(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】撮像情報記憶装置、撮像情報記憶方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241205BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2023204294
(22)【出願日】2023-12-01
(62)【分割の表示】P 2019000247の分割
【原出願日】2019-01-04
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】今枝 洋一
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-139233(JP,A)
【文献】特開2012-155516(JP,A)
【文献】特開2010-286944(JP,A)
【文献】特開2008-056052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
H04N 7/18
H04N 5/76 - 5/775
H04N 5/80 - 5/907
H04N 5/91 - 5/956
G07C 1/00 - 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、
前記撮像情報生成部により生成された前記撮像情報を記憶する記憶部と、
自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の前記位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、前記所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに前記所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて前記撮像情報を生成するフレームレート制御部と、
を備えている撮像情報記憶装置。
【請求項2】
前記位置情報取得部により取得された前記位置情報のずれを前記地図情報に基づいて補正するマップマッチング処理部
を更に備えている請求項1に記載の撮像情報記憶装置。
【請求項3】
前記撮像情報生成部は、それぞれ撮像された複数種類の撮像情報を前記所定フレームレートにおいて生成し、
前記記憶部は、前記撮像情報生成部により生成された複数種類の前記撮像情報を記憶し、
前記フレームレート制御部は、前記自装置が前記所定の範囲内に存在すると判定されたときに前記高フレームレートにおいて複数種類の前記撮像情報を生成する
請求項1又は請求項2に記載の撮像情報記憶装置。
【請求項4】
前記撮像情報生成部は、車両室外が撮像された室外撮像情報と、前記車両室内が撮像された室内撮像情報とを含む複数種類の撮像情報を前記所定フレームレートにおいて生成する
請求項3に記載の撮像情報記憶装置。
【請求項5】
撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、
前記撮像情報生成部により生成された前記撮像情報を前記所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換する撮像情報処理部と、
前記撮像情報処理部により生成された前記撮像情報を記憶する記憶部と、
自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の前記位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、前記所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに前記所定フレームレートにより生成された前記撮像情報を前記記憶部に記憶させるフレームレート制御部と、
を備えている撮像情報記憶装置。
【請求項6】
前記撮像情報生成部により生成された前記撮像情報に基づく画像解析により前記信号機が存在するか否かを認識する信号機認識部を更に備え、
前記フレームレート制御部は、前記信号機が前記所定の範囲内に存在すると判定されたとき、又は前記信号機認識部により前記信号機が認識されたときに、前記高フレームレートにおいて前記撮像情報を生成する
請求項1に記載の撮像情報記憶装置。
。
【請求項7】
撮像情報生成部、記憶部、位置情報取得部及びフレームレート制御部を備えた撮像情報記憶装置における撮像情報記憶方法であって、
前記撮像情報生成部が、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成工程と、
前記記憶部が、前記撮像情報生成工程において生成された前記撮像情報を記憶する記憶工程と、
前記位置情報取得部が、前記撮像情報記憶装置の位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記フレームレート制御部が、信号機の位置情報を有する地図情報と前記撮像情報記憶装置の前記位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、前記所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに前記所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて前記撮像情報を生成するフレームレート制御工程と、
を備える撮像情報記憶方法。
【請求項8】
撮像情報生成部、記憶部、位置情報取得部及びフレームレート制御部を備えた撮像情報記憶装置における撮像情報記憶方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像情報生成部が、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する工程と、
前記記憶部が、前記撮像情報生成部により生成された前記撮像情報を記憶する工程と、
前記位置情報取得部が、前記撮像情報記憶装置の位置情報を取得する工程と、
前記フレームレート制御部が、信号機の位置情報を有する地図情報と前記撮像情報記憶装置の前記位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、前記所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに前記所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて前記撮像情報を生成する工程と、
を備えているプログラム。
【請求項9】
前記フレームレート制御部は、前記フレームレート制御部において前記所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに前記撮像情報処理部において前記所定フレームレートにより前記撮像情報を生成し、この撮像情報を前記記憶部に記憶させる請求項5に記載の撮像情報記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像情報記憶装置、撮像情報記憶方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ドライブレコーダ及びその画像取得タイミング制御方法が開示されている。このドライブレコーダでは、LED(Light Emitting Diode)方式を採用する信号機の滅灯のタイミングに対して、画像キャプチャを行うタイミングをずらすか、又は録画フレーム数を減らす制御がなされている。録画フレーム数を減らす制御では、30 FPS(Frames Per Second)から29 FPSへ、フレームレートを減らすことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ドライブレコーダ及びその画像取得タイミング制御方法では、LED方式を採用する信号機の点灯状態にある映像を録画することができる。
