(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A63F5/04 614B
(21)【出願番号】P 2020015987
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】谷川 義和
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】西澤 暢
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-140688(JP,A)
【文献】特開2017-196180(JP,A)
【文献】特開2019-208964(JP,A)
【文献】特開2016-055003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正解役と不正解役とが重複した当選種別であり、所定の操作が前記正解役の入賞条件として設定された選択当選種別
と、特定当選役を含む当選種別であり、所定の操作が前記特定当選役の入賞条件として設定された、前記選択当選種別と異なる特定当選種別とを含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、
スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転している前記リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
非内部遊技状態、前記非内部遊技状態においてボーナス役に当選したことに基づいて移行するボーナス内部中遊技状態、前記ボーナス役が入賞したことに基づいて移行するボーナス作動中遊技状態を含む複数種類の遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態制御手段と、
を備え、
前記選択当選種別に当選した場合に、第1リールを第1停止するように操作すると、前記正解役を入賞させることはできないが前記不正解役の入賞が可能となり、
前記第1リールにおいて前記不正解役を構成する図柄は、前記停止制御によって必ず有効ライン上に表示可能となるように配置され、
第2リールにおいて前記不正解役を構成する図柄は、前記停止制御によって前記有効ライン上に表示されない場合があるように配置され、
第3リールにおいて前記不正解役を構成する図柄のうちの一部である第1図柄は、前記停止制御によって必ず前記有効ライン上に表示可能となるように配置され、
前記第3リールにおいて前記不正解役を構成する図柄のうちの前記第1図柄と異なる第2図柄は、前記停止制御によって前記有効ライン上に表示されない場合があるように配置され、
前記第3リールにおいて、前記第1図柄と前記第2図柄とは、滑りコマ数以内の位置関係となるように配置され、
前記リール制御手段は、前記特定当選種別が決定された場合に、前記特定当選役を入賞させることで、所定の領域に特定図柄を表示可能であり、
前記特定当選種別が決定された場合に、前記所定の領域に前記特定図柄を表示可能であることを示唆する補助演出が実行される場合があり、
前記第3リールにおいて、前記特定図柄は、前記第1図柄および前記第2図柄と異なり、
前記ボーナス作動中遊技状態においては、複数種類の前記正解役が重複する当選種別に当選することがあり、
前記非内部遊技状態および前記ボーナス内部中遊技状態においては、いずれの当選役も入賞しないハズレに当選することはない遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態や演出状態が設けられている。例えば、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することで、通常遊技状態より、遊技者がメダルを獲得し易いボーナス遊技状態に移行させる仕様を採用しているスロットマシンがある。
【0003】
このようなスロットマシンでは、遊技性を高めるため、有限なメモリの記憶領域を有効利用することが望まれる。例えば、同一の滑り数データを複数の図柄位置に対応付けることで、リールの停止制御を実行する際のデータ容量を削減する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スロットマシンでは、遊技利益が大きい当選役(正解役)を含む当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチの操作態様が報知されることで、当該正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ライン上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)が実行される場合がある。ここで、リールにおける図柄の配列が単調となると、興趣を低下させるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、正解役と不正解役とが重複した当選種別であり、所定の操作が前記正解役の入賞条件として設定された選択当選種別と、特定当選役(例えば、当選役「リプレイ3」)を含む当選種別であり、所定の操作が前記特定当選役の入賞条件として設定された、前記選択当選種別と異なる特定当選種別(例えば、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」)とを含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転している前記リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、非内部遊技状態、前記非内部遊技状態においてボーナス役(例えば、当選役「RBB」)に当選したことに基づいて移行するボーナス内部中遊技状態(例えば、RBB内部中遊技状態)、前記ボーナス役が入賞したことに基づいて移行するボーナス作動中遊技状態(例えば、RBB作動中遊技状態)を含む複数種類の遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態制御手段と、を備え、前記選択当選種別(例えば、当選種別「打順ベル1A」)に当選した場合に、第1リール(例えば、右リール110c)を第1停止するように操作すると、前記正解役(例えば、当選役「小役1」)を入賞させることはできないが前記不正解役(例えば、当選役「小役16」)の入賞が可能となり、前記第1リールにおいて前記不正解役を構成する図柄(例えば、図柄「リプレイA」)は、前記停止制御によって必ず有効ライン上に表示可能となるように配置され(PB=1)、第2リール(例えば、中リール110b)において前記不正解役を構成する図柄(例えば、図柄「BAR2」)は、前記停止制御によって前記有効ライン上に表示されない場合があるように配置され(PB≠1)、第3リール(例えば、左リール110a)において前記不正解役を構成する図柄(例えば、図柄「ベル」、図柄「チェリー」)のうちの一部である第1図柄(例えば、図柄「ベル」)は、前記停止制御によって必ず前記有効ライン上に表示可能となるように配置され、前記第3リールにおいて前記不正解役を構成する図柄のうちの前記第1図柄と異なる第2図柄(例えば、図柄「チェリー」)は、前記停止制御によって前記有効ライン上に表示されない場合があるように配置され、前記第3リールにおいて、前記第1図柄と前記第2図柄とは、滑りコマ数以内(例えば、2コマ)の位置関係となるように配置され、前記リール制御手段は、前記特定当選種別が決定された場合に、前記特定当選役を入賞させることで、所定の領域(例えば、無効ラインB1)に特定図柄(例えば、図柄「BAR2」)を表示可能であり、前記特定当選種別が決定された場合に、前記所定の領域に前記特定図柄を表示可能であることを示唆する補助演出が実行される場合があり、前記第3リールにおいて、前記特定図柄は、前記第1図柄および前記第2図柄と異なり、前記ボーナス作動中遊技状態においては、複数種類の前記正解役(例えば、当選役「小役1」~「小役6」)が重複する当選種別(例えば、当選種別「小役ALL」)に当選することがあり、前記非内部遊技状態および前記ボーナス内部中遊技状態においては、いずれの当選役も入賞しないハズレに当選することはない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、興趣を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
【
図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
【
図3】リールの図柄配列および有効ラインを示す図である。
【
図4】スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
【
図8】リールの停止制御について説明する説明図である。
【
図9】遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
【
図10】演出状態の遷移を説明するための説明図である。
【
図11】通常演出状態における前兆演出を説明する図である。
【
図12】前兆期間中に当選種別「レア役」が決定された場合の前兆演出について説明する図である。
【
図16】メインCPUの内部レジスタを説明するための説明図である。
【
図17】チャレンジ演出の停止制御を説明するためのフローチャートである。
【
図18】停止制御における計算結果を示す説明図である。
【
図19】停止制御のプログラムの一例を示す説明図である。
【
図22】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および
図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、
図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
【0013】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
【0014】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0015】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
【0016】
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
【0017】
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0018】
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0019】
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、
図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、
図3(b)に示す5つの無効ラインB1、B2、B3、C1、C2を想定している。
【0020】
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
【0021】
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0022】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
【0023】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0024】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
【0025】
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0026】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0027】
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
【0028】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0029】
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0030】
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
