(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】サポートバンド付きボトム衣類
(51)【国際特許分類】
A61F 13/14 20060101AFI20241205BHJP
A61F 5/02 20060101ALI20241205BHJP
A41C 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A61F13/14 R
A61F5/02 K
A41C1/00 G
(21)【出願番号】P 2023079675
(22)【出願日】2023-05-12
【審査請求日】2024-03-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523113054
【氏名又は名称】株式会社ディーライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】小柳 大輔
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-206796(JP,A)
【文献】特開2008-196089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0220106(US,A1)
【文献】特開平09-059808(JP,A)
【文献】特開2023-012782(JP,A)
【文献】国際公開第2019/065708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/14
A61F 5/02
A61F 5/24
A41C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のウエスト部及び少なくとも一部が筒状の身頃部を有するボトム本体部と、
前記ボトム本体部の内側に取り付けられたサポートバンド部と、
を有し、
前記サポートバンド部は、
前記ボトム本体部の前身頃側で前記ボトム本体部の周方向に延びる帯状の前部と、前記ボトム本体部の後身頃側で前記周方向に延びる帯状の後部とを有し、少なくとも周方向に伸縮する素材によって構成され
て、復元力によって使用者の骨盤周りを締め付け可能であり、伸ばすことにより使用者の身体に対する位置を移動可能な筒状の骨盤サポート部と、
前記ボトム本体部の前後方向に延びる帯状であり、少なくとも長手方向に伸縮する素材によって構成された骨盤底筋サポート部と、
を有し、
前記骨盤サポート部の筒軸方向の一方の端部は、
前記ボトム本体部の前記ウエスト部に支持されていて、
前記骨盤底筋サポート
部は、
前記骨盤サポート部の前記使用者の身体に対する上下移動により、骨盤底筋のサポート力を調整可能なように、長手方向の一方の端部が、前記骨盤サポート部の前記前部における筒軸方向の他方の端部に支持されていて
、長手方向の他方の端部
が、前記骨盤サポート部の前記後部における筒軸方向の他方の端部に支持されている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項2】
請求項1に記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記ボトム本体部の内側に、前記サポートバンド部を吊り下げ可能なサポートバンド吊
り下げ部を有し、
前記骨盤サポート部は、
前記サポートバンド吊り下げ部を介して、前記ボトム本体部に支持されている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項3】
請求項2に記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記サポートバンド吊り下げ部は、
前記骨盤サポート部及び前記骨盤底筋サポート部を構成する素材よりもヤング率が小
さい素材によって構成されている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部に、
長手方向に延び、且つ、前記幅方向の両側部よりもヤング率が大きい伸縮補強部が設
けられている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項5】
請求項4に記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記伸縮補強部は、
前記骨盤底筋サポート部における長手方向の中央よりも後側に設けられている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項6】
請求項4に記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記伸縮補強部は、
前記骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部に、該骨盤底筋サポート部の長手方向に延
びるように接続され、前記骨盤底筋サポート部よりも幅の狭い帯状の弾性部材によって構
成されている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一つに記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記骨盤サポート部は、
筒軸方向の一方の端部から筒軸方向の他方の端部に亘って周方向の長さが一定である
、
サポートバンド付きボトム衣類。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一つに記載のサポートバンド付きボトム衣類において、
前記骨盤サポート部は、
