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特許7598481電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法
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  • 特許-電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法 図1
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  • 特許-電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/12 20060101AFI20241204BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20241204BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20241204BHJP
   G08G 1/16 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
B60L7/12 Q
B60L58/10
B60T8/17 C
G08G1/16 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023555638
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2022126205
(87)【国際公開番号】W WO2024021320
(87)【国際公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】202210876657.9
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519212314
【氏名又は名称】チャンヂョウ シンユ オートモーティブ ライティング システムズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGZHOU XINGYU AUTOMOTIVE LIGHTING SYSTEMS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.398 Hanjiang Road,Xinbei District Changzhou,Jiangsu 213022 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 民
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208898(JP,A)
【文献】特開2018-001896(JP,A)
【文献】特開2017-216771(JP,A)
【文献】特開平10-271605(JP,A)
【文献】近藤暁史,”いまクルマで外せないキーワード「コースティング」! EVにも積極採用されるがデメリットもあった”,[online],[令和6年7月23日検索],WEB CARTOP,2022年05月20日,インターネット<URL:https://www.webcartop.jp/2022/05/894510/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自動車の運転支援による節電制御システムにおいて、
電動自動車の外部環境のデータを収集するための外部感知センサー、
運転手の情報を収集するための内部感知センサー、
外部感知センサーと内部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータ及び運転手の情報を処理するための運転支援制御器ADS、
運転支援制御器が送信した外部環境及び電動自動車・歩行者の情報を受信して処理し、運転支援による節電制御システムにおける各モジュールに制御命令を送信するための全電動自動車制御器VCU、
油圧により電動自動車を制動するための油圧ブレーキシステム、
全電動自動車制御器のトルク要求を受信し、電動機を駆動して作動させ、電気エネルギーを回生するための電動機制御器MCU、
電動自動車に動力を提供し、回生された電気エネルギーを蓄えるための動力電池、及び 動力電池の状態を監視し、電流の情報を収集するための電池管理システムBMSが含まれ、
前記の電動自動車の外部環境のデータは、歩行者データ、車線データ、及び前方電動自動車データが含まれ、
電動自動車電源投入の初期化が完了し、電動自動車が運転支援モードに入ったか否かを判断し、運転支援モードに入ると、工程S2に進み、電動自動車が運転支援モードに入っていないと、すべてのエネルギー回生は元の方策に従って行う工程S1、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、外部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータを認識して分類し、電動自動車の外部環境状態を感知して判断し、判断された電動自動車の外部環境状態の情報を全電動自動車制御器VCUに送信する工程S2、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に基づいて第1の制動力配分の影響係数aを取得し、動力電池管理システムBMSは、収集された電圧及び電流の情報に基づいて第2の制動力配分の影響係数aを取得し、第1の制動力配分の影響係数aと第2の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信する工程S3、
全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSが送信した第1の制動力配分の影響係数aと電池管理システムBMSが送信した第2の制動力配分の影響係数aを受信し、多項式フィッティングにより要求制動力fを取得し、前記の要求制動力fは、次の式であり、
f=a 油圧+a 電動機
式中、f油圧とf電動機は、元の制動力配分における制動力マップの情報である工程S4、及び
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSは、電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要であるか否かを判断し、制動が必要な場合、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数aと第2の制動力配分の影響係数aに応じて制動力を配分し、制動が必要でない場合、全電動自動車制御器VCUは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行する工程S5
が含まれ、
前記の工程S3は、具体的に
