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特許7598551トイレシステム、トイレ装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】トイレシステム、トイレ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/10 20090101AFI20241205BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20241205BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20241205BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20241205BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04W84/10 110
H04W76/14
H04Q9/00 301Z
E03D9/08 A
E03D5/10
E03D9/00 Z
H04M11/00 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020162321
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022054995
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】大石 竜太
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152783(JP,A)
【文献】特開2017-089236(JP,A)
【文献】特開2020-053758(JP,A)
【文献】特開2017-028458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置と、
前記トイレ装置を識別する個体識別情報を表示する表示部と、
を備え、
前記トイレ装置は、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行し、
前記トイレ装置は、トイレ機能部と通信可能な変換器であって、前記携帯端末から送信された信号を前記トイレ機能部が受信可能な信号に変換する前記変換器を有し、
前記変換器は、前記携帯端末から前記個体識別情報に基づく前記指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするトイレシステム。
【請求項2】
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置と、
前記トイレ装置を識別する個体識別情報を表示する表示部と、
を備え、
前記トイレ装置は、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行し、
前記トイレ装置は、複数設けられ、
前記複数のトイレ装置のうちの1つのトイレ装置がペアリング可能な状態であるとき、前記複数のトイレ装置のうちの前記1つのトイレ装置と連立する別のトイレ装置は、ペアリング可能な状態へ移行しない、または、ペアリング可能な状態へ移行することを待機することを特徴とするトイレシステム。
【請求項3】
前記トイレ装置を操作するリモコンをさらに備え、
前記表示部は、前記リモコンに設けられ、
前記表示部が表示する前記個体識別情報を含む表示は、可変であることを特徴とする請求項1または2に記載のトイレシステム。
【請求項4】
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置であって、
前記トイレ装置は、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記トイレ装置を識別する個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行し、
前記トイレ装置は、トイレ機能部と通信可能な変換器であって、前記携帯端末から送信された信号を前記トイレ機能部が受信可能な信号に変換する前記変換器を有し、
前記変換器は、前記携帯端末から前記個体識別情報に基づく前記指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするトイレ装置。
【請求項5】
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置であって、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記トイレ装置を識別する個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記トイレ装置と連立し前記サーバとインターネット経由で接続される別のトイレ装置がペアリング可能な状態でない場合に、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行し、前記別のトイレ装置がペアリング可能な状態であるときは、ペアリング可能な状態へ移行しない、または、ペアリング可能な状態へ移行することを待機することを特徴とするトイレ装置。
【請求項6】
携帯端末にインストールされるプログラムであって、
前記プログラムは、
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置を識別する個体識別情報に基づく信号を、インターネット経由で前記サーバへ送信する工程と、
前記信号に基づく指令信号を前記サーバを介して受信してペアリング可能な状態となった前記トイレ装置と前記携帯端末とのペアリングの可否を選択可能な工程と、
を前記携帯端末に実行させ、
前記トイレ装置は、トイレ機能部と通信可能な変換器であって、前記携帯端末から送信された信号を前記トイレ機能部が受信可能な信号に変換する前記変換器を有し、
