(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ホスホジエステラーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20241205BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20241205BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20241205BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20241205BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20241205BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20241205BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241205BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/36 20060101ALI20241205BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20241205BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/438 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20241205BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61K31/437
A61P35/00
A61P25/28
A61P25/00
A61P25/30
A61P37/06
A61P29/00
A61P11/00
A61P11/06
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P25/14
A61P17/00
A61P17/06
A61P25/16
A61P21/00
A61P25/02
A61P25/36
A61P25/32
C07D519/00 301
A61K31/438
A61K31/541
A61P43/00 111
C07D519/00 311
(21)【出願番号】P 2021519822
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019055780
(87)【国際公開番号】W WO2020077174
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-11
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516009726
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ ネブラスカ
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS OF THE UNIVERSITY OF NEBRASKA
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンズ、コーリー
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-136182(JP,A)
【文献】特表2009-515926(JP,A)
【文献】特表2013-519707(JP,A)
【文献】特表2018-513214(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109553621(CN,A)
【文献】DATABASE PUBCHEM [online],2017年01月25日,[検索日2023年9月20日], PubChem CID 123674986
【文献】REGISTRY(STN)[online],2018年02月20日,[検索日2023年9月20日], CAS登録番号 2177267-42-2
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008年06月11日,[検索日2023年9月20日], CAS登録番号 1027382-87-1
【文献】REGISTRY(STN)[online],2008年06月11日,[検索日2023年9月20日], CAS登録番号 1027382-55-3
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2012年,Vol.22,pp.6888-6895
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
式中、
X、Y、およびZが、CR
3であり、
Rが非置換であるかまたは1~3つのR
4によって置換されているC
0~6アルキレン-C
6~10アリールであり、
R
1およびR
2が結合する窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから独立して選択される0~2個の追加の環ヘテロ原子を含む3~10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、前記ヘテロシクロアルキルが非置換であるかまたは1~3つのR
6によって置換されており、
各R
3が独立して、H、C
1~6アルキル、ハロゲン、CF
3、OH、CN、CONR
7(R
7)、SO
2NR
7R
7、O-C
1~6アルキル、もしくはO-C
6~10アリールであり、前記アリールが非置換であるかまたは1~3つのR
5で置換されており、
各R
4が独立して、C
1~6アルキル、ハロゲン、CF
3、CN、CONHR
7、SO
2NR
7R
7、O-C
1~6アルキル、もしくはO-C
6~10アリールであり、
R
5およびR
6の各々が独立して、C
1~6アルキル、ハロゲン、CF
3、CN、OH、もしくはO-C
1~6アルキルであり、
各R
7が独立して、H、C
1~6アルキル、C
0~6アルキレン-C
6~10アリール、C
0~6アルキレン-5~7員のヘテロアリール、C
0~6アルキレン-C
3~10シクロアルキル、もしくはC
0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであり、各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルが非置換であるかまたは1~3つのR
5によって置換され、前記ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルがN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む、化合物または塩。
【請求項2】
各R
3が独立して、H、C
1~6アルキル、ハロゲン、CF
3、OH、CN、またはO-C
1~6アルキルである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項3】
X、Y、およびZが各々、CHである、請求項2に記載の化合物または塩。
【請求項4】
RがC
0~6アルキレン-C
6~10アリールである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項5】
Rが、C
6~10アリールである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項6】
Rが、フェニルである、請求項5に記載の化合物または塩。
【請求項7】
Rが、1~3つのR
4によって置換されている、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項8】
Rが、2つのR
4によって置換されている、請求項7に記載の化合物または塩。
【請求項9】
Rが、3つのR
4によって置換されている、請求項7に記載の化合物または塩。
【請求項10】
各R
4が独立して、C
1~6アルキル、O-C
1~6アルキル、ハロゲン、またはCNである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項11】
少なくとも1つのR
4が、フルオロである、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項12】
少なくとも1つのR
4が、クロロである、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項13】
少なくとも1つのR
4が、メチルである、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項14】
少なくとも1つのR
4が、CNまたはOMeである、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項15】
Rが、
【化2】
である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項16】
Rが、
【化3】
である、請求項15に記載の化合物または塩。
【請求項17】
Rが、ジクロロフェニルである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項18】
R
1およびR
2が結合する原子と一緒になって、4員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項19】
前記ヘテロシクロアルキル環が、置換されていない、請求項18に記載の化合物または塩。
【請求項20】
前記ヘテロシクロアルキル環が、1~3つのR
6によって置換されている、請求項18に記載の化合物または塩。
【請求項21】
R
6が、ハロゲンまたはCF
3である、請求項20に記載の化合物または塩。
【請求項22】
少なくとも1つのR
6が、ハロゲンである、請求項21に記載の化合物または塩。
【請求項23】
各R
6が、ハロゲンである、請求項22に記載の化合物または塩。
【請求項24】
R
6が、フルオロである、請求項20に記載の化合物または塩。
【請求項25】
少なくとも1つのR
6が、CF
3である、請求項21に記載の化合物または塩。
【請求項26】
N(R
1)(R
2)が
、
【化5】
である、請求項18に記載の化合物または塩。
【請求項27】
化合物6~12、14、15、25、30、37、38、42、および43から選択される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物または塩を含む、対象における疾患を治療、阻害、または予防するための医薬組成物。
【請求項29】
前記疾患が、癌、神経変性疾患、多発性硬化症、慢性外傷性脳症(CTE)、外傷性脳損傷(TBI)、バッテン病、依存症、自己免疫障害、炎症性障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、うつ病およびうつ病性障害、不安障害、統合失調症、注意欠陥-多動性障害、喘息、リウマチ性関節炎、脳卒中、自閉症、ハンチントン病、アトピー性皮膚炎、乾癬性関節炎、またはプラーク乾癬である、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはALSである、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記バッテン病が、CLN1疾患の乳児発症、CLN1疾患の若年発症、CLN2疾患の後期乳児発症、CLN2疾患の後期発症、CLN3疾患の若年発症、CLN4疾患の成人発症、CLN5疾患変異型の後期乳児発症、CLN6疾患変異型の後期乳児発症、CLN6疾患の成人発症、CLN7疾患変異型の後期乳児発症、CLN8疾患、またはCLN10疾患である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記依存症が、コカイン依存症、メタンフェタミン依存症、ヘロイン依存症、またはアルコール依存症である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記依存症が、コカイン依存症である、請求項32に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ホスホジエステラーゼ4(PDE4)は、複数の生理学的および病態生理学的状態を伴うシグナル伝達経路の重要な構成要素を形成する細胞内酵素のクラスである。PDE4は、多くの細胞タイプで第2のメッセンジャーサイクリックAMP(cAMP)の分解に関与する加水分解酵素である。PDE4酵素ファミリーは、異なる遺伝子によって独立してコードされた4つのサブタイプ(PDE4A~D)で構成されている。PDE4A、PDE4B、およびPDE4Dは、脳に存在する。PDE4Bは、うつ病および炎症のような障害の病因において重要な役割を果たす。選択的かつ強力なPDE4阻害剤としての新規1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド誘導体の開発は、様々な疾患および障害の療法の必要性に対処する上で有望な戦略である。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、式Iの化合物を提供し、
【0003】
【0004】
式中、
X、Y、およびZが各々独立して、NもしくはCR3であり、
RがC0~6アルキレン-C6~10アリール、C0~6アルキレン-5~7員のヘテロアリール、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであるか、各々が任意選択的に1~3つのR4によって置換され、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルがN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含み、
R1がH、C1~6アルキル、もしくはN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む3~10員のヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR5によって置換されており、
R2がC1~6アルキル、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含むC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであり、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR5によって置換されているか、または
R1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから独立して選択される0~2個の追加の環ヘテロ原子を含む3~10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR6によって置換されており、
各R3が独立して、H、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、OH、CN、CONR7(R7)、SO2NR7R7、O-C1~6アルキル、もしくはO-C6~10アリールであり、アリールが任意選択的に1~3つのR5で置換されており、
各R4が独立して、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、CN、CONHR7、SO2NR7R7、O-C1~6アルキル、もしくはO-C6~10アリールであり、
R5およびR6の各々が独立して、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、CN、OH、もしくはO-C1~6アルキルであり、
各R7が独立して、H、C1~6アルキル、C0~6アルキレン-C6~10アリール
、C0~6アルキレン-5~7員のヘテロアリール、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであり、各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR5によって置換され、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルがN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、Rは、C0~6アルキレン-C6~10アリールまたはC0~6アルキレン-5~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、C6~10アリールまたは5~7員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、ジクロロフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、
