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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/1761 20060101AFI20241204BHJP
   B60T 8/172 20060101ALI20241204BHJP
   B60T 8/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B60T8/1761
B60T8/172 Z
B60T8/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022544877
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 IB2021057478
(87)【国際公開番号】W WO2022043817
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020145679
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康二
(72)【発明者】
【氏名】岩月 純也
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156279(JP,A)
【文献】特開2018-024324(JP,A)
【文献】特開2012-096753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/00ー 8/1769
B62J 6/00- 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御とが実行される鞍乗り型車両(100)の動作を制御する制御装置(60)であって、
いずれの車輪(3、4)に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得する取得部(62a)と、
前記アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値を決定する決定部(62d)と、
前記鞍乗り型車両(100)の減速度が前記閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する出力部(62c)と、
を備え
前記決定部(62d)は、前記前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、前記後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と比較して大きな値を前記閾値として決定する、
制御装置。
【請求項2】
前記決定部(62d)は、前記前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御、及び、前記後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、前記前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値を前記閾値として決定する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記決定部(62d)は、前記前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御、及び、前記後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、前記後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値を前記閾値として決定する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記決定部(62d)は、前記閾値を変化させる場合、前記閾値を時間経過に伴って変化させる、
請求項1~のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記決定部(62d)は、前記閾値を大きな値から小さな値に変化させる場合、前記閾値を時間経過に伴って減少させる、
請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記決定部(62d)は、前記閾値を小さな値から大きな値に変化させる場合、前記閾値を時間経過に伴って増大させる、
請求項又はに記載の制御装置。
【請求項7】
前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御とが実行される鞍乗り型車両(100)の動作の制御方法であって、
制御装置(60)の取得部(62a)が、いずれの車輪(3、4)に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得し、
前記制御装置(60)の決定部(62d)が、前記アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値を決定し、
前記制御装置(60)の出力部(62c)が、前記鞍乗り型車両(100)の減速度が前記閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力し、
