(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車体前部構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B62D25/08 E
(21)【出願番号】P 2021044616
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】茶木 雄太
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-056839(JP,A)
【文献】特開2010-167949(JP,A)
【文献】特開2017-047808(JP,A)
【文献】特開2014-012428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0049074(US,A1)
【文献】独国実用新案第202018105981(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に配置され、車両前後方向へ延びるサイドメンバと、
前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられるストラットタワーパネルと、
前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられ、車両前後方向に延び、後端が前記ストラットタワーパネルの車両前側部に接合されているフェンダエプロンパネルと、
前記サイドメンバに取り付けられ、エンジンを支持するエンジンマウントと、を備え、
前記エンジンマウントは、車両前後方向に間隔を空けて配置される後方ブラケットと前方ブラケットとを有し、
前記後方ブラケットおよび前記前方ブラケットは、それぞれ、前記サイドメンバの車両上方に間隔を空けて配置される上面部と、該上面部の車両前後方向の両端部分から車両下方に延びて前記サイドメンバに接続される前壁部および後壁部と、を有している車体前部構造において、
前記後方ブラケットは、前記後壁部が車両下方に向かうに従い車両後方に延びる後方傾斜面を有し、かつ、前記前壁部が鉛直方向に延びる鉛直面を有
し、
前記後方ブラケットの前記後壁部における前記後方傾斜面は、車両側方視で、前記ストラットタワーパネルと前記フェンダエプロンパネルとに跨るように配置され、前記後方傾斜面の上端が、前記ストラットタワーパネルと前記フェンダエプロンパネルとの接合箇所よりも車両前方側に位置し、かつ、前記後方傾斜面の下端が、前記接合箇所よりも車両後方側に位置する、ことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記後方ブラケットは、前記サイドメンバと接合される第1接合点と、前記後壁部の車幅方向外側端から車両後方かつ車両上方に向かって延びる延長部と、該延長部が前記ストラットタワーパネルと接合される第2接合点と、を有し、前記後方傾斜面の上部に対して、前記第2接合点が前記第1接合点よりも近くに配置されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記後方ブラケットは、前記サイドメンバに接合される下側部材と、該下側部材とは別体で設けられ、前記下側部材の上部を覆うように配置される上側部材と、からなり、
前記下側部材の外周面と前記上側部材の内周面とは、互いに対応する形状を有し連続している、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記下側部材および前記上側部材は、互いに重なる部分に屈曲部をそれぞれ有し、各々の屈曲部が車両上下方向に延びている、ことを特徴とする請求項
3に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記上側部材は、前記下側部材よりも高い剛性を有していることを特徴とする請求項
3または
4に記載の車体前部構造。
【請求項6】
前記エンジンマウントは、前記後方ブラケットの前記上面部と前記前方ブラケットの前記上面部とを架け渡すように配置され、前記エンジンが取り付けられる上方ブラケットを有し、
前記前方ブラケットは、前記前壁部が車両下方に向かうに従い車両前方に延びる前方傾斜面を有し、かつ、前記後壁部が鉛直方向に延びる鉛直面を有する、ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1つに記載の車体前部構造。
【請求項7】
車体前部に配置され、車両前後方向へ延びるサイドメンバと、
前記サイドメンバに取り付けられ、エンジンを支持するエンジンマウントと、を備え、
前記エンジンマウントは、車両前後方向に間隔を空けて配置される後方ブラケットと前方ブラケットとを有し、
