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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】首掛けファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20241205BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F04D29/44 K
F04D29/44 X
F04D25/08 301A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024031452
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2022514282の分割
【原出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2024059938
(43)【公開日】2024-05-01
【審査請求日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】202022210032.8
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518367068
【氏名又は名称】深▲せん▼市几素科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Jisu Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 301, Building B, No. 17, Yongxiang East Road, Ma’antang Community, Bantian Street, Longgang District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 享福
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210829801(CN,U)
【文献】中国実用新案第211116729(CN,U)
【文献】中国実用新案第211116730(CN,U)
【文献】中国実用新案第211474489(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弧状のハウジングと、少なくとも4つのファンアセンブリと、を備える首掛けファンであって、
前記弧状のハウジングは、1部分及び第2部分を有し、前記第1部分及び前記第2部分は、いずれも収納室を囲む側壁構造を含み、前記側壁構造は、人体の首筋側近くの第1側壁と、前記第1側壁に対向して設けられた第2側壁と、を含み、前記第1側壁は、内側壁、前記内側壁の両側に接続される上壁及び下壁を含み、
前記収納室には、少なくとも1つの仕切り板が設けられ、前記少なくとも1つの仕切り板は、前記収納室を、前記弧状のハウジングの伸長方向に沿って順番に設けられた少なくとも2つの収納部分に分割し、各前記ファンアセンブリは、対応する1つの前記収納部分内に位置し、前記仕切り板は、前記第1側壁の前記第2側壁に向かう表面に接続され、且つ前記第2側壁に向かって延在され、前記仕切り板は、本体部、第1案内部、及び第2案内部を含み、前記本体部の一端は前記下壁のエンドプレート部に隣接する一端に接続され、前記本体部の他端は前記上壁の中央部に向かって延在するとともに、前記上壁の中央部に隣接し、前記第1案内部は、前記エンドプレート部に隣接する前記ファンアセンブリの外周に周設される弧状の第1部分と、前記第1部分と前記上壁との間に接続される第2部分と、を含み、前記第2案内部は、前記本体部に接続されるとともに、隣接する前記ファンアセンブリの外周に周設される、首掛けファン。
【請求項2】
前記第1部分及び前記第2部分はそれぞれ前記収納室と連通する空気入口と空気出口をさらに有し、各収納部分は、前記空気入口の一部及び前記空気出口の一部に対応し、各前記ファンアセンブリは、前記収納部分に対応する前記空気入口の風を前記収納部分に対応する前記空気出口に案内して吹き出すために用いられ、前記空気出口の数は複数あり、複数の前記空気出口は前記弧状のハウジングの伸長方向に沿って設けられ、複数の前記空気出口のサイズ、形状及び/又は2つの隣接する前記空気出口の間の距離は、前記弧状のハウジングの伸長方向に沿って予め設定された方式で徐々に変化する、請求項1に記載の首掛けファン。
【請求項3】
前記第1部分が前記第2部分に向かう方向を第1伸長方向と定義すると、前記第1部分の複数の前記空気出口のサイズは前記第1伸長方向に沿って徐々に小さくなり、前記第2部分が前記第1部分に向かう方向を第2伸長方向と定義すると、前記第2部分の複数の前記空気出口のサイズは前記第2伸長方向に沿って徐々に小さくなる、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項4】
前記空気出口は、棒状の空気出口であり、前記棒状の空気出口の伸長方向は前記弧状のハウジングの伸長方向と予め設定された夾角を呈しており、前記予め設定された夾角は90度である、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項5】
前記空気出口の形状は、花びら形状とハート形状のうちの少なくとも1つである、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項6】
記空気入口は前記第2側壁に設けられ、前記空気出口は、前記第1側壁の前記第2側壁に近い部分に設けられるか、又は前記第2側壁の前記第1側壁に近い部分に設けられている、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項7】
各前記ファンアセンブリは複数の前記空気入口に対応し、各前記ファンアセンブリの対応する前記空気入口の数は同じであり、各前記ファンアセンブリの対応する複数の前記空気入口は環状を呈しており、前記第1側壁の各前記ファンアセンブリに対応する位置には複数の換気口が設けられ、各前記換気口は弧状であり、且つ、各前記ファンアセンブリの対応する複数の前記換気口は環状に配置される、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項8】
前記第1部分及び前記第2部分のうち各部分は、いずれも他方の部分に接続される接続端及び前記他方の部分から離れた自由端を有し、前記接続端に隣接する前記ファンアセンブリの対応する前記空気入口のサイズは、前記自由端に隣接する前記ファンアセンブリの対応する前記空気入口のサイズよりも小さく、前記接続端に隣接する前記ファンアセンブリの外径は、前記自由端に隣接する前記ファンアセンブリの外径よりも小さい、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項9】
前記第1部分及び前記第2部分はいずれもカバープレートをさらに含み、前記カバープレートは、前記空気入口に対応して前記第2側壁の前記第1側壁から離れた側に覆設され、且つ、前記カバープレートの縁と前記第2側壁との間には、前記空気入口と連通する空気入口ギャップがさらに形成されている、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項10】
前記第2側壁は、側壁本体と、前記側壁本体に接続され、且つ前記第1側壁側に向かって窪んだ窪み部と、を含み、前記空気入口は前記窪み部に位置し、前記カバープレートは前記窪み部に覆設され、前記カバープレートは前記側壁本体の前記窪み部に接続される縁と少なくとも部分的に接続して前記空気入口ギャップを形成する、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項11】