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に応じて運転手の年齢、性別、及び精神状態を知覚融合して分類を行い、第1の制動力配分の影響係数a を取得し、第1の制動力配分の影響係数a を全電動自動車制御器VCUに送信する工程S31、及び
電動自動車が運転支援モードに入ると、動力電池管理システムBMSは、電動自動車の運転状態に応じて、収集された電圧及び電流の情報に応じて運転手の運転習慣及び道路状況の平坦性の情報を判断し、フィッティングして第2の制動力配分の影響係数a を取得し、第2の制動力配分の影響係数a を全電動自動車制御器VCUに送信する工程S32
が含まれることを特徴とする電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法。
【請求項2】
前記の第1の制動力配分の影響係数aは、∈[0,1]であることを特徴とする、請求項に記載の制御方法。
【請求項3】
前記の第2の制動力配分の影響係数aは、∈[0,1]であることを特徴とする、請求項に記載の制御方法。
【請求項4】
前記の工程S5は、具体的に
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境の情報を検出して制動が必要である場合、運転支援制御器ADSは、必要な要求車速を全電動自動車制御器VCUに送信し、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数aと第2の制動力配分の影響係数aに応じて油圧ブレーキと電動ブレーキの配分を実行する工程S51、及び
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要でない場合、運転支援制御器ADSは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行し、全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSの情報及び動力電池管理システムBMSの情報に応じて判断してから、電動機制御器MCUに電動ブレーキの要求を送信し、コースティングエネルギー回生を実行する工程S52
が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記の工程S52におけるコースティングエネルギー回生を実行する前提は、電池管理システムBMSに検出された動力電池の残存電力量SOCに応じて判断することを特徴とする、請求項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記の動力電池の残存電力量SOCの判断方策は、
動力電池の残存電力量SOC≧95%である場合、制動エネルギー回生は行われなく、すなわち、第2の制動力配分の影響係数aは0であり、
80%≦動力電池の残存電力量SOC<95%である場合、制限的な制動エネルギー回生が許容され、すなわち、第2の制動力配分の影響係数aは(0.6~0.8)であり、
動力電池の残存電力量SOCが<80%である場合、制動エネルギー回生が許容され、第2の制動力配分の影響係数aは実際の重みに応じて選択されることを特徴とする、請求項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自動車の運転支援による節電制御システム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の市場シェアはますます高くなり、運転支援機能を備えた電動自動車が徐々に主流になりつつあるが、現在、運転支援機能を備えた電動自動車のエネルギー回生の方策は、運転支援なしでのエネルギー回生の方策を使い続けており、運転支援機能が起動した後、エネルギー回生機能をオフにするか、エネルギー回生機能を最小限に抑えることもある。
【0003】
従来の製品の中では、電動自動車の運転支援機能が起動した後のエネルギー回生の利用率は低いため、電動自動車の普及・発展に不利であり、電動自動車によっては、運転支援機能が起動した後、エネルギー回生機能がオフになるため、資源の無駄になり、電動自動車の航続距離が低下することになる。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点を克服することであり、本発明は、電動自動車運転支援機能が起動した後、エネルギー回生機能を最適化し、エネルギーを回生することにより節電し、電動自動車の航続距離の機能を間接的に向上させるために使用される電動自動車の運転支援による節電制御システム制御方法を提供する。
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の技術的解決策は、次の通りである。
【0006】
本発明の一つの態様は、
電動自動車の外部環境のデータを収集するための外部感知センサー、
運転手の情報を収集するための内部感知センサー、
外部感知センサーと内部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータ及び運転手の情報を処理するための運転支援制御器ADS、
運転支援制御器が送信した外部環境及び電動自動車・歩行者の情報を受信して処理し、運転支援による節電制御システムにおける各モジュールに制御命令を送信するための全電動自動車制御器VCU、
油圧により電動自動車を制動するための油圧ブレーキシステム、
全電動自動車制御器のトルク要求を受信し、電動機を駆動して作動させ、電気エネルギーを回生するための電動機制御器MCU、
電動自動車に動力を提供し、回生された電気エネルギーを蓄えるための動力電池、
動力電池の状態を監視し、電流の情報を収集するための電池管理システムBMSが含まれる電動自動車の運転支援による節電制御システムを提供する。
【0007】
さらに、上記の電動自動車の外部環境のデータは、歩行者データ、車線データ、及び前方電動自動車データが含まれる。
【0008】
本発明のもう一つの態様は、
電動自動車電源投入の初期化が完了し、電動自動車が運転支援モードに入ったか否かを判断し、運転支援モードに入ると、工程S2に進み、電動自動車が運転支援モードに入っていないと、すべてのエネルギー回生は元の方策に従って行う工程S1、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、外部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータを認識して分類し、電動自動車の外部環境状態を感知して判断し、判断された電動自動車の外部環境状態の情報を全電動自動車制御器VCUに送信する工程S2、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に基づいて第1の制動力配分の影響係数aを取得し、動力電池管理システムBMSは、収集された電圧及び電流の情報に基づいて第2の制動力配分の影響係数aを取得し、第1の制動力配分の影響係数aと第2の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信する工程S3、
