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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】答案管理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20241204BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023196745
(22)【出願日】2023-11-20
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】辻 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】小西 勲
(72)【発明者】
【氏名】望月 充
(72)【発明者】
【氏名】田中 欣子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 栄祐
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-065635(JP,A)
【文献】特開2022-049314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
答案管理サーバと添削者端末を含む答案管理システムであって、
前記答案管理サーバは、
答案に定められた本期限よりも短い期限である仮期限までの残り時間が所定の閾値未満の答案を優先答案と設定し、前記仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と設定する答案ステータス設定部を含み、
前記添削者端末は、
前記優先答案を前記本期限および前記仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で、前記優先答案が優先されるべき答案であることを示して表示し、前記普通答案を前記本期限および前記仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で表示する表示部を含む
答案管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の答案管理システムであって、
前記表示部は、
前記優先答案を所定の優先答案表示領域に表示し、前記普通答案を所定の普通答案表示領域に表示する
答案管理システム。
【請求項3】
請求項2の記載の答案管理システムであって、
前記優先答案表示領域は、前記普通答案表示領域よりも画面上側に配置されて表示される
答案管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の答案管理システムであって、
前記表示部は、
前記普通答案が前記優先答案に変更された場合の委託料の変化、または委託料にかけられる倍率を表示しない
答案管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の答案管理システムであって、
前記答案ステータス設定部は、
前記添削者が選択した答案を選択済み答案と設定し、前記選択済み答案に前記本期限よりも短い納期を設定し、
前記表示部は、
前記選択済み答案を添削者が選択済みの答案であることを示して前記納期または前記納期までの残り時間と共に表示する
答案管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の答案管理システムであって、
前記表示部は、
前記優先答案を所定の優先答案表示領域に表示し、前記普通答案を所定の普通答案表示領域に表示し、前記選択済み答案を所定の選択済み答案表示領域に表示する
答案管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の答案管理システムであって、
前記優先答案表示領域は、前記普通答案表示領域よりも画面上側に配置され、前記普通答案表示領域は、前記選択済み答案表示領域よりも画面上側に配置される
答案管理システム。
【請求項8】
請求項5に記載の答案管理システムであって、
前記答案ステータス設定部は、
前記納期を超過した前記選択済み答案の仮期限までの残り時間が所定の閾値未満の答案を優先答案と再設定し、前記仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と再設定し、
前記表示部は、
前記納期を超過した前記選択済み答案の表示を消去する
答案管理システム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から8の何れかに記載の答案管理サーバとして機能させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータを請求項1から8の何れかに記載の添削者端末として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、添削者への答案配賦を管理する答案管理システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、添削者への答案配賦は、管理者が添削者に自動的に答案を配賦するpush型配賦で行われていた。push型配賦は、管理者側からみれば配賦の予測がしやすく、添削者側からみれば受動的であっても仕事を受けることができるというメリットがあった。
【0003】
一方、push型配賦は、配賦後のプロセス(期限後の回収、再配賦のリカバリ対策)に時間を要すること、期限の公平性に縛られ開始時間や期限を添削者間で揃える必要があること、短納期の添削に対応できないこと、など柔軟な運用ができないというデメリットがあった。
【0004】
これに対し、例えば特許文献1では、添削者が能動的に答案を選択して引き受けるpull型配賦の仕組みを開示している。
【0005】
