られた。
【0106】
食物摂取量
平均食物摂取量を表7(オス)及び表8(メス)に示す。
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】
食物摂取量は、群1の対照と比較して、オスメスともに、100及び300mg/kg/日で減少した。300mg/kg/日での食物摂取量の減少は、オスメスともに統計的に有意であることが多く、100mg/kg/日では時折、統計的に有意であった。群1の対照と比較して、オスの21日目~28日目の群平均食物摂取量は、それぞれ、100及び300mg/kg/日で4.9%及び16.7%減少した。群1の対照と比較して、メスの21日目~28日目の群平均食物摂取量は、それぞれ、100及び300mg/kg/日で8.6%及び15.6%減少した。
【0110】
食物摂取量のこれらの変化は、試験品の曝露に関連していると考えられた。
【0111】
回復期間中の群平均食物摂取量は、ビヒクル治療対照と300mg/kg/日の動物との間で類似しており、回復期間中の食物摂取量の完全な回復が示唆された。
【0112】
結果の要約及び考察
用量製剤分析は、製剤が正確に調製され、均質であり、使用期間中安定していることを示した。生体分析血漿試料の試料再分析(ISR)は、許容基準に合格しなかった。加えて、28日目の試料の分析も、検証済みの生物分析法の知られている長期安定性(LTS)の範囲の外で行われた。したがって、J147の生物分析及びトキシコキネティクスの結果は、情報提供のみを目的としていると見なされる。生物分析及びトキシコキネティクス分析の結果もまた、28日目の試料がLTSの外で分析されたという事実に照らして、考慮する必要がある。
【0113】
28日間の治療期間中の注目すべき臨床観察は、300mg/kg/日でオスメスともに一部の動物に認められた軟便に限られていた。体重、体重増加、及び食物摂取量は、オスメスともに100及び300mg/kg/日で減少した。移動距離、歩行時間、水平カウント、垂直カウント、及び垂直休憩における減少と、1日目に実施された機能観察総合評価法(FOB)の運動活動部分のける休息時間の増加によって証明されるように、活動の一般的な減少が認められた。これらの変化は、すべての用量レベルのオスと、100及び300mg/kg/日のメスで明らかであった。治療には関連しているが、これらの神経行動学的所見は有害であるとは見なさなかった。回復期間中に注目すべき臨床的観察はなく、体重及び食物摂取量に対するJ147関連の影響は治療の中止後に可逆的であった。28日間の治療期間の終わりに、平均赤血球数、ヘマトクリット値、及びヘモグロビン値は、すべての用量レベルのオスと、100及び300mg/kg/日のメスで減少していた。平均血小板及び網状赤血球数は、オスメスともにすべての用量レベルで増加していた。プロトロンビン時間は、すべての用量レベルでオスメスともに減少していた。平均血清グルコース濃度の低下は、100mg/kg/日のオス、及び300mg/kg/日のオスメス両方で認められた。平均血清トリグリセリド濃度の低下は、100及び300mg/kg/日のオスで認められた。血清グルコース及びトリグリセリド濃度への影響は、治療期間中の食物摂取量の減少に続発すると考えられた。尿検査では、300mg/kg/日のオスの尿中ケトン体レベルの上昇が明らかになった。これらの臨床病理所見と相関する解剖病理はなかった。14日間の回復期間の終わりに、血清トリグリセリド濃度及び赤血球量に対する試験品関連の影響は、以前に300mg/kg/日のJ147を28日間投与された動物で持続していた。
【0114】
試験品の投与に関連すると考えられる30mg/kg/日で認められた変化はなかった。FOBの運動活動テストで見られるような活動の低下、並びにこの用量レベルで見られる血小板及び網状赤血球の数の増加は、有害な所見とは見なさなかった。FOBには活動低下の兆候があったが、どの用量レベルでも臨床観察として活動低下が報告されることはなく、脱毛の幾つかの例を除き、30mg/kg/日でのいかなる種類の臨床観察もなかった。メスの30mg/kg/日での血小板数の増加は小さく(3.8%)、オスでは、増加は用量に比例していなかった。網状赤血球数の増加は、RBCパラメータの減少に対する適応反応と見なした。
【0115】
終末剖検では、300mg/kg/日で1匹又は2匹の動物に肝臓の肥大及び小さい胸腺が見られた。群平均肝臓重量は、すべての用量レベルのオス、並びに100及び300mg/kg/日のメスで増加していた。群平均胸腺重量の減少は、オスメスともに100及び300mg/kg/日で見られた。顕微鏡的には、亜急性血管周囲炎症がオスメスともに300mg/kg/日で肝臓に認められ、肝細胞肥大がオスメスともに100及び300mg/kg/日で見られた。膵臓における腺房細胞の単細胞壊死の発生率は、オスメスともに3300mg/kg/日で増加し、100mg/kg/日のオスで増加していた。加えて、胸腺リンパ球の枯渇が、オスメスともに300mg/kg/日で認められた。肝臓重量の増加及び肝細胞肥大の所見は、有害又は毒物学的影響ではなく、適応反応を表すと見なした。2週間の無治療回復期間後、43日目に高用量(300mg/kg/日)の動物において、J147関連の臓器重量、肉眼的又は顕微鏡的所見はなかった。
【0116】
結論