前記前部において前記周方向の中央に位置する前側中央部と、
前記後部において前記周方向の中央に位置する後側中央部と、
前記前側中央部と前記後側中央部とを前記周方向に連結する第1連結部及び第2連結
部と、
を有し、
前記骨盤底筋サポート部は、前記前側中央部及び前記後側中央部に対して一体に形成さ
れている、
サポートバンド付きボトム衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズボン及びスカートなどのボトム衣類の内側に、骨盤底筋をサポートするサポートバンドが取り付けられているサポートバンド付きボトム衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
骨盤底筋をサポートするベルトを装着することにより、骨盤底筋の弛みを改善する効果があることが知られている。例えば、特許文献1には、股間を経由する布と、前記布を引き上げて腰ベルト部分に着脱自在に接続する着脱部分と、前記布を引き上げる力を腸骨周囲の摩擦力で支える腰ベルト部分とから構成される骨盤底用サポーターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される前記骨盤底用サポーターを装着する際には、最初に、前記腰ベルト部分を使用者に対して適切な位置に装着し、次に、前記股間を経由する布を使用者に対して適切な位置に配置しつつ前記腰ベルト部分に接続する必要がある。このように、前記骨盤底用サポーターの装着方法は、複雑である。また、前記骨盤底用サポーターは、衣類とは別に装着する必要がある。さらに、前記骨盤底用サポーターは、装着後に外部から力を受けた場合に、使用者の身体から脱落する可能性がある。
【0005】
これに対して、簡易に装着可能で且つ装着した状態を容易に維持可能な骨盤底筋サポートバンドが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、骨盤底筋をサポートするサポートバンドをボトム衣類の着用と同時に簡易に装着可能なサポートバンド付きボトム衣類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るサポートバンド付きボトム衣類は、筒状のウエスト部及び少なくとも一部が筒状の身頃部を有するボトム本体部と、前記ボトム本体部の内側に取り付けられたサポートバンド部と、を有する。前記サポートバンド部は、前記ボトム本体部の前身頃側で前記ボトム本体部の周方向に延びる帯状の前部と、前記ボトム本体部の後身頃側で前記周方向に延びる帯状の後部とを有し、少なくとも周方向に伸縮する素材によって構成された筒状の骨盤サポート部と、前記ボトム本体部の前後方向に延びる帯状であり、少なくとも長手方向に伸縮する素材によって構成された骨盤底筋サポート部と、を有する。前記骨盤サポート部の筒軸方向の一方の端部は、前記ボトム本体部の前記ウエスト部に支持されている。前記骨盤底筋サポート部の長手方向の一方の端部は、前記骨盤サポート部の前記前部における筒軸方向の他方の端部に支持されている。前記骨盤底筋サポート部の長手方向の他方の端部は、前記骨盤サポート部の前記後部における筒軸方向の他方の端部に支持されている(第1の構成)。
【0008】
上述のサポートバンド付きボトム衣類では、骨盤サポート部をボトム本体部の内面に沿って前記ボトム本体部の周方向に延びるように環状に配置し、且つ、骨盤底筋サポート部を、前記骨盤サポート部に対して前記ボトム本体部の裾側で前後方向に延びるように配置可能である。よって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用する際に、サポートバンド部の骨盤サポート部を前記使用者の骨盤回りに装着し、サポートバンド部の骨盤底筋サポート部を前記使用者の股間を経由して前後方向に延びるように装着することができる。前記骨盤サポート部及び前記骨盤底筋サポート部は、伸縮する素材によって構成されているので、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用することによって、前記サポートバンド部を前記使用者の身体に対して適切な位置に容易に位置付けることができる。
【0009】
また、前記骨盤サポート部は、周方向に伸縮する。よって、前記骨盤サポート部は、前記使用者の骨盤回りに容易に固定できる。したがって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用した状態で、前記使用者の身体に対して前記サポートバンド部の装着位置が変わることを抑制できる。また、骨盤サポート部は、使用者のウエストで保持されるウエスト部を有するボトム本体部に支持されている。したがって、前記サポートバンド付きボトム衣類を着用した使用者が動いた場合でも、前記サポートバンド部が、前記使用者から脱落することを抑制できる。
【0010】
よって、骨盤底筋をサポートするサポートバンドをボトム衣類の着用と同時に簡易に装着可能なサポートバンド付きボトム衣類を提供することができる。
【0011】
前記第1の構成のサポートバンド付きボトム衣類は、前記ボトム本体部の内側に、前記サポートバンド部を吊り下げ可能なサポートバンド吊り下げ部を有する。前記骨盤サポート部は、前記サポートバンド吊り下げ部を介して、前記ボトム本体部に支持されている(第2の構成)。
【0012】
サポートバンド吊り下げ部により、使用者の身体に対して骨盤サポート部及び骨盤底筋サポート部が装着される位置を微調整することができる。また、使用者がしゃがんだ場合などにように、ボトム本体部に、所定の方向に引っ張られるような力が加えられた場合でも、前記骨盤サポート部及び前記骨盤底筋サポート部が前記使用者の身体に対して移動することを抑制できる。
