(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】記録再生装置、記録再生方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/926 20060101AFI20241204BHJP
H04N 5/76 20060101ALI20241204BHJP
H04N 19/40 20140101ALI20241204BHJP
【FI】
H04N5/926 200
H04N5/76
H04N19/40
(21)【出願番号】P 2020141717
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】吉川 武志
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027473(JP,A)
【文献】特開2012-227577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のストリームを復号するデコーダと、
前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、
前記第1のストリームを記憶部に記録するストリーム記録および前記第2のストリームを前記記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、
前記記憶部に記録された第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
録画指示を受けた場合に、
設定情報が再生優先または都度確認に設定されている場合、前記ストリーム記録および前記エンコード記録を行い、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記ストリーム記録を行わず、前記エンコード記録を行い、
前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記第3のストリームの再生を行わないとともに前記エンコード記録を継続し、
前記設定情報が都度確認に設定されている場合、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行い、
前記設定情報が再生優先に設定されている場合、前記エンコード記録を停止し、前記ストリーム記録を継続し、前記デコーダを用いて前記第3のストリームの再生することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記問い合わせにおいて、前記エンコード記録を続けるかまたは前記第3のストリームの再生を開始するかのいずれかを選択可能な選択画面を表示装置に表示し、前記選択画面における選択に基づいて、前記第3のストリームの再生および前記エンコード記録の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記選択画面において、
前記エンコード記録を続けることが選択された場合に、前記第3のストリームの再生を行わないとともに前記エンコード記録を継続し、
前記第3のストリームの再生を開始することが選択された場合に、前記エンコード記録を停止するとともに前記デコーダを用いて前記第3のストリームの再生を開始する請求項2記載の記録再生装置。
【請求項4】
第1のストリームを復号するデコーダと、
前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、
前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、
前記記憶部に記憶された第3のストリームを他の装置に送信する通信部と、
前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する制御部と、
を備える記録再生装置。
【請求項5】
前記他の装置は、前記デコーダが復号不可能な種別のストリームを復号可能な他のデコーダを備え、
前記制御部は、前記第3のストリームが前記デコーダにより復号可能か否か判定し、前記第3のストリームが前記デコーダにより復号不可能と判定された場合、前記第3のストリームを前記他の装置に送信する請求項4記載の記録再生装置。
【請求項6】
第1のストリームを復号し、
前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成し、
前記第1のストリームを記憶部に記録するストリーム記録および前記第2のストリームを前記記憶部に記録するエンコード記録を行い、
前記記憶部に記録された第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行う、処理を備え、
録画指示を受けた場合に、
設定情報が再生優先または都度確認に設定されている場合、前記ストリーム記録および前記エンコード記録を行い、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記ストリーム記録を行わず、前記エンコード記録を行い、
前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記第3のストリームの再生を行わないとともに前記エンコード記録を継続し、
前記設定情報が都度確認に設定されている場合、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行い、
前記設定情報が再生優先に設定されている場合、前記エンコード記録を停止し、前記ストリーム記録を継続し
、デコーダを用いて前記第3のストリームの再生することを特徴とする記録再生方法。
【請求項7】
デコーダにより第1のストリームを復号し、
前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成し、
前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行い、
前記記憶部に記憶された第3のストリームを他の装置に送信し、
前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する、
処理を備える記録再生方法。
【請求項8】
前記他の装置は、前記デコーダが復号不可能な種別のストリームを復号可能な他のデコーダを備え、
前記第3のストリームが前記デコーダにより復号可能か否か判定し、
前記第3のストリームが前記デコーダにより復号不可能と判定された場合、前記第3のストリームを前記他の装置に送信する、
処理をさらに備える請求項7記載の記録再生方法。
【請求項9】
記録再生装置と、前記記録再生装置に接続する表示装置と、を備えるシステムであって、
前記記録再生装置は、
第1のストリームを復号するデコーダと、
前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、
前記第1のストリームを記憶部に記録するストリーム記録および前記第2のストリームを前記記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、
前記記憶部に記録された第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
録画指示を受けた場合に、