【0006】
【0007】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0008】
【0009】
である。
いくつかの実施形態では、Rは、
【0010】
【0011】
である。
【0012】
化合物を使用して、PDE4を阻害する方法が本明細書でさらに提供される。一実施形態では、本開示の化合物は、PDE4A、PDE4B、PDE4C、およびPDE4Dを
含むPDE4の1つ以上の特定のサブタイプを阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、PDE4Bおよび/またはPDE4Dを阻害する。
【0013】
本開示の他の態様は、対象におけるPDE4阻害によって調節されることができる疾患または障害を治療または予防するための医薬品の調製に使用するための本明細書に開示されるような化合物、および対象におけるPDE4阻害によって調節されることができる疾患または障害を治療または予防する方法における本明細書に開示されるような化合物の使用を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】マクロファージ炎症誘発性活性の阻害に対する(左から右へ)化合物8および39、対照(3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N-シクロプロピル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-カルボキサミド)、ならびに化合物7、18、および37の効果を示す。骨髄由来マクロファージを刺激しなかった(-)か、または示された濃度の十分に特徴付けられたPDE4阻害剤ロリプラムもしくは標的化合物(1または10μM)で30分間前処理した後、(A)リポ多糖(LPS)(100ng/ml)もしくは(B)合成リポペプチド(Pam3Cys)(10μg/ml)で刺激した。
【
図2】化合物8がマウスにおけるコカイン媒介探索行動および摂取行動を著しく減少させたことを示す。
【
図3】化合物8が単独では一切増加することなくコカインが運動亢進を誘発することを阻害したことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
PDE4の小分子阻害剤およびその使用方法が本明細書で提供される。一実施形態では、本開示の化合物は、PDE4A、PDE4B、PDE4C、およびPDE4Dを含むPDE4の1つ以上の特定のサブタイプを阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、PDE4Bおよび/またはPDE4Dを阻害する。これらの化合物は、癌、神経変性疾患、依存症、自己免疫障害、炎症性障害、うつ病およびうつ病性障害、ならびに不安障害を含むがこれらに限定されない様々な疾患および障害の治療に有用である。
【0016】
本開示の化合物
本開示は、式Iの化合物を提供し、
【0017】
【0018】
式中、
X、Y、およびZが各々独立して、NもしくはCR3であり、
RがC0~6アルキレン-C6~10アリール、C0~6アルキレン-5~7員のヘテロアリール、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであるか、各々が任意選択的に1~3つのR4によって置換され、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルがN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含み、
R1がH、C1~6アルキル、もしくはN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む3~10員のヘテロシクロアルキルであり、ヘテロシクロアル
キルが任意選択的に1~3つのR5によって置換されており、
R2がC1~6アルキル、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含むC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであり、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR5によって置換されているか、または
R1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから独立して選択される0~2個の追加の環ヘテロ原子を含む3~10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、ヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR6によって置換されており、
各R3が独立して、H、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、OH、CN、CONR7(R7)、SO2NR7R7、O-C1~6アルキル、もしくはO-C6~10アリールであり、アリールが任意選択的に1~3つのR5で置換されており、
各R4が独立して、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、CN、CONHR7、SO2NR7R7、O-C1~6アルキル、もしくはO-C6~10アリールであり、
R5およびR6の各々が独立して、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、CN、OH、もしくはO-C1~6アルキルであり、
各R7が独立して、H、C1~6アルキル、C0~6アルキレン-C6~10アリール、C0~6アルキレン-5~7員のヘテロアリール、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキル、もしくはC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルであり、各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルが任意選択的に1~3つのR5によって置換され、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルがN、O、およびSから独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子、例えば1~20個の炭素原子、または1~10個の炭素原子を含有する直鎖状および分枝状の飽和炭化水素基を指す。Cnという用語は、アルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C4アルキルは、4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。C1~6アルキルは、全範囲(例えば、1~6個の炭素原子)、ならびに全てのサブグループ(例えば、1~6、2~5、1~4、3~6、1、2、3、4、5、および6個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルキル基を指す。アルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル(2-メチルプロピル)、およびt-ブチル(1,1-ジメチルエチル)が含まれる。別途指示されない限り、アルキル基は、非置換アルキル基または置換アルキル基であり得る。
【0020】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、置換基を有するアルキル基を指す。例えば、アルキレン基は、-CH2CH2-または-CH2-であり得る。Cnという用語は、アルキレン基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C1~6アルキレンとは、「アルキル」基について前述されるように、全範囲ならびに全てのサブグループを包含する炭素原子数を有するアルキレン基を指す。別途指示されない限り、アルキレン基は、非置換アルキレン基または置換アルキレン基であり得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~10個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10個の炭素原子)を含有する脂肪族環式炭化水素基を指す。Cnという用語は、シクロアルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C5シクロアルキルとは、環に5個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。C3~10シクロアルキルは、全範囲(例えば、3~10個の炭素原子)、ならびに全てのサブグループ(例えば、3~9、3~8、3~7、3~6、3~5、3~4、4~9、4~8、4~7、4~6、4~5、5~9、5~8、5~7、5~6、6~9、6~8、6~7、7~9、7~8、8~9、3、4、5、6、7、8、9、および10個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するシクロアルキル基を指す。シクロアルキル基の非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。別途指示されない限り、シクロアルキル基は、非置換シクロアルキル基または置換シクロアルキル基であり得る。例えば、シクロアルキル基は、1つまたは2つのフルオロ基で置換されたシクロブチル環であり得る。本明細書に記載のシクロアルキル基は、それだけで存在していても、または別のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、および/またはヘテロアリール基と縮合していてもよい。縮合は、例えば、スピロ縮合であり得る。特に明記しない限り、シクロアルキル基が別のシクロアルキル基と縮合している場合、シクロアルキル基の各々は、3~10個の炭素原子を含有し得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環が、酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有することを除いて、シクロアルキルと同様に定義される。特に、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、合計3~10(例えば、3~7、または5~10)個の原子を含有する環を指し、そのうちの1、2、3、または4個の原子は、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子であり、環の残りの原子は炭素原子である。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例には、アゼチジン、ピペリジン、ピラゾリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロフラン、モルホリンなどが含まれる。別途指示されない限り、ヘテロシクロアルキル基は、非置換ヘテロシクロアルキル基または置換ヘテロシクロアルキル基であり得る。例えば、ヘテロシクロアルキル基は、1つまたは2つのフルオロ基で置換されたアゼチジン環であり得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単環式芳香族基、例えば、フェニルを指す。別途指示されない限り、アリール基は、非置換であり得るか、または、例えば、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、OH、アミド、スルホンアミド、O-アルキル、もしくはO-アリールから独立して選択される1つ以上、特に、1~4つの基で置換されていてもよい。アリール基は、それだけで存在していてもよく(例えば、フェニル)、または別のアリール基(例えば、ナフチル、アントラセニル)、シクロアルキル基(例えば、テトラヒドロナフチル)、ヘテロシクロアルキル基、および/もしくはヘテロアリール基と縮合していてもよい。例示的なアリール基には、フェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、2,4-メトキシクロロフェニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、合計5~7個の環原子を有し、芳香環中に窒素、酸素、および硫黄原子から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、単環式芳香環を指す。別途指示されない限り、ヘテロアリール基は、非置換であるか、または、例えば、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、OH、アミド、スルホンアミド、O-アルキル、もしくはO-アリールから独立して選択される1つ以上、特に、1~4つの基で置換され得る。ヘテロアリール基の例には、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、およびチアジアゾリルが含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
いくつかの場合では、X、Y、およびZのうちの少なくとも1つは、CR3である。いくつかの場合では、X、Y、およびZのうちの少なくとも1つは、Nである。いくつかの場合では、X、Y、およびZは各々、CR3である。いくつかの場合では、各R3は独立して、H、C1~6アルキル、ハロゲン、CF3、OH、CN、またはO-C1~6アルキルである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3はHである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3はC1~6アルキルである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3は、ハロゲンである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3は、CF3である。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3は、OHである。いくつかの場合で
は、少なくとも1つのR3は、CNである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR3は、-O-C1~6アルキルである。いくつかの場合では、X、Y、およびZは各々、CHである。
【0026】
いくつかの場合では、Rは、C0~6アルキレン-C6~10アリールまたはC0~6アルキレン-5~10員のヘテロアリールである。いくつかの場合では、Rは、C1~6アルキレン-C6~10アリールまたはC1~6アルキレン-5~10員のヘテロアリールである。いくつかの場合では、Rは、C1アルキレン-C6~10アリールまたはC1アルキレン-5~10員のヘテロアリールである。いくつかの場合では、Rは、C6~10アリールまたは5~7員のヘテロアリールである。いくつかの場合では、Rは、C6~10アリールまたは5~7員のヘテロアリールである。いくつかの場合では、Rは、フェニルである。いくつかの場合では、Rは、ジクロロフェニルである。いくつかの場合では、Rは、
【0027】
【0028】
である。いくつかの場合では、Rは、
【0029】
【0030】
である。
いくつかの場合では、Rは、
【0031】
【0032】
である。
【0033】
いくつかの場合では、Rは、1~3つのR4によって置換されている。いくつかの場合では、Rは、1つのR4によって置換されている。いくつかの場合では、Rは、2つのR4によって置換されている。いくつかの場合では、Rは、3つのR4によって置換されている。
【0034】
