(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】段状構造物
(51)【国際特許分類】
E04H 3/12 20060101AFI20241205BHJP
A47B 87/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E04H3/12 Z
A47B87/00
(21)【出願番号】P 2020174901
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】秋山 真人
(72)【発明者】
【氏名】矢口 真子
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-039823(JP,A)
【文献】実開昭58-017058(JP,U)
【文献】実開昭63-077552(JP,U)
【文献】実開昭60-115036(JP,U)
【文献】特開2015-123227(JP,A)
【文献】特開2020-043967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 3/00-4/16
A47B 77/00-77/18
A47B 83/00-87/02
F16B 12/00-12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに高さが異なる複数の段ユニットが設置面に沿って並べて配置されることで階段状に形成された段状構造物であって、
それぞれの前記段ユニットは、内部空間を有する箱状に形成され、
隣り合う前記段ユニットのうち、高さが低い前記段ユニットには、前記高さが低い段ユニットの前記内部空間に連なる開口が形成され、
前記高さが低い段ユニットは、
前記内部空間の側方を囲み、上端部に前記開口が形成された周壁を有し、
前記隣り合う段ユニットのうち、高さが高い前記段ユニットと、前記高さが低い段ユニットとを連結する連結部材を備え、
前記連結部材による前記連結は、
前記開口を通して、前記設置面上に配置された前記高さが低い段ユニットの前記内部空間側から解除可能である、段状構造物。
【請求項2】
前記開口を開放可能に閉塞する閉塞部材を備える、請求項1に記載の段状構造物。
【請求項3】
前記高さが低い段ユニットは、
前記閉塞部材である天
板
を有する、請求項2に記載の段状構造物。
【請求項4】
前記高さが低い段ユニットは、
互いに並べて配置された複数の分割天板と、
前記内部空間の側方を囲み、上端部に前記開口が形成された周壁と、
を有し、
前記複数の分割天板は、前記閉塞部材であり、
前記複数の分割天板の一部は、前記開口の一部を開放可能に閉塞する、請求項2に記載の段状構造物。
【請求項5】
前記複数の分割天板は、前記高さが低い段ユニットと前記高さが高い段ユニットとを結ぶ方向に並べて配置され、
前記複数の分割天板の一部は、前記複数の分割天板のうちの最も前記高さが高い段ユニット寄りの前記分割天板である、請求項4に記載の段状構造物。
【請求項6】
互いに高さが異なる複数の段ユニットが設置面に沿って並べて配置されることで階段状に形成された段状構造物であって、
それぞれの前記段ユニットは、内部空間を有する箱状に形成され、
隣り合う前記段ユニットのうち、高さが低い前記段ユニットには、前記高さが低い段ユニットの前記内部空間に連なる開口が形成され、
前記隣り合う段ユニットのうち、高さが高い前記段ユニットと、前記高さが低い段ユニットとを連結する連結部材と、
前記開口を開放可能に閉塞する閉塞部材と、を備え、
前記連結部材による前記連結は、前記高さが低い段ユニットの前記内部空間側から解除可能であ
り、
前記高さが低い段ユニットは、
互いに並べて配置された複数の分割天板と、
を有し、
前記複数の分割天板は、前記高さが低い段ユニットと前記高さが高い段ユニットとを結ぶ方向に並べて配置され、
前記複数の分割天板の一部は、前記複数の分割天板のうちの最も前記高さが高い段ユニット寄りの前記分割天板である、
段状構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段状構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、奥行方向の奥側に向かうに従い高くなる階段状に形成された段状構造物が知られている(例えば、特許文献1参照)。この段状構造物では、互いに高さが異なる複数のモジュール家具が、奥行方向に並べて配置されている。段状構造物は、モジュール家具上に使用者が着座すること等により使用される。
