(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】音発生ロボット付き景品ゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20241204BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F9/00 513
(21)【出願番号】P 2023217498
(22)【出願日】2023-12-24
【審査請求日】2024-01-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年12月25日~令和5年11月30日にかけて、以下の販売先に販売。 株式会社サードプラネット神奈川県横浜市都筑区中川中央1-25-1 ノースポート・モール6F サープラ横浜あそびタウン 京都府京都市中京区西ノ京栂尾町107番地 BiVi二条内2階 サープラ京都あそびタウン 鹿児島県鹿児島市与次郎1-11-1 サープラ鹿児島あそびタウン 熊本県熊本市中央区安政町1番26号 サードプラネット 下通り新館 静岡県富士市永田町2-94 サープラ富士あそびタウン 埼玉県八潮市大瀬一丁目1-3フレスポ八潮3F サープラ八潮あそびタウン 福岡県糟屋郡新宮町美咲3丁目1-40 サープラ新宮あそびタウン 熊本県荒尾市市原万田700番1 サープラ荒尾あそびタウン 静岡県浜松市東区宮竹町322番地の1 サープラOZ浜松あそびタウン 山口県山口市湯田温泉6丁目8番3号 サープラ山口あそびタウン 宮崎県都城市上川東4丁目5997番4 サープラ都城あそびタウン
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520313242
【氏名又は名称】スタンバイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517349854
【氏名又は名称】バイバイワールド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147393
【氏名又は名称】堀江 一基
(72)【発明者】
【氏名】竹内 幹人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 征資
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第7164915(JP,B1)
【文献】特開2023-053130(JP,A)
【文献】世界初!拍手ロボットがクレーンゲームを全力で応援,Instagram [online] [video],2022年07月22日,URL: <https://www.instagram.com/bye_bye_world8181/reel/CgTCvo7jV43/?hl=ja>,[令和6年3月25日検索日]
【文献】クリスマス仕様でビッグクラッピーとクレーンゲームがコラボしてます #サードプラネット二条,facebook [online] [video],2022年11月19日,URL: <https://www.facebook.com/byebyeworld/videos/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E4%BB%95%E6%A7%98%E3%81%A7%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC 以下備考,%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%8C%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BE%E3%81%99%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E4%BA%8C%E6%9D%A1/823002358909558/> [令和6年3月29日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/30、11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーによる開始動作を検出する開始動作検出部と、景品を排出する景品排出部と、を有するゲーム機本体と、
前記ゲーム機本体に隣接して設けられ、近くに人がいることを検出する人感センサと、音を生じる発音部とを有する音発生ロボットと、を有し、
前記ゲーム機本体は、前記開始動作検出部が前記開始動作を検出した旨の第1の信号を前記音発生ロボットに伝達する信号伝達部を有し、
前記音発生ロボットは、
前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がない場合に、前記発音部が第1の音を生じるか、または、前記発音部が音を生じない第1の動作を行い、
前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がある場合に、前記発音部が第1の音とは異なる第2の音を生じる第2の動作を行い、
前記第1の信号が入力された場合に、前記発音部が前記第1の音および前記第2の音とは異なる第3の音を生じる第3の動作を行い
、
前記景品排出部は、前記景品の排出を検出する排出検出部を有し、
前記信号伝達部は、前記排出検出部が前記景品の排出を検出したことを示す第2の信号と、前記景品排出部が前記景品の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号と、を前記音発生ロボットに伝達し、
前記音発生ロボットは、
前記第3の信号が入力してから所定時間以内に前記第2の信号が入力された場合、前記発音部が第4の音を生じる第4の動作を行い、
前
記第3の信号が入力してから前記所定時間以内に前記第2の信号が入力されない場合、前記発音部が前記第4の音とは異なる第5の音を生じる第5の動作を行い、
前記景品排出部は、前記プレイヤーの操作に応じて前記景品を景品取り出し口へ通過させる通過孔が形成された回転盤を有し、
前記第3の信号は、前記回転盤の回転動作に関連する信号であり、