いくつかの場合では、各R4は独立して、C1~6アルキル、O-C1~6アルキル、ハロゲン、またはCNである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、ハロゲンである。いくつかの場合では、各R4は、ハロゲンである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、フルオロである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、クロロである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、C1~6アルキルである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、メチルである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、O-C1~6アルキルである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、CNまたはOMeである。。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、CNである。。いくつかの場合では、少なくとも1つのR4は、OMeである。
【0035】
いくつかの場合では、R1は、Hである。いくつかの場合では、R1は、C1~6アルキルである。
【0036】
いくつかの場合では、R2は、C0~6アルキレン-C3~10シクロアルキルまたはC0~6アルキレン-3~10員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの場合では、R2は、C3~10シクロアルキルである。いくつかの場合では、R2は、C3~5シクロアルキルである。いくつかの場合では、R2は、シクロプロピルである。いくつかの場合では、R2は、シクロブチルである。いくつかの場合では、R2は、
【0037】
【0038】
である。
【0039】
いくつかの場合では、R2は、1~3つのR5によって置換されている。いくつかの場合では、R2は、1つのR5によって置換されている。いくつかの場合では、R2は、2つのR5によって置換されている。いくつかの場合では、R2は、3つのR5によって置換されている。。いくつかの場合では、少なくとも1つのR5は、ハロゲンである。いくつかの場合では、各R5は、ハロゲンである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR5は、フルオロである。いくつかの場合では、各R5は、フルオロである。
【0040】
いくつかの場合では、R1およびR2が結合する窒素原子と一緒になって、3~10員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、3員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、4員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、5員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、6員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、7員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になっ
て、9員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、R1およびR2は結合する原子と一緒になって、10員のヘテロシクロアルキル環を形成する。いくつかの場合では、ヘテロシクロアルキル環は、置換されていない。いくつかの場合では、ヘテロシクロアルキル環は、1~3つのR6によって置換されている。いくつかの場合では、ヘテロシクロアルキル環は、1つのR6によって置換されている。いくつかの場合では、ヘテロシクロアルキル環は、2つのR6によって置換されている。いくつかの場合では、ヘテロシクロアルキル環は、3つのR6によって置換されている。
【0041】
いくつかの場合では、R6は、ハロゲンまたはCF3である。いくつかの場合では、少なくとも1つのR6は、ハロゲンである。いくつかの場合では、各R6は、ハロゲンである。いくつかの場合では、R6は、フルオロである。いくつかの場合では、少なくとも1つのR6は、CF3である。
【0042】
いくつかの場合では、N(R1)(R2)は、
【0043】
【0044】
である。
【0045】
表Aに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩がさらに提供される。表Aに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用もまた提供される。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
本明細書に開示される化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく、ヒトおよび下等動物の組織との接触での使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容
される塩は、当該技術分野で周知されている。例えば、S.M.Bergeらは、参照によって本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸で形成されるか、またはイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphorsulfonate)、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。カルボン酸または他の酸性官能基を含有する化合物の塩は、好適な塩基と反応させることによって調製され得る。かかる塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム塩、アンモニウム、N+(C1~4アルキル)4塩、および有機塩基の塩、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’-ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N-メチルグルカミン、コリジン、キニン、キノリン、ならびにリジンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も企図する。水溶性もしくは油溶性または分散性産生物は、かかる四級化によって得られ得る。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成された非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
【0055】
本開示の化合物の合成
本明細書に開示される化合物は、市販の出発物質、文献で知られている化合物を使用して、または容易に調製された中間体から、当業者に既知のまたは本明細書の教示に照らした標準的な合成方法および手順を採用することによって、様々な方法で調製することができる。有機分子の調製ならびに官能基の変換および操作のための標準的な合成方法ならびに手順は、関連する科学文献または当分野の標準的な教科書から得ることができる。1つまたはいくつかのソースに限定されることはないが、定評のある著作、例えば、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic
Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley&Sons:New York,2001、およびGreene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed
ition,John Wiley&Sons:New York,1999は、有用で認知された有機合成の参考教科書であり、当業者に既知である。例えば、本明細書に開示される化合物は、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.1963;85:2149、Davis et al.,Biochem.Intl.1985;10:394-414、Larsen et al.,J.Am.Chem.Soc.1993;115:6247、Smith et al.,J.Peptide Protein
Res.1994;44:183、O’Donnell et al.,J.Am.Chem.Soc.1996;118:6070、Stewart and Young,Solid Phase Peptide Synthesis,Freeman(1969)、Finn et al.,The Proteins,3rd ed.,vol.2,pp.105-253(1976)、およびErickson et al.,The Proteins,3rd ed.,vol.2,pp.257-527(1976)に記載されているものを含む固相合成技術によって合成され得る。合成方法の以下の説明は、本開示の化合物の調製のための一般的な手順を示すことを意図するもので、限定するためのものではない。
【0056】
本明細書に開示される合成プロセスは、多種多様な官能基を許容することができ、したがって、様々な代替出発物質を使用することができる。本プロセスは、一般に、プロセス全体の最後またはその近くで所望の最終化合物を提供するが、特定の場合では、化合物をその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグにさらに変換することが望ましいことがある。
【0057】
一般に、式Iの化合物は、スキーム1または2に従って合成され得る。
【0058】
【0059】
【0060】
構造cを有する化合物は、スキーム1または2に示される手順を使用して合成され得る。
【0061】
スキーム1において、メチルエステルaを、脱離基、例えば、ボロン酸を含む置換基R
の誘導体、ならびに適切な試薬、例えば、抱水クロラール、水酸化アモニウム、および濃硫酸で処理すると、誘導体化合物bが産生される。例えば、Rがアリール基、例えば、3,4-ジクロロフェニルである場合、カップリング条件下でのアリールボロン酸、例えば、(3,4-ジクロロフェニル)ボロン酸で処理(例えば、室温で12時間、ジクロロメタン中で酢酸銅(II)およびピリジンで処理)すると、化合物bが産生され、ここで、Rはアリール基、例えば、3,4-ジクロロフェニルである。適切な条件下でのbの加水分解、例えば、メタノールと水との混合物中の水酸化ナトリウムでの処理、続いて適切なカップリング条件下での構造NHR1R2(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)中のプロパンホスホン酸無水物(T3P)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA))を有するアミンで、室温で30分~4時間処理すると、構造cを有する式Iの化合物が産生される。適切なカップリング条件は当業者に知られているが、銅触媒付加などの遷移金属触媒付加(例えば、ラムカップリング)を含むがこれに限定されないことが企図されている。
【0062】
スキーム2の条件は、R基とカップリングして、構造cを有する式Iの化合物を形成する前に、加水分解およびアミンカップリングを行ってアミドdを形成できることを除いて、スキーム1の条件と同一である。
【0063】
本明細書に開示される化合物を調製するための追加の合成手順は、実施例のセクションに見出すことができる。
【0064】
薬学的製剤、投薬、および投与経路
本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩)と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬製剤がさらに提供される。
【0065】
本明細書に記載の化合物は、治療有効量(例えば、異常なPDE4活性に関連する障害の症状を予防または緩和するのに十分な量)で対象に投与され得る。化合物は、単独で、または薬学的に許容される組成物もしくは製剤の一部として、投与され得る。加えて、化合物は、一度に投与されても、複数回投与されても、またはある期間にわたって実質的に一様に送達されてもよい。化合物の用量が、経時的に変化し得ることにも留意されたい。
【0066】
特定の対象に対する特定の投与レジメンは、化合物、投与される化合物の量、投与経路、および任意の副作用の原因および程度に部分的に依存するであろう。本開示による対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与される化合物の量は、妥当な時間枠にわたって所望の応答をもたらすのに十分でなければならない。投与量は、典型的には、投与の経路、タイミング、および頻度に依存する。したがって、臨床医は、投与量の力価を定め、最適な療法効果を得るために投与経路を修正する。従来の範囲探索の技術は、当業者に既知である。
【0067】
単に例として、この方法は、上記の要因に応じて、例えば、約0.1mg/kg~最大約100mg/kgの化合物またはそれ以上を投与することを含む。他の実施形態では、投薬量は、1mg/kg~最大約100mg/kg、または5mg/kg~最大約100mg/kg、または10mg/kg~最大約100mg/kgの範囲である。ある状況では、長期の治療を必要とし、より低い用量の化合物を、複数回にわたって投与することを伴う場合もあるか、または伴わない場合もある。所望の場合、化合物の用量は、1日を通して適切な間隔で別個に、2、3、4、5、6、またはそれ以上のサブ用量(sub-dose)として、任意選択的に単位剤形で、投与される。治療期間は、特定の状態応じ、1日~数ヶ月間続き得る。
【0068】
本明細書に開示される化合物(例えば、式Iの化合物)を含む医薬組成物などの生理学
的に許容される組成物を投与する好適な方法は、当技術分野で周知されている。2つ以上の経路を使用して化合物を投与することができるが、特定の経路は別の経路よりも迅速かつ効果的な反応を提供し得る。状況に応じて、化合物を含む薬学的組成物は、体腔に適用または滴下注入され、皮膚もしくは粘膜を通じて吸収され、摂取され、吸入され、かつ/または循環血液中に導入される。例えば、ある特定の状況では、薬剤を含む薬学的組成物を、経口で、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内、病巣内、髄内、髄腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、尿道、膣内、もしくは直腸手段による注射によって、徐放系によって、または埋め込みデバイスによって送達することが望ましい。所望の場合、化合物は、目的とする領域に供給する、髄腔内投与、脳内(実質内)投与、脳室内投与、または動脈内もしくは静脈内投与によって局所投与される。あるいは、本組成物は、所望の化合物が吸収またはカプセル化された膜、スポンジ、または別の適切な材料の埋め込みによって局所投与される。埋め込みデバイスが使用される場合、このデバイスは、一態様では、任意の好適な組織または臓器に埋め込まれ、所望の化合物の送達は、例えば、拡散、徐放性ボーラス、または連続投与を介する。
【0069】
投与を容易にするために、化合物は、様々な態様では、担体(例えば、ビヒクル、アジュバント、または希釈剤)を含む生理学的に許容される組成物に製剤化される。採用される特定の担体は、溶解度および化合物との反応性の欠如などの化学物理的考慮事項、ならびに投与経路のみによって制限される。生理学的に許容される担体は、当該技術分野で周知されている。注射可能物の使用に好適な例示的薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および注射可能な滅菌溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる(例えば、米国特許第5,466,468号を参照されたい)。注射可能な製剤は、例えば、Pharmaceutics and Pharmacy Practice,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia.Pa.,Banker and
Chalmers,eds.,pages 238-250(1982)、およびASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.,pages 622-630(1986))にさらに記載されている。化合物を含む医薬組成物は、一態様では、かかる医薬組成物の使用に関する指示を提供する包装材料と共に、容器内に配置される。一般に、そのような指示には、試薬濃度、ならびにある特定の実施形態では、医薬組成物を再構成するのに必要であり得る賦形剤成分または希釈剤(例えば、水、生理食塩水、またはPBS)の相対量を説明する具体的な表現が含まれる。
【0070】