前記変換器は、前記携帯端末から前記個体識別情報に基づく前記指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
携帯端末にインストールされるプログラムであって、
前記プログラムは、
サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置を識別する個体識別情報に基づく信号を、インターネット経由で前記サーバへ送信する工程と、
前記信号に基づく指令信号を前記サーバを介して受信してペアリング可能な状態となった前記トイレ装置と前記携帯端末とのペアリングの可否を選択可能な工程と、
を前記携帯端末に実行させ、
前記トイレ装置は、複数設けられ、
前記複数のトイレ装置のうちの1つのトイレ装置がペアリング可能な状態であるとき、前記複数のトイレ装置のうちの前記1つのトイレ装置と連立する別のトイレ装置は、ペアリング可能な状態へ移行しない、または、ペアリング可能な状態へ移行することを待機することを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレシステム、トイレ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から携帯端末を用いてトイレ装置を操作するシステムが知られている。例えば、携帯端末からの操作信号をリモコンが受信し、リモコンが温水洗浄便座装置に操作信号を送信することで、温水洗浄便座装置が制御される構成が知られている(特許文献1)。また、携帯情報端末とBluetooth(登録商標)で通信するトイレ装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-121144号公報
【文献】特許第6649045号公報
【文献】特開2020-120306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ装置と携帯端末とを無線通信で接続するためには、ペアリング(接続設定)が行われる。トイレ装置と携帯端末とのペアリングにおいては、使用者が直接手でトイレ装置に触れて、トイレ装置を操作することが必要となることがある。例えば、使用者がトイレ装置に設けられたスイッチ等を操作(例えば長押し)することで、トイレ装置は、携帯端末とのペアリングが可能なペアリングモードに移行する。
【0005】
一方、使用者がトイレ装置に直接触れることを極力避けたいという要望がある。例えば、衛生上の観点から、公共の施設等に設けられた多くの人に使用されるトイレ装置に触れることを避けることが望ましい場合がある。
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使用者がトイレ装置に触れずに携帯端末とトイレ装置とをペアリングすることができるトイレシステム、トイレ装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置と、前記トイレ装置を識別する個体識別情報を表示する表示部と、を備え、前記トイレ装置は、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするトイレシステムである。
【0008】
このトイレシステムによれば、携帯端末からインターネットを経由して信号を送信することで、トイレ装置をペアリング可能な状態にすることができる。これにより、使用者は、トイレ装置に手を触れずに携帯端末とトイレ装置とをペアリングすることができる。携帯端末とトイレ装置とペアリングすることで、携帯端末からトイレ装置を操作することが可能となる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記トイレ装置を操作するリモコンをさらに備え、前記表示部は、前記リモコンに設けられ、前記表示部が表示する前記個体識別情報を含む表示は、可変であることを特徴とするトイレシステムである。
【0010】
このトイレシステムによれば、使用者が着目しやすいリモコンに個体識別情報が表示されるため、携帯端末とトイレ装置とをペアリングするときの使い勝手を向上させることができる。また、個体識別情報の表示が可変であることにより、いたずらを抑制することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記トイレ装置は、トイレ機能部と通信可能な変換器であって、前記携帯端末から送信された信号を前記トイレ機能部が受信可能な信号に変換する前記変換器を有し、前記変換器は、前記携帯端末から前記個体識別情報に基づく前記指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするトイレシステムである。
【0012】
このトイレシステムによれば、トイレ機能部と通信可能な変換器がサーバ経由でペアリング可能な状態に移行できるため、トイレ機能部が既設のものであった場合でも、より簡易的に携帯端末でトイレ機能部を操作するように設定することができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記トイレ装置は、複数設けられ、前記複数のトイレ装置のうちの1つのトイレ装置がペアリング可能な状態であるとき、前記複数のトイレ装置のうちの前記1つのトイレ装置と連立する別のトイレ装置は、ペアリング可能な状態へ移行しない、または、ペアリング可能な状態へ移行することを待機することを特徴とするトイレシステムである。
【0014】
このトイレシステムによれば、使用者がペアリングを希望するトイレ装置とは別のトイレ装置が誤ってペアリングされることが抑制される。
【0015】
第5の発明は、サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置であって、前記サーバとインターネット経由で接続される携帯端末から前記トイレ装置を識別する個体識別情報に基づく指令信号を前記サーバを介して受信すると、前記携帯端末とのペアリングが可能な状態に移行することを特徴とするトイレ装置である。