前記第5の動作における前記第5の音は、前記プレイヤーに対して管理者への連絡を促す音声である音発生ロボット付き景品ゲーム機。
【請求項2】
前記人感センサは、ドップラーセンサーであることを特徴とする請求項1に記載の音発生ロボット付き景品ゲーム機。
【請求項3】
前記音発生ロボットの前記発音部は、スピーカーから音声を生じる音声部と、手を模した一対の板材を往復開閉運動させて一対の前記板材による衝突音を生じさせる拍手部と、を有する請求項1に記載の音発生ロボット付き景品ゲーム機。
【請求項4】
前記音発生ロボットを複数有し、
複数の前記音発生ロボットのうち一方は、前記ゲーム機本体の右隣りに設けられ、複数の前記音発生ロボットのうち他方は、前記ゲーム機本体の左隣りに設けられ、
前記ゲーム機本体の正面側には、一方の前記音発生ロボットの前記人感センサのみが検出する第1領域と、他方の前記音発生ロボットの前記人感センサのみが検出する第2領域と、両方の前記音発生ロボットの前記人感センサが検出する第3領域とが形成される請求項1に記載の音発生ロボット付き景品ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機本体に連動して音を発生するロボットが付いた音発生ロボット付き景品ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレーンゲーム装置やカプセル排出装置などのゲーム機は、設置場所であるゲームセンターなどに訪れた人の興味を引くために、様々な電気的な動作を行うものが提案されている。たとえば、LEDなどの発光部を備え、プレイ状況などに応じた複数のパターンで発光部が点灯するものなどが提案されている(特許文献1等参照)。
【0003】
一方、音を発生するロボットの一種として、単にスピーカーから音声を発生するだけでなく、手を模した板を往復運動させて衝突音を発生させる拍手装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7269267号公報
【文献】特許第7164915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、効果的に顧客の意識を引きつけるとともに、プレイ体験の価値を高めることができる音発生ロボット付き景品ゲーム機に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機は、
プレイヤーによる開始動作を検出する開始動作検出部と、景品を排出する景品排出部と、を有するゲーム機本体と、
前記ゲーム機本体に隣接して設けられ、近くに人がいることを検出する人感センサと、音を生じる発音部とを有する音発生ロボットと、を有し、
前記ゲーム機本体は、前記開始動作検出部が前記開始動作を検出した旨の第1の信号を前記音発生ロボットに伝達する信号伝達部を有し、
前記音発生ロボットは、
前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がない場合に、前記発音部が第1の音を生じるか、または、前記発音部が音を生じない第1の動作を行い、
前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がある場合に、前記発音部が第1の音とは異なる第2の音を生じる第2の動作を行い、
前記第1の信号が入力された場合に、前記発音部が前記第1の音および前記第2の音とは異なる第3の音を生じる第3の動作を行う。
【0007】
本発明に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機は、信号伝達部によりゲーム機本体と音発生ロボットが連動する。また、人感センサと発音部を有する音発生ロボットは、人感センサや信号伝達部からの信号により、人が近づいたかどうか、プレイを開始したかどうかを判断して、状況に応じた動作を臨機応変に行うことができる。したがって、このような音発生ロボット付き景品ゲーム機は、効果的に顧客の意識を引き付けるとともに、顧客のプレイ体験の価値を高めることができる。また、人感センサを有する音発生ロボットがゲーム機本体と連動することにより、聴覚を介して顧客に効果的に印象を与えることができる。
【0008】
また、たとえば、前記景品排出部は、前記景品の排出を検出する排出検出部を有してもよく、
前記信号伝達部は、前記排出検出部が前記景品の排出を検出したことを示す第2の信号と、前記景品排出部が前記景品の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号と、を前記音発生ロボットに伝達してもよく、
前記音発生ロボットは、
前記第3の信号が入力してから所定時間以内に前記第2の信号が入力された場合、前記発音部が第4の音を生じる第4の動作を行ってもよく、
前記第3の信号が入力してから前記所定時間以内に前記第2の信号が入力されない場合、前記発音部が前記第4の音とは異なる第5の音を生じる第5の動作を行ってもよい。
【0009】
信号伝達部を介してゲーム機本体と音発生ロボットが連動するこのような音発生ロボット付き景品ゲーム機は、景品排出が行われたか否かによって音発生ロボットが臨機応変に動作を行うことにより、顧客のプレイ体験の価値を高めることができる。また、音発生ロボット付き景品ゲーム機は、たとえば聴覚を介して言語情報を顧客に伝えることで、多彩な表現を行うことができる。
【0010】
また、たとえば、前記景品排出部は、前記プレイヤーの操作に応じて前記景品を取得したり取得しなかったりするクレーン部を有してもよく、
前記第3の信号は、前記クレーン部の動作に関連する信号であってもよい。
【0011】
このような音発生ロボット付き景品ゲーム機は、景品獲得の成功・不成功が生じるクレーンゲーム機におけるプレイにおいて、景品獲得の成功・不成功に対応して、聴覚を介する言語情報を用いたインパクトのある情報を、プレイヤーに伝えることができる。
【0012】
また、たとえば、前記景品排出部は、前記プレイヤーの操作に応じて前記景品を景品取り出し口へ通過させる通過孔が形成された回転盤を有してもよく、
前記第3の信号は、前記回転盤の回転動作に関連する信号であり、
前記第5の動作における前記第5の音は、前記プレイヤーに対して管理者への連絡を促す音声であってもよい。
