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特許7598545情報処理システム、情報処理方法及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/00 20220101AFI20241205BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241205BHJP
【FI】
G06V40/00
G06T7/00 510B
G06T7/00 300F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023532865
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2021025268
(87)【国際公開番号】W WO2023281563
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】外山 祥明
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/207571(WO,A1)
【文献】特表2009-503721(JP,A)
【文献】特開2014-232373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
G06T 1/00, 1/60
G06T 7/00
G06V 40/00-40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得する取得手段と、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定する設定手段と、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出する算出手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記生体画像が取得された対象者とあらかじめ登録されている登録者との生体照合を行う照合手段を更に有する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記照合手段は、前記対象者の前記第1位置情報と前記登録者の前記第1位置情報の比較結果が所定の基準を満たし、かつ前記対象者の前記第2位置情報と前記登録者の前記第2位置情報の比較結果が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記照合手段は、前記対象者の前記第1位置情報と前記登録者の前記第1位置情報の比較結果と前記対象者の前記第2位置情報と前記登録者の前記第2位置情報の比較結果のうちの少なくとも一方が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1位置情報及び前記第2位置情報のうちの一方を選択する選択手段を更に有し、
前記照合手段は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の選択された一方についての前記対象者と前記登録者の比較結果が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記選択手段は、前記特徴点から前記第1基準点までの距離が前記特徴点から前記第2基準点までの距離よりも小さい場合に前記第1位置情報を選択し、前記特徴点から前記第2基準点までの距離が前記特徴点から前記第1基準点までの距離よりも小さい場合に前記第2位置情報を選択する
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記生体画像は指紋であり、
前記第1基準点及び前記第2基準点の少なくとも一方は、前記指紋の中心点又は三角州である
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1位置情報は、前記特徴点から前記第1基準点に向かう方向を示す第1方向情報と、前記特徴点から前記第1基準点までの距離を示す第1距離情報とを含み、
前記第2位置情報は、前記特徴点から前記第2基準点に向かう方向を示す第2方向情報と、前記特徴点から前記第2基準点までの距離を示す第2距離情報とを含む
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、
を有する、情報処理システムによる情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、
を有する情報処理方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、情報処理システム、情報処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生体照合技術の一例として指紋等の生体の紋様の特徴を用いるものが挙げられる。特許文献1には、皮膚の隆線上にある複数の汗孔の配置の特徴を用いて照合を行う生体照合技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/207571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような生体照合において、生体の紋様からの特徴抽出が行われることがある。生体照合の高精度化のため、より高精度に特徴抽出を行い得る手法が求められている。
【0005】
この開示は、より高精度に特徴抽出を行い得る情報処理システム、情報処理方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一観点によれば、生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得する取得手段と、前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定する設定手段と、前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出する算出手段と、を有する情報処理システムが提供される。
【0007】