【0016】
このトイレ装置によれば、携帯端末からインターネットを経由して信号を送信することで、トイレ装置をペアリング可能な状態にすることができる。これにより、使用者は、トイレ装置に手を触れずに携帯端末とトイレ装置とをペアリングすることができる。携帯端末とトイレ装置とペアリングすることで、携帯端末からトイレ装置を操作することが可能となる。
【0017】
第6の発明は、携帯端末にインストールされるプログラムであって、サーバとインターネット経由で接続されるトイレ装置を識別する個体識別情報に基づく信号を、インターネット経由で前記サーバへ送信する工程と、前記信号に基づく指令信号を前記サーバを介して受信してペアリング可能な状態となった前記トイレ装置と前記携帯端末とのペアリングの可否を選択可能な工程と、を前記携帯端末に実行させることを特徴とするプログラムである。
【0018】
このプログラムによれば、携帯端末からインターネットを経由して信号を送信することで、トイレ装置をペアリング可能な状態にすることができる。これにより、使用者は、トイレ装置に手を触れずに携帯端末とトイレ装置とをペアリングすることができる。携帯端末とトイレ装置とペアリングすることで、携帯端末からトイレ装置を操作することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、使用者がトイレ装置に触れずに携帯端末とトイレ装置とをペアリングすることができるトイレシステム、トイレ装置、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図2】実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す説明図である
図3】実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図4】実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図5】実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図1に表したように、トイレシステム100は、トイレ装置10と、表示部21と、を備える。トイレシステム100は、サーバ40及び携帯端末50と組み合わせて用いられる。トイレシステム100は、携帯端末50によって、トイレに設けられたトイレ機能部の遠隔操作を可能とするシステムである。
【0022】
トイレ装置10は、トイレ室TRに設けられる装置である。図1に示す例では、複数のトイレ装置10が、トイレ室TR内に設けられている。トイレ室TRは、例えば、駅、空港、商業施設、またはオフィスビルなど、多数の人が利用可能な公共施設のトイレ室である。トイレ室TRには、複数のトイレブースTBが連設されている。複数のトイレブースTBは、例えば、トイレ室TRの内部の空間をパーティションなどで仕切ることによって設けられる。複数のトイレブースTBは、例えば、トイレ室TRの壁面に沿って並べて配置される。各トイレブースTB内に、便器30(大便器)が設けられている。
【0023】
トイレ装置10は、例えば便器30と組み合わせて用いられる装置である。トイレ装置10は、便器30を含んでもよい。この例では、トイレ装置10は、トイレ機能部11である。トイレ装置10は、トイレ機能部11と組み合わせて用いられる装置でもよい。例えば、トイレ装置10は、後述する変換器を含んでもよい。但し、トイレ装置10は、上記に限らず、トイレ室に設けられる任意の装置で良い。
【0024】
図1に表したように、複数のトイレ機能部11(トイレ装置10)のそれぞれが、複数の便器30のそれぞれの上に設けられる。トイレ機能部11は、例えば、便座を有するとともに、便座に着座した利用者の「おしり」などを洗浄する身体洗浄機能などを有する。トイレ機能部11は、例えば衛生洗浄装置である。トイレ機能部11は、便座の着座面を温める暖房機能を有する暖房便座装置などでもよい。但し、トイレ機能部11は、これらに限ることなく、便器30に取り付けて使用される任意の装置でよい。
【0025】
図1の例では、トイレ装置10には、通信部11aが設けられている。通信部11aは、例えば、リモコン20と通信を行うための通信モジュール、携帯端末50と通信を行うための通信モジュール(基板)、及び、サーバ40と通信を行うための通信モジュールを含む。
【0026】
また、図1の例では、複数のリモコン20のそれぞれが、複数のトイレブースTBのそれぞれに設けられている。使用者は、リモコン20を用いてトイレ機能部11を操作することができる。リモコン20は、同じトイレブースTB内に設けられたトイレ機能部11の通信部11aと接続されている。これにより、リモコン20は、トイレ機能部11と通信可能である。トイレ機能部11とリモコン20との接続は、有線でもよいし、無線でもよいし、有線と無線との組合せでもよい。
【0027】
使用者は、リモコン20に設けられたセンサ(例えば押しボタンなど)を操作することにより、トイレ機能部11の機能の実行の指示を入力することができる。トイレ機能部11は、リモコン20に入力された指示に基づく指示信号をリモコン20から受信する。トイレ機能部11は、受信した指示信号に応じて、機能を実行する。例えば、使用者は、リモコン20を操作することにより、トイレ機能部11に洗浄機能の開始、停止または設定などを実行させることができる。
【0028】
複数のトイレ装置10のそれぞれは、インターネットなどのネットワーク経由でサーバ40と接続され、ネットワークを介してサーバ40と通信を行う。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であっても良い。トイレ装置10とサーバ40との接続は、有線でもよいし、無線でもよいし、有線と無線との組合せでもよい。
【0029】
