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特許7598203情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20241204BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241204BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020106683
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022002016
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】小澤 昂
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-259203(JP,A)
【文献】特開2017-224223(JP,A)
【文献】特開2018-205979(JP,A)
【文献】特開2003-067582(JP,A)
【文献】特許第5901094(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0078559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
設定部と、投資制御部と、を有し、
前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定して記憶部に記憶させ、
前記投資制御部は、前記記憶部に記憶された前記所定の期間と、現在の日付とに基づいて、前記所定の期間が経過したか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記所定の期間が経過したと判定した場合、前記記憶部に記憶された前記予算と、前記変動科目における出費とに基づいて、前記予算に対して余りが生じたか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記予算に対して余りが生じたと判定した場合、前記予算に対する余りと、前記所定の期間における収支全体の余りとに基づいて、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であるか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であると判定した場合、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資用サーバに入金させるようにし、指定された投資を行うよう制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対して余りが生じ、前記余りが前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りの全額を投資に回さないよう制御する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、前記家計簿の第1の変動科目において前記所定の期間における第1の予算を設定し、前記家計簿の第2の変動科目において前記所定の期間における第2の予算を設定し、
前記第1の予算に対して第1の余りが生じ、前記第2の予算に対して第2の余りが生じ、前記第1の余りと前記第2の余りとの和が前記所定の期間における収支全体の余り以下の場合、前記投資制御部は、前記第1の余りと前記第2の余りとの和を投資に回すよう制御する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記第1の余りと前記第2の余りとの和が前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記投資制御部は、前記第1の余りが前記収支全体の余り以下で、かつ、前記第2の余りが前記収支全体の余り以下の場合、前記第1の余り及び前記第2の余りのうち、余りの額が多い方を投資に回すよう制御する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の複数の変動科目において所定の期間におけるそれぞれの予算を設定し、
前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間におけるそれぞれの予算に対して余りが生じ、それぞれの余りの総和が前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記収支全体の余りを超えない範囲で最大となるそれぞれの余りの和の組み合わせを選択し、選択した組み合わせの余りの和を投資に回すよう制御する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
表示制御部を有し、
前記表示制御部は、前記家計簿の変動科目における所定の期間における予算の設定に関する画面を表示するよう制御し、
前記設定部は、前記画面を介したユーザの設定操作に基づき、前記家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定する、
情報処理装置。
【請求項7】
情報処理システムであって、
設定部と、投資制御部と、を有し、
前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定して記憶部に記憶させ、
前記投資制御部は、前記記憶部に記憶された前記所定の期間と、現在の日付とに基づいて、前記所定の期間が経過したか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記所定の期間が経過したと判定した場合、前記記憶部に記憶された前記予算と、前記変動科目における出費とに基づいて、前記予算に対して余りが生じたか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記予算に対して余りが生じたと判定した場合、前記予算に対する余りと、前記所定の期間における収支全体の余りとに基づいて、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であるか否かを判定し、
前記投資制御部は、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であると判定した場合、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資用サーバに入金させるようにし、指定された投資を行うよう制御する、
情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
設定工程と、投資制御工程と、を含み、
前記設定工程では、ユーザの設定操作に基づき家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定して記憶部に記憶させ、
前記投資制御工程では、前記記憶部に記憶された前記所定の期間と、現在の日付とに基づいて、前記所定の期間が経過したか否かを判定し、
