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特許7598436アンケート装置、アンケート方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】アンケート装置、アンケート方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20241204BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20241204BHJP
【FI】
G06Q30/0203
G06Q30/0207 328
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023202371
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】アダム バース
(72)【発明者】
【氏名】工藤 慶樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 絵里生
(72)【発明者】
【氏名】マリオット ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ウイスヌ プリヨグサチヨ
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-280482(JP,A)
【文献】特開2019-028495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部と、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部と、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記提示から前記回答までの経過時間を算定する算定部と、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部と、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部と、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部と、
を備えることを特徴とするアンケート装置。
【請求項2】
前記算定部は、前記1以上の設問の各設問ごとに、または各設問について、回答に要した回答時間をさらに算定し、
前記取得部は、想定ユーザもしくは他の参加済ユーザの回答時間に係る回答統計情報をさらに取得し、
前記決定部は、当該各設問に対する回答統計情報と、前記算定された回答時間と、に基づいて、当該各設問に回答したことに対する回答報酬をさらに決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート装置。
【請求項3】
前記設問部は、さらに、前記1以上の設問の各設問を回答するごとに、その設問で得られた回答報酬、あるいは、これまでに得られた回答報酬の和をユーザに知らせる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンケート装置。
【請求項4】
前記基準値は、平均値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート装置。
【請求項5】
前記決定部は、さらに、
前記取得された統計情報に基づくモンテカルロ法により、経過時間と前記基準値との差が、今回の経過時間と前記基準値との偏差以上になる確率を求め、
当該求めた確率に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート装置。
【請求項6】
前記決定部は、さらに、
今回の経過時間と前記基準値との偏差の、前記取得された統計情報における偏差値を求め、
当該求めた偏差値に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート装置。
【請求項7】
コンピュータが、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付け、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示し、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記提示から前記回答までの経過時間を算定し、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得し、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定し、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する、
ことを特徴とするアンケート方法。
【請求項8】
コンピュータに、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記提示から前記回答までの経過時間を算定する算定部、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケート装置、アンケート方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業者は、自社の商品又はサービスに対するユーザの満足度や、ユーザの意識、流行等を調査するために、ユーザに対してウェブサイト上でアンケート調査を実施することがある。アンケートの回答を促すために、アンケートに回答したユーザに対してポイントを付与するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一般的に、ポイント欲しさに回答するユーザは、素早く回答しようと設問を正確に読まなかったりいい加減に回答したりする等、不真面目に取り組んでしまうことがある。こうなると、事業者は、アンケート調査を通じてユーザの真意を得ることができなくなってしまう。そこで、ユーザが不真面目に取り組むことを防止するために、様々な対策が検討されている。
