(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】決済管理装置、ユーザ端末、決済管理方法および表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/22 20120101AFI20241204BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20241204BHJP
【FI】
G06Q20/22
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2024095563
(22)【出願日】2024-06-13
【審査請求日】2024-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小玉 和志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴子
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-125728(JP,A)
【文献】特開2023-083377(JP,A)
【文献】特開2024-022474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末から受け付ける受付部と、
前記第1通知を受け付けた場合、前記決済口座に関する第1情報を取得する取得部と、
前記ユーザ端末に表示された決済画像に基づいて前記決済口座からの決済を実行する決済処理部と、を備え、
前記第1情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、
前記決済処理部は、前記第1情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座を前記決済口座とす
る決済を実行
し、
前記第1口座は、前払いによる入金が可能であり、
前記第2口座は、前記前払いによる入金および資金移動による入金が可能であり、
前記第1口座の利用申請には、ユーザの本人確認を要さず、
前記第2口座の利用申請には、前記ユーザの本人確認を要する、
決済管理装置。
【請求項2】
前記第2口座の利用申請に対する審査は、反社会的組織に属する人物に関する情報と、前記ユーザの個人情報とを比較することを含む、
請求項
1に記載の決済管理装置。
【請求項3】
前記決済処理部は、前記第1情報が、前記第2口座の利用が承認されたことを示す場合、前記第2口座を前記決済口座とす
る決済を実行する、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項4】
前記アプリケーションは、前記第1口座で実行できない機能であって前記第2口座で実行可能な機能に対応するアイコンを表示し、
前記受付部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザが前記アイコンを選択したことを示す第2通知を受け付け、
前記受付部が前記第2通知を受け付け、かつ、前記第1情報が前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、前記第2口座の利の申請が審査中である旨のメッセージを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部を更に備える、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項5】
前記メッセージはダイアログに表示され、
前記表示制御部は、前記ダイアログが閉じられた場合、
前記決済画像を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項
4に記載の決済管理装置。
【請求項6】
前記第1口座には、前記ユーザの銀行口座から入金することができず、
前記第2口座には、前記ユーザの銀行口座から入金することができ、
前記アイコンは、前記ユーザの銀行口座から前記第2口座へ入金する機能に対応する、
請求項
4に記載の決済管理装置。
【請求項7】
少なくとも1つの決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知を決済管理装置に送信する送信部と、
前記決済口座に関する第2情報を前記決済管理装置から受信する受信部と、
前記決済口座からの決済を前記決済管理装置に依頼するための決済画像を表示する表示制御部と、を備え、
前記第2情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、
前記表示制御部は、前記第2情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、前記決済口座
から決済を行うための第1決済画像を表示
し、
前記第1決済画像に基づく決済は、予め登録された第1口座を前記決済口座とする決済であり、
前記第1口座は、前払いによる入金が可能であり、
前記第2口座は、前記前払いによる入金および資金移動による入金が可能であり、
前記第1口座の利用申請には、ユーザの本人確認を要さず、
前記第2口座の利用申請には、前記ユーザの本人確認を要する、
ユーザ端末。
【請求項8】
コンピュータにより、
少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末から受け付け、
前記第1通知を受け付けた場合、前記決済口座に関する第1情報を取得し、
前記ユーザ端末に表示された決済画像に基づいて前記決済口座からの決済を実行する、
決済管理方法であって、
前記第1情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、
前記第1情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座を前記決済口座とす
る決済を実行
し、
前記第1口座は、前払いによる入金が可能であり、
前記第2口座は、前記前払いによる入金および資金移動による入金が可能であり、
前記第1口座の利用申請には、ユーザの本人確認を要さず、
前記第2口座の利用申請には、前記ユーザの本人確認を要する、
決済管理方法。
【請求項9】
コンピュータにより、
少なくとも1つの決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知を決済管理装置に送信し、
前記決済口座に関する第2情報を前記決済管理装置から受信し、
前記第2情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、
前記第2情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、前記決済口座から決済を行うための第1決済画像を表示し、
前記第1決済画像に基づく決済は、予め登録された第1口座を前記決済口座とする決済であり、
前記第1口座は、前払いによる入金が可能であり、
前記第2口座は、前記前払いによる入金および資金移動による入金が可能であり、
前記第1口座の利用申請には、ユーザの本人確認を要さず、
前記第2口座の利用申請には、前記ユーザの本人確認を要する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済管理装置、ユーザ端末、決済管理方法および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済(キャッシュレス決済)の普及が進んでいる。電子決済においては、商品またはサービスの代金の決済は、硬貨および紙幣などの実際の貨幣(いわゆる現金)のやり取りはなく、電子的貨幣価値を示すデータ(以下「貨幣データ」という)の送受信によって行われる。ユーザが保持する貨幣を貨幣データに変換する手法は多様化しており、利用に際して審査(本人確認等)が行われる場合もある。
【0003】
例えば下記特許文献1では、店舗端末装置において、クレジットカードを用いた非接触のオンライン決済を指定する際に、非接触決済が有効化されているか否かが決済サーバにより判断される。非接触決済が有効化されていない場合(より詳細には、有効化するか否かの審査中の場合)、決済サーバはその旨を店舗端末装置に通知する。店舗端末装置は、非接触決済を加盟店に有効化するか否か審査中である旨の通知を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子決済において、互いに異なる決済方式間の移行をユーザが希望する場合がある。例えば、ユーザが、第1決済(一例として第1口座を決済口座とする決済)を利用可能、かつ、第2決済(一例として第2口座を決済口座とする決済)の利用を申請し利用可否の審査中であるものとする。このような状況に対して上述した従来技術を適用すると、ユーザが第2決済を利用しようとした際に、第2決済の利用可否の審査中である旨の表示がなされる。この表示を見たユーザは、第1決済が利用可能であるにもかかわらず、決済から離脱してしまう可能性が高い。
【0006】