【0003】
特許文献1の段状構造物では、奥行方向に隣り合うモジュール家具のうち高さが高いモジュール家具について、内部空間を囲う周壁要素に対してクッション体が挿脱可能となっている。奥行方向に隣り合うモジュール家具同士は、隣り合うモジュール家具内において、連結具で互いに連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に高さが高いモジュール家具(段ユニット)において、周壁要素からクッション体を取り外して形成される開口は、隣り合うモジュール家具の中でも比較的高い位置に配置される。このため、設置面上にいる作業者は、この開口を通してモジュール家具内に連結具を入れ、隣り合うモジュール家具同士を連結するには、多大な労力を要する。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット同士を、連結部材により容易に連結するとともに、この連結を容易に解除することができる段状構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の段状構造物は、互いに高さが異なる複数の段ユニットが設置面に沿って並べて配置されることで階段状に形成された段状構造物であって、それぞれの前記段ユニットは、内部空間を有する箱状に形成され、隣り合う前記段ユニットのうち、高さが低い前記段ユニットには、前記高さが低い段ユニットの前記内部空間に連なる開口が形成され、前記隣り合う段ユニットのうち、高さが高い前記段ユニットと、前記高さが低い段ユニットとを連結する連結部材を備え、前記連結部材による前記連結は、前記高さが低い段ユニットの前記内部空間側から解除可能であることを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、例えば、使用者は、高さが高い段ユニット上に腰を載せ、高さが低い段ユニット上に足を載せて、着座することができる。
また、高さが低い段ユニット及び高さが高い段ユニットが互いに分離されている状態から、例えば、設置面上にいる作業者は、高さが低い段ユニットの開口を通して内部空間に連結部材を入れる。高さが低い段ユニットは高さが高い段ユニットよりも低いため、高さが低い段ユニットに形成された開口を通して、高さが低い段ユニットの内部空間に連結部材を容易に入れることができる。そして、内部空間側から高さが低い段ユニットと高さが高い段ユニットとの接続部分にアクセス(接近)し、連結部材により、高さが低い段ユニットと高さが高い段ユニットとを、内部空間側から連結する。
同様にして、高さが低い段ユニットの内部空間側から、連結部材による連結を解除する。
従って、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット同士を、連結部材により容易に連結するとともに、この連結を解除することができる。
【0009】
また、前記段状構造物において、前記開口を開放可能に閉塞する閉塞部材を備えてもよい。
この発明によれば、開口を閉塞部材により閉塞することで、開口が形成される高さが低い段ユニットの外観を向上させることができる。
【0010】
また、前記段状構造物において、前記高さが低い段ユニットは、前記閉塞部材である天板と、前記内部空間の側方を囲み、上端部に前記開口が形成された周壁と、を有してもよい。
この発明によれば、高さが低い段ユニットにおいて、周壁の開口を、天板により開放可能に閉塞することで、開口が形成される高さが低い段ユニットの外観を向上させることができる。そして、この開口を通して、高さが低い段ユニットの内部空間に連結部材を容易に入れることができる。
さらに、高さが低い段ユニットの天板と、閉塞部材とを兼ねることができる。
【0011】
また、前記段状構造物において、前記高さが低い段ユニットは、互いに並べて配置された複数の分割天板と、前記内部空間の側方を囲み、上端部に前記開口が形成された周壁と、を有し、前記複数の分割天板は、前記閉塞部材であり、前記複数の分割天板の一部は、前記開口の一部を開放可能に閉塞してもよい。
