(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】りん及び遺灰入りん
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20241205BHJP
A61G 17/08 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A47G33/00 L
A61G17/08 Z
(21)【出願番号】P 2024095514
(22)【出願日】2024-06-13
【審査請求日】2024-06-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399073931
【氏名又は名称】株式会社関菊
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】関 大
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-151582(JP,U)
【文献】特開2018-000774(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217527(JP,U)
【文献】特開2001-57937(JP,A)
【文献】特開2021-98148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺灰又は遺骨を入れる収容部と、前記収容部の上部に連結部材にて連結したりん部とを備え、
前記連結部材で連結した部位以外は前記りん部と収容部との間に隙間部を形成してあり、
前記りん部は上部が開口したりん本体部を有し
、
前記収容部は収容室を形成した収容本体部と、前記収容本体部の開口部を塞ぐ蓋部とを有し、
前記蓋部とりん部を連結部材にて連結して
あり、
前記収容部は、蓋部の外径よりも収容本体部の外径の方が大きい二段形状に形成してあることを特徴とする
りん。
【請求項2】
前記収容本体部は、台座部と筒状の側壁部とを有し、前記筒状の側壁部の外周部に中間部材を装着することで前記蓋部、中間部材及び台座部にて三段形状に形成したことを特徴とする請求項
1記載のりん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いろいろな物を収容できるりんに関し、例えば遺灰や遺骨を入れることも可能な遺灰入りんにも適用できる。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、遺物収納部と造形物とを組み合せた供養造形物を開示し、特許文献2には遺骨や遺品を収納できるペット用手元供養骨つぼを開示する。
また、特許文献3には椀状の鐘(りん)と遺骨を収納する球形の容器とを組み合せた仏具を開示する。
これらは遺灰等の収容部と造形物やりんと組み合せたものであっても、そのままりん(おりん)として使用できるものではなく、また打りん時の響きが弱いものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3217283号
【文献】実用新案登録第3160028号
【文献】実用新案登録第3208528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、いろいろな物を収容できる収容部とりんとを組み合せたものであって、りんとしての機能を有し、余韻が長く響きに優れたりんの提供を目的とする。
また、遺骨や遺灰を入れ、手元供養にも適した遺灰入りんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るりんは、収容部と、前記収容部の上部に連結部材にて連結したりん部とを備え、前記連結部材で連結した部位以外は前記りん部と収容部との間に隙間部を形成してあり、前記りん部は上部が開口したりん本体部を有していることを特徴とする。
【0006】
ここで、りんは仏具の1つであり「おりん」,「鈴」,「輪」と称されることがある。
一般的にはお仏壇のお参りで使用され、りん棒で打りんした際に澄んだ音色でその音の余韻の長いものが好まれている。
りんの形状としては、いろいろなタイプのものが提案されているが、上部が開口したりんにあっては、開口部の共振により音がなるものであり底部側の振動はあまり大きくはない。
そこで本発明は、りん部の底部側にて収容部と連結部材にて連結するとともにこの連結部材で連結した以外は、りん部と収容部との間に隙間部を設けることで、りんの響きが抑えられないようにした。
【0007】
本発明において、前記収容部は収容室を形成した収容本体部と、前記収容本体部の開口部を塞ぐ蓋部とを有し、前記蓋部とりん部を連結部材にて連結してあるのが好ましい。
このようにするとりん部と蓋部とが一体になり、蓋部を取り外して収容本体部にいろいろなものを入れることができる。
【0008】