本発明は、電子決済に関する審査を受けているユーザが、決済から離脱するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る決済管理装置は、少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末から受け付ける受付部と、前記第1通知を受け付けた場合、前記決済口座に関する第1情報を取得する取得部と、前記ユーザ端末に表示された決済画像に基づいて前記決済口座からの決済を実行する決済処理部と、を備え、前記第1情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、前記決済処理部は、前記第1情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座を前記決済口座とする情報を含む決済画像に基づいて決済を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係るユーザ端末は、少なくとも1つの決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知を決済管理装置に送信する送信部と、前記決済口座に関する第2情報を前記決済管理装置から受信する受信部と、前記決済口座からの決済を前記決済管理装置に依頼するための決済画像を表示する表示制御部と、を備え、前記第2情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、前記表示制御部は、前記第2情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座を前記決済口座とする情報を含む決済画像を表示する。
【0009】
本発明の一態様に係る決済管理方法は、少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末から受け付け、前記第1通知を受け付けた場合、前記決済口座に関する第1情報を取得し、前記ユーザ端末に表示された決済画像に基づいて前記決済口座からの決済を実行する、決済管理方法であって、前記第1情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、前記第1情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座を前記決済口座とする情報を含む決済画像に基づいて決済を実行する。
【0010】
本発明の一態様に係る表示制御方法は、少なくとも1つの決済口座が紐づく電子決済に用いるアプリケーションの起動に基づく第1通知を決済管理装置に送信し、前記決済口座に関する第2情報を前記決済管理装置から受信し、前記決済口座からの決済を前記決済管理装置に依頼するための決済画像を表示し、前記第2情報は、前記決済口座として第2口座を利用するための利用申請の審査状況に関する情報であり、前記第2情報が、前記第2口座の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、前記決済画像は、予め登録された第1口座を前記決済口座とする情報を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、電子決済に関する審査を受けているユーザが、決済から離脱するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る決済システム1の構成を示すブロック図である。
【
図3】口座間の電子的貨幣価値の移動を示す模式図である。
【
図4】第1口座KU-1と第2口座KU-2の違いを示す表である。
【
図5】ユーザ口座KUの開設に当たっての流れを示すフローチャートである。
【
図6A】決済コード画像が表示されたユーザ端末20を示す模式図である。
【
図6B】入金方法選択画面の一例を示す模式図である。
【
図6C】審査中のメッセージ表示画面の一例を示す模式図である。
【
図7】ブロックリストBLおよび個人情報PDの内容の一例を示す模式図である。
【
図8】口座データベースDB2を示す模式図である。
【
図9】ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。
【
図10】決済管理装置10の構成を示すブロック図である。
【
図11】決済管理装置10の処理装置103の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.実施形態
A-1.システム構成
図1は、実施形態に係る決済システム1の構成を示すブロック図である。決済システム1は、決済管理装置10と、複数のユーザ端末20(20-1~20-n、nは2以上の整数)とを含む。ユーザ端末20は、ユーザU(U-1~U-n)が使用する。以下、個々のユーザ端末20-1~20-nを識別する必要のない場合には、単に「ユーザ端末20」と表記する。また、個々のユーザU-1~U-nを識別する必要のない場合には、単に「ユーザU」と表記する。決済管理装置10と、各ユーザ端末20とは、ネットワークNを介して接続されている。
【0014】
決済管理装置10は、ユーザ端末20を用いた電子決済を管理する。決済管理装置10は、例えば電子決済サービスを運営する決済サービス運営者によって設置される。本実施形態において、決済管理装置10によって管理される電子決済サービスを「決済サービスD」という場合がある。ユーザ端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の情報処理端末である。ユーザ端末20には、決済サービスDを利用するための決済アプリケーションがインストールされている。
【0015】
A-2.電子決済の概要
図2は、電子決済の概要を示す模式図である。本実施形態では、決済システム1で取り扱う電子決済は、コード決済であるものとする。また、以下の実施形態では、ユーザUが実際の店舗Tで商品を購入する際にコード決済(電子決済)を利用する場合について説明するが、コード決済(電子決済)は、例えばインターネット上の仮想店舗における買い物(ネットショッピング)でも利用可能である。
【0016】
図2には、ユーザU、ユーザ端末20、決済管理装置10、店舗端末30および店舗Tが示されている。店舗端末30は、店舗Tに設置され、店舗Tにおける金銭の授受を管理する端末である。店舗端末30は、例えばPOS(Point of Sale)端末であってもよいし、POS端末と電子決済用のコンピュータとが接続されたシステムであってもよい。
【0017】
コード決済には、ユーザ端末20の表示装置201に表示された決済コード画像を店舗端末30で読み取る第1の方法と、店舗Tの店頭に掲示された決済コードをユーザ端末20で読み取る第2の方法とがある。本実施形態では、主に第1の方法で決済コードの読み取りが行われる場合について説明する。
【0018】
まず、第1の方法の詳細について説明する。ユーザUは、店舗Tで支払いをする際に、決済アプリケーションを起動させる。決済アプリケーションが起動されると、ユーザ端末20(より詳細には、後述する起動要求部211。
図9参照)は、ワンタイムコードの発行要求を決済管理装置10に送信する(S10)。発行要求には、例えば電子決済サービスにおいてユーザUを識別するユーザIDが含まれる。決済管理装置10(より詳細には、後述する第1表示制御部115。
図10参照)は、ワンタイムコードを生成し、ユーザ端末20に送信する(S11)。
【0019】
ユーザ端末20(より詳細には、後述する第2表示制御部214。
図9参照)は、ワンタイムコードに基づいて決済コード(本実施形態ではバーコードであるものとする)を生成し、決済コード画像を表示装置201に表示する。
【0020】
図6Aは、決済コード画像が表示されたユーザ端末20を示す模式図である。
図6Aに示すユーザ端末20の表示装置201には、ワンタイムコードに基づいて生成されたバーコードN1(決済コード画像)と、決済サービスDの利用等に対してユーザUに付与されているポイントの残高を示すポイント残高N2と、支払いに際してポイントを利用するか否かを切り替えるポイント利用切替インターフェースN3と、コードの読み取りを後述する第2の方法で行うための読み取りアイコンN4と、ユーザ口座KUに残高をチャージするためのチャージアイコンN5と、決済サービスDの利用履歴を確認するための利用履歴アイコンN6等が表示される。
【0021】
ユーザUがバーコードN1を表示したユーザ端末20を提示すると、店舗Tの店員は店舗端末30の光学読取装置でバーコードN1を読み取る(S12)。店舗端末30は、バーコードをデコードし、ワンタイムコードを取得する。店舗端末30は、ワンタイムコード、決済金額、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済管理装置10に送信する(S13)。
【0022】
図3に示すように、決済管理装置10は、ユーザUが保持する電子的貨幣価値を貯蓄するユーザ口座KUと、店舗Tが保持する電子的貨幣価値を貯蓄する店舗口座KTとを管理する。決済管理装置10は、支払い金額分の電子的貨幣価値を、ユーザ口座KUから店舗口座KTへと移す決済処理を実行する。より詳細には、決済管理装置10は、決済情報に含まれるワンタイムコードに基づいてユーザIDを特定し、ユーザIDに対応するユーザ口座KUを特定する。また、決済管理装置10は、決済情報に含まれる店舗IDに基づいて店舗口座KTを特定する。そして、決済管理装置10は、ユーザIDに対応するユーザ口座KUから店舗口座KTへと決済金額分の電子的貨幣価値を移動させる。
