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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20241204BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241204BHJP
   F21V 15/015 20060101ALI20241204BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241204BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20241204BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20241204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241204BHJP
【FI】
F21V19/00 211
F21V19/00 450
F21S2/00 230
F21V15/015
F21V23/00 160
F21V23/06
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023500796
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005310
(87)【国際公開番号】W WO2022176768
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2024-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2021022446
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 富志雄
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 徳晃
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-258474(JP,A)
【文献】特開2020-004574(JP,A)
【文献】特開2016-058266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21V 15/015
F21V 23/00
F21V 23/06
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が実装された基板と、
第1開口部を有し、前記基板を内部に保持する樹脂製のカバーと、
前記第1開口部を閉塞する閉塞部材と、
前記閉塞部材を前記カバーに取り付けるネジと、を備え、
前記カバーは、前記ネジが挿入される第2開口部を含んだ、前記ネジを保持する第1保持部を有し、
前記閉塞部材は、前記第1保持部を、少なくとも第2開口部の周りの外周で保持する第2保持部を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第2保持部は、前記ネジが前記第1保持部内に挿入される範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記閉塞部材は、前記ネジを挿通させるネジ挿通孔を有しており、
前記第2保持部は、前記ネジ挿通孔から連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2保持部は、前記基板における前記発光素子が実装された実装面の反対側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記発光素子に電力を供給する配線を更に備え、
前記発光素子は、前記基板の実装面に実装され、
前記閉塞部材は、内面に前記基板の端部に当接する突起を有し、
前記配線は、前記基板の実装面に一端が接続され、前記閉塞部材の内面と前記基板の端部との間に前記突起によって形成される隙間を通して前記基板の前記実装面と反対側に導かれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記カバーは、管状に形成され、
前記閉塞部材は、外部から電力を供給する給電線を前記基板の前記実装面の反対側に導入する給電口と、前記給電口を閉じる蓋部と、を有し、
前記蓋部は、前記給電口を閉じた状態で、閉塞部材における前記カバーの長手方向に交差する外面とは異なる側に導出する導出路を有していることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてLED(発光ダイオード)を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室内照明装置において、蛍光灯に比べて省電力化及び長寿命化を図ることができるLEDを光源として用いることが主流になっている。また、室内照明装置だけでなく、看板、ショーケース等においても、蛍光灯に代わってLEDが光源として普及してきている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の照明装置は、照明装置の長手方向に伸びた筒状のカバーを備えており、カバーは、拡散性を有する材質からなる。カバーの内側には、長手方向に伸びたLED基板が配設されており、LED基板には、複数のLEDが長手方向に並ぶように実装されている。