本発明において、前記収容部は、蓋部の外径よりも収容本体部の外径の方が大きい二段形状に形成してもよく、前記収容本体部は、台座部と筒状の側壁部とを有し、前記筒状の側壁部の外周部に中間部材を装着することで前記蓋部、中間部材及び台座部にて三段形状に形成してもよい、
このようにすると、外部からはりん部と収容部とがデザイン的に一体化され、収容部がりん部の台として機能する。
【0009】
本発明においては、収容部にいろいろな物を収容(収納)することができるが、遺灰や遺骨入れとして使用することで、元手供養が可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るりんは、りん部と収容部とをデザイン的に一体化することができるとともに、りんとしての機能性に優れる。
また、遺灰入りんとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施例1のりんの構成例を示し、(a)は外観,(b)は断面図を示す。
【
図3】本発明に係るりんの実施例2の構成例を示す。(a)は外観,(b)は断面図を示す。
【
図4】本発明に係るりんの実施例3の構成例を示す。(a)は外観,(b)は断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るりん及び遺灰入りんの構成例を以下、図に基づいて説明するが本発明はこれに限定されない。
【0013】
図1は、実施例1として収容部を三段形状に構成した例を示す。
図1(a)は外観,
図1(b)は断面図を示すが、上下方向の中心軸を中心にした回転体形状となっている例である。
図1(a)に示すように、りん部10とその下側に収容部20とを配置し、外観デザインとして一体化してある。
図1(b)に示すように、りん部10は上部が開口したお椀形状のりん本体部11と収容部側と連結するための連結部材12を有している。
りん本体部の形状は、このようなお椀形状に限定するものではないが、上部側に開口部を有するものが好ましい。
上部側が開口したりん本体部にあっては、底部側を収容部と連結する際に、りん本体部の振動への影響が少ない。
本発明において、連結部材12は収容部20側とその周囲に隙間部13が形成されるように連結するのが目的であって、その構造に制限はない。
本実施例1においては、
図2に示すようにりん棒30の底部側に凹部31を形成し、連結部材12の上部形状を円錐状の突部12bにした例であり、収容部側20に設けためねじ部に螺着できるように、おねじ形状の連結部12aに形成した例になっている。
連結構造は溶接や接着等でもよいが、螺合構造にすると取り外しが可能になる。
【0014】
実施例1における収容部20は、蓋部22,中間部材23及び収容本体部21からなる三段形状の例になっている。
収容本体部21は台座部21aと、これから円筒状の側壁部21bを立設して、その内側に空間部からなる収容室21cを形成してある。
この円筒状の側壁部21bには、略リング形状の中間部材23を装着してあり、その上に蓋部22がこの側壁部21bの上部側に、めねじ部22bにてねじ止めされている。
蓋部22の外径よりも中間部材23の外径の方が大きく、収容本体部21の台座部21aの外径は、この中間部材23の外径より大きく、全体として下側の外径が順次大きい三段形状の例になっている。
蓋部22の上面は凹部形状部22cになっていて、りん本体部11の底面側の凸形状に対応し、連結部材12による連結部以外に所定の隙間部13が形成されている。
りん部10と収容部20とは同じ材質でもよいが、りん部は金属製が好ましく、収容部にはいろいろな材料を用いることができる。
【0015】
図3は、収容部20を二段形状にした実施例2を示す。
実施例2は、収容本体部21の側壁部21bの上部側に中間部材を設けることなく、側壁部21bの上部外周側に設けたおねじ部21dに蓋部22に設けためねじ部22bをねじ止めした例となっている。
図4に実施例3を示し、この実施例3は蓋部22の厚みを薄くし、下側の外径の方が上側よりも小さい逆円錐台形状に収容本体部21を形成した収容室21cの上部内側にめねじ部121dを形成し、蓋部22側のおねじ部122bとねじ止めした例となっている。
実施例2,3に示すように収容部20を二段形状にした場合にあっても、いろいろなデザイン形状を採用することができる。
【符号の説明】
【0016】
10 りん部
11 りん本体部
12 連結部材
13 隙間部
20 収容部
21 収容本体部
21a 台座部
21b 側壁部
22 蓋部
23 中間部材
【要約】
【課題】いろいろな物を収容できる収容部とりんとを組み合せたものであって、りんとしての機能を有し、余韻が長く響きに優れたりんの提供を目的とする。
また、遺骨や遺灰を入れ、手元供養にも適した遺灰入りんの提供を目的とする。
【解決手段】収容部と、前記収容部の上部に連結部材にて連結したりん部とを備え、前記連結部材で連結した部位以外は前記りん部と収容部との間に隙間部を形成してあり、前記りん部は上部が開口したりん本体部を有していることを特徴とする。
【選択図】
図1