(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】自動車の光学要素を洗浄するための装置、光学要素、および対応する洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B60S1/62 110A
B60S1/62 120B
B60S1/62 120C
(21)【出願番号】P 2023548756
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(86)【国際出願番号】 EP2022053443
(87)【国際公開番号】W WO2022171839
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-10-10
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ラドゥ-ジョルジュ、ブチェ
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-019403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0337489(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102020116432(DE,A1)
【文献】特開2016-078841(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車に取り付けられるように意図された光学要素(100)用の洗浄装置(1)であって、前記洗浄装置(1)は、前記光学要素(100)のレンズ(110)の側面の少なくとも1つに配置されるように構成されたベース(3)を備え、前記ベース(3)は、空気のジェットが前記ベース(3)内に設けられた吸気口(51)と排気口(52)との間を循環することが意図されている空気ライン(50)を備え、前記排気口(52)は、前記ベース(3)から突き出ており、そして前記光学要素(100)の前記レンズ(110)の周囲に配置され、かつ空気のジェットを前記レンズ(110)の表面上に噴射するように構成された第1の空気噴出ノズル(5)を形成し、
前記洗浄装置(1)は、前記ベース(3)に結合され、かつ洗浄液が液体入口(61)と液体出口(62)との間を循環することが意図されている液体ライン(60)をさらに備え、前記液体出口(62)は、前記ベース(3)から突き出ており、そして前記光学要素(100)の前記レンズ(110)の前記周囲に配置され、かつ洗浄液のジェットを前記レンズ(110)の前記表面上に噴射するように構成された第2の液体噴出ノズル(6)を形成する、
洗浄装置(1)。
【請求項2】
前記第1のノズル(5)の前記排気口(52)および前記第2のノズル(6)の前記液体出口(62)は、前記液体の相対的な噴出方向が、前記空気のジェットの相対的な噴出方向に対して70°~110°の角度(α)を形成するように互いに対して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置(1)。
【請求項3】
前記ベース(3)は、前記レンズ(110)の少なくとも一部を囲むように構成された少なくとも1つの湾曲部分を備える、請求項1から2のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項4】
前記排気口(52)は、前記空気のジェットがエアナイフであるように構成され、前記排気口(52)は、スロットの形状を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項5】
円形レンズ(110)の周りに適合するように構成され、前記ベース(3)は、湾曲しており、前記光学要素(100)の前記レンズ(110)の回転軸と同心になるように構成された曲率軸を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項6】
円形レンズ(110)の周りに適合するように構成され、前記ベース(3)は、湾曲しており、前記光学要素(100)の前記レンズ(110)の回転軸と同心になるように構成された曲率軸を有し、
前記排気口(52)は、前記空気のジェットがエアナイフであるように構成され、前記排気口(52)は、スロットの形状を有し、
前記液体の前記相対的な噴出方向と前記空気のジェットの前記相対的な噴出方向の両方は、前記ベース(3)の前記曲率軸を通過することを特徴とする、請求項
2に記載の洗浄装置(1)。
【請求項7】
前記ベース(3)は、前記排気口(52)および前記液体出口(62)のみが前記光学要素(100)の前記レンズ(110)の前記表面によって形成された平面を越えて突出するように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項8】
一方の部分では、前記ベース(3)の前記吸気口(51)に接続され、他方の部分では、送風機(54)に接続された供給管(53)を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項9】
前記ベース(3)の前記液体入口(61)は、前記自動車の洗浄液を循環させるための回路に接続するための装置を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項10】
自動車に取り付けられるように意図された光学要素(100)であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)を備える、光学要素(100)。
【請求項11】
