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特許7598571セル製造機器及びその方法、電池と電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】セル製造機器及びその方法、電池と電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0587 20100101AFI20241205BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241205BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20241205BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20241205BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20241205BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M10/04 W
H01M50/403 C
H01M50/449
H01M50/46
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022553009
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2022082761
(87)【国際公開番号】W WO2022252774
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】202110610984.5
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522021826
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲時▼代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.666 Shihou Avenue, Kunlun Street, Liyang City, Changzhou, Jiangsu 213300, China
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滕国鵬
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-165268(JP,A)
【文献】国際公開第2020/136834(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/077499(WO,A1)
【文献】特開平10-228900(JP,A)
【文献】特開2016-051538(JP,A)
【文献】中国実用新案第206301890(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110364769(CN,A)
【文献】特開2010-190979(JP,A)
【文献】特開2016-169075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0587
H01M 50/449
H01M 50/46
H01M 50/403
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板とセパレータとを含むセルを製造するためのセル製造機器であって、
前記極板と前記セパレータとを巻回して前記セルを形成するための巻回機構と、
前記極板と前記セパレータとを巻回する前に、フィルム片を前記極板又は前記セパレータの所定の位置に貼り合わせることによって、前記極板又は前記セパレータ上に補強膜層を形成するためのフィルム片貼り合わせ機構と、
前記フィルム片貼り合わせ機構と前記巻回機構との間に設けられた送りユニットと、
を含み、
前記送りユニットは、前記フィルム片貼り合わせ機構が所定の長さの前記極板又は前記セパレータの輸送に基づいて前記所定の位置を確定できるように、所定の長さの前記極板又は前記セパレータを輸送するためのものであり、
前記送りユニットは、複数の送りローラを含み、複数の前記送りローラは、間隔をあけて設けられることによって、複数の前記送りローラの間に所定の長さの前記極板又は前記セパレータを輸送し、
複数の前記送りローラのうちの少なくとも1つの前記送りローラの位置が調整可能であることによって、前記送りユニットにより輸送された前記極板又は前記セパレータの長さを調整し、
前記セル製造機器は、検出ユニットと、制御ユニットと、をさらに含み、
前記検出ユニットは、前記極板および前記セパレータの厚さを検出し、かつ前記極板および前記セパレータの厚さを前記制御ユニットに輸送するためのものであり、
前記制御ユニットは、前記極板および前記セパレータの厚さの差異に基づいて前記送りローラの位置を調整することで、前記送りユニットにより輸送された前記極板又は前記セパレータの長さを調整する、セル製造機器。
【請求項2】
前記検出ユニットは、センサを含み、前記センサは、前記送りユニットに接続され、複数の前記送りローラの位置を検出するとともに、検出結果を前記制御ユニットに伝送し、前記制御ユニットは、検出結果に基づいて、前記送りユニットにより輸送された前記極板又は前記セパレータの長さを調整する、請求項1に記載のセル製造機器。
【請求項3】
前記フィルム片貼り合わせ機構は、
前記フィルム片を搬送するためのフィルム片繰り出しユニットと、
前記フィルム片繰り出しユニットによる所定の長さの前記フィルム片の搬送時に、前記フィルム片を切断するための切断ユニットと、
前記切断ユニットによりカットされた前記フィルム片を前記極板又は前記セパレータの前記所定の位置に貼り合わせる貼り合わせユニットと、を含む、請求項1又は2に記載のセル製造機器。
【請求項4】
前記貼り合わせユニットは、
カットされた前記フィルム片を吸着するためのフィルム片吸着機構と、
吸着された前記フィルム片を前記極板又は前記セパレータの前記所定の位置に圧着する圧着機構と、を含む、請求項3に記載のセル製造機器。
【請求項5】
前記圧着機構には加熱装置が設けられた、請求項4に記載のセル製造機器。
【請求項6】
前記圧着機構は、押さえローラ又は押さえ板である、請求項5に記載のセル製造機器。
【請求項7】
前記セル製造機器は、極板繰り出しユニットと、セパレータ繰り出しユニットと、極板輸送ユニットと、セパレータ輸送ユニットとをさらに含み、前記極板繰り出しユニットは、前記極板を前記極板輸送ユニットに搬出するためのものであり、前記セパレータ繰り出しユニットは、前記セパレータを前記セパレータ輸送ユニットに搬出するためのものであり、前記極板輸送ユニットと前記セパレータ輸送ユニットとは、それぞれ、前記極板と前記セパレータとを前記巻回機構に伝送するためのものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のセル製造機器。
【請求項8】
前記所定の位置は、前記極板又は前記セパレータの巻回時に折れが生じる位置である、請求項1~7のいずれか1項に記載のセル製造機器。