この発明によれば、複数の分割天板の残部を周壁上に配置したままで、複数の分割天板の一部を周壁から取り外すだけで、高さが低い段ユニットの周壁の開口の一部を、外部に露出することができる。このため、連結作業時に、作業者が複数の分割天板全体を保持したり、複数の分割天板全体を一時的に周壁上以外の位置に置いておく必要がなくなる。従って、連結部材による連結作業をより容易かつ効率的に行うことができる。
さらに、複数の分割天板の一部と、閉塞部材とを兼ねることができる。
【0012】
また、前記段状構造物において、前記複数の分割天板は、前記高さが低い段ユニットと前記高さが高い段ユニットとを結ぶ方向に並べて配置され、前記複数の分割天板の一部は、前記複数の分割天板のうちの最も前記高さが高い段ユニット寄りの前記分割天板であってもよい。
この発明によれば、複数の分割天板のうちのいずれかの分割天板を取り外した際に、外部に露出される開口の一部の中でも、複数の分割天板のうちの最も高さが高い段ユニット寄りの分割天板が取り外された部分に形成される開口の一部は、高さが低い段ユニットと高さが高い段ユニットとの接続部分に近い。従って、この開口の一部を通して、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット同士を、連結部材により、さらに容易に連結するとともに、この連結を、さらに容易に解除することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の段状構造物によれば、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット同士を、連結部材により容易に連結するとともに、この連結を容易に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態の第1段状構造物が用いられる段状構造システムの斜視図である。
【
図2】同第1段状構造物の一部を破断した正面図である。
【
図4】同第1段状構造物を分解して、一部を破断した斜視図である。
【
図5】同第1段状構造物を組立てる手順を示す断面図である。
【
図6】同第1段状構造物を組立てる手順を示す断面図である。
【
図7】同段状構造システムにおける連結段状構造物の斜視図である。
【
図8】第1変形例の連結段状構造物の斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態の第1変形例における第1段状構造物の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態の第2変形例における第1段状構造物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る段状構造物の一実施形態が用いられる段状構造システムを、
図1から
図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、この段状構造システム1は、床等の設置面F上に配置されている。設置面Fは、水平面に沿うように配置されている。段状構造システム1は、第1段状構造物(段状構造物)10Aと、第1段状構造物10Bと、第2段状構造物(段状構造物)80と、第3段状構造物100A,100Bと、連結段状構造物110と、を備えている。
なお、後述するクッション31A,32A,31B,32Bは、
図1、及び後述する
図3のみに示している。
【0016】
本実施形態では、第1段状構造物10Aの構成と第1段状構造物10Bの構成とは、互いに同一である。このため、第1段状構造物10Aの構成を、符号の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「A」を付加することで示す。第1段状構造物10Bのうち第1段状構造物10Aに対応する構成を、第1段状構造物10Aの符号と同一の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「B」を付加することで示す。これにより、重複する説明を省略する。例えば、第1段状構造物10Aの後述する手前側ユニット20Aと第1段状構造物10Bの手前側ユニット20Bとは、互いに同一の構成である。
【0017】
図2から
図4に示すように、第1段状構造物10Aは、階段状に互いに異なる高さに配置された複数の(本実施形態では一対の)段部11Aを備えている。各段部11Aは、着座面11aA及び段差面11bAを備えている。着座面11aAは、使用者Pが着座するための面である。段差面11bAは、着座面11aAの前縁部から下方に延びている。