非経口注射に好適な組成物は、生理学的に許容される滅菌水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、および注射可能な滅菌溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含み得る。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0071】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含有し得る。微生物汚染は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを添加することによって防止され得る。また、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい場合もある。注射可能な医薬組成物の長期な吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0072】
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、粉剤、および顆粒剤が含まれる。かかる固体剤形では、本活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの通例の不活性賦形剤(もしくは担体)、または(a)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびケイ酸、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア、(c)保湿剤、例えば、グリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(a)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、例えば、カオリンおよびベントナイト、(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物と混合される。カプセル剤および錠剤の場合、剤形は、緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固体組成物を、賦形剤、例えば、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用することもできる。
【0073】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤などの固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび当該技術分野で周知の他のものを用いて調製され得る。固体剤形は、乳白剤も含有し得る。さらに、固体剤形は、それらが本活性化合物(複数可)を腸管のある特定の部分に遅延様式で放出するように、包埋組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。本活性化合物は、任意選択的に、1つ以上の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態でもあり得る。
【0074】
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳濁液、溶剤、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。本活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールおよび脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
【0075】
特定の例では、化合物または混合物は、蒸留水と混合することなどによって経口投与される。別の例では、試験化合物または混合物は、生理食塩水または蒸留水などで静脈内投与される。いくつかの例では、試験化合物による治療は、単回用量または反復用量であり得る。試験化合物は、約6時間ごと、約12時間ごと、約24時間ごと(毎日)、約48時間ごと、約72時間ごと、または約毎週投与され得る。反復用量による治療は、ある期間の間、例えば、約1週間~12ヶ月、例えば、約1週間~約6ヶ月、または約2週間~約3ヶ月、または約1~2ヶ月の間継続し得る。化合物の投与も無期限に継続する可能性がある。試験化合物の用量は、約0.1mg/kg~約400mg/kg、例えば、約1mg/kg~約300mg/kg、約2mg/kg~200mg/kg、約10mg/kg~約100mg/kg、約20mg/kg~約75mg/kg、または約25mg/kg~約50mg/kgである。
【0076】
かかる不活性希釈剤に加えて、本組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに芳香剤も含み得る。懸濁液は、本活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニ
ウム、ベントナイト、寒天、ならびにトラガカント、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
【0077】
直腸投与用の組成物は、好ましくは、坐薬であり、これは、本開示の化合物を、通常の室温では固体であるが体温で液体になり、それ故に直腸または膣腔内で溶解し、活性成分を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐薬ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製され得る。
【0078】
本発明の方法で使用される組成物は、ミセルまたはリポソームで製剤化され得る。そのような製剤には、立体的に安定化されたミセルまたはリポソームおよび立体的に安定化された混合ミセルまたはリポソームが含まれる。リポソームおよびミセルの脂質二重層は細胞の原形質膜と縮合し、閉じ込められた内容物を細胞内区画に送達することが知られているため、そのような製剤は細胞内送達を促進することができる。
【0079】
製剤化されると、溶液は、投与製剤に適合する方法で、治療有効量で投与される。製剤は、注射液、薬物放出カプセルなどの様々な剤形で容易に投与される。例えば、水溶液での非経口投与の場合、必要に応じて溶液を好適に緩衝し、液体希釈剤を十分な生理食塩水またはグルコースで最初に等張にする必要がある。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内投与に特に好適である。
【0080】
投与の頻度は、薬剤の薬物動態パラメーターと投与経路に依存する。最適な医薬製剤は、投与経路および所望の投与量に応じて、当業者によって決定されるであろう。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA,pages 1435-1712を参照されたい。そのような製剤は、投与された薬剤の物理的状態、安定性、インビボ放出の速度およびインビボクリアランスの速度に影響を与える可能性がある。投与経路に応じて、体重、体表面積または臓器の大きさに応じて適切な用量が計算される。適切な治療用量を決定するために必要な計算のさらなる改良は、特に本明細書に開示された投与量情報およびアッセイ、ならびに動物またはヒトでの臨床試験で観察された薬物動態データに照らして、過度の実験なしに当業者によって日常的に行われる。
【0081】
採用される正確な用量は、宿主、獣医学またはヒト医学のいずれであるか、状態の性質および重症度、例えば治療される疾患または障害、投与様式、および使用される特定の活性物質を含むいくつかの要因に依存する。化合物は、任意の従来の経路によって、特に経腸的に、そして一態様では、錠剤またはカプセルの形態で経口的に投与され得る。投与される化合物は、医薬的な使用のため、特に目的の疾患の予防的または治療的治療で使用する上で適切なように遊離形態または薬学的に許容される塩の形態であり得る。これらの手段は、病気の状態の進行速度を遅くし、自然な方法で身体がプロセスの方向を逆転させるのを助ける。
【0082】
本発明の薬学的組成物および治療方法は、ヒト医学および獣医学の分野で有用であることが理解されよう。したがって、治療される対象は、一態様では哺乳動物である。代表的な態様では、哺乳動物は、ヒトである。
【0083】
人体で実施される方法の特許取得を禁止する管轄では、ヒト対象に組成物を「投与する」という意味は、ヒト対象が任意の技術(例えば、経口、吸入、局所適用、注射、挿入など)によって自己投与する規制物質を処方することに限定されるものとする。特許可能な対象を定義する法律または規則に準拠する最広義の合理的解釈が意図される。人体で実施される方法の特許取得を禁止しない管轄では、組成物の「投与」には、人体で実施される
方法のみならず、前述の行為も含まれる。
【0084】
使用方法
したがって、本明細書に記載の化合物は、PDE4A、PDE4B、またはPDE4Dを調節し、例えば、化合物は、cAMPの細胞内濃度の調整など、PDE4A、PDE4B、またはPDE4D媒介生物学的活性を誘発または阻害する。様々な実施形態では、化合物は、PDE4阻害剤であり、例えば、化合物は、PDE4によって媒介される1つ以上の生物学的活性を変化、阻害、または防止する。いくつかの実施形態では、化合物は、PDE4の他のアイソフォームよりも、PDE4の1つのアイソフォームに対して増強された選択性を示す。いくつかの実施形態では、化合物は、PDE4Bおよび/またはPDE4Dに対して選択的である。いくつかの実施形態では、化合物は、他のPDE4アイソフォームよりもPDE4Bに対して選択的である。いくつかの実施形態では、化合物は、他のPDE4アイソフォームよりもPDE4Dに対して選択的である。
【0085】
本明細書に開示される化合物は、PDE4の異常な発現または活性によって引き起こされる疾患または障害の治療に特に有利である。PDE4の異常な発現または活性に関連する疾患または障害の発生率および/または度合いは、本明細書に開示される化合物の投与によって低減され得る。
【0086】
PDE4の異常な発現または活性は、多くの有害な状態に関連する。これらには、例えば、癌、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはALS)、多発性硬化症、慢性外傷性脳症(CTE)、外傷性脳損傷(TBI)、バッテン病(CLN1疾患の乳児発症、CLN1疾患の若年発症、CLN2疾患の後期乳児発症、CLN2疾患の後期発症、CLN3疾患の若年発症、CLN4疾患の成人発症、CLN5疾患変異型の後期乳児発症、CLN6疾患変異型の後期乳児発症、CLN6疾患の成人発症、CLN7疾患変異型の後期乳児発症、CLN8疾患、またはCLN10疾患を含むが、これらに限定されない)、依存症、自己免疫障害、炎症性障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、うつ病およびうつ病性障害、不安障害、統合失調症、注意欠陥-多動性障害、喘息、リウマチ性関節炎、脳卒中、自閉症、ハンチントン病、アトピー性皮膚炎、乾癬性関節炎、およびプラーク乾癬が含まれる。
【0087】
開示される使用方法で企図される癌には、卵巣がん、乳がん、前立腺がん、結腸がん、肝臓がん、脳がん、腎臓がん、肺がん、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、甲状腺がん、骨がん、食道がん、および膵臓がんが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
式Iおよび表Aに開示されるような化合物は、PDE4阻害(例えば、PDE4B阻害)および/またはマクロファージ炎症誘発性活性の阻害に対して高い選択性を示す。したがって、本明細書に開示される化合物は、炎症性疾患の療法剤として有用である。開示される使用方法で企図される炎症性疾患には、関節炎、リウマチ性関節炎、アテローム性硬化症、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、膵炎、全身性炎症反応症候群、および慢性炎症性脱髄性多発根神経炎が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、本明細書に記載の化合物を使用して、例えば、慢性閉塞性肺障害(COPD)、喘息、リウマチ性関節炎、乾癬、または乾癬性関節炎を有するヒト対象における炎症性疾患を減少または予防することができる。
【0089】
開示される使用方法で企図される依存症には、コカイン依存症、メタンフェタミン依存症、ヘロイン依存症、およびアルコール依存症が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、依存症は、コカイン依存症である。
【0090】
PDE4選択的阻害剤は、例えば、COPDおよび乾癬性関節炎の治療における療法戦
略として、以前からいくつかの病状に使用されてきた。しかし、PDE4阻害剤療法は、悪心および嘔吐などの用量制限副作用によって妨げられてきた。これらの副作用は、PDE4Dアイソフォームの阻害に部分的に関連していると仮定されている。PDE4D以外のPDE4アイソフォームの選択的阻害(例えば、PDE4Bの選択的阻害)は、用量制限副作用が少ないかまたは全くない炎症性疾患を治療または予防するための有用な戦略となり得る。
【0091】
開示される方法は、PDE4を阻害する化合物を対象に投与することを含む、PDE4の阻害によって調節することができる疾患または障害、例えば、炎症性疾患または依存症を治療するための方法を含む。いくつかの例では、本明細書に開示される方法は、TNFαの産生を低減させる化合物の使用を含む。細胞内のPDE4(例えば、PDE4Bおよび/またはPDE4D、特にPDE4B)を調節する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を本明細書に開示される化合物(例えば、式Iまたは表Aに示されるような化合物)と接触させることを伴う。細胞の接触は、インビボまたはインビトロで起こり得る。いくつかの場合では、細胞の接触は、インビトロで起こる。他の場合では、細胞の接触は、インビボで起こる。したがって、本開示は、本明細書に記載の化合物のうちの1つ以上を、それを必要とするヒトなどの対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、上記のようなPDE4の異常な活性に関連する疾患または障害を患う。
【0092】
PDE4を阻害する化合物を投与することを含む、癌を治療するための本明細書に記載の方法および組成物は、上記のものなどのPDE4活性に関連する他の疾患を治療する方法に適用可能であることが理解されよう。細胞、適切な動物モデル、または罹患した対象におけるそのような疾患を治療するための試験化合物の有効性を評価するための方法は、当業者に知られている。
【0093】
PDE4活性に関連する疾患または障害を治療するための医薬品の調製における本明細書に開示される化合物の使用もまた、本明細書で提供される。
【0094】
本明細書の開示は、以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0095】
以下の実施例は、例示のために提供され、本開示の範囲を限定することは意図されない。
【0096】
式Iの化合物の合成手順
一般的な実験手順。全ての試薬は商業的供給源から購入し、さらに精製することなく使用した。
【0097】
実施例1:式(I)の化合物
化合物1~15の一般的な反応スキーム:
【0098】
【0099】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸メチル(B)。反応フラスコに、A(0.055g、0.27mmol)、3-クロロ-4-メチルフェニルボロン酸(0.093g、0.54mmol)、酢酸第二銅(0.074g、0.41mmol)、CH2Cl2(5mL)を入れ、次にピリジン(0.088mL、1.1mmol)を入れた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をCeliteの短いパッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルで精製して(0~50%EtOAc/ヘキサン、続いて0~5%MeOH/ジクロロメタンで溶出)、所望の産生物を得た。LCMS:RT=2.92分、>98%@215および254nm、m/z=321.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,DMSO-d6)δ
8.43(d,J=4.3 Hz,1H),8.26(d,J=7.8 Hz,1H),7.83(s,1H),7.78(d,J=8.5 Hz,1H),7.51(s,1H),7.46(d,J=8.9 Hz,1H),7.37-7.29(m,1H),3.77(s,3H).