請求項10に記載の光学要素(100)を洗浄するための方法であって、前記洗浄方法は、
前記排気口(52)を介して連続的に空気のジェットを前記レンズ(110)の前記表面上に噴射する第1のステップ(301)と、
前記液体出口(62)を介して洗浄液のジェットを前記レンズ(110)の前記表面上に噴射する第2のステップ(302)であって、この第2のステップ(302)の間、前記空気のジェットの強度は、減少する第2のステップ(302)と、
前記液体のジェットが中断され、前記空気のジェットが強度を増す第3のステップ(303)であって、前記空気のジェットは、洗浄液を噴出する新しい第2のステップ(302)まで維持される第3のステップ(303)と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部門における洗浄装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、自動車に取り付けられるように意図された光学要素用の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転または駐車支援システムの開発に伴い、自動車には、カメラなどの光学要素がますます取り付けられるようになっている。しかし、これらの光学要素、または少なくともそれらのレンズの表面は、車両の外側に載置され、視界を低下させる可能性がある悪天候および汚れに曝される。既知の解決策は、光学要素のレンズの表面近傍に、この表面に散布を行うことが可能な洗浄液散布機を配置し、汚れや埃を除去することである。しかし、車両上の光学要素の位置によっては、レンズの表面に洗浄液の液滴や汚れが残ることがある。
【0003】
したがって、本発明の目的の1つは、従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服し、改善された光学要素洗浄装置を提案することである。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、特に自動車に取り付けられるように意図された光学要素用の洗浄装置であって、前記洗浄装置は、光学要素のレンズの側面の少なくとも1つに配置されるように構成されたベースを備え、前記ベースは、空気のジェットが前記ベース内に設けられた吸気口と排気口との間を循環することが意図されている空気ラインを備え、排気口は、ベースから突き出ており、そして光学要素のレンズの周囲に配置され、かつ空気のジェットをレンズの表面上に噴射するように構成された第1の空気噴出ノズルを形成し、洗浄装置は、ベースに結合され、かつ洗浄液が液体入口と液体出口との間を循環することが意図されている液体ラインをさらに備え、液体出口は、ベースから突き出ており、そして光学要素のレンズの周囲に配置され、かつ洗浄液のジェットをレンズの表面上に噴射するように構成された第2の液体噴出ノズルを形成する、洗浄装置に関する。
【0005】
特定の実施形態では、ベースは、レンズの少なくとも一部を囲むように構成された少なくとも1つの湾曲部分を備える。
【0006】
ベースおよびレンズは、同心であることが理解されよう。
【0007】
例えば、ベースは、レンズ全体を囲むように構成される。
【0008】
例えば、ベースは、円筒形状を有する。
【0009】
例えば、レンズは、少なくとも部分的にベースの内側に配置される。例えば、光学要素は、少なくとも部分的にベースの内側に配置される。
【0010】
したがって、ベースは、光学要素および/またはレンズのための保護ハウジングとしても作用することができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、第1のノズルの排気口および第2のノズルの液体出口は、液体の相対的な噴出方向が、空気のジェットの相対的な噴出方向に対して70°~110°の角度を形成するように互いに対して配置される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、排気口は、空気のジェットがエアナイフであるように構成され、排気口は、スロットの形状を有する。
【0013】
例えば、空気噴出ノズルは、ベースの少なくとも一部に連続して配置される。
【0014】
例えば、空気噴出ノズルは、レンズの外周の一部の周りに配置される。
【0015】
例えば、排気口ノズルは、凹形状を有する。
【0016】
例えば、排気口ノズルは、レンズの中心をその曲率中心として有する湾曲部分にわたって延びる。
【0017】
例えば、排気口ノズルは、例えば、レンズの中心と一致する中心を有する円弧の形状を有し、円弧は、円周方向におけるノズルの端部によって区切られる。
【0018】
例えば、円弧の中心における角度は、10°~110°である。
【0019】
例えば、円弧の中心における角度は、45°~100°である。
【0020】
例えば、円弧の中心における角度は、60°~90°である。
【0021】
例えば、円弧の中心における角度は、75°~100°である。
【0022】
本発明の別の態様によれば、洗浄装置は、円形レンズの周りに適合するように構成され、ベースは、湾曲しており、光学要素のレンズの回転軸と同心になるように構成された曲率軸を有する。
【0023】
本発明の別の態様によれば、液体の相対的な噴出方向と空気のジェットの相対的な噴出方向の両方は、ベースの曲率軸を通過する。
【0024】
本発明の別の態様によれば、ベースは、光学要素のレンズを部分的に囲むように構成された円弧の形状を有する。
【0025】
本発明の別の態様によれば、ベースは、光学要素のレンズを完全に囲むように構成された円形形状を有する。
【0026】
