(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】付加製造装置
(51)【国際特許分類】
B22F 12/90 20210101AFI20241204BHJP
B22F 10/14 20210101ALI20241204BHJP
B22F 10/68 20210101ALI20241204BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20241204BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20241204BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20241204BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20241204BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241204BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20241204BHJP
【FI】
B22F12/90
B22F10/14
B22F10/68
B22F10/85
B29C64/165
B29C64/35
B29C64/393
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2023524722
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 US2021057517
(87)【国際公開番号】W WO2022094376
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-15
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロンバーグ、ヴァディム
(72)【発明者】
【氏名】スタール、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ボニーリャ、カルロス、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ペンダーティ、スリニヴァス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース、ティモシー、フランシス
(72)【発明者】
【氏名】フルトン、ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー、ジェイコブ
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-334582(JP,A)
【文献】特開2020-176282(JP,A)
【文献】国際公開第2019/182618(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/14,10/68,10/85,12/90
B28B 1/30
B29C 64/165,64/35,64/393
B33Y 30/00,50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にバインダを分配するための複数のノズルを含むプリントアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、
前記ビルドゾーンの分配されたバインダパターンを撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記プリントアセンブリ、前記第1アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記プリントアセンブリに、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断させ、
プログラムされた前記堆積パターンのマップは、前記ビルドゾーンで製造されているビルドのビルド層のピクセルを選択するために複数の前記ノズルからノズルを選択し、
プログラムされた前記堆積パターンから生じる分配された前記バインダパターンの前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
分配された前記バインダパターンに異常があるかどうかを判定するために、前記画像データを分析し、
分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合
、前記ビルドゾーン上の前記プリントアセンブリの後続の横断のために、
欠陥ジェットノズルを除去するか、または、前記欠陥ジェットノズルの影響を最小化するように、前記プリントアセンブリの第1横断の間第1ピクセル選択セットにバインダを堆積するためにマッピングされている第1ノズルを、前記ビルドゾーンにわたって前記プリントアセンブリの第2横断の間第2ピクセル選択セットにバインダを堆積するようにマッピングすることで、プログラムされた前記堆積パターンを調整する、
ように構成されている、
付加製造装置。
【請求項2】
前記プリントアセンブリが前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断するときに、分配された前記バインダパターンの
前記画像データを補足する、
請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項3】
前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも少ない量が存在する、前記ビルドゾーンで製造され
ている
前記ビルドの
前記ビルド層の領域である、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項4】
前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも多い量が存在する、または、バインダが堆積されるべきでない1つ以上の位置でバインダが検出される、前記ビルドゾーンで製造され
ている
前記ビルドの
前記ビルド層の領域である、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項5】
前記クリーニングゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、
前記クリーニングステーションは、前記プリントアセンブリの複数の前記ノズルをクリーニングするように構成され、
前記電子制御ユニットは、
分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、
ようにさらに構成されている、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングゾーンでパージ動作を実行させ
る、ようにさらに構成されている、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項7】
前記ビジョンシステムは、電磁放射源、カメラ、赤外線カメラ、またはX線撮像デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項8】
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するためのドクターブレードおよびローラのうちの少なくとも一方を含むリコートアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
前記ビルドゾーンのビルド材料の分配された層を撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って、
前記ビルド材料を分配して、前記ビルドゾーン内にビルド材料の新たな層を形成するように、前記ビルドゾーンを横断させ、
前記ビルドゾーン内の分配された前記ビルド材料の前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
前記画像データを分析して、分配された前記ビルド材料に異常があるか否かを判定し、
分配された前記ビルド材料の新たな層における異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施する、
ように
構成され、
前記修正措置は、所定の前記ビルド材料投入パラメータを調整することを含み、
所定の前記ビルド材料投入パラメータは、ビルド材料厚さ、過投入量、前記ビルドゾーンを横断するためのリコートアセンブリ速度、前記リコートアセンブリの前記ローラの回転速度、および前記リコートアセンブリの前記ローラの回転方向のうちの少なくとも1つである、
付加製造装置。
【請求項9】
前記クリーニングゾーンまたは前記サプライゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、
前記クリーニングステーションは、前記リコートアセンブリの前記ドクターブレードおよび前記ローラのうちの少なくとも一方をクリーニングするように構成され、
前記電子制御ユニットは、
分配されたビルド材料の前記新たな層の異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、
ようにさらに構成されている、請求項
8に記載の付加製造装置。
【請求項10】
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するためのドクターブレードおよびローラのうちの少なくとも一方を含むリコートアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
前記ビルドゾーンのビルド材料の分配された層を撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って、
前記ビルド材料を分配して、前記ビルドゾーン内にビルド材料の新たな層を形成するように、前記ビルドゾーンを横断させ、
前記ビルドゾーン内の分配された前記ビルド材料の前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
前記画像データを分析して、分配された前記ビルド材料に異常があるか否かを判定し、
分配された前記ビルド材料の新たな層における異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施する、
ように
構成され、
前記修正措置は、ビルド材料の新たな層上にプリントアセンブリがバインダを分配する前に、前記リコートアセンブリに、前記新たな層上にビルド材料を再分配させる、または、ビルドを中止させる、ことを含む、
付加製造装置。
【請求項11】
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するためのドクターブレードおよびローラのうちの少なくとも一方を含むリコートアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
前記ビルドゾーンのビルド材料の分配された層を撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って、
前記ビルド材料を分配して、前記ビルドゾーン内にビルド材料の新たな層を形成するように、前記ビルドゾーンを横断させ、
前記ビルドゾーン内の分配された前記ビルド材料の前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
前記画像データを分析して、分配された前記ビルド材料に異常があるか否かを判定し、
分配された前記ビルド材料の新たな層における異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施する、
ように
構成され、
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリの前記ローラを駆動するモータの電流引き込み値を受信し、
前記ローラが、所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作しているか判定し、
前記ローラが所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作していないと判定した場合、前記リコートアセンブリの前記ローラの異常の存在を判定する、
付加製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は概して、付加製造装置に関し、より具体的には、付加製造装置動作およびそれを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造装置は、有機または無機パウダーなどのビルド材料からオブジェクトを層状に「ビルド」するために利用され得る。付加製造装置の初期の反復は、3次元オブジェクトをプロトタイピングするために使用された。しかしながら、付加製造テクノロジーが改善されるにつれて、オブジェクトの大規模な商業的製造のために付加製造装置を利用することに対する関心が高まっている。付加製造装置を商業的製造に拡大する1つの問題はマシンの信頼性を維持し、増加させながら、商業的需要を満たすために付加製造装置の処理能力を改善することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、製造処理量および信頼性を向上させる代替付加製造装置およびその構成要素が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様A1は、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、前記ビルドゾーン内にバインダを分配するための複数のノズルを含むプリントアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、前記ビルドゾーンの分配されたバインダパターンを撮像するように構成されたビジョンシステムと、前記プリントアセンブリ、前記第1アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、を含み、前記電子制御ユニットは、前記プリントアセンブリに、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断させ、プログラムされた前記堆積パターンから生じる分配された前記バインダパターンの前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、分配された前記バインダパターンに異常があるかどうかを判定するために、前記画像データを分析し、分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記異常に対処するために、前記ビルドゾーン上の前記プリントアセンブリの後続の横断のために、プログラムされた前記堆積パターンを調整する、ように構成されている、付加製造装置を含む。
【0005】
第2態様A2は、前記プリントアセンブリが前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断するときに、分配された前記バインダパターンの画像データを補足する、第1態様A1に記載の付加製造装置を含む。
【0006】
第3態様A3は、前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも少ない量が存在する、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層の領域である、第1態様A1~第2態様A2の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0007】
第4態様A4は、前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも多い量が存在する、または、バインダが堆積されるべきでない1つ以上の位置でバインダが検出される、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層の領域である、第1態様A1~第3態様A3の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0008】
第5態様A5は、プログラムされた前記堆積パターンのマップは、複数の前記ノズルのうちの1つを選択して、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層のピクセルを選択する、第1態様A1~第4態様A4の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0009】
第6態様A6は、前記ビルドゾーン上の前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、複数の前記ノズルのうちの選択されたノズルが分配するために画定されるバインダの量を更新することを含む、第5態様A5に記載の付加製造装置を含む。
【0010】
第7態様A7は、前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、複数の前記ノズルのうちの選択されたノズルのマッピングを更新して、後続のビルド層のピクセルを選択し、前記プリントアセンブリの第1横断中にピクセルの第1選択セットにバインダを分配するようにマッピングされた第1ノズルが、前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの第2横断中にピクセルの第2選択セットにバインダを分配するようにマッピングされる、第5態様A5に記載の付加製造装置を含む。
【0011】
第8態様A8前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、プログラムされた前記堆積パターンで画定された前記ピクセルと複数のジェットノズルとの位置合わせにサブピクセルシフトを実施することを含む、第1態様A1~第7態様A7の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0012】
第9態様A9は、前記クリーニングゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、前記クリーニングステーションは、前記プリントアセンブリの複数の前記ノズルをクリーニングするように構成され、前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、ようにさらに構成されている、第1態様A1~第8態様A8の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0013】
第10態様A10は、前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングゾーンでパージ動作を実行させる、ようにさらに構成されている、第1態様A1~第9態様A9の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0014】
第11態様A11は、前記ビジョンシステムは、電磁放射源、カメラ、赤外線カメラ、またはX線撮像デバイスのうちの少なくとも1つを含む、第1態様A1~第10態様A10の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0015】
第12態様A12は、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するためのドクターブレードおよびローラのうちの少なくとも一方を含むリコートアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、前記ビルドゾーンのビルド材料の分配された層を撮像するように構成されたビジョンシステムと、前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、を含み、前記電子制御ユニットは、前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って、ビルド材料を分配して、前記ビルドゾーン内にビルド材料の新たな層を形成するように、前記ビルドゾーンを横断させ、前記ビルドゾーン内の分配された前記ビルド材料の前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、前記画像データを分析して、分配された前記ビルド材料に異常があるか否かを判定し、分配された前記ビルド材料の新たな層における異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施する、ように構成されている、付加製造装置を含む。
【0016】
第13態様A13は、前記修正措置は、所定の前記ビルド材料投入パラメータを調整することを含む、第12態様A12に記載の付加製造装置を含む。
【0017】
第14態様A14は、所定の前記ビルド材料投入パラメータは、ビルド材料厚さ、過投入量、前記ビルドゾーンを横断するためのリコートアセンブリ速度、前記リコートアセンブリの前記ローラの回転速度、および前記リコートアセンブリの前記ローラの回転方向のうちの少なくとも1つである、第13態様A13に記載の付加製造装置を含む。
【0018】
第15態様A15は、前記修正措置は、前記リコートアセンブリに、ビルド材料の新たな層上にプリントアセンブリがバインダを分配する前に、前記新たな層上にビルド材料を再分配させる、ことを含む、第12態様A12~第14態様A14の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0019】
第16態様A16は、前記修正措置は、ビルドを停止することを含む、第12態様A12~第15態様A15の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0020】