前記後方ブラケットおよび前記前方ブラケットは、それぞれ、前記サイドメンバの車両上方に間隔を空けて配置される上面部と、該上面部の車両前後方向の両端部分から車両下方に延びて前記サイドメンバに接続される前壁部および後壁部と、を有し、
前記後方ブラケットは、前記後壁部が車両下方に向かうに従い車両後方に延びる後方傾斜面を有し、かつ、前記前壁部が鉛直方向に延びる鉛直面を有している車体前部構造において、
前記後方ブラケットは、前記サイドメンバに接合される下側部材と、該下側部材とは別体で設けられ、前記下側部材の上部を覆うように配置される上側部材と、からなり、
前記下側部材の外周面と前記上側部材の内周面とは、互いに対応する形状を有し連続している、ことを特徴とする車体前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの自動車等の車両における車体前部には、車両駆動用のエンジンが配置されており、該エンジンは車体に取り付けられたエンジンマウントによって支持されている。このような車体前部には、エンジンからの荷重がエンジンマウントを介して伝達される。このため、エンジンからの荷重に起因して車体前部に発生する振動を低減すべく、車体前部の剛性を向上させることが要求されている。
【0003】
エンジンマウントを含む車体前部に関する従来の構造として、例えば、特許文献1には、車両の前部における車幅方向側部に配設されたフロントサイドメンバの上部に、車両前後方向に間隔を空けてエンジンブラケットフロントとエンジンブラケットリアとが接合された構造が開示されている。この構造では、サスペンションタワーの車両前方側に配置されたエプロンフロント(フェンダエプロンパネル)に、車幅方向内側へ膨出したエンジンマウント部が形成されており、エンジンブラケットフロントの上部、エンジンブラケットリアの上部、およびエプロンフロントのエンジンマウント部にエンジンが締結される。
【0004】
このような従来の構造では、エンジンからエンジンマウント部に入力される荷重によって、サスペンションタワーを構成するスプリングサポートに車両上下方向を軸方向とする捩じれが加わり、スプリングサポートに面外変形が生じる。これに対して特許文献1では、スプリングサポートの一般面にビードを形成することによって、上記捩じれによるスプリングサポートの面外変形が抑制されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような従来の構造は、サスペンションタワーおよびその周辺での荷重(振動)に関する対策が中心であり、フロントサイドメンバ上のエンジンマウント(エンジンブラケットフロントおよびエンジンブラケットリア)での荷重の抑制については十分に検討されておらず、エンジンマウントを含めた車体前部の剛性向上という点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンからの荷重をエンジンマウントで抑制して剛性の向上を図ることができる車体前部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、車体前部に配置され、車両前後方向へ延びるサイドメンバと、前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられるストラットタワーパネルと、前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられ、車両前後方向に延び、後端が前記ストラットタワーパネルの車両前側部に接合されているフェンダエプロンパネルと、前記サイドメンバに取り付けられ、エンジンを支持するエンジンマウントと、を備え、前記エンジンマウントは、車両前後方向に間隔を空けて配置される後方ブラケットと前方ブラケットとを有し、前記後方ブラケットおよび前記前方ブラケットは、それぞれ、前記サイドメンバの車両上方に間隔を空けて配置される上面部と、該上面部の車両前後方向の両端部分から車両下方に延びて前記サイドメンバに接続される前壁部および後壁部と、を有している車体前部構造において、前記後方ブラケットは、前記後壁部が車両下方に向かうに従い車両後方に延びる後方傾斜面を有し、かつ、前記前壁部が鉛直方向に延びる鉛直面を有し、前記後方ブラケットの前記後壁部における前記後方傾斜面は、車両側方視で、前記ストラットタワーパネルと前記フェンダエプロンパネルとに跨るように配置され、前記後方傾斜面の上端が、前記ストラットタワーパネルと前記フェンダエプロンパネルとの接合箇所よりも車両前方側に位置し、かつ、前記後方傾斜面の下端が、前記接合箇所よりも車両後方側に位置する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記のような本発明に係る車体前部構造では、エンジンマウントの後方ブラケットにおける後壁部が後方傾斜面を有し、かつ、前壁部が鉛直面を有しているので、エンジンから後方ブラケットに伝達される荷重のうち、車両前後方向の荷重を後壁部(後方傾斜面)が主に受け持ち、車両上下方向の荷重を前壁部(鉛直面)が主に受け持つようになる。