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特許7598371制御シグナリングのための通信装置、および通信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】制御シグナリングのための通信装置、および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20241204BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241204BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20241204BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W84/12
H04W72/0453
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022521758
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 SG2020050522
(87)【国際公開番号】W WO2021091482
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10201910444Q
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-022702(JP,A)
【文献】特開2019-041136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0205441(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0324685(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02561918(GB,A)
【文献】Jianhan Liu (Mediatek Inc.),Multiple RU Combinations for EHT,IEEE 802.11-19/1907r0,2019年11月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アソシエーション識別子12(AID12)サブフィールドとマルチリソースユニットを示すシグナリングを含むユーザフィールドを含むトリガフレームを送信する、送信機と、
前記AID12サブフィールドにより特定されるステーションから、前記マルチリソースユニットを使用して送信されるトリガベース物理レイヤプロトコルデータユニット(TB-PPDU)を受信する、受信機と、を含み、
前記トリガフレームは、第1タイプユーザフィールドと第2タイプユーザフィールドを含み、前記第2タイプユーザフィールドは、前記第1タイプユーザフィールドに含まれるユーザ固有情報の一部を含まない、
通信装置。
【請求項2】
前記マルチリソースユニットの各リソースユニットは同じリソースユニットサイズである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記マルチリソースユニットの各リソースユニットは異なるリソースユニットサイズである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記マルチリソースユニットは、連続マルチリソースユニットである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記連続マルチリソースユニットがシングルリソースユニットと同じサイズであり、周波数領域において前記シングルリソースユニットが示す周波数リソースと前記連続マルチリソースユニットが示す周波数リソースとが一致する場合には、前記連続マルチリソースユニットはステーションに割り当てられない、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記マルチリソースユニットは、不連続マルチリソースユニットである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記マルチリソースユニットは、前記ユーザフィールドの2つのサブフィールドのセットにより示される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
アソシエーション識別子12(AID12)サブフィールドとマルチリソースユニットを示すシグナリングを含むユーザフィールドを含むトリガフレームを送信する、工程と、
前記AID12サブフィールドにより特定されるステーションから、前記マルチリソースユニットを使用して送信されるトリガベース物理レイヤプロトコルデータユニット(TB-PPDU)を受信する、工程と、を含み、
前記トリガフレームは、第1タイプユーザフィールドと第2タイプユーザフィールドを含み、前記第2タイプユーザフィールドは、前記第1タイプユーザフィールドに含まれるユーザ固有情報の一部を含まない、
通信方法。
【請求項9】
アソシエーション識別子12(AID12)サブフィールドとマルチリソースユニットを示すシグナリングを含むユーザフィールドを含むトリガフレームを送信する、処理と、
前記AID12サブフィールドにより特定されるステーションから、前記マルチリソースユニットを使用して送信されるトリガベース物理レイヤプロトコルデータユニット(TB-PPDU)を受信する、処理と、を制御し、
前記トリガフレームは、第1タイプユーザフィールドと第2タイプユーザフィールドを含み、前記第2タイプユーザフィールドは、前記第1タイプユーザフィールドに含まれるユーザ固有情報の一部を含まない、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御シグナリングのための通信装置、および通信方法に関し、特に、超高スループット無線ローカルエリアネットワーク(EHT WLAN:extremely high throughput wireless local area network)における制御シグナリングのための通信装置、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の標準化において、IEEE 802.11ワーキンググループでは、IEEE 802.11a/b/g/n/ac/axテクノロジーに後方互換性を持つ新しい無線アクセス技術が議論されており、それは超高スループット(EHT:extremely high throughput)WLANと呼ばれる。
【0003】
EHT WLANでは、IEEE 802.11axの高効率(HE:high efficiency)WLANを超える、大幅なピークスループットとキャパシティの増加をもたらすため、最大チャネル帯域幅を160MHzから320MHzへ、最大空間ストリーム数を8から16へ増加させ、マルチバンドの運用をサポートすることが求められている。また、11axのHE WLANよりスペクトル効率を向上させるため、複数の連続または非連続のリソースユニット(RU)が1つの通信装置に割り当てられることを可能にすることが提案されている。
【0004】
しかしながら、制御シグナリングのための通信装置及び通信方法、特にEHT WLANの観点における、1つの通信装置に1つ以上のRUを割り当てるための効率的なシグナリングサポートについては、これまで議論されていない。
【0005】
したがって、EHT WLANの観点における、制御シグナリングのための実現可能な技術的解決策を提供する、通信装置および方法が必要とされている。さらに、他の望ましい特徴および特性は、添付の図面および本開示の背景と併せて、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、EHT WLANの観点における制御シグナリングのための通信装置、および通信方法を提供することに資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、動作時に、複数のユーザフィールドと、複数のリソースユニットを含むデータフィールドとを含む送信信号を生成する回路と、動作時に、生成された前記送信信号を送信する送信部と、を備える通信装置であって、1つの送信方式が前記複数のリソースユニットのうち他の通信装置に割り当てられた1つ以上のリソースユニットに適用され、前記複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドが前記他の通信装置に宛てられ、前記他の通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドの数は、前記他の通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットの数に等しく、前記他の通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドはそれぞれ、前記他の通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットに対応する、通信装置を提供する。
【0008】
本開示の一実施形態によれば、動作時に、複数のユーザフィールドと、複数のリソースユニットを含むデータフィールドとを含む信号を受信する受信部と、動作時に、受信した前記信号を処理する回路と、を備える通信装置であって、1つの送信方式が前記複数のリソースユニットのうち前記通信装置に割り当てられた1つ以上のリソースユニットに適用され、前記複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドが前記通信装置に宛てられ、前記通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドの数は、前記通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットの数に等しく、前記通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドはそれぞれ、前記通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットに対応する、通信装置を提供する。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、複数のユーザフィールドと、複数のリソースユニットを含むデータフィールドとを含む送信信号を生成し、生成された前記送信信号を送信する、通信方法であって、1つの送信方式が前記複数のリソースユニットのうち他の通信装置に割り当てられた1つ以上のリソースユニットに適用され、前記複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドが前記他の通信装置に宛てられ、前記他の通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドの数は、前記他の通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットの数に等しく、前記他の通信装置に宛てられた前記1つ以上のユーザフィールドはそれぞれ、前記他の通信装置に割り当てられた前記1つ以上のリソースユニットに対応する、通信方法を提供する。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の実施形態は、図面と併せて、例示のみを目的とした以下に記述した説明から、当業者にはよりよく理解され、容易に把握されるだろう。
図1A】MIMO(multiple input multiple output)無線ネットワークにおける、アクセスポイント(AP)と端末(STA)との間の上りリンクおよび下りリンクシングルユーザ(SU)MIMO通信の概略図である。
図1B】MIMO無線ネットワークにおける、APと複数のSTAとの間の下りリンクマルチユーザMIMO(MU-MIMO)通信の概略図である。
図1C】MIMO無線ネットワークにおける、APと複数のSTAとの間の上りリンクMU-MIMO通信の概略図である。
図2A】EHT WLANにおける、APと複数のSTAとの間の下りリンクマルチユーザ(MU)通信に使用される、EHT MU 物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU:physical layer protocol data unit)のフォーマットの一例を示す図である。
図2B】様々な実施形態において、EHTシグナルB(EHT-SIG-B)コンテンツチャネルの数が、帯域幅とLの値にどのように依存するかを示す表である。
図2C】40MHzのEHT MU PPDUにおける、1つまたは2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。
図2D】80MHzのEHT MU PPDUにおける、2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。
図2E】80+80MHzまたは160MHzのEHT MU PPDUにおける、2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。
図2F】160+160MHzまたは320MHzのEHT MU PPDUにおける、2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。
図2G】EHT WLANにおける、APと複数のSTAとの間の上りリンクMU通信に使用される、EHTトリガベース(TB:trigger based)PPDUのフォーマットの一例を示す図である。
図3A】様々な実施形態に係る通信装置の概略例を示す図である。通信装置はAPまたはSTAとして実装されてよく、本開示の様々な実施形態に係る制御シグナリング用に構成されてよい。
図3B】様々な実施形態に係る通信方法のフローを示す図である。
図4A】様々な実施形態に係る、EHT MU PPDUを使用した、APと複数のSTAとの間の下りリンクMU通信を示すフローチャートである。
図4B】EHT MU PPDUのEHT-SIG-Bフィールドをより詳細に示す図である。
図5】一実施形態に係る、受信EHT MU PPDUの処理のフローを示す図である。
図6】他の実施形態に係る、受信EHT MU PPDUの処理のフローを示す図である。
図7A】様々な実施形態に係る、EHTトリガフレームを使用した、APと複数のSTAとの間の上りリンクMU通信を示すフローチャートである。
図7B】EHTトリガフレームのフォーマットの一例を示す図である。
図7C】EHTトリガフレームのユーザ情報フィールドをより詳細に示す図である。
図8】一実施形態に係る、受信EHTトリガフレームの処理のフローを示す図である。
図9A】EHTトリガフレームのタイプ1ユーザ情報フィールドの一例を示す図である。
図9B】EHTトリガフレームのタイプ2ユーザ情報フィールドの一例を示す図である。
図10】他の実施形態に係る、受信EHTトリガフレームの処理のフローを示す図である。
図11】様々な実施形態に係る通信装置、例えばAPの構成を示す図である。
図12】様々な実施形態に係る通信装置、例えばSTAの構成を示す図である。
【0013】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明瞭に示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。例えば、図、ブロック図、又はフローチャート中の一部の要素の寸法は、本実施の形態の正確な理解を促すため、その他の要素に対して誇張して描かれていることがある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態は、例示のみを目的として、図面を参照して説明される。図面に示す同様の参照番号および文字は、同様の要素または同等のものを指す。
【0015】
以下の段落では、特にMIMO(multiple-input multiple-output)無線ネットワークにおける上りリンクまたは下りリンク制御シグナリングのためのアクセスポイント(AP)および端末(STA)を参照して、いくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0016】
IEEE 802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおいて、STAとも呼ばれる端末は、802.11プロトコルの使用に対応している通信装置である。IEEE 802.11-2016の定義に基づいて、STAは、ワイヤレスメディア(WM)に対してIEEE 802.11に準拠したメディアアクセス制御(MAC)および物理層(PHY)インターフェースを含む、いかなるデバイスでもよい。
【0017】
例えば、STAは、ノートパソコン、デスクトップパソコン(PC)、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、WLAN(wireless local area network)環境におけるアクセスポイントまたはWi-Fi電話機であってもよい。STAは、固定式であっても移動式であってもよい。WLAN環境では、「STA」、「ワイヤレスクライアント」、「ユーザ」、「ユーザデバイス」、「ノード」という用語がしばしば同じ意味で使用される。
【0018】