設定情報が再生優先または都度確認に設定されている場合、前記ストリーム記録および前記エンコード記録を行い、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記ストリーム記録を行わず、前記エンコード記録を行い、
前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、
前記設定情報が録画優先に設定されている場合、前記第3のストリームの再生を行わないとともに前記エンコード記録を継続し、
前記設定情報が都度確認に設定されている場合、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生、前記ストリーム記録、および前記エンコード記録の制御を行い、
前記設定情報が再生優先に設定されている場合、前記エンコード記録を停止し、前記ストリーム記録を継続し、前記デコーダを用いて前記第3のストリームの再生し、
前記表示装置は、前記データと、前記問い合わせにおいて、前記エンコード記録を続けるかまたは前記第3のストリームの再生を開始するかのいずれかを選択可能な選択画面と、を表示するシステム。
【請求項10】
記録再生装置と、前記記録再生装置に接続する他の装置と、を備えるシステムであって、
前記記録再生装置は、
第1のストリームを復号するデコーダと、
前記復号した第1のストリームを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、
前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、
前記記憶部に記憶された第3のストリームを前記他の装置に送信する通信部と、
前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する制御部と、を備え、
前記他の装置は、
前記第3のストリームを受信する他の通信部と、
前記第3のストリームを復号する他のデコーダと、を備えるシステム。
【請求項11】
前記他のデコーダは、前記記録再生装置の前記デコーダが復号不可能な種別のストリームを復号可能であり、
前記制御部は、前記第3のストリームが前記デコーダにより復号可能か否か判定し、前記第3のストリームが前記デコーダにより復号不可能と判定された場合、前記第3のストリームを前記他の装置に送信する請求項10記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生装置、記録再生方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
伝送ストリームを記録媒体に直接記録するストリーム記録と同時に該伝送ストリームを圧縮して記録媒体に記録するエンコード記録を行い、該記録中に記録データの再生を開始する場合は、該エンコード記録を停止して、該エンコード記録データを削除すると共に、該再生を行なう技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、記録媒体の残量が少ない場合など、ユーザがエンコード記録を行いたい場合であっても、エンコード記録中に再生が開始されると自動的にエンコード記録が停止されてしまう。それにより、ユーザの希望通りの録画ができない場合がある。
【0005】
本発明の一態様は、録画中に再生を行う場合、ユーザの希望に応じた処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る記録再生装置は、第1のストリームを復号するデコーダと、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生および前記エンコード記録の制御を行う制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る記録再生装置は、第1のストリームを復号するデコーダと、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、前記記憶部に記憶された第3のストリームを他の装置に送信する通信部と、前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る記録再生方法は、第1のストリームを復号し、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成し、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行い、前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生および前記エンコード記録の制御を行う、処理を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る記録再生方法は、第1のストリームを復号し、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成し、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行い、前記記憶部に記憶された第3のストリームを他の装置に送信し、前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する、処理を備える。
【0010】
本発明の一態様に係るシステムは、記録再生装置と、前記記録再生装置に接続する表示装置と、を備えるシステムであって、前記記録再生装置は、第1のストリームを復号するデコーダと、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、前記エンコード記録中に前記記憶部に記録された第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、前記エンコード記録を続けるか、または前記第3のストリームの再生を開始するかを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答に基づいて、前記第3のストリームの再生および前記エンコード記録の制御を行う制御部と、を備え、前記表示装置は、前記データと、前記問い合わせにおいて、前記エンコード記録を続けるかまたは前記第3のストリームの再生を開始するかのいずれかを選択可能な選択画面と、を表示する。
【0011】
本発明の一態様に係るシステムは、記録再生装置と、前記記録再生装置に接続する他の装置と、を備えるシステムであって、前記記録再生装置は、第1のストリームを復号するデコーダと、前記第1のストリームを復号したデータを圧縮して第2のストリームを生成するエンコーダと、前記第2のストリームを記憶部に記録するエンコード記録を行うストリーム記録部と、前記記憶部に記憶された第3のストリームを前記他の装置に送信する通信部と、前記エンコード記録中に前記第3のストリームの再生の指示を受けた場合に、録画および再生に関する設定情報に基づいて、前記デコーダによる前記第3のストリームの再生、前記エンコード記録、および前記第3のストリームの前記他の装置への送信を制御する制御部と、を備え、前記他の装置は、前記第3のストリームを受信する他の通信部と、前記第3のストリームを復号する他のデコーダと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【
