(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】ドット状マーキング及び印字装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/145 20060101AFI20241204BHJP
B41J 2/11 20060101ALI20241204BHJP
B41J 2/14 20060101ALI20241204BHJP
B41J 2/045 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B41J2/145
B41J2/11
B41J2/14 501
B41J2/045
(21)【出願番号】P 2021054449
(22)【出願日】2021-03-28
【審査請求日】2024-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390002808
【氏名又は名称】マークテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090893
【氏名又は名称】渡邊 敏
(72)【発明者】
【氏名】松本 謙二
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-048057(JP,A)
【文献】特開昭62-231762(JP,A)
【文献】特開2008-119553(JP,A)
【文献】特開平02-155655(JP,A)
【文献】特開2011-079274(JP,A)
【文献】特開平05-185591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同方向にドット状印字塗料を吐出又は吐出停止することによりドット状マーク及び印字が可能なスプレーノズルを等間隔に複数備えたドット状マーキング及び印字装置であって、前記スプレーノズルは圧縮空気を用いて塗料を霧化するためのアトマイズノズルと、該アトマイズノズルの略中心に保持されて前記ドット状印字塗料を吐出及び吐出停止可能な吐出ノズルを備えるドット状マーキング及び印字装置において、前記アトマイズノズルはその先端にエアー噴出口を備え、該エアー噴出口は吐出方向から見て直線に沿い列をなしており、前記列の両側の延長線上に、更にエアー吹き出し部の吹き出し口を設け
、
前記アトマイズノズルは内側に圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路に囲まれる位置に前記吐出ノズルは位置し、前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルよりも狭く構成されることを特徴とする、ドット状マーキング及び印字装置。
【請求項2】
前記ドット状マーキング及び印字装置はエアーを供給するための圧縮空気通路を備え、前記アトマイズノズルは内側に
前記圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路は前記圧縮空気通路と連通しており、前記エアー吹き出し部は第二の圧縮空気流路を備え、該第二の圧縮空気流路と前記圧縮空気通路は連通していることを特徴とする、請求項1に記載のドット状マーキング及び印字装置。
【請求項3】
前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルと比較してエアー流速が70~150パーセントであることを特徴とする、請求項1乃至2に記載のドット状マーキング及び印字装置。
【請求項4】
前記アトマイズノズル及び前記エアー吹き出し部は、複数の前記吐出ノズルとは別体のノズルプレートに備えられていることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のドット状マーキング及び印字装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼鉄材料等の製品にドットマークにより印字及び図形を描画するためのドット状マーキング及び印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のドット状マーキング及び印字装置は、スプレーノズルを備えており、スプレーノズル先端にドット状印字に適した吐出ノズルを備え、その外側にアトマイズノズルを備えた二重構造を有し、この吐出ノズルの内方に弁座と球体弁体からなる吐出制御弁が形成される構造が知られている。この球体弁体はロッドを介して振動機構の、例えば電磁ソレノイドの可動鉄心に一体的に連結される。弁座と球体弁体の周辺には加圧された塗料が充満する塗料室が設けられる。可動鉄心の往復運動により吐出制御弁が開閉して吐出ノズルよりドット状液体塗料が断続的に吐出される。しかし、このような構成では、スプレーノズルを列状に並べて吐出の有無を制御し、ドットマークにより印字及び図形を描画する際に、両端に位置するスプレーノズルから吐出される塗料の霧が、さらに内側のスプレーノズルから噴出する圧縮空気の影響により、外側に軌道がずれることがあった。その結果、印字が乱れてしまうという問題があった。
