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特許7598465動画配信装置、動画配信方法、及び動画配信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】動画配信装置、動画配信方法、及び動画配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/475 20110101AFI20241204BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20241204BHJP
【FI】
H04N21/475
H04N21/258
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023531262
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2021024851
(87)【国際公開番号】W WO2023276076
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 慎平
(72)【発明者】
【氏名】西舘 正臣
(72)【発明者】
【氏名】永井 規浩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 範亘
(72)【発明者】
【氏名】永野 佳恵
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-267173(JP,A)
【文献】特開2010-141749(JP,A)
【文献】国際公開第2015/156177(WO,A1)
【文献】特開2020-031903(JP,A)
【文献】特開2010-152813(JP,A)
【文献】特開2011-118730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者に動画を配信する動画配信装置であって、
前記動画配信装置にアクセスした視聴者によるゲームプレイの傾向又は実績を示す属性情報、又はSNSサービスでの投稿内容から推測される前記視聴者の状況、行動、又は興味に関する属性情報である視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段と、
前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段と、
を含む動画配信装置。
【請求項2】
視聴者に動画を配信する動画配信装置であって、
前記動画配信装置にアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段と、
前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段と、
を含み、
下記特徴1~4のうちの少なくとも1つを特徴とする動画配信装置。
特徴1:
前記属性情報取得手段は、前記視聴者の属性を示す複数の前記視聴者属性情報を取得し、
前記動画配信装置は、前記複数の視聴者属性情報のうち、前記動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する前記視聴者属性情報を共通属性情報として特定する共通属性情報特定手段をさらに含み、
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記共通属性情報として特定された前記視聴者属性情報に基づいて選択する。
特徴2:
前記コメント情報は定型文を含み、
前記コメント出力手段は、前記コメント情報に含まれる前記定型文と、前記視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを出力する。
特徴3:
前記動画配信装置は、前記視聴者属性情報が示す属性に対する前記視聴者の関心度を判定する関心度判定手段をさらに含み、
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の前記視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定された複数の前記関心度に基づいて決定し、決定した前記視聴者属性情報に対応する前記コメント情報を選択する。
特徴4:
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがあると判定される場合には、前記視聴者属性情報に基づいて前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを選択し、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがないと判定される場合には、前記コメント情報を選択せず、
前記コメント出力手段は、前記コメント情報選択手段により前記少なくとも1つのコメント情報が選択された場合には、当該選択されたコメント情報に基づくコメントを前記所定のシーンとともに出力し、前記コメント情報選択手段により前記コメント情報が選択されない場合には、前記所定のシーンとともにコメントを出力しない。
【請求項3】
請求項2に記載の動画配信装置であり、且つ前記特徴1を含む動画配信装置であって、
前記動画配信装置は、前記共通属性情報として特定された前記視聴者属性情報が示す属性に対する前記視聴者の関心度と前記配信者の関心度を判定する関心度判定手段をさらに含み、
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の前記視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定された前記視聴者の関心度と前記配信者の関心度とに基づいて決定し、決定した前記視聴者属性情報に対応する前記コメント情報を選択する
画配信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の動画配信装置であり、且つ前記特徴3を含む動画配信装置であるか、請求項3に記載の動画配信装置であって、
前記動画配信装置は、前記コメント情報の感情度を、当該コメント情報に対応する前記視聴者属性情報について判定された前記関心度に基づいて決定する感情度決定手段をさらに含み、
前記コメント出力手段は、前記コメント情報に基づく前記コメントを、前記感情度に応じた態様で出力する
画配信装置。
【請求項5】
属性情報取得手段が、動画配信装置にアクセスした視聴者によるゲームプレイの傾向又は実績を示す属性情報、又はSNSサービスでの投稿内容から推測される前記視聴者の状況、行動、又は興味に関する属性情報である視聴者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
コメント情報選択手段が、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択ステップと、
コメント出力手段が、前記コメント情報選択ステップにおいて選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力ステップと、
を含む動画配信方法。
【請求項6】
属性情報取得手段が、動画配信装置にアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
コメント情報選択手段が、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択ステップと、
コメント出力手段が、前記コメント情報選択ステップにおいて選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力ステップと、
を含み、
下記特徴1~4のうちの少なくとも1つを特徴とする動画配信方法。
特徴1:
前記属性情報取得ステップにおいて、前記属性情報取得手段は、前記視聴者の属性を示す複数の前記視聴者属性情報を取得し、
共通属性情報特定手段が、前記複数の視聴者属性情報のうち、前記動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する前記視聴者属性情報を共通属性情報として特定する共通属性情報特定ステップをさらに含み、
前記コメント情報選択ステップにおいて、前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記共通属性情報として特定された前記視聴者属性情報に基づいて選択する。
特徴2:
前記コメント情報は定型文を含み、
前記コメント出力ステップにおいて、前記コメント出力手段は、前記コメント情報に含まれる前記定型文と、前記視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを出力する。
特徴3:
関心度判定手段が、前記視聴者属性情報が示す属性に対する前記視聴者の関心度を判定する関心度判定ステップをさらに含み、
前記コメント情報選択ステップにおいて、前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の前記視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定された複数の前記関心度に基づいて決定し、決定した前記視聴者属性情報に対応する前記コメント情報を選択する。
特徴4:
前記コメント情報選択ステップにおいて、前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがあると判定される場合には、前記視聴者属性情報に基づいて前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを選択し、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがないと判定される場合には、前記コメント情報を選択せず、
