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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】同軸スピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20241204BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R9/02 102A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022575684
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2022115650
(87)【国際公開番号】W WO2024044923
(87)【国際公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】任璋
(72)【発明者】
【氏名】鐘志威
(72)【発明者】
【氏名】宋威
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0166010(US,A1)
【文献】中国実用新案第207166758(CN,U)
【文献】中国実用新案第212936195(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第114257919(CN,A)
【文献】特開昭55-031379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/06
H04R 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第1振動システムと、前記支持リングの外側に設けられ、かつ前記第1振動システムを取り囲むように設けられる第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、第2振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられており、前記第1ボイスコイルは少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動板は高音を発生させることに用いられ、前記第2振動板は低音を発生させることに用いられ、前記支持リングは、前記第1振動板に固定接続される第1端部と、前記磁気回路システムに固定接続される第2端部と、前記第2端部から外側へ広がる方向に沿って前記第1端部に接続される接続部と、を含み、前記第1振動板と前記第2振動板の同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている、
ことを特徴とする同軸スピーカー。
【請求項2】
前記第1振動板は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サラウンドと、前記支持リングの第1端部に固定接続される第1固定部と、を含み、前記第2振動板は、前記支持リング及び/又は前記磁気回路システムに固定される第2固定部と、前記第2固定部から折り曲がって延びる第2サラウンドと、を含み、前記第1サラウンドと前記第2サラウンドの前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項3】
前記第2振動システムは、前記第2振動板と前記第2ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンを含み、前記第2振動板は、前記第2サラウンドを取り囲んで前記第2サラウンドと間隔をあけて設置される第3サラウンドをさらに含み、前記ボイスコイルボビン一方側が前記第2サラウンドに接続され、前記ボイスコイルボビンの他方側が前記第3サラウンドに接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカー。
【請求項4】
前記第2サラウンド、前記第3サラウンドはシリコーンゴム材料で一体的に熱プレス成形により前記ボイスコイルボビンに固定され、前記第2振動板は前記支持リング及び/又は前記磁気回路システムに接着固定される、
ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカー。
【請求項5】
前記第2サラウンド、前記第3サラウンドは前記ボイスコイルボビンに接着固定され、前記第2振動板は前記支持リング及び/又は磁気回路システムに接着固定される、
ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカー。
【請求項6】
前記第1振動板は、前記支持リングに接着固定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカー。
【請求項7】
前記磁気回路システムは、第1磁石鋼と、前記第1磁石鋼の外側を取り囲むように設けられる第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼の下方に設けられる第3磁石鋼と、前記第3磁石鋼の外側を取り囲むように設けられる第4磁石鋼と、前記第2磁石鋼と前記第3磁石鋼との間に挟持される透磁板と、を含み、前記第1磁石鋼と前記第2磁石鋼との間に第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁石鋼、透磁板、第3磁石鋼が積層して設けられて、前記第4磁石鋼との間に前記第2磁気ギャップが形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項8】