同様に、IEEE 802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおいてWAP(wireless access point)とも呼ばれるAPは、WLAN内のSTAが有線ネットワークに接続できるようにする通信装置である。APは通常、スタンドアロンデバイスとして(有線ネットワークを介して)ルータに接続するが、ルータと一体化、または取り込まれていてもよい。
【0019】
上述したように、WLAN内のSTAは、場合によってAPとして動作することができ、その逆もまた同様である。これは、IEEE 802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおける通信装置が、STAハードウェアの構成要素とAPハードウェアの構成要素との両方を備えてよいからである。このように、通信装置は、実際のWLAN条件および/または要件に基づいて、STAモードとAPモードを切り替えることができる。
【0020】
MIMO無線ネットワークにおいて、「複数(multiple)」とは、無線チャネル上で、送信のために同時に使用される複数のアンテナと、受信のために同時に使用される複数のアンテナを指す。この点において、「複数入力(multiple-input)」とは、無線信号をチャネルに入力する複数の送信アンテナを指し、「複数出力(multiple-output)」とは、チャネルからの無線信号を受信して受信部に取り込む複数の受信アンテナを指す。例えば、N×M MIMOネットワークシステムでは、Nは送信アンテナの数、Mは受信アンテナの数であり、NとMは等しくても等しくなくてもよい。簡略化のため、送信アンテナと受信アンテナのそれぞれの数については、本開示ではこれ以上説明しない。
【0021】
MIMO無線ネットワークでは、APやSTAなどの通信装置間の通信に、シングルユーザ(SU)通信とマルチユーザ(MU)通信が展開されることがある。MIMO無線ネットワークは、空間多重および空間ダイバーシティといった利点を有し、複数の空間ストリームを使用することによって、より高いデータレートおよびロバスト性を実現する。様々な実施形態によれば、「空間ストリーム(spatial stream)」という用語は、「空間―時間ストリーム(またはSTS:space-time stream)」という用語と交換可能に使用されてよい。
【0022】
図1AはMIMO無線ネットワークにおける、AP102とSTA104との間のSU-MIMO通信100の概略図である。図示されるように、MIMO無線ネットワークは、1つ以上のSTA(例えば、STA104、STA106等)を含んでよい。SU-MIMO通信100において、AP102は、1つの通信装置、すなわちSTA104に向けられた全ての空間―時間ストリームと共に、複数の空間―時間ストリームを複数のアンテナ(例えば、図1Aに示されるような4つのアンテナ)を用いて送信する。簡略化のため、STA104に向けられた複数の空間―時間ストリームは、STA104に向けられた、グループ化されたデータ送信の矢印108として示されている。
【0023】
SU-MIMO通信100は双方向の送信が可能なように構成することができる。図1Aに示されるように、SU-MIMO通信100において、STA104は、AP102に向けられた全ての空間―時間ストリームと共に、複数の空間―時間ストリームを複数のアンテナ(例えば、図1Aに示されるような2つのアンテナ)を用いて送信する。簡略化のため、AP102に向けられた複数の空間―時間ストリームは、AP102に向けられたグループ化されたデータ送信の矢印110として示されている。
【0024】
このように、図1Aに示されるSU-MIMO通信100は、MIMO無線ネットワークにおける上りリンク、下りリンク双方のSU送信を可能にする。
【0025】
図1Bは、MIMO無線ネットワークにおける、AP114と複数のSTA116、118、120との間の、下りリンクMU-MIMO通信112の概略図である。MIMO無線ネットワークは、1つ以上のSTA(例えば、STA116、STA118、STA120等)を含んでよい。下りリンクMU-MIMO通信112において、AP114は、空間マッピングまたはプリコーディング技術を通じて、複数のアンテナを使用して、ネットワーク内のSTA116、118、120に複数のストリームを同時に送信する。例えば、2つの空間―時間ストリームをSTA118に向けることができ、別の空間―時間ストリームをSTA116に向けることができ、さらに別の空間―時間ストリームをSTA120に向けることができる。簡略化のため、STA118に向けられた2つの空間―時間ストリームは、グループ化されたデータ送信の矢印124として示され、STA116に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印122として示され、STA120に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印126として示される。
【0026】
図1Cは、MIMO無線ネットワークにおける、AP130と複数のSTA132、134、136との間の、上りリンクMU-MIMO通信128の概略図である。MIMO無線ネットワークは、1つ以上のSTA(例えば、STA132、STA134、STA136等)を含んでよい。上りリンクMU-MIMO通信128では、STA132、134、136は、空間マッピングまたはプリコーディング技術を通じて、それぞれのアンテナを使用して、ネットワーク内のAP130にそれぞれのストリームを同時に送信する。例えば、2つの空間―時間ストリームは、STA134からAP130に向けられてもよく、別の空間―時間ストリームは、STA132からAP130に向けられてもよく、さらに別の空間―時間ストリームは、STA136からAP130に向けられてもよい。簡潔化のため、STA134からAP130に向けられた2つの空間―時間ストリームは、グループ化されたデータ送信の矢印140として示され、STA132からAP130に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印138として示され、STA136からAP130に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印142として示される。
【0027】
802.11 WLANにおけるパケット/物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)単位の送信と分散MAC方式のため、802.11 WLANには時間スケジューリング(例えば、データ送信のための時分割多重アクセス(TDMA:time division multiple access)のような周期的なタイムスロット割り当て)は存在しない。周波数および空間リソーススケジューリングは、パケット単位で実行される。つまり、リソース割り当て情報はPPDU単位である。
【0028】
11ax HE WLANでは、1つのリソースユニット(RU)のみをSTAに割り当てることができる。本開示の目的は、EHT WLANにおける、160MHzから320MHzへの最大チャネル帯域幅の増加、8から16への最大空間ストリーム数の増加、およびマルチバンド運用のサポートの強化に伴って、EHT WLANのスペクトル効率を11ax HE WLANより向上するために、複数の連続または非連続RUがSTAに割り当てられることを可能にする制御シグナリングのための通信装置および通信方法を提供し、既存の課題を十分に克服することである。
【0029】
MIMOワイヤレスネットワークが、EHT WLANのように超高スループットである場合、下りリンクMU送信(例えば、1つのリソースユニット(RU)でのMU-MIMO送信および下りリンクの全帯域幅MU-MIMO送信を含む下りリンク直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)送信)に使用されるPPDUは、図2Aに示されるようなEHT MU PPDU200と呼ばれることがあり、上りリンクMU送信(例えば、1つのRUでのMU-MIMO送信および上りリンクの全帯域幅MU-MIMO送信を含む上りリンクOFDMA送信)に使用されるPPDUは、図2Gに示されるようなEHT TB PPDU210と呼ばれることがある。
【0030】
図2Aは、EHT MU PPDU200のフォーマットの一例を示す図である。IEEE 802.11ワーキンググループが、超高スループットの次世代WLANに、「EHT WLAN」に代えて新しい名称を使用する場合、上記フィールドのプレフィクス「EHT」は、それに応じて変化することは、理解されたい。EHT MU PPDU200は、非高スループットショートトレーニングフィールド(L-SFT:non-High Throughput Short Training Field)、非高スループットロングトレーニングフィールド(L-LTF:non-High Throughput Long Training Field)、非高スループットシグナル(L-SIG:non-High Throughput SIGNAL)フィールド、フォーマット識別フィールド(FIF:Format Identification field)202、EHTシグナルA(EHT-SIG-A:EHT SIGNAL A)フィールド204、EHTシグナルB(EHT-SIG-B:EHT SIGNAL B)フィールド206、EHTショートトレーニングフィールド(EHT-STF:EHT Short Training Field)、EHTロングトレーニングフィールド(EHT-LTF:EHT Long Training Field)、データフィールド170、およびパケット拡張(PE:Packet Extension)フィールドを含んでよい。FIF202は、主にEHT PPDUのフォーマットを識別するために使用される。矢印204に示されるように、EHT-SIG-Aフィールド204は、EHT-SIG-Bフィールド206を復号するために必要な情報、例えば、EHT-SIG-Bの変調・符号化方式(MCS:modulation and coding scheme)やEHT-SIG-Bシンボル数を含む。矢印208に示されるように、EHT-SIG-Bフィールド206は、OFDMAおよびMU-MIMOのリソース割り当て情報を提供し、データフィールド210において使用される、対応するリソースをSTAが参照することを可能にする。EHT-STF、EHT-LTF、データフィールド、およびPEフィールドは、EHT変調フィールドとしてグループ化されてもよい。EHT-SIG-Bフィールド206は、共通フィールド(存在する場合)と、それに続くユーザ固有フィールドとを含み(またはそれらから構成され)、それらは合わせてEHT-SIG-Bコンテンツチャネルと呼ばれる。
【0031】
様々な実施形態によれば、EHT MU PPDU200のEHT-SIG-Bフィールド206は、L×20MHzのサブチャネルごとに個別に符号化される(L=1または2)。帯域幅が20MHzを超える場合、L=2のEHT-SIG-Bフィールドと比較して、L=1のEHT-SIG-Bフィールドの方がEHT-SIG-Bの復号性能がよい。これは、EHT-SIG-Bフィールドを復号するために使用されるチャネル推定が、20MHz帯域幅で送信されるL-LTFに基づくからである。L=2のEHT-SIG-Bフィールドを復号するためには、補間を伴うチャネル推定が必要であり、これは、L=2のEHT-SIG-Bフィールドを復号する性能を劣化させる可能性がある。一方、L=2のEHT-SIG-Bフィールドは、L=1のEHT-SIG-Bフィールドと比較して、特により大きな帯域幅に対して、EHT-SIG-Bオーバーヘッドをより少なくすることができる。さらに、EHT MU PPDU200の対象のSTAが少なくとも1つの20MHzで動作するSTAを含む場合、L=2のEHT-SIG-Bフィールドは、20MHzで動作するSTAによって復号することができないため、L=2のEHT-SIG-Bフィールドは使用してはならない。よって、APは自身の裁量でLの値を決定でき、また、Lが1または2の値をとるかどうかを示すために、EHT MU PPDU200のEHT-SIG-Aフィールドにシグナリングを含めることができることは有利である。
【0032】
図2Bは、様々な実施形態において、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの数が、帯域幅とLの値にどのように依存するかを示す表である。図2Bに示すように、帯域幅が20MHzである場合、EHT-SIG-Bフィールドは20MHz毎に符号化されるためLは1でしかあり得ず、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは1つのみとなる。帯域幅が40MHzである実施形態では、APによって1または2の値がLに割り当てられることができる。Lが「1」に設定される場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは2つになる。Lが「2」に設定される場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは1つのみになる。帯域幅が80MHz、80+80MHz、160MHz、160+160MHz、または320MHzである実施形態では、Lの値にかかわらず、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは2つになる。以下、より詳細に説明する。
【0033】
図2Cは、40MHzのEHT MU PPDUにおける、1つまたは2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの数は、図2Bに示すように、帯域幅およびLの値に依存する。40MHzチャネルは、2つの20MHzサブチャネルを含む。L=1の場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは2つとなり(つまり、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2)、それぞれ第一20MHzサブチャネルと第二20MHzサブチャネルで送信される。L=2の場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは1つのみになる。
【0034】
図2Dは、80MHzのEHT MU PPDUにおける2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネル(すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2)の配置を示す図である。L=1の場合、4つの20MHzサブチャネルを含む80MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一および第三20MHzサブチャネルで複製されて送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二および第四20MHzサブチャネルで複製されて送信される。L=2の場合、2つの40MHzサブチャネルを含む80MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一40MHzサブチャネルで送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二40MHzサブチャネルで送信される。
【0035】
図2Eは、80+80MHzまたは160MHzのEHT MU PPDUにおける、2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。L=1の場合、8つの20MHzサブチャネルを含む80+80MHzチャネルまたは160MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一、第三、第五、第七20MHzサブチャネルで複製されて送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二、第四、第六、第八20MHzサブチャネルで複製されて送信される。L=2の場合、4つの40MHzサブチャネルを含む80+80MHzチャネルまたは160MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一および第三40MHzサブチャネルで複製されて送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二および第四40MHzサブチャネルで複製されて送信される。
【0036】
図2Fは、160+160MHzまたは320MHzのEHT MU PPDUにおける、2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの配置を示す図である。L=1の場合、16個の20MHzサブチャネルを含む160+160MHzまたは320MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一、第三、第五、第七、第九、第十一、第十三、第十五20MHzサブチャネルで複製されて送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二、第四、第六、第八、第十、第十二、第十四、第十六20MHzサブチャネルで複製されて送信される。L=2の場合、8つの40MHzサブチャネルを含む160+160MHzまたは320MHzチャネルでは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1は第一、第三、第五、第七40MHzサブチャネルで複製されて送信され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2は第二、第四、第六、第八40MHzサブチャネルで複製されて送信される。