前記決定部(62d)が、前記前輪(3)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、前記後輪(4)に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と比較して大きな値を前記閾値として決定する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、鞍乗り型車両において適切に緊急制動信号を発することができる制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータサイクル等の鞍乗り型車両の動作を制御する制御装置として、アンチロックブレーキ制御を実行可能なものがある。例えば、特許文献1に開示されているように、車輪にロック又はロックの可能性が生じた場合に、アンチロックブレーキ制御が実行され、当該車輪に生じる制動力を減少させる制御が行われる。それにより、車輪がロックすることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-024324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両が急減速している場合、又は、アンチロックブレーキ制御が作動して車両が不安定な挙動を示している場合等に、周囲の車両に対して注意を喚起するためにブレーキランプ又はハザードランプ等のランプを点滅させることにより、緊急制動信号が発せられることがある。ここで、鞍乗り型車両では、前輪に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪に対するアンチロックブレーキ制御とが個別に実行されることがある。このような鞍乗り型車両においても、適切に緊急制動信号を発することが望ましい。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗り型車両において適切に緊急制動信号を発することができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、前輪に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪に対するアンチロックブレーキ制御とが実行される鞍乗り型車両の動作を制御する制御装置であって、いずれの車輪に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得する取得部と、前記アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値を決定する決定部と、前記鞍乗り型車両の減速度が前記閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明に係る制御方法は、前輪に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪に対するアンチロックブレーキ制御とが実行される鞍乗り型車両の動作の制御方法であって、制御装置の取得部が、いずれの車輪に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得し、前記制御装置の決定部が、前記アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値を決定し、前記制御装置の出力部が、前記鞍乗り型車両の減速度が前記閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る制御装置及び制御方法では、前輪に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪に対するアンチロックブレーキ制御とが実行される鞍乗り型車両の動作が制御される。制御装置の取得部が、いずれの車輪に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得する。制御装置の決定部が、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値を決定する。制御装置の出力部が、鞍乗り型車両の減速度が閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する。それにより、各アンチロックブレーキ作動状態において、鞍乗り型車両に生じることが想定される減速度に応じて、上記閾値を変化させることができる。ゆえに、鞍乗り型車両において適切に緊急制動信号を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両の概略構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る制御装置が行う緊急制動信号用の減速度の閾値の決定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】ABS用第1閾値からABS用第2閾値に変化する場合における緊急制動信号用の減速度の閾値の推移を示す模式図である。
図6】ABS用第2閾値からABS用第1閾値に変化する場合における緊急制動信号用の減速度の閾値の推移を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る制御装置について、図面を用いて説明する。
【0011】
なお、以下では、二輪のモータサイクルに用いられる制御装置について説明しているが(図1中の鞍乗り型車両100を参照)、本発明に係る制御装置は、二輪のモータサイクル以外の鞍乗り型車両(例えば、三輪のモータサイクル、四輪のバギー車等)に用いられるものであってもよい。なお、鞍乗り型車両は、ライダーが跨って乗車する車両を意味し、スクーター等を含む。
【0012】
また、以下では、前輪制動機構及び後輪制動機構が、それぞれ1つずつである場合を説明しているが(図2中の前輪制動機構12及び後輪制動機構14を参照)、前輪制動機構及び後輪制動機構の少なくとも一方が複数であってもよい。
【0013】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
【0014】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0015】
<鞍乗り型車両の構成>
図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両100の構成について説明する。
【0016】
図1は、鞍乗り型車両100の概略構成を示す模式図である。図2は、ブレーキシステム10の概略構成を示す模式図である。図3は、制御装置60の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