【0013】
このような音発生ロボット付き景品ゲーム機は、景品の排出されないことが動作エラーであるゲーム機において、聴覚を介する言語情報を用いた適切な情報を、プレイヤーに伝えることができる。
【0014】
また、たとえば、前記人感センサは、ドップラーセンサーであってもよい。
【0015】
人感センサとしては、動きのある人を検出できるものであればどのようなセンサでもよいが、ドップラーセンサーであることにより、光学的な情報を用いずプライバシーに配慮した検出を、比較的安価に行うことができる。
【0016】
また、たとえば、前記音発生ロボットの前記発音部は、スピーカーから音声を生じる音声部と、手を模した一対の板材を往復開閉運動させて一対の前記板材による衝突音を生じさせる拍手部と、を有してもよい。
【0017】
このような音発生ロボットは、音声部により言語情報やメロディーなどを伝えつつ、拍手部により人が拍手しているかのような演出を行うことができるので、これを適切なタイミングで連動させる景品ゲーム機は、質の高いプレイ体験をプレイヤーに提供できる。
【0018】
また、たとえば、前記音発生ロボットを複数有し、
複数の前記音発生ロボットのうち一方は、前記ゲーム機本体の右隣りに設けられ、複数の前記音発生ロボットのうち他方は、前記ゲーム機本体の左隣りに設けられ、
前記ゲーム機本体の正面側には、一方の前記音発生ロボットの前記人感センサのみが検出する第1領域と、他方の前記音発生ロボットの前記人感センサのみが検出する第2領域と、両方の前記音発生ロボットの前記人感センサが検出する第3領域とが形成されてもよい。
【0019】
このような音発生ロボット付き景品ゲーム機は、複数の音発生ロボットが連動することにより、顧客の立ち位置などに応じて、全体として多彩なバリエーションの動作を行うことができ、プレイヤーの体験価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機の外観図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す音発生ロボット付き景品ゲーム機の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す音発生ロボット付き景品ゲーム機における、音発生ロボットの動作制御の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1に示す音発生ロボット付き景品ゲーム機における音発生ロボットの具体的動作を示す表である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機の外観図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す音発生ロボット付き景品ゲーム機の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す音発生ロボット付き景品ゲーム機における音発生ロボットの具体的動作を示す表である。
【
図8】
図8は、本発明の変形例に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機10(以下、単に「景品ゲーム機10」ともいう。)の外観図である。
図1に示す景品ゲーム機10は、景品90を排出する景品排出部30(
図2参照)を有するゲーム機本体20と、音を生じる発音部60を有しておりゲーム機本体20と連動する音発生ロボット50とを有する。
【0022】
ゲーム機本体20としては、たとえば、クレーンゲーム機(
図1、
図7参照)などのいわゆるプライズゲーム機や、カプセル入り景品を抽選して提供する抽選型自動販売機(
図5)などが挙げられるが、景品を排出するものであれば特に限定されない。また、音発生ロボット50としては、たとえば、目や口を有しており顔を有する人型または動物型ものや、空想上のまたは創作されたキャラクターを模したものが挙げられるが、音を生じる発音部60を有しておりゲーム機本体20と連動するものであれば、外見はどのようなものであってもよい。
【0023】
図2は、
図1に示す景品ゲーム機10の機能ブロック図である。
図2に示すように、ゲーム機本体20は、開始動作検出部22と、景品排出部30と、信号伝達部40と、本体制御部26等を有する。開始動作検出部22は、景品ゲーム機10に対するプレイヤーのプレイ開始動作を検出する。
【0024】
図1に示す景品ゲーム機10では、プレイヤーは、ゲーム機本体20に備えられるコイン投入口(不図示)にコインを投入することによりプレイを開始する。したがって、ゲーム機本体20の開始動作検出部22は、コイン投入口に投入されたコインの種類や枚数を検出するコイン投入検出部などを有し、プレイに必要なコインがコイン投入口に投入されたことを検出することにより、プレイヤーのプレイの開始動作を検出する。
【0025】
図2に示すように、ゲーム機本体20では、開始動作検出部22がプレイヤーによる開始動作、すなわちプレイに必要なコインの投入を開始動作検出部22が検出すると、開始動作検出部22が第1の信号sig1を出力する。開始動作検出部22が開始動作を検出した旨の第1の信号sig1は、ゲーム機本体20の各部を制御するゲーム本体制御部26や、後述する信号伝達部40に伝えられる。
【0026】
本体制御部26は、開始動作検出部22から第1の信号sig1が伝えられると、ゲーム機本体20の景品排出部30を制御し、プレイヤーに対してプレイ開始を知らせるとともに、
図1に示す操作部24がプレイヤーの操作入力を受け付ける。これにより、プレイヤーは、操作部24を介して、景品排出部30のクレーン部34を操作することができるようになる。
【0027】
図2に示す景品排出部30は、クレーン動作出力部36や、排出検出部32や、
図1に示すクレーン部34等を有する。クレーン部34は、
図1に示すゲーム機本体20のプレイフィールド内に設置される景品90を移動させることができる。
図1に示すように、クレーン部34は景品90を把持するアーム35を有する。クレーン部34は、操作部24を介するプレイヤーの操作に応じて、景品90を取得したり取得しなかったりする。すなわち、