【0037】
図2Gは、EHT TB PPDU210のフォーマットの一例を示す図である。EHT TB PPDU210は、EHT MU PPDU200と同様の構造を有するが、EHT-SIG-Bフィールド206存在しない。EHT TB PPDU210は、L-SFT、L-LTF、L-SIGフィールド、FIF、EHT-SIG-Aフィールド212、EHT-STF、EHT-LTF、データフィールド214、およびPEフィールドを含んでよい。EHT-STF、EHT-LTF、データフィールド214、およびPEフィールドは、EHT変調フィールドとしてグループ化されてもよい。EHT TB PPDU210は、EHT WLANにおいて、トリガ情報を送信するフレームに応答する上りリンクMU送信のために使用される。トリガ情報を送信するフレームは、EHTトリガフレームであってもよい。1つ以上のSTAからの上りリンクのMU送信に必要な情報は、この送信を要請するフレームによって送信される。EHT TB PPDU210の典型的な送信では、EHT-SIG-Aに関する情報は、以前のトリガ情報を搬送するフレームからEHT TB PPDU210のEHT-SIG-Aフィールド212にコピーされる。
【0038】
EHT WLANにおける16の最大空間ストリーム数、320MHzの最大CBW、およびマルチバンド運用によって、EHT TB PPDUにおいて対応可能な割り当て数および/またはユーザ数を著しく増加することができる。結果として、EHT TB PPDU送信を要請するフレームは、HE TB PPDU送信を要請するフレームよりも、シグナリングオーバーヘッドがはるかに大きくなり得る。様々な実施形態に係る装置および方法は、特に帯域幅が20MHzを超える場合に、シグナリングオーバーヘッドを有利に低減することができる。
【0039】
様々な実施形態によれば、EHT WLANは、複数の連続または非連続のリソースユニット(RU)が1つの通信装置に割り当てられることを可能にする制御シグナリングに対応する。
【0040】
図3Aは、様々な実施形態に係る通信装置300の、部分的に区画された概略図である。通信装置300は、様々な実施形態に従って、APまたはSTAとして実装されることができる。
【0041】
図3Aに示されるように、通信装置300は、回路314、少なくとも1つの無線送信部302、少なくとも1つの無線受信部304、および少なくとも1つのアンテナ312(簡略化のため、図3Aには図解を目的としてアンテナは1つのみ描かれている)を含んでよい。回路314は少なくとも1つの制御部306を含んでよく、少なくとも1つの制御部306は、実行するように設計されているタスク(MIMO無線ネットワーク内の1つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む)をソフトウェアおよびハードウェアの支援下で実行するときに使用される。回路314は、さらに、少なくとも1つの送信信号生成部308、および少なくとも1つの受信信号処理部310を含んでよい。少なくとも1つの制御部306は、少なくとも1つの無線送信部302を介して1つまたは複数の他の通信装置に送信されるPPDU(例えば、通信装置300がAPである場合は、EHT MU PPDUまたはEHTトリガフレームを含むPPDU、また例えば、通信装置300がSTAである場合は、EHT TB PPDU)を生成するために、少なくとも1つの送信信号生成部308を制御してもよく、また、少なくとも1つの制御部306の制御下で少なくとも1つの無線受信部304を介して1つまたは複数の他の通信装置から受信されるPPDU(例えば、通信装置300がAPである場合は、EHT TB PPDU、また例えば、通信装置300がSTAである場合は、EHT MU PPDUまたはEHTトリガフレームを含むPPDU)を処理するために、少なくとも1つの受信信号処理部310を制御してもよい。少なくとも1つの送信信号生成部308、および少なくとも1つの受信信号処理部310は、図3Aに示すように、上述の機能のために少なくとも1つの制御部306と通信する、通信装置300のスタンドアロンモジュールであってもよい。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成部308、および少なくとも1つの受信信号処理部310は、少なくとも1つの制御部306に含まれていてもよい。なお、これらの機能モジュールの配置はフレキシブルであり、実際のニーズおよび/または要件に応じて変化され得ることが、当業者には理解されるであろう。データ処理、ストレージ、および他の関連する制御装置を、適切な回路基板および/またはチップセットに設けることができる。様々な実施形態において、動作時に、少なくとも1つの無線送信部302、少なくとも1つの無線受信部304、および少なくとも1つのアンテナ312は、少なくとも1つの制御部306によって制御されてよい。
【0042】
通信装置300は、動作時に、下りリンクMU通信における制御シグナリングに必要な機能を提供する。例えば、通信装置300は、APであってもよく、回路314(例えば、回路314の少なくとも1つの送信信号生成部308)は、動作時に、複数のユーザフィールド(例えば、EHT MU PPDUのEHT-SIG-Bフィールド内のユーザ固有フィールドのユーザフィールド)と、複数のRUを含むデータフィールド(例えば、EHT MU PPDUのデータフィールド)とを含む送信信号(例えば、EHT MU PPDU)を生成してよい。無線送信部302は、動作時に、生成された送信信号を送信してよく、1つの送信方式が、複数のRUのうち他の通信装置(例えば、STA)に割り当てられた1つ以上のRUに適用され、複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドは、上記他の通信装置に宛てられ、上記他の通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドの数は、上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUの数に等しく、上記他の通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは、それぞれ、上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに対応する。これにより、複数の連続または非連続のRUを上記他の通信装置に割り当てることができ、効率的なシグナリングサポートを有利に可能にし、EHT WLANのスペクトル効率を11ax HE WLANよりも向上することができる。
【0043】
通信装置300はSTAであってもよく、無線受信部304は、動作時に、複数のユーザフィールド(例えば、EHT MU PPDUのEHT-SIG-Bフィールド内のユーザ固有フィールドのユーザフィールド)と、複数のRUを含むデータフィールド(例えば、EHT MU PPDU内のデータフィールド)とを含む送信信号(例えば、EHT MU PPDU)を他の通信装置(例えば、AP)から受信してよい。回路314(例えば、回路314の少なくとも1つの受信信号処理部310)は、受信した送信信号を処理してよく、1つの送信方式が、複数のRUのうち通信装置(例えば、STA)に割り当てられた1つ以上のRUに適用され、複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドは上記通信装置に宛てられ、上記通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドの数は、上記通信装置に割り当てられた1つ以上のRUの数に等しく、上記通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは、それぞれ、上記通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに対応する。
【0044】
通信装置300は、動作時に、上りリンクMU通信における制御シグナリングに必要な機能を提供する。例えば、通信装置300は、STAであってもよく、無線受信部304は、動作時に、複数のユーザ情報フィールド(例えば、EHTトリガフレーム内のユーザ情報リストフィールドのユーザ情報フィールド)を含む信号(例えば、EHTトリガフレーム)を他の通信装置(例えば、AP)から受信してもよい。回路314(例えば、回路314の少なくとも1つの送信信号生成部308)は、動作時に、複数のRUを含むデータフィールド(例えば、EHT TB PPDU)を含む送信信号(例えば、EHT TB PPDU)を生成してもよい。無線送信部302は、動作時に、生成された送信信号を上記他の通信装置に送信してよく、1つの送信方式が、複数のRUのうち通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに適用され、上記他の通信装置から受信した信号の複数のユーザ情報フィールドのうちの1つ以上のユーザ情報フィールドは通信装置に宛てられ、通信装置に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドの数は、通信装置に割り当てられた1つ以上のRUの数より少なくてよい。
【0045】
例えば、通信装置300は、APであってもよく、回路314(例えば、回路314の少なくとも1つの送信信号生成部308)は、動作時に、複数のユーザ情報フィールド(例えば、EHTトリガフレーム内のユーザ情報リストフィールドのユーザ情報フィールド)を含む送信信号(例えば、EHTトリガフレーム)を生成してよい。無線送信部302は、動作時に、生成された送信信号を他の通信装置に送信してよい。無線受信部304は、動作時に、上記他の通信装置(例えば、STA)から複数のRUを含むデータフィールド(例えば、EHT TB PPDU)を含む信号(例えば、EHT TB PPDU)を受信してよく、1つの送信方式が、複数のRUのうち上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに適用され、送信信号の複数のユーザ情報フィールドのうちの1つ以上のユーザ情報フィールドは上記他の通信装置に宛てられ、上記他の通信装置に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドの数は、上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUの数より少なくてよい。
【0046】
図3Bは、様々な実施形態に係る制御シグナリングのための通信方法のフローを示す図316である。ステップ318において、複数のユーザフィールドと、複数のRUを含むデータフィールドとを含む送信信号が生成される。ステップ320において、生成された送信信号は、他の通信装置に送信され、1つの送信方式が、複数のRUのうち上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに適用され、複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドは上記他の通信装置に宛てられ、上記他の通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドの数は、上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUの数に等しく、上記他の通信装置に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは、それぞれ、上記他の通信装置に割り当てられた1つ以上のRUに対応する。
【0047】
以下の段落では、APと複数のSTAを参照して、下りリンクMU通信における制御シグナリングのいくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0048】
図4Aは、様々な実施形態に係る、EHT MU PPDU410を使用する、AP402と複数のSTA404、406との間の下りリンクMU通信を示すフローチャート400である。ブロック408はコンテンションベースのチャネルアクセス手順、例えば、拡張分散チャネルアクセス(EDCA:Enhanced Distributed Channel Access)手順を示し、また、SIFS(Short Interframe Spacing)411が示されている。AP402は、複数のユーザフィールドと、複数のRUを含むデータフィールドとを含む送信信号(例えば、EHT MU PPDU)を生成してよい。複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドがSTA404に宛てられ、集約MACプロトコルデータユニット(A-MPDU:aggregate MAC protocol data unit)をSTA404に送信するために、STA404に割り当てられた1つ以上のRUに1つの送信方式が適用される。A-MPDUは、STA404からのEHT TB PPDU送信を要求するトリガ情報を含んでよい。同様に、複数のユーザフィールドのうちの1つ以上のユーザフィールドがSTA406に宛てられ、他のA-MPDUをSTA406に送信するために、STA406に割り当てられた1つ以上のRUに1つの送信方式が適用される。A-MPDUは、STA406からのEHT TB PPDU送信を要求するトリガ情報を含んでよい。本開示によれば、各STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドの数は、STA404、406に割り当てられた1つ以上のRUの数に等しく、各STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドはそれぞれ、STA404、406に割り当てられた1つ以上のRUに対応する。別の実施形態では、各STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは、同じユーザ固有の割り当て情報を含む。別の実施形態では、複数のユーザフィールドは、それぞれタイプ1ユーザフィールドまたはタイプ2ユーザフィールドのいずれかであり、そのタイプを示すシグナリングを含む。各STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは、少なくとも1つのタイプ1ユーザフィールドを含む。一実施形態によれば、タイプ1ユーザフィールドはユーザ固有の割り当て情報を含み、タイプ2ユーザフィールドはユーザ固有の割り当て情報を含まない。一実施形態では、少なくとも1つのタイプ1ユーザフィールドはそれぞれ、1つのRUが各STA404、406に割り当てられているかどうかを示すシグナリングを含む。別の実施形態では、各STA404、406に割り当てられた1つ以上のRUの数が一より多い場合、各STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドは少なくとも1つのタイプ2ユーザフィールドを含み、少なくとも1つのタイプ2ユーザフィールドはそれぞれ、各STA404、406に割り当てられた1つ以上のRUが連続しているかどうかを示すためのシグナリングを含む。AP402の無線送信部は、生成された送信信号410をSTA404、406に送信してよい。
【0049】
IEEE 802.11のネットワークにおいて、SIFSは、STAによる確認応答の送信前の時間間隔である。STA404、406の無線受信部は、STA404、406に宛てられた1つ以上のユーザフィールドに含まれるユーザ固有の割り当て情報と、STA404、406に割り当てられた1つ以上のRUとに基づいて、送信信号410内のそれぞれのA-MPDUを受信してよく、STA404、406の回路は、それぞれ受信したA-MPDUを処理してよい。送信信号410の最終シンボルが送信された後、SIFS411が有効になり、412において、STA404、406の無線送信部は、EHT MU PPDU410に含まれるトリガ情報に基づいて、それぞれのEHT TB PPDU414、415を同時に送信して、それぞれのA-MPDUの受信に成功したことを知らせてよい。
【0050】
図4Bは、EHT MU PPDU 200のEHT-SIG-Bフィールド206をより詳細に示す図である。EHT-SIG-Bフィールド206は、共通フィールド420(存在する場合)と、それに続くユーザ固有フィールド422とを含み(またはそれらから構成され)、それらは合わせてEHT-SIG-Bコンテンツチャネルと呼ばれる。共通フィールド420には、EHT変調フィールドで使用されるRU割り当て、MU-MIMOに割り当てられたRU、およびMU-MIMO割り当てにおけるユーザ数などのRU割り当てに関する情報が含まれる。ユーザ固有フィールド422は、1つ以上のユーザブロックフィールドからなり、各ユーザブロックフィールドは、非MU-MIMO割り当ておよび/またはMU-MIMO割り当てのための1つまたは2つのユーザフィールドを含む。例えば、ユーザ固有フィールド422は、図4Bに示すように、3つのユーザブロックフィールド1~3を含む。ユーザブロックフィールド1は、ユーザフィールド1及びユーザフィールド2といった2つのユーザフィールドを含み、ユーザブロックフィールド2は、ユーザフィールド3及びユーザフィールド4といった2つのユーザフィールドを含み、ユーザブロックフィールド3は、1つのユーザフィールド5を含む。各ユーザブロックフィールド1~3内の1つ又は2つのユーザフィールドは、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)と、ユーザブロックフィールドをユーザブロックフィールドサイズにするためのテールビットが付加される。一実施形態では、最後のユーザブロックは、奇数または偶数を示すユーザ固有フィールド422で許可されるユーザフィールドの総数に応じて、1つまたは2つのユーザフィールドから構成されてよい。