特許文献1の答案データ配布サーバは、問題ID、分野タグ、解法タグ、および答案を含む答案データを取得し、添削者データベースを参照して添削者が過去に添削した答案データの問題ID、分野タグ、解法タグとの一致度が高い答案データほど添削者が閲覧しやすい位置に配置されるように複数の答案データを並び替え、並び替えた答案データを添削者の端末である添削者端末に送信する。添削者は、並び替えられた答案データのいずれかを選択して受注し、選択した答案データの添削を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2022-049314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、pull型配賦は添削者が主体となって行われるため、管理者が意図したように答案配賦が行われない場合があった。
【0008】
そこで本開示では、管理者の意図を反映したpull型配賦を実現する答案管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の答案管理システムは、答案管理サーバと添削者端末を含む。
【0010】
答案管理サーバは、答案に定められた本期限よりも短い期限である仮期限までの残り時間が所定の閾値未満の答案を優先答案と設定し、仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と設定する答案ステータス設定部を含む。
【0011】
添削者端末は、優先答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で、優先答案が優先されるべき答案であることを示して表示し、普通答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で表示する表示部を含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示の答案管理システムによれば、管理者の意図を反映したpull型配賦を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1の答案管理システムの各装置の機能構成を示すブロック図。
図2】実施例1の答案管理システムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図3】本期限、仮期限、仮期限までの残り時間、納期、納期までの残り時間を説明する図。
図4】優先答案表示領域、普通答案表示領域、選択済み答案表示領域の簡易な表示例を示す図。
図5】表示部の詳細な表示例を示す図。
図6】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例
【0015】
以下、図1を参照して実施例1の答案管理システムの装置構成、および各装置の機能構成を説明する。
【0016】
同図に示すように本実施例の答案管理システム1は、答案管理サーバ11と添削者端末12を含む。答案管理サーバ11と添削者端末12は相互に通信可能であるものとする。
【0017】
答案管理サーバ11は、添削者データベース111と、答案データベース112と、答案ステータス設定部113を含む。添削者端末12は、表示部121と、選択操作受付部122と、選択済み答案ID送信部123を含む。
【0018】
以下、各データベースに記憶される情報の詳細を説明する。
【0019】
<添削者データベース111>
添削者データベース111には、予め添削者に関するデータが記憶される。添削者データベース111には、指導条件、通期評価などが記憶される。指導条件として、例えば添削者(指導者ともいう)のID(指導者ID)に紐づけて、教科コード、詳細レベル(該当する添削者が該当する教科コードにおいて添削できる問題のレベルを指す)、指導時間上限(日毎)、指導時間上限(月間)などが記憶される。通期評価として、例えば添削者のID(指導者ID)に紐づけて、教科コード、年度、等級-評価、等級倍率、備考などが記憶される。
【0020】
<答案データベース112>
答案データベース112には、予め答案に関するデータが記憶される。答案データベース112には、答案データ、答案集計、指導料などが記憶される。答案データとして、例えば答案IDに紐付けて、ユニットID(答案をユニット単位で集計する際に用いるID)、提出回数、指導インデックス(その答案がpull配賦された回数)、納期切れ回数(その答案の添削に関し納期切れとなった回数)、進捗状況、登録日時、指導日時、税率、委託料、仮完日時(添削が仮完了した日時)、納期、緊急指導フラグ(緊急指導が必要な答案に付されるフラグ)、答案削除フラグ(削除された答案に付されるフラグ)、指導者ID、適格事業者フラグ、完了日時、総得点、要点情報、類型、通信欄などが記憶される。答案集計として、例えば答案IDに紐付けて、答案識別ID、ユニットID、答案名称、教科コード、詳細レベル(その答案で問われている問題のレベル)、時間換算、残件数、最終登録日時などが記憶される。指導料として、答案識別ID、ユニットID、適用開始年月日、適用終了年月日、単価などが記憶される。
【0021】
以下、図2図4を参照して各構成要件の動作を説明する。
【0022】
<答案ステータス設定部113>
答案ステータス設定部113は、答案に定められた本期限よりも短い期限である仮期限までの残り時間(図3のL3)が所定の閾値未満の答案を優先答案と設定し、仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と設定する(S113a)。答案管理サーバ11は設定された優先答案、普通答案に関するデータを添削者端末12に送信する。なお、ここでいう優先答案、普通答案は複数の答案がセットになっているものであってもよいし、1つの答案であってもよい。
【0023】
本期限とは、典型的には利用者(生徒)への返却期限である。答案到着日時から本期限までの時間(図3のL1)は、例えば3泊4日などと設定される。仮期限を本期限よりも短く設定することにより、本期限に抵触することなく添削者に答案の引き受けを促すことができるという利点がある。
【0024】