【0031】
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
【0032】
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0033】
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0034】
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
【0035】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
【0036】
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。
【0037】
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、
図6および
図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0038】
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
【0039】
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
【0040】
本実施形態における当選役は、
図5に示すように、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ7」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役39」が設けられている。また、ボーナス役として、当選役「RBB」が設けられている。
図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。
【0041】
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
【0042】
そして、例えば、当選役「リプレイ1」~「リプレイ4」、当選役「小役1」~「小役6」、「小役35」~「小役39」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「リプレイ5」~「リプレイ7」、当選役「小役7」~「小役34」、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
【0043】
図6および
図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。
図6および
図7では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中遊技状態(RBB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」は有利区間に移行させる抽選を行うことが可能な有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」は有利区間に移行させる抽選を行うことが不可な有利区間抽選不可当選種別であることを示している。
【0044】
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
【0045】
ここで、当選種別「RBB」を構成する当選役「RBB」について補足する。所定の第1種特別役物RBは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。そして、当選種別「RBB」を構成する第1種特別役物に係る役物連続作動装置(当選役「RBB」)は、第1種特別役物RBを連続して作動させることができる装置であり、特定の図柄の組み合わせが表示された場合に作動し、あらかじめ定められた場合に作動を終了するものをいう。
【0046】
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、
図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、RBB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
【0047】
また、当選領域1には、当選役「小役1」~「小役39」が重複して含まれる当選種別「小役ALL」が対応付けられており、当選領域2には、当選役「小役11」~「小役39」が重複して含まれる当選種別「1枚ALLA」が対応付けられており、当選領域3には、当選役「小役12」~「小役27」が重複して含まれる当選種別「1枚ALLB」が対応付けられている。また、当選領域4には、当選役「小役12」、「小役20」が重複して含まれる当選種別「択1枚1」が対応付けられ、当選領域5には、当選役「小役13」、「小役21」が重複して含まれる当選種別「択1枚2」が対応付けられ、当選領域6には、当選役「小役14」、「小役22」が重複して含まれる当選種別「択1枚3」が対応付けられ、当選領域7には、当選役「小役15」、「小役23」が重複して含まれる当選種別「択1枚4」が対応付けられている。また、当選領域8には、当選役「小役35」、「小役36」が重複して含まれる当選種別「弱チェリー」が対応付けられ、当選領域9には、当選役「小役37」~「小役39」が重複して含まれる当選種別「強チェリー」が対応付けられ、当選領域10には、当選役「小役7」、「小役8」、「小役11」が重複して含まれる当選種別「スイカA」が対応付けられ、当選領域11には、当選役「小役7」~「小役10」が重複して含まれる当選種別「スイカB」が対応付けられ、当選領域12には、当選役「小役1」、「小役3」、「小役5」が重複して含まれる当選種別「強ベル」が対応付けられている。また、当選領域13には、当選役「小役1」~「小役6」が重複して含まれる当選種別「共通ベルA」が対応付けられ、当選領域14には、当選役「小役1」~「小役6」、「小役11」が重複して含まれる当選種別「共通ベルB」が対応付けられている。
【0048】
また、当選領域15~26には、払出枚数が11枚となる正解役(当選役「小役1」~「小役6」)と、払出枚数が1枚の不正解役(当選役「小役12」~「小役34」)が重複して含まれる選択当選種別(当選種別「打順ベル1A」~「打順ベル6A」、「打順ベル1B」~「打順ベル6B」)がそれぞれ対応付けられている。
【0049】
また、
図7の当選種別抽選テーブルによれば、当選領域27~39には、当選役「リプレイ1」~「リプレイ7」が重複して含まれる当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」、「シンボルリプレイB1」~「シンボルリプレイB6」が対応付けられている。また、当選領域40には、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」が重複して含まれる当選種別「通常リプレイ」が対応付けられている。
【0050】
また、当選領域41~46には、当選役「RBB」が単独、または、他の小役と重複して含まれる当選種別「RBB1」~「RBB6」が対応付けられている。
【0051】
そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
【0052】
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
【0053】
例えば、非内部遊技状態において、当選領域15の当選種別「打順ベル1A」に当選し、正解操作態様(打順1)による操作が行われた場合、払出枚数が11枚の正解役である当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役28」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、打順3、4による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役12」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/4の確率で表示されるように停止制御がなされ、打順5、6による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役16」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/4の確率で表示されるように停止制御がなされる。
【0054】
なお、当選領域15~26の各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域15~26を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
【0055】
図8は、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」が当選した場合における打順3、4により操作が行われた際のリール110a、110b、110cの停止制御について説明する説明図である。当選領域27~33の、当選役「リプレイ3」(特定役)を含む当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」のいずれかに当選し、打順3、4による操作が行われた場合、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。このとき、1つの条件装置(当選役「リプレイ3」)で停止制御が異なる仕様としている。すなわち、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」のうちいずれに当選したかに応じて、有効ラインA上に優先的に表示される図柄が異なるように(異なる表示態様となるように)、当選役「リプレイ3」の停止制御がなされる。
【0056】
具体的には、当選種別「シンボルリプレイA1」が決定された場合、
図8(a)に示すように、左リール110aについては図柄「BAR2」、中リール110bについては図柄「リプレイA」、右リール110cについては図柄「チェリー」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、左リール110aにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、中リール110b、右リール110cには図柄「BAR2」が表示されない。
【0057】
また、当選種別「シンボルリプレイA2」が決定された場合、
図8(b)に示すように、左リール110aについては図柄「ベル」、中リール110bについては図柄「BAR2」、右リール110cについては図柄「チェリー」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、中リール110bにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、左リール110a、右リール110cには図柄「BAR2」が表示されない。
【0058】
また、当選種別「シンボルリプレイA3」が決定された場合、
図8(c)に示すように、左リール110aについては図柄「BAR2」、中リール110bについては図柄「BAR2」、右リール110cについては図柄「チェリー」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、左リール110a、中リール110bにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、右リール110cには図柄「BAR2」が表示されない。
【0059】
また、当選種別「シンボルリプレイA4」が決定された場合、
図8(d)に示すように、左リール110aについては図柄「ベル」、中リール110bについては図柄「リプレイA」、右リール110cについては図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、右リール110cにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、左リール110a、中リール110bには図柄「BAR2」が表示されない。
【0060】
また、当選種別「シンボルリプレイA5」が決定された場合、