【0023】
決済処理が完了すると、決済管理装置10は、ユーザ端末20および店舗端末30に対して、決済が完了したことを示す決済完了通知を送信する(S14)。
【0024】
つぎに、第2の方法について説明する。ユーザUは、店舗Tで支払いをする際に、決済アプリケーションを起動し、
図6Aに示される読み取りアイコンN4をタップする。読み取りアイコンN4をタップすると、ユーザ端末20のカメラ203(
図9参照)が起動する。ユーザUは、店舗Tに掲示された決済コードをカメラ203で撮像する。ユーザ端末20(より詳細には、後述する決済要求部212。
図9参照)は、カメラ203で撮像した決済コードをデコードし、当該店舗を示す店舗URL(Uniform Resource Locator)に変換する。店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して当該店舗を識別可能な情報が付加されたものである。店舗URLは、決済管理装置10において店舗T(または店舗端末30)を識別する店舗ID等と対応付けられている。
【0025】
ユーザ端末20(より詳細には、後述する決済要求部212。
図9参照)は、読み取った店舗URLと、電子決済サービスにおいてユーザUを識別するユーザIDとを、決済管理装置10に送信する。決済管理装置10(より詳細には、後述する決済処理部112。
図10参照)は、店舗URLに対応する店舗IDから、店舗名等の店舗情報を検索し、当該店舗情報をユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20には、店舗情報と、支払い金額を入力する入力インターフェースが表示される。ユーザUは、ユーザ端末20に表示された店舗情報を見て、支払い先の店舗Tが正しいかを確認する。また、ユーザUは、入力インターフェースに対して、今回の支払い金額を入力し、確定ボタンを押下する。ユーザ端末20(より詳細には、後述する決済要求部212。
図9参照)は、入力された支払い金額を決済管理装置10に送信する。
【0026】
決済管理装置10(より詳細には、後述する決済処理部112。
図10参照)は、支払い金額分の電子的貨幣価値を、ユーザ口座KUから店舗口座KTへと移す決済処理を実行する。決済処理が完了すると、決済管理装置10(より詳細には、後述する決済処理部112。
図10参照)は、ユーザ端末20および店舗端末30に対して、決済が完了したことを示す決済完了通知を送信する。
【0027】
図3は、口座間の電子的貨幣価値の移動を示す模式図である。本実施形態では、電子的貨幣価値は、決済サービスDの適用地域の通貨と同じ単位であるものとする。一例として、決済サービスDの適用地域が日本であり、通貨が円である場合について説明する。上述のように、ユーザ口座KUは、ユーザUが保持する電子的貨幣価値を貯蓄する。決済管理装置10による決済処理(ユーザ口座KUから店舗口座KTへの電子的貨幣価値の移動)が実行されると、支払い金額分だけユーザ口座KUの残高は減少し、店舗口座KTの残高は増加する。
【0028】
ここで、ユーザ口座KUには、第1口座KU-1および第2口座KU-2の2種類がある。1のユーザUのユーザ口座KUは、第1口座KU-1または第2口座KU-2のいずれかである。言い換えると、本実施形態にかかるコード決済は、少なくとも1の決済口座が紐づけられている。本実施形態では、ユーザ口座KUが第1口座KU-1である場合における決済を「第1決済」、ユーザ口座KUが第2口座KU-2である場合における決済を「第2決済」という。言い換えると第1決済は、第1口座KU-1の残高を原資とする決済であり、第2決済は、第2口座KU-2の残高を原資とする決済である。
【0029】
第1口座KU-1は、開設に当たり本人確認を必要としない口座である。一方、第2口座KU-2は、開設に当たっては本人確認を必要とする口座である。言い換えると、第1口座KU-1の利用申請には、ユーザUの本人確認を要さず、第2口座KU-2の利用申請には、ユーザUの本人確認を要する。なお、利用申請とは、新規の開設の他、口座の種類の変更(本実施形態では、第1口座KU-1から第2口座KU-2への変更)を含む。
【0030】
本人確認とは、ユーザ口座KUの開設に当たってユーザUが申告した氏名および住所等の個人情報PDが正当なものであるかを、運転免許証、マイナンバーカードまたはパスポート等の顔写真付きの本人確認書類を用いて確認する作業である。具体的には、例えばユーザUは、本人確認書類の写真、および、自身の顔写真をユーザ端末20のカメラ203で撮影して決済管理装置10に送信する。決済管理装置10は、ユーザ口座KUの開設に当たってユーザUから申請された個人情報PDが、本人確認書類に記載された個人情報PDと一致するか否かを判定する。また、決済管理装置10は、本人確認書類の顔写真と、ユーザUから送信された顔写真とが一致するか否かを判定する。個人情報PDおよび顔写真の両方が一致した場合には、本人確認の結果が「OK」となり、本人確認が完了する。一方、個人情報PDおよび顔写真の少なくともいずれかが一致しなかった場合には、本人認証の結果が「NG」となり、例えば追加の資料の提出が求められたり、ユーザ口座KUの開設が拒否されたりする。
【0031】
また、ユーザ口座KUの開設に当たり、本人確認とは別に、ユーザUがブロックリストBLに掲載されている人物か否かのチェック(以下、「リストチェック」という)が行われる。本実施形態では、ブロックリストBLは反社会的勢力に属する者の情報が掲載されているものとする。この他、ブロックリストBLは、例えばクレジットカードの支払い遅延等の金融事故履歴を有する者のリストであってもよい。ユーザUの個人情報PD(ユーザ口座KUの開設に当たってユーザUから申請された個人情報PD、および、本人確認書類に記載された個人情報PDの少なくともいずれか)がブロックリストBLに掲載されている人物の情報と一致(完全一致または部分一致)する場合には、ユーザUがブロックリストBLに掲載されている人物の可能性があると判定され、ユーザ口座KUの開設が拒否される。ユーザUの個人情報PDがブロックリストBLに掲載されている人物の情報と一致しない場合には、ユーザUはブロックリストBLに掲載されている人物ではない判定され、ユーザ口座KUの開設が許可される。
【0032】
図4は、第1口座KU-1と第2口座KU-2の違いを示す表である。
図4には、ユーザ口座KUの機能のうち、一部を抜粋して示している。上述のように、第1口座KU-1の利用申請には、ユーザUの本人確認を要さず、第2口座KU-2の利用申請には、ユーザUの本人確認を要する。
【0033】
第1口座KU-1および第2口座KU-2に対する入金方法の違いについて説明する。
図3にも示されるように、第1口座KU-1に対しては、現金CAによる入金のみが可能である。第2口座KU-2に対しては、現金CAによる入金およびユーザUの銀行口座BKからの入金が可能である。現金CAによる入金は、前払いによる入金の一例である。ユーザUの銀行口座BKからの入金は資金移動による入金の一例である。言い換えると、第1決済は、前払いによる入金のみが可能な第1口座KU-1の残高を原資とする決済であり、第2決済は、前払いによる入金および資金移動による入金が可能な第2口座KU-2の残高を原資とする決済である。
【0034】
現金CAによる入金には、例えば決済サービスDと提携する銀行等のATM(以下「提携ATM」という)を用いる。ユーザUは、提携ATMにおいて「ユーザ端末20を用いた取引」のメニューを指定可能である。「ユーザ端末20を用いた取引」が指定されると、提携ATMの表示画面上に2次元コードが表示される。ユーザUが決済アプリケーション上でチャージアイコンN5を選択すると、
図6Bに示す入金方法の選択画面が表示される。ユーザUが入金方法として「提携ATMから入金」(アイコンN11)を選択すると、カメラ203が起動し2次元コードが読み取り可能となる。提携ATMに表示された2次元コードが読み取られると、決済アプリケーション上にワンタイムパスワードが表示される。ユーザUが、当該ワンタイムパスワードを提携ATMに入力すると、提携ATMの貨幣投入機構が開となり、入金が可能となる。
【0035】
銀行口座BKからの入金とは、ユーザUが保持する銀行口座BKから決済サービスDのユーザ口座KUに入金する方法である。ユーザUが決済アプリケーション上でチャージアイコンN5を選択すると、
図6Bに示す入金方法の選択画面が表示される。ユーザUが入金方法として「銀行口座BKから入金」(アイコンN12)を選択すると、銀行名、口座番号および暗証番号等の入力画面が表示される。ユーザUが当該入力画面に情報を入力し、銀行側での認証が完了すると、銀行口座BKからユーザ口座KUへの入金(より詳細には、銀行口座BKの貨幣を電子的貨幣価値に変換してユーザ口座KUに入金)が可能となる。なお、「銀行口座BKから入金」(アイコンN12)の選択が2回目以降の場合には、銀行名、口座番号および暗証番号等の入力が省略されてもよい。
【0036】
図6Bは、入金方法選択画面の一例を示す模式図である。上述のように、
図6Aに示す画面において、ユーザUがチャージアイコンN5をタップすると、
図6Bに示す入金方法の選択画面が表示される。入金方法の選択画面には、提携ATMからの入金を指定するアイコンN11と、銀行口座BKからの入金を指定するアイコンN12とが表示される。ユーザUが、所望の入金方法に対応するアイコンN11またはN12を選択(タップ)すると、上記の手順により入金の処理が実施される。
