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特許7598328精神障害の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MEO-DMT)を含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】精神障害の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MEO-DMT)を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4045 20060101AFI20241204BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61K31/4045
A61P25/24
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021549460
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020054804
(87)【国際公開番号】W WO2020169851
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】19158806.0
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521370802
【氏名又は名称】ジーエイチ リサーチ アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ターウェイ,タイス
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/195455(WO,A1)
【文献】Alan K. Davis et al.,"The epidemiology of 5-methoxy-N,N-dimethyltryptamine (5-MeO-DMT) use: Benefits, consequences, patterns of use, subjective effects, and reasons for consumption",Journal of Psychopharmacology,2018年,Vol.32, No.7,p.779-792,DOI: 10.1177/0269881118769063
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により大うつ病性障害と診断された患者の処置における使用のための組成物であって、5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩を含み、静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、組成物
【請求項2】
前記障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
前記患者が、20以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または17以上の17項目のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される中等度または重度の大うつ病性障害を患う、請求項1または2に記載の組成物
【請求項4】
前記患者が、35以上のMADRSスコアにより、または25以上のHAM-Dスコアにより示される重度の大うつ病性障害を患う、請求項3に記載の組成物
【請求項5】
前記患者が処置抵抗型の大うつ病性障害と診断される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物
【請求項6】
前記患者がさらに自殺念慮を患う、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物
【請求項7】
前記患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、請求項6に記載の組成物
【請求項8】
前記患者が自殺の差し迫ったリスクにある、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項9】
5-MeO-DMTまたはその塩が、前記患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物
【請求項10】
mg~10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物
【請求項11】
mgもしくは5mgもしくは8mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物
【請求項12】
5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、前記患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物
【請求項13】
5-MeO-DMTが、第1の投与には1mg~3mgの投与量で投与され、その後前記患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には4mg~6mgの投与量に増加され、その後前記患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には7mg~9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物
【請求項14】
5-MeO-DMTの第1の投与量が2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、請求項13に記載の組成物
【請求項15】
2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下である、請求項12~14のいずれか一項に記載の組成物
【請求項16】
前記2回の投与の間の間隔が2~4時間である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、請求項9~16のいずれか一項に記載の組成物
【請求項18】
至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、請求項17に記載の組成物
【請求項19】
5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が、筋肉内注射によって投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物
【請求項20】
臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後2時間以内に発生する、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物
【請求項21】
CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物
【請求項22】
CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物
【請求項23】
CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物
【請求項24】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後2時間以内に発生する、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物
【請求項25】
10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後2時間以内に発生する、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物
【請求項26】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物
【請求項27】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物
【請求項28】
前記患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物
【請求項29】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物
【請求項30】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物
【請求項31】
前記患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、請求項1~30のいずれか一項に記載の組成物
【請求項32】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物
【請求項33】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、請求項1~32のいずれか一項に記載の組成物
【請求項34】
前記患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)を投与することを含む、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置のための改善された方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
幻覚薬は、一部は天然に生じ、一部は合成の化学物質であり、摂取後に聴覚および視覚の変化、ならびに気分および認知の歪みなどの感覚の歪みをヒトに誘導するそれらの能力によって定義される。幻覚薬という用語は、異なる作用様式を有する精神活性分子のかなり広範な群を包含する。一部の精神障害は、原則的に精神活性分子による処置に応答性であると示唆されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)を投与することを含む、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩に関する。
【0004】
本発明は特に、受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により大うつ病性障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩に関する。この障害は、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断されてもよい。例えば、患者は、20以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または17以上のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される中等度または重度の大うつ病性障害を患ってもよい。さらに、患者は、35以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または25以上のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される重度の大うつ病性障害を患ってもよいと考えられる。患者は、処置抵抗型の大うつ病性障害と診断されてもよい。
【0005】
さらに、患者は、自殺念慮、特に実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよい。患者は、自殺の差し迫ったリスクにある場合さえある。
【0006】
本発明の文脈では、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩は、静脈内、筋肉内または皮下投与によって投与される。
【0007】
5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩は、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与されてもよい。約1mg~約10mgの投与量の5-MeO-DMTまたは等モル量の薬学的に許容される塩が投与されてもよい。
【0008】
5-MeO-DMTまたは薬学的に許容される塩は、第1の投与には第1の投薬量で投与され、その後0~6回の後続の投与で投与されてもよく、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与より高い投薬量を使用する。
【0009】
2回の投与の間の間隔は1時間以上24時間以下であってもよく、好ましくは約2~4時間であってもよい。
【0010】
至高サイケデリック経験の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定することができ、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、または好ましくは少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される。
【0011】
5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩による上記に示された処置は、臨床応答をもたらす。この応答は、臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定されてもよく、改善は、好ましくは5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する。
【0012】
CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答は、好ましくは5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後、より好ましくは少なくとも14日後、特に少なくとも28日後まで持続する。
【0013】
臨床応答はまた、5-MeO-DMTの投与前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定されてもよい。この応答は、好ましくは5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する。さらに、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解は、好ましくは5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する。
【0014】
処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答は、好ましくは5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで、より好ましくは少なくとも14日後まで、特に少なくとも28日後まで持続する。
【0015】
好ましくは、処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答は、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目、より好ましくはさらに14日目、特にさらに28日目に存在する。さらに好ましくは、患者は、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目、好ましくはさらに14日目、特にさらに28日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある。
【0016】
本発明のさらなる態様は、実施形態のセクションで以下に定義される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
幻覚薬としては、例えばカンナビノイド受容体に作用するカンナビノイドであるテトラヒドロカンナビノール(THC)、微量アミン関連受容体1(TAAR1)および小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)に作用するエンタクトゲンである3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA、「エクスタシー」)ならびにN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストに作用する解離性麻酔薬であるケタミンが挙げられる。
【0018】
幻覚薬のさらなる群としては、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、シロシビンおよびN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)などの5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体またはセロトニン受容体(5-HT1~5-HT7の7つのファミリーと14種のサブタイプが記載される)に結合する化合物が挙げられる。この後者の群のセロトニン作用剤は、多くの場合「古典的幻覚薬」または「サイケデリック薬」と称され、これは多幸感、トランス、時空間の超越、霊的経験、自己の境界の崩壊またはさらには臨死経験などの意識状態の質的変性を誘導するそれらの主要な能力を強調するものであり、鎮静、昏睡または過剰刺激などの他の効果は最小限のみである。
【0019】
化学的に、セロトニン作用性サイケデリック薬は、フェニルアルキルアミンまたはインドールアミンのいずれかであり、インドールアミンのクラスは、エルゴリンとトリプタミンの2つのサブセットに分かれ、後者は以下の式:
【0020】
【化1】
【0021】
を有するトリプタミンに由来する。
【0022】
種々のセロトニン作用性サイケデリック薬は、種々のセロトニン受容体、特に5-HT1A、5-HT2Aおよび5-HT2Cに対して異なる結合親和性および活性化能を有し、それらの活性はまた、モノアミン輸送体および微量アミン関連受容体などの他の標的との相互作用によってモジュレートされる場合がある。
【0023】
南米の低木サイコトリア・ヴィリディス(Psychotria Viridis)に含有されるトリプタミンであるDMT、または200を超えるキノコ種に含有されるトリプタミンであるシロシビン、または米国南西部および北メキシコのウバタマサボテンに含有されるフェニルアルキルアミンであるメスカリンなどの天然に生じるサイケデリック薬は、土着の文化によって儀式または社会文化的な状況で、および宗教的聖餐の状況で何世紀にもわたって使用されている。これらの環境での天然に生じるサイケデリック薬の使用は、不特定の「治癒」潜在性によるものとされてきたが、確立された疾患実体へのそれらの潜在的な治療用途のより科学的な調査は、1943年の合成エルゴリンLSDの発見後に初めて探求された。
【0024】
1950年代および1960年代のこれらの初期の臨床経験は方法論的にまだ比較的薄弱であったが、有望なデータが、例えば心理療法とともにLSDを投与された患者が、心理療法のみを受けた患者より高い節制率または改善を示したアルコール依存症の処置プログラム(Jensen SE, Q J Stud Alcohol. 1962; 23:315-20)、または心理療法に対する補助としてLSDを投与することにより、90%を超える患者で「著明改善」または「改善」のアウトカムが得られた人格特性混乱もしくは不安を有する患者の観察(MacLean JR et al., Q J Stud Alcohol. 1961; 22:34-45)、またはLSD処置を受けた患者の約3分の2が様々な程度で改善した、末期状態のがんを患う患者の処置(Pahnke WN et al., Psychedelic drugs. Proceedings of a Hahnemann Medical College and Hospital Symposium. Editors: Richard E. Hicks, Paul Jay Fink, Van Buren O. Hammett. Grune & Stratton, New York/London 1969, pp.33-42)から報告された。
【0025】
