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特許7598196X線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】X線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241204BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020003234
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021108983
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奈良部 優介
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-191842(JP,A)
【文献】特開2013-225380(JP,A)
【文献】特開2014-164610(JP,A)
【文献】特開2007-207107(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0124509(US,A1)
【文献】特開2001-238873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対してX線を照射し、前記被検体を透過したX線を検出してX線画像を取得するX線診断装置であって、
着脱可能な把持部を有するスイッチと、
前記把持部の種類に基づいて前記スイッチの機能を割り当てる割り当て部と、
を有するX線診断装置。
【請求項2】
前記把持部に設けられ、前記把持部に関連付けされた機能を示す保持部と、
前記スイッチに装着された前記把持部の保持部を検出する検出部と、
前記検出部で検出された情報に基づいて前記スイッチの機能を特定する認識部と、
をさらに備え、
前記割り当て部は、前記認識部で特定された機能を割り当てる、
請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記保持部は、少なくとも1つの凸部を有し、
前記検出部は、複数のスイッチで構成され、
前記認識部は、前記少なくとも1つの凸部により押下された前記複数のスイッチの組み合わせに基づいて前記スイッチの機能を特定する、
請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記保持部は、少なくとも1本の導電性のピンを有し、
前記検出部は、複数の接触部で構成され、
前記認識部は、前記少なくとも1本の導電性のピンと前記複数の接触部とが接触することで発生する電気信号の組み合わせに基づいて前記スイッチの機能を特定する、
請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記保持部は、前記把持部の識別情報を有し、
前記検出部は、前記保持部に登録された識別情報を読み取り、
前記認識部は、前記検出部で読み取られた識別情報に基づいて前記スイッチの機能を特定する、
請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記スイッチの操作を受け付ける、長さの異なる複数のスイッチ軸をさらに有し、
前記スイッチ軸は、前記把持部の種類に応じて前記スイッチに着脱可能に取り付けられる、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記スイッチ軸を支持する軸受をさらに有し、
前記保持部は、前記スイッチ軸に設けられ、前記スイッチ軸は前記把持部と一体となって前記軸受に着脱可能に取り付けられ、
前記軸受は、前記検出部を有する、
請求項6に記載のX線診断装置。
【請求項8】
前記割り当て部は、前記X線診断装置に電源が投入されたタイミングで前記把持部から特定された機能を前記X線診断装置に割り当てる、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項9】
前記割り当て部は、検査開始前のタイミングで前記把持部から特定された機能を前記X線診断装置に割り当てる、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記割り当て部は、更新指示を受信したタイミングで前記把持部から特定された機能を前記X線診断装置に割り当てる、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記把持部が装着された前記スイッチの位置と前記スイッチに割り当てられた機能とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備え、
前記把持部に関連付けされた機能が認識できない場合、前記割り当て部は、前記記憶部を参照し、機能が認識できない把持部が取り付けられているスイッチに前回割り当てられた機能と同じ機能を割り当てる、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記把持部を固定する固定部をさらに有する、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記スイッチは、足による操作を受け付けるフットスイッチである、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記把持部に設けられ、前記把持部に関連付けされた機能に適した操作以外の操作を抑制する抑制部をさらに備える、
請求項1乃至1のいずれか1項に記載のX線診断装置。
【請求項15】
被検体に対してX線を照射し、前記被検体を透過したX線を検出してX線画像を取得するX線診断装置であって、
着脱可能な把持部を有するスイッチと、
前記把持部に設けられ、前記把持部に関連付けされた機能に適した操作以外の操作を抑制する抑制部と、
を有するX線診断装置。
【請求項16】
前記把持部が装着された前記スイッチに割り当てる機能を外部から入力できる入力部と、
前記入力部からの入力された機能を割り当てる割り当て部と、
をさらに備える請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項17】
前記把持部が装着された前記スイッチと、前記スイッチに割り当て可能な機能との組合せを表示する表示部と、
前記スイッチに割り当てる機能を入力できる入力部と、
前記入力部からの入力された機能を割り当てる割り当て部と、
をさらに備える請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項18】
X線診断装置に対する複数の操作を受け付ける複数のスイッチが配置されたX線診断装置用のコンソール装置であって、
前記スイッチに着脱可能な把持部と、
前記把持部の種類に基づいて前記スイッチの機能を割り当てる割り当て部と、
を有するX線診断装置用のコンソール装置。
【請求項19】
X線診断装置に対する複数の操作を受け付けるスイッチが配置されたX線診断装置用のコンソール装置であって、
前記スイッチに着脱可能に取り付けられ、前記X線診断装置の備える複数の機能のうち、少なくとも1つの機能に関連付けされた把持部と、
前記把持部に設けられ、前記把持部に関連付けされた機能に適した操作以外の操作を抑制する抑制部と、
を有するX線診断装置用のコンソール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線発生部とX線検出部とが、例えばCアームの両端に取り付けられ、当該Cアームが被検体の周囲で移動、回動、或いは回転することで、撮影部位や撮影角度が調整できるX線診断装置がある。また、Cアームに加えて天井走行式のΩアームを備えたバイプレーンのX線診断装置も知られている。Cアーム及びΩアームが被検体を中心に回転することで、被検体の3次元的なX線画像が収集される。
【0003】
このようなX線診断装置は、被検体を載置する寝台装置を備える。被検体は寝台装置が有する天板上に載置され、当該天板が上下方向や水平方向に移動することで、撮影時における被検体の位置が調整される。また、X線発生部に設けられたX線絞りは、被検体へのX線照射量やX線の照射範囲を調整する。また、X線検出部に設けられたX線検出器は、X線の照射範囲に合わせてサイズや位置が変更される。