ここで言う高さとは、設置面Fから上方に向かうときの、設置面Fとの距離を意味する。なお、
図3中には、後述する凹部24aA及び係止部39Aを示している。
図2から
図4に示すように、第1段状構造物10Aは、複数(本実施形態では一対)の段ユニット15Aと、パネル16Aと、連結部材17Aと、を備えている。なお、
図2は、第1段状構造物10A及び第1段状構造物10Bを互いに直接連結した状態を示している。
なお、第1段状構造物10Aが備える複数の段ユニット15Aの数に制限は無く、3以上でもよい。
【0018】
複数の段ユニット15Aは、それぞれ箱状に形成されている。複数の段ユニット15Aは、設置面Fに沿う奥行方向(第1方向)Xに並べて配置されている。複数の段ユニット15Aは、奥行方向Xの奥側X2(以下では、単に奥側X2と言う)に向かうに従い高さが段階的に高くなる。
以下では、奥行方向Xに隣り合う一対の段ユニット15Aのうち、奥行方向Xの手前側X1(以下では、単に手前側X1と言う)に配置された段ユニット15Aを、手前側ユニット20A(高さが低い段ユニット)と言う。一対の段ユニット15Aのうち、奥側X2に配置された段ユニット15Aを、奥側ユニット21A(高さが高い段ユニット)と言う。すなわち、第1段状構造物10Aは、互いに高さが異なる複数の段ユニット15Aが設置面Fに沿って並べて配置されることで階段状に形成されている。奥行方向Xは、設置面Fに沿い、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとを結ぶ方向である。
【0019】
それぞれの段部11Aの着座面11aAは、段ユニット15Aの上面により構成されている。なお、段部11Aの着座面11aAは、段ユニット15Aの上面における手前側X1の部分等、この上面の一部により構成されてもよい。
それぞれの段部11Aの段差面11bAは、段ユニット15Aの側面の一部により構成されている。本実施形態では、段ユニット15Aの手前側X1を向く外面における少なくとも一部が、段差面11bAである。
手前側ユニット20Aは、奥行方向Xに隣り合う段ユニット15Aのうち、比較的低い位置に配置された段部11Aを有する段ユニット15Aである。一方で、奥側ユニット21Aは、奥行方向Xに隣り合う段ユニット15Aのうち、比較的高い位置に配置された段部11Aを有する段ユニット15Aである。
【0020】
図2から
図4に示すように、手前側ユニット20Aは、天板(閉塞部材)24Aと、周壁25Aと、手前側仕切り板26Aと、底板27Aと、アジャスタ28Aと、を備えている。
天板24Aは、天板24Aの厚さ方向が上下方向に沿う平板状に形成されている。天板24Aは、平面視で矩形状を呈している。天板24Aの上面は、着座面11aAを構成する。
天板24Aの下面における幅方向(第2方向)Yの両端部には、凹部24aAが形成されている。ここで言う幅方向Yは、設置面Fに沿う方向であって、奥行方向Xに直交する方向を意味する。なお、幅方向Yは、奥行方向Xに交差する方向であるとしてもよい。凹部24aAは、上方に向かって凹んでいる。
図1及び
図3に示すように、天板24Aにおける手前側X1の部分には、クッション31A,32A,33Aが配置されている。クッション31Aは、平面視で円形状を呈する板状に形成されている。一方で、クッション32Aは、平面視で長円形状を呈する板状に形成されている。クッション32Aは、長軸が幅方向Yに沿うように配置されている。クッション33Aの端部には、下方に向かって折れ曲がる屈曲部が形成されている。クッション33Aは、屈曲部が天板24Aの前縁部(手前側X1の端部)に係合するように配置されている。使用者Pは、クッション31A,32A,33A上に座る。
【0021】
図2から
図4に示すように、周壁25Aは、角筒状に形成され、天板24Aの外周縁を下方から支持している。周壁25A内には、内部空間(収容空間)25aAが形成されている。周壁25Aは、内部空間25aAの側方を囲んでいる。周壁25Aの上端部には、手前側開口(開口)25bAが形成されている。手前側開口25bAは、内部空間25aAに連なっている。内部空間25aAは、手前側ユニット20A内に形成される空間である。周壁25Aは、一対の側板35Aと、前面板36Aと、後面板37Aと、を備えている。
各側板35Aは、側板35Aの厚さ方向が幅方向Yに沿う平板状に形成されている。一対の側板35Aは、幅方向Yに対向するように、互いに離間して配置されている。一対の側板35Aは、幅方向Yでの対向面間を、内部空間25aAとする。