図8(e)に示すように、左リール110aについては図柄「BAR2」、中リール110bについては図柄「リプレイA」、右リール110cについては図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、左リール110a、右リール110cにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、中リール110bには図柄「BAR2」が表示されない。
【0061】
また、当選種別「シンボルリプレイA6」が決定された場合、
図8(f)に示すように、左リール110aについては図柄「ベル」、中リール110bについては図柄「BAR2」、右リール110cについては図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、中リール110b、右リール110cにのみ図柄「BAR2」が表示可能であり、左リール110aには図柄「BAR2」が表示されない。
【0062】
また、当選種別「シンボルリプレイA7が決定された場合、
図8(g)に示すように、左リール110aについては図柄「BAR2」、中リール110bについては図柄「BAR2」、右リール110cについては図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先して表示されるように停止制御がなされる。その結果、無効ラインB1上には、左リール110a、中リール110b、右リール110c全てで図柄「BAR2」が表示可能である。
【0063】
また、当選領域34~39の当選種別「シンボルリプレイB1」~「シンボルリプレイB6」が当選した場合における打順3、4により操作が行われた際のリール110a、110b、110cの停止制御は、当選領域27~32の当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA6」が当選した場合における打順3、4により操作が行われた際のリール110a、110b、110cの停止制御と等しくなっている。
【0064】
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれるリプレイ役のうちのいずれかのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
【0065】
(遊技状態の遷移)
ここで、
図9を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移させる。
【0066】
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が所定の確率(例えば約1/30)で決定されている。
【0067】
遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RBB」が当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中遊技状態に移行させる(1)。
【0068】
RBB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域1に当選種別「小役ALL」が、当選領域2、3に当選種別「1枚ALLA」、「1枚ALLB」が設定されている。当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役39」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役11」~「小役39」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。
【0069】
RBB作動中遊技状態の終了条件を満たすと、すなわち、獲得枚数が所定枚数に到達すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。
【0070】
一方、当選役「RBB」が当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB内部中遊技状態(特別遊技状態)に移行させる(3)。
【0071】
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/5.9に設定されている。また、RBB内部中遊技状態では当選種別「ハズレ」に当選することはない。換言すれば、当選役「RBB」の当選遊技で当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、その後は、当選役「RBB」より小役やリプレイ役の方が優先して有効ラインA上に停止制御されるので、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができない。したがって、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持されることとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態を維持しつつ、そのRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する。
【0072】
ここでは、RBB内部中遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ、その結果、例えば、RBB内部中遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中遊技状態がRBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
【0073】
(演出状態の遷移)
図10は、演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。なお、以下では、遊技状態がRBB内部中遊技状態である場合について説明する。
【0074】
ここで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間を有利区間(特定区間)として定義する。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう、例えば、主報知手段に表示したときに限り、指示情報を、副制御基板202等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、有利区間と異なる遊技区間を非有利区間とする。したがって、複数の演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。本実施形態では、ほぼ全ての演出状態が有利区間に属し、非AT演出状態の一部の演出状態(ここでは非有利演出状態)で非有利区間を実現している。
【0075】
なお、有利区間において、補助演出がないと正解役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、正解役の配当が最大(ここでは、11枚)となる選択当選種別において、正解役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を行う場合、例えば、区間表示器160を点灯させることによって、その旨を報知しなければならない。
【0076】
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
【0077】
したがって、演出状態制御手段314は、演出状態の移行の管理に加え、非有利区間と有利区間との移行も管理することとなる。また、有利区間は、このような管理に拘わらず、以下の終了条件を満たすことで強制的に終了する。例えば、有利区間において計数される値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数(遊技実行回数)が1500遊技に達したり、獲得枚数(純増枚数)が2400枚を超えたこと)に基づいて強制的に終了する。いずれの場合においても、演出状態制御手段314は、有利区間から非有利区間に移行することで、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする。
【0078】
(非AT演出状態、AT演出状態)
非AT演出状態においては、AT演出状態より、補助演出の実行頻度が極めて低く、補助演出がほぼ行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。ここでは、非AT演出状態として通常演出状態、非有利演出状態、準備演出状態、第1インターバル演出状態、継続抽選演出状態、第2インターバル演出状態といった6つの演出状態が設けられている。
【0079】
AT演出状態においては、選択当選種別全ての当選時において補助演出実行手段に補助演出を実行させることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態に移行することで、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。ここでは、AT演出状態として、擬似ボーナス演出状態が設けられている。以下、各演出状態(通常演出状態、擬似ボーナス演出状態、非有利演出状態、準備演出状態、第1インターバル演出状態、継続抽選演出状態、第2インターバル演出状態)について個々に説明する。
【0080】
(各演出状態)
通常演出状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。演出状態制御手段314は、通常演出状態において当選種別抽選により当選種別「強チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「強ベル」のいずれかが決定された場合にAT抽選を行う。AT抽選は、AT演出状態への移行を決定する抽選であり、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別ごとに異なる確率でAT抽選を行う。そして、AT抽選に当選した場合、演出状態制御手段314は、本前兆期間が経過した後に、演出状態をAT演出状態である擬似ボーナス演出状態に移行させる(1)。また、擬似ボーナス演出状態に移行することなく通常演出状態で所定の天井条件(例えば、通常演出状態を連続して所定遊技数消化)が満たされると(所謂、天井到達)、演出状態制御手段314は、演出状態を擬似ボーナス演出状態へ移行させる(1)。
【0081】
擬似ボーナス演出状態では、所定の終了条件(例えば、消化した遊技数が所定遊技数に到達すること)を満たすまで、補助演出が実行され、遊技者は、擬似ボーナス演出状態において、例えば、期待獲得枚数3.5枚を得ることができる。なお、擬似ボーナス演出状態では、主として2つの終了条件が準備されている。例えば、終了条件が、消化した遊技数が所定遊技数に到達することであった場合、所定遊技数として、30と80の2段階設けられ、いずれかが抽選により決定される。擬似ボーナス演出状態では、当然、消化した遊技数が多いほど、遊技者は、多くの遊技利益を得ることになる。したがって、遊技者は、所定遊技数が30ではなく80であることを望むこととなる。ただし、所定遊技数として30が決定された場合であっても、その消化中に補助演出の所定遊技数を30から80に増加させる昇格抽選も行われる。なお、ここでは、擬似ボーナス演出状態の終了条件として、消化した遊技数が所定遊技数に到達したことを例示しているが、これに代えて、最大払出枚数を獲得できる補助演出の回数が所定数に到達することや、獲得枚数(純増枚数)が所定数に到達することを採用してもよい。
【0082】
そして、擬似ボーナス演出状態において、所定の終了条件を満たすと、演出状態制御手段314は、演出状態を非有利演出状態に移行する場合がある(2)。このとき、演出状態制御手段314は、有利区間を、一旦、非有利区間に移行し、有利区間で更新された情報を全てリセットする。例えば、前段の擬似ボーナス演出状態が初回の擬似ボーナス演出状態であった場合、すなわち、通常演出状態から移行した直後の擬似ボーナス演出状態であれば、演出状態制御手段314は、演出状態を非有利演出状態に移行するとともに、有利区間を、一旦、非有利区間に移行する。また、前段の擬似ボーナス演出状態が、通常演出状態を経由しない3の倍数(3、6、…)回目の擬似ボーナス演出状態であった場合も、演出状態制御手段314は、有利区間を、一旦、非有利区間に移行するとともに、有利区間を、一旦、非有利区間に移行する。
【0083】
そして、演出状態制御手段314は、有利区間への移行を高確率(例えば、1/2)で抽選し、数遊技を消化後、有利区間に戻すとともに、演出状態を準備演出状態に移行する(3)。これは、有利区間において計数される値が所定値に達することにより、擬似ボーナス演出状態が強制的に終了することを回避するためである。