【0004】
このようなX線診断装置の動作はユーザの操作により実行される。ユーザは、X線診断装置に設けられたスイッチやX線診断装置用のコンソール装置などの入力手段を介してX線診断装置の各部を操作する。したがって、入力手段には異なる機能を実行するための複数のスイッチが配置されている。
【0005】
通常、スイッチの配置やスイッチに割り当てられた機能は、製品出荷時或いは据え付け時に決められている。一方、スイッチの最適な配置はユーザによって異なる。しかしながら、これらの入力手段に設けられた複数のスイッチは、ユーザの要望に合わせて配置や種類を容易に変更することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-140668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、スイッチを自由にカスタマイズできるX線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置を提供することである。
【0008】
ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決される課題は、上記課題には限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係るX線診断装置は、被検体に対してX線を照射し、被検体を透過したX線を検出してX線画像を取得するX線診断装置であって、スイッチと、割り当て部とを有する。スイッチは、着脱可能な把持部を有する。割り当て部は、把持部の種類に基づいてスイッチの機能を割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るX線診断装置の一例を示す概念的な構成図。
図2図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置用のコンソール装置の一例を示す模式図。
図3図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置のスイッチの構造の一例を示す模式的断面図。
図4図4は、第1の実施形態に係るX線診断装置用のコンソール装置のスイッチに設けられた認識機構の一例を示す模式的断面図。
図5図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
図6図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置の動作の一例を示すフローチャート。
図7図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置の組合せテーブルの一例を示す表。
図8図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置のスイッチテーブルの一例を示す表。
図9図9は、第2の実施形態に係るX線診断装置のスイッチの構造の一例を示す模式的断面図。
図10図10は、第3の実施形態に係るX線診断装置のスイッチの抑制機構の一例を示す模式的断面図。
図11図11は、第3の実施形態に係るX線診断装置のスイッチの回転抑制機構の一例を示す模式的断面図。
図12図12は、第4実施形態に係るX線診断装置に取り付けられる付属品を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、X線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
[全体構成]
図1は、実施形態に係るX線診断装置100の一例を示す概念的な構成図である。X線診断装置100は、撮像装置2、寝台装置3、コンソール装置4、フットスイッチ5を備える。
【0013】
撮像装置2は、例えば、Cアーム及びΩアームを有するバイプレーンのX線撮像装置である。Cアームは、撮影室の床や壁などに固定される。Ωアームは、天井走行可能に構成される。なお、図1の例では、バイプレーンのX線撮像装置を示したが、撮像系が1つのシングルプレーンのX線撮像装置であってもよい。
【0014】
図1に示すように、撮像装置2を構成するCアーム及びΩアームは、それぞれX線発生部26、X線検出部27を有する。X線発生部26とX線検出部27とは、それぞれ対向するように各アームの両端に配置されている。
【0015】
Cアームの両端に設置されたX線発生部26及びX線検出部27は、不図示のCアーム駆動装置によって、Cアームの弦及び弦と垂直な軸の2軸により被検体Sを中心として回転可能なように設けられる。
【0016】
同様に、Ωアームの両端に設置されたX線発生部26及びX線検出部27は、不図示のΩアーム駆動装置によって、Ωアームの弦及び弦と垂直な軸の2軸により被検体Sを中心として回転可能なように設けられる。
【0017】
また、Cアーム及びΩアームのX線検出部27は、アームの弦に対して平行に移動させることができる。
【0018】
Ωアームは、車輪などの移動手段を備える。Ωアームは、例えば、検査室の天井に敷設されたレール24に沿って水平方向に移動する。なお、図1の例では、天井にレール24が敷設された例を示したが、レール24は、床に敷設され、床に敷設されたレールに沿ってΩアームが水平方向に移動してもよい。また、Ωアームは、鉛直方向に伸縮してもよい。
【0019】
X線発生部26は、X線管、絞り装置を有する。X線管は、高圧電源から高電圧電力の供給を受けて、高電圧電力の条件に応じてX線を発生する。
【0020】
絞り装置は、例えば、複数の絞り羽根をスライドさせることで被検体Sの撮像領域に選択的にX線が照射されるようにX線の照射範囲を絞り込む。また、絞り装置は、絞り羽根の開度を調整することで被検体Sに照射されるX線照量を調整する。
【0021】
X線検出部27は、平面検出器(FPD:flat panel detector)、FPD調整装置、A/D(analog to digital)変換器を備える。FPDは、2次元に配列された複数の検出素子を有する。FPD調整装置は、FPDの検出面積を変更したり、FPDを回転させたりする。また、FPD調整装置は、通常の感度のFPDから感度の高い検出素子を有する高精細FPDに変更する。A/D変換器は、FPDから出力される時系列的なアナログ信号をデジタル信号に変換し、X線診断装置100の制御装置に送信する。X線診断装置100の制御装置は、デジタル信号からX線画像を生成する。
【0022】
X線診断装置100の制御装置は、例えば検査室とは別の機械室内に設けられる。制御装置は、処理回路、記憶回路、画像処理回路など制御回路を有し、X線診断装置100全体の制御を担う。これらの制御回路は、夫々プロセッサを具備し、プロセッサが記憶回路に記憶されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。例えば、画像処理回路のプロセッサは、記憶回路に記憶された画像処理プログラムを実行し、X線画像を生成し、ディスプレイ29に表示する。
【0023】
記憶回路は、磁気的もしくは光学的記録媒体又は半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体を含んだ構成を有する。記憶回路の記憶媒体内のプログラム及びデータの一部又は全部は電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路に与えられてもよい。なお、記憶回路に記憶される情報の一部又は全部は、外部の記憶回路や図示しないX線診断装置100が有する別の記憶回路などの記憶媒体の少なくとも1つに分散されて記憶され、或いは複製されて記憶されてもよい。
【0024】
ディスプレイ29は、例えば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、制御装置の制御に従ってX線画像を表示する。
【0025】
寝台装置3は、天板30、付属品取り付けレール31、支持台、支持台内に配置される天板駆動装置を有する。天板30上には、被検体Sが載置される。