セロトニン系および脳の機能におけるその役割に関する知識の出現に伴い、研究者によってますます多くのサイケデリック薬物の分子活性が特定されている。しかし、その活性が精神障害におけるそれらの観察された治療効果にどのように変換されるかは幾分不明瞭であった。2つの主要概念が提案された:第1の概念は「サイコリティック療法」と命名され、これは低用量で投与されるサイケデリック薬が心理的防衛機序の緩和を促進し、それにより心理療法との組合せで、深い内省的洞察および外傷の再生、およびそれに続いて生じるカタルシスを可能とする能力を強調するものであった。したがって、サイコリティックアプローチで考慮される基本的機序は、併用心理療法プロセスの活性化および深化であり、これには複数の薬物および治療セッションが必要であった。第2の概念は「サイケデリック療法」と命名され、これは高い単回用量で投与されるサイケデリック薬のいわゆる「至高サイケデリック経験」を誘導する能力を強調するものであった。至高経験は、主に時空間に対する判断の喪失および自我の境界の崩壊によって特徴付けられ、これは多くの場合至福状態、ならびに宇宙の一体性の中の完全かつ調和した存在であるという感情の経験に至る。したがって、サイケデリックアプローチで考慮される基本的機序は、心理的統合性および調和の直感的知覚、ならびにそれに続く自己の改善および生きる喜びの向上および内的平和の感覚を伴う、独特の圧倒的経験をもたらすことであった。
【0026】
精神障害の処置のためのサイケデリック薬の使用に関する科学的研究は1960年代に発展したが、これらの物質の娯楽的使用も急速に広まり、サイケデリック薬はすぐにメディアにおいて極めて危険な乱用薬物と描写された。社会的秩序にとって危険であるとの認識により、1970年米国規制物質法が可決され、それに基づきLSDおよび他のサイケデリック薬は、医学的用途を有さず、乱用の潜在性が高いとみなされる薬物を含む最も制限的なカテゴリーであるスケジュール1に分類された。その後30年間にわたり、サイケデリック薬物の可能な治療使用に関して極めてわずかな進展しか遂げられなかった。
【0027】
近年になりようやくサイケデリック療法の分野への関心が再び高まった。例えば、不安および/または気分症状を有する51名のがん患者における、シロシビンのごく低いプラセボ同様の単回用量と高い単回用量を比較する無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、高用量で、処置の5週間後にうつ病、不安または気分の混乱の臨床指標および自己評定指標の大きな減少、ならびに生活の質の指標の増加がもたらされ、これらの効果は6ヶ月の時点で持続していた(Griffiths RR et al., J Psychopharmacol. 2016; 30(12):1181-1197)。不安およびうつ病を有する29名のがん患者における、シロビシンの単回用量と比較物質としてのナイアシンの別の無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、シロシビンによって不安およびうつ病の即時の実質的な改善がもたらされ、がんに関連する士気喪失および絶望感が減少し、生活の質が向上し、6.5ヶ月のフォローアップで持続する効果を伴った(Ross S et al., J Psychopharmacol. 2016; 30(12):1165-1180)。シロビシンによるさらなる肯定的な経験は、処置抵抗性うつ病(研究で詳細に定義される)を有する20名の患者に低用量および高用量のシロビシンを7日間あけて投与した非盲検シングルアーム実施可能性研究において生じ、この試験では、処置の1週間後および5週間後に抑うつ症状がベースラインから著しく低減した(Carhart-Harris RL et al., Lancet Psychiatry. 2016; 3(7):619-27; Carhart-Harris RL et al., Psychopharmacology (Berl). 2018; 235(2):399-408)。シロシビンは、強迫神経症(Moreno FA et al., J Clin Psychiatry. 2006; 67(11):1735-40)およびアルコール依存症(Bogenschutz MP et al., J Psychopharmacol. 2015; 29(3):289-99)およびタバコ依存症(Johnson MW et al., J Psychopharmacol. 2014; 28(11):983-92; Johnson MW et al., Am J Drug Alcohol Abuse. 2017; 43(1):55-60)の処置においても有望であることが示されている。さらに、セロトニン作用性サイケデリック薬LSDに関して、生命を脅かす疾患に付随する不安を有する12名の患者における二重盲検無作為化活性プラセボ対照パイロット研究では、2ヶ月のフォローアップで不安の指標に対する顕著な効果が報告されている(Gasser P et al., J Nerv Ment Dis. 2014; 202(7):513-20)。また、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤であるハルミン、ハルマリンおよびテトラヒドロハルミンと併用した精神活性剤DMTを含有するシャーマン教の茶アヤワスカに関して、処置抵抗性大うつ病(試験で詳細に定義される)を有する35名の患者における単回投薬セッションの無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、プラセボと比較して急速な抗うつ薬効果が示された(Palhano-Fontes F et al., bioRxiv 103531. 2017; doi: https://doi.org/10.1101/103531)。
【0028】
本発明者は、これらの結果により、特定のセロトニン作用性サイケデリック薬の投与が、種々の精神障害の処置のための有望なアプローチでありうることが示されたと考える。しかし、現時点で規制基準に適合する有効性および安全性研究は実施されておらず、またサイケデリック薬物は、いずれの規制当局によっても承認されていない。さらに、現在入手可能なデータによると、試験された薬物のいずれもすべての患者で寛解を達成しないこと、一部の患者は寛解達成後に応答を喪失する可能性があること、および試験された薬物は関連する副作用の問題を依然として抱えることが明白である。また、治療用途のために現在提案されているサイケデリック薬の経口投薬後の急性サイケデリック効果は数時間継続し、これは患者および提供者にとって不都合であり、それらの実用に顕著な制限を課す。例えば、Carhart-Harris et al.によって公開された処置抵抗性うつ病(研究で詳細に定義される)におけるシロシビンの研究では、20名の患者のうち9名は5週目に応答を示したが、6ヶ月目までに3名が再び再発し、不安、頭痛および悪心の副作用が頻繁に報告され、およそ5~6時間のシロシビンの急性サイケデリック効果の継続時間に基づき、薬物投与後に少なくとも7時間のモニタリングが必要であった(Carhart-Harris RL et al., Lancet Psychiatry. 2016; 3(7):619-27; Carhart-Harris RL et al, Psychopharmacology (Berl). 2018; 235(2):399-408)。それに加え、現在入手可能な処置および現在研究されているサイケデリック薬と比較してサイケデリック効果の継続時間が短縮するだけでなく、臨床応答がより急速に発現すると有益である。さらに、一部の精神障害は原則的にサイケデリック薬による処置に応答性であると示唆されているが、特定の疾患実体および疾患実体の特定のサブグループは未だに特定されていない。
したがって、本発明の目的は、以前に記載された治療より有効な(すなわち、(a)臨床応答を経験する患者のパーセンテージがより高い、b)平均臨床応答がより大きい、c)臨床応答がより早期に発現する、d)臨床応答がより持続的な)改善された精神活性療法のための化合物ならびにそのような療法のための投薬レジメンおよび投与経路を提供することである。本発明のさらなる目的は、以前に記載された治療より良好な安全性プロファイルを有するおよび/または忍容性が良好な改善された精神活性療法のための化合物ならびにそのような療法のための投薬レジメンおよび投与経路を提供することである。本発明の別の目的は、より簡便な改善された精神活性療法のための化合物ならびにそのような療法のための投薬レジメンおよび投与経路を提供することである。本発明の別の目的は、以前に記載された治療より高い患者コンプライアンス率を伴う(より高い処置開始率を含む)改善された精神活性療法のための化合物ならびにそのような療法のための投薬レジメンおよび投与経路を提供することである。本発明のまたさらなる目的は、そのような改善された精神活性療法から利益を得る特定の疾患実体および疾患実体の特定のサブグループを特定することである。
【0029】
精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用のための現在利用可能な処置は、多くの場合制限されたまたは持続的でない処置応答、応答の遅発、長期の薬物投与を制限する副作用、および多くの場合患者のコンプライアンスを制限する不都合な投薬レジメンのために不十分である。
【0030】
これらの精神障害の一部にLSD、シロシビンおよびDMT(シャーマン教の茶アヤワスカを使用する)などのセロトニン作用性サイケデリック薬物を使用した近年公開された臨床研究により、これらの化合物は、現在利用可能な処置の代替物になる可能性があることが示唆される。しかし、これらの薬物であってもなおすべての患者が応答するわけではなく、一部の患者は経時的に応答を喪失し、特定の副作用が発生する。さらに、現行の投薬レジメンおよび投与経路に基づくこれまで試験された化合物の急性の精神活性効果は投与後数時間持続し、これは重大な実施および利便性の問題となる。また、これらの化合物による臨床応答の発現は、例えば非常に症候性の患者または自殺の差し迫ったリスクにある患者を含む、実行する意思を伴う積極的な自殺念慮を有する患者の処置には十分に急速でない。最後に、一部の適応症は、原則的にこれらのセロトニン作用性サイケデリック剤による処置に応答性であると示されているが、特定の疾患実体および疾患実体の特定のサブグループは未だに特定されていない。
【0031】
したがって、本発明によって解決される技術的問題は、広義的に精神障害を有する患者におけるセロトニン作用性サイケデリック薬の適用に基づく改善された精神活性療法を提供することである。技術的問題は、そのような改善された療法による処置に応答性の特定の精神障害および精神障害のサブグループの特定をさらに包含する。
【0032】
ほとんどのセロトニン作用性サイケデリック薬は、主に5-HT2A受容体を介してそれらの精神活性効果を媒介すると考えられているが、他の受容体も役割を果たし、完全な薬理学は幾分複雑である。その上、種々の精神状態と特定の5-HT受容体系の間の明確な相関は存在しないため、サイケデリック薬のどの特定の受容体親和性プロファイルが最適な治療効果をもたらすかは容易に予測できない。
【0033】
本発明者は、特定のサイケデリック薬の投与後の急性期における至高サイケデリック経験の発生が、因果関係でまたは少なくとも根底にある未知の治療機序の代理挙動マーカーとしてのいずれかでその治療利益を推進することを認識した。
【0034】
本発明者は、サイケデリック経験の種類と強度の関連は、例えば生命を脅かすがんを有する患者におけるうつ病および不安に関する研究によって支持されると考え、この試験では、Griffiths et al.によりシロシビンの投与後のセッション直後の神秘的経験スコアが、5週間後の種々の治療アウトカム指標との大きな関連性を示したと報告されている(Griffiths RR et al., J Psychopharmacol. 2016; 30(12):1181-1197)。また、Ross et al.によって報告された不安およびうつ病を有するがん患者における比較研究では、薬物曝露の間の主観的神秘的経験の強度が臨床利益に大きく関与した(例えば、因果性を示唆する)ことが見出された(Ross S et al., J Psychopharmacol. 2016; 30(12):1165-1180)。処置抵抗性うつ病(研究で詳細に定義される)におけるシロシビンの研究では、大洋感(OBN)(神秘的な種類の経験、例えば一体性および至福状態の経験と特色を共有する)が、シロシビンのより包括的な視覚および聴覚的効果よりも、抑うつ症状の低減の予測性が顕著により高いことが見出された(Roseman L et al., Front Pharmacol. 2018; 8:974)。さらに、Bogenschutz et al.によるアルコール依存症におけるシロシビンの研究では、最初のシロシビンのセッションでの効果の強度により、5~8週目における飲酒の変化が高度に予測されたことが見出された(Bogenschutz MP et al., J Psychopharmacol. 2015; 29(3):289-99)。また、Johnson et al.によるタバコ依存症に関する研究では、6ヶ月目に喫煙しなかった者は、再発した者と比較してシロシビンによって発生した神秘的経験の指標のスコアが顕著に高かった(Johnson MW et al., J Psychopharmacol. 2014; 28(11):983-92; Garcia-Romeu A, Curr Drug Abuse Rev. 2014;7(3):157-64)。初期のサイケデリック薬研究で同様の観察が既になされており、この研究では、例えばLSDによる治療を受けたアルコール依存症患者で、「これらの者の50パーセントに変化が見られ[つまり、飲酒を絶ったまたははるかに改善した]...原則として超越経験を有さなかった者に変化は見られない。彼らは飲酒を継続する。しかし、超越経験を有した者の高い割合に変化が見られる」と報告された(Unger SM, Psychiatry. 1963; 26:111-25の引用)。実際、これらの初期の経験により、先に考察した「サイケデリック療法」の概念が促進された。
【0035】
本発明者は、そのような広範な精神状態での長期の臨床的改善に対する急性サイケデリック経験の種類および強度の主な役割は、いわゆる安静時ネットワーク(RSN)を介したヒトの脳の機能的結合(FC)に関する近年の観察によって説明することができると考える。これらのRSNは、複雑な認知機能の種々の態様を担うことが示されており、これらの結合ネットワークは、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用、さらにこれらの疾患と併発しうる自殺念慮を有する患者で撹乱される可能性があることが見出されている。
【0036】
本発明者は、RSNの正常な階層構造の崩壊は、これらの疾患の最終的な共通経路であり、これによって関与する疾患の多くが同じ患者で同時に生じうる理由が説明される可能性があると考える。本発明者は、a)シロシビン、LSDおよびDMTなどのサイケデリック薬の投与により、特定のRSN内の結合の減少をもたらすことができ(Carhart-Harris RL et al., Sci Rep. 2017; 7(1):13187; Palhano-Fontes F et al., PLoS One. 2015; 10(2):e0118143; Carhart-Harris RL et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2016; 113(17):4853-8)、b)この結合の減少は至高経験の評定と相関し(Carhart-Harris RL et al., Sci Rep. 2017;7(1):13187; Carhart-Harris RL et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2016; 113(17):4853-8)、c)至高経験後、特定のRSN活動の再組織化(または正常化)の増加が観察される場合があり(Carhart-Harris RL et al., Sci Rep. 2017; 7(1):13187)、これはd)処置応答と相関する(Carhart-Harris RL et al., Sci Rep. 2017; 7(1):13187)というさらなる教示は、急性サイケデリック経験の種類および強度が治療アウトカムと相関するという観察を説明すると考える。
【0037】
本発明者は、至高経験の発生は、サイケデリック薬物の治療効力の重要な機序または少なくとも根底にある機序の代理挙動マーカーであることを認識した。したがって本発明者は、至高経験を、以前試験されたサイケデリック剤ならびにそれらの投薬レジメンおよび投与経路と比較してより急速に、より高い割合の患者で、かつ個々の患者でより良好な再現性を伴って達成することにより、より良好な治療プロファイルがもたらされることを認識した。
【0038】
本発明者は、5-MeO-DMT(以下の式を参照されたい)を、至高経験を誘導する傾向が神経障害の処置のために以前研究されたセロトニン作用性サイケデリック薬より大きいセロトニン作用性サイケデリック薬として特定し、さらに5-MeO-DMTに基づく至高経験は、自我の境界の崩壊ならびに至福状態および/または一体性の経験をより頻繁に伴うことを認識した。本発明者はまた、5-MeO-DMTは、神経障害の処置のために以前研究されたセロトニン作用性サイケデリック薬より急速に至高経験を誘導でき、サイケデリック経験の継続時間はより短いことを認識した。本発明者は、5-MeO-DMTのこれらの特徴は、治療プロファイルの改善と関連し、5-MeO-DMT処置に基づくRSN活動の特定の変化によって説明することができると考える。
【0039】
【化2】
【0040】
一態様では、本発明は、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置における治療有効量の5-MeO-DMTの使用に関する。そのような障害の処置における治療有効量の5-MeO-DMTの使用は、そのような障害および自殺念慮を有する患者における治療有効量の5-MeO-DMTの使用を含む。これは、特に自殺念慮を有する患者における使用を含む、処置抵抗型のそのような障害を有する患者における治療有効量の5-MeO-DMTの使用を含む。これらの状態は、すべてRSNの活動の撹乱に関連することが公知であり、本発明者は、本発明がこれらの状態を5-MeO-DMTによる処置に応答性にさせることを認識した。
【0041】
別の態様では、本発明は、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置における治療有効量の5-MeO-DMTの使用であって、それにより臨床応答が5-MeO-DMTの投与後に急速に達成される使用に関する。
【0042】
別の態様では、本発明は、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置における治療有効量の5-MeO-DMTの使用であって、それにより臨床応答が5-MeO-DMTの投与後に長期間持続する使用に関する。
【0043】
別の態様では、本発明は、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置における使用のための5-MeO-DMTの新規の投薬レジメンおよび投与経路であって、患者の高い割合での、かつ同じ患者内で良好な再現性を伴う至高経験の達成を可能にする新規の投薬レジメンおよび投与経路に関する。高い至高経験率および結果として生じる治療効果の改善を可能にすることに加え、これらの新規の投薬レジメンおよび投与計画は、過剰投薬のリスクも同時に低減させ、それにより安全性プロファイルを改善させる。そのような改善された投薬レジメンは、同日または次の日の後続の投与で増加する投与量の5-MeO-DMTを同じ患者に適用することに依存する。そのような改善された投与経路は、5-MeO-DMTの静脈内、筋肉内または皮下投与に依存する。
【0044】
これらの態様のそれぞれを介して、および特にこれらの態様の組合せにより、本発明は、1)精神障害を有する患者へのサイケデリック薬の適用に基づく改善された精神活性療法を提供する、および2)そのような改善された療法による処置に応答性である特定の精神障害および精神障害の特定のサブグループを特定するという問題を解決する。
【0045】
5-MeO-DMTが、その急性サイケデリック効果の短い継続時間(例えば経口シロシビンおよび経口LSDの数時間と比較して静脈内注射後5~20分間)にもかかわらず改善された治療効果を有する事実は驚くべきことであるが、実際この作用の短い継続時間および関連する忍容性の非存在(すなわち、再投与後のサイケデリック効果の低下または喪失の非存在)が、至高経験の発生率を増加させ、それにより治療利益を増加させるように設計された頻繁な再投与(1日1回より多い、または毎日など)を伴う新規の投薬レジメンを可能にする根拠である。そのような短時間内での繰り返し投与はまた、過剰投薬のリスクを低減させる個体内用量最適化を可能にし、そうでなければ、セロトニン症候群、後の時点での経験のフラッシュバックなどの負の心理反応などの身体的副作用、または変性状態の記憶が少ないもしくは存在しない(いわゆる「ホワイトアウト」)、意義がより少ないサイケデリック経験をもたらしうる。さらに、低用量から始めることにより、患者は一般的にサイケデリック経験に習熟し、さらにより強い症状がより高用量で生じることに備えることができ、これはこれらのより高用量での経験に肯定的な影響を及ぼす。また、低用量で処置を開始することができるという見通しは、治療アプローチについての患者の承認を促し、患者集団レベルでの全体的なコンプライアンス率を改善させる。
