(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】車両貨物エリアドアの自律制御
(51)【国際特許分類】
E05B 83/16 20140101AFI20241204BHJP
E05F 15/73 20150101ALI20241204BHJP
E05F 15/79 20150101ALI20241204BHJP
【FI】
E05B83/16 A
E05F15/73
E05F15/79
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020115768
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2023-07-03
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】浦野 博充
(72)【発明者】
【氏名】市川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】二村 和紀
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0071917(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0300676(US,A1)
【文献】特開2005-315024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00
E05B 49/00
E05B 81/00
E05B 83/00
E05F 15/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの貨物エリアと、前記少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを可能にするために動作可能でありかつ前記少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを阻止するために動作可能であるように構成された少なくとも1つの貨物エリアドアと、を含む車両用の車両貨物エリアドア制御システムであって、前記制御システムが、
1つ又は複数のプロセッサと、
前記1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記車両が選択目的地に現在居るか否かを判定させ、
前記車両が前記選択目的地に現在居るという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するために貨物エリアドア解錠機構を作動させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを開放するために貨物エリアドア開放機構を作動させる、
命令を含む貨物エリアドア制御モジュールを記憶する、メモリと、
を備える、車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項2】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記車両の乗員コンパートメントのドアが現在開放されているか否かを判定させ、
前記貨物エリアの中に貨物が存在しかつ前記車両の前記乗員コンパートメントのドアが現在開放されているという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを開放するために前記貨物エリアドア開放機構を作動させる、
命令を含む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項3】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
乗員が前記車両から出たか否かを判定させ、
前記貨物エリアの中に貨物が存在しかつ前記車両から乗員が出たという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを開放するために前記貨物エリアドア開放機構を作動させる、
命令を含む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項4】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに前記少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するために閉鎖機構を作動させる、命令を含む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項5】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアを開放するための制御コマンドに応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されているか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されていない場合、前記閉鎖機構を無能化するために閉鎖無能化機構を作動させる命令を含み、
前記閉鎖無能化機構が、1つ又は複数の制御コマンドに応答して、前記閉鎖機構が前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されることを防止しないように、前記少なくとも1つの貨物エリアドアの前記閉鎖機構を無能化するように構成される、請求項4に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項6】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに前記少なくとも1つの貨物エリアドアを施錠するために施錠機構を作動させる、命令を含む、請求項4に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項7】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
貨物ドア解錠機構に対する前記少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するための1つ又は複数の制御コマンドに応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠させているか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠されていない場合、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するように前記少なくとも1つの貨物エリアドアの施錠機構を無能化するために施錠無能化機構を作動させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠されていない場合、前記1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠しなかった理由を判定するために診断の実行を開始させ、
前記1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠しなかった理由が前記診断により判定された場合、前記1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解錠しなかった理由に関する警告メッセージを生成させる、
命令を含む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項8】
前記貨物エリアドア制御モジュールは、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記車両から出た乗員が前記車両から少なくとも事前設定された距離まで移動したか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されているか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するか否かを判定させ、
前記車両から出た前記乗員が前記車両から少なくとも前記事前設定された距離まで移動し、前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されており、前記貨物エリアの中に貨物が存在する、という判定に応答して、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するために閉鎖機構を作動させ、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを施錠するために施錠機構を作動させる、
命令を
更に含
む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項9】
前記貨物エリアドア制御モジュールは、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき前記1つ又は複数のプロセッサに、
乗員が前記車両から出た後に事前設定された時間が経過したか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されているか否かを判定させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するか否かを判定させ、
乗員が前記車両を出た後に前記事前設定された時間が経過しており、前記少なくとも1つの貨物エリアドアが開放されており、かつ前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在する、という判定に応答して、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するために閉鎖機構を作動させ、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアを施錠するために施錠機構を作動させる、
命令を
更に含
む、請求項1に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【請求項10】
車両の少なくとも1つの貨物エリアドアを作動するコンピュータ実施の方法であって、前記少なくとも1つの貨物エリアドアが、前記車両の関連する貨物エリアへの物理的アクセスを可能にするために動作可能でありかつ前記関連する貨物エリアへの物理的アクセスを阻止するために動作可能であるように構成され、前記車両が、1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアを自律的に解錠するように構成された解錠機構を含み、前記方法が、
前記車両が選択目的地に現在居るか否かを判定するステップと、
前記車両が前記選択目的地に現在居るという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するために前記解錠機構を作動するステップと、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するか否かを判定するステップと、
前記少なくとも1つの貨物エリアの中に貨物が存在するという判定に応答して、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを開放するために貨物エリアドア開放機構を作動するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記車両が、1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するように構成された閉鎖機構を含み、前記方法が、更に、前記少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するために前記閉鎖機構を作動するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記車両が、1つ又は複数の制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアを施錠するように構成された施錠機構を含み、前記方法が、更に前記少なくとも1つの貨物エリアドアを施錠するために前記施錠機構を作動するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記貨物エリアドア制御モジュールが、更に、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解放されていない場合、前記制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解放しなかった理由を判定するために診断の実行を開始させ、
前記制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解放しなかった理由が前記診断により判定された場合、前記制御コマンドに応答して前記少なくとも1つの貨物エリアドアが解放しなかった理由に関する警告メッセージを生成させる、
命令を含む、請求項5に記載の車両貨物エリアドア制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の自律制御、特に車両貨物エリアへのアクセスの自律制御に関する。
【背景技術】
【0002】
自律及び半自律走行車両は、多くの運転状況において人間オペレータからの入力なしで自律運転するように構成できる。車両使用者は、個人的嗜好に応じて車両作動の様々な局面を制御したいと思うかも知れない。具体的には、車両使用者は、車両貨物エリアドアが自律的に作動する条件に対して制御を行使したいかも知れない。
【発明の概要】
【0003】
本明細書において説明する実施形態の1つの形態において、車両貨物エリアドア制御システムが提供される。車両は、少なくとも1つの貨物エリアと、少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを可能にするために動作可能でありかつ少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを阻止するために動作可能であるように構成された少なくとも1つの貨物エリアドアと、を含む。制御システムは、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリと、を含む。メモリは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、1つ又は複数のプロセッサに車両が選択された目的地(以後、選択目的地)に現在居るか否かを判定させ、車両が選択目的地に現在居るという判定に応答して少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するために貨物エリアドア解錠機構を作動させる命令を含む貨物エリアドア制御モジュールを記憶する。
【0004】
本明細書において説明する実施形態の別の形態において、車両の少なくとも1つの貨物エリアドアを作動するコンピュータ実施の方法が提供される。少なくとも1つの貨物エリアドアは、車両の関連する貨物エリアへの物理的アクセスを可能にするために動作可能でありかつ関連する貨物エリアへの物理的アクセスを阻止するために動作可能であるように構成される。車両は、1つ又は複数の制御コマンドに応答して少なくとも1つの貨物エリアドアを自律的に解錠するように構成された解錠機構を含む。方法は、車両が選択目的地に現在居るか否かを判定するステップと、車両が選択目的地に現在居るという判定に応答して少なくとも1つの貨物エリアドアを解錠するために解錠機構を作動するステップと、を含む。
【0005】
本明細書において説明する実施形態の別の形態において、車両貨物エリアドア制御システムが少なくとも1つの車両貨物エリアドアの自律作動を制御するために提供される。システムは、1つ又は複数のプロセッサと、少なくとも1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されかつ1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき1つ又は複数のプロセッサに1つ又は複数の事前選択された貨物エリア作動制御設定に従って少なくとも1つの車両貨物エリアドアを解錠、開放、閉鎖及び施錠の少なくとも1つを制御させる命令を含む貨物エリアドア制御モジュールを記憶するメモリと、を含む。各貨物エリア作動制御設定は、貨物エリアドアが解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠されるための少なくとも1つの条件に関連付けられる。
【0006】
本明細書の一部に組み込まれその一部を成す添付図面は、本明細書において説明する実施形態を図解し、説明と一緒に本明細書において説明する実施形態の原則を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】1つ又は複数の車両貨物エリアドアの作動を自律的に制御するように構成されたシステムを組み込む車両の概略的ブロック図であり、システムは、貨物を保管/輸送するために使用可能な1つ又は複数の関連する車両貨物エリアへの物理的アクセスを制御する。
【
図2】
図1に示すように構成された車両の特定の実施形態の概略的後部斜視図であり、車両トランクの形式の貨物エリア及びトランクの蓋の形式の貨物エリアドアの1つの例を示す。
【
図3A】
図3B及び3Cと組み合わせて、選択目的地までの乗員及び/又は貨物の輸送後に車両貨物エリアドアの解錠及び開放を制御するための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図3B】
図3A及び3Cと組み合わせて、選択目的地までの乗員及び/又は貨物の輸送後に車両貨物エリアドアの解錠及び開放を制御するための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図3C】
図3A及び3Bと組み合わせて、選択目的地までの乗員及び/又は貨物の輸送後に車両貨物エリアドアの解錠及び開放を制御するための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4B及び4Cと組み合わせて、乗員が車両から降りた後に車両貨物エリアの中の貨物を乗員が失念すること又は残すことを防止するのを助けるための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図4B】