【0026】
支持台は、天板30を水平方向(装置座標系のZ軸方向)に移動可能に支持する。天板駆動装置は、天板30を装置座標系のZ軸方向に移動させる。また、天板駆動装置は、天板30をX軸方向と平行に移動させ、天板30を昇降させる。
【0027】
以下、本明細書では、特に断りのない限り、上記装置座標系のX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。まず、鉛直方向をX軸とし、天板30は、その上面の法線方向がX軸方向となるように配置される。天板30の水平移動方向をZ軸とし、天板30は、その長軸方向がZ軸方向となるように配置される。Y軸は、X軸及びZ軸に直交する。
【0028】
コンソール装置4は、X線診断装置用のコンソール装置4である。コンソール装置4は、スタンド23に固定されている。コンソール装置4は、X線診断装置100の各部が有する複数の機能を実行するための操作を受け付ける、複数のスイッチが配置されたスイッチパネルである(以下、単にコンソール装置4と呼ぶ)。コンソール装置4に設けられた複数のスイッチは、スイッチの操作に対応した操作入力信号を処理回路に出力する。
【0029】
ここで、スイッチとは、外部からの操作を受け付ける入力装置である。なお、スイッチは、オン/オフの切り替えに対応する信号を出力するだけではなく、外部から受け付けた力(操作量)に応じた操作入力信号を出力できる。例えば、レバー状のスイッチの場合、レバーの操作方向及びレバーの傾斜角度に対応する操作入力信号を連続量として処理回路に出力する。
【0030】
X線診断装置100は、例えばトラックボール、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等などの一般的な入力装置により実現される入力インターフェースをさらに備える。入力インターフェースは、ユーザの操作に対応した操作入力信号を処理回路に出力する。
【0031】
なお、以下の説明では、撮像装置2、寝台装置3を含むX線診断装置100の各部を「操作対象装置1」と総称する。コンソール装置4は、操作対象装置1を操作するコントローラである。
【0032】
フットスイッチ5は、足踏み式のスイッチを複数備える。フットスイッチ5もコンソール装置4と同様に、操作対象装置1の有する複数の機能を実行するための操作を受け付ける複数のスイッチを有する。
【0033】
上述のように、X線診断装置100は撮像装置2や寝台装置3といった複数の装置を有する。これらの装置は、夫々が複数の機能を有する。このようにX線診断装置100が有する機能は多岐にわたる。X線診断装置100が有する複数の機能は、コンソール装置4、フットスイッチ5、撮像装置2、寝台装置3に設けられた各スイッチに夫々割り当てられている。ユーザは、X線診断装置100及びコンソール装置4に設置されたスイッチのなかから所望の機能に対応するスイッチを選択する。選択されたスイッチが操作されることで、ユーザが所望する機能が実行される。
【0034】
[第1の実施形態]
X線診断装置100及びコンソール装置4に設置されたスイッチの配置や種類は、製品出荷時或いは据え付け時に予め決められている。そのため、従来、スイッチを自由に配置したり、好みの操作に対応したスイッチに変更したりすることが容易ではなかった。
【0035】
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4は、上記課題を解決するため、X線診断装置100がスイッチの把持部に関連付けされた機能を認識し、認識された機能を当該把持部が取り付けられたスイッチに割り当てる認識機能を有する。把持部は、例えばスイッチの操作部分に取り付けられるスイッチキャップである。
【0036】
(1)構成
図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置用のコンソール装置4の一例を示す模式図である。図2(a)は、スイッチキャップ41が装着されていない状態のコンソール装置4の模式図である。図2(b)は、形状が異なる複数のスイッチキャップ41の模式図である。
【0037】
図2(a)に例示されているコンソール装置4には、6つのスイッチに対応する6つのスイッチ軸42a~42fがそれぞれ設けられている。以下の説明では、スイッチキャップ41がコンソール装置4やX線診断装置100に設けられたスイッチ軸42に装着された状態を「スイッチ」とする。また、スイッチ軸42が配置されている位置を「スイッチ位置」と称する。
【0038】
図2(a)に示すように、コンソール装置4のカバー45に設けられたスイッチ取り付け穴からスイッチ軸42の一部が突出している。スイッチ軸42は、スイッチキャップ41が装着される第1のスイッチ軸421と、第1のスイッチ軸421と一体となって第1のスイッチ軸421を支持する第2のスイッチ軸422とを有する。
【0039】
図2(b)は、スイッチ軸42に装着されていないスイッチキャップ41の例を示している。図2(b)には9つのスイッチキャップ41a~41iが例示されている。
【0040】
左上のスイッチキャップ41aは、ユーザが操作する部分(以下、つまみと称する。)が円筒形である。スイッチキャップ41aは、例えば、円筒形のつまみを回転させたり、上下左右に傾けたりする操作に対応する。スイッチキャップ41bは、スイッチキャップ41aよりも径が大きい円筒形のつまみを有する。スイッチキャップ41bは、例えば、つまみを回転させたり、円筒形の上面を押下したりする操作に対応する。スイッチキャップ41c及びスイッチキャップ41dは、略直方体の突出部をつまみとして有する。このつまみは、例えば、左右に90度ひねる操作に適した形状である。スイッチキャップ41e及びスイッチキャップ41gは、一端が欠けた略円筒形のつまみを有し、例えば、回転操作に適する。スイッチキャップ41e及びスイッチキャップ41gのつまみの欠けた部分は、その位置によりユーザが回転量を認識することを補助する。スイッチキャップ41fは、略立方体のつまみを有し、例えば、つまみを押下する操作に適する。スイッチキャップ41iは、円盤状のつまみを有し、例えば、つまみを押下する操作に適する。
【0041】
なお、図2(b)に示したスイッチキャップ41は一例であり、多角柱のつまみやT字のレバー状のつまみを有するスイッチキャップ41であってもよい。スイッチキャップ41は、スイッチ軸42に着脱可能であればどのような形状でもよい。
【0042】
スイッチキャップ41には、X線診断装置100が有する機能が1つ関連付けされている。1つの機能に対して複数種類のスイッチキャップ41が存在してもよい。X線診断装置100が有するすべての機能に対して1つ以上のスイッチキャップ41が存在する。
【0043】
なお、スイッチキャップ41の形状は、スイッチ40の操作と密接に関係する。そのため、スイッチキャップ41に関連付けされるX線診断装置100の機能は、スイッチキャップ41の形状により限定される。操作対象装置1の動作とスイッチ40の操作とが異なる場合、スイッチ40の直感的な操作が妨げられる。例えば、ΩアームやCアームを被検体Sを中心に回転させる機能が、スイッチキャップ41iのようなつまみを押下する操作に適したスイッチキャップ41に関連付けされている場合、スイッチ40を押下する操作に対してアームがどの方向に動作するかユーザは容易に想像できないため、直感的な操作の妨げとなる。
【0044】
一方、スイッチキャップ41eやスイッチキャップ41gのように、つまみを回転させる操作に適したスイッチキャップ41に、被検体Sを中心にΩアームやCアームを回転させる機能が関連付けされている場合、ユーザは回転方向及び回転量を容易に把握でき、直感的な操作が容易となる。したがって、スイッチキャップ41には、スイッチキャップ41の形状に適したX線診断装置100の各機能が関連付けされる。
【0045】
また、それぞれのスイッチキャップ41には、つまみの表面にスイッチキャップ41に関連付けされた機能を示すピクトグラム、図形、文字などのラベルが設けられてもよい。このようなラベルにより、複数のスイッチキャップ41のなかからユーザが所望する機能に対応したスイッチキャップ41を容易に選択できる。