【0100】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸(C)。MeOH(6.0mL)中のB(0.12g、0.36mmol)の溶液に、H2O(1.0mL)中のNaOHの予備溶解溶液(0.36mL、0.72mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を真空で濃縮し、1N HCl(pH
【0101】
【0102】
4)で酸性化した。水性混合物をEtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、対応する酸誘導体を得て、これをさらに精製することなく使用した。LCMS:RT=2.560分、>98%@215および254nm、m/z=306.9[M+H]+、1H NMR(499 MHz,DMSO-d6)δ 13.19(s,1H),8.41(d,J=4.5 Hz,1H),8.24(d,J=7.9 Hz,1H),7.81(d,J=2.5 Hz,1H),7.77(d,J=8.5 Hz,1H),7.45(q,J=3.3,2.0 Hz,2H),7.30(dd,J=8.0,4.6
Hz,1H).
一般的なアミンカップリング手順:
【0103】
磁気攪拌棒およびスクリューキャップバイアルを備えたバイアルに、C(0.10g、0.60mmol)、アミン(0.44mL、3.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.047mL、0.67mmol)、CH2Cl2(10.0mL)を入れ、約5分間攪拌した。プロピルホスホン酸無水物(T3P、酢酸エチル中50重量%)(0.55mL、9.6mmol)を添加し、LCMS分析が出発材料の著しい消費を示すまで反応物を撹拌した(30分)。粗反応混合物を水(15mL)で希釈し、混合物をジクロロメタン(4×15mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗産生物を得、それをヘキサン中0~100%の酢酸エチルの勾配で(シリカ/DCMを使用して乾式ロードした)シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミド産生物1~15を得た。
【0104】
N-シクロプロピル-1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(1)。LCMS:RT=2.597分、>98%@215および254nm、m/z=346.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.44(d,J=4.7 Hz,1H),8.02(d,J=7.8 Hz,1H),7.67-7.48(m,2H),7.33(d,J=8.5 Hz,1H),7.21(dd,J=7.8,4.3 Hz,1H),6.97(s,1H),6.25(s,1H),2.82(dq,J=7.4,4.0 Hz,1H),0.86(d,J=6.8 Hz,2H),0.62-0.51(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.16,149.59,146.62,136.16,133.04,132.85,132.42,130.58,129.80,127.28,119.07,118.10,104.54,22.85,6.93.
【0105】
N-シクロブチル-1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(2)。LCMS:RT=2.771,>98%@215および254nm、m/z=360.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.40(t,J=12.9 Hz,1H),8.03(d,J=7.8 Hz,1H),7.57(d,J=8.5 Hz,1H),7.52(d,J=14.7 Hz,1H),7.30(d,J=8.1 Hz,1H),7.20(dd,J=7.5,4.7 Hz,1H),7.05(d,J=23.5 Hz,1H),4.46-4.38(m,1H),2.35(d,J=8.0 Hz,2H),1.94-1.84(m,2H),1.74(dd,J=11.1,5.2 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 159.98,149.12,146.04,136.05,133.42,132.78,132.36,130.96,130.57,129.67,127.20,118.01,104.66,44.84,30.89,15.13.
【0106】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(3-フルオロシクロブチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(3)。LCMS:RT=2.696分、>98%@215および254nm、m/z=378.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.51-8.37(m,1H),8.05(dd,J=8.2,1.6 Hz,1H),7.62(d,J=8.4 Hz,1H),7.56(d,J=2.4 Hz,1H),7.34(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.23(dd,J=7.9,4.6 Hz,1H),7.03(s,1H),6.19(s,1H),5.22(ddt,J=55.9,6.5,3.1 Hz,1H),4.64(dt,J=8.6,6.0 Hz,1H),2.72(dddt,J=17.8,12.0,8.2,3.7 Hz,2H),2.39(ddt,J=20.4,1
3.4,6.0 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 160.55,149.64,146.82,136.06,132.95,132.54,130.64,130.62,129.75,127.21,118.99,118.20,104.82,87.23,85.63,41.77,38.30,38.12.
【0107】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(4)。LCMS:RT=2.777分、>98%@215および254nm、m/z=396.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(dd,J=4.5,1.6 Hz,1H),8.06(dd,J=7.9,1.7 Hz,1H),7.62(d,J=8.4 Hz,1H),7.55(d,J=2.3 Hz,1H),7.33(dd,J=8.3,2.3 Hz,1H),7.24(dd,J=7.9,4.6 Hz,1H),7.07(s,1H),6.40-6.24(m,1H),4.40(td,J=7.6,6.7,3.7 Hz,1H),3.09(ddt,J=11.7,8.5,2.9 Hz,2H),2.63-2.44(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 160.70,149.68,146.98,135.98,133.00,132.68,132.30,130.78,130.78,130.67,129.81,127.27,118.95,118.27,105.09,53.43,43.33,43.14,42.96,35.36,35.29,35.24,35.17.
【0108】
1-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(フラン-2-イルメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(5)。LCMS:RT=2.744分、>98%@215および254nm、m/z=386.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.43(dd,J=4.7,1.6 Hz,1H),8.00(dt,J=8.1,1.3 Hz,1H),7.64-7.49(m,2H),7.29(dd,J=8.6,2.4 Hz,1H),7.20(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),7.02(s,1H),6.60(d,J=5.6 Hz,1H),6.38-6.28(m,1H),6.24(d,J=3.2 Hz,1H),4.54(d,J=5.6 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 160.62,150.54,149.65,146.71,142.42,136.12,132.86,132.81,132.33,130.63,130.55,129.72,127.19,119.06,118.13,110.57,107.88,105.09,36.61.
【0109】
アゼチジン-1-イル(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メタノン(6)。LCMS:RT=2.631分、>98%@215および254nm、m/z=346.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.44(dd,J=4.6,1.5 Hz,1H),8.04(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.67-7.52(m,2H),7.34(dd,J=8.5,2.4 Hz,1H),7.22(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),6.89(s,1H),4.50-4.10(m,5H),2.39(p,J=7.8 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 161.83,149.11,146.36,136.42,132.71,132.08,130.94,130.46,130.44,129.47,126.99,119.32,117.93,105.51,16.05.
【0110】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(7)。LCMS:RT=2.636、>98%@215および254nm、m/z=364.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(d,J=4.6 Hz,1H),8.
06(dd,J=7.8,1.7 Hz,1H),7.71-7.53(m,2H),7.32(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.23(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),6.91(s,1H),5.40(ddq,J=56.6,6.7,3.4 Hz,1H),4.52(d,J=37.9 Hz,4H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.08,149.34,146.91,136.23,132.79,132.31,130.62,130.51,130.16,129.60,127.09,119.09,118.15,106.18,82.84,81.21,29.72.
【0111】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(8)。LCMS:RT=2.764分、>98%@215および254nm、m/z=382.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.48(dd,J=4.8,1.6 Hz,1H),8.07(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.67-7.52(m,2H),7.36-7.21(m,2H),6.93(s,1H),4.58(s,4H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.13,162.10,162.07,149.48,147.34,136.08,132.85,132.49,130.81,130.55,129.73,129.51,127.17,118.94,118.33,117.35,115.17,112.98,106.75.
【0112】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(9)。LCMS:RT=2.830分、>98%@215および254nm、m/z=414.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(dd,J=4.6,1.7 Hz,1H),8.05(dd,J=7.9,1.7 Hz,1H),7.64-7.54(m,2H),7.38-7.27(m,1H),7.23(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),6.92(s,1H),4.61-4.14(m,4H),3.37(dtd,J=14.1,8.7,5.3 Hz,1H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.11,149.31,146.98,136.14,132.81,132.29,130.70,130.53,129.64,129.52,127.00,119.10,118.23,106.25,51.89,48.00,32.98,32.73,32.47,32.21.
【0113】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(1-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル)メタノン(10)。LCMS:RT=2.685分、>98%@215および254nm、m/z=416.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.52-8.36(m,1H),8.03(d,J=7.7 Hz,1H),7.75(d,J=90.1 Hz,1H),7.64-7.40(m,2H),7.22(dd,J=7.9,4.7
Hz,1H),6.80(dd,J=30.8,9.8 Hz,1H),4.79-4.44(m,2H),4.45-4.06(m,2H),3.42(ddd,J=60.5,22.2,10.6 Hz,2H),3.26-2.95(m,1H),2.50-2.20(m,2H),2.07-1.53(m,4H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.47,145.52,135.72,132.96,131.63,130.72,130.10,128.47,126.00,119.63,117.94,104.13,103.45,82.26,65.27,64.56,56.68,36.48,30.20,20.67.
【0114】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イ
ル)(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)メタノン(11)。LCMS:RT=2.505分、>98%@215および254nm、m/z=424.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,DMSO-d6)δ 8.40(dd,J=4.6,1.6 Hz,1H),8.20(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.89(d,J=2.4 Hz,1H),7.78(d,J=8.6 Hz,1H),7.43(dd,J=8.6,2.5 Hz,1H),7.32(dd,J=7.9,4.6 Hz,1H),4.04(s,4H),3.27(t,J=5.3 Hz,4H).13C NMR(126 MHz,DMSO-d6)δ 161.73,148.39,145.99,136.52,131.99,131.51,131.33,131.10,130.37,129.17,127.52,119.46,118.66,105.00,51.33,40.59,40.42,40.26,40.09.
【0115】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)メタノン(12)。LCMS:RT=3.208分、>98%@215および254nm、m/z=414.1[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.40(d,J=5.3 Hz,1H),8.00(d,J=7.9 Hz,1H),7.69(d,J=2.4 Hz,1H),7.58(d,J=8.6 Hz,1H),7.44(dd,J=8.6,2.4 Hz,1H),7.20(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),6.74(s,1H),3.46(d,J=127.2 Hz,4H),1.91(q,J=7.9,6.9 Hz,2H),1.78(dt,J=16.7,7.9 Hz,4H),1.59(s,2H),1.37(s,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 161.84,148.02,145.31,135.79,133.52,132.97,131.63,130.75,130.04,129.96,128.38,125.86,119.76,117.94,103.15,44.32,39.18,37.83,36.85,31.35,15.01.