この開示の他の一観点によれば、生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、を有する情報処理方法が提供される。
【0008】
この開示の他の一観点によれば、コンピュータに、生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、を有する情報処理方法を実行させるプログラムを記憶した記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置において行われる位置情報算出処理の概略を示すフローチャートである。
図4】指紋の特徴点の例を示す模式図である。
図5】第1実施形態に係る位置情報の取得を説明する模式図である。
図6】比較例に係る位置情報の取得を説明する模式図である。
図7】第2実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図8】第2実施形態に係る情報処理装置において行われる特徴量取得処理の概略を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る情報処理装置により取得される特徴量の概略を示す表である。
図10】第3実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図11】第3実施形態に係る情報処理装置において行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図12】第4実施形態に係る情報処理装置において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。
図13】第5実施形態に係る情報処理装置において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。
図14】第6実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図15】第6実施形態に係る情報処理装置において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。
図16】第7実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この開示の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態の情報処理装置は、生体の紋様を含む生体画像から特徴抽出を行う装置である。ここで、生体画像は、人物の指、人物の手のひら等の画像であり得る。また、生体の紋様は、指の指紋、手のひらの掌紋等の皮膚の紋様であり得る。生体画像は、人物の指、人物の手のひら等をカメラ、スキャナ等により撮影して取得されたものであってもよく、物体に遺留した紋様をカメラ、スキャナ等により撮影して取得されたものであってもよい。情報処理装置により抽出された特徴量は、指紋照合、掌紋照合等の生体照合に用いられ得る。情報処理装置による特徴抽出の処理は、あらかじめ登録されている登録者の特徴量の抽出と、照合時に取得される対象者の特徴量の抽出のいずれにも用いられ得る。
【0012】
図1は、情報処理装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、処理サーバ、スマートフォン、マイクロコンピュータ等のコンピュータであり得る。情報処理装置1は、プロセッサ101、メモリ102、通信I/F(Interface)103、入力装置104及び出力装置105を備える。なお、情報処理装置1の各部は、不図示のバス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。
【0013】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、TPU(Tensor Processing Unit)等の演算処理回路を1つ又は複数備える処理装置である。プロセッサ101は、メモリ102等に記憶されたプログラムに従って所定の演算を行うとともに、情報処理装置1の各部を制御する機能をも有する。
【0014】
メモリ102は、プロセッサ101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する揮発性記憶媒体と、処理対象のデータ、情報処理装置1の動作プログラム等の情報を非一時的に記憶する不揮発性記憶媒体とを含み得る。揮発性記憶媒体の例としては、RAM(Random Access Memory)が挙げられる。不揮発性記憶媒体の例としては、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が挙げられる。
【0015】
通信I/F103は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の規格に基づく通信インターフェースである。通信I/F103は、データサーバ、撮像装置等の他の装置との通信を行うためのモジュールである。
【0016】
入力装置104は、キーボード、ポインティングデバイス、ボタン等であって、ユーザが情報処理装置1を操作するために用いられる。ポインティングデバイスの例としては、マウス、トラックボール、タッチパネル、ペンタブレット等が挙げられる。入力装置104は、カメラ、スキャナ等の撮像装置を含んでいてもよい。これらの撮像装置は、生体画像の取得に用いられ得る。
【0017】
出力装置105は、例えば、表示装置、スピーカ等のユーザに情報を提示する装置である。入力装置104及び出力装置105は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0018】
図1においては、情報処理装置1は、1つの装置により構成されているが、情報処理装置1の構成はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、1又は複数の装置によって構成される情報処理システムであってもよい。また、情報処理装置1にこれら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。更に、第1実施形態の一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、第1実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されるものであってもよい。例えば、メモリ102が、他の措置に設けられた記憶装置であるクラウドストレージを含んでいてもよい。このように情報処理装置1のハードウェア構成は適宜変更可能である。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、取得部111、設定部112及び算出部113を備える。
