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特許7598491医療用液体を生産するために少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】医療用液体を生産するために少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20241204BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61M1/16 163
B01D61/02 500
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023573209
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2022064406
(87)【国際公開番号】W WO2022248664
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】102021113782.9
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523303792
【氏名又は名称】ヴィヴォニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェルトホーファー ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】エーベルライン シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ベスラー パトリック
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05015389(US,A)
【文献】登録実用新案第3011605(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
B01D 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用液体の生産中に少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置(100)であって、
a.前記処理液を受け入れるタンク(4)であって、流出口を有するタンク(4)と、
b.中空貯溜容器(7)であって、
i.前記タンク(4)内、前記タンク(4)の側壁内、又は前記タンク(4)の側壁上に配置され、
ii.前記タンク(4)内の充填レベルに応じて、処理液を通すことができ、処理液で完全に又は部分的に満たすことができ、
iii.少なくとも1つの下部開口部(20)を備え、前記下部開口部(20)は、前記中空貯溜容器(7)の下部領域(25)に配置され、前記タンク(4)の内部と流体連通しており、前記タンク(4)の充填レベルが前記中空貯溜容器(7)内の充填レベルより低い場合に、前記中空貯溜容器(7)内に蓄えられた処理液は、前記下部開口部(20)を通って前記タンク(4)に流入することができ、
iv.少なくとも1つの上部開口部(30)を有し、前記上部開口部(30)は、前記中空貯溜容器(7)の上部領域(35)に配置され、前記タンク(4)の内部と流体連通し、前記中空貯溜容器(7)内の処理液の充填レベルが少なくとも1つの上部開口部(30)まで到達すると、追加的に前記処理液が前記上部開口部(30)を通って前記中空貯溜容器(7)から前記タンク(4)内に溢れ出ることができ、
v.前記上部領域(35)は前記下部領域(25)より上に位置し、
vi.前記上部開口部(30)の断面積の和が、前記下部開口部(20)の断面積の和の少なくとも10倍の大きさである、中空貯溜容器(7)と、
c.前記処理液の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサ(6)であって、処理液が前記中空貯溜容器(7)内に溜まった時に前記処理液と接触できるように前記中空貯溜容器(7)内に配置されるセンサと、
を備える測定装置(100)。
【請求項2】
前記センサ(6)は、導電率センサ又は温度センサである、請求項1に記載の測定装置(100)。
【請求項3】
前記処理液の異なる特性を測定する目的で、2又は3以上のセンサ(6)が共に前記中空貯溜容器(7)内に配置される、請求項1又は2に記載の測定装置(100)。
【請求項4】
導電率センサ(6)及び温度センサ(6)が、共に前記中空貯溜容器(7)内に配置される、請求項3に記載の測定装置(100)。
【請求項5】
前記中空貯溜容器(7)は、上から下へテーパ付けされた形状、漏斗形状又は円筒形状を有する、請求項1に記載の測定装置(100)。
【請求項6】
請求項1、2、5のいずれか1項に記載の測定装置(100)と、
a.少なくとも2つの異なる処理液を前記タンク(4)内に供給するための少なくとも2つの導管(1)と、
b.前記タンク(4)内への処理液の供給又は排出を制御するための少なくとも2つの手段と、
c. 前記センサ(6)の測定値を取り込み、弁を制御するように構成されたコントローラ(8)と、
を備える測定システム(300)。
【請求項7】
前記少なくとも2つの導管は、端部の出口開口部と前記中空貯溜容器(7)との間に自由落下経路が形成されるように配置されている、請求項6に記載の測定システム(300)。
【請求項8】
どの処理液が前記測定装置(100)の前記センサ(6)と接触しているかを特定するために、
a.前記タンク(4)内の充填レベルを決定するための少なくとも1つの手段(4.3)であって、前記タンク(4)内の3以上の異なる高さの充填レベルを識別できる手段、
b.又は、前記タンク(4)内の下側及び上側の充填レベルを決定するように設定された少なくとも2つの充填レベル・リミットスイッチ(4.1,4,2)、
c.又は、異なる処理液の流れを特定の時系列で制御するようにコントローラ(8)を設定して、時間プロファイルに基づいて現在の処理液を決定できるようにするもの、
d.又は、処理液特性の測定領域が、異なる処理液について重複しない場合、前記センサ(6)の測定値と、異なる処理液に関する既知の測定領域とに基づいて、処理液への測定値の割当てを実行するようにコントローラを設定するもの、
のうちの1又は2以上を備える、請求項6に記載の測定システム(300)。
【請求項9】
医療用液体を生産するための液体搬送生産システム(1000)であって、請求項1に記載の測定装置(100)を備える液体搬送生産システム(1000)。
【請求項10】
水処理設備又は透析水を供給するための精製水調製設備として具体化され、前記測定装置(100)が前記生産システム(1000)の貯蔵タンク(4)内に配置される、請求項9に記載の液体搬送生産システム(1000)。
【請求項11】
透析液又は透析液濃縮物を供給するための混合設備として具体化され、前記測定装置(100)が前記生産システム(1000)の貯蔵タンク(4)又は混合タンク(4)内に配置される、請求項9に記載の液体搬送生産システム(1000)。
【請求項12】
逆浸透設備として具体化される、請求項10に記載の液体搬送生産システム(1000)。
【請求項13】
請求項1に記載の測定装置(100)が実行する、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定する、測定装置(100)の作動方法(500)であって、
a.前記測定装置(100)が、前記中空貯溜容器(7)内の前記センサ(6)に、測定すべき前記処理液を別個に供給するステップ(531,532)と、
b.前記測定装置(100)が、前記センサ(6)と接触している前記処理液の特性を、所定の最小測定時間に達する(545)まで測定するステップ(540)と、
c.前記測定装置(100)が、前記所定の最小測定時間に達した(545)後で、前記処理液の前記特性の測定値を保存するステップ(555)と、
を少なくとも含む、測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項14】
前記別個に供給するステップ(531,532)は、少なくとも
a.前記測定装置(100)が、前記タンク(4)内の充填レベルを、前記中空貯溜容器(7)より下になるまで下げるステップ(510)と、
b.前記測定装置(100)が、前記中空貯溜容器(7)内に測定すべき前記処理液を供給するための導管を開放するステップ(531)と、
を伴って実行される、請求項13に記載の測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項15】
前記別個に供給するステップ(531)は、少なくとも
a.前記測定装置(100)が、前記タンク(4)内の充填レベルを、前記センサ(6)と同じ高さかそれを越える充填レベルまで上げるステップ(519)、
を伴って実行される、請求項13に記載の測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項16】
請求項13に記載の測定装置(100)の作動方法(500)であって、前記測定装置(100)が、同じセンサ(6)で少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を測定し、
前記別個に供給するステップ(531,532)は、少なくとも
d.前記測定装置(100)が、前記タンク(4)内の充填レベルを、前記中空貯溜容器(7)より下になるまで下げるステップ(510)と、
e.前記測定装置(100)が、前記中空貯溜容器(7)内に測定すべき前記処理液を供給するための導管を開放するステップ(531)と、
を伴って実行され、
前記別個に供給するステップ(531)は、少なくとも
f.前記測定装置(100)が、前記タンク(4)内の充填レベルを、前記センサ(6)と同じ高さかそれを越える充填レベルまで上げるステップ(519)、
を伴って実行され、
