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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】電気化学式水素昇圧システム
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/033 20210101AFI20241204BHJP
   C25B 1/02 20060101ALI20241204BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20241204BHJP
【FI】
C25B15/033
C25B1/02
C25B9/23
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023003442
(22)【出願日】2023-01-13
(65)【公開番号】P2024099860
(43)【公開日】2024-07-26
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】大門 鋭刀
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-094891(JP,A)
【文献】特開2020-158838(JP,A)
【文献】特開2022-169883(JP,A)
【文献】特開2020-117782(JP,A)
【文献】特開2022-165955(JP,A)
【文献】特開2022-165958(JP,A)
【文献】特開2016-094308(JP,A)
【文献】特開2021-088734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0255818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 15/00
C25B 1/00
C25B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜、アノード電極およびカソード電極を含む単位セルが備えられる水素昇圧スタックと、
前記単位セルに電流を供給して、前記単位セルのアノード側に供給される水素ガスよりも高い圧力の高圧水素ガスを前記単位セルのカソード側に発生させる電源装置と、
供給経路を介して前記水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する水素供給源と、
を備える電気化学式水素昇圧システムであって、
前記単位セルのカソード側に連通する排出経路に設けられ、前記高圧水素ガス中の水分を分離する気液分離器と、
前記水分が分離された前記高圧水素ガスである乾燥高圧水素ガスを、前記排出経路における前記気液分離器よりも下流側から、前記単位セルのアノード側に連通する前記供給経路に導く水素戻し経路と、
前記水素戻し経路に設けられる水素戻し弁と、
前記水素昇圧スタックの電圧または抵抗を示す電気値を検出する検出器と、
前記水素戻し弁および前記電源装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が所定の閾値を超えない場合は前記水素戻し弁を閉弁し、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えると、前記水素戻し弁を開弁して、前記供給経路を介して前記乾燥高圧水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する、電気化学式水素昇圧システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、
前記制御装置は、前記水素戻し弁の開度を制御して、前記乾燥高圧水素ガスの供給量を前記高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせる、電気化学式水素昇圧システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、
前記制御装置は、前記単位セルに供給される電流の大きさを制御して、前記乾燥高圧水素ガスの供給量を前記高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせる、電気化学式水素昇圧システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、
前記供給経路に導出経路を介して水蒸気を供給する加湿器と、
前記導出経路に設けられ、前記制御装置に制御される導出弁と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えた場合、前記導出弁の開度を制御して、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値未満である場合に比べて、前記加湿器から前記供給経路への前記水蒸気の供給量を少なくする、電気化学式水素昇圧システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、
前記供給経路に導出経路を介して水蒸気を供給する加湿器と、