【0116】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)メタノン(13)。LCMS:RT=3.024分、>98%@215および254nm、m/z=400.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.42(t,J=4.9 Hz,1H),8.02(t,J=7.9 Hz,1H),7.66(d,J=2.4 Hz,1H),7.57(d,J=8.5 Hz,1H),7.43(dd,J=8.7,2.4 Hz,1H),7.22(dd,J=8.1,4.5 Hz,1H),6.84(d,J=9.3 Hz,1H),3.57(t,J=7.1 Hz,1H),3.41(d,J=2.6 Hz,2H),2.06-1.79(m,9H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 161.55,145.66,136.11,134.13,132.90,131.62,130.67,130.15,128.42,125.92,119.67,117.95,103.77,103.71,59.79,57.23,47.19,45.12,44.73,43.56,37.62,36.02,30.92,30.56,15.93.
【0117】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)メタノン(14)。CH2Cl2(5.0mL)中の2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-カルボン酸tert-ブチル(0.035g、0.066mmol)の溶液をTFA(0.65mL)で12時間処理した。溶媒を真空で除去し、粗物質を10%MeOH/CH2Cl2に溶解し、飽和水溶液で洗浄した。NaHCO3、ブラインで乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。粗産生物をシリカゲル(0~15%MeOH/DCMで溶出)で精製して、
所望の産生物化合物14を得た。LCMS:RT=1.996分、>98%@215および254nm、m/z=429.1[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.40(dd,J=11.1,4.7 Hz,1H),8.00(d,J=7.9 Hz,1H),7.70-7.52(m,2H),7.40(ddd,J=25.0,8.5,2.5 Hz,1H),7.19(td,J=8.7,4.7 Hz,1H),6.88(d,J=21.0 Hz,1H),4.38(s,3H),3.61(dtt,J=24.3,15.2,8.8 Hz,3H),3.40(dd,J=33.6,12.2 Hz,1H),3.14-2.64(m,4H),1.95(ddt,J=52.3,13.5,6.9 Hz,1H),1.85-1.60(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 148.30,145.77,136.21,133.70,132.75,131.55,130.70,130.28,128.52,126.16,119.51,117.92,104.21,57.15,54.89,46.86,44.17,35.18,33.79,32.82.
【0118】
(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メタノン(15)。CH2Cl2(5.0mL)中の2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボン酸tert-ブチル(0.055g、0.087mmol)の溶液をTFA(0.65mL)で12時間処理した。溶媒を真空で除去し、粗物質を10%MeOH/CH2Cl2に溶解し、飽和水溶液で洗浄した。NaHCO3、ブラインで乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。粗産生物をシリカゲル(0~15%MeOH/DCMで溶出)で精製して、所望の産生物化合物15を得た。LCMS:RT=1.939分、>98%@215および254nm、m/z=415.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.43(d,J=4.6 Hz,1H),8.02(d,J=7.9
Hz,1H),7.67-7.51(m,2H),7.33(dd,J=8.5,2.4 Hz,1H),7.20(dd,J=8.0,4.6 Hz,1H),6.90(s,1H),4.01(s,2H),3.84(s,3H),2.88(d,J=8.0 Hz,4H),1.90-1.70(m,4H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.20,149.14,146.62,136.45,132.65,132.02,130.63,130.49,130.47,129.45,127.00,119.22,118.08,105.85,62.70,58.40,50.55,48.65,42.61,34.91,34.30.
化合物16~43の一般的な手順。
【0119】
【0120】
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(16)。LCMS:RT=1.939分、>98%@215および254nm、m/z=415.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(d,J=4.0 Hz,1H),8.06(dd,J=7.8,1.6 Hz,1H),7.55(t,J=8.2 Hz,1H),7.33(dd,J=9.4,2.4 Hz,1H),7.22(ddd,J=11.3,
8.4,3.8 Hz,2H),6.92(s,1H),5.39(ddq,J=56.6,6.4,3.2 Hz,1H),4.68-4.16(m,5H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.12,162.10,158.77,156.77,149.26,146.86,136.60,136.53,130.64,130.56,130.23,124.07,124.04,120.91,120.77,119.15,118.17,116.45,116.27,106.22,99.98,82.82,81.18,29.72.
【0121】
1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-N-シクロブチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(17)。LCMS:RT=2.723分、>98%@215および254nm、m/z=340.0[M+H]+、1H NMR(499
MHz,CDCl3)δ 8.39(d,J=4.2 Hz,1H),8.03(d,J=7.8 Hz,1H),7.43(s,1H),7.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.29-7.24(m,2H),7.18(dd,J=7.7,4.8 Hz,1H),7.06(s,1H),4.46-4.39(m,1H),2.32(m,2H),2.21(s,3H),1.83-1.75(m,2H),1.70(dt,J=11.3,4.6 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 159.99,149.28,145.99,136.51,135.19,134.67,133.67,131.27,130.83,128.35,126.13,119.32,117.74,104.91,44.77,30.92,19.85,15.11.
【0122】
1-(4-クロロ-3-メチルフェニル)-N-(3-フルオロシクロブチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(18)。LCMS:RT=2.644分、>98%@215および254nm、m/z=358.0[M+H]+、1H
NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.49-8.40(m,1H),8.08-7.98(m,1H),7.49-7.38(m,2H),7.29(d,J=2.2 Hz,1H),7.24-7.14(m,1H),7.07(s,1H),6.08(d,J=6.2 Hz,1H),5.13(dq,J=56.1,4.0,2.5 Hz,1H),4.65-4.53(m,1H),2.75-2.58(m,2H),2.47(s,3H),2.28(td,J=14.0,7.0 Hz,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 160.58,146.51,141.19,136.62,135.93,135.21,134.83,133.81,131.39,130.73,128.45,126.18,117.90,105.27,41.50,38.27,38.09,20.60,19.94.
【0123】
(1-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(20)。LCMS:RT=2.588分、>98%@215および254nm、m/z=344.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(s,1H),8.05(d,J=8.0 Hz,1H),7.47(s,1H),7.39(d,J=7.9 Hz,1H),7.27(s,1H),7.22(d,J=7.1 Hz,1H),6.90(s,1H),5.37(dtt,J=56.5,6.4,3.5 Hz,1H),4.40(d,J=89.2 Hz,5H),2.46(s,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.43,146.71,136.08,135.47,134.44,131.07,130.57,130.42,128.02,125.80,119.07,117.83,105.63,82.85,81.21,29.71,19.93.
【0124】
1-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-シクロプロピル-1H-ピロ
ロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(21)。LCMS:RT=2.572分、>98%@215および254nm、m/z=348.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.50-8.38(m,1H),8.02(dd,J=7.7,1.6 Hz,1H),7.23(dd,J=7.9,4.6 Hz,1H),7.17-7.07(m,2H),6.95(s,1H),6.33(s,1H),2.84(dq,J=7.2,3.6 Hz,1H),0.88(d,J=6.8 Hz,2H),0.66-0.57(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.02,159.60,159.57,157.61,157.57,149.54,146.80,136.31,132.84,130.65,119.06,118.32,112.40,112.21,104.65,22.88,6.91.
【0125】
1-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-シクロブチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(22)。LCMS:RT=2.742分、>98%@215および254nm、m/z=362.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.45(s,1H),8.04(d,J=7.8
Hz,1H),7.24(dd,J=7.6,4.6 Hz,1H),7.14(d,J=7.4 Hz,2H),7.00(s,1H),6.28(d,J=6.3 Hz,1H),4.56-4.45(m,1H),2.47-2.39(m,2H),2.00-1.91(m,3H),1.83-1.76(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 159.67,159.61,159.57,157.61,157.57,149.37,146.54,136.25,133.18,130.72,118.31,112.33,112.12,104.59,45.05,31.18,15.18.
【0126】
(1-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(25)。LCMS:RT=2.611分、>98%@215および254nm、m/z=366.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.47(dd,J=4.7,1.6 Hz,1H),8.06(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.25(dd,J=8.0,4.7 Hz,1H),7.20-7.08(m,2H),6.92(s,1H),5.43(dtt,J=56.4,6.3,3.4 Hz,1H),4.50(s,4H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 161.74,159.58,159.54,157.58,157.54,149.22,147.04,136.42,136.32,130.78,129.97,119.15,118.39,112.24,112.22,112.19,112.07,112.04,112.02,106.63,82.82,81.18,29.71.
【0127】
1-(4-シアノ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(26)。LCMS:RT=2.444分、>98%@215および254nm、m/z=339.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.52-8.40(m,1H),8.06(d,J=7.6 Hz,1H),7.28(s,3H),7.23(d,J=9.0 Hz,2H),7.00(s,1H),6.41(s,1H),2.87(s,1H),0.92(d,J=6.8 Hz,2H),0.75-0.59(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 163.89,161.88,149.27,147.02,132.49,130.94,119.34,118.93,112.10,111.92,109.02,105.95,22.99,6.97.
【0128】
1-(4-シアノ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-シクロブチル-1H-ピロロ
[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(27)。LCMS:RT=2.612分、>98%@215および254nm、m/z=353.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.45(d,J=4.1 Hz,1H),8.08(dd,J=19.3,7.8 Hz,1H),7.30-7.26(m,1H),7.23(d,J=8.5 Hz,2H),7.04(s,1H),6.41(s,1H),4.50(dt,J=15.8,7.9 Hz,1H),2.54-2.38(m,2H),2.08-1.97(m,2H),1.81(dt,J=18.2,8.9 Hz,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 163.88,161.80,159.52,149.11,146.78,143.29,132.86,130.99,119.47,118.90,111.95,111.80,109.05,105.85,45.18,31.14,15.21.
【0129】
1-(4-シアノ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-(3-フルオロシクロブチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(28)。LCMS:RT=2.542分、>98%@215および254nm、m/z=371.1[M+H]+、1H NMR(499 MHz,DMSO-d6)δ 9.08(d,J=6.9 Hz,1H),8.41(d,J=4.5 Hz,1H),8.26(d,J=7.8 Hz,1H),7.63(d,J=9.6 Hz,2H),7.41(s,1H),7.34(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),5.29(dddd,J=56.7,10.3,6.4,4.0 Hz,1H),4.44(dtd,J=11.4,7.2,5.7,2.9 Hz,1H),4.05(s,4H).13C NMR(126 MHz,DMSO-d6)δ 163.25,163.20,161.22,161.16,160.16,160.07,149.13,146.67,144.69,133.35,131.61,119.61,119.21,113.05,112.85,109.91,107.09,89.88,88.12,86.54,48.19,48.02,47.85,40.99,37.77,37.60,31.11.