図1に示すゲーム機本体20によるプレイでは、プレイヤーは、景品90を獲得できる場合と、景品90を獲得できない場合とがあり、ゲーム機本体20によるプレイにより、必ず景品90が獲得できるとは限らない。
【0028】
景品排出部30のクレーン動作出力部36は、景品排出部30が景品90の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号sig3を出力する。クレーン動作出力部36が出力した第3の信号sig3は、本体制御部26や、信号伝達部40等に伝えられる。クレーンゲーム装置である
図1に示すゲーム機本体20において、第3の信号sig3は、プレイ中におけるクレーン部34の動作に関連する信号とすることができる。たとえば、クレーン動作出力部36が出力する第3の信号sig3としては、クレーン部34のアーム35が開いたことを示すアーム駆動部の電圧変化を示す信号や、クレーン部34のプレイフィールドにおける位置やアーム35の開き具合を示す信号などが挙げられる。
【0029】
景品排出部30の排出検出部32は、景品排出部30による景品90の排出を検出する。排出検出部32は、たとえばクレーン部34の動作によりプレイヤーが獲得した景品90が、プレイフィールドから景品取り出し口37(
図1参照)へ移動する経路に設けられるセンサ等で構成される。排出検出部32は、本体制御部26や信号伝達部40等に対して、景品排出部30が景品90の排出を検出したことを示す第2の信号sig2を出力する。
【0030】
上述したように、景品ゲーム機10では、ゲーム機本体20に対するプレイヤーのプレイにより、景品90が排出される場合と景品90が排出されない場合とがある。しかし、ゲーム機本体20の本体制御部26や、後述する音発生ロボット50のロボット制御部54は、排出検出部32が出力する信号により、プレイヤーのプレイにより景品90が排出されたか否かを識別することができる。
【0031】
図2に示すように、ゲーム機本体20は、ゲーム機本体20の制御信号をロボット制御部54に対して伝達する信号伝達部40を有する。信号伝達部40は、開始動作検出部22が開始動作を検出した旨の第1の信号sig1や、排出検出部32が景品90の排出を検出したことを示す第2の信号sig2や、景品排出部30が景品90の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号sig3などを、音発生ロボット50のロボット制御部54に伝える。
【0032】
信号伝達部40は、信号の伝達を中継する電子回路等が実装された基板などで構成される。開始動作検出部22、クレーン動作出力部36および排出検出部32で出力される第1~第3の信号sig1~sig3は、直接または本体制御部26等を介して間接的に、信号伝達部40に伝えられる。また、信号伝達部40による音発生ロボット50への第1~第3の信号sig1~sig3の伝達は、有線による伝達であってもよく、無線通信であってもよい。
【0033】
図1に示す音発生ロボット50は、
図2に示すように、人感センサ52、ロボット制御部54、発音部60および記憶部56等を有する。音発生ロボット50は、ゲーム機本体20に対して有線通信または無線通信可能に接続されており、音発生ロボット50のロボット制御部54には、ゲーム機本体20の信号伝達部40から、ゲーム機本体20に関する情報が伝えられる。ロボット制御部54は、ゲーム機本体20から伝えられる情報を用いて発音部60等を動作させることにより、ゲーム機本体20と連動した動作を、音発生ロボット50の発音部60等に行わせることができる。
【0034】
音発生ロボット50の人感センサ52は、人感センサ52を有する音発生ロボット50の近くに人がいることを検出する。
図1に示すように、音発生ロボット50は、ゲーム機本体20に隣接して設けられており、ゲーム機本体20の正面に人がいる場合は、これを人感センサ52が検出して、ロボット制御部54に伝える。
【0035】
人感センサ52としては、ドップラーセンサーや、赤外線センサーや、画像解析センサーなどが挙げられるが、音発生ロボット50の周辺に人がいることを検出できるものであれば、どのようなものであってもよい。ただし、人感センサ52としては、反射波のドップラー効果から周辺に動く物体(人)が存在することを検出するドップラーセンサーを用いることが、景品ゲーム機10に関心のある人の存在を、プライバシーに配慮しながら検出できるため好ましい。
【0036】
図1に示す音発生ロボット50は、音を生じる発音部60を有するため、発音部60により音を生じることにより、人の聴覚を介して情報を伝えることができる。
図2に示すように、音発生ロボット50の発音部60は、スピーカーから音声を生じる音声部62と、手を模した一対の板材67を往復運動させて板材67による衝突音を生じさせる拍手部66とを有する。
【0037】
音声部62は、ロボット制御部54の制御によって、音発生ロボット50の記憶部56が記憶する音声データ等を再生し、「ありがとうございまーす!」、「おめでとうございま~す!」、「ざんね~ん!」などの言葉や、メロディーなどの音を発生させる(
図4参照)。また、拍手部66は、ロボット制御部54の制御により、一定のリズムで衝突音を発生させたり(拍手、手拍子)、特定のリズムで衝突音を発生させたり(3・3・7拍子、三本締め)することができる。
【0038】
図1に示すように、拍手部66は、手を模した一対の板材67を往復運動させて音を発生させるため、拍手部66による音の発生は、これを見た人に対して、音発生ロボット50が拍手をしているかのような印象を与えることができる。また、
図1に示す音発生ロボット50の口は、音声部62が言葉を再生するタイミングに合わせて開閉動作することができ、これを見た人に対して、音発生ロボット50がしゃべっているかのような印象を与えることができる。
【0039】
図2に示すロボット制御部54は、信号伝達部40を介してゲーム機本体20から伝えられる信号や、音発生ロボット50が有する人感センサ52からの信号を用いて、音発生ロボット50の発音部60等を動作させる。ロボット制御部54は、たとえば、ICやマイクロプロセッサ等の演算部等で構成される。
【0040】
図3は、