【0037】
また、銀行口座BKからの入金の一態様として、所定の条件が成立すると銀行口座BKからユーザ口座KUに自動的に入金する、いわゆるオートチャージも設定可能である。所定の条件とは、例えばユーザ口座KUの残高が所定金額を下回った場合等である。
【0038】
つぎに、第1口座KU-1および第2口座KU-2からの出金方法の違いについて説明する。第1口座KU-1からは、上述した店舗T等での支払い(口座残高からの支払い)のみが可能である。一方、第2口座KU-2からは、店舗T等での支払いの他、提携ATM等を用いた現金CAの払い出し、決済サービスDを利用するユーザ間または企業に対する送金等が可能である。なお、第1口座KU-1において、決済サービスDを利用する他のユーザUからの送金を受け取ることは可能である。
【0039】
このように、第1口座KU-1の機能は、第2口座KU-2と比較して制限される。これは、上述のように、第1口座KU-1は、利用申請に当たり本人確認を必要とせず、第2口座KU-2は、利用申請に当たり本人確認を必要とするためである。
【0040】
ユーザUは、ユーザ口座KUを新規に開設するに当たり、開設するユーザ口座KUを第1口座KU-1とするか、または第2口座KU-2とするかを選択することができる。また、ユーザUが、ユーザ口座KUとして第1口座KU-1を開設した後、当該ユーザ口座KUの種類を第2口座KU-2に変更することができる。
【0041】
図5は、ユーザ口座KUの開設に当たっての流れを示すフローチャートである。ユーザUがユーザ口座KUの開設を希望する場合(ステップS100:YES)、決済管理装置10(より詳細には、口座処理部111。
図10参照。以下同様)は、ユーザUが開設を希望するのが第1口座KU-1であるか、第2口座KU-2であるかを確認する(ステップS102)。
【0042】
ユーザUが開設を希望するのが第1口座KU-1である場合(ステップS102:YES)、決済管理装置10は、ユーザUに対して個人情報PDの入力を求め、入力された個人情報PDとブロックリストBLとを突合してリストチェックを行う(ステップS102)。リストチェックの結果に問題がなかった場合(ステップS103:YES、「リストチェックOK」)、ユーザUに対して第1口座KU-1が開設される(ステップS104)。一方、リストチェックの結果に問題があった場合(ステップS103:NO、「リストチェックNG」)、ユーザ口座KUの開設が拒否され(ステップS108)、本フローチャートの処理が終了する。
【0043】
また、ユーザUが開設を希望するのが第2口座KU-2である場合(ステップS102:NO)、決済管理装置10は、ユーザUに対して個人情報PDの入力および本人確認書類の提出を求めるとともに、個人情報PDおよび本人確認書類とブロックリストBLとを突合してリストチェックを行う(ステップS105)。本人確認およびリストチェックの結果に問題がなかった場合(ステップS106:YES、「本人確認・リストチェックOK」)、ユーザUに対して第2口座KU-2が開設され(ステップS107)、本フローチャートの処理が終了する。一方、本人確認およびリストチェックの少なくともいずれかに結果に問題があった場合(ステップS106:NO、「本人確認・リストチェックNG」)、ユーザ口座KUの開設が拒否され(ステップS108)、本フローチャートの処理が終了する。
【0044】
ステップS104で第1口座KU-1が開設された後、ユーザUが当該口座を第2口座KU-2に変更することを希望した場合(ステップS109:YES)、決済管理装置10は、ユーザUに対して本人確認書類の提出を求めるとともに、本人確認書類に基づいて再度のリストチェックを行う(ステップS110)。本人確認およびリストチェックの結果に問題がなかった場合(ステップS111:YES、「本人確認・リストチェックOK」)、ユーザ口座KUは第2口座KU-2に変更され(ステップS112)、本フローチャートの処理が終了する。一方、本人確認およびリストチェックの少なくともいずれかに結果に問題があった場合(ステップS111:NO、「本人確認・リストチェックNG」)、第2口座KU-2への変更が拒否されるとともに、ユーザ口座KUが凍結され(ステップS113)、本フローチャートの処理が終了する。
【0045】
ここで、ステップS105およびS110で行われる本人確認の詳細を説明する。一般に、本人確認は、コンピュータによる自動チェック、および、決済サービスDの運営者の従業員等による目検チェックの2段階で行われる。より詳細には、例えば氏名、住所、および生年月日等の文字で示される情報は、ユーザ口座KUの開設に際してユーザ端末20にテキストで入力される。また、決済管理装置10は、本人確認書類の写真に対してOCR(Optical Character Reader)を適用し、本人確認書類に記載された情報をテキスト化する。決済管理装置10は、これら2つのテキストを比較することで、ユーザUの個人情報PDに対する認証を行う。また、顔写真については、例えばAI(Artificial Intelligence)を用いて2つの顔写真(本人確認書類の顔写真およびユーザUから送信された顔写真)が同一人物のものか否か判定される。
【0046】
個人情報PDおよび顔写真の両方が一致した場合は、コンピュータによる自動チェックが「OK」となり、本人確認が完了する。一方、個人情報PDおよび顔写真の両方の少なくともいずれかが一致しなかった場合には、コンピュータによる自動チェックが「NG」となり、決済サービスDの運営者の従業員等による目視チェックが行われる。目視チェックで問題ないことが判明した場合(例えばOCRによるテキスト認識に誤りがあった場合等)には、目視チェック結果が「OK」となり、本人確認が完了する。目視チェックでも問題が解決しない場合には、最終的に本人確認が「NG」となる。この場合、例えばユーザUは、追加の資料の提出を求められたり、ユーザ口座KUの開設を拒否されたりする。
【0047】
つぎに、ステップS102、S105およびS110で行われるリストチェックの詳細について説明する。リストチェックは、上述した(1)ユーザ口座KUの開設時、(2)ユーザ口座KUの口座種類の変更時(第1口座KU-1から第2口座KU-2への変更時)の他、例えば(3)ブロックリストBLの更新時、(4)ユーザUの個人情報PDの変更時等にも行われる。
【0048】
図7は、ブロックリストBLおよび個人情報PDの内容の一例を示す模式図である。
図7に示すブロックリストBLは、反社会的勢力に属する者に関する、氏名(漢字)501、異名義氏名(漢字)502、氏名(カナ)503、異名義氏名(カナ)504、生年月日505および住所506が記録されている。また、ユーザ口座KUの開設に当たり、ユーザUが入力する個人情報PDは、氏名(漢字)601、氏名(カナ)602、生年月日603および住所604であるものとする。
【0049】
リストチェックでは、ユーザUの個人情報PDと、ブロックリストBLの情報との一致の有無がチェックされる。リストチェックは、コンピュータによる自動チェック、および、決済サービスDの運営者の従業員等による目検チェックの2段階で行われる。自動チェックの結果、所定数以上の一致項目があったユーザUは、目検チェックを受けることになる。
【0050】
自動チェックでは、個人情報PDの氏名(漢字)601と、ブロックリストBLの氏名(漢字)501および異名義氏名(漢字)502とが比較され、氏名(漢字)601と氏名(漢字)501、または、氏名(漢字)601と異名義氏名(漢字)502との間に部分一致がある場合、氏名(漢字)が一致項目とされる。なお、比較の際には旧字体と新字体とは同一字とみなされるようにしてもよい。
【0051】
また、自動チェックでは、個人情報PDの氏名(カナ)602と、ブロックリストBLの氏名(カナ)503および異名義氏名(カナ)504とが比較され、氏名(カナ)602と氏名(カナ)503、または、氏名(カナ)602と異名義氏名(カナ)504との間に部分一致がある場合、氏名(カナ)が一致項目とされる。なお、カナの表記がアルファベットの場合には、3文字以内の違いは「一致」とみなされるようにしてもよい。
【0052】
また、自動チェックでは、個人情報PDの生年月日603と、ブロックリストBLの生年月日505とが比較され、生年月日603と生年月日505とが完全一致する場合、生年月日が一致項目とされる。
【0053】
また、自動チェックでは、個人情報PDの住所604と、ブロックリストBLの住所506とが比較され、住所604と住所506との間に部分一致がある場合、住所が一致項目とされる。例えば、住所604と住所506とは、市町村コードで示され、市町村コード8桁までが一致する場合に「部分一致」と判断されてもよい。
【0054】
また、自動チェックの結果、例えば一致項目が2つ以下のユーザUは、リストチェックの結果が「OK」となる。また、自動チェックの結果、例えば3つ以上の一致項目があるユーザUは、目検チェックを受ける。目検チェックは、決済サービス運営者の従業員が、目視でユーザUの個人情報PDと、ブロックリストBLとを照合する。目検チェックの結果、ユーザUがブロックリストBLに記載された人物である可能性が高いと判断された場合には、リストチェックの結果が「NG」となる。また、目検チェックの結果、ユーザUがブロックリストBLに記載された人物ではない可能性が高いと判断された場合、具体的には、データの誤り、または、システムエラー等である場合には、当該誤りまたはエラーが訂正され、リストチェックの結果が「OK」となる。