一対の側板35Aの一方には、貫通孔35aAが形成されている。一対の側板35Aの他方には、貫通孔(不図示)が形成されている。この貫通孔については、
図2に、第1段状構造物10Bに対する貫通孔35cBを示す。
図2及び
図3に示すように、各側板35Aにおける幅方向Yの内側の部分には、係止部39Aが固定されている。係止部39Aは、側板35Aよりも上方に向かって突出している。係止部39Aにおける上方に突出した部分は、天板24Aの凹部24aAに嵌め合っている。
【0022】
図2及び
図3に示すように、前面板36Aは、板本体40Aと、軒板41Aと、を備えている。板本体40Aは、板本体40Aの厚さ方向が奥行方向Xに沿う平板状に形成されている。板本体40Aの幅方向Yの中央部には、電気配線差込口42Aが固定されている。電気配線差込口42Aは、板本体40Aの上端部に配置されている。電気配線差込口42Aは、手前側X1に露出している。電気配線差込口42Aには、配線43Aの第1端部が接続されている。配線43Aにおける第1端部とは反対の第2端部には、プラグ44Aが接続されている。なお、手前側ユニット20Aは、電気配線差込口42Aを備えなくてもよい。
軒板41Aは、幅方向Yに長い平板状に形成されている。軒板41Aは、板本体40Aの奥側X2の外面から上方に突出している。板本体40A及び軒板41Aにおける手前側X1に露出した外面は、段差面11bAに含まれる。
後面板37Aは、後面板37Aの厚さ方向が奥行方向Xに沿う平板状に形成されている。
図3に示すように、後面板37Aには貫通孔37aAが形成されている。なお、後面板37Aには、後述する奥側ユニット21Aの下方開口53aAと同様な下方開口が形成されていることが好ましい。
【0023】
図2に示すように、手前側ユニット20Aは、手前側仕切り板26Aを複数(本実施形態では2つ)備えている。各手前側仕切り板26Aは、手前側仕切り板26Aの厚さ方向が幅方向Yに沿う平板状に形成されている。
図2及び
図3に示すように、底板27Aは、周壁25Aの下端部の開口を塞いでいる。
図2に示すように、底板27Aは、2つの手前側仕切り板26Aの間となる部分以外を塞いでいる。すなわち、手前側ユニット20Aは、幅方向Yに間を空けて配置された一対の底板27Aを備えている。電気配線差込口42Aから引き回された配線43Aは、一対の底板27Aの間を通されている。配線43Aに接続されたプラグ44Aは、設置面Fに設けられた電気配線差込口(不図示)に接続されている。
手前側仕切り板26A及び底板27Aは、周壁25Aに図示しない接着剤やネジ等で固定されている。
【0024】
以上のように構成された手前側ユニット20Aでは、天板24Aの凹部24aAと係止部39Aとが嵌め合っている状態では、周壁25Aに対して天板24Aを水平面に沿う方向に移動できない。周壁25Aに対して天板24Aを上方に移動させると、天板24Aの凹部24aAと係止部39Aとの嵌め合いが解除される。周壁25Aから天板24Aが取り外される。このとき、手前側ユニット20Aの手前側開口25bAが、手前側ユニット20Aの外部に露出する。
一方で、係止部39Aに天板24Aの凹部24aAを嵌め合わせると、周壁25Aに天板24Aが取り付けられる。このとき、周壁25Aの手前側開口25bAは、天板24Aにより閉塞される。
このように、手前側ユニット20Aにおいて、周壁25Aに対して天板24Aが着脱可能である。そして、手前側開口25bAは、天板24Aにより閉塞可能である。天板24Aは、手前側開口25bAを開放可能に閉塞する。
【0025】
図2及び
図3に示すように、アジャスタ28Aは、側板35Aの下端部や手前側仕切り板26Aの下端部等に固定されている。アジャスタ28Aは、手前側ユニット20Aの設置面Fに対する不陸を調節するためのものである。
【0026】
図2から
図4に示すように、奥側ユニット21Aは、手前側ユニット20Aよりも高い。奥側ユニット21Aは、天板46Aと、周壁47Aと、奥側仕切り板(補強部材)48Aと、底板49Aと、アジャスタ50Aと、を備えている。
天板46Aは、天板46Aの厚さ方向が上下方向に沿う平板状に形成されている。天板46Aは、平面視で矩形状を呈している。天板46Aの上面は、着座面11aAを構成する。