前記カバープレートは、カバープレート本体と、前記カバープレート本体に設けられた第1取付部と、を含み、前記第2側壁には、前記第1取付部と取り合わせる第2取付部が設けられ、前記第1取付部は前記第2取付部と取り合わせて、前記第2側壁の前記第1側壁から離れた側に前記カバープレートを取り外し可能又は可動的に取り付ける、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項12】
前記第1取付部と前記第2取付部との間には、第1取付状態及び第2取付状態があり、前記第1取付状態では、前記カバープレートの縁と前記第2側壁との間に前記空気入口と連通する空気入口ギャップが形成され、前記第2取付状態では、前記カバープレートの縁が前記第2側壁に接触して前記空気入口を密閉する、請求項11に記載の首掛けファン。
【請求項13】
前記第1取付部と前記第2取付部の一方は取付軸であり、前記第1取付部と前記第2取付部の他方は前記取付軸を収納して取り付けるための取付穴である、請求項11に記載の首掛けファン。
【請求項14】
前記ファンアセンブリは、駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられた羽根アセンブリと、を有し、前記駆動軸は、前記第1側壁の前記第2側壁に向かう方向に延在される、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項15】
電池及び回路基板を有する電気制御アセンブリをさらに含み、前記第2案内部と本体部との間は収納空間を囲んでおり、前記収納空間は、前記電気制御アセンブリの少なくとも一部を収容するために使用され、前記電気制御アセンブリは、スイッチボタン及びデータポートをさらに含み、前記第2部分の前記第2側壁は、前記スイッチボタンに対応する第1開口部及び前記データポートに対応する第2開口部を含み、前記スイッチボタンは、前記第1開口部に対応して取り付けられて前記回路基板に接続され、前記データポートは、前記第2開口部に対応して取り付けられて前記回路基板に接続される、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項16】
前記第2側壁は、側壁本体及び補助板を含み、前記補助板は、前記仕切り板の形状と位置に対応し、前記側壁本体と前記仕切り板との間に接続される、請求項に記載の首掛けファン。
【請求項17】
前記仕切り板は、本体部及び案内部を含み、前記本体部の形状は前記ファンアセンブリの外形の少なくとも一部に適合し、前記ファンアセンブリの外周に周設され、前記案内部は、前記本体部に接続され、前記側壁構造とともに前記空気出口と連通するエアダクトを形成する、請求項14に記載の首掛けファン。
【請求項18】
前記第1部分及び前記第2部分において、前記案内部は、2つの前記ファンアセンブリの間に位置している第1案内部と、前記ファンアセンブリの他方の前記ファンアセンブリから離れた側に位置している第2案内部と、を含み、前記第2案内部は、前記第1部分及び前記第2部分のうちの一方から他方に向かって延在され、前記第2案内部の前記エアダクトから離れた側は前記側壁構造とともに収納空間を囲んでおり、前記首掛けファンは、電池及び回路基板を有する電気制御アセンブリをさらに含み、前記収納空間は、前記電池と回路基板のうちの少なくとも一方を収容するために使用される、請求項17に記載の首掛けファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ファンの分野に関し、特に、首掛けファンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より便利な生活を求める人々が増えており、アウトドアやその他のライフシナリオでの実用的なファンのニーズを満たすために、首掛けファンなど、様々なポータブルファンが市場に登場している。首掛けファンの登場により、ハンドヘルドファンによる活動の限界が解消され、スポーツ、アウトドア、オフィスなどの使用シーンを問わず、首掛けファンはユーザーの両手を解放することができ、手に持つことなくいつでもどこでも風を当てる効果を発揮することができる。
【0003】
従来の首掛けファンでは、一般的に首掛け部の両端に設けられた羽根が露出する2つのファンアセンブリを有し、このようなファンアセンブリは、安全性が低く、髪の毛などに引っ掛かりやすいだけでなく、過度に集中した送風による不快な送風などの問題もあり、改善する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、上記に鑑みて、安全性が高く、送風が快適な首掛けファンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の一実施例によれば、弧状のハウジングと、少なくとも4つのファンアセンブリとを備える首掛けファンを提供する。前記弧状のハウジングは、人体の首筋に装着可能であり、人体の首筋の両側にそれぞれ位置している第1部分及び第2部分を有し、前記第1部分及び前記第2部分は、いずれも収納室を囲む側壁構造を含み、前記第1部分及び前記第2部分はさらにそれぞれ前記収納室と連通する空気入口と空気出口とを有し、前記収納室には、少なくとも1つの仕切り板が設けられ、前記少なくとも1つの仕切り板は、前記収納室を、前記弧状のハウジングの伸長方向に沿って順番に設けられた少なくとも2つの収納部分に分割し、各収納部分は、前記空気入口の一部及び前記空気出口の一部に対応する。各ファンアセンブリは、対応する1つの前記収納部分内に位置し、前記収納部分に対応する前記空気入口の風を、前記収納部分に対応する前記空気出口に案内して吹き出すために用いられ、前記空気出口の数は複数あり、複数の前記空気出口のサイズ、形状及び/又は2つの隣接する前記空気出口の間の距離は、前記弧状のハウジングの伸長方向に沿って予め設定された方式で徐々に変化する。
【0006】
従来技術と比較して、上記実施例の首掛けファンでは、前記弧状のハウジングが人体の首筋の両側にそれぞれ位置している第1部分及び第2部分を有し、前記第1部分及び前記第2部分のそれぞれが、収納室並びに前記収納室と連通する空気入口及び空気出口を有し、各収納室が仕切り板により少なくとも2つの収納部分に分割され、各ファンアセンブリが前記収納部分内に位置し、前記空気入口の風を前記空気出口に案内して吹き出すことができる。前記ファンアセンブリが前記収納室に位置しているため、髪の毛などの異物がファンアセンブリに簡単には引き込まれず、使用の安全性や利便性を向上することができる。前記少なくとも4つのファンアセンブリは伸長方向に沿って設けられた少なくとも4つの収納部分に位置している。収納部分が複数あるため、各収納部分のエアダクトの長さが短く、各収納部分における風の動きにより、送風の集中力を低下させるだけでなく、送風を快適にすることができ、騒音を低下し、風量の損失を低減することもできる。本出願の発明者は、研究により、一般に、エアダクトが長いほど、ケーシング内で風が流動する時間が長くなり、引き起こす騒音や風量の損失が大きくなるため、複数の収納部分を画成することによって、騒音や風量の損失が大きいという問題を大幅に改善できることを発見した。さらに、以上の伸長方向、サイズ、形状、間隔の空気出口を設計することで、前記首掛けファンの送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上することができる。
【0007】