前記導出経路に設けられ、前記制御装置に制御される導出弁と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えた場合、前記導出弁を閉弁して、前記供給経路への前記水蒸気の供給を停止する、電気化学式水素昇圧システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、
前記気液分離器で分離された前記水分を、前記気液分離器から前記加湿器に導く水供給経路をさらに備える、電気化学式水素昇圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学式水素昇圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する電気化学式水素昇圧システムに関する研究開発が行われている。
【0003】
特許文献1の電気化学式水素昇圧システムは、水素を昇圧する電気化学式水素昇圧装置を含む。電気化学式水素昇圧装置は、水素昇圧スタック(水素昇圧部)と、電源装置(電源)とを備える。水素昇圧スタックには、電解質膜、アノード給電体、カソード給電体を含む単位セルが備えられる。電源装置は、水素昇圧スタックに電流を供給して、水素昇圧スタックに供給される水素ガスよりも高圧の高圧水素ガスを水素昇圧スタックに発生させる。
【0004】
特許文献1には、電解質膜の湿潤状態に関する情報に基づいて、未反応の水素ガスが排出される水素昇圧スタックの排出口を規制し、水蒸気を単位セルに滞留させて電解質膜を良好な湿潤状態とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2022-94891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、水素昇圧スタックへの電流の供給時に、単位セルに滞留する水分量が多いと、当該水分が電解する傾向にある。電解により生じる酸素ガスが、水素昇圧スタックに供給される水素ガスと混合した場合、酸素ガスの濃度によっては化学反応を引き起こす課題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、電解質膜、アノード電極およびカソード電極を含む単位セルが備えられる水素昇圧スタックと、前記単位セルに電流を供給して、前記単位セルのアノード側に供給される水素ガスよりも高い圧力の高圧水素ガスを前記単位セルのカソード側に発生させる電源装置と、供給経路を介して前記水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する水素供給源と、を備える電気化学式水素昇圧システムであって、前記単位セルのカソード側に連通する排出経路に設けられ、前記高圧水素ガス中の水分を分離する気液分離器と、前記水分が分離された前記高圧水素ガスである乾燥高圧水素ガスを、前記排出経路における前記気液分離器よりも下流側から、前記単位セルのアノード側に連通する前記供給経路に導く水素戻し経路と、前記水素戻し経路に設けられる水素戻し弁と、前記水素昇圧スタックの電圧または抵抗を示す電気値を検出する検出器と、前記水素戻し弁および前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が所定の閾値を超えない場合は前記水素戻し弁を閉弁し、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えると、前記水素戻し弁を開弁して、前記供給経路を介して前記乾燥高圧水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する。
【発明の効果】
【0009】
上記の態様によれば、水素昇圧スタックへの電流の供給時に、単位セルに滞留する水分量を低減することができる。そのため、水素昇圧スタックに供給される水素ガスに、単位セルに滞留する水の電解により生じる酸素ガスが混入する量を低減することができる。その結果、酸素ガスと水素ガスとの化学反応の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、電気化学式水素昇圧システムを示す概略図である。
図2図2は、保水抑制処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、電気化学式水素昇圧システム10を示す概略図である。電気化学式水素昇圧システム10は、電気化学式水素昇圧装置12と、水素供給源14と、加湿器16と、高圧水素貯留装置18と、気液分離器20と、制御装置22とを備える。
【0012】
電気化学式水素昇圧装置12は、電気化学的に水素ガスを昇圧する装置である。電気化学式水素昇圧装置12は、水素昇圧スタック24と、電源装置26とを有する。
【0013】
水素昇圧スタック24は、導入ポートPT1と、排出ポートPT2と、高圧水素ポートPT3とを有する。導入ポートPT1は、水素ガスを導入するポートであり、各単位セル28のアノード側に連通する。排出ポートPT2は、未反応の水素ガスを排出するポートであり、各単位セル28のアノード側に連通する。高圧水素ポートPT3は、単位セル28において生成される高圧水素ガスを排出するポートであり、各単位セル28のカソード側に連通する。