本発明の別の態様によれば、ベースは、排気口および液体出口のみが光学要素のレンズの表面によって形成された平面を越えて突出するように構成される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、洗浄装置は、一方の部分では、ベースの吸気口に接続され、他方の部分では、送風機に接続された供給管を備える。
【0028】
本発明の別の態様によれば、ベースの液体入口は、自動車の洗浄液を循環させるための回路に接続するための装置を備える。
【0029】
本発明はまた、上述のような洗浄装置を備える光学要素に関する。
【0030】
本発明はまた、光学要素を洗浄するための方法であって、前記洗浄方法は、
排気口を介して連続的に空気のジェットをレンズの表面上に噴射する第1のステップと、
液体出口を介して洗浄液のジェットをレンズの表面上に噴射する第2のステップであって、この第2のステップの間、空気のジェットの強度は、減少する第2のステップと、
液体のジェットが中断され、空気のジェットが強度を増す第3のステップであって、前記空気のジェットは、洗浄液を噴出する新しい第2のステップまで維持される第3のステップと
を備える、方法に関する。
【0031】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例示として与えられる以下の説明を、添付の図面を参照して読むことにより、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図3】
図2は、異なる角度による
図1の洗浄装置の断面の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、光学要素および洗浄装置が取り付けられた車体要素の表面の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、光学要素を洗浄するための方法のステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
これらの図において、同一の要素は、同じ参照番号を有する。
【0034】
以下の実施形態は、一例である。説明は1つまたは複数の実施形態に言及しているが、これは、各言及が同じ実施形態に関連すること、または特徴が1つの実施形態にのみ適用されることを必ずしも意味しない。異なる実施形態の個々の特徴はまた、他の実施形態を提供するために組み合わせたり、かつ/または置き換えられてもよい。
【0035】
本明細書では、特定の要素またはパラメータ、例えば第1の要素または第2の要素、ならびに第1のパラメータおよび第2のパラメータまたは第1の基準および第2の基準などにインデックス付けすることができる。この場合、これは、類似しているが同一ではない要素またはパラメータまたは基準を区別して指定するための単純なインデックス付けである。このインデックス付けは、1つの要素、パラメータ、または基準が別の要素、パラメータ、または基準よりも優先されることを意味するものではなく、そのような指定は、本明細書の範囲から逸脱することなく容易に置き換えることができる。このインデックス付けは、例えば任意の所与の基準を評価する際のいかなる時系列も意味しない。
【0036】
図1は、光学要素100用の洗浄装置1を示す。この光学要素100は、例えば、運転または駐車支援カメラであってもよく、自動車に取り付けられるように意図されている。洗浄装置1は、光学要素100のレンズ110の側面の少なくとも1つに配置されるように構成されたベース3を備える。
【0037】
ベース3は、空気のジェットが前記ベース3内に設けられた吸気口51と排気口52との間を循環することが意図されている空気ライン50(
図2に見える)を備える。排気口52は、ベース3から突き出ており、したがって光学要素100のレンズ110の周囲に配置された第1の噴出ノズル5を形成する。排気口52は、特に空気のジェットをレンズ110の表面上に噴射するように構成される。
【0038】
排気口52は、特に空気のジェットがエアナイフであるように構成されてもよい。この目的のために、排気口52は、スロットの形状を有する。このスロットは、より詳細には、生成されたエアナイフがレンズ110の表面をある程度かすめるように、光学要素100のレンズ110の表面に平行であってもよい。
【0039】
さらに
図1によれば、洗浄装置1は、特に供給管53を備えてもよい。この供給管53は、一方の部分では、吸気口51に接続され、他方の部分では、送風機54に接続される。この送風機54は、例えば、1つまたは複数の洗浄装置1のための空気流を生成するための専用の送風機であってもよい。この送風機54はまた、自動車の暖房、換気、および空調システムの送風機であってもよい。
【0040】
図2は、より詳細に洗浄装置1を有する光学要素100を示す。より詳細には、
図2では、光学要素100および洗浄装置1は、空気ライン50を通過する断面で図示されている。
図2によって示すように、空気ライン50は、ベース3内に窪んでいてもよい。次いで、吸気口51および排気口52は、ベース3と一体的に形成される。
【0041】
図1に戻ると、洗浄装置1は、ベース3に結合され、かつ洗浄液が液体入口61と液体出口62との間を循環することが意図されている液体ライン60をさらに備える。液体出口62は、ベース3から突き出ており、そしてレンズ110の周囲に配置され、かつ洗浄液のジェットをレンズ110の表面上に噴射するように構成された第2の液体噴出ノズル6を形成する。
【0042】
図3は、より詳細に洗浄装置1を有する光学要素100を示す。より詳細には、
図3では、光学要素100および洗浄装置1は、液体ライン60を通過する断面で図示されている。