【0004】
例えば、ユーザが回答を開始してから終了するまでの時間を計時し、回答時間が長い程多くのポイントを付与することが考えられる。しかしながら、このような対策では、ユーザが回答を開始してからいたずらに放置し、最後に慌てて回答する等し、結局、事業者がユーザの真意を得られないという問題が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-028495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、ユーザに、適切な回答時間でアンケートに回答した場合に多くの報酬を付与することにより、適切にアンケートに回答することを促すアンケート装置、アンケート方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るアンケート装置は、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部と、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部と、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定する算定部と、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部と、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部と、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の観点に係るアンケート方法は、
コンピュータが、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付け、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示し、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定し、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得し、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定し、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定する算定部、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザに、適切な回答時間でアンケートに回答した場合に多くの報酬を付与することにより、適切にアンケートに回答することを促すアンケート装置、アンケート方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態におけるアンケート装置と他の機器の連携を示す説明図である。
図2】本実施形態におけるアンケート装置の機能構成を示す説明図である。
図3】本実施形態におけるアンケート装置と端末装置とのやりとりの様子を示すセッション図である。
図4】第1実施形態におけるアンケート処理の流れを説明するフローチャートである。
図5】本実施形態におけるアンケート参加申込画面の例を示す説明図である。
図6】本実施形態における設問画面の例を示す説明図である。
図7】本実施形態に係る統計情報テーブルの例を示す説明図である。
図8】本実施形態に係る報酬付与画面の例を示す説明図である。
図9】本実施形態における報酬決定処理の流れを説明するフローチャートである。
図10】本実施形態におけるN人の経過時間に係るヒストグラムである。
図11】(a)正規分布に従う経過時間-確率グラフの一例であり、基準値と今回の経過時間が同一だった場合の説明図である。(b)正規分布に従う経過時間-確率グラフの一例であり、基準値と今回の経過時間との差が60秒だった場合の説明図である。
図12】本実施形態に係る確率-報酬変換テーブルの一例を示す説明図である。
図13】第2実施形態におけるアンケート処理の流れを説明するフローチャートである。
図14】本実施形態に係る報酬通知画面の例を示す説明図である。
図15】変形例に係る偏差値-報酬テーブルの一例を示す説明図である。
図16】変形例に係る正規分布に従う経過時間-確率グラフの一例であり、今回の経過時間が基準値よりも大きかった場合の説明図である。
図17】変形例に係る設問画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
(アンケート装置と端末装置とプログラムの関係)
本実施例に係るアンケート装置は、1台もしくは複数台のサーバ装置により構成される。アンケート装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末装置を利用するユーザにアンケートを提示し、アンケートの回答時間に応じたポイント、特典等の報酬を付与する。
【0013】
本実施例に係るアンケート装置は、例えば、インターネット販売サービスを提供する事業者が自社の商品やサービスに対する満足度等をより正確に知りたい場合に使用することができる。
【0014】