しかしながら、上記ドライブレコーダ及びその画像取得タイミング制御方法では、録画容量を適正に抑制しつつ、信号機が存在する所定の範囲内において録画情報量を増やす点について、配慮がなされていなかった。これは、発明が解決しようとする課題の一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機が存在する所定の範囲内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶装置、撮像情報記憶方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、撮像情報記憶装置において、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する記憶部と、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報を生成するフレームレート制御部と、を備えている。
【0007】
請求項5に記載の発明は、撮像情報記憶装置において、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、撮像情報生成部により生成された撮像情報を所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換する撮像情報処理部と、撮像情報処理部により生成された撮像情報を記憶する記憶部と、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに撮像情報処理部において所定フレームレートにより撮像情報を生成し、撮像情報を記憶部に記憶させるフレームレート制御部と、を備えている。
【0008】
請求項7に記載の発明は、撮像情報生成部、記憶部、位置情報取得部及びフレームレート制御部を備えた撮像情報記憶装置における撮像情報記憶方法であって、前記撮像情報生成部が、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成工程と、前記記憶部が、前記撮像情報生成工程において生成された前記撮像情報を記憶する記憶工程と、前記位置情報取得部が、前記撮像情報記憶装置の位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記フレームレート制御部が、信号機の位置情報を有する地図情報と前記撮像情報記憶装置の前記位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、前記所定の範囲内に前記撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに前記所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて前記撮像情報を生成するフレームレート制御工程と、を備えている。
【0009】
請求項8に記載の発明は、撮像情報生成部、記憶部、位置情報取得部及びフレームレート制御部を備えた撮像情報記憶装置における撮像情報記憶方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、撮像情報生成部が、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する工程と、記憶部が、撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する工程と、位置情報取得部が、撮像情報記憶装置の位置情報を取得する工程と、フレームレート制御部が、信号機の位置情報を有する地図情報と撮像情報記憶装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報を生成する工程と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明の第1実施例に係る撮像情報記憶装置のブロック構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される撮像情報記憶装置の撮像情報記憶方法並びにその方法を実行するプログラムにおいて、信号機が設置された位置と撮像情報記憶装置の位置との位置関係を説明する、道路交差点の一形態を上方から見た概要図である。
【
図3】
図3は、
図1に示される撮像情報記憶装置の撮像情報記憶方法並びにその方法を実行するプログラムにおいて、信号機が設置された位置と撮像情報記憶装置の位置との位置関係を説明する、道路を側方から見た概要図である。
【
図4】
図4は
図1に示される撮像情報記憶装置の撮像情報記憶方法並びにその方法を実行するプログラムのフローチャートである。
【
図5】
図5は本発明の第2実施例に係る撮像情報記憶装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施態様に係る撮像情報記憶装置は、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する記憶部と、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報を生成するフレームレート制御部と、を備えている。
【0012】
第1実施態様に係る撮像情報記憶装置は、撮像情報生成部と、記憶部と、位置情報取得部と、を備える。
撮像情報生成部は撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。記憶部は撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する。位置情報取得部は自装置の位置情報を取得する。
ここで、撮像情報記憶装置は、更にフレームレート制御部を備える。フレームレート制御部は、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定する。そして、フレームレート制御部は、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて、撮像情報を生成する。
このため、信号機が設置された位置から所定の範囲を超えるときには、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機が設置された位置から所定の範囲内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機が設置された位置から所定の範囲内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機が設置された位置から所定の範囲内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶装置を提供することができる。
【0013】
本発明の第2実施態様に係る撮像情報記憶装置は、第1実施態様に係る撮像情報記憶装置において、位置情報取得部により取得された位置情報のずれを地図情報に基づいて補正するマップマッチング処理部を更に備えている。
【0014】
第2実施態様に係る撮像情報記憶装置は、マップマッチング処理部を備える。マップマッチング処理部は、位置情報取得部により取得された位置情報のずれを地図情報に基づいて補正する。
このため、撮像情報記憶装置において、位置情報と地図情報とを一致させることができるので、信号機が設置された位置の精度、この位置から所定の範囲を演算する精度並びに撮像情報記憶装置の位置精度を向上させることができる。
【0015】
本発明の第3実施態様に係る撮像情報記憶装置では、第1実施態様又は第2実施態様に係る撮像情報記憶装置において、撮像情報生成部は、それぞれ撮像された複数種類の撮像情報を所定フレームレートにおいて生成し、記憶部は、撮像情報生成部により生成された複数種類の撮像情報を記憶し、フレームレート制御部は、前記自装置が所定の範囲内に存在すると判定されたときに高フレームレートにおいて複数種類の撮像情報を生成する。
【0016】
第3実施態様に係る撮像情報記憶装置では、撮像情報生成部は、それぞれ撮像された複数種類の撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。記憶部は、撮像情報生成部により生成された複数種類の撮像情報を記憶する。そして、フレームレート制御部は、撮像情報記憶装置が所定の範囲内に存在とすると判定されたときに、高フレームレートにおいて複数種類の撮像情報を生成する。