前記投資制御工程では、前記所定の期間が経過したと判定した場合、前記記憶部に記憶された前記予算と、前記変動科目における出費とに基づいて、前記予算に対して余りが生じたか否かを判定し、
前記投資制御工程では、前記予算に対して余りが生じたと判定した場合、前記予算に対する余りと、前記所定の期間における収支全体の余りとに基づいて、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であるか否かを判定し、
前記投資制御工程では、前記予算に対する余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下であると判定した場合、前記設定工程によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資用サーバに入金させるようにし、指定された投資を行うよう制御する、
情報処理方法。
【請求項9】
プログラムであって、コンピュータを、請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家計簿の科目の内訳の一つに投資が含まれることがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-74979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
毎月一定額を投資に回すと予定を立てていたとしても、他の科目において急な出費があった場合、予定通りのお金を投資に回すと全体の収支のバランスが崩れることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、設定部と、投資制御部と、を有し、前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定し、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対して余りが生じ、前記余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下の場合、前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資に回すよう制御する、情報処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、スマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、サーバの機能構成の一例を示す図である。
図5図5は、サーバが実行する情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図6図6は、設定部の処理を説明するための図である。
図7図7は、変動科目から複数の科目を選択する例を示す図である。
図8図8は、複数の変動科目において予算が設定されており、余りが生じた例を示す図である。
図9図9は、変形例2のサーバの機能構成の一例を示す図である。
図10図10は、予算を設定する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ100と、スマートフォン110と、証券サーバ120と、を含む。サーバ100は、本実施形態の処理を実行する。スマートフォン110は、本実施形態の家計簿をつけるユーザが操作する端末である。ユーザが操作する端末は、スマートフォンに限らず、PC(Personal Computer)であってもよいし、タブレット型コンピュータであってもよい。証券サーバ120は、有価証券の売買の取次を行うサーバである。サーバ100と、スマートフォン110と、証券サーバ120とは、インターネット150を介して通信可能に接続されている。サーバ100は、情報処理装置の一例である。
【0012】
2.ハードウェア構成
(サーバ100のハードウェア構成)
図2は、サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、サーバ100の全体を制御する。記憶部202は、プログラム及び制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、後述する図4図9に示す機能構成及び後述する図5に示すアクティビティ図の情報処理等が実現される。通信部203は、サーバ100をインターネット150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0013】
(スマートフォン110のハードウェア構成)
図3は、スマートフォン110のハードウェア構成の一例を示す図である。スマートフォン110は、ハードウェア構成として、制御部301と、記憶部302と、入力表示部303と、通信部304と、を含む。制御部301は、スマートフォン110の全体を制御する。記憶部302は、プログラム及び制御部301がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部301が記憶部302に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、スマートフォン110の機能が実現される。入力表示部303は、制御部301の処理結果等を表示したり、ユーザの操作情報を制御部301に入力したりする。通信部304は、スマートフォン110をインターネット150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0014】
3.機能構成
図4は、サーバ100の機能構成の一例を示す図である。サーバ100は、機能構成として、設定部401と、投資制御部402と、を含む。
設定部401は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定する。ここで、所定の期間の一例としては、例えば、1ヶ月である。但し、このことは実施形態を制限するものでなく、所定の期間は、ユーザが任意に設定することができる。
設定部401によって設定された所定の期間における予算に対して余りが生じ、その余りが所定の期間における収支全体の余り以下の場合、投資制御部402は、設定部401によって設定された所定の期間における予算に対する余りを投資に回すよう制御する。
サーバ100が、設定部401と、投資制御部402と、を有することによって、家計簿の変動科目において予算を設定し、余りが生じ、かつ、その余りが収支全体の余り以下の場合、余りを投資に回すことができる。したがって、全体の収支のバランスにおいて、過剰投資となることを防止することができる。
【0015】
4.情報処理
図5は、サーバ100が実行する情報処理の一例を示すアクティビティ図である。図5に示す情報処理は、所定間隔ごとに実行される。
A500において、サーバ100は、スマートフォン110におけるユーザの操作を待つ。ユーザが操作を行うと、サーバ100は、処理をA501に進める。