【請求項9】
極板とセパレータとを含むセルの製造方法であって、
前記極板および前記セパレータの厚さを検出するとともに、前記極板および前記セパレータの厚さの差異に基づいて前記極板又は前記セパレータの搬送距離を調整することで、所定の長さの前記極板又は前記セパレータを輸送することと、
所定の長さの前記極板と前記セパレータとの輸送を一回完了するごとに、フィルム片を前記極板又は前記セパレータの所定の位置に貼り合わせ、前記極板又は前記セパレータ上に補強膜層を形成することと、
前記極板と前記セパレータとを巻回して前記セルを形成することと、
を含む、セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年06月01日に提出された「セル製造機器及びその方法、電池と電力消費装置」である中国特許出願202110610984.5の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電池技術分野に関し、特にセル製造機器及びその方法、電池と電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電池を生産する過程において、巻回機器を使用して極板とセパレータとをセルとして巻回する必要がある。従来技術において、巻回機器がセルを巻回し終わった後、さらにセル上にフィルム片を貼り合わせることは、セルの内部構造に対して極板又はセパレータの力学的性能を補強することができず、そして、工程が比較的に多く、セルの巻回効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、セルを製造する過程において、極板とセパレータとを搬送するとともに、フィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に貼り合わせ、極板又はセパレータの力学的性能を補強し、工程を減少させ、セルの巻回効率を向上させることができるセル製造機器及びその方法、電池と電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1の態様は、極板とセパレータとを含むセルを製造するためのセル製造機器を提供し、セル製造機器は、極板とセパレータとを巻回してセルを形成するための巻回機構と、前記極板と前記セパレータとを巻回する前に、フィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に貼り合わせることによって、極板又はセパレータ上に補強膜層を形成するためのフィルム片貼り合わせ機構とを含む。
【0006】
極板又はセパレータの所定の位置にフィルム片を貼り合わせ、補強膜層を形成することは、極板又はセパレータの力学的性能を向上させる。極板又はセパレータを輸送する過程において、極板又はセパレータに対してフィルム片の貼り合わせ操作を行うことは、セルの巻回効率を向上させる。
【0007】
1つの可能な設計において、セル製造機器は、フィルム片貼り合わせ機構と巻回機構との間に設けられた送りユニットをさらに含み、送りユニットは、フィルム片貼り合わせ機構が所定の長さの極板又はセパレータの輸送に基づいて所定の位置を確定できるように、所定の長さの極板又はセパレータを輸送するためのものである。
【0008】
送りユニットを介して所定の長さの極板又はセパレータを輸送することによって、所定の長さに基づいてフィルム片を貼り合わせる所定の位置を確定し、極板又はセパレータ上のフィルム片貼り合わせ位置を正確に制御することができる。
【0009】
1つの可能な設計において、送りユニットは複数の送りローラを含み、複数の送りローラは、間隔をあけて設けられることによって、複数の送りローラの間が所定の長さの極板又はセパレータを輸送することができる。
【0010】
間隔をあけて設けられた複数の送りローラを介して、所定の長さのセパレータを輸送することができ、セパレータ上のフィルム片貼り合わせ位置をより正確に確保する。
【0011】
1つの可能な設計において、複数の送りローラのうちの少なくとも1つの送りローラの位置が調整可能であることによって、送りユニットにより輸送された極板又はセパレータの長さを調整する。
【0012】
1つ又は複数の送りローラの位置を調整可能にし、必要に応じて送りユニット上の極板又はセパレータの長さを調整することによって搬送されるセパレータの長さが所定の長さであることを保証することができる。
【0013】
1つの可能な設計において、セル製造機器は、検出ユニットと制御ユニットとをさらに含み、検出ユニットは極板又はセパレータの材料パラメータを検出するとともに、材料パラメータを制御ユニットに輸送するためのものであり、制御ユニットは材料パラメータに基づいて送りローラの位置を調整することによって、送りユニットにより輸送された極板又はセパレータの長さを調整する。
【0014】
検出ユニットを介して材料パラメータを検出することによって、材料パラメータに基づいて、輸送されるセパレータの長さを調整し、送りユニット上のセパレータの長さが所定の長さであることを確保することによって、セパレータ上のフィルム片貼り合わせの所定の位置を正確に確定することができる。
【0015】
1つの可能な設計において、検出ユニットは、センサを含み、センサは送りユニットに接続され、複数の送りローラの位置を検出するとともに、検出結果を制御ユニットに伝送し、制御ユニットは、検出結果に基づいて送りユニットにより輸送された極板又はセパレータの長さを調整する。
【0016】
センサは送りローラの位置を検出し、送りユニット上のセパレータの長さが設定された所定の長さと一致するか否かを判定することができる。
【0017】
1つの可能な設計において、フィルム片貼り合わせ機構は、フィルム片を搬送するためのフィルム片繰り出しユニットと、フィルム片繰り出しユニットによる所定の長さのフィルム片の搬送時に、フィルム片を切断するための切断ユニットと、切断ユニットによりカットされたフィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に貼り合わせる貼り合わせユニットと、を含む。
【0018】
フィルム片貼り合わせ機構は、極板又はセパレータを輸送する過程において、極板又はセパレータに対してフィルム片貼り合わせ操作を行うことによって、極板又はセパレータ上に補強膜層を形成することができる。
【0019】
1つの可能な設計において、貼り合わせユニットは、カットされたフィルム片を吸着するためのフィルム片吸着機構と、吸着されたフィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に圧着する圧着機構とを含む。
【0020】
フィルム片を吸着した後に極板又はセパレータに圧着することは、フィルム片貼り合わせ操作をより便利にし、生産効率を向上させる。
【0021】
1つの可能な設計において、圧着機構には加熱装置が設けられる。
【0022】
加熱装置はフィルム片を加熱して、フィルム片を溶融させて粘性を持たせることにより、セパレータに熱複合により互に結合されることをより易くする。
【0023】
1つの可能な設計において、圧着機構は、押さえローラ又は押さえ板である。
【0024】
押さえローラ又は押さえ板は構造が簡単であり、フィルム片貼り合わせ効果がよく、生産効率が高い。