図1に示す景品ゲーム機10において、ロボット制御部54等が実施する音発生ロボット50の制御の一例を表すフローチャートである。
図1に示す景品ゲーム機10では、ゲーム機本体20の景品排出部30、開始動作検出部22および本体制御部26と、信号伝達部40と、音発生ロボット50の電源をONにすることにより、ゲーム機本体20と音発生ロボット50との連携した動作が開始(ステップS001)する。
【0041】
なお、景品ゲーム機10は、ゲーム機本体20の電源のみを投入し、信号伝達部40および音発生ロボット50の電源を投入しない状態とすることにより、音発生ロボット50が動作を停止した状態で、ゲーム機本体20によるクレーンゲーム装置として動作させることも可能である。また、景品ゲーム機10では、信号伝達部40の電源を投入せず、ゲーム機本体20と音発生ロボット50とが連動しない状態で、ゲーム機本体20と音発生ロボット50とを独立して動作させることも可能である。
【0042】
図3(a)に示すように、ゲーム機本体20と音発生ロボット50との連動が開始(ステップS001)すると、音発生ロボット50のロボット制御部54は、ゲーム機本体20から第1の信号sig1が入力されていないか否かを検出する(ステップS002)。ここで、第1の信号sig1は、ゲーム機本体20の開始動作検出部22が開始動作を検出したことを示す信号であるため、第1の信号sig1が入力されていない場合、ロボット制御部54は、ゲーム機本体20でプレイを開始している人がいないと判断できる。
【0043】
ステップS002において第1の信号sig1が入力されていない場合、ロボット制御部54は、
図3(a)のステップS003へ進み、人感センサ52による検出があるか無いかを判断する。ここで、人感センサ52は、景品ゲーム機10の近く(特にゲーム機本体20の正面側)に人がいることを検出するものであるため、人感センサ52による検出がない場合、ロボット制御部54は、景品ゲーム機10の近くに人がいないと判断できる。
【0044】
ステップS003において人感センサ52による検出がない場合、すなわち、第1の信号sig1が入力されず(ステップS002でNO)、人感センサ52による検出がない(ステップS003でNO)場合に、ロボット制御部54は、音発生ロボット50に第1の動作D1を行わせる(ステップS005)。第1の動作D1では、音発生ロボット50の発音部60が第1の音S1(
図4参照)を生じるか、または、音発生ロボット50の発音部60が音を生じない。
【0045】
図4は、音発生ロボット50において、
図3に示す第1~第5の動作D1~D5に対応して生じる第1~第5の音S1~S5の内容の一例を示す表である。
図4に示すように、ステップS005の第1の動作D1で生じる第1の音S1は、音声部62による「暇だな~」との言葉であり、拍手部66は音を発しない。ここで、ステップS005の第1の動作D1は、ゲーム機本体20でプレイを開始している人がおらず、景品ゲーム機10の近くに人がいない状態を想定して行われる。したがって、第1の動作D1では、音発生ロボット50が音を生じない状態として、電力の消費を抑えたり、また、周辺のゲーム機等の演出を妨げる問題を防止したりすることができる。また、第1の動作D1では、後述する第2の動作D2における第2の音S2(
図2参照)とは対照的な消極的な言葉等による第1の音S1を生じることにより、音発生ロボット50に対する親近感を、設置スペースの来場者に対して感じてもらうことができる。
【0046】
一方、
図3に示すステップS003において人感センサ52による検出がある場合、すなわち、第1の信号sig1が入力されず(ステップS002でNO)、人感センサ52による検出がある(ステップS003でYES)場合に、ロボット制御部54は、音発生ロボット50に第2の動作D2を行わせる(ステップS004)。第2の動作D2では、音発生ロボット50の発音部60が、第1の音S1とは異なる第2の音S2を生じる。
【0047】
図4に示すように、ステップS004の第2の動作D2で生じる第2の音S2は、音声部62による「そこのあなた、よってらっしゃい!」との言葉や「爆取れ、爆取れ、よーい、よーい」との掛け声や、拍手部66による手拍子などである。音声部62と拍手部66による音の発生は、同時または交互に行われてもよく、いずれか一方のみが行われてもよい。
【0048】
ここで、ステップS004の第2の動作D2は、ゲーム機本体20でプレイを開始している人はいないが、景品ゲーム機10の近くに人がいる状態を想定して行われる。したがって、第2の動作D2では、景品ゲーム機10のプレイに対して、景品ゲーム機10の近くに人が興味・関心を抱くような言葉等を含む第2の音S2を、発音部60が生じる。また、人感センサ52による検出がない場合の第1の動作D1と、人感センサ52による検出がある場合の第2の動作D2とを異ならせることにより、景品ゲーム機10に対して近づいてきた人の注意を、より効果的に景品ゲーム機10に向かわせることができる。
【0049】
図3(a)に示すように、ロボット制御部54による制御では、ステップS004の第2の動作D2やステップS005の第1の動作D1をスタートさせた後、ステップS002へ戻る。以降、ステップS002において第1の信号sig1の入力が検出されるまで、第1の動作D1(ステップS005)と第2の動作D2(ステップS004)とが選択的に繰り返される。
【0050】
一方、ステップS002において第1の信号sig1の入力が検出されると、ロボット制御部54は、
図3(a)のステップS003へ進み、音発生ロボット50に第3の動作D3を行わせる(ステップS006)。第3の動作D3では、音発生ロボット50の発音部60が、第1の音S1および第2の音S2とは異なる第3の音S3を生じる。
【0051】
図4に示すように、ステップS006の第3の動作D3で生じる第3の音S3は、音声部62による「ありがとうございま~す!」との言葉や「がんばれ!がんばれ!」との掛け声や、拍手部66による3・3・7拍子などである。音声部62と拍手部66による音の発生は、同時または交互に行われてもよく、いずれか一方のみが行われてもよい。
【0052】