【0046】
至高経験率を増加させて至高経験の再現性を調整すること、ならびに治療効果を改善させ、副作用を低減させ、コンプライアンス率を向上させることを目的としたセロトニン作用性サイケデリック薬の頻繁な再投与は先行技術で企図されておらず、実際に再投与は、それらの現行の投薬レジメンおよび投与経路で観察されるサイケデリック効果の遅発ならびに長い継続時間のために、かつ数日間持続しうる忍容性(すなわち、再投与後のサイケデリック効果の低下または喪失)の急速な発症のために、他のサイケデリック薬のための現在試験されている投与レジメンでは不可能である場合がある。治療の状況で使用されるサイケデリック薬物のためのこれまで記載された投薬レジメンは、単回投与のみまたは数日後のみの繰り返し投与のいずれかを企図し、さらに経口投与のみを企図していた。それゆえ、これらの現在適用されている投薬レジメンおよび投与経路では、至高経験は信頼性をもって達成されず、またそれらレジメンは上述のようなさらなる利益をもたらさない。
【0047】
5-MeO-DMTの静脈内、筋肉内または皮下投与は、高いバイオアベイラビリティならびに患者間および同じ患者での再投与間のバイオアベイラビリティの少ないばらつきを可能とするため、高い率および高い再現性の至高経験を可能とする。さらに、静脈内、筋肉内または皮下投与は、少なくとも一部の患者により吸入または鼻腔内注入による投与と比較してより簡便かつより忍容性が良好であるとみなされ、また静脈内、筋肉内または皮下投与は、使用の容易さのために少なくとも一部の医師によって好まれる。さらに、静脈内、筋肉内または皮下投与は、吸入投与によって適用される場合に生じうる医師または医療提供者の5-MeO-DMTへの曝露を回避する。
【0048】
5-MeO-DMTは、5-HT1Aおよび5-HT2A受容体アゴニストとして作用する天然に生じるセロトニン作用性サイケデリック薬であるトリプタミンである。5-MeO-DMTは、最初にディクティロマ・インカンセンス(Dictyoloma incanescens)の樹皮から単離されたが、他の植物にも含有され、コロラドリバーヒキガエル(Bufo alvarius toad)の毒液の主要な活性成分として特定されている。さらに、5-MeO-DMTは、ヒトの松果体および網膜で合成され、尿、血液および脳脊髄液を含むヒトの体液で見出されている。5-MeO-DMTは、主にモノアミン酸化酵素Aによって媒介される脱アミノ化経路によって不活性化され、チトクロムP450 2D6(CYP2D6)酵素によってO-脱メチル化され、活性代謝物質であるブフォテニンを産生する。ブフォテニンは、5-MeO-DMTそれ自体よりはるかに高い親和性で5-HT2A受容体に結合する。
【0049】
5-MeO-DMTおよび他の活性構成成分に加えて5-MeO-DMTを含む組成物は、これまで儀式または娯楽の状況でしか使用されてこなかった(erowid.org/chemicals/5meo_dmt/5meo_dmt_dose.shtmlおよびerowid.org/chemicals/5meo_dmt/5meo_dmt_effects.shtml、2018年3月1日アクセス)。5-MeO-DMTおよび他の活性構成成分に加えて5-MeO-DMTを含む組成物の使用に関連する使用パターン、摂取動機、主観的効果および潜在的利益、および結果を検討することを目的とした近年のインターネット調査により、不安、うつ病、物質使用問題および外傷後ストレス障害を含む自己申告の心理学的状態を有する応答者の大半がこれらの障害に関する症状の改善を知覚したことが説明された(Davis AK et al., J Psychopharmacol. 2018 Jul;32(7):779-792)。しかし、著者によって記述されるように、「この研究は横断研究であり、心理学的症状の立証された指標および過去の心理学的処置の判定を欠くものであり、多くの多物質使用者を含み、それにより5-MeO-DMTの使用と症状の改善との間の関係の因果推論が制限され、したがって心理学的利益の関連性は依然として観察上のままである」。
【0050】
MAO阻害剤と併用した5-MeO-DMTの適用は、薬物効果の増強および長期化をもたらすが、より多くの毒性ももたらしうる。儀式または娯楽の状況で最も一般的に記載される5-MeO-DMTの投与経路は、煙もしくは蒸気の吸入または鼻腔内注入であるが、静脈内、直腸または経口適用などの他の経路も記載されており、後者の経路を介した吸収は、おそらく腸および肝臓でのMAO酵素の急速な作用による実質的な初回通過効果によって制限される。
【0051】
発明の有利な効果
それぞれの適応症における現行の標準治療と比較した本発明の有益な効果として、これらに限定されないが、a)臨床応答を経験する患者のより高いパーセンテージ、b)より高い平均臨床応答、c)臨床応答より早い発現、d)より持続的な臨床応答、e)より少ないまたは異なる副作用を伴う同様のまたはより良好な臨床応答、およびしたがって改善されたコンプライアンス、ならびにf)より少ない薬物投与を含むより簡便な治療レジメンによる同等またはより良好な臨床応答、これによる改善されたコンプライアンスが挙げられる。以前研究されたサイケデリック薬と比較して、本発明は、例えばg)投薬後の急性精神活性効果のより短い継続時間を伴う同等またはより良好な臨床応答、これによる改善された利便性およびコンプライアンス、h)至高サイケデリック経験を達成する傾向がより大きく、至高サイケデリック経験の達成の再現性がより良好であると同時に、不必要な高用量および関連付けられる副作用を回避し、忍容性がより良好であり、したがって改善されたコンプライアンスを伴う改善された投薬レジメンおよび投与経路をさらに提供することができる。さらに、有利な効果は、本明細書に定義される処置抵抗性の患者で特に達成されることが留意される。
【0052】
定義
本発明の文脈で使用される場合、別段記述されない限り、「5-MeO-DMT」という用語は、遊離塩基である5-MeO-DMTを指す。5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩も典型的に使用されることが企図される。そのような塩の例は、塩酸塩である。投与される塩の適切な重量は、等モル量が使用されると仮定し遊離塩基の重量から計算されてもよい。
【0053】
本発明の文脈で使用される場合、処置される「患者」は、受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により大うつ病性障害と診断されたヒト対象である。診断は、例えばアメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害または精神活性物質乱用を患うとされてもよい。診断は、医師または心理士によるものである。ヒト対象自身が、自身を障害のうちの1つを患うとみなすことは不十分である。
【0054】
本発明の文脈で使用される場合、「自殺念慮」は、自殺を思う、考えるまたは計画することを指す。患者における自殺念慮の存在は、自殺傾向を診断するための確立されたプロトコールおよび方法を使用し、医師または心理士によって診断される。患者自身が自身を自殺念慮を患うとみなすことは一般的に不十分である。一部の状況では、自殺念慮を経験する患者は、自殺する差し迫ったリスクにあるか、または「実行する意思」を有するとみなされる。
【0055】
本発明の文脈で使用される場合、別段記述されない限り、「処置すること」および「処置」という用語は、疾患、状態または障害に対抗することを目的とした患者の管理およびケアを含み、かつ兆候および/もしくは症状を緩和する、または疾患、状態もしくは障害を排除するための本発明による化合物の投与および方法を含む。
【0056】
本発明の文脈で使用される場合、別段記述されない限り、「治療有効量」という用語は、処置されている疾患、状態または障害の兆候および/または症状の緩和を含む、研究者、医学博士または他の臨床医によって追求される生物学的応答または臨床応答をヒトにおいて誘発する活性化合物または医薬成分の量を意味する。
【0057】
「臨床応答」は、これらに限定されないが、臨床全般印象度-重症度尺度(CGI-S)、患者による全般印象度-重症度尺度(PGI-S)、臨床全般印象度-改善度尺度(CGI-I)または患者による全般印象度-改善度尺度(PGI-I)などの評定尺度における改善を含み、これらに限定されないが、大うつ病性障害および持続性うつ病性障害についてのモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)または17項目のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)、例えばベック不安尺度(BAI)によって測定される不安症状、不安障害についてのハミルトン不安尺度(HAM-A)または状態-特性不安検査(STAI)、外傷後ストレス傷害についての外傷後ストレス障害臨床診断面接尺度(CAPS)、身体醜形障害についての身体醜形障害のために修正されたエール・ブラウン大学強迫性障害評定尺度(BDD-YBOCS)、強迫性障害についてのエール・ブラウン大学強迫性障害評定尺度(Y-BOCS)、神経性食欲不振症についての体重増加、神経性過食症についての過食嘔吐エピソードの頻度、過食性障害についての過食エピソードの頻度、精神活性物質乱用においての物質使用の節制または低減の継続時間、および自殺念慮についてのコロンビア自殺重症度評定尺度(C-SSRS)などの自殺傾向評定尺度もしくはMADRSの自殺思考項目、または臨床全般印象度-自殺傾向重症度-改訂(CGI-SS-R)尺度(CGI-SS-RはCGI-Sに由来し、0=正常、全く自殺傾向がない、1=自殺傾向の疑いあり、2=軽度の自殺傾向、3=中等度の自殺傾向、4=顕著な自殺傾向、5=重度の自殺傾向、6=極度の自殺傾向とスコア付けされる)などのエンドポイントをさらに含む。より長い想起期間(例えば、MADRSで通常7日間)のために開発されたエンドポイントに基づき、薬物投与後早期の時点(例えば2時間)で臨床応答を判定する場合、そのようなエンドポイントの合理的な修正(例えば、MADRSの想起期間を2時間に変更し、薬物投与前にベースラインで記録された睡眠項目を繰り越す)が適用されてもよい。
【0058】
本発明の文脈で使用される場合、別段記述されない限り、「投与」(または「適用」)という用語は、所定量であってもよい量の活性化合物または医薬成分を任意の経路を介して患者に導入することを意味する。活性化合物は静脈内投与によって、筋肉内投与によって、または皮下投与によって投与される。
【0059】
本発明の文脈で使用される場合、別段記述されない限り、「用量」および「投与量」および「投薬量」という用語は、個々の投与で患者に投与される活性化合物または医薬成分の量を意味する。「投与量レジメン」(または「投薬レジメン」)という用語は、1または複数回の個々の投与の既定の連続を意味する。
【0060】
本発明の態様
本発明は、本明細書で定義される患者に治療有効量の5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用の処置のための改善された方法を対象とする。これらの障害の処置は、これらに限定されないが、そのような障害および自殺念慮を有する本明細書で定義される患者における5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の使用を含む。これらの障害の処置は、特に処置抵抗型の言及された障害を有する、本明細書で定義される患者における5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の使用を含む。本発明の文脈で使用される場合、「処置抵抗性」は、大うつ病性障害および持続性うつ病性障害では、現在のうつ病エピソードにおける薬理学的治療の少なくとも2回の適切な過程に対して適切な改善がないとして定義され、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害および強迫性障害では、薬理学的治療の少なくとも1回の適切な過程および心理療法の少なくとも1回の適切な過程に対して適切な改善がないとして定義され、ならびに摂食障害および精神活性物質乱用では薬理学的治療を伴うまたは伴わない心理療法の少なくとも1回の適切な過程の後に適切な改善がないとして定義される。改善が適切であるかどうかは臨床応答に関して判定され、治療過程が適切であるかどうかはレジメン、用量、継続時間およびコンプライアンスに関して判定される。適切さは、既定の一連の基準を使用して医師または心理士によって判定および記録され、患者自身が過去の治療過程が適切でなかった、または自身が適切に応答しなかったとみなすことは十分ではない。適切さは、後向きおよび前向きに判定されてもよい。
【0061】
不安障害を有する患者の処置には、これらに限定されないが、パニック障害、恐怖症性不安障害、社交不安障害および全般性不安障害を有する患者が含まれる。摂食障害を有する患者の処置は、これらに限定されないが、神経性食欲不振症、神経性過食症および過食性障害を含む。物質乱用を有する患者の処置には、これらに限定されないが、アルコール関連障害、オピオイド関連障害、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬関連障害、コカイン関連障害、他の刺激薬関連障害およびニコチン依存症を有する患者が含まれる。
【0062】
本発明によって好ましく処置される障害は、それらの処置抵抗型を含む大うつ病性障害、全般性不安障害、強迫性障害および神経性食欲不振症である。本発明によって最も好ましく処置される障害は、その処置抵抗型などを含む大うつ病性障害であり、また自殺念慮を有する大うつ病性障害を有する患者を含む。
【0063】
実施形態では、処置抵抗型のこれらの障害など、また自殺念慮を伴うこれらの障害などの、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用を有する、本明細書で定義される患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、約1mg~約10mgの範囲またはその中の範囲の任意の量である。有用な特定の量は、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgおよび約10mgである。5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩がこの実施形態で好ましく使用され、投与される塩の適切な重量は、等モル量が使用されると仮定して遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよいことが理解される。
【0064】
本明細書では、「約1mg~約10mg」などの範囲が記載される場合、本発明者は、それらの一部が詳細に言及されるが、その範囲内のすべての個別の値を企図すること、単に簡潔性のためにそれらのすべては言及されないことに留意されたい。
【0065】
好ましい実施形態では、処置抵抗型のこれらの障害など、また自殺念慮を伴うこれらの障害などの、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用を有する、本明細書で定義される患者を治療有効量の5-MeO-DMTで処置するための改善された方法は、5-MeO-DMTの投与後約2時間以内の臨床応答の発生を含む。
【0066】
好ましい実施形態では、処置抵抗型のこれらの障害など、自殺念慮を伴うこれらの障害などの、精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用を有する、本明細書で定義される患者を治療有効量の5-MeO-DMTで処置するための改善された方法は、5-MeO-DMTの投与後約2時間以内に発生した臨床応答を含む、5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約6日後まで、好ましくは5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約14日後まで、より好ましくは5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約28日後までの臨床応答の持続を含む。
【0067】
好ましい実施形態では、処置抵抗型のこれらの障害を含み、かつ自殺念慮を伴うこれらの障害を含む精神障害、特に大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用を有する、本明細書で定義される患者を治療有効量の5-MeO-DMTで処置するための改善された方法は、5-MeO-DMTの単回用量より多くの用量の投与を含む。
【0068】
好ましい実施形態では、この5-MeO-DMTの単回用量より多くの用量は、1または複数の処置ブロックで患者に投与され、各ブロックは2~7回の投与からなり、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下であり、1つの処置ブロックの終了と次の処置ブロックの開始の間は約6日以上である。
【0069】
さらにより好ましい実施形態では、この5-MeO-DMTの単回用量より多くの用量は、1または複数の処置ブロックで患者に投与され、各ブロックは1~3回の投与からなり、各処置ブロック内の各投与の間は約24時間であり、1つの処置ブロックの終了と次の処置ブロックの開始の間は約6日以上である。
【0070】
最も好ましい実施形態では、この5-MeO-DMTの単回用量より多くの用量は、1または複数の処置ブロックで患者に投与され、各ブロックは1~3回の投与からなり、各処置ブロック内の各投与の間は約2~4時間であり、1つの処置ブロックの終了と次の処置ブロックの開始の間は約6日以上である。
【0071】
実施形態では、投与のそれぞれおよび処置ブロックのそれぞれにおいて個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、個々の患者に対して一定であり、約1mg~約10mgから選択される。
【0072】
好ましい実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、各処置ブロック内の第1の投与では約1mg~約2mgから選択され、その後10mgに到達するか、またはその処置ブロック内のすべての投与が投与されるかのうちのより早期のものまで、各処置ブロック内の各後続の投与ごとに増加する。
【0073】
さらにより好ましい実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、各処置ブロック内の第1の投与では約1mg~約2mgから選択され、その後10mgに到達するか、またはその処置ブロック内のすべての投与が投与されるか、または患者が至高サイケデリック経験を経験するか、または監督医師が観察される副作用に基づき、さらなる用量の増加は不適切であると決定するかのうちのより早期のものまで、各処置ブロック内の各後続の投与ごとに増加する。
【0074】
投薬量が後続の投与で増加する実施形態では、次の投与の投薬量は、先の投与の投薬量に約0.25mg~約3mg、好ましくは約0.5mg~約3mg、最も好ましくは約6mgを加えることによって決定される。例えば、第1の投与の投薬量が1mgであり、投薬量の増加が3mgである場合、前述の中止基準のうちの1つに到達しない限り、第2の投与の投薬量は4mgである。好ましくは、第3の投与の投薬量は7mgである。
【0075】
好ましい実施形態では、各処置ブロックにおいて個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づき、さらなる用量の増加は不適切であると決定していない限り、第2の投与では約4mg~約6mgから選択される投与量に、および第3の投与には約7mg~約9mgから選択される投与量に増加される。第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。
【0076】
さらにより好ましい実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の処置ブロックの第1の投与には約1mg~約2mgから選択され、その後10mgに到達するか、またはその処置ブロック内のすべての投与が投与されるか、または患者が至高サイケデリック経験を経験するか、または監督医師が観察される副作用に基づき、さらなる用量の増加は不適切であると決定するかのうちのより早期のものまで、第1の処置ブロック内の各後続の投与ごとに増加し、その第1の処置ブロックにおける最大投与量は、すべての後続の処置ブロックおよびそれらの後続の処置ブロック内の投与のための投与量として使用される。例えば、第1の処置ブロックにおける最大投与量が、患者がその用量で至高サイケデリック経験を経験したために8mgであった場合、すべての後続の処置ブロックおよびそれらの後続の処置ブロック内の投与のための投与量は8mgである。