図4A及びCと組み合わせて、乗員が車両から降りた後に車両貨物エリアの中の貨物を乗員が失念すること又は残すことを防止するのを助けるための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図4C】
図4A及び4Bと組み合わせて、乗員が車両から降りた後に車両貨物エリアの中の貨物を乗員が失念すること又は残すことを防止するのを助けるための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図5】貨物エリアドアが現在開放されているか又は閉鎖され解錠されているかを判定し、車両の移動前に開放されているドアがあればこれを閉鎖し施錠するための作動の自律実施を示すフローチャートである。
【
図6】所望の様式で1つ又は複数の貨物エリアドアを作動する(例えば、貨物エリアドア(単数又は複数、以後単複)を閉鎖する)ために遠隔エンティティからの直接コマンドが必要とされる例における作動の自律実施を示す概略的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において説明する実施形態は、車両用の貨物エリアドア制御システムに関する。車両は、少なくとも1つの貨物エリアと、少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを可能にするために動作可能でありかつ少なくとも1つの貨物エリアへの物理的アクセスを阻止するために動作可能であるように構成された少なくとも1つの貨物エリアドアと、を含む。制御システムは、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリと、を含む。メモリは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、1つ又は複数のプロセッサに車両が選択目的地に現在居るか否かを判定させかつ車両が選択目的地に現在居るという判定に応答して少なくとも1つの貨物エリアドアを自律的に解錠するために貨物エリアドア解錠機構を作動させる命令を含む貨物エリアドア制御モジュールを記憶する。他の貨物エリアドア制御作動(貨物エリアドアの開放、閉鎖及び/又は施錠など)も、様々な条件の発生に応答して自律的に実施できる。使用者は、貨物を収容する貨物エリアの貨物エリアドアが自律的に解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠される様々な条件を選択できる。又は、貨物を収容する貨物エリアの貨物エリアドアが自律的に解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠される条件の選択は、計算機システムによって又は使用者と一緒に計算機システムによって実施できる。
【0009】
特定の貨物エリア作動制御設定の下で、1つ又は複数の貨物エリアドアは、遠隔施設の又は車両から離間した人又は計算機システムなどの遠隔エンティティからの明白なコマンドによって制御できる。例えば、貨物エリアドアを閉鎖及び/又は施錠するためのコマンド信号は、車両に搭載された通信インターフェイス(単複)を介して遠隔エンティティから車両へ送信できる。1つの作動モードにおいて、通信インターフェイス(単複)は、通信インターフェイス(単複)において受信したコマンドを実施するように構成されたアクチュエータ(単複)に作動可能に結合できる。別の作動モードにおいて、コマンド信号は車両通信インターフェイス(単複)によって受信され、貨物エリアドア制御モジュールへ中継され、制御モジュールは、その後、アクチュエータによって実行するために適するドア制御コマンドを発する。別の作動モードにおいて、コマンド信号は、車両通信インターフェイス(単複)によって受信され、貨物エリアドア制御モジュールへ中継され、制御モジュールは、その後受信した信号をそれ以上修正又は操作せずに受信したコマンド信号をアクチュエータへ中継する。
【0010】
代理人案件番号第TRI-280-B(「車両貨物エリアドアの自律制御」と題する)は、本特許出願と同日に提出される。
【0011】
図1は、1つ又は複数の車両貨物エリアドアの作動を自律的に制御するように構成された車両貨物エリアドア制御システムを組み込む車両11の概略的ブロック図である。本明細書において使用する場合、「車両」は、動力付き輸送機関の任意の形式である。1つ又は複数の実施例において、車両11は自動車である。本明細書においては自動車に関する構成について説明するが、実施形態は自動車に限定されないことが分かるはずである。いくつかの実施例においては、車両11は、例えば周囲環境の諸局面を感知するためのセンサを含み本明細書において論じる機能性を利用する任意のロボット機器または任意の形式の動力付き輸送機関とすることができる。車両11は、貨物を保管し輸送するために使用可能な1つ又は複数の車両貨物エリアを組み込む乗用車、トラック又はその他の任意の車両の形式を取ることができる。
【0012】
車両11は、自律作動用に構成でき、完全に又は部分的に自律モードで作動できる。いくつかの例において、車両11は、自律モード、1つ又は複数の半自律作動モード及び/又は手動モードの間を選択的に切り替えるように構成される。このような切替えは、現在知られている又は今後開発される適切な様式で実施できる。「手動モード」は、車両の操縦及び/又は運転の全て又はほとんどが乗員(例えば運転者)から受信した入力に従って実施されることを意味する。1つ又は複数の構成において、車両11は、本明細書において説明する貨物エリアドア制御機能の1つ又はそれ以上を実行する能力を含みながら手動モードで作動するように構成された従来の車両とすることができる。
【0013】
1つ又は複数の実施形態において、車両11は、自律走行車両である。本明細書において使用する場合「自律走行車両」は、自律モードで作動する車両を意味する。「自律モード」とは、運転者からの入力は最小限で又は全くなく車両11の制御のために1つ又は複数の計算機システムを使用して走行ルートに沿って車両11を操縦及び/又は運転することを意味する。1つ又は複数の実施形態において、車両11は、高度に自動化されるか又は完全に自動化される。1つの実施形態において、車両11は、1つ又は複数の計算機システムが走行ルートに沿って車両の操縦及び/又は運転の一部分を実施する1つ又は複数の半自律作動モードを持つように構成され、車両オペレータ(例えば、乗員又は遠隔オペレータ)は、走行ルートに沿って車両11の操縦及び/又は運転の一部分を実施するために車両に入力を与える。
【0014】
1つ又は複数の実施形態において、車両11は、遠隔制御車両である。本明細書において使用する場合、「遠隔制御車両」は、遠隔作動モードで作動する車両を意味する。「遠隔作動モード」は、車両から離れた位置例えば遠隔施設(
図1に示す遠隔施設88など)に位置するオペレータによって走行ルートに沿って車両11を操縦及び/又は運転することを意味する。例えば、遠隔オペレータは、遠隔施設又は別の場所に在る遠隔端末から車両作動の任意の又は全ての局面を観察し制御できる。「遠隔エンティティ」は、車両の外部に位置しこれから離間するエンティティとすることができる。遠隔エンティティの非排他的例は、遠隔施設88、遠隔人間オペレータ及び遠隔計算機システムを含むことができる。
【0015】
車両11は、各種要素を含むことができる。様々な実施形態において、車両11が
図1に示す要素の全てを持つ必要などないことが分かるはずである。車両11は、
図1に示す各種要素の任意の組合せを持つことができる。更に、車両11は、
図1に示す要素に付加的な要素を持つことができる。いくつかの構成において、車両11は、
図1に示す要素の1つ又はそれ以上無しで実現できる。各種要素は、
図1において車両11内に位置するものとして示されるが、これらの要素の1つ又はそれ以上は車両11外部に位置できることが分かるはずである。更に、図示する要素は、物理的に長距離離れていてもよい。
【0016】
車両11の考えられる要素のいくつかを
図1に示し、その後の図と一緒に説明する。更に、図解を単純かつ明確にするために、適切な場合には、参照番号は、対応する又は類似する要素を示すために様々な図面において反復される。更に、本明細書において説明する実施形態を完璧に理解できるようにするために、多数の具体的な細部を概説する。但し、当業者は、本明細書において説明する実施形態はこれらの要素の様々な組み合わせを用いて実施できることが分かるはずである。
【0017】
車両11は、1つ又は複数のプロセッサ110を含むことができる。「プロセッサ」は、本明細書において説明するプロセス及び/又はプロセスステップのいずれか又はこのようなプロセス/プロセスステップのいずれかを実行する又はこのようなプロセス/プロセスステップを実施させるための任意の形式の命令を実行するように構成される任意のコンポーネントまたはコンポーネントの群を意味する。1つ又は複数の構成において、プロセッサ(単複)110は、車両11の主プロセッサとすることができる。例えば、プロセッサ(単複)110は、電子制御ユニット(ECU)とすることができる。又、プロセッサ(単複)は、車両11用の計算機システムの一部を形成できる。プロセッサ(単複)110は、1つ又は複数のプロセッサ110に通信可能に結合されたデータストア(単複)115又は別のメモリなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を実行できる。プロセッサ(単複)110は、他の車両システム及び要素に作動上接続でき、本明細書において説明するように車両11及びそのコンポーネントの部分又は完全自律制御及び作動に影響を与えるように構成できる。プロセッサ(単複)110は、通信インターフェイス16、センサシステム28、車両入力システム130及び/又は他の適切な情報供給源から受信した入力及び/又は情報に基づいて車両11の機能を制御できる。プロセッサ(単複)110は、プログラムコードに含まれる命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含むことができる。プロセッサ(単複)110は、1つ又は複数の汎用及び/又は1つ又は複数の専用プロセッサで実現できる。適切なプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ及びソフトウェアを実行できるその他の回路構造を含む。複数のプロセッサ110を含む構成において、プロセッサは、相互に独立して作動するか、又は1つ又は複数のプロセッサは、相互に組み合わせて作動できる。
【0018】
車両11は、1つ又は複数のタイプのデータを記憶するための1つ又は複数のデータストア115を含むことができる。データストア(単複)115は、1つ又は複数のコンピュータ可読メモリを含むことができる。コンピュータ可読メモリは、コンピュータによって読み取れるデータ(例えば、命令)の提供に参加する任意の媒体を含むことができる。データストア115(単複)は、揮発性及び/又は非揮発性メモリを含むことができる。適切なデータストア(単複)115の例は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読出し専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光学ディスク、ハードドライブ、又はその他の任意の適切な記憶媒体又はその組合せを含む。データストア(単複)115は、プロセッサ(単複)110のコンポーネントとするか、又はデータストア(単複)115は、プロセッサによって使用されるためにプロセッサ(単複)110に作動上接続できる。本明細書において使用される場合、「作動上接続」は、物理的な直接の接触なしの接続を含めて、直接または間接的接続を含むことができる。
【0019】
1つ又は複数のデータストア(単複)115は、センサデータ119を含むことができる。この文脈において、「センサデータ」は、車両11が装備するセンサに関するセンサの能力及びその他の情報を含む情報を意味する。下で説明するように、車両11は、センサシステム28を含むことができる。センサデータ119は、センサシステム28の1つ又は複数のセンサに関係できる。例として、1つ又は複数の構成において、センサデータ119は、センサシステム28の1つ又は複数のLIDARセンサ28yに関する情報を含むことができる。いくつかの実施例において、センサデータ119の少なくとも一部分は、車両11に搭載された1つ又は複数のデータストア115に配置できる。それに代えて又はそれに加えて、センサデータ119の少なくとも一部分は、車両11から遠隔に配置された1つ又は複数のデータストア115に配置できる。データストア(単複)115は、これらの情報のうち特に道路マップ及び経路情報などのデータを記憶できる。このような情報は、車両11によって自律的に運転される様々なルートを計算し評価する際にナビゲーションシステム23によって使用できる。
【0020】
車両11は、1つ又は複数の車両システム40を含むことができる。1つ又は複数の車両システム40の様々な例を
図1に示す。但し、車両11は、もっと多くの又は少ない又は異なる車両システムを含むことができる。特定の車両システムが個別に規定されるが、システム又はその部分の各々又はいずれも、車両11内のハードウェア及び/又はソフトウェアを介して結合又は分離できる。車両11は、推進システム41、ブレーキシステム42、ステアリングシステム43、スロットルシステム44、トランスミッションシステム45、信号システム46及び/又はナビゲーションシステム23を含むことができる。これらのシステムの各々は、現在知られる又は今後開発される1つ又は複数の機器、コンポーネント及び/又はその組合せを含むことができる。
【0021】
車両11は、入力システム130を含むことができる。「入力システム」は、情報/データを機械に通信できるようにする任意の機器、コンポーネント、システム、要素又は構成体又はその群を含む。入力システム130は、車内の人間オペレータ(運転者、乗客)から又は人間オペレータ(例えば、車両のスケジューラー)又は車両11の少なくとも部分的制御を実施するように構成された計算機システム(例えば、遠隔施設88に配置される)からの入力を受信できる。
【0022】
車両11は、出力システム135を含むことができる。「出力システム」は、情報/データを人間オペレータ(車両11の内部又は外部に居る)へ提示できる又は遠隔施設(遠隔施設88など)の人間オペレータ又は計算機システムへ伝達できるようにする任意の機器、コンポーネント又は構成体又はその群を含む。
【0023】
例えば、入力/出力システム130/135は、乗員コンパートメントに配置され車両プロセッサ(単複)及び/又はその他の車両システムに配線された要素を含む人間機械インターフェイス(HMI)(図示せず)を含むことができる。HMIは、ディスプレイ、キーパッド、マイクロフォン及び音声認識及び車両11と使用者の通信用のスピーカなどの要素を含むことができる。入力/出力システム130/135は、又(代わりに)、車両11と携帯電話またはその他の個人通信機器113を使用する使用者との間の通信を可能にするハードウェア及びソフトウェア要素を含むことができる。入力/出力システム130/135は、任意の形式を取ることができ、車両11と使用者及び/又は車両の1つ又は複数の作動を制御する遠隔施設88との間の通信を容易にするための任意の要素及び/又はシステムを組み込むことができる。
【0024】
車両11は、1つ又は複数のアクチュエータ150を含むことができる。アクチュエータ(単複)150は、プロセッサ(単複)110、自律運転モジュール160及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71(下で更に詳しく説明する)からの信号又はその他の入力の受信に応答して車両システム40又はそのコンポーネントの1つ又はそれ以上を修正、調節及び/又は変更するように作動可能な任意の要素、要素の組合せ又は機構とすることができる。適切な任意のアクチュエータ(単複)を使用できる。例えば、1つ又は複数のアクチュエータ150は、例えばモーター、空圧アクチュエータ、液圧ピストン、リレイ、ソレノイド及び/又は圧電アクチュエータを含むことができる。貨物エリアドア制御システムの実施形態に組み込めかつ/又はこれによって制御できる具体的なアクチュエータのいくつかの例については、下で説明する。但し、説明するもの以外の目的のために車両に付加的アクチュエータを採用できる。貨物エリアドア制御システムの実施形態に組み込めかつ/又はこれによって制御できる具体的なアクチュエータのいくつかの例は、下で詳しく説明するように、貨物エリアドア解錠機構(単複)87、貨物エリアドア開放機構(単複)81、貨物エリアドア閉鎖機構(単複)83、貨物エリアドア施錠機構(単複)85、施錠無能化機構(単複)91及び閉鎖無能化機構(単複)93を含む。
【0025】
1つ又は複数の特定の構成において、アクチュエータ150の1つ又はそれ以上は、1つ又は複数のアクチュエータに作動可能に結合された通信インターフェイス(通信インターフェイス16など)を介して遠隔エンティティ(即ち、車両外部の車両から離間した源)から直接受信したコマンドに応答して車両の要素に作用するように構成できる。例えば、貨物エリアドア解錠機構87の1つ又はそれ以上は、遠隔エンティティから貨物エリアドア解錠機構(単複)が直接受信した貨物エリアドアを解錠するためのコマンドに応答して、1つ又は複数の関連する貨物エリアドアを解錠するために作動するように構成できる。貨物エリアドア開放機構81の1つ又はそれ以上は、遠隔エンティティから貨物エリアドア開放機構(単複)が直接受信した貨物エリアドアを開放するためのコマンドに応答して、1つ又は複数の関連する貨物エリアドアを開放するために作動するように構成できる。貨物エリアドア閉鎖機構83の1つ又はそれ以上は、遠隔エンティティから貨物エリアドア閉鎖機構(単複)が直接受信した貨物エリアドアを閉鎖するためのコマンドに応答して、1つ又は複数の関連する貨物エリアドアを閉鎖するために作動するように構成できる。貨物エリアドア施錠機構85の1つ又はそれ以上は、遠隔エンティティから貨物エリアドア施錠機構(単複)が直接受信した貨物エリアドアを施錠するためのコマンドに応答して、1つ又は複数の関連する貨物エリアドアを施錠するために作動するように構成できる。このように、例えば、遠隔エンティティから通信インターフェイス16を介してアクチュエータ(単複)へ直接送信されたコマンドに応答して貨物エリアドア関連のアクチュエータに作用するように構成されたアクチュエータにおいて、遠隔エンティティからのコマンドは、必ずしも貨物エリアドア制御モジュール71を通過する必要はない。
【0026】
1つ又は複数の構成において、貨物エリアドア作動コマンド(単複)の受信の際に通過する通信インターフェイス(単複)は、1つ又は複数のアクチュエータとは別個のものである。他の構成において、貨物エリアドア作動コマンド(単複)の受信の際に通過する通信インターフェイスは、アクチュエータ(単複)自体に組み込まれる(例えば、時間遅延を最小限に抑えるため及び/又は信号変造及び/割込みの可能性の危険を最小限に抑えるのを助けるため)。