【0004】
カバーの内側には、ヒートシンクが配設されており、ヒートシンクは、LED基板を保持した状態で、複数のLEDの熱を放熱する。ヒートシンクは、アルミニウム等の金属からなり、ヒートシンクの短手方向(照明装置の短手方向)の両端部には、ネジを締めるための断面C字状のビスホールが長手方向に向かってそれぞれ形成されている。カバーの長手方向の両端部には、サイド板がそれぞれ設けられており、各サイド板における各ビスホールに整合する位置には、ネジを挿通する開口部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国公開特許公報「特開2019-96384号公報」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、LEDの発光効率の向上に伴い、LED自体の発熱をある程度抑えられるようになってきている。このため、照明装置の構成を簡素化する観点から、ヒートシンクを省いた照明装置も市場に出始めている。
【0007】
ところで、ヒートシンクを省いた上記の照明装置において、カバーを樹脂で形成する場合、断面C字状のビスホールをカバーの内側面に形成する必要がある。そのため、ビスホールの剛性が不足し、ビスホールにネジを締める際に、ビスホールの開口部分が広がって、ビスホールの穴径が拡大する。その結果、ビスホールが締め付け不能になったり、破壊したりして、サイド板の取り付け不良が生じて、照明装置の製造不良を招くおそれがある。
【0008】
このような不都合を回避するため、通常、ヒートシンクを省いた照明装置においては、断面C字状のビスホールに代えて、カバーの長手方向の両端部にビスを締めるためのビス用のねじ穴を後加工によってそれぞれ形成している。この方式を採用することによって、照明装置の製造不良の発生を防止できる。しかしながら、照明装置の製造工程にネジ用のネジ穴の後加工が加わるために、照明装置の製造時間が長くなって、照明装置の生産性が低下する。つまり、ヒートシンクを省いて簡素化された照明装置の製造時間を更に短くして、照明装置の生産性を高めることは困難であるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の一態様は、簡素かつ生産性の高い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、発光素子が実装された基板と、第1開口部を有し、前記基板を内部に保持する樹脂製のカバーと、前記第1開口部を閉塞する閉塞部材と、前記閉塞部材を前記カバーに取り付けるネジと、を備え、前記カバーは、前記ネジが挿入される第2開口部を含んだ、前記ネジを保持する第1保持部を有し、前記閉塞部材は、前記第1保持部を、少なくとも第2開口部の周りの外周で保持する第2保持部を有している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、簡素かつ生産性の高い照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の斜視図である。
図2】上記照明装置の左端部側の分解斜視図である。
図3】上記照明装置の左端部側の縦断面図である。
図4】上記照明装置の右端部側の縦断面図である。
図5図1のV-V線矢視拡大断面図である。
図6】上記照明装置における左側のサイドキャップの拡大斜視図である。
図7図4におけるVII-VII線に沿った斜視断面図である。
図8】上記照明装置の給電線と接続される前の状態を示す斜視図である。
図9】上記照明装置の給電線が接続された状態を示す斜視図である。
図10】上記照明装置の給電線が曲げられるように蓋部が閉じられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
〔照明装置10の全体構成〕
図1から図7を参照して、照明装置10の全体構成について説明する。図1は、照明装置10の斜視図である。図2は、照明装置10の左端部側の分解斜視図である。図3は、照明装置10の左端部側の縦断面図である。図4は、照明装置10の右端部側の縦断面図である。図5は、図1のV-V線矢視断面図である。図6は、左側のサイドキャップの拡大斜視図である。図7は、図4におけるVII-VII線に沿った斜視断面図である。図8は、上記照明装置10の給電線34と接続される前の状態を示す斜視図である。
図1から図4に示すように、本実施形態に係る照明装置10は、透光カバー14(カバー)と、ビス18(ネジ)と、LED基板22(基板)と、サイドキャップ24(閉塞部材)とを備える。照明装置10は、長管状を成している。
【0015】
ここで、本実施形態において、長手方向とは、照明装置10の長手方向、換言すれば、透光カバー14又はLED基板22の長手方向のことをいう。短手方向とは、照明装置10の短手方向、換言すれば、透光カバー14又はLED基板22の短手方向のことをいう。本実施形態において、長手方向は、左右方向と同義である。図面において、「D1」は長手方向、「D2」は短手方向、「L」は左方向、「R」は右方向をそれぞれ指している。
【0016】