第17態様A17は、前記クリーニングゾーンまたは前記サプライゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、前記クリーニングステーションは、前記リコートアセンブリの前記ドクターブレードおよび前記ローラのうちの少なくとも一方をクリーニングするように構成され、前記電子制御ユニットは、分配されたビルド材料の前記新たな層の異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、ようにさらに構成されている、第12態様A12~第16態様A16の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0021】
第18態様A18は、前記電子制御ユニットは、前記リコートアセンブリの前記ローラを駆動するモータの電流引き込み値を受信し、前記ローラが、所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作しているか判定し、前記ローラが所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作していないと判定した場合、前記リコートアセンブリの前記ローラの異常の存在を判定する、第12態様A12~第17態様A17の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0022】
第19態様A19は、前記ビジョンシステムが、カメラ、赤外線カメラ、およびX線撮像デバイスの少なくとも1つを含む、第12態様A12~第18態様A18の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0023】
第20態様A20は、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な前記第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、硬化反応を刺激するために前記ビルドゾーンのビルド材料及びバインダにエネルギを印加するように構成され、前記プリントアセンブリおよび前記リコートアセンブリのうちの少なくとも一方に結合されている、1つ以上のIRランプと、前記プロセスチャンバのガス温度およびビルド材料表面温度のうちの少なくとも一方を監視するように構成された、1つまたは複数の温度センサと、前記プリントアセンブリ、前記第1アクチュエータ、前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、1つまたは複数の前記IRランプ、および1つまたは複数の前記温度センサに通信可能に結合された電子制御ユニットと、を含み、前記電子制御ユニットは、前記プリントアセンブリまたは前記リコートアセンブリが前記ビルドゾーンを横断するときに、1つまたは複数の前記IRランプに、エネルギを放出させ、1つまたは複数の前記温度センサから温度値を受信し、前記温度値が所定の範囲内であるか否か判定し、前記温度値が前記所定の範囲内でない場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度または1つまたは複数の前記IRランプのフローガスレートを調整する、ように構成されている、付加製造装置を含む。
【0024】
第21態様A21は、前記温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度が増加される、第20態様A20に記載の付加製造装置を含む。
【0025】
第22態様A22は、前記温度値が前記所定の範囲を上回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度が低減される、第20態様A20~第21態様A21の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0026】
第23態様A23は、1つまたは複数の前記IRランプの第1IRランプが前記プリントアセンブリに結合され、1つまたは複数の前記IRランプの第2IRランプが前記リコートアセンブリに結合されている、第20態様A20~第22態様A22の何れかにに記載の付加製造装置を含む。
【0027】
第24態様A24は、前記電子制御ユニットが、1つまたは複数の前記IRランプの周りのフローガスレートを制御する、第20態様A20~第23態様A23の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0028】
第25態様A25は、1つまたは複数の前記温度センサはガス温度センサであり、前記電子制御ユニットは、前記ビルド材料の表面温度値が前記所定の範囲内にないと判定された場合、1または複数の前記IRランプの周りのガスのフローガスレートを調整する、ようにさらに構成されている、第20態様A20~第24態様A24の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0029】
第26態様A26は、前記表面温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの周りの前記フローガスレートを増加する、第20態様A20~第25態様A25の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0030】
第27態様A27は、前記表面温度値が前記所定の範囲を上回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの周りの前記フローガスレートを低減する、第20態様A20~第26態様A26の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0031】
第28態様A28は、前記プロセスチャンバに流体的に結合された環境制御システムをさらに含み、プロセスチャンバ温度値が所定のプロセスチャンバ範囲内にないと判定した場合、前記環境制御システムは、加熱されたガスを前記プロセスチャンバに配送する、第20態様A20~第27態様A27の何れかに記載の付加製造装置。
【0032】
第29態様A29は、前記ビルドゾーンのビルドプラットフォームに熱的に結合されたビルドプレートヒータをさらに含み、前記ビルド材料表面の前記表面温度の前記温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、前記電子制御ユニットは、前記ビルドプレートヒータに、前記ビルドゾーンの前記ビルド材料および前記ビルドプレートに配送される前記エネルギ量を増加させる、第20態様A20~第28態様A28の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0033】
第30態様A30は、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに接続され、前記プロセスチャンバ内の環境条件を制御する1つまたは複数のサブシステムを含む、環境制御システムと、前記プロセスチャンバの温度、蒸気含有、および前記プロセスチャンバ内のプロセスガス濃度の少なくとも1つを監視するように構成されている1つまたは複数のセンサと、前記環境制御システムおよび1つまたは複数の前記センサと通信可能に接続されている電子制御ユニットと、を含み、前記電子制御ユニットは、1つまたは複数の前記センサからセンサデータを受信し、1つまたは複数の前記センサからの前記センサデータが、ビルド中の前記プロセスチャンバの所定の環境条件セットに対応するか否か判定し、前記センサデータが前記所定の環境条件セット内でないと判定された場合、前記環境制御システムの1つまたは複数の環境制御の設定を自動的に調整する、ように構成されている、付加製造装置を含む。
【0034】
第31態様A31は、前記電子制御ユニットは、前記センサデータが、前記プロセスチャンバの温度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器を通る前記プロセスチャンバへのフローを開始させ、前記センサデータが、前記プロセスチャンバの温度が前記所定の環境条件のセットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記熱交換器を通る前記プロセスチャンバへのフローを停止させる、ようにさらに構成されている、第30態様A30に記載の付加製造装置を含む。
【0035】
第32態様A32は、前記電子制御ユニットは、前記センサデータが、前記蒸気含有が前記所定の環境条件セットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器、除湿器、または凝縮器を通るフローを開始させ、前記センサデータが、前記蒸気含有が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器、除湿器、または凝縮器を通るフローを停止させる、ようにさらに構成されている、第30態様A30~第31態様A31の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0036】
第33態様A33は、前記電子制御ユニットは、前記センサデータが、前記プロセスガス濃度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムのプロセスガスサプライからのフローを開始させ、前記センサデータが、前記プロセスガス濃度が前記所定の環境条件セットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記プロセスガスサプライからのフローを停止させる、ようにさらに構成されている、第30態様A30~第32態様A32の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0037】
第34態様A34は、前記プロセスチャンバ内の空中浮遊ビルド材料の濃度を検知するように構成されている微粒子センサをさらに含み、前記電子制御ユニットは、前記センサデータが、空中浮遊ビルド材料の前記濃度が前記所定の環境条件セットを上回っていることを示す場合、環境制御システムに、前記環境制御システムの空気濾過システムを開始させ、前記センサデータが、空中浮遊ビルド材料の前記濃度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記空気濾過システムからのフローを停止させる、ようにさらに構成されている、第30態様A30~第33態様A33の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0038】
第35態様A35は、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、前記ビルドゾーン内にバインダを分配する複数のノズルを含み、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するドクターブレードおよびローラの少なくとも一方を含み、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な前記第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、前記ビルドゾーンを撮像するように構成されているビジョンシステムと、前記プリントアセンブリ、前記リコートアセンブリ、前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、を含み、前記電子制御ユニットは、前記プリントアセンブリに、第1インターバル中に、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させ、前記第1インターバルの後の第2インターバルの間に、分配されたバインダパターンの前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、前記画像データを分析して、前記第2インターバルの間に分配された前記バインダパターンに異常があるか否かを判定し、プリントアセンブリに、前記第2インターバル中に、プログラムされた前記堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを前記逆方向から横断させ、前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って前記ビルドゾーンにビルド材料の新しい層を形成するために、前記サプライゾーンに供給されたビルド材料を分配する前記逆方向に前記ビルドゾーンを横断させ、前記リコートアセンブリは、前記第2インターバルおよび第3インターバル中に前記ビルドゾーンを横切る前記プリントアセンブリに従い、前記プリントアセンブリに、前記第3インターバル中に、前記クリーニングゾーンを順方向および逆方向に横断しながら、パージ処理およびワイプ処理の少なくとも一方を実行させる、ように構成されている、付加製造装置を含む。
【0039】
第36態様A36は、前記電子制御ユニットは、第4インターバル中に、ビルド材料の前記新たな層上のプログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記リコートアセンブリに、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させ、前記プリントアセンブリに、前記ビルドゾーンを横断する前記リコートアセンブリに続いて、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させる、第35態様A35に記載の付加製造装置を含む。
【0040】
第37態様A37は、前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける前記異常の存在を判定した場合、前記異常に対処するために、前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のために、プログラムされた前記堆積パターンを調整するようにさらに構成されている、第35態様A35~第36態様A36の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0041】
第38態様A38は、前記電子制御ユニットは、分配されたビルド材料の前記新たな層の前記異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施するようにさらに構成されている、第35態様A35~第37態様A37の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0042】
第39態様A39は、前記電子制御ユニットは、前記プリントアセンブリに、前記第1インターバルと前記第2インターバルとの間の前記複数のノズルのサブピクセルインデックスを実行させるようにさらに構成されている、第35態様A35~第38態様A38の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0043】
第40態様A40は、前記リコートアセンブリが、前記第2および第3のインターバル中に、前記ビルドゾーンを横切るプリントアセンブリに続いて、前記ビルドゾーンを逆方向に横断し始める前に、遅延が実施される、第35態様A35~第39態様A39の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0044】
第41態様A41は、前記プリントアセンブリは、第1速度で前記ビルドゾーンを前記順方向および逆方向に横断する、第35態様A35~第40態様A40の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0045】
第42態様A42は、前記プリントアセンブリは、第2速度で前記クリーニングゾーンを順方向および逆方向に横断し、前記第2速度は前記第1速度よりも遅い、第35態様A35~第41態様A41の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0046】
第43態様A43は、硬化反応を刺激するために、ビルドゾーン内のバインダおよびビルド材料にエネルギを印加するように構成されている1つまたは複数のIRランプをさらに含み、1つまたは複数の前記IRランプは、前記プリントアセンブリおよび前記リコートアセンブリのうちの少なくとも一方に結合されている、第35態様A35~第42態様A42の何れに記載の付加製造装置を含む。
【0047】
第44態様A44は、2つのIRランプが前記リコートアセンブリに結合され、第1IRランプが前記リコートアセンブリの前向き面に結合され、第2IRランプが前記リコートアセンブリの後向き面に結合されている、第43態様A43に記載の付加製造装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1A】
図1Aは、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、製造装置および製造方法を使用して構成要素をビルドするための例示的プロセスフローチャートを描写する。
【
図1B】
図1Bは、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による製造装置を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による製造装置の例示的なアーキテクチャを概略的に示す。
【
図3】
図3は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、信頼性を改善するためのプリント方法を対象とする例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、信頼性を改善するためのリコート方法を対象とする例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図5】
図5は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド速度を改善するための硬化方法を対象とする例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図6】
図6は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、信頼性を改善するための環境制御システム動作方法を対象とする例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図7】
図7は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルドブロック中のプリントアセンブリおよびリコートアセンブリの運動の例示的な概略図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書に記載される製造装置のさらなる特徴および利点、ならびにその構成要素は以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかになるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0050】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することが意図されることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書に記載される様々な実施形態を示し、説明と共に、特許請求される主題の原理および動作を説明するのに役立つ。
【0051】
ここで、製造装置の実施形態およびその構成要素を詳細に参照するが、その例は添付の図面に示されている。可能な場合は常に、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0052】
付加製造器具の一実施形態は、高さ、長さ、および幅を有する容積を画定するプロセスチャンバを備える。長さは、複数の処理ゾーンによって定義される。プロセスチャンバは、プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置されたクリーニングゾーンと、ビルドゾーンと、サプライゾーンとを含む。プロセスチャンバはビルド材料を分配し、付加製造装置内にバインダ材料を堆積させるためのアクチュエータアセンブリを含む。アクチュエータアセンブリは一般に、第1垂直面内でプロセスチャンバの長さに沿って延びる支持体を含むことができる。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料を分配するためのリコートアセンブリと、バインダ材料を堆積させるためのプリントアセンブリとをさらに含むことができる。プリントアセンブリは、ビルドゾーン内にバインダ50を分配するための複数のノズルを含む。プリントアセンブリは、支持体の長さに沿って前後に移動するように構成された第1アクチュエータを介して支持体に移動可能に結合される。プリントヘッドアクチュエータはプリント作動軸を備えることができ、ここで、プリントヘッドアクチュエータはプリント作動軸に沿って双方向に作動可能であり、それによって、プリントヘッドの双方向運動をもたらす。プリントアセンブリは、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置される。
【0053】
リコートアセンブリは、ビルドゾーンBZ内にビルド材料40を分配するための1つ以上のドクターブレード及び/又は1つ以上のローラ142を含む。リコートアセンブリは、支持体の長さに沿って前後に移動するように構成された第2アクチュエータを介して支持体に移動可能に結合される。リコートアセンブリはリコート作動軸を含むことができ、ここで、リコートアセンブリはリコート作動軸に沿って双方向に作動可能であり、それによって、リコートヘッドの双方向運動をもたらす。リコートアセンブリは、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されてもよい。リコート作動軸およびプリント作動軸は、同じ軸を共有していてもよく、または互いに並行であってもよく、垂直方向に互いに離間していてもよい。本プリントアセンブリ及びリコートアセンブリの実施形態は、ビルドゾーン内のビルド材料及びバインダにエネルギを印加して硬化反応を刺激するための赤外線ランプのような硬化系を更に含むことができる。アクチュエータアセンブリを含む付加製造装置、付加製造装置およびそれを使用するための方法のためのアクチュエータアセンブリの様々な実施形態が、添付の図面に具体的に言及して本明細書でさらに詳しく説明される。