【0084】
一方、前段の擬似ボーナス演出状態が初回ではない、もしくは、通常演出状態を経由しない3の倍数回目の擬似ボーナス演出状態ではない場合、演出状態制御手段314は、演出状態を非有利演出状態に移行することなく、直接、準備演出状態に移行する(4)。これは、有利区間において計数される値が所定値に達することにより擬似ボーナス演出状態が強制的に終了することを回避しつつ、不要に有利区間を終了させないためである。
【0085】
準備演出状態において、演出状態制御手段314は、第1インターバル演出状態への移行を高確率(例えば、1/2)で抽選し、第1インターバル演出状態への移行の決定に基づいて、演出状態を第1インターバル演出状態に移行する(5)。
【0086】
第1インターバル演出状態は、所定の終了条件(例えば、40遊技の消化)を満たすまで継続し、その間、擬似ボーナス演出状態の継続抽選が実行される。かかる第1インターバル演出状態は、擬似ボーナス演出状態と異なり、単位遊技当たりの期待獲得枚数が少なく、負の値となる場合もある。なお、本実施形態では、非有利区間において有利区間に当選した場合、演出状態が必ず第1インターバル演出状態となるように設定されている。したがって、擬似ボーナス演出状態の終了後は、有利区間が継続した場合であっても、上記のように、一旦、非有利区間に移行した場合であっても、第1インターバル演出状態に移行することとなる。そして、第1インターバル演出状態における所定の終了条件を満たすと、演出状態制御手段314は、演出状態を継続抽選演出状態に移行する(6)。
【0087】
継続抽選演出状態は、所定の終了条件(例えば、5遊技の消化)を満たすまで継続し、最終的に、第1インターバル演出状態における、擬似ボーナス演出状態の継続抽選の結果が報知される。かかる継続抽選演出状態も、擬似ボーナス演出状態と異なり、単位遊技当たりの期待獲得枚数が少なく、負の値となる場合もある。第1インターバル演出状態において、擬似ボーナス演出状態への移行(継続)が決定されていれば、演出状態制御手段314は、演出状態を擬似ボーナス演出状態への移行し(7)、擬似ボーナス演出状態への移行が決定されていなければ、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態へ戻す(8)。
【0088】
このように、本実施形態では、一旦、擬似ボーナス演出状態に移行すると、継続抽選演出状態の継続抽選に漏れない限り、擬似ボーナス演出状態→準備演出状態→第1インターバル演出状態→継続抽選演出状態の移行を繰り返すことで、遊技者は、メダルを蓄積できる。
【0089】
なお、準備演出状態において、演出状態制御手段314は、第1インターバル演出状態への移行抽選に加え、第2インターバル演出状態への移行抽選も行っている。ただし、第1インターバル演出状態への移行確率(例えば、1/2)より、第2インターバル演出状態への移行確率(例えば、1/20)の方が小さく設定されている。準備演出状態において、第1インターバル演出状態への移行が決定する前に、第2インターバル演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段314は、第2インターバル演出状態への移行の決定に基づいて、演出状態を第2インターバル演出状態に移行する(9)。なお、ここでは、準備演出状態において第2インターバル演出状態への移行抽選を行う例を挙げているが、同様に、非有利演出状態において第2インターバル演出状態への移行抽選を行ってもよい。
【0090】
第2インターバル演出状態は、第1インターバル演出状態同様、所定の終了条件(例えば、40遊技の消化)を満たすまで継続し、その間、擬似ボーナス演出状態の継続抽選が実行される。かかる第2インターバル演出状態は、第1インターバル演出状態同様、擬似ボーナス演出状態と異なり、単位遊技当たりの期待獲得枚数が少なく、負の値となる場合もある。
【0091】
ただし、第2インターバル演出状態は、第1インターバル演出状態より高確率で擬似ボーナス演出状態が決定される。例えば、第1インターバル演出状態においては、40遊技間、擬似ボーナス演出状態を毎遊技1/58で決定し(当選確率50%)、第2インターバル演出状態においては、40遊技間、擬似ボーナス演出状態を毎遊技1/25で決定する(当選確率80%)。そして、所定の終了条件を満たすと、演出状態制御手段314は、演出状態を継続抽選演出状態に移行する(10)。なお、一旦、第2インターバル演出状態への移行が決定されると、その後は、継続抽選演出状態に漏れるまで、非有利演出状態、準備演出状態、第1インターバル演出状態に移行することはなく、擬似ボーナス演出状態からは第2インターバル演出状態にしか移行しない(11)。したがって、遊技者は、常に、高確率で継続抽選を受けることができる。また、一旦、第2インターバル演出状態への移行が決定されると、継続抽選演出状態において擬似ボーナス演出状態への移行が決定されなかった場合でも、演出状態制御手段314は、直ちに、演出状態を通常演出状態に戻すことなく、非有利演出状態に移行させる(12)。したがって、継続抽選演出状態において擬似ボーナス演出状態への移行が決定されなかった場合、再度、継続抽選演出状態の継続抽選に漏れるまで、擬似ボーナス演出状態→準備演出状態→第1インターバル演出状態→継続抽選演出状態の移行を繰り返すことができる。このように、一旦、第2インターバル演出状態に移行すると、高確率で、擬似ボーナス演出状態→第2インターバル演出状態→継続抽選演出状態の移行を繰り返すことができ、さらに、継続抽選演出状態において擬似ボーナス演出状態への移行が決定されなくとも、少なくとも、再度、擬似ボーナス演出状態→準備演出状態→第1インターバル演出状態→継続抽選演出状態の移行を繰り返すことができるので、遊技者は、より多くのメダルを蓄積することが可能となる。つまり、第2インターバル演出状態は、第1インターバル演出状態よりも有利な状態といえる。
【0092】
また、上記のように、演出状態制御手段314は、擬似ボーナス演出状態から第2インターバル演出状態に移行する際には、第1インターバル演出状態への移行と異なり、非有利区間に移行させることがない。本実施形態においては、擬似ボーナス演出状態が初回の擬似ボーナス演出状態であった場合、演出状態制御手段314は、第2インターバル演出状態に移行させることはなく、有利区間を、一旦、非有利区間に移行して、必ず、第1インターバル演出状態へ移行させる。そうすると、有利区間が一旦リセットされていることになる。したがって、第2インターバル演出状態へ移行する際に有利区間をリセットしなくても、第2インターバル演出状態を経由する擬似ボーナス演出状態が有利区間の制限により短期に終了することはなく、遊技者は、擬似ボーナス演出状態→第2インターバル演出状態→継続抽選演出状態のループにより、多くのメダルを得ることができる。
【0093】
(通常演出状態の演出)
図11は、通常演出状態における前兆演出を説明する図である。上述したように、通常演出状態においては、当選種別抽選により当選種別「強チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「強ベル」(これらをまとめて当選種別「レア役」と称する場合がある)のいずれかが決定された場合、AT抽選が行われる。そして、AT抽選に当選した場合、所定の遊技数(本前兆期間、最大で32遊技)が経過すると、演出状態が擬似ボーナス演出状態に移行される。
【0094】
そして、演出制御手段334は、当選種別「レア役」に当選した場合、AT抽選の結果に拘わらず、AT抽選の抽選結果を示唆または報知する前兆演出を実行する。なお、以下では、前兆演出について説明し、他の演出については省略する。また、AT抽選に当選した場合に実行される前兆演出を本前兆演出と称し、AT抽選に非当選であった場合に実行される前兆演出をガセ前兆演出と称する。
【0095】
ここで、AT抽選に当選した場合、本前兆演出が本前兆期間に亘って実行され、AT抽選に非当選であった場合、ガセ前兆演出がガセ前兆期間(32遊技)に亘って実行される。なお、本前兆期間およびガセ前兆期間を単に前兆期間と称する場合がある。
【0096】
通常演出状態中では、
図11(a)に示すように、液晶表示部124の左側に3つのカウント表示領域400a、400b、400cが設けられている。
【0097】
カウント表示領域400aは、当選種別「強チェリー」に対応し、カウント表示領域400bは、当選種別「スイカA」、「スイカB」に対応し、カウント表示領域400cは、当選種別「強ベル」に対応している。
【0098】
そして、当選種別抽選により例えば当選種別「強チェリー」が決定された場合、演出制御手段334は、当選種別「強チェリー」の入賞有無に拘わらず、
図11(b)に示すように、当該遊技中、または、当該遊技が終了して次の遊技が開始されるまでの間に、カウント表示領域400aに値「33」と表示する。
【0099】
そして、次の遊技が開始されると、演出制御手段334は、
図11(c)に示すように、カウント表示領域400aに表示される値を1減算して値「32」を表示する。そして、演出制御手段334は、遊技が行われる度に、カウント表示領域400aに表示される値を1ずつ減算していき、
図11(d)に示すように、カウント表示領域400aに表示されている値が「1」である場合に、次の遊技が開始されると、
図11(e)に示すように、カウント表示領域400aに表示されていた値を非表示にする。
【0100】
このように、カウント表示領域400aには、32遊技(当選種別「レア役」が当選した遊技を除く)に亘って値が表示され続けることになるため、カウント表示領域400aに値が表示されている間に亘って前兆演出が実行されているとも言える。そして、AT抽選に当選していれば、カウント表示領域400aに値が表示されている間にAT抽選に当選したことが報知される。
【0101】
なお、演出制御手段334は、当選種別抽選により例えば当選種別「スイカA」が決定された場合、カウント表示領域400bに「33」と表示し、当選種別抽選により例えば当選種別「強ベル」が決定された場合、カウント表示領域400cに「33」と表示する。そして、演出制御手段334は、遊技が行われる毎に(所定の条件が成立すると)、カウント表示領域400b、400cに表示されている値を1ずつ減算していく。また、カウント表示領域400a、400b、400cのいずれにも値が表示されている場合、遊技が行われる毎に(所定の条件が成立すると)、すべての値を並行して1ずつ減算することとなる。
【0102】
図12は、前兆期間中に当選種別「レア役」が決定された場合の前兆演出について説明する図である。例えば、当選種別「強チェリー」が決定され、AT抽選に非当選であり、ガセ前兆演出が開始されたとする。そして、12遊技が経過し、
図12(a)に示すように、カウント表示領域400aに「20」と表示されているとする。そして、次の遊技が開始され、当選種別抽選により当選種別「強ベル」が決定されたとする。このとき、演出状態制御手段314は、当選種別「強ベル」に基づいてAT抽選を行うとともに、ガセ前兆演出が開始される契機となった当選種別「強チェリー」に基づいても再度AT抽選を行う。そして、演出制御手段334は、
図12(b)に示すように、当選種別「強チェリー」および当選種別「強ベル」に対応するカウント表示領域400a、400cに「33」を表示する。
【0103】
このように、ガセ前兆演出の実行中に、ガセ前兆演出が開始される契機となった当選種別とは異なる当選種別「レア役」が決定された場合、その当選種別「レア役」のみならず、ガセ前兆演出が開始される契機となった当選種別に基づいてもAT抽選が行われ、これらの当選種別に対応するカウント表示領域400a、400b、400cに「33」を表示する。この場合、2つの当選種別について前兆演出が開始されることになる。
【0104】
また、カウント表示領域400a、400b、400cのうち2つのカウント表示領域に値が表示されている状態、つまり、2つの当選種別「レア役」について前兆演出が実行されている場合に、当選種別抽選により、前兆演出が実行されていない当選種別「レア役」(ここでは、当選種別「スイカA」)が決定された場合、演出状態制御手段314は、当選種別「強チェリー」、「スイカA」、「強ベル」それぞれに基づいてAT抽選を行うとともに、詳しくは後述するように、カウント表示領域400a、400b、400cに全て値が表示されたことによる(3つの当選種別「レア役」で前兆演出が開始されたことによる)特別なAT抽選を行う。そして、演出制御手段334は、