【0020】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ101は、当該プログラムに基づいて、メモリ102、通信I/F103、入力装置104及び出力装置105の各部を制御する。これらにより、プロセッサ101は、取得部111、設定部112及び算出部113の機能を実現する。取得部111、設定部112及び算出部113は、それぞれ、より一般的に取得手段、設定手段及び算出手段と呼ばれることもある。
【0021】
図3は、第1実施形態に係る情報処理装置1において行われる位置情報算出処理の概略を示すフローチャートである。第1実施形態の位置情報算出処理は、例えば、ユーザ操作等により、情報処理装置1に位置情報算出処理の指令が行われた時点で開始される。しかしながら、第1実施形態の位置情報算出処理が行われるタイミングは、特に限定されるものではなく、情報処理装置1が生体画像を取得した時点であってもよく、生体照合の実行の指令がなされた時点であってもよい。
【0022】
ステップS11において、取得部111は、生体画像から抽出された特徴点のデータを取得する。取得部111は、生体画像に対して画像処理を行うことにより特徴点のデータを生体画像から抽出して取得してもよい。また、取得部111は、あらかじめ生体画像から抽出済みの特徴点のデータを情報処理装置1のメモリ102又は情報処理装置1の外部の記憶装置から読み出して取得してもよい。この処理において取得される特徴点のデータには、生体画像のピクセル配列内の特徴点の座標、特徴点の種別等の情報が含まれ得る。
【0023】
第1実施形態における特徴点の抽出には、指紋、掌紋等の生体画像に対する既存の画像処理手法が適用可能である。図4を参照して第1実施形態に適用可能な特徴点の具体例の1つを説明する。図4は、指紋の特徴点の例を示す模式図である。図4には、人物の指紋の隆線が模式的に示されている。図4には、指紋画像内の分岐点P1、端点P2、中心点P3及び三角州P4が示されている。分岐点P1は、1つの隆線が2つに分岐している箇所である。端点P2は、隆線が途切れている箇所の端部である。中心点P3は隆線の模様の中心である。三角州P4は隆線が三方向から集まっている箇所である。これらの特徴点は、指紋画像をコンピュータにより画像処理することで自動的に抽出され得る。この抽出処理は情報処理装置1内部で行われてもよく、他の装置で行われてもよい。またこれらの特徴点は、作業者が画像を参照しながら手動で特徴点の位置を入力することにより抽出されてもよい。
【0024】
ステップS12において、設定部112は、生体画像上の互いに異なる位置に対応する複数の基準点を設定する。この複数の基準点は、生体画像上の任意の位置に設定可能である。例えば、図4に示されているような特徴点のいずれかが基準点であってもよく、これらの特徴点とは別の箇所であってもよい。基準点は、生体画像上の座標及び座標軸の方向の基準となる点である。したがって、基準点は、2つの座標軸の方向を示す情報と、これらの座標軸の原点である2次元の位置を示す情報とを含み得る。2つの座標軸は、生体画像のピクセルの配列方向とは異なる方向に設定可能である。人物の指等が傾いて撮像されている場合にはその角度補正を行うことができるように、傾いた座標軸が設定できることが望ましいためである。なお、2つの座標軸は、データの扱いやすさの観点を考慮して、典型的には直交するように設定され得る。
【0025】
ステップS13において、算出部113は、各基準点について、特徴点を基準とした基準点の相対位置を示す位置情報を算出する。この処理について、図5を参照してより詳細に説明する。
【0026】
図5は、実施形態に係る位置情報の取得を説明する模式図である。図5には、ステップS11の処理により抽出される2つの特徴点F1、F2と、ステップS12の処理により設定される2つの基準点R1、R2の位置関係が示されている。また、図5には、基準点R1の2つの座標軸C1、C2と、基準点R2の2つの座標軸C3、C4とが示されている。
【0027】
特徴点F1に関しては、特徴点F1を基準とした基準点R1(第1基準点)の相対位置を示す位置情報V11(第1位置情報)と、特徴点F2を基準とした基準点R2(第2基準点)の相対位置を示す位置情報V12(第2位置情報)とが算出される。同様に、特徴点F2に関しては、特徴点F2を基準とした基準点R1の相対位置を示す位置情報V21と、特徴点F2を基準とした基準点R2の相対位置を示す位置情報V22とが算出される。なお、図5においては2つの特徴点F1、F2が図示されているが基準点R1、R2が図示されているが、これらの個数は特に限定されない。特徴点の個数は1以上の任意の数であってよく、基準点の個数は2以上の任意の数であってよい。
【0028】
図5では、位置情報V11、V12、V21、V22は、特徴点から基準点までの距離と方向を示す情報を有しているという意味を示すために有向線分の形式で図示されているが、位置情報V11、V12、V21、V22のデータ形式は特に限定されない。
【0029】
このような手法により位置情報を算出することによる効果について、図6の比較例と対比しつつ説明する。図6は、比較例に係る位置情報の取得を説明する模式図である。図6には、ステップS11の処理により抽出される2つの特徴点F1、F2と、ステップS12の処理により設定される1つの基準点R3の位置関係が示されている。また、図6には、基準点R3の2つの座標軸C5、C6が示されている。
【0030】
図6の比較例は、ステップS13の処理において、基準点を基準とした特徴点の相対位置を示すように位置情報の算出方法を置き換えた例である。この例では、特徴点F1に関しては、基準点R3を基準とした特徴点F1の相対位置を示す位置情報VF1が算出される。同様に、特徴点F2に関しては、基準点R3を基準とした特徴点F2の相対位置を示す位置情報VF2が算出される。