図2】第1の実施の形態に係る記録再生装置の録画処理のフローチャートの一例である。
【
図3】第1の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
【
図5】第2の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【
図6】第2の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
【
図7】第3の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【
図8】第3の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【0015】
システム10は、記録再生装置101および表示装置21を有する。記録再生装置101は、表示装置21と接続している。
【0016】
記録再生装置101は、チューナー111、セレクタ121、エンコード記録部131、選択部141、制御部151、ストリーム記録部181、および記憶部191を有する。
【0017】
チューナー111は、デジタルテレビ放送を受信および復調し、圧縮符号化(エンコード)された映像データおよび圧縮符号化された音声データを含むストリーム(第1のストリーム)をセレクタ121に出力する。ストリームは、例えば、MPEG-2(Moving Picture Experts Group phase 2)システムにおけるMPEG-2 TS(Transport Stream)のデータである。
【0018】
セレクタ121は、制御部151の制御によって、チューナー111から受信したストリームをデコーダ162およびストリーム記録部181の両方に出力、またはストリームをデコーダ162のみに出力する。さらにセレクタ121は、制御部151の制御によって、記憶部191に記憶されているストリームを受信し、受信したストリームをデコーダ162に出力する。
【0019】
エンコード記録部131は、再生部161およびエンコーダ171を有する。
【0020】
再生部161は、チューナー111で受信されたストリームまたは記憶部191に記憶されたストリーム(第3のストリーム)を再生する。再生部161は、デコーダ162およびセレクタ163を有する。
【0021】
デコーダ162は、ストリームを復号(デコード)し、ストリームを復号したデータ(例えば、復号した映像データおよび復号した音声データ)をセレクタ163に出力する。
【0022】
セレクタ163は、制御部151の制御によって、復号したデータを表示装置21またはエンコーダ171のいずれかに出力する。
【0023】
エンコーダ171は、復号したデータを再び圧縮符号化(エンコード)して、圧縮符号化したストリーム(第2のストリーム)を生成し、当該圧縮符号化したストリームをストリーム記録部181に出力する。尚、エンコーダ171により圧縮符号化されたストリームのビットレートは、デコーダ162による復号前のストリームのビットレートよりも小さい。これにより、エンコーダ171により圧縮符号化されたストリームのデータサイズは、デコーダ162による復号前のストリームのデータサイズよりも小さくなる。
【0024】
選択部141は、ユーザの入力による選択指示を取得し、選択指示を制御部151に出力する。選択指示は、例えば、録画を優先するか(エンコード記録を続けるか)または再生を優先するか(記憶部191に記憶されたストリームの再生を開始するか)の問い合わせに対するユーザの回答である。具体的には、例えば、選択指示は、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」またはエンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」である。
【0025】
制御部151は、例えば、「録画優先」と「再生優先」のいずれかを選択可能にした選択ダイアログ(選択画面)を表示装置21に表示し、選択部141は、ユーザにより選択される「録画優先」と「再生優先」のいずれかを選択指示として取得する。具体的には、例えば、選択部141は、記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)による操作やリモートコントローラー(不図示)からの入力によるユーザの選択指示を取得し、選択指示を制御部151に出力する。
【0026】
制御部151は、記録再生装置101における録画および再生を制御する。具体的には、制御部151は、記録再生装置101における録画および再生に関する動作を示す設定情報に基づいて、セレクタ121、163、再生部161、およびストリーム記録部181を制御する。設定情報は、予めユーザにより設定され、記憶部191または記録再生装置101のメモリ(不図示)に記憶されている。制御部151は、設定情報に基づいて、録画を優先するか(エンコード記録を続けるか)または再生を優先するか(記憶部191に記憶されたストリームの再生を開始するか)をユーザに問い合わせる。具体的には、例えば、制御部151は、「録画優先」と「再生優先」のいずれかを選択可能にした選択ダイアログ(選択画面)を表示装置21に表示する。
【0027】
また、制御部151は、設定情報および選択部141からの選択指示に基づいて、セレクタ121、163を制御してもよい。制御部151は、セレクタ121、163を制御することにより、ストリームの再生および記録(後述のストリーム記録およびエンコード記録)を制御する。また、制御部151は、ユーザの指示に基づいて、ストリームの再生および記録を制御する。ユーザの指示は、例えば、記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)から入力される。
【0028】
ストリーム記録部181は、チューナー111で受信されたストリームを直接(そのまま)記録する。実施の形態において、チューナー111で受信されたストリームを直接記録すること、すなわちチューナー111で受信されたストリームを復号および圧縮符号化しないでそのまま記録することをストリーム記録と呼ぶ。具体的には、ストリーム記録部181は、セレクタ121から入力されたチューナー111で受信されたストリームを記憶部191に記録する。
【0029】
また、ストリーム記録部181は、チューナー111で受信されたストリームを圧縮符号化したストリームを記録する。実施の形態において、チューナー111で受信されたストリームを復号し、当該復号したストリームを再度圧縮符号化したストリームを記録することをエンコード記録と呼ぶ。具体的には、ストリーム記録部181は、デコーダ162により復号され、さらにエンコーダ171により圧縮符号化されたストリームを記憶部191に記録する。
【0030】
ストリーム記録部181は、制御部151の制御によるセレクタ121からのストリームの入力およびエンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力に基づいて、ストリーム記録およびエンコード記録の両方、ストリーム記録のみ、またはエンコード記録のみのいずれかを行う。例えば、ストリーム記録部181は、セレクタ121からのストリームの入力およびエンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力の両方がある場合は、ストリーム記録およびエンコード記録の両方を行う。例えば、ストリーム記録部181は、セレクタ121からのストリームの入力があり、エンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力がない場合は、ストリーム記録のみを行う。例えば、ストリーム記録部181は、セレクタ121からのストリームの入力がなく、エンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力がある場合は、エンコード記録のみを行う。