図12(c)に示すように、当選種別「強チェリー」、「スイカA」、「強ベル」に対応するカウント表示領域400a、400b、400cに「33」を表示する。
【0105】
このように、カウント表示領域400a、400b、400cのいずれかに値が表示されている状態、つまり、いずれかの当選種別「レア役」について前兆演出が実行されている場合に、当選種別抽選により、前兆演出が実行される契機となった当選種別「レア役」が決定された場合、演出状態制御手段314は、前兆演出が実行される契機となった当選種別「レア役」に基づいて再度AT抽選を行う。そして、演出制御手段334は、値が表示されているカウント表示領域400a、400b、400cに再度「33」を表示する。
【0106】
なお、本前兆演出の実行中に当選種別「レア役」が決定された場合、決定された当選種別「レア役」に対応するカウント表示領域400a、400b、400cのいずれかに「33」が表示されるとともに、本前兆演出の実行の契機となった当選種別「レア役」に対応するカウント表示領域400a、400b、400cのいずれかにも「33」が表示されることになるが、本前兆期間が終了したときに、カウント表示領域400a、400b、400cの値がいくつであっても、強制的に前兆演出は終了することになる。
【0107】
図13は、AT抽選テーブルを説明する図である。
図13(a)は、当選種別「強チェリー」に対応するAT抽選テーブルであり、
図13(b)は、当選種別「スイカA」、「スイカB」に対応するAT抽選テーブルであり、
図13(c)は、当選種別「強ベル」に対応するAT抽選テーブルであり、
図13(d)は、カウント表示領域400a、400b、400cに全て値が表示された場合に参照されるAT抽選テーブルである。
【0108】
図13(a)~13(d)では、AT抽選の当選確率をパーセント(%)で表している。
図13(a)~
図13(c)によれば、当選種別「強チェリー」が決定された場合の方が、当選種別「スイカA」、「スイカB」および当選種別「強ベル」が決定された場合よりも、AT抽選での当選確率が高く設定されている。また、当選種別「強ベル」が決定された場合の方が、当選種別「スイカA」または「スイカB」が決定された場合よりも、AT抽選での当選確率が高く設定されている。
【0109】
ここで、例えば、当選種別抽選では、当選種別「強チェリー」が当選種別「スイカA」、「スイカB」、「強ベル」よりも決定確率が低く設定されており、また、当選種別「強ベル」が当選種別「スイカA」、「スイカB」よりも決定確率が低く設定されているとする。したがって、当選種別「スイカA」または「スイカB」は当選種別抽選により決定されやすいものの、AT抽選では当選し難くなる。一方、当選種別「強チェリー」は当選種別抽選により決定され難いものの、AT抽選では当選しやすくなる。
【0110】
このような場合において、当選種別「強チェリー」に当選した後、当選種別「強チェリー」の前兆演出(ガセ前兆演出)が実行されている間に、相対的に決定されやすい当選種別「スイカA」、「スイカB」が決定されると、AT抽選で当選しやすい当選種別「強チェリー」についてもAT抽選が再度行われることになり、当選種別「スイカA」、「スイカB」に基づいてのみAT抽選が行われる場合よりも、AT抽選での当選確率が上昇する。
【0111】
換言すると、スロットマシン100では、前兆演出(ガセ前兆演出)が継続している間に当選種別「レア役」を引き続けることで、それまでに決定された当選種別「レア役」に基づいてAT抽選が繰り返し行われることになるので、遊技者は、前兆演出の実行中にさらに当選種別「レア役」のいずれかが決定されることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技意欲を向上させることができる。
【0112】
また、前兆演出(ガセ前兆演出)が継続している間に、カウント表示領域400a、400b、400cに全て値が表示された場合、
図13(d)に示すAT抽選テーブルを参照してAT抽選が行われる。このAT抽選テーブルによれば、
図13(a)~
図13(c)に示したAT抽選テーブルよりもAT抽選の当選確率が高く設定されている。つまり、前兆演出(ガセ前兆演出)が継続している間に当選種別「レア役」のすべてが決定されることで、AT抽選の当選確率が格段に高くなるといった遊技性を有する。
【0113】
(チャレンジ演出)
図14は、チャレンジ演出を説明する図である。ガセ前兆演出が31遊技に亘って実行されると、
図14(a)に示すように、例えばカウント表示領域400aに「2」が表示されることになる。そして、次の遊技でガセ前兆演出が終了することになる。しかしながら、上記したように、本実施形態では、ガセ前兆演出が実行されている間に当選種別「レア役」が決定されることで、それまでのガセ前兆演出の実行中に決定された当選種別「レア役」に基づいてAT抽選を受ける権利が再度訪れるため、ガセ前兆演出と遊技者がわかっている状態であっても、遊技者はガセ前兆演出が継続することを望む。
【0114】
そこで、ガセ前兆演出の32遊技目において、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかが決定された場合に、演出状態制御手段314は、チャレンジ演出の実行可否を所定の確率の抽選により決定する。そして、チャレンジ演出の実行が決定された場合、演出制御手段334は、
図14(b)に示すように、「BAR2」図柄(所定の図柄)を無効ラインB1上(所定位置)に表示(停止)させることを促すメッセージを液晶表示部124に表示するとともに、打順3または打順4でストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出を実行する。
【0115】
上述したように、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかが決定され、打順3または打順4でストップスイッチ120a、120b、120cが操作された場合、決定された当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」毎に、無効ラインB1上に表示(停止)される「BAR2」図柄が異なる(
図8およびその説明参照)。
【0116】
そして、左リール110aの無効ラインB1上に表示される「BAR2」図柄は、当選種別「強チェリー」に対応しており、中リール110bの無効ラインB1上に表示される「BAR2」図柄は、当選種別「スイカA」、「スイカB」に対応しており、右リール110cの無効ラインB1上に表示される「BAR2」図柄は、当選種別「強ベル」に対応している。
【0117】
例えば当選種別「シンボルリプレイA2」が決定され、
図14(c)に示すように、中リール110bの無効ラインB1上に「BAR2」図柄が表示される場合、当選種別「スイカA」または「スイカB」に当選したものとして扱われる。つまり、当選種別「シンボルリプレイA2」が決定され、中リール110bの無効ラインB1上に「BAR2」図柄が表示された場合、
図13(b)に示した当選種別「スイカA」、「スイカB」に対応するAT抽選テーブルを参照してAT抽選が行われる。また、ガセ前兆演出を実行する契機となった当選種別「強チェリー」に基づいてもAT抽選が行われる。そして、演出制御手段334は、
図14(d)に示すように、当選種別「強チェリー」、「スイカ」に対応するカウント表示領域400a、400bに「33」を表示する。
【0118】
なお、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかが決定され、チャレンジ演出の実行が決定された場合、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミングによって、無効ラインB1上に本来表示される「BAR2」図柄が表示されなくても、本来表示される「BAR2」図柄に対応する当選種別「レア役」が決定したものとして扱うようになされている。
【0119】
このように、カウント表示領域400a、400b、400cの値が「1」になった場合に、表示(停止)される図柄に基づいてAT抽選を行うといった特典を所定の確率で付与することで、前兆演出の実行中に遊技者は最後まで諦めずに遊技を行うことができ、遊技意欲を向上させることができる。
【0120】
ここで、チャレンジ演出におけるリール110a、110b、110cの停止制御について詳述する。上述したように、チャレンジ演出の実行が決定された場合に、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかが決定されると、遊技者は、有効ラインA上に、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせを表示することができる。ただし、表示される図柄組み合わせは、決定された当選種別が、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれであるかに応じて異なる。したがって、
図8を用いて説明したように、リール制御手段306は、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれが当選したかに基づいて停止制御を変更し、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を1~3のいずれかの個数だけ表示する。
【0121】
具体的に、リール制御手段306は、決定された当選種別に基づいて、無効ラインB1上(所定の位置)に、図柄「BAR2」(所定の図柄)を表示可能なリールを特定する。例えば、
図8を用いて説明したように、当選種別「シンボルリプレイA1」が決定された場合、図柄「BAR2」を表示可能なリールとして左リール110aを特定し、当選種別「シンボルリプレイA2」が決定された場合、中リール110bを特定し、当選種別「シンボルリプレイA3」が決定された場合、左リール110a、中リール110bを特定し、当選種別「シンボルリプレイA4」が決定された場合、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイA5」が決定された場合、左リール110a、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイA6」が決定された場合、中リール110b、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイA7」が決定された場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイB1」が決定された場合、左リール110aを特定し、当選種別「シンボルリプレイB2」が決定された場合、中リール110bを特定し、当選種別「シンボルリプレイB3」が決定された場合、左リール110a、中リール110bを特定し、当選種別「シンボルリプレイB4」が決定された場合、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイB5」が決定された場合、左リール110a、右リール110cを特定し、当選種別「シンボルリプレイB6」が決定された場合、中リール110b、右リール110cを特定する。
【0122】
そして、遊技者により、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作されると、リール制御手段306は、遊技者が操作したストップスイッチ120の情報を取得する。次に、リール制御手段306は、特定した、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリール110と、操作されたストップスイッチ120とが対応しているか否か判定する。例えば、特定されたリール110に中リール110bが含まれ、遊技者が操作したストップスイッチ120がストップスイッチ120bであれば、両者は対応していると判定する。対応していると判定すれば、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の図柄「BAR2」が無効ラインB1上に優先的に表示されるように停止制御テーブルを設定する。ここで、停止制御テーブルは、停止制御の滑りコマ数を決定するためのテーブルである。
【0123】
本実施形態では、上記の特定したリール110と、操作されたストップスイッチ120とが対応しているか否か判定する際に、論理演算を用いる。例えば、リール制御手段306は、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールを示すビット列(表示可能ビット列)を導出し、操作されたストップスイッチ120をビット列(操作ビット列)として取得し、表示可能ビット列と操作ビット列の論理積を計算することで、両者が対応するか否か判定する。かかる構成により、プログラムの記憶容量を削減し、遊技制御処理を行うための制御領域の容量を確保することができる。