前記同軸スピーカーは、前記第1磁石鋼を支持するインサートと、前記インサートと前記磁気回路システムとの間に固定される第1フレキシブル回路基板とを、含み、前記第1ボイスコイルは前記第1フレキシブル回路基板と電気的に接続され、前記第1フレキシブル回路基板は、前記磁気回路システムに固定される位置決め部と、前記位置決め部から延びて形成される片持ちばりと、前記片持ちばりに形成される接合部と、を含み、前記インサートの一部は前記位置決め部に圧着される、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項9】
前記第1振動システムは、前記第1ボイスコイルと前記第1フレキシブル回路基板とを接続する支持フレームをさらに含み、前記支持フレームは、前記第1フレキシブル回路基板の接合部に固定される支持脚を含み、前記支持フレームには、切欠きが設けられており、前記第1ボイスコイルはリード線を備え、前記リード線は、前記切欠きによって前記第1フレキシブル回路基板の接合部の下面に延びて固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカー。
【請求項10】
前記インサートは延出壁を備え、前記第1フレキシブル回路基板の位置決め部は前記延出壁に固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、同軸スピーカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカーとは、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが集積化され、かつ高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが同軸に配置されたスピーカーである。同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットの音源を同軸スピーカーの正面に位置させることができ、すなわち2つのスピーカーユニットの発音方向が同じであり、同軸スピーカーの正面と裏面に位置させることもでき、すなわち2つのスピーカーユニットの発音方向が異なっている。
【0003】
従来技術では、同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットは同軸スピーカーの同じ側に位置しており、高音ユニットのサウンドフイルムと低音ユニットのサウンドフイルムはいずれも同じ材料でプレスされたもので、製品の性能がシンプルで制御が困難である。また、高音ユニットのサウンドフイルムと低音ユニットのサウンドフイルムは互いに独立した振動空間であり、寸法が限られたため、振動板の有効振動面積が制限され、性能がよくない。
【0004】
従って、上記技術的課題を解決するために、新たな同軸スピーカーを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本発明は、高音・低音振動板を柔軟に調整できかつ振動板の振動面積が増加する同軸スピーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明には、同軸スピーカーが提供され、前記同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第1振動システムと、前記支持リングの外側に設けられ、かつ前記第1振動システムを取り囲むように設けられる第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、第2振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられており、前記第1ボイスコイルは少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動板は高音を発生させることに用いられ、前記第2振動板は低音を発生させることに用いられ、前記支持リングは、前記第1振動板に固定接続される第1端部と、前記磁気回路システムに固定接続される第2端部と、前記第2端部から外側へ広がる方向に沿って前記第1端部に接続される接続部と、を含み、前記第1振動板と前記第2振動板の同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている。
【0007】
好ましくは、前記第1振動板は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サラウンドと、前記支持リングの第1端部に固定接続される第1固定部と、を含み、前記第2振動板は、前記支持リング及び/又は前記磁気回路システムに固定される第2固定部と、前記第2固定部から折り曲がって延びる第2サラウンドと、を含み、前記第1サラウンドと前記第2サラウンドの前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている。
【0008】
好ましくは、前記第2振動システムは、前記第2振動板と前記第2ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンを含み、前記第2振動板は、前記第2サラウンドを取り囲んで前記第2サラウンドと間隔をあけて設置される第3サラウンドをさらに含み、前記ボイスコイルボビンは、その一方側が前記第2サラウンドに接続され、他方側が前記第3サラウンドに接続される。
【0009】
好ましくは、前記第2サラウンド、前記第3サラウンドはシリコーンゴム材料で一体的に熱プレス成形により前記ボイスコイルボビンに固定され、前記第2振動板は前記支持リング及び/又は前記磁気回路システムに接着固定される。
【0010】
好ましくは、前記第2サラウンド、前記第3サラウンドは前記ボイスコイルボビンに接着固定され、前記第2振動板は前記支持リング及び/又は磁気回路システムに接着固定される。