血漿試料に行った試料の再分析が許容基準を満たしていないという事実に照らしてトキシコキネティクスデータが考慮され、28日目の試料が長期安定性ウィンドウの外で分析されたため、試験品曝露の正確な測定値は利用できなかった。中用量群と高用量群で毒性の明らかな証拠があったことを所与として、研究責任者は、この研究がJ147の毒性プロファイルを調べるという目的を達成したと考えている。この研究は、経口曝露後のJ147のトキシコキネティクスプロファイルを調べるという目的は達成しなかった。この試験の条件下では、J147の無毒性量(NOAEL)は30mg/kg/日であると見なした。NOAELでの1日目のCmax及びAUC0-last値は、オスではそれぞれ146ng/mL及び835時間*ng/mL、メスではそれぞれ50.8ng/mL及び233時間*ng/mLであった。Cmax及びAUC0-last値は、前の段落で述べた注意事項を考慮して検討すべきである。最小毒性量(LOAEL)は、試験品に関連する体重/体重増加及び食物摂取量の減少、活動の減少、赤血球の測定値の減少、プロトロンビン時間の減少、血清グルコース及びトリグリセリドの減少、胸腺重量の減少、並びにオスの膵臓腺房細胞の単細胞壊死に基づいて、オスメスともに100mg/kg/日である。
【0117】
実施例2
J147又はビヒクルを、0、30、100、及び300mg/kgの1日用量で最長で28日間、強制経口投与によってビーグル犬に1日1回投与した。J174は、5%エタノール、5%DMSO、及び90%コーン油(v/v/v)を含むビヒクル製剤で調製した。Block Lab Diet(Certified Canine Diet#5007、PMI Nutrition International,Inc.社)を、指定された期間を除き、制限摂食で提供した。投与の2時間後、各投与日に2から5時間、動物に食物を与えた。順応期間中及び回復期間中は、1日2~5時間食物を提供した。水道水は、自動給水システムを介して自由摂取可能であった。研究プロトコルを下記表9に示す。
【0118】
【表9】
【0119】
体重及び体重増加は、ビヒクル治療対照群と比較して、すべてのJ147治療群で(オスメスともに)減少した。28日目のオスの群平均体重値は、それぞれ、30及び100mg/kg/日で23%及び26%減少した。22日目の300mg/kg/日のオスの群平均体重は、28日目の対照値と比較して18%減少した。28日目のメスの群平均体重値は、それぞれ、30及び100mg/kg/日で19%及び21%減少した。21日目の300mg/kg/日のメスの群平均体重は、28日目の対照値と比較して23%減少した。高用量(300mg/kg/日)の回復動物(オス及びメス)は、回復期間中に急速に体重が増加し、14日間の回復期間中に体重及び体重増加が完全に回復したことが示唆された。
【0120】
食物摂取量は、ビヒクル治療対照群と比較して、すべてのJ147治療群で(オスメスともに)減少した。28日目のオスの群平均食物摂取量値は、それぞれ、30及び100mg/kg/日で31%及び39%減少した。22日目の300mg/kg/日のオスの群平均食物摂取量は、28日目の対照値と比較して48%減少した。28日目のメスの群平均食物摂取量値は、それぞれ、30及び100mg/kg/日で45%及び48%減少した。21日目の300mg/kg/日のメスの群平均食物摂取量は、28日目の対照値と比較して38%減少した。高用量(300mg/kg/日)の回復動物(オス及びメス)は、回復期間中に劇的かつ即時に食物摂取量が増加し、14日間の回復期間中に食物摂取量が急速かつ完全に回復したことが示唆された。
【0121】
実施例3
J147を、0、1、10、及び30mg/kgの1日用量で最長で28日間、強制経口投与によってビーグル犬に1日1回投与した。J174は、5%エタノール、5%DMSO、及び90%コーン油(v/v/v)を含むビヒクル製剤で調製した。Block Lab Diet(Certified Canine Diet#5007、PMI Nutrition International,Inc.社)を、指定された期間を除き、制限摂食で提供した。投与の2時間後、各投与日に2から5時間、動物に食物を与えた。順応期間中及び回復期間中は、1日2~5時間食物を提供した。水道水は、自動給水システムを介して自由摂取可能であった。研究プロトコルを下記表10に示す。
【0122】
【表10】
【0123】
群3及び4では、10mg/kg/日及び30mg/kg/日の用量レベルで、少ない食物摂取量での体重減少が認められた。10mg/kg/日では、4匹中3匹のオスと4匹中4匹のメスが体重を減らした(試験前のレベルと比較して最大-9%)。30mg/kg/日では、6匹中5匹のオスと6匹中6匹のメスが体重を減らした(試験前のレベルのそれぞれ最大-12%及び-17%)。結果が表11(オス)、表12(メス)、並びに図1及び2にまとめられている。14日間の回復期間中の体重増加は、30mg/kg/日でオスメスともに対照値と同等であった(例えば、図1C及び1Dを参照)。群3の動物は中程度の体重減少しか経験しなかったが、群1の対照動物で観察された体重増加は経験しなかったことが注目された。その結果、J147は体重減少を誘発し、体重増加を抑制することが結論付けられた。この結果は、少なくとも部分的には、図2に見られるように食欲抑制に起因している可能性がある。
【0124】
【表11】
【0125】
【表12】
【0126】
実施例4 - ある特定の非限定的な実施形態
A1. 治療的有効量の式Iの構造を有する化合物:
【0127】
【化6】
【0128】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体
を投与するステップを含む、対象における肥満を治療又は予防する、減量を支援又は誘発する、食欲を抑制する、又は体重増加を抑制する方法
[式中、
は、H及びメチルからなる群より選択され;
は、トリフルオロメチル又は他のフルオロ置換アルキルであり;
はカルボニルであり;かつ