これにより、エンジンからの荷重を後方ブラケットで抑制することができ、エンジンマウントを含めた車体前部の剛性を高めることが可能になる。また、後方ブラケットの後壁部における後方傾斜面の上端(前端)および下端(後端)の間でフェンダエプロンパネルとストラットタワーパネルとが接続されることになるので、後方傾斜面とストラットタワーパネルとフェンダエプロンパネルとで高い剛性が確保された構造を形成することができ、車両前後方向の荷重や振動を効果的に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る構造が適用される車体前部の概略構成を車両左方側の斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1におけるA部を拡大して示す斜視図である。
【
図3】
図2における要部構造を車幅方向内側から見た側面図である。
【
図4】
図3において前方上側ブラケットおよび後方上側ブラケットを取り除いた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1~
図5は、本発明の一実施形態に係る車体前部構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前後方向で車両前方を示し、矢印O方向は車両幅方向で車両外側を示し、矢印U方向は車両上下方向で車両上方を示している。また、実施形態の説明における「左右」は、車両室内から前方を見たときの左右に対応している。
【0012】
図1は、本実施形態に係る構造が適用される車体前部の概略構成を車両左方側の斜め上方から見た斜視図である。
図1に示すように、車体前部1には、車両駆動用のエンジン(図示省略)が搭載されるエンジンルームEが設けられている。エンジンルームEの車両後方にはダッシュパネル2が設けられおり、該ダッシュパネル2によってエンジンルームEと車両室Rとが区画されている。車体前部1の左右には、車両前後方向に延びる一対のサイドメンバ3が設けられている。
【0013】
一対のサイドメンバ3は、各々の前端部にフロントバンパクロスメンバ4が固定されている。フロントバンパクロスメンバ4は、車両の前端部に配置されており、車幅方向に延びている。各サイドメンバ3の後端部は、ダッシュパネル2の前壁部に固定されている。各サイドメンバ3は、車体骨格の一部を形成しており高い剛性を有している。各サイドメンバ3の車幅方向外側には、ストラットタワーパネル5およびフェンダエプロンパネル6が設けられている。
【0014】
ストラットタワーパネル5は、図示しない車輪の懸架装置を収納するストラットタワーにおける車幅方向内側および車両前側の側壁を形成しており、サイドメンバ3と同様に高い剛性を有している。ストラットタワーパネル5の車幅方向内側部5Aの下端はサイドメンバ3に固定されている。サイドメンバ3には、上面3Aの車幅方向外側端から車両上側に突出したフランジ部3Bが形成されており、該フランジ部3Bの車両後側部分にストラットタワーパネル5が接合されている。
【0015】
フェンダエプロンパネル6は、ストラットタワーパネル5の車両前側に配置され、車両前後方向に延びて立設されている。フェンダエプロンパネル6は、車両側方視で略三角形状に形成されている。フェンダエプロンパネル6の下端は、サイドメンバ3のフランジ部3Bにおける車両前後方向の中間部分に接合されている。また、フェンダエプロンパネル6の後端は、ストラットタワーパネル5の車両前側部5Bに接合されている。フェンダエプロンパネル6の車幅方向外側面には後で説明する補強部材8,9が接合されており、ストラットタワーパネル5と同様にフェンダエプロンパネル6も高い剛性を有している。
【0016】
一対のサイドメンバ3のうちの車両右側に配置されているサイドメンバ3には、エンジンルームEに搭載されるエンジンを支持するエンジンマウント7が取り付けられている。以下では、エンジンマウント7およびその周辺の構造について詳しく説明する。なお、車両左側のサイドメンバ3にも、車両右側のサイドメンバ3と同様なエンジンマウントが取り付けられていてもよい。
【0017】
図2は、
図1の一点鎖線で囲んだA部(車両右側のサイドメンバ3に取り付けられているエンジンマウント7の周辺)を拡大して示した斜視図である。また、
図3は、
図2の構造を車幅方向内側から見た側面図である。さらに、
図4は、
図3における後方上側ブラケット12および前方上側ブラケット22を取り除いた状態を示す側面図である。
【0018】
図2~
図4に示すように、本実施形態によるエンジンマウント7は、車両下方側(車体側)で車両前後方向に間隔を空けて配置されている後方ブラケット10および前方ブラケット20と、車両上方側(エンジン側)に配置される上方ブラケット30と、を有している。
【0019】