【0055】
一般に、本人確認およびリストチェックは、コンピュータ(本実施形態では決済管理装置10)による自動チェックでごく短時間(例えば数秒から数十秒程度)に完了することがほとんどである。よって、
図5のステップS102、S105およびS110はごく短時間に完了し、ユーザUから見ると即時に処理が終了する。一方、目視チェックが行われた場合、例えば数日程度の時間がかかる場合がある。この間、本人確認およびリストチェックは「審査中」とされる。
【0056】
このように、第2口座KU-2の利用申請に対する審査は、反社会的組織に属する人物に関する情報(ブロックリストBL)と、ユーザUの個人情報PDとを比較するリストチェックを含む。
【0057】
A-3.ユーザ端末20
図9は、ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、表示装置201と、入力装置202と、カメラ203と、通信装置204と、記憶装置205と、処理装置206と、これらの装置を相互に接続するバス220とを備える。
【0058】
表示装置201は、外部に対して情報を表示する表示デバイス(例えば、液晶表示パネル又は有機EL表示パネル等の各種の表示パネル)である。入力装置202は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン又はセンサなど)である。なお、表示装置201および入力装置202は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0059】
カメラ203は、ユーザ端末20周辺の空間を撮像した画像を生成する。本実施形態では、カメラ203は、主にコード決済における決済コードの読み取りに用いられる。カメラ203は、撮像光学系および撮像素子を有する。撮像光学系は、少なくとも1つの撮像レンズを含む光学系である。撮像光学系は、例えばプリズム等の各種の光学素子を有してもよいし、ズームレンズまたはフォーカスレンズ等を有してもよい。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等である。
【0060】
通信装置204は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、無線通信又は有線通信を用いて、ネットワークNに接続された他の機器と通信する。
【0061】
記憶装置205は、処理装置206が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置205は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。記憶装置205は、プログラムPG2を記憶する。プログラムPG2は、ユーザ端末20を動作させるためのプログラムである。
【0062】
また、記憶装置205は、決済アプリケーションにおける画面表示に用いられる表示データ群HDを記憶する。表示データ群HDは、例えば複数の画像データおよびテキストデータを含む。それぞれの画像データおよびテキストデータには、表示データIDが付されている。後述する第2表示制御部214は、例えば決済管理装置10によって指定された表示データIDに対応する画像データおよびテキストデータの少なくともいずれかを、決済アプリケーションにおける表示として表示装置201に表示させる。
【0063】
処理装置206は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。1又は複数のCPUは、1又は複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0064】
処理装置206は、記憶装置205からプログラムPG2を読み取る。処理装置206は、プログラムPG2を実行することによって、起動要求部211、決済要求部212、口座要求部213および第2表示制御部214として機能する。起動要求部211、決済要求部212、口座要求部213および第2表示制御部214は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路によって構成されてもよい。本実施形態では、起動要求部211、決済要求部212、口座要求部213および第2表示制御部214は、決済アプリケーションの機能として実現される。
【0065】
起動要求部211は、ユーザUにより決済アプリケーションが起動された場合に、決済管理装置10に第1通知を送信する。起動要求部211は、少なくとも1つの決済口座が紐づく電子決済に用いる決済アプリケーションの起動に基づく第1通知を決済管理装置10に送信する。起動要求部211は、送信部の一例である。第1通知は、ユーザ端末20において決済アプリケーションが起動されたことを示す通知である。第1通知には、例えば決済サービスDにおいてユーザUを識別するユーザID等が含まれる。第1通知に対応して、決済管理装置10(より詳細には第1表示制御部115)からワンタイムコードが送信される。後述する第2表示制御部214は、ワンタイムコードを用いて生成した決済コード画像(例えばバーコードN1)を表示装置201に表示させる。
【0066】
決済要求部212は、決済コードの読み取りが第2の方法で行われる場合(店舗Tの店頭に掲示された決済コードをユーザ端末20で読み取る場合)において、決済管理装置10に対して、ユーザ口座KUから店舗口座KT等に電子的貨幣価値を移動させる決済処理を要求する。なお、決済コードの読み取りが第1の方法で行われる場合(ユーザ端末20に表示された決済コード画像を店舗端末30で読み取る場合)については、店舗端末30の決済要求部(図示なし)が決済管理装置10に対して決済処理を要求する。
【0067】
口座要求部213は、決済管理装置10に対して、ユーザ口座KUに関する要求を行う。ユーザ口座KUに関する要求とは、例えばユーザ口座KUの開設要求、ユーザ口座KUの種類変更、および、ユーザ口座KUに対応付けられたユーザUの個人情報PDの変更要求等である。
【0068】
第2表示制御部214は、ユーザ端末20の表示装置201における表示を制御する。第2表示制御部214は、例えば決済管理装置10から送信された表示制御情報に基づいて決済コード画像(例えばバーコードN1)を生成し、表示装置201に表示させる。また、第2表示制御部214は、例えば決済管理装置10から送信された表示データIDに対応する表示データを表示データ群HDから取得し、表示装置201に表示させる。
【0069】
また、本実施形態では、第2表示制御部214は、決済口座に関する第2情報を決済管理装置10から受信する受信部、および、決済口座からの決済を決済管理装置10に依頼するための決済コード画像を表示する表示制御部の機能を備える。第2情報とは、決済口座として第2口座KU-2を利用するための利用申請の審査状況に関する情報である。これらの機能の詳細は後述する。
【0070】
A-4.決済管理装置10
図10は、決済管理装置10の構成を示すブロック図である。決済管理装置10は、通信装置101と、記憶装置102と、処理装置103と、これらの装置を相互に接続するバス109とを備える。
【0071】
通信装置101は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、無線通信又は有線通信を用いてネットワークNに接続された他の端末と通信する。
【0072】
記憶装置102は、処理装置103が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置102は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROMおよびEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。記憶装置102は、プログラムPG1を記憶する。プログラムPG1は、決済管理装置10を動作させるためのプログラムである。また、記憶装置102は、ブロックリストBL(
図7参照)、ユーザデータベースDB1および口座データベースDB2を記憶する。ユーザデータベースDB1は、ユーザ口座KUの開設時にユーザUが入力した個人情報PD(
図7参照)を記憶する。
【0073】
図8は、口座データベースDB2を示す模式図である。口座データベースDB2は、ユーザID701、ユーザ口座KUの種類702、ユーザ口座KUの残高703、および、出金ならびに入金の履歴704を記憶する。このうち、ユーザ口座KUの種類702は、例えば「第1口座KU-1」、「第2口座KU-2」、「審査中」または「拒否」のいずれかを示す。「第1口座KU-1」は、当該ユーザ口座KUが第1口座KU-1であることを示す。「第2口座KU-2」は、当該ユーザ口座KUが第2口座KU-2であることを示す。「審査中」は、ユーザ口座KUの種類を第1口座KU-1から第2口座KU-2に変更する変更要求の審査中(主に上述した目視チェック中)であることを示す。「拒否」は、上記審査の結果、変更要求が拒否されたことを示す。「拒否」の場合、例えばユーザ口座KUは凍結され、ユーザUはコード決済を利用することができない。