サーバ40は、複数のトイレ装置10を管理する。例えば、サーバ40には、複数のトイレ装置10が同一のトイレ室TR内にあることなど、複数のトイレ装置10の配置情報が登録されている。また、サーバ40は、各トイレ装置10の状態を識別できる。具体的には、サーバ40は、各トイレ装置10が後述のペアリングモードであるか否か、携帯端末50と接続されているか否か、などの情報を取得することができる。サーバ40は、例えばクラウドでもよい。サーバ40は、1つの装置で構成されても良いし、複数の装置に分散されて構成されても良い。
【0030】
複数の表示部21のそれぞれが、複数のトイレブースTBのそれぞれに設けられている。表示部21は、同じトイレブースTB内に設けられたトイレ装置10の個体識別情報を表示する。個体識別情報は、トイレ装置10を識別するIDである。個体識別情報により、携帯端末50で遠隔操作するトイレ装置10を識別(特定)することができる。例えば、表示部21は、個体識別情報をコード化して格納する二次元コードを表示する。二次元コードとしては、例えばQRコード(登録商標)を用いることができる。但し、表示部21の表示は、上記に限らず、トイレ装置10の個体識別情報を表示可能な任意の表示で良い。
【0031】
表示部21には、例えば液晶パネルまたは有機ELディスプレイなどの表示装置を用いることができる。または、表示部21は、印刷されたラベル等であっても良い。表示部21は、上記に限らず、個体識別情報を表示可能な任意の構成で良い。
【0032】
携帯端末50は、例えば使用者に携帯される。携帯端末50は、例えば使用者個人の所有物である。図1に示す例では、携帯端末50は、無線通信部51と、制御部52と、操作部53と、画面表示部54と、取得部55と、記憶部56と、を有する。携帯端末50は、例えばスマートフォンである。
【0033】
画面表示部54は、使用者が携帯端末50を操作するための操作画面を表示する表示装置である。操作部53は、使用者が携帯端末50に操作指示を入力するためのセンサやスイッチなどの入力装置である。画面表示部54及び操作部53は、例えば、スマートフォンのタッチパネルディスプレイである。
【0034】
無線通信部51は、例えば、トイレ装置10との無線通信を行うための通信モジュール、及びサーバ40との無線通信を行うための通信モジュールを含む。携帯端末50は、インターネットなどのネットワーク経由でサーバ40と接続され、ネットワークを介してサーバ40と通信を行う。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であっても良い。
【0035】
また、携帯端末50は、後述のペアリング(接続設定)を行うことにより、トイレ装置10と無線通信可能な状態となる。例えば、携帯端末50の無線通信部51とトイレ装置10の通信部11aとの間で無線信号が送受信される。使用者は、携帯端末50の操作部53を操作することにより、トイレ機能部11の機能の実行の指示を入力することができる。トイレ装置10の通信部11aは、操作部53に入力された指示に基づく指示信号を携帯端末50の無線通信部51から受信する。トイレ機能部11は、トイレ装置10が受信した指示信号に応じて、機能を実行する。
【0036】
取得部55は、表示部21に表示された個体識別情報を取得する。例えば、表示部21がQRコード(登録商標)を表示する場合は、取得部55には画像を撮像する撮像部(カメラ)を用いることができる。
【0037】
記憶部56には、携帯端末50がトイレ装置10との通信を行うためのプログラム56aが記憶されている。制御部52は、記憶部56からプログラム56aを読み出し、プログラム56aを逐次処理することにより、携帯端末50の動作を制御する。例えば、記憶部56にはフラッシュメモリまたはハードディスクなどの記憶装置を用いることができる。プログラム56aは、例えば、携帯端末50にインストールされるスマートフォンアプリケーションである。
【0038】
制御部52は、プログラム56aを実行する際に、操作部53に入力された操作指示、及び取得部55が取得した情報に応じて、無線通信部51及び画面表示部54を制御する。制御部52は、例えばCPUなどを含む処理装置(コンピュータ)である。
なお、携帯端末50は、スマートフォンに限られず、その機能を満たし得る任意の構成で良い。
【0039】
携帯端末50とトイレ装置10との通信を確立するためには、ペアリングと呼ばれる接続設定が行われる。例えば、携帯端末50とトイレ装置10との間は、Bluetooth(登録商標)による接続が行われる。Bluetoothのペアリングでは、例えば、携帯端末50とトイレ装置10とが互いのIDを登録して、接続を許可する。トイレ装置10は、常時ペアリング可能な状態ではなく、ペアリングの実行の際にペアリングモード(ペアリング可能な状態)となる。ペアリングモードは、ペアリングが許可された状態、つまり接続設定を受け付ける状態である。トイレ装置10が、適宜のタイミングにペアリングモードに移行することで、誤接続を抑制したり、セキュリティを向上させたりすることができる。なお、携帯端末50とトイレ装置10との通信は、Bluetoothに限ることなく、携帯端末50によるトイレ機能部11の無線操作を可能とする任意の方式で良い。以下、携帯端末50とトイレ装置10とのペアリングの例について説明する。
【0040】
図2は、実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図2に表したように、この例では、携帯端末50はスマートフォンであり、トイレ装置10はトイレ機能部11(衛生洗浄装置)である。また、サーバ40は、第1クラウド40aと第2クラウド40bとを有する。
【0041】
携帯端末50は、LTE(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの通信規格により、サーバ40(第1クラウド40a)とインターネット経由で接続されている。また、トイレ装置10は、TCP/IPなどのプロトコルにより、サーバ40(第2クラウド40b)とインターネット経由で接続されている。
【0042】