鞍乗り型車両100は、本発明に係る鞍乗り型車両の一例に相当する二輪のモータサイクルである。鞍乗り型車両100は、図1に示されるように、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4と、ブレーキシステム10と、ブレーキランプ41と、ハザードランプ42と、ブレーキシステム10に設けられる液圧制御ユニット50と、液圧制御ユニット50に設けられる制御装置(ECU)60と、前輪車輪速センサ71と、後輪車輪速センサ72とを備える。なお、鞍乗り型車両100は、エンジン又はモータ等の駆動源を備えており、当該駆動源から出力される動力を用いて走行する。
【0018】
ブレーキシステム10は、図1及び図2に示されるように、第1ブレーキ操作部11と、少なくとも第1ブレーキ操作部11に連動して前輪3を制動する前輪制動機構12と、第2ブレーキ操作部13と、少なくとも第2ブレーキ操作部13に連動して後輪4を制動する後輪制動機構14とを備える。また、ブレーキシステム10は、液圧制御ユニット50を備え、前輪制動機構12の一部及び後輪制動機構14の一部は、当該液圧制御ユニット50に含まれる。液圧制御ユニット50は、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力、及び、後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力を制御する機能を担うユニットである。
【0019】
第1ブレーキ操作部11は、ハンドル2に設けられており、ライダーの手によって操作される。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ブレーキレバーである。第2ブレーキ操作部13は、胴体1の下部に設けられており、ライダーの足によって操作される。第2ブレーキ操作部13は、例えば、ブレーキペダルである。ただし、スクーター等のブレーキ操作部のように、第1ブレーキ操作部11及び第2ブレーキ操作部13の双方がライダーの手によって操作されるブレーキレバーであってもよい。
【0020】
前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれは、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23に設けられているホイールシリンダ24と、マスタシリンダ21のブレーキ液をホイールシリンダ24に流通させる主流路25と、ホイールシリンダ24のブレーキ液を逃がす副流路26とを備える。
【0021】
主流路25には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路26は、主流路25のうちの、込め弁31に対するホイールシリンダ24側とマスタシリンダ21側との間をバイパスする。副流路26には、上流側から順に、弛め弁(AV)32と、アキュムレータ33と、ポンプ34とが設けられている。
【0022】
込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
【0023】
液圧制御ユニット50は、込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33及びポンプ34を含むブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントと、それらのコンポーネントが設けられ、主流路25及び副流路26を構成するための流路が内部に形成されている基体51と、制御装置60とを含む。
【0024】
なお、基体51は、1つの部材によって形成されていてもよく、複数の部材によって形成されていてもよい。また、基体51が複数の部材によって形成されている場合、各コンポーネントは、異なる部材に分かれて設けられていてもよい。
【0025】
液圧制御ユニット50の上記のコンポーネントの動作は、制御装置60によって制御される。それにより、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力、及び、後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力が制御される。
【0026】
通常時(つまり、ライダーによるブレーキ操作に応じた制動力を車輪に生じさせるように設定している時)には、制御装置60によって、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖される。その状態で、第1ブレーキ操作部11が操作されると、前輪制動機構12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3に制動力が生じる。また、第2ブレーキ操作部13が操作されると、後輪制動機構14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4に制動力が生じる。
【0027】
ブレーキランプ41は、鞍乗り型車両100の胴体1の後部に設けられている。ブレーキランプ41は、ライダーによるブレーキ操作が行われているときに点灯する。
【0028】
ハザードランプ42は、鞍乗り型車両100の胴体1の後部の左右両側に設けられている。ハザードランプ42は、ライダーによる入力操作に応じて点滅し、緊急時等に用いられる。ハザードランプ42は、方向指示器の機能も担っている。
【0029】
前輪車輪速センサ71は、前輪3の車輪速(例えば、前輪3の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。前輪車輪速センサ71が、前輪3の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。前輪車輪速センサ71は、前輪3に設けられている。
【0030】
後輪車輪速センサ72は、後輪4の車輪速(例えば、後輪4の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。後輪車輪速センサ72が、後輪4の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。後輪車輪速センサ72は、後輪4に設けられている。
【0031】
制御装置60は、鞍乗り型車両100の動作を制御する。
【0032】