さて、本実施例のアンケート装置は、プログラムをコンピュータに実行させることにより実現するのが一般的であるが、専用電子回路により処理を実行させることも可能である。
【0015】
このほか、コンピュータと専用電子回路の中間形態として、プログラムを電子回路の設計スクリプトにコンパイルして、当該設計スクリプトに基づいて電子回路を動的に構成するFPGA(Field Programmable Gate Array)などの技術を適用することにより、本実施例のアンケート装置を構成することも可能である。
【0016】
本実施例に係るアンケート装置は、当該アンケート装置が提供するアンケートサイトへアクセスする端末装置と通信をする1台又は複数台のサーバコンピュータが、1つ又は複数のサーバプログラムにより実現される各機能を実行することにより実現される。
【0017】
本実施例に係る端末装置は、スマートフォン等を実現する端末コンピュータであり、事業者又は運用者から配布サーバ等を通して提供された端末プログラムを実行することによって実現することができる。
【0018】
端末プログラムとしては、いわゆる「アプリ(App)」に相当するものを採用することができる。また、端末プログラムは、インターネット販売サービスを提供するためのアプリ(App)等他のアプリに組み入れられたものであっても良い。
【0019】
このほか、端末プログラムとして、一般的なブラウザを採用することもできるし、ブラウザ上で動作するスクリプトプログラムを端末プログラムとして採用することができる。
【0020】
これらの場合、端末コンピュータで動作するアプリやブラウザは、アプリサーバやウェブサーバとして機能するアンケート装置と通信することによって、アンケートをユーザに提供するためのインターフェースとなる。
【0021】
一般に、サーバコンピュータや端末コンピュータで実行されるプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリ等コンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、サーバコンピュータとは独立して配布・販売することもできる。
【0022】
サーバコンピュータや端末コンピュータでは、フラッシュメモリやハードディスク等の非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録されたプログラムを、一時的(temporary)記憶装置であるRAM(Random Access Memory)に読み出してから、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPU(Central Processing Unit)が実行する。ただし、RAMとROMを一つのメモリ空間にマッピングして実行することが可能なアーキテクチャでは、ROMに格納されたプログラムに含まれる指令を、直接CPUが読み出して実行する。
【0023】
さらに、サーバプログラムや端末プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網等の一時的(temporary)伝送媒体を介して、事業者又は運用者が管理する配布サーバ等からサーバコンピュータや端末コンピュータ等へ配布・販売することができる。
【0024】
なお、アンケート装置が複数のコンピュータにより構成される場合には、各コンピュータで動作するプログラムは、互いに異なる機能を有しつつ協働する、互いに異なる複数のサーバプログラムということになる。そこで、当該複数のプログラムを合わせたものは、アンケート装置を実現するためのシステムプログラムと考えることができる。
【0025】
以下、本実施形態では、アンケート装置は、インターネット販売サイトを提供し、当該インターネット販売サイトで取り扱っている商品等の満足度等を調査するためのアンケートを提供する。
【0026】
(全体構成)
図1は、アンケート装置と他の機器の連携を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0027】
アンケート装置101は、1以上の端末装置102と、インターネット等のコンピュータ通信網103を介して接続されている。
【0028】
アンケート装置101は、インターネット販売サービスを提供する事業者又は運用者が運用するもので、コンピュータ通信網103を介して、端末装置102を使用するユーザにインターネット販売サイトを提供している。事業者又は運用者は、アンケート装置101を使用して、特定の商品等を購入したユーザが使用する端末装置102にアンケートフォームを送信することにより、そのユーザに対して当該商品等に関する満足度等を調査するためのアンケートを実施する。
【0029】
端末装置102は、アンケート装置101が提供するインターネット販売サイトを利用するユーザが使用する端末である。ユーザは、端末装置102を使用して、インターネット販売サービスを利用したり、アンケート装置101から送信されるアンケートに回答したりする。
【0030】
(アンケート装置の機能構成)
【0031】
図2は、アンケート装置101の機能構成を示す説明図である。アンケート装置101は、受付部110と、設問部120と、算定部130と、データベース(DB)140と、取得部150と、決定部160と、更新部170と、を備える。
【0032】
受付部110は、1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける。
【0033】
設問部120は、ユーザに1以上の設問を提示する。
【0034】
算定部130は、ユーザにより1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、申込から回答までの経過時間を算定する。
【0035】