【0051】
本開示によると、ユーザフィールド1、2、3、4、5のようなユーザフィールドには、ユーザ固有の割り当てを示すユーザ情報、つまり、ユーザ固有の割り当て情報が含まれている。非MUーMIMO割り当てについて、ユーザ固有の割り当て情報は、空間ストリーム数(NSTS:number of spatial streams)、送信ビームフォーミング(Tx BF:transmit beamforming)、変調符号化方式(MCS:modulation and coding scheme)、二重搬送波変調(DCM:dual carrier modulation)、および誤り制御符号化のような符号化に関する情報を含む。MU-MIMO割り当てについて、ユーザ固有の割り当て情報は、空間構成、MCS、および誤り制御符号化のような符号化に関する情報を含む。一実施形態によれば、表1および表2はそれぞれ、非MU-MIMO割り当ておよびMU-MIMO割り当てのためのユーザフィールドにおけるサブフィールド(STA識別子(ID)、NSTS、Tx BF、DCM、MCS、符号化、空間構成)の詳細を示す。
【0052】
表1は、非MU-MIMO割り当てのユーザフィールドフォーマットを示す。ここでBCCはバイナリ畳み込み符号(Binary Convolutional Code)であり、LDPCは低密度パリティ符号(Low Density Parity Code)である。
【表1】
【0053】
表2は、MU-MIMO割り当てのユーザフィールドフォーマットを示す。ここでBCCはバイナリ畳み込み符号(Binary Convolutional Code)であり、LDPCは低密度パリティ符号(Low Density Parity Code)である。
【表2】
【0054】
従来、ユーザフィールドは、上記のフォーマットに従って、合計21ビットで構成される。EHT WLANにおいて最大16の空間ストリームに対応するため、NSTSサブフィールドのビット数は、非MU-MIMO割り当てにおいて3ビットから4ビットに増加してよく、空間構成サブフィールドのビット数は、4ビットから6ビットに増加してよい。本開示に係るユーザフィールドは、非MUーMIMOおよびMUーMIMO割り当ての両方において合計22ビット、換言すると従来のユーザフィールドと比較してさらに1ビットを含んでよい。
【0055】
本開示によれば、EHT MU PPDUにおいて1つ以上のRUがSTAに割り当てられてもよい。1つの送信方式が、EHT MU PPDUにおいてSTAに割り当てられた1つ以上のRUに適用される。送信方式は、ユーザ固有の割り当て情報に含まれる、MCSや符号化等、いくつかのパラメータによって特徴付けられる。STAに宛てられたユーザフィールドの数は、STAに割り当てられたRUの数と同じである。したがって、STAに宛てられたユーザフィールドは、STAに割り当てられたRUに一意的に対応する。特に、これは、STAのIDがユーザフィールドのSTA IDサブフィールドの値と一致するかどうかを判定し、STAのIDがユーザフィールドのSTA IDサブフィールドの値と一致することに応じて、同じEHT-SIG-Bチャネル内の、共通フィールドのRU割り当て情報と、ユーザ固有フィールドのユーザフィールドの位置に基づいて、ユーザフィールドに対応する割り当てRUを決定することによって達成できる。本開示の一実施形態によれば、STAに割り当てられた1つ以上のRUに対応する1つ以上のユーザフィールドは、同じユーザ固有の割り当て情報を含む、すなわち、STAに割り当てられた1つ以上のRUに対応する1つ以上のユーザフィールドは、1つの送信方式が1つ以上のRUに適用されるため、ユーザ固有の割り当て情報について同じサブフィールド値を有する。一実施形態では、2つ以上の連続するRUが、よりRUサイズの大きな1つのRUに正確に適合する場合、その同じRUサイズの2つ以上の連続するRUは、STAに割り当てられない。例えば、52トーンのRUに正確に適合する2つの連続した26トーンのRUや、106トーンのRUに正確に適合する4つの連続した26トーンのRUが挙げられる。これにより、トーンを最大限利用し、EHT MU PPDUにおけるユーザフィールドの数を有利に低減することができる。
【0056】
図5は、一実施形態に係る、受信EHT MU PPDUの処理のフローを示す図500である。STAは、受信したEHT MU PPDUのEHT-SIG-Bフィールドを処理して、自身に割り当てられた1つ以上のRUを探索するように構成されている。ステップ502において、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルインデックスiは、EHT-SIG-Bフィールドの最初のEHT-SIG-Bコンテンツチャネルを示す1に初期化されてよく、割り当てRUカウンタは、0に初期化されてよい。ステップ504において、ユーザフィールドインデックスjは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの最初のユーザフィールドを示す1に初期化されてよい。ステップ506において、ユーザフィールドjが有効であるかどうか判定されてよい。ユーザフィールドjを含むユーザブロックフィールドのCRCチェックが失敗した場合、ユーザフィールドjは無効であると判定されてよい。ユーザフィールドjが有効であると判定されると、ステップ508が実行される。ステップ508では、ユーザフィールドjのSTA IDサブフィールドの値がSTAのIDと一致するかどうか判定される。STA IDサブフィールドの値がSTAのIDと一致すると判定されると、ステップ510が実行される。ステップ510では、ユーザフィールドjに対応する割り当てRUが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの、共通フィールドにおけるRU割り当て情報およびユーザ固有フィールドにおけるユーザフィールドjの位置から決定される。ステップ512において、割り当てRUカウンタは1進められてよい。ステップ514において、割り当てRUカウンタが1であるかどうか判定される。割り当てRUカウンタが1であると判定され、STAに1つのRU(最初のRU)が割り当てられたことが示されると、ユーザ固有の割り当て情報を取得するためにステップ516が実行され、処理はステップ522へ移行する。ステップ514において、割り当てRUカウンタが1でなく、2つ以上のRUがSTAに割り当てられたことを示す場合、ステップ518が代わりに実行される。ステップ518では、ユーザフィールドjが、他のユーザフィールド(例えば、ユーザフィールドj-2)から以前に取得されたものと同じユーザ固有の割り当て情報を含むかどうか判定される。ユーザフィールドjが同じユーザ固有の割り当て情報を含んでいない場合、受信したEHT MU PPDUはエラーを含んでいると識別されてよい。そしてEHT MU PPDUはステップ520において破棄される。ステップ518において、ユーザフィールドjが同じユーザ固有の割り当て情報を含む場合、処理はステップ522に移行する。
【0057】
ステップ506に戻り、例えば、ユーザフィールドjが含まれるユーザブロックフィールドのCRCチェックが失敗すると、ユーザフィールドjが無効であると判定される。この場合、ユーザフィールドjはこれ以上処理されず、受信したEHT MU PPDUの処理はステップ522へ移行する。同様に、ステップ508において、STA IDサブフィールドの値がSTAのIDと一致しない場合、ユーザフィールドjはこれ以上処理されず、処理はステップ522へ移行する。
【0058】
ステップ522において、ユーザフィールドインデックスjは1増加されてよい。次に、ステップ524において、増加されたインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きいかどうか判定される。増加されたインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きくない場合は、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの少なくとも1つのユーザフィールドが処理されていないことを示し、増加されたインデックスjを有するユーザフィールドを用いてステップ506が実行される。増加されたインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きい場合、ステップ526が代わりに実行される。ステップ526において、インデックスiは1増加される。ステップ528において、増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きいかどうか判定される。増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きくない場合、少なくとも1つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルが処理されていないことを示し、増加されたインデックスiを有するEHT-SIG-Bコンテンツチャネルのユーザフィールドを用いてステップ504が実行される。増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きい場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの全てのユーザフィールドが処理されたことを示し、受信したEHT MU PPDUの処理は終了してよい。
【0059】
本開示の一実施形態によれば、STAに割り当てられた1つ以上のRUに対応する1つ以上のユーザフィールドは、同じユーザ固有割り当て情報を含む、すなわち、STAに割り当てられた1つ以上のRUに対応する1つ以上のユーザフィールドは、同じサブフィールドの値を有する。ステップ514で、割り当てRUカウンタが1ではないと判定され、STAに2つ以上のRUが割り当てられたことが示されると、ステップ518では、ユーザフィールドjが、他のユーザフィールド(例えば、ユーザフィールドj-2)から以前に取得されたものと同じユーザ固有の割り当て情報を含むかどうか判定される。ユーザフィールドjが同じユーザ固有の割り当て情報を含むと判定されると、ユーザフィールドjのユーザ固有の割り当て情報は取得されず、ステップ522でインデックスjが1増加(次のユーザフィールドj+1(存在する場合)に対応)される。一方、ユーザフィールドjが同じユーザ固有の割り当て情報を含んでいないと判定されると、受信したEHT MU PPDUはエラーを含んでいると識別されてよく、ステップ520で破棄される。このようなエラーは、STAに割り当てられたものの異なるユーザブロックフィールドに属するマルチRUに対応するユーザフィールドを復号するときに発生し得る。
【0060】
本開示によれば、1つ以上のRUがSTAに割り当てられる場合、STAに割り当てられた1つ以上のRUに対応するユーザフィールドは、すべて同じユーザ固有の割り当て情報を含む。この場合、STAに宛てられた各ユーザフィールドが、STAが自身のユーザフィールドを検索して探し出すのに役立つ情報を含んでいる可能性があるものの、STAに宛てられたユーザフィールドのうち1つからユーザ固有の割り当て情報を取得すれば十分である。これにより、STAの電力効率を有利に増加させることができる。
【0061】
STAに宛てられた最初のユーザフィールドは、STAに宛てられた少なくとも1つのユーザフィールドを含む、最も小さいインデックスiをもつEHT-SIG-Bコンテンツチャネルを示し、STAに宛てられた最後のユーザフィールドは、STAに宛てられた少なくとも1つのユーザフィールドを含む、最も大きいインデックスiをもつEHT-SIG-Bコンテンツチャネルを示す。例えば、帯域幅が40MHzの場合、IEEE P802.11ax/D5.0で定義されたRU割り当てパターンを示す、RU割り当てサブフィールドの値がそれぞれ10と15の2つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルを含むEHT MU PPDUは、以下のように受信され得る。(i)52トーンのRU1、52トーンのRU2、26トーンのRU5、52トーンのRU3、52トーンのRU4といったRU割り当てパターンを示す、RU割り当てサブフィールドが10に設定されたEHT-SIG-Bコンテンツチャネル1。5つのRUは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1の5つのユーザフィールド(UF:user field)UF1~UF5に対応する。(ii)52トーンのRU5、52トーンのRU6、26トーンのRU14、52トーンのRU7、52トーンのRU8といったRU割り当てパターンを示す、RU割り当てサブフィールドが15に設定されたEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2。5つのRUは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2の5つのユーザフィールドUF1~UF5に対応する。STAに対して非連続のRUが割り当てられると想定し、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1から52トーンのRU1と52トーンのRU3、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2から26トーンのRU14と52トーンのRU8といった4つのRUがSTAに割り当てられるとすると、STAに宛てられる最初のユーザフィールドは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1であり、STAに宛てられる最後のユーザフィールドは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF5である。
【0062】
本開示の一実施形態によれば、二種類のユーザフィールドが存在する。タイプ1ユーザフィールドはユーザ固有の割り当て情報を含み、タイプ2ユーザフィールドはユーザ固有の割り当て情報は含まないが、他の通信装置、例えば、対象のSTAが、自身の残りのユーザフィールドを迅速に探索することを支援する、いくつかのRU割り当て情報を含む。各ユーザフィールドは、ユーザフィールドがタイプ1ユーザフィールドであるかタイプ2ユーザフィールドであるかを示すシグナリング(例えば、ユーザフィールドのUFタイプサブフィールド等)を含む。例えば、UFタイプサブフィールドは、0に設定されるとタイプ1ユーザフィールドを示し、1に設定されるとタイプ2ユーザフィールドを示す。一実施形態では、1つのRUがSTAに割り当てられる場合、タイプ1ユーザフィールドは、割り当てられたRUに対応する。そのような実施形態では、STAは、1に設定された単一RU割当フラグサブフィールドを含むタイプ1ユーザフィールドを識別すると、単一RU割り当てであると判定できる。表3および表4は、それぞれ非MU-MIMOおよびMU-MIMO割り当てのためのタイプ1ユーザフィールドのサブフィールドの詳細を示す。
【0063】
表3は、非MU-MIMO割り当てのタイプ1ユーザフィールドのサブフィールドをより詳細に示す。
【表3】
【0064】
表4は、MU-MIMO割り当てのタイプ1ユーザフィールドのサブフィールドをより詳細に示す。
【表4】
【0065】
別の実施形態では、複数の非連続RUがSTAに割り当てられる場合、そのSTAに宛てられる最後のユーザフィールドはタイプ1ユーザフィールドであり、そのSTAに宛てられる残りのユーザフィールドはそれぞれタイプ2ユーザフィールドである。この実施形態によれば、ユーザ固有フィールドの1つのユーザフィールドのみが、STAに割り当てられたマルチRUに対するユーザ固有の割り当て情報を含む。タイプ2ユーザフィールドの連続RU割当フラグサブフィールドは、複数の非連続RUがSTAに割り当てられることを示す0に設定されてよい。このような実施形態では、STAは、(i)STAに宛てられたタイプ2ユーザフィールドを識別した後、そのSTAに宛てられた次のユーザフィールドの位置を容易に決定すること、(ii)そのSTAに宛てられたタイプ1ユーザフィールドを識別した後、割り当てられたRUの総数を判定すること、(iii)そのSTAに宛てられたすべてのユーザフィールドからRU割り当て情報およびユーザ固有割り当て情報を取得すること、が可能である。表5は、タイプ2ユーザフィールドに含まれる各サブフィールドの詳細を示す。表6は、連続RU割当フラグサブフィールドが0に設定されて、複数の非連続RUがSTAに割り当てられていることを示す場合の、割当RU情報サブフィールドの詳細を示す。
【0066】
表5は、タイプ2ユーザフィールドのサブフィールドをより詳細に示す。
【表5】
【0067】
表6は、連続RU割当フラグサブフィールドが0に設定されるときの割当RU情報サブフィールドを示す。
【表6】
【0068】