照明装置10は、光源として、昼光色又は昼白色の光を発光する複数のLED(発光ダイオード)12を備え、例えば、室内照明装置、看板、ショーケース等に用いられる。照明装置10は、長手方向(左右方向)に延びた管状の透光カバー14を備えている。
【0017】
透光カバー14は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等、透光性を有する樹脂からなる。透光カバー14は、透光性を有する樹脂の押出成形によって製作される。透光カバー14は、透光カバー14の長手方向の両端部側にそれぞれ開口する開口部14a(第1開口部)を有している。透光カバー14は、その内部にLED基板22を保持している。なお、本実施態様では、透光カバー14の断面形状は、三角形に近似する形状であるが、透光カバー14が管状であれば、透光カバー14の断面形状は円形、矩形等であってもよい。
【0018】
図2に示すように、透光カバー14の内側面には、断面横U字状の一対の基板保持部16が長手方向に沿って形成されており、一対の基板保持部16は、短手方向に離隔している。透光カバー14の内側面には、ビス18を締めるための断面C字状の2つのビスホール部20(第1保持部)が長手方向に沿って形成されている。各ビスホール部20は、ビス18が挿入され、透光カバー14の開口部14aに開口する開口部20a(第2開口部)を有している。なお、本実施形態では、ビスホール部20の数は2つであるが、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0019】
透光カバー14の内側には、長手方向に延びた長方形を成すLED基板22が配設されている。LED基板22は、透光カバー14の全体の長さよりも若干短い長さを有している。LED基板22の短手方向に離隔して配置された各端部は、透光カバー14の各基板保持部16に挟まれるように保持されている。LED基板22は、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなる。図3及び図4に示すように、LED基板22の実装面22aには、前述の複数のLED12(発光素子)が長手方向に沿って実装されている。複数のLED12は、不図示の配線パターンによって電気的に接続されている。各ビスホール部20は、実装面22aの反対側に設けられている。複数のLED12から発された光がビスホール部20によって遮光されない。
【0020】
透光カバー14の長手方向の両端部には、サイドキャップ24(24A,24B)がそれぞれ設けられている。サイドキャップ24は、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の樹脂からなる。サイドキャップ24の周縁部には、透光カバー14の外周面に沿って延びる延設部26が形成されている。サイドキャップ24における各ビスホール部20に整合する位置には、ビス18が挿通されるネジ挿通孔28が形成されている。
【0021】
サイドキャップ24は、このように構成されることにより、透光カバー14の端部に嵌合し、開口部14aを閉塞する。本実施形態では、サイドキャップ24が樹脂からなるが、アルミニウム等の金属からなってもよい。サイドキャップ24の雌ねじ部28の数は、ビスホール部20の同数の2つであるが、ビスホール部20の数の変更に応じて変更してもよい。
【0022】
図2及び図5に示すように、サイドキャップ24の内面24fには、断面C字状の2つの保持壁30(第2保持部)がネジ挿通孔28に連続してそれぞれ形成されている。このような構造により、保持壁30の強度を高めることができる。保持壁30は、ビスホール部20の開口部20aの広がりを抑えるように、ビスホール部20を、少なくとも開口部20aの周りの外周で保持する。図3に示すように、保持壁30は、ビス18がビスホール部20に挿入される範囲に設けられている。
【0023】
なお、本実施形態では、保持壁30の断面がC字状に形成されているが、保持壁30は、ビスホール部20の開口部20aの広がりを抑えるようにビスホール部20を保持できれば、保持壁30の断面がC字状以外の形状であってもよい。ビスホール部20の断面において、ビスホール部20の外形の一部が円形であり、保持壁30の内側がビスホール部20に対応する円形であってもよい。サイドキャップ24の保持壁30の数は、ビスホール部20と同数の2つであるが、ビスホール部20の数の変更に応じて変更してもよい。
【0024】
図3図4、及び図7に示すように、一方(右側)のサイドキャップ24Aの内面24fには、突起32が形成されている。突起32は、LED基板22の長手方向の一端(右端、端部)に当接する。他方(左側)のサイドキャップ24Bの内面24fは、LED基板22の長手方向の他端(左端、端部)に当接する。
【0025】
図4及び図8に示すように、一方のサイドキャップ24Aには、給電口38が設けられている。給電口38は、外部から電力を供給する給電線34の一端に取り付けられた雄コネクタ36及び給電線34の一部を、透光カバー14の内側、より詳しくはLED基板22の実装面22aと反対側に導入するための空間として形成されている。給電口38には、雄コネクタ36と結合することにより、給電線34と電気的に接続される雌コネクタ50が設けられている。給電線34の他端は、交流電源(不図示)に電気的に接続されている。
【0026】