【0027】
車両貨物エリアは、車内において貨物(手荷物、パッケージ及び/又はその他の品目)を旅行のために置けかつ許可または認可のない中の内容物へのアクセスを防止することができる任意のエンクロージャ又は空間容積とすることができる。例えば、貨物の所有者、貨物の輸送責任者又は車両のオペレータ又は所有者は、貨物が貨物エリアに積み込まれるとき貨物にアクセスする認可を持つことができる。車両貨物エリアの非排他的例として、車両のトランク、スポーツ汎用車(SUV)のハッチバックの後部エリア及び乗員コンパートメント内の施錠可能コンパートメントを含むことができる。
【0028】
貨物エリアドアは、車両貨物エリアへの物理的アクセスを可能にする又は防止するように動作可能かつ/又は固定可能な任意のドア、パネル又はその他の構造体とすることができる。貨物エリアドアの非排他的例は、車両トランクドア、スポーツ汎用車のハッチバックドア、ピックアップトラックに取り付けられたトノカバー、及びピックアップトラックのテイルゲートを含むことができる。
【0029】
1つ又は複数の構成において、各貨物エリアドアは、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンド(単複)に応答して貨物エリアドアを解錠するように構成された関連する貨物エリアドア解錠機構(全体を87で示す)を備えることができる。貨物エリアドアは、ドアを施錠するように構成された施錠機構がドアが開放されるのを防止しない状態のとき「解錠」されていると見なすことができる。施錠機構は、施錠機構が施錠機構に関連する貨物エリアドアが開放されるのを防止しない状態のとき、「解錠」されていると見なすことができる。使用される解錠機構87のタイプ及び構造は、貨物エリアドアに関連する施錠機構の設計などのファクタ及びその他の関連ファクタに依存する。1つ又は複数の構成において、解錠機能は、施錠機能を実施するのと同じ機構によって実現できる。他の構成において、解錠機能は、施錠機構とは異なる又は施錠機構に含まれる要素とは異なる要素を含む(共通要素もあるが)解錠機構によって実施できる。貨物エリアドア解錠機構87は、関連する貨物エリアドアを解錠するため及び本明細書において説明するように貨物エリアドア制御モジュール71による解錠機構87の作動を可能にするために適する任意の要素及び/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0030】
1つ又は複数の構成において、各貨物エリアドアは、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンドに応答して貨物エリアドアを開放するように構成された関連する貨物エリアドア開放機構(全体を81で示す)を備えることができる。貨物エリア又は貨物エリアのための貨物エリアドアは、貨物エリアドアが貨物エリアへの物理的アクセスを許容するよう位置又は向きを持ち、それによって貨物を貨物エリアに置けるように又は貨物エリアから取り出せるようにするとき、又は貨物エリアドアが関連するドア施錠機構によって施錠可能である位置にないとき、「開放」されていると見なすことができる。
【0031】
使用される貨物エリアドア開放機構81のタイプ及び構造は、貨物エリアドア開放機構のために利用可能な空間などのファクタ及びその他の関連ファクタに依存する。1つ又は複数の構成において、貨物エリアドア開放機能は、ドア閉鎖機能を実施する機構と同じ機構によって実施できる。他の構成において、ドア開放機能は、閉鎖機構とは異なる又は閉鎖機構に含まれる要素とは異なる要素を含む(共通要素もあるが)開放機構によって実施できる。任意の貨物エリアドア開放機構81は、関連する貨物エリアドアを開放するため及び本明細書において説明するように車両貨物エリアドア制御モジュール71による貨物エリアドア開放機構の作動を可能にするために適する任意の要素及び/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0032】
1つ又は複数の構成において、各貨物エリアドアは、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンドに応答して貨物エリアドアを閉鎖するように構成された関連する貨物エリアドア閉鎖機構(全体を83で示す)を備えることができる。貨物エリア又は貨物エリアのための貨物エリアドアは、貨物エリアドアが、貨物エリアドアに関連する施錠機構が貨物エリアドアに係合してこれを施錠できるようにする位置又は向きにあるとき、「閉鎖」されていると見なすことができる。
【0033】
使用される閉鎖機構83のタイプ及び構造は、閉鎖機構のために利用可能な空間などのファクタ及びその関連ファクタに依存できる。1つの実施例において、貨物エリアドア閉鎖機構83は、コンピュータ制御コマンドによって作動可能であるように構成された1つ又は複数の液圧又は空圧シリンダの形式とすることができる。別の実施例において、閉鎖機構83は、モーター及び関連する貨物エリアドアに作動上結合される歯車列又はその他の運動伝達機構とすることができる。貨物エリアドア閉鎖機構83は、関連する貨物エリアドアを閉鎖するため及び本明細書に説明するように車両貨物エリアドア制御モジュール71による閉鎖機構83の作動を可能にするために適する任意の要素及び/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0034】
1つ又は複数の構成において、各貨物エリアドアは、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンドに応答して貨物エリアドアを施錠するように構成された関連する貨物エリアドア施錠機構(全体を85で示す)を備えることができる。貨物エリアドアは、ドアを施錠するように構成された施錠機構がドアが開放されるのを防止する状態のとき、「施錠」されていると見なすことができる。施錠機構85は、施錠機構が、機構と関連する貨物エリアドアが開放されるのを防止する状態のとき、「施錠」されていると見なすことができる。使用される施錠機構85のタイプ及び構造は、貨物エリアのドアの設計、ドアの設置位置などのファクタ及びその他の関連ファクタに依存できる。例えば、車両のトランクの場合、貨物エリアドア施錠機構は、多様な既存の自動トランクロックのいずれかと同様とすることができる。いずれの貨物エリアドア施錠機構85も、関連する貨物エリアドアを施錠するため及び本明細書において説明するように車両貨物エリアドア制御モジュール71による施錠機構85の作動を可能にするために適する任意の要素/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0035】
1つ又は複数の構成において、施錠無能化機構(全体を91で示す)は、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンドに応答して貨物エリアドア施錠無能化機能を実施するように構成できる。特定の構成において、施錠無能化機構は、ドア施錠機構に作動上結合されるか又はドア施錠機構に組み込める。施錠無能化機構は、貨物エリアドアに関連する解錠機構とは別個に作動できる。施錠無能化機能及び施錠無能化機構は、解錠機構が貨物エリアドア制御モジュール71からの「解錠」制御コマンドに応答してドアを解錠し損ねた場合、貨物エリアドアを解錠するために施錠機構を無能化できるように構成できる。これによって、貨物エリアドアは、たとえ解錠機構がコマンドに応じて貨物エリアドアを解錠し損ねた場合でも、貨物へのアクセスのために解錠できるようにする。施錠無能化機構の一例は、貨物エリアドアを施錠状態に保持する施錠機構85のラッチを磁気的に引っ込めるために貨物エリアドア制御モジュール71によって作動可能である電磁石の形式を取ることができる。ラッチの引っ込みは、ドアを解錠して、ドアを開放できるようにする。
【0036】
本明細書において無能化されるとして説明する機構は、破損される又は永久的に無能化される必要はない。本明細書において、「無能化」は、貨物エリアドアが手動で又は二次的制御により(例えば、トランクドアの手動解除レバー)操作できるように、機構によって実施される通常の機能を不活性化することを意味する。
【0037】
1つ又は複数の構成において、施錠無能化機構91は、解錠機構87及び施錠機構85と組み合わせて、これらの機能全てを実施できる単一機構にすることができる。又は、無能化機構91は、施錠及び/又は解錠機構と別個とする(これらと別個に作動可能である)ことができる。任意の貨物エリアドア施錠無能化機構91は、関連する貨物エリアドアの施錠機能を無能化するため及び本明細書において説明するように貨物エリアドア制御モジュール71による施錠無能化機構の作動を容易にするために適する任意の要素及び/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0038】
1つ又は複数の構成において、閉鎖無能化機構(全体を93で示す)は、貨物エリアドア制御モジュール71からのコマンドに応答して貨物エリアドア閉鎖無能化機能を実施するように構成できる。特定の構成において、専用閉鎖無能化機構93は、ドア閉鎖機構83に作動上結合するか又はドア閉鎖機構の中へ組み込むことができる。閉鎖無能化機構93は、貨物エリアドアと関連するドア閉鎖機構83及び/又はドア開放機構81とは別個に作動可能とすることができる。閉鎖無能化機能及び閉鎖無能化機構93は、ドア開放機構81が「開放」コマンドに応答してドアを開放し損ねた場合貨物エリアドアを開放できるように、ドア閉鎖機構83を無能化できるように構成できる。これによって、ドア開放機構がコマンドに応じて貨物エリアドアを開放し損ねた場合でも貨物へのアクセスのために貨物エリアドアを開放できるようにできる。
【0039】
閉鎖無能化機構93の1つの実施例において、貨物エリアドアを開閉するためにコンピュータシステム制御の液圧シリンダを作動する開放/閉鎖機構において、閉鎖無能化機構93は、貨物エリアドアがほとんど抵抗なしに使用者によって自由に開閉できるように液圧システムの一部分を減圧するように構成された1つ又は複数の弁を含むことができる。任意の貨物エリアドア閉鎖無能化機構は、関連する貨物エリアドアの閉鎖機構を無能化するため及び本明細書において説明するように貨物エリアドア制御モジュール71による閉鎖無能化機構の作動を容易にするために適する任意の要素及び/又は機構(単複)を組み込むことができる。
【0040】
図2は、車両11の一例の概略的後部斜視図であり、車両トランク99の形式の貨物エリア及びトランクの蓋の形式の貨物エリアドア98を示す。車両11は、前述のようにドア開放及び閉鎖機能の両方を実施するように作動可能な1つ又は複数の液圧シリンダの形式の貨物エリアドア開放及び閉鎖機構81/83を備える。ドア開放機構81は、ドア開放機能の実施のみに使用される液圧システム要素を含むことができ、ドア閉鎖機構83は、ドア閉鎖機能の実施のみに使用される液圧システム要素を含むことができる。機構81及び83の各々は、機構81及び83の他方と共通の要素を含むこともできる。又は、機構81及び83は、全て同じ液圧システム要素を使用できる。
【0041】
図2の車両11は、ドアが閉鎖状態のとき貨物エリアドアを施錠及び解錠するように作動可能な前述のような施錠及び解錠機構85/87を備える。ドア施錠機構85は、ドア施錠機能の実施のみに使用される要素を含むことができ、ドア解錠機構87は、ドア解錠機能の実施のみに使用される要素を含むことができる。機構85及び87の各々は、又、機構85及び87の他方と共通の要素を含むこともできる。又は、機構85及び87は、全て同じ要素を使用できる。
【0042】
車両11は、貨物エリアドアがコマンドに応じて解錠し損ねた場合、施錠機構を無能化するように設計される前述のような施錠無能化機構91も備えることができる。施錠無能化機構91は、施錠無能化機能の実施のみに使用される要素を含むことができる。施錠無能化機構91は、又、施錠機構85及び解錠機構87の一方又はそれ以上と共通の要素を含むことができる。
【0043】
車両11は、1つ又は複数のモジュールを含むことができ、少なくともそのいくつかについて本明細書において説明する。モジュールは、プロセッサ(単複)110によって実行されたとき、本明細書において説明する様々な制御コマンド及び/又はプロセスの1つ又はそれ以上を実施するコンピュータ可読プログラムコードとして実現できる。モジュールの1つ又はそれ以上は、プロセッサ(単複)110のコンポーネントとするか、又はモジュールの1つ又はそれ以上は、プロセッサ(単複)110が作動上接続される他の処理システムで実行でき、かつ/又は他の処理システムの間で分散できる。モジュールは、1つ又は複数のプロセッサ110によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができる。それに代わって、又はそれに加えて、データストア115の1つ又はそれ以上が、上記のような命令を含むことができる。モジュールは、作動を制御するように構成された1つ又は複数のプロセッサ又は1つ又は複数の車両コンポーネントまたはシステムと、データ及び1つ又は複数のプロセッサによって実行可能なプログラム命令を記憶するために1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリの組合せとして実現できる。1つ又は複数のプロセッサによる命令の実行は、本明細書において説明するような貨物エリアドアの作動を含めて車両の諸局面の作動を制御できる。
【0044】
1つ又は複数の構成において、本明細書において説明するモジュールの1つ又はそれ以上は、人工知能又は計算知能要素、例えばニュートラルネットワーク、ファジーロジック又はその他の機械学習アルゴリズムを含むことができる。更に、1つ又は複数の構成において、モジュールの1つ又はそれ以上は、本明細書において説明する複数のモジュールの間に分散できる。1つ又は複数の構成において、本明細書において説明するモジュールの2つ又はそれ以上は、組み合わせて単一のモジュールにすることができる。
【0045】
具体的なモジュールについて本明細書において説明するが、特定の車両の設計に応じて、本明細書において説明する機能を実施するために必要な場合には、付加的な制御装置、システム及び/又はモジュールを含むことができることが分かるはずである。本明細書において説明する車両の実施形態は、本明細書において説明する様々な貨物エリアドア制御作動を実施するために必要とされるコマンドの全てを自律的に実行するために充分なシステム及び/又は要素を含むことが想定される。
【0046】
再び
図1を参照すると、車両11は、1つ又は複数の自律運転モジュール160を含むことができる。自律運転モジュール(単複)160は、車両11及び/又は車両11の外部環境に関する情報を捕捉できるセンサシステム28及び/又はその他のタイプのシステムからデータを受信するように構成できる。車両11は、出発場所から所与の目的地まで自律運転モジュール(単複)160の制御の下で完全自律運転作動(即ち、運転者又は運転者の入力なしに自動運転)するように構成できる。
【0047】
自律運転モジュール(単複)160は、車両11の位置及び速度を測定できる。センサシステム28からの情報及び/又は他の情報を使用して、自律運転モジュール(単複)160は、障害物の場所、障害物又は交通標識、樹木、灌木、近隣の車両、歩行者などを含めたその他の環境的特徴を測定できる。
【0048】
自律運転モジュール(単複)160は、プロセッサ110(単複)及び/又は車両11の位置及び向きを推定するための本明細書において説明するモジュールの1つ又はそれ以上によって使用されるための車両11の外部環境内の障害物に関する位置情報、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標における車両の位置、又は車両11の現在状態を測定するため又はマップを生成する際又はマップデータに対する車両11の位置を測定する際に使用するためにその環境に対する車両11の位置を測定するために使用できる他の任意のデータ及び/又は信号を受信及び/又は測定するように構成できる。
【0049】
貨物エリアドア制御モジュール71は、使用者及び/又は計算機システムによって事前選択された嗜好に従って及び必ずしも使用者及び/又は計算機システムによって規定又は選択されない事前プログラムされたデフォルト手順に従って、貨物エリアドア作動の諸局面を制御するように構成できる。1つ又は複数の構成において、貨物エリア制御モジュール71が実施するものとして本明細書において説明する貨物エリアドア関連の全ての制御機能は、必要な場合には、車両11の他の要素と組み合わせて作用する貨物エリアドア制御モジュール71によって実施できる。
【0050】
貨物エリアドア制御モジュール71によって制御できる貨物エリアドア作動の諸局面は、ドア開放、ドア閉鎖、ドア施錠、ドア解錠、及びドア閉鎖及び施錠機能の無能化を含む。その他の貨物エリアドアの作動も、貨物エリアドア制御モジュール71によって制御及び実施できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアとソフトウェアの任意の適切な組合せの形式で実現できる。
【0051】
貨物エリアドア制御モジュール71は、任意に、貨物エリアドアが開放されかつ/又は解錠されているとき車両の動きを防止するように、他の車両システムの1つ又はそれ以上の作動を制御するように構成できる。車両の動きのこの制御は、例えば、1つ又は複数の貨物エリアドアが開放されかつ/又は解錠されていることを示す貨物エリアドア関連のセンサによって与えられた情報に応答し、又、貨物エリアドア(単複)が開放されかつ/又は解錠された状態で車両を動かし始めさせるコマンド又は命令に応答するものとすることができる。
【0052】
1つ又は複数の構成において、貨物エリアドア制御モジュール71は、以前選択された貨物エリアドア制御機能に使用者及び/又は計算機システムが割り込む又はまたはこれを中断できるようにする貨物エリアドア自律コマンド割込み機能を与えるように構成できる。使用者及び/又は計算機システムによる割込みの選択は、選択された制御機能(又は別の自律制御機能)が使用者及び/又は計算機システムによって選択されるまで、選択された制御機能の自律作動を無能化できる。例えば、使用者は、乗員が車両から出たとき貨物エリアドアを解錠するための以前選択した自律作動を取り消せる。本明細書において使用する場合、「乗員」(occupant及びvehicle occupant)は、乗員コンパートメント内部に現在居る人、又は以前乗員コンパートメント内部にいたが選択目的地に到着した後に乗員コンパートメントから出た人を意味することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、この(又は別の)制御モードが使用者又は他のエンティティ(遠隔計算機システムまたは遠隔地人間オペレータなど)によって選択されるまで、取り消された自律制御作動に従った貨物エリアドアの自律制御を停止する。前述のように1つの制御モードの不活性化又は選択取り消しは、他の活性自律制御モードに影響できない。