【0046】
図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置のスイッチ40の構造の一例を示す模式的図である。図3(a)は、図2(a)に示した6つのスイッチ軸42a~42fに、図2(b)に示したスイッチキャップ41a~41iのなかから選択された6つのスイッチキャップ41a~41fがそれぞれ装着されたコンソール装置4を例示している。
【0047】
なお、図3(a)に示したスイッチ40a~40fの内部構造はすべて共通である。したがって、各スイッチ40は、どのスイッチキャップ41が装着されてもそのスイッチキャップ41の操作に対応した信号を生成できる。例えば、スイッチ40a~40fの内部構造は、複数種類の操作を受け付けることができる多機能スイッチで構成される。多機能スイッチは、例えば、内部に回転エンコーダ及び押しボタンスイッチに対応する接点を有し、回転や押下といったスイッチへの操作に応じた出力信号を生成する。
【0048】
図3(b)は、コンソール装置4の左上に示したスイッチ40aのIIIb-IIIb断面を模式的に示している。
【0049】
図3(b)に示すように、スイッチ40aのスイッチキャップ41aは、着脱部412を有する。着脱部412はスイッチキャップ41aの内部に設けられた縦穴である。
【0050】
スイッチ軸42aは、第1のスイッチ軸421、第2のスイッチ軸422を有する。第1のスイッチ軸421は、コンソール装置4のカバー45から突出している部分である。スイッチキャップ41に設けられた着脱部412に第1のスイッチ軸421が挿入され、スイッチキャップ41がスイッチ軸42に装着される。第1のスイッチ軸421は、第2のスイッチ軸422に支持され、さらに、第2のスイッチ軸422の底部はケース46に収容される。
【0051】
なお、スイッチ40は、スイッチキャップ41がスイッチ軸42から脱離することを防ぐ固定機構を備えてもよい。固定機構は、例えば、スイッチキャップ41に設けられる。
【0052】
固定機構は、例えば、スイッチキャップ41の底部に設けられた突出部である。スイッチキャップ41の突出部がカバー45の下に挿入されることで、スイッチキャップ41がカバー45に引っかけるように固定してもよい。なお、固定機構は、スイッチキャップ41がスイッチ軸42から脱離することを防げれば、どのような構成でもよい。
【0053】
図4は、第1の実施形態に係るX線診断装置用のコンソール装置4のスイッチに設けられた認識機構の一例を示す模式的断面図である。図4(a)の上図は、スイッチキャップ41a下部側面を示している。図4(a)の下図は、図3(b)のIVa‐IVa断面を模式的に示している。
【0054】
図4(a)の下図は、スイッチキャップ41aの底面を模式的に示している。スイッチキャップ41aの底面は、6つの識別情報保持部413a~413fを有する。識別情報保持部413a~413fは、例えば、凸部である。この凸部の組合せによりスイッチキャップ41に識別情報を持たせることができる。
【0055】
具体的には、識別情報保持部413aのみを有するスイッチキャップと、識別情報保持部413a及び識別情報保持部413bを有するスイッチキャップとは、異なる識別情報を有する。このように、凸部の数と配置とを異ならせることで、スイッチキャップ41aを一意に特定する識別情報になる。即ち、6つの凸部の数と配置との組合せは、64(=2)通りである。したがって、凸部の数と配置とを異ならせることで最大64個の異なる識別情報を有するスイッチキャップ41を作成できる。
【0056】
図4(b)は、図3(b)のIVb‐IVb断面を模式的に示している。即ち、図4(b)は、第2のスイッチ軸422の上面を示している。第2のスイッチ軸422の上面は、第1の検出部423a、第2の検出部423b、第3の検出部423c、第4の検出部423d、第5の検出部423e、第6の検出部423fを有する。第1の検出部423a~第6の検出部423fは、例えばそれぞれがモーメンタリスイッチなどの押しボタンスイッチである。
【0057】
スイッチキャップ41aが第1のスイッチ軸421に装着されると、スイッチキャップ41aの底面と、第2のスイッチ軸422の上面とが対面する。したがって、スイッチキャップ41aが第1のスイッチ軸421に装着されると、図4(a)の下部に示した識別情報保持部413a~413fの凸部が、図4(b)に示した第1の検出部423a~第6の検出部423fのモーメンタリスイッチをそれぞれ押下する。スイッチキャップ41aに設けられた凸部の数及びその配置はスイッチキャップ41ごとに異なり、スイッチキャップ41をスイッチ軸42に装着したときに押下される検出部423の組合せが異なる。
【0058】
検出部423で検出された信号はコンソール装置4の内部の処理回路に送信され、処理回路は、押下される検出部423の組合せに基づいて、スイッチキャップ41aを特定する。
【0059】
図4では、検出部423が押しボタンスイッチで、識別情報保持部413が検出部423を押下する凸部である例を示したが、この例には限定されない。例えば、識別情報保持部413が少なくとも1本の導電性のピンで構成され、検出部423が導電線のピンと接触する複数の接触部で構成されてもよい。導電性のピンが接触部に接触することで発生する電気信号の組合せより、スイッチキャップ41aが特定されてもよい。また、識別情報保持部413を非接触IC(Integrated Circuit:集積回路)や二次元バーコードで構成し、ICや二次元バーコードにスイッチキャップの識別情報を登録してもよい。この場合、検出部423はICや二次元バーコードの読み取り部で構成される。検出部423がICや二次元バーコードに登録された識別情報を読み取り、識別情報に基づいてスイッチキャップ41aが特定される。
【0060】
なお、図4では、スイッチキャップ41の底面に識別情報保持部413を設け、第2のスイッチ軸422の上面に検出部423を設ける場合を例示した。しかしながら、識別情報保持部413と検出部423の位置は、これらが互いに対向するように設けられていれば、スイッチ40のどの位置に設けられてもよい。例えば、識別情報保持部413をスイッチキャップ41内部の着脱部412に設け、検出部423を第1のスイッチ軸421に設けてもよい。
【0061】
図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の機能構成例を示す機能ブロック図である。図5は、6つのスイッチ40a~40fを有するコンソール装置4を例として説明する。
【0062】
図5に示すように、コンソール装置4は、スイッチ40a~40fの6つのスイッチを有する。各スイッチ40a~40fからの操作信号は、夫々処理回路47に入力される。
【0063】
スイッチ40aは、スイッチキャップ41aとスイッチ軸42aとを有する。スイッチキャップ41aは、識別情報保持部413を有し、スイッチ軸42aは、識別情報保持部413を検出する検出部423を有する。検出部423で検出された情報はコンソール装置4内部の処理回路47に送信される。
【0064】
コンソール装置4は、処理回路47、記憶回路48を有する。処理回路47は、プロセッサを具備する。処理回路47のプロセッサは、記憶回路48に記憶されたプログラムを実行することで、認識機能471、割り当て機能472、更新機能473、変換機能474を実行する。
【0065】
認識機能471は、検出部423で検出された情報に基づいてスイッチ40に割り当てる機能を特定する。
【0066】
割り当て機能472は、スイッチキャップ41の種類に基づいてスイッチ40aに機能を割り当てる。割り当て機能472は、認識機能471で特定された機能をスイッチキャップ41が装着されたスイッチ40に割り当てる。
【0067】
更新機能473は、スイッチ40a~40fに既に割り当てられている機能の更新指示を割り当て機能472に送信する。更新指示は、例えば、X線診断装置100に電源が投入されたタイミングで送信される。また、更新指示は、X線診断装置100の検査開始前のタイミングで割り当て機能472に送信されてもよい。更新機能473は、検査情報を参照し、X線診断装置の状態が検査前か否かを判断してもよい。また、ユーザがコンソール装置4や入力インターフェースなどの入力装置を介して更新指示を入力したタイミングで割り当て機能472に更新指示が送信されてもよい。