第1クラウド40aと第2クラウド40bとは、任意の接続方式により相互に通信可能である。例えば、第1クラウド40aと第2クラウド40bとは、インターネット経由でトイレ装置10及び携帯端末50の管理情報を送受信可能である。管理情報は、例えば、各トイレ装置10のID、各トイレ装置10の配置情報、各トイレ装置10の状態(ペアリングモードであるか否か等)、及び携帯端末50のID、などを含んでもよい。
【0043】
また、携帯端末50とトイレ装置10との通信は、Bluetooth(例えばBLE)により行われる。すなわち、携帯端末50の無線通信部51及びトイレ装置10の通信部11aには、それぞれ、Bluetoothの通信モジュールが設けられている。
【0044】
表示部21には、個体識別情報を含むQRコード(登録商標)が固定表示されている。個体識別情報は、例えば、携帯端末50がトイレ装置10とのペアリングを行うために必要なBDアドレスなどを含む。
【0045】
ペアリングにおいては、使用者は、携帯端末50の取得部55により、表示部21に表示された個体識別情報を取得する。具体的には、QRコード(登録商標)をカメラ(取得部55)で撮像する。
【0046】
その後、携帯端末50は、取得した個体識別情報に基づく信号S1をインターネット経由でサーバ40(第1クラウド40a)に送信する(送信工程)。サーバ40(第2クラウド40b)は、受信した信号S1に基づいて、携帯端末50が取得した個体識別情報により特定されるトイレ装置10に信号S2をインターネット経由で送信する。なお、信号S1、S2は、携帯端末50と、携帯端末50が取得した個体識別情報により特定されるトイレ装置10と、のペアリングを可能な状態とすることを指示する信号である。トイレ装置10は、信号S2を受信すると、ペアリングモードに移行する。
【0047】
その後、携帯端末50は、ペアリングモードとなったトイレ装置10と携帯端末50とのペアリングの可否を選択することを可能とする(選択工程)。具体的には、例えば、ペアリング可能な状態であるトイレ装置10(例えばトイレ装置10のIDや名称等のリスト)が画面表示部54に表示される。使用者は、その表示を確認して、意図するトイレ装置10とのペアリングを実行するか否かを選択することができる。使用者がペアリングの実行を指示する操作指示を操作部53に入力すると、携帯端末50とトイレ装置10とのペアリングが行われ、ペアリングモードは終了する。ペアリングの実行により、携帯端末50とトイレ装置10との無線通信が可能な状態となり、携帯端末50によるトイレ装置10(トイレ機能部11)の遠隔操作が可能となる。
【0048】
以上説明したように、実施形態においては、トイレ装置10は、携帯端末50から個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信すると、携帯端末50とのペアリングが可能な状態に移行する。また、プログラム56aは、上述の送信工程と選択工程とを携帯端末50に実行させる。これにより、使用者は、携帯端末50からインターネットを経由して信号を送信することで、トイレ装置10をペアリング可能な状態にすることができる。したがって、使用者は、トイレ装置10に手を触れずに携帯端末50とトイレ装置10とをペアリングすることができる。携帯端末50とトイレ装置10とをペアリングすることで、携帯端末50からトイレ装置10を操作することが可能となる。
【0049】
なお、携帯端末50は、インターネットを介してトイレ装置10と通信可能であるため、インターネット経由でトイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号をトイレ装置10に送信することも可能である。ただし、上述の例では、携帯端末50は、インターネット経由ではなく、Bluetoothにより、指示信号を送信する。
インターネット経由でトイレ機能部11が操作可能な場合、例えばハッキングなどに対するセキュリティ上の配慮が必要となることがある。これに対して、指示信号をBluetoothで送信し、インターネットからはトイレ機能部11を操作しない構成とすることにより、セキュリティを向上させることができる。
また、携帯端末50によるトイレ機能部11の機能の操作に不具合があった場合、インターネット経由で指示信号を送信する構成では、不具合の原因の特定が難しいことがある。これに対して、指示信号をBluetoothで送信する場合には、携帯端末50とトイレ装置10とが一対一で対応しているため、不具合の原因の特定が比較的容易である。
【0050】
さらに、インターネット経由で指示信号を送信する場合、トイレ装置10に指示信号が届くまでに時間がかかり、携帯端末50を操作してからトイレ機能部11が動作するまでに数秒以上かかる恐れがある。これに対して、指示信号をBluetoothで送信する場合は、トイレ装置10に指示信号がすぐに届き、短い時間(例えば1~2秒程度)でトイレ装置10を動作させることができる。
【0051】
また、上述した例では、携帯端末50は、表示部21から個体識別情報を取得しているが、表示部21の代わりに個体識別情報を送信する送信部を用いてもよい。この場合、携帯端末50は、送信部から個体識別情報を受信可能に構成される。例えば、送信部及び取得部55は、個体識別情報を送受信するための通信モジュールである。送信部と携帯端末50との通信には、例えば、NFC(Near Field Communication)などの無線通信を用いることができる。送信部と携帯端末50との通信は、上記に限らず、携帯端末50が非接触で個体識別情報を取得可能な任意の方式でよい。例えば、表示部21の代わりにトイレ装置10の個体識別情報を有する媒体(例えばNFCタグ)を用い、携帯端末50の取得部55として、その媒体の読取装置(例えばNFCリーダ)を用いてもよい。この場合には、使用者がトイレ装置10に直接触れることなく、携帯端末50をNFCタグに近づけることで、NFCタグに書き込まれたトイレ装置10の個体識別情報を取得することができる。