交換可能な順序で連続的に、前記測定装置(100)が、第1の処理液の少なくとも1つの特性前記ステップd.と前記ステップe.を含む前記別個に供給するステップ(531,532)を用いて測定し前記測定装置(100)が、第2の処理液の少なくとも同じ特性前記ステップf.を含む前記別個に供給するステップ(531)を用いて測定し、或いは、前記測定装置(100)が、第2の処理液、前記ステップd.と前記ステップe.を含む前記別個に供給するステップ(531,532)を使用する方法の第2ステップ(532)に従って、前記測定装置(100)が、供給用の前記導管を開放する(531)することによって再び供給する測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項17】
前記タンク(4)内の充填レベルを下げるステップ(510)に続いて、前記測定装置(100)が、前記タンク(4)内に残る前記処理液を逆浸透膜(12)に導き、前記逆浸透膜(12)を通り抜けた液体又は前記逆浸透膜(12)を通り抜けなかった処理液のいずれかを前記測定装置(100)が、前記センサ(6)に供給する(532)ことによって、前記別個に供給するステップ(532)が行われる、請求項14に記載の測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項18】
請求項13に記載の、前記測定装置(100)が、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定する、測定装置(100)の作動方法(500)であって、前記測定装置(100)が、第2センサ(16.1)を用いて比較(558)するために、さらに、
a.前記測定装置(100)が、測定すべき前記処理液を前記第2センサ(16.1)に別個に供給するステップと、
b.前記測定装置(100)が、前記センサ(16.1)と接触する前記処理液の同じ特性を所定の最小測定時間に達する(547)まで測定するステップ(542)と、
c.前記測定装置(100)が、前記所定の最小測定時間に達した後で、前記処理液の前記特性の測定値を保存するステップ(557)と、
d.前記測定装置(100)が、前記2つのセンサ(6,16.1)の測定値を比較するステップ(558)と、
を少なくとも含む測定装置(100)の作動方法(500)。
【請求項19】
請求項13に記載の方法を実行するように構成されたコントローラ(8)を備える、測定システム(300)又は液体搬送生産システム(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用液体の生産時に少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置と、
このような測定装置と、少なくとも2つの異なる処理液を供給するための少なくとも2つの導管とを有する測定システムと、さらにコントローラと、
このような測定装置又はこのような測定システムを有する、医療用液体を生産するための液体搬送生産システムと、
このような測定装置又はこのような測定システム又はこのような液体搬送生産システムを用いて処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
液体搬送生産設備は、水技術、精製水調製、逆浸透、透析水、透析濃縮液及び透析液、及び医療用溶液の分野で公知である。このような生産設備の例としては、透析水を供給するための精製水設備、並びに透析濃縮液混合設備が挙げられる。
【0003】
特に透析水の生産については、関連する法的規制及び規格により、水質モニタリング、及び/又は、例えば、逆浸透膜設備を運転する際の逆浸透膜による特定の汚染物保持効果に関する証拠、或いは逆浸透膜自体に関する証拠が要求される。同様の要求は、他の精製水調製設備にも課せられる。しかしながら、他のほとんどの分野、並びに他のほとんどの設備の場合でさえ、設備が含む必要のあるセンサシステムに関して最低限の仕様が存在する。
【0004】
しかしながら、規制要件に加えて、処理液に関する測定データを確認し、測定データに基づいて生産プロセスを制御することも、液体搬送生産システムの技術的成功にとって疑う余地がない。
【0005】
それゆえ、公知の液体搬送生産システムは通常、処理液の特性を測定するためのセンサを有する。
【0006】
逆浸透によって透析用の精製水を生産する精製水設備など、公知の液体搬送生産システムは、異なる測定位置で処理液の同じ特性を測定するために複数の同一センサを備える。従って、例えば、異なる処理液の温度及び/又は導電率を測定する目的で、或いは異なる生産段階(例えば、濾過器段階の前後)における処理液の温度及び/又は導電率を測定する目的で、2つ、3つ、4つ又は5つのセンサを生産システムに亘って配置するというのが事実である。これにより、異なる区画又は段階における処理液に関する測定データを確認することができる。例として、逆浸透膜設備の給水供給部領域では、供給液体(まだ逆浸透膜で浄化されていない)、特に異なる品質レベルの水をセンサに供給して水の導電率及び温度を測定することが知られている。
【0007】
公知の液体搬送生産システムの問題点は、複数の異なる処理液の同じ特性を、又は異なる流量での同じ処理液の同じ特性を、場合によっては両方を測定するために、複数の同一センサを必要とすることである。処理液の同じ特性を測定するために複数の同一センサを配置することは、様々な不利益又は問題をもたらす。それは、液体搬送生産システムの製品価格の上昇に直結する。冗長なセンサは高い追加費用を生む。さらに、各センサが、配置のためのスペース、電源及びコントローラへのリンクと共に、構成的な手段を必要とするため、生産システムは構造的に複雑になり、サイズも大きくなる。さらなる問題は、一貫性のある測定データを得るために、様々なセンサを互いに比較する必要性にある。実際には、構成上の特殊性及び/又はセンサ相互の大きな間隔のため、完全な比較は不可能である。公知の液体搬送生産システムの異なる処理液については、非常に異なる流量が予想される。公知の液体用測定装置は、比較的狭い範囲でだけ液体の特性を測定するように設定されるので、1つの処理液を測定するのに適しているに過ぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、先行技術で知られている問題の深刻さを軽減する、又はそれらの問題を完全に回避することである。従って、例えば、液体搬送生産システムにおける処理液の特性を測定するための冗長なセンサの数を減らすことが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載する、タンクと中空貯溜容器とを備えた、少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置と、請求項13に記載する、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定する方法とによって達成される。本発明概念の構成及び展開は、従属請求項の主題である。
【0010】
医療用液体の生産中に少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定する測定装置は、
-処理液を受け入れるタンクであって、流出口を有するタンクと、
-中空貯溜容器であって、
i.)タンク内、タンクの側壁内、又はタンクの側壁上に配置され、
ii.)タンク内の充填レベルに応じて、処理液を通すことができ、処理液で完全に又は部分的に満たすことができ、
iii.)少なくとも1つの下部開口部を有し、この下部開口部は、中空貯溜容器の下部領域に配置され、タンク内部と流体連通しており、タンクの充填レベルが中空貯溜容器内の充填レベルより低い場合に、中空貯溜容器内に蓄えられた処理液は、この開口部を通ってタンクに流入することができ、
iv.)少なくとも1つの上部開口部を有し、この上部開口部は、中空貯溜容器の上部領域に配置され、タンクの内部と流体連通し、中空貯溜容器内の処理液の充填レベルが少なくとも1つの上部開口部まで到達すると、追加的な処理液が上部開口部を通って中空貯溜容器からタンク内に溢れ出ることができ、
v.)上部領域が下部領域より上に位置し、
vi.)上部開口部の断面積の和が、下部開口部の断面積の和の少なくとも10倍の大きさである、中空貯溜容器と、
-処理液の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサであって、処理液が中空貯溜容器内に溜まった時に処理液と接触できるように中空貯溜容器内に配置されるセンサと、
を備える。
【0011】
中空貯溜容器とその下部開口部及び上部開口部の幾何学的設計の結果として、本発明による測定装置は、それでもなお、異なる流量で流入する液体でセンサを湿潤させることができ、ひいては液体の特性の1つをセンサで測定することができるように、特に有利に具体化される。これにより、同じセンサを用いて、異なる流量で流れる処理液を測定することが可能となる。異なる処理液は異なる流量で頻繁に生じるので、これにより、1つの特性に関して異なる処理液を異なる流量で測定することもできる。中空貯溜容器の設計により、様々な流量範囲に亘って測定を行うことができ、最大流量は最小流量の少なくとも10倍である。
【0012】
先行技術の問題点を克服することに加えて、本発明による解決策のさらなる利点は、同じセンサが異なる液体を測定するので、装置内の異なる場所にある異なるセンサ同士のおそらくは複雑な比較が不要になるという事実にある。
【0013】
本発明による測定装置のこの設計のさらなる利点は、既存のシステムに後付けできるという事実にある。この場合、液圧アクチュエータなどは維持することができ、コントローラのソフトウェアは更新する必要がある。
【0014】
本発明による測定装置のさらなる利点は、それぞれの処理ステップに対応する処理液が測定装置内の1つのセンサに供給されることにより、ただ1つの同じセンサを用いて液体搬送生産システムの様々な処理ステップのパラメータを捕捉できるという事実にある。
【0015】