【0054】
実施形態は、プロセスチャンバ内の環境条件を制御するように構成された環境制御システムをさらに含む。環境制御システムは、プロセスチャンバ内の環境条件を制御するための1つ以上のサブシステムを含むことができる。1つまたは複数のサブシステムは熱交換器、除湿器、凝縮器182、またはプロセスチャンバの環境から蒸気を除去することができる同様のシステム、プロセスガスサプライ源、空気濾過システム(たとえば、サイクロン分離器)などを含むことができる。環境制御システムは、1つまたは複数のポート、バルブ、換気コンジットなどを介してプロセスチャンバに結合される。いくつかの実施形態では、環境制御システムが特定のビルドに好ましいプロセスチャンバ内の環境条件を維持するように適合される。例えば、環境制御システムは、圧力、プロセスガス濃度、相対湿度、空気中の蒸気の濃度、空気中のビルドマテリアルの濃度、プロセスチャンバの温度などの動作範囲を含むことができる所定の環境条件のセット内で環境を調整することができる。
【0055】
さらに、本明細書に記載される実施形態はビルドプロセスの信頼性およびスピードを改善するために、プリントアセンブリ、リコートアセンブリ、硬化システム、環境制御システム、およびそれらの相互作用を操作するためのシステムおよび方法をより具体的に開示する。ビルドプロセスの信頼性および速度を改善するために、本明細書に開示される製造装置は、閉ループ制御ループで動作するように構成された1つまたは複数のセンサおよび制御システムをさらに実装する。
【0056】
製造装置の様々な実施形態が、添付の図面を特に参照して、本明細書でさらに詳細に説明される。本明細書に示され、説明される製造装置の実施形態は、3次元および/または非三次元のオブジェクトまたは部分をビルドするように構成され、動作可能であり得ることを理解されたい。
【0057】
範囲は本明細書では「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって値が近似値として表される場合、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されよう。範囲の始点及び終点はそれぞれ他方の点(終点及び始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0058】
本明細書で使用される指向性用語、例えば、上、下、右、左、前、後、上面、上方、底面、前方、逆、および戻りは、描かれたような図を参照してのみ行われ、別段の明示的な記載がない限り、絶対的な向きを暗示することを意図しない。
【0059】
特に明示的に記載されない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されない。したがって、方法クレームが実際にそのステップに従うべき順序を列挙していない場合、または任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に対する順序または向きを列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことが、特許請求の範囲または説明において別段具体的に述べられていない場合、順序または向きがいかなる点においても推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の問題、文法的編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的基礎に当てはまる。
【0060】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「1つの」コンポーネント70への言及は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0061】
本明細書に記載される実施形態は製造装置(例えば、付加製造装置)および製造装置のための構成要素、具体的には、バインダ50を堆積させるためのプリントアセンブリ、ビルド材料を分配するためのリコートアセンブリ、プロセスチャンバ内の環境を制御するための環境制御システム、およびビルドプロセスの信頼性およびスピードを改善するために電子制御ユニットに動作フィードバックを提供するように構成された1つまたは複数のセンサを対象とする。本明細書に記載の実施形態は、マシンビジョン、パターンテスト、プリントヘッド保守、プリントヘッドインデックスベースの冗長性などを実装して、閉ループ信頼性およびスピード向上処理を確立することができる。本明細書で説明する制御ループは、概して、ビルド動作を検出、分析、および補償するステップを含む。本明細書で開発され、説明される技術は製造に関するものであるが、本技術の態様は2Dプリントなどの関連産業に適用され得ることが理解される。
【0062】
図1Aを参照すると、製造装置100および製造方法を使用してコンポーネント80をビルドするための例示的なプロセスフローチャートが示されている。
図1Aは、本明細書に示され、詳細に説明される製造装置100および製造方法の非限定的な概要を提供することを意図している。装置100は、制御システム10によって実行されるビルド命令によって規定されるような1つまたは複数の事前定義された動作を実行するように構成される。
【0063】
本明細書で使用するとき、「ビルド命令」は、コンポーネント80をビルドするために装置100の動作を操作するための制御コマンドを指す。ビルド命令は例えば、ビルドされるべきコンポーネント80の各層のための設計堆積パターンと、コンポーネント80をビルドするためのモータ、アクチュエータ、プリントアセンブリ、ジェットノズル、および装置100の様々な他の構成要素の順序付けられた動作を規定する命令を規定する複数の動作制御とによって規定される。ビルド命令は、装置100の構成要素設計またはモデルおよび機械的仕様に基づいて定義される。例えば、装置100は、本明細書では「ジェット間隔」と呼ばれる、プリントヘッド内のジェットノズル間の所定の固定間隔を含むことができる
【0064】
装置100は、コンポーネント80をビルドするためのビルド命令に従って、層ごとおよびドロップごとにそれぞれ堆積され得るビルド材料40およびバインダ50をさらに受け取る。例えば、装置100はリコートアセンブリ140(
図1B)を使用して、ビルドプレート120(
図1B)上にパウダー60の層(本明細書ではビルド材料40の層とも呼ばれる)を形成し、次いで、ピクセル31内でプリントアセンブリ150(
図1B)を使用して、バインダ50の1つまたは複数のドロップを堆積させ、それによってボクセル30を形成することができる。「ビルド材料」は、バインダ50と、任意にエネルギ源と、組み合わせたときに硬化してコンポーネント80の一部を形成する、1つ以上の有機及び/又は無機材料を含んでもよい。
【0065】
本明細書で使用するとき、「ピクセル」は装置100によってプリントされるオブジェクト又は部分の2次元空間部分、特に、ビルドプレート120に沿ったその位置決めに対する3次元部分の現在のスライス又は層を指す。各ピクセルは、ビルド命令の設計堆積パターンにおいて定義される画像ピクセルに対応する。画像ピクセルは、ピクセルのデジタル表現である。画像ピクセルは、装置100のジェットノズルのジェット間隔によって画定される幅を含む。本明細書で使用するとき、「ボクセル」は3次元部分(例えば、コンポーネント80)の現行の薄片又は層を形成するピクセル内に堆積されたバインダ50の1つ又は複数のドロップによって画定される、ビルドプレート120内のパウダーの3次元空間部分を指す。ボクセルの形状はビルド材料40(例えば、バインダ50が堆積されるパウダーの層)を有するバインダ50のウィッキング及び硬化挙動に依存するので、ボクセルは立方体でなくてもよいことが理解される。
【0066】
バインダ50はドロップの形態のパウダー60(例えば、ビルド材料40)の層内の様々な位置に様々な量で堆積されてもよい。ドロップの位置および量は「設計堆積パターン」において定義され、これはビルドファイルの所望のスライスのパターンを形成する画像ピクセルの集合を指し、装置100によってパウダー60の層に適用されたとき、「適用された堆積パターン」を定義する。設計堆積パターンは量(例えば、「ドロップボリューム」)および位置(例えば、パウダー60の層上のバインダ50のドロップの中心の位置)を定義するが、適用された堆積パターンは隣り合うピクセルまたはパウダーの下層への重なりを含み得る、パウダーの層を通したバインダ50の分配を指す。本明細書で使用するとき、「ドロップボリューム」は、一度にジェットから放出されるバインダドロップのボリュームを指す。1つのピクセルに対して複数のドロップを放出することができ、ドロップはボリューム単位で変化する。パウダー60の1つ以上の層の形成およびバインダ50の1つ以上のドロップの付着の後、装置100はコンポーネント80を形成する。次に、コンポーネント80を形成するためのより具体的な方法および装置100の実施形態を詳細に説明する。
【0067】
ここで
図1Bを参照すると、製造装置100の一実施形態が概略的に示されている。装置100は、プロセスチャンバ101を含む。プロセスチャンバ101は気密封止されたチャンバ、および/または、そうでなければ、環境制御システム180(
図2)によって制御されるような特定の環境条件下でコンポーネント70をビルドするための加圧または減圧された(例えば、真空またはその付近に維持された)チャンバであってもよい。プロセスチャンバ101は、高さ、長さ、および幅を有する容積によって画定される。長さは、複数の処理ゾーンによって定義される。処理ゾーンは、プロセスチャンバ101の長さに沿って(+/-X軸に沿って)別個の部分に順次配置されたクリーニングゾーン「CZ」、ビルドゾーン「BZ」、およびサプライゾーン「SZ」を含む。装置100は、クリーニングステーション108と、ビルドプレート120と、サプライプラットフォーム130と、リコートアセンブリ140と、プリントアセンブリ150とを含む。クリーニングゾーン「CZ」は、クリーニングステーション108及びジェット試験/パージ領域109などの製造装置100の要素を含むことができる。ビルドゾーン「BZ」は、ビルドプレート120、ビルドプレートヒータ121、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、およびビルドレセプタクル124などの製造装置100の要素を含み得る。サプライゾーン「SZ」は、上部ビルド材料ホッパー170(
図2)からビルド材料40を受け取ることができる下部ビルド材料ホッパー172(
図2)などの製造装置100の要素と、下部ビルド材料ホッパー172(
図2)からビルド材料40を受け取ることができるサプライプラットフォーム130とを含むことができる。
【0068】
リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150は、装置100の支持体104に結合され、第1および第2アクチュエータアセンブリ102、103の作動に応じて支持体104に沿って並進するように構成される。例えば、支持体104は、1つ以上のアクチュエータアセンブリ102、103が独立して同時に動作され得る線形アクチュエータであってもよい。いくつかの実施形態では支持体104が、垂直断面が長方形または正方形(すなわち、図に示される座標軸のY-Z平面における断面)であってもよく、他の実施形態ではレール104が、垂直断面が「i」字形(すなわち、図に示される座標軸のY-Z平面における断面)であってもよい。第1アクチュエータアセンブリ102および第2アクチュエータアセンブリ103は、装置100の作動軸116に沿ったプリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140のそれぞれの独立した制御を容易にするように構成されてもよい。作動軸116は本明細書では「長手方向軸」(すなわち、図に示されるように+/-X軸に沿って延びる)とも呼ばれる。これにより、リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150は装置100の作動軸116を同じ方向および/または逆方向に横断し、リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150は、装置100の作動軸116を様々な速度および/または同じ速度で横断することができる。リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150の独立した作動および制御は製造プロセス(例えば、付加製造プロセス)の少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、製造プロセスの全サイクル時間を、個々のステップごとのサイクル時間の合計よりも短くする。他の実施形態では、装置100がリコートアセンブリ140、プリントアセンブリ150などに結合された追加のアクチュエータアセンブリを含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、第3のアクチュエータアセンブリ105が縦軸(例えば、図に示されるような作動軸116、+/-X軸)に対して概ね垂直で横軸(例えば、図に示されるような+/-Y軸に沿って延びる)に沿ったプリントアセンブリ150の独立した制御を容易にするようにビルドされ得る。本明細書でより詳しく説明するように、第3のアクチュエータアセンブリ105は、本明細書ではインデックスと呼ばれる、横軸に沿ったプリントアセンブリ150の微動を提供することができる。第1アクチュエータアセンブリ102および第3のアクチュエータアセンブリ105は一般に、プリンティングヘッド位置制御アセンブリと呼ばれる。すなわち、プリンティングヘッド位置制御アセンブリは、長手方向軸に沿ってプリンティングヘッドを移動させるように構成された第1アクチュエータアセンブリ102と、横方向軸に沿ってプリンティングヘッドを移動させるように構成された第3のアクチュエータアセンブリ105とを含む。プリンティングヘッド位置制御アセンブリは、電子制御ユニット10のような制御システム10によって生成されるシグナルを介して制御されてもよい。電子制御ユニット10は、プロセッサ10aと、非一時的コンピュータ可読メモリ10bとを含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1アクチュエータアセンブリ102が位置センサ102aを含み、第2アクチュエータアセンブリ103は電子制御ユニット10が提供された制御信号に応じてリコートアセンブリ140および/またはプリントアセンブリ150の位置を追跡することができるように、電子制御ユニット10に帰還制御信号におけるリコートアセンブリ140および/またはプリントアセンブリ150の位置情報を提供する位置センサ103aを含む。いくつかの例では、電子制御ユニット10が位置センサ102a、103aによって提供される位置情報に基づいて、第1アクチュエータアセンブリ102および第2アクチュエータアセンブリ103に提供される制御信号を調整することができる。実施形態では位置センサ102a、103aは第1アクチュエータアセンブリ102、第2アクチュエータアセンブリ103、および/または支持体104に埋め込まれた、または結合された、エンコーダ、超音波センサ、光ベースセンサ、磁気センサなどであり得る。
【0071】
上述のように、本明細書に記載の実施形態では、リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150は両方とも、装置100の作動軸116上に(例えば、第2垂直面内に)配置される。したがって、作動軸116上のリコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150の移動は、同じ軸に沿って生じ、したがって、同一直線上にある。この構成では、リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150が単一のビルド周期中の様々な時間に、装置100の作動軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)を占めることができる。他の実施形態ではリコートアセンブリ140、プリントアセンブリ150など、作動軸116を横断する製造装置100の構成要素は作動軸116を中心とする必要はない。この場合、製造装置100の構成要素のうちの少なくとも2つは、構成要素が作動軸116を横断するときに、構成要素が作動軸116に沿って同じまたは重なり合うボリュームを占めることができるように、作動軸116に対して配置される。
【0072】
リコートアセンブリ140は、サプライプラットフォーム130上に設けられたビルド材料40のサプライ源からビルドプレート120上へのビルド材料40の分配を容易にするように構成される。本明細書でより詳しく説明するように、プリントアセンブリ150はプリントアセンブリ150が装置100の作動軸116に沿ってBZを横断するときに、バインダ材料50および/または他のジェット可能な構成材料(例えば、インキ、流動媒体、ナノ粒子、蛍光発色性微粒子、焼結助剤、焼結防止助剤など)のビルドプレート120上への付着を容易にするように構成される。本明細書に記載される装置100の実施形態では、装置100の作動軸116が図に示される座標軸の+/-X軸に平行である。本明細書に記載の実施形態ではクリーニングステーション108、ビルドプレート120、およびサプライプラットフォーム130は作動軸116に沿って直列に配置される。リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150はまた、装置100の作動軸116に沿って直列に、かつクリーニングステーション108、ビルドプレート120、およびサプライプラットフォーム130内に並列に配置される。さらに、作動軸116の-X方向の端部に近接して配置されたプリントアセンブリ150のホームポジション151と、作動軸116の+X方向の端部に近接して配置されたリコートアセンブリ140のホームポジション153との間で、リコートアセンブリ140およびプリントアセンブリ150もまた、装置100の作動軸116に沿って直列に配置される。すなわち、プリントアセンブリ150のホームポジション151とリコートアセンブリ140のホームポジション153とは、図に示す座標軸の+/-X軸と並行する横方向に離間しており、少なくともビルドプレート120とサプライプラットフォーム130とがその間に位置している。実施形態では、ビルドプレート120(例えば、BZ)は装置100の作動軸116に沿ってクリーニングステーション108(例えば、CZ)とサプライプラットフォーム130(例えば、SZ)との間に配置される。
【0073】
さらに
図1Bを参照すると、クリーニングステーション108は装置100の作動軸116の一端に近接して配置され、プリントアセンブリ150が配置されたホームポジション151と同じ位置に配置され、またはビルドプレート120上に配置されたビルド材料40上にバインダ材料50を堆積する前後に「パーキング」される。クリーニングステーション108はプリントアセンブリ150のクリーニング、特に、堆積動作の間のプリントアセンブリ150の複数のプリントヘッド156のクリーニングを容易にするために、1つ以上のクリーニング部を含んでもよい。クリーニングステーション108は、例えば、過剰なバインダ材料50を複数のプリントヘッド156から溶解させるためのクリーニング液を含む浸漬ステーション、過剰なバインダ材料50及び/又はクリーニング液を複数のプリントヘッド156から除去するための拭き取りステーション、バインダ堆積パターンを試験するため及び/又はバインダ材料50及び/又はクリーニング液を複数のプリントヘッド156からパージするためのジェット試験/パージ領域109、複数のプリントヘッド156の複数のジェットノズル158の湿気を維持するキャッピングステーション、またはこれらの様々な組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。プリントアセンブリ150は、第1アクチュエータアセンブリ102によってクリーニング部の間で移行されてもよい。いくつかの実施形態では、装置100がクリーニングステーション108および/またはホームポジション151に隣接する作動軸116の一端に近接して配置されたジェット試験/パージ領域109を含むことができる。装置100のジェット試験/パージ領域109はビルドプレート120に沿って堆積を行う前に、プリントアセンブリ150による材料堆積を容易にするように構成されてもよいことを理解されたい。ジェット試験/パージ領域109がジェット試験領域として機能するとき、プリントアセンブリ150は、バインダ50の物質を所定のパターンで分配することができる。分配されたパターンは、その後、ビジョンシステム14によって捕捉され、電子制御ユニット10によって分析されて、プリントアセンブリ150のノズル158またはプリントヘッド156に異常があるかどうかを判定することができる。
【0074】
ビルドプレート120はビルドプラットフォームアクチュエータ122に結合されて、装置100の作動軸116に対して垂直方向(例えば、図に示される座標軸の+/-Z方向に平行な方向)にビルドプレート120を昇降させることを容易にする。ビルドプラットフォームアクチュエータ122は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にビルドプレート120に直線運動を付与するのに適した任意の他のアクチュエータとすることができる。好適なアクチュエータとしてはウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビルドプレート120およびビルドプラットフォームアクチュエータ122は装置100の作動軸116の下方(すなわち、図に示される座標軸の-Z方向)に位置するビルドレセプタクル124内に位置付けられる。装置100の動作中、ビルドプレート120は、バインダ材料50の各層がビルドプレート120上に配置されたビルド材料40上に堆積された後、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の動作によってビルドレセプタクル124内に後退される。いくつかの実施形態では、ビルドプレート120がそれに結合されたビルドプレートヒータ121をさらに含むことができる。ビルドプレートヒータ121は、ビルドプレート120上のビルド材料40及び/又はバインダ50にエネルギを印加して、堆積プロセス及び/又は硬化プロセスを容易にする。層内のバインダ50およびビルド材料40の硬化が速いほど、新しい層が迅速に連続してプリントされ得るので、装置100が達成することができる処理能力が高くなる。本明細書で説明するように、装置100は硬化ブロックを加速するために、ビルドゾーン内のビルド材料40およびバインダ50に向けられる他のサプライ源および形態のエネルギを含むこともできる。