【0013】
前記第1の構成のサポートバンド付きボトム衣類において、前記サポートバンド吊り下げ部は、前記骨盤サポート部及び前記骨盤底筋サポート部を構成する素材よりもヤング率が小さい素材によって構成されている(第3の構成)。
【0014】
サポートバンド吊り下げ部は、骨盤サポート部及び骨盤底筋サポート部よりも容易に伸縮する。したがって、ボトム本体部に所定の方向に引っ張られるような力が加えられた場合に、前記骨盤サポート部及び前記骨盤底筋サポート部が使用者の身体に対して移動することをより確実に抑制できる。
【0015】
前記第1から第3のいずれか一つの構成のサポートバンド付きボトム衣類は、前記骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部に、長手方向に延び、且つ、前記幅方向の両側部よりもヤング率が大きい伸縮補強部が設けられている(第4の構成)。
【0016】
これにより、骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部を、前記幅方向の両側部よりも伸びにくくすることができる。よって、前記中央部を、使用者の左右の臀部の間の凹み内にフィットさせることができる。したがって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用した状態で、前記骨盤底筋サポート部を、前記使用者の身体に対して適切な位置に容易に位置付けることができる。
【0017】
前記第4の構成のサポートバンド付きボトム衣類において、前記伸縮補強部は、前記骨盤底筋サポート部における長手方向の中央よりも後側に設けられている(第5の構成)。
【0018】
この構成により、骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部を、使用者の左右の臀部の間の凹み内により確実にフィットさせることができる。
【0019】
前記第4の構成のサポートバンド付きボトム衣類において、前記伸縮補強部は、前記骨盤底筋サポート部の幅方向の中央部に、前記骨盤底筋サポート部の長手方向に延びるように接続され、前記骨盤底筋サポート部よりも幅の狭い帯状の弾性部材によって構成されている(第6の構成)。
【0020】
この構成により、骨盤底筋サポート部に伸縮補強部を容易に形成することができる。
【0021】
前記第1から第3のいずれか一つの構成のサポートバンド付きボトム衣類において、前記骨盤サポート部は、筒軸方向の一方の端部から筒軸方向の他方の端部に亘って周方向の長さが一定である(第7の構成)。
【0022】
これにより、骨盤サポート部によって使用者の骨盤を筒軸方向に亘って均一に締め付けることができる。よって、前記使用者の腰回りに、前記骨盤サポート部をより確実に固定することができる。したがって、サポートバンド付きボトム衣類を着用した使用者に対して、前記サポートバンド部の位置が変わることをより確実に抑制できる。
【0023】
前記第1から第3のいずれか一つの構成のサポートバンド付きボトム衣類において、前記骨盤サポート部は、前記前部において前記周方向の中央に位置する前側中央部と、前記後部において前記周方向の中央に位置する後側中央部と、前記前側中央部と前記後側中央部とを前記周方向に連結する第1連結部及び第2連結部と、を有する。前記骨盤底筋サポート部は、前記前側中央部及び前記後側中央部に対して一体に形成されている(第8の構成)。
【0024】
この構成では、骨盤サポート部の前側中央部及び後側中央部と骨盤底筋サポート部とが一体に形成されている。よって、前記骨盤底筋サポート部の強度を向上することができるとともに、ボトム本体部によって前記骨盤底筋サポート部をより確実に支持することができる。したがって、より確実に使用者の骨盤底筋をサポート可能な構成を実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、サポートバンド付きボトム衣類は、ボトム本体部の内側に取り付けられたサポートバンド部を有する。前記サポートバンド部は、少なくとも周方向に伸縮する素材によって構成された筒状の骨盤サポート部と、少なくとも長手方向に伸縮する素材によって構成された帯状の骨盤底筋サポート部とを有する。前記骨盤サポート部の筒軸方向の一方の端部は、前記ボトム本体部のウエスト部に支持されている。前記骨盤底筋サポート部の長手方向の一方の端部は、前記骨盤サポート部の前部における筒軸方向の他方の端部に支持されている。前記骨盤底筋サポート部の長手方向の他方の端部は、前記骨盤サポート部の後部における筒軸方向の他方の端部に支持されている。骨盤底筋をサポートするサポートバンド部は、ボトム本体部の内側に取り付けられているので、前記ボトム本体部を着用することにより装着可能である。
【0026】
これにより、骨盤底筋をサポートするサポートバンドをボトム衣類の着用と同時に簡易に装着可能なサポートバンド付きボトム衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るサポートバンド付きボトム衣類の概略構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、サポートバンド吊り下げ部及びサポートバンド部の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用した状態を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係るサポートバンド付きボトム衣類におけるサポートバンド吊り下げ部及びサポートバンド部の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、その他の実施形態に係るサポートバンド付きボトム衣類におけるサポートバンド吊り下げ部及びサポートバンド部の概略構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