【0014】
複数の単位セル28は、それぞれ同じ構成である。各単位セル28は、電解質膜30と、電解質膜30の一方の面に設けられたアノード電極32と、電解質膜30の他方の面に設けられたカソード電極34とを有する。
【0015】
電解質膜30は、例えば、固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)である。電解質膜30は、そのアノード側が繊維状の骨格を含む保護シート(図示せず)で補強されてもよい。また、電解質膜30は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用することができる。電解質膜30は、アノード電極32およびカソード電極34に挟持される。
【0016】
アノード電極32は、電解質膜30の一方の面に接合されるアノード触媒層と、アノード触媒層に積層されるアノード給電体とを含む。カソード電極34は、電解質膜30の他方の面に接合されるカソード触媒層と、カソード触媒層に積層されるカソード給電体とを含む。アノード給電体およびカソード給電体は、水素ガスが流通可能な構造に形成される。
【0017】
アノード電極32とカソード電極34と間に電流が供給されると、導入ポートPT1からアノード電極32に供給される水素ガスの一部は、触媒反応によりプロトン(Hイオン)に変換される。変換されたプロトンは、電解質膜30を介してカソード電極34に輸送される。カソード電極34では、輸送されたプロトンを用いた電気化学反応により高圧水素ガスが発生する。高圧水素ガスは、高圧水素ポートPT3から流出する。アノード電極32で未反応の水素ガスは、排出ポートPT2から流出する。
【0018】
排出ポートPT2から流出する水素ガスは、低圧排出経路36を介して密閉容器38内に供給されるか、低圧排出経路36から分岐するベント経路40を介して排気される。低圧排出経路36には排出弁42およびポンプ44が設けられる。ベント経路40にはベント弁45が設けられる。排出弁42およびベント弁45の各々は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。ポンプ44は、制御装置22の制御に応じて駆動し、上流側から下流側への流動力を水素ガスに付与する。
【0019】
電源装置26は、水素昇圧スタック24に電流を供給する。これにより、水素昇圧スタック24は、供給される水素ガスよりも高い圧力の高圧水素ガスを発生する。
【0020】
電源装置26は、各単位セル28のアノード電極32およびカソード電極34に電圧を印加し、当該単位セル28に電流を供給する。電源装置26は、制御装置22の制御に応じて、各単位セル28に供給される電流の大きさを調整可能に構成される。単位セル28に供給される電流が大きくなるほど、当該単位セル28において発生する高圧水素ガスの発生量が多くなる。
【0021】
水素供給源14は、水素ガスを供給可能な装置である。水素供給源14は、水素ガスが貯留されたガスシリンダを複数集結したカードルであってもよいし、水素ガスが貯留されたタンクであってもよい。水素供給源14は、供給経路46を介して水素ガスを水素昇圧スタック24に供給する。
【0022】
供給経路46は、水素供給源14から水素昇圧スタック24に水素ガスを導く経路である。供給経路46の上流端は、水素供給源14の図示しない出力ポートに接続される。供給経路46の下流端は、水素昇圧スタック24の導入ポートPT1に接続される。供給経路46には、上流側から下流側に向かって、減圧弁48、水素供給弁50、流量調整弁52がこの順に設けられる。
【0023】
減圧弁48は、図1では1つであるが、2つ以上であってもよい。水素供給弁50は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。流量調整弁52は、制御装置22の制御に応じて、水素昇圧スタック24に供給される水素ガスの流量を調整する。
【0024】
加湿器16は、水素ガスを加湿する装置である。加湿器16は、密閉容器38を有する。加湿器16は、密閉容器38に貯留される液水を気化する。加湿器16は、導出経路54を介して供給経路46に水蒸気を供給する。
【0025】
導出経路54は、加湿器16から供給経路46に水蒸気を導く経路である。導出経路54の上流端は、密閉容器38の気相空間に配置される。導出経路54の下流端は、水素供給弁50と流量調整弁52との間の供給経路46に接続される。導出経路54には、導出弁56が設けられる。導出弁56は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。
【0026】
加湿器16は、バブラー式加湿器であってもよい。図1は、加湿器16がバブラー式加湿器である場合の例を示している。この場合、加湿器16は、気泡発生器58を有する。本実施形態では、気泡発生器58は、密閉容器38内の液水中に配置される。気泡発生器58は、供給経路46から導入経路60を介して供給される水素ガスを気泡として液水中に放出する。この場合、水素ガスは、水分(水蒸気)が含有する。水分が含有した水素ガスは、導出経路54を介して供給経路46に供給される。
【0027】