は、存在ごとに独立して、アルキル、メチル、メトキシ、ペルフルオロメチル、ペルフルオロメトキシ、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、カルボニル、アリール、置換アリール、置換複素環式、ハロゲン、シアノ、シアノアルキル、ニトロ、アミノ、アミジノ、カルバメート、S(O)及びC(O)Rからなる群より選択されるか、あるいは、隣接する位置にある2つのR6が結合して、前記隣接するフェニル部分と融合した、任意選択的に置換されたヘテロアリール又はヘテロアルキル環を形成し;
は、H、R、NH、HNR、又はNR10であり;
は、OH、OR、NH、NHR、又はNR10であり;
及びR10は、存在ごとに独立して、任意選択的に置換されたされたアルキルであり;かつ
n=1又は2である]。
【0129】
A2. Rが、存在ごとに、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、及びC(O)Rからなる群より選択される、実施形態A1に記載の方法。
【0130】
A3. Rが、存在ごとに、メチル、メトキシ、ペルフルオロメチル、ペルフルオロメトキシ、ヒドロキシル、Cl、F、及びIからなる群より選択される、実施形態A2に記載の方法。
【0131】
A4. 実施形態A1に記載の方法であって、化合物が、式IIの構造:
【0132】
【化7】
【0133】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体
を有する、実施形態A1に記載の方法[式中、
(i)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(ii)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(iii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はHであるか;又は
(iv)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(v)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はHであるか;又は
(vi)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はHであり、RB4はメチルであるか;又は
(vii)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はHであり、RB4はメチルであるか;又は
(viii)RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RB2はメチルであり、RB4はHであるか;又は
(ix)RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はHであるか;又は
(x)RA2、RA3、RA5、及びRA6はHであり、RA4はCOOHであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xi)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3及びRA6はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xii)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3及びRA5はヒドロキシルであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルであるか;又は
(xiii)RA2、RA4、及びRA5はHであり、RA3はメトキシであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はClであるか;又は
(xiv)RA3及びRA5はHであり、RA2及びRA6はFであり、RA4はヒドロキシルであり、RA6はFであり、RB2はHであり、RB4はFであるか;又は
(xv)RA2、RA4、及びRA6はHであり、RA3はヒドロキシルであり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFであるか;又は
(xvi)RA2、RA5、及びRA6はHであり、RA3及びRA4を合わせて-O-CH2-O-であり、RA5はFであり、RB2はHであり、RB4はFである]。
【0134】
A5.RA2、RA4、RA5、及びRA6はHであり、RA3はメトキシであり、RB2はメチルであり、RB4はメチルである、実施形態A4に記載の方法。
【0135】
B1. 治療的有効量の式IVの化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を対象に投与するステップを含む、対象における肥満を予防又は治療する方法。
【0136】
C1. 式IからIVのいずれか1つ、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体から選択される治療的有効量の化合物を対象に投与するステップを含む、対象における肥満を予防又は治療する方法。
【0137】
C1.1 式IからIVのいずれか1つから選択される治療的有効量の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を対象に投与するステップを含む、対象における体重増加を防止する方法。
【0138】
C1.2 式IからIVのいずれか1つから選択される治療的有効量の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を対象に投与するステップを含む、対象における減量を誘発する方法。
【0139】