また、いくつかの実施例では、前記第1部分が前記第2部分に向かう方向を第1伸長方向と定義すると、前記第1部分の複数の前記空気出口のサイズは前記第1伸長方向に沿って徐々に小さくなり、前記第2部分が前記第1部分に向かう方向を第2伸長方向と定義すると、前記第2部分の複数の前記空気出口のサイズは前記第2伸長方向に沿って徐々に小さくなる。以上のサイズの空気出口を設計することで、前記首掛けファンの送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上できることが理解できる。
【0008】
さらに、いくつかの実施例では、前記空気出口は、棒状の空気入口であり、前記棒状の空気入口の伸長方向は前記弧状のハウジングの伸長方向と予め設定された夾角を呈する。以上の伸長方向の空気出口を設計することで、前記首掛けファンの送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上できることが理解できる。特に、前記予め設定された夾角が90度であると、前記空気出口の送風効率も高い。
【0009】
また、いくつかの実施例では、前記空気出口の形状は、花びら形状とハート形状のうちの少なくとも1つである。花びら形状やハート形状の空気出口は送風の均一性がよいという技術的効果があり、より美しいことが理解できる。
【0010】
さらに、いくつかの実施例では、前記側壁構造は、人体の首筋側近くの第1側壁と、前記第1側壁に対向して設けられた第2側壁と、を含み、前記空気入口は前記第2側壁に設けられ、前記空気出口は、前記第1側壁の前記第2側壁に近い部分に設けられるか、又は前記第2側壁の前記第1側壁に近い部分に設けられている。外部から空気が入り、上部又は下部から空気が出る送風通路を設計することで、送風効率を向上させ、放熱効果を高められることが理解できる。
【0011】
また、いくつかの実施例では、各前記ファンアセンブリは複数の前記空気入口に対応する。複数の前記空気入口により空気が入り、見た目が美しいだけでなく、異物が巻き込みにくく、安全性が向上していることが理解できる。
【0012】
さらに、いくつかの実施例では、各前記ファンアセンブリに対応する前記空気入口の数は同じであり、各前記ファンアセンブリの対応する複数の前記空気入口は環状に配置されている。上記の設計により、見た目が美しく、異物が巻き込みにくいだけでなく、ファンアセンブリの形状に合わせて好ましい空気取り入れ効果も実現できることが理解できる。
【0013】
また、いくつかの実施例では、前記第1側壁の各前記ファンアセンブリに対応する位置には複数の換気口が設けられ、各前記換気口は弧状であり、且つ、各前記ファンアセンブリの対応する複数の前記換気口は環状に配置されている。上記の設計により、見た目が美しく、異物が巻き込みにくいだけでなく、ファンアセンブリの形状に合わせて好ましい換気効果も実現できることが理解できる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1部分及び前記第2部分のうち各部分は、いずれも他方の部分に接続される接続端及び前記他方の部分から離れた自由端を有し、前記接続端に隣接する前記ファンアセンブリの対応する前記空気入口のサイズは、前記自由端に隣接する前記ファンアセンブリの対応する前記空気入口のサイズよりも小さく、前記接続端に隣接する前記羽根アセンブリの外径は、前記自由端に隣接する前記羽根アセンブリの外径よりも小さい。異なるサイズの空気入口の大きさの設計及び異なるサイズの羽根アセンブリの外径の設計によって、前記自由端から前記接続端までの方向に沿って、弧状のハウジングのサイズを徐々に小さくすることができ、これは人体の首筋のカーブにより適し、装着の快適性を向上させることが理解できる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1部分及び前記第2部分はいずれもカバープレートをさらに含み、前記カバープレートは、前記空気入口に対応して前記第2側壁の前記第1側壁から離れた側に覆設され、且つ、前記カバープレートの縁と前記第2側壁との間には、前記空気入口と連通する空気入口ギャップがさらに形成されている。カバープレートを空気入口に覆設し、且つ、前記空気入口ギャップ及び前記空気入口により空気を入れることによって、見た目が美しいだけでなく、異物が巻き込みにくく、安全性が向上していることが理解できる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記カバープレートは、カバープレート本体と、前記カバープレート本体に設けられた第1取付部と、を含み、前記第2側壁には、前記第1取付部と取り合わせる第2取付部が設けられ、前記第1取付部は前記第2取付部と取り合わせて、前記第2側壁の前記第1側壁から離れた側に前記カバープレートを取り外し可能又は可動的に取り付ける。第1取付部と第2取付部を取り合わせる構造により、カバープレートと前記第2側壁との取り外し可能な取り付け又は可動的な取り付けが実現され、便利な組立・分解や便利な使用などの技術的効果が得られることが理解できる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1取付部と前記第2取付部との間には、第1取付状態及び第2取付状態があり、前記第1取付状態において、前記カバープレートの縁と前記第2側壁との間に前記空気入口と連通する空気入口ギャップが形成され、前記第2取付状において、前記カバープレートの縁が前記第2側壁に接触して前記空気入口を密閉する。前記第1取付部と前記第2取付部との間に第1取付状態及び第2取付状態があり、第1取付状態では、前記空気入口ギャップを介して空気の進入を達成することができ、前記第2取付状態では、前記空気入口ギャップを塞いて前記空気入口を密閉し、ケーシング内部へのほこりの侵入を回避し、防塵効果を発揮できることが理解できる。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1取付部と前記第2取付部の一方は取付軸であり、前記第1取付部と前記第2取付部の他方は前記取付軸を収納して取り付けるための取付穴である。取付穴と取付軸を取り合わせる構造により、カバープレートは前記第2側壁に組み付けられ、組立がより便利であるという技術的効果が得られる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第2側壁は、側壁本体と、前記側壁本体に接続され、且つ前記第1側壁側に向かって窪んだ窪み部と、を含み、前記空気入口は前記窪み部に位置し、前記カバープレートは前記窪み部に覆設され、前記カバープレートは前記側壁本体の前記窪み部に接続される縁と少なくとも部分的に接続して前記空気入口ギャップを形成する。前記窪み部の設計は、前記首掛けファンの全体的なサイズの縮小や、見た目の美しさの向上に役立つことが理解できる。
【0020】