DB140は、後述する統計情報テーブルT1、確率-報酬変換テーブルT2を格納する。
【0036】
取得部150は、アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する。他の経過時間に係る統計情報は、DB140が格納する統計情報テーブルT1に記録される。想定ユーザとは仮想のユーザのことであり、事業者又は運用者が統計情報テーブルT1に想定ユーザの経過時間を予め格納しておく。
【0037】
決定部160は、取得部150によって取得された統計情報による基準値と、算定部130によって算定された経過時間と、の偏差に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定する。基準値とは、例えば他の経過時間の平均値である。基準値は、中央値等他の基準値であってもよい。
【0038】
更新部170は、決定部160によって報酬が決定されたユーザについて、算定部130によって算定された経過時間に基づいて、統計情報を更新する。
【0039】
(アンケート装置と端末装置とのやりとり)
図3は、アンケート装置101と端末装置102とのやりとりの様子を示すセッション図である。以下、図3を参照して、アンケート装置101と端末装置102とのやりとりの概略を説明する。
【0040】
まず、ユーザが図5の例に示すような端末装置102に表示されるアンケート参加申込画面300の参加申込ボタン310を選択すると、端末装置102は、参加申込通知をアンケート装置101に送信する(701)。アンケート装置101は、端末装置102から参加申込通知を受信すると、図6の例に示す設問画面400を端末装置102に送信し(702)、計時を開始する(703)。
【0041】
続いて、端末装置102において設問画面400が表示され、ユーザが回答欄410に回答を入力し(704)、回答送信ボタン420を選択すると(705)、端末装置102は、アンケート装置101に回答通知を送信する(706)。以下、アンケートに含まれる設問の数だけ(702)から(706)を繰り返す。
【0042】
そして、最後の設問について、アンケート装置101が設問画面400を送信し(707)、ユーザが回答欄410に回答を入力し、回答送信ボタン420を選択し、端末装置102が回答通知を送信すると(710)、アンケート装置101は計時を終了する(711)。
【0043】
その後、アンケート装置101は、計時した時間に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定し(712)、図8の例に示す報酬付与画面500を端末装置102に送信する(713)。
【0044】
端末装置102において報酬付与画面500が表示され、ユーザが確認ボタン510を選択すると(714)、端末装置102はアンケート装置101に確認通知を送信する(715)。アンケート装置101は、確認通知を受信すると、報酬を付与するための処理を実行する(716)。
【0045】
(アンケート処理)
図4は、第1実施形態において、アンケート装置101にて実行されるアンケート処理の流れを説明するフローチャートである。アンケート装置101は、アンケート処理において、ユーザがアンケートに回答した回答時間を計時し、計時した回答時間に応じたポイントを付与する。以下、図4を参照して説明する。
【0046】
アンケート処理は、アンケート装置101の電源がONになるとスタートする。アンケート処理がスタートすると、受付部110は、まず、ユーザからアンケートへの参加申込があったか否かを判定する(ステップS210)。端末装置102において、ユーザが、インターネット販売サイトやメールマガジンに掲載されたアンケートへの参加に招待するためのURL(Uniform Resource Locator)やリンクが紐付けられたボタンをタップすると、図5の例に示すアンケート参加申込画面300が表示される。アンケート参加申込画面300には、参加申込ボタン310が表示されている。ユーザにより参加申込ボタン310が選択されると、端末装置102は、アンケート装置101に、ユーザが参加申込をしたことを示す参加申込通知を送信する。アンケート装置101は、端末装置102から参加申込通知を受信すると、ユーザからアンケートへの参加申込があったと判定する。なお、アンケート参加申込画面300では、回答時間に応じたポイントが付与されることと、適正な回答時間で多くのポイントを獲得できることが明示されていてもよい。
【0047】
受付部110は、アンケートへの参加申込があったと判定するまで待機状態となる(ステップS210でNo)。受付部110がアンケートへの参加申込があったと判定すると(ステップS210でYes)、設問部120は、図6の例に示す設問画面400をユーザに提示する(ステップS220)。具体的には、設問部120は、端末装置102に図6の例に示す設問画面400を送信し、端末装置102が受信した設問画面400を表示することで、ユーザに提示する。
【0048】
設問画面400には、設問文と、回答欄410と、回答送信ボタン420と、が表示されている。回答欄410は、ユーザが設問文に対する回答を入力する欄である。回答送信ボタン420は、ユーザが回答を完了した際に選択するボタンである。ユーザが回答欄410に回答を入力し、回答送信ボタン420を選択すると、端末装置102は、回答欄410に入力された回答を指定した回答通知をアンケート装置101に送信する。また、アンケートに複数の設問がある場合には、設問部120は、回答通知を受信すると、次の設問の設問画面400を端末装置102に送信し、表示させる。設問部120は、この動作を最後の設問まで繰り返す。なお、図6の例に示す設問画面400は1例であり、複数の選択肢から1又は複数の選択肢を選択させる形式のアンケートでもよいし、1ページに複数の設問が掲載されていてもよい。