C1.3 式IからIVのいずれか1つから選択される治療的有効量の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を対象に投与するステップを含む、対象における食欲を抑制する方法。
【0140】
C1.4. 対象がヒトである、実施形態C1からC1.3のいずれかに記載の方法。
【0141】
C2. 化合物が式Iの構造を含む、実施形態C1からC1.4のいずれかに記載の方法。
【0142】
C3. 化合物が、式IIIの構造:
【0143】
【化8】
【0144】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含み、式中、Rは、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、又はトリブロモメチルであり;Rは、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ハロゲン、CF、OCH、OCF、又はOCBrであり;R及びRは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、Cl、F又はBr)、メチル、メトキシ、又はアミンから独立して選択される、実施形態C2に記載の方法。
【0145】
C4. 化合物が、式IVの構造:
【0146】
【化9】
【0147】
若しくはそれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を含む、実施形態C3に記載の方法。
【0148】
C5. 化合物が、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される、実施形態C1からC4のいずれかに記載の方法。
【0149】
C6. 化合物が0.1mg/kgから100mg/kgの用量で投与される、実施形態C1からC5のいずれかに記載の方法。
【0150】
C7. 化合物が、経口投与又は静脈内投与される、実施形態C1からC6のいずれかに記載の方法。
【0151】
C8. 対象が肥満である、実施形態C1からC7のいずれかに記載の方法。
【0152】
C9. 対象が30以上のBMIを有する、又は有していた、実施形態C1からC8のいずれかに記載の方法。
【0153】
C10. 対象が体重の減少を望んでいる、実施形態C1からC9のいずれかに記載の方法。
【0154】
C11. 対象が摂食障害を患っている、実施形態C1からC10のいずれかに記載の方法。
【0155】
C12. 対象が過食症を患っているか、又は患っている疑いがある、実施形態C1からC11のいずれかに記載の方法。
【0156】
C13. 対象が、強迫性摂食障害又は過摂食障害を患っているか、又は患っている疑いがある、実施形態C1からC12のいずれかに記載の方法。
【0157】
C14. 対象が、強迫的過食又は過摂食の既往歴を有する、実施形態C1からC13のいずれかに記載の方法。
【0158】
C15. 対象が、3000カロリー/日を超える摂食の既往歴を有する、実施形態C1からC14のいずれかに記載の方法。
【0159】
C16. 対象が、体重の減少を望んでいるヒトである、実施形態C1からC15のいずれかに記載の方法。
【0160】
C17. 対象が糖尿病を患っているか、又は患っている疑いがある、実施形態C1からC16のいずれかに記載の方法。
【0161】
C18. 対象が心血管疾患を患っているか、又は患っている疑いがある、実施形態C1からC17のいずれかに記載の方法。
【0162】
C19. 対象が、糖尿病、心臓病、又は心血管疾患を患うリスクがあるか、あるいは糖尿病、心臓病、又は心血管疾患を発症する、実施形態C1からC18のいずれかに記載の方法。
【0163】
C20. 対象が哺乳動物である、実施形態C1からC19のいずれかに記載の方法。
【0164】
C21. 対象がヒトである、実施形態C20に記載の方法。
【0165】
C22. 対象が非ヒト霊長類である、実施形態C20に記載の方法。
【0166】
C23. 対象がイヌである、実施形態C20に記載の方法。
【0167】
C24. 対象がネコである、実施形態C20に記載の方法。
【0168】
D1. 実施形態C1からC19のいずれかに記載の方法の実施に用いるための式I、式II、式III、及び式IVのいずれかから選択される構造を含む化合物。
【0169】
D2. 実施形態C1からC19のいずれかに記載の方法の実施に用いるための式I、式II、式III、及び式IVのいずれかから選択される構造を含む化合物を含む医薬組成物。
【0170】
本明細書に引用されている各特許、特許出願、刊行物、又は他の任意の参考文献又は文書の全体が、ここに参照することによって組み込まれる。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先される。
【0171】
特許、特許出願、出版物、又は他の任意の文書の引用は、前述のいずれかが関連する先行技術であることを認めるものではなく、これらの出版物又は文書の内容又は日付に関する承認を構成するものでもない。
【0172】
特に定義されていない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似した又は同等の方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、適切な方法及び材料が本明細書に記載されている。
【0173】
本明細書に開示されるすべての特徴は、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書に開示されている各特徴は、同じ、同等の、又は同様の目的を果たす代替な特徴に置き換えることができる。したがって、特に明記されていない限り、開示されている特徴(例えば、抗体)は、同等又は同様の特徴の属の一例である。