このため、複数種類の撮像情報は、信号機が設置された位置から所定の範囲内では同一の高フレームレートにより生成され、所定の範囲を超えると同一の所定フレームレートにより生成される。従って、複数種類の撮像情報を同時に再生するときに、再生ずれが生じないので、撮像情報を再生した映像を見るユーザの違和感を軽減することができる。
【0017】
本発明の第4実施態様に係る撮像情報記憶装置では、第3実施態様に係る撮像情報記憶装置において、撮像情報生成部は、車両室外が撮像された室外撮像情報と、車両室内が撮像された室内撮像情報とを含む複数種類の撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。
【0018】
第4実施態様に係る撮像情報記憶装置では、撮像情報生成部が、車両室外が撮像された室外撮像情報と、車両室内が撮像された室内撮像情報とを含む複数種類の撮像情報を生成する。
このため、信号機が設置された位置から所定の範囲を超える位置、所定の範囲の位置、所定の範囲内の信号機が設置された位置に至る道路において、道路状態、周囲の環境状態等の室外撮像情報と、車両に搭乗する搭乗者の表情や安全確認動作、健康状態等の室内撮像情報とを同時に記憶することができる。
【0019】
本発明の第5実施態様に係る撮像情報記憶装置は、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する撮像情報生成部と、撮像情報生成部により生成された撮像情報を所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換する撮像情報処理部と、撮像情報処理部により生成された撮像情報を記憶する記憶部と、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに撮像情報処理部において所定フレームレートにより撮像情報を生成し、撮像情報を記憶部に記憶させるフレームレート制御部と、を備えている。
【0020】
第5実施態様に係る撮像情報記憶装置は、撮像情報生成部と、撮像情報処理部と、記憶部と、位置情報取得部と、を備える。
撮像情報生成部は、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。撮像情報処理部は、撮像情報生成部により生成された撮像情報を所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換する。記憶部は、撮像情報処理部により生成された撮像情報を記憶する。位置情報取得部は、自装置の位置情報を取得する。
ここで、撮像情報記憶装置は、更にフレームレート制御部を備える。フレームレート制御部は、信号機の位置情報を有する地図情報と前記自装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に前記自装置が存在するか否かを判定する。そして、フレームレート制御部は、所定の範囲内に前記自装置が存在すると判定されたときに、撮像情報処理部において所定フレームレートにより撮像情報を生成し、撮像情報を記憶部に記憶させる。
このため、信号機が設置された位置から所定の範囲を超えるとき、低フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機が設置された位置から所定の範囲内では、低フレームレートに比し高い所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機が設置された位置から所定の範囲内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機が設置された位置から所定の範囲内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶装置を提供することができる。
さらに、撮像情報生成部では、撮像情報処理部において撮像情報が低フレームレートに変換されるまで、低フレームレートに比し高い所定フレームレートにおいて撮像情報が生成される。このため、撮像情報記憶装置では、低フレームレートに変換される前の、撮像情報量が多い撮像情報を利用することができる。
【0021】
本発明の第6実施態様に係る撮像情報記憶装置は、第1実施態様に係る撮像情報記憶装置において、撮像情報生成部により生成された撮像情報に基づく画像解析により信号機が存在するか否かを認識する信号機認識部を更に備え、フレームレート制御部は、信号機が所定の範囲内に存在すると判定されたとき、又は信号機認識部により信号機が認識されたときに、高フレームレートにおいて撮像情報を生成する。
【0022】
第6実施態様に係る撮像情報記憶装置は、更に信号機認識部を備える。信号機認識部は、撮像情報に基づく画像解析により信号機が存在するか否かを認識する。そして、フレームレート制御部は、信号機が所定の範囲内に存在すると判定されたとき、又は信号認識部により信号機が認識されたとき、高フレームレートにおいて撮像情報を生成する。
このため、フレームレート制御部では、信号機が所定の範囲内に存在するか否かの判定又は信号機の認識のいずれか一方を用いて信号機の存在を確認することができ、いずれか他方を信号機の存在の確認の補助として使用することができる。例えば、仮に信号機の認識ができなかったとき、信号機が所定の範囲内に存在するか否かの判定により信号機の存在を確認し、高フレームレートにおいて撮像情報を生成することができる。これにより、撮像情報記憶装置では、信号機の存在の判定精度を向上させることができる。
【0023】
本発明の第7実施態様に係る撮像情報記憶方法は、所定フレームレートにおいて撮像された撮像情報を生成する工程と、撮像情報を記憶する工程と、撮像情報記憶装置の位置情報を取得する工程と、信号機の位置情報を有する地図情報と撮像情報記憶装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報を生成する工程と、を備えている。
【0024】
第7実施態様に係る撮像情報記憶方法では、所定フレームレートにおいて撮像された撮像情報が生成され、撮像情報が記憶される。一方、撮像情報記憶装置の位置情報が取得される。そして、信号機の位置情報を有する地図情報と撮像情報記憶装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在するか否かが判定される。所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成される。
このため、信号機が設置された位置から所定の範囲を超えるとき、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機が設置された位置から所定の範囲内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機が設置された位置から所定の範囲内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機が設置された位置から所定の範囲内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶方法を提供することができる。
【0025】
本発明の第8実施態様に係るプログラムは、撮像情報生成部、記憶部、位置情報取得部及びフレームレート制御部を備えた撮像情報記憶装置における撮像情報記憶方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、撮像情報生成部が、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する工程と、記憶部が、撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する工程と、位置情報取得部が、撮像情報記憶装置の位置情報を取得する工程と、フレームレート制御部が、信号機の位置情報を有する地図情報と撮像情報記憶装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定し、所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報を生成する工程と、を備えている。