前記コメント出力ステップにおいて、前記コメント出力手段は、前記コメント情報選択ステップにおいて前記少なくとも1つのコメント情報が選択された場合には、当該選択されたコメント情報に基づくコメントを前記所定のシーンとともに出力し、前記コメント情報選択ステップにおいて前記コメント情報が選択されない場合には、前記所定のシーンとともにコメントを出力しない。
【請求項7】
視聴者に動画を配信する動画配信装置としてコンピュータを機能させる動画配信プログラムであって、
前記コンピュータにアクセスした視聴者によるゲームプレイの傾向又は実績を示す属性情報、又はSNSサービスでの投稿内容から推測される前記視聴者の状況、行動、又は興味に関する属性情報である視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段、
前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段、及び、
前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段、
として前記コンピュータを機能させる動画配信プログラム。
【請求項8】
視聴者に動画を配信する動画配信装置としてコンピュータを機能させる動画配信プログラムであって、
前記コンピュータにアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段、
前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段、及び、
前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段、
として前記コンピュータを機能させ
且つ下記特徴1~4のうちの少なくとも1つを特徴とする動画配信プログラム。
特徴1:
前記属性情報取得手段は、前記視聴者の属性を示す複数の前記視聴者属性情報を取得し、
前記複数の視聴者属性情報のうち、前記動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する前記視聴者属性情報を共通属性情報として特定する共通属性情報特定手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記共通属性情報として特定された前記視聴者属性情報に基づいて選択する。
特徴2:
前記コメント情報は定型文を含み、
前記コメント出力手段は、前記コメント情報に含まれる前記定型文と、前記視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを出力する。
特徴3:
前記視聴者属性情報が示す属性に対する前記視聴者の関心度を判定する関心度判定手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の前記視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定された複数の前記関心度に基づいて決定し、決定した前記視聴者属性情報に対応する前記コメント情報を選択する。
特徴4:
前記コメント情報選択手段は、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがあると判定される場合には、前記視聴者属性情報に基づいて前記複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを選択し、前記所定のシーンに関連付けられた前記複数のコメント情報に前記視聴者属性情報と関連するものがないと判定される場合には、前記コメント情報を選択せず、
前記コメント出力手段は、前記コメント情報選択手段において前記少なくとも1つのコメント情報が選択された場合には、当該選択されたコメント情報に基づくコメントを前記所定のシーンとともに出力し、前記コメント情報選択手段において前記コメント情報が選択されない場合には、前記所定のシーンとともにコメントを出力しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動画配信装置、動画配信方法、及び動画配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワークを介した動画共有サービスが知られている。動画共有サービスでは、ネットワーク上のサーバにユーザが投稿した動画が、別のユーザが視聴できるように公開されている。このような動画には、例えば、ゲームのプレイを記録したゲーム動画も含まれる。
【0003】
下記特許文献1には、ゲームのイベントを特定する情報とゲーム動画の再生時間とを関連付けることによって、ゲーム動画の当該再生時間が到来した際に当該イベントに関連する関連情報を出力できるようにすることが記載されている。また、下記特許文献1には、当該イベントに対応するコメントを出力できるようにすることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-007052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばゲームのイベントに対応するコメントを機械的にゲーム動画に関連付けた場合、ゲーム動画の再生中にコメントを出力しても、コメントの内容がゲーム動画を視聴するユーザ(視聴者)の興味や関心を引くとは限らない。この場合、ゲーム動画そのものに対し、視聴者の興味や関心が薄れてしまうことが懸念される。
【0006】
本開示の目的は、ゲーム動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る動画配信装置は、視聴者に動画を配信する動画配信装置であって、前記動画配信装置にアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段と、前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段とを含む。これによれば、ゲーム動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できる。
【0008】
また、本開示に係る動画配信方法は、属性情報取得手段が、動画配信装置にアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、コメント情報選択手段が、前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択ステップと、コメント出力手段が、前記コメント情報選択ステップにおいて選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力ステップとを含む。これによれば、ゲーム動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できる。
【0009】
本開示に係る動画配信プログラムは、視聴者に動画を配信する動画配信装置としてコンピュータを機能させる動画配信プログラムであって、前記コンピュータにアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する属性情報取得手段、前記動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、前記視聴者属性情報に基づいて選択するコメント情報選択手段、及び、前記コメント情報選択手段により選択された前記コメント情報に基づくコメントを、前記動画に含まれる前記所定のシーンとともに出力するコメント出力手段、として前記コンピュータを機能させる。これによれば、コンピュータを用いて、ゲーム動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態の一例である動画配信装置を含むシステムの構成を示す図である。
図2A】動画配信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2B】動画配信装置のハードウェア構成の他の一例を示す図である。
図3】動画配信装置で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図4】動画に関する関連情報一例を示す図である。
図5】属性情報取得部が取得する属性情報の一例を示す図である。
図6】共通属性情報取得部が特定する共通属性情報の一例を示す図である。
図7】コメント情報取得部が取得する複数のコメント情報の一例を示す図である。
図8】関心度の判定条件を示す判定条件情報の一例を示す図である。
図9】関心度判定部による判定結果の一例を示す図である。
図10】視聴者に出力されるコメントの一例を示す図である。
図11】視聴者に出力されるコメントの他の一例を示す図である。
図12】視聴者に出力されるコメントの他の一例を示す図である。
図13】動画配信装置で行われる処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る動画配信装置は、ゲーム動画(以下では単に動画と称する)とともにゲームのイベントに対応するコメントを出力する。特に本実施形態に係る動画配信装置では、以下に説明するように、動画の視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できるように図られている。また、動画配信装置では、動画に対してのみならず、動画の配信者に対する興味や関心を引きつけやすいコメントを出力できるように図られている。
【0012】
[1.システム構成]