【0068】
変換機能474は、ユーザがスイッチ40に対して行った操作により発生した信号を、ユーザが操作したスイッチ40に割り当てられた機能に応じた信号に変換する。すなわち、変換機能474は、スイッチ40で発生した信号をそのスイッチ40により操作される操作対象装置1の駆動信号に変換する。
【0069】
記憶回路48は、組合せテーブル481、スイッチテーブル482を有する。記憶回路48は、磁気的もしくは光学的記録媒体又は半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体を含んだ構成を有する。記憶回路48の記憶媒体内のプログラム及びデータの一部又は全部は電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路48に与えられてもよい。なお、記憶回路48に記憶される情報の一部又は全部は、外部の記憶回路や図示しないX線診断装置100が有する別の記憶回路などの記憶媒体の少なくとも1つに分散されて記憶され、或いは複製されて記憶されてもよい。
【0070】
なお、処理回路47及び記憶回路48は、X線診断装置100の制御装置に設けられてもよい。この場合、スイッチ40の検出部423で検出されたスイッチキャップ41の識別情報は、無線又は有線でX線診断装置100の制御装置に送信される。
【0071】
組合せテーブル481は、スイッチキャップ41の識別情報とその識別情報に対応する機能とが関連付けされたテーブルである。
【0072】
スイッチテーブル482は、スイッチ40の位置とスイッチ40に割り当てられた機能とが関連付けされたテーブルである。
【0073】
(2)動作
次に、X線診断装置100及びX線診断装置用コンソール装置4の動作を説明する。
【0074】
図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の動作の一例を示すフローチャートである。Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。図6では、図3で例示した6つのスイッチ40を有するコンソール装置4を例として説明する。
【0075】
ステップS101において、スイッチ軸42a~42fにそれぞれスイッチキャップ41a~41fが装着される(図3(a)を参照)。ユーザは、スイッチキャップ41の付け替えの前後に入力インターフェースを介して更新指示を入力してもよい。
【0076】
ステップS102において、第2のスイッチ軸422に設けられた検出部423がスイッチキャップ41に設けられた識別情報保持部413を検出する。以下、検出部423が6つのモーメンタリスイッチで構成された、図4に例示されたスイッチ40aを例として説明する。
【0077】
スイッチ軸42aに装着されたスイッチキャップ41aは識別情報保持部413として6つの凸部を有する。スイッチ軸42aには検出部423として、6つのモーメンタスイッチが設けられている。したがって、スイッチキャップ41aがスイッチ軸42aに装着されると、第1の検出部423a~第6の検出部423fのすべてのモーメンタリスイッチが押下される。第1の検出部423a~第6の検出部423fで発生した信号は、認識機能471に送信される。
【0078】
ステップS103において、認識機能471は、組合せテーブル481を参照してスイッチキャップ41aに登録された機能を特定する。認識機能471で特定された機能は、割り当て機能472に送信される。
【0079】
図7は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の組合せテーブルの一例を示す表である。図7の1行目は、第1の検出部423a~第6の検出部423fを示す。図7の1列目は、スイッチキャップ41に登録された機能1~機能64を示す。表中の「ON」はモーメンタリスイッチが識別情報保持部413の凸部で押下され、信号が発生した状態を示し、「OFF」はモーメンタリスイッチが識別情報保持部413の凸部によって押下されず、信号が発生していない状態を示す。
【0080】
スイッチ軸42aにスイッチキャップ41aが装着されたことで、第1の検出部423a~第6の検出部423fのすべてのモーメンタリスイッチから「ON」の信号が認識機能471に送信される。認識機能471は、組合せテーブル481を参照し、第1の検出部423a~第6の検出部423fが「ON」である行を検索する。第1の検出部423a~第6の検出部423fが「ON」である行は組合せテーブル481の2行目である。組合せテーブル481の2行目の機能は「機能1」である。したがって、認識機能471は、スイッチキャップ41aに関連付けされた機能が「機能1」であると特定する。
【0081】
なお、例えば、スイッチ軸42に別のスイッチキャップ41が装着されたとき、第1の検出部423a~第6の検出部423fのモーメンタリスイッチからの信号が順番に「ON」、「ON」、「ON」、「ON」、「OFF」、「OFF」であったとする。この信号の組合せは、組合せテーブル481の4行目に該当する。したがって、このような信号が入力された場合、認識機能471は、スイッチキャップ41に関連付けされた機能が「機能3」であると特定する。
【0082】
図6に戻ってフローチャートの説明を続ける。
【0083】
ステップS104において、割り当て機能472は、認識機能471で特定された機能に基づいてスイッチテーブル482を更新する。なお、割り当て機能472は、スイッチテーブル482を更新する前に、更新指示の有無を確認してもよい。更新指示がない場合、割り当て機能472は、スイッチテーブル482を更新せずに処理を終了する。更新指示がある場合のみスイッチテーブル482を更新することで、スイッチ40の機能が誤って変更されることを防ぐことができる。例えば、検査の途中でスイッチ40の機能が変更されないよう、更新機能473が更新タイミングを判定し、割り当て機能472に更新指示を送信する。
【0084】
図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置100のスイッチテーブル482の一例を示す表である。図8の左列は、スイッチ位置を示し、図8の右列は、スイッチ位置に割り当てられた機能を示す。
【0085】
スイッチ位置は、例えば、図3(a)に示したコンソール装置4において、上から1段目の左を「位置1」右を「位置2」、上から2段目の左を「位置3」、右を「位置4」、上から3段目の左を「位置5」、右を「位置6」とする。ステップS103において、スイッチキャップ41aに関連付けされた機能として認識機能471で特定された機能は「機能1」である。スイッチキャップ41aは、「位置1」に装着されている。したがって、割り当て機能472は、「位置1」に割り当てられる機能として「機能1」を登録する。
【0086】
なお、スイッチキャップ41の機能が特定できない場合、割り当て機能472は、スイッチテーブル482を更新せず、前回と同じ機能となるようにしてもよい。例えば、スイッチキャップ41の識別情報が正しく読み取れない場合や、組合せテーブル481に機能が登録されていない場合、割り当て機能472は、スイッチテーブル482の更新を中止する。これにより、スイッチ40の機能が誤って変更されることを防止できる。
【0087】
なお、認識機能471でスイッチキャップ41の機能が特定できない場合、機能が特定できないスイッチキャップ41が装着されたスイッチ40を無効としてもよい。即ち、スイッチキャップ41の機能が特定できない場合、スイッチ40に機能が割り当てられなくてもよい。また、認識機能471でスイッチキャップ41の機能が特定できない場合、その旨をユーザに通知してもよい。例えば、スイッチ位置と共に機能が認識されないメッセージをディスプレイ29に表示してもよい。
【0088】
図6に戻ってフローチャートの説明を続ける。
【0089】