A501において、サーバ100は、スマートフォン110におけるユーザの操作が所定の操作か否かを判定する。サーバ100は、スマートフォン110におけるユーザの操作が所定の操作であると判定すると、処理をA502に進める。サーバ100は、スマートフォン110におけるユーザの操作が所定の操作でないと判定すると、A500の処理に戻る。所定の操作とは、例えば、家計簿の科目において、変動科目を選択し、所定の期間における予算を設定する操作である。
【0016】
A502において、設定部401は、ユーザの所定の操作に基づいて、家計簿の、選択された変動科目における所定の期間の予算を設定する。例えば、変動科目として、「食費」が選択され、所定の期間における予算として、「20000円」が選択された場合、設定部401は、変動科目「食費」、所定の期間の予算「20000円」を設定する。図6は、設定部401の処理を説明するための図である。
【0017】
A503において、投資制御部402は、所定の期間が経過したか否かを判定する。投資制御部402は、所定の期間が経過したと判定した場合、A504に処理を進める。投資制御部402は、所定の期間経過していないと判定した場合、A503の処理を繰り返す。
【0018】
A504において、投資制御部402は、設定部401によって設定された所定の期間における予算に対して余りが生じたか否かを判定する。投資制御部402は、余りが生じなかった場合は、投資を行わないよう制御する。また、投資制御部402は、余りが生じた場合であっても、その余りが所定の期間における収支全体の余りより多い場合、余りの全額を投資しないよう制御する。投資制御部402は、余りが生じ、その余りが所定の期間における収支全体の余り以下の場合、設定部401によって設定された所定の期間における予算に対する余りを投資に回すよう制御する。より具体的には、投資制御部402は、余りを証券サーバ120に入金し、指定された投資を行うよう指示する。
【0019】
本実施形態によれば、過剰投資にならないようバランスを取りながら無理なく家計から投資に回すお金を捻出することができる。また、投資に回すお金を生活スタイルの工夫等によって捻出することができる。
【0020】
<変形例1>
変形例1を説明する。変形例1では、家計簿の複数の変動項目において予算が設定された場合を例に説明を行う。変形例1の設定部401は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の複数の変動科目において所定の期間におけるそれぞれの投資の予算を設定する。図7は、変動科目から複数の科目を選択する例を示す図である。変動科目はスマートフォン110を介してユーザが自由に設定することができる。変形例1において、ユーザは、変動科目において、予算を設定する科目として「衣服・美容」と「食費」が選択されたものとして説明する。「衣服・美容」は、家計簿の第1の変動科目の一例である。「食費」は、家計簿の第2の変動科目の一例である。
【0021】
図8は、複数の変動科目において予算が設定されており、余りが生じた例を示す図である。設定部401は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の「衣服・美容」において所定の期間における第1の投資の予算(図8の例では20000円)を設定する。3月には余りAが発生している。余りAは、第1の余りの一例である。また、設定部401は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の「食費」において所定の期間における第2の投資の予算(図8の例では40000円)を設定する。3月には余りBが発生している。余りBは、第2の余りの一例である。
【0022】
変形例1の投資制御部402は、第1の投資の予算(20000円)に対して余りが生じたか否かを判定する。また、投資制御部402は、第2の投資の予算(40000円)に対して余りが生じたか否かを判定する。第1の投資の予算に対して余り(余りA)が生じ、第2の投資の予算に対しても余り(余りB)が生じた場合、投資制御部402は、余りAと余りBとの和を求める。そして、投資制御部402は、余りAと余りBとの和が所定の期間における収支全体の余り以下であるか否かを判定する。投資制御部402は、余りAと余りBとの和が所定の期間における収支全体の余り以下である場合、余りAと余りBとの和を投資に回すよう制御する。余りAを2000円、余りBを5000円、所定の期間における収支全体の余りを10000円とすると、余りAと余りBの和は7000円となり、所定の期間における収支全体の余り10000円以下となる。この場合、設定部401は、7000円を投資に回すよう制御する。
【0023】
第1の余り(例えば、2000円)と第2の余り(5000円)との和(7000円)が所定の期間における収支全体の余り(例えば、6000円)より多い場合、投資制御部402は、第1の余り(2000円)と収支全体の余り(6000円)とを比較するとともに、第2の余り(5000円)と収支全体の余り(6000円)とを比較する。そして、第1の余り(2000円)が収支全体の余り(6000円)以下で、かつ、第2の余り(5000円)が収支全体の余り(6000円)以下の場合、投資制御部402は、第1の余り(2000円)及び第2の余り(5000円)のうち、余りの額が多い方(この例では、第2の余り(5000円))を投資に回すよう制御する。
このように制御することによって、変動科目の余りの和が修正全体の余りより多い場合であっても、設定された複数の変動科目の余りのうち、余りの多い方を投資に回すことができ、過剰投資にならないようバランスを取りながら無理なく家計から投資に回すお金を捻出することができる。
【0024】
図7図8では、選択された家計簿の複数の変動科目の例として2つを例に説明を行ったが、ユーザは、3つ以上の変動科目を選択し、投資の予算を設定してもよい。投資制御部402は、設定部401によって設定された所定の期間におけるそれぞれの予算に対して余りが生じ、それぞれの余りの総和が所定の期間における収支全体の余りより多いか否かを判定する。それぞれの余りの総和が所定の期間における収支全体の余りより多い場合、投資制御部402は、収支全体の余りを超えない範囲で最大となるそれぞれの余りの和の組み合わせを選択し、選択した組み合わせの余りの和を投資に回すよう制御する。
例えば、第1の余りが2000円、第2の余りが5000円、第3の余りが4000円、収支全体の余りが10000円の場合、投資制御部402は、それぞれの予算に対して余りが生じ、その余りの総和が所定の期間の収支全体の余りより多いと判定する。この場合、投資制御部402は、それぞれの余りの組み合わせとして、第1の余り(2000円)と第2の余り(5000円)の和7000円、第2の余り(5000円)と第3の余り(4000円)の和9000円、第1の余り(2000円)と第3の余り(4000円)の和6000円、を求める。そして、投資制御部402は、収支全体の余りである10000円を超えない範囲で最大となる第2の余り(5000円)と第3の余り(4000円)の和9000円を投資に回すよう制御する。
【0025】
<変形例2>