【0011】
好ましくは、前記第1振動板は、前記支持リングに接着固定される。
【0012】
好ましくは、前記磁気回路システムは、第1磁石鋼と、前記第1磁石鋼の外側を取り囲むように設けられる第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼の下方に設けられる第3磁石鋼と、前記第3磁石鋼の外側を取り囲むように設けられる第4磁石鋼と、前記第2磁石鋼と前記第3磁石鋼との間に挟持される透磁板と、を含み、前記第1磁石鋼と前記第2磁石鋼との間に第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁石鋼、透磁板、第3磁石鋼が積層して設けられて、前記第4磁石鋼との間に前記第2磁気ギャップが形成される。
【0013】
好ましくは、前記同軸スピーカーは、前記第1磁石鋼を支持するインサートと、前記インサートと前記磁気回路システムとの間に固定される第1フレキシブル回路基板とを、含み、前記第1ボイスコイルは前記第1フレキシブル回路基板と電気的に接続され、前記第1フレキシブル回路基板は、前記磁気回路システムに固定される位置決め部と、前記位置決め部から延びて形成される片持ちばりと、前記片持ちばりに形成される接合部と、を含み、前記インサートの一部は前記位置決め部に圧着される。
【0014】
好ましくは、前記第1振動システムは、前記第1ボイスコイルと前記第1フレキシブル回路基板とを接続する支持フレームをさらに含み、前記支持フレームは、前記第1フレキシブル回路基板の接合部に固定される支持脚を含み、前記支持フレームには、切欠きが設けられており、前記第1ボイスコイルはリード線を備え、前記リード線は、前記切欠きによって前記第1フレキシブル回路基板の接合部の下面に延びて固定される。
【0015】
好ましくは、前記インサートは延出壁を備え、前記第1フレキシブル回路基板の位置決め部は前記延出壁に固定される。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比べて、本発明に係る同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第1振動システムと、前記支持リングの外側に設けられ、かつ前記第1振動システムを取り囲むように設けられる第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、第2振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられており、前記第1ボイスコイルは少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動板は高音を発生させることに用いられ、前記第2振動板は低音を発生させることに用いられ、前記支持リングは、前記第1振動板に固定接続される第1端部と、前記磁気回路システムに固定接続される第2端部と、前記第2端部から外側へ広がる方向に沿って前記第1端部に接続される接続部と、を含み、前記第1振動板と前記第2振動板の前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている。本発明に係る同軸スピーカーは、環状の低音振動システムを設置することにより、低音の音響効果を提供し、高音振動システムは低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音と高音は同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供し、その中、低音振動板と高音振動板は別々に設計、成形されることができ、低音と高音の異なる特性に対して、高音・低音のサウンドフイルム素材の材質と厚さを個別に調整することができ、使用中により柔軟になり、また、低音振動板と高音振動板の前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なり、高音振動板は低音振動板のZ方向の振動空間を利用するように設計され、通常の設計と比べて振動板の振動面積を増やし、性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、そのうち、
図1図1は、本発明に係る同軸スピーカーを示す斜視構成図である。
図2図2は、図1に示す同軸スピーカーの一部の分解図である。
図3図3は、図1に示す同軸スピーカーの別の部分の分解図である。
図4図4は、図1に示す同軸スピーカーのさらに別の部分の分解図である。
図5図5は、図1に示す同軸スピーカーの分解図である。
図6図6は、図1に示す同軸スピーカーの一部の部品を示す斜視構成図である。
図7図7は、図1のA―A線に沿った断面図である。
図8図8は、図1のB―B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者が本発明における実施例に基づいて進歩的な労働をしない前提に得られた他の全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0019】
図1~8に示すように、本発明には、同軸スピーカー100が提供され、当該同軸スピーカー100は、支持リング1と、前記支持リング1の下方に固定される磁気回路システム2と、前記支持リング1の内側に固定される第1振動システム3と、前記支持リング1の外側に固定される第2振動システム4と、前記第2振動システム4を支持するフレーム5と、前記磁気回路システム2の一部を支持するインサート6と、前記インサート6に固定される第1フレキシブル回路基板7と、前記フレーム5に固定される弾性アセンブリ8と、を含み、前記第2振動システム4は前記第1振動システム3の外側に取り囲まれて前記第1振動システム3と同軸に設置されている。