ステップS105において、認識機能471は、スイッチ軸42a~42fに装着されたスイッチキャップ41のすべての機能を特定したか否かを判定する。装着されたすべてのスイッチキャップ41の機能が特定されていない場合、ステップS105のNOに分岐し、ステップS102に戻ってステップS102~ステップS105の処理が繰り返される。装着されたすべてのスイッチキャップ41の機能が特定された場合、ステップS105のYESに分岐し、ステップS106にすすむ。
【0090】
ステップS106において、スイッチ40がユーザにより操作され、ユーザが操作したスイッチ40からの入力信号を変換機能474が受信する。
【0091】
ステップS107において、変換機能474は、スイッチテーブル482を参照し、入力信号を操作対象装置1の出力信号に変換する。
【0092】
ステップS108において、変換機能474は、操作対象装置1に出力信号を送信し、操作対象装置1は、出力信号に基づいて操作対象装置1の駆動系を作動させる。
以上がフローチャートの説明である。
【0093】
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4は、スイッチキャップ41を変更するだけでスイッチ40に割り当てられた機能を容易に変更できる。そのため、ユーザは、検査ごと、手術ごとにスイッチの配置を自由にカスタマイズできる。
【0094】
X線診断装置100の操作は、例えば、診療科、検査部位、手術方法などの条件に応じて異なることが想定される。このような場合、第1の実施形態に係るコンソール装置4では、検査前や手術前にスイッチキャップ41の配置を変更するだけで、これから実施される検査や手術に適したコンソール装置4を準備できる。
【0095】
また、従来のコンソール装置では、複数のユーザで同時にコンソール装置4を利用する場合、夫々のユーザが使用するスイッチがコンソール装置上にばらばらに配置されていた。そのため、スイッチの使用時にユーザ同士の手が交差したり、操作対象のスイッチがある位置までユーザが移動したりしなければならなかった。第1の実施形態に係るコンソール装置4によれば、ユーザが利用するスイッチ40を当該ユーザの立ち位置に応じてまとめて配置することが可能である。
【0096】
このように、ユーザごとにスイッチ40を配置することで、手術において術者が利用するスイッチと、介助者が利用するスイッチとを分けることができ、清潔かつ安全にスイッチを利用することができる。
【0097】
また、従来、X線診断装置100に新たな機能が提供される場合、既に別の機能が割り当てられているスイッチを組み合わせて新しい機能が実行されていた。そのため、新しい機能に適した直感的なスイッチの操作ができなかった。第1の実施形態に係るX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4によれば、X線診断装置100に新たな機能が追加された場合、その機能に対するプログラムを変更すると共に、新たな機能に適した新しいスイッチキャップ41を提供することで、その機能に専用のスイッチを容易に提供でき、直観的な操作が可能なスイッチを提供できる。
【0098】
なお、第1の実施形態では、コンソール装置4に設けられたスイッチ40を例として説明したが、コンソール装置4に設けられたスイッチ40には限定されない。例えば、フットスイッチ5に第1の実施形態で説明したスイッチ40を設けることができる。また、Cアームや寝台装置3に設けられた操作パネルが有するスイッチなど、X線診断装置100が備えるすべてのスイッチ40に第1の実施形態は適用できる。
【0099】
また、第1の実施形態では、コンソール装置4に設けられた6つのスイッチ40のすべてが交換可能な例を示したが、コンソール装置4及びX線診断装置100が備えるスイッチ40のうち、一部のスイッチ40が第1の実施形態で説明したスイッチ40で構成されてもよい。
【0100】
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4によれば、スイッチキャップ41を交換するだけで各スイッチ40に割り当てられた機能を容易に変更できる。したがって、ユーザは、好みの位置に、好みの形状又は操作に対応したスイッチを配置することができる。
【0101】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、スイッチキャップ41が着脱可能なX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4を説明した。しかしながら、スイッチ40から着脱可能な構成は、スイッチキャップ41には限定されない。第2の実施形態は、スイッチキャップ41に加えてスイッチ軸42が着脱可能なX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4に関する。
【0102】
図9は、第2の実施形態に係るX線診断装置100のスイッチ40の構造の一例を示す模式的断面図である。図9(a)に示したスイッチ40gには、図3(b)に示したスイッチキャップ41aと同じ形状のつまみを有するスイッチキャップ41gが装着されている。スイッチキャップ41gは、回転操作に適したスイッチキャップである。一方、図9(b)のスイッチ40hには、円盤状のつまみを有し、押下する操作に適したスイッチキャップ41hが装着されている。
【0103】
例えば、図9(a)に示したスイッチキャップ41gを、図9(b)に示したスイッチキャップ41hに変更した場合、スイッチキャップ41hは第1のスイッチ軸421gの先端に装着される。そのため、押下する操作に適したつまみがカバー45に対して高い位置になる。押下に適したスイッチキャップ41gがカバー45に対して高い位置に装着されていると、押下に適したスイッチ40hと認識されにくい。また、スイッチキャップ41hが第1のスイッチ軸421の先端に装着されているため、レバー状のスイッチと誤解される可能性がある。
【0104】
そこで、スイッチ軸421gをスイッチ軸421gよりも短いスイッチ軸421hに変更することで、図9(b)のようにスイッチキャップ41hに適した高さのスイッチ40hを提供できる。
【0105】
このように、第2の実施形態では、スイッチキャップ41と共にスイッチ軸42を着脱可能にすることで、第1のスイッチ軸421の長さをスイッチキャップ41の形状に適した長さに変更できる。例えば、スイッチ40gのように回転操作に適したスイッチの場合、第1のスイッチ軸421が長い方が操作しやすい。一方、スイッチ40hのように押下操作に適したスイッチの場合、第1のスイッチ軸421の長さが短い方がつまみを押しやすく、押しボタンスイッチであることが認識されやすい。
【0106】
第2の実施形態は、スイッチ軸42が着脱可能となる点以外は第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第2の実施形態は、第1の実施形態と同等の効果を有する。
【0107】
さらに、第2の実施形態は、第1のスイッチ軸421の長さをスイッチキャップ41の形状に応じて変えられるため、スイッチ40の高さを様々に調整することができる。したがって、利用可能なスイッチの種類が増える。
【0108】
なお、上述の例では、スイッチキャップ41とスイッチ軸42とを別々に着脱する例を示したが、スイッチキャップ41とスイッチ軸42とを一体として着脱可能にしてもよい。
【0109】
この場合、例えば、ケース46内に収容された軸受49に支持される第2のスイッチ軸422の底面に識別情報保持部413を設け、軸受49の識別情報保持部413に対抗する面に検出部423を設ける。この構成により、スイッチキャップ41gとスイッチ軸42とが一体となった部材が認識されてもよい。
【0110】
このように、スイッチキャップ41とスイッチ軸42とを一体として着脱可能とすることで、頑強性及び防水性に優れたコンソール装置4を提供できる。
【0111】
なお、第1及び第2の実施形態のX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4ではスイッチキャップ41に関連付けされた機能がスイッチ40に自動で割り当てられる例を説明した。しかしながら、スイッチキャップ41の交換後、スイッチ40へ機能割り当てをユーザが手動で行ってもよい。