仮期限、閾値は任意に設定できる。例えば答案到着日時から本期限までの時間L1と、答案到着日時から仮期限までの時間L2の関係を、L1×1/3=L2、L1×1/2=L2などと設定すれば好適である。また閾値については、例えば数時間程度としてもよいし、0と設定してもよい。閾値を0と設定した場合、仮期限までの残り時間が0未満、すなわち仮期限を超過した答案を優先答案と設定することになる。
【0025】
普通答案は、仮期限までの残り時間が閾値以上残っている答案であるため、優先答案とは異なる取り扱いをする。このように仮期限までの残り時間に応じて答案のステータスを分けて設定したことにより、添削者に優先答案を優先して引き受けることを促すことができるという利点がある。
【0026】
また、優先答案、普通答案共に、添削者毎に表示するか非表示とするかが設定されていてもよい。例えば優先答案、普通答案に設定されている詳細レベルが添削者の詳細レベル以下であって、かつその差分が所定の閾値以下である場合には、該当する添削者に答案の表示を行い、それ以外の場合には、該当する添削者に答案を表示しないように設定してもよい。
【0027】
<表示部121>
表示部121は、優先答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で、優先答案が優先されるべき答案であることを示して表示し、普通答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で表示する(S121a)。
【0028】
例えば表示部121は、図4に破線で囲んで示すように「優先して対応いただきたい答案です」などの文言を表示することにより、添削者に優先答案が優先されるべき答案であることを示すことができる。例えば文字色を別の色(例えば赤)に変更したり文字サイズを変更することなどにより、添削者に対してさらに注意喚起を促すこともできる。
【0029】
優先答案が優先されるべき答案であることを示して表示することにより、添削者に優先答案を優先して引き受けることを促すことができるという利点がある。
【0030】
また優先答案および普通答案の本期限および仮期限を非表示としたことにより、添削者による恣意的な答案選択を防ぐことができ、管理者の意図に沿った答案配賦が行われるという利点がある。
【0031】
図4に示すように、表示部121は、優先答案(p-1)を所定の優先答案表示領域211に表示し、普通答案(n-1、n-2、n-3)を所定の普通答案表示領域212に表示すればさらに好適である。各ステータスの答案を表示する領域を別々に設けることにより、添削者が直感的に優先答案と普通答案を区別することができるという利点がある。
【0032】
さらに同図に示すように、優先答案表示領域211は、普通答案表示領域212よりも画面上側に配置されて表示されれば好適である。優先答案表示領域211を普通答案表示領域212よりも画面上側に表示することにより、添削者はより直感的に優先答案を意識することができ、優先答案を優先して引き受ける動機づけが生まれるという利点がある。
【0033】
また、表示部121は、普通答案が優先答案に変更された場合の委託料の変化、または委託料にかけられる倍率を非表示の状態で表示すればさらに好適である。委託料(または倍率)の非表示により、添削者による恣意的な答案選択を防ぐことができ、管理者の意図に沿った答案配賦が行われるという利点がある。
【0034】
以下、引き続き図2図4を参照して添削者が答案を選択した場合の各装置の動作について説明する。
【0035】
<選択操作受付部122>
添削者端末12の選択操作受付部122は、添削者の選択操作を受け付ける(S122)。例えば添削者は、添削者端末12に表示された優先答案、普通答案の中から任意の答案をクリック操作、タッチ操作などによって選択することができる。この場合、選択操作受付部122は、添削者のクリック操作やタッチ操作を受け付けて、選択された答案を特定する。
【0036】
<選択済み答案ID送信部123>
選択済み答案ID送信部123は、ステップS122で特定された答案のIDを答案管理サーバ11に送信する(S123)。
【0037】
<答案ステータス設定部113(答案選択)>
答案管理サーバ11は、添削者端末12から答案のIDを受信する。答案ステータス設定部113は、添削者が選択した答案を選択済み答案と設定し、選択済み答案に本期限よりも短い納期を設定し、設定した納期を添削者端末12に送信する(S113b)。
【0038】
図3に示すように、問題選択時刻から納期までの添削時間L4は、納期が本期限を超過しないように設定されれば好適である。L4は、本期限に対して十分に猶予をもって設定されればさらに好適である。選択済み答案に本期限よりも短い納期を設定することにより、添削者が納期を超過してしまっても本期限を超過することなく再び他の添削者に対して該当答案の引き受けを促すことができるという利点がある。
【0039】
なおL5は現在時刻から納期までの時間であり、「納期までの残り時間」と呼称して以下の説明に用いる。
【0040】
<表示部121(答案選択)>
添削者端末12は、答案管理サーバ11から納期を受信する。表示部121は、選択済み答案を添削者が選択済みの答案であることを示して納期または納期までの残り時間(L5)と共に表示する(S121b)。表示部121は、納期と納期までの残り時間の双方を表示してもよい。このとき、当然であるが選択済み答案に設定されている仮期限および本期限は表示されない。
【0041】
例えば表示部121は、図4に一点鎖線で囲んで示すように「選択中の答案です」などの文言を表示することにより、選択済み答案が添削者が選択済みの答案であることを示すことができる。例えば文字色を別の色(例えば赤)に変更したり文字サイズを変更することなどにより、添削者に対してさらに注意喚起を促すこともできる。
【0042】
表示部121が選択済み答案を添削者が選択済みの答案であることを示して表示することにより添削者が直感的に自身が引き受けている答案とそれ以外の答案とを区別することができるという利点がある。また表示部121が納期や納期までの残り時間を表示することにより、添削者は自分が引き受けている答案に対してどの程度時間的猶予があるのか常に確認しながら作業することができるため、添削者にとって利便性が高い。
【0043】