【0130】
1-(4-シアノ-3,5-ジフルオロフェニル)-N-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(29)。LCMS:RT=2.623分、>98%@215および254nm、m/z=389.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.49(s,1H),8.09(d,J=7.8 Hz,1H),7.36-7.29(m,1H),7.22(d,J=8.7 Hz,2H),7.11(s,1H),6.59-6.38(m,1H),4.42(d,J=9.8 Hz,1H),3.24-3.00(m,2H),2.63(td,J=13.7,5.9 Hz,2H).163.94,161.86,160.42,149.37,143.20,131.81,131.12,119.14,112.11,111.93,108.98,106.57,43.29,43.11,42.92,35.58,35.51,35.46,35.39.
【0131】
2,6-ジフルオロ-4-(2-(3-フルオロアゼチジン-1-カルボニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル)ベンゾニトリル(30)。LCMS:RT=2.490分、>98%@215および254nm、m/z=357.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.47(dd,J=4.9,1.6 Hz,1H),8.08(dd,J=8.0,1.6 Hz,1H),7.36-7.26(m,1H),7.26-7.20(m,2H),6.97(s,1H),5.46(ddt,J=56.3,6.1,2.9 Hz,1H),4.82-4.20(m,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 163.90,163.85,161.82,161.77,161.29,161.27,148.97,147.25,143.35,131.07,129.65,119.43,118.97,112.00,111.97,111.83,111.80,109.00,107.94
,91.41,82.80,81.16,29.72.
【0132】
1-(4-クロロフェニル)-N-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(31)。LCMS:RT=2.404分、>98%@215および254nm、m/z=312.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.44(dd,J=4.7,1.6 Hz,1H),8.02(dd,J=8.0,1.6 Hz,1H),7.51(d,J=8.2 Hz,2H),7.40(d,J=8.3 Hz,2H),7.20(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),7.02(s,1H),6.09(s,1H),2.80(dq,J=7.4,3.7 Hz,1H),0.89-0.78(m,2H),0.56-0.44(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.26,149.70,146.53,135.28,134.13,133.26,130.47,129.37,129.08,119.07,117.87,104.75,77.29,77.23,77.03,76.78,22.81,6.90.
【0133】
1-(4-クロロフェニル)-N-シクロブチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(32)。LCMS:RT=2.582分、>98%@215および254nm、m/z=326.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.44(d,J=4.2 Hz,1H),8.04(d,J=7.8 Hz,1H),7.52(d,J=8.3 Hz,2H),7.41(d,J=8.4 Hz,2H),7.27(d,J=13.4 Hz,1H),7.20(dd,J=7.7,4.7 Hz,1H),7.06(s,1H),6.06(d,J=6.1 Hz,1H),4.57-4.42(m,1H),2.37(d,J=6.5 Hz,2H),1.88-1.78(m,3H),1.78-1.70(m,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 159.88,149.57,146.32,135.26,134.17,133.56,130.54,129.41,129.09,119.19,117.84,104.77,44.88,31.17,15.14.
【0134】
1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-N-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(33)。LCMS:RT=2.482分、>98%@215および254nm、m/z=330.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.45(s,1H),8.03(d,J=7.8 Hz,1H),7.54(t,J=7.6 Hz,1H),7.37-7.13(m,3H),6.98(s,1H),6.25(s,1H),2.82(s,1H),0.86(d,J=7.1 Hz,2H),0.58(s,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.18,158.82,156.84,149.52,146.56,136.50,136.43,133.05,130.64,124.34,119.10,118.12,116.72,116.54,104.62,22.86,6.92.
【0135】
1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-N-シクロブチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(34)。LCMS:RT=2.643分、>98%@215および254nm、m/z=344.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.45(d,J=3.3 Hz,1H),8.06(t,J=12.3 Hz,1H),7.55(t,J=8.2 Hz,1H),7.31(d,J=9.2 Hz,1H),7.23(t,J=6.4 Hz,2H),6.19(d,J=5.8 Hz,1H),4.49(dq,J=16.0,8.0 Hz,1H),2.45-2.35(m,2H),1.96-1.86(m,2H),1.82-1.71(m,2H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 159.79,156.84,149.41,146.39,133.39,130.66,130.6
6,124.29,118.08,116.68,116.50,116.41,104.55,77.28,77.02,76.77,44.97,31.19,15.27.
【0136】
(1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(37)。LCMS:RT=2.521分、>98%@215および254nm、m/z=348.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(d,J=4.0 Hz,1H),8.06(dd,J=7.8,1.6 Hz,1H),7.55(t,J=8.2 Hz,1H),7.33(dd,J=9.4,2.4 Hz,1H),7.22(ddd,J=11.3,8.4,3.8 Hz,2H),6.92(s,1H),5.39(ddq,J=56.6,6.4,3.2 Hz,1H),4.68-4.16(m,5H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.12,162.10,158.77,156.77,149.26,146.86,136.60,136.53,130.64,130.56,130.23,124.07,124.04,120.91,120.77,119.15,118.17,116.45,116.27,106.22,99.98,82.82,81.18,29.72.
【0137】
(3-フルオロアゼチジン-1-イル)(1-(4-メトキシフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メタノン(38)。LCMS:RT=2.274分、>98%@215および254nm、m/z=326.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(dd,J=4.8,1.6 Hz,1H),8.04(dd,J=8.0,1.7 Hz,1H),7.45-7.35(m,2H),7.19(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),7.10-7.02(m,2H),6.90(s,1H),5.32(dtd,J=56.5,6.2,3.2 Hz,1H),4.42(ddd,J=18.9,12.0,6.7 Hz,2H),4.35-4.16(m,2H),3.89(s,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.95,159.06,149.45,146.40,131.08,130.30,129.49,128.39,119.10,117.55,114.35,105.02,82.81,81.18,55.47.
【0138】
(1-(5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(39)。LCMS:RT=2.460分、>98%@215および254nm、m/z=361.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(d,J=5.0 Hz,1H),8.11(d,J=2.3 Hz,1H),8.06(d,J=8.0 Hz,1H),7.82(d,J=2.3 Hz,1H),7.23(dd,J=7.9,4.5 Hz,1H),6.90(s,1H),5.41(ddt,J=56.4,6.1,3.0 Hz,1H),4.37(d,J=133.2 Hz,6H),4.10(s,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 161.98,161.96,158.79,149.74,146.98,143.25,137.97,130.61,130.08,127.68,118.98,118.13,117.80,105.98,82.85,81.22,77.30,77.05,76.79,54.69.
【0139】
(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(40)。LCMS:RT=2.330分、>98%@215および254nm、m/z=344.1[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.46(d,J=4.3 Hz,1H),8.04(dd,J=8.0,1.7 Hz,1H),7.26-7.15(m,3H),7.10(t,J=8.9 Hz,1H),6.89(s,1H),5.3
6(ddt,J=56.6,6.2,3.0 Hz,1H),4.47(s,3H),4.32(s,3H),3.96(s,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.49,152.80,150.83,149.52,147.55,147.46,146.67,130.41,129.54,123.51,119.01,117.81,116.04,113.08,105.43,82.83,81.20,56.33.
【0140】
(3-フルオロアゼチジン-1-イル)(1-(2-フルオロピリジン-4-イル)
-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メタノン(41)。LCMS:RT=2.157分、>98%@215および254nm、m/z=315.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.45(d,J=33.8 Hz,2H),8.07(d,J=7.9 Hz,1H),7.47-7.34(m,1H),7.28(q,J=15.8,10.9 Hz,2H),6.99(s,1H),5.41(dtt,J=56.3,6.3,3.4 Hz,1H),4.67-4.20(m,5H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.12,162.10,158.77,156.77,149.26,146.86,136.60,136.53,130.64,130.56,130.23,124.07,124.04,120.91,120.77,119.15,118.17,116.45,116.27,106.22,99.98,82.82,81.18,29.72.
【0141】
(1-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(42)。LCMS:RT=2.456分、>98%@215および254nm、m/z=362.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.47(dd,J=4.7,1.5 Hz,1H),8.05(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.23(dd,J=7.9,4.6 Hz,1H),7.05(d,J=8.2 Hz,2H),6.89(s,1H),5.41(ddt,J=56.4,6.1,2.9 Hz,1H),4.69-4.21(m,5H),4.08(s,3H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 162.04,162.02,156.27,156.21,154.29,154.23,149.32,146.86,136.40,131.18,130.62,130.27,119.07,118.12,112.43,112.38,112.28,112.23,106.05,82.81,81.17,61.89,61.86,61.84.
【0142】
(1-(3,4-ジクロロベンジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン(43)。DMF(2.0mL)中のE(0.015g、0.068mmol)の溶液に、4-(ブロモメチル)-1,2-ジクロロベンゼン(0.017g、0.082mmol)、Cs2CO3(0.044g、0.14mmol)を添加し、120℃で1時間、マイクロ波反応器中で加熱した。冷却すると、溶液をEtOAcと飽和NaClとの間で分配した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、0~70%のEtOAc:ヘキサンの勾配で(シリカ/DCMを使用して乾式ロードした)シリカゲルでのフラッシクロマトグラフィークロマトグラフィーによって精製して、対応する標的化合物43を得た。LCMS:RT=2.853分、>98%@215および254nm、m/z=378.0[M+H]+、1H NMR(499 MHz,CDCl3)δ 8.51(dd,J=4.7,1.6 Hz,1H),8.02(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.33(dd,J=5.2,3.1 Hz,2H),7.20(dd,J=7.9,4.7 Hz,1H),7.11(dd,J=8.2,2.1 Hz,1H),6.74(s,1H),5.90(s,2H),5.34(ddq,J=56.6,6.3,3.2 Hz,1H),4.59-4.22(m,5H).13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 163.
13,148.44,146.29,139.06,132.34,131.24,130.51,130.33,129.47,128.42,127.08,118.73,117.46,105.05,82.82,81.19,45.12.