【0075】
さらに
図1Bを参照すると、サプライプラットフォーム130はサプライプラットフォームアクチュエータ132に結合され、垂直方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-Z方向に平行な方向)に装置100の作動軸116に対してサプライプラットフォーム130を上昇および下降させることを容易にする。サプライプラットフォームアクチュエータ132は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にサプライプラットフォーム130に直線運動を付与するのに適した任意の他のアクチュエータとすることができる。好適なアクチュエータとしてはウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどが挙げられるが、これらに限定されない。サプライプラットフォーム130およびサプライプラットフォームアクチュエータ132は装置100の作動軸116の下方(すなわち、図に示される座標軸の-Z方向)に位置するサプライ容器134内に配置される。装置100の動作中、サプライプラットフォーム130は本明細書でさらに詳細に説明するように、ビルド材料40の層がサプライプラットフォーム130からビルドプレート120に分配された後、サプライプラットフォームアクチュエータ132の作用によって、サプライ容器134に対して、装置100の作動軸116に向かって上昇する。しかしながら、他の実施形態では装置100が例えば、限定するものではないが、ビルド材料ホッパーを用いてビルド材料40がビルドプレート120に供給される実施形態などのサプライプラットフォーム130を含まないことを理解されたい。
【0076】
付加製造装置100の実施形態は、ビルド材料40及びバインダ50を加熱及び/又は硬化させるための1つ以上のエネルギ源160を含む。実施形態では、リコートアセンブリ140および/またはプリントアセンブリ150がビルド材料40およびバインダ50の硬化および/または相変化を促進するための1つまたは複数のエネルギ源160を含むことができる。1つまたは複数のエネルギ源160は、赤外線ランプ(IRランプ160)、紫外線源、および/または他のタイプのエネルギ源を含むことができる。1つまたは複数のエネルギ源160の強度、曝露期間、および他のパラメータは、電子制御ユニット10、ならびに電力回路、制御回路などの関連ハードウェア構成要素によって制御され得る。図示のように、第1IRランプ160Aはプリントアセンブリ150の前方に面する(例えば、+X方向に面する)面に結合され、第2IRランプ160Bはリコートアセンブリ140の逆方向に面する(例えば、-X方向に面する)面に結合され、第3のIRランプ160Cは、リコートアセンブリ140の前方に面する面に結合される。
【0077】
製造装置100は、装置100の構成要素の動作および環境条件を監視するためのセンサをさらに含む。センサ20は、電子制御ユニット10に通信可能に結合される。電子制御ユニット10はセンサからセンサデータを受信し、センサデータを分析し、ビルドパラメータ補償オンザフライ、ならびにプロセスチャンバ101内の環境条件に対する調整などの制御機能を実装するように構成される。センサ20は1つまたは複数の温度センサ21(例えば、高温計、熱電対、サーミスタ、または液体もしくは固体もしくは気体温度の表面温度またはバルク温度を測定するように構成された他の種類の温度センサ)、相対湿度センサ22、プロセスガス濃度センサ23、電流センサ24、微粒子センサ25、力センサ26、爆発下限(LEL)モニタ27、揮発性有機化合物(VOC)センサ28、または同様の溶剤蒸気濃度センサ、酸素センサ(O2センサ)29などのセンサを含むことができる。センサ20はプロセスチャンバ101内に静的に取り付けられてもよく、またはその中の1つまたは複数の可動アセンブリ(たとえば、プリントアセンブリ150、リコートアセンブリ140など)に移動可能に結合されてもよいことを理解されたい。移動可能なセンサ20は製造装置100の移動する構成要素によって検知が妨げられるのであろう、ビルドプロセスが動作中であるとき、プロセスチャンバ101の検知領域の利点を提供することができる。センサ20の動作は、本明細書に開示されるフローチャートを参照してより詳細に説明される。
【0078】
図1Bはビジョンシステム14(例えば、14Aおよび14B)の少なくとも2つの実装を示す。ビジョンシステム14は、これらの2つの位置および構成に限定されないことを理解されたい。製造装置100は、支持体104に結合されたビジョンシステム14Aを含むことができる。ビジョンシステム14Aは、ビルドプロセス中にビルドゾーンの画像データをキャプチャするために利用される現場監視システムであってもよい。ビジョンシステム14Aは代替的に、プリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140も支持体104に沿って移動するときに、支持体に沿って移動することができるように、支持体104に移動可能に結合されてもよい。ビジョンシステム14Aはプロセスチャンバ101内のゾーン(例えば、CZ、BZ、SZ)の様々な角度および視野を捕捉するために、より具体的には、BZ(例えば、ビルドプレート120上にビルドされているコンポーネント70)の画像データを捕捉するために、パン、チルト、および/またはズームすることができる。プリントアセンブリ150又はリコートアセンブリ140がBZを通過する間に撮像されて、分配されたバインダパターン又は新たな層の分配ビルド材料40に関する異常があるかどうかを判定することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、ビジョンシステム14がプリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140のいずれかまたは両方に結合されるビジョンシステム14Bであってもよい。そのような例では、ビジョンシステム14Bがプリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140がBZのパスを完了しているときに、BZの画像データをキャプチャするように構成され得る。プリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140がBZを横断するスピードが増大することにつれて、静止装着型ビジョンシステム14Aは、ビルドプレート120の完全な視野像を捕捉しなければならない時間が短くなるか、または存在しなくなる。しかしながら、プリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140の動きとともに、および/またはその周りを移動することができるビジョンシステム14(14Aまたは14B)を実装することによって、ビジョンシステム14Aまたは14BはBZ上のプリントアセンブリ150および/またはリコートアセンブリ140の通過中に、BZの連続的な遮られていない画像を撮影することが可能であり得る。キャプチャされた画像データはその後、ビルドプレート120上のアクティブビルドの完全な画像を展開するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0080】
ビジョンシステム14は、電子制御ユニット10に通信可能に結合される。ビジョンシステム14は紫外線波長帯域、可視光波長帯域、または赤外線波長帯域の放射線を検出することができる感知デバイス(例えば、ピクセル)のアレイを有する任意のデバイスであり得る。ビジョンシステム14は、1つまたは複数のカメラまたはX線装置などの他の撮像装置を実装することができる。ビジョンシステム14は、可視スペクトル、赤外スペクトル、および/または紫外スペクトルにおける電磁放射を検出することに感応する1つまたは複数のカメラを含むことができる。したがって、ビジョンシステム14はランプ、赤外線放射器、紫外線光源などの電磁放射励起源を含むことができ、この電磁放射励起源は例えば、ビルドゾーンBZ内のビルド材料40およびバインダ50などの面上に電磁放射を導き、ビルドゾーンBZから1つまたは複数のカメラに反射され、ビジョンシステム14の1つまたは複数のカメラによって捕捉される。いくつかの実施形態では、ランプなどの可視スペクトル光源からの反射光がキャプチャされた画像データのコントラスト解析を通して、バインダ50のパウダーガウジング、短拡散、欠落領域などを照明することができる。一般に、可視光で捕捉された画像データは大きな欠陥領域を検出するのに有用であるが、小さな欠陥領域を検出するのに他の電磁放射源を使用することができる。いくつかの実施形態では、赤外放射を検出して捕捉するように構成されたビジョンシステム14を使用して、ビルドゾーンBZ内のビルド材料40およびバインダ50の熱造影画像を現像することができる。このような場合、熱造影画像を分析して、ビルド材料40内へのバインダ50の侵入の深さ、及び/又はビルドゾーンBZの可視光線検査を通して見えない他の欠点を判定することができる。いくつかの実施形態では、ビジョンシステム14が例えば、紫外線によって励起されるビルドゾーンBZ内のビルド材料40およびバインダ50の画像データを検出および捕捉するように構成されてもよい。紫外線に対するビジョンシステム14の感受性は、ビルドゾーンBZ内のバインダ50とビルド材料40との間のコントラストが強化された画像データを提供する。バインダ50とビルド材料40との間のコントラストが強調された画像データは、様々な照明源で捕捉された他の画像データと比較して、より高い信号対雑音比を含む。上述の実施形態は画像データをキャプチャし、画像データからビルド内の異常を判定する目的で説明されるが、上述の実施形態はパーツが完全にデパウダ化されているかどうか(例えば、蛍光表面強度が、パウダーが存在するときの閾値よりも大きい)を判定するために、マシンビジョン対応自動デパウダ化において使用され得る。
【0081】
1つ以上のカメラは、任意の解像度を有することができる。1つまたは複数のカメラは、全方位カメラ、またはパノラマカメラであり得る。いくつかの実施形態では、ミラー、魚眼レンズ、または任意の他のタイプのレンズなどの1つまたは複数の光学構成要素が1つまたは複数のカメラの各々に光学的に結合され得る。本明細書で説明する実施形態では、1つまたは複数のカメラが電子制御ユニット10に画像データを提供することができる。
【0082】
電子制御ユニット10は分配されたバインダパターンまたは分配されたビルド材料40の新しい層に対する異常の存在を判定するために、1つまたは複数の画像解析処理を実施することができる。プロセスは、マシンビジョン分析、機械学習アルゴリズム、人工知能AIなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がビルドプレート120上のビルド材料40の画像データにおける光のレベル(例えば、光強度)の不一致又はコントラストの差に基づいて異常を判定することができる。光量の不一致はリコート層に、例えば、バインダ50の短い広がり、ガウジング、欠損領域などの不良があることを示してもよい。バインダ堆積パターンに関しては堆積されたバインダパターンを識別するために光量の差を利用することもでき、電子制御ユニット10は識別された堆積されたバインダパターンを、ビルドの特定の層についての予期された又は予め定義されたバインダパターンと比較することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10が装置100の様々なセンサおよびシステムからのフィードバックパラメータのログを維持する。ログは予測解析を開発するために異常が検出される例と共に、電子制御ユニット10によってコンパイルされ、解析され得る。したがって、電子制御ユニット10は、オーバータイムによって、異常が発生する前の一連の事象またはセンサ読取値に基づいて、異常が発生する時期を予測することができる。例えば、リコートアセンブリ140のローラに関連する電流の層毎の増大が、画像データ内で異常が検出される前に存在する場合、電子制御ユニット10は異常が発生する前に、予防保守または他の修正手段を実施することができる。例えば、システムが欠陥を検出した場合、第1アクションは欠陥を記録し、装置100のセンサデータセットを、インスタント層および所定の数の前の層について記録することである。この記録されたデータは、予測分析の開発のために後で使用され得る。
【0084】
プリントアセンブリ150は、他の特徴の中でも、支持ブラケット152と、プリンティングヘッド154と、複数のプリントヘッド156とを備える。支持ブラケット152は支持体104及び装置100の第1アクチュエータアセンブリ102に移動可能に結合され、一方、プリンティングヘッド154は支持ブラケット152の対向する端部に沿って配置され、横方向に沿ってプリンティングヘッドを動作可能にインデックスするように構成された第3のアクチュエータアセンブリ105を介してそれに移動可能に結合される。本明細書でより詳しく説明するように、プリントアセンブリ150のプリンティングヘッド154は複数のプリントヘッド156の2つ以上の列を含むことができ、いくつかの実施形態では、そのうちの少なくとも1つは複数のプリントヘッド156の別の列に対して移動可能である。これにより、少なくとも1つの可動プリントヘッド列156の相対位置を変化させることによって、ジェット信頼性およびジェット解像度を高めて、製造ブロックの少なくとも材料堆積ステップを実行することが可能になる。
【0085】
しかしながら、いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150が複数のジェットノズル158を含む複数のプリントヘッド156を含む。複数のジェットノズル158は長手方向軸を横切る方向に互いに離間されており、第1ジェットノズルから、複数のジェットのうちの第1ジェットに隣接して配置された第2ジェットノズルまでの距離が、ジェット間隔を画定する。
【0086】
さらに
図1Bを参照すると、製造装置100は、第1アクチュエータアセンブリ102、第3のアクチュエータアセンブリ105(本明細書ではまとめてプリンティングヘッド位置制御アセンブリと呼ぶ)、リコートアセンブリ140、第2アクチュエータアセンブリ103、および/またはプリントアセンブリ150に通信可能に結合された制御システム10をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、制御装置(システム)10が特に、プリントアセンブリ150の1つ以上のアクチュエータに結合されてもよい。本例では制御システム10が通信コンジット12を介して装置100に結合されるが、他の実施形態では制御システム10が例えば、無線接続を介してなど、様々な他の手段またはシステムを介して装置100に通信可能に結合され得ることを理解されたい。電子制御ユニット10と呼ばれることもある制御システム10は、プロセッサ10aと、記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令を含む非一時的メモリ10bとを備える。本明細書に記載の動作を含む、装置100の任意の動作は電子制御ユニット10のプロセッサ10aによって実行されるときに、電子制御ユニット10の非一時的メモリ10bに記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令(たとえば、ビルドされるべきコンポーネント70の層のためのスライスされたファイルおよび/または堆積パターンを定義するビルド命令、事前定義されたビルド材料投入パラメータ、事前定義された環境条件のセットなど)によって実行され得る。
【0087】
たとえば、第1アクチュエータアセンブリ102の1つまたは複数のアクチュエータ(たとえば、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械線形アクチュエータなど)は電子制御ユニット10のプロセッサ10aによって実行されたときに、制御システム10の非一時的メモリに記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令によって作動されて、プリントアセンブリ150および/またはリコートアセンブリ140を本明細書で説明する方法で移動させることができる。さらに、以下でより詳しく説明するように、非一時的記憶装置10bに記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令はプロセッサ10aによって実行されると、プリントアセンブリ150を移動させる、プリントアセンブリ150の1つまたは複数のアクチュエータ105を作動させてプリントヘッド156の列を移動させる、ビルドプレート120内のビルド材料40(たとえば、パウダーまたは他の材料)上に材料を堆積させる、などのための様々な処理を電子制御ユニット10に実行させ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がさらに、コンピューティングデバイス15に、随意に、ネットワーク16を介して、または有線もしくは無線接続などの通信リンクを介して直接的に通信可能に結合され得る。コンピューティングデバイス15はディスプレイ15a、プロセッシングユニット15b(例えば、少なくともプロセッサ10a及びメモリを有する)、及びインプットデバイス15cを含むことができ、これらの各々は、共に及び/又はネットワーク16に通信可能に結合することができる。コンピューティングデバイス15は、装置100を用いてコンポーネント70をビルドするための実行可能命令を生成するなどの処理を実行するように構成され得る。この方法は、CAD又は他の関連する3次元製図及びレンダリングシステム並びにスライスエンジン等を実施することができる。スライシングエンジンはコンポーネント70をビルドするために装置100によって実行される複数の動き制御動作、パウダー層配置、バインダのための堆積パターンなどを定義するビルド命令にモデルまたは描画をビルドし、処理するためのコンポーネント70のモデルまたは描画を受信するように構成され得る。スライシングエンジンは、ビルド物が含むべきパウダーの層の数、並びにバインダ50が分配されるべきパウダーの層内の位置を決定することができる。バインダ50の堆積形態は、パウダーの層内の特定の位置に分配されるバインダ50の大きさ(ボリューム)を規定することも含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、ネットワーク16が制御システム10を通信可能に結合するためにブルートゥース(登録商標)技術を利用するパーソナルエリアネットワークである。他の実施形態では、ネットワーク16が1つまたは複数のコンピュータネットワーク(たとえば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはワイドエリアネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、および/または全地球測位システム、ならびにそれらの組合せを含み得る。したがって、制御システム10および/または装置100は、ワイヤを介して、ワイドエリアネットワークを介して、ローカルエリアネットワークを介して、パーソナルエリアネットワークを介して、セルラーネットワークを介して、衛星ネットワークを介してなど、ネットワーク16に通信可能に結合され得る。好適なローカルエリアネットワークは、有線イーサネット(登録商標)および/または例えばWi-Fiなどの無線技術を含むことができる。適切なパーソナルエリアネットワークは例えば、IrDA、Bluetooth(登録商標)、Wireless USB、Z-Wave、ZigBee(登録商標)、および/または他の近距離通信プロトコルなどの無線技術を含み得る。好適なパーソナルエリアネットワークは同様に、例えば、USBおよびFireWire(登録商標)などの有線コンピュータバスを含むことができる。適切なセルラーネットワークはLTE、WiMAX、UMTS、CDMA、およびGSM(登録商標)などの技術を含むが、これらに限定されない。
【0090】
装置100は、1つまたは複数のコンジットを介してプリントアセンブリ150に流体的に結合された1つまたは複数の流体リザーバ110、112をさらに含む。いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150はまた、流体を局所的に貯蔵するための1つまたは複数の局所流体マニホールド110Aおよび112Aを含み得る。特に、1つまたは複数の流体リザーバは、プリントアセンブリ150の1つまたは複数の局所流体マニホールド110Aおよび112Aに流体的に結合され得る。この場合、複数のプリントヘッド156の各々の複数のジェットノズル158は、1つまたは複数の局所流体マニホールド110Aおよび112A内に格納された材料と流体連通する。
図1Bはその中に貯蔵された第1材料114を含む第1流体リザーバ110と、その中に貯蔵された第2材料115を含む第2流体リザーバ112とを含むような1つまたは複数の流体リザーバを示し、第1材料114は、第2材料115とは異なる。第1流体リザーバ110は第1コンジット111を介して複数のプリントヘッド156と流体連通し、第2流体リザーバ112は、第2コンジット113を介して複数のプリントヘッド156と流体連通する。いくつかの実施形態では、第1流体リザーバ110および第2流体リザーバ112が同じ材料を含有する可能性がある。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッド156が複数のプリントヘッド156が同じ材料を堆積するように構成されるように、同じ材料を含む単一の流体リザーバに結合されてもよい。
【0091】