なお、本明細書で使用する各図において、各構成部材の配置等は、本発明のサポートバンド付きボトム衣類1における各構成部材の相互関係を説明するために模式的に表したものであって、実際の寸法比率等とは、異なっている。
【0030】
以下の説明では、ボトム本体部2の後身頃に対して前身頃が位置する方向を前方とする。また、ボトム本体部2の裾2bに対して穿き口2aが位置する方向を上方とする。また、ボトム本体部2を着用した使用者から見て右の方向を右方とし前記使用者から見て左の方向を左方とする。
【0031】
(実施形態1)
図1から
図3を参照して、実施形態に係るサポートバンド付きボトム衣類1について説明する。
図1は、サポートバンド付きボトム衣類1の概略構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、サポートバンド付きボトム衣類1は、ボトム本体部2と、サポートバンド吊り下げ部3と、サポートバンド部4とを有する。
【0032】
ボトム本体部2は、人が下半身に着用する衣類である。ボトム本体部2は、例えば、スカート及びズボンなどである。本実施形態では、ボトム本体部2がズボンである場合を一例として説明する。
図1は、ボトム本体部2を前から見た図である。
図1に示すように、ボトム本体部2は、ウエスト部21と、身頃部22とを有する。
【0033】
ウエスト部21は、筒状である。ウエスト部21の上端は、穿き口2aである。ウエスト部21は、使用者がボトム本体部2を着用した状態で、使用者のウエスト周辺に位置付けられる。
【0034】
身頃部22は、ウエスト部21と裾2bとの間に位置する部分である。身頃部22は、ボトム本体部2を着用した使用者の胴回り及び左右の足を覆う。身頃部22のうちウエスト部21側は、筒状である。以下の説明では、ボトム本体部2のウエスト部21の軸方向を、ボトム本体部2の軸方向とし、ウエスト部21の周方向を、ボトム本体部2の周方向とする。
【0035】
サポートバンド吊り下げ部3及びサポートバンド部4は、ボトム本体部2の内側に配置されている。本実施形態では、サポートバンド吊り下げ部3は、ボトム本体部2の内面における穿き口2a側に接続されている。サポートバンド部4は、サポートバンド吊り下げ部3に接続されている。サポートバンド部4は、ボトム本体部2には、直接、接続されていない。
【0036】
よって、ボトム本体部2の穿き口2aを地面よりも上方に持ち上げた場合、サポートバンド部4は、サポートバンド吊り下げ部3によってボトム本体部2の内側に吊り下げられる。なお、サポートバンド部4は、例えば、ボトム本体部2の穿き口2a側を下方に向けた場合は、ボトム本体部2の外側に露出する。また、ボトム本体部2を平面に置いた場合は、吊り下げられない。
【0037】
図2は、サポートバンド吊り下げ部3及びサポートバンド部4の概略構成を示す斜視図である。
図2は、サポートバンド吊り下げ部3がサポートバンド部4を吊り下げている状態を示す。以下のサポートバンド吊り下げ部3及びサポートバンド部4に関する説明では、
図2の姿勢を基準とする。
【0038】
本実施形態では、
図2に示すように、サポートバンド吊り下げ部3は、環状である。サポートバンド吊り下げ部3は、ボトム本体部2の周方向に延びている。サポートバンド吊り下げ部3の一方の端部3aは、例えば、ボトム本体部2の内面におけるウエスト部21と身頃部22との境界部分に接続されている。サポートバンド吊り下げ部3の他方の端部3bには、骨盤サポート部41の筒軸方向の一方の端部4aが接続されている。
【0039】
なお、
図2に示すサポートバンド吊り下げ部3の構成は、一例である。サポートバンド吊り下げ部は、ボトム本体部の内側にサポートバンド部を吊り下げることができる構成を有していればよい。例えば、サポートバンド吊り下げ部は、ボトム本体部の周方向に延びる複数の部材で構成されていてもよい。サポートバンド吊り下げ部は、サポートバンド部を吊り下げ可能な複数の紐状の部材であってもよい。
【0040】
本実施形態では、サポートバンド吊り下げ部3は、周方向及び軸方向に伸縮する素材によって構成されている。サポートバンド吊り下げ部3を構成する素材のヤング率は、骨盤サポート部41及び骨盤底筋サポート部42を構成する素材のヤング率よりも小さい。
【0041】
なお、サポートバンド吊り下げ部は、周方向または軸方向の一方に伸縮する素材によって構成されていてもよい。サポートバンド吊り下げ部は、軸方向に対して傾斜する方向に伸縮する素材によって構成されていてもよい。サポートバンド吊り下げ部は、伸縮しない素材によって構成されていてもよい。
【0042】
図2に示すように、サポートバンド部4は、骨盤サポート部41と、骨盤底筋サポート部42とを有する。
【0043】
骨盤サポート部41は、筒状である。骨盤サポート部41は、筒軸方向の一方の端部4aがサポートバンド吊り下げ部3に接続されている。上述したように、骨盤サポート部41は、ボトム本体部2には、直接接続されていない。骨盤サポート部41は、サポートバンド吊り下げ部3を介して、ボトム本体部2に支持されている。
【0044】
骨盤サポート部41は、前部411と、後部412とを含む。前部411は、ボトム本体部2の前身頃側でボトム本体部2の周方向に延びる帯状である。後部412は、ボトム本体部2の後身頃側でボトム本体部2の周方向に延びる帯状である。