いくつかの実施例では、各ファンアセンブリは、駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられた羽根アセンブリと、を有し、前記駆動軸は、前記第1側壁の前記第2側壁に向かう方向に延在し、前記仕切り板は、前記第1側壁の前記第2側壁に向かう表面に接続され、且つ前記第2側壁に向かって延在する。各ファンアセンブリが駆動軸と前記駆動軸に取り付けられた羽根アセンブリとを有し、前記駆動軸が前記第1側壁の前記第2側壁に向かう方向に延在して、前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向におけるケーシングの厚みを薄くし、装着の快適性を向上することができ、前記仕切り板の伸長方向が前記駆動軸の伸長方向に適合して、部品のコンパクトな組み立てと首掛けファンの全体的なサイズの縮小にも役立つことが理解できる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記仕切り板は、本体部、第1案内部、及び第2案内部を含み、前記第1側壁は、内側壁、前記内側壁の両側に接続される上壁及び下壁を含み、前記空気出口は前記上壁に位置し、前記本体部の一端は前記下壁の前記エンドプレート部に隣接する一端に接続され、前記本体部の他端は、前記上壁の中央部に向かって延在するとともに、前記上壁の中央部に隣接し、前記第1案内部は、前記エンドプレート部に隣接する前記羽根アセンブリの外周に周設される弧状の第1部分と、前記第1部分と前記上壁との間に接続される第2部分と、を含み、前記第2案内部は、前記本体部に接続されるとともに、隣接する前記羽根アセンブリの外周に周設される。前記本体部は主に2つの収納部分を画成するために使用され、前記第1案内部及び前記第2案内部はそれぞれ羽根アセンブリの外形に適合して風を案内するために使用され、より良い送風案内効果が発揮できることが理解できる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記首掛けファンは、電池及び回路基板を有する電気制御アセンブリをさらに含み、前記第2案内部と本体部とは間に収納空間を囲んでおり、前記収納空間は前記電気制御アセンブリの少なくとも一部を収容するために使用される。前記収納空間に前記電気制御アセンブリを収納することにより、電気制御アセンブリの熱が収納部分に伝わるのを防ぎ、冷却効果に影響を与えないようにすることができ、さらに、このような設計により、電気制御アセンブリについて放熱や配線などを独自に設計することもできて、電気消費の安全性を高めることが理解できる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記電気制御アセンブリは、スイッチボタン及びデータポートをさらに含み、前記第2部分の前記第2側壁は、前記スイッチボタンに対応する第1開口部と、前記データポートに対応する第2開口部とを含み、前記スイッチボタンは、前記第1開口部に対応して取り付けられて前記回路基板に接続し、前記データポートは、前記第2開口部に対応して取り付けられて前記回路基板に接続する。以上の位置にあるスイッチボタン及びデータポートの設計により、ユーザーは容易に操作できて使用でき、ユーザーの体験を向上することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記第2側壁は、側壁本体及び補助板を含み、前記補助板は、前記仕切り板の形状と位置に対応し、前記側壁本体と前記仕切り板との間に接続される。前記補助板は、前記仕切り板とさらに取り合わせて前記ファンアセンブリのエアダクトを囲み、より良い風案内効果を達成できることが理解できる。
【0025】
いくつかの実施例では、前記仕切り板は、本体部及び案内部を含み、前記本体部の形状は前記ファンアセンブリの外形の少なくとも一部に適合し、前記ファンアセンブリの外周に周設され、前記案内部は、前記本体部に接続され、前記側壁構造とともに前記空気出口と連通するエアダクトを形成する。前記ファンアセンブリの外形を前記本体部に適合させ、前記案内部と前記側壁構造により前記空気出口と連通するエアダクトを囲むことによって、より良い風案内効果を達成でき、空気入出効率を向上できることが理解できる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記第1部分及び前記第2部分において、前記案内部は、2つの前記ファンアセンブリの間に位置している第1案内部と、前記ファンアセンブリの他方の前記ファンアセンブリから離れた側に位置している第2案内部と、を含み、前記第2案内部は、前記第1部分及び前記第2部分のうちの一方から他方に向かって延在し、前記第2案内部の前記エアダクトから離れた側は前記側壁構造とともに収納空間を囲んでおり、前記首掛けファンは、電池及び回路基板を有する電気制御アセンブリをさらに含み、前記収納空間は、前記電池と回路基板のうちの少なくとも一方を収容するために使用される。前記電気制御アセンブリを前記収納空間に配置することで、前記首掛けファンの構成を効果的にバランスさせ、装着の快適性を向上させられることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の実施例又は従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下に、実施例又は従来技術の説明に必要な添付の図面について簡単に紹介する。また、以下の説明中の図面は、本出願の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な努力なしに、提供された図面に基づいて他の図面が得られることは言うまでもない。
図1】本出願の第1実施例による首掛けファンの立体構造模式図である。
図2図1に示す首掛けファンの立体分解模式図である。
図3】本出願の第2実施例による首掛けファンの立体構造模式図である。
図4図3に示す首掛けファンの立体分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本出願の実施例における技術的解決策について、本出願の実施例における図面を参照しながら明確かつ完全に説明する。また、説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例でないことは言うまでもない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得た他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に含まれる。
【0029】
本出願の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるために、本出願について図面や特定の実施形態を参照しながら以下でさらに詳細に説明する。
【0030】
本出願の解決策を当業者により良く理解させるため、以下、本出願の実施例における技術的解決策について、本出願の実施例における図面を参照しながら明確かつ完全に説明する。また、説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではないことは言うまでもない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得た他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に含まれるべきである。
【0031】
本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記の図面における「第1」、「第2」及び「第3」などの用語は、特定の順序を説明するためではなく、異なる対象を区別するために使用される。また、「含む」という用語及びその変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、挙げられたステップ又はユニットに限定されず、選択的に挙げられていないステップ又はユニットをさらに含むか、又は選択的にこれらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0032】
<第1実施例>
図1図2を参照すると、図1は本出願の第1実施例による首掛けファン30の立体構造模式図であり、図2図1に示す首掛けファン30の立体分解模式図である。前記首掛けファン30は、弧状のハウジング10と少なくとも4つのファンアセンブリ20と、を備え、前記ファンアセンブリ20は、前記弧状のハウジング10内に収容されてもよい。本実施例では、前記首掛けファン30が4つのファンアセンブリ20を含むことを例として主に説明することが理解できる。