ここで、ステップS006の第3の動作D3は、ゲーム機本体20でのプレイが開始された直後であることを想定して行われる。したがって、第3の動作D3では、景品ゲーム機10でのプレイを開始したプレイヤーに対して、プレイ結果に対する期待を高めるような言葉等を含む第3の音S3を、発音部60が生じる。また、第3の動作D3では、景品ゲーム機10でのプレイを開始したプレイヤーに対して、当該景品ゲーム機10でのプレイを選択してくれたことに対する感謝の言葉等を含む第3の音S3を、発音部60が生じてもよい。
【0053】
ロボット制御部54は、第3の動作D3を開始した後、一定時間の間、後述する第3の信号sig3(
図3(b))の入力を待つ。仮に、第3の動作D3を開始した後一定時間の間、第3の信号sig3の入力が検出されなかった場合、ロボット制御部54は、ステップS002の処理に戻ることができる。
【0054】
図3(a)に示すように、音発生ロボット50は、信号伝達部40を介して入力される第1の信号sig1を用いてゲーム機本体20と連動し、ゲーム機本体20でのプレイが開始されるまでの間は効果的に設置スペースの来場者の注意を引くとともに、ゲーム機本体20でのプレイが開始されると、そのプレイヤーに向けた言葉を含む音等を発することで、顧客のプレイ体験の価値を高めることができる。また、景品ゲーム機10は、人感センサ52を有する音発生ロボット50が、ゲーム機本体20と連動することにより、聴覚を介して顧客に効果的に良い印象を与えることができる。
【0055】
図3(b)は、
図3(a)に示す第3の動作D3を開始し、ゲーム機本体20においてクレーン部34の操作を含むプレイが行われている間における音発生ロボット50の制御の一例を表すフローチャートである。
図3(b)におけるステップS101では、景品排出部30がプレイフィールド内の景品90の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号sig3が、信号伝達部40を介してロボット制御部54に入力する。たとえば、クレーン部34のアーム35が開いたことを示すアーム駆動部の電圧変化を示す信号を、第3の信号sig3とすることができる。
【0056】
図3(b)に示すように、音発生ロボット50のロボット制御部54は、ステップS101において第3の信号sig3が入力するとタイマーを作動させる。そしてロボット制御部54は、第3の信号sig3が入力してから所定時間以内に第2の信号sig2が入力するか(ステップS102)、あるいは、第3の信号sig3が入力してから第2の信号sig2が入力することなく所定時間が経過するか(ステップS103)を判断する。
【0057】
第3の信号sig3が入力してから所定時間以内に第2の信号sig2が入力した場合(ステップS102でYES)、ロボット制御部54はステップS104へ進み、音発生ロボット50対して、第4の動作D4を行わせる(ステップS104)。第4の動作D4では、音発生ロボット50の発音部60が、第1~第3の音S1~S3とは異なる第4の音S4(
図4参照)を生じる。
【0058】
図4に示すように、ステップS104の第4の動作D4で生じる第4の音S4は、音声部62による「おめでとうございま~す!」との言葉や「景品ゲットを祝して、お手を拝借!」との掛け声や、拍手部66による三本締めなどである。音声部62と拍手部66による音の発生は、同時または交互に行われてもよく、いずれか一方のみが行われてもよい。
【0059】
ここで、第2の信号sig2は、ゲーム機本体20において排出検出部32が景品90を検出したことを示すものであるから、第4の動作D4は、ゲーム機本体20において、プレイヤーが景品90の獲得に成功したことを想定して行われる。したがって、第4の動作D4では、プレイヤーを祝福したり、プレイヤーを賞賛したりする言葉等を含む第4の音を、発音部60が生じる。また、拍手部66は、賞賛や祝福、感謝等を表す拍手や手拍子を行うことが好ましい。
【0060】
一方、
図3(b)に示すように、第3の信号sig3が入力してから所定時間以内に第2の信号sig2が入力されない場合(ステップS103でYES)、ロボット制御部54はステップS105へ進み、音発生ロボット50対して、第5の動作D5を行わせる(ステップS105)。第5の動作D5では、音発生ロボット50の発音部60が、第1~第4の音S1~S4とは異なる第5の音S5(
図4参照)を生じる。
【0061】
図4に示すように、ステップS105の第5の動作D5で生じる第5の音S5は、音声部62による「ざんねーん!」「またチャレンジしてくださいね~!」との言葉などである。また、第5の動作D5では、発音部60における拍手部66は動作しない。
【0062】
ここで、第2の信号sig2が入力しないことは、直前のプレイによるクレーン部34の動作により、景品90が排出されなかったことを示すものであるから、第5の動作D5は、ゲーム機本体20において、プレイヤーが景品90の獲得に失敗したことを想定して行われる。したがって、第5の動作D5では、プレイヤーを労ったり、慰めたりする言葉等を含む第5の音を、発音部60が生じる。
【0063】
図3(b)に示すように、ロボット制御部54による制御では、ステップS104の第4の動作D4やステップS105の第5の動作D5をスタートさせた後、
図3(a)に示す連動スタート(ステップS001)後の状態へ戻る(ステップS106)。なお、同プレイヤーにより複数回のプレイが行われる場合は、
図3(b)に示す第3の信号入力を待つ状態(ステップS101)へ移動する。
【0064】
このように、信号伝達部40を介してゲーム機本体20と音発生ロボット50が連動する景品ゲーム機10は、景品排出が行われたか否かによって音発生ロボット50が臨機応変に動作を行うことにより、顧客のプレイ体験の価値を高めることができる。また景品ゲーム機10は、たとえば聴覚を介して言語情報を顧客に伝えるとともに、拍手部66のような特徴的な動きと音を伴う音発生ロボット50の動作により、多彩な表現を行うことができる。
【0065】
第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る音発生ロボット付き景品ゲーム機110の外観図である。