複数の連続RUがSTAに割り当てられる実施形態では、STAに宛てられるユーザフィールドの種類を構成する選択肢が2つある。第一の選択肢は、STAに宛てられる最後のユーザフィールドはタイプ1ユーザフィールドであり、そのSTAに宛てられる残りのユーザフィールドはそれぞれタイプ2ユーザフィールドであることである。この選択肢によれば、ユーザ固有フィールドの1つのユーザフィールドのみが、そのSTAに割り当てられたマルチRUに対するユーザ固有の割り当て情報を含む。タイプ2ユーザフィールドの連続RU割当フラグサブフィールドは、複数の連続RUがSTAに割り当てられることを示す1に設定されてよい。このような実施形態では、STAは、そのSTAに宛てられた最初のユーザフィールドを識別した後、そのSTAに宛てられた残りのユーザフィールドの位置を容易に決定することができる。これにより、複数の非連続RUまたは連続RUがSTAに割り当てられるときに同じ規則が適用されるため、仕様への影響を有利に最小化することができる。本実施形態において、複数の連続RUがSTAに割り当てられる場合のSTAに宛てられるユーザフィールドの種類を構成する第二の選択肢は、タイプ1ユーザフィールドとタイプ2ユーザフィールドが交互にそのSTAに宛てられ、そのSTAに宛てられる最初のユーザフィールドがタイプ2ユーザフィールドであることである。したがって、STAは、(i)そのSTAに宛てられた最初のユーザフィールドを識別した後、そのSTAに宛てられた残りのユーザフィールドの位置を容易に決定すること、(ii)任意の隣接した2つのタイプ1およびタイプ2ユーザフィールドからRU割り当て情報およびユーザ固有割り当て情報を取得すること、が可能である。タイプ1およびタイプ2ユーザフィールドをこのように活用することにより、複数の連続RUがSTAに割り当てられる場合、STAに宛てられたすべてのユーザフィールドの探索を有利に促進できる。よって、STAの電力効率を向上させることができる。表7は、連続RU割当フラグサブフィールドが1に設定され、複数の連続RUがSTAに割り当てられることを示す場合の割当RU情報サブフィールドの詳細を示す。
【0069】
表7は、連続RU割当フラグサブフィールドが1に設定されるときの割当RU情報サブフィールドを示す。
【表7】
【0070】
表9は、帯域幅が20MHzの場合の、3つのSTA(例えば、STA1、STA2、STA3)に割り当てられたRU割り当てを含むEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの一例を示す。EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは、RU割当サブフィールドを含む共通フィールドと、7つのユーザフィールド(例えば、UF1~UF7)を含むユーザ固有フィールドとを含んでよい。共通フィールドのRU割当サブフィールドの値は10であり、52トーンのRU1、26トーンのRU3、26トーンのRU4、26トーンのRU5、52トーンのRU3、26トーンのRU8、26トーンのRU9のRU割当を示す。各RU割り当ては、ユーザフィールドUF1~UF7の1つに対応する。以下は、7つのRUの3つのSTAへのRU割り当ての一例である。STA1には3つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、UF1、UF5、UF7にそれぞれ対応する52トーンのRU1、52トーンのRU3、26トーンのRU9)。STA2には1つのRUが割り当てられてよい(例えば、UF6に対応する26トーンのRU8)。STA3には3つの連続RUが割り当てられてよい(例えば、UF2~UF4にそれぞれ対応する26トーンのRU3、26トーンのRU4、26トーンのRU5)。
【0071】
STA1に割り当てられた3つの非連続RUに関して、STA1に宛てられた最後のユーザフィールド、すなわちUF7は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)であり、STA1に宛てられた残りのユーザフィールド、すなわちUF1およびUF5はそれぞれ、タイプ2ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=1)である。具体的には、STA1に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(UF7)では、単一RU割当フラグサブフィールドが、STA1にマルチRUが割り当てられていることを示す0に設定される。一方、STA1に宛てられたタイプ2ユーザフィールド(UF1、UF5)では、連続RU割当フラグサブフィールドが、複数の非連続RUがSTA1に割り当てられていることを示す0に設定され、割当RU数サブフィールドが、STA1に3つのRUが割り当てられていることを示す3に設定されている。したがって、UF1およびUF5の割当RU情報サブフィールドは、STA1に割り当てられた次のRUを示す、次の割当RUサブフィールドを参照する。この場合、UF1の次の割当RUサブフィールドは、UF5に対応する52トーンのRU3として示され、UF5の次の割当RUサブフィールドは、UF7に対応する26トーンのRU9として示される。これにより、STA1は、自身に宛てられたUF1およびUF5(タイプ2ユーザフィールド)を識別した後、自身に宛てられた次のユーザフィールドの位置を容易に決定することができる。
【0072】
STA2に割り当てられた1つのRU、26トーンのRU8に関して、割り当てられたRUに対応するユーザフィールド、すなわちUF6は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)である。具体的には、STA2に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(UF6)では、単一RU割当フラグサブフィールドが1に設定され、1つのRUがSTA2に割り当てられていることを示す。STA3に割り当てられた3つの連続RUに関しては、非連続RU割り当てと同じ規則を適用することができる。つまり、STA3に宛てられた最後のユーザフィールド、すなわちUF4は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)であり、STA3に宛てられた残りのユーザフィールド、すなわちUF2およびUF3は、それぞれタイプ2ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=1)である。具体的には、STA3に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(UF4)では、単一RU割当フラグサブフィールドが、STA3にマルチRUが割り当てられていることを示す0に設定される。一方、STA3に宛てられたタイプ2ユーザフィールド(UF2およびUF3)では、連続RU割当フラグサブフィールドは、複数の連続RUがSTA3に割り当てられていることを示す1に設定され、割当RU数サブフィールドは、STA3に合計3つのRUが割り当てられていることを示す3に設定される。したがって、UF2またはUF3の割当RU情報サブフィールドは、STA3に割り当てられたすべてのRUのうち、ユーザフィールドに対応するRUの位置を示すRU位置サブフィールドを参照する。この場合、UF2のRU位置サブフィールドは、UF2に対応するRUがSTA3に割り当てられた3つのRU(割当RU数サブフィールド=3)のうちの1つ目のRUであることを示す第一RUとして示され、UF3のRU位置サブフィールドは、UF3に対応するRUがSTA3に割り当てられた3つのRUのうちの2つ目のRUであることを示す第二RUとして示される。
【0073】
表10および11はそれぞれ、帯域幅が40MHzの場合の、4つのSTA、(例えば、STA1、STA2、STA3、STA4)に割り当てられたRU割り当てを含むEHT-SIG-Bコンテンツチャネル1およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2の一例を示す。各EHT-SIG-Bコンテンツチャネルは、RU割当サブフィールドを含む共通フィールドと、5つのユーザフィールド(例えば、UF1~UF5)を含むユーザ固有フィールドとを含んでよい。EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1の共通フィールドのRU割当サブフィールドの値は10であり、52トーンのRU1、52トーンのRU2、26トーンのRU5、52トーンのRU3、52トーンのRU4のRU割り当てを示す。各RU割り当ては、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のユーザフィールドUF1~UF5の1つに対応する。EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2の共通フィールドのRU割当サブフィールドの値は15であり、52トーンのRU5、52トーンのRU6、26トーンのRU14、52トーンのRU7、52トーンのRU8のRU割り当てを示す。以下は、10個のRUの4つのSTAへのRU割り当ての一例である。STA1には3つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1に対応する52トーンのRU1、およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3とUF5にそれぞれ対応する26トーンのRU14と52トーンのRU8)。STA2には2つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF2に対応する52トーンのRU2およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF4に対応する52トーンのRU7)。STA3には1つのRUが割り当てられてよい(例えば、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF3に対応する26トーンのRU5)。STA4には4つの連続RUが割り当てられてよい(例えば、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF4とUF5にそれぞれ対応する52トーンのRU3と52トーンのRU4、およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF1とUF2にそれぞれ対応する52トーンのRU5と52トーンのRU6)。
【0074】
STA1に割り当てられた3つの非連続RUに関して、STA1に宛てられた最後のユーザフィールド、すなわちEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF5は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)であり、STA1に宛てられた残りのユーザフィールド、すなわちEHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3は、タイプ2ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=1)である。具体的には、STA1に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF5)において、異なるコンテンツチャネルのUFフラグサブフィールドが、STA1に宛てられた少なくとも1つのユーザフィールドが異なるEHT-SIG-Bコンテンツチャネルに存在することを示す1に設定され、単一RU割当フラグサブフィールドが、マルチRUがSTA1に割り当てられていることを示す0に設定される。一方、STA1に割り当てられたタイプ2ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3)では、連続RU割当フラグサブフィールドが、複数の非連続RUがSTA1に割り当てられていることを示す0に設定され、割当RU数サブフィールドが、STA1に3つのRUが割り当てられていることを示す3に設定される。したがって、割当RU情報サブフィールドは、STA1に割り当てられた次のRUを示す、次の割当RUサブフィールドを参照する。この場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1の次の割当RUサブフィールドは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3に対応する26トーンのRU14として示され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3の次の割当RUサブフィールドは、UF5に対応する52トーンのRU8として示される。これにより、STA1は、自身に宛てられたEHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF1およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF3(タイプ2ユーザフィールド)を識別した後、自身に宛てられた次のユーザフィールドの位置を容易に決定することができる。
【0075】
同様に、STA2に割り当てられた2つの非連続RUに関して、STA2に宛てられた最後のユーザフィールド、すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF4は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)であり、STA2に宛てられた残りのユーザフィールド、すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF2は、タイプ2ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=1)である。具体的には、STA2に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF4)において、異なるコンテンツチャネルのUFフラグサブフィールドが、STA2に宛てられた少なくとも1つのユーザフィールドが異なるEHT-SIG-Bコンテンツチャネルに存在することを示す1に設定され、単一RU割当フラグサブフィールドが、マルチRUがSTA2に割り当てられていることを示す0に設定される。一方、STA2に割り当てられたタイプ2ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF2)では、連続RU割当フラグサブフィールドが、複数の非連続RUがSTA2に割り当てられていることを示す0に設定され、割当RU数サブフィールドが、STA2に2つのRUが割り当てられていることを示す2に設定されている。したがって、割当RU情報サブフィールドは、STA2に割り当てられた次のRUを示す、次の割当RUサブフィールドを参照する。この場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF2における次の割当RUサブフィールドは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF4に対応する52トーンのRU7として示される。これにより、STA2は、自身に宛てられたEHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF2(タイプ2ユーザフィールド)を識別した後、自身に宛てられた次のユーザフィールドの位置を容易に決定することができる。
【0076】
STA3に割り当てられた1つのRU、26トーンのRU5に関して、割り当てられたRUに対応するユーザフィールド、すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF3は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)である。具体的には、STA3に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF3)では、単一RU割当フラグサブフィールドが1に設定され、1つのRUがSTA3に割り当てられていることを示す。STA4に割り当てられた4つの連続RUに関しては、非連続RU割り当てと同じ規則を適用することができる。つまり、STA4に宛てられた最後のユーザフィールド、すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF2は、タイプ1ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=0)であり、STA4に宛てられた残りのユーザフィールド、すなわち、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF4とUF5、およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF1は、それぞれタイプ2ユーザフィールド(UFタイプサブフィールド=1)である。具体的には、STA4に宛てられたタイプ1ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF2)において、異なるコンテンツチャネルのUFフラグサブフィールドが、STA4に宛てられた少なくとも1つのユーザフィールドが異なるEHT-SIG-Bコンテンツチャネルに存在することを示す1に設定され、単一RU割当フラグサブフィールドが、マルチRUがSTA4に割り当てられていることを示す0に設定される。一方、STA4に宛てられたタイプ2ユーザフィールド(EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF4とUF5、およびEHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF1)では、連続RU割当フラグサブフィールドは、複数の連続RUがSTA4に割り当てられていることを示す1に設定され、割当RU数サブフィールドは、STA4に合計4つのRUが割り当てられていることを示す4に設定される。したがって、UF4およびUF5の割当RU情報サブフィールドは、STA4に割り当てられたすべてのRUのうち、ユーザフィールドに対応するRUの位置を示すRU位置サブフィールドを参照する。この場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF4とUF5のRU位置サブフィールドはそれぞれ、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1のUF4とUF5に対応するRUがSTA4に割り当てられた4つのRU(割当RU数サブフィールド=4)のうちの1つ目と2つ目のRUであることを示す、第一RUと第二RUとして示され、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2のUF1のRU位置サブフィールドは、このユーザフィールドに対応するRUがSTA4に割り当てられた4つのRUのうちの3つ目のRUであることを示す第三RUとして示される。