【0031】
また、図6には、特徴点F1、F2の誤差範囲E3、E4が図示されている。これらの誤差範囲E3、E4は、特徴点F1、F2を用いた照合の際に特徴点F1、F2の位置ずれの誤差として許容すべき範囲を示している。誤差範囲E3、E4を決める要因としては、特徴点F1、F2の位置の抽出誤差、基準点R3の位置の設定誤差及び座標軸C5、C6の方向の設定誤差が挙げられる。これらのうち、座標軸C5、C6の方向が回転方向にずれることによる設定誤差の影響は、基準点R3から離れた特徴点ほど大きい。したがって、図6に図示されているように、基準点R3からの距離が遠い特徴点F2の誤差範囲E4は、基準点R3からの距離が近い特徴点F1の誤差範囲E3よりも大きい。このように誤差範囲が大きい場合、生体照合における判定の閾値を低く設定する等の誤差のマージンを考慮した処理が必要となるため、生体照合の精度が低下することもある。
【0032】
これに対し、図5に示されている第1実施形態の例では、1つの特徴点F1に対し複数の異なる位置に対応する基準点R1、R2に基づいて位置情報V11、V12が設定され得る。これにより、例えば図5のように一方の基準点R2が遠い場合であっても比較的近い基準点R1に基づく位置情報V11が取得可能である。このように、基準点R1、R2が複数個利用できることにより、上述のように座標軸の回転方向のずれによる設定誤差があったとしても影響を受けにくいため、誤差範囲E1、E2が低減される。したがって、第1実施形態によれば、より高精度に特徴抽出を行い得る情報処理装置1が提供される。
【0033】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の変形例として、特徴量の記憶方法を例示する。第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0034】
図7は、第2実施形態に係る情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、制御部114を更に備える。
【0035】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ101は、当該プログラムに基づいて、メモリ102、通信I/F103、入力装置104及び出力装置105の各部を制御する。これらにより、プロセッサ101は、制御部114の機能を実現する。制御部114は、より一般的に制御手段と呼ばれることもある。
【0036】
図8は、第2実施形態に係る情報処理装置1において行われる特徴量取得処理の概略を示すフローチャートである。ステップS11からステップS13の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0037】
ステップS14において、制御部114は、特徴点F1に関する複数の位置情報V11と位置情報V12とを関連付けて記憶手段に記憶させる。複数の位置情報V11と位置情報V12は、生体照合における特徴量として用いられる。ここで記憶手段とは例えば、情報処理装置1のメモリ102等の情報処理装置1内の記憶装置であってもよく、情報処理装置1の外部の記憶装置であってもよい。
【0038】
図9は、第2実施形態に係る情報処理装置1により取得される特徴量の概略を示す表である。図9は、記憶手段に記憶されている特徴量の例を表形式で示している。図9に示されているように、1つの特徴点に対応する2つの位置情報V11と位置情報V12とが互いに対応付けられた形で記憶されている。なお、図9では省略されているが、他の特徴点に対応する位置情報も同様に相互に対応付けられた形で記憶され得る。
【0039】
第2実施形態によれば、より高精度に特徴抽出がなされた特徴量を取得することができる情報処理装置1が提供される。
【0040】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態の変形例として、生体照合の機能を備えた情報処理装置1の例を説明する。第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0041】
図10は、第3実施形態に係る情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、照合部115を更に備える。
【0042】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ101は、当該プログラムに基づいて、メモリ102、通信I/F103、入力装置104及び出力装置105の各部を制御する。これらにより、プロセッサ101は、照合部115の機能を実現する。照合部115は、より一般的に照合手段と呼ばれることもある。
【0043】
図11は、第3実施形態に係る情報処理装置1において行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。ステップS11からステップS13の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。第3実施形態の照合処理は、あらかじめ記憶手段等に登録されている登録者の特徴量と、ステップS11における生体画像が取得された対象者の特徴量とを照合する処理である。照合結果は、例えば、対象者が登録者と同一人物であるか否かの判定に用いられる。
【0044】
ステップS20において、照合部115は、複数の位置情報の少なくとも一方に基づいて、生体画像が取得された対象者と登録者との生体照合を行う。すなわち、図5に図示されている2つの位置情報V11、V12を用いる場合には、2つの位置情報V11とV12の両方に基づいて生体照合が行われてもよく、2つの位置情報V11とV12のいずれか1つを用いて生体照合が行われてもよい。
【0045】
第3実施形態によれば、より高精度に抽出された特徴量を生体照合に適用することにより、より高精度な生体照合を行い得る情報処理装置1が提供される。
【0046】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第3実施形態の変形例として、生体照合に係るステップS20をより具体化した情報処理装置1の例を説明する。第3実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0047】