【0053】
1つ又は複数の構成において、貨物エリアドア制御モジュール71は、貨物エリアドアを閉鎖するための制御コマンドが発せられたにもかかわらず貨物エリアドアが開放されていることを示す1つ又は複数の警告メッセージを発するようにも構成できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、貨物エリアドアを開放するための制御コマンドが発せられたにもかかわらず、貨物エリアドアが閉鎖されていることを示す1つ又は複数の警告メッセージを発するようにも構成できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、又、貨物エリアドアを解錠するための制御コマンドが発せられたにもかかわらず貨物エリアドアが施錠されていることを示す1つ又は複数の警告メッセージを発するように構成できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、又、貨物エリアドアを施錠するための制御コマンドが発せられたにもかかわらず貨物エリアドアが解錠されていることを示す1つ又は複数の警告メッセージを発するように構成できる。本明細書において説明するどの警告メッセージも、任意の適切な方法で(例えば、車両通信インターフェイス16、車両HMI、乗員のセルラー機器、遠隔車両オペレーション又は遠隔施設88を介して又はその他の適切な方法を使用して)、任意の受信エンティティ(例えば、使用者、計算機システム、又は別の受信エンティティ(計算機システム、遠隔施設の人間オペレータなど))へ送信できる。
【0054】
1つ又は複数の構成において、プロセッサ(単複)110及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71の1つ又はそれ以上は、貨物エリアドア制御コマンドがなぜ実行されなかったかを判定するための診断手順を実施するための命令を実行するように構成できる。例えば、貨物エリアドアが貨物エリアドア制御モジュール制御コマンドに応答して解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠し損ねた場合、プロセッサ(単複)110及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71は、なぜ命令が実行されなかったかを判定するための診断ルーチンを実施できる。プロセッサ110(単複)及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71は、診断の実施に関連する情報を収集するために車両センサのどれを使用することも可能である。使用されるセンサは、車両において他の目的のために使用できるセンサとするか、又はセンサは、診断の実施を支援する専用のセンサとすることができる。
【0055】
貨物エリアドア制御コマンドは、関連制御要素が物理的にコマンドを実施できないため又はその他の理由(例えば、安全性)により、実施されない可能性がある。1つの例において、トランクドアを開放するためのコマンドは、トランクの蓋の上に重い物体が載っていてドア開放機構がドアを開放するのを妨げるために実施できない。別の例において、車両背後の物体を検出するように構成されたセンサが、トランクドア付近の人の存在を検出するように構成され、これを検出した場合、トランクドアは、開放時にドアが人に接触する可能性があるので開放を防止される。カメラ、重量センサ、近接センサ及びその他の任意の適切なタイプのセンサなどの多目的及び/又は専用診断センサ28eを車両11に組み込んで、診断のために使用できる。車両において他の目的のために使用されるセンサを診断のために使用することもできる。
【0056】
本明細書において説明するように、プロセッサ(単複)110及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71は、自律的に制御される1つ又は複数の貨物エリアドア(例えば、トランク乗員コンパートメント保管庫などの)、ドアに対して実施される制御コマンド又はオペレーション(例えば、開放、閉鎖、施錠、解錠)及び所与の制御作動が実施される条件(例えば、乗員が車両から出たとき)の使用者、コンピュータによる及び/又は遠隔的な選択を可能にするように構成できる。1つ又は複数のドア及び関連する貨物エリアドア制御モードを選択する計算機システムは、車両に搭載されるか、又は計算機システムは、車両から離れて(使用者の可搬式/セルラー機器113又は遠隔施設88(
図1)などの遠隔施設)配置できる。
【0057】
車両11は、センサシステム28を含むことができる。「センサ」は、何かを検出及び/又は感知できる任意の機器、コンポーネント及び/又はシステムを意味する。1つ又は複数のセンサは、リアルタイムで検出及び/又は感知するように構成できる。本明細書において使用する場合、「リアルタイム」は、使用者又は計算機システムが特定のプロセス又は測定を行うために充分に速やかに感知する又はプロセッサが外部プロセスに遅れずにいられる処理応答性のレベルを意味する。
【0058】
センサシステム28が複数のセンサを含む構成において、センサは、相互に独立して作用できる。又は、センサの2つ又はそれ以上は、相互に組み合わせて作用できる。このような場合、2つ又はそれ以上のセンサはセンサネットワークを形成できる。センサシステム28及び/又は1つ又は複数のセンサは、プロセッサ(単複)110、データストア(単複)115、及び車両11の別の要素(
図1に示す任意の要素を含む)に処理上接続できる。センサシステム28は、車両11の外部環境(例えば、付近の車両)の少なくとも一部分のデータを取得できる。
【0059】
センサシステム28のセンサは、プロセッサ(単複)110又は車両11の他の任意の要素に作動上接続できる。既知の様式で、車両センサは、各種車両システムへの適切な制御コマンドを公式化し実行する際に車両制御システム(自律運転モジュール160及び貨物エリアドア制御モジュール71など)によって使用可能なデータを提供できる。例えば、慣性センサ、ホイール速度センサ、道路状態センサ及びステアリング角度センサからのデータは、車両の旋回のためにステアリングシステム43においてコマンドを公式化し実行する際に自律運転モジュール160によって処理できる。
【0060】
センサシステム28は、適切な任意のタイプのセンサを含むことができる。様々なタイプのセンサの例を本明細書において説明する。但し、実施形態は、説明する特定のセンサに限定されないことが分かるはずである。
【0061】
センサシステム28は、様々な車両作動状態パラメータ及び車両外部の環境条件を監視するように設計された1つ又は複数のセンサを含むことができる。例えば、センサシステム28は、運転環境データを取得及び/又は感知するように構成された1つ又は複数のセンサを含むことができる。「運転環境データ」は、自律走行車両が位置する外部環境又はその1つ又は複数の部分に関するデータ又は情報を含む。例えば、センサ28の1つ又はそれ以上は、車両11の外部環境の少なくとも一部分の障害物及び/又はこのような障害物に関する情報/データを検出、数量化及び/又は感知するように構成できる。このような障害物は、静止障害物及び/又は動的障害物が考えられる。センサ28の1つ又はそれ以上は、例えば、車両11から特定の距離内の、通路標識、標識、信号、交通標識、車線、歩道、車両11に近接する縁石、オフロード障害物、他の車両、交通量、道路状態、移動する又は静止する通行車、動物、自転車、歩行者など、移動または静止するものを問わず車両11の外部環境にある他のものを検出、計測、数量化及び/又は感知するように構成できる。センサ28は、外部運転条件、外部温度、雨、雪、光量及び運転者の可視性のために太陽の位置に関する情報を検出し記憶できる。
【0062】
例えば、1つ又は複数の構成において、センサシステム28は、RADARセンサ28z、近接センサ28p、レーザー距離計/LIDARセンサ28y及び様々な目的のための他のセンサ28mを含むことができる。1つ又は複数の車両カメラ(全体を28xで示す)は、車両の内部及び/又は車両11の外部環境の複数の画像を捕捉するように構成された機器を含むことができ、ルート、車線位置及びその他の車両位置/場所データを測定するために使用できる。カメラは、静止カメラ又はビデオカメラとすることができる。1つ又は複数の構成において、1つ又は複数のカメラ28xは、ハイダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は赤外線(IR)カメラとすることができる。
【0063】
センサシステム28は、車両11自体に関する情報を検出、測定及び/又は感知するように構成された1つ又は複数の車両センサを含むことができる。1つ又は複数の構成において、車両センサ(単複)は、例えば慣性加速に基づいて、車両11の位置及び向きの変化を検出及び/又は感知するように構成できる。1つ又は複数の構成において、車両センサ(単複)は、1つ又は複数の加速計、1つ又は複数のジャイロスコープ、慣性計測ユニット(IMU)28w、推測航法システム、地球航法衛星システム(GNSS)、地球測位システム(GPS)、ナビゲーションシステム23及び/又はその他の適切なセンサを含むことができる。車両センサ(単複)は、車両11の1つ又は複数の特性を検出及び/又は感知するように構成できる。1つ又は複数の構成において、車両センサ(単複)は、車両11の現在速度を測定するための速度計を含むことができる。別の例において、IMU28wは、慣性加速に基づいて車両11の位置及び向きの変化を感知するように構成されたセンサの任意の組合せ(例えば、加速計とジャイロスコープ)を組み込める。IMU28wは、車両のロールレート、ヨーレート、ピッチレート、縦加速度、横加速度及び垂直加速度などのパラメータを感知できる。
【0064】
車両センサ28によって収集されたデータは、本明細書において説明する目的のためにデータを必要とする又は利用する任意の車両システム又はコンポーネントへ送信できる。車両センサ28によって収集されたデータは、車両内で記憶及び/又は分析し、かつ/又は1つ又は複数の外部機器へ送信できる。例えば、センサデータは、テレマティクス機器を介して本明細書において説明するように可搬式機器113又は遠隔施設88などの1つ又は複数の遠隔計算機システムへ送信できる。
【0065】
センサシステム28は、1つ又は複数の乗員コンパートメントドアセンサ(全体を28aで示す)も含むことができる。乗員コンパートメントは、車両の正常な作動時にその中で乗員が動くことのできる車両内の任意のコンパートメント又は空間容積とすることができる。乗員コンパートメントは、ドライバスペース及び前部、後部及び/又は任意の中間座席に1つ又は複数の乗客スペースを含むことができる。乗員コンパートメントは、乗員が既知のような車両への出入りの際に通過する開口部を含むことができる。各乗員コンパートメント開口部は、乗員コンパートメントを従来のように開閉できるようにするために、これに関連するドアを持つことができる。
【0066】
1つ又は複数の構成において、乗員コンパートメントドアセンサ28aは、乗員が車両11を出入りする際に通過できる各乗員用戸口と作動上結合するように位置付けできる。乗員コンパートメントドアセンサ28aは、乗員コンパートメントドアのいずれかが開放されるとすぐに「ドア開放」信号を貨物エリアドア制御モジュール71へ発するように構成できる。特定に構成において、乗員コンパートメントドアセンサ28aは、乗員コンパートメントドアのいずれかが少なくとも事前設定された量(例えば、乗員がドア開口部を通り抜けて車両の外へ出られるようにするのに充分な量)が開放されるとすぐに、貨物エリアドア制御モジュール71へ「ドア開放」信号を発するように構成できる。この信号は、ドアが閉鎖されると停止できる。このようにして、乗員コンパートメントの各ドアの「開放」又は「閉鎖」状態は、持続的に監視できる。これらの目的のために例えば従来の接触センサなどの適切な任意のタイプのセンサを使用できる。
【0067】
センサシステム28は、1つ又は複数の乗員センサ(全体を28bで示す)を含むことができる。各乗員センサ28bは、乗員が乗員コンパートメント戸口を通過して車両から出たとき貨物エリアドア制御モジュール71へ信号を発するように構成できる。1つ又は複数の構成において、乗員センサ(単複)28bは、車内の乗員の人数及び/又はサイズ、体重など任意の乗員の様々な特徴を検出するようにも構成できる。適切な任意のタイプのセンサ、例えば従来の近接センサ又はLIDARセンサなどをこの目的のために使用できる。乗員センサ(単複)28bは、又、車両に対する乗員の位置、車両からの乗員の距離及び乗員に関するその他の様々なパラメータを含めて車両を離れた乗員の移動を検出し追跡するようにも構成できる。又は、追加の又はその他のセンサを、車両に対する乗員の位置、車両からの乗員の距離及び乗員に関するその他の様々なパラメータを含めて車両を離れた乗員の移動を検出し追跡するように構成できる。
【0068】
センサシステム28は、施錠機構センサ(全体を28cで示す)を含むことができる。各施錠機構センサ28cは、関連する貨物エリアドアの関連する施錠機構が作動したとき(即ち、施錠状態又は解錠状態の一方に入ったとき)、及び施錠機構(単複)の状態(施錠又は解錠)を検出するように構成できる。例えば従来の接触センサなど適切な任意のタイプのセンサをこれらの目的のために使用できる。
【0069】
センサシステム28は、貨物エリアドアが開閉したとき及び貨物エリアドアの状態(開閉)を検出するように構成された貨物エリアドアセンサ(全体を28dで示す)を含むことができる。例えば従来の接触センサなど適切な任意のタイプのセンサをこれらの目的のために使用できる。
【0070】
貨物センサ(全体を28fで示す)は、車両貨物エリアのいずれかにおける貨物の有無を検出するように構成できる。例えば、カメラ、近接センサ、LIDARセンサ、重量センサ及び/又はその他のタイプのセンサなどのセンサを車両トランクに取り付けて、トランクの中の貨物の有無及びトランクの中の貨物の様々な特徴(重量、体積、トランク内での場所など)を検出するように構成できる。これらの目的のために適切な任意のタイプのセンサを使用できる。
【0071】
各種の診断センサ(全体を28eで示す)を、本明細書において説明するような診断のために車両に組み込める。又、既存のセンサが複数のタスクを目的とすることができる。タスクの1つ又はそれ以上は、診断手順の実施を助けることを含むことができる。例えば、車両カメラの視界は、車両トランクドアの上面を含むことが(又は含むように調節)できる。これによって、トランクドアの上に置かれた、制御コマンドに応答してトランクドアを開くのを妨げる可能性がある物体の検出が可能になる。診断のために適切な任意のタイプのセンサを使用できる。
【0072】
ナビゲーションシステム23は、車両11の地理的位置を測定するように及び/又は例えば既知のように乗員の目的地入力を使用して車両11の走行ルートを測定するように構成された、現在知られている又は今後開発される1つ又は複数の機器、アプリケーション及び/又はその組合せを含むことができる。ナビゲーションシステム23は、車両11の走行ルートを測定するために1つ又は複数のマップアプリケーションを含むことができる。ナビゲーションシステム23は、地球測位システム、局地的測位システム又はジオロケーションシステムを含むことができる。車両ナビゲーションシステム23は、車両11の地理的位置を推定するように構成された任意のセンサ(1つ又は複数)を含むか又はセンサと作動上通信できる。
【0073】
車両ナビゲーションシステム23は、又、本明細書において説明する目的のための車両ナビゲーション情報を与えるために、プロセッサ(単複)110、貨物エリアドア制御モジュール71及び/又は自律運転モジュール160と作動上通信するように構成できる。1つ又は複数の構成において、車両ナビゲーションシステム23は、車両11が選択目的地に到着したときを判定するように構成できる。例えば、ナビゲーションシステム23は、(既知の様式で)車両が移動するとき車両11の現在のGPS又はその他の地理的座標を持続的に監視できる。これらの座標は、選択目的地に関連付けられるGPS又はその他の地理的座標と持続的に比較され、2組の座標が一致するか否かを判定できる。又は、プロセッサ(単複)110及び/又は貨物エリアドア制御モジュール71は、車両10が選択目的地に到着したとき(ナビゲーションシステム23から受信した情報と一緒にかつ/又はこれを使用して)を判定するように構成できる。
【0074】
車両貨物エリアドアの1つ又はそれ以上の作動は、少なくとも部分的に、車両が選択目的地に到着したという判定に応答して制御可能とすることができる。選択目的地は、車両の乗員の目的地であるか又は車両によって輸送される貨物の目的地とすることができる。例えば、選択目的地は、会社またはホテルの駐車場である。選択目的地は、多様な様式のいずれによってもナビゲーションシステムへ与えることができる。例えば、選択目的地は、目的地まで行きたい乗員がナビゲーションシステムに入力できる。乗員は、車両のオペレータ(即ち、車両作動の1つ又は複数の局面を制御することができる人)又は車両の乗客(即ち、単に車両によって輸送されている人)とすることができる。又は、選択目的地は、人間オペレータ、計算機システムまたは車両から離れた場所にあるその他のエンティティ(例えば、予期される乗員又は遠隔施設に居る制御者)によって入力できる。
【0075】
選択目的地は、車両が静止状態から車両が選択目的地に到着するに至るまでの移動または一連の移動を開始する前又はその後の任意の時点でナビゲーションシステムに入力できる。例えば、選択目的地は、車両が静止しているとき、貨物が車両貨物エリアに積み込まれる前又はその後に入力できる。別の例において、選択目的地は、全ての貨物エリアドアが閉鎖され施錠されて、車両が移動し始めた後に与えることができる。選択目的地は、車両の走行時に変わる可能性もある。現在の又は最近与えられた選択目的地が車両の現在位置と持続的に比較するため、データストア(単複)115、ナビゲーションシステム23又は別の場所の適切なロケーションバッファに記憶できる。
【0076】
車両通信インターフェイス16は、車両11と外部センサ、他の車両、他のコンピュータシステム、各種の外部計算及び通信システム及びネットワーク(通信網101、衛星システム、携帯電話/無線通信システムなど)、遠隔エンティティ及び本明細書において説明する能力の1つ又はそれ以上を組み込み本明細書において説明する機能の1つ又はそれ以上を実施するために使用可能な車両外の施設との間の持続的かつ中断のない対話を確立し可能にするように構成できる。