【0077】
図6は、一実施形態に係る、受信EHT MU PPDUの処理のフローを示す図600である。STAは、受信したEHT MU PPDUのEHT-SIG-Bフィールドを処理して、自身に割り当てられた1つ以上のRUを探索するように構成されている。ステップ602において、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルインデックスiは、最初のEHT-SIG-Bコンテンツチャネルを示す1に初期化されてよく、割り当てRUカウンタは、0に初期化されてよい。ステップ604において、ユーザフィールドインデックスjは、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの最初のユーザフィールドを示す1に初期化されてよい。ステップ606において、ユーザフィールドjが有効であるかどうか判定されてよい。ユーザフィールドjを含むユーザブロックフィールドのCRCチェックが失敗した場合、ユーザフィールドjは無効であると判定されてよい。ユーザフィールドjが有効であると判定されると、ステップ608が実行される。ユーザフィールドjが有効でない場合、処理は代わりにステップ636に移行する。ステップ608では、ユーザフィールドjのSTA IDサブフィールドの値がSTAのIDと一致するかどうか判定される。STA IDサブフィールドの値がSTAのIDと一致すると判定されると、ステップ610が実行される。STA IDサブフィールドがSTAのIDと一致しない場合、処理は代わりにステップ636に移行する。ステップ610では、ユーザフィールドjに対応する割り当てRUが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの、共通フィールドにおけるRU割り当て情報およびユーザ固有フィールドにおけるユーザフィールドjの位置から決定される。ステップ612において、割り当てRUカウンタは1進められてよい。ステップ614において、タイプ1ユーザフィールドを参照して、ユーザフィールドjのUFタイプサブフィールドが0に設定されているかどうか判定する。ユーザフィールドjがタイプ1ユーザフィールドである場合、ステップ616が実行され、ユーザ固有の割り当て情報が取得される。ステップ618では、単一RU割当フラグが1に設定され、割り当てRUカウンタが1であるかどうか判定される。このステップ618は、受信したEHT MU PPDUにエラーが含まれるかどうかを識別するために行われる。単一RU割当フラグが1に設定され、割り当てRUカウンタが1であると判定した場合、一つのRUのみがSTAに割り当てられており、ユーザフィールドが1つのみ識別されているか、言い換えると、EHT MU PPDUにエラーが含まれていないため、処理は終了してよい。
【0078】
ステップ614に戻り、ユーザフィールドjがタイプ2ユーザフィールドである場合、ステップ620が代わりに実行される。ステップ620において、タイプ2ユーザフィールドjの連続RU割当フラグサブフィールドが1に設定されているかどうか判定されてよい。連続RU割当フラグサブフィールドが1に設定されておらず、複数の非連続RUがSTAに割り当てられていることを示している場合、ステップ622が実行される。ステップ622において、割り当てRUの数が割当RU数サブフィールドから決定され、ユーザフィールドインデックスjおよびEHT-SIG-Bコンテンツチャネルインデックスiは、次の割当RUサブフィールドに従って調整される。そして、調整されたインデックスiを有するEHT-SIG-Bコンテンツチャネル内の調整されたインデックスjを有するユーザフィールドがステップ606を実行するために使用される。しかし、ステップ620で連続RU割当フラグサブフィールドが1に設定され、STAに複数の連続RUが割り当てられていることを示す場合、ステップ624が代わりに実行される。ステップ624では、割り当てRUの数が決定され、割り当てRUカウンタは、割当RU数サブフィールドおよびRU位置サブフィールドに従って調整される。ステップ626において、STAに宛てられた最後のユーザフィールドが有効であるかどうか判定してよい。最後のユーザフィールドを含むユーザブロックフィールドのCRCチェックが失敗した場合、最後のユーザフィールドは無効となる。最後のユーザフィールドが有効である場合、ステップ616が実行され、ユーザ固有の割り当て情報が取得される。一方、最後のユーザフィールドが有効でない場合、受信したEHT MU PPDUはエラーを含むと判断されてよく、EHT MU PPDUはステップ628で破棄される。
【0079】
ステップ618に戻り、このステップは、ユーザフィールドを処理するときに、EHT MU PPDUがエラーを含んでいるかどうかを識別するために行われる。具体的には、ステップ618において、(i)単一RU割当フラグサブフィールドが1に設定されていない、(ii)割り当てRUカウンタが1でない、のうちの1つが決定された場合、ステップ630が実行される。ステップ630において、単一RU割当フラグが1に設定されているが、割り当てRUカウンタが1よりも大きいと判定された場合、1つのRUがSTAに割り当てられているが、2つ以上のユーザフィールドがSTAによって識別されていることを示す。この場合、EHT MU PPDUは、エラーを含むと識別され、ステップ628において廃棄される。それ以外の場合、ステップ632が実行される。ステップ632において、単一RU割当フラグが0に設定されているが、割り当てRUカウンタが1であると判定された場合、マルチRUがSTAに割り当てられているが、1つのユーザフィールドのみがSTAによって識別されていることを示す。この場合、EHT MU PPDUは、エラーを含むと識別され、ステップ628において廃棄される。それ以外の場合、ステップ634において、割り当てRUカウンタが、ステップ622から得られた割り当てRUの数と一致するかどうか照合され、STAに宛てられた最後のユーザフィールド(タイプ1ユーザフィールド)であることを示す場合、EHT MU PPDUはエラーを含まないため、処理は終了してよい。
【0080】
ステップ636において、ユーザフィールドインデックスjは1増加されてよい。次に、ステップ638において、増加されたユーザフィールドインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きいかどうか判定される。増加されたユーザフィールドインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きくない場合は、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiの少なくとも1つのユーザフィールドが処理されていないことを示し、増加されたインデックスjを有するユーザフィールドを用いてステップ606が実行される。増加されたユーザフィールドインデックスの値jが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルiのユーザフィールドの総数よりも大きい場合、ステップ640が代わりに実行される。ステップ640において、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルインデックスiは増加される。ステップ642において、増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きいかどうか判定される。増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きくない場合、少なくとも1つのEHT-SIG-Bコンテンツチャネルが処理されていないことを示し、増加されたインデックスiを有するEHT-SIG-Bコンテンツチャネルの最初のユーザフィールドを用いてステップ604が実行される。増加されたインデックスの値iが、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの総数よりも大きい場合、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの全てのユーザフィールドが処理されたことを示し、受信したEHT MU PPDUの処理は終了してよい。
【0081】
以下の段落では、APと複数のSTAを参照して、上りリンクMU通信における制御シグナリングのいくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0082】
EHTトリガフレームは、上りリンクMU通信におけるEHT TB PPDU送信の要求、およびユーザ固有のRU割り当て情報とユーザ固有の割り当て情報の送信のために使用することができる。図7Aは、様々な実施形態に係る、EHTトリガフレームを使用する、AP702と複数のSTA704、706との間の上りリンクMU通信を示すフローチャート700である。ブロック708はコンテンションベースのチャネルアクセス手順(例えば、EDCA手順)を示し、また、SIFS711が示されている。AP702は、複数のユーザ情報フィールド(例えば、EHTトリガフレーム内のユーザ情報リストフィールドのユーザ情報フィールド)を含む送信信号(例えば、EHTトリガフレーム)710を生成してよい。複数のユーザ情報フィールドのうち1つ以上のユーザ情報フィールドがSTA704に宛てられる。同様に、複数のユーザ情報フィールドのうち1つ以上のユーザ情報フィールドがSTA706に宛てられる。一実施形態では、各STA704、706に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドは、同じユーザ固有の割り当て情報を含む。別の実施形態では、複数のユーザ情報フィールドは、それぞれタイプ1ユーザ情報フィールドまたはタイプ2ユーザ情報フィールドのいずれかであり、そのタイプを示すシグナリングを含む。各STA704、706に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドは、1つのタイプ1ユーザ情報フィールドを含む。一実施形態によれば、タイプ1ユーザ情報フィールドはユーザ固有の割り当て情報を含み、タイプ2ユーザ情報フィールドはユーザ固有の割り当て情報を含まない。一実施形態では、各STA704、706に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドは、1つのRUが各STA704、706に割り当てられているかどうかを示すシグナリングを含む。また、各STA704、706に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドはRUサイズの同じ複数の連続RUが各STA704、706に割り当てられるかどうかを示すシグナリングを含む。別の実施形態では、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUが各STA704、706に割り当てられる場合、各STA704、706に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドは、少なくとも1つのタイプ2ユーザ情報フィールドを含む。少なくとも1つのタイプ2ユーザ情報フィールドはそれぞれ、各STA704、706に割り当てられた1つ以上の追加RUを示すシグナリングを含む。AP702の無線送信部は、生成された送信信号710をSTA704、706に送信してよい。
【0083】
STA704、706の無線受信部は、送信信号710を受信し、受信した送信信号710は、STA704、706の回路でそれぞれ処理されてよい。送信信号710の最終シンボルが送信された後、SIFS711が有効になり、712において、STA704、706の無線送信部は、STA704、706に宛てられた1つ以上のユーザ情報フィールドに含まれるユーザ固有のRU割り当て情報およびユーザ固有の割り当て情報に基づいて、それぞれのEHT TB PPDU714、715を同時に送信してよい。
【0084】
図7Bは、EHTトリガフレーム720のフォーマットの一例を示す図である。EHTトリガフレーム720は、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RA(受信STAアドレス:recipient STA address)フィールド、TA(送信STAアドレス:transmitting STA address)フィールド、共通情報フィールド722、1つ以上のユーザ情報フィールドを含むユーザ情報リストフィールド724、パディングフィールド、およびFCS(フレームチェックシーケンス:frame check sequence)フィールドを含んでよい。フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、およびTAフィールドは、EHTトリガフレーム720のMACヘッダにグループ化されてもよい。共通情報フィールド722、ユーザ情報リストフィールド724、およびパディングフィールドは、EHTトリガフレーム720のフレーム本体にグループ化されてもよい。共通情報フィールド722は、EHTトリガフレーム720によって要求される上りリンクのMU通信に関わるすべてのSTAに対する共通パラメータを含む。図7Cは、EHTトリガフレームのユーザ情報フィールド724aをより詳細に示す。ユーザ情報リストフィールド724は、ユーザ情報フィールド724aのような1つ以上のユーザ情報フィールドを含んでよく、1つ以上のユーザ情報フィールドはそれぞれ、AID12サブフィールド、RU割当サブフィールド726、UL FEC(前方誤り訂正:forward error correction)符号化タイプサブフィールド、UL MCSサブフィールド、UL DCM(二重搬送波変調:dual carrier modulation)サブフィールド、SS(空間ストリーム:spatial stream)割当サブフィールド728、ULターゲットRSSI(受信信号強度インジケータ:received signal strength indicator)サブフィールド、およびトリガ依存ユーザ情報サブフィールド730を含んでよい。各ユーザ情報フィールド724aは、ユーザ固有のRU割り当て情報およびユーザ固有の割り当て情報を含み、ユーザ固有のRU割り当て情報は、RU割当サブフィールド726に関する情報を含む。具体的には、上りリンクMU通信では、ユーザ固有の割り当て情報は、少なくとも、UL FEC符号化タイプサブフィールド、UL MCSサブフィールド、UL DCMサブフィールド、SS割当サブフィールド、およびULターゲットRSSIサブフィールドに関する情報を含む。RU割当フィールドのサイズは、320MHz帯域幅に対応するために9ビットとしてよく、SS割当サブフィールドのサイズは、最大16の空間ストリームに対応するために8ビットとしてよい。
【0085】
本開示によれば、EHT TB PPDUにおいて1つ以上のRUがSTAに割り当てられてもよく、1つの送信方式は、EHT TB PPDUにおいてSTAに割り当てられた1つ以上のRUに適用される。一実施形態によれば、STAに宛てられたユーザ情報フィールドの数は、STAに割り当てられたRUの数と同じである。したがって、STAに宛てられたユーザ情報フィールドは、STAに割り当てられたRUに一意的に対応する。STAに宛てられたすべてのユーザフィールドは、同じユーザ固有の割り当て情報を含む。すなわち、STAに宛てられたすべてのユーザ情報フィールドのRU割当サブフィールドを除くすべてのサブフィールドは、同じサブフィールドの値を有する。一実施形態では、STAに宛てられたすべてのユーザ情報フィールドは、ユーザ情報リストフィールドに連続的に配置される。これは、STAに宛てられたすべてのユーザ情報フィールドの探索を有利に促進することができ、よって、STAの電力効率を向上させることができる。一実施形態では、2つ以上の連続するRUが、よりサイズの大きな1つのRUに正確に適合する場合、その同じRUサイズの2つ以上の連続するRUは、STAに割り当てられない。例えば、52トーンのRUに正確に適合する2つの連続した26トーンのRUや、106トーンのRUに正確に適合する4つの連続した26トーンのRUが挙げられる。これにより、トーンを有利に最大限利用することができる。
【0086】