【0031】
エンコード記録により記録される圧縮符号化されたストリームのデータサイズは、ストリーム記録により記録されるストリームのデータ量に比べて小さくなる。
【0032】
記憶部191は、記録再生装置101で利用されるデータやプログラム等を記憶(記録)する記憶装置または記憶媒体である。記憶部191は、チューナー111で受信されたストリームを記憶する。また、記憶部191は、デコーダ162により復号され、さらにエンコーダ171により圧縮符号化されたストリームを記憶する。記憶部191は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SDメモリーカード、またはBlu-ray Disc(登録商標)等である。
【0033】
表示装置21は、デコーダ162により復号されたストリームを表示する。具体的には、例えば、表示装置21は、デコーダ162により復号された映像データを表示する。表示装置21は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはビデオプロジェクタ等である。また、表示装置21は、スピーカー等の音声出力部をさらに有し、デコーダ162により復号された音声データを出力してもよい。
【0034】
図2は、第1の実施の形態に係る記録再生装置の録画処理のフローチャートの一例である。
【0035】
尚、記録再生装置101には、設定情報が予めユーザにより設定されており、記憶部191または記録再生装置101のメモリ(不図示)に記憶されている。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または「録画優先」か「再生優先」を録画中の再生指示の受信の度に確認することを示す「都度確認」のいずれかである。
【0036】
ステップS201において、制御部151は、記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)のユーザによる操作により入力される録画指示を受信する。
【0037】
ステップS202において、制御部151は、設定情報を読み出し、設定情報が「録画優先」、「再生優先」、または「都度確認」のいずれかに設定されているか判定する。設定情報が「録画優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS204に進み、設定情報が「再生優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS205に進み、設定情報が「都度確認」に設定されていると判定された場合、制御はステップS203に進む。
【0038】
ステップS203において、ストリーム記録部181は、制御部151の制御により、エンコード記録およびストリーム記録を行う。具体的には、制御部151は、セレクタ121のストリームの出力先をデコーダ162およびストリーム記録部181となるように制御し、セレクタ163の復号されたストリームの出力先をエンコーダ171となるように制御する。それにより、ストリーム記録部181には、セレクタ121からストリームが入力され、エンコーダ171から圧縮符号化されたストリームが入力される。それにより、ストリーム記録部181は、ストリーム記録およびエンコード記録を行う。すなわち、ストリーム記録部181は、セレクタ121からのストリームを記憶部191に記録するとともにエンコーダ171からの圧縮符号化されたストリームを記憶部191に記録する。
【0039】
ステップS204において、ストリーム記録部181は、制御部151の制御により、エンコード記録を行う。具体的には、制御部151は、セレクタ121のストリームの出力先をデコーダ162のみとなるように制御し、セレクタ163の復号されたストリームの出力先をエンコーダ171となるように制御する。それにより、ストリーム記録部181には、エンコーダ171から圧縮符号化されたストリームが入力され、セレクタ121からはストリームが入力されない。それにより、ストリーム記録部181は、エンコード記録を行い、ストリーム記録は行わない。すなわち、ストリーム記録部181は、エンコーダ171からの圧縮符号化されたストリームを記憶部191に記録する。
【0040】
ステップS205において、ストリーム記録部181は、制御部151の制御により、エンコード記録およびストリーム記録を行う。ステップS205の処理の詳細は、ステップS203の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0041】
次に録画中に再生指示を受信した場合の処理について、
図3、4を用いて説明する。
【0042】
図3は、第1の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
図4は、選択ダイアログの例を示す図である。
【0043】
尚、記録再生装置101には、設定情報が予めユーザにより設定されており、記憶部191または記録再生装置101のメモリ(不図示)に記憶されている。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または「録画優先」か「再生優先」を録画中の再生指示の受信の度に確認することを示す「都度確認」のいずれかである。また、記録再生装置101は、ストリーム記録およびエンコード記録の両方、またはエンコード記録のみのいずれかにより録画中であるとする。
【0044】
ステップS301において、制御部151は、記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)のユーザによる操作により入力される記憶部191に記憶されているストリームの再生指示を受信する。
【0045】
ステップS302において、制御部151は、設定情報を読み出し、設定情報が「録画優先」、「再生優先」、または「都度確認」のいずれかに設定されているか判定する。設定情報が「録画優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS305に進み、設定情報が「再生優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS306に進み、設定情報が「都度確認」に設定されていると判定された場合、制御はステップS303に進む。
【0046】
ステップS303において、制御部151は、録画と再生のいずれかを優先(実行)するかをユーザに問い合わせる。具体的には、例えば、制御部151は、
図4に示すような「録画」と「再生」のいずれかを選択可能にした選択ダイアログ(選択画面)401を表示装置21に表示する。ユーザは、記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)の操作により、選択ダイアログの「録画」と「再生」のいずれかを選択する。