例えば、制御装置60の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置60の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置60は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0033】
図3に示されるように、制御装置60は、例えば、記憶部61と、制御部62とを備える。
【0034】
記憶部61は、制御部62が行う処理に用いられる各種情報を記憶する。例えば、後述される制御部62の出力部62cが用いる緊急制動信号用の減速度の閾値は、記憶部61に記憶されており、制御部62により書き換えられる。
【0035】
制御部62は、鞍乗り型車両100の各装置の動作を制御する。特に、制御部62は、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御と、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御とを実行可能である。制御部62は、例えば、取得部62aと、制動制御部62bと、出力部62cと、決定部62dとを含む。
【0036】
取得部62aは、鞍乗り型車両100に搭載されている各装置から情報を取得する。例えば、取得部62aは、前輪車輪速センサ71及び後輪車輪速センサ72から情報を取得する。
【0037】
ここで、取得部62aは、制動制御部62bからアンチロックブレーキ作動状態を取得する。アンチロックブレーキ作動状態は、いずれの車輪に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示す状態である。なお、各車輪に対するアンチロックブレーキ制御は、後述されるように、制動制御部62bによって実行される。
【0038】
制動制御部62bは、ブレーキシステム10の液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御することによって、鞍乗り型車両100の車輪に生じる制動力を制御する。
【0039】
上述したように、通常時には、制動制御部62bは、ライダーのブレーキ操作に応じた制動力が車輪に生じるように、液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御する。
【0040】
ここで、制動制御部62bは、車輪のスリップ度が基準値を超えた場合に、アンチロックブレーキ制御を実行する。車輪のスリップ度が上限値を超えた場合には、当該車輪にロック又はロックの可能性が生じる。アンチロックブレーキ制御は、車輪の制動力を、ロックを回避し得るような制動力に調整する制御である。
【0041】
制動制御部62bは、例えば、前輪3の車輪速及び後輪4の車輪速に基づいて鞍乗り型車両100の車速(つまり、車体の速度)を特定し、各車輪の車輪速と車速との比較結果に基づいて、車輪のスリップ度を算出する。スリップ度は、車輪が路面に対して滑っている度合いを示す指標である。スリップ度としては、例えば、車速と車輪速との差を車速で除算して得られるスリップ率が用いられる。なお、スリップ度として、スリップ率以外のパラメータ(例えば、スリップ率に実質的に換算可能な他の物理量)が用いられてもよい。
【0042】
アンチロックブレーキ制御の作動時には、制動制御部62bは、込め弁31が閉鎖され、弛め弁32が開放された状態にし、その状態で、ポンプ34を駆動することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を減少させて車輪に生じる制動力を減少させる。そして、制動制御部62bは、込め弁31及び弛め弁32の双方を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を保持し車輪に生じる制動力を保持する。その後、制動制御部62bは、込め弁31を開放し、弛め弁32を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増大させて車輪に生じる制動力を増大させる。
【0043】
アンチロックブレーキ制御の作動時には、車輪に生じる制動力を減少させる上記の制御(つまり、制動力減少制御)、車輪に生じる制動力を保持する上記の制御(つまり、制動力保持制御)、及び、車輪に生じる制動力を増大させる上記の制御(つまり、制動力増大制御)が、この順に繰り返される。なお、制動制御部62bは、前輪制動機構12及び後輪制動機構14の各々の動作を個別に制御することによって、前輪3に生じる制動力と後輪4に生じる制動力とを個別に制御することができる。
【0044】
出力部62cは、ブレーキランプ41又はハザードランプ42等のランプに対して緊急制動信号指令を出力することによって、緊急制動信号を当該ランプに発させる。緊急制動信号は、鞍乗り型車両100が急減速している場合、又は、アンチロックブレーキ制御が作動して鞍乗り型車両100が不安定な挙動を示している場合等に、周囲の車両に対して注意を喚起するために、ブレーキランプ41又はハザードランプ42等のランプを点滅させることにより発せられる信号である。
【0045】
ここで、出力部62cは、鞍乗り型車両100の減速度が閾値(つまり、緊急制動信号用の減速度の閾値)より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する。なお、出力部62cは、例えば、前輪3及び後輪4の車輪速に基づいて鞍乗り型車両100の車速の推移を特定し、車速の推移から得られる車速の時間変化量に基づいて鞍乗り型車両100の減速度を特定することができる。
【0046】
決定部62dは、緊急制動信号用の減速度の閾値を決定する。特に、決定部62dは、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて、緊急制動信号用の減速度の閾値を決定する。決定部62dは、例えば、記憶部61に記憶されている緊急制動信号用の減速度の閾値が決定した値と異なる場合、当該閾値を決定した値に書き換える。
【0047】
上記のように、制御装置60では、決定部62dは、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて、緊急制動信号用の減速度の閾値を決定する。それにより、鞍乗り型車両100において適切に緊急制動信号を発することが実現される。なお、制御装置60が行う緊急制動信号用の減速度の閾値の決定に関する処理については、後述にて詳細に説明する。