導入経路60は、供給経路46を流れる水素ガスの一部を、供給経路46から気泡発生器58に導く経路である。導入経路60の上流端は、供給経路46における導出経路54の下流端の接続箇所よりも上流側の箇所に接続される。導入経路60の下流端は、気泡発生器58に接続される。導入経路60には、導入弁62が設けられる。導入弁62は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。
【0028】
なお、密閉容器38に貯留される液水の温度を調整する温調装置64が備えられてもよい。温調装置64は、熱交換器66と、熱交換器66と密閉容器38とを循環する循環経路68と、循環経路68に設けられたポンプ70とを備える。温調装置64は、ポンプ70を駆動して、循環経路68を介して熱交換器66と密閉容器38との間で液水を循環させて、熱交換器66との熱交換により液水を設定温度に調整する。
【0029】
高圧水素貯留装置18は、高圧水素ガスを貯留可能に形成される装置である。高圧水素貯留装置18は、高圧水素ガスが貯留されるガスシリンダを複数集結したカードルであってもよいし、高圧水素ガスが貯留されるタンクであってもよい。高圧水素貯留装置18は、水素昇圧スタック24から排出経路72を介して供給される高圧水素ガスを貯留する。排出経路72は、水素昇圧スタック24から排出される高圧水素ガスを導く経路である。排出経路72の上流端は水素昇圧スタック24の高圧水素ポートPT3に接続される。排出経路72の下流端は高圧水素貯留装置18の図示しない入力ポートに接続される。排出経路72には背圧弁74が設けられる。
【0030】
気液分離器20は、背圧弁74と水素昇圧スタック24との間の排出経路72に設けられる。気液分離器20は、高圧水素ガス中の水分を分離する。水分が分離された高圧水素ガスである乾燥高圧水素ガスは、排出経路72の下流に流れる。乾燥高圧水素ガスは、排出経路72を介して高圧水素貯留装置18に供給されるか、排出経路72から分岐する水素戻し経路76を介して供給経路46に供給される。
【0031】
水素戻し経路76は、乾燥高圧水素ガスを、排出経路72における気液分離器20よりも下流側から供給経路46に導く経路である。水素戻し経路76の上流端は、排出経路72に接続される。本実施形態では、水素戻し経路76の上流端は、気液分離器20と背圧弁74との間の排出経路72に接続される。水素戻し経路76の下流端は、供給経路46に接続される。本実施形態では、水素戻し経路76の下流端は、流量調整弁52と水素昇圧スタック24との間の供給経路46に接続される。水素戻し経路76には、水素戻し弁78が設けられる。水素戻し弁78は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。
【0032】
気液分離器20によって分離された水分は、水供給経路80を介して加湿器16に供給される。水供給経路80は、気液分離器20から加湿器16に水を供給する経路である。水供給経路80の上流端は図示しない気液分離器20の水排出ポートに接続される。水供給経路80の下流端は加湿器16の密閉容器38の図示しない水導入ポートに接続される。水供給経路80には、水供給弁82が設けられる。水供給弁82は、制御装置22の制御に応じて開弁または閉弁する。
【0033】
制御装置22は、電気化学式水素昇圧システム10を統括するコンピュータである。制御装置22は、1以上のプロセッサと、記憶媒体とを含む。記憶媒体は、揮発性メモリと不揮発性メモリとによって構成され得る。プロセッサとしては、CPU、MCU等が挙げられる。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。
【0034】
制御装置22には、検出器84が接続される。制御装置22は、検出器84を用いて、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の水素昇圧スタック24の電気値を取得する。電気値は、電圧または抵抗を示す値である。水素昇圧スタック24の電圧が、水素昇圧スタック24の運転に好適な電圧である基準電圧と比較して上昇するほど、単位セル28に滞留する水分が多くなる関係にある。同様に、水素昇圧スタック24の抵抗が、水素昇圧スタック24の運転に好適な抵抗である基準抵抗と比較して上昇するほど、単位セル28に滞留する水分が多くなる関係にある。そのため、制御装置22は、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値を取得することで、単位セル28に滞留する水分量を捕捉し得る。
【0035】
検出器84は、水素昇圧スタック24に設けられる。検出器84は、電圧センサであってもよい。この場合、制御装置22は、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合に電圧センサによって検出される電圧値(検出電圧値)を、電気値として取得する。検出器84は、抵抗センサであってもよい。この場合、制御装置22は、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合に抵抗センサによって検出される抵抗値(検出抵抗値)を、電気値として検出する。
【0036】