天板46Aの幅方向Yの長さ、及び手前側ユニット20Aの天板24Aの幅方向Yの長さは、互いに同程度である。天板46Aの奥行方向Xの長さは、天板24Aの奥行方向Xの長さよりも短い。ただし、奥側ユニット21Aが3段以上の場合等では、天板46Aの奥行方向Xの長さは、天板24Aの奥行方向Xの長さより長くても、同程度でもよい。
【0027】
周壁47Aは、角筒状に形成され、天板46Aの外周縁を下方から支持している。周壁47Aの内部には、収容空間47aAが形成されている。周壁47Aは、収容空間47aAの側方を囲んでいる。収容空間47aAは、奥側ユニット21A内に形成される空間である。収容空間47aAは、天板46Aの着座面11aAの下方であって、底板49Aよりも上方に形成されている。なお、奥側ユニット21A内における底板49Aよりも下方には、下方空間47cAが形成される。収容空間47aA及び下方空間47cAで、奥側ユニット21Aの内部空間47dAが形成される。
周壁47Aの上下方向の長さは、手前側ユニット20Aの周壁25Aの上下方向の長さよりも長い。周壁47Aは、一対の側板52Aと、前面板53Aと、後面板54Aと、を備えている。
図2及び
図4に示すように、各側板52Aは、側板52Aの厚さ方向が幅方向Yに沿う平板状に形成されている。一対の側板52Aは、幅方向Yに対向するように、互いに離間して間隔を空けて配置されている。天板24A及び一対の側板52Aにおける手前側X1に露出した外面は、段差面11bAに含まれる。この段差面11bAは、上下方向において手前側ユニット20Aの着座面11aAまで延びている。
【0028】
図3及び
図4に示すように、前面板53Aは、前面板53Aの厚さ方向が奥行方向Xに沿う平板状に形成されている。前面板53Aは、各側板52Aの下方の部分に連結されている。すなわち、周壁47Aでは、一対の側板52A及び前面板53Aにより、周壁47Aにおける上方の部分に切欠き47bAが形成されている。切欠き47bAは、奥行方向X及び上方にそれぞれ開口している。一対の側板52Aの前縁部、前面板53A、及び天板46Aの間の領域により、上方開口(開口)21aAが形成される。上方開口21aAは、奥側ユニット21Aの段差面11bAに形成されている。前記収容空間47aAは、上方開口21aAに連なっている。
なお、周壁47A自体に、上方開口が形成されてもよい。
図4に示すように、前面板53Aには、下方開口53aAが複数(本実施形態では3つ)形成されている。複数の下方開口53aAは、幅方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。各下方開口53aAは、正面視で矩形状を呈している。
図3及び
図4に示すように、前面板53Aにおける下方開口53aAの周囲には、貫通孔53bAが形成されている。
【0029】
後面板54Aは、後面板54Aの厚さ方向が奥行方向Xに沿う平板状に形成されている。後面板54Aの上端、下端は、側板52Aの上端、下端までそれぞれ延びている。
図3に示すように、後面板54Aにおける下方の部分には、貫通孔54aAが形成されている。後面板54Aにおける上方の部分には、貫通孔54bAが形成されている。なお、後面板54Aに形成される貫通孔54aA,54bAの数は、限定されない。
周壁47Aは、天板46Aに固定されている。
【0030】
図2及び
図4に示すように、奥側ユニット21Aは、奥側仕切り板48Aを複数(本実施形態では2つ)備えている。各奥側仕切り板48Aは、奥側仕切り板48Aの厚さ方向が幅方向Yに沿う平板状に形成されている。奥側仕切り板48Aは、天板46Aから下方に向かって、底板49Aまで延びている。奥側仕切り板48Aは、収容空間47aAを幅方向Yに仕切っている。
【0031】
図3及び
図4に示すように、底板49Aは、底板49Aの厚さ方向が上下方向に沿う平板状に形成されている。底板49Aは、収容空間47aA内に配置されている。底板49Aの上面49aAは、上方を向いている。上面49aAは、手前側ユニット20Aの着座面11aAと同等の高さに配置されている。ここで言う同等の高さとは、高さの差が5cm以下であることを意味する。高さの差が3cm以下であることが、より好ましい。底板49Aは、一対の側板52Aにそれぞれ連結されている。底板49Aは、収容空間47aAの下端部を区画している。すなわち、収容空間47aAは、底板49Aよりも上方にだけ形成されている。
奥側仕切り板48A及び底板49Aは、周壁47Aに図示しない接着剤やネジ等で固定されている。
【0032】