本発明による測定装置のさらなる利点は、既存の液体搬送生産システム又は測定システムに、後付けによって組み込むことができるという事実にある。一般に、このような設備は既に導管、コントローラ及びアクチュエータを有するので、本発明による測定装置は、タンクを交換することによって後付けすることができる。開口部を備えた中空貯溜容器とセンサは、タンク内に配置される。中空貯溜容器は、既存の設備に適合させて、測定すべき処理液が中空貯溜容器内に到達できるように設計又は位置決めするだけでよい。本発明による測定装置は、多様な幾何学的配置の選択肢を提供し、その結果として非常に多くの既存システムに適応可能である。最後に、既存のアクチュエータを用いて測定目的で液体流を中空貯溜容器に供給するには、コントローラの制御ソフトウェアを適合させるだけでよく、また、貯溜容器内のセンサをコントローラに接続する必要がある。
【0016】
本発明の本質的な態様は、センサ用の中空貯溜容器を設けることにあり、この貯溜容器に開口部を装備して、低流量の液体及び高流量の液体を測定できるようにする。結果として、異なる液体及び/又は処理液の非常に異なる流量を扱うのに1つのセンサで十分である。このため、開口部及び中空貯溜容器は、貯溜手段としてもオーバフローを容易にする手段としても機能するように構成されている。特定のセンサ又は特定の測定手順では、センサを測定すべき液体中に沈める必要があるため、貯溜効果が必要である。一例として、これは特定の導電率センサに当てはまる。従って、ここに提示する中空貯溜容器は、特に有利なことに、低流量の処理液の堰止めを容易にする。
【0017】
ここに提示する測定装置にとって不可欠なことは、流入する液体を広範囲の流量に亘って(最大値は最小値より少なくとも1桁大きい)中空貯溜容器内に配置されたセンサに確実に供給できるように中空貯溜容器を設計することである。低流量の場合、この容器は、下部開口部の比較的小さな断面だけで、そこを流れる液体を堰き止める。高流量の場合、堰き止められた液体をさらに上部開口部から排出できるようになるまで、中空貯溜容器内の充填レベルは上昇する。貯溜容器が位置するタンクの充填レベルが上昇すると、水はタンクから開口部を通って貯溜容器に流れ込み、ひいてはセンサに到達することができる。これは、中空貯溜容器がタンクの壁上又は壁内に位置する場合も同様に当てはまる。この幾何学的性質と配置の結果として、本測定装置により、異なる液体を異なる流量で測定することが容易となる。
【0018】
本発明による測定装置、測定システム又は液体搬送生産システムを用いて、少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を、同じセンサによって異なる流量で別々に測定する方法は、少なくとも以下のステップを含む:
a.中空貯溜容器内のセンサに、測定すべき処理液を別個に供給するステップ、
b.センサと接触している処理液の特性を、所定の最小測定時間に達するまで測定するステップ、
c.所定の最小測定時間に達した後、処理液の特性の測定値を保存するステップ。
これによって特に有利なことに、所定の測定時間に測定装置のセンサに対して、いずれの場合にもただ1つの処理液を別個に供給することが保証される。さらに、これによって有利なことに、処理液の不明な混合物が測定されることは確実になくなる。
【0019】
ここで提案する測定装置の特に有利な実施形態では、センサは導電率センサ又は温度センサである。これによって特に有利なことに、これらのタイプの冗長なセンサの節減が容易になる。液体の温度及び導電率は、液体搬送生産システムの分野では重要なパラメータである。これらのパラメータは、生産運転にとって決定的な変数となる可能性がある。特に医療用液体の分野では、測定を目的にこれらのセンサタイプの少なくとも1つを設けることがしばしば求められる。一例として、これはまた、例えば透析用の精製水設備だけでなく、透析液及び透析液濃縮物生産設備にも当てはまる。導電率センサの場合、冗長なセンサを節減することができれば、これはさらに、費用を大幅に節約できるという利点をもたらす。なぜなら、導電率センサは経費の増加を必要とすることが多いからである。センサの測定セルに可変交流電源を供給し、その後に測定値を処理することは技術的に複雑であり、このために必要な物理的構成部品は高価である。これは特に、評価すべき各液体が非常に離間した設置位置と、セル、配線及び測定変換器から成る完全な測定経路とを必要とする場合に当てはまる。
【0020】
ここで提案する測定装置の特に有利な実施形態では、処理液の異なる特性を測定する目的で、2又は3以上のセンサが共に中空貯溜容器内に配置される。これによって特に有利なことに、測定すべき処理液の異なる特性に対する冗長なセンサを節減することができる。さらに、これによって特に有利なことに、液体の関連する特性を同じ位置で一緒に測定することができる。
【0021】
ここで提案する測定装置の特に有利な実施形態では、導電率センサと温度センサの両方が共に中空貯溜容器内に配置される。多くの場合、液体の両方の特性を測定する必要があるので、この組み合わせは医療用液体の分野で特に有利である。
【0022】
ここで提案する測定装置の特に有利な実施形態では、中空貯溜容器は、上から下へテーパ付けされた形状、漏斗形状又は円筒形状を有する。上から下へテーパ付けされた形状及び漏斗形状は、低流量の場合でも下部領域でセンサを湿潤させるのに特に好適であり、一方、上部の大きな断面は、より大きな流量の場合に有利に作用する。円筒形状は、特に有利なことに生産での費用効率が良く、取扱いが容易である。
【0023】
本発明の特に有利な実施形態では、本発明による測定装置を測定システムに組み込むことを提案する。測定装置に加えて、測定システムは、少なくとも2つの異なる処理液をタンク内に供給するための少なくとも2つの導管と、タンク内への処理液の供給又は排出を制御するための少なくとも2つの手段と、コントローラとを有する。コントローラは、センサの測定値を取り込み、弁を制御するように構成される。供給又は排出を制御するための手段は、弁、スイッチ又はポンプなどの能動液圧アクチュエータと関連する。閉塞ポンプは、停止時には一方の導管を遮断し、運転時には一方の導管を開放する。これらのアクチュエータは、導管を開放し、又は導管を遮断し、その結果として、それぞれの導管内の流れを制御する。特定の液体を測定する必要がある場合、能動アクチュエータが特に有利に促進できることは、短い反応時間内での測定を目的として、この処理液を本装置のタンクに(ひいてはセンサに)供給することである。さらに、測定装置と測定システムのさらなる要素との組み合わせは、特に有利なことに自律的に使用することができる。もし既存の液体搬送生産システムが存在するが、本発明による測定装置の純粋な後付けが意図されておらず、また可能でもないならば、有利なことに、その代わりに本発明による測定システムは後付けすることができる。これによって有利なことに、更新されたソフトウェアを後の段階でコントローラに装備する必要がなくなる。さらに、これによって有利なことに、導管、処理液の流れを制御するための手段、及びコントローラは、本発明による測定装置又はその操作と調和することを保証される。
【0024】
ここで提案する測定システムの特に有利な実施形態では、少なくとも2つの導管は、いずれの場合にも、その端部にある出口開口部と中空貯溜容器との間に自由落下経路が形成されるように配置される。これには、測定システムが特に衛生的に設置されるという特別な利点が伴う。導管間に望まれない混合又は汚染が生じることもなく、望ましくない混合又は汚染につながるタンクから導管の1つへの逆流の可能性もない。
【0025】
ここで提案する測定システムの特に有利な実施形態は、どの処理液が測定装置のセンサと接触しているかを特定するために以下の手段のうちの1又は2以上を備える:
a.タンク内の充填レベルを決定するための少なくとも1つの手段であって、タンク内の3つ以上の異なる高さの充填レベルを識別できる手段、
b.又は、タンク内の下側及び上側の充填レベルを決定するように設定された少なくとも2つの充填レベル・リミットスイッチ、
c.又は、異なる処理液の流れを特定の時系列で制御するようにコントローラを設定して、時間プロファイルに基づいて現在の処理液を決定できるようにするもの、
d.又は、処理液特性の測定領域が、異なる処理液について重複しない場合、センサの測定値と、異なる処理液に関する既知の測定領域とに基づいて、処理液への測定値の割当てを実行するようにコントローラを設定するもの。
これによって特に有利なことに、測定値を異なる処理液に割り当てることができる。ひいては、これによって有利なことに、先ず第1に、予想される測定値(測定値の期待値)に基づいて妥当性チェックを実行すること、第2に、それぞれの液体に割り当てられた測定値を保存することが可能となる。
【0026】
本発明の特に有利な実施形態では、本発明による測定装置又は本発明による測定システムを、医療用液体を生産するための液体搬送生産システムに組み込むことを提案する。特に有利なことに、本発明は、液体搬送生産システムの組込み構成要素として機能することができ、冗長なセンサを省くことによって、並びに同じセンサが異なる処理液の少なくとも1つの特性を測定するので、比較を廃止状態にすることによって、コストを削減し、測定品質を向上させることができる。
【0027】
ここで提案する液体搬送生産システムの特に有利な実施形態は、水処理設備又は透析水を供給するための精製水調製設備として具体化される。この例では、測定装置は生産システムの貯蔵タンク内に配置される。このようなシステムの処理液が全て貯蔵タンク内を又は貯蔵タンクを通って流れる訳ではないとしても、ほとんどの処理液が貯蔵タンク内を又は貯蔵タンクを通って流れるので、特に有利なことに、冗長なセンサの数を減らすことができ、おそらくは、同時に複数の処理液特性という場合でも減らすことができる。さらに有利なことに、これにより、節減された冗長なセンサを互いに比較する必要がなくなり、さもなければ、特別な複雑さを伴ってこれらは接続されることになる。このような液体搬送生産システムのさらにまた特に有利な実施形態は、逆浸透設備として具体化される。これらのセンサは規格で要求されているため、上述の利点はここでも特定の範囲で当てはまる。しかしながら、不必要な冗長性を回避する具現化も許容され、このようなシステムの商業的成功に大きく寄与することができる。