【0025】
1つの可能な設計において、セル製造機器は、極板繰り出しユニットと、セパレータ繰り出しユニットと、極板輸送ユニットと、セパレータ輸送ユニットとをさらに含み、極板繰り出しユニットは、極板を極板輸送ユニットに搬出し、セパレータ繰り出しユニットは、セパレータをセパレータ輸送ユニットに搬出し、極板輸送ユニットとセパレータ輸送ユニットとは、極板とセパレータとを巻回機構に伝送する。
【0026】
極板繰り出しユニットとセパレータ繰り出しユニットとを採用することで極板とセパレータとを継続的に提供可能であり、巻回機構にセルの巻回を継続的に行わせ、生産効率を向上させる。極板輸送ユニットとセパレータ輸送ユニットとは極板とセパレータとの輸送にテンションを提供することができるとともに、切断された極板とセパレータとの末端と次段の極板とセパレータとの開始段とを挟み込む。
【0027】
1つの可能な設計において、所定の位置は、極板又はセパレータの巻回時に折れが生じる位置である。
【0028】
極板又はセパレータの巻回時に折れが生じる位置にフィルム片を貼り合わせると、折れ位置の力学的性能を補強可能である。
【0029】
本出願の第2の態様は、極板とセパレータとを含むセルの製造方法を提供し、該方法は、フィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に貼り合わせることによって、極板又はセパレータ上に補強膜層を形成することと、極板とセパレータとを巻回してセルを形成することとを含む。
【0030】
1つの可能な設計において、セルの製造方法は、所定の長さの極板とセパレータとを搬送することと、1回所定の長さの極板とセパレータとの輸送を完了した後、フィルム片を極板又はセパレータの所定の位置に貼り合わせることとをさらに含む。
【0031】
1つの可能な設計において、セルの製造方法は、極板又はセパレータの搬送距離を調整することで、所定の長さの極板又はセパレータを輸送することをさらに含む。
【0032】
1つの可能な設計において、極板又はセパレータの搬送距離を調整することによって、所定の長さの極板又はセパレータを輸送することは、極板又はセパレータの材料パラメータを検出するとともに、材料パラメータに基づいて極板又はセパレータの搬送距離を調整することを含む。
【0033】
本出願の第3の態様は、電池を提供し、そのセルは上記のセルの製造方法により製造され、セルの極板とセパレータのうちの少なくとも1つの所定の位置にフィルム片が貼り合わせられる。
【0034】
本出願の第4の態様は、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は、上記電池を含み、電池は電力を提供するためのものである。
【0035】
本出願のセル製造機器及びその方法は、セルを製造する過程において、極片とセパレータとを搬送するとともに、フィルム片を極片又はセパレータの所定の位置に貼り合わせ、工程を減少させ、セルの巻回効率を向上させることができる。そして、セルの巻回時に、極板又はセパレータの搬送距離を調整することによって、フィルム片貼り合わせの所定の位置を調整し、補強膜層位置の正確度を保証する。
【0036】
本出願の電池と電力消費装置であって、該電池におけるセルは上記セル製造機器と方法により製造され、セル極板とセパレータの少なくとも1つの所定の位置には補強膜層が貼り合わせられ、極板とセパレータとの力学的性能を補強し、電池の耐用年数を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本出願の実施例による技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願の具体的な実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、以下の図面に基づいて他の実施例を入手することができる。
図1】本出願の実施例一による車両構造の概略図である。
図2】本出願の一実施例による巻回機構が第1の極板、第2の極板及びセパレータを巻回することの概略図である。
図3】本出願の一実施例によるセル製造機器の概略図である。
図4】本出願の別の実施例によるセル製造機器の概略図である。
図5】本出願の具体的な一実施例によるフィルム片貼り合わせ機構の概略図である。
図6】本出願の別の実施例によるセル製造機器の概略図である。
図7】本出願の一実施例による送りユニットの概略図である。
図8】本出願の具体的な一実施例による送りユニットがセパレータの輸送長さを調整する機能ブロック図である。
図9】本出願の具体的な一実施例によるセンサが送りローラを検出する機能ブロック図である。
図10】本出願の具体的な一実施例による制御ユニットが送りユニットを制御してセパレータの輸送長さを調整する機能ブロック図である。
図11】本出願の一実施例によるセルの製造方法のフローチャートである。
【0038】
図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【0039】
ここでの図面は明細書に合併して本明細書の一部を構成し、本出願に合致する実施例を示し、かつ明細書と共に本出願の原理を解釈するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本出願の技術案をよりよく理解するために、以下では、図面を結合して本出願の実施例に対して詳細に説明する。
【0041】
指摘すべきこととして、以下の実施例は本出願の一部の実施例に過ぎない。以下の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0042】
本出願の実施例において使用される用語は特定の実施例を説明する目的を果たすに過ぎず、本出願を制限するものではない。本出願の実施例と添付される特許請求の範囲に使用される単数形式の「一種の」、「前記」と「該」は多数の形式を含むことを目的とするが、文脈に他の意味を明確に表示する場合は除外される。
【0043】
理解すべきこととして、本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBという3つのケースを表すことができる。また、本文におけるキャラクタ「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」という関係であることを表す。
【0044】
注意すべきこととして、本出願実施例に記述された「上」、「下」、「左」、「右」、などの方位用語は図面に示す角度で記述されたものであり、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではない。なお、文脈上では、さらに理解すべきこととして、1つの素子が別の素子の「上」又は「下」に接続されると言及した時、それは別の素子の「上」又は「下」に直接接続することができるだけではなく、中間素子を介して別の素子の「上」又は「下」に接続することができる。
【0045】
本出願の実施例は、電池D、及び該電池Dを電源として使用する装置を提供する。
【0046】