【0143】
生物学的アッセイデータ
実施例2:インビトロPDE4阻害研究。
インビトロでのPDE4上の化合物8のIC50決定:
【0144】
PDE4アイソフォーム上の化合物8のIC50値を、BPS Bioscience,San Diegoによって決定した。簡単に説明すると、コートタンパク質(PDE4アイソフォーム)を4℃で一晩、50μl(2~5ng/μl)の体積でプレートに添加した。翌日、化合物8を様々な濃度でコーティングされたプレートに添加し、続いて対応するビオチン化結合パートナーを添加した。反応物を室温で2時間インキュベートした。結合アッセイを各濃度で2回行い、Synergy 2 BioTekプレートリーダーを使用してプレートを読み取った。発光データを、Graphpad Prismを使用して分析した。ネガティブコントロールウェル(ビオチン化リガンドで処理されたコーティングされていないウェル、100%阻害として設定)およびポジティブコントロールウェル(阻害剤の一切の非存在下のビオチン化リガンドで処理されたコーティングされたウェル、0%阻害として設定)からのシグナルにデータを正規化することによって、阻害率を決定した。参照化合物または抗体のデータは、阻害の対照として含まれている。結果を以下の表Bに提示する。「ND」は、化合物が試験されていないことを示す。
【0145】
【0146】
実施例3:細胞ベースの増殖阻害アッセイ。
インビトロでの化合物8のEC50検出:
【0147】
HEK293細胞を増殖培地(10%ウシ胎児血清、1%Pen-Strep、1%非必須アミノ酸、1mMピルビン酸Na)で培養し、30,000細胞/ウェルで96ウェルマイクロプレートに播種した。細胞を37℃および5%CO2で一晩インキュベートした。翌日、リポフェクタミン2000およびOpti-MEMを使用して、細胞にPDE4B1発現ベクター、CREルシフェラーゼレポーター、および対照のレニラルシフェラーゼベクターを6時間トランスフェクトした。培地を除去し、細胞に50μlの新鮮な増殖培地の試験化合物または対照を投薬し、一晩インキュベートした。翌日、フォルスコリンを5μlの増殖培地に添加して、ウェルを最終濃度10μMで5~6時間刺激した。処理後、BPS Bioscienceのデュアルルシフェラーゼアッセイシステムを使用して、デュアルルシフェラーゼアッセイを行い、ウェルあたり55μlのホタルルシフェラーゼ試薬を添加して、ホタルの発光を測定した。続いて、さらに55μl/ウェルのレニラルシフェラーゼ試薬を添加して、レニラの発光を測定した。細胞ベースのアッセイを、各濃度で3回行った。CREレポーターの正規化されたルシフェラーゼ活性を得るには、バックグラウンド発光を差し引いてから、CREレポーターからのホタル発光対対照のレニラルシフェラーゼベクターからのレニラ発光の比を計算する。正規化されたルシフェラーゼ活性データを分析し、EC50値を最大パーセント活性の半分を引き起こす濃度によって決定した。
【0148】
化合物8は、乾癬および乾癬性関節炎の治療のために承認されたPDE4阻害剤であるアプレミラストよりもPDE4B阻害について10倍低いEC50を有していることが示され、結果を以下の表Cに提示する。
【0149】
【0150】
実施例4:マクロファージ阻害研究。
骨髄由来マクロファージを刺激しなかった(-)か、または示された濃度の十分に特徴付けられたPDE4阻害剤ロリプラムもしくは標的化合物(1または10μM)で30分間前処理した後、LPS(100ng/ml、A)もしくはPam3Cys(10μg/ml、B)で刺激した。24時間の処理期間の後、馴化培地を収集して、ELISAによってTNF-α発現を定量化した。結果を各処理の3つの独立した複製からの平均値(±SD)として報告し、2つの別々の実験で繰り返した。*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001、****:p<0.0001;ダネットの多重比較事後分析による一元配置分散分析。
マウス骨髄由来マクロファージの調製およびマクロファージ炎症誘発性活性に対するPDE4阻害剤の評価
【0151】
マクロファージを前述のようにC57BL/6マウスの骨髄から拡張した。簡単に説明すると、骨髄を無菌RPMI-1640無血清培地で大腿骨から洗い流し、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)として10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン/ファンギゾン、およびL929線維芽細胞からの5%馴化培地を含有するRPMI-1640で培養した。6日間の拡張期間の後、マクロファージを採取し、5×104細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種した。翌日、マクロファージを様々な濃度のロリプラムまたはこのレポートに記載の新規PDE4阻害剤(1または10μM)で30分間前処理した後、LPS(100ng/ml)またはPam3Cys(10μg/ml)で刺激した。24時間の処理期間の後、馴化培地のTNF-α放出を酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)で評価した。対照には、刺激されていないマクロファージまたはPDE4阻害剤のみに曝露された細胞が含まれていた。
【0152】
PDE4阻害剤は十分に立証された抗炎症特性を有しているため、マクロファージの炎症誘発性活性を阻害するこれらの化合物の能力を、従来の炎症誘発性サイトカインTNF-αの産生を測定することによって研究した(
図1)。2つのよく特徴付けられた炎症誘発性刺激、すなわち、Toll様受容体4および2(TLR4およびTLR2)のプロトタイプの細菌リガンドをそれぞれ表すリポ多糖(LPS)および合成リポペプチド(Pam3Cys)を試験した。試験化合物の全ては、マウス骨髄由来マクロファージによるTNF-α産生を、よく特徴付けられているPDE4阻害剤であるロリプラムと同程度またはそれより良好に阻害した(
図1)。LPS誘発性TNF-α放出に関して用量依存的応答が観察され、化合物のグループ全体で濃度が高いほどより効果が低く(
図1A)、これは、他のPDE4阻害剤で報告されている。マクロファージがPam3Cysで刺激された場合、いくつかの化合物で同様の用量応答が観察された(
図1B)が、それにもかかわらず、サイトカイン産生は、化合物クラス全体で著しく低減された。単独で試験した場合、どの化合物もTNF-α産生を誘発しなかった(データは示されていない)。まとめると、これらの発見は、よく特徴付けられたPDE4阻害剤ロリプラムの抗炎症作用をモデ
ル化する標的化合物の生物学的作用を支持する。
【0153】
実施例5:マウスコカイン研究。
自発運動分析:WTマウス(両性、n=6~8)を、様々な処理を受ける4つのグループに分けた:(1)ビヒクル+生理食塩水、(2)ビヒクル+コカイン、(3)化合物8+生理食塩水、および(4)化合物8+コカイン。コカインを20mg/kg(腹腔内投与)で投与し、化合物8を2つの異なる用量5または10mg/kg(腹腔内投与)で使用した。化合物8を最初にマウスに注射し、30分後にコカインを投与した。コカイン注射の直後に、急性自発運動応答に対する化合物8の効果を調査するために、マウスをオープンフィールド装置(Truescan,Coulbourn instrument)に入れて、45分間自発運動活性を検出した。TruScanフォトビーム活性システムは、床面から3cm上のリングに配置された赤外線センサーを備えたクリアアリーナで構成されている。マウスの動きを検出するために使用されるセンサーリングには、1インチ間隔で16本のビームがある。これらのデータは自動的にPCコンピュータに中継され、ソフトウェアによって解釈される。自発運動感作に対する化合物8の効果を調査するために、マウスに7日間連続で化合物8およびコカインを繰り返し注射し、自発運動応答を1日おきに記録した。
【0154】
自己投与:
(a)手術手順:WTマウス(10~12週間、両性)に、塩酸ケタミン(100mg/mg、腹腔内投与)およびキシラジン(10mg/mg、腹腔内投与)麻酔の組み合わせで右頸静脈に恒久的留置用カテーテル(Plastics one)を移植した。カテーテルを外科用シルクで静脈に結び付け、マウスの背中の皮下に通し、そこでカテーテルを小さなプラスチック製の台座(26G、Plastics One Company)に固定する。手術後、凝固を避けるためにカテーテルをヘパリン(30IU/ml)で毎日洗い流した。実験開始前に、マウスを巣で少なくとも7日間回復させた。
【0155】
(b)コカイン自己投与マウスの確立:自己投与コカイン(1.0mg/kg/注入)の訓練のために、マウスを個別に音響緩和キュービクル(Coulbourne Instrument)に入れた。マウスがキューペア(アクティブ)センサーを鼻で突くと20μlの溶液で5秒間コカインが静脈内投与されるが、非アクティブセンサーを鼻で突いても結果は得られないことによって、マウスを強化した。各薬物注射の後に15秒のタイムアウト期間を設けた。コンピューターインターフェイスおよびGraphic State Notation 4ソフトウェア(Coulbourne Instrument)を使用して、全ての応答を自動的に記録した。マウスを、固定比1(FR1)のスケジュールで、1日1回のセッション中にコカインを自己投与するように訓練した。各セッションの継続は、最大2時間、またはマウスの過剰摂取を避けるために30回のコカイン注入を受けるまでとした。取得期間を7~10日間実行して、マウスが以下の基準の下で安定したコカインの自己摂取を行えるようにした。(1)アクティブな突きと非アクティブな突きとの比が2:1を超えている;(2)コカイン注入の最小値が10を超えている;かつ(3)連続3日間のコカイン摂取の変動が20%未満である。コカイン摂取の確立後、マウスをさらに1週間のコカイン自己投与(毎日2時間のセッション、1.0mg/kg/注入)のFR1スケジュールの下に置いた。各セッションの前後および最後のセッションの後にマウスを洗い流し、カテーテル設定の開存性を確認するためにマウスにケタミンを投与した。
【0156】
(c)コカイン媒介探索行動および摂取行動に対する化合物8の効果。化合物8/ビヒクルをコカイン自己投与マウスに注射(腹腔内投与)し、30分後、FR1スケジュールの下でマウスを2時間キュービクルに入れた。アクティブな鼻による突きおよびコカイン注入の数を記録した。ビヒクル注入をしたマウスを対照として使用した。
【0157】
化合物8は、マウスにおけるコカイン媒介探索行動および摂取行動を著しく減少させ(
図2)、単独では一切増加することなくコカインが運動亢進を誘発するのを阻害した(
図3)。
【0158】
本開示の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示された実施形態は単なる例であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。