【0028】
ここで提案する液体搬送生産システムの特に有利な実施形態は、透析液又は透析液濃縮物を供給するための混合設備として具体化される。ここでは、測定装置は生産システムの貯蔵タンク又は混合タンク内に配置される。このようなシステムの処理液が全て貯蔵タンク内を又は貯蔵タンクを通って流れる訳ではないとしても、ほとんどの処理液が貯蔵タンク内を又は貯蔵タンクを通って流れるので、特に有利なことに、冗長なセンサの数を減らすことができ、場合により、同時に複数の処理液特性についてさえも減らすことができる。さらに有利なことに、これにより、節減された冗長センサを互いに比較する必要がなくなり、さもなければ、特別な複雑さを伴ってこれらは接続することになる。
【0029】
ここで提案する方法の特に有利な実施形態では、別個に供給することは、少なくとも以下のステップで実行される:
a.タンク内の充填レベルを、中空貯溜容器より下になるまで下げるステップ、
b.中空貯溜容器内に測定すべき処理液を供給するための導管を開放するステップ。
これによって特に有利なことに、タンク内にまだ残っている液体が中空貯溜容器内のセンサで意図せずに測定されないことが保証される。さらに有利なことに、開放された導管によって供給された、まさにその液体が測定される。
【0030】
ここで提案する方法の特に有利な実施形態では、別個に供給することは、少なくとも以下のステップで実行される:
a.タンク内の充填レベルを、センサと同じ高さかそれを越える充填レベルまで上げるステップ。
その結果として、タンク内に存在する処理液(同様に処理液の混合物でもよい)を特に有利に測定することができる。さらに、タンク内の液体の混合比に動的変動がある場合、オンライン測定のおかげで、特に有利なことにこの変動を動的に把握することができる。
【0031】
ここで提案する方法の特に有利な実施形態では、少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性が同じセンサで測定され、その場合、交換可能な順序で連続的に、第1の処理液の少なくとも1つの特性が、本発明による装置のタンク内の充填レベルを下げるステップと、処理液供給用の導管を開放することによって供給するステップとを含む本発明による方法を用いて測定され、第2の処理液の少なくとも同じ特性が、タンク内の充填レベルを上げるステップと、それによってセンサへの供給を確立するステップとを含む方法を用いて測定される、或いは、第2の処理液は、処理液供給用の導管を開放することによる供給によって、同じセンサで測定するために再び供給されるが、今回は最初に測定された処理液の導管とは異なる導管を開放する。これによって特に有利なことに、同じセンサを用いて、少なくとも1つの特性に関して異なる処理液を連続的に測定することができる。連続的な測定によって、液体の測定された特性の比較が再び有利に行われる。有利なことに、2又は3以上の処理液を導管からセンサに供給することができ、及び/又はタンク充填レベルを介して1つの処理液をセンサに供給し、導管を介して別の処理液をセンサに供給することができる。従って、液体搬送生産システムを生み出すための多くの処理液及び処理ステップを扱うことができる。
【0032】
ここで提案する方法の特に有利な実施形態では、タンク内の充填レベルを下げるステップに続いて、タンク内に残る処理液を逆浸透膜に導き、逆浸透膜を通り抜けた液体又は通り抜けなかった処理液のいずれかをセンサに供給することによって、別個に供給することが実行される。逆浸透膜設備の場合、これによって特に有利なことに、膜を通り抜けた生成された精製水の特性、又は精製中に膜の前方に残る水の特性の測定が可能となる。
【0033】
ここで提案する方法の特に有利な実施形態では、上記でさらに説明したように、少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性が同じセンサを用いて測定され、追加的に第2センサを用いた測定及び比較が行われる。ここで、本方法はさらに、少なくとも以下のステップを備える:
a.測定すべき処理液を第2センサに別個に供給するステップ、
b.第2センサと接触する処理液の同じ特性を所定の最小測定時間に達するまで測定するステップ、
c.所定の最小測定時間に達した後、処理液の特性の測定値を保存するステップ、
d.2つのセンサの測定値を比較するステップ。
これによって特に有利なことに、多面的に使用されるセンサを、別のセンサと比較することによってさらに点検することができる。さらに有利なことに、医療用液体用の液体搬送生産システムの場合、タンクからの測定値を、下流に位置する別のセンサでさらに確認することが容易になる。これにより、生成された医療用液体がその下流側でも要求品質を有することが保証される。
【0034】
本発明の特に有利な実施形態では、測定システム又は液体搬送生産システムは、本発明による方法を実行するように構成されたコントローラを有する。これによって有利なことに、本発明による装置には、この方法に従って、測定すべき処理液が別個に供給されることが保証される。
【0035】
中空貯溜容器は、側壁内又は側壁上ではなく、本発明による測定装置のタンクの蓋に配置することもできる。
【0036】
本発明の全ての実施形態において、処理液の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサは、処理液が中空貯溜容器内に溜まった時に処理液と接触するように中空貯溜容器内に配置される。好ましくは、センサは上部開口部又は上部開口部より下に配置される。センサが測定すべき処理液と接触するように、又は低流量の場合でもセンサが完全に処理液で湿潤されることができるように、センサは、中空貯溜容器の下部領域内に又は中空貯溜容器の下部領域に隣接して配置されることがさらに好ましい。
【0037】
中空貯溜容器の上部開口部の断面積の和が下部開口部の断面積の和の少なくとも10倍の大きさである結果として、処理液は、下部開口部の全てを通る流れに比べて10倍の流量で上部開口部の全てを流れることができる。これは、中空貯溜容器の開口部が全て巨視的な広がりを有すること、すなわち毛細管効果又は表面張力が流量又は流動抵抗に大きな影響を与えるほどには、厳密に小さくないことを前提としている。従って、これはナノメートル尺度の開口部を意味するものではない。さらに、ここでは、処理液の粘度が液体の水の粘度よりも1桁小さいから1桁大きいまでの範囲であると仮定している。これは、約0.25mPa・sから約25mPa・sの範囲の粘度、すなわち純粋なグリセリンなどの高粘度液体ではないことを意味する。このような液体の開口部を通過できる流量は、開口部の大きさによって明白に決定される。異なる温度及び純度を備えた水に加えて、等張食塩水、医療用リンス液などの医療用液体の生産時に生じるような塩類及び/又は他の電解質の水溶液、並びに、特に処理液としての透析液及び透析濃縮液もまた、好ましいことに処理液として対象となる。透析濃縮液とは、精製水又は透析水と混合することにより、治療場所で透析液を生成することのできる医療用液体を意味する。
【0038】
中空貯溜容器の下部領域に配置され、タンク内部と流体連通する測定装置の少なくとも1つの下部開口部は、中空貯溜容器の排出口と見なすことができる。なぜなら、タンクの充填レベルが中空貯溜容器内の充填レベルよりも低い場合、処理液は、測定装置の中空貯溜容器の内部から少なくとも1つの下部開口部を通ってタンクの内部に流入することができるからである。この場合、中空貯溜容器内に溜まった処理液はタンク内に流れ出ることができる。また、複数の下部開口部を設けることもできる。中空貯溜容器が複数の下部開口部を備える場合にも、同じことが当てはまる。この場合、全ての下部開口部が同じ高さにある必要はない。全ての下部開口部は中空貯溜容器の下部領域に設置される。
【0039】
中空貯溜容器の上部領域に配置され、タンク内部と流体連通する、測定装置の少なくとも1つの上部開口部は、オーバフロー開口部と見なすことができる。なぜなら、中空貯溜容器内のレベル/充填レベルが1又は2以上の上部開口部まで達した場合、処理液は、貯溜容器の内部から少なくとも1つの上部開口部を通ってタンクの内部に流入することができるからである。その場合、処理液はさらに、中空貯溜容器から上部開口部を通ってタンク内に溢れ出ることができる。これは、上部開口部がタンク内部と流体連通しているためである。少なくとも1つの下部開口部を通って流れ出るよりも多くの処理液が中空貯溜容器に流入した場合、中空貯溜容器内のレベル/充填レベルは上昇することができる。そして、液体の流入する流れは、中空貯溜容器内のレベル/充填レベルの上昇をもたらす。しかしながら、このレベル/充填レベルは、下部開口部を通って流れ出ることのできる量よりも多くの処理液が流入する場合ではないとしても、なお上部開口部を通って処理液が流出するのに十分な高さとすることができる。また、複数の上部開口部を設けることもできる。中空貯溜容器が複数の上部開口部を備える場合にも、同じことが当てはまる。この場合、全ての上部開口部が同じ高さにある必要はない。全ての上部開口部は中空貯溜容器の上部領域に設置される。
【0040】
この場合、オンライン測定とは、液体が流れ過ぎる時に、すなわちサンプルを採取することなく液体が測定されることを意味する。
【0041】
この技術的開示の文脈では、重力の存在下での液体の取扱いと関連があるため、上と下は一義的である。従って、空のタンク又は貯溜容器の場合、液体は、充填手順中に最初は底部に集まり、その後、堰き止められる又は充填される時に上昇し続けるので、液体の表面が上昇する、すなわち、さらに上方向に到達することは明らかである。好ましくは、上及び下は、設置位置における測定装置の向きを指す。例えば、タンクの流出口は、設置位置において底部に位置する。
【0042】