電圧または抵抗は、オームの法則を用いて算出し得る。そのため、検出器84により検出される値を用いて、制御装置22が、検出電圧値または検出抵抗値を算出してもよい。
【0037】
検出電圧値は、水素昇圧スタック24に備えられる複数の単位セル28の両端に印加される電圧値であってもよい。或いは、検出電圧値は、複数の単位セル28の中から選択された1つの単位セル28の電圧値であってもよい。或いは、検出電圧値は、複数の単位セル28の各々の電圧値の統計値であってもよい。或いは、検出電圧値は、複数の単位セル28の中から選択された2つ以上の単位セル28の電圧値の統計値であってもよい。統計値としては、例えば、平均値、中央値、合計値等が挙げられる。
【0038】
同様に、検出抵抗値は、水素昇圧スタック24に備えられる複数の単位セル28の両端で検出される抵抗値であってもよい。或いは、検出抵抗値は、複数の単位セル28の中から選択された1つの単位セル28の抵抗値であってもよい。或いは、検出抵抗値は、複数の単位セル28の各々の抵抗値の統計値であってもよい。或いは、検出抵抗値は、複数の単位セル28の中から選択された2つ以上の単位セル28の抵抗値の統計値であってもよい。統計値としては、例えば、平均値、中央値、合計値等が挙げられる。
【0039】
制御装置22は、運転指令を受けると、水素昇圧スタック24を運転状態にする。この場合、制御装置22は、水素供給弁50を開弁して水素供給源14から水素昇圧スタック24に水素ガスを供給する。また、制御装置22は、電源装置26を制御して水素昇圧スタック24に所定の電圧を印加して、水素昇圧スタック24に電流を供給する。水素昇圧スタック24の各単位セル28では、水素供給源14から供給される水素ガスに基づいて電気化学反応が実施される。これにより、高圧水素ガスが各単位セル28のカソード側で発生する。
【0040】
水素昇圧スタック24の運転中、制御装置22は、ポンプ44を駆動し、排出弁42を開弁して、水素昇圧スタック24で未反応の水素ガスを密閉容器38に供給する。また、制御装置22は、任意のタイミングでベント弁45を開弁して、水素ガスを排気させる。
【0041】
水素昇圧スタック24の運転中、制御装置22は、高圧水素ガスの目標発生量に基づいて、流量調整弁52の開度を制御して、水素昇圧スタック24に供給される水素ガスの流量を調整する。
【0042】
水素昇圧スタック24の運転中、制御装置22は、密閉容器38に貯留される液水の水位を、所定周期で所定の水位閾値と比較する。密閉容器38に貯留される液水の水位は、密閉容器38に設けられる水位センサ86によって検出される。液水の水位が水位閾値を超える場合、制御装置22は、水供給弁82を閉弁する。一方、液水の水位が水位閾値未満になると、制御装置22は、水供給弁82を開弁する。制御装置22は、液水の水位が水位閾値を超えるまで、水供給弁82を開弁してもよい。或いは、制御装置22は、液水の水位が水位閾値未満になってから所定期間が経過するまで水供給弁82を開弁してもよい。
【0043】
水素昇圧スタック24の運転中、制御装置22は、導入弁62および導出弁56を開弁して、水蒸気を水素ガスとともに供給経路46に導入する。これにより、制御装置22は、水素昇圧スタック24に供給される水素ガスを加湿する。この場合、制御装置22は、水素供給弁50の開度および導入弁62の開度の少なくとも一方を制御して、加湿器16を経由する水素ガスと、加湿器16を経由しない水素ガスとの流量比を調整してもよい。
【0044】
水素ガスの加湿量が多くなると、単位セル28に水分が滞留する傾向がある。単位セル28に滞留する水分が多くなるほど、水素昇圧スタック24に印加される電圧が上昇する関係にある。
【0045】
そこで、本実施形態では、水素昇圧スタック24の運転が開始されると、制御装置22は、水素戻し弁78を閉弁した後、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値を、所定周期ごとに所定の閾値と比較する。水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が閾値を超える場合、制御装置22は、単位セル28への水分の滞留を抑制する処理(保水抑制処理)を実行する。
【0046】
保水抑制処理は、プログラムによって規定されてもよい。或いは、保水抑制処理は、ASIC、FPGA等の集積回路によって実現されてもよい。或いは、保水抑制処理は、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。図2は、保水抑制処理の手順を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS1において、制御装置22は、導入弁62および導出弁56を閉弁した後、ステップS2に移行する。導入弁62および導出弁56が閉弁すると、供給経路46への水蒸気を含有する水素ガスの供給が停止される。したがって、水素供給源14から出力される水素ガスは、加湿器16によって加湿されずに、水素昇圧スタック24に供給される。
【0048】