【0077】
車両プロセッサ(単複)110及びモジュール(貨物エリアドア制御モジュール71及びその他のモジュールなど)は、他の計算機システム、端末及び/又は可搬式機器(例えば、携帯電話、短距離車両通信システム、車両テレマティック機器及び車両間通信システムなど)(図示せず)などの1つ又は複数の遠隔コンピュータとの接続を支持するネットワーク環境において(車両通信インターフェイス16を介して)作動できる。車両の中の他の任意の計算機システム又は機器及び車両プロセッサ110(単複)及び/又は車両モジュールと作動上通信する任意の関連端末又は機器は、車両の中に設置された機器、車両内で一緒に移動できる可搬式機器又は車両及び運転データを受信して処理するように構成される車外の機器を含むことができる。したがって、車両11と通信する任意の端末又は機器は、各々、パソコン(例えば、ラップトップ、デスクトップ又はタブレットコンピュータ)、サーバー(例えば、ウェブサーバー、データベースサーバーなど)、及びその他の端末又は機器を含むことができる。
【0078】
通信インターフェイス16は、広域ネットワーク(WAN)、無線遠隔通信網及び/又は他の適切な任意の通信網(例えば通信網101又はこれを含むもの)での通信が可能なインターフェイスを含む。適切な通信網(単複)は、有線通信リンク及び/又は無線通信リンクを含むことができる。通信網(単複)は、上記のネットワーク及び/又は他のタイプのネットワークの任意の組合せを含むことができる。通信網(単複)は、1つ又は複数のルーター、スイッチ、アクセスポイント、無線アクセスポイント及び/又はこれに類似するものを含むことができる。1つ又は複数の構成において、通信網(単複)は、任意の付近の車両の間及び車両11と任意の付近の道路わきの通信ノード及び/又はインフラとの間の通信を可能にするV2X(Vehicle-to-Everything)技術(V2I(Vehicle-to-Infrastructure)及びV2V(Vehicle-to-Vehicle)技術を含む)を含むことができる。
【0079】
WANネットワーク環境において使用される場合、車両プロセッサ(単複)110及び/又は任意の車両モジュールは、ネットワーク(例えばインターネット)などのWAN越しの通信を確立するためのモデム又は他の手段を含む(又はこれに作動上接続される)ことができる。無線遠隔通信網において使用される場合、車両プロセッサ(単複)110及び/又は車両モジュールは、無線ネットワークの1つ又は複数のネットワーク機器(例えばトランシーバ基地局)を介して無線計算機システム(図示せず)と通信するための1つ又は複数のトランシーバ、デジタル信号プロセッサ及び付加的回路及びソフトウェアを含む(又はこれに作動上接続される)ことができる。これらの構成は、様々な外部ソースから絶え間ない情報の流れを受信する(かつ様々な外部ソースへ絶え間ない情報の流れを送信する)様々な様式を与える。通信インターフェイス16は、車両プロセッサ(単複)110及び/又は車両モジュールに組み込むか、又は車両プロセッサ110(単複)及び/車両モジュールから離間して配置されて、車両プロセッサ110(単複)及び/又は車両モジュールに通信上結合できる。
【0080】
1つ又は複数の構成において、通信インターフェイス16は、車両11、1つ又は複数の遠隔地使用者(例えば、セルラー又はその他の通信モードを介して)及び遠隔施設(施設88)及び車外のオペレータ又はその他のエンティティとの間の通信を、通信網101を介して可能にかつ/又は容易にするように構成できる。通信インターフェイス16は、遠隔施設88からの及び/又は使用者による車両の諸局面の遠隔制御を可能にするように構成できる。例えば、貨物エリアドア制御の諸局面は、通信インターフェイス16及び通信網101を介して使用者又は計算機システムによって遠隔的に選択できる。
【0081】
車両11は、各種コントローラ、センサ及びシステムのその他の要素が、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス33(
図1)又はこれと類似するものを使用して相互に通信できるように構成できる。CANバス及び/又はその他の有線又は無線機構を介して、プロセッサ(単複)110は、例えばモジュール、アクチュエータ、センサなどの車両の各種機器へメッセージを送信し、かつ/又は各種機器からメッセージを受信できる。又は、本明細書において説明する要素及び/又はシステムのいずれも、バスを使用することなく相互に直接接続できる。又、本明細書において説明する要素及び/又はシステム間の接続は、別の物理的媒体(有線接続など)を介するか、又は接続は無線接続とすることができる。
【0082】
再び
図1を見ると、遠隔施設88は、通信網101を介して車両11と作動上通信できる。遠隔施設88は、本明細書において説明する貨物エリアドア制御応答及び条件の選択を含めて車両作動の各種局面の遠隔制御など多様な機能のいずれかを実施するように構成できる。例えば、1つ又は複数の構成において、遠隔施設88は、乗客をピックアップし選択目的地(単複)へ輸送するために、「次世代モビリティサービス(MaaS)」車両として車両11の自律作動を制御するように構成された計算機システム(図示せず)を含むことができる。
【0083】
プロセッサ(単複)110、センサシステム28、ナビゲーションシステム23及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、各種車両システム40及び/又はその個別のコンポーネントと通信するために作動上接続できる。例えば、
図1を見ると、プロセッサ(単複)110、センサシステム28及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、移動、速度、操縦、指向、方向及び車両に出発場所から選択目的地まで自律的に運転させるために必要とされる車両11のその他の任意の作動を制御するために、各種車両システム40へ及びこれから情報を送受信するために通信できる。本明細書において使用する場合、“cause”(~させる、~ようにする)は、直接的又は間接的に、ある出来事又は行動が生じるようにさせる、強制する、強要する、命じる、指示する又は可能にするなど又は少なくともこのような出来事又は行動が生じるような状態を起こす行動にあることを意味する。プロセッサ(単複)110及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、これらの車両システム40のいくつか又は全てを制御でき、したがって、部分的に又は完全に自律的とすることができる。
【0084】
プロセッサ(単複)110、センサシステム28、ナビゲーションシステム23及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、車両システム40及び/又はそのコンポーネントの1つ又はそれ以上を制御することによって車両11の操縦及び/又は運転作を制御するために作動可能とすることができる。例えば、自律モードで作動するとき、プロセッサ(単複)110、センサシステム28及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、車両11の方向及び/又は速度を制御できる。プロセッサ(単複)110、センサシステム28及び/又は自律運転モジュール(単複)160は、車両11を加速(例えばエンジンに供給される燃料を増加することによって)、減速(例えばエンジンへの燃料供給を減少することによって及び/又はブレーキを掛けることによって)及び/又は方向変更(例えば、2つの前輪の方向を変換することによって)させることができる。
【0085】
自律運転モジュール(単複)160は、独立して又はナビゲーションシステム23と組み合わせで、走行経路(単複)、車両11の現在の自律運転操縦操作、将来の自律運転操縦及び/又はセンサシステム28が取得したデータ及び/又はその他の適切な供給源からのデータに基づく現在の自律運転送受への修正を判定するように構成できる。「運転操作」とは、車両の移動に影響する1つ又は複数の行動を意味する。運転操作の例は、例えば車両11の加速、減速、ブレーキ、ターン、車両11の側方向への移動、車線の変更、車線への合流、及び/又は逆転を含む。自律運転モジュール(単複)160は、判定された運転操作を実施するように構成できる。自律運転モジュール(単複)160は、直接または間接的に前述の自律運転操作を実施させることができる。自律運転モジュール(単複)160は、様々な車両機能を実行するように及び/又は車両11又はその1つ又は複数のシステム(例えば、車両システム40の1つ又はそれ以上)へデータを送信し、これからデータを受信し、これと対話しかつ/又はこれを制御するように構成できる。
【0086】
車両貨物エリアドアは、貨物を保管しかつ/又はこれを輸送するために使用可能な1つ又は複数の関連する車両貨物エリアへの物理的アクセスを制御する。貨物エリアドア及び関連する制御機構は、様々な条件又は出来事に応答してドアを解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠ためにかつ本明細書において説明するようにその他の作動のため、自律的に(即ち、ドア又は関連する機構の人間による作動又は操作なしに)作動できる。1つ又は複数の構成において、本明細書において説明するように、貨物エリアドアの施錠機構は、「解錠」コマンドに応答してドアが解錠し損ねた場合、ドアを解錠するように、自律的に不活性化又は無能化することもできる。更に、貨物エリアドアの閉鎖機構は、「開放」コマンドに応答してドアが開放し損ねた場合、手動でドアを開放できるようにするために不活性化又は無能化できる。
【0087】
車両貨物エリアドア制御システムは、本明細書において説明する自律貨物エリアドア制御機能のいずれかを実施するために必要とされる本明細書において説明する車両11の任意のプロセッサ、モジュール、アクチュエータ及び/又はその他の要素を含むことができる。貨物エリアドアの自律作動は、本明細書において説明する貨物エリアドア作動(例えば、解錠、開放、閉鎖、施錠、ドア施錠機構の無能化、ドア閉鎖機構の無能化、診断など)の1つ又はそれ以上を実施するための1つ又は複数の制御コマンドを発することによって、実施できる。プロセッサ(単複)110、センサシステム28、ナビゲーションシステム23及び/又は貨物エリア制御モジュール71は、アクチュエータ150及び本明細書において説明するように車両貨物エリアドアを制御するために必要とされるその他の要素の様々なものと通信するために作動上接続できる。
【0088】
所与の条件又は出来事に応答する貨物エリアドアのいずれかの特定の自律作動は、使用者によって選択可能とすることができる。使用者は、自律的に実施される貨物エリアドア制御作動、及び選択された制御作動が実施される条件を選択する人間とすることができる。使用者は、車両オペレータ又は乗客などの現在の乗員とすることができ、車両の人間機械インターフェイス(HMI)、使用者を車両11(又は車両通信インターフェイス16及び通信網101を介して車両11と作動上通信する遠隔車両制御施設88)と接続する携帯電話インターフェイス、又はその他の適切な通信手段を使用して車両エリアドア制御作動及び条件を選択できる。使用者は、又は、車両11から離れた場所に居て前述の方法の1つを使用して車両11と作動上通信する予期される乗員とすることができる。別の構成において、自律的に実施される貨物エリアドア制御作動及び選択された制御作動が実施される条件は、自律的に(例えば、貨物エリアドア制御モジュール71などの車両要素によって)又は遠隔場所に在る計算機システムまたはその他のエンティティによって、様々な状況的、環境的及び/又はその他のファクタに基づいて、判定できる。
【0089】
図3A~4Cは、様々な条件の下で様々な車両貨物エリアドアを制御するための貨物エリアドア制御システムの1つの実施形態の処理を示すフローチャートである。下記の説明において、プロセスの流れは、現在ブロックの条件(単複)が満たされたとき又は現在ブロックにおいて明示する条件の真偽に従って、現在ブロックから次のブロックへ進む。本出願のフローチャートのステップは単一の貨物エリア及び貨物エリアドアに応用されるものとして説明されているが、これらのステップは、車両の複数の貨物エリア及び/又は貨物エリアドアに関して順次又は同時に実施できることが分かるはずである。
【0090】
1つ又は複数の構成において、貨物エリアドアを作動するために貨物エリアドア関連のシステムの自律作動を必要とする前に、使用者(車両オペレータ、遠隔施設のオペレータなど)又は計算機システムは、事前設定された設定又は値のメニューから1つ又は複数の貨物エリア作動制御設定(TSで示す)を選択できる。選択された制御設定(単複)は、発せられる制御コマンド及びコマンドが発せられる条件(即ち、貨物エリア制御コマンド発出の引き金となる事象)を規定できる。したがって、事前設定された貨物エリア作動制御設定値のそれぞれは、制御コマンドが発せられる1つ又は複数の条件に関連付けることができる。例えば、貨物エリア作動制御設定は、1つ又は複数の第1条件と関連付けできる第1事前設定値を持つことができる。貨物エリア作動制御設定は、又は、1つ又は複数の第2条件と関連付けできる第2事前設定値を持つことができる。異なる事前設定貨物エリア作動制御設定値と関連付けられる条件のセットは、条件のセットに共通のいくつかの条件、及び/又は条件のセットの間で異なる(即ち、条件の一方のセットには存在するが他方のセットには存在しない)条件を含むことができる。
【0091】
下記の説明における設定は、例示のために示されており、他の設定の変形のどのようなものでも使用できる。図示する例において、設定は、下記に従って、使用者、オペレータ又は計算機システムが選択できる。
【0092】
TS=1(貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に現在居ると判定される場合、任意の(選択された)貨物エリアドア又は全ての貨物エリアドア(単複)を解錠できる)。
【0093】
TS=2(貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に現在居ると判定される場合、任意の(選択された)貨物エリアドア又は全ての貨物エリアドア(単複)を解錠し開放できる)。
【0094】
TS=3(自律「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンドが設定されてない又は有効ではない状態。この貨物エリア作動制御設定は、現在活性の自律「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンド(TS=1、2、4、5又は6)を不活性化するために、使用者、貨物エリアドア制御モジュール71又はその他の認可されたエンティテによって能動的に選択できる。上記のコマンドが活性ではない場合、貨物エリアドアは、手動で又はその他の従来の様式で、又は遠隔施設のオペレータによって、作動できる。但し、TS=3条件の実現は、それでも1つ又は複数の自律「閉鎖と施錠」制御コマンド(即ち、TS=7及び/又はTS=8又はTS=9)を許可できる。)
【0095】
TS=4(貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に現在居ると判定される場合、貨物が検出される貨物エリアのための貨物エリアドアを解錠し開放できる)。
【0096】
TS=5(貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に現在居りかつ選択目的地に到着した以降に乗員コンパートメントドアが開放されたと判定される場合、貨物が検出される貨物エリアのための貨物エリアドアを解錠し開放できる)。
【0097】
TS=6(貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に現在居りかつ選択目的地に到着した後乗員が乗員コンパートメントから出たことが検出される場合、貨物が検出される貨物エリアのための貨物エリアドアを解錠し開放できる)。
【0098】
TS=7(貨物エリアドア制御モジュール71は、選択目的地に到着した後乗員が車両の乗員コンパートメントから出ており、かつ乗員コンパートメントを出た乗員が車両から少なくとも事前設定された距離まで移動したとき、貨物が検出される任意の貨物エリアのための貨物エリアドアが開放されている場合、貨物エリアドアを閉鎖し施錠できる)。この自律制御コマンドは、前の乗員が車両から出た後に取り忘れた貨物を保護するのに役立つ。
【0099】
TS=8(貨物エリアドア制御モジュール71は、乗員が車両の乗員コンパートメントから出ており、かつ乗員が車両の乗員コンパートメントから出た後に事前設定された時間が経過したとき、貨物が検出される貨物エリアのための貨物エリアドアが開放されている場合、貨物エリアドアを閉鎖し施錠できる)。この自律制御コマンドは、前の乗員が車両から出た後に取り忘れた貨物を保護するのに役立つ。
【0100】
TS=9(自律「閉鎖と施錠」制御コマンドが選択または設定されない状態。この貨物エリア作動制御設定は、現在活性の任意の自律「閉鎖と施錠」制御コマンド(TS=7及び/又は8など)を不活性化するために使用者、計算機システムまたはその他の認可エンティティによって能動的に選択できる。上記のようなコマンドが活性ではないとき、貨物エリアドアは手動で又は従来のように作動できる)。但し、TS=9条件は、1つ又は複数の自律「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンド(即ちTS=1~6)を活性化できる。
【0101】
TS=10(貨物エリアドアは、遠隔エンティティからの直接コマンドに応答して作動(即ち、解錠、開放、閉鎖及び/又は施錠)できる。本明細書において示す特定の例において、車両に移動を開始させる命令の発出又は受信に応答して、貨物エリアドア制御モジュール71は、全ての貨物エリアドアが閉鎖しているか否かを判定できる。少なくとも1つの貨物エリアドアが閉鎖していない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、少なくとも1つの貨物エリアドアが閉鎖していないというメッセージを遠隔エンティティ(例えば、遠隔使用者、オペレータ又は計算機システム)へ発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後、少なくとも1つの貨物エリアドアが閉鎖していないという遠隔エンティティへのメッセージに応答して、少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するための直接コマンドを受信できる(例えば、少なくとも1つの通信インターフェイス16から)。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後、少なくとも1つの貨物エリアドアを閉鎖するためのコマンドの受信に応答して、任意の開放されている貨物エリアドアを閉鎖するためのコマンド(単複)を1つ又は複数のアクチュエータへ発することができる。この制御コマンドの選択肢の下で、同じステップシーケンスが、貨物エリアドアが閉鎖された後にこれを施錠するために反復できる。付加的な制御コマンドの選択肢(例えば、TS=11)を、遠隔エンティティからの直接コマンドに応答して同様に貨物エリアドアの解錠及び開放を可能にするために与えることができる。