上部開口部及び下部開口部は、どのような形状でもよい。この場合、開口部が、例えば円形のドリル孔(その周囲に円形の縁が形成される)の事例で、開口部を画定する個々に設定可能な縁を備えるかどうか、或いは、例えばスロット(例えば一端で、より大きな開口部に直接結合する)の事例で、開口部が縁なしで部分的に画定されるかどうかには関係がない。機能するために、開口部は、液体がそこを通過できるのに十分な大きさであること、すなわち、これらの開口部は、毛管力又は分子サイズのために液体がそこを通過できないほど小さくないことが必要である。機能するために、さらに重要なことは、開口部によって中空貯溜容器からタンク内への流路が可能となること、すなわち、これらの開口部が単なる壁の窪みではなく、貫通孔であることである。
【0043】
本開示の文脈において、液体の導電率を測定するためのセンサ及び測定装置は、電極を収容する測定セルと、駆動及び評価用の電子機器とを備えることができる。ここで、上記の全ての構成要素を又は駆動及び評価用の電子機器だけを、いわゆる測定変換器に組み込むことができる。随意的に、導電率測定セルは、例えば、抵抗温度計又は半導体温度センサなどの温度センサをさらに備えることができる。評価用電子回路は、電極のすぐ近くで、生の測定信号を処理済み測定信号に処理し、これをコントローラ又は別の評価ユニットに送ることができる。
【0044】
好ましくは、ここに提示した測定装置又は測定システムは、第3の別個の処理液を測定できるように設定され、第3の処理液は導管からセンサに直接供給されるのではなく、タンク内の充填レベルを介してセンサに到達する。タンク内の充填レベルが十分に高い場合、タンク内の処理液は中空貯溜容器の孔を通ってセンサまで浸入する。タンク内の処理液は、例えば、導管などを介して供給可能な他の処理液の混合物とすることができる。この変形形態では、タンクが貯溜可能であることが必要である。全ての実施形態は、タンクの内部が中空貯溜容器の内部と流体連通することを必要とする。
【0045】
好ましくは、タンク及び中空貯溜容器の幾何形状により、タンク内の様々な処理液を混合することができる。一例として、処理液の特性を目下測定していない場合、又は処理液の混合物の特性が測定される場合、混合が望ましい可能性がある。
【0046】
透析水は、透析液(透析物とも呼ばれる)の調製に適した精製水である。透析とは、腎代替治療である。これは、血液透析と腹膜透析の両方を指す。透析水は、水道水を様々な濾過段階に通すことで生成されることが多い。その過程で汚染物質と水の硬度とが取り除かれる。ここで、逆浸透法は1つの濾過段階で使用されることが多い。従って、例えば1つの処理液は、好ましくはいわゆる軟水とすることができ、これは、既に様々な濾過段階、例えば粗濾過器又は活性炭濾過器を通過し、軟水器でその水の硬度が低下している。次に、この軟水を押し付けて逆浸透膜を透過させ、精製水を提供することが多い。この場合、精製された水を逆浸透水と呼ぶこともある。逆浸透はROと略される。それゆえ、逆浸透水をRO水と呼ぶことが多い。また、逆浸透水又はRO水は、本発明の文脈では処理液とすることができる。
【0047】
本開示の文脈において、液体搬送生産システムの例は、例えば、透析用の精製水(透析水とも呼ぶ)の生産に適合した小型の逆浸透設備である。このような設備は、非常にコンパクトな寸法に形づくることができるので、持ち運ぶことができ、ローラを備え、例えばスーツケースの大きさである。このような設備は、血液透析又は腹膜透析用の単一治療デバイスに供給できるように設計することができる。しかしながら、これらの設備は、もう少し強力で、そのような治療機械の最大で4台又は5台に供給できるように設計される場合もある。一例として、このような生産システムは、以下の処理液の特性を測定するためにセンサを備えることができる。すなわち、取入れ水(生産システムに供給され、場合によっては既に粗濾過段階を通過している)又は軟水(水の硬度を下げる段階を通過している場合)、供給精製水、消費機器を伴うリング導管からの未使用精製水戻り(精製水戻りでもある、逆浸透の文脈での精製水は、押し付けて逆浸透膜を透過させたので、透過水とも呼ぶ)、並びにいわゆる給水又は混合水、これは、例えば投入水と精製水戻りとの混合物でもよく、逆浸透膜に供給するために使用されるのでこのように呼ぶ、ものである。給水又は混合水は、例えば、軟水、逆浸透膜での精製中に保持される水(保持液とも呼ぶ)及び精製水など、2又は3以上の処理液の混合物と呼ぶこともあり、ここで提示する測定装置のタンク内に位置することができる。精製水の戻りは一般的であり、特定の構成では義務ですらある。この場合、生産され、接続した消費機器に利用されなかった精製水は戻される(例えばリング導管又は戻り導管を介して)。このような生産システムの場合、取入れ水又は軟水の流量は200-1500リットル/時、精製水戻りの流量は10-300リットル/時、並びに給水又は混合水の流量は600-1200リットル/時となる。この例では、予想される流量は毎時10-1500リットルの範囲である。流量の最大値は、最小値の150倍である。それでもなお、ここに開示する技術的解決策により、流量の全範囲に亘って複数の処理液の特性を測定することが可能となる。これは、上部開口部の断面積の和が下部開口部の断面積の和よりも150倍大きくなるように中空貯溜容器の実施形態を設計することによって促進される。
【0048】
本開示の文脈において、液体搬送生産システムの例は中央逆浸透設備であり、これは、例えば、病院又は透析センタ内の多数の透析機に供給するための透析用精製水(透析水とも呼ぶ)の生産に適合される。一例として、これにより、10台又は30台又は50台の血液透析治療機械に同時に供給することができる。一例として、このような液体搬送生産システムは、供給室内に定置式に設置され、数平方メートルに亘って広がる。
【0049】
一例として、このような生産システムは、以下の処理液の特性を測定するためにセンサを備えることができる、すなわち、取入れ水又は軟水(水の硬度を下げる段階を通過している場合)、供給精製水、消費機器を伴うリング導管からの未使用精製水の戻り(精製水戻りとも呼ぶ)、並びに給水又は混合水である。一例として、混合水とは、軟水、逆浸透膜での精製中に保持される水(保持液とも呼ぶ)及び精製水など、2又は3以上の処理液の混合物を指し、ここで提示する測定装置のタンク内に置くことができる。一例として、消費されなかった場合、消費機器を伴う分配導管を通過した後に精製水を戻すことができる。このような生産システムの場合、取入れ水又は軟水の流量は2000-8000リットル/時、精製水戻りの流量は100-400リットル/時、並びに給水又は混合水の流量は2500-20,000リットル/時となる。この例では、予想される流量は毎時100-20,000リットルの範囲である。流量の最大値は、最小値の200倍である。
【0050】
実際に極めて頻繁に起こると想定される典型的な事例では、液体搬送生産システムは通常、毎時4000リットルの精製水を生産する。水に関する効率を50%とすると、この生産には毎時8000リットルの軟水が必要である。混合水処理液の最大流量は、この例での最大流量である毎時12,000リットルになる可能性がある。対照的に、未消費精製水の戻りは、毎時400-800リットルに過ぎない。従って、最大流量は最小流量の30倍である。
【0051】
別の実例では、予備濾過による能力低下の結果として、軟水の流量は毎時6000リットルを超えず、同時に未消費精製水の戻りは毎時600リットルを下回ることはない。従って、最大流量は最小流量の10倍である。
【0052】
本発明の全ての実施形態は、2つの異なる処理液が、その上方で終端する導管を介して中空貯溜容器に供給され、第3の処理液が、タンク内の液体の充填レベルを上げることによって供給されるように設計することができる。
【0053】
それでもなお、ここに開示する技術的解決策により、流量の全範囲に亘って複数の処理液の特性を測定することが可能となる。これは、上部開口部の断面積の和が下部開口部の断面積の和よりも200倍大きくなるように中空貯溜容器の実施形態を設計することによって容易になる。
【0054】
測定装置又は測定システムの一変形形態では、測定すべき処理液の供給は、複数の導管が導管の端部開口部の上流で互いに通じるように設定される。その結果として、有利なことに、複数の処理液は同じ導管端部区画を通って中空貯溜容器に到達することができる。
【0055】
好ましい実施形態では、逆浸透法によって透析水を生産するための精製水設備は、測定装置を有する。この測定装置は、この液体搬送生産システムに関する2つ、3つ又は4つの異なる処理液の温度及び導電率特性を測定するように設定される。一例として、供給される液体は、生産システムに供給される給水、例えば精製水設備に戻される、生成されたが消費されなかった精製水(逆浸透設備の場合、透過水と呼ぶ)、並びに測定装置が配置されたタンク内の液体混合物である。
【0056】
測定すべき液体の制御された別個の供給が、本発明には不可欠である。また、いわゆる給水又は混合水も、それが複数の処理液の混合物であるとしても、本発明の文脈では別個の処理液と見なされることに留意されたい:センサを用いた測定時に、この処理液だけが、制御された方法でセンサと接触する。
【0057】
本発明による測定システム又は液体搬送生産システムは、データを保存する手段、例えばメモリカード又はハードディスクドライブを有することができる。
【0058】
本発明のさらなる利点、特徴及び効果は、本発明の好ましい実施形態に関する以下の説明から明らかとなり、ここでは、同じ又は類似の構成要素を同じの参照符号で表す図を参照する。
【0059】
以下、図面を参照して本装置及び方法を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明による例示的な実施形態の測定システムの第1実施形態においてタンク内に中空貯溜容器を有する、少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定するための本発明による測定装置を示す図である。
図2図1と同じ本発明による測定システムの一部としてタンクを備えた本発明による同じ測定装置であって、タンクの異なる充填レベルを3つの異なる部分図(図2a、図2b、図2c)に示す図である。