ステップS2において、制御装置22は、水素戻し弁78を開弁した後、ステップS3に移行する。水素戻し弁78が開弁すると、気液分離器20によって水分が分離された高圧水素ガスである乾燥高圧水素ガスは、排出経路72と供給経路46との間の圧力差によって排出経路72から供給経路46に供給される。供給経路46に供給された乾燥高圧水素ガスは、水素供給源14から出力される水素ガスとともに水素昇圧スタック24に供給される。
【0049】
ステップS3において、制御装置22は、検出器84を用いて、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値を取得し、所定の閾値と比較する。水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を未だ超えている場合、制御装置22は、水素昇圧スタック24に未だ水分が滞留していると判定する。この場合、制御装置22は、ステップS3に留まる。一方、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値未満である場合、制御装置22は、水素昇圧スタック24に滞留する水分が殆どないと判定する。この場合、制御装置22は、ステップS4に移行する。
【0050】
ステップS4において、制御装置22は、水素戻し弁78を閉弁して、水素昇圧スタック24への乾燥高圧水素ガスの供給を停止する。その後、制御装置22は、ステップS5に移行する。
【0051】
ステップS5において、制御装置22は、導入弁62および導出弁56を開弁して、供給経路46への水蒸気を含有する水素ガスの供給を再開する。その後、制御装置22は、保水抑制処理を終了する。
【0052】
以上のように本実施形態では、単位セル28のカソード側に連通する排出経路72と、単位セル28のアノード側に連通する供給経路46との間に水素戻し経路76が設けられる。水素戻し経路76は、排出経路72における気液分離器20よりも下流側から、乾燥高圧水素ガスを供給経路46に導く。
【0053】
水素昇圧スタック24の運転中に、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を超えない場合、制御装置22は、水素戻し経路76に設けられた水素戻し弁78を閉弁する。
【0054】
一方、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を超えると、制御装置22は、水素戻し弁78を開弁して、排出経路72から供給経路46を介して水素昇圧スタック24に乾燥高圧水素ガスを供給する。
【0055】
これにより、排出経路72と供給経路46とが連通し、単位セル28のカソード側が減圧される。そのため、排出経路72と供給経路46との圧力差により供給経路46を介して水素昇圧スタック24に乾燥高圧水素ガスを供給することができる。したがって、単位セル28に滞留する水分を、単位セル28のカソード側に移動させることができる。また、水素供給源14から水素昇圧スタック24に供給される水素ガスによって、単位セル28に滞留する水分を、単位セル28のカソード側から排出経路72に排出することができる。さらに、気液分離器20により水分が分離された乾燥高圧水素ガスを水素昇圧スタック24に供給するので、単位セル28に滞留する水分を早期に排出し、かつ、水素ガスを効率的に利用することができる。そのため、水素昇圧スタック24に供給される水素ガスに、単位セル28に滞留する水の電解により生じる酸素ガスが混入する量を低減することができる。その結果、酸素ガスと水素ガスとの化学反応の発生を抑制することができる。
【0056】
また、排出経路72と供給経路46との圧力差により供給経路46を介して水素昇圧スタック24に乾燥高圧水素ガスを供給することができるので、水素戻し経路76等にポンプを設置しなくてもよい。したがって、電気化学式水素昇圧システム10における部品点数の増加を抑えながら、単位セル28に滞留する水分量を低減することができる。
【0057】
さらに、単位セル28のカソード側から排出経路72に排出された単位セル28の水分を気液分離器20で分離することができるので、当該水分が水素戻し経路76を介して再び戻ることを抑制することができる。
【0058】
本実施形態では、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を超えると、制御装置22は、導入弁62および導出弁56を閉弁して、供給経路46への水蒸気の供給を停止する。これにより、供給経路46への水蒸気の供給を停止しない場合に比べて、単位セル28に滞留する水分の低減量を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、気液分離器20で分離された水分を、気液分離器20から加湿器16の密閉容器38に導く水供給経路80が備えられる。これにより、水の利用効率を図ることができる。
【0060】
また、本実施形態では、密閉容器38の液水の水位が水位閾値を超える場合、制御装置22は、水供給経路80に設けられる水供給弁82を閉弁する。一方、密閉容器38の液水の水位が水位閾値未満になると、制御装置22は、水供給弁82を開弁する。これにより、密閉容器38に貯留される水を一定量以上に維持することができる。その結果、供給経路46を流れる水素ガスの加湿が不十分になることを抑制することができる。
【0061】
上記実施形態は、以下のように変形することができる。