【0052】
図3は、実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図3に表したように、この例においても、携帯端末50はスマートフォンであり、トイレ装置10はトイレ機能部11(衛生洗浄装置)である。また、サーバ40は、第1クラウド40a、第2クラウド40b、及び第3クラウド40cを有する。
【0053】
携帯端末50は、LTEまたはWi-Fiなどの通信規格により、サーバ40(第1クラウド40a)とインターネット経由で接続されている。また、トイレ装置10は、TCP/IPなどのプロトコルにより、サーバ40(第2クラウド40b)とインターネット経由で接続されている。
【0054】
この例では、リモコン20は、液晶パネルまたは有機ELディスプレイなどの表示装置20aを有する。例えば、リモコン20は、タブレットであり、その表示装置はタッチパネルディスプレイである。タッチパネルディスプレイにボタン(スイッチ)が表示され、使用者はそのボタンを操作(タッチ)することにより、トイレ機能部11の機能の実行の指示を入力することができる。
【0055】
リモコン20は、Bluetoothによりトイレ装置10と接続されている。トイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号は、Bluetoothにより、リモコン20からトイレ装置10に送信される。なお、リモコン20は、トイレ装置10と予めペアリングされた状態でトイレブースTB内に備え付けられている。また、リモコン20は、TCP/IPなどのプロトコルにより、サーバ40(第3クラウド40c)とインターネット経由で接続されている。
【0056】
表示部21には、個体識別情報を含むQRコード(登録商標)が可変表示されている。例えば、表示部21は、液晶パネルまたは有機ELディスプレイなどの表示装置である。表示部21は、リモコン20に設けられる。具体的には、リモコン20の表示装置20aが表示部21を兼ねている。このように表示部21は、リモコン20と一体でも良く、リモコン20の一部であっても良い。使用者が着目しやすいリモコン20に個体識別情報が表示されるため、携帯端末50とトイレ装置10とをペアリングするときの使い勝手を向上させることができる。
【0057】
第1クラウド40a、第2クラウド40b及び第3クラウド40cは、任意の接続方式により相互に通信可能である。例えば、第1クラウド40a、第2クラウド40b及び第3クラウド40cは、インターネット経由でトイレ装置10、携帯端末50及びリモコン20(表示部21)の管理情報を送受信可能である。管理情報は、例えばリモコン20のIDやリモコン20の状態(表示部21に表示されている個体識別情報)などを含んでもよい。例えば、サーバ40は、管理情報に基づいて、表示部21に表示されるQRコード(登録商標)を管理(制御)することができる。
【0058】
ペアリングにおいては、使用者は、携帯端末50の取得部55により、表示部21に表示された個体識別情報を取得する。その後、携帯端末50は、取得した個体識別情報に基づく信号S1をインターネット経由でサーバ40に送信する。サーバ40は、受信した信号S1に基づいて、携帯端末50が取得した個体識別情報により特定されるトイレ装置10に信号S2をインターネット経由で送信する。トイレ装置10は、信号S2を受信すると、ペアリングモードに移行する。すなわち、この例においても、トイレ装置10は、携帯端末50から個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信すると、携帯端末50とのペアリングが可能な状態に移行する。
【0059】
1つのトイレを複数の使用者が順次使用することがある。前の使用者がトイレ装置10を使い終わったら、次の使用者が正しく携帯端末50をトイレ装置10に接続できることが望まれる。すなわち、接続するトイレ装置10を時間的に正しく識別することが望まれる。Bluetoothの電波は、トイレブースTB間のパーティションを透過することがある。そのため、個体識別情報が固定されていると、以前の使用者が、例えば隣のトイレブースTB等からトイレ装置10と接続して、トイレ装置10を操作するようないたずらが可能になってしまう恐れがある。
【0060】
これに対して、上述したように、表示部21が表示する個体識別情報を含む表示は可変である。これにより、いたずらを抑制することができる。
【0061】
例えば、使用者がトイレ装置10の使用を終了したタイミング又は開始するタイミングに応じて、個体識別情報及びQRコード(登録商標)を変更しても良い。
また、表示部21は、一時的に有効な個体識別情報を含むQRコード(登録商標)を表示しても良い。例えば、QRコード(登録商標)は、表示部21に表示されてから所定時間(例えば1分程度)だけ有効であり、所定時間を経過すると、そのQRコード(登録商標)に表示された個体識別情報に基づく信号S1が送信されてもトイレ装置10はペアリングモードに移行しない。トイレ装置10の個体識別情報及び表示部21に表示されるQRコード(登録商標)は適宜変更され、例えばサーバ40は、その変更を管理する。例えば、サーバ40が、個体識別情報又はQRコード(登録商標)の変更指示や変更内容を、トイレ装置10又はリモコン20(表示部21)に適宜送信しても良い。
【0062】
また、図1に表したように、トイレ室TR内においては、複数のトイレ装置10が連立して設けられている。例えば、複数のトイレ装置10は、第1トイレ装置10aと、第2トイレ装置10bと、を含む。第2トイレ装置10bは、第1トイレ装置10aと連立する別のトイレ装置10である。
【0063】
例えば、第1トイレ装置10aは、第1トイレ装置10aの個体識別情報に基づく指令信号(S1、S2)を携帯端末50からサーバ40を介して受信すると、ペアリングモードに移行する。このとき、第2トイレ装置10bは、ペアリングモードに移行しない、または、ペアリングモードへ移行することを待機する。
【0064】