図5に示す景品ゲーム機110は、ゲーム機本体120がカプセル入り景品190を抽選して提供する抽選型自動販売機である点と、ゲーム機本体120に連動する音発生ロボット150a、150bを複数有する点で、
図1に示す景品ゲーム機10とは異なるが、その他の点では、
図1に示す景品ゲーム機10と同様である。景品ゲーム機110の説明は、景品ゲーム機10との相違点を中心に行い、景品ゲーム機10との共通点については、説明を省略する。
【0066】
図1に示すように、景品ゲーム機110は、カプセル入り景品190を排出する景品排出部130(
図6参照)を有するゲーム機本体120と、音を生じる発音部60を有しており、ゲーム機本体120と連動する複数の音発生ロボット150a、150bとを有する。
【0067】
図6は、
図5に示す景品ゲーム機110の機能ブロック図である。
図6に示すように、ゲーム機本体120は、開始動作検出部22と、景品排出部130と、信号伝達部40と、本体制御部126等を有する。開始動作検出部22は、
図2に示す景品ゲーム機10の開始動作検出部22と同様に、景品ゲーム機110に対するプレイヤーのプレイ開始動作を検出する。また、開始動作検出部22がプレイヤーによるコインの投入等の開始動作を検出すると、開始動作検出部22が第1の信号sig1を出力する。
【0068】
本体制御部126は、開始動作検出部22から第1の信号sig1が伝えられると、ゲーム機本体120の景品排出部130を制御し、プレイヤーに対してプレイ開始を知らせるとともに、
図5に示す操作部124がプレイヤーの操作入力を受け付ける。これにより、プレイヤーは、操作部124を介して景品の排出を行うことができるようになる。
【0069】
図6に示す景品排出部130は、
図5に示す回転盤134や、
図6に示す回転盤動作検知部136および排出検出部32等を有する。
図5に示すように抽選型自動販売機である景品ゲーム機110の景品排出部130は、プレイヤーの操作に応じて景品190を景品取り出し口37へ通過させる通過孔135が形成された回転盤134を有する。
【0070】
景品ゲーム機110では、開始動作が行われた後、プレイヤーが
図5に示す操作部124を回転させることにより、景品排出部130の回転盤134が所定角度回転する。回転盤134の回転に伴い、回転盤134に形成される通過孔135も回転し、フィールド内の景品190の一つが通過孔135を通過して景品取り出し口37へ移動する。
【0071】
景品排出部130の回転盤動作検知部136は、景品排出部130が景品190の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号sig3を出力する。回転盤動作検知部136が出力した第3の信号sig3は、本体制御部126や、信号伝達部40等に伝えられる。抽選型自動販売機である
図5に示すゲーム機本体20において、第3の信号sig3は、たとえばプレイ中における回転盤134の動作に関連する信号とすることができる。たとえば、回転盤動作検知部136が出力する第3の信号sig3としては、回転盤134を回転させる駆動部の電圧変化を示す信号や、回転盤134または操作部124が所定角度回転したことを示す信号などが挙げられる。
【0072】
景品排出部130の排出検出部32は、
図2に示す景品排出部30の排出検出部32と同様に、景品排出部130による景品190の排出を検出する。排出検出部30は、たとえば、回転盤134の通過孔135や、通過孔135を通過した景品190が景品取り出し口37へ移動する経路に設けられるセンサで構成される。排出検出部32は、本体制御部126や信号伝達部40等に対して、景品排出部130が景品190の排出を検出したことを示す第2の信号sig2を出力する。
【0073】
景品ゲーム機110では、
図1に示す景品ゲーム機10とは異なり、ゲーム機本体120に対するプレイヤーのプレイにより、必ず景品190が排出される仕様となっている。ゲーム機本体120の本体制御部126や、音発生ロボット150a、150bのロボット制御部54は、ゲーム機本体120の排出検出部32が出力する第2の信号sig2により、プレイヤーのプレイによってゲーム機本体120の仕様どおりに、景品190が排出されたか否かを確認することができる。
【0074】
図6に示すように、ゲーム機本体120は、ゲーム機本体120の制御信号を音発生ロボット150a、150bのロボット制御部54に対して伝達する信号伝達部40を有する。信号伝達部40は、
図2に示すゲーム機本体20の信号伝達部40と同様に、開始動作検出部22が開始動作を検出した旨の第1の信号sig1や、排出検出部32が景品90の排出を検出したことを示す第2の信号sig2や、景品排出部130が景品190の排出プロセスにおける所定の動作を行ったことを示す第3の信号sig3などを、音発生ロボット150a、150bのロボット制御部54に伝える。
【0075】
図6に示すように、景品ゲーム機10は、2つの音発生ロボット150a、150bを有しており、いずれも信号伝達部40を介してゲーム機本体120から信号を受け取ることができ、ゲーム機本体120と連動して動作することができる。音発生ロボット150a、150bは、それぞれ人感センサ52、ロボット制御部54、発音部60および記憶部56等を有しており、ゲーム機本体120に対する配置等を除き、
図2に示す音発生ロボット50と同様である。
【0076】
図5に示すように、複数の音発生ロボット150a、150bのうち一方は、ゲーム機本体120の右隣りに設けられており(音発生ロボット150a)、複数の音発生ロボット150a、150bのうち他方は、ゲーム機本体120の左隣に設けられている(音発生ロボット150b)。音発生ロボット150a、150bを左右に配置する景品ゲーム機110では、ゲーム機本体120の正面側には、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3が形成される。
【0077】
図5に示す第1領域R1は、一方の音発生ロボット150aの人感センサ52のみが検出をし、第2領域R2は、他方の音発生ロボット150bの人感センサ52のみが検出をし、第3領域R3は、両方の音発生ロボット150a、150bの人感センサ52が検出する。