【0026】
第8実施態様に係るプログラムでは、撮像情報生成部が撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成し、記憶部が撮像情報生成部により生成された撮像情報を記憶する。一方、位置情報取得部が撮像情報記憶装置の位置情報を取得する。そして、フレームレート制御部は、信号機の位置情報を有する地図情報と撮像情報記憶装置の位置情報とに基づいて、信号機が設置された位置から所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在するか否かを判定する。フレームレート制御部では、所定の範囲内に撮像情報記憶装置が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成される。
このため、信号機が設置された位置から所定の範囲を超えるとき、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機が設置された位置から所定の範囲内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機が設置された位置から所定の範囲内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機が設置された位置から所定の範囲内において撮像情報量を増やすことができるプログラムを提供することができる。
【実施例】
【0027】
[第1実施例]
以下、
図1~
図4を用いて、第1実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。
なお、図中、適宜、示される矢印FRは一例としての普通自動車を対象とする車両の前方方向を示し、矢印Wは車両の幅方向を示す。また、矢印UPは車両上方を示している。これらの方向は、実施例を説明するために便宜的に使用される方向であって、本発明における方向を限定するものではない。
【0028】
(撮像情報記憶装置1及び撮像情報記憶システム100の構成)
図1に示されるように、撮像情報記憶装置1は、ドライブレコーダ部3を主要部として備え、車両の停止中や走行中における車両室外及び車両室内を撮像した撮像情報を記憶する構成とされている。表現を代えると、撮像情報記憶装置1は、車両室外及び車両室内を撮影した映像を録画する構成とされている。
なお、車両として、ここでは普通自動車を一例として説明する。本実施例では、車両として、バス、トラック、二輪車、自転車が少なくとも含まれる。
撮像情報記憶装置1は、更にインターフェイス部2と、信号機認識部4と、マップアプリケーション部5と、コンピュータとしての中央演算処理ユニット(CPU)6と、第1記憶部7と、第2記憶部8とを備えている。これらの撮像情報記憶装置1を構築するインターフェイス部2等の各構成要素は、共通バス9を通して相互に電気的に接続されている。
さらに、撮像情報記憶装置1には外部装置としての撮像装置10が組み込まれ、撮像情報記憶装置1及び撮像装置10は撮像情報記憶システム100を構築している。
以下、撮像情報記憶システム100の各構成要素について説明する。
【0029】
(撮像装置10の構成)
図1に示されるように、撮像装置10は、車室外用カメラ(アウターカメラ)11と、車室内用カメラ(インナーカメラ)12とを含んで構成されている。車室外用カメラ11は、例えば車両室内のフロントウインドウガラスに近接した位置に車両前方に向けて装着され、車両前方の撮像を行い、この撮像による室外撮像情報を生成する。車室内用カメラ12は、例えば車室外用カメラ11と同様の位置に車両後方に向けて装着され、車室内の撮像を行い、この撮像による室内撮像情報を生成する。なお、実施例では、室外撮像情報と室内撮像情報とを総称して、単に「撮像情報」として説明する場合がある。
車室外用カメラ11、車室内用カメラ12は、いずれも、例えば二次元イメージセンサを主要な撮像デバイスとして構成されている。二次元イメージセンサには、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを実用的に使用することができる。
本実施例では、車両に車室外用カメラ11及び車室内用カメラ12の2つのカメラが装着されているが、車室外用カメラ11だけが車両に装着されていてもよい。また、本実施例では、車室外用カメラ11及び車室内用カメラ12に加えて、車両後方を撮像する車室外用カメラとしてのバックカメラ、車両側方後側を撮像する車室外用カメラとしてのサイドバックカメラの少なくともいずれか1つが設けられてもよい。
【0030】
(撮像情報記憶装置1の構成)
(1)インターフェイス部2の構成
インターフェイス部2は、車室外用カメラ11、車室内用カメラ12のそれぞれに接続され、更に撮像情報記憶装置1の共通バス9に接続されている。インターフェイス部2では、車室外用カメラ11、車室内用カメラ12のそれぞれにおいて生成された撮像情報を撮像情報記憶装置1に取り込むことができる。
【0031】
(2)ドライブレコーダ部3の構成
ドライブレコーダ部3は、撮像情報生成部31と、記録部32とを備えている。ドライブレコーダ部3は更にフレームレート制御部33を備えているが、このフレームレート制御部33の説明は後に詳しく説明する。
撮像情報生成部31では、車室外用カメラ11、車室内用カメラ12のそれぞれからインターフェイス部2及び共通バス9を通して伝送される撮像情報に基づいて、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成される。ここで、所定フレームレートは例えば1 FPSに設定され、撮像情報の記憶容量が適正に抑制されている。
記録部32は、撮像情報生成部31において生成された撮像情報を、順次、共通バス9を通して第2記憶部8へ伝送する。第2記憶部8では、記録部32から伝送された撮像情報が撮像情報記憶部81に記憶される。
【0032】
(3)信号機認識部4の構成
信号機認識部4は、撮像情報解析部41と、信号機検知部42とを含んで構成されている。撮像情報解析部41は、車室外用カメラ11からインターフェイス部2及び共通バス9を通して伝送される車両前方側の撮像情報に基づいて、「信号機」が存在するか否かを画像解析により解析する。信号機検知部42では、撮像情報解析部41の解析結果に基づいて、「信号機」が存在するか否かが判定される。つまり、信号機認識部4では、「信号機」の存在を認識することができる。
【0033】
ここで、
図2に示されるように、一般的に、紙面を上下方向に延びる道路R1と紙面を左右方向へ延びる道路R2との交差部位が「道路交差点C」とされている。道路R1は、自車両Vが走行する走行車線L1と、この走行車線L1に隣接して平行に延びる反対車線L2とを有する。道路R2は、自車両Vが右折した際に走行する走行車線L3と、この走行車線L3に隣接して平行に延びる反対車線L4とを有する。なお、道路R2では、自車両Vが左折した際には、反対車線L4が走行車線L5とされ、走行車線L3が反対車線L6とされる。
信号機T1~T8は、道路交差点Cの道路脇であって、例えば各角部分に設置されている。信号機T1及び信号機T2は道路R1の走行車線L1に沿って設置されている。信号機T3及び信号機T4は道路R1の反対車線L2に沿って設置されている。信号機T5及び信号機T6は道路R2の走行車線L3及び反対車線L6に沿って設置されている。そして、信号機T7及び信号機T8は道路R2の走行車線L5及び反対車線L4に沿って設置されている。
なお、「信号機」は、「道路交差点C」だけではなく、横断歩道等に近接する位置にも設置されている。
【0034】
図3に示されるように、道路R1の走行車線L1において、自車両Vが道路交差点Cへ向かって走行していると仮定する。このとき、自車両Vに装着された撮像情報記憶システム100の車室外用カメラ11(
図1参照)により生成される撮像情報では、信号機T1が設置された位置からの距離に応じて、信号機T1のサイズに違いが生じる。