全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSが送信した第1の制動力配分の影響係数aと電池管理システムBMSが送信した第2の制動力配分の影響係数aを受信し、多項式フィッティングにより要求制動力fを取得し、上記の要求制動力fは、次の式であり、
f=a 油圧+a 電動機
式中、f油圧とf電動機は、元の制動力配分における制動力マップの情報である工程S4、及び
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSは、電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要であるか否かを判断し、制動が必要な場合、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数a と第2の制動力配分の影響係数a に応じて制動力を配分し、制動が必要でない場合、全電動自動車制御器VCUは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行する工程S5が含まれる電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法を提供する。
【0009】
さらに、上記の工程S3は、具体的に
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に応じて運転手の年齢、性別、及び精神状態を知覚融合して分類を行い、第1の制動力配分の影響係数aを取得し、第1の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信する工程S31、及び
電動自動車が運転支援モードに入ると、動力電池管理システムBMSは、電動自動車の運転状態に応じて、収集された電圧及び電流の情報に応じて運転手の運転習慣及び道路状況の平坦性の情報を判断し、フィッティングして第2の制動力配分の影響係数aを取得し、第2の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信する工程S32が含まれる。
【0010】
さらに、上記の第1の制動力配分の影響係数aは∈[0,1]である。
【0011】
さらに、上記の第2の制動力配分の影響係数aは∈[0,1]である。
【0012】
さらに、上記の工程S5は、具体的に
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境の情報を検出して制動が必要である場合、運転支援制御器ADSは、必要な要求車速を全電動自動車制御器VCUに送信し、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数a と第2の制動力配分の影響係数a に応じて油圧ブレーキと電動ブレーキの配分を実行する工程S51、及び
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要でない場合、運転支援制御器ADSは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行し、全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSの情報及び動力電池管理システムBMSの情報に応じて判断してから、電動機制御器MCUに電動ブレーキの要求を送信し、コースティングエネルギー回生を実行する工程S52が含まれる。
【0013】
さらに、上記の工程S52におけるコースティングエネルギー回生を実行する前提は、電池管理システムBMSに検出された動力電池の残存電力量SOCに応じて判断する。
【0014】
さらに、上記の動力電池の残存電力量SOCの判断方策は、
動力電池の残存電力量SOC≧95%である場合、制動エネルギー回生は行われなく、すなわち、第2の制動力配分の影響係数a=0であり、
80%≦動力電池の残存電力量SOC<95%である場合、制限的な制動エネルギー回生が許容され、すなわち、第2の制動力配分の影響係数aは(0.6~0.8)であり、
動力電池の残存電力量SOCが<80%である場合、制動エネルギー回生が許容され、第2の制動力配分の影響係数aは実際の重みに応じて選択される。
【0015】
上記の技術的解決策によれば、本発明は、まず運転支援機能に入るか否かを判断し、運転手が運転支援環境に入ることを確認すると、運転支援制御器ADSは、車内の感知センサーに収集された運転手の情報に基づいて運転手の影響係数を算出し、電池管理システムBMSに収集された電動自動車運転中の電流及び電圧の変化に応じて電動自動車状態係数を確認し、フィッティングして制動力の配分式を取得し、異なる状態での電動自動車の運転状態に応じて、電動機制御器MCU側の制動力を配分し、エネルギー回生を実行する。本発明は、電動自動車の運転支援状態で、エネルギー回生機能を最適化することにより、電動自動車運転性に影響を与えることなくエネルギー回生機能を向上させ、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェアによりコントロールを最適化するため、コストの制御可能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は、本発明の電動自動車の運転支援による節電制御システムの概略ブロック図である。
図2】は、本発明の電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法のフロー図である。
図3】は、本発明の動力電池の残存電力量SOCの判断方策のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の内容をより明確に理解するために、具体的な実施例に基づいて、添付の図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1に示されるように、本実施例は、
歩行者データ、車線データ、及び前方電動自動車データが含まれる電動自動車の外部環境のデータを収集するための外部感知センサー、
内部感知センサー運転手の情報を収集するための内部感知センサー、
外部感知センサーと内部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータ及び運転手の情報を処理するための運転支援制御器ADS、
電動自動車の頭脳として、運転支援制御器が送信した外部環境及び電動自動車・歩行者の情報を受信して処理し、運転支援による節電制御システムにおける各モジュールに制御命令を送信するための全電動自動車制御器VCU、
油圧により電動自動車を制動するための油圧ブレーキシステム、
全電動自動車制御器のトルク要求を受信し、電動機を駆動して作動させ、電気エネルギーを回生するための電動機制御器MCU、
電動自動車に動力を提供し、回生された電気エネルギーを蓄えるための動力電池、及び
動力電池の状態を監視し、電流の情報を収集するための電池管理システムBMSが含まれる電動自動車の運転支援による節電制御システムを提供する。
【0019】