電池Dを電源として使用する装置は車両A、船舶、小型飛行機等の機器を含み、該装置は電池Dを採用して電力を提供し、該装置を駆動する駆動力を生成する。該装置は電力と他のタイプのエネルギー(例えば、化石エネルギー)とを同時に使用し、共に駆動力を生成してもよい。電池Dを電源として使用することができる装置であれば、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0047】
図1は本出願の一実施例による車両構造の概略図である。
【0048】
図1に示すように、車両Aを例として、本出願の実施例における車両Aは新エネルギー自動車であってもよく、該新エネルギー自動車は純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。例えば、車両AはモータM、コントローラC及び電池Dを含む。電池Dは車両本体の底部に水平に設けられ、コントローラCは、電池DをモータMに給電するように制御し、モータMが伝達機構を介して車両本体上の車輪に接続されることによって、車両Aが走行するように駆動する。
【0049】
電池Dのセルは極板とセパレータとを巻回して成るものである。セル製造時に、セル製造機器の巻回機構は極板とセパレータとをセルとして巻回する。
【0050】
図2は本出願の一実施例による巻回機構2が第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13を巻回する概略図である。
【0051】
図2に示すように、巻回機構2は第1の極板11と、第2の極板12と、セパレータ13とを巻回し、第1の極板11と第2の極板12との極性が反対であり、ここで一方は正極極板であり、他方は負極極板である。セパレータ13は第1の極板11と第2の極板12との間に介在する絶縁体である。第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13は巻回機構2上に巻回を完了した後にセル1を形成する。
【0052】
図3は本出願の一実施例によるセル製造機器100の概略図である。
【0053】
図3に示すように、本出願のセル製造機器100は、巻回機構2とフィルム片貼り合わせ機構3とを含む。フィルム片貼り合わせ機構3はフィルム片14を第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の所定の位置に貼り合わせることによって、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13上に補強膜層を形成する。巻回機構2は第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とを巻回してセル1を形成するためのものである。
【0054】
フィルム片14は、第1の極板11、第2の極板12、及びセパレータ13のうちのいずれか1つ又は複数上に貼り合わせ可能であることによって、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13上に補強膜層を形成することによって、極板又はセパレータの力学的性能を補強する。
【0055】
第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13上にフィルム片14を貼り合わせる具体的な位置は、巻回後のセル構造、及び各極板とセパレータ13との受力状況に応じて確定可能である。例えば、第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13の巻回時に折れが生じるため、該折れ位置はコーナー位置と称され、フィルム片14を極板又はセパレータ13のコーナー位置に貼り合わせると、コーナー位置の力学的性能を補強可能である。又は、セル1の内輪が受けた押圧力が最大であるため、極板又はセパレータ13は破断しやすい。フィルム片14を極板とセパレータ13との巻回後の内輪位置に貼り合わせると、破断の発生を防止可能である。
【0056】
必要に応じて、フィルム片14を第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13の内側面又は外側面に貼り合わせるか、又は内側面と外側面に同時に貼り合わせ可能である。内側面とは、極板又はセパレータ13の巻回後にセルの中心軸線に向く内周面であり、外側面とは、内側面と対向する、極板又はセパレータ13の外周面である。極板とセパレータ13とのコーナー位置において、内側面が押圧され、外側面が引張られ、フィルム片14を極板とセパレータ13との内側面に貼り合わせると極板の粉落ちを防止可能であり、フィルム片14を極板とセパレータ13との外側面に貼り合わせると極板の破断を防止可能である。
【0057】
以下の実施例において、フィルム片14をセパレータ13上に貼り合わせることを例として詳細に説明する。
【0058】
図3に示すように、フィルム片貼り合わせ機構3はフィルム片14をセパレータ13の所定の位置に貼り合わせることによって、セパレータ13上に補強膜層を形成する。補強膜層が貼り合わせられたセパレータ13は巻回機構2に伝送され、巻回機構2は補強膜層が貼り合わせられたセパレータ13を第1の極板11と第2の極板12と一緒に巻回してセル1を形成する。
【0059】
図3には、1つのフィルム片貼り合わせ機構3が、セパレータ13に対してフィルム片貼り合わせを行うことのみを示したが、当然ながら、図3は一例に過ぎず、フィルム片貼り合わせ機構3は、第1の極板11又は第2の極板12に対してフィルム片貼り合わせを行ってもよく、或いは、セル製造機器100は、それぞれ第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13のうちの1つ又は複数に対してフィルム片貼り合わせを行う複数のフィルム片貼り合わせ機構3を含んでもよい。
【0060】
具体的な一実施例において、第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とをセル1として巻回した時、所定の長さのセパレータ13を搬送するごとに、フィルム片貼り合わせ機構3がセパレータ13に対して1回のフィルム片貼り合わせを行い、フィルム片14をセパレータ13上に貼り合わせ、セパレータ13上に一定の距離の間隔をあけて複数の補強膜層を形成する。セパレータ13上に隣り合った補強膜層の間隔はセル1の構造と受力状況に基づいて設置可能であり、例えば、セパレータ13の所定の位置に一段のフィルム片14を貼り合わせることによって、1つのセル1内に一段の補強膜層を形成してもよく、セパレータ13の複数の所定の位置にそれぞれ1段のフィルム片14を貼り合わせることによって、1つのセル1内に複数段の補強膜層を形成してもよい。
【0061】
本実施例によるセル製造機器100を介して、セル1を製造する過程において、巻回機構2に第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13を搬送するとともに、フィルム片貼り合わせ機構3が第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13上にフィルム片14を貼り合わせることによって、補強膜層を形成し、極板又はセパレータ13の力学的性能を補強する。
【0062】
図4は本出願の別の実施例によるセル製造機器100の概略図である。
【0063】