【0124】
また、本実施形態では、停止制御の滑りコマ数を決定するためのテーブル(停止制御テーブル)として、図柄「BAR2」が無効ラインB1上に優先的に表示されるように停止制御する第1停止制御テーブルと、図柄「BAR2」以外の図柄が無効ラインB1上に優先的に表示されるように停止制御する第2停止制御テーブルの2つの停止制御テーブルを設けている。かかる構成により、プログラムの記憶容量を削減しつつ、停止制御を適切に実行することが可能となる。
【0125】
以下では、メインCPU200a周辺の電気的構成を説明した上で、チャレンジ演出の停止制御を詳述する。
【0126】
(メインCPU200aによるメモリおよびレジスタ管理)
上述したように、主制御基板200においては、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等として機能し、遊技の進行を制御する。これらの機能部を実行するためのプログラムは、メインROM200bおよびメインRAM200cの所定の領域(使用領域)に配される。
【0127】
図15は、メモリマップを示す説明図である。ここで、メインROM200bには、0000h~2FFFh(12kbyte)のメモリ空間が割り当てられ、メインRAM200cには、F000h~F3FFh(1kbyte)のメモリ空間が割り当てられている。ここで「h」は16進数であることを示す。また、メインROM200bおよびメインRAM200cのいずれにおいても使用領域が規定されている。なお、プログラムの命令コードはアセンブラ言語で記述されている。ここで、プログラムは、命令コードで構成されたものであり、コンピュータに読み出され、データやワークエリアと協働して所定の処理を実現することができる。
【0128】
メインROM200bの0000h~1DF3hのメモリ空間には使用領域が割り当てられている。具体的に、0000h~11FFh(4.5kbyte)に制限されたメモリ空間(制御領域)に、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316を機能させて遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行するためのプログラムの命令コードが格納され、1200h~1DF3h(3.0kbyte)に制限されたメモリ空間(データ領域)に、遊技制御処理のプログラムに用いられるデータが格納されている。また、1E00h~1EFFhのメモリ空間にはコメント領域が割り当てられ、2FC0h~2FFFhのメモリ空間にはプログラム管理領域が割り当てられている。また、1F00h~2FBFhのメモリ空間には別領域が割り当てられている。別領域は、使用領域に格納することが定められていないプログラムやデータを格納する領域である。具体的に、2FC0h~2FFFhのメモリ空間には、遊技の進行に影響を及ぼさない、遊技機用試験処理やセキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理を遂行するプログラムの命令コードおよびプログラムデータが格納されている。遊技機用試験処理は、回胴式遊技機用試験機の接続仕様書(第四版)に記載されているスロットマシン100の試験処理である。セキュリティ関連処理は、第三者の不正防止や不具合発見を目的とした異常状態を特定する処理であり、例えば、上述したバックアップフラグの判定やチェックサムの実行も含まれる。なお、別領域に記憶容量の制限はなく、
図15の例では、使用領域、コメント領域、および、プログラム管理領域以外の記憶領域に、自由に割り当てることができる。
【0129】
上記のように、メインCPU300aは、遊技制御処理のみならず、遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理も遂行する場合がある。しかし、使用領域の記憶容量は予め定められており、例えば、
図15に示したように、制御領域が4.5kbyteに制限され、データ領域が3.0kbyteに制限されている。したがって、遊技制御処理のみならず、遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理のプログラムやデータまでも使用領域に配すると、その分、遊技制御処理を行うための記憶領域が制限されてしまう。ここで、遊技制御処理を実行するためのプログラム(使用プログラム)やデータは、必ず使用領域に格納しなければならないが、遊技制御処理以外の遊技の進行に影響を及ぼさない(直接関係のない)処理(遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理等)を実行するためのプログラム(別プログラム)やデータは使用領域および別領域のいずれにも格納することができる。そこで、セキュリティ関連処理に該当する処理であるバックアップフラグの判定処理やチェックサムの実行処理を実行するためのプログラムやデータの少なくとも一部を、使用領域とは異なる(使用領域外の)記憶領域のうちの一部である別領域に記述している。
【0130】
このように使用領域で遂行される処理(ここでは、遊技制御処理)と、必ずしも使用領域で行わなくてよい処理(ここでは、セキュリティ関連処理)とが混在している場合には、遊技制御処理を実行するためのプログラム(使用プログラム)やデータを使用領域に格納し、使用領域で行わなくてよい、遊技制御処理以外の遊技の進行に影響を及ぼさない処理(遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理)を実行するためのプログラム(別プログラム)やデータを別領域に格納することが望ましい。このように記憶領域を複数に区分することで、別領域に移動させたプログラムの分だけ使用領域の記憶領域(容量)に余裕が生じる。したがって、その分、使用領域を遊技制御処理(使用プログラム)に割り当てることが可能となる。
【0131】
また、メインRAM200cのF000h~F1FFhのメモリ空間には使用領域が割り当てられている。具体的に、F000h~F13Fhのメモリ空間には、上記遊技制御処理のワークエリアが割り当てられ、タイマ、カウンタ、フラグ等の変数管理に用いられる。F1C0h~F1FFhのメモリ空間には、上記遊技制御処理のスタック領域が割り当てられている。また、メインRAM200cのF200h~F3FFhのメモリ空間には別領域が割り当てられている。具体的に、F210h~F22Fhのメモリ空間には、遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理のワークエリアが割り当てられ、タイマ、カウンタ、フラグ等の変数管理に用いられる。F230h~F246hのメモリ空間には、遊技機用試験処理、セキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理のスタック領域が割り当てられている。また、メインCPU200aには内部レジスタが設けられている。
【0132】
図16は、メインCPU200aの内部レジスタを説明するための説明図である。内部レジスタは、それぞれ8bitまたは16bitで構成され、単独で用いる場合と、予め定められている組み合わせ(ペアレジスタ)で用いる場合とがある。また、内部レジスタには表レジスタと、一部の表レジスタに対応した裏レジスタとがある。
【0133】
図16に示す内部レジスタのうち、Qレジスタ(キューレジスタ)は、遊技機用拡張仕様の8ビット専用レジスタである。かかるQレジスタの上位1バイトはF0h固定で、F000h~F0FFhのメインRAM200cのアクセスに利用する。Iレジスタは、割込先アドレスの上位8ビットを記憶する専用レジスタである。Aレジスタは、演算処理やデータ転送に使う8ビットのアキュムレータである。Fレジスタは、各種演算結果を保持する8ビットのフラグレジスタである。ここで、Fレジスタの各ビットは、
図16に示すように、最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)から最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)にかけて、Sは、演算結果が負のとき1にセットされるサインフラグであり、Zは、演算の結果、全ビットが0のとき1にセットされるゼロフラグ(第1ゼロフラグ)であり、tzは、データ転送命令(LD;ロード)の実行により、全ビットが0のとき1にセットされる(値の変わる)遊技機用拡張仕様の特定ビットフラグ(第2ゼロフラグ)であり、ティーゼットフラグと呼ぶ場合もある。hは、プログラマーが関与できないハーフキャリーフラグであり、*は、予約ビット(未定義)であり、p/vは、パリティオーバーフローフラグであり、nは、プログラマーが関与できない加減算フラグであり、cは、演算の結果、桁上げまたはボロー発生時に1がセットされるキャリーフラグである。なお、Fレジスタは、AレジスタとペアレジスタAFを構成する。
【0134】
また、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタは、8ビットの汎用レジスタであり、それぞれ予め組合せが定められている16ビットのペアレジスタBC、DE、HLを構成する。IXレジスタ、IYレジスタは、インデックスアドレッシング用16ビット専用レジスタであり、IXh、IYhは、上位8ビットを示し、IXl、IYlは下位8ビットを示す。A’レジスタ、F’レジスタ、B’レジスタ、C’レジスタ、D’レジスタ、E’レジスタ、H’レジスタ、L’レジスタは、Aレジスタ、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタの表レジスタとの交換命令によりデータ(内容)交換可能な裏レジスタであり、A’レジスタとF’レジスタでペアレジスタAF’を構成し、B’レジスタとC’レジスタでペアレジスタBC’を構成し、D’レジスタとE’レジスタでペアレジスタDE’を構成し、H’レジスタとL’レジスタでペアレジスタHL’を構成する。かかる裏レジスタは、割込処理の発生時に表レジスタのスタック領域として機能する。
【0135】
このような環境の下、メインCPU200aは、例えば、1.49msec毎の割込信号に応じて、使用領域のプログラムの命令コードに従い、使用領域のプログラムデータを参照しつつ、また、各内部レジスタ、使用領域のワークエリアやスタック領域を利用して、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316を機能させる遊技制御処理を遂行する。
【0136】
なお、ここでは、命令コードとして、エルイーテック(LETech)社が販売するLEM50A-P(製品名)に対して準備されたコマンドを用いている。LEM50A―Pは、遊技機業界で汎用的に用いられる(市場占有率が高い)、NC80EXというZ80系CPUを搭載したマイクロプロセッサである。
【0137】
このように、メインCPU200aにおいて、使用領域の記憶容量は予め定められており、例えば、
図15に示したように、制御領域が4.5kbyteに制限され、データ領域が3.0kbyteに制限されている。したがって、AT演出状態や、リールユニットを多彩な態様で回転させる所謂リール演出を、メインCPU200aが管理する場合、制御領域の中で、遊技制御処理の記憶容量がさらに制限されるおそれがある。ここでは、プログラム、および、プログラム中で扱う変数の構成を工夫することで、遊技制御処理を行うための制御領域の容量を確保する。
【0138】
(チャレンジ演出の停止制御プログラム)
図17は、チャレンジ演出の停止制御を説明するためのフローチャートであり、
図18は、停止制御における計算結果を示す説明図である。ここで、メインCPU200aは、例えば、1.49msec毎の割込信号に応じ、使用領域に格納されているプログラム(使用プログラム)の命令コードによって遊技制御処理を遂行する。そして、メインCPU200aは、メインルーチンを実行し、メインルーチンからサブルーチンを呼び出し、そのサブルーチンにおいて、停止制御テーブルを設定する。
【0139】