変形例2を説明する。図9は、変形例2のサーバ100の機能構成の一例を示す図である。サーバ100は、機能構成として、設定部401と、投資制御部402と、表示制御部901と、を含む。表示制御部901は、家計簿の変動科目における所定の期間における予算を設定する画面をスマートフォン110の入力表示部303に表示するよう制御する。図10は、予算を設定する画面の一例を示す図である。不図示の画面において、家計簿の変動科目を選択し、選択した変動科目から予算を設定する変動科目を選択すると、図10に示される画面がスマートフォン110の入力表示部303に表示される。図10に示す画面は、予算の設定に関する画面の一例である。設定部401は、表示制御部901によって表示された画面を介したユーザの設定操作に基づき、家計簿の変動科目において所定の期間における投資の予算を設定する。なお、図10に示されるように、表示制御部901は、予算を設定する画面において、先月の利用額を表示することができる。したがって、ユーザは先月の利用額を参考にして無理のない範囲で投資に回す予算の目標金額を設定することができる。
変形例2によれば、UI(User Interface)を介して家計簿の複数の変動科目を選択し、予算の目標金額を設定することができる。
他の例として、表示制御部901は、家計簿の変動科目において予算を設定する科目を選択させる画面をスマートフォン110の入力表示部303に表示するようにしてもよい。この画面は、例えば、図7に示したような画面である。ユーザは、入力表示部303を操作して、家計簿の変動科目において予算を設定することができる。また、表示制御部901は、家計簿の科目においてどの科目を変動科目にするかを選択する画面をスマートフォン110の入力表示部303に表示するようにしてもよい。
なお、変形例2では、表示制御部901が画面を生成し、スマートフォン110の入力表示部303に表示するよう説明を行った。しかし、表示制御部901が画面を生成するためのデータをスマートフォン110に送信し、スマートフォン110が受信したデータに基づき画面を生成する場合も表示制御部901による表示制御に含まれる。
【0026】
<変形例3>
変形例3を説明する。上述した実施形態等では、サーバ100の制御部201が処理を行うものとして説明した。しかし、複数のサーバから構成されるいわゆるクラウドシステム等が、サーバ100の機能の一部、又はすべてを提供してもよい。このような構成の場合、クラウドシステムは、情報処理システムの一例である。
【0027】
<付記>
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対して余りが生じ、前記余りが前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りの全額を投資に回さないよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、前記家計簿の第1の変動科目において前記所定の期間における第1の予算を設定し、前記家計簿の第2の変動科目において前記所定の期間における第2の予算を設定し、前記第1の予算に対して第1の余りが生じ、前記第2の予算に対して第2の余りが生じ、前記第1の余りと前記第2の余りとの和が前記所定の期間における収支全体の余り以下の場合、前記投資制御部は、前記第1の余りと前記第2の余りとの和を投資に回すよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の余りと前記第2の余りとの和が前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記投資制御部は、前記第1の余りが前記収支全体の余り以下で、かつ、前記第2の余りが前記収支全体の余り以下の場合、前記第1の余り及び前記第2の余りのうち、余りの額が多い方を投資に回すよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき、家計簿の複数の変動科目において所定の期間におけるそれぞれの予算を設定し、前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間におけるそれぞれの予算に対して余りが生じ、それぞれの余りの総和が前記所定の期間における収支全体の余りより多い場合、前記収支全体の余りを超えない範囲で最大となるそれぞれの余りの和の組み合わせを選択し、選択した組み合わせの余りの和を投資に回すよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、表示制御部を有し、前記表示制御部は、前記家計簿の変動科目における所定の期間における予算の設定に関する画面を表示するよう制御し、前記設定部は、前記画面を介したユーザの設定操作に基づき、前記家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定する、情報処理装置。
情報処理システムであって、設定部と、投資制御部と、を有し、前記設定部は、ユーザの設定操作に基づき家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定し、前記投資制御部は、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対して余りが生じ、前記余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下の場合、前記設定部によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資に回すよう制御する、情報処理システム。
情報処理方法であって、設定工程と、投資制御工程と、を含み、前記設定工程では、ユーザの設定操作に基づき家計簿の変動科目において所定の期間における予算を設定し、前記投資制御工程では、前記設定工程によって設定された前記所定の期間における予算に対して余りが生じ、前記余りが前記所定の期間における収支全体の余り以下の場合、前記設定工程によって設定された前記所定の期間における予算に対する余りを投資に回すよう制御する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0028】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
また、上述した実施形態等ではサーバ100が処理を行うものとして説明を行ったが、サーバ100の機能をスマートフォン110が含むようにしてもよい。この場合、スマートフォン110は、情報処理装置の一例となる。
【0029】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0030】
100 :サーバ
110 :スマートフォン
120 :証券サーバ
150 :インターネット
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :制御部
302 :記憶部
303 :入力表示部
304 :通信部
401 :設定部
402 :投資制御部
901 :表示制御部
1000 :情報処理システム
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