図12は、第4実施形態に係る情報処理装置1において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。図12に示されている処理は、図11のステップS20に相当するサブルーチンである。なお、第4実施形態において、説明の簡略化のため、上述の実施形態において述べた複数の位置情報の個数は2つであるものとし、それぞれを第1位置情報及び第2位置情報と呼ぶ。しかしながら、複数の位置情報の個数はこれに限定されず、3個以上であってもよい。
【0048】
ステップS201において、照合部115は、対象者の第1位置情報と対象者の第2位置情報を取得する。これらは、上述の実施形態のステップS11からステップS13において取得される複数の位置情報に相当する。
【0049】
ステップS202において、照合部115は、登録者の第1位置情報と登録者の第2位置情報を取得する。これらは、上述の実施形態のステップS11からステップS13と同様の手法により登録者の生体画像からあらかじめ取得されており、メモリ102等の記憶手段に記憶されているものである。
【0050】
ステップS203において、照合部115は、対象者の第1位置情報と登録者の第1位置情報とを比較して照合スコアを生成する。また、照合部115は、対象者の第2位置情報と登録者の第2位置情報とを比較して照合スコアを生成する。このようにして、照合部115は、第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアをそれぞれ取得する。この照合スコアは、比較結果をスコア化したものである。例えば、照合スコアは、位置情報(特徴量)の一致度を示すものである。この場合、位置情報の一致度が高いほど照合スコアは高く、位置情報の一致度が低いほど照合スコアは低い。
【0051】
ステップS204において、照合部115は、第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアが両方とも所定の閾値を超えているか否かを判定する。第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアが両方とも所定の閾値を超えている場合(ステップS204のYES)、処理はステップS205に移行する。第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアのいずれかが所定の閾値を超えていない場合(ステップS204のNO)、処理はステップS206に移行する。
【0052】
ステップS205において、照合部115は、対象者は登録者と同一人物であると判定数する。また、ステップS206において、照合部115は、対象者は登録者と同一人物ではないと判定する。
【0053】
以上のように、第4実施形態においては、第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアが両方とも所定の閾値を超えている場合に対象者と登録者が同一であると判定される。言い換えると、第1位置情報に基づく判定結果と第2位置情報に基づく判定結果の論理積が最終的な判定に用いられているため、より厳密な判定が行われる。これにより、第1位置情報又は第2位置情報が偶然に一致している場合等に、登録者と対象者が別の人物であったとしてもそれらを同一人物であると誤判定する可能性が低減される。
【0054】
第4実施形態によれば、別の人物を同一人物であると誤判定する可能性が低減され得る情報処理装置1が提供される。
【0055】
なお、複数の位置情報の個数が3以上である場合には、複数の位置情報のすべてが所定の閾値を超えているか否かを判定するようにステップS204の処理を変形すればよい。
【0056】
[第5実施形態]
以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第4実施形態の変形例であり、判定基準が変更されている。第4実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0057】
図13は、第5実施形態に係る情報処理装置1において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。図13においては図12のステップS204がステップS207に置き換えられている。それ以外のステップは図12と同様であるため説明を省略する。
【0058】
ステップS207において、照合部115は、第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアの少なくとも一方が所定の閾値を超えているか否かを判定する。第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアの少なくとも一方が所定の閾値を超えている場合(ステップS207のYES)、処理はステップS205に移行する。第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアのいずれもが所定の閾値を超えていない場合(ステップS207のNO)、処理はステップS206に移行する。
【0059】
以上のように、第5実施形態においては、第1位置情報の照合スコアと第2位置情報の照合スコアの少なくとも一方が所定の閾値を超えている場合に対象者と登録者が同一であると判定される。言い換えると、第1位置情報に基づく判定結果と第2位置情報に基づく判定結果の論理和が最終的な判定に用いられているため、判定基準が緩和されている。これにより、第1位置情報又は第2位置情報の取得にエラーがある場合等に、登録者と対象者が同一人物であったとしてもそれらを別の人物であると誤判定する可能性が低減される。
【0060】
第5実施形態によれば、同一人物を別の人物であると誤判定する可能性が低減され得る情報処理装置1が提供される。
【0061】
なお、複数の位置情報の個数が3以上である場合には、複数の位置情報の1つ以上が所定の閾値を超えているか否かを判定するようにステップS204の処理を変形すればよい。
【0062】
[第6実施形態]