後方ブラケット10は、後方下側ブラケット(下側部材)11と後方上側ブラケット(上側部材)12とから構成されている。後方下側ブラケット11は、サイドメンバ3に固定されている。後方上側ブラケット12は、後方下側ブラケット11とは別体で設けられており、後方下側ブラケット11よりも高い剛性を有している。具体的には、例えば、後方上側ブラケット12の板厚を後方下側ブラケット11よりも厚くしたり、後方上側ブラケット12の材質を後方下側ブラケット11と相違させたり、後方上側ブラケット12にビードやリブを設けたりするなどして、後方上側ブラケット12の剛性が高められている。
【0020】
後方上側ブラケット12は、後方下側ブラケット11の上部を覆うように配置されて接合されている。後方下側ブラケット11の外周面と後方上側ブラケット12の内周面とは、互いに対応する形状を有し連続している。つまり、後方下側ブラケット11の上部を覆っている後方上側ブラケット12の内周面は、後方下側ブラケット11の外周面に滑らかに接続されている。
【0021】
上記のように後方下側ブラケット11および後方上側ブラケット12の組み合わせからなる後方ブラケット10は、上面部10A、前壁部10B、後壁部10Cおよび側壁部10Dを有している。上面部10Aは、サイドメンバ3の車両上方に間隔を空けて配置されており、車両上方視で略矩形状の天面を有している。本実施形態では、上面部10Aの天面が、後方上側ブラケット12の上端面によって形成されている。
【0022】
後方ブラケット10の前壁部10Bは、後方ブラケット10の上面部10Aの前端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。前壁部10Bは、鉛直方向に延びる鉛直面を有している。具体的に、本実施形態における前壁部10Bは、上面部10Aの前端部分から車両下方に向かうに従い車両前方に延びて屈曲した後に鉛直方向に延びてサイドメンバ3に接続されている。前壁部10Bの上側に位置する傾斜部分では、後方下側ブラケット11と後方上側ブラケット12とが重なり合っている。前壁部10Bの鉛直面は、後方下側ブラケット11の前壁面のうちの後方上側ブラケット12に覆われていない下側部分に対応している(
図2および
図3を参照)。なお、前壁部10Bの鉛直面は、概ね鉛直であればよく、厳密に鉛直である必要はない。
【0023】
後方ブラケット10の前壁部10Bには、下端および車幅方向外側端から車両前方に突出する前側フランジ部10Eが形成されている。前側フランジ部10Eは、サイドメンバ3の上面3Aとフェンダエプロンパネル6の内側面とに接合されている。
【0024】
後方ブラケット10の後壁部10Cは、後方ブラケット10の上面部10Aの後端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。後壁部10Cは、車両下方に向かうに従い車両後方に延びる後方傾斜面を有している。換言すると、後方ブラケット10の後壁部10Cには、上端よりも下端が車両後方側に位置している後方傾斜面が形成されている。つまり、後壁部10Cの後方傾斜面とサイドメンバ3の上面3Aとのなす角度θ1(
図2の破線を参照)が鈍角となっている。本実施形態では、後壁部10Cの後方傾斜面は、後方下側ブラケット11の後壁面(および後方上側ブラケット12の後壁面)により形成されている。前述した前壁部10Bの鉛直面と後壁部10Cの後方傾斜面とを組み合わせると、本実施形態による後方ブラケット10の前壁部10Bおよび後壁部10Cには、車両側方視で非対称な面(鉛直面と後方傾斜面)が形成されていることになる(
図2および
図3を参照)。
【0025】
後方ブラケット10の後壁部10Cには、下端から車両後方に突出する後側フランジ部10Fが形成されている。後側フランジ部10Fは、サイドメンバ3の上面3Aに接合されている。また、後方ブラケット10の後壁部10Cには、車幅方向外側端から車両後方かつ車両上方に向かって延びる延長部10Gが形成されている。延長部10Gの後側下端部分は、後側フランジ部10Fの車幅方向外側端部分と連続している。延長部10Gの中央付近には座面10Hが設けられている。座面10Hは、ストラットタワーパネル5の車幅方向内側部5Aに形成されている図示しないブラケット取付部に接合されている。
【0026】
上記のような後方ブラケット10とサイドメンバ3、ストラットタワーパネル5およびフェンダエプロンパネル6との接合状態において、後壁部10Cの後方傾斜面は、車両側方視で、ストラットタワーパネル5とフェンダエプロンパネル6とに跨るように配置されている。すなわち、車両側方視で、後方ブラケット10の後壁部10Cにおける後方傾斜面の上端(前端)は、ストラットタワーパネル5とフェンダエプロンパネル6との接合箇所よりも車両前方側に位置し、かつ、後方傾斜面の下端(後端)は、前記接合箇所よりも車両後方側に位置している。
【0027】