【0003】
たとえば特許文献1においては、吐出ノズルの周囲にこれを取り囲む圧縮空気噴出口を有する二重管ノズルを設けて、さらに吐出ノズルが圧縮空気噴出口より所定の距離だけ長く突出していることを特徴とするドット状印字装置が開示されている。特許文献1に開示されるドット状印字装置では、単独のスプレーノズルの構造としては優れるものの、複数のスプレーノズルを設けた場合、上述した、内側のスプレーノズルから噴出する圧縮空気の影響により両端のスプレーノズルから吐出される塗料の霧の軌道がずれてしまうため、印字が乱れてしまうという問題は解決されていない。また、特許文献1の場合、複数のスプレーノズルを設けようとすると、どうしても吐出ノズル間のピッチが大きくなり、その結果ドットピッチも大きくせざるを得ないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ドット状マーキング及び印字のドット間のピッチをより狭くするとともに、列状に複数設けられたスプレーノズルの両端に位置するスプレーノズルにおいても、簡易な構造で、吐出される塗料の霧の軌道が真っすぐとなり、乱れの少ない印字及び描画可能なドット状マーキング及び印字装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、同方向にドット状印字塗料を吐出又は吐出停止することによりドット状マーク及び印字が可能なスプレーノズルを等間隔に複数備えたドット状マーキング及び印字装置であって、前記スプレーノズルは圧縮空気を用いて塗料を霧化するためのアトマイズノズルと、該アトマイズノズルの略中心に保持されて前記ドット状印字塗料を吐出及び吐出停止可能な吐出ノズルを備えるドット状マーキング及び印字装置において、前記アトマイズノズルはその先端にエアー噴出口を備え、該エアー噴出口は吐出方向から見て直線に沿い列をなしており、前記列の両側の延長線上に、更にエアー吹き出し部の吹き出し口を設け、前記アトマイズノズルは内側に圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路に囲まれる位置に前記吐出ノズルは位置し、前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルよりも狭く構成されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記ドット状マーキング及び印字装置はエアーを供給するための圧縮空気通路を備え、前記アトマイズノズルは内側に前記圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路は前記圧縮空気通路と連通しており、前記エアー吹き出し部は第二の圧縮空気流路を備え、該第二の圧縮空気流路と前記圧縮空気通路は連通していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルと比較してエアー流速が70~150パーセントであることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記アトマイズノズル及び前記エアー吹き出し部は、複数の前記吐出ノズルとは別体のノズルプレートに備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は同方向にドット状印字塗料を吐出又は吐出停止することによりドット状マーク及び印字が可能なスプレーノズルを等間隔に複数備えたドット状マーキング及び印字装置であって、前記スプレーノズルは圧縮空気を用いて塗料を霧化するためのアトマイズノズルと、該アトマイズノズルの略中心に保持されて前記ドット状印字塗料を吐出及び吐出停止可能な吐出ノズルを備えるドット状マーキング及び印字装置において、前記アトマイズノズルはその先端にエアー噴出口を備え、該エアー噴出口は吐出方向から見て直線に沿い列をなしており、前記列の両側の延長線上に、更にエアー吹き出し部の吹き出し口を設け、前記アトマイズノズルは内側に圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路に囲まれる位置に前記吐出ノズルは位置し、前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルよりも狭く構成されることを特徴とするので、列の両端部に位置するスプレーノズルから吐出されるドット状印字塗料の軌道がずれることを防ぐことができ、ドット状印字及び描画が乱れることを防ぐことができる。
【0011】
また、本発明は、前記ドット状マーキング及び印字装置はエアーを供給するための圧縮空気通路を備え、前記アトマイズノズルは内側に前記圧縮空気流路を設け、前記圧縮空気流路は前記圧縮空気通路と連通しており、前記エアー吹き出し部は第二の圧縮空気流路を備え、該第二の圧縮空気流路と前記圧縮空気通路は連通していることを特徴とするので、ドット状印字及び描画が乱れることを防ぐために吹き出し口を設けるにあたり、圧縮空気が必要でありその圧力も調整が必要であるところ、1つの圧縮空気供給源のみで圧縮空気を使用することができるとともに、同一の供給源から圧縮空気が供給されるため、同一の圧力で圧縮空気が供給されることになる。吹き出し口から噴出する圧縮空気は列の両端のエアー噴出口から噴出する圧縮空気と均衡を保てる程度の勢いに調整する必要があるところ、アトマイズノズルとエアー吹き出し部の双方の管路抵抗を同程度になるよう設計すれば調整可能であるため、アトマイズノズルとエアー吹き出し部を同様の構成で製造すればドット状印字及び描画が乱れることを防止する効果を得られる。つまり、簡易な設計で上述の効果を得ることができる。