すなわち、第1トイレ装置10aがペアリングモードである場合は、第2トイレ装置10bは、第2トイレ装置10bの個体識別情報に基づく指令信号(S1、S2)をサーバ40を介して受信しても、第2トイレ装置10bのペアリングモードへの移行が不許可とされる。例えば、第1トイレ装置10aのペアリングモード中においては、第2トイレ装置10bの個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信しても、第2トイレ装置10bは、ペアリングモードへの移行の待機状態となり、第1トイレ装置10aのペアリングモードが終了するとペアリングモードに移行可能となる。
【0065】
携帯端末50の通信に用いられる無線信号は、複数のトイレ装置10にまで届くことがある。例えば、第1トイレ装置10aに向けて送信された信号が、第2トイレ装置10bにまで届くことがある。このような場合でも、使用者が携帯端末50と意図したトイレ装置10(使用したいトイレ装置10)とを正しくペアリングでき、携帯端末50と意図しないトイレ装置(例えば隣のトイレ装置10)とが誤ってペアリングされないことが望まれる。すなわち、接続するトイレ装置10を空間的に正しく識別することが望まれる。
【0066】
これに対して、上述したように、1つのトイレ装置10(例えば第1トイレ装置10a)がペアリング可能な状態であるとき、別のトイレ装置10(例えば第2第2トイレ装置10b)は、ペアリング可能な状態へ移行しない、またはペアリング可能な状態へ移行することを待機する。これにより、使用者がペアリングを希望するトイレ装置10とは別のトイレ装置10が誤ってペアリングされることが抑制される。
【0067】
なお、1つのトイレ装置10がペアリングモードではない場合には、別のトイレ装置10は、当該別のトイレ装置10の個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信するとペアリングモードへ移行する。また、第1トイレ装置10aと第2トイレ装置10bとは、隣同士でなくても良い。
【0068】
図4は、実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図4に表したように、この例では、携帯端末50はスマートフォンであり、トイレ装置10は変換器12である。トイレ装置10は、変換器12とトイレ機能部11とを含んでもよい。変換器12は、例えば既存のトイレ(例えばトイレ機能部11)に後付け可能である。変換器12は、リモコン20に内蔵させてもよい。また、サーバ40は、第1クラウド40a及び第2クラウド40bを有する。
【0069】
携帯端末50は、LTEまたはWi-Fiなどの通信規格により、サーバ40(第1クラウド40a)とインターネット経由で接続されている。また、トイレ装置10(変換器12)は、TCP/IPなどのプロトコルにより、サーバ40(第2クラウド40b)とインターネット経由で接続されている。
【0070】
表示部21には、個体識別情報を含むQRコード(登録商標)が固定表示又は可変表示されている。第1クラウド40a及び第2クラウド40b、任意の接続方式により相互に通信可能である。
【0071】
ペアリングにおいては、使用者は、携帯端末50の取得部55により、表示部21に表示された個体識別情報を取得する。その後、携帯端末50は、取得した個体識別情報に基づく信号S1をインターネット経由でサーバ40に送信する。サーバ40は、受信した信号S1に基づいて、携帯端末50が取得した個体識別情報により特定されるトイレ装置10(変換器12)に信号S2をインターネット経由で送信する。トイレ装置10(変換器12)は、信号S2を受信すると、ペアリングモードに移行する。すなわち、この例においても、トイレ装置10(変換器12)は、携帯端末50から個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信すると、携帯端末50とのペアリングが可能な状態に移行する。
【0072】
例えば、携帯端末50側の無線通信の方式と、トイレ機能部11側の無線通信の方式とが異なる場合がある。すなわち、携帯端末50がトイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号を送信するための無線通信規格と、トイレ機能部11が機能の実行を指示する信号を受信するための無線通信規格と、が異なる場合がある。
【0073】
この例では、トイレ機能部11の通信部11aは、赤外線またはZigBee(登録商標)の通信モジュールを有する。トイレ機能部11が受信する、トイレ機能部11の機能の実行を指示する信号は、赤外線またはZigBeeの信号である。トイレ機能部11は、赤外線またはZigbeeの信号に応じて、その機能を実行する。一方、携帯端末50とトイレ装置10(変換器12)との通信は、Bluetoothにより行われる。携帯端末50が送信する、トイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号は、Bluetoothの信号である。
【0074】
変換器12は、トイレ機能部11及び携帯端末50と通信可能であり、携帯端末50から送信された信号をトイレ機能部11が受信可能な信号に変換する。変換器12は、例えば、プロトコルを変換するゲートウェイ装置である。変換器12は、携帯端末50側の無線通信の方式と、トイレ機能部11側の無線通信の方式と、の変換を行う。
【0075】
上述したように、この例では、携帯端末50側の無線通信の方式はBluetoothであり、トイレ機能部11側の無線通信の方式は、赤外線又はZigbeeである。例えば、トイレ機能部11には、Bluetoothの通信モジュールが設けられていない。この場合は、携帯端末50から、信号を直接トイレ機能部11に送信することができない。これに対して、変換器12を経由することで、携帯端末50から信号をトイレ機能部11に送信することができる。具体的には、変換器12は、携帯端末50から送信された機能の実行を指示するBluetoothの信号を受信し、トイレ機能部11が受信可能な赤外線又はZigbeeの信号に変換して送信する。これにより、既設のトイレ機能部11側の無線通信の方式が、携帯端末50側の無線通信の方式と異なっていても、変換器12を後付けすることで、携帯端末50でトイレ機能部11を操作することが可能となる。