後方ブラケット10の側壁部10Dは、後方ブラケット10の上面部10Aの車幅方向内側端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。側壁部10Dの前端部分は、前壁部10Bの車幅方向内側端部分と連続しており、側壁部10Dの後端部分は、後壁部10Cの車幅方向内側端部分と連続している。側壁部10Dの下端部分は、サイドメンバ3の上面3Aよりも車両下方に延出しており、当該延出部分が下側フランジ部10Iとなっている。下側フランジ部10Iは、サイドメンバ3の車幅方向内側面3Cに接合されている。
【0028】
また、後方ブラケット10の上面部10Aには、車幅方向外側端から車両上方に突出する上側フランジ部10Jが形成されている。上側フランジ部10Jは、フェンダエプロンパネル6の内側面に接合されている。上側フランジ部10Jにおける車両前後方向の両端部分は、前側フランジ部10Eにおける車幅方向外側の上端部分および延長部10Gにおける前端部分とそれぞれ連続している。
【0029】
前方ブラケット20は、前述した後方ブラケット10と同様に、前方下側ブラケット21と前方上側ブラケット22とから構成されている。前方下側ブラケット21は、サイドメンバ3に固定されている。前方上側ブラケット22は、前方下側ブラケット21とは別体で設けられており、前方下側ブラケット21よりも高い剛性を有している。前方上側ブラケット22は、前方下側ブラケット21の上部を覆うように配置されて接合されている。前方下側ブラケット21の外周面と前方上側ブラケット22の内周面とは、互いに対応する形状を有し連続している。つまり、前方下側ブラケット21の上部を覆っている前方上側ブラケット22の内周面は、前方下側ブラケット21の外周面に滑らかに接続されている。
【0030】
上記のように前方下側ブラケット21および前方上側ブラケット22の組み合わせからなる前方ブラケット20は、上面部20A、前壁部20B、後壁部20Cおよび側壁部20Dを有している。上面部20Aは、サイドメンバ3の車両上方に、後方ブラケット10の上面部10Aと車両前後方向に間隔を空けて配置されており、車両上方視で略矩形状の天面を有している。本実施形態では、上面部20Aの天面が、前方上側ブラケット22の上端面によって形成されている。
【0031】
前方ブラケット20の前壁部20Bは、前方ブラケット20の上面部20Aの前端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。前壁部20Bは、車両下方に向かうに従い車両前方に延びる前方傾斜面を有している。換言すると、前方ブラケット20の前壁部20Bには、上端よりも下端が車両前方側に位置している前方傾斜面が形成されている。つまり、前壁部20Bの前方傾斜面とサイドメンバ3の上面3Aとのなす角度θ2(
図2の破線を参照)が鈍角となっている。本実施形態では、前壁部20Bの前方傾斜面は、前方下側ブラケット21の前壁面(および前方上側ブラケット22の前壁面)により形成されている。
【0032】
前方ブラケット20の前壁部20Bには、下端および車幅方向外側端から車両前方に突出する前側フランジ部20Eが形成されている。前側フランジ部20Eは、サイドメンバ3の上面3Aとフェンダエプロンパネル6の内側面とに接合されている。
【0033】
前方ブラケット20の後壁部20Cは、前方ブラケット20の上面部20Aの後端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。後壁部20Cは、鉛直方向に延びる鉛直面を有している。具体的に、本実施形態における後壁部20Cは、上面部20Aの後端部分から車両下方に向かうに従い車両後方に延びて屈曲した後に鉛直方向に延びてサイドメンバ3に接続されている。後壁部20Cの上側に位置する傾斜部分では、前方下側ブラケット21と前方上側ブラケット22とが重なり合っている。後壁部20Cの鉛直面は、前方下側ブラケット21の後壁面のうちの前方上側ブラケット22に覆われていない下側部分に対応している。なお、後壁部20Cの鉛直面は、概ね鉛直であればよく、厳密に鉛直である必要はない。前述した前壁部20Bの前方傾斜面と後壁部20Cの鉛直面とを組み合わせると、本実施形態による前方ブラケット20の前壁部20Bおよび後壁部20Cには、車両側方視で非対称な面(前方傾斜面と鉛直面)が形成されていることになる(
図2および
図3を参照)。
【0034】
前方ブラケット20の後壁部20Cには、下端および車幅方向外側端から車両後方に突出する後側フランジ部20Fが形成されている。後側フランジ部20Fは、サイドメンバ3の上面3Aとフェンダエプロンパネル6の内側面とに接合されている。
【0035】
