IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

特許7598227制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法
<>
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図1
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図2A
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図2B
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図3
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図4
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図5
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図6
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図7
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図8
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図9
  • 特許-制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20241204BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20241204BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20241204BHJP
【FI】
F24F7/007 D
F24F7/007 B
F24F11/79
F24F11/74
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020189520
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078669
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内田 敬介
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146035(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109059222(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107560090(CN,A)
【文献】特開2020-159658(JP,A)
【文献】特開2018-169070(JP,A)
【文献】特開2010-145067(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066495(WO,A1)
【文献】特開2016-042870(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104165440(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112128939(CN,A)
【文献】特開平01-301998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0318701(US,A1)
【文献】特開2013-190146(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0125264(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0123627(US,A1)
【文献】特開2022-078668(JP,A)
【文献】特開2022-078670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の空気の性質を調整する性質調整と、
ファンを含み、前記空気を送風する送風
を含む空気調整部を、ユーザからの指示を示す指示情報に基づいて制御する制御装置であって、
記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合に、前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含まない場合よりも小さい角加速度で前記ファンの回転速度を変更し、かつ前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風を制御する、制御装置。
【請求項2】
前記空間にペットが存在し、
前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含む場合、前記空気の性質を前記ペットに応じた性質に調整するように前記性質調整を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含む場合、前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含まない場合よりも前記ファンの回転速度を小さくする、請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
空間の空気の性質を調整する性質調整部と、
前記空気を送風するファンを含む送風部と、
を含む空気調整部を、ユーザからの指示を示す指示情報に基づいて制御する制御装置であって、
前記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合に、前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含まない場合よりも前記ファンの回転速度を小さくし、かつ前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風部を制御し、
前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含む場合に前記ファンの回転速度を変更する際の角加速度は、前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含まない場合よりも小さい、制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記空気調整部と
を備えた、空気調整装置。
【請求項6】
空間の空気の性質を調整する性質調整部と、
ファンを含み、前記空気を送風する送風部と
を含む空気調整装置を、ユーザからの指示を示す指示情報に基づいて制御する方法であって、