【0047】
ステップS304において、選択部141は、録画を優先するか再生を優先するかの問い合わせに対する回答を受信し、当該回答を制御部151に送信し、制御部151は、受信した回答によりユーザが録画と再生のどちらを優先したか判定する。録画を優先したと判定された場合、制御はステップS305に進み、再生を優先したと判定された場合、制御はステップS306に進む。問い合わせに対する回答は、例えば、
図4に示すような「録画」と「再生」のいずれかを選択可能にした選択ダイアログのおける、ユーザにより選択される「録画」または「再生」を示す選択指示である。具体的には、例えば、選択部141は、
図4に示すような選択ダイアログ401におけるユーザの選択を示す選択指示を記録再生装置101に具備される操作ボタン(不図示)またはリモートコントローラー(不図示)から受信し、受信した選択指示を制御部151に出力する。制御部151は、受信した選択指示が
図4に示すような選択ダイアログのおける「録画」を選択したことを示す場合、録画を優先と判定し、受信した選択指示が
図4に示すような選択ダイアログのおける「再生」を選択したことを示す場合、再生を優先と判定する。
【0048】
尚、
図4に示す選択ダイアログ401は、一例であり、「再生する」または「再生しない」のいずれかを選択可能にする選択ダイアログであってもよい。例えば、制御部151は、「再生する」が選択された場合、再生を優先と判定し、「再生しない」が選択された場合、録画を優先と判定してもよい。
【0049】
ステップS305において、制御部151は、再生をブロックし、録画を優先するために再生をブロックしたことを示すダイアログを表示装置21に表示する。すなわち、制御部151は、ステップS301で受信した記憶部191に記憶されているストリームの再生指示に対して、ストリームの再生を行わず、現在実行中の録画を継続する。
【0050】
ステップS306において、ストリーム記録部181は、制御部151の制御により、エンコード記録を停止し、再生部161は、記憶部191に記憶されているストリームの再生を開始する。具体的には、制御部151は、セレクタ121から入力されるストリームのうち記憶部191に記憶されているストリームの復号をするようにデコーダ162を制御し、ストリームを復号したデータの出力先を表示装置21となるようにセレクタ163を制御する。尚、制御部151は、セレクタ121をデコーダ162およびストリーム記録部181の両方にチューナー111から受信したストリームを出力するように制御し、記憶部191から受信したストリームをデコーダ162に出力するようにセレクタ121を制御する。それにより、ストリーム記録部181には、セレクタ121からのストリームの入力があり、エンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力がないので、ストリーム記録のみを継続して行う。
【0051】
第1の実施の形態に記録再生装置によれば、録画中に再生を実行しようとした場合、録画と再生のどちらを優先するかユーザに問い合わせて選択させることができる。それにより、ユーザが録画を選択した場合には、記録再生装置は再生を行わず、エンコード記録の継続が可能となる。第1の実施の形態に記録再生装置によれば、録画中に再生を実行しようとした場合、ユーザによって設定された設定情報が「録画優先」に設定されていると、記録再生装置は再生を行わず、エンコード記録の継続が可能となる。
【0052】
このように、第1の実施の形態の記録再生装置によれば、ユーザによって設定された設定情報またはユーザへの問い合わせに対する回答に基づいて、録画または再生を行うことで、ユーザの希望に応じた処理を行うことができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【0054】
システム20は、記録再生装置201、表示装置21、22、およびキャスト先デバイス31を有する。記録再生装置201とキャスト先デバイス31は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークにより接続されている。記録再生装置201は、表示装置21と接続し、キャスト先デバイス31は、表示装置22と接続している。
【0055】
記録再生装置201は、チューナー111、セレクタ121A、エンコード記録部131、制御部151A、ストリーム記録部181、および記憶部191、セレクタ211、および通信部221を有する。
【0056】
図5のチューナー111、エンコード記録部131、ストリーム記録部181、および記憶部191の機能および構成は、
図1のチューナー111、エンコード記録部131、ストリーム記録部181、および記憶部191の機能および構成と同様であるため説明は省略する。
【0057】
セレクタ121Aは、制御部151Aの制御によって、チューナー111から受信したストリームをデコーダ162およびストリーム記録部181の両方に出力、またはストリームをデコーダ162のみに出力する。
【0058】
制御部151Aは、記録再生装置201における録画および再生を制御する。具体的には、制御部151Aは、記録再生装置201における録画および再生に関する動作を示す設定情報に基づいて、セレクタ121A、163、211、再生部161、およびストリーム記録部181を制御する。設定情報は、予めユーザにより設定され、記憶部191または記録再生装置201のメモリ(不図示)に記憶されている。制御部151Aは、録画中に再生指示を受信した場合、設定情報に基づいて、録画の継続、再生を開始、またはキャストを行う。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または他のデバイスへキャストして再生することを示す「他のデバイスへキャスト」のいずれかである。また、設定情報が「他のデバイスへキャスト」である場合、キャスト先の他のデバイスとしてキャスト先デバイス31が設定情報に含まれている。
【0059】
セレクタ211は、制御部151Aの制御によって、記憶部191に記憶されているストリームをデコーダ162または通信部221のいずれかに出力する。
【0060】
通信部221は、LAN等のネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インターフェースである。通信部221は、セレクタ211から入力されるストリームをキャスト先デバイス31に送信する。
【0061】
キャスト先デバイス31は、記録再生装置201に記録されているストリームを再生する。具体的には、記録再生装置201からストリームを受信し、受信したストリームを復号し、表示装置22に出力する。キャスト先デバイス31は、例えば、記録再生装置、テレビ受像機、またはPC(Personal Computer)等のコンピュータである。キャスト先デバイス31は、通信部32およびデコーダ33を有する。
【0062】
通信部32は、LAN等のネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インターフェースである。通信部32は、記録再生装置201の通信部221からストリームを受信する。
【0063】
デコーダ33は、通信部32が受信したストリームを復号し、ストリームを復号したデータを表示装置22に出力する。
【0064】