本明細書でより詳しく説明するように、いくつかの実施形態では第1流体リザーバ110が第2流体リザーバ112(すなわち、第2サブセット)とは異なるサブセット(すなわち、第1サブセット)の複数のプリントヘッド156に結合され、複数のプリントヘッド156は第1材料114および第2材料115の各々を集合的に受け取って分配するが、プリントアセンブリ150の複数のプリントヘッド156の各々は第1材料114または第2材料115のうちの1つを受け取って分配する。他の実施形態では、第1コンジットライン111および第2コンジットライン113が例えば、マニホールド、バルブなどの結合機構で互いに結合され得る。この例では流体リザーバ110、112はコンジットライン111、113を介して結合機構と流体連通しており、結合機構はそれに結合され、プリンティングヘッド154に延在する第3のコンジットラインを含む。連結機構は連結機構の作動に応じて複数のプリントヘッド156が第1材料114または第2材料115のうちの1つを受容するように、流体リザーバ110、112とプリンティングヘッド154との間の流体連通を選択的に移行させるように構成され得る。連結メカニズムは複数のプリントヘッド156が両方の材料114、115を同時に受容するように、第1流体リザーバ110および第2流体リザーバ112とプリントアセンブリ150との同時に流体連通を容易にするようにさらに構成され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、プリントヘッド156へのバインダ50のフローを制御するために、1つまたは複数のバルブ、1つまたは複数のポンプ、または両方がコンジットライン111、113およびプリントヘッド156と流体的に結合され得る。場合によっては、ポンプ及びバルブがプリントヘッド156のノズル158内の及び/又はそこから分配されるバインダ50の流れに対する圧の増大を引き起こすように操作されてもよい。このような動作はパージ動作と呼ばれ、ノズル158をクリーニングし、プリントヘッド156の動作を改善するために利用することができる。
【0092】
ここで
図2を参照すると、製造装置100の例示的な実施形態が示されている。本明細書に記載されるように、製造装置100は、プロセスチャンバ101、支持体104、クリーニングステーション108、ビルドプレート120、サプライプラットフォーム130、リコートアセンブリ140、プリントアセンブリ150、下部ビルド材料ホッパー172、続いてサプライプラットフォーム130にサプライする上部ビルド材料ホッパー170、および環境制御システム180を含む。プロセスチャンバ101は、クリーニングゾーンCZ、ビルドゾーンBZ、プロセスチャンバ101の長さに沿って個別の部分に順次配置されたサプライゾーンSZを含む。プロセスチャンバ101はビルド材料40を分配し、バインダ材料50を付加製造装置100に堆積させるためのアクチュエータアセンブリを含む。アクチュエータアセンブリは一般に、第1垂直面内でプロセスチャンバ101の長さに沿って(例えば、+/-X軸に沿って)延びる支持体104を含むことができる。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料40を分配するためのリコートアセンブリ140と、バインダ材料50を堆積させるためのプリントアセンブリ150とをさらに含むことができる。プリントアセンブリ150は、支持体104の長さに沿って前進(F)(+X軸)方向および後進(R)(-X軸)方向に移動するように構成された第1アクチュエータ102(
図1B)を介して、支持体104に移動可能に結合される。プリントアセンブリ150は、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置される。
【0093】
リコートアセンブリ140は1つ以上のドクターブレード141(
図1B)および/または1つ以上のローラ142(
図1B)などの1つ以上のパウダー展着部材を含み、BZ内のビルドプレート120上にビルド材料40を分配する。1つまたは複数のローラ142は、ビルド材料40を回転および分配するためにモータによって駆動されてもよく、または受動的回転部材であってもよい。いずれにせよ、電流センサ24を利用して、1つ以上のローラ142の回転を監視し、例えば、リコートアセンブリ140がSZおよびBZを横切るときにローラの回転に耐性があるかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ140が1つまたは複数のパウダー展着部材をクリーニングするために接して回転することができるローラブラシ143(
図1B)を含む。
【0094】
リコートアセンブリ140は、支持体の長さに沿って前進(F)および後退(R)に移動するように構成された第2アクチュエータ103(
図1B)を介して、支持体104に移動可能に結合される。リコートアセンブリ140はリコートアセンブリ140がリコート作動軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってリコートアセンブリ140の双方向運動をもたらすリコート作動軸を含むことができる。リコートアセンブリ140は、第1垂直面に平行な第2垂直面内に配置される。リコート作動軸およびプリント作動軸は、同じ軸を共有していてもよく、または互いに並行であってもよく、垂直方向に互いに離間していてもよい。
【0095】
BZは、ビルドプレート120を含む。ビルドプレート120は、プロセスチャンバ101に任意選択的に気密されるビルドレセプタクル124内に配置されてもよい。サプライゾーンSZはサプライプラットフォーム130を含み、ビルドゾーンBZにわたる分配のためにビルド材料40をリコートアセンブリ140にサプライするように構成される。サプライプラットフォーム130は、ビルド材料40の連続的かつ安定したサプライを提供する1つまたは複数の制御および輸送機構を介して、下部ビルド材料ホッパー172に結合され得る。上部ビルド材料ホッパー170はビルド材料40を下部ビルドホッパー172内に解放し、ビルド材料40をサプライプラットフォーム130上に移送することができる電気的または空気圧作動バルブ(図示せず)を含むことができる。サプライプラットフォーム130上のビルド材料40はリコートアセンブリ140がビルドプレート120上を横断するときに、そこからビルドプレート120に移送されてもよい。サプライプラットフォーム130は、上下に(+/-Z軸に沿って)作動されてもよく、その結果、下部ビルドホッパー172は追加のビルド材料40をサプライプラットフォーム130上に移送することができ(例えば、下の位置にあるとき)、リコートアセンブリ140はビルド材料40をサプライプラットフォーム130からビルドプレート120に押し出すことができる(例えば、サプライプラットフォーム130が上の位置にあるとき)。
【0096】
クリーニングゾーンCZは、クリーニングステーション108を含む。クリーニングステーション108はプリントアセンブリ150、特にプリントアセンブリ150の複数のプリントヘッド156をバインダ堆積動作の間にクリーニングすることを容易にするために、1つまたは複数のクリーニング部を含むことができる。クリーニング部は例えば、過剰なバインダ材料50を複数のプリントヘッド156から溶解するためのクリーニング液を収容する浸漬ステーション、過剰なバインダ材料50及び/又はクリーニング液を複数のプリントヘッド156から除去するための拭き取りステーション、バインダ材料50をパージするための(例えば、ジェットノズル158内にメニスカスを再確立するための)ジェットステーション、及び/又は複数のプリントヘッド156からクリーニング液をパージするためのジェットステーション、複数のプリントヘッド156の複数のジェットノズル158内の湿気を維持するためのキャッピングステーション、又はこれらの様々な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。プリントアセンブリ150は、第1アクチュエータアセンブリ102によってクリーニング部の間で移行されてもよい。いくつかの実施形態では、装置100がクリーニングステーション108および/またはホームポジション151(
図1B)に近接する作動軸116の一端に近接して配置されたジェット試験/パージ領域109(例えば、プリントアセンブリ150がパージ処理を実行することができる)を含むことができる。装置100のジェット試験/パージ領域109はビルドプレート120に沿って堆積を行う前に、プリントアセンブリ150による材料堆積(例えば、パージブロック)を容易にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ジェット試験/パージ領域109がジェット試験領域として機能する。そのような例では、プリントアセンブリ150が本明細書ではスピット/テストパターンと呼ばれる所定のパターンでバインダ50材料を分配することができる。例えば、スピット/テストパターンは、対応するジェットノズルによって分配され、個々のジェットノズル間の識別を可能にするような方法で空間的に配置されたバインダ50の点および/または線の空間的配置を含むことができる。したがって、ビジョンシステム14によって捕捉され、電子制御ユニット10によって分析されたときの分配されたパターンはボリューム出力、軌道整列(例えば、真直度)、複数のジェットの個々のジェットノズル158間の空間的配置(例えば、ヨー、オフセット、および/またはオーバーラップ)などを含むジェットノズルの健全性などの情報を提供することができる。分配されたパターンは、その後、ビジョンシステム14によって捕捉され、電子制御ユニット10によって分析されて、プリントアセンブリ150のノズル158またはプリントヘッド156に異常があるかどうかを判定することができる。電子制御ユニット10はプリントアセンブリ150のノズル158またはプリントヘッド156に異常があるかどうかを判定するために、分配されたパターンのキャプチャされた画像を履歴画像データまたは予想される分配されたパターンの画像データと比較することができる。
【0097】
製造装置100は、環境制御システム180をさらに含む。環境制御システム180は、1つまたは複数のポート、バルブ、換気コンジットなどを介してプロセスチャンバ101に結合される。環境制御システム180は、プロセスチャンバ101内の環境条件を制御するための1つ以上のサブシステムを含む。1つまたは複数のサブシステムは、熱交換器181、除湿器および/または凝縮器182、プロセスガスサプライ源183、空気またはプロセスガス濾過システム184などを含むことができる。サブシステムの各々は電子制御ユニット10が電子的または空気圧的に作動または非作動にすることができる1つまたは複数の制御可能なバルブを含むことができ、その結果、バルブは、閉鎖され得るか、またはサブシステムがプロセスチャンバ101と接続または切断される。いくつかの実施形態では、環境制御システム180がビルドに好ましいプロセスチャンバ101内の環境条件を維持するように適合される。例えば、環境制御システム180は、プロセスチャンバ101内の圧力、プロセスガス濃度、相対湿度、溶剤蒸気濃度、浮遊ビルド材料40の濃度、プロセスチャンバ101の温度などの動作範囲を含むことができる、所定セットの環境条件内の環境を調整することができる。
【0098】
次に
図3~
図6を参照すると、製造装置100の動作の例示的な方法を示すフローチャートが示されている。より具体的には、例示的な方法がコンポーネント70をビルドする信頼性および速度を改善する閉ループ制御方法を開示する。例えば、一般に、本方法は信頼性を改善し、動作の速度を高めるために、ビルド動作を検出、分析、および補償するステップを含む。
図3は、信頼性を改善するためのプリント方法に関連するフローチャートを示す。
図4は、信頼性を改善するためのリコート方法に関連するフローチャートを示す。
図5は、ビルド速度を改善するための硬化方法に関連するフローチャートを示す。
図6は、信頼性を改善するための環境制御システム180の動作方法に関連するフローチャートを示す。これらの方法の各々は、制御ロジックとして実装され、電子制御ユニット10によって実行され得ることを理解されたい。さらに、方法は別々のフローチャートで示されているが、方法は一緒に統合されてもよい。
【0099】
図3を参照すると、フローチャート300は、ビルド動作の信頼性を改善するための閉ループ制御動作を含むプリント方法を示す。実施形態では、電子制御ユニット10がコンポーネント70をビルドするためのビルド命令をプリントアセンブリ150にロードする(ブロック302)。いくつかの実施形態では、ビルド命令が欠陥ノズル158に対処するための画像シフト設定および/またはジェットノズルマッピングなどの補償設定を含む。ビルドプレート120内のビルド材料40の空間部分を画定する複数のピクセルおよび/またはボクセルは装置100によってビルドされるコンポーネント70のデジタルビルドファイル(例えば、記憶されたおよび/または電子制御ユニット10にアップロードされた堆積パターンおよび/または装置100制御命令を画定する)に基づいて画定され得る。デジタルビルドファイルは、ビルド命令に含まれてもよい。ビルドの層毎のピクセルは、プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZを横切るように構成された軌道に沿って画定されてもよい。電子制御ユニット10はビルド命令に基づいて、1つまたは複数のジェットノズル158を、ビルドゾーンBZ内のビルド材料40上の所定の位置にジェットノズル158がバインダ50の所定のドロップボリュームを堆積させるように、ビルド物の現在の層の軌道および/またはピクセルおよび対応する設計堆積パターンにマッピングすることができる。
【0100】
いくつかの実施形態ではプリントアセンブリ150がビルドゾーン内のビルド材料40上にバインダ50を堆積し始める以前に、プリントアセンブリ150はブロック304でクリーニングゾーンCZを横断する。本明細書に記載されるいくつかのプロセスは、ターンオーバー時間を低減するために並行して実行され得ることを理解されたい。例えば、ビルド命令をロードすること、プリントアセンブリ150のクリーニング動作を実行することなどは、並行して実行され得る。クリーニングゾーンCZでは、プリントアセンブリ150がクリーニングステーション108のワイパ及び/又は他の要素を横断して、ジェットノズル158をクリーニングし、及び/又はジェットノズル158の各々にメニスカスを確立することができる。いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150が例えば、上述したように、ブロック306および308で説明したように、ジェットノズルの不具合を判定することに応じて、クリーニング動作を実行することができる。プリントアセンブリ150はまた、ジェット検査/パージ領域109において、スピット/検査パターンを実行することができる(ブロック304)。ブロック306において、ビジョンシステム14はスピットパターンを画像化し、分析のために画像データをデジタル化することができる。プリントアセンブリ150内に不良ノズル158があるかどうかを判定するために、画像データが分析される。電子制御ユニット10が不良ノズル158の存在を判定した場合、ブロック308において修正ジェットマッピングを判定することができる。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がプリントアセンブリ150に、欠陥ジェットノズル158の存在を決定することに応じてクリーニング動作を実行させて、欠陥ジェットノズル158が層ビルド中に使用から除去され得るように、または欠陥ジェットノズル158の影響が最小化され得るように、詰まったノズルなどの欠陥を修正することを試みるか、または修正ジェットマッピングを実装することができる。修正ジェットマッピングは次のビルドパス(例えば、ビルドゾーンBZ上のバインダ堆積パス)のための計画された軌道から、次のビルドゾーンBZ上の修正された軌道へとジェットノズル158を再マッピングすることを含んでもよい。軌道とは、プリントアセンブリ150がBZを横断するときに、ジェットノズルがビルドゾーンBZを横断する経路を指す。修正ジェットマッピングは、欠陥ジェットノズル158が存在すると判定したことに応じて、ブロック310でプリントアセンブリ150の制御動作をアップデートするように実施されてもよい。例えば、ビルドゾーンにわたるプリントアセンブリのその後の横断のためのプログラムされた堆積パターンへの調整は、複数のノズルのうちの選択されたノズルのマッピングを更新して、その後のビルド層のピクセルを選択することを含み得、その結果、プリントアセンブリの第1横断の間にピクセルの第1選択セットにバインダを分配するようにマッピングされた第1ノズルがビルドゾーンにわたるプリントアセンブリの第2横断の間にピクセルの第2選択セットにバインダを分配するようにマッピングされる。いくつかの実施形態では、複数のノズルのうちの選択されたノズルがプリントアセンブリの前の横断においてバインダを分配するようにマッピングされた第1ノズルが、ピクセルが存在しないビルド層の区域にマッピングされるように、後続のビルド層のために再マッピングされてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、この動作が例えば、プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZを横断し、順方向パス中にバインダ50を分配する前に、「オンザフライ」で実行されてもよい。「オンザフライ」は層のビルド動作が開始する前に、マシンにロードされた所定の調整ではないビルドの層の上を通過する間に、プリントアセンブリ150(またはリコートアセンブリ140)の動作を調整することを指す。ブロック312において、電子制御ユニット10はプリントアセンブリ150に、ビルド命令によって定義されたプログラムされた堆積パターンおよび修正されたジェットマップなどの任意の修正設定に従ってバインダ50を分配しながら、ビルドゾーンを前方に横断させる。ブロック312におけるアクティビティはプリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140が衝突しないことを保証するために、リコート処理のブロック404におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。さらに、ブロック312における活動は、硬化プロセスのブロック502における活動と同期され得ることに留意されたい。
【0102】
プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZの順方向パスを完了すると、ブロック314Aにおいて、プリントアセンブリ150のプリントヘッド156はバインダ堆積の均一性を改善するために、ビルドゾーンBZ上で第2パス(例えば、逆方向パス)を実行する以前に、サブピクセル増分の整数倍でインデックスされ得る。いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZの順方向パスを完了すると、順方向パスの完了はリコートアセンブリ140がビルドゾーンBZ上のパスを実行して、ブロック314Bでビルド材料40の新しい層を分配する前に、ビルドプレート120を下降させるようにトリガすることができる。いくつかの実施形態では、ブロック314Aおよび314Bの両方が実行される。いくつかの事例では、ブロック314Aおよび314Bにおけるプロセスのいずれも実行されない。すなわち、プリントアセンブリ150はブロック312において、ビルドゾーンBZ分配バインダ50上の順方向パスを完了し、次いで、ブロック316に進み、ここで、プリントアセンブリ150は、ビルドゾーンBZ上の逆方向パスを実行する。さらに、プリントアセンブリ150の順方向がビルドゾーンBZ上を通過した後にビルドプレート120が下げられない場合、プリントアセンブリ150の逆方向がビルドゾーンBZ上を通過した後にビルドプレート120が下げられる。ビルドゾーンBZ上を逆方向に通過する間、プリントアセンブリ150は本明細書に記載されるようにバインダ50を分配することができ、またはビルドの層上にさらなるバインダ50を分配することなくビルドゾーンBZを横断することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZの順方向パスおよび/または逆方向パスを完了すると、ビジョンシステム14はブロック318での分析のために、ブロック317での分析のためにビルドゾーンBZの画像データをキャプチャすることができる。いくつかの実施形態ではプリントアセンブリ150がビルドゾーンBZの第1順方向パスを完了すると、電子制御ユニット10は1つまたは複数のセンサからの帰還の解析に応じて、噴出故障の場合にバインダ50の正確な分量を送達するために後続の順方向パスが必要であると決定することができる。そのような例では、電子制御ユニット10がプリントアセンブリ150をビルドゾーンBZのホームポジション151側に戻して、任意選択で、1つまたは複数の欠陥のあるジェットノズル158が最初のパスと同じ軌道に整列しないように調整されたジェットノズルマッピングを用いて、ビルドゾーンBZを通過する順方向のバインダ堆積を繰り返すことができる。
【0104】