前記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合に、前記指示情報が前記対象領域を指定する情報を含まない場合よりも小さい角加速度で前記ファンの回転速度を変更し、かつ前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風部を制御する、空気調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋内に居るペットを検出できる空気調和機が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の空気調和機では、室内熱交換器と、空気清浄機と、検出部と、制御部とを備える。室内熱交換器は、部屋内の空気に対して熱交換を行なう。空気清浄機は、空気清浄能力を切換可能である。検出部は、部屋内に居る人及びペットを検出する。制御部は、検出部が部屋内にペットのみが居ることを検出した場合には、検出部が部屋内に人が居ることを検出した場合よりも、空気清浄機の空気清浄能力をアップさせる。また、制御部は、部屋内の空気の温度を所定温度にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-145006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空気調和機では、空間に含まれる複数の領域の全てで空気の温度が所定温度になった。長時間、部屋内にペットのような動物は居ると、動物は、所定温度と異なる温度ですごしたいことがあった。その結果、動物は、部屋内で快適にすごせなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、部屋内で快適にすごすことができる制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、制御装置は、空気調整部を制御する。前記空気調整部は、空間の空気の性質を調整する性質調整機構と、前記空気を送風する送風機構とを含む。前記制御装置は、受付部と、作成部とを備える。前記受付部は、ユーザからの指示を示す指示情報を受付ける。前記作成部は、前記指示情報に基づいて、前記空気調整部を制御するための制御信号を作成する。前記制御信号は、前記空気の性質を調整するように、前記性質調整機構を制御する性質調整信号を含む。前記受付部が受付けた前記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合、前記作成部は、前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風機構を制御する対象領域送風信号を更に含む前記制御信号を作成する。
【0007】
本発明の他の一局面によれば、空気調整装置は、上記の制御装置と、前記空気調整部とを備える。
【0008】
本発明の他の一局面によれば、コンピュータプログラムは、空間の空気の性質を調整する性質調整機構と、前記空気を送風する送風機構とを含む空気調整部と通信するコンピュータに、ユーザからの指示を示す指示情報を受付けるステップと、前記指示情報に基づいて、前記空気調整部を制御するための制御信号を作成するステップとを実行させる。前記制御信号は、前記空気の性質を調整するように、前記性質調整機構を制御する性質調整信号を含む。前記制御信号を作成する前記ステップでは、前記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合、前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風機構を制御する対象領域送風信号を更に含む前記制御信号を作成する。
【0009】
本発明の他の一局面によれば、コンピュータプログラムは、空間の空気の性質を調整する性質調整機構と、前記空気を送風する送風機構とを含む空気調整装置と通信するコンピュータに、ユーザからの指示を示す指示情報を受付けるステップと、前記指示情報を前記空気調整装置に送信するステップとを実行させる。前記指示情報は、前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む。
【0010】
本発明の他の一局面によれば、空気調整方法は、ユーザからの指示を示す指示情報を受付けるステップと、前記指示情報に基づいて、性質調整機構及び送風機構を制御するための制御信号を作成するステップとを包含する。前記性質調整機構は、前記空気の性質を調整する。前記送風機構は、前記空気を送風する。前記制御信号は、前記空気の性質を調整するように、前記性質調整機構を制御する性質調整信号を含む。前記制御信号を作成する前記ステップでは、前記指示情報が前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合、前記対象領域に向かって前記空気を送風するように前記送風機構を制御する対象領域送風信号を更に含む前記制御信号を作成する。
【0011】
本発明の他の一局面によれば、空気調整方法は、ユーザからの指示を示す指示情報を受付けるステップと、前記指示情報を性質調整機構及び送風機構に送信するステップとを包含する。前記指示情報は、前記空間に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法によれば、部屋内で快適にすごすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係る空気調整システムの構成を示す図である。
図2A】実施形態1に係る室内機を示す断面図である。
図2B】実施形態1に係る室内機を示す斜視図である。
図3】実施形態1に係る部屋の構成を示す図である。
図4】実施形態1に係る操作装置を示すブロック図である。
図5】実施形態1に係る空気調整装置を示すブロック図である。
図6】実施形態1に係る部屋の構成を示す図である。
図7】実施形態1に係る操作装置に表示された操作画像の一例を示す図である。
図8】実施形態1に係る空気調整システムによる空気調整方法を説明するためのフロー図である。
図9】本発明の実施形態2に係る空気調整システムの構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態3に係る空気調整システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る空気調整システム200を説明する。図1は、実施形態1に係る空気調整システム200の構成を示す図である。図1に示すように、空気調整システム200は、空気調整装置95と、操作装置210とを備える。なお、本実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示す。Z軸は鉛直方向に平行であり、X軸及びY軸は水平方向に平行である。
【0016】
まず、空気調整装置95について説明する。空気調整装置95は、空気の性質を調整する。空気の性質は、例えば、空気の温度を含む。具体的には、空気調整装置95は、室内機5と、室外機10とを含む。なお、室内機5は、配管によって室外機10と接続される。室外機10は部室外に設置される。そして、配管を通して、室内機5と室外機10との間で媒体が循環する。室外機10は、ファンと、圧縮機11と、熱交換器と、四方弁のような各種部品とを備える。圧縮機11は、「性質調整機構」の一例である。
【0017】