【0077】
最も好ましい実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の処置ブロックの第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づき、さらなる用量の増加は不適切であると決定していない限り、第1の処置ブロックの第2の投与には約4mg~約6mgから選択される投与量に、および第1の処置ブロックの第3の投与には約7mg~約9mgから選択される投与量に増加され、その第1の処置ブロックにおける最大投与量は、すべての後続の処置ブロックおよびそれらの後続の処置ブロック内の投与のための投与量として使用される。第1の処置ブロックにおける第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。
【0078】
5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩が、上記の投薬レジメンのすべてにおいて好ましく使用され、また投与される塩の適切な重量は、等モル量が使用されると仮定して遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよいことが理解される。
【0079】
本発明によると、5-MeO-DMTは、好ましくはMAO阻害剤とともに投与されない。
【0080】
患者における「至高サイケデリック経験」の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定することができる(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015;29(11):1182-90に記載される通りであり、スコア項目は実施例4に示される)。
【0081】
患者における「至高サイケデリック経験」の発生はまた、変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されてもよい(Roseman L et al., Front Pharmacol. 2018; 8:974に記載される通り)。
【0082】
患者における「至高サイケデリック経験」の発生はまた、至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)合計スコアで少なくとも75のスコアを達成することによって特定されてもよく、これは以下の3つの質問:1.経験はどれほど強力であったか、2:どの程度まで制御を失ったか、3.経験はどれほど深遠(すなわち、深く顕著)であったか?に対し、患者によって0~100でスコア付けされた回答を平均したものである。
【0083】
治療有効量の5-MeO-DMTは、静脈内投与によって、筋肉内投与によって、または皮下投与される。これらの経路を介した投与により、作用の急速な発現を保証することができる。最も好ましい投与経路は、筋肉内経路を介した、すなわち筋肉内注射による投与である。
【0084】
5-MeO-DMTは、好ましくは注射による投与のための製剤の形態の薬学的に許容される塩として用いられてもよく、そのような製剤のための賦形剤およびビヒクルの例は、当技術分野で公知である。
【0085】
患者はまた、心理療法介入を受けてもよい。
【0086】
特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、患者は処置抵抗型の大うつ病性障害を患ってもよい。この同じ特定の実施形態では、患者はまた実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよく、かつ自殺の差し迫ったリスクにあるとみなされてもよい。この同じ特定の実施形態では、大うつ病性障害を有する、本明細書で定義される患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は約1mg~約10mgの範囲であり、かつ5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この特定の実施形態における5-MeO-DMTの有用な特定の量は、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgおよび約10mgである。
【0087】
特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、患者は処置抵抗型の大うつ病性障害を患ってもよい。この同じ特定の実施形態では、患者はまた実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよく、かつ自殺の差し迫ったリスクにあるとみなされてもよい。この同じ特定の実施形態では、大うつ病性障害を有する、本明細書で定義される患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は約1mg~約10mgの範囲であり、かつ5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この特定の実施形態における5-MeO-DMTの有用な特定の量は、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgおよび約10mgである。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTの投与前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答、またはCGI-IもしくはPGI-Iスコアの少なくとも「著明改善」のスコアとして判定される臨床応答は、5-MeO-DMTの投与後約2時間以内に発生する。
【0088】
特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、患者は処置抵抗型の大うつ病性障害を患ってもよい。この同じ特定の実施形態では、患者はまた実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよく、かつ自殺の差し迫ったリスクにあるとみなされてもよい。この同じ特定の実施形態では、大うつ病性障害を有する、本明細書で定義される患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は約1mg~約10mgの範囲であり、かつ5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この特定の実施形態における5-MeO-DMTの有用な特定の量は、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgおよび約10mgである。この同じ特定の実施形態では、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解は、5-MeO-DMTの投与後約2時間以内に発生する。
【0089】
特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、患者は処置抵抗型の大うつ病性障害を患ってもよい。この同じ特定の実施形態では、患者はまた実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよく、かつ自殺の差し迫ったリスクにあるとみなされてもよい。この同じ特定の実施形態では、大うつ病性障害を有する、本明細書で定義される患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は約1mg~約10mgの範囲であり、かつ5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この特定の実施形態における5-MeO-DMTの有用な特定の量は、例えば約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgおよび約10mgである。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTの投与後約2時間以内に発生した臨床応答を含む、5-MeO-DMTの投与前のそれぞれのスコアと比較してMADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答、またはCGI-IもしくはPGI-Iスコアの少なくとも「著明改善」のスコアとして判定される臨床応答は、5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約6日後まで、好ましくは5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約14日後まで、より好ましくは5-MeO-DMTの最後の投与の少なくとも約28日後まで持続する。
【0090】
特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の処置ブロックの第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づきさらなる用量の増加が不適切であると決定していない限り、第1の処置ブロックの第2の投与がは約4~約6mgから選択される投与量に、および第1の処置ブロックの第3の投与には約7mg~約9mgから選択される投与量に増加され、その第1の処置ブロックにおける最大投与量は、すべての後続の処置ブロックおよびそれらの後続の処置ブロック内の投与のための投与量として使用される。第1の処置ブロックにおける第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。この同じ特定の実施形態では、第1の処置ブロック内の各投与間の間隔は約3時間である。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTは5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この同じ特定の実施形態では、至高サイケデリック経験の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015;29(11):1182-90に記載される通り)、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される。
【0091】
さらに特定の実施形態では、処置される疾患は大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、各処置ブロックにおいて個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づきさらなる用量の増加が不適切であると決定していない限り、第2の投与には約4mg~約6mgから選択される投与量に、および第3の投与には約7mg~約9mgから選択される投与量に増加される。第1の処置ブロックにおける第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。この同じ特定の実施形態では、各処置ブロック内の各投与間の間隔は約3時間であり、1つの処置ブロックの終了と次の処置ブロックの開始の間の間隔は約6日である。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTは5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この同じ特定の実施形態では、至高サイケデリック経験の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015;29(11):1182-90に記載される通り)、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される。
【0092】
特定の実施形態では、処置される疾患は処置抵抗性大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、患者は実行する意思を伴う自殺念慮を患ってもよく、かつ自殺の差し迫ったリスクにあるとみなされてもよい。この同じ特定の実施形態では、個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の処置ブロックの第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づきさらなる用量の増加が不適切であると決定していない限り、第1の処置ブロックの第2の投与には約4mg~約6mgから選択される投与量に、および第1の処置ブロックの第3の投与では約7mg~約9mgから選択される投与量に増加され、その第1の処置ブロックにおける最大投与量は、すべての後続の処置ブロックおよびそれらの後続の処置ブロック内の投与のための投与量として使用される。第1の処置ブロックにおける第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。この同じ特定の実施形態では、第1の処置ブロック内の各投与間の間隔は約3時間である。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTは5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この同じ特定の実施形態では、至高サイケデリック経験の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015;29(11):1182-90に記載される通り)、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される。
【0093】
さらに特定の実施形態では、処置される疾患は処置抵抗性大うつ病性障害である。この同じ特定の実施形態では、各処置ブロックにおいて個々の患者に投与される5-MeO-DMTの投薬量は、第1の投与には約1mg~約3mgから選択され、その後患者がその処置ブロック内で至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が観察される副作用に基づきさらなる用量の増加が不適切であると決定していない限り、第2の投与には約4mg~約6mgから選択される投与量に、および第3の投与には約7mg~約9mgから選択される投与量に増加される。第1の処置ブロックにおける第1、第2および第3の投与の有用な特定の量は、例えば約2mg、約5mgおよび約8mgである。この同じ特定の実施形態では、各処置ブロック内の各投与間の間隔は約3時間であり、1つの処置ブロックの終了と次の処置ブロックの開始の間の間隔は約6日である。この同じ特定の実施形態では、5-MeO-DMTは5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩に基づく投与のための製剤の形態で筋肉内投与によって投与され、5-MeO-DMTの薬学的に許容される塩の重量は、等モル量が使用されると仮定して5-MeO-DMTの遊離塩基の述べられた重量から計算されてもよい。この同じ特定の実施形態では、至高サイケデリック経験の発生は、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015;29(11):1182-90に記載される通り)、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される。
【0094】
実施形態
本発明の特定の実施形態を以下に列挙する。
【0095】
本発明は、本明細書に記載される実施形態および特許請求の範囲において「患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩」などの文言を「5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩の投与による患者の処置方法」で置き換えることによって定義されるすべての処置方法をさらに包含することが認識される。
【0096】
臨床応答がa)特定の時点以内に発生する、b)少なくとも特定の時点まで持続する、またはc)「5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後」の特定の時点で存在すると記載する実施形態および請求項は、他の実施形態および請求項の従属物を通して、例えばa)「最後の投与」が、実際には5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の第1の投与である、およびb)「最後の投与」が、実際には患者が至高サイケデリック経験を経験した5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の投与であって、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最初の投与でありうるが、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の第1の投与より高用量の5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の後の投与でもありうる投与である実施形態および請求項を含むことが強調される。
【0097】
大うつ病性障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により大うつ病性障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、20以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または17以上の17項目のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される中等度または重度の大うつ病性障害を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が35以上のMADRSスコアにより、または25以上のHAM-Dスコアにより示される重度の大うつ病性障害を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の大うつ病性障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内投与によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与より高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0098】
持続性うつ病性障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により持続性うつ病性障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、20以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または17以上の17項目のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される中等度または重度のうつ病を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が35以上のMADRSスコアにより、または25以上のHAM-Dスコアにより示される重度のうつ病を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の持続性うつ病性障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコアによって判定される抑うつ症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0099】