【0048】
<制御装置の動作>
図4図6を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60の動作について説明する。
【0049】
図4は、制御装置60が行う緊急制動信号用の減速度の閾値の決定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4に示される制御フローは、例えば、終了した後に、予め設定された時間間隔で繰り返し開始される。図4におけるステップS101及びステップS108は、図4に示される制御フローの開始及び終了にそれぞれ対応する。
【0050】
図4に示される制御フローが開始されると、ステップS102において、取得部62aは、アンチロックブレーキ作動状態を取得する。次に、ステップS103において、決定部62dは、前輪3及び後輪4の少なくとも一方に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているか否かを、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて判定する。
【0051】
例えば、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御が開始された後、制動力減少制御、制動力保持制御及び制動力増大制御の2回目のサイクルが行われていると判断した場合に、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御が作動していると判定する。また、例えば、決定部62dは、同様に、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御が開始された後、制動力減少制御、制動力保持制御及び制動力増大制御の2回目のサイクルが行われていると判断した場合に、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御が作動していると判定する。なお、各車輪に対するアンチロックブレーキ制御が作動しているか否かの判定条件は、上記の例に限定されず、アンチロックブレーキ制御がある程度継続的に行われていることを判断できる条件であればよい。
【0052】
前輪3及び後輪4の少なくとも一方に対してアンチロックブレーキ制御が作動していると判定された場合(ステップS103/YES)、ステップS104に進む。この場合、後述されるように、決定部62dは、ABS用閾値(具体的には、ステップS105でのABS用第1閾値、又は、ステップS106でのABS用第2閾値)を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定する。
【0053】
一方、前輪3及び後輪4のいずれに対してもアンチロックブレーキ制御が作動していないと判定された場合(ステップS103/NO)、ステップS107に進み、決定部62dは、通常閾値を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定し、図4に示される制御フローは終了する。
【0054】
通常閾値は、ABS用閾値よりも大きな値(例えば、6[m/s]程度)である。ゆえに、アンチロックブレーキ制御の作動時には、アンチロックブレーキ制御の非作動時と比べて、緊急制動信号用の減速度の閾値が小さな値になる。それにより、アンチロックブレーキ制御の作動時に、緊急制動信号を発せられやすくすることができる。なお、アンチロックブレーキ制御の作動時の閾値を、アンチロックブレーキ制御の非作動時の閾値よりも小さくすることは、自動車法規のうちのUN78との法規に準じたものである。
【0055】
ステップS103でYESと判定された場合、ステップS104において、決定部62dは、少なくとも前輪3に対するアンチロックブレーキ制御が作動しているか否かを判定する。
【0056】
前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、ステップS104でYESと判定される。さらに、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御、及び、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御の双方が実行されている場合にも、ステップS104でYESと判定される。ステップS104でYESと判定された場合、ステップS105に進み、決定部62dは、ABS用第1閾値を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定し、図4に示される制御フローは終了する。
【0057】
一方、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、ステップS104でNOと判定される。ステップS104でNOと判定された場合、ステップS106に進み、決定部62dは、ABS用第2閾値を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定し、図4に示される制御フローは終了する。
【0058】
ABS用第1閾値は、ABS用第2閾値よりも大きい。例えば、ABS用第1閾値は5[m/s]程度であり、ABS用第2閾値は3[m/s]程度である。各アンチロックブレーキ作動状態では、鞍乗り型車両100に生じることが想定される減速度が異なり得る。例えば、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合よりも、鞍乗り型車両100に生じることが想定される減速度は大きい。ABS用第1閾値は、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合に想定される減速度が鞍乗り型車両100に生じているときに、緊急制動信号が適切に発せられるような値に設定される。ABS用第2閾値は、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合に想定される減速度が鞍乗り型車両100に生じているときに、緊急制動信号が適切に発せられるような値に設定される。