具体的には、室内機5は、制御装置90を有する。制御装置90は、制御部56と、通信部59とを有する。通信部59は、「受付部」の一例である。制御部56は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部56は、空気調整装置95の各要素を制御する。
【0018】
通信部59は、操作装置210と無線通信を行う。例えば、通信部59は、ネットワークを介して相互に通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、及び公衆電話網を含む。具体的には、通信部59は、例えば、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインターフェースコントローラー(NIC)、または、WiFiによる通信規格に準じた通信を含む。所定の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイート(つまり、インターネット・プロトコル・スイート)である。
【0019】
また、通信部59は、例えば、無線通信を行う無線通信モジュールを含んでもよい。具体的には、通信部59は、例えば、近距離無線通信を実行する無線通信モジュールである。近距離無線通信は、例えば、通信距離が数メートルから数十メートル程度の無線通信である。近距離無線通信は、例えば、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)による通信規格に準じた通信である。Bluetooth(登録商標)による通信規格に準じた通信は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)である。
【0020】
続けて、図2A及び図2Bを参照して、室内機5の構成について説明する。図2Aは、室内機5を示す断面図である。図2Bは、導風パネル54Aaが取り外された状態の室内機5を示す斜視図である。図1図2Bに示すように、室内機5は、キャビネット50と、フィルター51と、空気調整部91を含む。空気調整部91は、ファン53と、風向板54Aと、熱交換器52とを含む。ファン53及び風向板54Aは、「送風機構」の一例である。
【0021】
キャビネット50の形状は、例えば、直方体である。具体的には、キャビネット50は、上面50aと、下面50bと、前面50cと、背面50dと、右側面50eと、左側面50fとを有する。背面50dは、部屋の側壁に取付けられる。
【0022】
背面50dは、前面50cと対向して配置される。第1方向D1は、背面50dから前面50cに向かう方向を示す。そして、背面50dは、キャビネット50の内の第1方向D1と反対側に配置される。第1方向D1は、X軸の正方向である。
【0023】
左側面50fは、右側面50eと対向して配置される。第2方向D2は、右側面50eから左側面50fに向かう方向を示す。そして、左側面50fは、キャビネット50の内の第2方向D2側に配置される。第2方向D2は、Y軸の正方向である。
【0024】
上面50aは、下面50bと対向して配置される。第3方向D3は、下面50bから上面50aに向かう方向を示す。そして、上面50aは、キャビネット50の内の第3方向D3側に配置される。第3方向D3は、Z軸の正方向である。
【0025】
キャビネット50は、吸込口P1Aと、吹出口P2と、流通路Gとを更に有する。吸込口P1Aは、キャビネット50の上面50aに形成される。吹出口P2は、キャビネット50の下面50bに形成される。そして、キャビネット50の内部には、吸込口P1Aから吹出口P2に至る流通路Gが形成される。
【0026】
流通路Gには、空気が流通する。ファン53と熱交換器52とは、流通路Gに配置される。
【0027】
ファン53は、空気を送風する。具体的には、ファン53は、運転時に、吸込口P1Aを通して外部から流通路Gに空気を吸い込み、吸い込んだ空気を、吹出口P2を通して流通路Gから外部に吹き出す。ファン53は、例えば、クロスフローファンである。クロスフローファンは、例えば、略円筒体の羽根車である。
【0028】
風向板54Aは、空気の送風方向を調整する。具体的には、風向板54Aは、導風パネル54Aaと、横ルーバ54Abと、複数の縦ルーバ54Acとを含む。風向板54Aは、吹出口P2に配置される。風向板54Aは、移動して、例えば、複数の状態の内のいずれかの状態となる。
【0029】
熱交換器52は、空気の性質を調整する。具体的には、熱交換器52は、熱交換を行う。詳細には、熱交換器52は、流通路Gを流通する空気と、室外機10から供給された媒体との間で、熱エネルギーを伝達する。例えば、流通路Gを流通する空気が冷媒によって冷却されて、流通路Gを流通する空気の温度は、第1冷却温度になる。第1冷却温度は、例えば、20℃である。
【0030】
フィルター51は、吸込口P1Aに配置される。フィルター51は室内の空気中の塵埃を集塵する。具体的には、フィルター51は、吸込口P1Aを通過する空気から塵埃を集塵する。
【0031】
続けて図3を参照して、室内機5が配置される部屋100について詳細に説明する。図3は、部屋100の構成を示す図である。図3に示すように、部屋100は、複数の壁面111と、床112と、天井とを有する。複数の壁面111と、床112と、天井とによって、空間114が画定されている。
【0032】
空間114は、三次元空間である。具体的には、空間114は、複数の領域を含む。例えば、複数の領域は、それぞれ、互いに同じ体積を有する略直方体形状である。例えば、複数の領域は、N行×M列×S段の領域である。N、M及びSの内の少なくとも1つは2以上の整数を示す。複数の領域は、第1方向(X軸の正方向)D1に第1行から第N行まで順に並び、第2方向(Y軸の正方向)D2に第1列から第M列まで順に並び、第3方向(Z軸の正方向)D3に第1段から第S段まで順に並んでいる。
【0033】
室内機5は、複数の壁面111の内の第1方向D1と逆方向側の壁面111の上部に設置される。例えば、第1行第2列第3段の領域に、室内機5が配置されている。また、空間114には、家具または家電が配置されている。例えば、第1行第1列第1段の領域に、ベッドが配置されている。第3行第1列第1段の領域に、テレビが配置されている。
【0034】
空間114には、犬PCが存在する。犬PCは、「ペット」の一例である。なお、空間114には、ユーザHAが存在しない。例えば、ユーザHAは仕事に出かけている。すなわち、ユーザHAは長時間、外出している。犬PCは、空間114で、食事、運動、排便または睡眠を行う。具体的には、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に、犬PCが存在する。犬PCは、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に自由に移動する。
【0035】
続けて、図4を参照して、実施形態1に係る操作装置210について説明する。図4は、操作装置210を示すブロック図である。図4に示すように、操作装置210は、例えば、タブレット端末またはスマートフォンである。操作装置210は、ユーザHAに所持される。
【0036】
具体的には、操作装置210は、記憶部211と、制御部212と、通信部213と、操作部214とを有する。