不安障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により不安障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、19以上のベック不安尺度(BAI)スコアまたは15以上のハミルトン不安尺度(HAM-A)スコアにより示される中等度または重度の不安を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が30以上のBAIスコアにより、または24以上のHAM-Aスコアにより示される重度の不安を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の不安障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.9以下のBAIスコアによって、または7以下のHAM-Aスコアによって判定される不安症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、9以下のBAIスコアまたは7以下のHAM-Aスコアによって判定される不安症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、9以下のBAIスコアまたは7以下のHAM-Aスコアによって判定される不安症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のそれぞれのスコアと比較して、BAIまたはHAM-Aスコアの少なくとも75%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、9以下のBAIスコアまたは7以下のHAM-Aスコアによって判定される不安症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0100】
外傷後ストレス障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により外傷後ストレス障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、DSM-5のための外傷後ストレス障害臨床診断面接尺度(CAPS-5)の20の重症度項目の23以上の合計スコアにより示される中等度、重度または極度の外傷後ストレス障害を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が、CAPS-5の20の重症度項目の35以上の合計スコアにより示される重度または極度の外傷後ストレス障害を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の外傷後ストレス障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアで10以下のスコアによって判定される外傷後ストレス障害の症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアで10以下のスコアによって判定される外傷後ストレス障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアで10以下のスコアによって判定される外傷後ストレス障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のスコアと比較して、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、CAPS-5の20の重症度項目の合計スコアで10以下のスコアによって判定される外傷後ストレス障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与より高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0101】
身体醜形障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により身体醜形障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、身体醜形障害のために修正されたエール・ブラウン大学強迫性障害評定尺度(BDD-YBOCS)の31以上のスコアにより示される中等度または重度の身体醜形障害を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が、BDD-YBOCSの41以上のスコアにより示される重度の身体醜形障害を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の身体醜形障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.BDD-YBOCSの16以下のスコアによって判定される身体醜形障害の症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、BDD-YBOCSの16以下のスコアによって判定される身体醜形障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、BDD-YBOCSの16以下のスコアによって判定される身体醜形障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも30%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のスコアと比較して、BDD-YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、BDD-YBOCSの16以下のスコアによって判定される身体醜形障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0102】
強迫性障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により強迫性障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、エール・ブラウン大学強迫性障害評定尺度(Y-BOCS)の26以上のスコアにより示される中等度または重度の強迫性障害を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者がY-BOCSの35以上の合計スコアにより示される重度の強迫性障害を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の強迫性障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約7mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも35%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.YBOCSの12以下のスコアによって判定される強迫性障害の症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも35%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、YBOCSの12以下のスコアによって判定される強迫性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも35%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、YBOCSの12以下のスコアによって判定される強迫性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも35%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.処置前のスコアと比較して、YBOCSの少なくとも50%の改善によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、YBOCSの12以下のスコアによって判定される強迫性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0103】
神経性食欲不振症の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により神経性食欲不振症と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、17kg/m未満の肥満度指数により示される中等度または重度または極度の神経性食欲不振症を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が16kg/m未満の肥満度指数により示される重度または極度の神経性食欲不振症を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の神経性食欲不振症と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与が、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与より高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与では約17mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.5-MeO-DMTの投与前の肥満度指数と比較して、肥満度指数の少なくとも1kg/mの増加によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約28日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.少なくとも18.5kg/mの肥満度指数によって判定される神経性食欲不振症の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約56日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.5-MeO-DMTの投与前の肥満度指数と比較して、肥満度指数の少なくとも1kg/mの増加によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも56日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.5-MeO-DMTの投与前の肥満度指数と比較して、肥満度指数の少なくとも1kg/mの増加によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後56日目に、少なくとも18.5kg/mの肥満度指数によって判定される神経性食欲不振症の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態28~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態28~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態28~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態28または32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0104】
神経性過食症の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により神経性過食症と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、1週間あたり4回以上の過食嘔吐エピソードにより示される中等度または重度の神経性過食症を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が1週間あたり8回以上の過食嘔吐エピソードにより示される重度の神経性過食症を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の神経性過食症と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約17mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.1週間あたり0回の過食嘔吐エピソードによって判定される神経性過食症の症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約14日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、1週間あたり0回の過食嘔吐エピソードによって判定される神経性過食症の症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後21日目に、1週間あたり0回の過食嘔吐エピソードによって判定される神経性過食症の症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食嘔吐エピソード数と比較して、1週間あたりの過食嘔吐エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、1週間あたり0回の過食嘔吐エピソードによって判定される神経性過食症の症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0105】
過食性障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により過食性障害と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、1週間あたり4回以上の過食エピソードにより示される中等度または重度の過食性障害を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が1週間あたり8回以上の過食エピソードにより示される重度の過食性障害を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の過食性障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与が、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与より高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約17mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.1週間あたり0回の過食エピソードによって判定される過食性障害の症状の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約14日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、1週間あたり0回の過食エピソードによって判定される過食性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後21日目に、1週間あたり0回の過食エピソードによって判定される過食性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.5-MeO-DMTの投与前の1週間あたりの過食エピソード数と比較して、1週間あたりの過食エピソード数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、1週間あたり0回の過食エピソードによって判定される過食性障害の症状の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0106】
精神活性物質乱用の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により精神活性物質乱用と診断された患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち少なくとも4つの診断基準が存在することにより示される中等度または重度の精神活性物質乱用を患う、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち少なくとも6つの診断基準が存在することにより示される重度の精神活性物質乱用を患う、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の精神活性物質乱用と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.患者がさらに自殺念慮を患う、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.患者が実行する意思を伴う自殺念慮を患う、実施形態6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.患者が自殺の差し迫ったリスクにある、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~8に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約17mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2あり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態12~14に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態9~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約7日以内に発生する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち0個の診断基準が存在することによって判定される精神活性物質乱用の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約14日以内に発生する、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち0個の診断基準が存在することによって判定される精神活性物質乱用の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも21日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後21日目に、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち0個の診断基準が存在することによって判定される精神活性物質乱用の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも50%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.5-MeO-DMTの投与前の数と比較して、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち存在する診断基準の数の少なくとも75%の低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、物質使用障害のための11のDSM-5診断基準のうち0個の診断基準が存在することによって判定される精神活性物質乱用の寛解状態にある、実施形態1~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態34~35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~36に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態34~37に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
39.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態34または38に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
40.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
41.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【0107】
意思を伴う自殺念慮を有するまたは自殺の差し迫ったリスクを有する大うつ病性障害の処置に関する実施形態
1.受け入れられている医療行為に従い、有資格専門家により大うつ病性障害と診断され、さらに受け入れられている医療行為に従い有資格専門家により診断される、意思を伴う自殺念慮を有するまたは自殺の差し迫ったリスクを有する患者の処置における使用のための5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)または薬学的に許容されるその塩であって、5-MeO-DMTが静脈内、筋肉内または皮下経路によって投与される、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