【0062】
(変形例1)
制御装置22は、水素戻し弁78の開度と、単位セル28に供給される電流の大きさとの少なくとも一方を制御して、乾燥高圧水素ガスの供給量を高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせてもよい。これにより、単位セル28のカソード側の減圧速度を高めることができる。したがって、単位セル28のカソード側の減圧速度を高めない場合に比べて、単位セル28に滞留する水分を、早期に、単位セル28のカソード側から排出経路72に排出することができる。
【0063】
乾燥高圧水素ガスの供給量は、水素戻し弁78から供給経路46に供給される単位時間あたりの乾燥高圧水素ガスの量である。高圧水素ガスの発生量は、水素昇圧スタック24の各単位セル28において単位時間あたりに発生する高圧水素ガスの量である。
【0064】
水素戻し弁78の開度が大きくなるほど、乾燥高圧水素ガスの供給量が多くなる関係にある。同様に、単位セル28に供給される電流の大きさが大きくなるほど、高圧水素ガスの発生量が多くなる関係にある。したがって、制御装置22は、水素戻し弁78の開度を現在値よりも大きくすることで、乾燥高圧水素ガスの供給量を高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせ得る。同様に、制御装置22は、単位セル28に供給される電流の大きさを現在値よりも小さくすることで、乾燥高圧水素ガスの供給量を高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせ得る。
【0065】
例えば、制御装置22は、単位セル28に現在供給される電流の大きさに対応する高圧水素ガスの発生量を演算する。その後、制御装置22は、演算した高圧水素ガスの発生量よりも多い乾燥高圧水素ガスを供給可能な水素戻し弁78の開度を演算し、水素戻し弁78を制御する。
【0066】
また例えば、制御装置22は、水素戻し弁78の現在の開度に対応する乾燥高圧水素ガスの供給量を演算する。その後、制御装置22は、演算した乾燥高圧水素ガスの供給量よりも少ない高圧水素ガスの発生量を発生させ得る電流の大きさを演算し、電源装置26を制御する。
【0067】
なお、制御装置22には、水素戻し弁78の開度と、単位時間あたりに水素戻し弁78から供給経路46に供給される乾燥高圧水素ガスの量との関係を示す第1テーブルが記憶されてもよい。また、制御装置22には、単位セル28に供給される電流の大きさと、単位時間あたりに水素昇圧スタック24で発生する高圧水素ガスの量との関係を示す第2テーブルが記憶されてもよい。
【0068】
また、制御装置22が制御可能な水素戻し弁78の開度は、ゼロである場合を含む。水素戻し弁78の開度がゼロである場合、水素戻し弁78が閉弁している状態を意味する。なお、水素戻し経路76に設けられる水素戻し弁78は、流量調整弁と、流量調整弁よりも下流の減圧弁(開閉弁)によって構成されてもよい。
【0069】
(変形例2)
水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を超えた場合に、制御装置22は、導入弁62および導出弁56を閉弁しなくてもよい。この場合、制御装置22は、導入弁62および導出弁56の開度を制御して、加湿器16から供給経路46への水蒸気の供給量を少なくしてもよい。例えば、制御装置22は、水素昇圧スタック24の電流が所定値である場合の電気値が所定の閾値を超えた場合は、当該電気値が閾値未満である場合に比べて、水蒸気の供給量を少なくする。これにより、水蒸気の供給量を少なくしない場合に比べて、単位セル28に滞留する水分の低減量を高めることができる。
【0070】
(変形例3)
気泡発生器58、導入経路60および導入弁62は、電気化学式水素昇圧システム10から除外されてもよい。気泡発生器58、導入経路60および導入弁62を設けなくても、供給経路46を流れる水素ガスを加湿することができる。したがって、気泡発生器58、導入経路60および導入弁62を設けなくても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0071】
(変形例4)
気液分離器20は、密閉容器38よりも上方に設けられてもよい。このようにした場合、水供給経路80等にポンプを設置しなくても、気液分離器20から密閉容器38に水を供給し易い。
【0072】
(変形例5)
水素戻し弁78の開度を調整しない場合、水素戻し弁78は三方弁であってもよい。
【0073】
(変形例6)
密閉容器38の容量が大きい、或いは、密閉容器38に水を排出する機構が備えられている等の場合、水供給弁82は設けられていなくてもよい。つまり、水供給弁82は必須ではない。
【0074】
以上の記載から把握し得る発明および効果について以下に記載する。
【0075】