以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、第4実施形態及び第5実施形態の変形例であり、判定基準が変更されている。第4実施形態又は第5実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0063】
図14は、第6実施形態に係る情報処理装置1の機能ブロック図である。情報処理装置1は、選択部116を更に備える。
【0064】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ101は、当該プログラムに基づいて、メモリ102、通信I/F103、入力装置104及び出力装置105の各部を制御する。これらにより、プロセッサ101は、選択部116の機能を実現する。選択部116は、より一般的に選択手段と呼ばれることもある。
【0065】
図15は、第5実施形態に係る情報処理装置1において行われる照合処理をより具体的に示すフローチャートである。図15においては図12のステップS201、S202、S203、S204がステップS208、S211、S212、S213、S219に置き換えられている。それら以外のステップは図12と同様であるため説明を省略する。
【0066】
ステップS208において、選択部116は、所定の基準に基づいて第1位置情報と第2位置情報の一方を選択する。第1位置情報と第2位置情報のうちのいずれが選択されたかを示す情報は照合部115にも共有される。
【0067】
ステップS211において、照合部115は、対象者の第1位置情報と対象者の第2位置情報のうちの選択された一方を取得する。ステップS212において、照合部115は、登録者の第1位置情報と登録者の第2位置情報のうちの選択された一方を取得する。
【0068】
ステップS213において、照合部115は、第1位置情報と第2位置情報のうちの選択された一方について、対象者の位置情報と登録者の位置情報とを比較して照合スコアを生成する。このようにして、照合部115は、第1位置情報と第2位置情報のうちの選択された一方の照合スコアをそれぞれ取得する。
【0069】
ステップS219において、照合部115は、ステップS213において取得された照合スコアが所定の閾値を超えているか否かを判定する。照合スコアが所定の閾値を超えている場合(ステップS219のYES)、処理はステップS205に移行する。照合スコアが所定の閾値を超えていない場合(ステップS219のNO)、処理はステップS206に移行する。
【0070】
以上のように、第6実施形態においては、第1位置情報と第2位置情報のうちの選択された1つの照合スコアが所定の閾値を超えている場合に対象者と登録者が同一であると判定される。これにより、第4実施形態及び第5実施形態と比較して照合スコアの算出処理が簡略化されている。
【0071】
第6実施形態によれば、処理が簡略化され得る情報処理装置1が提供される。
【0072】
なお、複数の位置情報の個数が3以上である場合には、複数の位置情報の1つを選択するようにステップS208の処理を変形すればよい。
【0073】
上述の実施形態において説明した装置又はシステムは以下の第7実施形態のようにも構成することができる。
【0074】
[第7実施形態]
図16は、第7実施形態に係る情報処理システム2の機能ブロック図である。情報処理システム2は、取得手段211、設定手段212及び算出手段213を備える。取得手段211は、生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得する。設定手段212は、生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定する。算出手段213は、特徴点を基準とした第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び特徴点を基準とした第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出する。
【0075】
第7実施形態によれば、より高精度に特徴抽出を行い得る情報処理システム2が提供される。
【0076】
[変形実施形態]
この開示は、上述の実施形態に限定されることなく、この開示の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、この開示の実施形態である。
【0077】
上述の実施形態において、生体画像が指紋である場合には、複数の基準点のうちの少なくとも1つは指紋の中心点又は三角州であることが望ましい。中心点又は三角州は多くの人
の指紋に存在しており、かつ比較的顕著な特徴であることから、位置の基準として用いるのに好適である。
【0078】
上述の実施形態において取得される複数の位置情報のデータ形式は、特に限定されるものではない。このデータ形式は、特徴点から基準点までの距離情報と方向情報とが混合された形式であってもよく、分離された形式であってもよい。距離情報と方向情報とが混合された形式の例としては、2次元数ベクトル、2次元デカルト座標系における相対座標、特徴点を原点とする複素数平面上の複素数等が挙げられる。距離情報と方向情報とが分離された形式の例としては、特徴点を中心とする2次元極座標系における極座標、複素数平面上の極形式の複素数等が挙げられる。また、距離情報と方向情報とが個別に取得されてもよい。すなわち、複数の位置情報のうちの第1位置情報が、特徴点から第1基準点に向かう方向を示す第1方向情報と、特徴点から第1基準点までの距離を示す第1距離情報とを含んでもよい。また、複数の位置情報のうちの第2位置情報が、特徴点から第2基準点に向かう方向を示す第2方向情報と、特徴点から第2基準点までの距離を示す第2距離情報とを含んでもよい。上述の第1方向情報及び第2方向情報としては、基準となる所定の座標軸と、特徴点と基準点を結ぶ線とのなす角度を用いる例が挙げられる。図5及び図6を参照して説明したように、誤差の要因は、特徴点から基準点までの距離の要因と、特徴点から基準点に向かう方向の要因に分離できる。そのため、特徴量が距離情報と方向情報に分離されていると、照合の際にこの誤差の要因が考慮された判定条件を設定することができ、照合精度が向上し得る。
【0079】