また図4に示すように、優先答案を所定の優先答案表示領域211に表示し、普通答案を所定の普通答案表示領域212に表示し、選択済み答案を所定の選択済み答案表示領域213に表示すればさらに好適である。3種類の答案をそれぞれの領域に分けて配置することにより、添削者はより直感的に各答案の存在を意識することができ、選択済み答案の処理が円滑になり、優先答案の引き受けが円滑になるという利点がある。
【0044】
同図に示すように、優先答案表示領域211は、普通答案表示領域212よりも画面上側に配置され、普通答案表示領域212は、選択済み答案表示領域213よりも画面上側に配置されてもよい。優先答案を普通答案よりも画面上側の領域に表示し、普通答案を選択済み答案よりも画面上側の領域に表示することにより、添削者はより直感的に各答案の存在を意識することができるという利点がある。
【0045】
以下、引き続き図2図4を参照して添削者が納期を超過した場合の各装置の動作について説明する。
【0046】
<答案ステータス設定部113(納期超過)>
選択済みの答案が添削されることなく設定されている納期を超過した場合、答案ステータス設定部113は、納期を超過した選択済み答案の仮期限までの残り時間が所定の閾値未満の答案を優先答案と再設定し、仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と再設定する(S113c)。
【0047】
すなわち、添削されずに納期を超過してしまった答案はその仮期限に応じてもう一度優先答案とすべきか普通答案とすべきかを判断され、もう一度添削者が選択可能なプールに戻されることになり、これにより本期限を迎えるまでに再び添削者による引き受けが発生する可能性が高まり、答案が本期限を超過するまで採点されないリスクを低減することができる。
【0048】
<表示部121(納期超過)>
表示部121は、納期を超過した選択済み答案の表示を消去する(S121c)。また表示部121は再設定された優先答案、普通答案に対し、ステップS121aの表示を実行する。
【0049】
表示部121が納期を超過した選択済み答案の表示を消去することにより、該当する添削者は自身が選択した答案について納期超過により担当から外れていることが直感的にわかるため、添削済答案の重複納品を回避することができるという利点がある。
【0050】
また表示部121が再設定された優先答案、普通答案に対し、ステップS121aの表示を再度実行することにより、再び添削者による引き受けが発生する可能性が高まり、答案が本期限を超過するまで採点されないリスクを低減することができる。
【0051】
<表示部121の詳細な表示例>
以下、図5を参照して表示部121の詳細な表示例について説明する。同図の例では、画面上段に、添削者の詳細を表す領域が設けられ、当該領域には、添削者ID「12345678」、添削者の氏名「添削 太郎(テンサク タロウ)」、詳細レベル「45」、担当教科「高校数学」、曜日当番「月・木」などが表示される。
【0052】
画面中ほどに指導物選択・受託を表す領域が設けられ、この領域に上から順に優先答案表示領域211、普通答案表示領域212、選択済み答案表示領域213が表示される。優先答案表示領域211、普通答案表示領域212には、答案識別ID、答案名称、ユニットID、詳細レベル、時間換算(分)、残数、委託料などが表示される。選択済み答案表示領域213には指導日時、納期、ステータスなどが表示される。
【0053】
優先答案表示領域211の上に、優先答案が優先されるべき答案であることを示す表示として「優先的にご対応いただきたい指導物です(18:15時点)」が表示される。選択済み答案表示領域213の上に、選択済み答案が添削者が選択済みの答案であることを示す表示として「先生がご対応中の指導物です」が表示される。
【0054】
<補記>
本開示の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0055】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0056】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0057】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0058】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本開示の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0059】
上述の各種の処理は、図6に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0060】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0061】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0062】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0063】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【要約】
【課題】管理者の意図を反映したpull型配賦を実現する答案管理システムを提供する。
【解決手段】答案管理システムは、答案管理サーバと添削者端末を含む。答案管理サーバは、答案に定められた本期限よりも短い期限である仮期限までの残り時間が所定の閾値未満の答案を優先答案と設定し、仮期限までの残り時間が所定の閾値以上の答案を普通答案と設定する答案ステータス設定部を含む。添削者端末は、優先答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で、優先答案が優先されるべき答案であることを示して表示し、普通答案を本期限および仮期限が非表示の状態で、添削者が選択可能な態様で表示する表示部を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6