【0074】
なお、ユーザデータベースDB1および口座データベースDB2は、1つのデータベースとして統合されていてもよい。
【0075】
処理装置103は、1又は複数のCPUを含む。1又は複数のCPUは、1又は複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。処理装置103は、プログラムPG1を実行することによって、口座処理部111、決済処理部112、起動受付部113、取得部114および第1表示制御部115として機能する。これらの機能の少なくとも一部は、DSP、ASIC、PLDおよびFPGA等の回路によって構成されてもよい。
【0076】
口座処理部111は、ユーザ口座KUに関する処理を行う。ユーザ口座KUに関する処理とは、ユーザ端末20の口座要求部213から要求される処理である。具体的には、例えばユーザ口座KUの開設、ユーザ口座KUの種類変更、および、ユーザ口座KUに対応付けられたユーザUの個人情報PDの変更等が、ユーザ口座KUに関する処理に対応する。なお、ユーザ口座KUの種類変更において、口座処理部111は、上述したコンピュータによる自動チェックを行う。自動チェックによってチェックが完了しなかった場合には、従業員等による目視チェックが行われる。また、口座処理部111は、ユーザ口座KUの種類が変更された場合には、口座データベースDB2のユーザ口座KUの種類702の内容を更新する。また、口座処理部111は、従業員等による目視チェックが行われている場合には、口座データベースDB2のユーザ口座KUの種類702を「審査中」とする。
【0077】
決済処理部112は、ユーザ口座KUから店舗口座KT等に電子的貨幣価値を移動させる決済処理を実行する。本実施形態では、決済処理部112は、決済コード画像を用いたコード決済を行う。よって、決済処理部112は、ユーザ端末20に表示された決済コード画像に基づいて決済口座からの決済を実行する、と言える。決済処理部112は、例えばユーザ端末20の決済要求部212、または、店舗端末30の決済要求部(図示なし)の要求に基づいて、決済処理を行う。また、決済処理部112は、決済処理が完了すると、ユーザ端末20および店舗端末30に対して、決済が完了したことを示す決済完了通知を送信する。
【0078】
起動受付部113は、コード決済に用いる決済アプリケーションがインストールされたユーザ端末20から、決済アプリケーションの起動に関する第1通知を受け付ける。起動受付部113は、受付部の一例である。上述のように、第1通知は、ユーザ端末20において決済アプリケーションが起動された場合に、ユーザ端末20から送信される通知であり、例えばユーザIDが含まれる。
【0079】
取得部114は、起動受付部113が第1通知を受け付けた場合に、ユーザIDに対応するユーザ口座KUの種類を示す種類情報を取得する。本実施形態では、取得部114は、口座データベースDB2を参照し、ユーザID701に記載されたユーザIDが、第1通知に含まれるユーザIDと一致するレコードを特定する。そして、取得部114は、当該レコードのユーザ口座KUの種類702を参照し、種類情報として「第1口座KU-1」、「第2口座KU-2」、「審査中」または「拒否」のいずれかを取得する。
【0080】
第1表示制御部115は、ユーザ端末20の表示装置201における表示を制御するための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20に送信する。第1表示制御部115は、例えば取得部114で取得された第1情報に基づいて表示制御情報を生成する。種類情報が「第1口座KU-1」および「第2口座KU-2」の場合、第1表示制御部115は、ユーザ口座KUを決済口座とする決済に対応する決済コード画像をユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報を生成する。
【0081】
より詳細には、種類情報が「第1口座KU-1」の場合には、ユーザ口座KUは第1口座KU-1であるため、表示制御情報は、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像をユーザ端末20に表示するための情報と言える。種類情報が「第2口座KU-2」の場合には、ユーザ口座KUは第2口座KU-2であるため、表示制御情報は、第2口座KU-2を決済口座とする決済に対応する第2決済コード画像をユーザ端末20に表示するための情報と言える。決済コード画像をユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報とは、例えば決済用のワンタイムコードと、ユーザ端末20に対して決済コード画像を生成して表示装置201に表示するよう指示する制御情報とを含む。第1決済コード画像と第2決済コード画像とは、実質的に同一の画像であってもよい。
【0082】
また、種類情報が「審査中」の場合には、ユーザ口座KUは未だ第1口座KU-1であるため、第1表示制御部115は、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像をユーザ端末20に表示するための表示制御情報を生成する。種類情報が「拒否」の場合、第1表示制御部115は、ユーザ口座KUの種類の変更が拒否された旨を示すメッセージをユーザ端末20に表示するための表示制御情報を生成する。当該メッセージは、例えばユーザ端末20が記憶する表示データ群HD(
図9参照)に記憶されていてもよい。この場合、第1表示制御部115は、ユーザ口座KUの種類の変更が拒否された旨を示すメッセージに対応する表示データIDをユーザ端末20に送信する。
【0083】
ここで、ユーザUの一例であるユーザU-1、およびユーザU-1が保持するユーザ端末20-1(ユーザ端末20の一例)を例にして、起動受付部113、取得部114および第1表示制御部115の機能を具体的に説明する。ユーザU-1は、ユーザ口座KUを第1口座KU-1として開設した後、第2口座KU-2の利用を申請している。
【0084】
ユーザ端末20-1で決済アプリケーションが起動されると、起動受付部113は、ユーザ端末20-1から送信された第1通知を受け付ける。言い換えると、起動受付部113は、少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いる決済アプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末20から受け付ける。起動受付部113は、受付部の一例である。
【0085】
取得部114は、口座データベースDB2を参照し、ユーザU-1のユーザ口座KU(第1通知に含まれるユーザIDに対応するユーザ口座KU)の種類情報を取得する。ユーザU-1は第2口座KU-2の利用を申請しているので、この時取得される種類情報は、当該申請に対する審査状況を示す第1情報であると言える。言い換えると、取得部114は、起動受付部113がユーザ端末20-1から第1通知を受け付けた場合、決済口座に関する第1情報を取得する。第1情報は、決済口座として第2口座KU-2を利用するための利用申請の審査状況に関する情報である。第1情報は、「審査中」、「第2口座KU-2」または「拒否」のいずれかである。
【0086】
第1表示制御部115は、取得部114で取得された第1情報(種別情報の一例)に基づいて表示制御情報を生成する。例えば第1情報が「審査中」の場合、ユーザ口座KUは未だ第1口座KU-1であるため、第1表示制御部115は、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像をユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報を生成する。言い換えると、第1表示制御部115は、取得部114によって取得された第1情報が、第2口座KU-2の利用申請が「審査中」であることを示す場合、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像をユーザ端末20-1に表示させる。第1決済コード画像を表示したユーザ端末20-1は、例えば
図6Aに示されるユーザ端末20である。
図6Aにおいて、第1決済コード画像は、バーコードN1に対応する。
【0087】
ユーザU-1が第1決済コード画像を用いて店舗T等で支払い(決済)を行った場合、決済処理部112は、第1口座KU-1を決済口座とする決済を行うことになる。言い換えると、決済処理部112は、第1情報が、第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座KU-1を決済口座とする情報を含む第1決済コード画像に基づいて決済を実行する。
【0088】
上記の処理をユーザ端末20から見ると、表示制御情報は、決済口座として第2口座KU-2を利用するための利用申請の審査状況に関する第2情報であると言える。第1決済コード画像をユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報は、第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す第2情報の一例である。ユーザ端末20の第2表示制御部214は、第2情報が、第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座KU-1を決済口座とする情報を含む決済コード画像を表示することになる。