ブロック316において、電子制御ユニット10はビルド命令によって定義されたプログラムされた堆積パターンに従ってバインダ50を分配しながら、プリントアセンブリ150にビルドゾーンを逆方向に横断させる。ブロック316におけるアクティビティは、硬化処理のブロック502におけるアクティビティと、任意選択で、リコート処理のブロック404におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。ブロック318において、プリントアセンブリ150がビルドゾーンBZを逆方向に横断する前後のいずれかにおいて、電子制御ユニット10は、ブロック317においてキャプチャされた画像データを分析して、分配されたバインダパターンにジェット不良又は異常があるかどうかを判定する。分配されたバインダパターンにおける異常の存在の判定に応じて、電子制御ユニット10はブロック320において、異常に対処するために、ビルドゾーン上のプリントアセンブリ150のその後の横断のために、ビルド堆積パターンの軌道および/またはピクセルへのジェットノズル158のプログラムされたマッピングを調整することができる。ジェットノズルマッピングに対する任意の調整は、ブロック322で電子制御ユニット10およびプリントアセンブリ150によって実施されてもよく、その後、ブロック302に戻る。ブロック322において、ビルドの層と、またはビルドの層のパスとの間のジェットノズルの事前に計画された、例えば、ランダム化されたインデックスが、ビルド命令に実装され得る。例えば、事前に計画されたインデックスは、同じジェットノズルが層間または層のパス間のいずれかで、ビルドゾーンBZを横切って同じ軌道を横断しないことを提供し、それによって、ジェットノズルがバインダをその上に分配するビルド物の一部の計画されたランダム化を実施する。この無作為化は、ビルド中にジェットノズルが故障した場合の冗長性のレベルを提供する。不良ジェットノズルが同じ軌道を横断し続けないように、ランダム化はジェットノズルを所定の間隔で異なる軌道にシフト(例えば、インデックス)させるか、または通過させ、したがって、不良ジェットノズルによって引き起こされるいかなる問題も悪化させる。いくつかの調整は例えば、修正ジェットノズルマッピング、前の層または他のジェットノズルクリーニング動作中の欠陥バインダ堆積に対処するために次層を過飽和させるなどのグレースケール修正を含むことができる。他のジェットノズルクリーニング動作は例えば、ブロック324に関してより詳しく説明するように、加圧バインダ50がジェットノズル158からジェット試験/パージ領域109にパージされる、積極的なパージ動作を含むことができる。いくつかの例では、クリーニングまたは材料パージ動作などのさらなる修正措置がブロック324および326において、ブロック320において分配されたバインダパターンの異常の存在を判定することに応じて、プリントアセンブリ150によって完了され得る。同じジェットノズルまたは複数のジェットノズル158が他のものよりも頻繁に欠陥があるかまたはクリーニングされる必要があると繰り返し識別される動作では、電子制御ユニット10が交換または修理が予定され、実施され得るように、オペレータまたは品質監視システムへのジェットノズルおよびフラグジェットノズルに関する問題の頻度の増加を検出し得る。
【0105】
例えば、ブロック324で、電子制御ユニット10は、プリントアセンブリ150にクリーニング動作を実行させることができる。クリーニング動作はプリントアセンブリ150に、クリーニングゾーンCZ内のクリーニングステーション108のワイパ及び/又は他のクリーニング要素を横断させることを含んでもよい。例えば、バインダサプライライン111および113からのバインダ50のフローを制御するためのプリントヘッドに関連するバルブを閉じ、ノズル158を加圧することができる。この動作はプリントアセンブリ150がクリーニングステーション108のワイパを横断している間に、任意選択的に行われてもよい。CZの横断は、プリントアセンブリ150がBZを横断する速度よりも速いまたは遅い速度で完了することができる。次いで、バルブはジェット試験/パージ領域109へのバインダ50の迅速なパージが達成され得るように、ブロック326で開かれ得る。そのような処理は例えば、分配されたバインダパターンの異常を判定することに応じて、ジェットノズル158及びプリントヘッド156をクリーニングすることができる。パージおよび/またはクリーニング動作およびそれらのパラメータは、前の層からの画像データの分析に基づいて機械学習に基づいて調整され得る。例えば、クリーニングプロセス中に使用される圧の量、または、ノズル158を通るバインダ50の流れの量が将来のクリーニングプロセスを積極的に改善するように調整され得る。
【0106】
電子制御ユニット10はバインダ50の新しい層がビルド命令に従ってビルドゾーンBZに堆積されるように規定されるたびに、ブロック302~322の動作を繰り返すように構成される。
【0107】
さらに、いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150がクリーニング動作を受けている間に、任意選択でプリントの直前または直後に、プリントアセンブリ150へのバインダ50のサプライ(たとえば、1つまたは複数の局所流体マニホールド110Aおよび112A)がブロック328で再充填され得る。さらに、ブロック330において、さらなるプリントアセンブリ150堆積活動の前に、例えば、減圧を実施して、ブロック324に関して説明したパージ動作などの加圧パージ動作に続いて、プリントヘッド内にバインダ50循環を再確立することができる。ブロック332において、電子制御ユニット10はブロック312および/またはブロック330における処理に応じて、プリントヘッドバインダサプライ圧力を監視し、それらが許容範囲内にあるかどうかを判定することができる。それらが許容範囲外である場合、電子制御ユニット10はノズル158へのバインダ循環が所定の許容範囲内にあるように、圧力を調整するための修正措置を実施することができる。
【0108】
ここで
図4を参照すると、フローチャート400は、リコート動作の信頼性を改善するための閉ループ制御動作を含むリコート方法を示す。実施形態では、電子制御ユニット10が、リコートアセンブリ140がコンポーネント70をビルドするためのビルド命令を、ブロック402でロードし、これにより、リコートアセンブリ140は次回のビルド材料40の分配のために、ローラおよび/またはドクターブレードの高さおよび横断スピードを構成する。ビルド命令は、ビルド材料40の新しい層のためのビルド材料の厚さ、および任意選択で、リコートブロック、ビルドゾーンを横断するためのリコートアセンブリスピード、リコートアセンブリ140のローラの回転速度、リコートアセンブリ140のローラの回転方向などによって良好な被覆を保証するための過量を定義することができる、予め定義されたビルド材料の投入パラメータを含む。電子制御ユニット10は、ブロック402において、パウダーサプライプロセス、投与が完了したかどうかを判定することもできる。投与、パウダーサプライブロックはサプライプラットフォームアクチュエータ132を作動させて、サプライプラットフォーム130を上方向(例えば、+Z軸方向)に移動させて、ビルド材料40をビルドゾーンBZに分配するためにリコートアセンブリ140に導入することを含む。投与はリコートアセンブリ140がホームポジション153にあるとき、例えば、ブロック402aで行われる。さらに、投与は、ビルド材料40の新しい層がリコートアセンブリ140によってビルドゾーンBZ内に分配される毎に行われる。
【0109】
時々、追加のパウダーサプライプロセスが実行されてもよい。例えば、パウダーサプライセンサがサプライプラットフォーム130上のビルド材料40のレベルが閾値を下回ることを示すとき、電子制御ユニット10は、サプライプラットフォーム上のビルド材料40を補充するための1つまたは複数のプロセスを開始することができる。いくつかの実施形態ではブロック402bにおいて、下部ビルド材料ホッパー172はビルド材料をサプライプラットフォーム130にサプライすることができる。これは、下部ビルド材料ホッパー172に貯蔵されたビルド材料40がサプライプラットフォーム130上に流れることができるように、サプライプラットフォーム130をあるレベルまで下げることによって達成することができる。次に、サプライプラットフォーム130を再び上昇させて、投与を行うことができる。いくつかの実施形態では、例えば、ブロック402cにおいて下部ビルド材料ホッパーを補充するために、上部ビルド材料ホッパー170を含む材料処理システムが必要とされ、それにより、さらなるビルド材料が下部ビルド材料ホッパー172によってサプライプラットフォーム130に供給されビルド、投与が行われる。ブロック402bにおける補充プロセスの頻度は数層毎(例えば、20~40層毎)に生じ得るが、個々の層の厚さ、ホッパーのサイズ、およびビルドボックスの断面積にさらに依存する。さらに、ブロック402cにおける補充プロセスの頻度は100以上の層がビルドされた後に生じ得る(例えば、~100~~500層であるが、個々の層の厚さ、下部および上部ビルド材料ホッパー172および170の容量にさらに依存し、それは電子制御ユニット10にホッパー172および170の現在の充填レベルなどを示すためにセンサで監視され得る)。ブロック402bおよび402cにおけるサプライ処理は、ビルド動作中の様々な時点で行われてもよく、リコートアセンブリ140がそのホームポジション153にある間に実行される必要はないことを理解されたい。
【0110】
投与が完了すると、または投与が行われている間に、電子制御ユニット10は、ブロック404を実行することができる。ブロック404において、電子制御ユニット10はプリントアセンブリ150が例えばブロック316において、ビルドゾーンBZを通過することを開始したか、または完了したと判定し、次いで、ブロック406において、リコートアセンブリ140に、サプライプラットフォーム130上にマウントされたパウダーを押すサプライゾーンSZを横断させる。例えば、リコートアセンブリ140はプリントアセンブリ150が逆方向パスを完了するのを待つことができ、任意選択で、ブロック404で追加の遅延を待つことができる。いくつかの実施形態では、環境制御装置(システム)180の吸引がリコートアセンブリ140で生成され得るように、排気されたバルブを完全にまたは部分的に閉じさせ得る。この吸引は、プロセスチャンバ101から収集され、除去されるべき浮遊ビルド材料40の収集を容易にする。ブロック406におけるアクティビティは、硬化プロセスのブロック506におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ140内のローラブラシ143(
図1B)がブロック408でリコートアセンブリ140がビルドゾーンBZを横断する前に、回転してローラ142をクリーニングすることができる。いくつかの実施形態では、ローラ142がローラブラシ143に対して回転してもよい。いくつかの実施形態では、ローラブラシ143が、ローラブラシ143がローラ142をクリーニングすることができるように、ローラ142と係合するように移動することができる。
【0111】
いくつかの実施形態ではリコートアセンブリ140がビルドゾーンBZを横切ってプリントアセンブリ150に直接的に追従することができるが、いくつかの例では電子制御ユニット10がリコートアセンブリ140にビルドゾーンBZを横切らせてビルド材料40の新しい層を分配させるまでの遅延を実施することができる。ブロック410において、電子制御ユニット10はリコートアセンブリ140にビルドゾーンBZを横断させて、ビルド材料40をその上に(例えば、逆方向R、-X軸方向に)分配(例えば、プッシュ)させる。リコートアセンブリ140の1つ以上のローラ142及び/又はドクターブレード141は第1通過(例えば、逆方向)中に、ビルドゾーンBZを横切ってビルド材料を押す。ローラ142は回転速度および/または方向で回転することができ、回転速度および/または方向はマルチローラシステム内の各ローラについて同じであってもよいし、異なる速度および/または方向であってもよい。ブロック410におけるアクティビティは、硬化プロセスのブロック506におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。リコートアセンブリ140がビルドゾーンBZの反対側(例えば、SZの反対側)の端部に達すると、ブロック412において、リコートアセンブリ140のローラ及び/又はドクターブレードを持ち上げて、第1パスからビルド材料40の任意の残留マウンドを越えて(「ホップオーバー」)移動させることができる。
【0112】
電子制御ユニット10はブロック414において、リコートアセンブリ140を逆方向にビルドさせ、再度、ビルドゾーンBZを(例えば、順方向Fに)横断させ、任意の残りのビルド材料40をビルドゾーンBZを横切って押して、新しい層に対して画定されたビルド材料40の厚さを生成する。ブロック414における活動は、硬化プロセスのブロック510における予熱プロセスと同期され得ることに留意されたい。ブロック416において、電子制御ユニット10はさらに、リコートアセンブリ140にサプライゾーンSZを横断させ、任意の残りのビルド材料40をビルド材料サプライプラットフォーム130上に押し戻すか、または任意選択で、サプライプラットフォーム130に近接して配置されたビルド材料戻しビン内に押し戻す。
【0113】
電子制御ユニット10はビルド指示に従って、ビルド材料40の新しい層がビルドゾーンBZに分配されるように規定されるたびに、ブロック402~416の動作を繰り返すように構成される。
【0114】
なお、上記の説明ではリコートアセンブリ140を用いてビルドゾーンBZにビルド材料40を分配させる処理について説明したが、電子制御ユニット10はリコートの不良検知・修正処理を実施してもよい。ブロック418において、電子制御ユニット10は、所定のビルド材料投与パラメータを含むビルド命令をロードする。電子制御装置(システム)10はブロック402において、リコートアセンブリ140へのビルド命令のロードを容易にするか、または本明細書に記載のブロック420~424の結果に基づいて判定された任意の修正措置に基づいて、ビルド命令をアップデートすることができる。ブロック420において、電子制御ユニット10は
図3のブロック312及び316を参照して説明したように、プリントアセンブリ150による順方向パス及び/又は逆方向パスの前又は最中に、ビルドゾーンBZのビジョンシステム14から画像データを捕捉及び受信する。電子制御ユニット10によって解析されて、リコート内の(例えば、ビルドゾーンBZ内に分布された物質の新しい層内の)異常の存在が判定される。加えて、リコートアセンブリ140の第1通過中(例えば、逆Rの方向)、電子制御ユニット10はローラ142、ドクターブレード141に関連する力センサ26、および/または422における他のセンサ上の電流引き込みを監視するように構成された電流センサ24などの、リコートアセンブリ140に関連する1つまたは複数のセンサを監視する。電子制御ユニット10はまた、リコートアセンブリ140に関連する1つ以上のセンサ、例えば、ローラ142上の電流引き込みを監視するように構成された電流センサ24、ドクターブレード141に関連する力センサ26、及び/又はリコートアセンブリ140の戻りパス(例えば、順方向パス)中の他のセンサを監視してもよい。
【0115】
電子制御ユニット10によって受信されたセンサデータおよび/または画像データに応答して、電子制御ユニット10は、ブロック422において、センサデータおよび/または画像データの分析を実行して、分配ビルド材料40の新しい層における任意の異常の存在を判定する。ブロック424において、異常の存在の判定に応答して、電子制御ユニット10は、修正措置を実施する。修正措置は所定のビルド材料投入パラメータを調整すること、リコートアセンブリ140に、ビルド材料40の新しい層上へのプリントアセンブリ分配バインダ50の前に、ビルド材料40を新しい層上に再分配させること、ビルドブロックを停止させること、リコートアセンブリ140をクリーニングステーション108の1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせること、等を含むことができる。
【0116】
ここで
図5を参照すると、フローチャート500は硬化ブロックの閉ループ制御動作を含むリコート方法を示しており、バインダ50の付着および/またはビルド材料40の分配の間のビルド材料40および/またはバインダ50の硬化および/または予熱のスピードを改善する。本明細書で上述したように、製造装置100はビルド材料40からの溶剤の硬化プロセスおよび/または蒸発を容易にするために、IRランプ160などの1つまたは複数のエネルギ源160を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギ源160がプリントアセンブリ150および/またはリコートアセンブリ140に結合され得る。以下の手法は、第1IRランプ160Aがプリントアセンブリ150の順方向対向面に結合され、第2IRランプ160Bがリコートアセンブリ140の逆方向対向面に結合される実施形態を説明する。
【0117】
ブロック502に移ると、プリントアセンブリ150が(例えば、ブロック316において)ビルドゾーンBZを逆方向に横断するとき、第1IRランプ160Aは、第1高さおよび/またはフローガス161Aのエネルギをビルド材料40およびビルドゾーンBZ内のバインダ50に印加して、硬化反応および/または相変化を促進する。ブロック504において、プリントアセンブリ150がブロック316においてビルドゾーンBZを横断した後、電子制御ユニット10は任意選択的に、溶剤の蒸発を促進するためにビルドプレート120上のビルド物に熱を提供するビルドプレートヒータ121を作動させる。他の実施形態では、ビルドプレートヒータ121がビルドプレート120上のビルドに熱を提供して、ビルドプロセス全体を通して溶剤の蒸発を促進し、断続的に活性化および非活性化されない。ビルドプレートヒータ121はビルドプレート120がビルド中に所定の温度を維持することができるように、温度設定点の付近で能動的にオン及びオフを繰り返すことができる。いくつかの例では、ビルドが層状に成長することにつれて、ビルドの表面が、ビルドが進行することにつれてビルドプレート120の表面からの距離が増加するので、ビルドプレート120上のビルド材料40の表面温度が所定の温度(例えば、所定の範囲内)を維持するように、設定点が増加し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がブロック506において、環境制御装置180に、IRランプ160Bを通って、またはその周りにガス161Bを流させて、バインダ蒸気を熱風で置換させ、硬化ブロックを加速させるために、ビルド材料40およびビルドプレート120上のバインダ50に追加のエネルギ源(例えば、熱源)を提供する。IRランプ160Bはまた、ブロック506での硬化処理を加速するために、ビルド材料40およびビルドプレート120上のバインダ50にIRエネルギを供給してもよい。IRランプ160A、160B、および160C、ならびにフローガス161A、161B、および161Cは、ビルド中の様々なタイミングにビルド材料40およびバインダ50を硬化または予熱するための熱を導入することを理解されたい。さらに、IRランプ160Bを通る、またはその周りのフローガス161Bはランプを冷却し、ランプの寿命を延ばすことができる。さらに、ブロック508において、リコートアセンブリ140が(例えば、ブロック410において)逆方向RにビルドゾーンBZを横断するとき、第2赤外線ランプ160Bは、第1高さのエネルギをビルド材料40及びビルドゾーン内のバインダ50に印加して、硬化反応及び/又は相変化を促進する。同様に、リコートアセンブリ140がビルドゾーンBZを順方向Fに横断するとき(例えば、サプライゾーンSZへの戻りパス中、ブロック414において)、第2赤外線ランプ160Bは第2高さのエネルギをビルド材料40に印加し、ビルドゾーン内のバインダ50は、ブロック510においてビルド材料40を予熱する。フローガス161BはIRランプ160Bの動作に関して論じられるが、各エネルギ源(例えば、各IRランプ160A、160B、または160C)はIRランプ160A、160B、または160C(
図1B)を流れ、またはその周囲にフローガス161A、161B、および161C(
図1B)を含み得ることが理解される。
【0119】
電子制御ユニット10はビルド指示に従って、ビルド材料40の新しい層がビルドゾーンBZに分配されるように規定されるたびに、ブロック502~510の動作を繰り返すように構成される。
【0120】
前述のブロックはIRランプ160、フローガス161(例えば、IRランプ160からの熱によって生成される加熱フローガス)、およびビルドプレートヒータ121などの硬化機構を実装するプロセスを説明するが、電子制御ユニット10は1つまたは複数のエネルギ源160が硬化プロセス、相変化、および/または溶剤蒸発を容易にするために必要な加熱を提供していることを保証する閉ループ制御システムを実装することもできる。
【0121】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がブロック512において、所定のIRランプ160のエネルギレベル、フローガス161の速度、および/またはプロセスガス温度(例えば、プロセスチャンバ101内の平均環境温度)および表面温度範囲(例えば、任意選択で高温計を使用して監視される、ビルドプレート120上のビルド材料40の表面温度)を含むビルドのためのビルド命令をロードする。ブロック514において、(例えば、ブロック404における)ジェット/リコート遅延の間、またはビルド中の継続的な動作として、電子制御ユニット10は、1つまたは複数のセンサからのセンサデータを監視する。例えば、電子制御ユニット10は、プロセスチャンバ101内の高温計及び/又はプロセスガス温度を使用して、ビルドゾーンBZ内のビルド材料40の表面温度を受け取ることができる。ブロック516ではリコートアセンブリ140の最初の通過および戻りがビルドゾーンを通過する間(例えば、ブロック410および414で)、電子制御ユニット10はビルドプレート120上のビルド材料40のフローガス161温度および/または表面温度を監視する。電子制御ユニット10はセンサデータを分析して、フローガス161の温度(例えば、IRランプ強度およびフローガス161の速度の関数であり得る)および表面温度が、ブロック518で定義された所定の温度範囲内にあるかどうかを判定する。温度値が所定の範囲内にないとの判定に応答して、電子制御ユニット10は、1つ以上のIRランプ160の強度、フローガス161の速度、ビルドプレートヒータ121のオン/オフサイクル時間、および/または環境システムからの加熱プロセスガスの納期を調整して、温度を上昇または低下させることができる。
【0122】
ここで
図6を参照すると、フローチャート600はリコート動作の信頼性を改善するために(例えば、プロセスチャンバ101内の湿度を制御することによって)、および硬化プロセスのより良好な制御を提供するために、閉ループ制御動作を含む環境制御システム方法を示す。本明細書に記載の環境制御システム180は、プロセスチャンバ101内の環境を制御するための複数のサブシステムを含む。コンポーネント70のタイプおよびプロセスチャンバ101内で使用される材料に応じて、信頼性のあるコンポーネント70を送達するために、様々な環境条件を満たす必要がある。1つまたは複数のサブシステムは、熱交換器181、除湿器または凝縮器182、またはプロセスガスから蒸気を除去する他の手段、プロセスガスサプライ183、エアフィルトレーションシステム184などを含むことができる。サブシステムの各々は電子制御ユニット10が電子的に作動または停止することができる1つ以上の制御可能なバルブを含むことができ、その結果、バルブは開閉されることができ、またはサブシステムがプロセスチャンバ101から接続または切断される。
