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▶ 株式会社カネシゲ刃物の特許一覧

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  • 特許-抜け止め防止付き刃物の鞘 図1
  • 特許-抜け止め防止付き刃物の鞘 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】抜け止め防止付き刃物の鞘
(51)【国際特許分類】
   B26B 29/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B26B29/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023159222
(22)【出願日】2023-09-04
【審査請求日】2023-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517214699
【氏名又は名称】株式会社カネシゲ刃物
(72)【発明者】
【氏名】河村 幸祐
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-110386(JP,U)
【文献】登録実用新案第3145801(JP,U)
【文献】特開2023-042088(JP,A)
【文献】実用新案登録第2560203(JP,Y2)
【文献】特開平09-308782(JP,A)
【文献】特開2005-131073(JP,A)
【文献】登録実用新案第3123852(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270343(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記、凸部状の係止部21の高さは、刃物の厚さの、0.5倍から3倍にしたことを特徴とする請求項1記載の抜け止め防止付き刃物の鞘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンのような付属品がなくても刃物を安全に固定して保管するための鞘に関する。
【背景技術】
【0002】
個々の刃物を保管するためのケースとしては、国内では木製(朴の木)の鞘を使用することがほとんどであった。このことから、国内製の包丁の愛好家の中では、伝統的な方式である朴製の鞘を要望する声がかなり多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】公開実用昭和57-191256
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の鞘は、図2に示すように刃物の形状に合わせた内面形状であるので、刃物を収めた状態で固定するには、図2に示すように、鞘全体を貫通するピン孔23を設け、棒状のもの(ピン)を差し込んで固定することで、刃物の付け根部14がピンに当接して、抜けない構成であるが、刃物使用者がピンをなくするという課題があった。
【0005】
また鞘の製造段階においても、部品点数が増えることでコストが上がることや、ピンの外注先が中国や台湾など海外の協力工場で製作することが多く、輸送便が海外情勢に左右されて納期が大幅に遅れるなどの課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
刃物の鞘2の内側の片側に埋め込まれた平板状の磁石22と、前記磁石22と同じ側で、鞘に挿入された刃物の付け根14の手前に、凸部の係止部21を備え、刃物を鞘に挿入したときに、刃物が磁石22で吸引され、刃物が抜けようとしたときに、刃物の付け根14が、前記係止部21に当接して、刃物が鞘から抜けないようにしたことを特徴とする抜け止め防止付き刃物の鞘である。
【0007】
凸部状の係止部21の高さは、刃物の厚さの、0.5倍から3倍にしたことを特徴とする抜け止め防止付き刃物の鞘である。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、鞘に収められた刃物が磁石側に吸い寄せられることにより、刃物を鞘から引き出そうとしても係止部21に引っ掛かかることにより簡単に抜け落ちなくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】 本発明の抜け止め防止付き刃物の鞘
図2】 従来の抜け止め防止鞘の構成
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の抜け止め防止付き刃物として包丁の場合の鞘の構成を図1で説明する。
抜け止め防止付き刃物の鞘は、刃物の鞘2の内側の片側に埋め込まれた平板状の磁石22と、前記磁石22と同じ側で、鞘に挿入された刃物の付け根14の手前に、凸部の係止部21を備える。
刃物を鞘に挿入したときに、刃物が磁石22で吸引され、刃物が抜けようとしたときに、刃物の付け根14が、前記係止部21に当接して、刃物が鞘から抜けないようにしている。
【0011】
平板状の磁石の大きさは、磁石の強さと刃物の素材によるが、例えば7寸牛刀の場合、ネオジム磁石では16平方センチメートルから20平方センチメートルが適切である。
磁石の形状は、四角形状、長方形状、多角形、円形でもよいし、1つのみではなく、複数、分散して設置してもよい。磁石の位置は、係止部21と同じ側であれば、包丁の形状等の状況に合わせてどこにでも設置する。刃物を鞘から取り出す際は、刃物のどの部分も係止部21に引っかからないように、磁石22から引き離してから引き抜けばよい。
鞘に挿入した刃物を少しひねると、刃物が磁石から離れて、取り出し易くなる。
凸部の係止部21の高さは、刃物の厚さを0.5倍から3倍程度にすると、刃物の付け根に引っかかり易くなり、抜けにくくなるとともに、刃物をひねることで、取り出し易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
包丁などの刃物を鞘に収納するときに、抜ける落ちることを防止でき、安全な刃物の鞘を提供する。
【符号の説明】
【0013】
1 刃物
12 柄
13 刃
14 付け根
2 鞘
21 係止部
22 磁石
23 ピン孔
【要約】
【課題】従来は、鞘全体を貫通するピン孔を設け、棒状のものを差し込んで固定することで、抜けないようにしていたが、刃物の使用者がピンをなくするという課題があった。
【解決手段】刃物の鞘2の内側の片側に埋め込まれた平板状の磁石22と、前記磁石22と同じ側で、鞘に挿入された刃物の付け根14の手前に、凸部の係止部21を備え、刃物を鞘に挿入したときに、刃物が磁石22で吸引され、刃物が抜けようとしたときに、刃物の付け根14が、前記係止部21に当接して、刃物が鞘から抜けないようにしたことを特徴とする抜け止め防止付き刃物の鞘。
【選択図】図1
図1
図2