図3】タンク及び中空貯溜容器の異なる設計形状を備えた本発明による測定装置の3つの異なる実施形態であって、3つの実施形態の各々をそれぞれの場合に3つの異なる部分図で順番に示す図である。
図4】タンク及び中空貯溜容器の異なる設計形状を備えた本発明による測定装置の3つのさらに異なる実施形態であって、3つの実施形態の各々をそれぞれの場合に3つの異なる部分図で順番に示す図である。
図5図3a-1、図3a-2及び図3a-3 bにも示すように、中空貯溜容器の上部領域の上部開口部と下部領域の下部開口部とに対して例示的な設計を備えた、本発明による測定装置の実施形態の中空貯溜容器及びタンクの内部を見る詳細図である。
図6】本発明による例示的な実施形態の測定システムの第1実施形態においてタンク内に中空貯溜容器を有する、少なくとも2つの異なる流量で処理液の少なくとも1つの特性をオンライン測定するための測定装置を備えた、本発明による液体搬送生産システムを示す図である。
図7】例示的な実施形態で同じセンサを用いて少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための本発明による方法であって、タンク内の充填レベルが下げられ、測定すべき処理液が供給導管を介してセンサに供給される方法を示す図である。
図8】例示的な実施形態で同じセンサを用いて少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための本発明による方法であって、タンク内の充填レベルが下げられ、測定すべき処理液が循環によってセンサに供給される方法を示す図である。
図9】例示的な実施形態で同じセンサを用いて少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための本発明による方法であって、タンク内の充填レベルが上げられ、測定すべき処理液がセンサに供給される方法を示す図である。
図10】例示的な実施形態で同じセンサを用いて少なくとも2つの異なる処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための本発明による方法であって、同じ液体の同じ特性の測定が第2センサを用いて付加的に実行される方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図面では、同じ又は類似の要素を同じ参照符号で参照することができる。
図1は、測定システム300に関連して本発明による測定装置100の例示的な実施形態を示す。例示的な中空貯溜容器7は、下部領域25で円筒側壁に対応し、上部領域35では非対称の漏斗に対応する形状を有する。例示的な中空貯溜容器7はタンク4内に配置され、例えば、下部領域25に下部開口部20を有し、上部領域35に例えば3~8個の上部開口部30を有する。処理液の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサ6は、中空貯溜容器7に溜まる液体と接触する、すなわち測定接触することができるように配置される。図示する測定装置100の例示的な実施形態では、中空貯溜容器7はタンク4の内部の側壁に配置されている。この実施形態では、中空貯溜容器7の最高点がタンク4の上縁よりも低いので、処理液は中空貯溜容器7の漏斗状上部35の縁を越えてタンク4に流入することもできる。
【0062】
図1では、電気接続を点線で示し、液圧導管を実線で示している。これは図2及び6にも当てはまる。
【0063】
測定装置100は、例示的な測定システム300の一部として図1に示してある。この測定システムはコントローラ8を有し、このコントローラは、例示的な方法で、この事例ではセンサ6に接続されるだけでなく、上側充填レベル・リミットスイッチ4.1及び下側充填レベル・リミットスイッチ4.2、並びに複数の逆止弁、例えばタンク4の出口継手の導管5にある弁5.1にも接続される。3つの処理液に対する3つの導管1、1.1、1.2、1.3は、それらの端部開口部が中空貯溜容器7の上方に位置するように配置される。この事例では、導管はタンク4内に到達し、自由落下経路が形成されるように中空貯溜容器7からの距離は短い。
【0064】
図2は、図1の測定システム300に関連して本発明による測定装置100の例示的な実施形態を示しており、より良く説明するために図面の1ページにタンク4の3つの異なる充填レベルを含んでいる。従って、図2aは空のタンク4を示し、結果として、小さい図ではあるが図1と同じものを示している。図2bは、典型的な下側充填レベル・リミットスイッチ4.2までしか到達していない充填レベルを示す。この場合、測定装置100の中空貯溜容器7はタンク4内の液体中に沈んでいない。タンク4内の充填レベルは中空貯溜容器7より下にある。しかしながら、例えば、リードセンサを用いて多数の離散的充填レベルを測定する手段、或いは連続充填レベル測定など、充填レベルを捕捉するための他の手段も、置き替えできる様式で随意的に設けることができる。図2cは、タンク4の上縁と上側充填レベル・リミットスイッチ4.1にほぼ到達する高い充填レベルを示している。この場合、測定装置100の中空貯溜容器7は、タンク内の充填レベルより下にある、すなわち処理液中に完全に沈んでいる。
【0065】
図3a、3b、3c、4a、4b及び4cは、異なる幾何学的設計で本明細書に開示する測定システムの例示的な実施形態を示す。図示する6つの例示的な実施形態は全て、中空貯溜容器7の下部領域25に少なくとも1つの下部開口部20を有する。例として、下部開口部20は、円形のドリル孔又はスロットとして具体化することができる。随意的に、下部開口部20は、中空貯溜容器7の下部領域25にある壁区画72に形成される。好ましくは、下部開口部20は、中空貯溜容器7の内部の底部又は最下点まで延びるスロットとして具体化される。これにより、特に有利なことに、先ず第1に、中空貯溜容器7が最低充填レベルの場合でも処理液は下部開口部20を通って中空貯溜容器7から現れ出ることができる。第2に、中空貯溜容器7からの処理液のこの出現により、処理液が中空貯溜容器7に入った場合、その中に含まれる液体は常に流動移動することが保証される。この連続的な流動移動は、有利なことに中空貯溜容器7内で液体の強制混合をもたらす。ひいては、これにより、センサ6は測定を行う際に中空貯溜容器7内に存在する処理液の混合物を常に測定するようになる、すなわち、例えば中空貯溜容器7内で処理液の混合不良の構成部分だけを測定しないようになる。有利なことに、これによって、中空貯溜容器7内で異なる液体が分離して層を成すことが回避される。このような層形成は、センサ6の測定値を歪めて、中空貯溜容器7内に存在する液体の一構成部分だけの特性が影響する可能性があるため、不都合となろう。下部開口部の例示的な構成が、図5にさらに詳細に示してある。スリット又はスロットとしての下部開口部20の実施形態は、この場合、1つの設計オプションに過ぎない。この段落で与える説明は、少なくとも1つの下部開口部20が中空貯溜容器7の内部の最下点まで延びていれば、異なる形状の下部開口部20にも当てはまる。
【0066】
ここで、図3a-1、3a-2及び3a-3は、同じ実施形態を異なる図に示す。図3a-1は、例示的な測定装置100を片側からの断面図に示し、測定装置100の内部構造が明らかになっている。図3a-2は、同じ例示的な測定装置100を側面図に示す。図3a-3は、同じ例示的な測定装置を平面図に示す。同様に、図3b、3c、4a、4b及び4cはそれぞれ、本明細書に開示する測定装置100の異なる例示的な実施形態を、これら3つの異なる図(断面図:-1、側面図:-2、平面図:-3)で示している。
【0067】
図3cは、測定装置100及び測定システム300に関する例示的な実施形態を示しており、中空貯溜容器7はタンク4の壁の一部として設計されるが、別個の部品として製造される。中空貯溜容器7を別部品として製造することにより、測定システム300の生産は有利に簡略化され、対費用効果が高くなる。従って、例えば、中空貯溜容器7には最初にセンサ6を備え付け、その後でタンク4と併せて液密に組み立てることができる。
【0068】
2つの充填レベル・リミットスイッチ4.1、4.2の代わりに、図3a及び4bは、多数の離散的充填レベルを捕捉するためのリードセンサを有する細長い、垂直に配置された回路基板を備えた構成を示している。
【0069】
図4aは、測定装置100の例示的な実施形態を示しており、ここでは、中空貯溜容器7は下方に伸ばされており、その下部領域25及び下部開口部20より下の区画でタンク4と平行に延びるようになっている。結果として、タンク4の出口継手が中空貯溜容器7の一区画に接続され、タンク流出は中空貯溜容器7を介して実行される。一例として、この実施形態が液体搬送生産システム1000に関連して配置され、吸引ポンプ10が、タンク4に接続されずに中空貯溜容器の下部継手に接続される場合には、吸引ポンプ10が部分的に中空貯溜容器7を通して吸引するため、ポンプの動作中は中空貯溜容器7内で処理液の混合が特に有利に大きくなる。
【0070】
図4a及び4bは、図3cに示し上述した例示的な実施形態の場合と同様に、製造中に同じ利点を備えた例示的な実施形態を示す。
【0071】
図4cは、タンク4が実質的に円筒形の設計を有し、中空貯溜容器がタンク4の内部に完全に位置するようにタンク4の側壁に配置される例示的な実施形態を示す。中空貯溜容器は漏斗状の断面を有する。
【0072】