【0037】
記憶部211は、プログラムを記録した非一時的コンピュータ読取可能記録媒体の一例である。具体的には、記憶部211は、記憶装置を含み、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーションAP」と記載する場合がある)、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。具体的には、記憶部211は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/または、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部211は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0038】
アプリケーションAPは、例えば、操作部214に複数の操作ボタンを表示させるコンピュータプログラムである。なお、実施形態1では、アプリケーションAPは、サーバー250から操作装置210にダウンロードされ、インストールされている。サーバー250は、制御部251と、記憶部252とを有する。制御部251は、CPUのようなプロセッサーを含む。記憶部252は、プログラムを記録した非一時的コンピュータ読取可能記録媒体の一例である。具体的には、記憶部252は、記憶装置を含み、アプリケーションAP、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。具体的には、記憶部252は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/または、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部252は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0039】
制御部212は、CPUのようなプロセッサーを含む。制御部212は、操作装置210の各要素を制御する。具体的には、制御部212が、記憶部211に格納されたコンピュータプログラム及びアプリケーションAPを実行することにより、通信部213と操作部214とを制御する。
【0040】
操作部214は、例えばタッチパネルである。具体的には、操作部214は、タッチ検出部及び表示部を含む。表示部は、例えば、液晶ディスプレイ、または、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。タッチ検出部は、例えば、タッチセンサーである。タッチ検出部は、例えば表示部の表示面に配置される。
【0041】
詳細には、操作部214は、指示情報S1を受付ける。例えば、ユーザHAが所定ボタン(例えば決定ボタン)をタッチすることにより、操作部214は、指示情報S1を受付ける。すなわち、アプリケーションAPは、指示情報S1を受付けるステップを実行させる。指示情報S1は、ユーザHAからの指示を示す。
【0042】
指示情報S1は、空気の性質の目標設定値を含むことが好ましい。目標設定値は、例えば、空気の目標温度値(例えば26℃)を含む。目標設定値は、任意の数値であり、ユーザHAによって選択されたり、予め設定されている。
【0043】
また、指示情報S1は、空間114に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合と、対象領域を指定する情報を含まない場合とがある。対象領域は、空間114に含まれる。対象領域は、例えば、第1行第2列第1段の領域である。対象領域は、任意の領域であり、ユーザHAによって選択されたり、予め設定されている。
【0044】
通信部213は、室内機5と無線通信を行う。通信部213は、例えば、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインターフェースコントローラー(NIC)、または、WiFiによる通信規格に準じた通信を含む。また、通信部213は、無線通信を行う無線通信モジュールを含んでもよい。具体的には、通信部213は、室内機5に指示情報S1を送信する。
【0045】
続けて、図5を参照して、実施形態1に係る空気調整装置95を説明する。図5は、空気調整装置95を示すブロック図である。図5に示すように、室内機5は、記憶部57と、駆動部58と、温度センサ70とを更に含む。駆動部58は、「送風機構」の一例である。温度センサ70は、「検知部」の一例である。
【0046】
温度センサ70は、空間114の空気の性質を検知する。具体的には、温度センサ70は、空間114の空気の温度を検知する。温度センサ70は、例えば、キャビネット50に配置されている。
【0047】
駆動部58は、風向板54Aを駆動する。風向板54Aは、複数の状態の内のいずれかの状態となる。具体的には、風向板54Aは、第1状態から第10状態の内のいずれかの状態となる。詳細には、風向板54Aは、運転停止時に、第1状態となる。第1状態は、吹出口P2を閉めた状態を示す。
【0048】
一方、風向板54Aは、運転時に、第2状態から第10状態の内のいずれかの状態となる。第2状態から第10状態の各々は、吹出口P2を開いた状態を示す。具体的には、第2状態は、第1行第1列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第3状態は、第1行第2列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第4状態は、第1行第3列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第5状態は、第3行第1列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第6状態は、第3行第2列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第7状態は、第3行第3列第1段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第8状態は、第3行第1列第3段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第9状態は、第3行第2列第3段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。第10状態は、第3行第3列第3段の領域に向かって空気を送風する状態を示す。
【0049】
通信部59は、操作装置210から指示情報S1を受付ける。指示情報S1が対象領域を指定する情報を含む場合、指示情報S1で示される目標設定値は、犬PCに応じた性質を示すことが好ましい。詳細には、目標設定値は、犬PCが好む性質を示すことが好ましい。換言すれば、目標設定値は、犬PCが移動する性質を示すことが好ましい。一方、指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合、指示情報S1で示される目標設定値は、ユーザHAに応じた性質を示すことが好ましい。
【0050】