図5に示すように、第3領域R3は、ゲーム機本体120の真正面付近に、第1領域R1および第2領域R2は、第3領域R3の左右に形成される。
【0078】
図5および
図6に示す景品ゲーム機110の音発生ロボット150a、150bが有するロボット制御部54も、
図1および
図2に示す景品ゲーム機10の音発生ロボット50のロボット制御部54と同様に、信号伝達部40を介してゲーム機本体120から伝えられる信号や、音発生ロボット150a、150bが有する人感センサ52からの信号を用いて、音発生ロボット50の発音部60等を動作させる。
【0079】
音発生ロボット150a、150bのロボット制御部54も、
図2に示す音発生ロボット50のロボット制御部54と同様に、
図3のフローチャートに示されるような制御を行うことができる。すなわち、
図3(a)に示すように、音発生ロボット150a、150bは、第1の信号sig1が入力されるか否か(ステップS002)および人感センサ52による検出があるか否か(ステップS003)に応じて、第1~第3の音S1~S3(
図7参照)を生じる第1~第3の動作D1~D3を行うことができる。
【0080】
図7は、音発生ロボット150a、150bの音声部62および拍手部66が、
図3に示す第1~第5の動作D1~D5において生じる第1~第5の音S1~S5の一例を表す表である。
図4と
図7との比較から理解できるように、音発生ロボット50、150a、150bの発音部60が生じる第1~第5の音S1~S5は、ゲーム機本体20、120の種類(クレーンゲーム装置、抽選型自動販売機など)、難易度、排出する景品90、190などに応じて変更可能である。
【0081】
また、音発生ロボット150a、150bが生じる第1~第5の音S1~S5は、一方の音発生ロボット150aと他方の音発生ロボット150bとで異なっていてもよい。このような景品ゲーム機110では、
図5に示す第1~第3領域R1~R3の形成と組み合わせることにより、顧客の立ち位置などに応じて多彩なバリエーションの動作を行うことができる。
【0082】
また、
図3(b)に示すように、音発生ロボット150a、150bは、第3の信号sig3が入力してから所定時間以内に第2の信号sig2が入力されたか否かに応じて、第4または第5の音S4、S5(
図7参照)を生じる第4および第5の動作D4、D5を行うことができる。なお、景品ゲーム機110において、第2の信号sig2の入力は、ゲーム機本体120において排出検出部32が正常に景品190を排出したことを示すものである一方で、第2の信号sig2が入力しないことは、たとえば仕様どおりに景品排出部30が景品190を排出しない等、景品ゲーム機110に異常が生じたことを示すものである。
【0083】
したがって、
図7に示すように、第5の動作D5で、音発生ロボット150a、150bが生じる第5の音S5は、「カプセルが出ない時は、店員さんにお声がけください」のように、プレイヤーに対して景品ゲーム機110の管理者への連絡を促す音声とすることができる。このような景品ゲーム機110は、ゲーム機本体120に動作エラーが発生している可能性があることと、その場合における適切な対応について、聴覚を介する言語情報を用いて、プレイヤーに適切な情報を伝えることができる。
【0084】
その他、第2実施形態に係る景品ゲーム機110は、第1実施形態に係る景品ゲーム機10との共通点については、景品ゲーム機10と同様の効果を奏する。
【0085】
以上のように、本発明に係る景品ゲーム機10、110について実施形態を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施形態のみには限定されず、他の多くの実施形態や変形例を有することは言うまでもない。たとえば、景品ゲーム機が有する音発生ロボットは、ゲーム機本体の左右に並べて、床面に設置されてもよいが、音発生ロボットは床面に設置するもののみには限定されない。
【0086】
図8は、本発明の変形例に係る景品ゲーム機210を示す外観図である。
図8に示す景品ゲーム機210のように、音発生ロボット250はゲーム機本体220の上に設置されていてもよい。また、
図8に示す景品ゲーム機210が有する音発生ロボット250のように、音発生ロボット250は、一対の板材67による衝突音を生じさせる拍手部66を複数有していてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10、110、210…景品ゲーム機
20、120、220…ゲーム機本体
22…開始動作検出部
24、124…操作部
26、126…本体制御部
30、130…景品排出部
32…排出検出部
34…クレーン部
134…回転盤
35…アーム
135…通過孔
36…クレーン動作出力部
136…回転盤動作検知部
37…景品取り出し口
40…信号伝達部
sig1…第1の信号
sig2…第2の信号
sig3…第3の信号
50、150a、150b、250…音発生ロボット
52…人感センサ
54…ロボット制御部
56…記憶部
60…発音部
62…音声部
66…拍手部
67…板材
D1…第1の動作
S1…第1の音
D2…第2の動作
S2…第2の音
D3…第3の動作
S3…第3の音
D4…第4の動作
S4…第4の音
D5…第5の動作
S5…第5の音
90、190…景品
【要約】
【課題】効果的に顧客の意識を引きつけるとともに、プレイ体験の価値を高める。
【解決手段】開始動作を検出する開始動作検出部と、景品を排出する景品排出部と、を有するゲーム機本体と、前記ゲーム機本体に隣接して設けられ、人感センサと、音を生じる発音部を有する音発生ロボットと、を有し、前記ゲーム機本体は、前記開始動作を検出した旨の第1の信号を前記音発生ロボットに伝達する信号伝達部を有し、前記音発生ロボットは、前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がない場合に、前記発音部が第1の音を生じるか前記発音部が音を生じない第1の動作を行い、前記第1の信号が入力されず、前記人感センサによる検出がある場合に、前記発音部が第2の音を生じる第2の動作を行い、前記第1の信号が入力された場合に、前記発音部が第3の音を生じる第3の動作を行う音発生ロボット付き景品ゲーム機。
【選択図】
図1