図1は、本開示の実施形態の一例である動画配信装置10を含むシステムの構成を示す図である。図1に示すように、動画配信装置10は、インターネットなどのネットワークNを介してゲームサーバ20、SNS(Social networking service)装置30、及びユーザ端末40とのデータ送受信ができるようにネットワークNに接続される。ゲームサーバ20はゲームの種類に応じて複数存在するため、ネットワークNには複数のゲームサーバ20が接続されている。また、SNS装置30は、サービスやコミュニティの種類に応じて複数存在するため、ネットワークNには複数のSNS装置30が接続されている。
【0013】
また、ネットワークNには複数のユーザ端末40が接続されている。複数のユーザ端末40をそれぞれ使用する各ユーザは、動画配信装置10により端末装置40に送信(配信)される動画の視聴が可能である。
【0014】
また、ネットワークNには複数のユーザ端末40が接続されている。複数のユーザ端末40をそれぞれ使用する各ユーザは、動画配信装置10によりユーザ端末40に送信(配信)される動画の視聴が可能である。
【0015】
図2Bは、動画配信装置10のハードウェア構成の他の一例を示す図である。動画配信装置10は、例えば、プレイステーション(登録商標)などのゲーム装置やパーソナルコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末であってもよい。この場合、動画配信装置10は、図2Bに示すように、表示部14及び操作部15を含んでもよい。表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、プロセッサ11の指示に従って各種の画像を表示する。操作部15は、キーボードやマウス、ゲームコントローラなどのユーザインタフェースであって、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号をプロセッサ11に出力する。なお、動画配信装置10は、光ディスクを読み取る光ディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)ポートなどを含んでいてもよい。
【0016】
ゲームサーバ20はサーバ装置などのコンピュータであり、プロセッサ、記憶部、及び通信部を含んでよい。ゲームサーバ20はユーザにゲームを提供するためのものであり、ユーザ端末40のユーザがプレイするゲームの処理を実行する。ユーザ端末40がゲームサーバ20との間で通信を行うことによって、ユーザはユーザ端末40を介してゲームサーバ20が提供するゲームをプレイすることができる。ゲームサーバ20は、ゲームプレイの内容が収録された動画を生成し、ゲームサーバ20のゲームデータベース210(図3を参照)に記憶させてもよい。また、ゲームサーバ20は、ゲームをプレイしたユーザの属性を示す属性情報を、ゲームデータベース210に記憶させてもよい。ゲームデータベース210は、ゲームサーバ20の記憶部や、ゲームサーバ20に接続される記憶装置により実現されてよい。
【0017】
SNS装置30はサーバ装置などのコンピュータであり、プロセッサ、記憶部、及び通信部を含んでよい。SNS装置30は、複数のユーザ間の交流を促進するサービスを提供するものであり、コメントやブログ記事の掲載、電子掲示板などの機能を提供するものである。SNS装置30は、ユーザから発信された投稿内容を示す投稿情報や、ユーザの属性を示す情報などを管理する。SNS装置30は、ユーザの属性を示す属性情報をSNSデータベース310(図3を参照)に記憶させてよい。SNSデータベース310は、SNS装置30の記憶部や、SNS装置30に接続される記憶装置などにより実現されてよい。
【0018】
ネットワークNに接続されるユーザ端末40は、ゲーム装置やパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などのコンピュータであり、プロセッサ、記憶部、通信部、表示部、及び操作部を含んでよい。ユーザ端末40は、スピーカなどの音声出力部を有してもよい。ユーザ端末40のユーザである視聴者は、ユーザ端末40の表示部やユーザ端末40に接続される表示装置などを用いて、動画配信装置10により配信された動画の視聴が可能である。
【0019】
[2.機能ブロック]
図3は、動画配信装置10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、動画配信装置10は、機能的には、動画情報取得部110と、属性情報収集部120と、属性情報記憶部130と、属性情報取得部140と、共通属性情報特定部150と、コメント情報取得部160と、コメント情報選択部170と、関心度判定部180と、感情度決定部190と、コメント出力部200とを含む。動画情報取得部110、属性情報収集部120、属性情報取得部140、共通属性情報特定部150、コメント情報取得部160、コメント情報選択部170、関心度判定部180、感情度決定部190、及びコメント出力部200は、プロセッサ11を主として実現されてよい。属性情報記憶部130は記憶部12を主として実現されてよいが、これに限らず、動画配信装置10に有線又は無線で接続される記憶装置により実現されてもよい。なお、動画配信装置10において、図3に示す機能のすべてが実装されなくてもよく、図3に示す機能以外の機能が実装されていてもよい。
【0020】
[2-1.動画情報取得部]
動画情報取得部110は、動画(動画データ)とともに、その動画に関する関連情報を取得する。動画は、映像や音声、動画の開始から終了までの動画再生時間などの情報を含む。関連情報は、動画内の特定のシーンを識別する識別情報を、動画再生時間に関連付けられた状態で含んでいる。本実施形態では、動画は配信者によるゲームプレイを収録したものであり、関連情報には、動画における所定のシーンを識別する識別情報として、配信者によるゲームプレイにおいて発生した所定のイベントを示すイベント情報が含まれている。
【0021】
例えば、動画及び関連情報は、配信者が動画配信装置10の操作部15、又はユーザ端末40の操作部を用いて操作したゲームプレイによって生成されて、ゲームサーバ20のゲームデータベース210に記憶(保存)される。この場合、動画情報取得部110は、ゲームデータベース210に記憶されている動画とその関連情報を取得してよい。また、動画配信装置10がゲーム装置やパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などであり、動画及び関連情報が動画配信装置10の記憶部12に記憶される場合、動画情報取得部110は、動画配信装置10の記憶部12に記憶されている動画及びその関連情報を取得してもよい。
【0022】
図4は、関連情報の一例を示す図である。図4に示すように、関連情報は、動画における複数のシーンをそれぞれ識別する識別情報として、複数のイベント情報E1~E5を含んでいる。各イベント情報E1~E5は、動画再生時間T1~T5にそれぞれ関連付けられている。
【0023】
以下の説明では、動画は配信者による「FPSゲームX」というタイトルのFPS(First-person shooter)ゲームのプレイ内容を収録したものであり、イベントE1~E5は、それぞれ、対戦(マッチ)の開始、配信者が操作するキャラクタが何度も倒された場面、配信者が操作するキャラクタがアイテムを漁る場面、配信者が操作するキャラクタが敵キャラクタにヘッドショットを決めた場面、配信者が属するチームが勝利した場面であるものとして説明する。
【0024】
[2-2.属性情報収集部、属性情報記憶部]
属性情報収集部120は、ネットワークNを介して接続される各種の装置からユーザの属性情報を収集する。属性情報記憶部130は、属性情報収集部120により収集された属性情報を記憶する。属性情報収集部120は、例えばネットワークNに接続された各ゲームサーバ20のゲームデータベース210や、同様にネットワークNに接続された各SNS装置30のSNSデータベース310に記憶された属性情報を収集し、属性情報記憶部130に記憶させる。
【0025】
[2-3.属性情報取得部]
属性情報取得部140は、動画を視聴するユーザである所定の視聴者の属性を示す属性情報である視聴者属性情報を取得する。属性情報取得部140は、例えば、動画配信装置10にアクセスした視聴者の属性を示す視聴者属性情報を取得する。また、本実施形態では、属性情報取得部140は、動画を配信する配信者の属性を示す属性情報である配信者属性情報も取得する。属性情報取得部140は、属性情報記憶部130に記憶された視聴者及び配信者の属性情報を取得する。
【0026】
図5は、属性情報取得部140が取得する属性情報の一例を示す図である。以下では、図5に示す「ユーザA」が動画の配信者であり、「ユーザB」「ユーザC」及び「ユーザD」が動画の視聴者であるものとして説明する。なお、以下に説明するように、動画配信装置10は、動画の視聴者であるユーザB、ユーザC、及びユーザDの各々に対し、各視聴者に応じた固有のコメントが出力されるように図られている。
【0027】
属性情報取得部140は、例えばゲームプレイの傾向や実績などを示す属性情報(ゲームデータベース210から収集された属性情報)を、視聴者属性情報又は配信者属性情報として取得する。図5に示す例では、配信者であるユーザAの配信者属性情報として、ユーザAがプレイした「FPSゲームX」において、ゲームLV(レベル)が22であり、プレイ時間が18時間であり、本日プレイ回数が10回であることを示す属性情報と、ユーザAがプレイした「パズルゲームY」において、ランクが700であり、プレイ時間が900時間であることを示す属性情報と、「格闘ゲームZ」において、クリア回数が600であり、プレイ時間が400時間であることを示す属性情報を取得している。
【0028】