【0049】
図4に戻り、設問部120がユーザに設問画面400を提示すると、算定部130は、計時を開始する(ステップS230)。算定部130は、計時開始時間をDB140に格納されている統計情報テーブルT1に書き込む。
【0050】
図7は、統計情報テーブルT1を示す説明図である。統計情報テーブルT1には、アンケートに参加する各ユーザについて、参加者ID、実施日、開始時間、終了時間、経過時間、偏差、確率、報酬等の情報が格納される。参加者IDは、アンケートに参加するユーザを識別するための情報である。実施日は、アンケートを実施した日である。開始時間、終了時間は、それぞれ算定部130が計時を開始した開始時間と、計時を終了した終了時間である。経過時間は、終了時間と開始時間の差分である。偏差は、経過時間と、想定ユーザ又は参加済ユーザに係る他の経過時間の基準値との偏差である。ここでは、基準値は他の経過時間の平均値とする。確率は、他の経過時間の統計情報からランダムに取り出した経過時間と基準値との差が、今回の経過時間と基準値との偏差以上になる確率であるが、詳しくは後述する。報酬は、決定部160により確率に基づいて算定されるが、詳しくは後述する。
【0051】
図4に戻り、その後、算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したか否かを判定する(ステップS240)。ユーザが最後の設問画面400の回答送信ボタン420を選択して、端末装置102がアンケート装置101に回答通知を送信し、アンケート装置101が回答通知を受信すると、算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定する(ステップS240でYes)。算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定するまでは待機状態となる(ステップS240でNo)。
【0052】
算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定すると(ステップS240でYes)、計時を終了する(ステップS250)。算定部130は、計時を終了すると、回答の終了時間を統計情報テーブルT1に書き込む。
【0053】
その後処理は、ユーザに付与する報酬を決定する報酬決定処理(ステップS260)に進む。報酬決定処理については、後述する。
【0054】
報酬決定処理によりユーザに付与する報酬が決定されると、アンケート装置101は、ユーザに報酬を付与する(ステップS270)。このとき、アンケート装置101は、ユーザに報酬を付与するための不図示の処理を実行し、端末装置102に図8の例に示す報酬付与画面500を送信して表示させるようにしてもよい。報酬付与画面500には、ユーザが今回のアンケートで獲得したポイントと、ポイントを確認したことを示すための確認ボタン510が表示されている。アンケート装置101は、ユーザが確認ボタン510を選択すると端末装置102から送信される確認通知を受信した後に、ユーザに報酬を付与するための処理を実行してもよい。その後、処理は終了する。
【0055】
続いて、ユーザに付与する報酬を決定する報酬決定処理を説明する。図9は、報酬決定処理の流れを説明するフローチャートである。報酬決定処理がスタートすると、算定部130は、図7に示す統計情報テーブルT1に書き込んだ開始時間と終了時間とから、ユーザがアンケートを回答するのに要した経過時間を算定する(ステップS261)。具体的には、算定部130は、開始時間と終了時間との差分をとることによって経過時間を算定する。そして、算定部130は、算定した経過時間を統計情報テーブルに書き込む。
【0056】
その後、取得部150は、DB140から他の経過時間に係る統計情報を取得する(ステップS262)。具体的には、取得部150は、DB140に記録されている情報のうち、今回の参加者以外の参加者の統計情報から、経過時間の基準値として、平均値を算出して取得する。ここで、アンケートの開始直後等で参加済ユーザに関する統計情報が溜まっていない場合、平均値を算出しても母集団を代表する数値とはならないため、事業者又は運営者は、予め想定ユーザの統計情報をいくつか、ある程度ランダムに生成して、統計情報テーブルにセットしておく。
【0057】
続いて、決定部160は、取得部150が取得した平均値と、算定部130が算定した経過時間との偏差を算出する(ステップS263)。
【0058】
そして、決定部160は、算出した偏差に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定する(ステップS264)。このとき、決定部160は、取得部150により取得された統計情報に基づくモンテカルロ法により、経過時間と基準値である平均値との差が、今回の経過時間と平均値との偏差以上になる確率を求め、求めた確率に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定する。
【0059】
ここで、図10を参照しながら、N人の経過時間について、所定の範囲の経過時間ごとに人数を計上したヒストグラムについて考える。図10の例では、N人中N/2位の経過時間、即ち中央値を基準値として考える。本実施形態では、基準値から離れている程、ユーザが獲得する報酬が減少する。ここで、「基準値から離れている」とは、今回の経過時間が第何位(p位)になるかを調べて、p-N/2の値がN/2、|p-N/2|/Nが0に近ければ「普通」、|p-N/2|/Nが1/2に近ければ「異常」とみなす。
【0060】