前方ブラケット20の側壁部20Dは、前方ブラケット20の上面部20Aの車幅方向内側端部分から車両下方に延びてサイドメンバ3に接続されている。側壁部20Dの前端部分は、前壁部20Bの車幅方向内側端部分と連続しており、側壁部20Dの後端部分は、後壁部20Cの車幅方向内側端部分と連続している。側壁部20Dの下端部分は、サイドメンバ3の上面3Aよりも車両下方に延出しており、当該延出部分が下側フランジ部20Gとなっている。下側フランジ部20Gは、サイドメンバ3の車幅方向内側面3Cに接合されている。
【0036】
また、前方ブラケット20の上面部20Aには、車幅方向外側端から車両上方に突出する上側フランジ部20Hが形成されている。上側フランジ部20Hは、フェンダエプロンパネル6の内側面に接合されている。上側フランジ部20Hにおける車両前後方向の両端部分は、前側フランジ部20Eにおける車幅方向外側の上端部分および後側フランジ部20Fにおける車幅方向外側の上端部分とそれぞれ連続している。
【0037】
上方ブラケット30は、前方ブラケット20の上面部20Aと後方ブラケット10の上面部10Aとを架け渡すように配置されている。上方ブラケット30には、エンジンルームEに搭載されるエンジン(図示省略)が取り付けられる。本実施形態における上方ブラケット30は、上方ブラケット本体31と、該上方ブラケット本体31の前後に配置される上方前側ブラケット32および上方後側ブラケット33とから構成されている。
【0038】
上方ブラケット本体31は、車幅方向内側に開口した略箱型の形状を有している(
図2を参照)。上方ブラケット本体31の上面部には、車両上下方向に貫通した取付孔31Aが形成されている。この取付孔31Aを利用し、図示しないエンジンマウントラバー等を介してエンジンが上方ブラケット本体31に取り付けられる。
【0039】
上方前側ブラケット32は、車両上下方向に延びる立面部32Aと、該立面部32Aの下端から車両前方に延びる平面部32Bとを有し、車両側方視で略L字状に形成されている(
図3および
図4を参照)。上方前側ブラケット32の立面部32Aは、上方ブラケット本体31の前側下部に接合されている。上方前側ブラケット32の平面部32Bは、前方ブラケット20の上面部20Aに接合されている。
【0040】
上方後側ブラケット33は、車両上下方向に延びる立面部33Aと、該立面部33Aの下端から車両後方に延びる平面部33Bとを有し、車両側方視で略L字状に形成されている(
図3および
図4を参照)。上方後側ブラケット33の立面部33Aは、上方ブラケット本体31の後側下部に接合されている。上方後側ブラケット33の平面部33Bは、後方ブラケット10の上面部10Aに接合されている。
【0041】
ここで、エンジンマウント7の後方ブラケット10および前方ブラケット20と、車体(サイドメンバ3、ストラットタワーパネル5およびフェンダエプロンパネル6)との接合状態について詳しく説明する。
図5は、
図3のB-B線断面図である。なお、
図5の黒塗り箇所は、スポット溶接部分を模式的に表している。
【0042】
エンジンマウント7における後方ブラケット10の上部付近では、
図5に示すように、後方下側ブラケット11と後方上側ブラケット12とが2枚重ねで複数箇所スポット溶接されている。後方下側ブラケット11および後方上側ブラケット12の重なり部分には、屈曲部11A,12Aが形成されている。本実施形態における後方下側ブラケット11の屈曲部11Aおよび後方上側ブラケット12の屈曲部12Aは、後方ブラケット10の前壁部10Bの車幅方向外側端(前側フランジ部10Eの車幅方向外側部分の後端)に位置しており、概ね車両上下方向に延びている(
図3および
図4を参照)。
【0043】
後方ブラケット10の前側フランジ部10E(
図5における後方下側ブラケット11の車両前側の端部)は、フェンダエプロンパネル6および該フェンダエプロンパネル6の車幅方向外側に配置されている補強部材8との3枚重ねでスポット溶接されている。また、後方ブラケット10の延長部10G(
図5における後方下側ブラケット11の車両後側の側部)に形成されている座面10Hは、ストラットタワーパネル5および該ストラットタワーパネル5の車幅方向外側に配置されている補強部材8との3枚重ねでスポット溶接されている。なお、補強部材8は、ストラットタワーパネル5とフェンダエプロンパネル6とに跨って設けられている。
【0044】
エンジンマウント7における前方ブラケット20の上部付近では、
図5に示すように、前方下側ブラケット21と前方上側ブラケット22とが2枚重ねで複数箇所スポット溶接されている。前方下側ブラケット21および前方上側ブラケット22の重なり部分には、屈曲部21A,22Aが形成されている。本実施形態における前方下側ブラケット21の屈曲部21Aおよび前方上側ブラケット22の屈曲部22Aは、前方ブラケット20の後壁部20Cの車幅方向外側端(後側フランジ部20Fの車幅方向外側部分の前端)に位置しており、概ね車両上下方向に延びている(
図3および
図4を参照)。
【0045】
前方ブラケット20の前側フランジ部20E(