ここで、信号機T1のサイズを道路R1の表面から信号機T1の上端までの高さ寸法Hとすれば、信号機T1の設置位置からの距離が長くなれば、車室外用カメラ11において撮像された撮像情報における信号機T1の高さ寸法は小さくなる。当然、信号機T1自体の横幅寸法w及び高さ寸法hは小さくなる。逆に、信号機T1の設置位置からの距離が短くなれば、撮像情報における信号機T1の高さ寸法は大きくなり、信号機T1自体の横幅寸法w及び高さ寸法hは大きくなる。
【0035】
図1に示される撮像情報解析部41により画像解析がなされた撮像情報に基づいて、信号機検知部42による「信号機」の存在の認識を開始する距離が、本実施例では、信号機T1が設置された位置から「所定の範囲L」とされる。「所定の範囲L」とは、ここでは「所定の距離」である。
図3に戻って、所定の範囲Lを超える走行車線L1の位置P1に自車両Vに装着された車室外用カメラ11が位置するとき、信号機T1は信号機T11として撮像される。この信号機T11の高さ寸法H1は小さく、小さな横幅寸法w1及び高さ寸法h1を有する信号機T1の撮像情報が生成される。この信号機T1のサイズでは、信号機検知部42は「信号機T1」の存在を認識しない設定とされている。
一方、所定の範囲Lに一致する走行車線L1の位置P2に自車両Vに装着された車室外用カメラ11が位置するとき、信号機T1は信号機T12として撮像される。この信号機T12の高さ寸法H2が高さ寸法H1に比し所定のサイズまで大きくなる撮像情報が生成される。位置P2においては、大きな横幅寸法w2及び高さ寸法h2を有する信号機T1の撮像情報が生成される。この信号機T12のサイズになった段階において、信号機検知部42は「信号機T1」の存在の認識を開始する。位置P2に比し、更に信号機T1が設置された位置に近づくときにも、同様に、信号機検知部42は「信号機T1」の存在を認識する。
【0036】
ここで、日本国内において、一般道路の法定制限速度は例えば時速60 Kmとされている。この法定制限速度を維持して走行すれば、自車両Vは1 秒間に約16.66 mの距離を走行する。
図1に示される撮像情報生成部31では、所定フレームレートを例えば1 FPSに設定して撮像情報が生成されている。
図3に戻って、位置P2又はその直後の1 FPSにおける撮像情報において、画像解析による「信号機T1」の存在が認識されなかったことを想定して、少なくとも2 FPSにおいて信号機T1が設置された位置に至るまでに「信号機T1」を認識する必要がある。表現を代えると、撮像情報による「信号機T1」の認識の取り溢しを補正するために、所定フレームレートにおいて複数の撮像情報が必要とされる。このため、本実施例では、「所定の範囲L」が30 m~35 mの範囲内に設定され、複数の撮像情報に基づいて「信号機T1」が認識されている。
すなわち、信号機認識部4では、所定の範囲Lに相当する位置P2に到達したときに、信号機T1の高さ寸法Hが高さ寸法H2において撮像される信号機T12を認識し、所定の範囲Lを経た先に信号機T1が設置されていることが認識可能とされている。信号機T1が認識されると、信号機検知部42は共通バス9を通してフレームレート制御部33へ「フレームレート制御信号FCS1」を出力する。
また、信号機認識部4では、所定の範囲Lを超える位置P1に自車両Vが走行しているとき、高さ寸法H1において撮像される信号機T11は認識されず、先に信号機T1が設置されていることが認識されない。
なお、信号機認識部4は、位置P2における信号機T12の横幅寸法w2及び高さ寸法h2の少なくとも一方のサイズに基づいて、「信号機T1」を認識してもよい。
【0037】
(4)マップアプリケーション部5の構成
図1に戻って、マップアプリケーション部5は、位置情報取得部51と、マップマッチング処理部52と、信号機接近判定部53とを含んで構成されている。
位置情報取得部51は、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)を用いる衛星航法に基づいて、複数の衛星55からの信号を受信して自車両V(正確には撮像情報記憶装置1)の位置情報を取得する。
マップマッチング処理部52は、位置情報取得部51により取得された自車両Vの位置情報のずれを地図情報に基づいて補正する。地図情報は、
図2に示される信号機T1~T8が設置された位置の位置情報を備えている。この地図情報は、
図1に示される第2記憶部8の地図情報記憶部82に格納されている。
信号機接近判定部53は、自車両Vの位置情報と信号機の位置情報とに基づいて、
図2又は
図3に示されるように、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lに、又は所定の範囲L内に自車両Vが存在するか否かを判定する。「所定の範囲L」とは、ここでは信号機認識部4における「所定の範囲L」と同一の範囲(閾値)とされ、この閾値は信号機接近判定部53に予め記憶させている。信号機接近判定部53は、自車両Vが所定の範囲L内に存在すると判定すると、共通バス9を通してフレームレート制御部33へ「フレームレート制御信号FCS2」を出力する。
【0038】
なお、位置情報取得部51は、自車両Vに装着された図示省略の各種センサにより、車速、方位、加速度等の情報を取得し、これらの情報から自車両Vの位置情報を算出する自律航法による位置情報を取得してもよい。
また、地図情報は、図示省略の通信機器を介してインターネット経由により外部サーバから取得してもよい。
【0039】
(5)中央演算処理ユニット6、第1記憶部7及び第2記憶部8の構成
図1に示されるように、中央演算処理ユニット(CPU)6は、共通バス9に接続され、共通バス9を介して撮像情報記憶装置1のドライブレコーダ部3、信号機認識部4、マップアプリケーション部5等の各構成要素の動作を制御する。
第1記憶部7は、例えば読出し専用記憶回路(例えば、ROM: Read Only Memory)及び書込み読出し記憶回路(例えば、RAM: Random Access Memory)を含んで構成されている。第1記憶部7は共通バス9に接続されている。第1記憶部7には、撮像情報記憶装置1の動作制御に必要なプログラムが格納され、又、中央演算処理ユニット6において実行中の情報が一時的に格納される。
第2記憶部8は、撮像情報記憶部81と、地図情報記憶部82とを含んで構成され、共通バス9に接続されている。撮像情報記憶部81は、ドライブレコーダ部3の記録部32から出力される撮像情報を格納し、保存する。地図情報記憶部82には、マップアプリケーション部5のマップマッチング処理部52へ出力する、信号機が設置された位置情報を有する地図情報が格納されている。第2記憶部8には、例えば不揮発性記憶装置、ハードディスク等、大記憶容量を有する記憶装置が使用されている。
【0040】
(6)フレームレート制御部33の構成
図1に示されるように、撮像情報記憶装置1はドライブレコーダ部3の一部の構成要素としてフレームレート制御部33を備えている。フレームレート制御部33は共通バス9に接続されている。
フレームレート制御部33は、マップアプリケーション部5の信号機接近判定部53から出力されるフレームレート制御信号FCS2に基づいて、動作を開始する。フレームレート制御部33では、信号機の位置情報を有する地図情報と自車両V(正確には撮像情報記憶装置1)の位置情報とに基づいて、
図2に示されるように、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に自車両Vが存在するか否かが判定される。地図情報には、地図情報記憶部82からマップマッチング処理部52に出力された地図情報が使用される。また、自車両Vの位置情報には、位置情報取得部51において取得された位置情報のずれをマップマッチング処理部52において補正した位置情報が使用される。
そして、フレームレート制御部33では、所定の範囲L内に自車両Vが存在すると判定されたとき、撮像情報生成部31を制御して所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成される。高フレームレートは例えば15.5 FPSに設定されている。このフレームレートに設定された撮像情報はLED方式を採用する信号機の滅灯タイミングに同期しないので、信号機が点灯状態にある撮像情報を生成することができる。