表示装置22は、デコーダ33から受信した復号したデータを表示する。具体的には、例えば、表示装置22は、デコーダ33により復号された映像データを表示する。表示装置22は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはビデオプロジェクタ等である。また、表示装置22は、スピーカー等の音声出力部をさらに有し、デコーダ33により復号された音声データを出力してもよい。
【0065】
図6は、第2の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
【0066】
尚、記録再生装置201には、設定情報が予めユーザにより設定されており、記憶部191または記録再生装置201のメモリ(不図示)に記憶されている。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または他のデバイスへキャストして再生することを示す「他のデバイスへキャスト」のいずれかである。また、設定情報が「他のデバイスへキャスト」である場合、キャスト先の他のデバイスとしてキャスト先デバイス31が設定情報に含まれている。また、記録再生装置201は、ストリーム記録およびエンコード記録の両方、またはエンコード記録のみのいずれかにより録画中であるとする。記録再生装置201は、例えば、録画指示を受信した場合、設定情報が「録画優先」または「他のデバイスへキャスト」の場合、エンコード記録のみ行い、設定情報が「再生優先」の場合、ストリーム記録およびエンコード記録の両方を行う。また、記録再生装置201は、設定情報が「他のデバイスへキャスト」の場合、ストリーム記録およびエンコード記録の両方を行ってもよい。
【0067】
ステップS601において、制御部151Aは、記録再生装置201に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)のユーザによる操作により入力される記憶部191に記憶されているストリームの再生指示を受信する。
【0068】
ステップS602において、制御部151Aは、設定情報を読み出し、設定情報が「録画優先」、「再生優先」、または「他のデバイスへキャスト」のいずれかに設定されているか判定する。設定情報が「録画優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS604に進み、設定情報が「再生優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS605に進み、設定情報が「他のデバイスへキャスト」に設定されていると判定された場合、制御はステップS603に進む。
【0069】
ステップS603において、制御部151Aは、記憶部191に記憶されているストリームをキャスト先の他のデバイスであるキャスト先デバイス31に送信する。具体的には、制御部151Aは、記憶部191に記憶されているストリームを通信部221に出力するようにセレクタ211を制御し、設定情報においてキャスト先の他のデバイスとして設定されたキャスト先デバイス31にストリームを送信するように通信部221を制御する。また、制御部151Aは、キャスト先デバイス31にストリームの再生指示を通信部221から送信する。これにより、通信部221は、キャスト先デバイス31にストリームと再生指示を送信し、ストリームと再生指示を受信したキャスト先デバイス31は、受信したストリームを再生する。
【0070】
ステップS604において、制御部151Aは、再生をブロックし、録画を優先するために再生をブロックしたことを示すダイアログを表示装置21に表示する。すなわち、制御部151Aは、ステップS601で受信した記憶部191に記憶されているストリームの再生指示に対して、ストリームの再生を行わず、現在実行中の録画を継続する。
【0071】
ステップS605において、ストリーム記録部181は、制御部151Aの制御により、エンコード記録を停止し、再生部161は、記憶部191に記憶されているストリームの再生を開始する。具体的には、制御部151Aは、記憶部191に記憶されているストリームをデコーダ162に出力するようにセレクタ211を制御し、セレクタ211から入力される記憶部191に記憶されているストリームの復号をするようにデコーダ162を制御し、復号されたストリームの出力先を表示装置21となるようにセレクタ163を制御する。尚、制御部151Aは、セレクタ121Aをデコーダ162およびストリーム記録部181の両方にストリームを出力するように制御する。それにより、ストリーム記録部181には、セレクタ121Aからのストリームの入力があり、エンコード記録部131からの圧縮符号化されたストリームの入力がないので、ストリーム記録のみを継続して行う。
【0072】
第2の実施の形態の記録再生装置によれば、ユーザによって設定された設定情報に基づいて、録画、再生、またはキャストを行うことで、ユーザの希望に応じた処理を行うことができる。
【0073】
第2の実施の形態の記録再生装置によれば、再生指示を受信した時にデコーダを使用したエンコード記録中の場合、設定情報が「録画優先」であれば、再生を中止して、エンコード記録を継続することができる。
【0074】
第2の実施の形態の記録再生装置によれば、再生指示を受信した時にデコーダを使用したエンコード記録中であっても、再生対象のストリームをキャスト先デバイスに出力して再生することで、エンコード記録を継続しながらストリームの再生を行うことができる。
【0075】
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【0076】
システム30は、記録再生装置301、表示装置21、および8K対応テレビ41を有する。記録再生装置301と8K対応テレビ41は、例えば、LAN等のネットワークにより接続されている。記録再生装置301は、表示装置21と接続している。
【0077】
記録再生装置301は、チューナー111、セレクタ121A、エンコード記録部131A、制御部151B、ストリーム記録部181、および記憶部191、セレクタ211、および通信部221を有する。
【0078】
図7のストリーム記録部181、および記憶部191の機能および構成は、
図1のストリーム記録部181、および記憶部191の機能および構成と同様であるため説明は省略する。
図7のセレクタ121Aの機能および構成は、
図5のセレクタ121Aの機能および構成と同様であるため説明は省略する。
【0079】
チューナー111は、デジタルテレビ放送を受信および復調し、圧縮符号化された映像データおよび圧縮符号化された音声データを含むストリームをセレクタ121Aに出力する。ストリームは、例えば、MPEG-2システムにおけるMPEG-2 TSのデータである。チューナー111は、映像の解像度が2K(1920画素×1080画素)、4K(3840画素×2160画素)、および8K(7680画素×4320画素)の放送を受信可能である。
【0080】
エンコード記録部131Aは、再生部161Aおよびエンコーダ171を有する。
【0081】
再生部161Aは、チューナー111で受信されたストリームまたは記憶部191に記憶されたストリームを再生する。再生部161Aは、2K/4Kデコーダ162Aおよびセレクタ163を有する。
【0082】