上述の第6実施形態における第1位置情報と第2位置情報の一方を選択するための基準の一例としては、特徴点から基準点までの距離が挙げられる。より具体的には、特徴点から第1位置情報に対応する基準点の方が近い場合には、第1位置情報が選択され、特徴点から第2位置情報に対応する基準点の方が近い場合には、第2位置情報が選択され得る。図5及び図6を参照して説明したように、特徴点と基準点の距離が近いほど座標軸の設定誤差の影響が小さいため、上述のような選択基準を採用することで、より誤差が少ない位置情報が選択され得る。
【0080】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC、FPGA等の回路であってもよい。
【0081】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0082】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0083】
なお、上述の実施形態は、いずれもこの開示を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによってこの開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、この開示はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0084】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0085】
(付記1)
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得する取得手段と、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定する設定手段と、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出する算出手段と、
を有する情報処理システム。
【0086】
(付記2)
前記第1位置情報と、前記第2位置情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御手段を更に有する
付記1に記載の情報処理システム。
【0087】
(付記3)
前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記生体画像が取得された対象者とあらかじめ登録されている登録者との生体照合を行う照合手段を更に有する
付記1又は2に記載の情報処理システム。
【0088】
(付記4)
前記照合手段は、前記対象者の前記第1位置情報と前記登録者の前記第1位置情報の比較結果が所定の基準を満たし、かつ前記対象者の前記第2位置情報と前記登録者の前記第2位置情報の比較結果が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
付記3に記載の情報処理システム。
【0089】
(付記5)
前記照合手段は、前記対象者の前記第1位置情報と前記登録者の前記第1位置情報の比較結果と前記対象者の前記第2位置情報と前記登録者の前記第2位置情報の比較結果のうちの少なくとも一方が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
付記3に記載の情報処理システム。
【0090】
(付記6)
前記第1位置情報及び前記第2位置情報のうちの一方を選択する選択手段を更に有し、
前記照合手段は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の選択された一方についての前記対象者と前記登録者の比較結果が所定の基準を満たす場合に、前記対象者と前記登録者が同一人物であると判定する
付記3に記載の情報処理システム。
【0091】
(付記7)
前記選択手段は、前記特徴点から前記第1基準点までの距離が前記特徴点から前記第2基準点までの距離よりも小さい場合に前記第1位置情報を選択し、前記特徴点から前記第2基準点までの距離が前記特徴点から前記第1基準点までの距離よりも小さい場合に前記第2位置情報を選択する
付記6に記載の情報処理システム。
【0092】
(付記8)
前記生体画像は指紋であり、
前記第1基準点及び前記第2基準点の少なくとも一方は、前記指紋の中心点又は三角州である
付記1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0093】
(付記9)
前記第1位置情報は、前記特徴点から前記第1基準点に向かう方向を示す第1方向情報と、前記特徴点から前記第1基準点までの距離を示す第1距離情報とを含み、
前記第2位置情報は、前記特徴点から前記第2基準点に向かう方向を示す第2方向情報と、前記特徴点から前記第2基準点までの距離を示す第2距離情報とを含む
付記1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0094】
(付記10)
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、
を有する情報処理方法。
【0095】
(付記11)
コンピュータに、
生体の紋様を含む生体画像から抽出された特徴点を取得するステップと、
前記生体画像の互いに異なる位置に対応する第1基準点及び第2基準点を設定するステップと、
前記特徴点を基準とした前記第1基準点の相対位置を示す第1位置情報及び前記特徴点を基準とした前記第2基準点の相対位置を示す第2位置情報を算出するステップと、
を有する情報処理方法を実行させるプログラムを記憶した記憶媒体。
【符号の説明】
【0096】
1 情報処理装置
2 情報処理システム
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信I/F
104 入力装置
105 出力装置
111 取得部
112 設定部
113 算出部
114 制御部
115 照合部
116 選択部
211 取得手段
212 設定手段
213 算出手段
E1、E2、E3、E4 誤差範囲
F1、F2 特徴点
P1 分岐点
P2 端点
P3 中心点
P4 三角州
R1、R2、R3 基準点
V11、V12、V21、V22、VF1、VF2 位置情報
C1、C2、C3、C4、C5、C6 座標軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16