(1)本発明は、電解質膜(30)、アノード電極(32)およびカソード電極(34)を含む単位セル(28)が備えられる水素昇圧スタック(24)と、前記単位セルに電流を供給して、前記単位セルのアノード側に供給される水素ガスよりも高い圧力の高圧水素ガスを前記単位セルのカソード側に発生させる電源装置(26)と、供給経路(46)を介して前記水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する水素供給源(14)と、を備える電気化学式水素昇圧システム(10)である。電気化学式水素昇圧システムは、前記単位セルのカソード側に連通する排出経路(72)に設けられ、前記高圧水素ガス中の水分を分離する気液分離器(20)と、前記水分が分離された前記高圧水素ガスである乾燥高圧水素ガスを、前記排出経路における前記気液分離器よりも下流側から、前記単位セルのアノード側に連通する前記供給経路に導く水素戻し経路(76)と、前記水素戻し経路に設けられる水素戻し弁(78)と、前記水素昇圧スタックの電圧または抵抗を示す電気値を検出する検出器(84)と、前記水素戻し弁および前記電源装置を制御する制御装置(22)と、を備える。前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が所定の閾値を超えない場合は前記水素戻し弁を閉弁し、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えると、前記水素戻し弁を開弁して、前記供給経路を介して前記乾燥高圧水素ガスを前記水素昇圧スタックに供給する。
【0076】
これにより、単位セルのカソード側を減圧しながら、単位セルのアノード側からカソード側に向かって乾燥高圧水素ガスを単位セルに供給することができる。したがって、単位セルに滞留する水分を単位セルのカソード側から排出経路に排出することができる。その結果、水素昇圧スタックに電流が供給されている状態において単位セルに滞留する水分量を低減することができる。
【0077】
(2)本発明は、上記(1)に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、前記制御装置は、前記水素戻し弁の開度を制御して、前記乾燥高圧水素ガスの供給量を前記高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせてもよい。これにより、単位セルのカソード側の減圧速度を高めることができる。単位セルのカソード側の減圧速度を高めない場合に比べて、単位セルに滞留する水分を、早期に、単位セルのカソード側から排出経路に排出することができる。
【0078】
(3)本発明は、上記(1)または(2)に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、前記制御装置は、前記単位セルに供給される電流の大きさを制御して、前記乾燥高圧水素ガスの供給量を前記高圧水素ガスの発生量よりも大きくさせてもよい。これにより、単位セルのカソード側の減圧速度を高めることができる。単位セルのカソード側の減圧速度を高めない場合に比べて、単位セルに滞留する水分を、早期に、単位セルのカソード側から排出経路に排出することができる。
【0079】
(4)本発明は、上記(1)に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、前記供給経路に導出経路(54)を介して水蒸気を供給する加湿器(16)と、前記導出経路に設けられ、前記制御装置に制御される導出弁(56)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えた場合、前記導出弁の開度を制御して、前記電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値未満である場合に比べて、前記加湿器から前記供給経路への前記水蒸気の供給量を少なくしてもよい。これにより、水蒸気の供給量を少なくしない場合に比べて、単位セルに滞留する水分の低減量を高めることができる。
【0080】
(5)本発明は、上記(1)に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、前記供給経路に導出経路を介して水蒸気を供給する加湿器と、前記導出経路に設けられ、前記制御装置に制御される導出弁と、をさらに備え、前記制御装置は、前記水素昇圧スタックの電流が所定値である場合の前記電気値が前記閾値を超えた場合、前記導出弁を閉弁して、前記供給経路への前記水蒸気の供給を停止してもよい。これにより、水蒸気の供給量を停止しない場合に比べて、単位セルに滞留する水分の低減量を高めることができる。
【0081】
(6)本発明は、上記(4)または(5)に記載の電気化学式水素昇圧システムであって、前記気液分離器で分離された前記水分を、前記気液分離器から前記加湿器に導く水供給経路(80)をさらに備えてもよい。これにより、水の利用効率を図ることができる。
【0082】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0083】
10…電気化学式水素昇圧システム 12…電気化学式水素昇圧装置
14…水素供給源 16…加湿器
18…高圧水素貯留装置 20…気液分離器
22…制御装置 24…水素昇圧スタック
26…電源装置 28…単位セル
30…電解質膜 32…アノード電極
34…カソード電極 38…密閉容器
46…供給経路 54…導出経路
56…導出弁 72…排出経路
76…水素戻し経路 78…水素戻し弁
80…水供給経路 82…水供給弁
84…検出器
図1
図2