【0089】
また、例えば第1情報が「第2口座KU-2」の場合、ユーザ口座KUは第2口座KU-2に変更されているため、第1表示制御部115は、第2口座KU-2を決済口座とする決済に対応する第2決済コード画像をユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報を生成する。言い換えると、第1表示制御部115は、第1情報が、第2口座KU-2の利用が承認されたことを示す場合、第2口座KU-2を決済口座とする決済に対応する第2決済コード画像をユーザ端末20-1に表示させる。なお、第2口座KU-2への変更が承認された場合には、ユーザ端末20-1に対してその旨の通知(決済アプリケーション上の通知であってもよいし、メール等であってもよい)が行われてもよい。また、第2口座KU-2への変更が承認されてから初めて決済アプリケーションが起動された場合には、例えば第2決済コード画像の表示に先立って、「第2口座への変更が完了しました」等のメッセージをダイアログ表示してもよい。
【0090】
ユーザU-1が第2決済コード画像を用いて店舗T等で支払い(決済)を行った場合、決済処理部112は、第2口座KU-2を決済口座とする決済を行うことになる。言い換えると、決済処理部112は、第1情報が、第2口座KU-2の利用が承認されたことを示す場合、第2口座KU-2を決済口座とする情報を含む第2決済コード画像に基づいて決済を実行する。
【0091】
また、例えば第1情報が「拒否」の場合、第1表示制御部115は、ユーザ口座KUの種類の変更が拒否された旨を示すメッセージをユーザ端末20-1に表示するための表示制御情報を生成する。ユーザ口座KUの種類の変更が拒否された旨を示すメッセージとは、例えば「審査の結果、申し訳ござませんが、決済サービスDをご利用頂けません」等である。この時、ユーザU-1からの問い合わせを受け付ける問い合わせ窓口の連絡先をメッセージに含めてもよい。なお、第2口座KU-2への変更が拒否された場合には、ユーザ端末20-1に対してその旨の通知(決済アプリケーション上の通知であってもよいし、メール等であってもよい)が行われてもよい。
【0092】
次に、第1情報が「審査中」の場合に、ユーザU-1が銀行口座BKからの入金を選択した場合について説明する。上述のように、第1情報が「審査中」の場合には、ユーザ端末20-1には、
図6に示されるように第1決済コード画像(バーコードN1)を含む画面が表示される。この状態において、ユーザU-1がチャージアイコンN5をタップし、更に「銀行口座BKからの入金」に対応するアイコンN12を選択したものとする。この場合、起動受付部113は、ユーザ端末20-1から、ユーザU-1がアイコンN12を選択したことを示す第2通知を受け付ける。
【0093】
上述のように、第1口座KU-1には、ユーザUの銀行口座BKから入金することができず、第2口座KU-2には、ユーザUの銀行口座BKから入金することができる。アイコンN12は、ユーザUの銀行口座BKから第2口座KU-2へ入金する機能に対応する。言い換えると、アイコンN12は、第1口座KU-1で実行できない機能であって第2口座KU-2で実行可能な機能に対応するアイコンである。
【0094】
第1表示制御部115は、起動受付部113が第2通知を受け付け、かつ、第1情報が第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、第2口座KU-2の利用申請が審査中である旨のメッセージMをユーザ端末20-1に表示させる。
【0095】
図6Cは、審査中のメッセージ表示画面の一例を示す模式図である。第2口座KU-2の利用申請が「審査中」である場合に、
図6BのアイコンN12(銀行口座からの入金を指示するインターフェース)をユーザU-1が選択すると、
図6Cに示すダイアログN13が表示される。ダイアログN13には、第2口座KU-2への変更の審査中である旨の説明のメッセージM他、問い合わせ窓口への通話を行うための問い合わせアイコンN14、審査に関する詳細説明画面に移行するためのアイコンN15等が表示される。
【0096】
ユーザU-1がダイアログN13を閉じるためのアイコンN16をタップすると、ダイアログN13が閉じられ、例えば
図6Aに示す決済コード画像(バーコードN1)を含む画面に移行する。すなわち、メッセージMはダイアログN13に表示され、当該ダイアログN13が閉じられた場合、第1表示制御部115は、第1決済コード画像(バーコードN1)をユーザ端末20-1に表示させる。第1決済コード画像は、第1口座KU-1を決済口座とする情報を含む決済画像の一例である。
【0097】
ユーザ端末20-1にダイアログN13を表示することによって、ユーザU-1は、審査の状況を確認することができる。また、ダイアログN13が閉じられた場合に、ユーザ端末20-1に第1決済コード画像を表示させることによって、ユーザU-1は即座に決済を行うことができ、利便性が向上する。
【0098】
A-5.フローチャート
図11は、決済管理装置10の処理装置103の動作を示すフローチャートである。より詳細には、
図11は、主にユーザ端末20で決済アプリケーションが起動された場合の動作を示し、例えば決済処理時の動作等は含まれない。以下の説明では、ユーザU-2が使用するユーザ端末20-2で決済アプリケーションが起動された場合について説明する。
【0099】
処理装置103は起動受付部113として機能し、いずれかのユーザ端末20で決済アプリケーションが起動されるまで、すなわち、いずれかのユーザ端末20から決済アプリケーションの起動に関する第1通知を受信するまで待機する(ステップS200:NO)。ユーザ端末20-2で決済アプリケーションが起動されると、言い換えると、ユーザ端末20-1から第1通知を受信すると(ステップS200:YES)、処理装置103は取得部114として機能し、ユーザ端末20-2を保持するユーザU-2のユーザ口座KUの種類を示す種類情報を取得する(ステップS201)。
【0100】
ユーザ口座KUの種類が第1口座KU-1である場合(ステップS202:YES)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、ユーザ端末20-2で第1決済コード画像を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信し(ステップS203、図中「第1決済コード画像を表示」と表記)、本フローチャートの処理を終了する。
【0101】
また、ユーザ口座KUの種類が第1口座KU-1でなく(ステップS202:NO)、第2口座KU-2である場合(ステップS204:YES)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、ユーザ端末20-2で第2決済コード画像を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信し(ステップS205、図中「第2決済コード画像を表示」と表記)、本フローチャートの処理を終了する。
【0102】
また、ユーザ口座KUの種類が第2口座KU-2でなく(ステップS204:NO)、第1口座KU-1から第2口座KU-2への変更の審査中である場合(ステップS206:YES)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、ユーザ端末20-2で第1決済コード画像を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信する(ステップS207、図中「第1決済コード画像を表示」と表記)。
【0103】
また、ユーザ口座KUが審査中でない場合、すなわち、ユーザ口座KUの種類の変更の審査結果が「拒否」であった場合(ステップS206:NO)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、ユーザ口座KUの種類の変更が拒否された旨を示すメッセージを表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信し(ステップS208、図中「拒否メッセージを表示」と表記)、本フローチャートの処理を終了する。
【0104】
ステップS207でユーザ端末20-2に第1決済コード画像が表示された後、ユーザU-2が銀行口座BKからの入金を指示するアイコンN12(図中「銀行入金アイコン」と表記)を選択した場合(ステップS210:YES)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、第2口座KU-2への変更の審査中である旨の説明のメッセージMを含むダイアログN13(図中「審査中ダイアログ」と表記)を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信する(ステップS211)。
【0105】
ダイアログN13が閉じられた場合(ステップS212:YES)、処理装置103は第1表示制御部115として機能し、ユーザ端末20-2で第1決済コード画像を表示させるための表示制御情報を生成し、ユーザ端末20-2に送信し(ステップS213、図中「第1決済コード画像を表示」と表記)、本フローチャートの処理を終了する。