また、図5に示す例において、属性情報取得部140は、動画の視聴者であるユーザBの視聴者属性情報として、ユーザBがプレイした「FPSゲームX」において、ゲームレベルが10であり、プレイ時間が8時間であり、本日プレイ回数が1回であることを示す属性情報を取得している。また、視聴者であるユーザCの視聴者属性情報として、ユーザCがプレイした「パズルゲームY」において、ランクが60であり、プレイ時間が48であることを示す属性情報を取得している。また、視聴者であるユーザDの視聴者属性情報として、ユーザDがプレイした「格闘ゲームZ」において、クリア回数が3回であり、プレイ時間が5時間であることを示す属性情報を取得している。
【0029】
また、属性情報取得部140は、SNSサービスでの投稿内容から推測される状況や行動、興味に関する属性情報(SNSデータベース310から収集された属性情報)を取得する。図5に示す例では、ユーザAに関する配信者属性情報として、ユーザAの居所がS県であることを示す属性情報と、プロ野球チームHへのリアクション回数(プロ野球チームHに関する掲載情報にユーザAが肯定的なリアクションを行った回数)が22回であることを示す属性情報と、プロ野球選手Iへのリアクション回数が1回であることを示す属性情報と、アイドルRへのリアクション回数が24であることを示す属性情報と、プロゲーマーSへのリアクション回数が5であることを示す属性情報と、先週O県に旅行したことを示す属性情報とを取得している。
【0030】
また、図5に示す例において、属性情報取得部140は、ユーザBの視聴者属性情報として、ユーザBの居所がS県であることを示す属性情報と、プロ野球チームHへのリアクション回数が19回であることを示す属性情報と、プロ野球選手Iへのリアクション回数が6であることを示す属性情報とを取得している。また、ユーザCの視聴者属性情報として、ユーザCの居所がT県であることを示す属性情報と、プロ野球チームLへのリアクション回数が8であることを示す属性情報と、プロゲーマーSへのリアクション回数が10回であることを示す属性情報とを取得している。また、ユーザDの視聴者属性情報として、ユーザDの居所がT県であることを示す属性情報と、アイドルRへのリアクション回数が120回であることを示す属性情報と、先週O県に旅行したこと(ユーザAの先週の旅行先と同じであったこと)を示す属性情報を取得している。
【0031】
[2-4.共通属性情報特定部]
共通属性情報特定部150は、属性情報取得部140が取得した複数の視聴者属性情報のうち、動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する視聴者属性情報を共通属性情報として特定する。
【0032】
図6は、共通属性情報特定部150が特定する共通属性情報の一例を示す図である。図6に示すように、共通属性情報特定部150は、例えばユーザBの「FPSゲームX」に関する属性情報を共通属性情報として特定する。これは、図5に示すように、ユーザBの視聴者属性情報には「FPSゲームX」に関する属性情報が含まれ、ユーザAの配信者属性情報にも「FPSゲームX」に関する属性情報が含まれており、これらの属性情報はゲームのタイトルが共通しているためである。これと同様に、共通属性情報特定部150は、例えばユーザBの居所がS県であることを示す属性情報(ユーザAの居所がS県である点で共通する属性情報)と、プロ野球チームHへのリアクション回数を示す属性情報(ユーザAが肯定的なリアクションを示したプロ野球チームとチーム名が共通する属性情報)と、プロ野球選手Iへのリアクション回数を示す属性情報(ユーザAがフォローしたプロ野球選手と名前が共通する属性情報)を、共通属性情報として特定する。
【0033】
また、図6に示す例において、共通属性情報特定部150は、ユーザCの「パズルゲームY」に関する属性情報(ユーザAがプレイしたゲームとタイトルが共通する属性情報)と、プロゲーマーSへのリアクション回数を示す属性情報(ユーザAが肯定的なリアクションを示したプロゲーマーと名前が共通する属性情報)を、共通属性情報として特定する。ここで、ユーザCの「プロ野球チームL」に関する属性情報も、ユーザAが肯定的なリアクションを行った「プロ野球チームH」とプロ野球チームである点で共通するため、共通属性情報として特定してよい。ただし、ユーザCの居所がT県であることを示す属性情報は、ユーザAの複数の配信者属性情報のいずれとも共通点がないため、共通属性情報として特定しない。
【0034】
また、図6に示す例において、共通属性情報特定部150は、ユーザDの「格闘ゲームZ」に関する属性情報(ユーザAがプレイしたゲームとタイトルが共通する属性情報)と、アイドルRへのリアクション回数を示す属性情報(ユーザAが肯定的なリアクションを示したアイドルと名前が共通する属性情報)と、先週の旅行先がO県であったことを示す属性情報を、共通属性情報として特定する。
【0035】
なお、視聴者の複数の属性情報に居所がO県であることを示す属性情報が含まれる場合、この属性情報はユーザAの配信者属性情報により示されるユーザAの先週の旅行先がO県である点で共通するため、共通属性情報特定部150は、この属性情報を、共通属性情報として特定してよい。この場合、共通属性情報特定部150は、特定した共通属性情報にO県がユーザAの先週の旅行先であったことを示す情報を追加してよい。
【0036】
[2-5.コメント情報取得部]
コメント情報取得部160は、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報を取得する。コメント情報取得部160が取得する複数のコメント情報の各々は、後述するコメント出力部200が動画に含まれる所定のシーンとともに出力するコメントの候補を示す。コメント情報取得部160は、ネットワークNを介して接続されるゲームサーバ20のゲームデータベース210から、ゲームに関するコメント情報を取得してよい。また、コメント情報取得部160は、動画配信装置10の記憶部12や他の記憶装置などに記憶されているコメント情報を取得してもよい。
【0037】
図7は、コメント情報取得部160が取得する複数のコメント情報の一例を示す図である。図7に示すように、各コメント情報は定型文を含む。例えば「本日[N]回目のプレイです。やり込んでますね。」という内容のコメント情報のうち、[N]を除く文字列が定型文である。また、「[パズルゲーム]とは全く違うこのゲーム、対応できるのでしょうか?」という内容のコメント情報のうち、[パズルゲーム]を除く文字列が定型文である。
【0038】
また、図7に示すように、各コメント情報は、ゲームで発生した所定のイベントを示す複数のイベント情報E1~E5(図4を参照)のいずれかに関連付けられている。別の言い方をすると、各イベント情報E1~E5が、複数のコメント情報に関連づけられている。
【0039】
図7に示す例では、ゲームにおいて対戦(マッチ)の開始を示すイベント情報E1が、「本日[N]回目のプレイです。やり込んでますね。」「[パズルゲーム]とは全く違うこのゲーム、対応できるのでしょうか?」「[格闘ゲーム]で培った肉弾戦を存分に発揮したい!」という内容のコメント情報にそれぞれ関連付けられている。また、配信者が操作するキャラクタが何度も倒された場面を示すイベント情報E2が、「よく嫌になりませんね。諦めが悪い。」「やはり[パズルゲーム]のようにはいきませんね。」「憧れの[プロゲーマー]さんは遥か遠い存在です。」「[県]旅行気分が抜けていないのでしょうか?」という内容のコメント情報にそれぞれ関連付けられている。また、配信者が操作するキャラクタがアイテムを漁る場面を示すイベント情報E3が、「[プロ野球チーム]ファン、とにかくアイテムを漁ります。」「必死です。[プロゲーマー]になるためならゴミだって漁ります。」「[県]旅行のお土産を漁るかのように貪ります。」という内容のコメント情報にそれぞれ関連付けられている。また、配信者が操作するキャラクタが敵キャラクタにヘッドショットを決めた場面を示すイベント情報E4が、「決まった! 見事なホームラン!」「ここで見事なK.O.だー!」「決まったー! これで[プロゲーマー]さんに一歩近づけたか!?」「[アイドル]さんに捧げるヘッドショットー!」というコメント情報にそれぞれ関連付けられている。また、配信者が属するチームが勝利した場面を示すイベント情報E5が、「[N]度目の正直、ようやく勝てました。本当に良かったですね。」「[パズルゲーム]に通じるものはあったのでしょうか、とにかく勝ててよかった。」「勝利です。[アイドル]さんも微笑んでいます。」という内容のコメント情報にそれぞれ関連付けられている。
【0040】
[2-6.コメント情報選択部、関心度判定部]
コメント情報選択部170は、コメント情報取得部160により取得された複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、属性情報取得部140により取得された視聴者属性情報に基づいて選択する。すなわち、コメント情報選択部170は、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、動画の視聴者の属性を示す視聴者属性情報に基づいて選択する。本実施形態では、コメント情報選択部170は、複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、共通属性情報特定部150により共通属性情報として特定された視聴者属性情報に基づいて選択する。
【0041】
コメント情報選択部170は、複数のイベント情報E1~E5(図4を参照)のそれぞれで、当該イベント情報が関連付けられた複数のコメント情報(図7を参照)のうちの少なくとも1つを、各視聴者の共通属性情報に基づいて選択する。コメント情報選択部170は、例えば視聴者であるユーザBの共通属性情報(図9を参照)のうち、「FPSゲームX」に関する属性情報に基づいて、イベント情報E1が関連付けられている複数のコメント情報(図7を参照)のうちから「本日[N]回目のプレイです。やり込んでますね。」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E2が関連付けられている複数のコメント情報のうち「よく嫌になりませんね。諦めが悪い。」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E5に関連付けられる複数のコメント情報のうち、FPSゲームに関する「[N]度目の正直、ようやく勝てました。本当に良かったですね。」という内容のコメント情報を選択する。