図2に、前部411と後部412との境界Cを、一点鎖線によって示す。
【0045】
骨盤サポート部41は、少なくとも周方向に伸縮する素材によって構成されている。本実施形態では、骨盤サポート部41を構成する素材の前記周方向のヤング率は、サポートバンド吊り下げ部3を構成する素材のヤング率よりも大きい。
【0046】
骨盤サポート部41は、複数の部材が接続されて構成されていてもよいし、1つの部材によって構成されていてもよい。
【0047】
本実施形態では、骨盤サポート部41は、筒軸方向の一方の端部4aから筒軸方向の他方の端部4bに亘って周方向の長さが一定である。骨盤サポート部41の周方向の長さは、ボトム本体部2を着用する使用者の標準的な骨盤回りよりも短い。
【0048】
骨盤底筋サポート部42は、帯状である。骨盤底筋サポート部42の長手方向の一方の端部は、骨盤サポート部41の前部411における筒軸方向の他方の端部4bのうち、前記周方向における中央部分4cに支持されている。骨盤底筋サポート部42の長手方向の他方の端部は、骨盤サポート部41の後部412における筒軸方向の他方の端部4bのうち、前記周方向における中央部分4dに支持されている。骨盤底筋サポート部42は、ボトム本体部2には、直接接続されていない。骨盤底筋サポート部42は、サポートバンド吊り下げ部3及び骨盤サポート部41を介して、ボトム本体部2に支持されている。
【0049】
骨盤底筋サポート部42は、少なくとも長手方向に伸縮する素材によって構成されている。骨盤底筋サポート部42を構成する素材の前記長手方向のヤング率は、サポートバンド吊り下げ部3を構成する素材のヤング率よりも大きい。
【0050】
骨盤底筋サポート部42は、複数の部材が接続されて構成されていてもよいし、1つの部材によって構成されていてもよい。また、骨盤底筋サポート部42と、骨盤サポート部41とは、別体であってもよいし、一体であってもよい。
【0051】
図3は、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用した状態を模式的に示す図である。
図3に示すように、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用した状態で、骨盤サポート部41は、使用者の骨盤回りに位置する。骨盤底筋サポート部42は、使用者の足の間を前後方向に延びるように位置する。
【0052】
したがって、使用者は、ボトム本体部2を着用すると同時に、骨盤サポート部41を骨盤回りに装着し、且つ、骨盤底筋サポート部42を、股間を経由して前後方向に延びるように装着することができる。
【0053】
上述したように、骨盤サポート部41は、伸縮する素材によって構成されている。したがって、使用者は、骨盤サポート部41の周方向の長さを、前記使用者の骨盤回りよりも長くなるように伸ばしながら、骨盤サポート部41を装着することができる。
【0054】
骨盤サポート部41の周方向の長さは、ボトム本体部2を着用する使用者の標準的な骨盤回りよりも短い。したがって、使用者が骨盤サポート部41を装着した状態で、骨盤サポート部41は、伸びている。よって、使用者が骨盤サポート部41を装着した状態で、骨盤サポート部41は、復元力によって使用者の骨盤回りを締め付けている。これにより、骨盤サポート部41を、使用者の骨盤回りに、より確実に装着することができる。
【0055】
また、骨盤サポート部41は、伸縮するので、伸ばすことにより使用者の身体に対する位置を移動させることができる。これにより、骨盤底筋サポート部42による使用者の骨盤底筋のサポート力を調整することができる。
【0056】
例えば、骨盤サポート部41をボトム本体部2の上方に移動させることにより、骨盤底筋サポート部42による使用者の骨盤底筋のサポート力を大きくすることができる。
【0057】
また、骨盤サポート部41を吊り下げているサポートバンド吊り下げ部3は、骨盤サポート部41よりもヤング率が小さい素材によって構成されている。よって、サポートバンド吊り下げ部3は、ボトム本体部2の上下方向に、容易に伸縮することができる。したがって、骨盤サポート部41は、ボトム本体部2の下方にも移動可能である。これにより、骨盤底筋サポート部42による使用者の骨盤底筋のサポート力を小さくすることができる。
【0058】
また、サポートバンド部4は、サポートバンド吊り下げ部3を介して、ボトム本体部2に支持されている。したがって、サポートバンド付きボトム衣類1を着用した使用者が動いた場合でも、サポートバンド部4が、使用者の身体から脱落することを抑制できる。また、例えば、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用した状態でしゃがんだ場合などのように、ボトム本体部2に、所定の方向に引っ張られるような力が加えられた場合でも、使用者の身体に対する骨盤サポート部41及び骨盤底筋サポート部42の位置が大きく変わることを抑制できる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係るサポートバンド付きボトム衣類1は、筒状のウエスト部21及び少なくとも一部が筒状の身頃部22を有するボトム本体部2と、ボトム本体部2の内側に取り付けられたサポートバンド部4と、を有する。サポートバンド部4は、骨盤サポート部41と、骨盤底筋サポート部42とを有する。骨盤サポート部41は、ボトム本体部2の前身頃側でボトム本体部2の周方向に延びる帯状の前部411と、ボトム本体部2の後身頃側で前記周方向に延びる帯状の後部412とを有し、少なくとも周方向に伸縮する素材によって構成された筒状である。骨盤底筋サポート部42は、ボトム本体部2の前後方向に延びる帯状であり、少なくとも長手方向に伸縮する素材によって構成されている。骨盤サポート部41の筒軸方向の一方の端部4aは、ボトム本体部2のウエスト部21に支持されている。骨盤底筋サポート部42の長手方向の一方の端部は、骨盤サポート部41の前部411における筒軸方向の他方の端部4bに支持されている。骨盤底筋サポート部42の長手方向の他方の端部は、骨盤サポート部41の後部412における筒軸方向の他方の端部4bに支持されている。