【0106】
A-6.実施形態のまとめ
以上説明したように、実施形態にかかる決済管理装置10は、第2口座KU-2の利用申請が審査中であるユーザUのユーザ端末20において決済アプリケーションが起動された場合、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像に基づく決済を可能とする。よって、第2口座KU-2の利用申請が審査中であっても、ユーザUは、第1口座KU-1を用いてコード決済を実行することができ、ユーザUが決済から離脱するのを防止することができる。
【0107】
また、第1口座KU-1は、前払いによる入金、すなわち、現金CAを用いた入金のみが可能であり、第2口座KU-2は、前払いによる入金および資金移動による入金、すなわち、現金CAを用いた入金とユーザUの銀行口座BKからの入金が可能である。第2口座KU-2は資金移動を伴うため、法令によって本人確認が必要とされる場合がある。一方、第1口座KU-1は法令によって本人確認の制約を受けない前払いによる入金である。よって、第2口座KU-2の利用申請が審査中の場合には、第1口座KU-1に対応する決済コード画像を用いて決済を可能とすることにより、ユーザUの利便性が向上する。
【0108】
また、第2口座KU-2の利用申請に対する審査は、反社会的組織に属する人物に関する情報(ブロックリストBL)と、ユーザUの個人情報PDとを比較するリストチェック(いわゆる反社チェック)を含む。リストチェックによって、不適切な取引を未然に防止することができ、決済サービスDの社会的信頼性が維持される。
【0109】
また、決済管理装置10は、ユーザUに対して第2口座KU-2の利用が承認されている場合、第2口座を決済口座とする決済に対応する第2決済コード画像に基づく決済を可能とする。よって、ユーザUは第2口座KU-2を用いた決済を利用することができ、ユーザUの利便性が向上する。
【0110】
また、決済管理装置10は、第2口座KU-2の利用について審査中のユーザUが、第1口座KU-1で実行できない機能であって第2口座KU-2で実行可能な機能に対応するアイコンを選択した場合、第2口座KU-2の利用申請が審査中である旨のメッセージMを含むダイアログN13をユーザ端末20に表示させる。よって、ユーザUは、第2口座KU-2の利用についての審査の状況を知ることができる。
【0111】
また、決済管理装置10は、上記ダイアログが閉じられた場合、第1口座KU-1を決済口座とする決済に対応する第1決済コード画像をユーザ端末20に表示させる。よって、ユーザUは、ダイアログN13を閉じた後、迅速に第1口座KU-1を決済口座とする決済を実行できる。
【0112】
なお、本実施形態では、ユーザ端末20は、決済管理装置10から送信された表示制御情報に基づいて、第1決済コード画像または第2決済コード画像等を表示するものとした。言い換えると、決済管理装置10は、第2口座の利用申請の審査状況に関する情報を取得し、第1決済コード画像または第2決済コード画像のいずれをユーザ端末20において表示するかを指示する表示制御情報をユーザ端末20に送信した。これに限らず、例えばユーザ端末20が、第2口座の利用申請の審査状況に関する情報を取得し、第1決済コード画像または第2決済コード画像のいずれを表示するかを判断してもよい。上述した実施形態では、第2情報は表示制御情報であったが、ユーザ端末20で第1決済コード画像または第2決済コード画像のいずれを表示するかを判断する場合には、第2情報は、例えば上述した種類情報(「第1口座KU-1」、「第2口座KU-2」、「審査中」または「拒否」のいずれか)であってもよい。この場合、種類情報を取得したユーザ端末20の第2表示制御部214は、種類情報に基づいて、決済コード画像の種類を決定し、表示装置201に当該決定した種類の決済コード画像を表示する。例えば上記種類情報が「審査中」の場合(第2情報が、第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合)、第2表示制御部214は、予め登録された第1口座KU-1を決済口座とする情報を含む第1決済コード画像を表示してもよい。
【0113】
B:その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置102および204としてROMおよびRAM等が例示されたが、記憶装置102および204は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0114】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0115】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0116】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0117】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0118】
(6)
図9および
図10に例示された各機能は、ハードウェアおよびソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0119】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0120】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)および無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0121】
(8)前述の各形態において、「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0122】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0123】
(10)上述した実施形態において、携帯機器には、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0124】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブルおよびプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域および光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0125】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0126】
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0127】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」およびそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0128】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, anおよびtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0129】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0130】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1…決済システム、10…決済管理装置、20(20-1~20-N)…ユーザ端末、30…店舗端末、101…通信装置、102…記憶装置、103…処理装置、111…口座処理部、112…決済処理部、113…起動受付部、114…取得部、115…第1表示制御部、201…表示装置、202…入力装置、203…カメラ、204…通信装置、205…記憶装置、206…処理装置、211…起動要求部、212…決済要求部、213…口座要求部、214…第2表示制御部、BK…銀行口座、BL…ブロックリスト、CA…現金、DB1…ユーザデータベース、DB2…口座データベース、KU…ユーザ口座、KU-1…第1口座、KU-2…第2口座、N…ネットワーク、T…店舗、U(U-1~U-N)…ユーザ。
【要約】 (修正有)
【課題】電子決済に関する審査を受けているユーザが、決済から離脱するのを防止する決裁管理装置、ユーザ端末、決済管理方法および表示制御方法を提供する。
【解決手段】決済システムにおいて、決裁管理装置10は、少なくとも1の決済口座が紐づく電子決済に用いる決済アプリケーションの起動に基づく第1通知をユーザ端末20から受け付ける起動受付部、第1通知を受け付けた場合、決済口座に関する第1情報を取得する取得部及びユーザ端末に表示された決済コード画像に基づいて決済口座からの決済を実行する決済処理部を含む。第1情報は、決済口座として第2口座KU-2を利用するための利用申請の審査状況に関する情報である。決済処理部は、第1情報が、第2口座KU-2の利用申請に対する審査が完了していないことを示す場合、予め登録された第1口座KU-1を決済口座とする情報を含む第1決済コード画像に基づいて決済を実施する。
【選択図】
図3