【0042】
ユーザBの「FPSゲームX」に関する属性情報より、ユーザBは、FPSゲームXをプレイした経験があると推測できる。このため、動画において配信者がプレイしたゲームであるFPSゲームXに関するコメント情報を選択することで、後述するコメント出力部200は、ユーザBの興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0043】
また、ユーザBに関し、コメント情報選択部170は、ユーザBの「プロ野球チームH」へのリアクション回数に関する属性情報に基づいて、イベント情報E3に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[プロ野球チーム]ファン、とにかくアイテムを漁ります。」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E4に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「決まった! 見事なホームラン!」という内容のコメント情報を選択する。ユーザBの「プロ野球チームH」へのリアクション回数に関する属性情報より、ユーザBは野球好きであると推測できることから、プロ野球チームに関するコメント情報を選択することで、ユーザBの興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0044】
ユーザCに関し、コメント情報選択部170は、ユーザCの「パズルゲームY」に関する属性情報に基づいて、イベント情報E1に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[パズルゲーム]とは全く違うこのゲーム、対応できるのでしょうか?」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E2に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「やはり[パズルゲーム]のようにはいきませんね。」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E5に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[パズルゲーム]に通じるものはあったのでしょうか、とにかく勝ててよかった。」という内容のコメント情報を選択する。また、ユーザCの「プロゲーマーS」のリアクション回数に関する属性情報に基づいて、イベント情報E3に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「必死です。[プロゲーマー]になるためならゴミだって漁ります。」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E4に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「決まったー! これで[プロゲーマー]さんに一歩近づけたか!?」という内容のコメント情報を選択する。ユーザCの「パズルゲームY」に関する属性情報と、「プロゲーマーS」へのリアクション回数に関する属性情報より、ユーザCはパズルゲームYをプレイした経験があり、プロゲーマーSに関心があると推測できることから、パズルゲームYとプロゲーマーSに関するコメント情報を選択することで、ユーザCの興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0045】
ユーザDに関し、コメント情報選択部170は、ユーザDの「格闘ゲームZ」に関する属性情報に基づいて、イベント情報E1に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[格闘ゲーム]で培った肉弾戦を存分に発揮したい!」という内容のコメント情報を選択する。コメント情報選択部170は、ユーザDの先週の旅行先がO県であることを示す属性情報と、ユーザAの先週の旅行先がO県であることを示す属性情報に基づいて、イベント情報E2に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[県]旅行気分が抜けていないのでしょうか?」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E3に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[県]旅行のお土産を漁るかのように貪ります。」という内容のコメント情報を選択する。また、ユーザDの「アイドルR」へのリアクション回数に関する属性情報に基づいて、イベント情報E4に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「[アイドル]さんに捧げるヘッドショットー!」という内容のコメント情報を選択し、イベント情報E5に関連付けられる複数のコメント情報のうちから「勝利です。[アイドル]さんも微笑んでいます。」という内容のコメント情報を選択する。ユーザDの属性情報より、ユーザDは格闘ゲームZをプレイした経験があり、アイドルR興味や関心があり、先週の旅行先がO県であったことが推測できることから、格闘ゲームZ、アイドルR、及び、旅行先であったO県に関するコメント情報を選択することで、ユーザDの興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0046】
コメント情報選択部170は、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定される複数の関心度に基づいて決定し、決定した視聴者属性情報に対応するコメント情報を選択してよい。この場合、関心度判定部180は、視聴者属性情報が示す属性に対する視聴者の関心度を判定する。本実施形態では、関心度判定部180は、共通属性情報特定部150により共通属性情報として特定された視聴者属性情報が示す属性に対する視聴者の関心度と配信者の関心度を判定する。そして、コメント情報選択部170は、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて判定された視聴者の関心度と配信者の関心度とに基づいて決定し、決定した視聴者属性情報に対応するコメント情報を選択する。
【0047】
図8は、関心度の判定条件を示す判定条件情報の一例を示す図である。図8に示す例では、関心度は「高」「中」「低」の3段階である。例えば、FPSゲームにおいて、ゲームレベルが20以上の場合には関心度が「高」であり、ゲームレベルが5以上の場合には関心度が「中」であり、ゲームレベルが5未満の場合には関心度が「低」であることが示されている。関心度は3段階に限らず、3以外の複数の段階で定められてもよいし、スコアといった数値であってもよい。
【0048】
関心度判定部180は、例えば図8に示した判定条件情報に基づいて、視聴者であるユーザB~Dの各ユーザの視聴者属性情報(例えば、図6に示した共通属性情報)のそれぞれについて、当該属性情報が示す属性に対する各ユーザの関心度と、配信者であるユーザAの関心度を判定する。関心度判定部180は、判定条件情報を、記憶部12やゲームデータベース210、SNSデータベース310などに記憶されている中らから取得してもよいし、これらの記憶装置やデータベースなどに記憶されている情報に基づいて生成してもよい。
【0049】
図9は、関心度判定部180による判定結果の一例を示す図である。図9に示す例では、視聴者であるユーザB~Dの各ユーザの関心度と配信者であるユーザAの関心度に基づいて、総合的な関心度を判定している。関心度判定部180は視聴者の関心度と配信者の関心度にそれぞれ所定の重みづけを与える(関心度を示す数値に所定の係数をかける)ことによって、総合的な関心度を判定してもよい。
【0050】
図5に示す例において、ユーザBのFPSゲームXの属性情報に示されるゲームレベルは10であり、配信者であるユーザAのFPSゲームXの属性情報に示されるゲームレベルは18であることから、図8に示した判定条件情報に基づいて、FPSゲームXに関するユーザB及びユーザAの関心度はいずれも「中」と判定される。このため、図9に示すように、FPSゲームXに関するユーザB及びユーザAの総合的な関心度についても「中」と判定される。また、プロ野球チームHに関するユーザB及びユーザAの関心度は、各ユーザのリアクション回数よりいずれも「高」と判定されるため、プロ野球チームHに関するユーザB及びユーザAの総合的な関心度も「高」と判定される。また、プロ野球選手Iに関するユーザBの関心度は「中」であるが、ユーザAの関心度は「低」である。この場合、関心度判定部180は、プロ野球選手Iに関するにユーザB及びユーザAの総合的な関心度を「低」と判定してよい。
【0051】
図5に示すユーザC及びユーザAのパズルゲームYの属性情報に示されるプレイ時間から、パズルゲームYに関するユーザC及びユーザAの関心度はいずれも「高」と判定され、図9に示すように、パズルゲームYに関する総合的な関心度も「高」と判定される。同様に、プロゲーマーSに関するユーザC及びユーザAの関心度も「中」と判定される。プロ野球チームLに関し、ユーザCの関心度は「中」と判定されるが、ユーザAの属性情報には、同じプロ野球チームであるプロ野球チームHの属性情報は存在するものの、プロ野球チームLそのものに関する属性情報は存在しない。この場合、関心度判定部180は、プロ野球選手Iに関するにユーザB及びユーザAの総合的な関心度を「低」と判定してよい。