【0102】
所与の車両は、前述の「解錠」、「解錠と開放」及び/又は「閉鎖と施錠」設定の1つ、又は設定の複数を実現できるように構成できる。例えば、第1の車両は、設定TS=1のみを選択し実現できるように構成でき、第2の別の車両は、TS=2及びTS=4のいずれも選択し実現できるように構成できる。車両がTS=1、2、4、5及び6のいずれかを選択し実現できるように構成される場合、車両は、設定1、2、4、5及び6の全てを不活性化する設定TS=3の選択及び実現を可能にするようにも構成できる。同様に、車両が設定7、8及び10のいずれかを選択し実現できるように構成される場合、車両は、設定TS=7、8及び10の全てを不活性化する設定TS=9を選択し実現できるようにも構成できる。
【0103】
貨物エリアドア制御モジュール71は、使用者又は計算機システムによる入力又は選択なしに、車両を移動させる車両に対するコマンドの発出に応答して、貨物エリアドアが開放されているか否かを判定するようにも構成できる。その後、開放されている貨物エリアドアに関連する貨物エリアの中に貨物が存在するか否かに関係なくかつ貨物エリアドアが開放されているという判定に応答して、貨物エリアドア制御モジュール71は、開放されている貨物エリアドアを閉鎖し施錠するための1つ又は複数の制御コマンドを発することができる。これによって、使用者が貨物エリアに貨物を入れた後に又は貨物エリアから貨物を取り出した後にドアを閉鎖し損ねた場合に、車両の移動前に開放された貨物エリアドアが閉鎖されるようにするのに役立つ。
【0104】
貨物エリアドア制御モジュール71は、設定TS=1、2、3、4、5、及び6が閉鎖又は閉鎖と施錠状態からの貨物エリアドアの解錠(又は解錠と開放)に関するのに対して、エリア作動制御設定TS=7~10は開放状態からの貨物エリアドアの閉鎖と施錠に関するものなので、貨物エリア作動制御設定TS=7,8、9又は10のどれと組み合わせても、貨物エリア作動制御設定TS=1、2、3、4、5又は6のいずれかに設定できることが分かる。又、貨物エリアドア制御モジュール71は、貨物エリア作動制御設定TS=7及びTS=8のいずれか又は両方に設定するか又はいずれに設定しなくてもよい。又、貨物エリアドア制御モジュール71は、制御設定TS=1、2、4、5又は6のいずれかに設定できる(又はいずれにも設定しなくてもよい)。更に、解錠/開放制御設定TS=1、2、3、4、5又は6の選択は、使用者、計算機システムまたは使用者と計算機システムの組合せによって行えるのに対して、閉鎖/施錠制御設定TS=7及び/又はTS=8、TS=9又はTS=10の選択は、使用者、計算機システム又は使用者と計算機システムの組合せの別の1つによって行える。
【0105】
図3A~3Cは、合わせて、車両が選択目的地に到着した後に車両貨物エリアドアの解錠と開放を制御するための作動の自律実施を示すフローチャートである。貨物エリアドアは、貨物エリアの中の貨物の有無に関係なく貨物エリアドアを解錠及び/又は開放するために自律的に作動できる。
【0106】
図3Aを参照すると、車両制御のこの局面の実施は、車両が乗員及び貨物を輸送した後に停車したときに(ブロック516において)始まる。車両プロセッサ(単複)110及び/又はナビゲーションシステム23は、その後(ブロック519において)、車両が選択目的地に現在居るか否かを判定できる(例えば、車両が停車したとき終了したばかりのトリップ前に場所バッファに現在記憶されている選択目的地に現在居るか否かを判定することによって)。車両が選択目的地に現在居ない場合、制御は、現在車両が選択目的地に在るまでブロック519へループバックできる。
【0107】
車両が、選択目的地に現在居る場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック526において)車両11が静止しているか否かを判定できる。車両11が静止していない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が静止するまで、この条件を引き続きテストできる。車両11が静止していると判定される場合、制御は、ブロック528(
図3B)へ移行し、ここで、貨物エリアドア制御モジュール71は、どの貨物エリア作動制御設定TSが有効であるかを判定し始め、その後、有効な貨物エリア作動制御設定TSに従って車両を作動する。
【0108】
特定の実施形態において、貨物エリアドア制御モジュール71は、車両が選択目的地に居る場合、任意の選択貨物エリアドア(単複)又は全ての貨物エリアドアを解錠し開放するために、制御設定TS=2を自動的に実現するように構成できる。別の特定の実施形態において、貨物エリアドア制御モジュール71は、目的地が選択されたら直ちに、任意の選択された貨物エリアドア(単複)又は全てのエリアドアを解錠し開放するために制御設定TS=2を自動的に実現するように構成できる。
【0109】
図3Bを見ると、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック528において)貨物エリア作動制御設定TSが1に等しいが否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定TS=1である場合、貨物エリアドアを解錠するための条件(即ち、車両が選択目的地に到着)は満たされている。したがって、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図3Cのブロック621において)貨物エリアドアを解錠(但し開放はしない)するために制御コマンドを発することができる。「ドアの解錠」コマンドは、前に説明したように貨物エリアドアを解錠する作動可能な
解錠機構へ送信できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図3Cのブロック623において)貨物エリアドアが「ドアの解錠」コマンドに応答して解錠されたか否かを確認するためにチェックできる。貨物エリアドアが解錠されている場合、制御はブロック624へ移行し、ここで、貨物エリアドア制御モジュール71は、車両の移動を防止するために車両の作動を制御できる。制御は605(
図3C)へ移行し、ここで、貨物エリアドアが解錠されてドアを手動で開放できることを乗員に知らせるメッセージを発することができる。ブロック605の実行後、制御はブロック650(終了)へ進むことができる。
【0110】
但し、貨物エリアドアが解錠されていない場合、ブロック623へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図3Cのブロック625において)貨物エリアドアが解錠されていないことを示す警告メッセージを発することができる。警告メッセージは、貨物エリアドアが解錠コマンドに応答して解錠し損ねたことを使用者(単複)、遠隔車両制御システム及び/又は他のエンティティに知らせるために、乗員(例えば、HMIを介して)へ送信されることができ、かつ/又は前述のように遠隔サイト(通信インターフェイス16を介して)又はその他のエンティティへ送信できる。
【0111】
ブロック625において警告メッセージを発した後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図3Cのブロック627において)、貨物エリアドア施錠機構を無能化してドアを手動で開放できるようにするために施錠無能化機構を作動できる。これによって、乗員がドアを開放する準備ができるまでドアを閉鎖したままにでき、窃盗の可能性からの保護として貨物を隠せる。貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック629において)貨物エリアドア解錠機構がなぜ「解錠」コマンドに応答して解錠しなかったのかを判定するための診断の実施を開始できる。1つ又は複数の構成において、ブロック625及び629は、同時に実行できる。診断実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック631において)なぜ貨物エリアドアが解錠されないか(理由が診断によって判定された場合)に関する警告メッセージを乗員へ発することができる。
【0112】
貨物エリア作動制御設定がTS=1ではない場合、ブロック528(
図3B)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック540において)貨物エリア作動制御設定がTS=2であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=2である場合、貨物エリアドア(単複)を解錠し開放するための条件(即ち、車両が選択目的地に到着)が満たされている。制御はブロック607(
図3C)へ進むことができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後、(ブロック607において)、(例えばセンサデータを使用して)車両に現在雨又は雪が降っているか否かを判定できる。車両に雨又は雪が降っていると判定される場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、前述のように、貨物エリアドアを解錠する(但し開放しない)ためにブロック621~631の一連のコマンドを実行できる。これによって、乗員が準備ができたとき手動でドアを開放できるようにして、貨物を悪天候から保護する。
【0113】
車両に雨又は雪が降っていない場合、ブロック607に戻って、貨物エリアドア制御ジュール71は、(ブロック609において)、貨物エリアドアを解錠し開放するための1つ又は複数のコマンドを発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック611において)貨物エリアドアが実際に開放されていることを確認するためにチェックできる。貨物エリアドアが開放されている場合、制御は、ブロック612へ移行し、ここで、貨物エリアドア制御モジュール71は、車両の移動を防止するために車両の作動を制御できる。制御は、ブロック650(終了)へ移行する。但し、貨物エリアドアが開放されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック613において)、前述のように貨物エリアドアが開放されていないことを示す警告メッセージを発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック615において)、貨物エリアドア施錠及び/又は閉鎖機構を無能化してドアを手動で開放できるようにするために施錠及び/又は閉鎖無能化機構(単複)を作動できる。
【0114】
貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック617において)、なぜ貨物エリアドア解錠機構が「解錠」コマンドに応答して貨物エリアドアを解錠しなかったかを判定するため(ドアの解錠をし損ねた場合)及び/又はなぜ貨物エリアドア開放機構が「開放」コマンドに応答して貨物エリアドアを開放しなかったか(ドアの開放をし損ねた場合)を判定するために診断の実施を開始できる。1つ又は複数の構成において、ブロック613及び617は、同時に実行できる。診断の実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック619において)、なぜ貨物エリアドアが解錠及び/又は開放されなかったかに関する1つ又は複数の警告メッセージを乗員へ発することができる(診断によって理由が判定された場合)。
【0115】
貨物エリア作動制御設定がTS=2ではない場合、ブロック540(
図3B)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック541において)貨物エリア作動制御設定がTS=3か否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=3である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック542において)全ての自律「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンド(TS=1、2、4、5及び/又は6)を不活性化できる。したがって、以前に選択された又は現在活性の自律「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンド(即ち、設定TS=1、2、4、5又は6と関連付けられるコマンド)はもはや実行されず、貨物エリアドアは、新たな「解錠」又は「解錠と「開放」制御コマンド設定(即ち、TS=1、2、4、5又は6)が選択されるまで、手動で又はその他の従来の様式で作動できる。TS=3は、システムリブート又は同様の出来事の場合又は使用者又は計算機システムが別の選択をし損なう場合、「解錠」又は「解錠と開放」制御コマンド設定のデフォルト値とすることができる。このようなシステムリセットの後、自律貨物エリア作動制御設定の能動的な選択が要求される場合がある。ブロック542の実行後、制御は、ドアが手動で解錠できることを乗員又はその他のエンティティ(例えば、遠隔エンティティ)に知らせるためのメッセージを発するために、ブロック603(
図3C)ヘ進むことができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図3Cのブロック605において)貨物エリアドアが手動で開放できることを乗員又はその他のエンティティ(例えば、遠隔施設のオペレータ又は計算機システム)に知らせるためのメッセージを発することができる。
【0116】
貨物エリア作動制御制御設定がTS=3ではない場合、ブロック541(
図3B)へ戻り、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック544において)貨物が車両貨物エリアのいずれかにおいて検出されたか否かを判定できる。車両貨物エリアのどれにおいても貨物が検出されない場合、制御設定TS=4、5又は6のいずれにおいても貨物エリアドアを開放する必要はない。この場合、制御は、ブロック650(
図3C、「終了」)へ進むことができる。但し、車両貨物エリアのいずれかで貨物が検出される場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図3Bのブロック546において)貨物が貨物エリアに在るという警告メッセージを発することができる。警告メッセージは、貨物が検出された貨物エリア(単複)を指示できる。制御は、その後ブロック560(
図3B)へ進むことができる。
【0117】
貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック560において)貨物エリア作動制御設定がTS=4であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=4である場合、貨物エリアドア(単複)を解錠し開放するための条件(即ち、貨物エリアの中の貨物の存在及び選択目的地への車両の到着)が満たされている。制御はブロック607へ進むことができ、ここで、貨物エリアドア制御モジュール71は、貨物が検出されたエリア(単複)について前述のように貨物エリアドア(単複)を解錠し開放しようとする。
【0118】
貨物エリア作動制御設定がTS=4ではない場合、ブロック560(
図3B)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック562において)貨物エリア作動制御設定がTS=5であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=5である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、選択目的地への到着後、乗員コンパートメントドアの開放(乗員が出られるようにするため)が検出されるまで待機できる。(ブロック564において)乗員コンパートメントドアが開放されたと判定された場合、TS=5の下で貨物エリアドア(単複)を解錠し開放するための条件が生じている(即ち、貨物エリアの中の貨物の存在、選択目的地への車両の到着及び乗員コンパートメントドアの開放)。制御は、次に前述のブロック607(
図3C)へ移行し、ここから、制御は、現在車両に雪又は雨が降っているか否かに基づいて進む。
【0119】
貨物エリア作動制御設定がTS=5ではない場合、ブロック562(
図3B)へ戻り、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック566において)貨物エリア作動制御設定がTS=6であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=6である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック568において)、乗員が車両を出たことが検出されるまで待機できる。乗員が車両を出たと判定される場合、TS=6に基づき貨物エリアドア(単複)を解錠し開放するための条件(即ち、貨物エリアの中の貨物の存在、選択目的地への車両の到着及び車両から出た乗員の検出)が生じたことになる。制御は、その後前述のブロック607へ移行し、ここから、制御は、現在車両に雪または雨が降っているか否かに基づいて進む。
【0120】
但し、貨物エリア作動制御設定がTS=1、2、3、4、5又は6ではない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、選択目的地への到着後自動的に貨物エリアドアを開放するための制御設定がどれも選択されなかった(又は有効ではない)と想定できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図3Cのブロック603において)手動でドアを解錠できることを乗員に知らせるためのメッセージを発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図3Cのブロック605において)、手動でドアを開放できることを乗員に知らせるためのメッセージを発することができる。