【0059】
ここで、図4に示される制御フローでは、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御、及び、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値(つまり、ABS用第1閾値)を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定する。ただし、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御、及び、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値(つまり、ABS用第2閾値)を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定してもよい。
【0060】
上記のように、決定部62dは、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて緊急制動信号用の減速度の閾値を決定する。ここで、仮に、アンチロックブレーキ作動状態によらずに一律に緊急制動信号用の減速度の閾値が決定されると、特定のアンチロックブレーキ作動状態で想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に大きくなる、又は、過度に小さくなる場合がある。
【0061】
上述したように、各アンチロックブレーキ作動状態では、鞍乗り型車両100に生じることが想定される減速度が異なり得る。ゆえに、仮に、アンチロックブレーキ作動状態によらずにABS用第1閾値が緊急制動信号用の減速度の閾値として用いられると、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合に想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に大きくなる。それにより、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御が実際に作動しているものの緊急制動信号が発せられない状況が生じ得る。
【0062】
一方、仮に、アンチロックブレーキ作動状態によらずにABS用第2閾値が緊急制動信号用の減速度の閾値として用いられると、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合に想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に小さくなる。それにより、バンプが連続する悪路を走行しているとき等に前輪3に対するアンチロックブレーキ制御が誤作動した場合に緊急制動信号が誤って発せられてしまう状況が生じ得る。
【0063】
本実施形態では、上述したように、決定部62dは、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて緊急制動信号用の減速度の閾値を決定する。それにより、各アンチロックブレーキ作動状態において、鞍乗り型車両100に生じることが想定される減速度に応じて、上記閾値を変化させることができる。ゆえに、特定のアンチロックブレーキ作動状態で想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に大きくなる、又は、過度に小さくなることを抑制できる。よって、アンチロックブレーキ作動状態に対応して適切に緊急制動信号を発することができる。
【0064】
特に、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と比較して大きな値を緊急制動信号用の減速度の閾値として決定する。それにより、特定のアンチロックブレーキ作動状態で想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に大きくなる、又は、過度に小さくなることを適切に抑制できる。
【0065】
ここで、決定部62dは、緊急制動信号用の減速度の閾値を変化させる場合、当該閾値を時間経過に伴って変化させることが好ましい。それにより、緊急制動信号が発せられている状況と、緊急制動信号が発せられていない状況とが急に切り替わることを抑制できる。
【0066】
図5は、ABS用第1閾値TH1からABS用第2閾値TH2に変化する場合における緊急制動信号用の減速度の閾値の推移を示す模式図である。図5では、横軸が時間を示し、縦軸が緊急制動信号用の減速度の閾値を示している。
【0067】
図5に示される例では、時点T1以前において、緊急制動信号用の減速度の閾値がABS用第1閾値TH1になっている。そして、時点T1において、アンチロックブレーキ作動状態が、例えば、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している状態から後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している状態に切り替わる。それに伴い、決定部62dは、時点T1において、緊急制動信号用の減速度の閾値をABS用第1閾値TH1からABS用第2閾値TH2に減少させ始める。
【0068】
ここで、決定部62dは、時点T1から時点T2にかけて、緊急制動信号用の減速度の閾値を時間経過に伴って減少させる。そして、時点T2において、緊急制動信号用の減速度の閾値がABS用第2閾値TH2になる。なお、図5に示される例では、時点T1から時点T2にかけて、緊急制動信号用の減速度の閾値が一定の時間変化率で減少しているが、当該閾値を減少させるときの当該閾値の時間変化率は、一定でなくてもよい。例えば、上記時間変化率は、一次遅れ関数を用いて決定されてもよい。上記のように、決定部62dは、緊急制動信号用の減速度の閾値を大きな値から小さな値に変化させる場合、当該閾値を時間経過に伴って減少させてもよい。
【0069】
図6は、ABS用第2閾値TH2からABS用第1閾値TH1に変化する場合における緊急制動信号用の減速度の閾値の推移を示す模式図である。図6では、図5と同様に、横軸が時間を示し、縦軸が緊急制動信号用の減速度の閾値を示している。