【0041】
さらに、フレームレート制御部33は、
図1に示される信号機認識部4の信号機検知部42から出力されるフレームレート制御信号FCS1に基づいても、動作を開始する。このとき、フレームレート制御部33では、
図3に示されるように、信号機認識部4により信号機T1(信号機T12)が認識されたときに、撮像情報生成部31を制御して高フレームレートにおいて撮像情報が生成される。ここでの高フレームレートは、フレームレート制御信号FCS2に基づいて制御される高フレームレートと同一に設定されている。
【0042】
フレームレート制御部33は、車室外用カメラ11を用いて撮像された室外撮像情報を高フレームレートにおいて生成するが、本実施例では車室内用カメラ12を用いて撮像された室内撮像情報も高フレームレートにおいて生成される。高フレームレートにおいて生成された室内撮像情報は室外撮像情報と同期されている。
また、フレームレート制御部33では、信号機検知部42から出力されるフレームレート制御信号FCS1、信号機接近判定部53から出力されるフレームレート制御信号FCS2のいずれか一方が入力されたタイミングにおいて動作が開始される設定とされている。動作が開始されると、いずれか他方の入力はキャンセルされる。
【0043】
(撮像情報記憶方法及びプログラム)
図1~
図3を参照しつつ、
図4を用いて、撮像情報記憶装置1を用いた撮像情報記憶方法を説明すると共に、併せて撮像情報記憶方法を実行するためのプログラムについて説明する。
【0044】
まず、撮像情報記憶システム100が起動される(ステップS1)。撮像情報記憶システム100が起動されると、撮像装置10の車室外用カメラ11、車室内用カメラ12のそれぞれが起動される。
車室外用カメラ11では自車両Vの車両前方側が撮像され、この撮像情報(室外撮像情報)は撮像情報記憶装置1においてインターフェイス部2、共通バス9のそれぞれを通してドライブレコーダ部3へ伝送される。一方、車室内用カメラ12では自車両Vの車室内が撮像され、この撮像情報(室内撮像情報)は同様にドライブレコーダ部3へ伝送される。
【0045】
ドライブレコーダ部3の撮像情報生成部31では、伝送された撮像情報が所定フレームレートにおいて生成される。この所定フレームレートにおいて生成された撮像情報は記録部32を経て第2記憶部8へ伝送され、撮像情報は第2記憶部8の撮像情報記憶部81に格納され、保存される。
【0046】
信号機認識部4では、撮像装置10から伝送された撮像情報が取得される(ステップS2)。ここで取得される撮像情報は、車室外用カメラ11を用いて撮像された室外撮像情報である。取得した撮像情報は撮像情報解析部41において画像解析により解析される(ステップS3)。解析された撮像情報は信号機検知部42に伝送され、信号機検知部42では、自車両Vの車両前方に信号機T1が存在するか否かを認識する(ステップS4)。
【0047】
図3に示されるように、道路R1の走行車線L1を走行する自車両Vが、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超える位置P1にあるとき、高さ寸法H1を有する信号機T11が撮像情報に存在する。信号機検知部42では、予め設定されたサイズに達していないので、信号機T11は信号機T1として認識しない。信号機T1が認識されないとき、ステップS2へ戻る。
また、信号機検知部42では、自車両Vが、所定の範囲Lである位置P2に到達したとき、予め設定されたサイズに相当する高さ寸法H2を有する信号機T12が、車両前方側に設置されている信号機T1であると認識する。信号機T1が認識されると、信号機検知部42はフレームレート制御部33へフレームレート制御信号FCS1を出力する。
【0048】
一方、マップアプリケーション部5では、位置情報取得部51において、衛星航法に基づいて、自車両Vの位置情報が取得される(ステップS5)。位置情報が取得されないときには、再度、位置情報が取得される。位置情報取得部51において取得された位置情報はマップマッチング処理部52に伝送される。
マップマッチング処理部52は、第2記憶部8の地図情報記憶部82から信号機が設置された位置情報を有する地図情報を取得する(ステップS6)。マップマッチング処理部52では、マップマッチング処理が実行され、取得した自車両Vの位置情報のずれが地図情報に基づいて補正される(ステップS7)。
【0049】
信号機接近判定部53では、補正された自車両Vの位置情報と、地図情報の信号機が設置された位置情報とに基づいて、
図2に示されるように、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に自車両Vが存在するか否かが判定される(ステップS8)。自車両Vが所定の範囲Lを超えて道路R1の走行車線L1を走行しているとき、ステップS5に戻る。
信号機接近判定部53において、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に自車両Vが存在すると判定されると、信号機接近判定部53はフレームレート制御部33へフレームレート制御信号FCS2を出力する。
【0050】
信号機検知部42から出力されたフレームレート制御信号FCS1、信号機接近判定部53から出力されたフレームレート制御信号FCS2のいずれか一方がフレームレート制御部33に入力されたか否かが判定される(ステップS9)。入力されていないと判定されたとき、ステップS2及びステップS5に戻る。
入力されたと判定されたとき、フレームレート制御部33は撮像情報生成部31のフレームレートを変化させ、撮像情報生成部31では高フレームレートにおいて撮像情報が生成される(ステップS10)。この生成された撮像情報は、第2記憶部8の撮像情報記憶部81に格納され、保存される(ステップS11)。
【0051】
次に、撮像情報記憶システム100の動作を終了させるか否かが判定される(ステップS12)。動作を終了させないと判定されたとき、ステップS2及びステップS5に戻る。動作を終了させると判定されたとき、撮像情報記憶システム100の動作は終了し、本実施例に係る撮像情報記憶方法並びにその方法を実行するためのプログラムは終了する。
【0052】
(作用効果)
本実施例に係る撮像情報記憶装置1は、
図1に示されるように、撮像情報生成部31と、第2記憶部8(記憶部)と、位置情報取得部51と、を備える。
撮像情報生成部31は撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。第2記憶部8は撮像情報生成部31により生成された撮像情報を記憶する。位置情報取得部51は位置情報を取得する。
ここで、撮像情報記憶装置1は、更にフレームレート制御部33を備える。フレームレート制御部33は、信号機の位置情報を有する地図情報と自車両Vの位置情報とに基づいて、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在するか否かを判定する(
図2参照)。そして、フレームレート制御部33は、所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて、撮像情報を生成する。
このため、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超えると、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内での撮像情報を増やすことができる。
一般的に、道路交差点Cでの事故発生率は道路交差点C以外での事故発生率に比し多いので、道路交差点Cへ自車両Vが進入するときの撮像情報量を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶装置1を提供することができる。
【0053】
また、撮像情報記憶装置1は、
図1に示されるように、マップマッチング処理部52を備える。マップマッチング処理部52は、位置情報取得部51により取得された位置情報のずれを地図情報に基づいて補正する。