図5は、図3a-1、3a-2及び3a-3で3つの異なる図から既に示した測定装置100と同一の例示的な測定装置100の内部を、上から見た斜視図に示している。測定装置100の多くの実施形態の一例として、図5は、中空貯溜容器7、タンク4、下部開口部20及び上部開口部30の可能な設計を示す。図示の実施形態では、中空貯溜容器7はタンク4の側壁内に形づくられている。中空貯溜容器7は、実質的に漏斗状の断面を有し、上から下へテーパ付けされている。中空貯溜容器7の下部領域25の側壁には、測定装置100のセンサ6を受け入れるための開口部63が形成されている。(本明細書ではより良く説明するためにセンサ6を図示していない。同様に、考えられるカバー及び供給導管1も、より良く概観するために図示していない)。下部開口部20は、中空貯溜容器7の下部領域25に垂直方向に広がるスリット又はスロットとして形成される。下部開口部20は上部開口部30に継ぎ目なく合体する。上部開口部30の断面は、下部開口部20の断面の10倍を超える大きさである。この例示的な実施形態では、上部開口部30は、実質的に漏斗状設計を備えた中空貯溜容器7と円筒形状のタンク4との接続部分に実質的に対応しており、その結果として、上部開口部30は円筒に従って底部から頂部に広がる。この例示的実施形態では、下部開口部20が中空貯溜容器7の下部領域25にある壁区画72に配置されていることは明らかである。この例示的な実施形態において、壁区画72は、比較的低い流量の場合であっても、中空貯溜容器7の下部領域25で液体の堰止めを容易にする。壁区画72はダム壁とも呼ぶこともできる。この実施形態では、下部領域25は実質的にトラフ状の形態を有し、2つの平行で垂直な側壁が長手方向にトラフを形成し、結果として測定装置の下部領域を画定する。短辺について、下部領域25は、先ず第1に、ここではスリットとして形成された下部開口部20が位置する壁区画72によって区切られている。もう一方の短辺は、円筒側壁の半分に相当する形状によって区切られている。上部領域35は、壁区画72又は下部開口部25の上縁の直上から始まる。ここで、上部開口部30は、壁区画72の平面内にあるが、壁区画72より上にあると考えることができる。処理液が下部領域25を満たし、下部開口部20を通って出て行ける量よりも多くの液体が中空貯溜容器7に流入し続けた場合、充填レベルは上昇し続け、下部開口部20及び壁区画72の上縁を超えることになる。その場合、処理液は上部開口部30を通って測定装置100のタンク4に流入する。この実施形態は、幾何学的設計に関する例示的な選択肢を表している。しかしながら、中空貯溜容器7の他の設計も可能であり、これらは、図示のような壁区画72を必要とするのではなく、例えば、開口部(例えば、ドリル開口部)だけを、1又は2以上の下部開口部20として並びに1又は2以上の上部開口部30として使用して、同じ原理に従って動作する。ここで本質的なことは、中空貯溜容器7の上部領域35に配置される全ての上部開口部30の断面積の和が、中空貯溜容器7の下部領域25に配置される下部開口部20よりも遥かに大きな断面積(例えば10倍又は100倍の断面積)を有することである。下部領域25が上部領域35より下に位置し、測定装置100の全ての実施形態でセンサ6が下部領域に配置されるので、これにより、処理液が流れる広範囲の流量に亘って処理液の特性をセンサで測定することができる。
【0073】
図6は、測定装置100を備えた測定システム300を有する液体搬送生産システム1000の例示的な実施形態を示す。この例では、液体搬送生産システム1000は、逆浸透によって透析用の精製水を生産するように設定されており、ポンプ10が逆浸透膜12を通して水を押し付け、結果として特定の構成成分が水から濾過される。公知の生産システムに対して、本発明による測定装置を使用することにより、センサ6、16.1の数が2つに減少した。逆浸透膜12の上流側で全処理液を測定するために、中空貯溜容器7及びセンサ6を備えた測定装置100がタンク4内に設置され、逆浸透膜12の下流側で分配経路上の生成された精製水を測定するために、第2センサ16.1が設置される。ここで、測定装置100は、上側充填レベル・リミットスイッチ4.1より下で下側充填レベル・リミットスイッチ4.2より下のレベルになるようにタンク4内に配置される。この配置によって、タンク4の充填レベルが測定装置100より下にあって、第1又は第2の導管1、2(或いは両方の導管)から流出する液体だけがそこを流れるようになっているか、或いは測定装置100より上にあって、タンク4内の液体の混合物で満たされるようになっているのかを検出することが可能になる。この例では、軟水は第1導管1を通して、逆浸透膜12から戻りの精製水は第2導管2を通して、いずれの場合も中空貯溜容器7を備えた測定装置100のタンク4内に供給される。中空貯溜容器7は、少なくとも1つの下部開口部20と少なくとも1つの上部開口部30とを有し、上部開口部30の断面積の和は、下部開口部20の断面積の和の少なくとも10倍であり、作業中の様々な処理液について可能な流量の範囲に適合される。処理液の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサ6が、測定装置100に配置される。測定装置100は、コントローラ8を備える測定システム300の一部である。コントローラ8は、センサ6からの測定信号を受け取り、第1導管1上の弁と、第3導管3から分岐する排水導管15上の弁14と、タンク4の排水口5にある導管上のオプション弁5.1とを制御することによって、測定装置100の中空貯溜容器7及び/又はタンク4内への様々な処理液の流入を制御するように構成される。随意的に、コントローラ8は、タンク4の排水口5の導管上に配置されたポンプ10も制御する。逆浸透膜12の精製水側の下流にある分配経路はリング導管16.2を備え、このリング導管に消費機器16.8、例えば透析機を接続することができる。未消費の精製水又は透析水(そうでなければ透過水)は、流入時に測定装置100の中空貯溜容器7に流入することができるように、レデューサ16.3及び第2導管2を経由して、分配システムの末端でタンク4に再び到達する。第3導管3は、いわゆる濃縮液又は他の保持液、すなわち逆浸透膜12に保持された水を案内し、第1レデューサ3.2及び第2レデューサ3.1を介してタンク4に戻す。従って、この例示的な実施形態は、逆浸透膜12に継手13を有し、この継手を介して、逆浸透膜12に到達したが逆浸透膜12を通り抜けなかった処理液が圧送される。この処理液は、逆浸透膜を流れたにも拘わらず膜に保持されたため、保持液(retentate)と呼ばれる。それゆえ、この継手は保持液継手とも呼ばれる。この継手13から、第1レデューサ3.2及び第2レデューサ3.1を備えた第3導管3がタンクに戻り、第3導管から分岐して排水導管15が存在し、この排水導管は、弁14及び第3レデューサ15.1を介して下水システムへの排水口15.7に通じる。第3導管3は、膜を通り抜けなかった液体、すなわち保持液を案内してタンク4に戻す。図6に示す例示的な実施形態では、第3導管3は、保持液をタンク4に戻すための特定の導管であり、保持液が測定装置100に直接到達するのではなく、タンク4内の貯溜手順を介して、個別的に又はタンク4内に存在する他の処理液と混合されて、間接的にだけ測定装置100に到達するように配置される。この配置は随意的である。代わりに、第3導管3は、保持液が測定装置100の中空貯溜容器7に直接到達できるように配置することもでき、この場合、例えば、第3導管3の端部との間に自由落下経路を設けることができる。この実施形態では、第1導管1と第2導管2に関してそれらの末端の流出口と測定装置100の中空貯溜容器7との間に、並びに第3導管3とタンク4との間に自由落下経路が示してある。コントローラ8は、測定データに対する電子データ取込み及びデータ処理のために、並び生産システム1000を制御するために、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素を用いてセットアップすることができる。
【0074】
図7は、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための、本発明による方法500に関する例示的な方法手順を示す。実際には、例えば液体搬送生産システム1000の異なる処理液は、ほとんどの場合、異なる流量を有することになる。しかしながら、作業状況において、2つの液体がほぼ同一の流量、小数点以下まで同一の流量、又は測定精度の範囲内で同一の流量を有する場合にも、本方法は適用可能である。本方法は、本発明による測定装置100、測定システム300、又は液体搬送生産システム1000を用いて実施することができ、少なくとも以下のステップを含む:
a.中空貯溜容器7内のセンサ6に、測定すべき処理液を別々に供給するステップ531、532、
b.センサ6と接触している処理液の特性を、所定の最小測定時間に達する(545)まで測定するステップ540、
c.所定の最小測定時間に達した後、処理液の特性の測定値を保存するステップ555。
【0075】
以下では、図1、2及び6に示すような充填レベル・リミットスイッチ4.2及び4.1を備えた測定システム300を用いて実施することのできる方法を例示的に説明する。しかしながら、本方法は、別の装置に組み込まれた本発明による測定装置100を用いても可能である。
【0076】
この例示的な実施形態では、タンク4内の充填レベルは、測定すべき液体をセンサ6に別個に供給できる(531)ようにするため、充填レベルが中空貯溜容器より下に位置するまで、複数のステップ511、520、525、528で最初に下げられる(510)。測定すべき液体の制御された別個の供給が、本発明には不可欠である。しかしながら、充填レベルを下げるステップ510は、複数の選択肢の1つに過ぎない。また、いわゆる給水又は混合水も、それが複数の処理液の混合物であるとしても、本発明の文脈では別個の処理液と見なされることに留意されたい。このため、方法500の開始501に続く最初のステップ511で、供給部1.1が遮断される。次に、タンク4から液体を除去するステップ520によって、タンク4内の充填レベルが下げられる。どのようにしてタンク4から液体が除去される(520)かは、方法500とは無関係である。一例として、図1の測定システム100などの装置100の場合、タンク4から液体を除去するステップ520は、いわゆるタンク流出口5を通してタンク4の底から液体が流出し、流出弁5.1が開いていることを意味する。一例として、図6に示すような液体搬送生産システム1000の場合における除去(520)は、流出弁5.1から排水口15.7への(例えば下水システムへの)排水導管15によって実行することができる。タンクから液体を除去するステップ520は、下側充填レベル・リミットスイッチ4.2の充填レベルに達する(528)まで続けられる。そうなるとすぐに、ポンプ10は停止状態となり(528)、次のステップ531で供給部1.1が開放される。ここで、センサ6を用いて液体の特性を測定するステップ540が開始される。一例として、ここでは温度と導電率が測定される。測定540は、最小捕捉時間に達する(545)まで続けられる。その後、測定データが保存される(555)。こうなるとすぐに、供給部1.1は遮断され(511)、測定方法500は完了する(599)。