図3に示すように、アジャスタ50Aは、一対の側板52Aの下端部等に固定されている。アジャスタ50Aは、奥側ユニット21Aの設置面Fに対する不陸を調節するためのものである。
以下では、奥側ユニット21Aのうち、底板49Aよりも上方の部分を、第2段21bAと言う。奥側ユニット21Aのうち、第2段21bA以外の部分を、第1段21cAと言う。
第2段21bAは、奥側ユニット21Aにおける手前側ユニット20Aよりも上方に突出した部分である。上方開口21aAは、第2段21bAの手前側X1の外面に形成されている。上方開口21aAは、奥側ユニット21Aの収容空間47aAに連なっている。
【0033】
図2から
図4に示すように、パネル16Aは、パネル本体63Aと、アジャスタ64Aと、を備えている。
パネル本体63Aは、パネル本体63Aの厚さ方向が奥行方向Xに沿う平板状に形成されている。パネル本体63Aの高さは、奥側ユニット21Aの高さよりも高い。
図3及び
図4に示すように、パネル本体63Aにおける下方の部分には、鬼目ナット67Aが埋め込まれている。パネル本体63Aにおける上下方向の中間部には、鬼目ナット68Aが埋め込まれている。鬼目ナット67A,68Aは、奥側ユニット21Aの貫通孔54aA,54bAに対応して配置されている。
アジャスタ64Aは、パネル本体63Aの下端部に固定されている。アジャスタ64Aは、パネル16Aの設置面Fに対する不陸を調節するためのものである。
【0034】
図3に示すように、第1段状構造物10Aは、連結部材17Aを複数備えている。複数の連結部材17Aは、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとを連結している。連結部材17Aは、ボルト17aAと、ナット17bAとを備えている。なお、ボルト17aAは、奥側ユニット21Aとパネル16Aとを連結している。
具体的には、ボルト17aAは、手前側ユニット20Aの後面板37Aの貫通孔37aA及び奥側ユニット21Aの前面板53Aの貫通孔53bAにそれぞれ通されている。このボルト17aAは、ナット17bAに嵌め合っている。連結部材17Aのボルト17aA及びナット17bAは、後面板37A及び前面板53Aを奥行方向Xに挟んでいる。連結部材17Aは、手前側ユニット20Aの周壁25Aと奥側ユニット21Aの周壁47Aとを、手前側ユニット20Aの内部空間25aA側から連結している。こうして、連結部材17Aにより、奥行方向Xに隣り合う一対の段ユニット15Aが、互いに連結されている。手前側ユニット20Aは、奥側ユニット21Aに対して奥行方向Xの手前側X1に連なっている。このとき、奥行方向Xに隣り合う下方の着座面11aAの後縁部と上方の段差面11bAの下端部とが連なっている。なお、前面板53Aに貫通孔53bAを形成するかわりに、奥側ユニット21Aの前面板53Aに、鬼目ナットを埋め込んでおいてもよい。そして、この鬼目ナットに、ボルト17aAを嵌め合わせてもよい。
【0035】
ボルト17aAは、奥側ユニット21Aの後面板54Aの貫通孔54aAに通されている。このボルト17aAは、パネル16Aのパネル本体63Aに埋め込まれた鬼目ナット67Aに嵌め合っている。また、他のボルト17aAは、奥側ユニット21Aの後面板54Aの貫通孔54bAに通されている。このボルト17aAは、パネル16Aのパネル本体63Aに埋め込まれた鬼目ナット68Aに嵌め合っている。
ボルト17aAは、奥側ユニット21Aの周壁47Aとパネル16Aのパネル本体63Aとを、奥側ユニット21Aの収容空間47aA側から連結している。こうして、ボルト17aAにより、奥側ユニット21Aとパネル16Aとが、互いに連結されている。
【0036】
以上のように、第1段状構造物10Aでは、互いに高さが異なる複数の段ユニット15Aが奥行方向Xに並べて配置されている。複数の段ユニット15Aでは、奥側X2に向かうに従い高さが段階的に高くなっている。
第1段状構造物10Aの各要素は、板材、樹脂製の板、金属板等で形成されている。
【0037】
図2に示すように、第1段状構造物10Aと第1段状構造物10Bとは、以下のように互いに連結することができる。すなわち、作業者は、図示しない工具により、第1段状構造物10Aに貫通孔35aAを、第1段状構造物10Bに貫通孔35cBをそれぞれ形成する。手前側ユニット20Aの周壁25Aから天板24Aを取り外す。内部空間25aA内に、ボルト17aAを入れる。第1段状構造物10Aの貫通孔35aA及び第1段状構造物10Bの貫通孔35cBに通したボルト17aAを、ナット17bAに嵌め合わせる。こうして、ボルト17aA及びナット17bAにより、側板35A及び側板35Bを幅方向Yに挟む。