【0060】
上述の構成を有するサポートバンド付きボトム衣類1では、骨盤サポート部41をボトム本体部2の内面に沿ってボトム本体部2の周方向に延びるように環状に配置し、且つ、骨盤底筋サポート部42を、骨盤サポート部41に対してボトム本体部2の裾2b側で前後方向に延びるように配置可能である。よって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用する際に、サポートバンド部4の骨盤サポート部41を使用者の骨盤回りに装着し、サポートバンド部4の骨盤底筋サポート部42を前記使用者の股間を経由して前後方向に延びるように装着することができる。骨盤サポート部41及び骨盤底筋サポート部42は、伸縮する素材によって構成されている。よって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用することによって、サポートバンド部4を前記使用者の身体に対して適切な位置に容易に位置付けることができる。
【0061】
また、骨盤サポート部41は、周方向に伸縮する。よって、骨盤サポート部41は、前記使用者の骨盤回りに容易に固定できる。したがって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類1を着用した状態で、前記使用者の身体に対してサポートバンド部4が装着された位置が変わることを抑制できる。また、骨盤サポート部41は、使用者のウエストで保持されるウエスト部21を有するボトム本体部2に支持されている。したがって、サポートバンド付きボトム衣類1を着用した使用者が動いた場合でも、サポートバンド部4が前記使用者の身体から脱落することを抑制できる。
【0062】
よって、骨盤底筋をサポートするサポートバンドをボトム衣類の着用と同時に簡易に装着可能なサポートバンド付きボトム衣類1を提供することができる。
【0063】
(実施形態2)
次に、
図4を参照して、実施形態2に係るサポートバンド付きボトム衣類について説明する。本実施形態では、サポートバンド付きボトム衣類のサポートバンド吊り下げ部103及びサポートバンド部104の構成が、実施形態1に係るサポートバンド付きボトム衣類1のサポートバンド吊り下げ部3及びサポートバンド部4とは、異なる。以下では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略し、実施形態1の構成とは異なる構成について説明する。
【0064】
図4は、本実施形態に係るサポートバンド付きボトム衣類におけるサポートバンド吊り下げ部103及びサポートバンド部104の概略構成を示す斜視図である。本実施形態でも、サポートバンド吊り下げ部103及びサポートバンド部104は、実施形態1と同様に、ボトム本体部2の内側に取り付けられている。本実施形態では、サポートバンド吊り下げ部103及びサポートバンド部104は、複数の布が縫合されることにより形成されている。
【0065】
図4に示すように、サポートバンド吊り下げ部103は、帯状の布の長手方向の一方の端部と他方の端部とが縫合部Aで縫合されることにより、環状に形成されている。サポートバンド吊り下げ部103は、軸方向の一方の端部3aが、ボトム本体部2の内面に縫合されている。サポートバンド吊り下げ部103とボトム本体部2との縫合部分の図示は省略する。
【0066】
サポートバンド吊り下げ部103は、サポートバンド部104を構成する布よりもヤング率が小さい布によって構成されている。サポートバンド吊り下げ部103は、例えば、メッシュ状の布によって構成されている。
【0067】
図4に示すように、サポートバンド部104は、骨盤サポート部141と、骨盤底筋サポート部142とを有する。
【0068】
本実施形態では、骨盤サポート部141は、前側中央部141aと、後側中央部141bと、第1連結部141cと、第2連結部141dとを有する。前側中央部141a、第1連結部141c、後側中央部141b及び第2連結部141dは、ボトム本体部2の周方向に並んでいる。
【0069】
前側中央部141aは、ボトム本体部2の前身頃側における左右方向の中央に位置する。後側中央部141bは、ボトム本体部2の後身頃側における左右方向の中央に位置する。
【0070】
第1連結部141cは、前側中央部141a及び後側中央部141bに対して右側に位置するとともに、前側中央部141aと後側中央部141bとの間に位置する。第1連結部141cは、前側中央部141aと後側中央部141bとを周方向に連結している。
【0071】
第2連結部141dは、前側中央部141a及び後側中央部141bに対して左側に位置するとともに、前側中央部141aと後側中央部141bとの間に位置する。第2連結部141dは、前側中央部141aと後側中央部141bとを周方向に連結している。
【0072】
本実施形態では、骨盤底筋サポート部142は、骨盤サポート部141の前側中央部141a及び後側中央部141bと一体に形成されている。
【0073】
具体的には、本実施形態では、サポートバンド部104は、第1布151、第2布152及び第3布153が縫合されることにより構成されている。