このため、撮像情報記憶装置1において、位置情報と地図情報とを一致させることができるので、信号機が設置された位置の精度、この位置から所定の範囲Lを演算する精度並びに撮像情報記憶装置1の位置精度を向上させることができる。
【0054】
さらに、撮像情報記憶装置1では、
図1に示されるように、撮像情報生成部31は、それぞれ撮像された複数種類の撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。第2記憶部8は、撮像情報生成部31により生成された複数種類の撮像情報を記憶する。そして、フレームレート制御部33は、撮像情報記憶装置1が所定の範囲L内に存在とすると判定されたときに、高フレームレートにおいて複数種類の撮像情報を生成する。
このため、複数種類の撮像情報は、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内では同一の高フレームレートにより生成され、所定の範囲Lを超えると同様に同一の所定フレームレートにより生成される。従って、複数種類の撮像情報を同時に再生するときに、再生ずれが生じないので、撮像情報を再生した映像を見るユーザの違和感を軽減することができる。
【0055】
また、撮像情報記憶装置1では、
図1に示されるように、撮像情報生成部31が、車両室外が撮像された室外撮像情報と、車両室内が撮像された室内撮像情報とを含む複数種類の撮像情報を生成する。
このため、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超える位置P1、所定の範囲Lである位置P2、そして所定の範囲L内の道路交差点Cに至る道路R1において(
図2参照)、道路状態、周囲の環境状態等の室外撮像情報と、搭乗者の表情や安全確認動作、健康状態等の室内撮像情報とを同時に記憶させることができる。
【0056】
さらに、撮像情報記憶装置1は、
図1に示されるように、更に信号機認識部4を備える。信号機認識部4は、撮像情報に基づく画像解析により信号機Tが存在するか否かを認識する(
図3参照)。そして、フレームレート制御部33は、信号機T1が所定の範囲L内に存在すると判定されたとき、又は信号機認識部4により信号機T1が認識されたとき、高フレームレートにおいて撮像情報を生成する。
このため、フレームレート制御部33では、信号機Tが所定の範囲L内に存在するか否かの判定又は信号機T1の認識のいずれか一方を用いて信号機T1の存在を確認することができ、いずれか他方を信号機T1の存在の確認の補助として使用することができる。例えば、信号機の存在しない道路や側道、駐車場から交差点に進入する場合など、仮に信号機T1の認識ができなかったとき、信号機T1が所定の範囲L内に存在するか否かの判定により信号機T1の存在を確認し、高フレームレートにおいて撮像情報を生成することができる。これにより、撮像情報記憶装置1では、信号機T1の存在の判定精度を向上させることができる。
【0057】
また、撮像情報記憶方法では、所定フレームレートにおいて撮像された撮像情報が撮像情報生成部31により生成され、撮像情報が第2記憶部8に記憶される(
図1参照)。
一方、
図1及び
図4に示されるように、位置情報取得部51により位置情報が取得される(ステップS5)。そして、信号機T1の位置情報を有する地図情報と自車両V(正確には撮像情報記憶装置1)の位置情報とに基づいて、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在するか否かが判定される(ステップS8)。所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成される(ステップS10)。
このため、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超えると、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶方法を提供することができる。
【0058】
さらに、撮像情報記憶方法を実行するためのプログラムでは、
図1及び
図4に示されるように、撮像情報生成部31が撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成し、第2記憶部8が撮像情報生成部31により生成された撮像情報を記憶する。
一方、位置情報取得部51が位置情報を取得する(ステップS5)。そして、フレームレート制御部33は、信号機T1の位置情報を有する地図情報と自車両V(正確には撮像情報記憶装置1)の位置情報とに基づいて、
図2に示されるように、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在するか否かを判定する(ステップS8)。フレームレート制御部33では、所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在すると判定されたときに、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成される(ステップS10)。
このため、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超えると、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内では、所定フレームレートに比し高い高フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内において撮像情報量を増やすことができるプログラムを提供することができる。
【0059】
(変形例1)
上記実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、
図2に示されるように、道路交差点Cに差し掛かる直前の信号機T1の設置位置から所定の範囲Lが設定されている。これに対して、変形例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、道路交差点Cを超えた信号機T2の設置位置から所定の範囲Lが設定されている。この場合、所定の範囲Lは、道路R2の道幅に相当する分、距離を長くすれば、道路交差点Cに進入前から抜けるまで、撮像情報を増やすことができる。
なお、撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、対象とする信号機は自車両Vの走行に直接関係する信号機とされ、この信号機から所定の範囲L内に自車両が存在するときに、高フレームレートにおいて撮像情報が生成されている。対象とする信号機が自車両Vの走行に直接関係する信号機とされることにより、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。
また、撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、信号機の対象が拡大されてもよい。信号機の対象が拡大されても、撮像情報の記憶容量を訂正に抑制することができる。例えば、自車両Vの走行に直接関係しないが、自車両Vからも視認可能である歩行者専用の信号機が対象とされてもよい。この場合、運転者の管理上において、或いは事故の際に、証拠となる撮像情報を適切に増やすことができる。
【0060】
(変形例2)
上記実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、高フレームレートの撮像情報の生成の継続、生成の終了の制御方法を変更することができる。この制御方法を実行するには、
図1に示される撮像情報解析部41において、
図4に示される撮像情報を解析する(ステップS3)際のプログラムが変更される。
この制御方法を詳しく説明すると、撮像情報解析部41は、停止位置を画像認識しているとき、高フレームレートにおいて撮像情報を生成させ、停止位置を画像認識できなくなった後、所定の時間が経過するまで、高フレームレートにおいて撮像情報を生成させる。所定の時間の経過後では、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成される。所定の時間とは、例えば、横断歩道のみの交差点や片側一車線道路の交差点では10秒に設定され、片側二車線以上の交差点では20秒に設定される。