本実施例の電動自動車の運転支援による節電制御システムは、まず運転支援制御器ADSにより感知センサーに収集された外部及び内部環境のデータを処理し、運転支援機能に入るか否かを分析し、運転手が運転支援環境に入ることを確認すると、運転支援制御器ADSは、車内の感知センサーに収集された運転手の情報に基づいて運転手の影響係数を算出し、電池管理システムBMSに収集された電動自動車運転中の電流及び電圧の変化に応じて電動自動車状態係数を確認し、最終的に全電動自動車制御器VCUに送信し、運転手の影響係数及び電動自動車の状態係数をフィッティングして制動力の配分式を取得し、最終的に異なる状態での電動自動車の運転状態に応じて、電動機制御器MCU側の制動力を配分し、エネルギー回生を実行する。
【実施例2】
【0020】
図2に示されるように、本実施例は、
電動自動車電源投入の初期化が完了し、電動自動車には関わる障害がなく、電動自動車の状態は良好である。電動自動車が運転支援モードに入ったか否かを判断し、運転支援モードに入ると、工程S2に進み、電動自動車が運転支援モードに入っていないと、全てのエネルギー回生は元の非運転支援モードでの方策に従って実行する工程S1、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、外部感知センサーに収集された電動自動車の外部環境のデータを認識して分類し、電動自動車の外部環境状態を感知して判断し、判断された電動自動車の外部環境状態の情報を全電動自動車制御器VCUに送信する工程S2、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に基づいて第1の制動力配分の影響係数aを取得し、動力電池管理システムBMSは、収集された電圧及び電流の情報に基づいて第2の制動力配分の影響係数aを取得し、第1の制動力配分の影響係数aと第2の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信する工程S3、
全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSが送信した第1の制動力配分の影響係数aと電池管理システムBMSが送信した第2の制動力配分の影響係数aを受信し、多項式フィッティングにより要求制動力fを取得し、要求制動力fは、次の式であり、
f=a 油圧+a 電動機
式中、f油圧とf電動機は、元の制動力配分における制動力マップの情報である工程S4、及び
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSは、電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要であるか否かを判断し、制動が必要な場合、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数a と第2の制動力配分の影響係数a に応じて制動力を配分し、制動が必要でない場合、全電動自動車制御器VCUは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行する工程S5が含まれる電動自動車の運転支援による節電制御システムの制御方法を提供する。
【0021】
具体的に、工程S3は、
電動自動車が運転支援モードに入ると、運転支援制御器ADSは、内部感知センサーに収集された運転手の情報に応じて運転手の年齢、性別、及び精神状態を知覚融合して分類を行い、第1の制動力配分の影響係数aを取得し、第1の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信し、式中、第1の制動力配分の影響係数aは∈[0,1]である工程S31、及び
電動自動車が運転支援モードに入ると、動力電池管理システムBMSは、電動自動車の運転状態に応じて、収集された電圧及び電流の情報に応じて運転手の運転習慣及び道路状況の平坦性の情報を判断し、フィッティングして第2の制動力配分の影響係数aを取得し、第2の制動力配分の影響係数aを全電動自動車制御器VCUに送信し、式中、第2の制動力配分の影響係数aは∈[0,1]である工程S32が含まれる。
【0022】
具体的に、工程S5は、
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境の情報を検出して制動が必要である場合、運転支援制御器ADSは、必要な要求車速を全電動自動車制御器VCUに送信し、全電動自動車制御器VCUは、要求車速に基づいて制動応答要求を算出し、第1の制動力配分の影響係数a と第2の制動力配分の影響係数a に応じて油圧ブレーキと電動ブレーキとを合理的に配分し、自動車の航続距離を増加させて節電の効果を実現する工程S51、
運転支援モードでは、運転支援制御器ADSが電動自動車の外部環境情報を検出して制動が必要でない場合、運転支援制御器ADSは、電動自動車情報と外部路面情報に応じてコースティングエネルギー回生を実行し、全電動自動車制御器VCUは、運転支援制御器ADSの情報及び動力電池管理システムBMSの情報に応じて判断してから、電動機制御器MCUに電動ブレーキの要求を送信し、電動自動車が制動でない状態でも、コースティングエネルギー回生というエネルギー回生があり、すなわち、運転手がブレーキを踏んでいない状態で、電動機がコースティングエネルギー回生の非人為的な制動要求を送信し、コースティングエネルギー回生を実行し、自動車の航続距離を増加させて節電の効果を実現する工程S52が含まれる。ここで、電動機は、制動されておらず、例えば、電動機を正に加速する場合は正のトルクを提供し、制動が必要な場合は負のトルクを提供する。
【0023】
また、動力電池を保護し、過充電が動力電池の寿命や電池の安全性に影響を与えるのを防ぐために、工程S52におけるコースティングエネルギー回生を実行する前提は、電池管理システムBMSに検出された動力電池の残存電力量SOCに応じて判断する。
【0024】
具体的に、図3に示されるように、動力電池の残存電力量SOCの判断方策は、
動力電池の残存電力量SOC≧95%である場合、動力電池の過充電を防ぐために、制動エネルギー回生は行われなく、すなわち、第2の制動力配分の影響係数a=0であり、
80%≦動力電池の残存電力量SOC<95%である場合、制限的な制動エネルギー回生が許容され、すなわち、第2の制動力配分の影響係数aは(0.6~0.8)であり、
動力電池の残存電力量SOC<80%である場合、制動エネルギー回生が許容され、第2の制動力配分の影響係数aは実際の重みに応じて選択される。
【0025】
以上に記載の具体的な実施例は、本発明によって解決される技術的課題、技術的解決策、有益な効果をさらに詳細に説明したが、上記の説明は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の精神及び原則の範囲内で行われるあらゆる修正、同等物による置き換え、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとすることを理解されたい。
図1
図2
図3