【0012】
また、本発明は、前記エアー吹き出し部は、前記アトマイズノズルと比較してエアー流速が70~150パーセントであることを特徴とするので、スプレーノズルから管路抵抗を調整したエアー吹き出し部を備えた場合でも、アトマイズノズルとエアー吹き出し部が、吐出ノズルを除いて同様の構造である簡易な構成であっても、列の両端部に位置するスプレーノズルから吐出されるドット状印字塗料の軌道がずれることを防ぐことができ、ドット状印字及び描画が乱れることを防ぐことができる。
【0013】
さらに、前記アトマイズノズル及び前記エアー吹き出し部は、複数の前記吐出ノズルとは別体のノズルプレートに備えられていることを特徴とするので、列の両端部に位置するスプレーノズルから吐出されるドット状印字塗料の軌道がずれることを防ぐことができ、ドット状印字及び描画が乱れることを防ぐことができるとともに、吐出ノズル間のピッチを短くすることができ、ドット状印字及び描画のドットピッチを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係るドット状マーキング及び印字装置1の一例が示された概略断面図である。
【
図2】本実施形態に係る他の一例である、ドット状マーキング及び印字装置103が示された概略断面図である。
【
図3】
図1のドット状マーキング及び印字装置1の、ノズルプレート10及び吐出ノズル11を示した斜視図で、ノズルプレート10の一部を切り取って内部を露出させた説明図である。
【
図4】(X)は、
図1のアトマイズ部40近傍の拡大説明図、(Y)はアトマイズ部40近傍を、説明のため内部を露出させた斜視図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の他の一例としてノズルプレート110を備えたドット状マーキング及び印字装置101が示された概略断面図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の他の一例としてエアーノズル100を備えたドット状マーキング及び印字装置102が示された概略断面図である。
【
図7】
図1のノズルプレート10及び吐出ノズル11の全体像の一例を概観した図であり、(X)は正面図、(Y)はその斜視図である。
【
図8】ドット状マーキング及び印字装置のうち、エアー吹き出し部13を備えないノズルプレート111と、吐出ノズル11を示した図で、吐出ノズル11から塗料の霧73、74が吐出された際の軌道を示した説明図である。
【
図9】本実施形態に係るドット状マーキング及び印字装置1のうち、ノズルプレート10及び吐出ノズル11を示した図で、吐出ノズル11から塗料の霧73、74が吐出された際の軌道を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。まず、本実施形態に係るドット状マーキング及び印字装置について説明する。
図1は、ドット状マーキング及び印字装置1の内部構造の概略を示した概略断面図である。
図2は、本実施形態に係る他の一例である、ドット状マーキング及び印字装置103が示された概略断面図である。
図3は
図1のドット状マーキング及び印字装置1のうち、ノズルプレート10と吐出ノズル11を取り出して斜視した斜視図である。
図4(X)は
図1のアトマイズ部40近傍を拡大して示した断面図であり、(Y)はアトマイズ部40を説明のため、その中身を露出させた斜視図である。なお、ノズルプレート10のうち、アトマイズ部40以外の部位、例えばエアー吹き出し部13などは
図4では図示を省略している。
図5は、エアー吹き出し部13が斜め内側方向に角度Xを有してエアーを噴出する構造になっているノズルプレート110を示した概略断面図である。
図6はエアー吹き出し部13を設けないノズルプレート111と、エアー吹き出し部113を備えたエアーノズル100の両方を備えたドット状マーキング及び印字装置102を示した概略断面図である。
図7(X)は
図1のドット状マーキング及び印字装置1のうち、ノズルプレート10及び吐出ノズル11を取り出して示した正面図であり、(Y)は(X)の斜視図である。
図8はエアー吹き出し部13を備えないノズルプレート111と吐出ノズル11を示した図で、印字のため塗料の霧73,74を吐出する際を示した説明図である。
図9は
図1のドット状マーキング及び印字装置1のうち、ノズルプレート10及び吐出ノズル11を示した図で、印字のため塗料の霧73,74を吐出する際を示した説明図である。
なお、本開示においては、説明の便宜上、単に上側とのみ表すときは
図1において右側を指し
図6(X)、
図7、
図8においては上側を指し、単に下側と表すときは