まず、リール制御手段306は、第1停止されたストップスイッチ120が、中リール110bに対応するストップスイッチ120bであるか否か判定する(S200)。その結果、第1停止されたストップスイッチ120がストップスイッチ120bであれば(S200におけるYES)、ステップS201に処理を移行し、ストップスイッチ120bでなければ(S200におけるNO)、メインルーチンに戻る。かかる処理により、チャレンジ演出の停止制御を、中リール110bに対応するストップスイッチ120bを第1停止する遊技で実現している。
【0140】
続いて、リール制御手段306は、当選種別抽選により決定された当選種別が当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかに対応しているか判定する。これは、当選種別抽選テーブルにおける当選領域の番号(抽選テーブルにおける配置番号)が27(当選種別「シンボルリプレイA1」の当選領域の番号)~39(当選種別「シンボルリプレイB6」の当選領域の番号)に含まれるかを判断することで実現される(
図7参照)。具体的に、リール制御手段306は、当選種別抽選により決定された当選種別の当選領域の番号(抽選テーブルにおける配置番号)を参照し(S201)、その当選領域の番号から当選種別「シンボルリプレイA1」の当選領域の番号である27(オフセット値)を減算する(S202)。そうすると、
図18に示すように、当選領域の番号27~39を0~12に置換することができる。
【0141】
そして、リール制御手段306は、その減算値が、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」の範囲を示す数値、すなわち、13(39(当選種別「シンボルリプレイB6」の当選領域の番号)-27(当選種別「シンボルリプレイA1」の当選領域の番号)+1)未満であるか否か判定し(S203)、13未満であれば(S203におけるYES)、ステップS204に処理を移行し、13以上であれば(S203におけるNO)、メインルーチンに戻る。
【0142】
次に、リール制御手段306は、27(オフセット値)を減算したあとの値である減算値を、停止制御の態様を規則的に纏めたグループのメンバ数である7(メンバ数)で除算する(S204)。ここで、停止制御の態様を規則的に纏めたグループとしては、例えば、
図7に示した、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」のグループと、当選種別「シンボルリプレイB1」~「シンボルリプレイB6」のグループとがある。かかる2つのグループは、それぞれグループ内では停止制御が全て異なるとともに、停止制御の態様が規則的に並べられ、グループ間では、停止制御が互いに等しくなっている。このように減算値をグループのメンバ(当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイA7」)の数である7で除算し、その剰余を用いることで、
図18に示すように、グループにおけるメンバの番号0~6に置き換えることができる。
【0143】
続いて、リール制御手段306は、除算した剰余に1を加えて表示可能ビット列を導出する(S205)。ここでは、剰余の範囲0~6に1を加えることで、
図18に示すように、範囲を1~7にシフトする。こうして、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールを示す表示可能ビット列が導出される。例えば、当選種別「シンボルリプレイA1」の表示可能ビット列は001bとなる。ここで、「b」は2進数であることを示す。また、ここでは、表示可能ビット列のビット0が左リール110a、ビット1が中リール110b、ビット2が右リール110cに対応している。したがって、当選種別「シンボルリプレイA1」の表示可能ビット列である001bは、左リール110aのみが、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールであることを示すこととなる。同様に、他の当選種別「シンボルリプレイA2」~「シンボルリプレイB6」についても、表示可能ビット列と無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールとが対応し、
図8の例と整合がとれる。ここでは、表示可能ビット列の各ビットがそのまま無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールを示すことになるので、下記で示す論理積等の論理演算に簡易かつ適切に用いることが可能となる。
【0144】
次に、リール制御手段306は、入力ポートから、遊技者によって操作されたストップスイッチ120を示す操作ビット列を参照し(S206)、操作ビット列と、表示可能ビット列との論理積を計算する(S207)。ここで、操作ビット列のビット0がストップスイッチ120aに対応し、ビット1がストップスイッチ120bに対応し、ビット2がストップスイッチ120cに対応している。したがって、ストップスイッチ120aが操作された場合、操作ビット列は001bとなり、ストップスイッチ120bが操作された場合、操作ビット列は010bとなり、ストップスイッチ120cが操作された場合、操作ビット列は100bとなる。なお、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が2または3つ同時に有効になることはないので、操作ビット列は、ビット0、ビット1、ビット2のいずれか1のビットが「1」となり、他の2つのビットが「0」となる。続いて、リール制御手段306は、論理積が0であるか否か判定し(S208)、その結果、論理積が0であれば(S208におけるYES)、図柄「BAR2」以外の図柄が無効ラインB1上に優先的に表示されるように停止制御する第2停止制御テーブルを設定して(S209)、メインルーチンに戻り、論理積が0でなければ(S208におけるNO)、図柄「BAR2」が無効ラインB1上に優先的に表示されるように停止制御する第1停止制御テーブルを設定して(S210)、メインルーチンに戻る。
【0145】
このような
図17で示したフローチャートは、例えば、
図19のプログラムによって実現される。
図19の1行目の「SCR_MSK」は、当該サブルーチンの先頭アドレスを示す。2行目の「BITQ 1,(LOW _1ST_BIT)」は、第1停止したストップスイッチ120が示されるアドレス(_1ST_BIT)の値のビット1が1であれば、ゼロフラグを立てず、0であれば、ゼロフラグを立てることを示す。ここで、「BITQ」等、「Q」が付されている命令コマンドは、NC80EX独自で利用されるコマンドであり、Qレジスタの値をIYレジスタの上位に設定した上で、_1ST_BITそのもののアドレス値をIYレジスタの下位に設定し、IYレジスタで示されるアドレスにアクセスする。したがって、「Q」が付されている命令コマンドでは、2バイトで構成される_1ST_BITそのもののアドレス値の下位バイトを指定するため、アドレスの表記は「(LOW _1ST_BIT)」となる。3行目の「RET Z」は、ゼロフラグが立っていれば、メインルーチンに戻り、ゼロフラグが立っていなければ、次の処理に移行することを示す。かかる2、3行目のコマンドが、
図17のステップS200に対応する。
【0146】
図19の4行目の「LDQ A,LOW _HlT_NUM」は、当選種別抽選により決定された当選領域の番号が示されるアドレス(_HlT_NUM)の値をAレジスタに設定することを示す。かかる4行目のコマンドが、
図17のステップS201に対応する。5行目の「SUB @HlT_ARE_SA1」は、Aレジスタの値からオフセット値である27(@HlT_ARE_SA1)を減算することを示す。かかる5行目のコマンドが、
図17のステップS202に対応する。6行目の「CP @HlT_ARE_SB6-@HlT_ARE_SA1+1」は、Aレジスタの値と、13(39(当選種別「シンボルリプレイB6」の当選領域の番号)-27(当選種別「シンボルリプレイA1」の当選領域の番号)+1)とを比較し、13未満であれば、キャリーフラグを立て、13以上であれば、キャリーフラグを立てないことを示す。7行目の「RET NC」は、キャリーフラグが立っていれば、次の処理に移行し、キャリーフラグが立っていなければ、メインルーチンに戻ることを示す。かかる6、7行目のコマンドが、
図17のステップS203に対応する。
【0147】
図19の8行目の「DIV B,A,7」は、Aレジスタの値を7で除算して、その剰余をBレジスタに設定することを示す。かかる8行目のコマンドが、
図17のステップS204に対応する。9行目の「INC B」は、Bレジスタの値をインクリメントする(1を加える)ことを示す。かかる9行目のコマンドが、
図17のステップS205に対応する。10行目の「LD A,E」は、入力ポートの値が設定されたEレジスタの値をAレジスタに設定することを示す。かかる10行目のコマンドが、
図17のステップS206に対応する。11行目の「AND B」は、Aレジスタの内容(操作ビット列)と、Bレジスタの内容(表示可能ビット列)との論理積をとってBレジスタに設定することを示す。ここでは、論理積後の値が0であれば、ゼロフラグを立て、0以外であれば、ゼロフラグを立てない。かかる11行目のコマンドが、
図17のステップS207に対応する。
【0148】
図19の12行目の「RESQ 3,(LOW _USE_MSK)」は、停止制御テーブルを管理するためのアドレス(_USE_MSK)の値のビット3を0にし、一旦、第2停止制御テーブルを設定することを示す。13行目の「RET Z」は、ゼロフラグが立っていれば、メインルーチンに戻り、ゼロフラグが立っていなければ、次の処理に移行することを示す。14行目の「SETQ 3,(LOW _USE_MSK)」は、停止制御テーブルを管理するためのアドレス(_USE_MSK)の値のビット3を1にし、第1停止制御テーブルを設定することを示す。こうして、結果的に、論理積が0であれば第2停止制御テーブルが設定され、論理積が0でなければ第1停止制御テーブルが設定される。かかる12~14行目のコマンドが、
図17のステップS208~S210に対応する。そして、15行目の「RET」によって、メインルーチンに戻ることとなる。
【0149】
本実施形態では、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示可能なリールや操作されたストップスイッチ120を、それぞれ、表示可能ビット列および操作ビット列で表し、その論理積によって利用する停止制御テーブルを簡易かつ適切に決定している。かかる構成により、プログラムの記憶容量を削減しつつ、停止制御を適切に実行することが可能となる。
【0150】
このように停止制御テーブルが決定すると、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120と、操作されたときのリール110の回転位置と、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3の情報(第1停止制御テーブルが設定されているか否か)に基づいて、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止制御する。
【0151】
図20は、停止制御テーブルを示した説明図であり、
図21は、停止制御の一例を示した説明図である。ここでは、
図14に示したように、チャレンジ演出において、当選種別「シンボルリプレイA2」が当選し、補助演出に応じて、遊技者が、打順4でストップスイッチ120a、120b、120cを操作する例を挙げて説明する。
【0152】
まず、遊技者がストップスイッチ120bを第1停止し、操作されたときの中リール110bの回転位置が図柄番号「10」の図柄「リプレイA」であったとする。なお、ここでは、回転位置を示す指標として、遊技者がストップスイッチ120を操作したときに図柄表示窓108の上段に位置する図柄を示す。したがって、ここでは、遊技者がストップスイッチ120bを第1停止したタイミングにおいて、中リール110bでは図柄番号「10」の図柄「リプレイA」が図柄表示窓108の上段に位置していたことになる。リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120b、および、操作されたときの中リール110bの回転位置(ここでは、図柄番号「10」)に基づいて、
図20の中リール110bの第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルから、
図21(a)のように、図柄番号「10」と、それより上方、滑りコマ数「4」分の第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルを抽出する。