【0033】
前記弧状のハウジング10は、人体の首筋に装着することができる。前記弧状のハウジング10は、第1部分11及び第2部分12を有し、前記第1部分11及び前記第2部分12はそれぞれ人体の首筋の両側に位置しており、前記第1部分11及び前記第2部分12はいずれも、人体の首筋側近くの内側壁101と、内側壁101に対向して設けられた外側壁102と、前記内側壁101と前記外側壁102との間に接続され、人体の頭部近くの上壁103と、前記内側壁101と前記外側壁102との間に接続され、前記上壁103に対向して設けられた下壁104と、を含む。
【0034】
収納室105は、前記内側壁101、外側壁102、前記上壁103及び前記下壁104により囲まれ、前記第1部分11及び前記第2部分12は、それぞれは前記収納室105と連通する空気入口106及び空気出口107をさらに有する。具体的に、本実施例では、前記内側壁101、前記下壁104及び前記上壁103は、一体(例えば、一体成型構造)に接続して第1側壁を構成することができ、前記外側壁102は、前記第1側壁に対向して設けられた第2側壁とすることができ、前記第1側壁及び前記第2側壁に囲まれて前記収納室105が形成される。
【0035】
前記収納室105には、少なくとも1つの仕切り板13がさらに設けられ、前記少なくとも1つの仕切り板13は、前記収納室105を、前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って順番に設けられた少なくとも2つの収納部分105a、105bに分割し、各収納部分105a、105bは、前記空気入口106の一部及び前記空気出口107の一部に対応する。各ファンアセンブリ20は、対応する1つの前記収納部分105a、105b内に位置し、前記収納部分105a、105bに対応する前記空気入口106の風を前記収納部分105a、105bに対応する前記空気出口107に案内して吹き出すために使用される。前記空気出口107の数は複数あり、複数の前記空気出口107は前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って設けられ、複数の前記空気出口107のサイズ、形状及び/又は2つの隣接する前記空気出口107間の距離は、前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って予め設定された方式で徐々に変化する。
【0036】
従来技術と比較して、上記実施例の首掛けファン30では、前記弧状のハウジング10が人体の首筋の両側にそれぞれ位置している第1部分11及び第2部分12を有し、前記第1部分11及び前記第2部分12のそれぞれが収納室105及び前記収納室105と連通する空気入口106及び空気出口107を有し、各収納室105が仕切り板13により少なくとも2つの収納部分105a、105bに分割され、各ファンアセンブリ20が前記収納部分105a、105b内に位置し、前記空気入口106の風を前記空気出口107に案内して吹き出すことができる。前記ファンアセンブリ20が前記収納室105内に位置しているため、髪の毛などの異物がファンアセンブリに簡単に引き込まれず、使用の安全性や利便性を向上することができる。前記少なくとも4つのファンアセンブリ20は伸長方向に沿って設けられた少なくとも4つの収納部分105a、105bに位置している。収納部分105a、105bが複数あるため、各収納部分105a、105bのエアダクトの長さが短く、各収納部分105a、105bにおける風の動きにより、送風の集中力を低下させるだけでなく、送風を快適にすることができ、騒音を低下し、風量の損失を低減することもできる。本出願の発明者は、研究により、一般に、エアダクトが長いほど、ケーシング内の風の流動時間が長くなり、引き起こす騒音や風量の損失が大きくなるため、複数の収納部分105a、105bを画成することによって、騒音や風量の損失が大きいという問題を大幅に改善できることを発見した。さらに、以上の伸長方向、サイズ、形状、間隔の空気出口107を設計することで、前記首掛けファン30の送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上することができる。
【0037】
また、各ファンアセンブリ20が駆動軸21と、前記駆動軸21に取り付けられた羽根アセンブリ22とを有し、前記駆動軸21が前記内側壁101の外側壁102に向かう方向に延在して、内側壁101から外側壁102に向かう方向におけるケーシングの厚みを薄くし、装着の快適性を向上することができる。
【0038】
さらに、前記空気入口106は前記外側壁102に設けられ、前記空気出口107は前記上壁103に設けられる。空気入口106を外側壁102に配置すると、外側壁102が外部に面しているため、空気の取り入れが非常に容易であり、空気取り入れがスムーズになり、さらに、上壁103の空気出口に配置され、前記内側壁101の外側壁102に向かう方向に沿って延在する駆動軸21と取り合わせることで、羽根アセンブリ20は空気入口106の風を前記空気出口107に直接案内することができ、より高い風案内効率を達成することができ、さらに、空気出口107が上壁103に配置されることで、人体の顔及び頭部に向かって送風されるようにし、より良好な急速冷却効果を達成できることが理解できる。
【0039】
また、前記駆動軸21の一端は前記内側壁101に固定される。上記の設計は、外側壁102に位置している空気入口106とさらに取り合わせるので、空気入口106が遮断されず、より良い空気取り入れ効果を達成できることが理解できる。
【0040】
さらに、各前記ファンアセンブリ20は複数の前記空気入口106に対応する。複数の前記空気入口106により空気が入り、見た目が美しいだけでなく、異物が巻き込みにくく、安全性が向上していることが理解できる。
【0041】
また、各前記ファンアセンブリ20に対応する前記空気入口106の数は同じであり、各前記ファンアセンブリ20の対応する複数の前記空気入口106は環状に配置されている。上記の設計により、見た目が美しく、異物が巻き込みにくいだけでなく、ファンアセンブリ20の形状に合わせて好ましい空気取り入れ効果も実現できることが理解できる。
【0042】
さらに、前記内側壁101の各前記ファンアセンブリ20に対応する位置には複数の換気口108が設けられ、各前記換気口108は弧状であり、且つ、各前記ファンアセンブリ20の対応する複数の前記換気口108は環状に配置されている。上記の設計により、見た目が美しく、異物が巻き込みにくいだけでなく、ファンアセンブリ20の形状に合わせて好ましい換気効果も実現できることが理解できる。
【0043】
また、前記羽根アセンブリ20は、タービン羽根アセンブリである。タービン羽根アセンブリを採用することにより、より低い騒音とより高い安全性の効果を達成できることが理解できる。
【0044】
さらに、前記首掛けファン30は、前記第1部分11と前記第2部分12との間に接続される接続部14をさらに備える。前記接続部14は、前記第1部分11と前記第2部分12を一体に接続するために使用され、本実施例において、前記接続部14は、前記第1部分11及び前記第2部分といずれも別体として成型されてもよいが、他の実施例では、前記接続部14は、前記第1部分11と前記第2部分12のうちの一方と一体成型され、さらに前記第1部分11と前記第2部分12のうちの他方と組み立てて共に接続されてもよい。接続部14の構造は様々であるため、ここでは繰り返さない。
【0045】