【0052】
また、図9に示す例では、格闘ゲームZに関するユーザD及びユーザAの総合的な関心度は「低」と判定され、アイドルRに関する総合的な関心度は「高」と判定されている。なお、各ユーザの居所及び先週の旅行先に関する関心度の判定条件は、図8に示した判定条件情報には存在しないため、居所及び先週の旅行先に関する関心度には、規定値(図9に示す例では「中」)が設定されてよい。
【0053】
コメント情報選択部170は、以上のように関心度判定部180により判定された総合的な関心度に基づいて、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の視聴者属性情報のうちの少なくとも1つを決定してよい。図7に示す例では、イベント情報E2のシーンに関連付けられた複数のコメント情報は、それぞれ、FPSゲーム、パズルゲーム、プロゲーマー、旅行先に対応するものである。これらに関するユーザCの複数の属性情報のうちでは、図9に示すように、「パズルゲームY」に関する総合的な関心度が「高」であり、「プロゲーマーS」に関する総合的な関心度である「中」などに比べて最も高い。このため、コメント情報選択部170は、E2のシーンに対応するユーザCの属性情報として、パズルゲームYに関する属性情報を決定する。そして、このように決定した属性情報に対応するコメント情報を選択する。つまり、ユーザCの属性情報に基づいて、イベント情報E2に関連付けられる複数のコメント情報のうちから、プロゲーマーに関する「憧れの[プロゲーマー]さんは遥か遠い存在です。」という内容のコメント情報ではなく、パズルゲームに関する「やはり[パズルゲーム]のようにはいきませんね。」という内容のコメント情報が選択される。このように、ユーザCの属性情報のうちでは関心度が最も高いと判定されるパズルゲームYの属性情報に基づいてコメント情報が取得されるため、後述するコメント出力部200により、ユーザCの興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0054】
[2-7.感情度決定部、コメント出力部]
コメント出力部200は、視聴者の属性情報に基づいてコメント情報選択部170により選択されたコメント情報に基づくコメントを、動画に含まれる所定のシーンとともに、その視聴者のユーザ端末40に出力する。
【0055】
コメント出力部200は、例えばコメントの内容を示すキャプションなどのテキストをユーザ端末40の表示部に表示させることによって、動画に含まれる所定のシーンとともにコメントを出力する。テキストは動画が表示される表示領域の外側に表示されてもよいし、動画と重畳して表示されてもよい。また、ユーザ端末40がスピーカなどの音声出力部を有する場合、コメント出力部200はText to speechなどの所定の処理によってコメントを音声に変換し、ユーザ端末40の音声出力部(スピーカなど)に出力させてもよい。
【0056】
コメント情報は定型文を含んでいる。コメント出力部200は、コメント情報に含まれる定型文と、視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを生成し、ユーザ端末40に出力する。コメント出力部200は、視聴者属性情報や配信者属性情報などに含まれる文言を加えたコメントを生成してもよい。また、コメント出力部200は、生成したコメントの内容を動画の配信者に確認するために、生成したコメントを配信者のユーザ端末40に出力してもよく、生成したコメントの内容を動画配信装置10の表示部14などに表示してもよい。
【0057】
図10図12は、視聴者に出力されるコメントの一例を示す図である。図10はユーザB用に出力されるコメントを示す。図10に示すように、コメント出力部200は、ユーザB用のコメントを、ユーザBが使用するユーザ端末40に出力する。例えば、「本日[N]回目のプレイです。やり込んでますね。」の[N]をユーザAのFPSゲームXに関する配信者属性情報に含まれる「10」に置き換えることで、「本日10回目のプレイです。やり込んでますね。」と言う内容のコメントを生成し、イベント情報E1に対応するシーンに関連付けて出力する。また、「よく嫌になりませんね。諦めが悪い。」という内容のコメントをイベント情報E2に対応するシーンに関連付けて出力する。また、「[プロ野球チーム]ファン、とにかくアイテムを漁ります。」の[プロ野球チーム]をユーザBの属性情報が示す属性であるプロ野球チームHに置き換えることで、「プロ野球チームHファン、とにかくアイテムを漁ります。」という内容のコメントを生成し、イベント情報E3に対応するシーンに関連付けて出力する。同様に、「決まった! 見事なホームラン!」「10度目の正直、ようやく勝てました。本当に良かったですね。」という内容のコメントを生成し、イベント情報E4,E5に対応するシーンにそれぞれ関連付けて出力する。
【0058】
これにより、動画を再生したユーザ端末40では、動画再生時間T1~Tがそれぞれ到来したタイミングにおいて、「本日10回目のプレイです。やり込んでますね。」「よく嫌になりませんね。諦めが悪い。」「プロ野球チームHファン、とにかくアイテムを漁ります。」「決まった! 見事なホームラン!」「10度目の正直、ようやく勝てました。本当に良かったですね。」という内容のコメントが順次出力される。これにより、動画の内容であるFPSゲームXの経験者であり、プロ野球チームHに肯定的なリアクションを示したユーザBの興味や関心をより引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0059】
図11は、ユーザC用に出力されるコメントを示す。図12は、ユーザD用に出力されるコメントを示す。図11に示すように、コメント出力部200は、ユーザCに対しても、コメント情報に含まれる定型文にユーザCの属性情報により示される属性の文言(パズルゲームY、プロゲーマS)などを加えたコメントを生成し、ユーザCのユーザ端末40に出力する。同様に、図12に示すように、ユーザDに対しても、コメント情報に含まれる定型文にユーザDの属性情報により示される属性の文言(格闘ゲームZ、アイドルR、O県)などを加えたコメントを生成し、ユーザDのユーザ端末40に出力する。これにより、ユーザC及びユーザDに対しても、興味や関心をより引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0060】
本実施形態では、視聴者であるユーザB~Dの属性情報のみならず、これらの属性情報のうち、配信者であるユーザAの属性情報と共通する共通属性情報に基づいてコメント情報を選択し、動画の各シーンとともにコメント情報のコメントを出力している。つまり、ユーザB~Dのそれぞれに対して出力されるコメントは、各ユーザの視聴者属性情報だけでなく、配信者であるユーザAの属性情報に基づいて出力されるものでもある。このため、動画に対してのみならず、動画の配信者であるユーザAに対する興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0061】
コメント出力部200は、コメント情報に基づくコメントを、感情度決定部190により決定されるコメント情報の感情度に応じた態様で出力してもよい。この場合、感情度決定部190は、コメント情報に対応する視聴者属性情報について、関心度判定部180により判定された関心度に基づいて、当該コメント情報の感情度を決定してよい。
【0062】
感情度決定部190は、例えばコメント情報に対応する視聴者属性情報について判定された関心度が高いと判定された場合には、当該コメント情報の感情度を高くすることを決定し、当該関心度が低いと判定された場合には、当該コメント情報の感情度を低くすることを決定する。例えば、「決まった! 見事なホームラン!」という内容のコメント情報は、ユーザBの野球チームHに関する属性情報に基づいて選択される。ここで、図9に示すように、プロ野球チームHに関する関心度は「高」と判定されるため、感情度決定部190は、「決まった! 見事なホームラン!」という内容のコメント情報の感情度を高くすることを決定する。
【0063】
例えば、コメントの内容を示すキャプションなどのテキストをユーザ端末40の表示部に表示させることによって視聴者にコメントを出力する場合、コメント出力部200は、感情度を高くすることが決定されたコメント情報に基づくコメント(キャプションなどのテキスト)が、他のコメントよりも大きく表示されるようにしてよいし、他のコメントとフォントや色などを変えて表示されるようにしてもよい。また、コメント出力部200は、感情度を低くすることが決定されたコメント情報に基づくコメントを、他のコメントよりも小さく表示されるようにしてよいし、他のコメントよりも明度や彩度が低く表示されるようにしてもよい。
【0064】
また、Text to speechなどの所定の処理によってコメントを音声に変換する場合、コメント出力部200は、感情度を高くすることが決定されたコメント情報に基づくコメントの音声が、他のコメントの音声よりも大きくなるようにしてよいし、より情感が込められた音声になるようにしてもよい。また、コメント出力部200は、感情度を低くすることが決定されたコメント情報に基づくコメントの音声が、他のコメントの音声よりも小さくなるようにしてよいし、情感が込められていない音声になるようにしてもよい。
【0065】
以上のように、感情度決定部190が視聴者属性情報の関心度に基づいてコメント情報の感情度を決定し、コメント出力部200がコメント情報の感情度に応じた態様でコメントを出力することにより、より関心度が高いと判定された視聴者属性情報に対応するコメントが強調されて出力される。これにより、より効果的に視聴者の興味や関心をより引きつけやすいコメントを出力することが可能になる。