一般的に、経過時間は正規分布もしくはポアソン分布に従うと考えられる。本実施形態では、経過時間が正規分布に従う場合を例に考える。以下では、基準値を平均値として考える。
【0061】
経過時間と基準値との差が、今回の経過時間と平均値との偏差以上になる確率は、以下のように求める。例えば、図11(a)に示すように、平均値である基準値Eが5分30秒で、今回の経過時間Tiも5分30秒だった場合、今回の経過時間Tiと基準値Eとの偏差は0秒である。したがって、経過時間の分布からモンテカルロ法によりランダムに取り出した経過時間tと基準値Eとの差が今回の偏差以上になる確率P(|t-E|>|Ti-E|)は100%となる。これは、また、例えば、図11(b)に示すように、基準値Eが5分30秒で、今回の経過時間Tiが6分30秒だった場合、今回の経過時間Tiと基準値Eトの偏差は60秒である。標準偏差が30秒である場合で考えると、経過時間の分布からモンテカルロ法によりランダムに取り出した経過時間tと基準値Eとの差が今回の偏差以上になる確率P(|t-E|>|Ti-E|)は約4.56%となる。なお、確率P(|t-E|>|Ti-E|)は、図中の網掛け部分に相当する。
【0062】
決定部160は、経過時間tと基準値Eとの差が、今回の経過時間と平均値との偏差以上になる確率を求めると、図12に示す確率-報酬変換テーブルT2を参照して、ユーザに付与する報酬を決定する。確率-報酬変換テーブルT2には、確率と、付与すべき報酬とが紐付けて登録されている。例えば、図11(a)の例のように、求めた確率が100%であれば、決定部160は、ユーザに200ポイントを付与することを決定し、図11(b)の例のように、求めた確率が4.56%であれば、50ポイントを付与することを決定する。
【0063】
その後、更新部170は、報酬が決定されたユーザについての統計情報を更新する(ステップS265)。更新部170は、報酬が決定されたユーザについて、算出した経過時間、偏差、確率、報酬を統計情報テーブルT1に書き込むことで統計情報を更新する。そして、報酬決定処理は終了し、ステップは、図4に示すステップS270に進む。
【0064】
以上のように第1実施形態によれば、回答時間が短すぎても長すぎても得られる報酬が減少する。即ち平均的な回答時間から離れれば離れる程報酬が減少し、平均的な回答時間に近い程多くの報酬を得られる。これにより、ユーザに適当な緊張感を与え、不真面目に取り組むことを防止し、事業者にとって有益な調査を行うことが可能となる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。実施形態1と同等の構成及び処理には同一の符号を付す。第1実施形態では、アンケートに含まれる1以上の設問の全てを回答した回答時間に基づいて報酬を決定したが、第2実施形態では、アンケートの含まれる複数の設問の設問毎に報酬を決定し、各設問で得た報酬の和をユーザに付与する。
【0066】
第2実施形態では、算定部130は、1以上の設問の各設問ごとに、または各設問について、回答に要した回答時間を算定する。取得部150は、想定ユーザもしくは他の参加済みユーザの回答時間に係る回答統計情報をDB140から取得する。回答統計情報は、DB140に格納されている統計情報テーブルT1に記録される。第2実施形態においては、統計情報テーブルT1は、各設問ごとに用意される。そして、決定部160は、各設問に対する回答統計情報と、算定部130により算定された回答時間と、に基づいて、設問に回答したことに対する回答報酬を決定する。
【0067】
(アンケート処理)
図13は、第2実施形態において、アンケート装置101にて実行されるアンケート処理の流れを説明するフローチャートである。以下、図13を参照して説明する。ここでは、アンケートには、n個の設問が含まれているとする。nは2以上の整数である。
【0068】
アンケート処理がスタートすると、受付部110は、まず、ユーザからアンケートへの参加申込があったか否かを判定する(ステップS210)。受付部110は、アンケートへの参加申込があったと判定するまで待機状態となる(ステップS210でNo)。受付部110がアンケートへの参加申込があったと判定すると(ステップS210でYes)、受付部110は、設問番号iにi=1をセットする(ステップS215)。
【0069】
続いて、設問部120は、第1設問について、図6の例に示す設問画面400をユーザに提示する(ステップS221)。そして、算定部130は、計時を開始し(ステップS231)、ユーザがアンケートの回答を完了したか否かを判定する(ステップS241)。ユーザが第i設問の設問画面400の回答送信ボタン420を選択して、端末装置102がアンケート装置101に回答通知を送信し、アンケート装置101が回答通知を受信すると、算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定する(ステップS241でYes)。算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定するまでは待機状態となる(ステップS241でNo)。
【0070】
算定部130は、ユーザがアンケートの回答を完了したと判定すると(ステップS241でYes)、計時を終了する(ステップS251)。その後処理は、ユーザに付与する報酬を決定する報酬決定処理(ステップS260)に進む。報酬決定処理の流れは第1実施形態と同様である。
【0071】