前記第1部分11及び前記第2部分12は、前記接続部14から離れた一端に位置し、前記上壁103、前記下壁104、前記内側壁101及び前記外側壁102の間に接続されるエンドプレート部109をさらに含む。前記接続部14に隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズは、前記エンドプレート部109に隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズよりも小さく、前記接続部14に隣接する前記羽根アセンブリ20の外径は、前記エンドプレート部109に隣接する前記羽根アセンブリ14の外径よりも小さい。また、言い換えれば、前記第1部分11及び前記第2部分12において、前記エンドプレート部109が配置されている一端を自由端と定義することができ、前記接続部14に隣接する一端を接続端と定義することができる。本実施例では、前記接続端に隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズは、前記自由端に隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズよりも小さく、前記接続端に隣接する前記羽根アセンブリ20の外径は、前記自由端に隣接する前記羽根アセンブリ20の外径よりも小さい。異なるサイズの空気入口106の大きさ設計及び異なるサイズの羽根アセンブリ20の外径設計によって、前記エンドプレート部109から前記接続部14までの方向に沿って、弧状のハウジング10のサイズを徐々に小さくすることができ、これは人体の首筋のカーブにより適し、装着の快適性を向上させることが理解できる。本実施例では、前記エンドプレート部109の形状は弧状であり、美観や装着感が良好であるだけでなく、前記収納部分105aの形状及びファンアセンブリ20の形状に合わせて、より良い空気入出効果を達成することができる。
【0046】
なお、前記第1部分11又は前記第2部分12において、前記内側壁101、前記上壁103、前記下壁104、前記エンドプレート部109、前記仕切り板13は、一体成型構造であってもよく、前記外側壁102は、係止部材を介して前記上壁103、前記下壁104及び前記エンドプレート部109に一体に係合してもよいことが理解できる。係合又は他の一体接続には様々な形態があり、いずれも適用できるため、ここでは繰り返さない。
【0047】
また、前記空気出口107の数は複数あり、前記複数の空気出口107は、前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って配置され、前記接続部14に隣接する位置まで延在し、複数の前記空気出口107のサイズは、前記エンドプレート部109から前記接続部に向かう方向に沿って徐々に小さくなる。複数の空気出口107は安全性を高めることができ、複数の前記空気出口107は前記エンドプレート部109から前記接続部14に向かう方向に沿って徐々に小さくなり、徐々に小さくなる空気出口107は送風を集中させて、送風の強度を向上することができ、さらに、エアダクトの伸長方向に沿って風量が徐々に失われる収納部分105a、105bと取り合わせることで、送風全体をより均一で快適にすることができることが理解できる。具体的には、前記第1部分11が前記第2部分12に向かう方向を第1伸長方向D1と定義することができ、前記第1部分11の複数の前記空気出口107のサイズは前記第1伸長方向D1に沿って徐々に小さくなり、前記第2部分12が前記第1部分11に向かう方向を第2伸長方向D2と定義することができ、前記第2部分12の複数の前記空気出口107のサイズは前記第2伸長方向D2に沿って徐々に小さくなる。さらに、前記空気出口107は、棒状の空気入口であり、前記棒状の空気入口の伸長方向は前記弧状のハウジング10の伸長方向と予め設定された夾角を呈しており、前記予め設定された夾角は90度であってもよい。以上の伸長方向の空気出口107を設計することで、前記首掛けファン30の送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上できることが理解できる。特に、前記予め設定された夾角は90度であり、前記空気出口107の送風効率も高い。
【0048】
さらに、前記仕切り板13は、前記内側壁101の前記外側壁102に向かう表面に接続され、且つ前記外側壁102に向かって延在する。前記仕切り板13は、本体部130、第1案内部131、及び第2案内部132を含み、前記本体部130の一端は前記下壁104の前記エンドプレート部109に隣接する一端に接続され、前記本体部130の他端は前記上壁103の中央部に向かって延在するとともに、前記上壁103の中央部に隣接し、前記第1案内部131は、前記エンドプレート部109に隣接する前記羽根アセンブリ20の外周に周設される弧状の第1部分131aと、前記第1部分131aと前記上壁103との間に接続される第2部分131bと、を含み、前記第2案内部132は、前記本体部130に接続されるとともに、前記接続部14に隣接する前記羽根アセンブリ20の外周に周設される。前記本体部130は主に2つの収納部分105a、105bを画成するために使用され、前記第1案内部131及び前記第2案内部132はそれぞれ羽根アセンブリ20の外形に適合して風を案内するために使用され、より良い送風案内効果が発揮できることが理解できる。
【0049】
また、前記第2案内部132の前記本体部130から離れた一端は前記接続部14まで延在し、前記エンドプレート部109から前記接続部14に向かう方向に沿って、前記第2案内部132と前記下壁104の距離は、接線に達するまで徐々に減少し、その後徐々に増加し、予め設定された距離値の範囲に維持される。前記予め設定された距離値は、実際の必要に応じて設定することができ、具体的には、前記上壁103と前記下壁104との間の距離の半分であり得る。前記第2案内部132の以上のような設計により、エアダクトを前記接続部14の位置まで延在させることができ、前記接続部14の位置まで延在する空気出口107と取り合わせることで、前記首掛けファン30の送風範囲が広く、冷却効果が好ましくなる。
【0050】
さらに、前記首掛けファン30は、電池(図示せず)及び回路基板151を有する電気制御アセンブリ15をさらに含み、前記第2案内部132と本体部130との間は収納空間133を囲んでおり、前記収納空間133は前記電気制御アセンブリ15の少なくとも一部を収容するために使用される。前記収納空間133に前記電気制御アセンブリ15を収納することにより、電気制御アセンブリ15の熱が収納部分105a、105bに入るのを防ぎ、冷却効果に影響を与えないようにすることができ、さらに、このような設計により、電気制御アセンブリ15について放熱や配線などを独自に設計することもできて、電気消費の安全性を高めることが理解できる。
【0051】
また、前記電気制御アセンブリ15は、スイッチボタン152及びデータポート153をさらに含み、前記第2部分12の外側壁102は、前記スイッチボタン152に対応する第1開口部102a及び前記データポート153に対応する第2開口部102bを含み、前記スイッチボタン152は、前記第1開口部102aに対応して取り付けられて前記回路基板151に接続し、前記データポート153は、前記第2開口部102bに対応して取り付けられて前記回路基板151に接続する。以上の位置にあるスイッチボタン152及びデータポート153の設計により、ユーザーは容易に操作できて使用でき、ユーザーの体験を向上することができる。さらに、前記電気制御アセンブリ15を除いて、前記第1部分11及び前記第2部分12の構造及び要素は、装着の快適性を高めるためにいずれも対称的に配置されていることが理解できる。
【0052】