表8は、帯域幅が40MHzの場合の、4つのSTA、(例えば、STA1、STA2、STA3、STA4)に割り当てられたRU割り当てを含むEHTトリガフレームのユーザ情報リストフィールドの一例を示す。例えば、ユーザ情報リストフィールドは、10個のユーザ情報フィールドを含んでよい。各ユーザ情報フィールドは、RU割り当て情報を示すRU割当サブフィールドを含む。ユーザ情報リストフィールドは、52トーンのRU1、52トーンのRU2、26トーンのRU5、52トーンのRU3、52トーンのRU4、52トーンのRU5、52トーンのRU6、26トーンのRU14、52トーンのRU7、および52トーンのRU8といったRU割り当てを示してよく、10個のRUはそれぞれ、RU割当サブフィールドに基づく1つのユーザ情報フィールドに対応する。STAに宛てられたすべてのユーザ情報フィールド(UIF)は、ユーザ情報リストフィールドに連続して配置される。例えば、最初の3つのユーザ情報フィールド、すなわちUIF1からUIF3は、STA1に対する3つの非連続RU割り当て(例えば、52トーンのRU1、26トーンのRU14、52トーンのRU8)に対応してSTA1に宛てられ、連続した2つのユーザ情報フィールド、すなわちUIF4およびUIF5は、STA2に対する2つの非連続RU割り当て(例えば、52トーンのRU2と52トーンのRU7)に対応してSTA2に宛てられ、UIF6は、STA3に対する単一RU割り当て(例えば26トーンのRU5)に対応してSTA3に宛てられ、連続したユーザ情報フィールド、すなわちUIF7からUIF10は、STA4に対する4つの連続RU割り当て(例えば、52トーンのRU3、52トーンのRU4、52トーンのRU5、52トーンのRU6)に対応してSTA4に宛てられる。
【0087】
表8は、EHTトリガフレーム内のユーザ情報リストフィールドのユーザ情報フィールドと、それらに対応するAID12サブフィールドとRU割当サブフィールドを示す。
【表8】
【0088】
図8は、一実施形態に係る、受信EHTトリガフレームの処理のフローを示す図である。STAは、EHTトリガフレームのユーザ情報リストフィールドを処理して、割り当てられている1つ以上のRUを検索するように設定されている。ステップ802において、UIFカウンタおよび割当RUカウンタは0に初期化されてよく、UIFカウンタは、ユーザ情報リストフィールド内の処理されたユーザ情報フィールド数をカウントする。ステップ804において、ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドがSTAのAID(アソシエーション識別子:association identifier)と一致するかどうか決定されてよい。AID12サブフィールドがSTAのAIDと一致するかどうか判定すると、ステップ806が実行される。AID12サブフィールドがSTAのAIDと一致しない場合、処理は代わりに814に移行する。ステップ806において、割り当てRUがRU割当サブフィールドから決定される。ステップ808において、割り当てRUカウンタは1進められてよい。ステップ810において、割り当てRUカウンタが1であるかどうか判定される。割り当てRUカウンタが1であると判定され、STAに1つのRU(最初のRU)が割り当てられたことが示されると、ユーザ固有の割り当て情報を取得するためにステップ812が実行される。ユーザ固有の割り当て情報を取得後、処理はステップ814に移行する。一方、ステップ810において、割り当てRUカウンタが1でない、具体的には1よりも大きいと判定されると、2つ以上のRUがSTAに割り当てられたことを示し、処理はステップ814へ移行する。
【0089】
ステップ814において、UIFカウンタは1進められる。ステップ816では、UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数と等しいかどうか判定される。UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数と等しくなく、EHTトリガフレーム内のすべてのユーザ情報フィールドが処理されていないことを示すと、連続したユーザ情報フィールドを使用してステップ804が実行される。ステップ816において、UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数に等しく、EHTトリガフレーム内のすべてのユーザ情報フィールドが処理されたことを示す場合、受信したEHTトリガフレームの処理は終了してよい。
【0090】
本開示の実施形態によれば、EHTトリガフレームには二種類のユーザ情報フィールドがあり、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUのいずれかがSTAに割り当てられる場合に使用される。タイプ1ユーザ情報フィールドは、ユーザ固有の割り当て情報を含み、STAに宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして使用される。一方、タイプ2ユーザ情報フィールドは、ユーザ固有の割り当て情報を含まず、特にSTAに宛てられた後続のユーザ情報フィールドのいずれかとして使用される。各ユーザ情報フィールドには、ユーザ情報フィールドがタイプ1ユーザ情報フィールドかタイプ2ユーザ情報フィールドかを示す、UIFタイプサブフィールドのようなシグナリングが含まれる。例えば、UIFタイプサブフィールドは、0に設定されるとタイプ1ユーザ情報フィールドを示し、1に設定されるとタイプ2ユーザ情報フィールドを示す。一実施形態では、1つのRUまたはRUサイズの同じ複数の連続RUがSTAに割り当てられるか、またはランダムアクセス用に割り当てられるとき、1つのタイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ固有のRU割り当て情報およびユーザ固有の割り当て情報を送信するために使用される。別の実施形態では、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUがSTAに割り当てられるか、またはランダムアクセス用に割り当てられるとき、タイプ1ユーザ情報フィールドまたは1つ以上のタイプ2ユーザ情報フィールドが、ユーザ固有のRU割り当て情報およびユーザ固有の割り当て情報を送信するために使用される。さらに別の実施形態では、タイプ1またはタイプ2ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドは、第一の特殊値(例えば0)に設定されて、タイプ1またはタイプ2ユーザ情報フィールドが、関連するSTAに1つ以上のランダムアクセスRUを割り当てることを示し、または、第二の特殊値(例えば2045)に設定されて、タイプ1またはタイプ2ユーザ情報フィールドが、関連していないSTAに1つ以上のランダムアクセスRUを割り当てることを示す。ユーザ固有のRU割り当て情報送信のためにタイプ1およびタイプ2ユーザ情報フィールドを利用することにより、STAに2つ以上のRUが割り当てられたとき、STAに宛てられたユーザ情報フィールドの数はSTAに割り当てられたRUの数より小さくなる。これにより、チャネルオーバーヘッドを有利に低減することができる。
【0091】
図9Aは、EHTトリガフレームのタイプ1ユーザ情報フィールド900の一例を示す。タイプ1ユーザ情報フィールド900は、AID12サブフィールド、RU割当サブフィールド902、UL FEC符号化タイプサブフィールド、UL MCSサブフィールド、UL DCMサブフィールド、SS割当サブフィールド、ULターゲットRSSIサブフィールド、およびトリガ依存ユーザ情報サブフィールド906を含んで(またはそれらから構成されて)よい。トリガ依存ユーザ情報サブフィールド906は、さらに、UIFタイプサブフィールド(タイプ1ユーザ情報フィールドを示すため0に設定)、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールド910、および割当RU数サブフィールド912を含んでよい。上りリンクMU通信同様、ユーザ固有の割り当て情報は、EHTトリガフレームのUL FEC符号化タイプサブフィールド、UL MCSサブフィールド、UL DCMサブフィールド、SS割当サブフィールド、およびULターゲットRSSIサブフィールドに関する情報を少なくとも含み、一方、ユーザ固有のRU割り当て情報(例えば、STAに割り当てられた最初のRUとして使用される割り当てRU)は、EHTトリガフレームのRU割当サブフィールド902に含まれてよい。同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールド910は、1に設定されてSTAに割り当てられた1つのRUまたはRUサイズの同じ複数の連続RUを示す。UIFタイプサブフィールド908が0(タイプ1ユーザ情報フィールド)に設定され、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールド910が1に設定される場合、割当RU数サブフィールドはSTAに割り当てられた連続RUの数を示す。UIFタイプサブフィールド908が0(タイプ1ユーザ情報フィールド)に設定され、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールド910が0に設定される場合、割当RU数サブフィールドはSTAに割り当てられた残りのRUの数を示す。また、UIFタイプサブフィールド908が0(タイプ1ユーザ情報フィールド)に設定され、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールド910が1に設定され、割当RU数サブフィールドが1に設定される場合、1つのRUのみがSTAに割り当てられる。
【0092】
図9Bは、EHTトリガフレームのタイプ2ユーザ情報フィールド920の一例を示す。タイプ2ユーザ情報フィールド920は、AID12サブフィールド、RU割当数サブフィールド922、RU割当サブフィールド924a、924b、924c、およびトリガ依存ユーザ情報サブフィールド926を含んで(またはそれらから構成されて)よい。トリガ依存ユーザ情報サブフィールド926は、さらに、UIFタイプサブフィールド(タイプ2ユーザ情報フィールドを示すために1に設定)と、割当RU数サブフィールド930とを含んでよい。タイプ2ユーザ情報フィールドは、ユーザ固有の割り当て情報およびその関連フィールドを含まない。そのため、RU割当サブフィールド1 924a、RU割当サブフィールド2 924b、およびRU割当サブフィールド3 924cといったRU割当サブフィールドがタイプ2ユーザ情報フィールド920内に実装でき、各RU割当サブフィールドは、STAに割り当てられたRUを示してよい。RU割当数サブフィールド922は、タイプ2ユーザ情報フィールド920に含まれるRU割当サブフィールドの数を示してよく、この場合、RU割当数サブフィールド922の数は3であり、タイプ2ユーザ情報フィールド920内の3つのRU割当サブフィールド924a、924b、924cを示す。タイプ2ユーザ情報フィールド920内の割当RU数サブフィールドは、RU割当サブフィールド924a、924b、924c内に含まれた3つのRU以外にSTAに割り当てられた残りのRUの数を示す。
【0093】
表12は、帯域幅が20MHzの場合の、3つのSTA(例えば、STA1、STA2、STA3)に割り当てられたRU割り当てを含むユーザ情報リストフィールドの一例を示す。ユーザ情報リストフィールドは、52トーンのRU1、26トーンのRU3、26トーンのRU4、26トーンのRU5、52トーンのRU3、26トーンのRU8、および26トーンのRU9といったRU割り当てを示してよい。以下は、7つのRUの3つのSTAへのRU割り当ての一例である。STA1には3つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、52トーンのRU1、52トーンのRU3、および26トーンのRU9)。STA2には1つのRUが割り当てられてよい(例えば、26トーンのRU8)。STA3には3つの連続RUが割り当てられてよい(例えば、26トーンのRU3、26トーンのRU4、および26トーンのRU5)。タイプ1およびタイプ2ユーザ情報フィールドが使用されるこの例では、ユーザ情報リストフィールドは、7つのRUのRU割り当て情報を送信するために4つのユーザ情報フィールド(例えば、UIF1からUIF4)を含んでよい。
【0094】
STA1に割り当てられた3つの非連続RUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA1に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF1として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と最初の割り当てRUの情報(52トーンのRU1)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA1に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが0に設定され、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUがSTA1に割り当てられることを示し、割当RU数サブフィールドが2に設定され、STA1に割り当てられたRUがあと2つあることを示す。タイプ2ユーザ情報フィールドは、ユーザ情報リストフィールド内のSTA1に宛てられた後続のユーザ情報フィールドのいずれかとして(UIFタイプサブフィールド=1)、また、UIF2として使用され、STA1に割り当てられた3つの非連続RUのうち、残りの2つのRU(すなわち52トーンのRU3と26トーンのRU9)がRU割当サブフィールド1および2にそれぞれ含まれる。具体的には、STA1に宛てられたタイプ2ユーザ情報フィールドでは、RU割当数サブフィールドが2に設定され、2つのRU割り当てがタイプ2ユーザ情報フィールドに含まれることを示し、割当RU数サブフィールドが0に設定され、他にSTA1に割り当てられたRUはないことが示される。
【0095】
STA2に割り当てられた1つのRUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA2に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF3として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と割り当てRUの情報(26トーンのRU8)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA2に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドと割当RU数サブフィールドが両方1に設定され、単一RU割り当てを示す。STA3に割り当てられた3つの連続RUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA3に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF4として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と最初の割り当てRUの情報(26トーンのRU3)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA3に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが1に設定され、RUサイズの同じ複数の連続RUがSTA3に割り当てられていることを示す。割当RU数サブフィールドは、割り当てられたRUと同じRUサイズを有する、STAに割り当てられた連続RUの数を示し、この場合、割当RU数サブフィールドは3に設定され、同じサイズの3つの連続RUがSTA3に割り当てられることを示す。したがって、1つまたは複数の追加のユーザ情報フィールドにRUサイズの同じ後続の連続RUの割り当て情報を含める必要がなく、チャネルオーバーヘッドを低減することができる。
【0096】
表13は、帯域幅が20MHzの場合の、4つのSTA、(例えば、STA1、STA2、STA3、STA4)に割り当てられたRU割り当てを含むユーザ情報リストフィールドの一例を示す。ユーザ情報リストフィールドは、52トーンのRU1、52トーンのRU2、26トーンのRU5、52トーンのRU3、52トーンのRU4、52トーンのRU5、52トーンのRU6、26トーンのRU14、52トーンのRU7、および52トーンのRU8といったRU割り当てを示してよい。以下は、10個のRUの4つのSTAへのRU割り当ての一例である。STA1には3つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、52トーンのRU1、26トーンのRU14、および52トーンのRU8)。STA2には2つの非連続RUが割り当てられてよい(例えば、52トーンのRU2と52トーンのRU7)。STA3には1つのRUが割り当てられてよい(例えば、26トーンのRU5)。STA4には4つの連続RUが割り当てられてよい(例えば、52トーンのRU3、52トーンのRU4、52トーンのRU5、および52トーンのRU3)。タイプ1およびタイプ2ユーザ情報フィールドが使用されるこの例では、ユーザ情報リストフィールドは10個のRUのRU割り当て情報を送信するために6つのユーザ情報フィールド(例えば、UIF1からUIF6)を含んでよい。
【0097】