報酬決定処理によりユーザに付与する報酬が決定されると、設問部120は、得られた報酬をユーザに通知する(ステップS271)。即ち、設問部120は、ユーザが1以上の設問の各設問を回答するごとに、その設問で得られた回答報酬、あるいは、これまでに得られた回答報酬の和をユーザに知らせる。具体的には、アンケート装置101は、図14の例に示す報酬通知画面600を端末装置102に送信し表示させることによって、得られた報酬をユーザに通知する。図14は、第5設問に関する報酬通知画面600である。報酬通知画面600には、第5設問で得られたポイントと、第5設問までに得られた合計ポイントが表示されているが、どちらか一方が表示されるようにしてもよい。また、報酬通知画面600には、ユーザが獲得したポイントを確認したことを示すための確認ボタン610が表示されている。
【0072】
ユーザが確認ボタン610を選択すると、端末装置102からアンケート装置101に確認通知が送信される。受付部110は、端末装置102から確認通知を受信すると、i=nか否かと判定する(ステップS272)。受付部110は、iがnでない、即ち、全ての設問への回答が完了していないと判定すると(ステップS272でNo)、iをインクリメントする(ステップS273)。そして、次の設問について、処理がステップS221に進む。
【0073】
一方で、受付部110は、iがnである、即ち、全ての設問への回答が完了したと判定すると(ステップS272でYes)、アンケート装置101は、ユーザに報酬を付与する(ステップS274)。その後、処理は終了する。
【0074】
以上のように第2実施形態によれば、設問ごとに報酬を決定し、設問ごとにユーザに決定した報酬を通知する。これにより、ユーザは、設問の途中で現状の報酬を知ることができるため、アンケートを回答するモチベーションを維持することができ、ひいては事業者にとって有益な調査を行うことが可能となる。
【0075】
(変形例1)
上述した実施形態では、経過時間の分布からモンテカルロ法によりランダムに取り出した経過時間tと基準値Eとの差が今回の偏差以上になる確率P(|t-E|>|Ti-E|)に基づいて報酬を決定したが、より単純に、今回の経過時間Tiの偏差値を算出するようにしてもよい。即ち、決定部160は、今回の経過時間Tiと基準値Eとの偏差の、取得部150により取得された統計情報における偏差値を求め、求めた偏差値に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定してもよい。この場合、図15の例に示す偏差値-報酬変換テーブルT3をDB140に格納しておく。偏差値-報酬変換テーブルT3には、偏差値と、報酬とが対応付けて登録されており、偏差値が平均的である程高いポイントが、平均から離れる程低いポイントが対応付けられている。
【0076】
決定部160は、今回の経過時間Tiと基準値Eとの偏差の、取得部150により取得された統計情報における偏差値を求め、偏差値-報酬変換テーブルT3を参照し、求めた偏差値に対応付けられている報酬をユーザに付与する報酬として決定する。
【0077】
(変形例2)
また、上述した実施形態では、経過時間の分布からモンテカルロ法によりランダムに取り出した経過時間tと基準値Eとの差が今回の偏差以上になる確率P(|t-E|>|Ti-E|)に基づいて、報酬を決定したが、このとき、今回の経過時間Tiと基準値Eとの大小関係を考慮していなかった。決定部160は、経過時間Tiと基準値Eの大小関係を考慮して、確率を求めるようにしてもよい。即ち、例えば、図16の例に示すように、今回の経過時間Tiが基準値Eよりも大きい場合、図中の網掛け部分である確率P(t-E>Ti-E)を求め、求めた確率Pに応じた報酬を決定するようにしてもよい。標準偏差を60秒とすると、網掛け部分は訳2.28%と計算される。
【0078】
反対に、今回の経過時間Tiが基準値Eよりも小さい場合は、確率P(t-E<Ti-E)を求め、求めた確率Pに応じた報酬を決定する。
【0079】
(変形例3)
上述した第2実施形態では、ユーザが設問に回答した後に、ユーザがその設問(第i設問)で得られた報酬を提示する(ステップS271)構成であったが、設問画面400にi-1番目の設問で得られた報酬あるいはi-1番目までの設問で得られた報酬の合計を提示するようにしてもよい。この場合、ステップS221において、設問部120は、図17の例に示す設問画面401をユーザに提示する。
【0080】
設問画面401は、第5設問の選択式のアンケートである設問画面401の例である。設問画面401では、報酬通知領域605と、設問文と、選択肢411と、回答送信ボタン420とが表示されている。報酬通知領域605は、設問文の上方に表示されており、第4設問で得られたポイントと、第4設問までに得られた合計ポイントとが表示されているが、どちらか一方が表示されるようにしてもよい。選択肢411は、設問文に対する回答を複数用意したもので、いずれか一つ又は複数を選択できるようになっている。設問画面401では、1つ前の設問で得られた報酬等がユーザに確認しやすい態様で表示されているため、ユーザがアンケートに回答するモチベーションを維持しやすいという効果がある。
【0081】
(付記)
(付記1)
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部と、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部と、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定する算定部と、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部と、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部と、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部と、
を備えることを特徴とするアンケート装置。
【0082】
(付記2)