記憶部57は、プログラムを記録した非一時的コンピュータ読取可能記録媒体の一例である。具体的には、記憶部57は、記憶装置を含み、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーションBP」と記載する場合がある)、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。具体的には、記憶部57は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/または、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部211は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0051】
詳細には、記憶部57は、第1制御テーブル及び第2制御テーブルを更に記憶することが好ましい。第1制御テーブルは、指示情報S1と、制御信号S2との関係を示す。具体的には、第1制御テーブルは、温度センサ70の検知結果(例えば、初期温度値)と、設定性質(例えば、目標設定値)と、空間114における対象領域の位置(例えば、第1行第2列第1段の領域)と、ファン53の制御方法(例えば、回転速度、角加速度)と、駆動部58の制御方法(例えば、風向板54Aの状態)と、圧縮機11の制御方法(例えば、回転数、膨張弁開度、弁の切替)との関係を示す。すなわち、第1制御テーブルは、指示情報S1が対象領域を指定する情報を含む場合に、用いられる。
【0052】
第2制御テーブルは、指示情報S1と、制御信号S2との関係を示す。具体的には、第2制御テーブルは、温度センサ70の検知結果(例えば、初期温度値)と、設定性質(例えば、目標設定値)と、ファン53の制御方法(例えば、回転速度、角加速度)と、駆動部58の制御方法(例えば、風向板54Aの状態)と、圧縮機11の制御方法(例えば、回転数、膨張弁開度、弁の切替)との関係を示す。すなわち、第2制御テーブルには、指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合に、用いられる。
【0053】
制御部56は、作成部56aを有する。作成部56aは、指示情報S1に基づいて、空気調整部91を制御するための制御信号S2を作成する。すなわち、アプリケーションBPは、指示情報S1に基づいて制御信号S2を作成するステップを実行させる。
【0054】
制御信号S2は、圧縮機11を制御する性質調整信号S23と、ファン53を制御する信号S21と、駆動部58を制御する対象領域送風信号S22又は駆動部58を制御する空間送風信号とを含む。性質調整信号S23は、指示情報S1で示される目標設定値に空気の性質を調整するための信号を示す。対象領域送風信号S22は、指示情報S1で示される対象領域に向かって空気を送風するための信号を示す。空間送風信号は、空間114の空気を調和するための信号を示す。
【0055】
制御信号S2は、ファン53の回転速度を調整するようにファン53を制御する信号を更に含むことが好ましい。作成部56aが作成する制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれる場合、作成部56aは、制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれなかった場合よりも、ファン53の回転速度を小さくする。その結果、制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれる場合には、ファン53の駆動音は小さくなる。よって、犬PCのような動物は、ファン53の駆動音を気にせず、部屋100内で快適にすごすことができる。更に、制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれる場合のファン53の回転速度を変更する際の角加速度は、制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれなかった場合のファン53の回転速度を変更する際の角加速度よりも小さいことが好ましい。その結果、制御信号S2に対象領域送風信号S22が含まれる場合には、ファン53の駆動音は小さくなる。よって、犬PCのような動物は、ファン53の駆動音を気にせず、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0056】
具体的には、通信部59が受付けた指示情報S1が空間114に含まれる複数の領域の内の対象領域を指定する情報を含む場合、作成部56aは、対象領域送風信号S22を更に含む制御信号S2を作成する。更に具体的には、作成部56aは、指示情報S1と第1制御テーブルと温度センサ70の検知結果とに基づいて、制御信号S2を作成する。詳細には、作成部56aは、温度センサ70から初期温度値(例えば、30℃)を示す信号を受信する。作成部56aは、初期温度値と目標温度値とに基づいて、性質調整信号S23を作成し、ファン53及び圧縮機11を作動させる。また、作成部56aは、例えば、第1行第2列第1段の領域に応じた対象領域送風信号S22を作成し、風向板54Aが第3状態となるように、駆動部58を制御する。換言すれば、作成部56aは、空間114に含まれる複数の領域の内の対象領域に向かって、熱交換器52で性質が調整された空気を送風するように、風向板54Aを制御する。
【0057】
具体的には、作成部56aは、第1行第2列第1段の領域に向かって、第1冷却温度の空気を送風するように、風向板54Aを制御する。すなわち、空気は、第1行第2列第2段の領域を通過し、第1行第2列第1段の領域に到達する。その結果、第1行第2列第1段及び第1行第2列第2段の領域に存在する空気の温度は、略目標温度値を示す。
【0058】
また、第1行第2列第1段及び第1行第2列第2段の領域の内のいずれかに隣接する領域に存在する空気の温度は、略第2冷却温度である。第2冷却温度は、目標温度値より高い。具体的には、第1行第1列第1段、第1行第3列第1段、第2行第2列第1段、第1行第1列第2段、第1行第3列第2段、及び、第2行第2列第2段の領域に存在する空気の温度は、略第2冷却温度である。
【0059】
更に、第1行第2列第1段及び第1行第2列第2段の領域に離間する領域に存在する空気の温度は、略第3冷却温度である。第3冷却温度は、第2冷却温度より高い。具体的には、第1行第2列第1段、第1行第2列第2段、第1行第1列第1段、第1行第3列第1段、第2行第2列第1段、第1行第1列第2段、第1行第3列第2段、及び、第2行第2列第2段の領域以外の領域に存在する空気の温度は、略第3冷却温度である。すなわち、対象領域を中心として空気の性質を調整するように、作成部56aは風向板54Aを制御している。
【0060】