【0074】
第1布151は、ボトム本体部2の前後方向に延びている。第1布151は、少なくとも長手方向に伸縮する。第1布151の長手方向の一方の端部は、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bのうち、前側の左右方向の中央部分3cに縫合されている。第1布151の長手方向の他方の端部は、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bのうち、後側の左右方向の中央部分3dに縫合されている。
【0075】
第1布151は、第1布前部151aと、第1布後部151bと、第1布中間前部151cと、第1布中間後部151dとを有する。
図4に、第1布前部151aと第1布中間前部151cとの境界B1、第1布中間前部151cと第1布中間後部151dとの境界B2、及び、第1布中間後部151dと第1布後部151bとの境界B3を、それぞれ一点鎖線によって示す。
【0076】
第1布前部151aは、ボトム本体部2の前身頃側の内面に沿って上下方向に延びている。第1布前部151aは、骨盤サポート部141の前側中央部141aを構成する。第1布後部151bは、ボトム本体部2の後身頃側の内面に沿って上下方向に延びている。第1布後部151bは、骨盤サポート部141の後側中央部141bを構成する。
【0077】
第1布中間前部151cは、第1布前部151aと第1布後部151bとの間に位置し、且つ、ボトム本体部2の前身頃側で前後方向に延びている。第1布中間後部151dは、第1布中間前部151cと第1布後部151bとの間に位置し、且つ、ボトム本体部2の後身頃側で前後方向に延びている。第1布中間前部151c及び第1布中間後部151dは、骨盤底筋サポート部142を構成する。
【0078】
第2布152は、ボトム本体部2の右側の内面に沿ってボトム本体部2の周方向に延びている。第2布152は、少なくとも長手方向に伸縮する。第2布152の長手方向の前側の端部は、第1布151の第1布前部151aに縫合されている。第2布152の長手方向の後側の端部は、第1布151の第1布後部151bに縫合されている。第2布152の短手方向の一方の端部4aは、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bに縫合されている。第2布152は、骨盤サポート部141の第1連結部141cを構成する。
【0079】
第3布153は、ボトム本体部2の左側の内面に沿ってボトム本体部2の周方向に延びている。第3布153は、少なくとも長手方向に伸縮する。第3布153の長手方向の前側の端部は、第1布151の第1布前部151aに縫合されている。第3布153の長手方向の後側の端部は、第1布151の第1布後部151bに縫合されている。第3布153の短手方向の一方の端部4aは、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bに縫合されている。第3布153は、骨盤サポート部141の第2連結部141dを構成する。
【0080】
上述の構成を有するサポートバンド部104では、骨盤底筋サポート部142を構成する第1布中間前部151c及び第1布中間後部151dは、骨盤サポート部141の第1布前部151a及び第1布後部151bと一体である。第1布前部151a及び第1布後部151bは、サポートバンド吊り下げ部103に縫合されている。サポートバンド吊り下げ部103は、ボトム本体部2に縫合されている。これにより、骨盤底筋サポート部142の強度を向上することができるとともに、ボトム本体部2によって骨盤底筋サポート部142をより確実に支持することができる。したがって、より確実に使用者の骨盤底筋をサポート可能な構成を実現できる。
【0081】
本実施形態では、骨盤底筋サポート部142には、長手方向の中央よりも後側における幅方向の中央部に、長手方向に延び、且つ、前記幅方向の両側部よりもヤング率が大きい伸縮補強部144が設けられている。
【0082】
これにより、骨盤底筋サポート部142の幅方向の中央部を、前記幅方向の両側部よりも伸びにくくすることができる。よって、前記幅方向の中央部を、使用者の左右の臀部の間の凹み内にフィットさせることができる。したがって、使用者がサポートバンド付きボトム衣類を着用した状態で、骨盤底筋サポート部142を、前記使用者の身体に対して適切な位置に容易に位置付けることができる。
【0083】
本実施形態では、伸縮補強部144は、第1布151において、境界B2よりも後側における幅方向の中央部に、弾性部材154を縫合することにより構成されている。弾性部材154は、第1布151の長手方向に延びる帯状である。弾性部材154は、第1布151よりも幅が狭い。
【0084】
第1布151のうち、弾性部材154が縫合された部分は、縫合されていない部分よりも、長手方向に伸びにくくなる。よって、この構成により、第1布151のうち、境界B2よりも後側における中央部を、使用者の左右の臀部の間の窪み内にフィットさせることができる。
【0085】
なお、伸縮補強部は、例えば、第1布の幅方向の中央部を、幅方向の両側部よりもヤング率が大きくなるように編むことにより、形成されてもよい。これにより、前記中央部を伸びにくくすることができる。なお、本実施形態のように、第1布151に弾性部材154を縫合することによって、伸縮補強部144を構成することにより、骨盤底筋サポート部142に伸縮補強部144を容易に形成することができる。
【0086】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0087】