また、前記外側壁102は、側壁本体1021及び補助板1022(図では符号が逆になっている)を含み、前記補助板1022は、前記仕切り板13の形状と位置に対応し、前記側壁本体1021と前記仕切り板13との間に接続される。前記補助板1022は、前記仕切り板13とさらに取り合わせて前記ファンアセンブリ20のエアダクトを囲み、より良い風案内効果を達成できることが理解できる。
【0053】
<第2実施例>
図3図4を参照すると、図3は本出願の第2実施例による首掛けファン30の立体構造模式図であり、図4図3に示す首掛けファン30の立体分解模式図である。前記首掛けファン30は、弧状のハウジング10と少なくとも4つのファンアセンブリ20と、を備え、前記ファンアセンブリ20は、前記弧状のハウジング10内に収容されてもよい。本実施例では、前記首掛けファン30が4つのファンアセンブリ20を含むことを例として主に説明することが理解できる。
【0054】
前記弧状のハウジング10は、人体の首筋に装着可能であり、人体の首筋の両側にそれぞれ位置している第1部分11及び第2部分12を有し、前記第1部分11及び前記第2部分12は、いずれも収納室105を囲む側壁構造を含み、前記第1部分11及び前記第2部分12はそれぞれ前記収納室105と連通する空気入口106と空気出口107とをさらに有する。
【0055】
前記収納室105には、少なくとも1つの仕切り板13がさらに設けられ、前記少なくとも1つの仕切り板13は、前記収納室105を、前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って順番に設けられた少なくとも2つの収納部分105a、105bに分割し、各収納部分105a、105bは、前記空気入口106の一部及び前記空気出口107の一部に対応する。各ファンアセンブリ20は、対応する1つの前記収納部分105a、105b内に位置し、前記収納部分105a、105bに対応する前記空気入口106の風を前記収納部分105a、105bに対応する前記空気出口107に案内して吹き出すために使用される。前記空気出口107の数は複数あり、複数の前記空気出口107は前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って設けられ、複数の前記空気出口107のサイズ、形状及び/又は2つの隣接する前記空気出口107間の距離は、前記弧状のハウジング10の伸長方向に沿って予め設定された方式で徐々に変化する。
【0056】
従来技術と比較して、上記実施例の首掛けファン30では、前記弧状のハウジング10が人体の首筋の両側にそれぞれ位置している第1部分11及び第2部分12を有し、前記第1部分11及び前記第2部分12それぞれが収納室105及び前記収納室105と連通する空気入口106及び空気出口107を有し、各収納室105が仕切り板13により少なくとも2つの収納部分105a、105bに分割され、各ファンアセンブリ20が前記収納部分105a、105b内に位置し、前記空気入口106の風を前記空気出口107に案内して吹き出すことができる。前記ファンアセンブリ20が前記収納室105内に位置しているため、髪の毛などの異物がファンアセンブリに簡単に引き込まれず、使用の安全性や利便性を向上することができる。前記少なくとも4つのファンアセンブリ20は伸長方向に沿って設けられた少なくとも4つの収納部分105a、105bに位置している。収納部分105a、105bが複数あるため、各収納部分105a、105bのエアダクトの長さが短く、各収納部分105a、105bにおける風の動きにより、送風の集中力を低下させるだけでなく、送風を快適にすることができ、騒音を低下し、風量の損失を低減することもできる。本出願の発明者は、研究により、一般に、エアダクトが長いほど、ケーシング内の風の流動時間が長くなり、引き起こす騒音や風量の損失が大きくなるため、複数の収納部分105a、105bを画成することによって、騒音や風量の損失が大きいという問題を大幅に改善できることを発見した。
【0057】
具体的に、前記側壁構造は、人体の首筋側近くの第1側壁101’と、前記第1側壁101’に対向して設けられた第2側壁102と、を含み、前記空気入口106は前記第2側壁102に設けられ、前記空気出口107は、前記第1側壁101’の前記第2側壁102に近い部分に設けられるか、又は前記第2側壁102の前記第1側壁101’に近い部分に設けられている。本実施例では、前記空気出口107は、前記第1側壁101’の前記第2側壁102に近い部分に配置されてユーザーの頭部及び顔に隣接するように使用される。
【0058】
また、具体的には、前記第1部分11が前記第2部分12に向かう方向を第1伸長方向D1と定義することができ、前記第1部分11の複数の前記空気出口107のサイズは前記第1伸長方向D1に沿って徐々に小さくなり、前記第2部分12が前記第1部分11に向かう方向を第2伸長方向D2と定義することができ、前記第2部分12の複数の前記空気出口107のサイズは前記第2伸長方向D2に沿って徐々に小さくなる。さらに、前記空気出口107は、棒状の空気入口であり、前記棒状の空気入口の伸長方向は前記弧状のハウジング10の伸長方向と予め設定された夾角を呈しており、前記予め設定された夾角は90度であってもよい。以上の伸長方向の空気出口107を設計することで、前記首掛けファン30の送風をより快適で柔らかくし、ユーザーの使用体験を向上できることが理解できる。特に、前記予め設定された夾角は90度であり、前記空気出口107の送風効率も高い。別の実施例では、前記空気出口107の形状は、花びら形状とハート形状のうちの少なくとも1つであってもよい。花びら形状やハート形状の空気出口107は送風の均一性がよいという技術的効果があり、より美しいことが理解できる。
【0059】
また、各ファンアセンブリ20が駆動軸21と前記駆動軸21に取り付けられた羽根アセンブリ22とを有し、前記駆動軸21が前記第1側壁101’の前記第2側壁102に向かう方向に沿って延在して、前記第1側壁101’から前記第2側壁102に向かう方向におけるケーシングの厚みを薄くし、装着の快適性を向上することができる。
【0060】
空気入口106を第2側壁102に配置すると、第2側壁102が外部に面しているため、空気の取り入れが非常に容易であり、空気取り入れがスムーズになり、さらに、ユーザーの頭部及び顔に隣接して配置された空気出口と、前記第1側壁101’の第2側壁102に向かう方向に沿って延在する駆動軸21とによって、羽根アセンブリ20は空気入口106の風を前記空気出口107に直接案内することができ、より高い風案内効率を達成することができ、さらに、空気出口107が前記第1側壁101’の人体の顔及び頭部に隣接する部分に配置されることで、人体の顔及び頭部に向かって送風されるようにし、より良好な急速冷却効果を達成できることが理解できる。
【0061】
前記第1側壁101’の各前記ファンアセンブリ20に対応する位置には複数の換気口108が設けられ、各前記換気口108は弧状であり、且つ、各前記ファンアセンブリ20の対応する複数の前記換気口108は環状に配置されている。上記の設計により、見た目が美しく、異物が巻き込みにくいだけでなく、ファンアセンブリ20の形状に合わせて好ましい換気効果も実現できることが理解できる。
【0062】
また、前記第1部分11及び前記第2部分12のうち各部分は、いずれも他方の部分に接続される接続端10aと前記他方の部分から離れた自由端10bとを有し、前記接続端10aに隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズは、前記自由端10bに隣接する前記ファンアセンブリ20の対応する前記空気入口106のサイズよりも小さく、前記接続端10aに隣接する前記羽根アセンブリ20の外径は、前記自由端10bに隣接する前記羽根アセンブリ20の外径よりも小さい。異なるサイズの空気入口106の大きさ設計及び異なるサイズの羽根アセンブリ20の外径設計によって、前記自由端10bから前記接続端10aまでの方向に沿って、弧状のハウジングのサイズを徐々に小さくすることができ、これは人体の首筋のカーブにより適し、装着の快適性を向上させることが理解できる。