図5における前方下側ブラケット21の車両前側端部)は、フェンダエプロンパネル6および該フェンダエプロンパネル6の車幅方向外側に配置されている補強部材9との3枚重ねでスポット溶接されている。前方ブラケット20の後側フランジ部20F(
図5における前方下側ブラケット21の車両後側端部)も、フェンダエプロンパネル6および補強部材9との3枚重ねでスポット溶接されている。
【0046】
さらに、後方ブラケット10における後壁部10Cの周辺とサイドメンバ3およびストラットタワーパネル5との接合状態について
図3および
図4を参照しながら説明すると、各図中の×印は、後方ブラケット10とサイドメンバ3との第1接合点W1、および、後方ブラケット10の延長部10Gとストラットタワーパネル5との第2接合点W2を示している。ただし、第1接合点W1については、各図の複雑化を避けるために、後壁部10Cの付近に位置する接合点だけが図示されている。
【0047】
図3および
図4の×印に示すように、本実施形態による後方ブラケット10では、後壁部10Cの後方傾斜面の上部に対して、第2接合点W2が第1接合点W1よりも近くに配置されている。具体的に、第2接合点W2に関して、後方ブラケット10の延長部10Gとストラットタワーパネル5とは、延長部10Gの座面10H内の2箇所で接合されている。これら2箇所の接合点は、後壁部10Cに近接する一方の接合点から、車両後方かつ車両上方に間隔を空けて他方の接合点が配置されている。つまり、後方ブラケット10の延長部10Gにおける座面10H内の2箇所の接合点が斜め上方にずらして設けられている。したがって、本実施形態による後方ブラケット10では、上記座面10H内の2箇所の接合点(第2接合点W2)のうちの後壁部10Cの側に位置する接合点が、後方ブラケット10とサイドメンバ3との複数の接合点(第1接合点W1)のいずれよりも後方傾斜面の上部の近くに配置されている。
【0048】
次に、本実施形態に係る車体前部構造の作用について説明する。
上述したような本実施形態による車体前部1の構造では、エンジンからの任意方向の荷重(振動)がエンジンマウント7の上方ブラケット30を介して後方ブラケット10および前方ブラケット20にそれぞれ伝達される。後方ブラケット10は、後壁部10Cが車両下方に向かうに従い車両後方に延びる後方傾斜面を有し、かつ、前壁部10Bが鉛直方向に延びる鉛直面を有しているので、後壁部10C(後方傾斜面)が、後方ブラケット10に伝達される荷重のうちの車両前後方向の荷重を主に受け持ち、前壁部10B(鉛直面)が、後方ブラケット10に伝達される荷重のうちの車両上下方向の荷重を主に受け持つようになる。
【0049】
仮に、後方ブラケットの前壁部および後壁部の双方が鉛直方向に延びていた場合を想定すると、エンジンから後方ブラケットに伝達される荷重のうちの車両上下方向の荷重に対しては、鉛直方向に延びた前壁部および後壁部が貢献し、当該後方ブラケットの剛性を確保することが可能である。一方、車両前後方向の荷重に対しては後方ブラケットの倒れ変形が発生しやすい状態になる。
【0050】
これに対して本実施形態による後方ブラケット10は、後壁部10Cが後方傾斜面を有し筋交い形状になっており、この後壁部10Cによって車両前後方向の荷重(振動)を抑制(減衰)することができる。このため、上記のような後方ブラケット10の倒れ変形が発生し難くなる。これと同時に、本実施形態による後方ブラケット10は、鉛直面を有する前壁部10Bによって、車両上下方向の荷重を抑制することもできる。したがって、エンジンからの荷重に対する後方ブラケット10の剛性を高めることが可能になる。
【0051】
また、本実施形態による後方ブラケット10では、後壁部10Cの後方傾斜面が、車両側方視で、ストラットタワーパネル5とフェンダエプロンパネル6とに跨るように配置されている。このような配置においては、後方傾斜面の前後でフェンダエプロンパネル6とストラットタワーパネル5とが接続されることになるので、後方傾斜面とストラットタワーパネル5とフェンダエプロンパネル6とで高い剛性が確保された構造を形成することができる。このような高剛性の構造は、特に、車両前後方向の荷重や振動を効果的に抑制することが可能である。
【0052】
さらに、本実施形態による後方ブラケット10では、後壁部10Cの後方傾斜面の上部に対して、第2接合点W2(後方ブラケット10の延長部10Gとストラットタワーパネル5との接合点)が、第1接合点W1(後方ブラケット10とサイドメンバ3との接合点)よりも近くに配置されている。このような配置で後方ブラケット10の延長部10Gがストラットタワーパネル5に接合されていることにより、後方ブラケット10に伝達される荷重がストラットタワーパネル5に効率良く分散されるようになる。加えて、延長部10Gとストラットタワーパネル5とが後方傾斜面の上部により近い位置で接合されていることで、車両前後方向の荷重や振動に対する抑制効果を高めることができる。特に、本実施形態では、延長部10Gの座面10H内における2箇所の接合点が斜め上方にずらして設けられているので、後方ブラケット10に作用する車両前後方向の荷重をより効果的に抑制することが可能である。