【0066】
[3.フローチャート]
図13は、動画配信装置10で行われる処理の流れの一例を示す図である。動画配信装置10のプロセッサ11は、例えば所定の視聴者(例えばユーザB~Cのいずれか)がユーザ端末40を用いて動画配信装置10にアクセスした場合に図13に示した処理を実行する。また、動画配信装置10のプロセッサ11は、動画の配信者(例えばユーザA)が所定の視聴者に動画を出力することを指示した場合に図13に示す処理のうちのステップS101~S105のうちの1又は複数の処理を実行し、その後、その視聴者から動画配信装置10へのアクセスした場合に残りの処理を実行してもよい。
【0067】
図13に示す例では、まず、属性情報取得部140が、動画の配信者に関する複数の配信者属性情報を取得する(ステップS101)。属性情報取得部140は、ゲームデータベース210やSNSデータベース310などから属性情報収集部120により予め収集された属性情報のうち、配信者に関する属性情報を配信者属性情報として取得する。
【0068】
動画の配信者がユーザAである場合、ステップS101において、属性情報取得部140は、配信者属性情報としてユーザAの属性情報を取得する。例えば、図5に示すように、ユーザAがプレイしたFPSゲームX、パズルゲームY、及び格闘ゲームZに関する属性情報と、ユーザAの居所がS県であることとを示す属性情報と、ユーザAが肯定的なリアクションを示したプロ野球チームH、プロ野球選手I、アイドルR、及びプロゲーマーSに関する属性情報と、先週O県に旅行したことを示す属性情報を、配信者属性情報として取得する。
【0069】
次に、属性情報取得部140が、所定の視聴者に関する複数の視聴者属性情報を取得する(ステップS102)。属性情報取得部140は、ゲームデータベース210やSNSデータベース310などから予め収集された属性情報のうち、所定の視聴者に関する属性情報を視聴者属性情報として取得する。なお、ステップS102の処理は、ステップS101の処理前に実行されてもよい。
【0070】
所定の視聴者がユーザBである場合、ステップS102において、属性情報取得部140は、視聴者属性情報としてユーザBの属性情報を取得する。例えば、図5に示すように、ユーザBがプレイしたFPSゲームXに関する属性情報と、ユーザBの居所がS県であることを示す属性情報と、ユーザBが肯定的なリアクションを示したプロ野球チームH、プロ野球選手Iに関する属性情報を、視聴者属性情報として取得する。
【0071】
次に、共通属性情報特定部150が、ステップS102において取得した複数の視聴者属性情報のうちから、ステップS101で取得した複数の配信者属性情報のうちのいずれかと共通する共通属性情報を特定する(ステップS103)。
【0072】
例えば、図6に示すように、ユーザBのFPSゲームX、居所のS県、プロ野球チームH、プロ野球選手Iに関する視聴者属性情報は、ユーザAの配信者属性情報といずれも共通する。このため、ステップS103において、共通属性情報特定部150は、ユーザBのこれらの視聴者属性情報を、共通属性情報として特定する。
【0073】
次に、コメント情報選択部170が、動画内の各シーンで、当該シーンに関連付けられた複数のコメント情報のいずれかを、ステップS102において取得した視聴者属性情報(本実施形態では、ステップS103において特定した共通属性情報)に基づいて選択する(ステップS104)。コメント情報選択部170は、コメント情報取得部160によりゲームデータベース210により取得された複数のコメント情報のいずれかを、共通属性情報に基づいて選択する。
【0074】
例えば、図7に示すように、動画に含まれる所定のシーンである配信者がプレイしたゲームの所定のイベントを示すイベント情報E1~Eに、複数のコメント情報が関連付けられている。ステップS104において、コメント情報選択部170は、イベント情報E1に関連付けられた複数のコメント情報のうちのいずれかを、ステップS103において特定した共通属性情報に基づいて選択する。また、イベント情報E2~Eについても、各イベント情報に関連付けられた複数のコメント情報のうちのいずれかを、ステップS103において特定した共通属性情報に基づいて選択する。
【0075】
ステップS104において、コメント情報選択部170は、イベント情報(イベント情報E1~Eのうちのいずれか)に関連付けられた複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の視聴者属性情報を、当該複数の視聴者属性情報のそれぞれについて関心度判定部180により判定された関心度に基づいて決定し、決定した視聴者属性情報に対応するコメント情報を選択してもよい。
【0076】
例えば、関心度判定部180は、図8に示す判定条件情報に基づいて、図9に示す関心度として「高」「中」「低」のいずれかを判定する。関心度判定部180は、視聴者属性情報に示されるゲームレベルやプレイ時間などの情報(パラメータ)のみならず、配信者属性情報に示されるレベルやプレイ時間などの情報に基づいて視聴者属性情報(共通属性情報)の関心度を判定してよい。
【0077】
ステップS104において、コメント情報選択部170は、関心度がより高いと判定された視聴者属性情報に対応するコメント情報を優先的に選択してもよい。図9に示す例では、ユーザBの視聴者属性情報のうち、プロ野球チームHの関心度が「高」と判定されるため、コメント情報選択部170は、プロ野球チームに関するコメント情報を優先的に選択する。
【0078】
次に、コメント出力部200が、ステップS104において選択したコメント情報に基づくコメントを生成する(ステップS105)。コメント出力部200は、コメント情報に含まれる定型文と、視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを生成する。そして、コメント出力部200が、ステップS105において生成したコメントをユーザ端末40に出力し(ステップS106)、処理を終了する。
【0079】
ステップS104において、例えば「[プロ野球チーム]ファン、とにかくアイテムを漁ります。」という内容のコメント情報が、プロ野球チームHに関するユーザBの属性情報に基づいて選択された場合、ステップS105において、コメント出力部200は、このコメント情報に含まれる[プロ野球チーム]を「プロ野球チームH」に置き換えることにより、図10に示すように、「プロ野球チームHファン、とにかくアイテムを漁ります。」という内容のコメントを生成する。
【0080】
また、ステップS105において、コメント出力部200は、視聴者属性情報や配信者属性情報に示される文言を含むコメントを生成してもよい。例えば、「本日[N]回目のプレイです。やり込んでますね。」という内容のコメント情報の[N]を、図5に示したユーザAの配信者属性情報に含まれる本日プレイ回数である「10」に置き換えることにより、「本日10回目のプレイです。やり込んでますね。」という内容のコメントを生成することが可能である。
【0081】
ステップS106において、コメント出力部200は、例えばコメントの内容を示すキャプションなどのテキストをユーザ端末40の表示部に表示させることによって、動画に含まれる所定のシーンとともにコメントを出力する。また、ステップS106において、コメント出力部200は、Text to speechなどの所定の処理によってコメントを音声に変換し、ユーザ端末40の音声出力部に出力させてもよい。
【0082】
また、ステップS104において、感情度決定部190が、視聴者属性情報の関心度に基づいてコメント情報の感情度を決定してもよい。感情度決定部190は、例えばコメント情報に対応する視聴者属性情報に関する関心度が高いと判定された場合には、当該コメント情報の感情度を高くすることを決定し、関心度が低いと判定された場合には、当該コメント情報の感情度を低くすることを決定する。
【0083】
ステップS106において、コメント出力部200は、コメント情報に基づくコメントを、ステップS104において決定されたコメント情報の感情度に応じた態様で出力してもよい。コメント出力部200は、感情度を高くすることが決定されたコメント情報に基づくコメント(テキスト)が、他のコメントよりも大きく表示されるようによいし、他のコメントとフォント、色などが異なるように表示されるしてもよい。また、コメント出力部200は、感情度を高くすることが決定されたコメント情報に基づくコメントの音声が、他のコメントの音声よりも大きく出力されるようにしてもよい。
【0084】
図9に示す例では、ユーザBの視聴者属性情報のうち、プロ野球チームHの関心度が「高」と判定されるため、ステップS104において、感情度決定部190は、プロ野球チームに関するコメント情報の感情度を高いと決定する。ステップS106において、コメント出力部200は、図10に示すうち、プロ野球チームに関するコメント情報に基づくコメントである「プロ野球チームHファン、とにかくアイテムを漁ります。」「決まった! 見事なホームラン!」という内容のコメントを、他のコメントよりも強調した態様で出力する。このように、関心度が高いと判定されたコメントを他のコメントよりも強調した態様で出力されるため、動画に対する視聴者の興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力できるようになる。
【0085】
[4.まとめ]
以上のように、本実施形態では、コメント情報選択部170は、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、視聴者の属性を示す視聴者属性情報に基づいて選択し、コメント出力部200は、コメント情報選択部170により選択されたコメント情報に基づくコメントを、動画に含まれる所定のシーンとともにユーザ端末40に出力する。このようにすることで、動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することができる。