図1において左側を指し、
図6(X)、
図7、
図8においては下側を指すものとする。また内側方向とは
図1の下側からみて上方向を指し、
図1において省略されているスプレーノズルの列の反対側の端部からみると、
図1においては下方向を指すものとする。
図4、
図5についても同様である。また、内側方向とは、
図5,
図6(X)
図7、
図8においては、ノズルプレート10,110、111の両端部からみて中央方向を指すものとする。ノズルプレート10,110、111の両端部とは、ノズルプレート10を例に説明すると、
図7(X)に示されるのノズルプレート10の左端と右端部分を指すものとする。他も同様である。
【0016】
図1に示すドット状マーキング及び印字装置1は、塗料室2、圧縮空気通路3及びノズルプレート10、圧縮空気通路3と塗料室2を遮る壁、吐出ノズル11により構成されている。まず、塗料室2は、吐出ノズル11の内部に備えられた塗料流路32に塗料を圧送するために設けられており、圧送を制御するため吐出制御弁22を備える。吐出制御弁22は、
図1に示されるように、弁体21と弁座20からなり、弁座20の間に挟まれた吐出ノズル11に塗料を圧送する間隔を、弁体21が弁座20に圧着し、または間隙を有するように動作することにより、制御している。弁体21は、
図1に示される棒状の可動鉄心23と接続しており、可動鉄心23の他の一端は、振動機構24に接続され、振動機構24が、上記の弁体21が弁座20と圧着または間隙を有することとなるように、動作を制御している。これにより加圧された塗料が吐出ノズル11から吐出されることとなる。
【0017】
次に圧縮空気通路3と圧縮空気流路30について詳述する。圧縮空気通路3は、図示しない圧縮空気供給源である、エアコンプレッサー等からノズルプレート10,110、111内に圧縮空気を導入するための通路である。圧縮空気通路3は、吐出ノズル11と同数設けられる圧縮空気流路30と連通しており、圧縮空気は圧縮空気通路3から圧縮空気流路30へと流れ込む構造となっている。また、圧縮空気通路3の形成方法は、吐出ノズル11にノズルプレート10をはめ込み、その間に形成される隙間を圧縮空気通路3とするものである。したがって、はめ込みにより形成された圧縮空気通路3の気密性を確保する必要から、パッキンの機能を持つ
図1では点線で示されるシート25を塗料室2側の壁に密着するように装着している。
【0018】
圧縮空気流路30は、アトマイズ部40、吐出ノズル保持部41、エアー導入部42から構成されている。また、圧縮空気流路30は、アトマイズノズル12により囲まれており、吐出ノズル11を取り囲んでいる。このように、アトマイズノズル12は二重構造となっている。エアー導入部42は、圧縮空気通路3から圧縮空気を圧縮空気流路30へと導入する導入部分である。エアー導入部42は管路抵抗を低減するため円管状であることが好ましく、また吐出ノズル11の設計上の要求により、設けないとしても構わない。
【0019】
次に、吐出ノズル保持部41を説明する。後に詳述するが、
図1に点線で示されるように、吐出ノズル保持部41は、圧縮空気の流路方向に対し、尻すぼみのすり鉢状に設けられて吐出ノズル11を圧縮空気流路30の略中央に保持している。また、吐出ノズル保持部41は複数の突起33を備える。
図1に示されるように圧縮空気の流路方向に対し、吐出ノズル保持部41を斜めに形成することで、管路抵抗を減らすことができ、圧縮空気消費量を減らすことにつながり、好適である。
【0020】
次に、アトマイズ部40について説明する。アトマイズ部40は、塗料を吐出ノズル11が吐出及び圧縮空気で霧化させるための部位である。アトマイズ部40は、圧縮空気流路30の他の部位よりも、その断面積が狭いことが好ましい。このように形成することにより、圧縮空気がアトマイズ部40において加速され、吐出ノズル11から塗料が吐出される際に塗料の滴70をより少ない圧縮空気で霧化できることとなり好適である。
【0021】
次に、2つの圧縮空気流路30同士を遮る壁である壁部31について述べる。壁部31は、従来、圧縮空気流路30ごとにその両側に設けていたが、そのように構成すると、となりあう圧縮空気流路30の間に壁31を2つ設ける構成となり、スペースに無駄が生じていた。ノズルプレート10、110、111のように、壁部31が、2つの圧縮空気流路30を遮る1枚の壁として、ノズルプレート10に設けられることで、吐出ノズル11間のピッチZの幅を従来に比して大きく減らせることとなる。圧縮空気流路30と、後述する第二の圧縮空気流路34,134の間の壁31についても、同様である。
【0022】
ノズルプレート10についてさらに詳述する。圧縮空気通路3は外部から図示しないエアコンプレッサー等により空気を導入するための穴を有している。
図1に示されるように圧縮空気通路3は複数の圧縮空気流路30及び第二の圧縮空気流路34と連通している。
【0023】
これらが連通する位置関係について更に
図1の下側から上方に向かって順を追って説明すると、圧縮空気通路3は、まず