STA1に割り当てられた3つの非連続RUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA1に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF1として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と最初の割り当てRUの情報(52トーンのRU1)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA1に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが0に設定され、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUがSTA1に割り当てられることを示し、割当RU数サブフィールドが2に設定され、STA1に割り当てられたRUがあと2つあることを示す。タイプ2ユーザ情報フィールドは、ユーザ情報リストフィールド内のSTA1に宛てられた後続のユーザ情報フィールドのいずれかとして(UIFタイプサブフィールド=1)、また、UIF2として使用され、STA1に割り当てられた3つの非連続RUのうち、残りの2つのRU(すなわち26トーンのRU14と52トーンのRU8)がRU割当サブフィールド1および2にてそれぞれ示される。具体的には、STA1に宛てられたタイプ2ユーザ情報フィールドでは、RU割当数サブフィールドが2に設定され、2つのRU割り当てがタイプ2ユーザ情報フィールドに含まれることを示し、割当RU数サブフィールドが0に設定され、他にSTA1に割り当てられたRUはないことが示される。
【0098】
STA2に割り当てられた2つの非連続RUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA2に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF3として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と最初の割り当てRUの情報(52トーンのRU2)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA2に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが0に設定され、RUサイズの同じ複数の非連続RUまたは複数の連続RUがSTA2に割り当てられることを示し、割当RU数サブフィールドが1に設定され、STA2に割り当てられたRUがあと1つあることを示す。タイプ2ユーザ情報フィールドは、ユーザ情報リストフィールド内のSTA2に宛てられた後続のユーザ情報フィールドのいずれかとして(UIFタイプサブフィールド=1)、また、UIF4として使用され、STA2に割り当てられた2つの非連続RUのうち、残りの1つのRU(すなわち52トーンのRU7)がRU割当サブフィールド1に含まれる。具体的には、STA2に宛てられたタイプ2ユーザ情報フィールドでは、RU割当数サブフィールドが1に設定され、1つのRU割り当てがタイプ2ユーザ情報フィールドに含まれることを示し、割当RU数サブフィールドが0に設定され、他にSTA2に割り当てられたRUはないことが示される。
【0099】
STA3に割り当てられた1つのRUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA3に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF5として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と1つの割り当てRUの情報(26トーンのRU5)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA3に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドと割当RU数サブフィールドが両方1に設定され、単一RU割り当てを示す。STA4に割り当てられた4つの連続RUに関して、タイプ1ユーザ情報フィールドが、ユーザ情報リストフィールド内のSTA4に宛てられた最初のユーザ情報フィールドとして(UIFタイプサブフィールド=0)、また、UIF6として使用され、ユーザ固有の割り当て情報と最初の割り当てRUの情報(52トーンのRU3)がRU割当サブフィールドに含まれる。具体的には、STA4に宛てられたタイプ1ユーザ情報フィールドでは、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが1に設定され、RUサイズの同じ複数の連続RUがSTA4に割り当てられていることを示す。割当RU数サブフィールドは、割り当てられたRUと同じRUサイズを有する、STAに割り当てられた連続RUの数を示し、この場合、割当RU数サブフィールドは4に設定され、RUサイズの同じ4つの連続RUがSTA4に割り当てられることを示す。したがって、1つまたは複数の追加のユーザ情報フィールドに同じサイズの後続の連続RUの割り当て情報を含める必要がなく、チャネルオーバーヘッドを低減することができる。
【0100】
図10は、一実施形態に係る、受信EHTトリガフレームの処理のフローを示す図である。STAは、EHTトリガフレームのユーザ情報リストフィールドを処理して、割り当てられている1つ以上のRUを検索するように設定されている。ステップ1002において、UIFカウンタおよび割り当てRUカウンタは0に初期化されてよく、UIFカウンタは、ユーザ情報リストフィールド内の処理されたユーザ情報フィールド数をカウントする。ステップ1004において、ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドがSTAのAIDと一致するかどうか判定されてよい。AID12サブフィールドがSTAのAIDと一致するかどうか判定すると、ステップ1006が実行される。AIDサブフィールドがSTAのAIDと一致しない場合、処理は代わりに1026に移行する。ステップ1006において、ユーザ情報フィールドのUIFタイプサブフィールドが0に設定されて、タイプ1ユーザ情報フィールドを示しているかどうか判定される。ユーザ情報フィールドがタイプ1ユーザ情報フィールドである場合、ステップ1008が実行される。ステップ1008において、割り当てRUカウンタが1進められる。ステップ1010において、割り当てRUがユーザ情報フィールドのRU割当サブフィールドから決定される。そして、ステップ1012で、ユーザ固有の割り当て情報が取得される。ステップ1014において、同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが1に設定されているかどうか判定される。同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが1に設定され、1つのRUまたはRUサイズの同じ複数の連続RUがSTAに割り当てられることを示すと判定されると、ステップ1016が実行される。同一RUサイズ連続RUフラグサブフィールドが0に設定され、RUサイズの異なる複数の非連続RUまたは複数の連続RUがSTAに割り当てられることを示す場合、処理は代わりにステップ1026に移行してよい。ステップ1016において、割当RU数サブフィールドが1に設定されているかどうか判定される。割当RU数サブフィールドが1に設定されていると判定されると、この場合、1つのRUがSTAに割り当てられていることが示され、処理は終了してよい。割当RU数サブフィールドが1でない場合、ステップ1018が代わりに実行される。ステップ1018では、残りのすべての割り当てRUが、RU割当サブフィールドおよび割当RU数サブフィールドから決定される。
【0101】
ステップ1006に戻り、ユーザ情報フィールドがタイプ2ユーザ情報フィールドである場合、ステップ1020が代わりに実行される。ステップ1020において、割り当てRUカウンタは、RU割当数サブフィールドに従って増加される。ステップ1022において、1つ以上の残りの割り当てRUが、RU割当数サブフィールドおよび対応する1つ以上のRU割当サブフィールドに従って決定される。ステップ1024において、割当RU数サブフィールドが0に設定されているかどうか判定される。割当RU数サブフィールドが0に設定され、他にSTAに割り当てられたRUがないことを示すと判定されると、処理は終了してよい。割当RU数サブフィールドが0でない場合、処理はステップ1026に移行してよい。
【0102】
ステップ1026において、UIFカウンタは1進められる。ステップ1028では、UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数と等しいかどうか判定される。UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数と等しくなく、EHTトリガフレーム内のすべてのユーザ情報フィールドが処理されていないことを示すと、連続したユーザ情報フィールドを使用してステップ1004が実行される。ステップ1028において、UIFカウンタがEHTトリガフレーム内のユーザ情報フィールドの総数に等しく、EHTトリガフレーム内のすべてのユーザ情報フィールドが処理されたことを示す場合、受信したEHTトリガフレームの処理は終了してよい。
【0103】
図11は、様々な実施形態に係る通信装置1100、例えばAPの構成を示す図である。図3に示される通信装置300の概略例と同様、通信装置1100は、回路1102、少なくとも1つの無線送信部1110、少なくとも1つの無線受信部1112、少なくとも1つのアンテナ1114を含む(簡略化のために、図11には1つのアンテナのみ描かれている)。回路1102は少なくとも1つの制御部1108を含んでよく、制御部1108は、制御シグナリングの通信を実行するように設計されているタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援下で実行するときに使用される。回路1102は、さらに、送信信号生成部1104および受信信号処理部1106を含んでもよい。少なくとも1つの制御部1108は、送信信号生成部1104および受信信号処理部1106を制御してよい。送信信号生成部1104は、MPDU生成部1122、制御シグナリング生成部1124、およびPPDU生成部1126を含んでよい。MPDU生成部1122は、A-MPDU(例えば、データフレームまたはEHTトリガフレーム)を生成してよい。制御シグナリング生成部1124は、生成されるPPDUの制御シグナリングフィールド(例えば、EHT MU PPDUのEHT-SIG-AおよびEHT-SIG-Bフィールド)を生成してよい。PPDU生成部1126は、PPDU(例えば、EHT MU PPDU)を生成してよい。
【0104】
受信信号処理部1106は、受信信号のデータ部分(例えば、EHT TB PPDUのデータフィールド)を復調および復号する、データ復調・復号部1132を含んでよい。受信信号処理部1106はさらに、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、EHT TB PPDUのEHT-SIG-Aフィールド)を復調および復号する制御復調・復号部1134を含んでよい。少なくとも1つの制御部1108は、制御シグナリング解析部1142およびスケジュラー1144を含んでよい。スケジュラー1144は、下りリンクMU送信の割り当てのためのRU情報とユーザ固有の割り当て情報、および上りリンクMU送信の割り当てのためのトリガ情報を決定してよい。制御シグナリング解析部1142は、受信信号の制御シグナリング部分と、スケジュラー1144によって共有される上りリンクMU送信の割り当てのためのトリガ情報とを解析し、データ復調・復号部1132が受信信号のデータ部分を復調および復号する際の支援をしてよい。
【0105】
図12は、様々な実施形態による通信装置1200、例えばSTAの構成を示す図である。図3に示される通信装置300の概略例と同様、通信装置1200は、回路1202、少なくとも1つの無線送信部1210、少なくとも1つの無線受信部1212、少なくとも1つのアンテナ1214を含む(簡略化のために、図12には1つのアンテナのみ描かれている)。回路1202は少なくとも1つの制御部1208を含んでよく、少なくとも1つの制御部1208は、制御シグナリングの通信を実行するように設計されているタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援下で実行するときに使用される。回路1202は、さらに、受信信号処理部1206および送信信号生成部1204を含んでよい。少なくとも1つの制御部1208は、受信信号処理部1206および送信信号生成部1204を制御してよい。受信信号処理部1206は、データ復調・復号部1232、および制御復調・復号部1234を含んでよい。制御復調・復号部1234は、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、EHT MU PPDUのEHT-SIG-AおよびEHT-SIG-Bフィールド)を復調および復号してよい。データ復調・復号部1232は、受信信号のデータ部分(例えば、EHT MU PPDUのデータフィールド)を、自身の割り当てのRU情報およびユーザ固有の割り当て情報に従って復調および復号してよい。
【0106】
少なくとも1つの制御部1208は、制御シグナリング解析部1242、スケジュラー1244、およびトリガ情報解析部1246を含んでよい。制御シグナリング解析部1242は、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、EHT MU PPDUのEHT-SIG-AおよびEHT-SIG-Bフィールド)を解析し、データ復調・復号部1232が受信信号のデータ部分(例えば、EHT MU PPDUのデータフィールド)を復調および復号する際の支援をしてよい。トリガ情報解析部1246は、受信したトリガフレーム(例えば、EHTトリガフレーム)からの、MU通信における自身の上りリンク割り当てのためのトリガ情報を解析してよい。送信信号生成部1204は、生成されるPPDUの制御シグナリングフィールド(例えば、EHT TB PPDUのEHT-SIG-Aフィールド)を生成する制御シグナリング生成部1224を含んでよい。また、送信信号生成部1204は、PPDU(例えば、EHT TB PPDU)を生成するPPDU生成部1226を含んでよい。さらに、送信信号生成部1204は、A-MPDU(例えば、データフレーム)を生成するMPDU生成部1222を含んでよい。
【0107】
上述したように、本開示の実施形態は、超高スループットのMIMO WLANネットワークにおける制御シグナリングのための高度な通信システム、通信方法、および通信装置を提供し、MIMO WLANネットワークにおけるスペクトル効率を向上する。
【0108】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、1つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように1つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0109】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。
【0110】
通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。
【0111】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0112】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0113】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0114】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0115】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0116】
様々な実施形態のいくかの特性はデバイスを参照しながら説明されているが、対応する特性は様々な実施形態の方法にもあてはまり、逆も同様である。
【0117】
特定の実施形態に示されるように、本開示には、広範に説明した本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、多数の変更および/または修正がなされてもよいことが当業者には理解されるであろう。したがって本明細書における実施形態は、あらゆる点において説明を目的としており、本発明を制限するものではないとみなされたい。
【0118】
表9は、帯域幅が20MHzの場合の、EHT-SIG-Bコンテンツチャネルの一例を示す。
【表9】
【0119】
表10は、帯域幅が40MHzの場合の、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル1の一例を示す。
【表10】
【0120】
表11は、帯域幅が40MHzの場合の、EHT-SIG-Bコンテンツチャネル2の一例を示す。
【表11】
【0121】
表12は、帯域幅が20MHzの場合の、ユーザ情報リストフィールドの一例を示す。
【表12】
【0122】
表13は、帯域幅が40MHzの場合の、ユーザ情報リストフィールドの一例を示す。
【表13】
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12