一方のサイドキャップ24Aには、給電口38を開閉するための蓋部40が設けられている。蓋部40は、ヒンジ機構を介してサイドキャップ24Aに対して開閉方向(開方向と閉方向)へ揺動可能に構成されている。蓋部40は、開閉方向の揺動動作によって給電口38を開閉する。蓋部40は、給電口38を閉じた状態で、サイドキャップ24Aにおける透光カバー14の長手方向に交差する外面24sとは異なる側、図4では、LED基板22の実装面22aと反対側に導出する導出路40aを有している。蓋部40には、サイドキャップ24Aに設けられた被係止部42に係止可能な係止片44が形成されている。蓋部40は、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の樹脂からなる。なお、蓋部40に代えて、サイドキャップ24Aに着脱可能な他の蓋部(不図示)、例えば、サイドキャップ24Aと別体に設けられた蓋部を用いてもよい。
【0027】
透光カバー14内におけるLED基板22の実装面22aと反対側の面には、雌コネクタ50よりも奥側に電源基板46が配設されている。電源基板46は、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなる。電源基板46には、図示はしないが、雌コネクタ50と電気的に接続される端子台と、複数のLED12に電力を供給する電源ユニットが実装されている。端子台は、雌コネクタ50と電源ユニットとの電気的な接続を中継するために設けられている。電源ユニットは、給電線34を介して供給される交流電力を直流電力に変換すると共に、所定値の直流電圧を複数のLED12への駆動電圧として出力する。
【0028】
図4及び図7に示すように、照明装置10は、複数のLED12に電力を供給する2本の配線52を備えている。配線52の一端は、LED基板22の突起32と当接する端部の付近で実装面22aに接続されている。また、サイドキャップ24Aの内面24fには、前述の突起32が形成されている。また、サイドキャップ24Aの内面24fとLED基板22の長手方向の一端との間には、所定の隙間54が形成されている。配線52は、隙間54を通して、LED基板22の実装面22aと反対側に導かれている。このため、サイドキャップ24Aの内面24fに対する突起32の長手方向の突出量は、配線52の太さより隙間54の幅が広くなるように設定されている。
【0029】
〔照明装置と給電線との接続〕
図8から10を参照して、本実施形態に係る照明装置10と給電線34との接続について説明する。図9は、照明装置10の給電線34が接続された状態を示す斜視図である。図10は、照明装置10の給電線34が曲げられるように蓋部40が閉じられた状態を示す斜視図である。
【0030】
先ず、図8に示すように、蓋部40を開方向へ揺動させて給電口38を開く。この状態で、図9に示すように、雄コネクタ36を給電口38から透光カバー14の内側に挿入して、雌コネクタ50に接続する。
【0031】
続いて、図9に示すように、給電線34における雄コネクタ36の付近を、LED基板22の実装面22a(図4参照)の反対側に折り曲げる。そして、図10に示すように、蓋部40を閉方向へ揺動させて、蓋部40によって給電口38を閉じると共に、蓋部40の導出路40aと給電口38との間に給電線34の一部を挟持する。蓋部40によって給電口38を閉じると共に、係止片44を弾性変形させながらサイドキャップ24の被係止部42に係止させる。これにより、照明装置10と給電線34を接続するための作業が完了する。
【0032】
図10に示すように、蓋部40は、給電口38を閉じた状態において、サイドキャップ24Aの外面24sに対して突出しないように構成されている。これにより、複数の照明装置10を直列に繋げる場合、隣り合う照明装置10のサイドキャップ24の外面24s同士を密着させることができる。
【0033】
〔本実施形態の効果〕
前述のように、サイドキャップ24の内面24fにビスホール部20を保持する2つの保持壁30が雌ねじ部28に連続してそれぞれ形成されている。保持壁30は、ビスホール部20を、少なくとも開口部20aの周りの外周で保持する。
【0034】
これにより、ビスホール部20にビス18が締められる際にビスホール部20の開口部20aの広がりを抑えて、ビスホール部20が締め付け不良になったり、破壊したりすることを回避できる。これにより、照明装置10の製造工程にビス用のネジ穴の後加工を加えることなく、照明装置10の製造不良の発生を防止することがきる。
【0035】
従って、本実施態様によれば、照明装置10からヒートシンク(不図示)を省いて、照明装置10の構成の簡素化を図りつつ、照明装置10の製造時間を短くして、照明装置10の生産性を高めることができる。また、本実施形態によれば、ビス用のネジ穴の後加工を省くことができるため、照明装置10の製造コストを低減することができる。
【0036】
また、端子台、電源ユニット、雄コネクタ36、及び雌コネクタ50がLED基板22の実装面22aの反対側に配置されている。サイドキャップ24Aの内面24fとLED基板22の一端との間にサイドキャップ24Aの突起32によって所定の隙間54が形成されている。配線52は、LED基板22の実装面22aに一端が接続され、隙間54を通して実装面22aと反対側に導かれている。配線52は、蓋部40の導出路40aによって、実装面22aの反対側に導出されている。
【0037】