【0077】
図8は、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための、本発明による方法500に関する例示的な方法手順を示す。図7に示す例示的な実施形態と同様に、タンク4内の充填レベルは、測定すべき液体をセンサ6に別個に供給できる(531)ようにするため、充填レベルが中空貯溜容器より下に位置するまで、複数のステップ511、520、525、528で最初に下げられる(510)。図7の例示的な実施形態とは対照的に、測定すべき処理液は、ここでは処理液を循環させることによってセンサ6に供給される(532)。例示の目的で、ここでは、図6に示す液体搬送生産システム1000でのような測定装置100を備えた測定システム300を用いて、例示的に行うように方法ステップを説明する。しかしながら、方法500は、これらの装置100、300、1000を用いた実施に限定されるものではなく、他の装置を用いて行うこともできる。図6に示す例示的な液体搬送生産システム1000は、逆浸透設備(ここに開示する測定装置100とここに開示する測定システム300とを有する)がどのように動作するかについての実施形態を示しているので、図8に関する説明での一部の用語は、逆浸透設備に特有のものである。ここに開示する方法500を異なる液体搬送生産システム1000、例えば透析濃縮液を生産するための混合設備で行う場合、装置構成部品に関する用語は、部分的に適宜、適合させる必要がある。
【0078】
最初に、タンク4内の充填レベルは、充填レベルが中空貯溜容器より下になるまで、複数のステップ511、520、525、528で下げられる(510)。このため、方法500の開始501に続く最初のステップ511で、第1導管1内の弁1.1が遮断されるので、処理液はこの導管1を通ってタンク4に流入することはない。次に、タンク4内の充填レベルが測定装置100よりも低いことが第3ステップ525で確認されるまで、第2ステップ520でタンク4から液体が除去される。これにより、その後の方法500の過程で、測定されるタンク4内に存在する可能性のある液体が堰き止められていないことが保証される。高充填レベルに対する例が、測定装置100を備えた測定システム300の図2cに示してある。図6の例示的な実施形態では、タンク4の排水口5の弁5.1が開かれ、その下流に配置されたポンプ10が、方法ステップ520による除去ステップで充填レベルを下げる(510)目的でオンにされ、その結果として、タンク4内に存在する可能性のある処理液が逆浸透膜12の上流側に到達する。しかしながら、装置の厳密な設計は、本方法とは無関係である。それゆえ、図6の例示的な装置1000の場合に、液体が排水導管15を介して排水口15.7に到達するように、さらにどのような動作を行うか、或いは液体が排水口15.7に到達するように、どのようにレデューサ3.2、3.1を設計する必要があるかに関して、ここではこれ以上掘り下げた議論はしない。この例示的な実施形態及び図6の例示的な実施形態では、逆浸透膜12に継手13が存在し、これを介して、逆浸透膜12に到達したが逆浸透膜12を通り抜けなかった処理液が圧送される。この処理液は、逆浸透膜12を流れたにも拘わらず膜12に保持されたため、保持液と呼ばれる。それゆえ、この継手13は保持液継手13とも呼ばれる。この継手13から、第1レデューサ3.2及び第2レデューサ3.1を備えた第3導管3がタンク4に戻り、第3導管から分岐して排水導管15が存在し、この排水導管は、弁14及び第3レデューサ15.1を介して下水システムへの排水口15.7に通じる。第3導管3は、膜を通り抜けなかった液体、すなわち保持液を案内してタンク4に戻す。
【0079】
下水システム内への排水口15.7までの分岐導管15の途中にある弁14が開かれるので、ポンプ10によって搬送され、逆浸透膜12を通り抜けなかった液体は、排水口15.7への分岐導管15を介して下水システムに到達する。さらに、下水システム内への排水口15.7までの分岐導管15について任意のさらなるレデューサ15.1が、導管に沿って示してある。この構成とポンプ10の作動の結果として、タンク4の充填レベルは、それまで下側充填レベル・リミットスイッチ4.2を越えていたとすれば低下し、充填レベルが下側充填レベル・リミットスイッチ4.2より下に低下すると、下側充填レベル・リミットスイッチ4.2が認識することになる。図2bは、例示的な一実施形態についてのこの状態を示す。ポンプ10は、下側充填レベル・リミットスイッチ4.2がそれより下に位置する充填レベルを認識するまで作動する。そうなるとすぐに、第3導管3から分岐する下水システムへの排水口15.7までの導管15にある弁14が閉じられ、ポンプ10は作動を継続する。その結果として、ポンプ10は第2導管2内の処理液を循環させ、この処理液は逆浸透膜を通り抜け、膜12の下流側の分配導管16,16.2に至り、次に、タンク4に戻る間は最終的に第2導管2となる。この循環の結果として、測定すべき処理液、すなわち、この場合は膜12を通り抜けた精製水が、センサ6に別個に供給される。同時に、ポンプ10は第3導管3内の処理液を循環させ、これにより、逆浸透膜を通り抜けなかった処理液が逆浸透膜の上流側13に排出される。
【0080】
図9は、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための、本発明による方法500に関する例示的な方法手順を示す。図7及び8に示す方法500とは対照的に、この例示的な実施形態では、タンク4内の充填レベルは、充填レベルが少なくともセンサ6を越える又は中空貯溜容器を越えるまで、複数のステップ560、515、527で上げられ(519)、結果として、測定すべき液体がセンサ6に別個に供給される(532)。
【0081】
本方法は、本発明による測定装置100、測定システム300又は液体搬送生産システム1000を用いて実施することができ、
- 逆浸透膜の生産運転を起動する(560)、すなわち、逆浸透膜12を通して水を搬送する動作を実行するステップ、
-軟水1.1用の供給導管を開く(15)、
-充填レベル上限に達する(527)まで、すなわち、例えば上側充填レベル・リミットスイッチ4.1がトリガされるまで、この手順を継続するステップ、
を少なくとも含む。結果として、タンク4に溜まった液体がセンサ6に供給されることになる。随意的に、これに続いてさらなるステップ(529)が行われ、このステップでは、タンク4内の充填レベルが実質的に変わらないように、すなわち上側充填レベル・リミットスイッチ4.1をトリガし続けるように、本装置が制御される。これは、測定540が所定の最小測定時間に達する(545)まで継続することができる。その後、測定値が保存され(555)、逆浸透膜の生産運転、すなわち搬送動作を終えることができる(565)。
【0082】
図10は、処理液の少なくとも1つの特性を別個に測定するための、並びに第2センサ16.1と比較するための、本発明による方法500に関する例示的な方法手順を示す。
【0083】
ここで、中空貯溜容器7内のセンサ6に測定すべき処理液を別個に供給するステップ531、532と、センサ6と接触する処理液の特性540を所定の最小測定時間に達する(545)まで測定するステップ540と、所定の最小測定時間に達した後で処理液の特性の測定値を保存するステップ555とに加えて、本発明による方法のこの実施形態は、
a.測定すべき処理液を第2センサ16.1に別個に供給するステップ、
b.第2センサ16.1と接触する処理液の同じ特性を所定の最小測定時間に達する(547)まで測定するステップ542、
c.所定の最小測定時間に達した後で、処理液の特性の測定値を保存するステップ557、
d.2つのセンサ6、16.1の測定値を比較するステップ558、
を少なくとも含む。随意的に、これに続いて比較(558)の結果を評価することができる。随意的に、比較(558)の結果を保存する(559)。方法500のこの実施形態、を図7、8及び9に示すような方法500と組み合わせることができる。
【0084】
図6の液体搬送生産システムを参照して例示的に説明した本方法の一実施形態では、逆浸透設備の生産運転を起動し、結果として逆浸透膜12に処理液を供給することによって、処理液を第2センサ16.1に供給することができる(560)。逆浸透膜12を通り抜けた液体は、逆浸透膜12の下流の第2センサ16.1に供給される。次に、第2センサ16.1と接触する処理液の特性が、所定の最小測定時間に達する(547)まで測定される(542)。所定の最小測定時間に達した(547)後、測定値が保存される(557)。次に、これに続いて、タンク4内の充填レベルが中空貯溜容器7より下になるまで、複数の部分ステップで充填レベルが下げられる(510)。これには、図8に示す方法でのようなステップが加わる。すなわち、タンク内に残る処理液が逆浸透膜12に供給され、逆浸透膜12を通り抜けた液体がセンサ6に供給され(532)、これに続いて、所定の最小測定時間に達するまで(545)センサ6と接触する処理液の特性を測定するステップ540、所定の最小測定時間に達した後に第2センサ6の測定値を保存するステップ555、並びに2つのセンサ6、16.1の測定値を比較するステップ558である。随意的に、2つの測定値の比較を保存するステップ559である。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a-1-3a-3】
図3b-1-3b-3】
図3c-1-3c-3】
図4a-1-4a-3】
図4b-1-4b-3】
図4c-1-4c-3】
図5
図6
図7
図8
図9
図10