図4に示すように、別の実施例において、セル製造機器100は極板繰り出しユニット4、セパレータ繰り出しユニット5、極板輸送ユニット6及びセパレータ輸送ユニット7をさらに含む。セル製造機器100の巻回機構2とフィルム片貼り合わせ機構3とは上記実施例におけるものと同一である。
【0064】
極板繰り出しユニット4は巻回機構2に極板を提供するためのものであり、本実施例において、セル製造機器100は2つの極板繰り出しユニット4を含み、それぞれ第1の極板11と第2の極板12とを提供し、セパレータ繰り出しユニット5は巻回機構2にセパレータ13を提供するためのものであり、本実施例において、セル製造機器100は2つのセパレータ繰り出しユニット5を含む。極板繰り出しユニット4及びセパレータ繰り出しユニット5の数は2つに限定されるものではなく、その数はセル1の具体的な構造形式に応じて設置可能である。
【0065】
極板繰り出しユニット4ごとに対応して、1つの極板輸送ユニット6が設けられ、極板繰り出しユニット4は極板を極板輸送ユニット6に搬出し、本実施例において、2つの極板繰り出しユニット4はそれぞれ第1の極板11と第2の極板12とを対応する極板輸送ユニット6に搬出する。セパレータ繰り出しユニット5ごとに対応して、1つのセパレータ輸送ユニット7が設けられ、セパレータ繰り出しユニット5はセパレータ13をセパレータ輸送ユニット7に搬出し、本実施例において、2つのセパレータ繰り出しユニット5はそれぞれセパレータ13を対応するセパレータ輸送ユニット7に搬出し、極板輸送ユニット6とセパレータ輸送ユニット7はそれぞれ第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13を巻回機構2に伝送する。巻回機構2は第1の極板11、第2の極板12及びセパレータ13を所定ターン数に巻回してセル1を形成する。
【0066】
図5は本出願の具体的な一実施例によるフィルム片貼り合わせ機構3の概略図である。
【0067】
図5に示すように、具体的な一実施例において、フィルム片貼り合わせ機構3はフィルム片繰り出しユニット31、切断ユニット32及び貼り合わせユニット33を含む。
【0068】
フィルム片繰り出しユニット31はフィルム片14を搬送するためのものであり、切断ユニット32はフィルム片繰り出しユニット31と貼り合わせユニット33との間に設けられ、切断ユニット32はフィルム片繰り出しユニット31による所定の長さのフィルム片14の搬送時に、フィルム片14を切断するためのものであり、フィルム片14の所定の長さと幅はセル1の具体的な構造に基づいて設定と調整可能であり、貼り合わせユニット33は、切断ユニット32により切断されたフィルム片14をセパレータ13の所定の位置に貼り合わせる。
【0069】
図4図5に示すように、具体的な一実施例において、フィルム片貼り合わせ機構3はセパレータ繰り出しユニット5の後に設けられ、セパレータ繰り出しユニット5はセパレータ13をフィルム片貼り合わせ機構3の貼り合わせユニット33に輸送し、貼り合わせユニット33はフィルム片14をセパレータ13上に貼り合わせ、補強膜層を形成し、セパレータ13の力学的性能を向上させる。
【0070】
図5に示すように、具体的な一実施例において、貼り合わせユニット33はフィルム片吸着機構331と圧着機構332とを含む。フィルム片吸着機構331はカットされたフィルム片14を吸着するためのものであり、圧着機構332は吸着されたフィルム片14をセパレータ13の所定の位置に圧着する。
【0071】
具体的な一実施例において、圧着機構332を通過したセパレータ13が所定の長さだけ輸送された後、貼り合わせユニット33は次にフィルム片14の貼り合わせ操作を行うことによって、フィルム片14をセパレータ13の所定の位置に貼り合わせる。例えば、セパレータ13の所定の位置をセル1のセパレータ13の内輪位置に設定した時、セパレータ13が輸送される開始位置に1回のフィルム片貼り合わせ操作を行うことが可能であり、継続してセパレータ13を1つのセル1の長さ分輸送した後、さらに次のフィルム片貼り合わせ操作を行うことによって、各セル1に巻回されるセパレータ13の内輪上に補強膜層を形成することによって、セパレータ13の力学的性能を補強する。
【0072】
具体的な一実施例において、圧着機構332に加熱装置が設けられる。セパレータ13にフィルム片貼り合わせ操作を行った時、加熱装置がフィルム片14を加熱し、フィルム片14の被加熱区域を溶融させて粘性を持たせることによって、フィルム片14をセパレータ13に熱複合により互に結合する。
【0073】
いくつかの実施例において、圧着機構332は押さえローラを採用可能である。フィルム片繰り出しユニット31が所定の長さのフィルム片14を提供した後、切断ユニット32はフィルム片14を切断するとともに、所定の長さのフィルム片14を貼り合わせユニット33のフィルム片吸着機構331上に輸送し、フィルム片吸着機構331は切断された所定の長さのフィルム片14を吸着するとともに押さえローラに輸送し、同時に、セパレータ繰り出しユニット5はセパレータ13を押さえローラに伝送し、押さえローラはフィルム片吸着機構331上に吸着されたフィルム片14をセパレータ13上に圧着し、この時、押さえローラによりロールプレスされたセパレータ13上に補強膜層が形成される。
【0074】
押さえローラにおいて加熱装置が設置可能であり、セパレータ13にフィルム片貼り合わせ操作を行った時、押さえローラはセパレータ13とフィルム片吸着機構331に吸着されたフィルム片14を加熱するとともに一体としてロールプレスすることによって、セパレータ13上に補強膜層を形成する。
【0075】
別のいくつかの実施例において、圧着機構332は押さえ板を採用可能である。フィルム片繰り出しユニット31が所定の長さのフィルム片14を提供した後、切断ユニット32がフィルム片14を切断するとともに、所定の長さのフィルム片14を貼り合わせユニット33のフィルム片吸着機構331に輸送し、フィルム片吸着機構331は切断された所定の長さのフィルム片14を吸着するとともに押さえ板に輸送し、同時に、セパレータ繰り出しユニット5はセパレータ13を押さえ板に伝送し、押さえ板はフィルム片吸着機構331上に吸着されたフィルム片14をセパレータ13上に圧着し、この時、押さえ板に押圧されたセパレータ13上に補強膜層を形成する。
【0076】
押さえ板において加熱装置が設置可能であり、セパレータ13にフィルム片貼り合わせ操作を行った時、押さえ板はセパレータ13とフィルム片吸着機構331に吸着されたフィルム片14を加熱するとともに一体として圧着することによって、セパレータ13上に補強膜層を形成する。
【0077】
図6は本出願の別の実施例によるセル製造機器100の概略図である。
【0078】
巻回機構2が第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13に対して巻回操作を行った時に、極板繰り出しユニット4とセパレータ繰り出しユニット5との繰り出し速度、及び極板輸送ユニット6とセパレータ輸送ユニット7との輸送速度には若干の差異があるが、極板とセパレータ13との輸送速度が一定ではなく、極板又はセパレータ13の輸送速度に基づいてフィルム片貼り合わせの位置を制御すれば、フィルム片貼り合わせ位置がばらつくことによって、フィルム片貼り合わせを正確にすることができず、補強膜層の効果に影響を及ぼす。