【0112】
例えば、コンソール装置4の電子回路基板上に実装されたディップスイッチ(Dual In-line Package switch:DIPswitch)を用いて、スイッチキャップ41に機能を割り当ててもよい。また、X線診断装置100やX線診断装置用のコンソール装置4にスイッチ40の機能を割り当てるためのアプリケーションを実装してもよいし、スイッチテーブル482をディスプレイ29等の表示装置に表示させ、手動で更新できてもよい。
【0113】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、スイッチ40に割り当てられた機能に適した操作以外の操作を抑制する抑制機構415をスイッチキャップ41に設けたX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4に関する。
【0114】
一部のスイッチ40は、複数種類の操作が受け付け可能である。例えば、図3(b)に示したスイッチ40aは、回転操作に加えて、押下操作も受け付けることができる。このように、スイッチ40が受け付け可能な操作は多岐にわたる。一方、操作対象装置1の動作は、スイッチ40が受け付け可能な操作よりも少ない場合がある。
【0115】
例えば、上下左右の4方向に操作可能なスイッチ40に、上下方向の操作に対してのみ操作対象装置1の動作が割り当てられている場合、操作が割り当てられていない左右方向にスイッチ40が操作できるにもかかわらず、なんら動作が実行されない状態が発生しうる。
この場合、スイッチ40を操作したにもかかわらず、操作対象装置1が動作しないと、ユーザは故障を疑い、X線診断装置100に異常がないか確認しなければならなくなる。
【0116】
また、操作対象装置1の動作が外部から確認できない場合、ユーザはスイッチ40に操作が受け付けられたことで操作対象装置1の動作が完了したと判断し、決められた撮像条件とは異なる条件で撮像を開始してしまう可能性がある。
【0117】
そこで、第3の実施形態に係るX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4は、上記課題を解決するため、スイッチキャップ41にスイッチ40に割り当てられた機能に適した操作以外を抑制する抑制機構415を有する。
【0118】
図10は、第3の実施形態に係るX線診断装置100のスイッチの抑制機構の一例を示す模式的断面図である。図10(a)は、スイッチキャップ41pを左右に傾斜させる操作を抑制する抑制機構415pを有するスイッチ40pの模式的断面図である。
【0119】
図10(a)に示すように、スイッチキャップ41pは、スイッチキャップ41pの底部にスイッチ軸42と平行に伸びる抑制機構415pを左右に2つ有する。スイッチキャップ41pがスイッチ軸42に装着されると、抑制機構415pは、ケース46と第2のスイッチ軸422との間にそれぞれ挿入される。スイッチキャップ41pを左に傾けようとすると、スイッチキャップ41pと一体となった抑制機構415pがケース46と第2のスイッチ軸422との間に挟まれてスイッチキャップ41pの傾きを阻害する。スイッチキャップ41pを右に傾けようとした場合も同様である。そのため、ユーザは、スイッチ軸42を左右に傾けることができず、スイッチ40pを左右に傾ける操作は入力されない。一方、スイッチ軸42の上下方向(紙面に対して手前奥方向)に抑制機構415pはなく、スイッチ軸42を上下に傾けることができる。なお、図10(a)では、左右方向の傾きを抑制する例を示したが、この例には限定されない。例えば、スイッチ軸42の上下方向に抑制機構415pを設け、スイッチ軸42の上下方向への傾きを抑制しつつ、左右方向への操作を入力できるようにしてもよい。
【0120】
図10(b)は、スイッチキャップ41qの押下を抑制する抑制機構415qを有するスイッチ40qの断面図を模式的に示している。図10(b)に示すように、スイッチキャップ41qは、スイッチキャップ41qの底部にスイッチ軸42と平行に伸びる2つの抑制機構415qを有する。抑制機構415qは、ケース46に接している。スイッチキャップ41qを押下しようとすると、抑制機構415qがケース46に接触して止まるため、スイッチキャップ41qは押下されない。
【0121】
図11は、第3の実施形態に係るX線診断装置100のスイッチの回転抑制機構の一例を示す模式的断面図である。図11(a)は、スイッチ40rの長軸方向の模式的断面図である。図11(b)はスイッチ40rのB-B断面の模式図である。
【0122】
図11(b)に示すように、第1のスイッチ軸421の周りが環状の第2のスイッチ軸422で覆われている。第1のスイッチ軸421が回転する一方、第2のスイッチ軸422は固定されている。第1のスイッチ軸421に装着されたスイッチキャップ41rをユーザが回転させることで、第1のスイッチ軸421がスイッチキャップ41rと一体となって回転し、スイッチ40rに回転操作が入力される。
【0123】
図11(a)及び図11(b)に示すように、スイッチキャップ41rの底部に設けられた抑制機構415rは、第2のスイッチ軸422と平行に伸び、第2のスイッチ軸422に設けられた凹部425rに挿入される。スイッチキャップ41rを回転させようとすると、第2のスイッチ軸422に設けられた凹部425rに挿入された抑制機構415rがスイッチキャップ41rの回転を阻害する。そのため、第1のスイッチ軸421が回転せず、スイッチ40rに回転操作が入力されない。
【0124】
なお、図12では、凹部425rが第2のスイッチ軸422に設けられる例を示したが、凹部425rは第1のスイッチ軸421と第2のスイッチ軸422との両方に設けられてもよい。この場合、抑制機構415rは、第1のスイッチ軸421と第2のスイッチ軸422の両方に挿入される。
【0125】
さらに、凹部425rは、ケース46の上部を貫通するように設けられた縦穴であってもよい。この縦穴に抑制機構415rが挿入されることで、スイッチキャップ41rの回転は抑制される。一方、スイッチキャップ41rが押下された場合、抑制機構415rは縦穴内を上下方向にスライドできるため、押下操作が可能となる。また、抑制機構415rがケース46に設けられた縦穴に挿入されているため、スイッチキャップ41rを左に傾けようとすると、抑制機構415rがスイッチキャップ41rの動きを阻害する。したがって、スイッチ軸42を左に傾ける操作を抑制することもできる。
【0126】
図10及び図11では、傾き操作、押下操作、回転操作をそれぞれ抑制する抑制機構415の例を説明した。スイッチキャップ41に関連付けされた機能に応じて、これらの抑制機構415を組み合わせてもよい。例えば、スイッチ40を上下に倒す操作のみを受け付け可能とする場合、スイッチ40を左右に倒す操作を抑制する抑制機構415p、スイッチ40の押下を抑制する抑制機構415q、スイッチ40の回転を抑制する抑制機構415rのすべてを備えることでスイッチ40を上下に倒す操作しか受け付けられないスイッチ40を提供できる。
【0127】
上記抑制機構415を有するスイッチキャップ41に、第1及び第2の実施形態で説明した識別情報保持部413及び検出部423を設けてもよい。
【0128】
このように、第3の実施形態に係るX線診断装置及びX線診断装置用のコンソール装置4によれば、第1及び第2の実施形態と同等の効果に加えて、スイッチキャップ41が上述のような抑制機構415を有することで、スイッチ40が誤って操作されることを防止できる。
【0129】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチを自由にカスタマイズできる。
【0130】
[第4の実施形態]
第1の実施形態は、X線診断装置100やX線診断装置用のコンソール装置4と共に使用され、X線診断装置100やX線診断装置用のコンソール装置4から着脱される付属品の自動認識にも応用できる。
【0131】
第4の実施形態は、X線診断装置100やX線診断装置用のコンソール装置4と共に使用され、X線診断装置100やX線診断装置用のコンソール装置4から着脱される付属品の認識機構に関する。
【0132】