2K/4Kデコーダ162Aは、解像度が2Kまたは4Kの映像データを含むストリームを復号(デコード)し、ストリームを復号したデータ(例えば、復号した映像データおよび復号した音声データ)をセレクタ163に出力する。
【0083】
セレクタ163は、制御部151の制御によって、復号したデータを表示装置21またはエンコーダ171のいずれかに出力する。
【0084】
エンコーダ171は、復号したデータを再び圧縮符号化(エンコード)して、圧縮符号化したストリームを生成し、当該圧縮符号化したストリームをストリーム記録部181に出力する。尚、エンコーダ171により圧縮符号化されたストリームのビットレートは、デコーダ162による復号前のストリームのビットレートよりも小さい。これにより、エンコーダ171により圧縮符号化されたストリームのデータサイズは、デコーダ162による復号前のストリームのデータサイズよりも小さくなる。
【0085】
制御部151Bは、記録再生装置301における録画および再生を制御する。具体的には、制御部151Bは、ストリームの種別および記録再生装置301における録画および再生に関する動作を示す設定情報に基づいて、セレクタ121A、163、211、再生部161A、およびストリーム記録部181を制御する。設定情報は、予めユーザにより設定され、記憶部191または記録再生装置301のメモリ(不図示)に記憶されている。制御部151Bは、録画中に再生指示を受信した場合、ストリームの種別および設定情報に基づいて、録画の継続、再生を開始、またはキャストを行う。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または8Kのストリームを再生可能なデバイスへキャストして再生することを示す「8K対応デバイスへキャスト」のいずれかである。また、設定情報が「8K対応デバイスへキャスト」である場合、キャスト先の他のデバイスとして8K対応テレビ41が設定情報に含まれている。
【0086】
セレクタ211は、制御部151Bの制御によって、記憶部191に記憶されているストリームを2K/4Kデコーダ162Aまたは通信部221のいずれかに出力する。
【0087】
通信部221は、LAN等のネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インターフェースである。通信部221は、セレクタ211から入力されるストリームを8K対応テレビ41に送信する。
【0088】
8K対応テレビ41は、記録再生装置301に記録されているストリームを再生する。具体的には、記録再生装置301からストリームを受信し、受信したストリームを復号し、表示する。8K対応テレビ41は、8Kのストリームを再生可能なテレビ受像機であり、表示装置の一例である。尚、8K対応テレビ41は、8Kのストリームを再生可能な記録再生装置、またはPC(Personal Computer)等のコンピュータであってもよい。
【0089】
8K対応テレビ41は、通信部42、8Kデコーダ43、表示部44を有する。
【0090】
通信部42は、LAN等のネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インターフェースである。通信部42は、記録再生装置301の通信部221からストリームを受信する。
【0091】
8Kデコーダ43は、通信部42が受信したストリームを復号し、ストリームを復号したデータを表示部44に出力する。8Kデコーダ43は、解像度が8Kの映像データを含むストリームを復号可能である。尚、8Kデコーダ43は、解像度が2Kまたは4Kの映像データを含むストリームも復号可能である。このように、8Kデコーダ43は、2K/4Kデコーダ162Aが復号可能な解像度(2Kおよび4K)よりも高い解像度(8K)のストリームを復号可能である。すなわち、8Kデコーダ43は、2K/4Kデコーダ162Aが復号不可能な8Kのストリームを復号できる。8Kデコーダ43は、記録再生装置301の2K/4Kデコーダ162Aが復号不可能な種別のストリーム(例えば、解像度が8Kの映像データを含むストリーム)を復号可能なデコーダの一例である。
【0092】
表示部44は、デコーダ43から受信した復号したデータを表示する。具体的には、例えば、表示部44は、デコーダ43により復号された映像データを表示する。
【0093】
図8は、第3の実施の形態に係る記録再生装置の録画中における再生処理のフローチャートの一例である。
【0094】
尚、記録再生装置301には、設定情報が予めユーザにより設定されており、記憶部191または記録再生装置301のメモリ(不図示)に記憶されている。設定情報は、例えば、録画を優先(継続)して再生を実行しないことを示す「録画優先」、エンコード記録を停止して再生を実行することを示す「再生優先」、または8Kのストリームを再生可能なデバイスへキャストして再生することを示す「8K対応デバイスへキャスト」のいずれかである。また、設定情報が「8K対応デバイスへキャスト」である場合、キャスト先の他のデバイスとして8K対応テレビ41が設定情報に含まれている。また、記録再生装置301は、ストリーム記録およびエンコード記録の両方、ストリーム記録のみ、またはエンコード記録のみのいずれかにより録画中であるとする。記録再生装置301は、例えば、録画指示を受信した場合、設定情報が「録画優先」の場合、エンコード記録のみ行い、設定情報が「再生優先」または「8K対応デバイスへキャスト」の場合、ストリーム記録およびエンコード記録の両方を行う。ただし、記録再生装置301は、録画するストリームの種別が8Kである場合、ストリーム記録のみを行う。また、ストリーム記録部181は、ストリーム記録またはエンコード記録時に録画対象のストリームの種別(例えば、2K、4K、または8K)を判定し、ストリームの種別を示す種別情報をストリームと対応付けて記憶部191に記憶する。
【0095】
ステップS801において、制御部151Bは、記録再生装置301に具備される操作ボタン(不図示)やリモートコントローラー(不図示)のユーザによる操作により入力される記憶部191に記憶されているストリームの再生指示を受信する。
【0096】
ステップS802において、制御部151Bは、ステップS801で受信した再生指示における再生対象であるストリームが2K/4Kデコーダ162Aにより復号可能か否か判定し、復号可能と判定された場合、制御はステップS804に進み、復号不可能と判定された場合、制御はステップS803に進む。ストリームが2K/4Kデコーダ162Aにより復号可能か否かは、例えば、ストリームの種別に基づいて判定される。具体的には、例えば、ステップS802において、制御部151Bは、ステップS801で受信した再生指示における再生対象であるストリームの種別を判定し、判定されたストリームの種別が2K/4Kデコーダ162Aにより復号不可能な種別の場合、再生対象であるストリームは2K/4Kデコーダ162Aにより復号不可能と判定し、制御はステップS803に進む。具体的には、例えば、再生対象であるストリームの種別が8Kと判定された場合、再生対象であるストリームは2K/4Kデコーダ162Aにより復号不可能と判定され、制御はステップS803に進む。一方、判定されたストリームの種別が2K/4Kデコーダ162Aにより復号可能な種別の場合、再生対象であるストリームは2K/4Kデコーダ162Aにより復号可能と判定し、制御はステップS804に進む。具体的には、例えば、再生対象であるストリームの種別が2Kまたは4Kと判定された場合、再生対象であるストリームは2K/4Kデコーダ162Aにより復号可能と判定され、制御はステップS804に進む。第3の実施の形態において、ストリームの種別は、例えば、ストリームの解像度である。制御部151Bは、例えば、再生対象であるストリームと対応付けられたストリームの種別を示す種別情報を記憶部191から読み出して、再生対象であるストリームの種別を判定する。また、制御部151Bは、再生対象であるストリームに含まれる解像度の情報からストリームの種別を判定してもよい。また、ストリームの種別は、ストリームに含まれる音声データのサンプリング周波数、またはストリームの符号化方式等でもよい。