以上、図1から図5を参照して説明したように、実施形態1によれば、作成部56aは、対象領域に向かって空気を送風するように駆動部58を制御する対象領域送風信号S22を更に含む制御信号S2を作成する。すなわち、作成部56aは、複数の領域の内の対象領域に向かって、熱交換器52等で性質が調整された空気を送風するように、風向板54Aを制御する。その結果、例えば、第1行第2列第1段及び第1行第2列第2段の領域に存在する空気の温度は、略目標温度値を示す。第1行第2列第1段及び第1行第2列第2段以外の領域に存在する空気の温度は、略目標温度値と異なる温度である。すなわち、空間114に空気の性質の分布(例えば、温度分布)が形成される。よって、例えば、犬PCのような動物は、暑いときには、第1行第2列第1段の領域に移動する。また、犬PC’のような動物は、寒いときには、第3行第3列第1段の領域に移動する。その結果、犬PCのような動物は、所望の性質に調整された空気が存在する領域に居ることができる。よって、犬PCのような動物は、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0061】
また、例えば、ユーザHAは外出する前に、通信部59に、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付けさせる。その結果、ユーザHAは所定時間、外出しているときに、空間114に空気の性質の分布(例えば、温度分布)を形成できる。よって、ユーザHAが部屋100内に居なくても、犬PCのような動物は、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0062】
そして、室内機5は、温度センサ70を含む。その結果、作成部56aは、対象領域の空気の性質を目標温度値に、精度よく調整できる。
【0063】
更に、目標設定値は、犬PCに応じた性質を示す。対象領域は、例えば、特に清潔にしたい家具(例えば、ベッド)が配置されていない領域である。その結果、犬PCは、対象領域に移動する。よって、犬PCが家具または家電等を汚すことを抑制できる。
【0064】
更に詳細には、例えば、第1所定期間が経過したときに、ファン53及び圧縮機11を作動させることを停止してもよい。第1所定期間は、ファン53及び圧縮機11を作動させる期間であり、第1行第2列第1段の領域の空気の目標温度値にもよるが、例えば、20分間である。ファン53及び圧縮機11を作動させることを停止すると、第1行第2列第2段の領域の略目標温度値の空気は、周囲の空気の温度より低いので、下降する。その結果、第1行第2列第1段の領域の空気の温度が周囲の空気の温度より低くなるスポットが形成される。すなわち、対象領域を中心として空気の性質を調整するように、作成部56aは風向板54Aを制御している。なお、ファン53の作動が停止しているため、第1行第2列第1段の領域に風も吹きつけられない。
【0065】
また、第1所定期間から第2所定期間が経過したときに、ファン53及び圧縮機11を作動させてもよい。第2所定期間は、ファン53及び圧縮機11の駆動を停止させる期間であり、第1行第2列第1段の領域の空気の温度の上昇の仕方にもよるが、例えば、40分間である。そして、第1所定期間と第2所定期間とは、交互に繰り返されてもよい。
【0066】
続けて図6を参照して、空間114にユーザHA及び犬PCが存在する場合について説明する。図6は、部屋100の構成を示す図である。図6に示すように、空間114には、ユーザHA及び犬PCが存在する。具体的には、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に、ユーザHA及び犬PCが存在する。ユーザHAは、空間114で、食事、運動または睡眠を行う。ユーザHAは、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に自由に移動する。
【0067】
通信部59は、操作装置210から指示情報S1を受付ける。指示情報S1は、ユーザHAからの指示を示す。指示情報S1は、対象領域を指定する情報を含まず、空気の性質の目標設定値である設定性質を示す情報を含む。換言すれば、対象領域を指定する情報を含まない場合、指示情報S1は、空間114全体の空気の性質の目標設定値である設定性質を示す情報を含む。
【0068】
目標設定値は、例えば、空気の目標温度値(例えば28℃)を含む。目標設定値は、任意の数値であり、ユーザHAによって選択される。指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合、指示情報S1で示される目標設定値は、ユーザHAに応じた性質を示すことが好ましい。詳細には、目標設定値は、ユーザHAが好む性質を示すことが好ましい。
【0069】
制御信号S2は、圧縮機11を制御する性質調整信号S23と、ファン53を制御する信号S21と、駆動部58を制御する空間送風信号とを含む。性質調整信号S23は、指示情報S1で示される目標設定値に空気の性質を調整するための信号を示す。空間送風信号は、空間114の空気を調和するための信号を示す。
【0070】
指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合、作成部56aは、指示情報S1に基づいて、対象領域送風信号S22を含む制御信号S2を作成してもよく、対象領域送風信号S22を含む制御信号S2を作成しなくてもよい。また、指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合、作成部56aは、指示情報S1に基づいて、対象領域送風信号S22に代えて、空間送風信号を含む制御信号S2を作成してもよい。具体的には、指示情報S1が対象領域を指定する情報を含まない場合、作成部56aは、指示情報S1に基づいて、空間送風信号を更に含む制御信号S2を作成する。更に具体的には、作成部56aは、指示情報S1と第2制御テーブルと温度センサ70の検知結果とに基づいて、制御信号S2を作成する。詳細には、作成部56aは、温度センサ70から初期温度値(例えば、30℃)を示す信号を受信する。作成部56aは、初期温度値と目標温度値とに基づいて、性質調整信号S23を作成し、ファン53及び圧縮機11を作動させる。また、作成部56aは、空間送風信号を作成し、風向板54Aがスイングするように、駆動部58を制御する。換言すれば、作成部56aは、空間114に含まれる複数の領域で空気を調和するように、風向板54Aを制御する。
【0071】
具体的には、第1期間に、作成部56aは、第3行第1列第3段の領域に向かって、第1冷却温度の空気を送風するように、風向板54Aを制御する。第1期間は、例えば、1分間である。第3行第1列第3段の領域に到達した空気は、壁面111に沿って下降する。
【0072】
また、第2期間に、作成部56aは、第3行第2列第3段の領域に向かって、第1冷却温度の空気を送風するように、風向板54Aを制御する。第2期間は、第1期間と異なる。第2期間は、例えば、1分間である。第3行第2列第3段の領域に到達した空気は、壁面111に沿って下降する。更に、第3期間に、作成部56aは、第3行第3列第3段の領域に向かって、第1冷却温度の空気を送風するように、風向板54Aを制御する。第3期間は、第1期間及び第2期間と異なる。第3期間は、例えば、1分間である。第3行第3列第3段の領域に到達した空気は、壁面111に沿って下降する。
【0073】