【0079】
図6に示すように、別の実施例において、フィルム片貼り合わせ機構3がフィルム片14をセパレータ13の所定の位置上に正確に貼り合わせることができるように、セル製造機器100は送りユニット8をさらに含み、送りユニット8は所定の長さの極板又はセパレータ13を輸送するためのものであり、フィルム片貼り合わせ機構3はそれぞれの所定の長さの極板又はセパレータ13に基づいてフィルム片の貼り合わせ位置を確定することによって、フィルム片14をセパレータ13の所定の位置に正確に貼り合わせることができ、補強膜層位置の正確度を保証する。
【0080】
本実施例において、セル製造機器100の巻回機構2と、フィルム片貼り合わせ機構3と、極板繰り出しユニット4と、セパレータ繰り出しユニット5と、極板輸送ユニット6と、セパレータ輸送ユニット7とは、上記実施例と同じである。
【0081】
図6に示すように、本実施例による送りユニット8はフィルム片貼り合わせ機構3と巻回機構2との間に設けられ、具体的には、フィルム片貼り合わせ機構3とセパレータ輸送ユニット7との間に設置可能であることによって、所定の長さのセパレータ13を輸送する。
【0082】
第1の極板11、第2の極板12、セパレータ13のうちの複数のものに対してフィルム片貼り合わせを行った時、複数のフィルム片貼り合わせ機構3を設置可能であり、それぞれのフィルム片貼り合わせ機構3の後に送りユニット8を設けて、所定の長さの第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13を輸送する。
【0083】
本実施例においてセパレータ13に対してフィルム片貼り合わせを行うことを例として詳細に説明する。
【0084】
セパレータ繰り出しユニット5はセパレータ13をフィルム片貼り合わせ機構3に搬出し、フィルム片貼り合わせ機構3はセパレータ13にフィルム片貼り合わせを行い、フィルム片14をセパレータ13上に貼り合わせ、補強膜層を形成するとともに、送りユニット8に輸送する。送りユニット8上に所定の長さのセパレータ13を保持可能であるとともに、フィルム片貼り合わせ後の所定の長さのセパレータ13をセパレータ輸送ユニット7に輸送し、セパレータ輸送ユニット7はセパレータ13を巻回機構2に伝送する。
【0085】
具体的な一実施例において、フィルム片貼り合わせ機構3はフィルム片14をセパレータ13の所定の位置に貼り合わせて補強膜層を形成するとともに、送りユニット8に輸送する。送りユニット8上に所定の長さのセパレータ13が保持されるとともに、所定の長さのセパレータ13をセパレータ輸送ユニット7に輸送し、セパレータ輸送ユニット7はセパレータ13を巻回機構2に伝送する。図6に示すように、セパレータ13は第1のフィルム片貼り合わせ位置131を有し、該第1のフィルム片貼り合わせ位置131が巻回機構2に輸送された時に、巻回機構2は第1の極板11、第2の極板12及び所定の長さのセパレータ13を巻回し、この時、フィルム片貼り合わせ機構3は次段のフィルム片14をセパレータ13の第2のフィルム片貼り合わせ位置132に貼り合わせ、巻回機構2がセパレータ13を巻回するにつれて、セパレータ13の第1のフィルム片貼り合わせ位置131がセル1内に巻き込まれ、第2のフィルム片貼り合わせ位置132が送りユニット8に搬入されるとともに、巻回機構2に輸送される。
【0086】
具体的な一実施例において、第1のフィルム片貼り合わせ位置131から第2のフィルム片貼り合わせ位置132までの間のセパレータ13の長さが1つのセル1を巻回するのに必要とされるセパレータ13の長さとして設定され、この場合に、1つのセル1の巻回を開始した時、直ちに次のセル1のセパレータ13のフィルム片貼り合わせ操作を開始し、セル1のセパレータ13の固定位置上に補強膜層を形成することを正確に制御することができる。
【0087】
第1のフィルム片貼り合わせ位置131と第2のフィルム片貼り合わせ位置132にフィルム片14を貼り合わせることは一例に過ぎず、具体的なセル1の内部構造の力学的性能の要求に基づいてセパレータ13の任意位置にフィルム片14を貼り合わせることを選択することが可能であり、具体的なフィルム片貼り合わせ位置は送りユニット8上のセパレータ13の所定の長さを調整することによって設定可能である。
【0088】
図7は本出願の一実施例による送りユニット8の概略図である。
【0089】
図7に示すように、送りユニット8は複数の送りローラ81を含み、複数の送りローラ81は、間隔をあけて設けられることによって、複数の送りローラ81が所定の長さのセパレータ13を輸送する。
【0090】
具体的な一実施例において、送りユニット8は第1の送りローラ81aと、第2の送りローラ81bと、第3の送りローラ81cと、第4の送りローラ81dと、第5の送りローラ81eと、第6の送りローラ81fと、第7の送りローラ81gと、第8の送りローラ81hと、第9の送りローラ81iと、第10の送りローラ81jとを含む。送りローラ81の数と配列方式は機器と場所の実際の状況に基づいて設定可能であり、図7に示される数と配列方式に限定されるものではない。
【0091】
セパレータ13の伝送時に、フィルム片貼り合わせ機構3はフィルム片14をセパレータ13に貼り合わせた後、セパレータ13を送りユニット8に輸送し、セパレータ13はまず第1の送りローラ81aに伝送されるとともに、複数の送りローラ81の配列方式に基づいて順次第2の送りローラ81b、第3の送りローラ81c、第4の送りローラ81d、第5の送りローラ81e、第6の送りローラ81f、第7の送りローラ81g、第8の送りローラ81h、第9の送りローラ81iと第10の送りローラ81jに搬入され、次に第10の送りローラ81jにより後続の機構、例えば、セパレータ輸送ユニット7又は巻回機構2に伝送される。第1の送りローラ81aから第10の送りローラ81jまでの間に所定の長さのセパレータ13が輸送され、したがって、フィルム片貼り合わせ機構3から巻回機構2までの間に輸送されるセパレータ13の長さは固定され、例えば、長さが1つのセル1を巻回するのに必要とされるセパレータ13の長さとして固定される。
【0092】
図7に示すように、複数の送りローラ81は中線Xの両側に分布し、例えば、送りローラ81a、81c、81e、81g、81iは中線Xの一方側に位置し、送りローラ81b、81d、81f、81h、81jは中線Xの他方側に位置する。セパレータ13は第1の送りローラ81aにより第2の送りローラ81bに輸送され、第2の送りローラ81bは次にセパレータ13を第3の送りローラ81cに輸送し、セパレータ13を第10の送りローラ81jに搬送するまで継続し、セパレータ13は複数の送りローラ81の間に蛇行して輸送されるため、送りユニット8は比較的に長いセパレータ13を輸送することができるとともに、スペースを節約することができる。当然ながら、複数の送りローラ81の配列方式は上記の蛇行配列に限定されるものではなく、必要に応じて具体的に配置と配列することが可能である。
【0093】
複数の送りローラ81を使用すると、フィルム片貼り合わせの位置を柔軟に調整可能である。
【0094】