前記算定部は、前記1以上の設問の各設問ごとに、または各設問について、回答に要した回答時間をさらに算定し、
前記取得部は、想定ユーザもしくは他の参加済ユーザの回答時間に係る回答統計情報をさらに取得し、
前記決定部は、当該各設問に対する回答統計情報と、前記算定された回答時間と、に基づいて、当該各設問に回答したことに対する回答報酬をさらに決定する、
ことを特徴とする付記1に記載のアンケート装置。
【0083】
(付記3)
前記設問部は、さらに、前記1以上の設問の各設問を回答するごとに、その設問で得られた回答報酬、あるいは、これまでに得られた回答報酬の和をユーザに知らせる、
ことを特徴とする付記2に記載のアンケート装置。
【0084】
(付記4)
前記基準値は、平均値である、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載のアンケート装置。
【0085】
(付記5)
前記決定部は、さらに、
前記取得された統計情報に基づくモンテカルロ法により、経過時間と前記基準値との差が、今回の経過時間と前記基準値との偏差以上になる確率を求め、
当該求めた確率に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載のアンケート装置。
【0086】
(付記6)
前記決定部は、さらに、
今回の経過時間と前記基準値との偏差の、前記取得された統計情報における偏差値を求め、
当該求めた偏差値に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のアンケート装置。
【0087】
(付記7)
コンピュータが、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付け、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示し、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定し、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得し、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定し、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する、
ことを特徴とするアンケート方法。
【0088】
(付記8)
コンピュータに、
1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部、
前記ユーザに前記1以上の設問を提示する設問部、
前記ユーザにより前記1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、
前記申込から前記回答までの経過時間を算定する算定部、
前記アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、前記アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部、
前記取得された統計情報による基準値と、前記算定された経過時間と、の偏差に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定する決定部、
前記報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、前記統計情報を更新する更新部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【0089】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、ユーザに、適切な回答時間でアンケートに回答した場合に多くの報酬を付与することにより、適切にアンケートに回答することを促すアンケート装置、アンケート方法、およびプログラムに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0091】
101 アンケート装置
102 端末装置
103 コンピュータ通信網
110 受付部
120 設問部
130 算定部
140 データベース(DB)
150 取得部
160 決定部
170 更新部
300 アンケート参加申込画面
310 参加申込ボタン
400、401 設問画面
410 回答欄
411 選択肢
420 回答送信ボタン
500 報酬付与画面
510、610 確認ボタン
600 報酬通知画面
605 報酬通知領域
T1 統計情報テーブル
T2 確率-報酬テーブル
【要約】
【課題】ユーザに、適切な回答時間でアンケートに回答した場合に多くの報酬を付与することにより、適切にアンケートに回答することを促す。
【解決手段】アンケート装置101は、1以上の設問からなるアンケートに参加しようとするユーザから申込を受け付ける受付部110と、ユーザに1以上の設問を提示する設問部120と、ユーザにより1以上の設問に対するすべての回答が完了すると、申込から回答までの経過時間を算定する算定部130と、アンケートに参加すると想定された想定ユーザ、もしくは、アンケートに参加した他の参加済ユーザについて算定された他の経過時間に係る統計情報を取得する取得部150と、取得された統計情報による基準値と、算定された経過時間と、の偏差に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定する決定部160と、報酬が決定されたユーザについて算定された経過時間に基づいて、統計情報を更新する更新部170と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17