【0174】
本明細書で用いられる場合、すべての数値又は数値範囲は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、そのような範囲内の整数、及び範囲内の値又は整数の端数を含む。さらには、値のリストが本明細書に記載されている場合(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%又は86%)、そのリストは、それらのすべての中間値及び小数値(例えば、54%、85.4%)を含む。したがって、説明するために、80%以上の同一性への言及には、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%など、並びに81.1%、81.2%、81.3%、81.4%、81.5%など、82.1%、82.2%、82.3%、82.4%、82.5%などが含まれる。
【0175】
より多い(より大きい)又はより小さい整数への言及には、それぞれ参照番号より大きい又は小さい任意の数が含まれる。したがって、例えば、100未満への言及には、99、98、97などから1までが含まれ、10未満への言及には、9、8、7などから1までが含まれる。
【0176】
本明細書で用いられる場合、すべての数値又は範囲には、文脈で明確に示されていない限り、そのような範囲内の値及び整数の端数、並びにそのような範囲内の整数の端数が含まれる。したがって、説明するために、1~10などの数値範囲への言及には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、並びに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5などが含まれる。したがって、1~50の範囲への言及には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20など、最大50を含み、並びに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5などが含まれる。
【0177】
一連の範囲への言及には、該一連の範囲内の異なる範囲の境界値を組み合わせた範囲が含まれる。したがって、説明するために、例えば、1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~75、75~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~400、400~500、500~750、750~1,000、1,000~1,500、1,500~2,000、2,000~2,500、2,500~3,000、3,000~3,500、3,500~4,000、4,000~4,500、4,500~5,000、5,500~6,000、6,000~7,000、7,000~8,000、又は8,000~9,000などの一連の範囲への言及には、10~50、50~100、100~1,000、1,000~3,000、2,000~4,000などの範囲が含まれる。
【0178】
技術の基本的な態様から逸脱することなく、前述の内容を修正することができる。技術について、1つ以上の特定の実施形態を参照して実質的に詳細に説明してきたが、当業者は、本出願で具体的に開示された実施形態に変更を加えることができ、またこれらの変更及び改善は本技術の範囲及び精神の範囲内であることを認識するであろう。
【0179】
本発明は、概して、多くの実施形態及び態様を説明するために肯定的な言葉を使用して本明細書に開示される。本発明はまた、物質又は材料、方法のステップ及び条件、プロトコル、又は手順など、特定の主題が完全に又は部分的に除外される実施形態も具体的に含む。例えば、本発明のある特定の実施形態又は態様では、材料及び/又は方法のステップは除外される。したがって、本発明が概して、本明細書に含まれていないものに関して本明細書で表現されていない場合でも、本発明において明示的に除外されていない態様は、それでもなお、本明細書に開示されている。
【0180】
本明細書に記載されている技術の幾つかの実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない要素なしに、適切に実施することができる。したがって、幾つかの実施形態では、「含んでいる」又は「含む」という用語は、「実質的に~からなる」又は「~からなる」又はそれらの文法的変形に置き換えることができる。「a」又は「an」という用語は、1つの要素又は複数の要素のいずれかが説明されていることが文脈上明確でない限り、それが修飾する1つの要素又は複数の要素を指すことができる(例えば、「試薬」は1つ以上の試薬を意味する場合がある)。本明細書で用いられる「約」という用語は、基礎となるパラメータの10%以内の値(すなわち、±10%)を指し、値の文字列の先頭における「約」という用語の使用は、各値を修正する(すなわち、「約1、2、及び3」は約1、約2、及び約3を指す)。例えば、「約100グラム」の重量は、90グラムから110グラムの間の重量を含みうる。本明細書で用いられる「実質的に」という用語は、「少なくとも95%」、「少なくとも96%」、「少なくとも97%」、「少なくとも98%」、又は「少なくとも99%」を意味する、値の修飾語を指し、100%を含みうる。例えば、Xを実質的に含まない組成物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満のXを含むことができ、及び/又は、Xは組成物中に存在しないか、又は検出できない可能性がある。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D