図1でみて下側のノズルプレート10の端部から第二の圧縮空気流路34の圧縮空気導入部43と接続する。その次に圧縮空気流路30の圧縮空気導入部43と接続し、さらに他のスプレーノズルである、圧縮空気流路30の圧縮空気導入部42と接続していく。
図1においては図示しないが、
図1でいえば上方に位置する、ノズルプレート10の他方の端部においては、
図1の下から順番に見ていく順序においては、圧縮空気流路30の圧縮空気導入部42に接続した後、最後に第二の圧縮空気流路34の圧縮空気導入部43と接続する。つまり、
図1においては図示を省略しているノズルプレート10の他端においても、第二の圧縮空気流路34は設けられている。その設け方は
図1に明示されている第二の圧縮空気流路34と、
図1の上下を別にすれば、同じである。
【0024】
この圧縮空気通路3が、圧縮空気流路30及び第二の圧縮空気流路34と連通する構成により、1つの圧縮空気供給源で、2つの第二の圧縮空気流路34及び多数の圧縮空気流路30に圧縮空気を一度に供給することができる。ここではノズルプレート10についてその圧縮空気通路3と圧縮空気流路30,第二の圧縮空気流路34についてその設け方を説明したが、
図5におけるノズルプレート110においての圧縮空気通路3と圧縮空気流路30,第二の圧縮空気流路134の設け方についても、同様の構成となる。
【0025】
次に、
図2を示しつつ、本実施形態の他の一例として、ドット状マーキング及び印字装置103につき説明する。ドット状マーキング及び印字装置103がドット状マーキング及び印字装置1と異なる点は、エアー吹き出し部13とエアー吹き出し部112とが異なる点のみであり、他のアトマイズノズル12,ノズルプレート10の他の部分の構造は、同様である。
図2に示されるエアー吹き出し部112は、アトマイズノズル12と同様の構造となっており、吐出ノズル11も備えている。
【0026】
また、エアー吹き出し部112は、第二の圧縮空気流路136を備えている。第二の圧縮空気流路136も、圧縮空気流路30と同様の大きさ、構造となる。エアー吹き出し部112は、アトマイズノズル12と同様の構造となっていることで、第二の圧縮空気流路136を通過するエアーと、圧縮空気流路30を通過するエアーの流量を、より簡易な設計で同等とすることができ、その結果ドット状マーキング及び印字装置1と同じく、ドット状マーキング及び印字装置103も、両端のアトマイズノズル12からの塗料の吐出の軌道がずれなくなり、印字等の乱れがなくなるため、好適である。
【0027】
次に、
図3を示しつつノズルプレート10につきさらに詳述する。
図3では説明の便宜上、ノズルプレート10の圧縮空気流路30及び第二の圧縮空気流路34の内部を露出させるようにノズルプレート10を切り取って図示している。アトマイズノズル12の一部である吐出ノズル保持部41は、吐出ノズル11を圧縮空気流路30の略中央で保持させるため、複数の突起33を備える。
【0028】
次に圧縮空気の通過する経路について詳述する。まず、圧縮空気は、図示しないエアーコンプレッサー等から図示していない穴を通り、圧縮空気通路3に流入する。そして、エアー吹き出し部13においては、圧縮空気導入部43から流入し、第二の圧縮空気流路34を通過するようにして、エアー吹き出し部13が備える吹き出し口14から噴出する。また、アトマイズノズル12においては、圧縮空気は、圧縮空気通路3から圧縮空気導入部42に流入し、圧縮空気流路30内部を通過するように、吐出ノズル保持部41を通過してアトマイズ部40を経て、圧縮空気噴出口52から噴出する。アトマイズ部40においては、吐出ノズル先端51から塗料の滴が吐出され、圧縮空気がこれを霧化、加速するようになっている。
【0029】
次に
図4を示しながら塗料の滴70の吐出時のアトマイズ部40近傍について述べる。滴70は、列をなして設けられているアトマイズノズル12のうち、両端の2つを除いたアトマイズノズル12から吐出された塗料の滴である。(両端の2つを除いた、とは例えば
図8、
図9においては中央の4つのアトマイズノズル12を指す。)
図4に示される塗料室2から、吐出ノズル11に圧送された塗料は、吐出ノズル11から吐出され滴70となり、アトマイズ部40において霧化されて、霧73,74となる。このように塗料がアトマイズノズル12から吐出されることにより、ドット状印字及び描画を行うこととなる。吐出ノズル11の先端であり、塗料の霧73、74の出口である吐出ノズル先端51は、圧縮空気の出口である圧縮空気噴出口52よりも、ノズルプレート10の内側(上側)に形成されていることが好ましい。このように構成することによって、圧縮空気が圧縮空気噴出口52から拡散してしまう前に、吐出ノズル先端51から吐出された塗料の霧73、74を圧縮空気に触れさせ、霧化することができるため、圧縮空気の節約をすることができる。そのため同じ圧縮空気消費量でより多く、圧縮空気流路30及び吐出ノズル11を設けることができるなどの効果がある。当然のことながら、圧縮空気流路30と吐出ノズル11は同数設けられる。
【0030】
また、吐出ノズル先端51の位置としては、圧縮空気噴出口52が位置する平面よりも、
図4(X)に示される間隔Yをもった、上側である内側に位置することが好ましい。間隔Yは、同じく