図3によって示すように、液体ライン60は、ベース3に取り付けられた付加部品であってもよい。
【0043】
液体入口61は、特に自動車の洗浄液を循環させるための回路に接続するための装置を備えてもよい。この接続装置は、特に自動車両の洗浄液を循環させるための回路への接続を可能にする洗浄液パイプの締結エンドピースであり得る。この循環回路は、専用の回路であってもよいし、またはフロントガラス、信号機もしくは自動車の他の要素の洗浄液回路など、既に存在する自動車の洗浄液回路であってもよい。この循環回路は、特に、洗浄液タンクと、洗浄液を作動させるためのポンプと、洗浄液の循環を管理するための1つまたは複数の電磁弁とを備えてもよい。
【0044】
洗浄装置1が第1の空気噴出ノズル5と第2の液体噴出ノズル6の両方を備えるという事実は、洗浄液によって光学要素100のレンズ110を洗浄することを可能にし、また空気のジェットによって汚れおよび洗浄液の液滴を排出することを可能にする。したがって、洗浄の有効性が改善される。加えて、これらの2つのノズル5および6が同じ洗浄装置1のベース3において一緒にグループ化されるという事実は、光学要素100上に洗浄装置1を搭載することを容易にする。
【0045】
したがって、光学要素100は、その洗浄装置1と共に、同じ搭載ステップ中に自動車内により容易に一緒に設置され得る。
【0046】
図3により詳細に示すように、ベース3は、好適には、排気口52および液体出口62のみが光学要素100のレンズ110の表面によって形成された平面を越えて突出するように構成される。したがって、洗浄装置1を有する光学要素100のレンズ110の形状と相補的なオリフィスを、例えば、自動車の車体要素200に設けることができる。よって、レンズ110の表面は、車体要素200の表面と同じレベルにあってもよく、排気口52および液体出口62のみが車体要素200の表面を越えて突出している。
【0047】
好ましくは、排気口52および液体出口62が突出する高さは、光学要素100の視野に入らないように計算される。
【0048】
第1のノズル5の排気口52および第2のノズル6の液体出口62は、より詳細には、液体の相対的な噴出方向が、空気のジェットの相対的な噴出方向に対して70°~110°の角度αを形成するように互いに対して配置されてもよい。好ましくは、液体の相対的な噴出方向および空気のジェットの相対的な噴出方向は、互いに垂直である。これらの2つの方向の間のこのような角度は、2つのジェットが互いにわずかしか妨げないようにし、したがって空気のジェットおよび液体のジェットが可能な限り効果的なままであるようにする。
【0049】
図1~
図4によって示されるように、レンズ110は、円形であってもよい。次いで、洗浄装置1は、この円形レンズ110の周りに適合するように構成される。この目的のために、ベース3は、特に、湾曲していてもよく、レンズ110の回転軸Aと同心の曲率軸を有してもよい。
【0050】
好ましくは、液体の相対的な噴出方向と空気のジェットの相対的な噴出方向の両方は、ベース3の曲率軸を通過する。したがって、空気のジェットおよび液体のジェットは、レンズ110の表面の中心を通過し、光学要素100の視野に沿って表面全体を効果的に洗浄することができる。
【0051】
図示されていない第1の実施形態によれば、ベース3は、光学要素100のレンズ110を部分的に囲むように構成された円弧の形状を有することができる。
【0052】
図1~
図4に示される第2の実施形態によれば、ベース3は、光学要素100のレンズ110を完全に囲むように構成された円形形状を有することができる。このとき、洗浄装置1のベース3は、レンズ110を囲むことができる環状形状を有する。次いで、光学要素100のレンズ110は、ベース3によって形成された環状部に取り付けられ、したがって搭載が容易になる。
【0053】
図5は、上述のような洗浄装置1を備える光学要素100を洗浄するための方法の異なるステップのフロー図を示す。
【0054】
第1のステップ301によれば、空気のジェットが、排気口52を介してレンズ110の表面上に連続的に噴射される。この空気のジェットが特にエアナイフの形態で連続的であるという事実は、レンズ110の表面を保護し、埃や汚れの堆積を制限することを可能にする。
【0055】
第2のステップ302の間、洗浄液のジェットが、液体出口62を介してレンズ110の表面上に噴射される。この第2のステップ302の間、空気のジェットの強度は、洗浄液のジェットがレンズ110の表面に到達し、その表面全体に広がることができるように減少する。この液体のジェットは、あらゆる埃や汚れを除去するためにレンズの表面を洗浄することを可能にする。
【0056】
この第2のステップ302は、例えば、光学要素100によって返された画像が汚れを示すことにユーザが気付くことによってトリガされてもよい。この第2のステップ302はまた、画像の解析に基づいて、または定期的に自動車の管理装置によって自動的にトリガされてもよい。
【0057】
第3のステップ303の間、液体のジェットは中断され、空気のジェットは、第2のステップ102の終了時にレンズ110の表面上にまだ存在し得る洗浄液を排出するために強度を増す。次いで、空気のジェットは、洗浄液を噴出する新しい第2のステップ102まで維持される。
【0058】
したがって、洗浄装置1は、排気口52および液体出口62の存在により、光学要素100のレンズ110の表面を効果的に洗浄することを可能にすることが明らかである。加えて、これらの2つの出口52および62が共通のベース3内で組み合わされるという事実は、光学要素100上への洗浄装置1の搭載、また自動車内への光学要素100自体の搭載をより容易に行うことを可能にする。