【0121】
図4A~4Cは、合わせて、乗員が車両を出た後に乗員が車両貨物エリアに貨物を忘れたり残したりするのを防止する助けとなるための作動の自律実施を示すフローチャートである。
図4A~4Cに示すブロック又はステップは、
図3A~3Cに関して説明したブロック又はステップの後に行われる。
【0122】
図4Aを見ると、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック703において)車両が選択目的地で現在停車しているか否かを判定できる。車両が選択目的地で現在停車していない場合、制御はブロック760(
図4C)ヘ進む。車両が選択目的に現在停車している場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック705において)貨物を収容する貨物エリアに関連する貨物エリアドアが選択目的地到着以降に解錠された又は解錠され開放されたか否かを判定できる。貨物を収容する貨物エリアに関連する貨物エリアドアが解錠されていない又は解錠して開放されていない場合、制御はブロック760(
図4C)へ進むことができる。
【0123】
但し、貨物を収容する貨物エリアに関連する貨物エリアドアが選択目的地への到着以降に解錠された又は解錠され開放された場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック707において)貨物エリア作動制御設定がTS=7であるか否かを判定できる。貨物エリア作動性後御設定がTS=7である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図4Aのブロック709において)、乗員が車両を出るのが検出されるまで待機できる。乗員が車両から出たと判定される場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図4Aのブロック711において)センサシステム28に設置された適切なセンサを使用して車両から出た乗員が車両から少なくとも事前設定された距離まで移動したか否かを判定できる。車両から出た乗員が車両から少なくとも事前設定された距離まで移動しない場合、制御は、車両から出た乗員が車両から少なくとも事前設定された距離まで移動するまでブロック711へ持続的にループバックできる。
【0124】
車両から出た乗員が車両から少なくとも事前設定された距離まで移動した場合、車両エリアドア制御モジュール71は、(
図4Bのブロック719において)、いずれかの車両貨物エリアの中に貨物があるか否かを判定できる。いずれかの車両貨物エリアの中に貨物がある場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図4Bのブロック721において)、貨物エリアの中に貨物があることを車両から出た人(及び/又は車両の乗員)に知らせるための可聴及び/又は可視警告を発することができる。これは、車両から出たが貨物エリアから自分の貨物を取り忘れた人への注意喚起として役立つ。例えば、警告は、事前に設定された様式でテイルランプを点滅する又は車両のホーンを鳴らすなどを含むことができる。どの車両貨物エリアの中でも貨物が検出されない場合、ブロック719へ戻って、制御は
図4Cのブロック733へ進むことができる(下で説明する)。
【0125】
貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図4Bのブロック723において)ブロック721における警告の開始後事前設定された時間待機できる。これは、貨物エリアから貨物を引き出す機会を乗員に与えることができる。事前設定された時間が経過した後、貨物エリアドア制御モジュール11は、(
図4Bのブロック725において)、貨物がまだ貨物エリアにあるか否かを判定できる(即ち、システムは、貨物が警告後貨物エリアから取り出されたか否かを判定できる)。貨物がまだ貨物エリアにおいて検出される場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック727において)車両が使用されない期間貨物を検査し保管するために車両を安全な場所まで運転すべきであることを示すフラッグをセットできる。例えば、車両は、自律的に安全な場所まで運行するか、又は人間オペレータは、機会が生じたら車両を安全な場所まで(手動で又は半自律で)運転できる。
【0126】
貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図4Bのブロック729において)、前の乗員に又は別のエンティティに属する任意の可搬式機器及び/又は車両から出た乗員によって車両に貨物が残された場合これを通知すべきエンティティの事前設定されたリストに記載される他の任意のエンティティに警告を発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(
図4Bのブロック731において)可聴/可視警告の発出を中断できる。
【0127】
図4Cを見ると、
図4Bのブロック725において(及び
図4Bのブロック731後にも)貨物エリアにおいて貨物が検出されない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(
図4Cのブロック733において)貨物エリアドアを閉鎖し施錠するための1つ又は複数のコマンドを発することができる。貨物エリアドアの自動的な閉鎖及び施錠は、貨物エリアドアが車両の移動中偶発的に開放しないようにする。貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック735において)貨物エリアドアを閉鎖し施錠するためのコマンドに応答して車両貨物エリアドアが閉鎖されているか否かを判定できる。貨物エリアドアが閉鎖されていない場合、システムは、(ブロック747において)貨物エリアドアが閉鎖されていないことを示す前述の警告メッセージを発して、乗員及び/又はその他のエンティティが適切な措置を講じられる(例えば、車両を移動するのを控えかつ/又はドアを閉鎖するための措置を講じる)ようにできる。システムは、その後(ブロック749において)、なぜ貨物エリアが閉鎖しなかったかを判定するための診断の実施を開始できる。診断実施後、システムは、(ブロック751において)、貨物エリアがなぜ閉鎖されていないか(診断によって理由が判定された場合)に関する警告メッセージを乗員及び/又はその他のエンティティ(サービスプロバイダなど)へ発することができる。ブロック747及び749は、同時に又は図示するように順次実行できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後、貨物エリアドアがまだ開放されたままか否かを判定するためにブロック735へ戻ることができる。
【0128】
貨物エリアドアが閉鎖されている場合、ブロック735(
図4C)へ戻り、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック737において)貨物エリアドアが施錠されているか否かを判定できる。貨物エリアが施錠されていない場合、システムは、(ブロック741において)、前述のように貨物エリアドアが施錠されていないことを示す警告メッセージを乗員及び/又は他のエンティティへ発して、乗員、前の乗員又は他のエンティティが適切な措置を講じられる(例えば、車両を移動することを控える及び/又はドアを施錠するための措置を講じる)ようにできる。システムは、その後(ブロック743において)、なぜ貨物エリアドアが施錠されなかったかを判定するための診断の実施を開始できる。ブロック741及び743は、同時に又は図示するように順次実行できる。診断の実施後、システムは、(ブロック745において)なぜ貨物エリアが施錠されていないか(診断によって理由が判定された場合)に関する警告メッセージを乗員及び/又はその他のエンティティへ発することができる。貨物エリア制御モジュール71は、その後、貨物エリアドアが解錠されたままであるか否かを判定するためにブロック737へ戻ることができる。ブロック735及び737へ戻ることによって、貨物エリアドア制御モジュール71は、前述のように、いつ貨物エリアドアが閉鎖され(ブロック735)施錠され(ブロック737)たかを判定する。これらの条件が満たされたら、制御はブロック739へ進む。
【0129】
貨物エリアドアが閉鎖され、施錠されている場合、ブロック737(
図4C)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック739において)車両の移動を開始できるようにするために車両の作動を制御できる。
【0130】
車両貨物エリアの中で貨物が検出されない場合ブロック725(
図4B)へ戻って、前述のように、制御はブロック733(
図4C)へ移行する(そして、ここから進む)ことができる。
【0131】
車両貨物エリアの中で貨物が検出されない場合、ブロック719(
図4B)へ戻って、前述のように、制御はブロック733(
図4C)へ移行する(そして、ここから進む)ことができる。
【0132】
貨物エリア作動制御設定がTS=7ではない場合、ブロック707(
図4A)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック713において)貨物エリア作動制御設定がTS=8であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=8である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック715において)乗員が車両から出るのが検出されるまで待機できる。乗員が車両から出たと判定されたら、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック717において)乗員が車両から出た後に事前設定された時間又は待機時間が経過したか否かを判定できる。事前設定された時間が経過した後に、制御は、前述のようにブロック719(
図4B)へ移行する(そして、ここから進む)ことができる。
【0133】
貨物エリア作動制御設定がTS=8ではない場合ブロック713(
図4A)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック702において)貨物エリア作業性後設定がTS=10であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=10である場合、
図6を見ると、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック910において)車両の移動を開始させる命令が発せられるのを待機できる。この命令が発せられたら、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック912において)全てのドアが閉鎖されているか否かを判定できる。貨物エリアドアの全ては閉鎖されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック914において)、車両の移動を防止するために車両の作動を制御できる。同時に、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック916において)少なくとも1つの貨物エリアドアが閉鎖されていないという1つ又は複数のメッセージを遠隔エンティティ(例えば、遠隔施設に居る人間オペレータ)へ発することができる。
【0134】
ブロック916においてメッセージを発した後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック918において)開放されている貨物エリアドア(単複)を閉鎖するための遠隔エンティティからのコマンドの受信を待機できる。開放されている貨物エリアドア(単複)を閉鎖するための遠隔エンティティからのコマンドの受信後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック919において)関連する開放されている貨物エリアドア(単複)を閉鎖するための1つ又は複数のコマンドをアクチュエータ(単複)へ発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック920において)、全てのエリアドアが閉鎖されているか否かを判定できる。全てのエリアドアは閉鎖されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック939において)前述のように少なくとも1つの貨物エリアドアが閉鎖されていないことを示す1つ又は複数の警告メッセージを発して、乗員又はその他のエンティティが適切な措置を講じられる(例えば、ドア(単複)を閉鎖するための措置を講じる)ようにできる。貨物エリアドア制御モジュール71は、又、(ブロック940において)、なぜ1つ又は複数の貨物エリアドアが閉鎖されていないかを判定するための診断の実施を開始できる。診断の実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック942において)、開放されていた貨物エリアドア(単複)がなぜ閉鎖されていないか(診断によって理由(単複)が判定された場合)に関する警告メッセージを発することができる。ブロック939及び940~942は同時に又は図示するように順次実行できる。
【0135】
ブロック912において全ての貨物エリアドアが閉鎖されていると判定される場合、ブロック912へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック922において)全ての貨物エリアドアが施錠されているか否かを判定できる。貨物エリアドアの全ては施錠されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック924において)車両の移動を防止するために車両の作動を制御できる。同時に、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック926において)少なくとも1つの貨物エリアドアが施錠されていないという1つ又は複数のメッセージを遠隔エンティティ(例えば、遠隔施設に居る人間オペレータ)へ発することができる。
【0136】
ブロック926においてメッセージを発した後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック928において)、任意の解錠されている貨物エリアドア(単複)を施錠するための遠隔エンティティからのコマンドの受信を待機できる。任意の解錠されている貨物エリアドア(単複)を施錠するためのコマンドの遠隔エンティティからの受信後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック929において)関連する任意の解錠されている貨物エリアドア(単複)を施錠するための1つ又は複数のコマンドをアクチュエータ(単複)へ発することができる。貨物エアドア制御モジュール71は、その後(ブロック930において)、全ての貨物エリアドアが施錠されているか否かを判定できる。全ての貨物エリアドアが施錠されている場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック938において)車両が移動できるようにするために車両の作動を制御できる。但し、貨物エリアドアの全ては施錠されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック931において)、前述のように少なくとも1つの貨物エリアドアが施錠されていないことを示す1つ又は複数の警告メッセージを発して、乗員又は他のエンティティが適切な措置を講じられるようにする(例えば、ドア(単複)を施錠するための処置を講じる)ことができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、又(ブロック932において)なぜ1つ又は複数の貨物エリアドアが施錠されていないかを判定するための診断の実施を開始できる。診断の実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック934において)なぜ開放されている貨物エリアドア(単複)が施錠されていないか(診断によって理由(単複)が判定された場合)に関する警告メッセージを発することができる。ブロック931及び932~934は、同時に又は図示するように順次実行できる。
【0137】
1つ又は複数の例において、貨物エリアドア制御モジュール71は、遠隔エンティティから受信したコマンド又は信号が実行のためにアクチュエータへ直接送信するために適切ではない場合(例えば、コマンドがアクチュエータによって実行されるためにはリフォーマットしなければならない又は形式を変更しなければならない場合)、関連する貨物エリアドアを閉鎖しかつ/又は施錠するために該当するアクチュエータへ別個のコマンドを発するように構成できる。
【0138】
1つ又は複数の別の構成において、遠隔エンティティから受信した「閉鎖」及び/又は「施錠」コマンドに応答して該当のアクチュエータへ適切な「閉鎖」及び/又は「施錠」コマンドを発する代わりに、貨物エリアドア制御モジュール71は、貨物エリアドアの関連するエリアドアを閉鎖し施錠するために、遠隔エンティティから(通信インターフェイス16を介して)受信した「閉鎖」及び/又は「施錠」コマンドを該当のアクチュエータへ伝えるように構成できる。この場合、コマンド(単複)は、例えばアクチュエータが遠隔エンティティから直接送信されたコマンドを受信してかつ/又は実施するように構成されない場合、単に貨物エリアドア制御モジュール71を通過してアクチュエータへ送信される。この場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、「通り抜け」装置として機能できる。
【0139】
貨物エリア作動制御設定がYS=10ではない場合、ブロック702(