図4(X)に示されるノズル外径αの、4倍以下であることが好ましい。4倍以上であると、圧縮空気噴出口52の近傍が塗料により汚れ、ノズルの詰まりを起こす原因となり、好ましくない。また、間隔Yはノズル外径αの4分の1以上であれば、より好適となる。
【0031】
次に本発明に係るドット状マーキング及び印字装置1から吐出された霧73が被印字物に到達し、ドット状に付着した際の、ドットの間のピッチについて詳述する。吐出ノズル先端51よりほぼ真っ直ぐに吐出された霧73は、すぐに被印字物に到達し、被印字物にドットとして付着することにより印字される。従来であれば、吐出ノズル11同士の間の幅が広かったため、一度に吐出する霧73が、被印字物に付着して形成されるドット同士の距離であるドットピッチはその分大きくならざるを得なかった。これに対して、本発明のノズルプレート10,110,111を用いた場合は、ノズル外径αを0.2~2mmとし、吐出ノズル11の長さを0.7~5mm程度に構成した場合、吐出ノズル11同士の幅である、
図1に示されるノズルピッチZを1~5mmほどと従来より短くすることが可能となる。上記のような場合、本開示のドット状マーキング及び印字装置1のように構成することにより、より幅の狭いドットピッチとすることができる。具体的には従来3~5mm程度のドットピッチであったが、本発明のように構成することによりドットピッチは小さいもので1mmとすることが可能である。
【0032】
次に、
図5を示しつつ、本発明に係る実施形態の他の一例を示す。
図5に示されるドット状マーキング及び印字装置101は、ノズルプレート110を備える。ノズルプレート110はアトマイズノズル12を備える点は
図1の例と同様であるが、エアー吹き出し部13が備える吹き出し口14が圧縮空気を吹き出す方向に引かれた補助線Wと、アトマイズノズル12が圧縮空気を吹き出す方向に引かれた補助線βが、吹き出し方向において交わり、角度Xをなすように形成されている。
【0033】
図5に示されるようにアトマイズノズル12が鉛直方向に塗料の霧73,74を吐出するように形成されている場合、
図5に示されるように、エアー吹き出し部13の内側で圧縮空気が通過する中空部分である第二の圧縮空気流路134及びその吹き出し口114は、圧縮空気を吹き出す方向が内側方向に傾くように設けられることが好ましい。このように形成することにより、後に詳述するが、アトマイズノズル12同士の噴出する圧縮空気同士の影響により、吐出ノズル11から吐出される霧74の軌道がずれることを防止することができる。
【0034】
霧74は、列をなして設けられたアトマイズノズル12の、列の両端に設けられた2つのアトマイズノズル12から吐出された塗料の霧である。
図5において示されていないノズルプレート110の他端においても、同様に内側方向に吹き出し方向が傾くように、第二の圧縮空気流路134が設けられている等の上記の説明は、同様である。
図5においてその他の構成は、
図1に示されるドット状マーキング及び印字装置1と同様の構成となる。
【0035】
次に、
図6を示しつつ、本発明に係る実施形態の他の一例を示す。
図6に示されるドット状マーキング及び印字装置102は、ノズルプレート111を備える。ノズルプレート111はアトマイズノズル12を備える点は
図1の例と同様であるが、エアー吹き出し部13と、吹き出し口14がノズルプレート111には備えられておらず、別に形成されているエアーノズル100に、エアー吹き出し部113及びその中空部分である第二の圧縮空気流路135、圧縮空気流路135から圧縮空気が噴出する出口である、吹き出し口114として形成されている点が異なる。その他は
図1の構成と同様である。
【0036】
図6に示されるように、エアー吹き出し部113の圧縮空気を吹き出す方向に引かれた補助線Wと、アトマイズノズル12が圧縮空気を吹き出す方向に引かれた補助線βが、吹き出し方向において交わり、角度Xをなすように形成されている。
図5、
図6に示した通り、角度Xは圧縮空気噴出口52近傍において補助線Wとβが交わるようにエアー吹き出し部13,113が形成されていると好ましい。このようにエアー吹き出し部13,113が形成されることで、
図1の場合と同様にアトマイズノズル12同士の噴出する圧縮空気同士の影響により、吐出ノズル11から吐出される、後述する霧74の軌道がずれることを防止することができる。
【0037】
吐出ノズル11はドット状マーキング及び印字装置1の性質上、圧縮空気流路30の中央から位置が変わったり、ぐらつくと、霧化が適切に行われず、印字性能が落ちるため、しっかりと保持される必要がある。このため、吐出ノズル11を保持する突起33は3個以上8個以下であることが好ましい。
【0038】
圧縮空気導入部42、43は省略されてもよい。また可能な限り圧力損失を少なく形成することで必要とされる圧縮空気の量を減らすことができることから、圧縮空気導入部42、43は円管状であることが好ましい。
【0039】
次に
図7を示しながら、本発明に係る実施形態の一例であるノズルプレート10及び吐出ノズル11のみを図示して、その全体の構成を説明する。