【0053】
また、本実施形態による後方ブラケット10は、後方下側ブラケット11(下側部材)と後方上側ブラケット12(上側部材)とからなり、後方下側ブラケット11の外周面と後方上側ブラケット12の内周面とが、互いに対応する形状を有し連続している。これにより、後方下側ブラケット11の外周面が、後方上側ブラケット12の内周面と滑らかに接続されるようになるので、後方ブラケット10に作用する荷重を後方上側ブラケット12から後方下側ブラケット11に効率良く伝達することができる。さらに、後方下側ブラケット11および後方上側ブラケット12の重なり部分には、車両上下方向に延びる屈曲部11A,12Aが形成されているので、車両上下方向の荷重に対する後方ブラケット10の剛性をより高めることができる。加えて、後方上側ブラケット12が後方下側ブラケット11よりも高い剛性を有していることで、後方上側ブラケット12から後方下側ブラケット11への荷重の伝達を一層効率的に行うことが可能になる。
【0054】
また、本実施形態では、エンジンからの任意方向の荷重(振動)が上方ブラケット30を介して伝達される前方ブラケット20についても、前壁部20Bが車両下方に向かうに従い車両前方に延びる前方傾斜面を有し、かつ、後壁部20Cが鉛直方向に延びる鉛直面を有している。つまり、後方ブラケット10の後壁部10Cが後方傾斜面を有し、前方ブラケット20の前壁部20Bが前方傾斜面を有し、後方ブラケット10の前壁部10Bおよび前方ブラケット20の後壁部20Cがそれぞれ鉛直面を有している。このような構造では、後方ブラケット10における後壁部10C(後方傾斜面)と、前方ブラケット20における前壁部20B(前方傾斜面)とが、車両下方へ行くに連れて互いに離れて行く傾斜になっているので、後方傾斜面に加わる荷重はサイドメンバ3の後方側に伝達され、前方傾斜面に加わる荷重はサイドメンバ3の前方側に伝達されるようになる。これにより、エンジンマウント7に作用する車両前後方向の荷重をより一層効果的に抑制することができる。また、車両上下方向の荷重に対しては、後方ブラケット10の前壁部10Bおよび前方ブラケット20の後壁部20Cが貢献するので、車両上下方向の荷重についても効果的に抑制することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、エンジンマウント7が後方ブラケット10と前方ブラケット20と上方ブラケット30とを有する一例を示したが、上方ブラケットを省略して後方ブラケットと前方ブラケットとの組み合わせによりエンジンマウントを構成することも可能である。
【0056】
また、既述の実施形態では、後方ブラケット10の後壁部10Cが後方傾斜面を有し、前方ブラケット20の前壁部20Bが前方傾斜面を有し、後方ブラケット10の前壁部10Bおよび前方ブラケット20の後壁部20Cが鉛直面をそれぞれ有している一例について説明した。しかしながら、少なくとも後方ブラケット10について、後壁部10Cが後方傾斜面を有し、前壁部10Bが鉛直面を有していれば、エンジンマウント7に作用する車両前後方向および車両上下方向の荷重(振動)に対する抑制効果を得ることが可能であり、前方ブラケット20の前壁部20Bおよび後壁部20Cの各構造は任意である。
【0057】
さらに、既述の実施形態では、後方ブラケット10が後方下側ブラケット11と該後方下側ブラケット11とは別体の後方上側ブラケット12とから構成されている一例を示したが、後方下側ブラケット11および後方上側ブラケット12が一体化されたもの、或いは、後方上側ブラケット12が省略されたものであってもよい。これに関しては、前方ブラケット20の前方下側ブラケット21および前方上側ブラケット22についても同様である。
【符号の説明】
【0058】
1…車体前部
2…ダッシュパネル
3…サイドメンバ
4…フロントバンパクロスメンバ
5…ストラットタワーパネル
5A…車幅方向内側部
5B…車両前側部
6…フェンダエプロンパネル
7…エンジンマウント
8,9…補強部材
10…後方ブラケット
10A,20A…上面部
10B,20B…前壁部
10C,20C…後壁部
10D,20D…側壁部
10E,20E…前側フランジ部
10F,20F…後側フランジ部
10G…延長部
10H…座面
10I,20G…下側フランジ部
10J,20H…上側フランジ部
11…後方下側ブラケット(下側部材)
11A,12A,21A,22A…屈曲部
12…後方上側ブラケット(上側部材)
20…前方ブラケット
21…前方下側ブラケット
22…前方上側ブラケット
30…上方ブラケット
31…上方ブラケット本体
32…上方前側ブラケット
33…上方後側ブラケット
E…エンジンルーム
R…車両室
W1…第1接合点
W2…第2接合点