具体的な一実施例において、中線Xの一方の側に位置する1つ又は複数の送りローラ81の位置を調整可能に設置可能であることによって、1つの送りローラ81から次の送りローラ81に輸送する間のセパレータ13の長さを調整することができる。両側の送りローラ81の位置をいずれも調整可能に設置してもよく、より柔軟に複数の送りローラ81の間のセパレータ13の長さを調整することができ、それによってセパレータ13上のフィルム片貼り合わせの所定の位置を正確に確定する。
【0095】
図8は本出願の具体的な一実施例による送りユニット8がセパレータ13の輸送長さを調整する機能ブロック図である。
【0096】
図8に示すように、具体的な一実施例において、セル製造機器100は検出ユニット10と制御ユニット9とをさらに含み、検出ユニット10は第1の極板11、第2の極板12及び/又はセパレータ13の材料パラメータを検出するとともに、材料パラメータを制御ユニット9に輸送するためのものであり、制御ユニット9は材料パラメータに基づいて送りローラ81の位置を調整することによって、送りユニット8により輸送された第1の極板11、第2の極板12及び/又はセパレータ13の長さを調整する。ここで、材料パラメータは第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の厚さ、第1の極板11又は第2の極板12のタブの位置等のパラメータを含む。
【0097】
いくつかの実施例において、巻回機構2が第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とに巻回を行った時に、第1の極板11と第2の極板12との厚さが一致しないので、巻回に必要とされる第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13との長さにばらつきが生じ、したがって、検出ユニット10は、第1の極板11、第2の極板12及び/又はセパレータ13の厚さを検出するとともに、セパレータ13の長さを算出し、制御ユニット9が次に送りユニット8の送りローラ81に位置調整を行い、送りユニット8上のセパレータ長さを所定の長さにすることによって、セパレータ13上のフィルム片貼り合わせ位置の正確度を確保する。
【0098】
別のいくつかの実施例において、第1の極板11と第2の極板12上にタブがダイカットされ、巻回機構2がセル1を巻回した時に、各極板上のタブを位置合わせする必要がある。巻回操作の時に、タブには位置ずれが生じやすく、タブのずれ量を減少させるために、第1の極板11と第2の極板12とを輸送した時、タブの位置に基づいて第1の極板11と第2の極板12との輸送長さを調整する必要がある。極板の長さの変更にしたがってセパレータ13の長さを調整する必要がある。検出ユニット10はタブ位置を検出するとともに、第1の極板11と第2の極板12との輸送長さを調整し、制御ユニット9は次に第1の極板11と第2の極板12との輸送長さに基づいて、送りユニット8の送りローラ81を位置調整し、送りユニット8上のセパレータ長さが所定の長さであり、それによってセパレータ13上のフィルム片貼り合わせ位置の正確度を確保する。
【0099】
図9は本出願の具体的な一実施例によるセンサ101が送りローラ81を検出する機能ブロック図である。
【0100】
図9に示すように、具体的な一実施例において、検出ユニット10はセンサ101を含み、センサ101は送りユニット8に接続され、複数の送りローラ81の位置を検出するとともに、検出結果を制御ユニット9に伝送し、制御ユニット9は、検出結果に基づいて、送りユニット8により輸送されたセパレータ13の長さを調整する。
【0101】
センサ101は複数の送りローラ81の位置を検出し、制御ユニット9は、検出結果に基づいて送りユニット8上のセパレータ13の長さを算出し、セパレータ13の長さが設定された所定の長さより大きいか又は小さい時、セパレータ13の長さが長すぎるか又は不足であると判定するとともに、送りローラ81の位置を調整することによって、送りユニット8上のセパレータ13の長さが予め設定された長さに等しいことを保証する。
【0102】
図10は本出願の具体的な一実施例による制御ユニット9が送りユニット8を制御してセパレータ13の輸送長さを調整する機能ブロック図である。
【0103】
図10に示すように、具体的な一実施例において、制御ユニット9はコンピュータ91と、タッチパネル92とコントローラ93とを含む。
【0104】
いくつかの実施例において、検出ユニット10はセパレータ13の材料パラメータを検出するとともに、材料パラメータを制御ユニット9のコンピュータ91に伝送し、コンピュータ91は材料パラメータに基づいて、送りユニット8上のセパレータ13の所定の長さを算出するとともに、コンピュータ91上にリアルタイムの結果を表示する。コンピュータ91は算出結果をコントローラ93に伝送し、コントローラ93は算出結果に基づいて送りローラ81の位置を調整することによって、送りユニット上のセパレータ13の長さを所定の長さにする。
【0105】
別のいくつかの実施例において、検出ユニット10は複数の送りローラ81の位置を検出するとともに、送りローラ81の位置情報を制御ユニット9のコンピュータ91に伝送し、コンピュータ91は送りローラ81の位置情報に基づいて、現在の送りユニット8上のセパレータ13の長さを算出するとともに、コンピュータ91上にリアルタイムの結果を示す。コンピュータ91は算出結果をコントローラ93に伝送し、コントローラ93は算出結果に基づいて送りローラ81の位置を調整することによって、送りユニット8上のセパレータ13の長さを所定の長さにする。
【0106】
操作者はタッチパネル92を介して制御指令を入力し、送りユニット8上のセパレータ13の所定の長さを予め設定するとともに、コントローラ93を制御して送りローラ81の位置を調整することによって、送りユニット8に所定の長さのセパレータ13を送出してもよい。
【0107】
図11は本出願の一実施例によるセルの製造方法のフローチャートである。
【0108】
本出願は、セル1の製造方法をさらに提供し、セル1は第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とを含み、該方法は、以下のステップを含む。
【0109】
ステップS1、フィルム片14を第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の所定の位置に貼り合わせ、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13上に補強膜層を形成する。
【0110】
フィルム片14は、第1の極板11、第2の極板12、及びセパレータ13のうちのいずれか1つ又は複数の上に貼り合わせ可能である。
【0111】
ステップS2、第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とを巻回してセル1を形成する。
【0112】
具体的な一実施例において、セルの製造方法は、所定の長さの第1の極板11と、第2の極板12と、セパレータ13とを搬送することと、1回所定の長さの第1の極板11、第2の極板12とセパレータ13の輸送を完了した時、フィルム片14を第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の所定の位置に貼り合わせ、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13上に一定距離の間隔をあけて複数の補強膜層を形成することとをさらに含む。