【0086】
また、本実施形態では、コメント情報選択部170は、所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する共通属性情報として特定された視聴者属性情報に基づいて選択する。動画のみならず、動画の投稿者に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することができる。
【0087】
また、本実施形態では、コメント情報は定型文を含み、コメント出力部200は、コメント情報に含まれる定型文と、視聴者属性情報により示される属性の文言とを含むコメントを出力する。このようにすることで、視聴者属性情報により示される属性の文言をコメントの内容に反映することができ、視聴者の興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力することができる。
【0088】
また、本実施形態では、コメント情報選択部170は、所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報にそれぞれ対応する複数の視聴者属性情報(共通属性情報)のうちの少なくとも1つを、これら視聴者属性情報のそれぞれについて判定された複数の関心度に基づいて決定し、決定した視聴者属性情報に対応するコメント情報を選択する。このようにすることで、関心度の高いと判定される視聴者属性情報に対応するコメント情報が優先的に選択されるため、動画に対する視聴者の興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力することができる。
【0089】
また、本実施形態では、感情度決定部190は、コメント情報の感情度を、当該コメント情報に対応する視聴者属性情報について判定された関心度に基づいて決定し、コメント出力部200は、コメント情報に基づくコメントを、決定した感情度に応じた態様で出力する。このようにすることで、例えば関心度が高いと判定されたコメントを他のコメントよりも強調した態様で出力できるため、動画に対する視聴者の興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力できるようになる。
【0090】
[5.変形例]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。
【0091】
(1)実施形態では、共通属性情報特定部150が、属性情報取得部140が取得した複数の視聴者属性情報のうち、動画の配信者の属性を示す配信者属性情報と共通する視聴者属性情報を共通属性情報として特定し、コメント情報選択部170が、所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、共通属性情報に基づいて選択する例について説明した。これに限らず、コメント情報選択部170は、配信者属性情報と共通する視聴者属性情報と、共通しない視聴者属性情報とに基づいてコメント情報を選択してもよい。この場合、動画配信装置10は、共通属性情報特定部150を必ずしも有さなくてよい。また、属性情報取得部140は、投稿者属性情報を取得しなくてよく、関心度判定部180は、視聴者属性情報が示す属性に対する視聴者のみの関心度を判定してもよい。このようにしても、動画に対する視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能である。
【0092】
(2)実施形態では、所定の視聴者(例えばユーザB~Cのいずれか)がユーザ端末40を用いて動画配信装置10にアクセスした場合、又は、動画の投稿者が所定の視聴者に動画を出力することを指示した場合にコメントを生成し、動画に含まれる所定のシーンとともに出力する例について説明した。この方法は、配信者が予め録画した動画を配信(録画配信)する場合に好適であるが、本発明は、配信者がリアルタイムに動画を配信(ライブ配信)する場合にも適用し得る。
【0093】
この場合、動画情報取得部110(図3を参照)は、ゲームサーバ20やユーザ端末40などにおいて収録している動画と、その動画に関する関連情報をリアルタイムに取得する。属性情報取得部140は、動画を視聴中の複数の視聴者に関する視聴者属性情報を、属性情報収集部120により予め収集され属性情報記憶部130に記憶された中から取得する。コメント情報選択部170は、このように取得された視聴者属性情報に基づいて、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられるコメント情報を選択し、コメント出力部200は、選択されたコメント情報に基づくコメントを、動画を視聴中の複数の視聴者がそれぞれ利用している複数のユーザ端末40に出力する。このようにすることで、動画をリアルタイムに視聴している視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能である。
【0094】
ここで、共通属性情報特定部150は、複数の視聴者について取得された視聴者属性情報のうち、動画の配信者の配信者属性情報と共通する視聴者属性情報を共通属性情報として特定してよい。また、共通属性情報特定部150は、複数の視聴者について取得された視聴者属性情報のうち、複数の視聴者間で共通する属性情報を共通属性情報として特定してもよい。共通属性情報特定部150は、例えば、所定数以上の視聴者間で共通する属性情報を共通属性情報として特定してもよいし、動画を視聴中の視聴者のうちの所定の割合の視聴者間で共通する属性情報を共通属性情報として特定してもよい。コメント情報選択部170は、このように取得された共通属性情報に基づいて、動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報を選択してもよい。このようにすることで、同じ動画をリアルタイムに視聴している複数の視聴者の興味や関心を引きつけやすいコメントを出力することが可能である。
【0095】
(3)動画に含まれる所定のシーンに関連付けられた複数のコメント情報には、配信者を褒める内容のコメント情報や、配信者を貶す内容のコメント情報があってもよい。コメント情報選択部170は、配信者が設定した設定情報に示される設定内容に応じて、配信者を褒める内容のコメント情報を優先的に選択してもよいし、配信者を貶す内容のコメント情報を優先的に選択してもよい。
【0096】
また、コメント情報選択部170は、視聴者属性情報や配信者属性情報に基づいて視聴者と配信者との関係を推測し、推測した関係に基づいて、配信者を褒める内容のコメント情報を優先的に選択するか、配信者を貶す内容のコメント情報を優先的に選択するかを決定してもよい。例えば、視聴者属性情報に配信者のリアクション回数が閾値以上であることを示すコメント情報が含まれる場合、視聴者は配信者に好意的であると推測されるため、配信者を褒める内容のコメント情報を優先的に選択してもよい。また、視聴者属性情報や配信者属性情報により、所定の対戦ゲームにおいて視聴者が配信者に何度も負けていること(負けた回数や、勝った回数に対する負けた回数の割合が閾値以上であること)が示されている場合、視聴者は配信者に対抗心を抱いていると推測されるため、配信者を貶す内容のコメント情報を優先的に選択してもよい。このようにすることで、動画及び配信者に対する視聴者の興味や関心をより効果的に引きつけやすいコメントを出力できるようになる。
【0097】
(4)実施形態では、コメント情報選択部170が、イベント情報E1~E5の各々で、各イベント情報に関連付けられた複数のコメント情報のうちの少なくとも1つを、視聴者属性情報に基づいて選択する例について説明した。これに限らず、コメント情報選択部170は、イベント情報に関連付けられた複数のコメント情報に視聴者属性情報と関連するものがあると判定される場合に当該視聴者属性情報に基づいて少なくとも1つのコメント情報を選択し、視聴者属性情報と関連するものがないと判定される場合には、当該イベント情報についてコメント情報を選択しなくてもよい。この場合、コメント出力部200は、コメント情報が選択されたイベント情報に対応するシーンでは、当該シーンとともにコメントを出力し、コメント情報が選択されなかったイベント情報に対応するシーンでは、当該シーンとともにコメントを出力しなくてもよい。
【0098】
図7に示した例では、イベント情報E3には、[プロ野球チーム]ファン、とにかくアイテムを漁ります。」「必死です。[プロゲーマー]になるためならゴミだって漁ります。」「[県]旅行のお土産を漁るかのように貪ります。」という内容のコメント情報が関連付けられている。ここで、所定のユーザについて属性情報取得部140が取得した複数の視聴者属性情報に、プロ野球チーム、プロゲーマー、及び旅行先に関する情報が含まれていない場合、コメント情報選択部170は、イベント情報E3に関連付けられたコメント情報に視聴者属性情報と関連するものがないと判定し、イベント情報E3についてコメント情報を選択しなくてよい。この場合、コメント出力部200は、イベント情報E3に対応するシーンでは、コメントを出力しない。
【0099】
属性情報取得部140が取得する視聴者属性情報は、視聴者に応じて異なる。このため、コメントが出力されるシーンと、コメントが出力されないシーンは、視聴者に応じて異なる。このように、視聴者に応じてコメントが出力されないシーンを設けることにより、視聴者の興味や関心を引きつけないコメントが出力されることを抑制でき、動画に対する視聴者の興味や関心が薄れてしまうことを抑制できるようになる。

図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13