そして、例えば、温度センサ70で検出された検知結果が目標温度値以下になったときに、ファン53及び圧縮機11を作動させることを停止する。一方、温度センサ70で検出された検知結果が目標温度値を超えたときに、ファン53及び圧縮機11を作動させて、風向板54Aがスイングするように、駆動部58を制御する。その結果、第1行第1列第1段から第3行第3列第3段までの全領域の空気が混合されることにより、第1行第1列第1段から第3行第3列第3段までの全領域で空気の温度が目標温度値になる。よって、ユーザHA及び犬PCは、N行×M列×S段の領域の内のいずれの領域に居ても、目標温度値ですごすことができる。
【0074】
また、例えば、ユーザHAは、部屋100内の空気の目標温度値を変更したいときに、通信部59に指示情報S1を受付けさせる。例えば、ユーザHAは食事するときに、目標温度値を低くする。また、ユーザHAは寝るときに、目標温度値を高くする。よって、ユーザHA及び犬PCは、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0075】
続けて、図7を参照して、操作装置210に表示された操作画像300の一例について説明する。図7は、操作装置210に表示された操作画像300の一例を示す図である。
【0076】
図7に示すように、操作画像300は、第1表示エリア301と、第2表示エリア302と、第3表示エリア303と、第4表示エリア304とに分割されている。
【0077】
第1表示エリア301には、複数の操作ボタン301a~301bが表示されている。具体的には、第1表示エリア301には、冷房ボタン301aと、暖房ボタン301bとが表示されている。詳細には、ユーザHAは、複数の操作ボタン301a~301bの内から1個の操作ボタンを選択する。選択された1個の操作ボタンは、円で囲まれる。
【0078】
冷房ボタン301aは、「冷房運転」に対応する。「冷房運転」では、流通路Gを流通する空気が冷媒によって冷却されて、流通路Gを流通する空気の温度は、第1冷却温度になる。また、暖房ボタン301bは、「暖房運転」に対応する。「暖房運転」では、流通路Gを流通する空気が熱媒によって温められて、流通路Gを流通する空気の温度は、暖房温度になる。暖房温度は、例えば、30℃である。
【0079】
第2表示エリア302には、減算ボタン302aと、設定温度表示エリア302bと、加算ボタン302cとが表示されている。設定温度表示エリア302bには、設定温度値(例えば、26.0℃)が表示されている。ユーザHAが減算ボタン302aを押圧すると、設定温度値から0.5℃が減算されて、設定温度表示エリア302bに新たな設定温度値が表示される。また、ユーザHAが加算ボタン302cを押圧すると、設定温度値に0.5℃が加算されて、設定温度表示エリア302bに新たな設定温度値が表示される。
【0080】
第3表示エリア303には、ペットモードボタン303aが表示されている。ペットモードボタン303aは、例えば、ペットモードワンちゃんと表示されている。ペットモードボタン303aは、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付ける。詳細には、ペットモードボタン303aが選択されたときに、ペットモードボタン303aは、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付ける。ペットモードボタン303aは、円で囲まれる。一方、ペットモードボタン303aが選択されていないときに、対象領域を指定しない情報を含む指示情報を受付ける。ペットモードボタン303aは、円で囲まれない。
【0081】
第4表示エリア304には、決定ボタン304aが表示されている。決定ボタン304aは、第1表示エリア301と第2表示エリア302と第3表示エリア303とで選択されている運転内容に決定する。例えば、第1表示エリア301で冷房ボタン301aが選択され、第2表示エリア302の設定温度表示エリア302bで目標温度値が設定され、第3表示エリア303でペットモードボタン303aが選択されたことが決定ボタン304aで決定される。
【0082】
決定ボタン304aで決定されると、通信部213は、室内機5に指示情報S1を送信する。
【0083】
次に、図8を参照して実施形態1の空気調整システム200による空気調整方法を説明する。図8は、空気調整システム200による空気調整方法を説明するためのフロー図である。
【0084】
ステップS101において、作成部56aは、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付けたか否かを判定する。
【0085】
ステップS101で作成部56aは、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付けたと判定した場合には、処理は、ステップS102に進む。
【0086】
ステップS102において、作成部56aは、指示情報S1に基づいて、対象領域送風信号S22を含む制御信号S2を作成する。
【0087】
次に、ステップS103において、作成部56aは、ファン53及び圧縮機11を制御する。具体的には、流通路Gを流通する空気が冷媒によって冷却されて、流通路Gを流通する空気の温度は、第1冷却温度になる。
【0088】
次に、ステップS104において、作成部56aは、複数の領域の内の対象領域に向かって、熱交換器52で温度が調整された空気を送風するように、風向板54Aを制御する。すなわち、室内機5は、対象領域を中心として空気の性質を調整する。そして、空気調整方法が終了する。
【0089】
一方、ステップS101で作成部56aは、対象領域を指定する情報を含まない指示情報S1を受付けたと判定した場合には、処理は、ステップS105に進む。
【0090】
ステップS105において、作成部56aは、指示情報S1に基づいて、空間送風信号を含む制御信号S2を作成する。
【0091】
次に、ステップS106において、作成部56aは、ファン53及び圧縮機11を制御する。具体的には、流通路Gを流通する空気が冷媒によって冷却されて、流通路Gを流通する空気の温度は、第1冷却温度になる。
【0092】
次に、ステップS107において、第1行第1列第1段から第3行第3列第3段までの全領域の空気の温度が、目標温度値を示すように、作成部56aは風向板54Aを制御する。すなわち、第1行第1列第1段から第3行第3列第3段までの全領域で空気の温度を目標温度値に調整する。そして、空気調整方法が終了する。
【0093】
以上、図8を参照して説明したように、実施形態1によれば、作成部56aは、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1及び対象領域を指定する情報を含まない指示情報S1の内のいずれかを受付けたかを判定する。よって、ユーザHAは、空気調整システム200を容易に操作できる。
【0094】
[実施形態2]
次に、図9を参照して、本発明の実施形態2に係る空気調整システム200を説明する。また、実施形態2の空気調整システム200は、空間114には、猫PD及び犬PCが存在する点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0095】
図9は、実施形態2に係る空気調整システム200の構成を示す図である。図9に示すように、空間114には、猫PD及び犬PCが存在する。猫PDは、「ペット」の一例である。すなわち、空間114には2種類のペットが存在する。猫PDは、空間114で、食事、運動、排便または睡眠を行う。具体的には、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に、猫PD及び犬PCが存在する。猫PD及び犬PCの各々は、N行×M列×S段の領域の内のいずれかの領域に自由に移動する。