【0063】
本実施例では、前記第1部分11及び前記第2部分12はいずれもカバープレート16をさらに含み、前記カバープレート16は、前記空気入口106に対応して前記第2側壁102の前記第1側壁101’から離れた側に覆設され、且つ、前記カバープレート16の縁と前記第2側壁102との間には、前記空気入口106と連通する空気入口ギャップ161がさらに形成されている。さらに、前記第2側壁102は、側壁本体102cと、前記側壁本体102cに接続され、且つ前記第1側壁101’側に向かって窪んだ窪み部102dと、を含み、前記空気入口106は前記窪み部102dに位置し、前記カバープレート16は前記窪み部102dに覆設され、前記カバープレート16は前記側壁本体102cの前記窪み部102dに接続される縁と少なくとも部分的に接続して前記空気入口ギャップ161を形成する。カバープレート16を空気入口106に覆設し、且つ、前記空気入口ギャップ161及び前記空気入口106により空気を入れることによって、見た目が美しいだけでなく、異物が巻き込みにくく、安全性が向上していることが理解できる。前記窪み部102dの設計は、前記首掛けファン30の全体的なサイズの縮小や、見た目の美しさの向上にも役立つ。
【0064】
また、前記カバープレート16は、カバープレート本体162と、前記カバープレート本体162の前記第2側壁102に隣接する側に設けられた第1取付部163と、を含み、前記第2側壁102には、前記カバープレート16に隣接して前記第1取付部163と取り合わせる第2取付部102eが設けられてもよい。具体的に、前記第2取付部102eは、前記窪み部102d上であって前記複数の空気入口106間の位置に設けられてもよい。
【0065】
さらに、前記カバープレート16は、カバープレート本体162と、前記カバープレート本体162に設けられた第1取付部163と、を含み、前記第2側壁102には、前記第1取付部163と取り合わせる第2取付部102eが設けられ、前記第1取付部163は前記第2取付部102eと取り合わせて、前記カバープレート16を前記第2側壁102の前記第1側壁101’から離れた側に(例えば、取り外し可能又は可動的に)取り付ける。前記第1取付部163と前記第2取付部102eを取り合わせる構造により、前記カバープレート16と前記第2側壁102との取り外し可能な取り付け又は可動的な取り付けが実現され、便利な組立・分解や便利な使用などの技術的効果が得られることが理解できる。具体的に、前記第2取付部102eは、前記窪み部102d上であって、前記複数の空気入口106間の位置に配置してもよい。
【0066】
また、前記第1取付部163と前記第2取付部102eとの間には、第1取付状態及び第2取付状態があり、前記第1取付状態では、前記カバープレート16の縁と前記第2側壁102との間に前記空気入口106と連通する空気入口ギャップ161が形成され、前記第2取付状態では、前記カバープレート16の縁が前記第2側壁102に接触して前記空気入口106を密閉する。前記第1取付部163と前記第2取付部102eとの間に第1取付状態及び第2取付状態があり、第1取付状態では、前記空気入口ギャップ161を介して空気の入りを達成することができ、前記第2取付状態では、前記空気入口ギャップ161を塞いて前記空気入口106を密閉することができるので、前記首掛けファン30が使用されていないとき、ケーシング内部へのほこりの侵入を回避し、防塵効果を発揮できることが理解できる。
【0067】
なお、前記第1取付状態と前記第2取付状態は相互に変換できることが理解できる。いくつかの実施例において、前記第1取付状態と前記第2取付状態の切り替えは、弾性係合フィットなどの関係を有する第1取付部及び第2取付部の構成によって、前記カバープレート16を第2側壁102のある方向に向かって押す場合に実現することができる。例えば、初めて押すと、前記第1取付状態から前記第2取付状態に切り替わり、次に押すと、前記第2取付状態から前記第1取付状態への切り替えが実現される。上記のプッシュスイッチング制御を実現するための様々な構造があるが、ここでは詳しく説明しない。
【0068】
本実施例において、前記第1取付部163は、前記カバープレート本体162に接続される取付軸であり、前記第2取付部102eは、前記取付軸と取り合わせる取付穴であり、他の実施例では、前記第1取付部163は、前記カバープレート本体162に設けられた取付穴であり、前記第2取付部102eは、前記取付穴と取り合わせる取付軸であってもよい。取付穴と取付軸を取り合わせる構造により、前記カバープレート16は前記第2側壁102に組み付けられ、組立がより便利であるという技術的効果が得られることが理解できる。
【0069】
本実施例において、前記仕切り板13は、本体部131及び案内部132を含み、前記本体部131の形状は前記ファンアセンブリ20の外形の少なくとも一部に適合し、前記ファンアセンブリ20外周に周設され、前記案内部132は、前記本体部131に接続され、前記側壁構造とともに前記空気出口107と連通するエアダクトを形成するために使用される。前記ファンアセンブリ20の外形を前記本体部131に適合させ、前記案内部132と前記側壁構造により前記空気出口107と連通するエアダクト17を囲むことによって、より良い風案内効果を達成でき、空気入出効率を向上できることが理解できる。
【0070】
また、前記第1部分11及び前記第2部分12において、前記案内部132は、2つの前記ファンアセンブリ20の間に位置している第1案内部132aと、前記ファンアセンブリ20の他方の前記ファンアセンブリ20から離れた側に位置している第2案内部132bと、を含み、前記第2案内部132bは、前記第1部分11及び前記第2部分12のうちの一方から他方に向かって延在し、前記第2案内部132bの前記エアダクト17から離れた側は前記側壁構造とともに収納空間18を囲んでおり、前記首掛けファン30は、電気制御アセンブリ15をさらに備えてもよく、前記電気制御アセンブリ15は、電池と回路基板を含み、前記収納空間18は、前記電池と回路基板のうちの少なくとも一方を収容するために使用されてもよい。前記電気制御アセンブリ15を前記収納空間18に配置することで、前記首掛けファン30の構成を効果的にバランスさせ、装着の快適性を向上させることができることが理解できる。
【0071】
また、前記羽根アセンブリ20は、タービン羽根アセンブリであってもよい。タービン羽根アセンブリを採用することにより、より低い騒音とより高い安全性の効果を達成できることが理解できる。
【0072】
以上の実施例は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、それらを限定するものではない。本発明は、前述の実施例を参照して詳細に説明されてきたが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術的解決策に依然として修正を加えることができること、又はその技術的特徴の一部に対して同等の置換を実行することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決策の本質を、本発明の各実施例の技術的解決策の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4