図7(X)(Y)に示されるように、ノズルプレート10に備えられたアトマイズノズル12は、一直線上に列をなして設けられている。アトマイズノズル12の列の両側で、直線上に沿って設けられたアトマイズノズル12のその直線の延長線上である、列の両側には、エアー吹き出し部13が設けられている。エアー吹き出し部113がノズルプレート110に設けられている場合においても、同様の位置となる。
【0040】
エアー吹き出し部13は、アトマイズノズル12よりも、吐出ノズル11が設けられていないため管路抵抗が減少した分狭く設けて、両者のエアー流速を同等とすると好ましい。ただ、アトマイズノズル12とエアー吹き出し部13が吐出ノズル11を除いて同様の構成である場合、吐出ノズル11のノズル外径が0.2~2mm程度とした場合には、エアー流速の割合はアトマイズノズル12を100パーセントとすると、エアー吹き出し部13の流量は約120パーセント程度となる。この場合であっても、後に述べる霧74の軌道がずれることは防止される効果がある。このような構成とすると、より簡易な設計により、エアー吹き出し部13を設けることができ、好ましい。但しエアー吹き出し部13のエアー流速が、アトマイズノズル12を100パーセントとした場合に、おおむね70パーセント未満である場合や、150パーセントを超える流速となると、霧74の軌道がずれてしまい、好ましくない。
【0041】
次に、
図8を示しながら、先に述べた霧74の軌道のずれについて説明する。
図8に示すノズルプレート111はエアー吹き出し部13を設けない構成である。それ以外は
図1のノズルプレート10と同様の構成であり、
図6に示されるような、アトマイズノズル12が一直線上に列をなしている点も同様である。そうすると、ノズルプレート111において左端の端部に位置するアトマイズノズル12は、
図8においては、その左側にはエアー吹き出し部13が設けられておらず、従って左側には圧縮空気80の噴出がない。しかし、右側にはアトマイズノズル12が設けられており、右側には圧縮空気80の噴出があることとなり、霧74はこの片側のみの圧縮空気80の影響を受ける。従って、霧73が鉛直方向に吐出されているのに対し、霧74は鉛直方向から
図8において左方向にずれて吐出される。
【0042】
また、
図8に示されるノズルプレート111に設けられたアトマイズノズル12のうち、右側の端部に設けられたものにおいては、そのアトマイズノズル12の更に右側には、エアー吹き出し部13が設けられておらず、右側には圧縮空気80の噴出がない。しかし、左側にはアトマイズノズル12が設けられており、左側には圧縮空気80の噴出がある。そのため、霧74はこの片側からのみの圧縮空気80の影響を受ける。従って、霧73が鉛直方向に吐出されているのに対し、霧74は鉛直方向から
図8において右方向にずれて吐出される。霧73については、両側において圧縮空気80の影響を等しく受けているので、鉛直方向に軌道を描き吐出される。このように、霧74の軌道が鉛直方向とずれる結果、印字や描画が乱れてしまうおそれがあった。
【0043】
次に、このおそれを解消する本発明の構成について
図9を示しながら説明する。
図9は
図1に示されているノズルプレート10を示している。ノズルプレート10はアトマイズノズル12とともに、エアー吹き出し部13を備えている構成である。両端のアトマイズノズル12は、
図8においては、霧74の吐出方向の軌道が鉛直方向からずれていた。これに対し、
図9のノズルプレート10の左側の端部に設けられたアトマイズノズル12は、そのアトマイズノズル12のさらに左側にはエアー吹き出し部13が設けられ、このエアー吹き出し部13から、圧縮空気81が噴出される構成となっている。圧縮空気81はエアー吹き出し部13の第二の圧縮空気流路34、134を通過し、吹き出し口14等から噴出する圧縮空気であり、アトマイズノズル12の圧縮空気流路30を通過し、圧縮空気噴出口52から噴出されている圧縮空気80と、圧縮空気供給源を同じくするものである。
【0044】
図9においてノズルプレート10の左側の端部に設けられたアトマイズノズル12から吐出された霧74の右側からは、エアー吹き出し部13から噴出する圧縮空気80の影響があり、この霧74はこの圧縮空気80の影響を受ける。そしてさらにこの霧74はその左側においても、エアー吹き出し部13から噴出する圧縮空気81の影響を、同程度受けている。従ってこの霧74は吐出方向が鉛直方向からずれずに吐出される。
【0045】
また、アトマイズノズル12のうち、
図9においてノズルプレート10の右側の端に設けられたものにおいては、このアトマイズノズル12のさらに右側にはエアー吹き出し部13があり、そこから圧縮空気81が噴出される。この、ノズルプレート10の右側の端部のアトマイズノズル12の左側には、これと隣り合うアトマイズノズル12からの圧縮空気80の噴出があり、この霧74はこの圧縮空気80の影響を受ける。しかし、この霧74は、エアー吹き出し部13からの圧縮空気81の影響も等しく受けることから、結局霧74は鉛直方向からずれずに吐出される。
【0046】
霧73については、その霧73を吐出するアトマイズノズル12の両側において設けられているアトマイズノズル12から噴出する圧縮空気80の影響を等しく受けている。そのため、この霧73も鉛直方向に軌道を描き吐出される。