【0123】
ブロック602において、電子制御ユニット10は、プロセスチャンバ101内の環境制御のための環境条件の所定のセットをビルド命令からロードする。所定のセットの環境条件は、所定の温度、相対湿度レベル、溶剤濃度レベル、空中浮遊ビルド材料40の許容可能な濃度、およびプロセスチャンバ101内のガス濃度レベルを含むことができる。
【0124】
電子制御ユニット10は、ブロック604において、環境制御システム180内の環境条件の所定のセットをロードする。環境制御システム180に所定の環境条件のセットがロードされると、環境制御システム180は、所定の条件に従ってプロセスチャンバ101を調整することができる。いくつかの実施形態ではビルド中、電子制御ユニット10はブロック606において、プロセスチャンバ101への排出バルブを部分的にまたは完全に閉じて、リコートアセンブリ140の周囲のプロセスチャンバ101内に吸引を生成して、浮遊ビルド材料40を抽出し、一方、リコートアセンブリ140はビルド材料40の新しい層を分配することができる。ブロック606におけるアクティビティは、リコート処理のブロック404におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。ブロック608において、電子制御ユニット10は、加熱されたプロセスガスをプロセスチャンバ101内に流す。プロセスチャンバ101内の加熱された(または冷却された)プロセスガスは、プロセスチャンバ101内の所定の平均温度および/または湿度を維持するようにさらに制御され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される環境制御プロセスが互いに並行して、または順次に行われ得る。ブロック608におけるアクティビティは、リコート処理のブロック506におけるアクティビティと同期され得ることに留意されたい。
【0125】
ブロック610において、リコートアセンブリ140の第1パスの間、電子制御ユニット10は排気バルブを部分的に又は完全に閉鎖状態に維持して、リコートアセンブリ140の周りのプロセスチャンバ101内の吸引を維持し、その結果、空中のビルド材料40は、ろ過装置を使用して抽出され、ろ過される。ブロック610におけるアクティビティは、リコート処理のブロック406におけるアクティビティと同期され得る。リコートアセンブリ140がビルドゾーンBZを横切ってサプライゾーンSZへの戻りパスを完了すると、吸込レベルおよび加熱フローガスは、ブロック612で調整され得る。いったん完了すると、ブロック614において、加熱フローガスバルブを遮断し、電子制御ユニット10によってプロセスチャンバ101の排気バルブを開くことができる。さらに、プリントアセンブリ150が完成すると、ビルドゾーンBZ上を通過し、気体の流れが制御部616を介して調整される。ブロック616におけるアクティビティは、プリント処理のブロック312および316におけるアクティビティと同期され得る。
【0126】
ビルドプロセスが実行されると、電子制御ユニット10は、プロセスチャンバ101の環境に関するセンサデータを受信する。制御信号および/または環境条件を環境制御システム180に提供することに加えて、電子制御ユニット10はまた、センサデータを監視し、ビルド指示によって定義された所定の範囲内にない環境条件を修正するためのコマンドを生成する。たとえば、ブロック618において、電子制御ユニット10は、1つまたは複数のセンサから1つまたは複数のデータセットを受信することができる。データは、プロセスチャンバ101の温度、プロセスチャンバ101内の相対湿度、プロセスチャンバ101内のプロセスガスの濃度、浮遊ビルド材料40の濃度、および/またはプロセスチャンバ101内の他の条件を示すセンサデータを含むことができる。
【0127】
ブロック620において、電子制御ユニット10は環境条件の所定のセット内にないと判定された環境条件を調整するために、1つまたは複数の修正措置を実施することができる。例えば、電子制御ユニット10はセンサデータがプロセスチャンバ101の温度が所定の環境条件のセットを下回っていることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の熱交換器からのフローを開始させ、センサデータがプロセスチャンバの温度が所定の環境条件のセットを上回っていることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の熱交換器からのフローを停止させる。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10が環境制御システム180に、プロセスチャンバ101を通る冷却流を開始させて、その中の余剰熱を除去させる。
【0128】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10は、センサデータが、相対湿度が事前定義された環境条件のセットを上回ることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の除湿器からのフローを開始させ、センサデータが、相対湿度が事前定義された環境条件のセットを下回ることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の除湿器からのフローを停止させる。電子制御ユニット10はセンサデータが、プロセスガス濃度が所定の環境条件のセットを下回ることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180のプロセスガスサプライからのフローを開始させ、センサデータが、プロセスガス濃度が所定の環境条件のセットを上回ることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180のプロセスガスサプライからのフローを停止させる。
【0129】
同様に、電子制御ユニット10は、センサデータが、溶剤濃度が所定の環境条件のセット外にあることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の凝縮器182からのフローを開始させ、センサデータが、溶剤濃度が所定の環境条件のセット内にあることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の凝縮器182からのフローを停止させる。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10が、センサデータが空中ビルド材料40の濃度が所定の環境条件のセットを上回ることを示す場合、環境制御システム180に、環境制御システム180の空気濾過システムを起動(開始)させ、センサデータが空中ビルド材料40の濃度が所定の環境条件のセットを下回ることを示す場合、環境制御システム180の空気濾過システムからのフローを環境制御システム180に停止させる。
【0130】
いくつかのさらなる実施形態では、ビルド命令がプロセスチャンバ101内の環境が不活性環境であるか、または指定されたビルドプロセス中に少なくとも不活性環境として維持されることを必要とし得る。したがって、電子制御ユニット10はブロック622において、環境制御システム180に、プロセスチャンバ101内の不活性環境を生成および/または維持させることができる。電子制御ユニット10は、プロセスチャンバ101内の酸素レベルを監視して、プロセスチャンバ101内の不活性雰囲気を生成および/または維持するように構成された1つまたは複数のO2センサを監視することができる。
【0131】
前述のプロセスのステップは本開示の目的を達成しながら、様々な順序で省略され、または実行され得ることを理解されたい。本明細書で説明される機能ブロックおよび/またはフローチャート要素は、機械可読命令に変換され得る。非限定的な例として、機械可読命令は解析される記述的テキスト(例えば、ハイパーテキストマークアップ言語、拡張可能マークアップ言語など)、(ii)アセンブリ言語、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによって実行するための任意の好適なプログラミング言語からのシンタックスを使用して書かれたソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによってコンパイルおよび実行するためのソースコードなど、任意のプログラミングプロトコルを使用して書かれ得る。代替的に、機械可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成もしくは特定用途向け集積回路(ASIC)のいずれか、またはそれらの等価物を介して実装される論理などのハードウェア記述言語(HDL)で書き込まれ得る。したがって、本明細書で説明する機能は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組合せとして実装され得る。
【0132】
ここで
図7を参照すると、ビルド処理中のプリントアセンブリ150およびリコートアセンブリ140の動作の例示的な概略図が示されている。本明細書に記載されるように、付加製造装置100は、少なくともクリーニングゾーンCZ、ビルドゾーンBZ、およびプロセスチャンバ101の長さに沿って個別の部位に連続的に配置されたサプライゾーンSZによって画定される長さを有するプロセスチャンバ101を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で補助ゾーン(補助ゾーンまたはAZ)と呼ばれる追加のゾーンがあってもよい。AZは、ビルド材料40のオーバーフロービン、またはバインダ堆積試験領域などの他の要素を含むことができる。ただし、付加製造装置100には必ずしもAZが含まれていなくてもよい。付加製造装置100はまた、第1垂直面内でプロセスチャンバ101の長さに沿って延びる支持体、プリントアセンブリ150、リコートアセンブリ140、ビジョンシステム14、及び電子制御ユニット10を含む。プリントアセンブリ150は、ビルドゾーン内にバインダ50を分配するための複数のノズル158を含む。プリントアセンブリ150は、支持体の長さに沿って前後に移動するように構成され、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置された第1アクチュエータを介して、支持体に移動可能に結合される。リコートアセンブリ140は、ビルドゾーン内にビルド材料40を分配するための1つまたは複数のドクターブレード141またはローラ142を含むことができる。リコートアセンブリ140は、支持体の長さに沿って前後に移動するように構成され、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置される第2アクチュエータを介して、支持体に移動可能に結合される。さらに、ビジョンシステム14は、ビルドゾーンを撮像するように構成される。
【0133】
以下のビルドプロセスは、時間間隔(インターバル)T1、T2、T3、およびT4を参照して説明される。プラス「+」記号で示される時間隔は、定義された時間間隔の間のビルドプロセス内のさらなる動きを示すことが意図される。電子制御ユニット10は、プリントアセンブリ150、リコートアセンブリ140、第1及び第2アクチュエータ、1つ以上のエネルギ源160、及びビジョンシステム14、並びに本明細書に記載される付加製造装置100の他の要素に通信可能に結合される。電子制御ユニット10はプリントアセンブリ150に、第1間隔(インターバル)T1の間に、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダ50を分配しながら、ビルドゾーンを順方向F(例えば、サプライゾーンに向かって)に横断させるように構成される。いくつかの例では、電子制御ユニット10が第1間隔T1の間にプリントアセンブリ150が順方向Fにビルドゾーンを横断するとき、またはプリントアセンブリ150が順方向Fにビルドゾーンの横断を完了するときのいずれかに、分配されたバインダパターンのビジョンシステム14から画像データを受信する。画像データおよび他のセンサデータはビルドの速度および/または質を調整および改善するために、後続のビルド処理ステップ中に、事後解析または解析のために、電子制御ユニット10または他の記憶装置のメモリに記録され、記憶され得る。第1間隔T1に続く第2間隔(インターバル)T2の間、電子制御ユニット10はプリントアセンブリ150に、第2間隔T2の間、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダ50を分配しながら、逆方向(例えば、サプライゾーンから離れる方向)からビルドゾーンを横断させる。第1間隔T1に続く第2間隔T2の間、電子制御ユニット10は、投与されたバインダパターンの画像データをビジョンシステム14から受信する。いくつかの実施形態では例えば、ビジョンシステム14がプリントアセンブリ150と共に移動するように構成されるか、またはそれに結合される実施形態ではプリントアセンブリ150が順方向Fにビルドゾーンを横断するとき、分配されたバインダパターンの画像データが第1間隔T1中に捕捉され得る。他の例ではビジョンシステム14が、プリントアセンブリ150がビルドゾーンの横断を完了すると、分配されたバインダパターンの画像データを捕捉し得る。例えば、プリントアセンブリ150がビジョンシステム14の視野からビルドゾーンまでクリアされると、画像データをキャプチャすることができる。
【0134】
第2間隔T2および第3間隔(インターバル)T3の間に、電子制御ユニット10はリコートアセンブリ140に、サプライゾーン内に供給されたビルド材料40を分配する逆方向(例えば、サプライゾーンから離れる方向)にビルドゾーンを横断させ、所定のビルド材料投入パラメータに従ってビルドゾーン内にビルド材料40の新しい層を形成させる。リコートアセンブリ140は、ビルドゾーンを横切ってプリントアセンブリ150に追従する。電子制御ユニット10はリコートアセンブリ140がビルドゾーンを横断するとき、分配されたバインダパターンに異常があるかどうかを判定するために画像データを分析することができる。
【0135】
第3間隔T3の間に、電子制御ユニット10はクリーニングゾーンを順方向及び/又は逆方向に横断しながら、プリントアセンブリ150にパージ処理又はワイプ処理のうちの少なくとも1つを実行させることができる。プリントアセンブリ150はリコートアセンブリ140が例えば、第3間隔T3+の後半の間に、ビルドゾーンBZの逆方向パスを完了すると、クリーニングゾーンCZ内で1つまたは複数のクリーニング動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、上述のプリントアセンブリ150の保守が供給されたバインダパターンの画像データの解析に基づいて実行されてもよい。例えば、クリーニング動作などのプリントアセンブリ150の保守は、分配されたバインダパターンに異常があると判定されたときに実行されてもよい。いくつかの実施形態では、プリントアセンブリ150内のプリントヘッドの冗長性または横インデックスのジェットが分配されたバインダパターンにおける異常の存在の判定に応じて(例えば、画像データ解析を通じて)実施されてもよい。例えば、画像データの解析は、1つまたは複数のプリントヘッドの1つまたは複数のジェットノズル158がビルド材料40の前の層上のバインダ50の横断および分配中にバインダ50を適切に分配することができなかったことを示し得る。
【0136】
第4間隔(インターバル)T4の間、電子制御ユニット10はリコートアセンブリ140にビルドゾーンを順方向に(例えば、サプライゾーンに向かって)横断させ、プリントアセンブリ150にビルドゾーンを順方向に(サプライゾーンに向かって)横断させ、ビルドゾーンを横切ってリコートアセンブリ140に続いて、ビルド材料40の新しい層上にプログラムされた堆積パターンに従ってバインダ50を分配させる。
【0137】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10が分配されたバインダパターンにおける異常の存在を判定することに応じて、ビルドゾーン上でのプリントアセンブリ150のその後の横断のためにジェットノズルマッピングを調整するようにさらに構成される。電子制御ユニット10は、分配ビルド材料40の新たな層における異常の存在の判定に応じて、リコートアセンブリ140によるビルド材料40のその後の分配のための修正措置を実施するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がプリントアセンブリ150に、第1間隔T1と第2間隔T2との間の複数のノズル158のサブピクセルインデックスを実行させる。さらに、いくつかの実施形態では、電子制御ユニット10がプリントアセンブリ150に、第3および第4間隔T3、T4の間の複数のノズル158のサブピクセルインデックスを実行させる。いくつかの実施形態では、遅延が、リコートアセンブリ140が第2および第3間隔T2およびT3の間に、ビルドゾーンを横切るプリントアセンブリ150に続いて、ビルドゾーンを逆方向に横断し始めるまでに実施され得る。遅延は、バインダ50がビルド材料40に浸漬されること、ビルドプレート120が-Z方向に低減されること、プリントアセンブリ150がビルドゾーンを取り除くこと、及び/又は同様のことを可能にするように実施されてもよい。
【0138】
プリントアセンブリ150の動きを参照すると、プリントアセンブリ150は、第1速度で、ビルドゾーンを前後に横断する。いくつかの実施形態ではプリントアセンブリ150が第2速度で前進および後進でクリーニングゾーンを横断し、第2速度は第1速度よりも遅い。
【0139】
上記に基づいて、付加製造装置の実施形態が本明細書に記載されることを理解されたい。付加製造装置は、高さ、長さ、及び幅を有する容積を画定するプロセスチャンバ101を含むことができる。長さは、複数の処理ゾーンを画定する。プロセスチャンバは、プロセスチャンバ101の長さに沿って別個の部分に順次配置されたクリーニングゾーンと、ビルドゾーンと、サプライゾーンとを含む。プロセスチャンバ101はビルド材料を分配し、付加製造装置内にバインダ材料を堆積させるためのアクチュエータアセンブリを含む。アクチュエータアセンブリは一般に、第1垂直面内でプロセスチャンバ101の長さに沿って延びる支持体を含むことができる。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料を分配するためのリコートアセンブリ140と、バインダ材料を堆積させるためのプリントアセンブリ150とをさらに含むことができる。プリントアセンブリ150は、ビルドゾーン内にバインダ50を分配するための複数のノズル158を含む。プリントアセンブリ150は、支持体の長さに沿って前後に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、支持体に移動可能に結合される。プリントヘッドアクチュエータはプリント作動軸を備えることができ、ここで、プリントヘッドアクチュエータはプリント作動軸に沿って双方向に作動可能であり、それによって、プリントヘッドの双方向運動をもたらす。プリントアセンブリ150は、第1垂直面に平行な第2垂直面に配置される。
【0140】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、プリントアセンブリ150、リコートアセンブリ140、硬化システム、環境制御システム180、およびそれらの相互作用を動作させて、構築処理の信頼性およびスピードを改善するためのシステムおよび方法をより具体的に開示する。ビルドプロセスの信頼性および速度を改善するために、本明細書に開示される製造装置は、閉ループ制御ループで動作するように構成された1つまたは複数のセンサおよび制御システムをさらに実装する。
【0141】
特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に様々な修正および変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は、そのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入ることを条件として、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変形を包含することが意図される。
【0142】
本発明のさらなる態様は、以下の付記の主題によって提供される。
(付記1)
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にバインダを分配するための複数のノズルを含むプリントアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、
前記ビルドゾーンの分配されたバインダパターンを撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記プリントアセンブリ、前記第1アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記プリントアセンブリに、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断させ、
プログラムされた前記堆積パターンから生じる分配された前記バインダパターンの前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
分配された前記バインダパターンに異常があるかどうかを判定するために、前記画像データを分析し、
分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記異常に対処するために、前記ビルドゾーン上の前記プリントアセンブリの後続の横断のために、プログラムされた前記堆積パターンを調整する、
ように構成されている、
付加製造装置。
(付記2)