【0097】
ステップS803において、制御部151Bは、記憶部191に記憶されているストリームをキャスト先の他のデバイスである8K対応テレビ41に通信部221から送信する。具体的には、制御部151Bは、記憶部191に記憶されているストリームを通信部221に出力するようにセレクタ211を制御し、設定情報においてキャスト先の他のデバイスとして設定された8K対応テレビ41にストリームを送信するように通信部221を制御する。また、制御部151Bは、8K対応テレビ41にストリームの再生指示を通信部221から送信する。これにより、通信部221は、8K対応テレビ41にストリームと再生指示を送信し、ストリームと再生指示を受信した8K対応テレビ41は、受信したストリームを再生する。
【0098】
ステップS804において、制御部151Bは、設定情報を読み出し、設定情報が「録画優先」、「再生優先」、または「8K対応デバイスへキャスト」のいずれかに設定されているか判定する。設定情報が「録画優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS806に進み、設定情報が「再生優先」に設定されていると判定された場合、制御はステップS807に進み、設定情報が「8K対応デバイスへキャスト」に設定されていると判定された場合、制御はステップS805に進む。
【0099】
ステップS805において、制御部151Bは、記憶部191に記憶されているストリームをキャスト先の他のデバイスである8K対応テレビ41に送信する。具体的には、制御部151Bは、記憶部191に記憶されているストリームを通信部221に出力するようにセレクタ211を制御し、設定情報においてキャスト先の他のデバイスとして設定された8K対応テレビ41にストリームを送信するように通信部221を制御する。また、制御部151Bは、8K対応テレビ41にストリームの再生指示を通信部221から送信する。これにより、通信部221は、8K対応テレビ41にストリームと再生指示を送信し、ストリームと再生指示を受信した8K対応テレビ41は、受信したストリームを再生する。
【0100】
ステップS806において、制御部151Bは、再生をブロックし、録画を優先するために再生をブロックしたことを示すダイアログを表示装置21に表示する。すなわち、制御部151Bは、ステップS801で受信した記憶部191に記憶されているストリームの再生指示に対して、ストリームの再生を行わず、現在実行中の録画を継続する。
【0101】
ステップS807において、ストリーム記録部181は、制御部151Bの制御により、エンコード記録を停止し、再生部161Aは、記憶部191に記憶されているストリームの再生を開始する。具体的には、制御部151Bは、記憶部191に記憶されているストリームを2K/4Kデコーダ162Aに出力するようにセレクタ211を制御し、セレクタ211から入力される記憶部191に記憶されているストリームの復号をするように2K/4Kデコーダ162Aを制御し、復号されたストリームの出力先を表示装置21となるようにセレクタ163を制御する。尚、制御部151Bは、セレクタ121Aをデコーダ162およびストリーム記録部181の両方にストリームを出力するように制御する。それにより、ストリーム記録部181には、セレクタ121Aからのストリームの入力があり、エンコード記録部131Aからの圧縮符号化されたストリームの入力がないので、ストリーム記録のみを継続して行う。
【0102】
第3の実施の形態の記録再生装置によれば、ユーザによって設定された設定情報に基づいて、録画、再生、またはキャストを行うことで、ユーザの希望に応じた処理を行うことができる。
【0103】
第3の実施の形態の記録再生装置によれば、再生指示を受信した時にデコーダを使用したエンコード記録中の場合、設定情報が「録画優先」であれば、再生を中止して、エンコード記録を継続することができる。
【0104】
第3の実施の形態の記録再生装置によれば、再生指示を受信した時にデコーダを使用したエンコード記録中であっても、再生対象のストリームをキャスト先デバイスに出力して再生することで、エンコード記録を継続しながらストリームの再生を行うことができる。
【0105】
第3の実施の形態の記録再生装置によれば、再生対象のストリームが記録再生装置で復号できない8Kのストリームであっても、8Kのストリームを再生可能なデバイスに出力して再生することができる。第3の実施の形態の記録再生装置は、8Kのストリームを再生可能なデバイスに出力して再生することができるので、記録再生装置に8Kのストリームを復号可能なデコーダを搭載しないことでコストを削減することができる。
【0106】
(ソフトウェアによる実現例)
記録再生装置101、201、301の制御ブロック(特に、セレクタ121、121A、211、エンコード記録部131、131A、選択部141、制御部151,151A、151B、およびストリーム記録部181)は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現可能であり、またCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、例えば、コンピュータである記録再生装置101、201、301は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROMまたは記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM等を備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、セレクタ121、121A、211、エンコード記録部131、131A、選択部141、制御部151,151A、151B、およびストリーム記録部181として動作し、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、伝送可能な任意の伝送媒体を介して上記コンピュータに供給されてよい。
【0107】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく変形可能であり、上記の構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0108】
10、20、30 システム
101、201、301 記録再生装置
111 チューナー
121、121A セレクタ
131 エンコード記録部
141 選択部
151、151A、151B 制御部
181 ストリーム記録部
191 記憶部
211 セレクタ
221 通信部
21、22 表示装置
31 キャスト先デバイス
41 8K対応テレビ