図12は、第4実施形態に係るX線診断装置100に取り付けられる付属品を説明する模式図である。図12では、寝台装置3の天板30や付属品取り付けレール31に取り付けられる付属品を例示している。
【0133】
図12の左下の付属品は、天板操作用のコンソール装置32である。天板操作用のコンソール装置32は、取り付け用フック321を介して付属品取り付けレール31に装着される。天板操作用のコンソール装置32は、天板30の水平移動や、天板30の昇降を制御するスイッチ40を有する。取り付け用フック321は、付属品取り付けレール31をZ軸方向に平行移動することができる。ユーザは、取り付け用フック321に装着された天板操作用のコンソール装置32を天板30のZ軸方向の所望の位置に設置できる。
【0134】
図12の右下の付属品は、点滴用スタンド33である。点滴用スタンド33は、固定具331、スタンド332を有する。スタンド332に被検体Sに投与する点滴が吊り下げられる。スタンド332は、付属品取り付けレール31に装着された固定具331に支持される。固定具331は、付属品取り付けレール31の一端から矢印Aの方向に挿入されて取り付けられる。さらに、固定具331は、付属品取り付けレール31をZ軸方向に平行移動することができる。ユーザは、被検体Sが載置された位置に併せて固定具331を天板30のZ軸方向に動かすことで、点滴の位置を調整できる。
【0135】
図12の左上の付属品は、天板30に取り付けられるハンドグリップ35である。ハンドグリップ35は、調節用つまみ351、アームホルダ352、グリップ353を有する。ハンドグリップ35は、例えば、天板30を検査室の床に対して傾けて撮像する場合に、被検体Sがグリップ353を握ることで、被検体Sが天板30から落下するのを防ぐために利用される。アームホルダ352は、グリップ353を握る被検体Sの腕を支える部材であり、調節用つまみ351によりアームホルダ352と天板30との角度を調整できる。
【0136】
図12の右上の付属品は、天板30に取り付けられるアームレスト34である。アームレスト34は、例えば、手術において被検体Sの腕が邪魔にならないようにするために使用される。アームレスト34は、保持具341、アームレスト板342、角度調整用シャフト343を有する。アームレスト板342は、突出部を有し、天板30に装着された保持具341に突出部が挿入されて天板30に固定される。また、アームレスト板342に設けられた角度調整用シャフト343を矢印Bの方向に動かすことで、アームレスト板342と天板30の側面との角度を調整できる。
【0137】
以下、天板操作用のコンソール装置32を例として、第4の実施形態を説明する。
【0138】
取り付け用フック321は、第1の実施形態で説明した検出部423を有する。また、天板操作用のコンソール装置32は第1の実施形態で説明した識別情報保持部413を有する。取り付け用フック321に天板操作用のコンソール装置32が装着されると、検出部423が識別情報保持部413を検出し、検出された識別情報は、X線診断装置100の制御装置が有する処理回路に送信される。各付属品は、付属品ごとに異なる識別情報を有し、X線診断装置100は、識別情報に基づいて装着された付属品を自動で認識する。
【0139】
なお、付属品取り付けレール31に検出部423を設け、取り付け用フック321に識別情報保持部413を設けてもよい。例えば、付属品取り付けレール31の一端に検出部423を設け、天板操作用のコンソール装置32がX線診断装置100に認識された後、付属品取り付けレール31上で天板操作用のコンソール装置32をスライドさせて、天板操作用のコンソール装置32の位置を変更できても良い。
【0140】
また、取り付け用フック321にリニアエンコーダを設け、付属品取り付けレール31のどの位置に取り付け用フック321が配置されたかを示す位置情報をX線診断装置100に送信できてもよい。
【0141】
アームレスト板342やグリップ353のように、左右で異なる部材を有する付属品は、例えば、右手用と左手用とが別々に認識されるよう夫々に異なる識別情報保持部413を設けてもよい。
【0142】
なお、X線診断装置100と共に使用される付属品は図12に示した付属品には限定されない。例えば、天板30には、フットレストやヘッドレストなどの付属品が装着される。また、被検体Sに造影剤を投与して血管や腫瘍を撮像する際に用いられる造影剤自動注入装置も付属品に含まれてもよい。
【0143】
このように、X線診断装置100と共に使用され、X線診断装置100に着脱可能な装置であれば、どのような付属品にも第4の実施形態は適用できる。
【0144】
さらにコンソール装置4は、複数のコンソール装置を連結させて1つのコンソール装置4として利用されてもよい。例えば、コンソール装置4は、寝台装置3用、撮像系2用のように操作対象装置1ごとに分離できても良い。この場合、例えば、例えば、分離可能なコンソール装置に識別情報保持部413を設け、スタンド23に検出部423を設ける。検出部423で検出された識別情報は、各コンソール装置の処理回路又はX線診断装置の制御装置が有する処理回路で処理される。
【0145】
このように、第4の実施形態のX線診断装置100及びX線診断装置用のコンソール装置4によれば、装着された付属品が自動で認識されるため、付属品を取り付けた後の設定が不要となる。また、検査や手術に応じて必要な付属品は決まっているため、付属品の取り付け有無をチェックし、ユーザに報知することができる。
【0146】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチを自由にカスタマイズできる。
【0147】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU (Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該プログラムに相当する機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。
【0148】
なお、プロセッサは、単一の回路によって構成されてもよいし、複数の独立した回路を組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数の回路の回路ごとに個別にメモリが設けられてもよいし、複数の回路の機能に対応するプログラムを単一のメモリが記憶するものであってもよい。
【0149】
上記実施形態における認識機能471は、特許請求の範囲における認識部の一例である。同様に、実施形態における割り当て機能472は、特許請求の範囲における割り当て部の一例である。実施形態における記憶回路48は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。実施形態における識別情報保持部413は、特許請求の範囲における保持部の一例である。実施形態における抑制機構415は、特許請求の範囲における抑制部の一例である。実施形態におけるディスプレイ29は、特許請求の範囲における表示部の一例である。実施形態における入力インターフェースは、入力部の一例である。実施形態におけるスイッチキャップは、特許請求の範囲における把持部の一例である。実施形態における固定機構は、特許請求の範囲における固定部の一例である。実施形態における付属品取り付けレール31は、特許請求の範囲における取り付け部の一例である。
【0150】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0151】
100…X線診断装置
1…操作対象装置
2…撮像装置
3…寝台装置
4…コンソール装置
5…フットスイッチ
40、40a~40f、40g、40h、40p~40r…スイッチ
41、41a~41i、41p~41r…スイッチキャップ(把持部)
42、42a~42f…スイッチ軸
47…処理回路
48…記憶回路
49…軸受
413…識別情報保持部
415…抑制機構
423…検出部
471…認識機能
472…割り当て機能
473…更新機能
474…変換機能
図1
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図12