2.障害が、アメリカ精神医学会発行の精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)に従い診断される、実施形態1に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
3.患者が、20以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)スコアにより、または17以上の17項目のハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)スコアにより示される中等度または重度の大うつ病性障害を患い、かつ臨床全般印象度-自殺傾向重症度-改訂(CGI-SS-R)尺度に基づき中等度の自殺傾向、顕著な自殺傾向、重度な自殺傾向、または極度の自殺傾向とみなされる、実施形態1または2に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
4.患者が35以上のMADRSスコアにより、または25以上のHAM-Dスコアにより示される重度の大うつ病性障害を患い、かつ臨床全般印象度-自殺傾向重症度-改訂(CGI-SS-R)尺度に基づき顕著な自殺傾向、重度の自殺傾向、または極度の自殺傾向とみなされる、実施形態3に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
5.患者が処置抵抗型の大うつ病性障害と診断される、実施形態1~4に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
6.5-MeO-DMTまたはその塩が、患者に至高サイケデリック経験を経験させる用量または投与量レジメンで投与される、実施形態1~5に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
7.約1mg~約10mgの5-MeO-DMTの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
8.約2mgもしくは約5mgもしくは約8mgの投与量が投与される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~6に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
9.5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用する、実施形態1~7に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
10.5-MeO-DMTが、第1の投与には約1mg~約3mgの投与量で投与され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第2の投与には約4mg~約6mgの投与量に増加され、その後患者が至高サイケデリック経験を既に経験していない限り第3の投与には約17mg~約9mgの投与量に増加される、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態1~9に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
11.5-MeO-DMTの第1の投与量が約2mgであり、5-MeO-DMTの第2の投与量が約5mgであり、5-MeO-DMTの第3の投与量が約8mgである、または5-MeO-DMTの代わりに等モル量の薬学的に許容される塩が投与される、実施形態10に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
12.2回の投与の間の間隔が1時間以上24時間以下、例えば約2~4時間である、実施形態9~11に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
13.至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態6~12に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
14.至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定される、実施形態13に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
15.筋肉内注射によって投与される、先の実施形態のいずれかに記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
16.臨床全般印象度-改善度(CGI-I)スコアまたは患者による全般印象度-改善度(PGI-I)スコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~15に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
17.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~16に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
18.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~17に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
19.CGI-IスコアまたはPGI-Iスコアにおける少なくとも「著明改善」のスコアによって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~18に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
20.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも1レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~19に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
21.10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコア、およびCGI-SS-R尺度で全く自殺傾向がないまたは自殺傾向の疑いありのスコアによって判定される抑うつ症状および自殺念慮の寛解が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後約2時間以内に発生する、実施形態1~20に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
22.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも1レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも6日後まで持続する、実施形態1~21に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
23.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも2レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に存在する、実施形態1~22に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
24.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後7日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコア、およびCGI-SS-R尺度で全く自殺傾向がないまたは自殺傾向の疑いありのスコアによって判定される抑うつ症状および自殺念慮の寛解状態にある、実施形態1~23に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
25.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも1レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも14日後まで持続する、実施形態1~24に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
26.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも2レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に存在する、実施形態1~25に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
27.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後14日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコア、およびCGI-SS-R尺度で全く自殺傾向がないまたは自殺傾向の疑いありのスコアによって判定される抑うつ症状および自殺念慮の寛解状態にある、実施形態1~26に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
28.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも50%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも1レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与の少なくとも28日後まで持続する、実施形態1~27に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
29.処置前のそれぞれのスコアと比較して、MADRSまたはHAM-Dスコアの少なくとも75%の改善およびCGI-SS-R尺度の少なくとも2レベルの低減によって判定される臨床応答が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に存在する、実施形態1~28に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
30.患者が、5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最後の投与後28日目に、10以下のMADRSスコアまたは7以下のHAM-Dスコア、およびCGI-SS-R尺度で全く自殺傾向がないまたは自殺傾向の疑いありのスコアによって判定される抑うつ症状および自殺念慮の寛解状態にある、実施形態1~29に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
31.1または複数の処置ブロックで投与される、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
32.後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態31に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
33.第1の処置ブロックが、実施形態9~18に定義される5-MeO-DMTまたはその塩の投与を含む、実施形態31~32に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
34.第1の処置ブロックが、患者が至高経験を経験した投与量の1~7回の投与を含み、各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態31~33に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
35.各処置ブロックが1~7回の投与を含み、各処置ブロック内の各投与の間は約1時間以上約24時間以下である、実施形態31~34に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
36.第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の1回または複数回の投与を含む、実施形態31または35に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
37.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)の4つの下位尺度(神秘的、肯定的な気分、時空間の超越および言い表し難さ)のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定されるか、または変性意識状態(ASC)質問票の大洋感(OBN)面の可能な最高スコアの少なくとも60%の達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
38.5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩が2回以上の処置ブロックで投与され、第1の処置ブロックで、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の投与には第1の投薬量で投与され、5-MeO-DMTまたはその塩が、第1の処置ブロックで0~6回の後続の投与で投与され、各後続の投与は、患者が至高サイケデリック経験を経験しない限り先の投与よりもより高い投薬量を使用し、至高サイケデリック経験の発生が、少なくとも75の至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)の合計スコアの達成によって特定され、第1の処置ブロック中の2回の投与の間の間隔が約1時間以上約24時間以下であり、第2および任意の後続の処置ブロックが、第1の処置ブロックの間に投与される5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩の最大投与量の単回投与を含み、後続の処置ブロックが、先行する処置ブロックの少なくとも約6日後に投与される、実施形態1~30に記載の使用のための5-MeO-DMTまたは薬学的に許容されるその塩。
【実施例
【0108】
以下の実施例は、本発明の理解を支援するために列挙され、その後に続く特許請求の範囲に記載される本発明をいかなる様態でも制限するものではなく、制限すると解釈されるべきではない。
【0109】
[実施例1]
[実施例1A]
吸入による5-MeO-DMTの投与
Volcano Medic Vaporization System
Volcano Medic Vaporization System(Storz & Bickel、ドイツ)を用いて薬物を揮発させることにより、5-MeO-DMTエアロゾルを生成した。デバイスは、熱風生成装置および患者がそこからエアロゾルを吸入する着脱式弁バルーンからなる。熱風生成装置は、約40℃~約210℃の間で調節可能な温度を生じることができ、空気流量は1分あたり約12リットルである。デバイスの中央部は、エタノール溶液中の適切な用量の5-MeO-DMTが適用される投薬カプセルであり、カプセルは次いでデバイスの充填チャンバに適用され、そこで熱風によって加熱される。投薬カプセルは、緊密に詰め込まれたステンレス鋼ワイヤメッシュ(ドリップパッドまたは液体パッドと呼ばれる)から作られる小さな円盤を含有する。投薬カプセルの底部および蓋は穴を有し、それにより空気流が投薬カプセルを通ることが可能になる。投薬カプセルおよびドリップパッドは、10個の試料カプセルの測定値に基づき以下の特徴を有する:
【0110】
【表1】
【0111】
5-MeO-DMTエアロゾルの生成および投与
ステップ1:吸入によってボランティアまたは患者に投与される標的投与量の5-MeO-DMT遊離塩基が200μlの溶液体積に含有されるように、100%エタノール中の5-MeO-DMT遊離塩基のストック溶液をメスフラスコ中で調製する。典型的な標的投与量は、1mg~25mgの5-MeO-DMTである。例えば、18mgの5-MeO-DMTの標的投与量に対して、最終溶液の体積が1mlになるように90mgの5-MeO-DMTを100%エタノールに溶解する。その後、ストック溶液のアリコートをさらなる使用までバイアル中で保管してもよい。
【0112】
ステップ2:200μlの溶液をドリップパッドを含有する投薬カプセル(Storz&Bickel、ドイツ)に移し、投薬カプセルを蓋で閉じる。
【0113】
ステップ3:5-MeO-DMTエタノール溶液が充填された投薬カプセルを、55℃に設定された温度で事前加熱されていた第1のVolcano Medic Vaporizerの充填チャンバに移す。次に、気化装置の空気流を、約12l/分の事前設定速度で60秒間オンにする。加熱された空気は投薬カプセルを通って流れ、それによりエタノールが蒸発し、標的投与量の5-MeO-DMTがステンレス鋼ワイヤメッシュを覆う薄層としてカプセルに残される。投薬カプセルの正確な調製は、空のカプセルの重量と比較したカプセルの最終重量増加が5-MeO-DMTの標的投与量にほぼ等しいことを実証することによって確認することができる。
【0114】
ステップ4:調製された投薬カプセルを充填チャンバから取り外す。次いで、投薬カプセルを210℃に設定された温度で事前加熱されていた第2のVolcano Medic Vaporizerの充填チャンバに移し、空気流を少なくとも5分間オンにし、移す直前にオフにする。弁付き吸入バルーン(Storz&Bickel、ドイツ)を充填チャンバのソケットに取り付け、充填チャンバを密封し、その直後に空気流を約12l/分の事前設定速度で正確に15秒間オンにし、その後オフにする。これにより5-MeO-DMTの全用量がエアロゾル化され、吸入バルーン内でおよそ3リットルの空気中に分配される。5-MeO-DMTの正確なエアロゾル化は、カプセル重量がほぼその開始重量に戻ったことを実証することによって確認することができる。
【0115】
ステップ5:次に、バルーンを充填チャンバから外すことによって自動的に弁が閉じる。バルーンに口金を装着すると、エアロゾルがボランティアまたは患者にすぐに投与できる状態になる。
【0116】
ステップ6:投与に備え、患者にまず1~2回深く息を吸って完全に吐き出し、その連続を深く吐き出して終えるよう求める。次に、口金をしっかり唇に当て、吸入バルーンの全体積を完全に1回の吸入で吸入し、息を10(±2.5)秒止め、自然に吐き出す。この吸入手順の終了後、患者に横になるよう指示する。
【0117】
[実施例1B]
出発材料の調製
5-MeO-DMT(2.0g)を35~40℃でMTBE(4mL、2.0体積)に溶解し、その後30分かけて室温に冷却した。室温で50分間撹拌後、結晶化が観察されなかったため、バッチ温度を30分かけて7~12℃に下げた。7~12℃で10分間撹拌すると、結晶化が生じた。次に、7~12℃で1時間の撹拌に続きバッチを濾過した。7~12℃でMTBE(1mL、0.5体積)で洗浄後、バッチを真空下で3.5時間吸引乾燥し、1.02gの淡橙色固体を得た(回収率50%)。単離した固体をHPLCによって純度について分析した。純度は99.74面積%であると見出された。
【0118】
下の表は、単離した材料の不純物プロファイルを示す。
【0119】
【表2】
【0120】
分析の結果により、材料の全体的な純度が増加し、RRT1.18およびRRT1.24の不純物が0.10%未満に除去されたことが示された。RRT2.38の不純物も、NMT0.10%の目標未満に低減した。
【0121】
試料の溶媒分析により、NMT5000ppmの予想限界に対し、17ppmのMTBEレベルが示された。
【0122】
[実施例2]
吸入によって処置抵抗性大うつ病性障害を有する患者に投与された5-MeO-DMTの臨床試験
研究設計:
臨床試験を実施し、処置抵抗性大うつ病性障害(TRD)を有する患者に5-MeO-DMT遊離塩基(純度99%以上)を投与した。研究の目的は、5-MeO-DMTの1日投薬の安全性および忍容性、用量関連のサイケデリック効果およびうつ病の種々の指標に対する効果を判定することであった。試験は、適切な国内の所轄官庁および地域の医薬品倫理委員会によって審査および承認された。試験に募集された患者は、単一エピソードまたは反復性大うつ病性障害のための精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)診断基準を満たし、かつ処置抵抗性である必要があり、いずれの側面も精神科医または臨床心理士によって評価された。精神活性医薬または物質(抗うつ医薬など)を使用していた患者は、そのような医薬または物質を中止し、5-MeO-DMTの投与前に休薬期間を観察する必要があった。投与日に、12mgの5-MeO-DMTの単回用量を実施例1Aに記載のように1回の吸入によって患者に投与した。投与後、患者を3.5時間注意深くモニタリングし、投薬の1日後および7日後に追加のフォローアップ訪問を行った。種々の安全性関連の指標(例えば、有害事象の報告、安全性の実験室分析、バイタルサイン、心電図(ECG)、臨床診断面接解離状態尺度(CADSS)、精神運動覚醒検査(PVT)、数字符号置換検査(DSST))、サイケデリック効果の強度の指標(例えば、至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)、変性意識状態(ASC)質問票、神秘的経験質問票(MEQ30)、サイケデリック経験の主観的記述)、うつ病の重症度の指標(モンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)、患者による全般印象度-重症度尺度(PGI-S)、患者による全般印象度-改善度尺度(PGI-I))およびさらなる心理学的指標(例えばコロンビア自殺重症度評定尺度(C-SSRS)、簡易精神症状評定尺度(BPRS))を異なる時点で記録した。患者には、研究を通して心理士および/または精神科医による心理学的支援が利用可能であったが、特定の心理療法は適用されず、追加の精神活性医薬は提供されなかった。
【0123】
患者の特徴:
DSM-5診断基準に従い、精神科医により診断された大うつ病性障害を有する2名の患者を研究に募集した(実施例2、表1)。患者は、現在のうつ病エピソードにおける薬理学的治療の少なくとも2回の適切な過程に対して適切な改善を示さなかったため、処置抵抗性であるとみなされた。
【0124】
【表3】
【0125】
結果:
患者は、すべての計画された訪問日を完了した。吸入手順は患者によって適切に実施され、吸入関連の有害事象を伴わず忍容性が良好であった。吸入の数秒後以内に最初のサイケデリック症状が発生した。外部観察者によって判断されるサイケデリック経験の継続時間は、患者1で16分間、患者2で40分間であった。
【0126】
5-MeO-DMTの投与直後の一時的な、臨床的に関連のない心拍数および血圧の上昇を除き、バイタルパラメータに他の特筆すべき変化は生じなかった。ECG(投与後3時間目)、安全性の実験室分析(3時間目および7日目)、CADSS(3時間目、1日目および7日目)ならびに認知検査(PVT、DSST、1日目および7日目)の判定は顕著でなかった。少数の報告された有害事象は軽度かつ短時間であり、研究終了までに自発的に消失した(実施例2、表2)。
【0127】
【表4】
【0128】
サイケデリック経験の強度に関して、患者1は3つの判定スコアすべてに基づき至高サイケデリック経験の基準を満たした一方、患者2はMEQ30およびPPEQの基準を満たしたが、ASCの基準は満たさなかった(実施例2、表3)。
【0129】
【表5】
【0130】
驚くべきことに、患者は、薬物投与後2時間目の最初の判定時点で既にMADRS、PGI-SおよびPGI-Iによって判定されるそれらの抑うつ症状の主要な改善を報告し、効果は経時的にさらに深まった(実施例2、表4)。患者はまた、薬物投与後のすべての判定時点でMADRS応答(ベースラインから少なくとも50%の改善)およびMADRS寛解(10以下のMADRS合計スコア)の標準基準を満たし、PGI-Sにおいて「正常、全く病気でない」と評定され、PGI-Iにおいてそれらの抑うつ症状が「非常に大幅に改善した」または「大幅に改善した」と報告され、これは極めて驚くべき結果である。
【0131】
患者は、MADRSの自殺思考項目およびC-SSRSの自殺念慮項目を使用して判定される薬物投与後の自殺傾向に関するそれらの評定においても改善を示した。BPRSによって判定される他の一般的な精神医学的症状、例えば心気症、不安、罪責感および緊張も薬物投与後に改善した。
【0132】
重要なことに、患者1および患者2は近似したサイケデリック効果の強度を示し、これは近似した抗うつ臨床応答と相関した。この観察により、至高経験の発生は、5-MeO-DMTの治療効力の重要な機序であるか、または少なくとも根底にある機序の代理挙動マーカーであることが支持される。
【0133】
【表6】
【0134】
要約および結論:
A.吸入によって投与された12mgの5-MeO-DMTの単回用量は忍容性が良好であり、処置抵抗性の大うつ病性障害と正式に診断された患者で驚くべき極めて顕著な臨床応答を誘導する。処置抵抗性患者におけるそのような顕著な臨床応答により、以前に未処置の患者でも臨床応答が発生することが有力になる。
B.臨床応答は、5-MeO-DMTの投与後2時間以内に急速に発生する。そのような急速な発現は稀であり、それらの効果を示すのに一般的に4~6週間かかる三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)などを含む従来のクラスの抗うつ薬では観察されていない。
C.患者は、5-MeO-DMTの単回投与後2時間以内に臨床的寛解を経験した。これは、大うつ病性障害のために承認された他の治療、さらに以前に試験されたすべてのサイケデリック剤より高度に優れている。
D.臨床応答は、5-MeO-DMTが一度のみ投与され、この時間枠内でもはや身体に有効に存在しないにもかかわらず、7日間のフォローアップ期間にわたってさらに深まった(下の実施例3の薬物動態データを参照されたい)。この観察により、5-MeO-DMTの優れた臨床プロファイルが支持され、都合のよい投与間隔が可能になる。すべての従来のクラスの抗うつ薬は、長期間にわたって毎日投与するための経口医薬であった。
E.抗うつ効果に加え、自殺念慮を判定するエンドポイントも肯定的な影響を受け、実行する意思を伴う積極的な自殺念慮を有する患者など、自殺の差し迫ったリスクにある患者などの、自殺念慮を有する患者における5-MeO-DMTの使用が支持される。
F.抗うつ効果に加え、他の精神医学的症状(心気症、不安、罪責感および緊張など)を判定するエンドポイントも肯定的な影響を受け、他の精神疾患を有する患者における5-MeO-DMTの使用が支持される。
G.5-MeO-DMT投与後の急性サイケデリック効果の強度と、急性の長期的な抗うつ処置の効果の相関が観察された。これにより、至高経験がより急速に患者のより大きな割合で達成され、個々の患者における再現性が向上するという利点により、治療プロファイルが向上することが実証される。至高サイケデリック経験が、一部の患者で低用量の5-MeO-DMT(6mgなど、下の実施例3を参照されたい)で既に発生しうるが、他の患者は高用量(18mgなど、下の実施例3を参照されたい)を必要とするという観察により、広範囲の5-MeO-DMT投与量の治療効力が支持され、かつ5-MeO-DMTの第1の用量後に至高経験を達成しなかった患者では、任意の後続の投与は患者が至高サイケデリック経験を経験するまで先の投与よりもより高い投薬量を使用すべきであるという概念が支持される。
【0135】
前述の側面A)~G)のそれぞれは予想外であり、医学的に高度に関連する。側面A)~G)は、5-MeO-DMTは、本発明に従って使用された場合、大うつ病性障害のために承認された薬理学的治療およびすべての以前に試験されたサイケデリック剤と比較して顕著に改善された有効性プロファイルを有することを示す。急性サイケデリック効果の短い継続時間および良好な安全性プロファイルと併せたこれらのデータにより、大うつ病性障害を有する患者における改善された精神活性療法を提供するための技術的問題が本発明によって解決されることが示される。この研究で観察された5-MeO-DMTの特定の精神医学的症状に対する効果に基づき、技術的問題は、持続性うつ病性障害、不安障害、外傷後ストレス障害、身体醜形障害、強迫性障害、摂食障害および精神活性物質乱用でも解決されることが有力である。
【0136】
[実施例3]
吸入によって健康なボランティアに投与される5-MeO-DMTの臨床試験
研究設計:
臨床試験を実施し、異なる用量レベルの5-MeO-DMT遊離塩基(純度99%以上)を、合成または天然に生じるサイケデリック薬を過去に使用した経験がある健康なボランティアに、吸入によって1日で投与した(実施例1に記載の通り)。試験は、適切な国内の所轄官庁および地域の医薬品倫理委員会によって審査および承認された。試験は2つのパートからなった:パートAでは、2mg、6mg、12mgおよび18mgの5-MeO-DMT投薬量の単回用量を投与し、パートBでは、6mgの5-MeO-DMTの初回投薬量を投与し、次に参加者がPPEQに基づく至高サイケデリック経験を既に経験していない限り、または監督医師が、観察される副作用に基づきさらなる用量の増加は不適切であると決定していない限り、12mgおよび18mgのさらなる後続の投薬量を各投与間約3時間で投与した。パートAの参加者には1つの用量のみを投与し、パートAの後半でより高い用量を投与することは許可されず、かつパートBへの参加は許可されなかった。参加者を最後の用量後に3.5時間注意深くモニタリングし、投薬の1日後および7日後に追加のフォローアップ訪問を行った。種々の安全性関連の指標(例えば、有害事象の報告、安全性の実験室分析、バイタルサイン、ECG、CADSS、PVT、DSST、展望的記憶課題(PMT))、およびサイケデリック効果の強度の指標(MEQ30、ASC、PPEQ、サイケデリック経験の主観的記述)を記録した。5-MeO-DMTおよびブフォテニン血漿レベルの薬物動態分析を、パートAの薬物投与の1時間後および3時間後、ならびにパートBの薬物投与の3時間後に実施した。
【0137】
参加者の特徴:
研究のパートAに18名の参加者を募集し、パートBに4名の参加者を募集した。9名の参加者が女性であり、13名の参加者が男性であった。年齢中央値は29歳であった(範囲:19~42歳)。パートAでは、4名の参加者に2mgの5-MeO-DMTを投与し、6名の参加者に6mgを投与し、4名の参加者に12mgを投与し、4名の参加者に18mgを投与した。パートBでは、1名の参加者に6mgの5-MeO-DMTを投与し、2名の参加者に6mg、その後12mgを投与し、1名の参加者に6mg、12mg、その後18mgを投与した。
【0138】
結果:
すべての参加者がすべての計画された訪問日を完了した。パートAでは、吸入手順は18名の参加者のうち14名によって適切に実施されたが、2名の参加者は2回の吸入の連続を行って全吸入体積を吸入し、2名の参加者は全吸入体積の約3/4しか吸入しなかった。パートBでは、吸入手順は4名の参加者のうち3名によって適切に実施されたが、1名の参加者は第1の用量レベルで適切な吸入を行ったものの、第2の用量レベルでは全吸入の約3/4しか吸入しなかった。吸入関連の有害事象は報告されなかった。
【0139】
吸入の数秒後以内にすべての参加者で最初のサイケデリック症状が発生した。外部観察者によって判断されるサイケデリック経験の継続時間は7分~30分の間であり、用量関連の傾向は存在しないことが明らかであった。
【0140】
5-MeO-DMTの投与直後の一時的な、臨床的に関連のない心拍数および血圧の上昇を除き、バイタルパラメータに特筆すべき変化は生じなかった。ECG、安全性の実験室分析、CADSSおよび認知検査(PVT、DSST、PMT)の評価は顕著でなかった。
【0141】
報告された有害事象はすべて軽度であり(1つの中等度事象を除く)、すべてが研究終了までに自発的に消失した(パートAに関して実施例3、表1;パートBに関して実施例3、表2)。5-MeO-DMTの全体的な忍容性プロファイルは非常に良好であったが、パートAの18mg用量群は有害事象の数が最も多かったこと、およびこの群はそれぞれ1日目および7日目の時点で、幻覚および経験のフラッシュバックが報告された唯一の用量群であったことが観察された。パートBでは、1日最大3回の5-MeO-DMTが投与されたにもかかわらず少数の有害事象のみが報告され、実際18mgの用量(6mgおよび12mgの用量に続く)では有害事象は報告されなかった。
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】
パートAでPPEQにより測定されるサイケデリック経験の強度に関して、PPEQの個々の質問、PPEQの合計スコアおよび至高サイケデリック経験を達成した患者の比率について、2mg、6mgおよび12mgの用量レベルで用量関連の傾向が観察された。しかし、18mgの用量レベルでは、この用量関連の傾向は制御喪失に関する質問に対してのみ継続した(実施例3、表3)。参加者の主観的記述に基づき、18mgの用量レベルでのサイケデリック経験は、変性意識状態が一部の参加者で非常に迅速に発現するが、その記憶がほんのわずかであることと関連し、これがこの観察を説明する可能性がある(いわゆる「ホワイトアウト」現象と一致する)ことが見出された。6mgの投薬量から開始し、参加者に12mgおよび18mgのさらなる後続の投薬量を投与したパートBでは、参加者がより低用量で至高サイケデリック経験を達成しなかった場合、すべての参加者において投薬量の増加とともにサイケデリック経験の強度が増したことが観察された。さらに、1名の参加者では6mg、2名の参加者では12mgおよび1名の参加者では18mgのそれらの個々の最大用量レベルで、すべての参加者が至高サイケデリック経験を達成することができた。この個々の最大用量レベルでは、PPEQの個々の質問およびPPEQの合計スコアに対するスコアは、パートAのすべての用量群より高かった(実施例3、表3)。至高サイケデリック経験を達成するのに必要とされた個々の最大用量レベルの予測因子は特定できなかった。
【0145】
【表9】
【0146】
5-MeO-DMTの血漿レベルに関して、パートAでは、血漿レベルはいずれの用量でも1時間の時点で既に非常に低いこと、およびパートAおよびパートBの血漿レベルは、3時間の時点で5-MeO-DMTアッセイの定量下限(LLOQ)(0.014ng/ml)に達したことが見出された(実施例3、表4)。5-MeO-DMTの代謝物であるブフォテニンの血漿レベルに関して、3名の参加者で1時間の時点でブフォテニンアッセイのLLOQ(0.016ng/ml)未満の最小量が観察されたが、ブフォテニンはすべての他の試料で検出不可能であった。
【0147】
【表10】
【0148】
要約および結論:
A.パートAの2mg、6mgおよび12mgの試験された5-MeO-DMT用量レベル、ならびに1日最大3回の5-MeO-DMTの投与を伴うパートBの個々の用量増大スキームは、すべての参加者で忍容性が良好であり、少数のみの、主に軽度かつ短時間のみの有害事象が生じた。
B.パートAでは、最初の測定可能なサイケデリック経験が2mgの用量レベルで発生した。さらに顕著なサイケデリック経験および第1の至高サイケデリック経験が、6mgの用量レベルで発生した。さらに強力なサイケデリック経験が12mgの用量レベルで発生したが、それでも2/4の参加者しか至高サイケデリック経験を達成しなかった。任意抽出群の参加者へのさらに高用量の18mgの投与では、サイケデリック経験スコアおよび至高サイケデリック経験率のさらなる増加は示されず、これはこの高用量レベルでの一部の患者における「ホワイトアウト」現象と関連する可能性がある。また、任意抽出群に投与されたときの有害事象率は、パートAの18mg群で最も高かった。
C.パートBで適用される個々の増量レジメンは、パートAのすべての個々の用量レベルより優れており、サイケデリック経験の平均評定がより高く、4/4の患者が個々の最大用量で至高サイケデリック経験を達成した。パートBで最大18mgを投薬された1名の参加者は有害事象を経験せず、ここでも個々の増量が優れた治療プロファイルを有し、不必要な高用量を回避することが支持される。
D.5-MeO-DMTの血漿レベルは、投与の1時間後で既に非常に低く、3時間後にはかろうじて測定可能であった。5-MeO-DMTの代謝物であるブフォテニンの血漿レベルは、1時間の時点でかろうじて検出可能であり、3時間後には検出不可能であった。この薬物動態データは、5-MeO-DMTの投与後のサイケデリック効果の短い継続時間と良好に一致する。
【0149】
結論として、吸入によって投与された2mg~18mgの間の研究された投薬量によりサイケデリック経験を誘導することができ、吸入によって投与された6mg、12mgおよび18mgの5-MeO-DMTの投薬量により、健康な参加者で至高サイケデリック経験を誘導することができた。実施例2から、至高サイケデリック経験は大うつ病性障害および他の精神疾患と診断された患者における治療利益と関連することが有力であるため、吸入によって投与された5-MeO-DMTの4mg~20mgの間、特に6mg~18mgの間の投薬量は、治療有効量であると予測することができる。パートBで適用された個別化増量レジメンでは、優れた忍容性とともに至高サイケデリック経験を達成する可能性が高まり、したがって単回固定用量の投与と比較して優れた治療プロファイルがもたらされる。
【0150】
[実施例4]
30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)(Barrett FS, J Psychopharmacol. 2015 Nov;29(11):1182-90)
以下の質問票は、5-MeO-DMTによる処置後の急性サイケデリック経験を定量化する必要がある状況で適用される。関連する処置セッションの終了時に、患者に用紙を渡し、以下に列挙される尺度を使用して、そのセッションの任意の時間で以下に列挙する現象のいずれかを経験した程度を評定するよう求める。その後MEQ30を算出し、至高サイケデリック経験の発生を、スコア付け指示に基づき記載されるように評価する。
【0151】
尺度:
0-なし;全くなし
1-非常にわずかで決定することができない
2-わずか
3-中等度
4-高度(程度が他の高度の経験と同等である)
5-極度(人生の他のどの時間も上回り、4より高度)
【0152】
現象:
1.通常の時間間隔の喪失。
2.驚きの経験。
3.経験を言葉で適切に表すことができないという感覚。
4.直観的レベルで経験した、洞察に満ちた知識の獲得。
5.永遠または無限を経験したという感情。
6.周囲で知覚される物体および/または人との同一性または一体性の経験。
7.通常の空間感覚の喪失。
8.優しさおよび穏やかさの感情。
9.究極的実在と遭遇したという確信(経験中のある時点における、何が真の実在であるかを「知り」、「見る」ことができるという点で)。
10.経験を言葉で表すことで正当に評価することができないという感情。
11.どこにいたかという通常の気づきの喪失。
12.平和および静穏の感情。
13.過去と未来を超えた時間の「外側」にいるという感覚。
14.人格的自己の制約からの自由、および人格的自己より大きいと感じられたものとの一体性または結合の感情。
15.霊的な高みにいるという感覚。
16.純粋な存在および純粋な気づき(感覚印象の世界を超える)の経験。
17.恍惚状態の経験。
18.「すべては一つである」という洞察の経験。
19.空間の境界がない領域に存在すること。
20.内側の「内的世界」に関連した同一性の経験。
21.崇敬の感覚。
22.永遠性の経験。
23.経験を振り返ったとき、究極的実在と遭遇した(すなわち、患者または被験者が何が真の実在であったかを「知り」、「見た」)と確証すること。
24.大いに神聖で高徳な何かを経験したという感情。
25.すべてのものにおける生命または命ある存在の気づき。
26.より大きな全体への人格的自己の融合の経験。
27.畏怖または畏怖の念に満ちているという感覚。
28.究極的実在との一体性の経験。
29.同様の経験がない他者に自身の経験を伝えるのは困難であるという感情。
30.喜びの感情。
【0153】
スコア付け指示:
以下に列挙される下位尺度に属する現象の平均スコア(0~5の尺度)を計算することにより、各個々の下位尺度に対するスコアを算出する。
【0154】
【表11】
【0155】
MEQ30の合計スコアは、すべての現象に対する平均応答をとることによって算出する。MEQ30の4つの下位尺度のそれぞれにおける可能な最高スコアが≧60%のスコアである患者または被験者を、「至高サイケデリック経験」を経験したとみなす。
【0156】
[実施例5]
至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)
至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)は、ASCの大洋感面およびMEQ30の改善された代替物として、サイケデリック経験の強度のより簡潔でより素早い判定を可能とするために本発明者によって開発された。PPEQは、すべて0~100mmの間の視覚的アナログ尺度をマークすることによって0~100でスコア付けされる3つの質問:
1.経験はどれほど強力であったか?
2:どの程度まで制御を喪失したか?
3.経験はどれほど深遠(すなわち、深く顕著)であったか?