【0070】
図6に示される例では、時点T3以前において、緊急制動信号用の減速度の閾値がABS用第2閾値TH2になっている。そして、時点T3において、アンチロックブレーキ作動状態が、例えば、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している状態から前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している状態に切り替わる。それに伴い、決定部62dは、時点T3において、緊急制動信号用の減速度の閾値をABS用第2閾値TH2からABS用第1閾値TH1に増大させ始める。
【0071】
ここで、決定部62dは、時点T3から時点T4にかけて、緊急制動信号用の減速度の閾値を時間経過に伴って増大させる。そして、時点T4において、緊急制動信号用の減速度の閾値がABS用第1閾値TH1になる。なお、図6に示される例では、時点T3から時点T4にかけて、緊急制動信号用の減速度の閾値が一定の時間変化率で増大しているが、当該閾値を増大させるときの当該閾値の時間変化率は、一定でなくてもよい。例えば、上記時間変化率は、一次遅れ関数を用いて決定されてもよい。上記のように、決定部62dは、緊急制動信号用の減速度の閾値を小さな値から大きな値に変化させる場合、当該閾値を時間経過に伴って増大させてもよい。
【0072】
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置60の効果について説明する。
【0073】
制御装置60では、取得部62aは、いずれの車輪に対してアンチロックブレーキ制御が作動しているかを示すアンチロックブレーキ作動状態を取得する。決定部62dは、アンチロックブレーキ作動状態に基づいて閾値(つまり、緊急制動信号用の減速度の閾値)を決定する。出力部62cは、鞍乗り型車両100の減速度が閾値より大きい場合に、緊急制動信号指令を出力する。それにより、各アンチロックブレーキ作動状態において、鞍乗り型車両100に生じることが想定される減速度に応じて、上記閾値を変化させることができる。ゆえに、鞍乗り型車両100において適切に緊急制動信号を発することができる。
【0074】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と比較して大きな値を上記閾値として決定する。それにより、特定のアンチロックブレーキ作動状態で想定される鞍乗り型車両100の減速度に対して、上記閾値が過度に大きくなる、又は、過度に小さくなることを適切に抑制できる。ゆえに、鞍乗り型車両100において、より適切に緊急制動信号を発することができる。
【0075】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御、及び、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値(つまり、ABS用第1閾値)を上記閾値として決定する。それにより、例えば、ABS用第2閾値を上記閾値として決定する場合と比べて、緊急制動信号を発せられにくくすることができる。ゆえに、バンプが連続する悪路を走行しているとき等にアンチロックブレーキ制御が誤作動した場合に緊急制動信号が誤って発せられてしまうことを抑制できる。
【0076】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、前輪3に対するアンチロックブレーキ制御、及び、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御の双方が作動している場合、後輪4に対するアンチロックブレーキ制御のみが作動している場合と等しい値(つまり、ABS用第2閾値)を上記閾値として決定する。それにより、例えば、ABS用第1閾値を上記閾値として決定する場合と比べて、緊急制動信号を発せられやすくすることができる。ゆえに、アンチロックブレーキ制御が実際に作動しているものの緊急制動信号が発せられないことを抑制できる。
【0077】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、上記閾値を変化させる場合、上記閾値を時間経過に伴って変化させる。それにより、緊急制動信号が発せられている状況と、緊急制動信号が発せられていない状況とが急に切り替わることを抑制できる。ゆえに、鞍乗り型車両100の周囲の車両の運転者を混乱させてしまうことを抑制できる。
【0078】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、上記閾値を大きな値から小さな値に変化させる場合、上記閾値を時間経過に伴って減少させる。それにより、緊急制動信号が発せられていない状況から緊急制動信号が発せられている状況に急に切り替わることを抑制できる。ゆえに、鞍乗り型車両100の周囲の車両の運転者を混乱させてしまうことを適切に抑制できる。
【0079】
好ましくは、制御装置60では、決定部62dは、上記閾値を小さな値から大きな値に変化させる場合、上記閾値を時間経過に伴って増大させる。それにより、緊急制動信号が発せられている状況から緊急制動信号が発せられていない状況に急に切り替わることを抑制できる。ゆえに、鞍乗り型車両100の周囲の車両の運転者を混乱させてしまうことを適切に抑制できる。
【0080】
本発明は実施形態の説明に限定されない。例えば、実施形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、10 ブレーキシステム、11 第1ブレーキ操作部、12 前輪制動機構、13 第2ブレーキ操作部、14 後輪制動機構、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25主流路、26 副流路、31 込め弁、32 弛め弁、33 アキュムレータ、34 ポンプ、41ブレーキランプ、42 ハザードランプ、50 液圧制御ユニット、51 基体、60 制御装置、61記憶部、62 制御部、62a 取得部、62b 制動制御部、62c 出力部、62d 決定部、71 前輪車輪速センサ、72 後輪車輪速センサ、100 鞍乗り型車両。
図1
図2
図3
図4
図5
図6