前記各実施形態では、サポートバンド付きボトム衣類1は、サポートバンド吊り下げ部3,103を有し、サポートバンド部4,104は、サポートバンド吊り下げ部3,103を介して、ボトム本体部2に支持されている。しかしながら、サポートバンド付きボトム衣類は、サポートバンド吊り下げ部を有さなくてもよい。この場合、サポートバンド部は、ボトム本体部に直接接続されていてもよい。サポートバンド部は、他の部材を介してボトム本体部2に支持されていてもよい。
【0088】
前記各実施形態では、サポートバンド吊り下げ部3,103を構成する素材のヤング率は、骨盤サポート部41,141及び骨盤底筋サポート部42,142を構成する素材のヤング率よりも小さい。しかしながら、サポートバンド吊り下げ部を構成する素材のヤング率は、骨盤サポート部及び骨盤底筋サポート部を構成する素材のヤング率と同じ、または、大きくてもよい。
【0089】
前記各実施形態では、骨盤サポート部41,141は、筒軸方向の一方の端部4aから筒軸方向の他方の端部4bに亘って周方向の長さが一定である。しかしながら、骨盤サポート部は、筒軸方向の一方の端部と筒軸方向の他方の端部との間に、周方向の長さが異なる部分を有してもよい。
【0090】
前記実施形態1では、骨盤底筋サポート部42の長手方向の一方の端部は、骨盤サポート部41の前部411における筒軸方向の他方の端部4bのうち、前記周方向における中央部分4cに支持されている。骨盤底筋サポート部42の長手方向の他方の端部は、骨盤サポート部41の後部412における筒軸方向の他方の端部4bのうち、前記周方向における中央部分4dに支持されている。しかしながら、骨盤底筋サポート部の長手方向の一方の端部は、骨盤サポート部の前部の下端部のうち、前記周方向における中央部分以外の部分に支持されていてもよい。骨盤底筋サポート部の長手方向の他方の端部は、骨盤サポート部の後部の下端部のうち、前記周方向における中央部分以外の部分に支持されていてもよい。
【0091】
前記実施形態2では、第1布151の長手方向の一方の端部は、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bのうち、前側の左右方向の中央部分3cに縫合されている。第1布151の長手方向の他方の端部は、サポートバンド吊り下げ部103の軸方向の他方の端部3bのうち、後側の左右方向の中央部分3dに縫合されている。しかしながら、第1布の長手方向の一方の端部は、前記前側の左右方向の中央部分以外の部分に縫合されてもよい。第1布の長手方向の他方の端部は、前記後側の左右方向の中央部分以外の部分に縫合されてもよい。例えば、第1布の長手方向の一方の端部は、ボトム本体部の前身頃に縫合されていてもよい。第1布の長手方向の他方の端部は、ボトム本体部の後身頃に縫合されていてもよい。
【0092】
前記実施形態2では、サポートバンド部104には、伸縮補強部144が設けられている。しかしながら、サポートバンド部には、伸縮補強部が設けられていなくてもよい。
【0093】
前記実施形態2では、伸縮補強部144は、骨盤底筋サポート部142の長手方向の中央よりも後側に延びている。しかしながら、伸縮補強部は、前記長手方向の中央よりも前側にも延びていてもよい。伸縮補強部は、前記長手方向の中央よりも後方から後側に延びていてもよい。
【0094】
前記実施形態2において、
図4は、サポートバンド部104を構成する素材の配置の一例を示す。サポートバンド部204を構成する素材は、例えば
図5に示すように配置されていてもよい。
図5は、サポートバンド部204を前から見た平面図である。
【0095】
図5に示す一例では、サポートバンド部204の骨盤サポート部241は、第1布251によって構成されている。第1布251は、ボトム本体部2の内面に沿ってボトム本体部2の軸方向に延びる筒状である。第1布251は、ボトム本体部2の前身頃側でボトム本体部2の周方向に延びる帯状の前部と、ボトム本体部2の後身頃側でボトム本体部2の周方向に延びる帯状の後部と、を有する。
【0096】
サポートバンド部204の骨盤底筋サポート部242は、第2布252によって構成されている。第2布252は、ボトム本体部の前後方向に延びる帯状である。第2布252の長手方向の一方の端部は、第1布251の前記前部における筒軸方向の端部に縫合されている。第2布252の長手方向の他方の端部は、第1布251の前記後部における筒軸方向の端部に縫合されている。
【0097】
このような構成によっても、骨盤底筋をサポートするサポートバンドをボトム衣類の着用と同時に簡易に装着可能なサポートバンド付きボトム衣類を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、ボトム衣類の内側に、サポートバンドが取り付けられているサポートバンド付きのボトム衣類に利用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 サポートバンド付きボトム衣類
2 ボトム本体部
2a 穿き口
2b 裾
3、103 サポートバンド吊り下げ部
3a 一方の端部
3b 他方の端部
3c、3d 中央部分
4、104、204 サポートバンド部
4a 一方の端部
4b 他方の端部
4c、4d 中央部分
21 ウエスト部
22 身頃部
41、141、241 骨盤サポート部
141a 前側中央部
141b 後側中央部
141c 第1連結部
141d 第2連結部
42、142、242 骨盤底筋サポート部
144 伸縮補強部
151、251 第1布
151a 第1布前部
151b 第1布後部
151c 第1布中間前部
151d 第1布中間後部
152、252 第2布
153 第3布
154 弾性部材
411 前部
412 後部