図4A)へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック714において)貨物エリア作動制御設定がTS=9であるか否かを判定できる。貨物エリア作動制御設定がTS=9である場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック716において)全ての自律「閉鎖と施錠」制御コマンド(即ちTS=7、8又は10)を不活性化できる。したがって、以前選択された又は現在活性の自律「閉鎖と施錠」制御コマンドは、もはや実行されず、貨物エリアドアは、新しい「閉鎖と施錠」制御コマンド設定(TS=7、8又は10)が選択されるまで手動で又はその他の従来の様式で作動できる。TS=9は、システムリブート又は同様の出来事の場合、又は使用者又は計算機システムが別の選択を行い損ねた場合、「閉鎖と施錠」制御コマンドのデフォルト値となることもできる。このようなシステムリセット後、自律貨物エリア作動制御設定の能動的な選択が要求される場合がある。ブロック716の実行後、制御は、貨物エリアドア(単複)を手動で閉鎖しなければならないことを知らせるためのメッセージを乗員又は他のエンティティ(遠隔施設のオペレータ又は計算機システムなど)へ発するためにブロック718へ進むことができる。
【0140】
図5は、いずれかの車両貨物エリアドアが現在開放されているか又は閉鎖され解錠されているか否かを判定するため、及び車両の移動前に開放されているドアを閉鎖し施錠するための、作動の自律実施を示すフローチャートである。これらの行動は、静止する車両の移動を開始させる命令(例えば、車両を移動するためにエンジンの中へ燃料を噴射するためにアクセルペダルを操作するための、使用者による車両のアクセルペダルへの加圧又は遠隔的に(遠隔施設88などにおいて)発せられるコマンド)の発出又は受信に応答して実施される。車両の移動を開始させる命令は、自律運転モジュール160から発する場合もある。車両の移動が開始されるこのような状況は、例えば、目的地に到着し貨物エリアから貨物が取り出された後に、但し車両が現在場所から離れて別の目的地へ向かう前に、生じる可能性がある。このような状況は、又、例えば、車両が駐車場又はガレージに駐車していてこれから駐車エリアから離れようとするときにも生じる可能性がある。このような場合、移動前に貨物エリアドアが閉鎖され施錠されることが好ましい。
図5に示す作動の実施は、車両を移動する前に車両貨物エリアが閉鎖され施錠されるようにするためのものである。更に、
図5に示すブロック又はステップは、車両貨物エリアドアのいずれか又は全てに対して実行できる。これらのブロック又はステップは、開放又は解錠されていると判定される単一の貨物エリアドアに対して又は開放又は解錠された複数の(又は全ての)貨物エリアドアに対して同時に実行できる。1つ又は複数の構成において、
図5に示すブロック又はステップは、
図5において説明するようにドアの「開放」又は「閉鎖」状態に基づいて貨物エリアドアの作動を自律的に制御するように構成された制御選択肢の使用者による選択(例えば、メニュから)に応答して実施できる。
【0141】
図5を見ると、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック802において)車両を移動させることができるコマンド(単複)又は命令(単複)を受信できる。命令(単複)は、貨物エリアドア制御モジュール71並びに車内の他のシステムまたはモジュールへ中継できる。車両の移動を生じる(又は生じることができる)コマンドを発することができる車両モジュール又はシステムは、このような信号のコピーを貨物エリアドア制御モジュール71へ送信するように構成できる。又は車両の任意の部分によって受信されて車両の移動を生じることができる命令も、貨物エリアドア制御モジュール71へ中継できる。更に、貨物エリアドア制御モジュール71は、車両外から発せられるコマンドを通信インターフェイス16を介して受信するように構成できる。
【0142】
車両を移動させることができるコマンドを受信した後、貨物エリアドア制御モジュール71は、次に(
図5のブロック804において)、車両貨物エリアドアの全てが現在閉鎖されているか否かを判定できる。貨物エリアドアは、例えば、現在場所に到着した後に関連する貨物エリアから貨物が最近取り出された場合、開放されている可能性がある。
【0143】
貨物エリアドアの1つ又はそれ以上が閉鎖されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック806において)開放されている貨物エリアドアを閉鎖するための1つ又は複数のコマンドを発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック808において)、貨物エリアドアを閉鎖するためのコマンドに応答して車両貨物エリアドアが閉鎖されているか否かを判定できる。貨物エリアドアの全てが閉鎖されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック810において)貨物エリアドアの全ては閉鎖されていないことを示す1つ又は複数の警告メッセージを前述のように発して、乗員又はその他のエンティティが適切な措置を講じられる(例えば、ドア(単複)を閉鎖するための措置を講じる)ようにできる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック812において)、なぜ1つ又は複数の貨物エリアドアが閉鎖されていないかを判定するための診断の実施を開始できる。診断の実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック814において)開放されている貨物エリアドア(単複)がなぜ閉鎖されていないか(診断によって理由(単複)が判定された場合)に関する警告メッセージを発することができる。ブロック810及び812~814は同時に又は図示するように順次実行できる。
【0144】
ブロック804へ戻って、貨物エリアドアの全てが閉鎖されていない場合に任意の開放されている貨物エリアドア(単複)を閉鎖するためのコマンド(単複)を発するのと同時に、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック816において)開放されている貨物エリアドア(単複)が閉鎖されて施錠されるまで車両の移動を防止するために車両の作動を自律的に制御できる。貨物エリアドア制御モジュール71は、「車両を移動」コマンド(単複)の実行を防止するために他の車両要素又はモジュールと相互作用するように構成できる。例えば、貨物エリアドア制御モジュール71は、ガスペダルに対する圧力又は遠隔施設88によって発せられたコマンドに応答してエンジンへ燃料が供給されるのを禁止または防止するために車両の作動を制御するように構成できる。1つ又は複数の構成において、必要な制御は、貨物エリアドア制御モジュール71が、車両の移動を開始させる命令に応答するタスクを課される車両の要素(例えば、スロットル又は推進システム)を制御する制御モジュール(単複)及び/又はシステム(単複)へ禁止信号を発することによって、行使できる。このような禁止コマンドは、貨物エリアドアが閉鎖され施錠されるまで、通常であれば車両を移動させる他の制御モジュール(単複)及び/又はシステム(単複)による応答を防止するように作用する。貨物エリアドア制御モジュール71は、又(又はその代わりに)例えば、ブレーキを掛けるためのブレーキシステム42へのコマンド又はトランスミッションを「パーク」へシフトするためのトランスミッションシステム45へのコマンドを発することによって、車両の移動を防止するために車両の作動を能動的に制御するように構成できる。
【0145】
貨物エリアドアの全ては「ドア(単複)を閉鎖」コマンド(単複)に応答して閉鎖された場合、ブロック808へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック818において)貨物エリアドアを施錠するためのコマンドを発することができる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック820において)、「ドアを施錠」コマンドに応答して全ての貨物エリアドアが施錠されているか否かを判定できる。貨物エリアドアが施錠されていない場合、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック822において)前述のように、貨物エリアドアの全ては施錠されていないことを示す1つ又は複数の警告メッセージを発して、乗員、前の乗員又は他のエンティティが適切な措置を講じられる(例えば、ドア(単複)を施錠するための措置を講じる)ようにできる。貨物エリアドア制御モジュール71は、その後(ブロック824において)、なぜ貨物エリアドア(単複)が施錠されていないかを判定するための施錠診断の実施を開始できる。診断の実施後、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック826において)、なぜ貨物エリアドア(単複)が施錠されていないか(診断によって理由(単複)が判定された場合)に関する1つ又は複数の警告メッセージを発することができる。ブロック822及び824~826は同時に又は図示するように順次実行できる。
【0146】
貨物エリアドアが施錠されていると判定される場合、ブロック820へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック830において)車両を移動させることができる命令(単複)に応答して車両を移動できるようにするために車両の作動を自律的に制御できる。これは、例えば、貨物エリアドア制御モジュール71が、貨物エリアドア制御モジュール71によって以前発せられた「車両移動を停止」コマンドを撤回、中断又は破棄する1つ又は複数の信号を車両の他のモジュール及び/又は要素へ発することによって、可能である。
【0147】
貨物エリアドアが閉鎖されていると判定される場合、ブロック804へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック828)において、貨物エリアドアが施錠されているか否かを判定できる。貨物エリアドアが施錠されていない場合、制御は、ブロック816及び818(前に説明)へ移行でき、ここで、貨物エリアドアを施錠するため(ブロック818)及び「車両移動」コマンド(単複)に応答して車両の移動を防止するため(ブロック816)にコマンドを発することができる。制御は、前述のようにブロック818から進む。
【0148】
貨物エリアドアが施錠されている場合、ブロック828へ戻って、貨物エリアドア制御モジュール71は、(ブロック830において)車両を移動させることができる任意の命令(単複)に応答して車両が移動できるようにするために車両の作動を自律的に制御できる。
【0149】
1つ又は複数の構成において、開放又は解錠されている貨物エリアドアの検出に応答して車両の移動を防止するコマンドを使用者が無効(override)にできるようにするために、手動無効化機能(図示せず)を与えることができる。この機能は、例えば緊急時に車両の作動を可能にできる。
【0150】
貨物エリアドアの自律作動についていくつかの使用者選択可能の条件のいずれかの発生に応答するものとして本明細書において説明するが、車両の計算機及びその他のシステムは、本明細書に記載する以外の使用者選択可能条件に応答して貨物エリアドアの作動を可能にするように構成できる。
【0151】
本明細書において詳細な実施形態を開示する。但し、開示する実施形態は単なる例であることが分かるはずである。したがって、本明細書において開示する具体的な構造的及び機能的な細部は限定的ではなく、単なる特許請求の基本として及びほぼどのような適切な詳細な構造においても本明細書に示す形態を多様に採用するために当業者に教示するための代表的基本として解釈されるべきものである。更に、本明細書において使用する語句は、限定的ではなく、可能な実現形態を理解可能に説明するためのものである。様々な実施形態を
図1~4Cに示すが、実施形態は図示される構造又は応用に限定されない。
【0152】
図面のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態に従ったシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実現形態のアーキテクチャ、機能性及び作動を図解する。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、明示される論理機能(単複)を実現するための1つ又は複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの部分を表す。いくつかの代替的な実現形態において、ブロックに記載する機能は図に示す順番以外でも可能であることが分かるはずである。例えば、連続して示す2つのブロックは実質的に同時に実行でき、又はブロックは、関与する機能性に応じて時には逆の順番で実行できる。
【0153】
上で説明するシステム、コンポーネント及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せにおいて実現でき、1つの処理システムにおいて集中的に、又は様々な要素が数個の相互接続された処理システムに分散されるように分散的に、実現できる。本明細書において説明する方法を実行するための任意の種類の処理システムまたはその他の装置が適合する。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組合せは、例えば、処理システムと、ロードされ実行されたとき本明細書において説明する方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能なプログラムコードとの組合せである。システム、コンポーネント及び/又はプロセスは、コンピュータプログラム製品又はその他のデータプログラム記憶装置などの、機械可読で、本明細書に説明する方法及びプロセスを実施するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有形的に組み込むコンピュータ可読記憶装置に埋め込める。これの要素は、本明細書において説明する方法の実現を可能にする全ての特徴を含みかつ処理システムにロードされたときこれらの方法を実行できるアプリケーション製品にも埋め込める。
【0154】
更に、本明細書において説明する構成は、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれている例えば記憶されている1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム製品の形式を取ることができる。1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用できる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。「コンピュータ可読記憶媒体」は、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線又は半導体システム、装置または機器又はこれらの適切な任意の組合せとすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多機能ディスク(DVD)、光学記憶機器、磁気記憶機器又はこれらの適切な任意の組合せを含むことができる。本文献において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置または機器によって又はこれに関連して使用するためのプログラムを収容又は記憶できる任意の有形媒体とすることができる。
【0155】
概略的に、本明細書において使用されるモジュールは、特定のタスクを実施する又は特定のデータタイプを実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。更なる形態において、メモリは、記載されるモジュールを概ね記憶する。モジュールに関連付けられるメモリは、プロセッサ内に埋め込まれたバッファ又はキャッシュ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、またはその他の適切な電子記憶媒体とすることができる。更なる形態において、本開示が想定するモジュールは、専用集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)のハードウェアコンポーネントとして、プログラマブル論理配列(PLA)として又は開示する機能を実施するための規定構成セット(例えば、命令)が埋め込まれる別の適切なハードウェアコンポーネントとして、実現される。
【0156】
コンピュータ可読媒体に組み込まれたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど又はこれらの任意の適切な組合せを含めて(但し、これに限定されない)任意の適切な媒体を使用して送信できる。本発明の構成の形態のために作動を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)(商標)、Smalltalk、C++又はこれに類似するものなどのオブジェクト指向プログラミング言語及びCプログラミング言語または同様のプログラミング言語など従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、完全に使用者のコンピュータにおいて、部分的に使用者のコンピュータにおいて、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的に使用者のコンピュータにおいて及び部分的に遠隔コンピュータにおいて、又は完全に遠隔コンピュータ又はサーバーにおいて、実行できる。後者の状況において、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して使用者のコンピュータに接続されるか、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続できる。
【0157】
本明細書において使用する場合、単数で示されるものは、1つ又は複数として定義される。本明細書において使用する場合、「複数」は2つ又はそれ以上として定義される。本明細書において使用する場合、「別の」は少なくとも二番目又はそれ以上として定義される。本明細書において使用する場合、「を含む(含めて)(including)」及び/又は「持つ(有する)(having)」は備える(含む)(comprising)として定義される(即ち、開放言語(open language))。本明細書において使用する場合、「~及び~の少なくとも1つ」は、列記される項目の1つ又はそれ以上のいずれか又はその全ての可能な組合せを意味し、これを包含する。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ又はその任意の組合せ(例えば、AB、AC、BC又はABC)を含む。
【0158】
本明細書に示す形態は、形態の主旨又は基本的属性から逸脱することなく他の形式で実現できる。したがって、本明細書の範囲を示すものとして以上の明細書ではなく以下の請求項を参照すべきである。