【0096】
通信部59は、操作装置210から指示情報S1を受付ける。作成部56aは、指示情報S1に基づいて、空気調整部91を制御するための制御信号S2を作成する。例えば、作成部56aは、温度センサ70から初期温度値(例えば、30℃)を示す信号を受信する。作成部56aは、初期温度値と目標温度値とに基づいて、性質調整信号S23を作成し、ファン53及び圧縮機11を作動させる。また、作成部56aは、対象領域送風信号S22を作成し、風向板54Aが第3状態となるように、駆動部58を制御する。換言すれば、作成部56aは、空間114に含まれる複数の領域の内の対象領域に向かって、熱交換器52で性質が調整された空気を送風するように、風向板54Aを制御する。
【0097】
以上、図9を参照して説明したように、実施形態2によれば、空間114に空気の性質の分布(例えば、温度分布)が形成される。よって、例えば、犬PCのような動物は、暑いときには、第1行第2列第1段の領域に移動する。また、犬PC’のような動物は、寒いときには、第3行第3列第1段の領域に移動する。その結果、犬PCのような動物は、所望の性質に調整された空気が存在する領域に居ることができる。よって、犬PCのような動物は、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0098】
また、例えば、猫PDのような動物は、暑いときには、第1行第2列第1段の領域に移動する。また、猫PDのような動物は、寒いときには、第3行第3列第1段の領域に移動する。その結果、猫PDのような動物は、所望の性質に調整された空気が存在する領域に居ることができる。よって、猫PDのような動物は、部屋100内で快適にすごすことができる。
【0099】
[実施形態3]
次に、図10を参照して、本発明の実施形態3に係る空気調整システム200を説明する。図10は、実施形態3に係る空気調整システムを示すブロック図である。実施形態3の制御部212は、作成部212aを有する点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態3について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0100】
記憶部211は、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーションBP」と記載する場合がある)、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。
【0101】
操作部214は、指示情報S1を受付ける。操作部214は、「受付部」の一例である。例えば、ユーザHAが所定ボタン(例えばペットモードボタン)をタッチすることにより、操作部214は、対象領域を指定する情報を含む指示情報S1を受付ける。すなわち、アプリケーションBPは、指示情報S1を受付けるステップを実行させる。
【0102】
制御部212は、作成部212aを有する。作成部212aは、指示情報S1に基づいて、空気調整部91を制御するための制御信号S2を作成する。すなわち、アプリケーションBPは、指示情報S1に基づいて制御信号S2を作成するステップを実行させる。
【0103】
通信部213は、室内機5に制御信号S2を送信する。制御信号S2は、圧縮機11を制御する性質調整信号S23と、ファン53を制御する信号S21と、駆動部58を制御する対象領域送風信号S22とを含む。
【0104】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0105】
(1)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、室内機5は、空気の性質として、空気の温度を調整したが、本発明はこれに限定されない。室内機5は、空気の性質として、空気の湿度を調整してもよく、空気中の物質(例えば、正負イオン)の含有量を調整してもよく、空気の温度及び湿度を調整してもよく、空気の温度及び空気中の物質の含有量を調整してもよい。
【0106】
(2)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、ペットは、犬PCまたは猫PDであったが、本発明はこれに限定されない。ペットは、鳥、爬虫類または両生類であってもよい。
【0107】
(3)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、空間114に含まれる複数の領域は、それぞれ、互いに同じ体積を有する略直方体形状であったが、本発明はこれに限定されない。複数の領域は、それぞれ、略球体形状であってもよい。また、複数の領域は、互いに異なる体積を有してもよい。すなわち、対象領域は、空間114の内の一部の領域であればよい。
【0108】
(4)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、操作装置210は、タブレット端末またはスマートフォンであったが、本発明はこれに限定されない。操作装置210は、室内機5専用のリモコンであってもよい。
【0109】
(5)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、対象領域は、ユーザHAによって予め第1行第2列第1段の領域に設定されていたが、本発明はこれに限定されない。対象領域の位置を時間(例えば午前または午後)で変更してもよい。この際、作成部56aは、風向板54Aをゆっくり移動させることが好ましい。また、対象領域の性質を時間(例えば午前または午後)で変更してもよい。この際、作成部56aは、圧縮機11の回転数をゆっくり変化させることが好ましい。
【0110】
(5)図1図10を参照して説明したように、実施形態1~実施形態3では、記憶部57は、第1制御テーブル及び第2制御テーブルを記憶したが、本発明はこれに限定されない。記憶部57は、第2制御テーブルのみを記憶してもよい。指示情報S1が対象領域を指定する情報を含む場合には、第2制御テーブルにおいて同一条件で示されるファン53の回転速度に、1より小さい所定係数を乗算して、第2制御テーブルで示されるファン53の回転速度より小さいファン53の回転速度としてもよい。同一条件は、例えば、初期温度値が略同一であり、目標温度値が略同一であることである。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、制御装置、空気調整装置、コンピュータプログラム及び空気調整方法を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0112】
11 圧縮機(性質調整機構)
53 ファン(送風機構)
56a 作成部
58 駆動部(送風機構)
59 通信部(受付部)
90 制御装置
91 空気調整部
S1 指示情報
S2 制御信号
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10