また、高フレームレートの撮像情報の生成の継続、生成の終了の制御方法には、
図1に示される地図情報記憶部82に格納されている地図情報の信号機の位置情報が使用されてもよい。この場合、信号機の位置情報から一定の範囲内では、高フレームレートにおいて撮像情報が生成される。「一定の範囲」は、場所毎に決められていてもよいし、一律に決められていてもよい。若しくは、「一定の範囲」は、地図情報に含まれていてもよいし、撮像情報記憶装置1側において設定される構成としてもよい。
さらに、「一定の範囲」は、地図情報において、リンクやノードに対して定義されていてもよい。この「一定の範囲」とは、一次元の距離情報に限定されるものではなく、信号機が設置された交差点の領域を表す二次元の面(円、矩形等の面)を用いて定義されていてもよい。
また、撮像情報、位置情報等に基づいて、自車両Vの交差点内への進入方向が検知され、予め設定された方向から進入したときに、高フレームレートにおいて撮像情報が生成されてもよい。
さらに、「一定の範囲」は、一時停止位置を中心として、円形状の面として範囲が設定されてもよい。
【0061】
(変形例3)
上記実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びプログラムでは、交差点に進入する際に遵守すべき信号機を通過した直後に、高フレームレートにおける撮像情報の生成が終了してもよい。この場合、遵守すべき信号機の信号表示に従った走行をしたか否かの撮像情報を高フレームレートにおいて生成することができ、信号機を通過した直後は所定フレームレートにおいて撮像情報が生成されるので、記憶容量を適正により一層抑制することができる。
【0062】
[第2実施例]
図5を用いて、第2実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法及びその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。
なお、本実施例において、第1実施例に係る撮像情報記憶装置1の構成要素と同一の構成要素又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。撮像情報記憶方法又はプログラムのステップついても、同様である。
【0063】
(撮像情報記憶装置1及び撮像情報記憶システム100の構成)
本実施例に係る撮像情報記憶装置1は、
図5に示されるように、ドライブレコーダ部3に、撮像情報処理部34を備えている。ここで、ドライブレコーダ部3の撮像情報生成部31では、所定フレームレートにおいて撮像情報が生成されるが、所定フレームレートは例えば15.5 FPSの高フレームレートに設定されている。撮像情報処理部34では、撮像情報生成部31において生成された撮像情報が、所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換される。低フレームレートは例えば1 FPSに設定されている。この変換された撮像情報は第2記憶部8の撮像情報記憶部81に格納され、保存される。
【0064】
フレームレート制御部33では、信号機検知部42からフレームレート制御信号FCS1が出力されると、又は信号機接近判定部53からフレームレート制御信号FCS2が出力されると、所定フレームレートを維持した状態において撮像情報が生成される。この撮像情報は、第2記憶部8に格納され、保存される。
【0065】
(撮像情報記憶方法及びプログラム)
本実施例に係る撮像情報記憶方法並びにこの方法を実行するためのプログラムは、フレームレートの設定が逆になるだけで、前述の
図4を用いて説明した第1実施例に係る撮像情報記憶方法並びにプログラムと実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0066】
(作用効果)
本実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法並びにこの方法を実行するためのプログラムでは、第1実施例に係る撮像情報記憶装置1、撮像情報記憶方法並びにプログラムにより得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
また、撮像情報記憶装置1は、
図5に示されるように、撮像情報生成部31と、撮像情報処理部34と、第2記憶部8と、位置情報取得部51と、を備える。
撮像情報生成部31は、撮像された撮像情報を所定フレームレートにおいて生成する。ここでの所定フレームレートは高フレームレートである。撮像情報処理部34は、撮像情報生成部31により生成された撮像情報を所定フレームレートに比し低い低フレームレートに変換する。第2記憶部8は撮像情報処理部34により生成された撮像情報を記憶する。位置情報取得部51は位置情報を取得する。
ここで、撮像情報記憶装置1は、更にフレームレート制御部33を備える。フレームレート制御部33は、信号機の位置情報を有する地図情報と自車両V(正確には撮像情報記憶装置1)の位置情報とに基づいて、前述の
図2に示される信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在するか否かを判定する。そして、フレームレート制御部33は、所定の範囲L内に撮像情報記憶装置1が存在すると判定されたときに、低フレームレートに変換することなく、撮像情報処理部34において所定フレームレートにより撮像情報を生成し、撮像情報を第2記憶部8に記憶させる。
このため、信号機T1が設置された位置から所定の範囲Lを超えると、低フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、撮像情報の記憶容量を適正に抑制することができる。一方、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内では、低フレームレートに比し高い所定フレームレートにおいて撮像情報が生成され、かつ、この撮像情報が記憶されるので、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内での撮像情報を増やすことができる。従って、撮像情報の記憶容量を適正に抑制しつつ、信号機T1が設置された位置から所定の範囲L内において撮像情報量を増やすことができる撮像情報記憶装置1を提供することができる。
【0068】
さらに、撮像情報記憶装置1では、撮像情報生成部31は、撮像情報処理部34において撮像情報が低フレームレートに変換されるまで、低フレームレートに比し高い所定フレームレートにおいて撮像情報が生成される。このため、撮像情報記憶装置1では、低フレームレートに変換される前の、撮像情報量が多い撮像情報を利用することができる。例えば、撮像情報生成部31から撮像情報処理部34へ至る伝送経路において、数秒から数十秒程度、シリアルに一時的に撮像情報を保存する回路が配設されれば、経時的に遡って高フレームレートの撮像情報を得ることができる。
【0069】
[その他の実施例]
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変形可能である。
例えば、上記実施例では、ドライブレコーダ部3、信号機認識部4、マップアプリケーション部5、第2記憶部8等の各構成要素を内蔵回路として撮像情報記憶装置1が構築されている。本発明では、少なくとも1つの構成要素が外付け装置として組み付けられ、撮像情報記憶装置1が構築されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 撮像情報記憶装置
10 撮像装置
11 車室外用カメラ
12 車室内用カメラ
100 撮像情報記憶システム
2 インターフェイス部
3 ドライブレコーダ部
31 撮像情報生成部
32 記録部
33 フレームレート制御部
34 撮像情報処理部
4 信号機認識部
41 撮像情報解析部
42 信号機検知部
5 マップアプリケーション部
51 位置情報取得部
52 マップマッチング部
53 信号機接近判定部
6 中央演算処理ユニット(コンピュータ)
7 第1記憶部
8 第2記憶部
81 撮像情報記憶部
82 地図情報記憶部
9 共通バス
T1~T8 信号機
V 自車両