【0153】
次に、リール制御手段306は、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3を参照し、ビット3が1であれば、
図21(a)の第1停止制御テーブルを下から順に(図柄番号を降順に)確認し、黒丸が存在するか否か判定する。ここで、黒丸は、停止制御により図柄表示窓108の上段に位置させる図柄を示している。
図21(a)の例では、図柄番号「6」に黒丸が存在するので、リール制御手段306は、図柄番号「6」の図柄「チェリー」が図柄表示窓108の上段に位置するように停止制御する。
【0154】
なお、仮に、遊技者がストップスイッチ120bを第1停止し、操作されたときの中リール110bの回転位置が図柄番号「11」の図柄「チェリー」であった場合、抽出された第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルは
図21(b)となる。ここでは、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が1であるものの、
図21(b)の第1停止制御テーブルには黒丸が存在しない。この場合、リール制御手段306は、
図21(b)の第1停止制御テーブルを下から順に(図柄番号を降順に)確認し、黒丸が存在しないことを認識すると、引き続き、
図21(b)の第2停止制御テーブルを下から順に(図柄番号を降順に)確認する。
図21(b)の例では、図柄番号「9」に黒丸が存在するので、リール制御手段306は、図柄番号「9」の図柄「ベル」が図柄表示窓108の上段に位置するように停止制御することとなる。このように、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が1であったとしても、第1停止制御テーブルには黒丸が存在しない場合、すなわち、滑りコマ数の範囲内に目的とする図柄(ここでは図柄番号「6」の図柄「チェリー」)が存在しない場合は、第2停止制御テーブルが用いられることとなる。
【0155】
次に、遊技者がストップスイッチ120cを第2停止し、操作されたときの右リール110cの回転位置が図柄番号「7」の図柄「BAR2」であったとする。リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120c、および、操作されたときの右リール110cの回転位置(ここでは、図柄番号「7」)に基づいて、
図20の右リール110cの第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルから、
図21(c)のように、図柄番号「7」と、それより上方、滑りコマ数「4」分の第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルを抽出する。ただし、右リール110cについては、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が0なので、リール制御手段306は、
図21(c)の第1停止制御テーブルを確認することなく、第2停止制御テーブルを下から順に(図柄番号を降順に)確認し、黒丸が存在するか否か判定する。
図21(c)の例では、図柄番号「3」に黒丸が存在するので、リール制御手段306は、図柄番号「3」の図柄「チェリー」が図柄表示窓108の上段に位置するように停止制御する。
【0156】
次に、遊技者がストップスイッチ120aを第3停止し、操作されたときの左リール110aの回転位置が図柄番号「17」の図柄「リプレイB」であったとする。リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120a、および、操作されたときの左リール110aの回転位置(ここでは、図柄番号「17」)に基づいて、
図20の左リール110aの第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルから、
図21(d)のように、図柄番号「17」と、それより上方、滑りコマ数「4」分の第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルを抽出する。ただし、左リール110aについては、右リール110c同様、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が0なので、リール制御手段306は、
図21(d)の第1停止制御テーブルを確認することなく、第2停止制御テーブルを下から順に(図柄番号を降順に)確認し、黒丸が存在するか否か判定する。
図21(d)の例では、図柄番号「13」に黒丸が存在するので、リール制御手段306は、図柄番号「13」の図柄「スイカ」が図柄表示窓108の上段に位置するように停止制御する。
【0157】
こうして、
図21(e)のように、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が1となる中リール110bのみ無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示させることができ、一方で、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が0となる右リール110c、左リール110aでは無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示させることができない。
【0158】
ここでは、アドレス(_USE_MSK)の値のビット3が1であるか否かに応じて、停止制御テーブルを用い、リール110a、110b、110cそれぞれを画一的な処理で適切に停止制御している。
【0159】
また、ここでは、リール110a、110b、110cそれぞれに第1停止制御テーブルおよび第2停止制御テーブルを対応付け、リール110a、110b、110cそれぞれにおいて、個々に、無効ラインB1上に図柄「BAR2」を表示させるか否かの停止制御を行っている。したがって、リール110a、110b、110c全ての停止制御テーブルを8(2^3)通り作成する場合に比べ、プログラムの記憶容量を削減することが可能となる。
【0160】
以下、主制御基板200における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0161】
(主制御基板200のメイン処理)
図22は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
【0162】
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0163】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0164】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、
図6および
図7に示した当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。また、遊技状態制御手段312は、当選種別抽選において当選役「RBB」が決定されると、遊技状態を非内部遊技状態からRBB内部中遊技状態に移行させる。
【0165】
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
【0166】
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定常回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0167】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
【0168】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、
図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するか(入賞した当選役)を判定する。また、遊技状態制御手段312は、RBB内部中遊技状態において、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中遊技状態に移行させる。また、コマンド送信手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
【0169】
(ステップS700)
また、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせ(リール110の停止態様)に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
【0170】
(ステップS800)
遊技状態制御手段312は、RBB作動中遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行させる。また、演出状態制御手段314は、演出状態の変更や、有利区間と非有利区間との変更を行う。また、コマンド送信手段316は、遊技状態または演出状態が変更された場合、変更された遊技状態または演出状態等を含む遊技移行コマンドを生成し、生成された遊技移行コマンドを副制御基板202に送信する。このように、移行処理S800が終了することで、当該1遊技が終了する。
【0171】
ここでは、擬似ボーナス演出状態への移行が決定されたことが報知されると、演出状態制御手段314は、リール制御手段306に、上述した擬似ボーナス演出状態へ移行することを示す第1リール演出を実行させ、その次の遊技から、擬似ボーナス演出状態を開始する。
【0172】
ステップS200からステップS800までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS800までを繰り返すこととなる。
【0173】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0174】
例えば、上述した実施形態においては、ガセ前兆演出の32遊技目において所定の確率でチャレンジ演出が実行されることを条件に、当選種別「シンボルリプレイA1」~「シンボルリプレイB6」のいずれかが決定されると、それに応じて、リール110a、110b、110cそれぞれの図柄「BAR2」を無効ラインB1上に表示可能か否か決定される例を挙げて説明したが、ガセ前兆演出の32遊技目においてチャレンジ演出が実行される場合に限らず、様々なタイミングで、リール110a、110b、110cそれぞれの図柄「BAR2」を無効ラインB1上に表示可能か否か決定される遊技性を適用することができる。
【0175】
また、上述した実施形態では、特定役としてリプレイ役、特に、当選役「リプレイ3」を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、1つの条件装置で停止制御が異なれば(当選種別抽選により特定役を含む複数の当選種別のいずれかが決定されると、決定された当選種別に応じて異なる表示態様となるように特定役を停止制御しさえすれば)足り、他のリプレイ役であってもよいし、リプレイ役以外の小役等であってもよい。
【0176】
また、上述した実施形態では、所定の位置として無効ラインB1上を例示し、所定の図柄として図柄「BAR2」を例示したが、いずれも任意に設定することができるのは言うまでもない。
【0177】
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0178】
また、上述した実施形態では、AT演出状態が1種類のみ設けられるようにしたが、例えば、AT演出状態の継続遊技数の上乗せ特化ゾーンなど、複数種類のAT演出状態が設けられるようにしてもよい。
【0179】
また、上記した実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(所謂メダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0180】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0181】
100 スロットマシン(遊技機)
110a、110b、110c リール
116 ベットスイッチ
118 スタートスイッチ
120a、120b、120c ストップスイッチ
124 液晶表示部
200 主制御基板
202 副制御基板
304 当選種別抽選手段
306 リール制御手段