これにより、LED基板22の実装面22aと反対側の面に配線52を引き出すために、高価な両面基板を用いる必要がなくなる。そのため、LED基板22に片面基板を用いることができる。また、LED12が実装面22aに実装されるので、LED基板22の長手方向の略全域にわたってLED12を配設することができる。また、複数の照明装置10をそれぞれの長手方向に直列に接続して長尺の照明装置を構成する場合、給電線34が照明装置10の接続端部に導出されない。これにより、複数の照明装置10を途切れることなく繋げることができる。従って、本実施形態によれば、照明装置10の低コスト化を図りつつ、列状に繋げた状態の複数の照明装置10をシームレスに発光(繋ぎ目無しで発光)させることが可能な長尺の照明装置を構成することができる。
【0038】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る照明装置は、発光素子が実装された基板と、第1開口部を有し、前記基板を内部に保持する樹脂製のカバーと、前記第1開口部を閉塞する閉塞部材と、前記閉塞部材を前記カバーに取り付けるネジと、を備え、前記カバーは、前記ネジが挿入される第2開口部を含んだ、前記ネジを保持する第1保持部を有し、前記閉塞部材は、前記第1保持部を、少なくとも第2開口部の周りの外周で保持する第2保持部を有する。
【0039】
前記の構成によれば、第1保持部にネジを締める際における第1保持部の第2開口部の広がりを抑えることができる。そのため、第1保持部が締め付け不良になったり、破壊したりすることを回避できる。これにより、照明装置の製造工程にネジ穴の後加工を加えることなく、照明装置の製造不良の発生を防止することがきる。従って、照明装置からヒートシンクを省いて、照明装置の構成の簡素化を図りつつ、照明装置の製造時間を短くして、照明装置の生産性を高めることができる。
【0040】
本発明の態様2に係る照明装置は、前記態様1において、前記第2保持部は、前記ネジが前記第1保持部内に挿入される範囲に設けられていてもよい。
【0041】
前記の構成によれば、第2保持部が第1保持部のネジが挿入される範囲で、第1保持部の開口部の広がりを抑えるだけでなく、ネジが挿入される範囲の全体にわたって第1保持部の変形を抑えることができる。
【0042】
本発明の態様3に係る照明装置は、前記態様1又は2において、前記閉塞部材は、前記ネジを挿通させるネジ挿通孔を有しており、前記第2保持部は、前記ネジ挿通孔から連続して形成されていてもよい。
【0043】
前記の構成によれば、第2保持部の強度を高めることができる。これにより、第1保持部にネジを締める際における第1保持部の開口部の広がりを安定的に抑えることができる。
【0044】
本発明の態様4に係る照明装置は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記第2保持部は、前記基板における前記発光素子が実装された実装面の反対側に設けられていてもよい。
【0045】
前記の構成によれば、第2保持部が発光素子から発された光を妨げることはない。
【0046】
本発明の態様5に係る照明装置は、態様1から4のいずれかにおいて、前記発光素子に電力を供給する配線を更に備え、前記発光素子は、前記基板の実装面に実装され、前記閉塞部材は、内面に前記基板の端部に当接する突起を有し、前記配線は、前記基板の実装面に一端が接続され、前記閉塞部材の内面と前記基板の端部との間に前記突起によって形成される隙間を通して前記基板の前記実装面と反対側に導かれていてもよい。
【0047】
前記の構成によれば、基板の実装面と反対側の面に配線を引き出すために、高価な両面基板を用いる必要がなくなる。そのため、基板に片面基板を用いることができる。従って、照明装置の低コスト化を図ることができる。
【0048】
本発明の態様6に係る照明装置は、態様5において、前記カバーは、管状に形成され、前記閉塞部材は、外部から電力を供給する給電線を前記基板の前記実装面の反対側に導入する給電口と、前記給電口を閉じる蓋部と、を有し、前記蓋部は、前記給電口を閉じた状態で、閉塞部材における前記カバーの長手方向に交差する外面とは異なる側に導出する導出路を有していてもよい。
【0049】
前記の構成によれば、複数の照明装置をそれぞれの長手方向に直列に接続して長尺の照明装置を構成する場合、給電線が各照明装置の接続端部に導出されない。これにより、各照明装置を途切れることなく繋げることができる。従って、列状に繋げられた複数の照明装置をシームレスに発光させることを容易に実現できる。
【0050】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 照明装置
12 LED(発光素子)
14 透光カバー(カバー)
14a 開口部(第1開口部)
16 基板保持部
18 ビス(ネジ)
20 ビスホール部(第1保持部)
20a 開口部(第2開口部)
22 LED基板(基板)
22a 実装面
24 サイドキャップ(閉塞部材)
24A サイドキャップ(閉塞部材)
24B サイドキャップ(閉塞部材)
24f 内面
24s 外面
28 ネジ挿通孔
30 保持壁(第2保持部)
32 突起
34 給電線
38 給電口
40 蓋部
40a 導出路
52 配線
54 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10