【0020】
前記支持リング1の外周は、略矩形であり、全体として角笛状を呈し、前記支持リングは、第1端部11と、前記磁気回路システム2に固定接続される第2端部12と、前記第2端部12から外側に広がる方向に沿って前記第1端部11に接続される接続部13と、を含み、前記第1端部11のサイズは前記第2端部12のサイズよりも大きい。
【0021】
前記磁気回路システム2は、第1磁石鋼21と、前記第1磁石鋼21の外側を取り囲むように設けられる第2磁石鋼22と、前記第2磁石鋼22の下方に設けられる第3磁石鋼23と、前記第3磁石鋼23の外側を取り囲むように設けられる第4磁石鋼24と、前記第2磁石鋼22と前記第3磁石鋼23との間に挟持される透磁板25と、前記第1磁石鋼21を覆うように設けられる第1磁極芯26と、前記第2磁石鋼22を覆うように設けられる第2磁極芯27と、前記第4磁石鋼24を覆うように設けられる第3磁極芯28と、前記第3磁石鋼23と前記第4磁石鋼24を搭載するヨーク29と、を含み、前記第1磁石鋼21、第1磁極芯26と前記第2磁石鋼22、第2磁極芯27との間に第1磁気ギャップ201が形成され、前記第2磁石鋼22、透磁板25、第3磁石鋼23が積層して設けられて、前記第4磁石鋼24、第3磁極芯28との間に前記第2磁気ギャップ202が形成される。前記第2磁気ギャップ202は前記第1磁気ギャップ201の外側に設けられる。
【0022】
前記第1磁石鋼21、第2磁石鋼22、第3磁石鋼23、第4磁石鋼24は前記同軸スピーカー100の振動方向に沿って着磁され、かつ、前記第1磁石鋼21と第2磁石鋼22との着磁方向は逆であり、前記第2磁石鋼22と第3磁石鋼23との着磁方向は逆であり、前記第3磁石鋼23と第4磁石鋼24との着磁方向は逆である。本実施例では、前記第2磁石鋼22、第3磁石鋼23、第4磁石鋼24、透磁板25、第2磁極芯27、第3磁極芯28、ヨーク29はいずれも中空環状構造であり、前記第4磁石鋼24は別体型磁石鋼であってもよい。
【0023】
前記第1振動システム3は、第1振動板31と、前記第1振動板31を振動させる音を発声させるように駆動する第1ボイスコイル32と、前記第1ボイスコイル32を支持する支持フレーム33と、を含み、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ201内に挿設される。前記第1振動板31は一体型振動板であり、通常のフィルムラミネーション方式で製造されることができ、前記第1振動板31は高音を発生させることに用いられ、その音発生方向は振動方向に沿って上向きであり、すなわち同軸スピーカー100の正面から音を発生させることである。前記第1振動板31は、第1ドーム311と、前記第1ドーム311を取り囲むように設けられる第1サラウンド312と、前記支持リング1の第1端部11に固定接続される第1固定部313と、を含み、前記第1固定部313は前記第1端部11の上面に貼り合わせて固定される。前記第1ドーム311、第1サラウンド312、第1固定部313は、シリカゲル、ゴム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料で一体成形されることができる。前記第1振動板31は、前記支持リング1の第1端部11に接着固定される。
【0024】
前記第1ボイスコイル32はリード線321を備える。
【0025】
前記支持フレーム33は、前記第1ボイスコイル32を支持する支持部331と、支持フレーム33のボトムに位置する支持脚332と、を含み、前記支持フレーム33には、切欠き333が設けられている。
【0026】
前記第2振動システム4は、第2振動板41と、前記第2振動板41を振動させて音を発生さるように駆動する第2ボイスコイル42と、前記第2振動板41と前記第2ボイスコイル42とを接続するボイスコイルボビン43と、を含み、前記第2振動板41は前記第1振動板31の下方に位置し、即ち、前記第2振動板41は前記第1振動板31よりも前記ヨーク29に近く、前記第2ボイスコイル42は少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ202内に挿設され、前記第2振動板41は低音を発生させることに用いられ、その音発生方向は振動方向に沿って上向きであり、すなわち同軸スピーカー100の正面から音を発生させることである。前記第2振動板41は、前記支持リング1及び/又は磁気回路システム2に固定される第2固定部411と、前記第2固定部411から折り曲がって延びる第2サラウンド412と、第2サラウンド412を取り囲んで第2サラウンド412と間隔をあけて設置される第3サラウンド413と、前記第3サラウンド413の前記第2サラウンド412から離れる側から延びる第3固定部414と、を含む。前記ボイスコイルボビン43は、その一方側が前記第2サラウンド412に接続され、他方側が前記第3サラウンド413に接続される。前記第2固定部411は前記第2磁石鋼22の上面に貼り合わせて固定され、及び/又は、前記第2固定部411は前記支持リング1の第2端部12の外側面に貼り合わせ固定される。
【0027】
前記第2固定部411、第2サラウンド412、第3サラウンド413、第3固定部414はシリコーンゴム材料で一体的に熱プレス成形により前記ボイスコイルボビン43に固定されてから、前記第2振動板41全体を前記支持リング1及び/又は第2磁石鋼22に接着固定する。あるいは、前記第2固定部411、第2サラウンド412、第3サラウンド413、第3固定部414は前記ボイスコイルボビン43に接着固定されてから、さらに前記第2振動板41全体を前記支持リング1及び/又は第2磁石鋼22に接着固定する。
【0028】