【0076】
以上説明したように、トイレ機能部11と通信可能な変換器12がサーバ40経由でペアリング可能な状態に移行できるため、トイレ機能部11が既設のものであった場合でも、より簡易的に携帯端末50でトイレ機能部11を操作するように設定することができる。
【0077】
図5は、実施形態に係る別のトイレシステムを模式的に表す説明図である。
図5に表したように、携帯端末50はスマートフォンであり、トイレ装置10は変換器12である。トイレ装置10は、変換器12とトイレ機能部11とを含んでもよい。サーバ40は、第1クラウド40a及び第2クラウド40bを有する。
【0078】
携帯端末50は、LTEまたはWi-Fiなどの通信規格により、サーバ40(第1クラウド40a)とインターネット経由で接続されている。
【0079】
リモコン20は、例えば、タブレットであり、タッチパネルディスプレイなどの表示装置を有する。リモコン20は、Bluetoothによりトイレ装置10(変換器12)と接続されている。トイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号は、Bluetoothにより、リモコン20からトイレ装置10(変換器12)に送信される。リモコン20は、TCP/IPなどのプロトコルにより、サーバ40(第2クラウド40b)とインターネット経由で接続されている。すなわち、トイレ装置10(変換器12)は、リモコン20を介することで、サーバ40とインターネット経由で接続されている。
【0080】
表示部21は、リモコン20に設けられている。表示部21には、個体識別情報を含むQRコード(登録商標)が可変表示されている。第1クラウド40a及び第2クラウド40bは、任意の接続方式により相互に通信可能である。
【0081】
トイレ機能部11の通信部11aは、赤外線またはZigBeeの通信モジュールを有する。トイレ機能部11が受信する、トイレ機能部11の機能の実行を指示する信号は、赤外線またはZigBeeの信号である。トイレ機能部11は、赤外線またはZigbeeの信号に応じて、その機能を実行する。一方、携帯端末50とトイレ装置10(変換器12)との通信は、Bluetoothにより行われる。また、リモコン20とトイレ装置10(変換器12)との通信は、Bluetoothにより行われる。すなわち、携帯端末50及びリモコン20が送信する、トイレ機能部11の機能の実行を指示する指示信号は、Bluetoothの信号である。
【0082】
変換器12は、トイレ機能部11、リモコン20及び携帯端末50と通信可能である。変換器12は、リモコン20又は携帯端末50から送信された信号をトイレ機能部11が受信可能な信号に変換する。具体的には、変換器12は、携帯端末50又はリモコン20から送信された機能の実行を指示するBluetoothの信号を受信し、トイレ機能部11が受信可能な赤外線又はZigbeeの信号に変換して送信する。
【0083】
ペアリングにおいては、使用者は、携帯端末50の取得部55により、表示部21に表示された個体識別情報を取得する。その後、携帯端末50は、取得した個体識別情報に基づく信号S1をインターネット経由でサーバ40に送信する。リモコン20は、サーバ40から信号S1の情報をインターネット経由で受信し、携帯端末50が取得した個体識別情報により特定されるトイレ装置10(変換器12)に信号S2を送信する。トイレ装置10(変換器12)は、信号S2を受信すると、ペアリングモードに移行する。すなわち、この例においても、トイレ装置10(変換器12)は、携帯端末50から個体識別情報に基づく指令信号をサーバ40を介して受信すると、携帯端末50とのペアリングが可能な状態に移行する。
【0084】
なお、リモコン20は、複数設けられていても良い。図5の例では、タブレットとは別のリモコン20として、リモコン23が設けられている。リモコン23は、例えば、トイレブースTB内に設けられ、赤外線又はZigbeeによりトイレ機能部11と通信可能である。使用者は、リモコン23を用いてトイレ機能部11を操作することができる。
【0085】
なお、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムの形態(コンピュータに設けられた形態)に限ることなく、コンピュータに読み取り可能な記録媒体の形態であってもよい。記録媒体としては、例えば、CD-ROM(-R/-RW)、光磁気ディスク、HD(ハードディスク)、DVD-ROM(-R/-RW/-RAM)、FD(フレキシブルディスク)、フラッシュメモリ、メモリカード、メモリスティック、及び、その他各種ROM、RAM等を用いることができる。
また、プログラムにより行われる処理の一部又は全部は、プログラムを必要としないハードウェアの動作に基づいて実行しても良い。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、大便器、便座装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0087】
10 トイレ装置、 10a 第1トイレ装置、 10b 第2トイレ装置、 11 トイレ機能部、 11a 通信部、 12 変換器、 20 リモコン、 20a 表示装置、 21 表示部、 23 リモコン、 30 便器、 40 サーバ、 40a、40b、40c 第1~第3クラウド、 50 携帯端末、 51 無線通信部、 52 制御部、 53 操作部、 54 画面表示部、 55 取得部、 56 記憶部、 56a プログラム、 100 トイレシステム、 S1、S2 信号、 TB トイレブース、 TR トイレ室
図1
図2
図3
図4
図5