【0113】
隣り合った補強膜層の間隔はセル1の構造と受力状況に基づいて設定可能であり、例えば、セパレータ13の所定の位置に一段のフィルム片14を貼り合わせることによって、1つのセル1内に一段の補強膜層を形成してもよく、セパレータ13の複数の所定の位置にそれぞれ1段のフィルム片14を貼り合わせることによって、1つのセル1内に複数段の補強膜層を形成してもよい。
【0114】
具体的な一実施例において、セルの製造方法は、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の搬送距離を調節することによって、所定の長さの第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13を輸送する。
【0115】
セパレータ13上にフィルム片14を貼り合わせた時、セパレータ13のフィルム片貼り合わせ位置から巻回位置までのセパレータ13の長さを固定し、所定の長さのセパレータ13を1回輸送するごとに、セパレータ13の次の所定の位置にフィルム片14を貼り合わせることによって、セパレータ13上のそれぞれのフィルム片貼り合わせ位置が所定の位置であることを保証し、フィルム片貼り合わせ位置の正確度を確保する。
【0116】
セルの製造方法の具体的な一実施例において、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の搬送距離を調節して、所定の長さの第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13を輸送することは、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の材料パラメータを検出するとともに、材料パラメータに基づいて第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の搬送距離を調整することで、所定の長さの第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13を輸送することを含む。所定の長さの第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13を1回輸送するごとに、次の所定の位置に一段のフィルム片14を貼り合わせることによって、それぞれのフィルム片貼り合わせ位置が所定の位置であることを保証することができ、フィルム片貼り合わせ位置の正確度を保証した。ここで、材料パラメータは第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の厚さ、第1の極板11又は第2の極板12のタブの位置等のパラメータを含む。
【0117】
いくつかの実施例において、第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とを巻回した時に、第1の極板11と第2の極板12との厚さが一致しないので、巻回に必要とされる第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13との長さにばらつきが生じ、したがって、第1の極板11、第2の極板12及び/又はセパレータ13の厚さを検出するとともに、セパレータ13の長さを算出し、次に搬送されるセパレータ13の長さを調整し、セパレータの長さを所定の長さにすることによって、セパレータ13上のフィルム片貼り合わせ位置の正確度を確保する。
【0118】
別のいくつかの実施例において、第1の極板11と第2の極板12上にタブがダイカットされ、セル1を巻回した時に、各極板上のタブを位置合わせする必要がある。巻回操作の時に、タブには位置ずれが生じやすく、タブの位置ずれ量を減少させるために、第1の極板11と第2の極板12とを輸送した時、タブの位置に基づいて第1の極板11と第2の極板12との輸送長さを調整する必要がある。極板の長さの変更にしたがってセパレータ13の長さを調整する必要がある。タブの位置を検出するとともに、第1の極板11と第2の極板12との輸送長さを調整し、次に第1の極板11と第2の極板12との輸送長さに基づいて、搬送されるセパレータ13の長さを調整し、セパレータの長さを所定の長さにすることによって、セパレータ13上のフィルム片貼り合わせ位置の正確度を確保する。
【0119】
本出願のセル製造機器100及びその方法は、セル1を製造する過程において、第1の極板11と、第2の極板12とセパレータ13とを搬送するとともに、フィルム片14を第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の所定の位置に貼り合わせることができ、工程を減少させ、セル1の巻回効率を向上させる。そして、セル1の巻回時に、第1の極板11、第2の極板12又はセパレータ13の搬送長さを調整することによって、フィルム片貼り合わせの所定の位置を調整し、補強膜層位置の正確度を保証する。
【0120】
本出願による電池Dであって、その電池におけるセルは上記セル製造機器100により製造され、セル極板とセパレータの少なくとも1つの所定の位置には補強膜層が貼り合わせられ、極板とセパレータとの力学的性能を補強し、電池の耐用年数を向上させる。
【0121】
本出願による電力消費装置、例えば車両Aは、電池Dを使用して電力を提供し、該電池Dのセルは上記セル製造機器100を利用して製造され、電池Dの耐用年数が高く、電池Dの使用周期を延長し、コストを節約する。
【0122】
上記実施例は、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の要旨および原則内での如何なる変更、均等物による置換、改良なども、本出願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
A 車両
C コントローラ
M モータ、
D 電池
X 中線
100 セル製造機器
1 セル
11 第1の極板
12 第2の極板
13 セパレータ
131 第1のフィルム片貼り合わせ位置
132 第2のフィルム片貼り合わせ位置
14 フィルム片
2 巻回機構
3 フィルム片貼り合わせ機構
31 フィルム片繰り出しユニット
32 切断ユニット
33 貼り合わせユニット
331 フィルム片吸着機構
332 圧着機構
4 極板繰り出しユニット
5 セパレータ繰り出しユニット
6 極板輸送ユニット
7 セパレータ輸送ユニット
8 送りユニット
81 送りローラ
81a 第1の送りローラ
81b 第2の送りローラ
81c 第3の送りローラ
81d 第4の送りローラ
81e 第5の送りローラ
81f 第6の送りローラ
81g 第7の送りローラ
81h 第8の送りローラ
81i 第9の送りローラ
81j 第10の送りローラ
9 制御ユニット
91 コンピュータ
92 タッチパネル
93 コントローラ
10 検出ユニット
101 センサ
図1
図2
図3
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図5
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