前記第1振動板31と前記第2振動板41の前記同軸スピーカー100の振動方向における投影部分は互いに重なり、具体的には、前記第1サラウンド312と前記第2サラウンド412の前記同軸スピーカー100の振動方向における投影部分は互いに重なり、これにより、第1振動板31は第2振動板41のZ軸、すなわち同軸スピーカー100の縦振動方向における空間の一部を占め、限られた寸法のもとで第1振動板31、第2振動板41の振動空間を拡大し、同軸スピーカー100の音響学的性能を高めることができる。
【0029】
第2ボイスコイル42に十分な振動空間を提供するために、前記ヨーク29の前記第2ボイスコイル42に対応する箇所には、回避凹み部291が設けられている。
【0030】
フレーム5は中空環状構造であり、前記第2振動板41の第3固定部414は、前記フレーム5の上面に貼り合わせて固定され、かつ折り曲がって延びて前記フレーム5の外側面の一部を被覆する。
【0031】
前記インサート6は前記第1磁石鋼21及び第1磁極芯26を支持し、前記インサート6は両側に対称的に設置される延出壁61を備える。
【0032】
前記第1フレキシブル回路基板7は前記インサート6と前記磁気回路システム2との間に固定され、前記第1ボイスコイル32は前記第1フレキシブル回路基板7と電気的に接続され、前記第1フレキシブル回路基板7は、前記磁気回路システム2の第3磁石鋼23に固定される位置決め部71と、前記位置決め部71から延びて形成される片持ちばり72と、前記片持ちばり72に形成される接合部73と、を含む。前記インサート6の延出壁61は前記位置決め部71の中間部分に圧着され、前記位置決め部71は前記第3磁石鋼23の下面に貼り合わせて固定される。前記位置決め部71は長軸方向に沿って対向設置され、その数は2つであり、各位置決め部71から2つの片持ちばり72が延出し、2つの位置決め部71において対向する各片持ちばり72は対向して延出し、前記接合部73に接続される。前記支持フレーム33の支持脚332は、前記第1フレキシブル回路基板7の接合部73の上面に支持され、前記第1ボイスコイル32のリード線321は、前記切欠き333によって前記第1フレキシブル回路基板7の接合部73の下面に延びて固定される。
【0033】
弾性アセンブリ8は前記ボイスコイルボビン43と前記フレーム5とを接続し、前記弾性アセンブリ8は、第2フレキシブル回路基板81と、前記第2フレキシブル回路基板81に接続される支持振動板82と、を含み、前記第2ボイスコイル42は前記第2フレキシブル回路基板81と電気的に接続される。本実施例では、弾性アセンブリ8は、その数が2つであり、かつ同軸スピーカー100の短軸方向に設けられ、他の実施例では、状況に応じて決めることができる。
【0034】
前記ボイスコイルボビン43は、ボビン平板部431と、前記ボビン平板部431から第2フレキシブル回路基板81に向かって折り曲がって延びて、前記第2フレキシブル回路基板81に接続される第1延出部432と、前記ボビン平板部431から前記第2ボイスコイル42に向かって折り曲がって延びて、前記第2ボイスコイル42に接続される第2延出部433と、を含む。前記ボビン平板部431は、その一方側が前記第2サラウンド412に接続され、他方側が前記第3サラウンド413に接続される。
【0035】
従来技術と比べて、本発明に係る同軸スピーカーは、支持リングと、前記支持リングの下方に固定される磁気回路システムと、前記支持リングの内側に固定される第1振動システムと、前記支持リングの外側に設けられ、かつ前記第1振動システムを取り囲むように設けられる第2振動システムと、を含み、前記第1振動システムは前記第2振動システムと同軸に設けられ、前記第1振動システムは、第1振動板と、前記第1振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動システムは、第2振動板と、第2振動板を振動させて音を発生させるように駆動する第2ボイスコイルと、を含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップと、前記第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設けられており、前記第1ボイスコイルは少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動板は高音を発生させることに用いられ、前記第2振動板は低音を発生させることに用いられ、前記支持リングは、前記第1振動板に固定接続される第1端部と、前記磁気回路システムに固定接続される第2端部と、前記第2端部から外側へ広がる方向に沿って前記第1端部に接続される接続部と、を含み、前記第1振動板と前記第2振動板の前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なっている。本発明に係る同軸スピーカーは、環状の低音振動システムを設置することにより、低音の音響効果を提供し、高音振動システムは低音振動システムの内側に設けられ、高音の音響効果を提供し、低音と高音は同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供し、その中、低音振動板と高音振動板は別々に設計、成形されることができ、低音と高音の異なる特性に対して、高音・低音のサウンドフイルム素材の材質と厚さを個別に調整することができ、使用中により柔軟になり、また、低音振動板と高音振動板の前記同軸スピーカーの振動方向における投影部分は互いに重なり、高音振動板は低音振動板のZ方向の振動空間を利用するように設計され、通常の設計と比べて振動板の振動面積を増やし、性能を高めることができる。
【0036】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。

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