から構成される。
【0157】
PPEQ合計スコアは、3つの質問のスコアの平均である。「至高サイケデリック経験」は、少なくとも75のPPEQ合計スコアの達成によって特定される。実施例3に記載されたデータセットで、PPEQ合計スコアと、ASCの大洋感面、それぞれMEQ30合計スコアとの間の統計的に有意な相関が観察された。
【0158】
[実施例6]
大うつ病性障害における5-MeO-DMTの有効性-臨床試験の仮想例
この研究の目的は、大うつ病性障害の症状の改善におけるプラセボと比較した5-MeO-DMTの効力を判定することである。この第1の研究は、処置抵抗性の大うつ病性障害を有する患者で実施されるが、これは5-MeO-DMTが大うつ病性障害を有する未処置の患者に有効性を有さず、かつ使用できないと理解されるものではない。研究は、スクリーニング期、無作為化二重盲検プラセボ対照処置期、評価期および任意選択の非盲検再処置を伴うフォローアップ期からなる。
【0159】
スクリーニング期:選択基準および除外基準の包括的なセットに基づき、患者を研究の適格性について精神科医によりスクリーニングする。また、患者に研究の手順ならびに医薬の効果および潜在的な副作用、ならびに他の潜在的なリスクについて詳細に説明する。患者は、同意書に署名することによって研究へのそれらの参加意思を確認する。研究の重要な選択基準は、参加者は1)精神病性の特色を有することなく、大うつ病性障害のための精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)診断基準を満たさなければならず、かつ2)少なくとも2種の抗うつ薬に対して不適切な応答を示し、そのうち少なくとも1つは現在のうつ病エピソード中になければならない、である。重要な除外基準は、1)患者または近親者が現在または過去に精神病性障害のDSM-5診断を受けている、2)過去1年以内に物質乱用歴がある患者、3)以前の5-MeO-DMTの(娯楽的な)使用、4)過去の他の幻覚剤を用いる臨床研究への参加、5)5-MeO-DMTまたは研究薬物製剤に使用される賦形剤のいずれかに対する既知のアレルギーまたは過敏性または任意の他の禁忌、6)イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリンまたはトラニルシプロミンなどのモノアミン酸化酵素阻害剤による現在の処置、および7)妊娠検査で陽性、適切な避妊の欠如である。
【0160】
処置期:研究は、5-MeO-DMTの投与とプラセボの投与を比較する二重盲検無作為化プラセボ対照研究である。両方の化合物を筋肉内注射によって与える。5-MeO-DMTは、その塩酸塩および筋肉内注射用製剤の形態で与える。以下で言及される5-MeO-DMTの投薬量は、遊離塩基の重量に関連し、5-MeO-DMTの塩酸塩の投薬量は、等モル量が使用されると仮定して計算されてもよいことが理解される。患者は午前中に研究施設に入院する。第1に、処置群の割り当てについて盲検化された研究責任医師が、研究に対する患者の適格性を再確認する。第2に、処置群の割り当てについて盲検化された熟練の評定者により、主要エンドポイント(モンゴメリ・アスベルグうつ病評定尺度(MADRS)合計スコア)およびすべての関連する副次エンドポイントのベースライン判定を実施する。第3に、患者に筋肉内注射による適用について説明する。第4に、第1の用量の研究薬物(5-MeO-DMTまたはプラセボ)を筋肉内注射によって投与する。この研究で適用される開始用量は、2mgの5-MeO-DMTまたはプラセボである。注射後、患者は快適な姿勢で安全な環境(例えば、床上のマットレスの上)で横になり、研究医師および2人目の熟練の観察者によって監督される。サイケデリック症状の発現は、筋肉内投与後数分以内に生じることが予想される。5-MeO-DMTの筋肉内投与後の急性サイケデリック症状の通常の継続時間は、約45~60分である。主観的症状の鎮静後、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)および至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)に対する応答を評価することにより、主観的経験の強度を判定する。至高サイケデリック経験(MEQ30の4つの下位尺度のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%、または少なくとも75のPPEQ合計スコアと定義される)が発生した場合は患者を退院させてもよいが、早くても最後の用量の2時間後である。至高サイケデリック経験が発生しなかった場合、第1の用量と同じ手順に従い、5-MeO-DMTまたはプラセボのより高い用量、ここでは5mgを第1の用量の3時間後に投与する。先の用量のいずれかで至高サイケデリック経験が達成されず、かつ忍容できない副作用が生じなかった場合、第3の用量、ここでは8mgをさらに3時間の間隔後に投与してもよい。
【0161】
評価期:患者は、研究医薬の最後の用量後7、14および28日目にフォローアップ訪問を行う。有効性および安全性評価をこれらの訪問のそれぞれで実施する。研究の主要エンドポイントは、ベースラインから7日目までのMADRS合計スコアの変化である。重要な副次エンドポイントは、28日目におけるMADRS合計スコアの応答の持続(MADRS合計スコアのベースラインから50%の低減)、および7および28日目における16項目の自己記入式簡易抑うつ症状尺度(QIDS-SR16)のベースラインからの変化である。さらなる効力判定としては、≦10のMADRS合計スコアとして定義される寛解の達成、ハミルトンうつ病評定尺度(HAM-D)、臨床全般印象度-重症度尺度(CGI-S)および患者による全般印象度-重症度尺度(PGI-S)、および全般性不安障害7項目尺度(GAD-7)が挙げられる。すべてのエンドポイントは、処置群の割り当てについて盲検化された熟練の評定者によりそれぞれの時点で判定される。
【0162】
フォローアップ期および任意選択の非盲検再処置:28日目の訪問後、患者および医師を処置群の関連性について盲検解除するが、さらに盲検期における評価と同様の効力および安全性評価を伴う毎月のフォローアップ訪問を実施する。主要エンドポイントでMADRS合計スコアのベースラインから少なくとも50%の低減を達成した患者は、盲検期に投与された最大用量を使用する5-MeO-DMTによる3ヶ月間毎月の再処置に適格であり、最初の再処置は28日目に行われる。
【0163】
分析:処置は、研究の統計分析計画で定義されるように、プラセボアームと比較した実薬5-MeO-DMTアームについて、MADRS合計スコアのベースラインから7日目までの変化に関して有意差が検出可能である場合に有効とみなされる。副次エンドポイントの分析は、臨床効力のさらなる証明を提供し得る。
【0164】
[実施例7]
不安障害における5-MeO-DMTの有効性-臨床試験の仮想例
この研究の目的は、不安障害の症状の改善における実薬対照と比較した5-MeO-DMTの効力を判定することである。この第1の研究は処置抵抗性の不安障害を有する患者で実施されるが、これは、5-MeO-DMTが不安障害を有する未処置の患者に効力を有さず、かつ使用できないと理解されるものではない。研究は、スクリーニング期、無作為化実薬対照処置期、評価期、他の研究アームへの参加者のクロスオーバー、ならびにさらなる実薬対照処置期および評価期、および任意選択の非盲検再処置を伴うフォローアップ期からなる。
【0165】
スクリーニング期:選択基準および除外基準の包括的なセットに基づき、患者を研究の適格性について精神科医によりスクリーニングする。また、患者に研究の手順ならびに医薬の効果および潜在的な副作用、ならびに他の潜在的なリスクについて詳細に説明する。患者は、同意書に署名することによって研究へのそれらの参加意思を確認する。試験の重要な選択基準は、参加者は1)社交不安障害、全般性不安障害および/またはパニック障害のためのDSM-5診断基準を満たさなければならず、かつ2)少なくとも1種の適切な過去の抗不安医薬(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤)、つまり少なくとも4週間の安定な投薬を含む治療投薬における少なくとも8週間で寛解を達成することができず、かつ以前の認知行動療法によって寛解を達成することができなかった、または現在の認知行動療法を辞退していなければならない、である。重要な除外基準は、1)患者または近親者が現在または過去に精神病性障害のDSM-5診断を受けている、2)過去1年以内に物質乱用歴がある患者、3)以前の5-MeO-DMTの(娯楽的な)使用、4)過去の他の幻覚剤を用いる臨床研究への参加、5)5-MeO-DMTまたはミダゾラムまたは研究薬物製剤に使用される賦形剤のいずれかに対する既知のアレルギーまたは過敏性または他の禁忌、6)イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリンまたはトラニルシプロミンなどのモノアミン酸化酵素阻害剤による現在の処置、および7)妊娠検査で陽性、適切な避妊の欠如である。
【0166】
処置期:研究は、5-MeO-DMTの投与とミダゾラムの投与を比較する無作為化実薬対照研究である。5-MeO-DMTは静脈内注射によって与える。5-MeO-DMTは、その塩酸塩および静脈内注射用製剤の形態で与える。以下で言及される5-MeO-DMTの投薬量は、遊離塩基の重量に関連し、5-MeO-DMTの塩酸塩の投薬量は、等モル量が使用されると仮定して計算されてもよいことが理解される。ミダゾラムは静脈内注入によって与える。患者は午前中に研究施設に入院する。第1に、処置群の割り当てについて盲検化された研究責任医師が研究に対する患者の適格性を再確認する。第2に、処置群の割り当てについて盲検化された熟練の評定者により、主要エンドポイント(ハミルトン不安尺度(HAM-A))およびすべての関連する副次エンドポイントのベースライン判定を実施する。第3に、研究薬物を静脈注射として1mgの開始用量で投与し、ミダゾラムを0.045mg/kgのミダゾラムの用量で40分かけて静脈内注入によって投与する。研究薬物の投与後、患者は快適な姿勢で安全な環境(例えば、床上のマットレスの上)で横になり、研究医師および2人目の熟練の観察者によって監督される。
【0167】
5-MeO-DMT群のサイケデリック症状の発現は、5-MeO-DMTの注射による投与後数秒以内に生じることが予想される。5-MeO-DMTの注射後の急性サイケデリック症状の通常の継続時間は5~20分である。両方の群における主観的症状の鎮静後、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)および至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)に対する応答を評価することにより、主観的経験の強度を判定する。ミダゾラム群をここで退院させてもよいが、早くても最後の用量の2時間後である。5-MeO-DMT群は、至高サイケデリック経験(MEQ30の4つの下位尺度のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%、または少なくとも75のPPEQ合計スコアと定義される)が発生した場合に退院させてもよいが、早くても最後の用量の2時間後である。至高サイケデリック経験が発生しなかった場合、第1の用量と同じ手順に従い、5-MeO-DMTのより高い用量、ここでは2mgを第1の用量の3時間後に投与する。先の用量のいずれかで至高サイケデリック経験が達成されず、かつ忍容できない副作用が生じなかった場合、第3の用量、ここでは3mgをさらに3時間の間隔後に投与してもよい。
【0168】
評価期:患者は、研究医薬の最後の用量後1、7、14および28日目にフォローアップ訪問を行う。効力および安全性評価をこれらの訪問のそれぞれで実施する。研究の主要エンドポイントは、ベースラインから28日目までのHAM-A合計スコアの変化である。重要な副次エンドポイントは、ベースラインから1、7、14および28日目までの臨床全般印象度-改善度(CGI-I)および患者による全般印象度-改善度(PGI-I)の変化である。すべてのエンドポイントは、処置群の割り当てについて盲検化された熟練の評定者によりそれぞれの時点で判定される。
【0169】
クロスオーバーおよび2回目の評価期:28日目に患者を他の研究アームにクロスオーバーし、患者は他の研究群の処置および上述の評価を受ける。
【0170】
フォローアップ期および任意選択の非盲検再処置:56日目の訪問後、患者および医師を処置群の関連性について盲検解除するが、さらに初期における評価と同様の効力および安全性評価を伴う毎月のフォローアップ訪問を実施する。主要エンドポイントで(または56日目のクロスオーバー後に)HAM-A合計スコアのベースラインから少なくとも50%の低減を達成した患者は、盲検期に投与された最大用量を使用する5-MeO-DMTによる3ヶ月間毎月の再処置に適格である。
【0171】
分析:処置は、研究の統計分析計画で定義されるように、ミダゾラムアームと比較した実薬5-MeO-DMTアームについて、HAM-A合計スコアのベースラインから28日目までの変化に関して有意差が検出可能である場合に有効とみなされる。副次エンドポイントの分析は、臨床効力のさらなる証明を提供し得る。
【0172】
[実施例8]
神経性食欲不振症における5-MeO-DMTの有効性-臨床試験の仮想例
この研究の目的は、神経性食欲不振症の症状の改善における5-MeO-DMTの効力処置を伴うフォローアップ期からなる。
【0173】
スクリーニング期:選択基準および除外基準の包括的なセットに基づき、患者を研究の適格性について精神科医によりスクリーニングする。また、患者に研究の手順ならびに医薬の効果および潜在的な副作用、ならびに他の潜在的なリスクについて詳細に説明する。患者は、同意書に署名することによって研究へのそれらの参加意思を確認する。試験の重要な選択基準は、参加者は1)神経性食欲不振症のためのDSM-5診断基準を満たさなければならない、2)19kg/m2未満かつ14kg/m2より大きい肥満度指数を有さなければならない、かつ3)少なくとも5年間の疾患の継続時間を有さなければならない、である。重要な除外基準は、1)患者または近親者が現在または過去に精神病性障害のDSM-5診断を受けている、2)過去1年以内に物質乱用歴がある患者、3)以前の5-MeO-DMTの(娯楽的な)使用、4)過去の他の幻覚剤を用いる臨床研究への参加、5)5-MeO-DMTまたは研究薬物製剤に使用される賦形剤のいずれかに対する既知のアレルギーまたは過敏性または他の禁忌、6)イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリンまたはトラニルシプロミンなどのモノアミン酸化酵素阻害剤による現在の処置、および7)妊娠検査で陽性、適切な避妊の欠如である。
【0174】
処置期:研究はシングルアーム研究である。5-MeO-DMTは筋肉内注射によって与える。5-MeO-DMTは、その塩酸塩および筋肉内注射用製剤の形態で与える。以下で言及される5-MeO-DMTの投薬量は、遊離塩基の重量に関連し、5-MeO-DMTの塩酸塩の投薬量は、等モル量が使用されると仮定して計算されてもよいことが理解される。患者は、最初の処置日の午前中に研究施設に入院する。第1に、研究責任医師が研究に対する患者の適格性を再確認する。第2に、熟練の評定者により、主要エンドポイントおよびすべての関連する副次エンドポイントのベースライン判定を実施する。第3に、筋肉内注射による研究薬物の適用について患者に説明を行う。第4に、第1の用量の研究薬物を研究責任医師の監督下で投与する。この研究で適用される開始用量は、2mgの5-MeO-DMTである。投与後、患者は快適な姿勢で安全な環境(例えば、床上のマットレスの上)で横になり、研究医師および2人目の熟練の観察者によって監督される。サイケデリック症状の発現は、筋肉内投与後数分以内に生じることが予想される。5-MeO-DMTの筋肉内投与後の急性サイケデリック症状の通常の継続時間は、約45~60分である。主観的症状の鎮静後、30項目の改訂神秘的経験質問票(MEQ30)および至高サイケデリック経験質問票(PPEQ)に対する応答を評価することにより、主観的経験の強度を判定する。至高サイケデリック経験(MEQ30の4つの下位尺度のそれぞれにおける可能な最高スコアの少なくとも60%、または少なくとも75のPPEQ合計スコアと定義される)が発生した場合は患者を退院させてもよいが、早くても最後の用量の3時間後である。至高サイケデリック経験が発生しなかった場合、第1の用量と同じ手順に従い、5-MeO-DMTのより高い用量、ここでは5mgを第1の用量の3時間後に投与する。先の用量のいずれかで至高サイケデリック経験が達成されず、かつ忍容できない副作用が生じなかった場合、第3の用量、ここでは8mgをさらに3時間の間隔後に投与してもよい。
【0175】
評価期:患者は、研究医薬の最後の用量後7、14、28および56日目にフォローアップ訪問を行う。効力および安全性評価をこれらの訪問のそれぞれで実施する。研究の主要エンドポイントは、ベースラインから56日目までの患者のBMIの変化である。重要な副次エンドポイントは、ベースラインから56日目までの摂食障害質問票(EDI)尺度の変化、およびベースラインから56日目までのMADRS合計スコアの変化である。さらなる効力判定としては、臨床全般印象度-重症度尺度(CGI-S)および患者による全般印象度-重症度尺度(PGI-S)が挙げられる。すべてのエンドポイントは、熟練の評定者によりそれぞれの時点で判定される。
【0176】
フォローアップ期および任意選択の再処置:56日目の訪問後、さらに初期における評価と同様の効力および安全性評価を伴う毎月のフォローアップ訪問を実施する。主要エンドポイントでベースラインからBMIの少なくとも1ポイントの増加を達成した患者は、最初の処置と同じ増量スケジュールを使用する5-MeO-DMTによる3ヶ月間毎月の再処置に適格であり、最初の再処置は56日目に行われる。
【0177】
分析:処置は、56日目におけるBMIの平均変化が0.5kg/mより顕著に大きい場合に有効とみなされる。副次エンドポイントの分析は、臨床効力のさらなる証明を提供し得る。
【0178】
引用文献の列挙
【表12-1】
【0179】
【表12-2】