前記プリントアセンブリが前記ビルドゾーンを順方向または逆方向に横断するときに、分配された前記バインダパターンの画像データを補足する、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記3)
前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも少ない量が存在する、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層の領域である、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記4)
前記異常は、前記画像データとプログラムされた前記堆積パターンとの比較に基づいて、所定のバインダよりも多い量が存在する、または、バインダが堆積されるべきでない1つ以上の位置でバインダが検出される、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層の領域である、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記5)
プログラムされた前記堆積パターンのマップは、複数の前記ノズルのうちの1つを選択して、前記ビルドゾーンで製造されるビルドのビルド層のピクセルを選択する、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記6)
前記ビルドゾーン上の前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、複数の前記ノズルのうちの選択されたノズルが分配するために画定されるバインダの量を更新することを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記7)
前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、複数の前記ノズルのうちの選択されたノズルのマッピングを更新して、後続のビルド層のピクセルを選択し、前記プリントアセンブリの第1横断中にピクセルの第1選択セットにバインダを分配するようにマッピングされた第1ノズルが、前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの第2横断中にピクセルの第2選択セットにバインダを分配するようにマッピングされる、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記8)
前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のためにプログラムされた前記堆積パターンを調整することは、プログラムされた前記堆積パターンで画定された前記ピクセルと複数のジェットノズルとの位置合わせにサブピクセルシフトを実施することを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記9)
前記クリーニングゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、
前記クリーニングステーションは、前記プリントアセンブリの複数の前記ノズルをクリーニングするように構成され、
前記電子制御ユニットは、
分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、
ようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記10)
前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける異常の存在を判定した場合、前記プリントアセンブリに、前記クリーニングゾーンでパージ動作を実行させる、ようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記11)
前記ビジョンシステムは、電磁放射源、カメラ、赤外線カメラ、またはX線撮像デバイスのうちの少なくとも1つを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記12)
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するためのドクターブレードおよびローラのうちの少なくとも一方を含むリコートアセンブリであって、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
前記ビルドゾーンのビルド材料の分配された層を撮像するように構成されたビジョンシステムと、
前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って、ビルド材料を分配して、前記ビルドゾーン内にビルド材料の新たな層を形成するように、前記ビルドゾーンを横断させ、
前記ビルドゾーン内の分配された前記ビルド材料の前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
前記画像データを分析して、分配された前記ビルド材料に異常があるか否かを判定し、
分配された前記ビルド材料の新たな層における異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施する、
ように構成されている、
付加製造装置。
(付記13)
前記修正措置は、所定の前記ビルド材料投入パラメータを調整することを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記14)
所定の前記ビルド材料投入パラメータは、ビルド材料厚さ、過投入量、前記ビルドゾーンを横断するためのリコートアセンブリ速度、前記リコートアセンブリの前記ローラの回転速度、および前記リコートアセンブリの前記ローラの回転方向のうちの少なくとも1つである、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記15)
前記修正措置は、前記リコートアセンブリに、ビルド材料の新たな層上にプリントアセンブリがバインダを分配する前に、前記新たな層上にビルド材料を再分配させる、ことを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記16)
前記修正措置は、ビルドを停止することを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記17)
前記クリーニングゾーンまたは前記サプライゾーンに配置されたクリーニングステーションをさらに含み、
前記クリーニングステーションは、前記リコートアセンブリの前記ドクターブレードおよび前記ローラのうちの少なくとも一方をクリーニングするように構成され、
前記電子制御ユニットは、
分配されたビルド材料の前記新たな層の異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリに、前記クリーニングステーションの1つ以上のクリーニング要素とインターフェイスさせる、
ようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記18)
前記電子制御ユニットは、
前記リコートアセンブリの前記ローラを駆動するモータの電流引き込み値を受信し、
前記ローラが、所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作しているか判定し、
前記ローラが所定の前記ビルド材料投入パラメータに従って動作していないと判定した場合、前記リコートアセンブリの前記ローラの異常の存在を判定する、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記19)
前記ビジョンシステムが、カメラ、赤外線カメラ、およびX線撮像デバイスの少なくとも1つを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記20)
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、
前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な前記第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
硬化反応を刺激するために前記ビルドゾーンのビルド材料及びバインダにエネルギを印加するように構成され、前記プリントアセンブリおよび前記リコートアセンブリのうちの少なくとも一方に結合されている、1つ以上のIRランプと、
前記プロセスチャンバのガス温度およびビルド材料表面温度のうちの少なくとも一方を監視するように構成された、1つまたは複数の温度センサと、
前記プリントアセンブリ、前記第1アクチュエータ、前記リコートアセンブリ、前記第2アクチュエータ、1つまたは複数の前記IRランプ、および1つまたは複数の前記温度センサに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記プリントアセンブリまたは前記リコートアセンブリが前記ビルドゾーンを横断するときに、1つまたは複数の前記IRランプに、エネルギを放出させ、
1つまたは複数の前記温度センサから温度値を受信し、
前記温度値が所定の範囲内であるか否か判定し、
前記温度値が前記所定の範囲内でない場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度または1つまたは複数の前記IRランプのフローガスレートを調整する、
ように構成されている、
付加製造装置。
(付記21)
前記温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度が増加される、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記22)
前記温度値が前記所定の範囲を上回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの強度が低減される、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記23)
1つまたは複数の前記IRランプの第1IRランプが前記プリントアセンブリに結合され、
1つまたは複数の前記IRランプの第2IRランプが前記リコートアセンブリに結合されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記24)
前記電子制御ユニットが、1つまたは複数の前記IRランプの周りのフローガスレートを制御する、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記25)
1つまたは複数の前記温度センサはガス温度センサであり、
前記電子制御ユニットは、
前記ビルド材料の表面温度値が前記所定の範囲内にないと判定された場合、1または複数の前記IRランプの周りのガスのフローガスレートを調整する、
ようにさらに構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記26)
前記表面温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの周りの前記フローガスレートを増加する、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記27)
前記表面温度値が前記所定の範囲を上回ると判定された場合、1つまたは複数の前記IRランプの周りの前記フローガスレートを低減する、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記28)
前記プロセスチャンバに流体的に結合された環境制御システムをさらに含み、
プロセスチャンバ温度値が所定のプロセスチャンバ範囲内にないと判定した場合、前記環境制御システムは、加熱されたガスを前記プロセスチャンバに配送する、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記29)
前記ビルドゾーンのビルドプラットフォームに熱的に結合されたビルドプレートヒータをさらに含み、
前記ビルド材料表面の前記表面温度の前記温度値が前記所定の範囲を下回ると判定された場合、前記電子制御ユニットは、前記ビルドプレートヒータに、前記ビルドゾーンの前記ビルド材料および前記ビルドプレートに配送される前記エネルギ量を増加させる、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記30)
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバに接続され、前記プロセスチャンバ内の環境条件を制御する1つまたは複数のサブシステムを含む、環境制御システムと、
前記プロセスチャンバの温度、蒸気含有、および前記プロセスチャンバ内のプロセスガス濃度の少なくとも1つを監視するように構成されている1つまたは複数のセンサと、
前記環境制御システムおよび1つまたは複数の前記センサと通信可能に接続されている電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
1つまたは複数の前記センサからセンサデータを受信し、
1つまたは複数の前記センサからの前記センサデータが、ビルド中の前記プロセスチャンバの所定の環境条件セットに対応するか否か判定し、
前記センサデータが前記所定の環境条件セット内でないと判定された場合、前記環境制御システムの1つまたは複数の環境制御の設定を自動的に調整する、
ように構成されている、
付加製造装置。
(付記31)
前記電子制御ユニットは、
前記センサデータが、前記プロセスチャンバの温度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器を通る前記プロセスチャンバへのフローを開始させ、
前記センサデータが、前記プロセスチャンバの温度が前記所定の環境条件のセットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記熱交換器を通る前記プロセスチャンバへのフローを停止させる、
ようにさらに構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記32)
前記電子制御ユニットは、
前記センサデータが、前記蒸気含有が前記所定の環境条件セットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器、除湿器、または凝縮器を通るフローを開始させ、
前記センサデータが、前記蒸気含有が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの熱交換器、除湿器、または凝縮器を通るフローを停止させる、
ようにさらに構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記33)
前記電子制御ユニットは、
前記センサデータが、前記プロセスガス濃度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムのプロセスガスサプライからのフローを開始させ、
前記センサデータが、前記プロセスガス濃度が前記所定の環境条件セットを上回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記プロセスガスサプライからのフローを停止させる、
ようにさらに構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記34)
前記プロセスチャンバ内の空中浮遊ビルド材料の濃度を検知するように構成されている微粒子センサをさらに含み、
前記電子制御ユニットは、
前記センサデータが、空中浮遊ビルド材料の前記濃度が前記所定の環境条件セットを上回っていることを示す場合、環境制御システムに、前記環境制御システムの空気濾過システムを開始させ、
前記センサデータが、空中浮遊ビルド材料の前記濃度が前記所定の環境条件セットを下回ることを示す場合、前記環境制御システムに、前記環境制御システムの前記空気濾過システムからのフローを停止させる、
ようにさらに構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記35)
プロセスチャンバの長さに沿って別個の部分に順次配置された、少なくともクリーニングゾーン、ビルドゾーン、およびサプライゾーンによって画定される前記長さを有するプロセスチャンバと、
第1垂直面において前記プロセスチャンバの長さに沿って延在する支持体と、
前記ビルドゾーン内にバインダを分配する複数のノズルを含み、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第1アクチュエータを介して、前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な第2垂直面に配置されている、プリントアセンブリと、
前記ビルドゾーン内にビルド材料を分配するドクターブレードおよびローラの少なくとも一方を含み、前記支持体の長さに沿って順方向または逆方向に移動するように構成された第2アクチュエータを介して前記支持体に移動可能に結合され、前記第1垂直面に平行な前記第2垂直面に配置されている、リコートアセンブリと、
前記ビルドゾーンを撮像するように構成されているビジョンシステムと、
前記プリントアセンブリ、前記リコートアセンブリ、前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、および前記ビジョンシステムに通信可能に結合された電子制御ユニットと、
を含み、
前記電子制御ユニットは、
前記プリントアセンブリに、第1インターバル中に、プログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させ、
前記第1インターバルの後の第2インターバルの間に、分配されたバインダパターンの前記ビジョンシステムからの画像データを受信し、
前記画像データを分析して、前記第2インターバルの間に分配された前記バインダパターンに異常があるか否かを判定し、
プリントアセンブリに、前記第2インターバル中に、プログラムされた前記堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記ビルドゾーンを前記逆方向から横断させ、
前記リコートアセンブリに、所定のビルド材料投入パラメータに従って前記ビルドゾーンにビルド材料の新しい層を形成するために、前記サプライゾーンに供給されたビルド材料を分配する前記逆方向に前記ビルドゾーンを横断させ、前記リコートアセンブリは、前記第2インターバルおよび第3インターバル中に前記ビルドゾーンを横切る前記プリントアセンブリに従い、
前記プリントアセンブリに、前記第3インターバル中に、前記クリーニングゾーンを順方向および逆方向に横断しながら、パージ処理およびワイプ処理の少なくとも一方を実行させる、
ように構成されている、
付加製造装置。
(付記36)
前記電子制御ユニットは、
第4インターバル中に、ビルド材料の前記新たな層上のプログラムされた堆積パターンに従ってバインダを分配しながら、前記リコートアセンブリに、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させ、前記プリントアセンブリに、前記ビルドゾーンを横断する前記リコートアセンブリに続いて、前記ビルドゾーンを前記順方向に横断させる、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記37)
前記電子制御ユニットは、分配された前記バインダパターンにおける前記異常の存在を判定した場合、前記異常に対処するために、前記ビルドゾーン上での前記プリントアセンブリの後続の横断のために、プログラムされた前記堆積パターンを調整するようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記38)
前記電子制御ユニットは、分配されたビルド材料の前記新たな層の前記異常の存在を判定した場合、前記リコートアセンブリによるビルド材料の後続の分配のための修正措置を実施するようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記39)
前記電子制御ユニットは、前記プリントアセンブリに、前記第1インターバルと前記第2インターバルとの間の前記複数のノズルのサブピクセルインデックスを実行させるようにさらに構成されている、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記40)
前記リコートアセンブリが、前記第2および第3のインターバル中に、前記ビルドゾーンを横切るプリントアセンブリに続いて、前記ビルドゾーンを逆方向に横断し始める前に、遅延が実施される、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記41)
前記プリントアセンブリは、第1速度で前記ビルドゾーンを前記順方向および逆方向に横断する、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記42)
前記プリントアセンブリは、第2速度で前記クリーニングゾーンを順方向および逆方向に横断し、
前記第2速度は前記第1速度よりも遅い、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記43)
硬化反応を刺激するために、ビルドゾーン内のバインダおよびビルド材料にエネルギを印加するように構成されている1つまたは複数のIRランプをさらに含み、
1つまたは複数の前記IRランプは、前記プリントアセンブリおよび前記リコートアセンブリのうちの少なくとも一方に結合されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
(付記44)
2つのIRランプが前記リコートアセンブリに結合され、
第1IRランプが前記リコートアセンブリの前向き面に結合され、
第2IRランプが前記リコートアセンブリの後向き面に結合されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0143】
(関連出願の相互参照)
本明細書は2020年11月2日に出願された「付加製造装置およびその動作方法」と題する米国特許仮出願第63/108,549号の利益を主張し、その全体が本明細書に参考として援用される。