【0047】
このように、エアー吹き出し部13を設けることで、霧73と同様に霧74も同方向に吐出されるので、印字や描画の乱れを防ぐことができ、好ましい。これは、列の両側の端に位置するアトマイズノズル12において、
図8に示されるように片側から圧縮空気80の影響のみを受けて霧74が吐出されるから生じるものである。従って、エアー吹き出し部113であっても、
図8に示される圧縮空気81の及ぼす影響と同程度の影響を内側方向に及ぼすように、エアー吹き出し部13に比してエアー流速をしぼるように調整することで、同様の効果を得ることができ、好ましい。また、
図2に示されるエアー吹き出し部112及びエアー吹き出し部112の圧縮空気の流路である、第二の圧縮空気流路136は、アトマイズノズル12及び圧縮空気流路30と同様の形状、大きさであり、吐出ノズル11も同様に備えている。また、圧縮空気の供給源も、圧縮空気通路3から圧縮空気を導入しているのは同じであるから、吹き出し口14及び圧縮空気噴出口52から噴出する圧縮空気のエアー流速ないし圧力は、同等である。このため、
図2のドット状マーキング及び印字装置103の場合でも、
図9に示される霧73、74のように塗料を吐出することができ、印字や描画の乱れを防ぐことができ、好ましい。
【0048】
なお、アトマイズノズル12同士の距離であるノズルピッチZは5mm以下であると、本発明のエアー吹き出し部13,112,113を設ける構成は好適に用いることができる。ノズルピッチZが5mmを超える場合、圧縮空気80が霧74に与える影響が減少するため、エアー吹き出し部13、112、113を用いなくとも、アトマイズノズル12からの塗料の霧の吐出による大きな印字、マーキングの歪みは発生しなくなる。また、アトマイズノズル12を通過し噴出するために供給される圧縮空気の圧力が、0.2Mpa以上であると、本発明のエアー吹き出し部13,112,113を好適に用いることができる。供給される圧縮空気の圧縮空気圧力が0.2Mpa未満である場合、アトマイズノズル12から噴出する圧縮空気80が、隣り合うアトマイズノズル12から吐出された霧74に対して与える影響が減少するため、エアー吹き出し部13を設けなくとも、大きな文字の歪みは発生しなくなるためである。
【実施例】
【0049】
次に、ドット状マーキング及び印字装置1において、実際に行われた本発明の実施例の条件の一例を示す。
実施例では、本開示のような構成、アトマイズ部40がアトマイズノズル12の他の部分より狭く構成されている、吐出ノズル先端51が圧縮空気噴出口52より上側である内側に位置する、アトマイズノズル12及びエアー吹き出し部13がノズルプレート10に備えられている等の特徴を備えていた。また実施例では、アトマイズノズル12及びエアー吹き出し部13の長手方向の長さが4mm、アトマイズ部40の径が0.4mm、圧縮空気導入部42の径は0.9mm、吐出ノズル11のノズル外径αが0.2mmであった。エアー吹き出し部13も吐出ノズル11が設けられていないこと以外はアトマイズノズル12と同様の構成であった。
【0050】
比較例では、アトマイズノズルは、圧縮空気導入部の径が0.9mmで構成され、アトマイズ部においても圧縮空気導入部42と同じ径である0.9mmで構成され、吐出ノズル先端は圧縮空気噴出口より外側に位置する、エアー吹き出し部は設けられていない、など本開示の特徴を有していなかった。二重構造である等の構成は同様であった。
【0051】
実施例と比較例で、ドット状印字試験を行った。以下の条件で、ドット状印字を行った。そして、印字されたドットの間の距離、及びインクの乾燥時間を計測した。
塗料圧力 0.3MPa
塗料吐出速度 5m/sec
圧縮空気圧力 0.6МPa
塗料吐出ノズル口径 0.2mm
【0052】
実施例では、ドット間ピッチ1.8mmであった。比較例では、ドット間ピッチが3.0mmであった。また、比較例では印字が乱れる部分がみられたのに対し、実施例ではおおむね乱れずに印字を行うことができていた。実施例のほうがドット間ピッチも短く、ドット印字の乱れを防ぐことができていた。
【0053】
本開示は、検査された被印字物に印字ないしマーキングをする目的で、好適に用いることができる。しかしこれに限られず、ドット状のマーキング及び印字が必要なパッケージや検定済の部品等において、広く用いることができる。
【符号の説明】
【0054】
1、101、102、103 ドット状マーキング及び印字装置
2 塗料室
3 圧縮空気通路
10、110、111 ノズルプレート
11 吐出ノズル
12 アトマイズノズル
13、112,113 エアー吹き出し部
14、114 吹き出し口
20 弁座
21 弁体
22 吐出制御弁
23 可動鉄心
24 振動機構
25 シート
30 圧縮空気流路
31 壁部
32 塗料流路
33 突起
34,134、135、136 第二の圧縮空気流路
40 アトマイズ部
41 吐出ノズル保持部
42、43 圧縮空気導入部
51 吐出ノズル先端
52 圧縮空気噴出口
73、74 霧
80、81 圧縮空気
100 エアーノズル
X 角度
Y 間隔
Z ノズルピッチ
α 吐出ノズル外径
W β 補助線