以上の工程を行うことにより、第1段状構造物10Aと第1段状構造物10Bとが連結される。
このような、幅方向に隣り合う構造物の連結方法を、以下では幅連結方法と言う。
【0038】
以上のように構成された第1段状構造物10Aは、以下のように組立て、分解される。例えば、予め、手前側ユニット20A、奥側ユニット21A、及びパネル16Aは、別々に製造される。
まず、
図5に示すように、作業者は、奥側ユニット21A及びパネル16Aを、互いに連結する。具体的には、図示しない工具により、手前側ユニット20Aの後面板37Aの貫通孔37aA、及び奥側ユニット21Aの前面板53Aの貫通孔53bAを、それぞれ形成する。奥側ユニット21Aの上方開口21aAを通して、収容空間47aA内にボルト17aAを入れる。このボルト17aAを、奥側ユニット21Aの貫通孔54bAに挿入する。さらに、ボルト17aAを、パネル16Aの鬼目ナット68Aに嵌め合わせる。次に、奥側ユニット21Aの下方開口53aAを通して、下方空間47cA内にボルト17aAを入れる。このボルト17aAを、奥側ユニット21Aの貫通孔54aAに挿入する。さらに、ボルト17aAを、パネル16Aの鬼目ナット67Aに嵌め合わせる。以上の工程により、奥側ユニット21Aとパネル16Aとを互いに内部空間47dA側から連結する。
【0039】
次に、
図6に示すように、手前側ユニット20A及び奥側ユニット21Aを、互いに連結する。具体的には、手前側ユニット20Aについて、周壁25Aから天板24Aを取り外す。周壁25Aの手前側開口25bAが、手前側ユニット20Aの外部に露出する。手前側開口25bAを通して、内部空間25aAにボルト17aA及びナット17bAを入れる。このボルト17aAを、手前側ユニット20Aの貫通孔37aA及び奥側ユニット21Aの貫通孔53bAにそれぞれ挿入する。さらに、手前側ユニット20Aの下方開口及び奥側ユニット21Aの下方開口53aAを通して奥側ユニット21Aの下方空間47cAに配置したナット17bAに、ボルト17aAを嵌め合わせる。こうして、ボルト17aA及びナット17bAにより、後面板37A及び前面板53Aを奥行方向Xに挟む。こうして、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとを互いに内部空間25aA側から連結する。手前側ユニット20Aについて、周壁47Aに天板46Aを取り付ける。
以上の工程により、手前側ユニット20A、奥側ユニット21A、及びパネル16Aが互いに連結される。
【0040】
一方で、作業者は、手前側ユニット20Aについて、周壁25Aから天板24Aを取り外す。内部空間25aA側からボルト17aAとナット17bAとの嵌め合わせを解除する。すると、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとの連結が解除される。このように、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとの連結部材17Aによる連結は、手前側ユニット20Aの内部空間25aA側から解除できる。
奥側ユニット21Aのボルト17aAと、パネル16Aの鬼目ナット67A,68Aとの嵌め合わせを解除する。すると、奥側ユニット21Aとパネル16Aとの連結が解除される。このように、奥側ユニット21Aとパネル16Aとのボルト17aAによる連結は、奥側ユニット21Aの内部空間47dA側から解除できる。
以上の工程により、手前側ユニット20A、奥側ユニット21A、及びパネル16Aが互いに分離される。
このように、ボルト17aAにより、奥側ユニット21A及びパネル16Aは互いに着脱可能であり、連結部材17Aにより、手前側ユニット20A及び奥側ユニット21Aは互いに着脱可能である。
【0041】
図1に示すように、第1段状構造物10Bは、第1段状構造物10Aの複数の段ユニット15A、パネル16A、及び連結部材17Aと同一に構成された、複数の段ユニット15B、パネル16B、及び連結部材(不図示)を備えている。
第2段状構造物80は、第1段状構造物10Aに比べて、幅方向Yの長さが短く、手前側仕切り板(不図示)及び奥側仕切り板97を備える数のみが異なる。すなわち、第2段状構造物80は、第1段状構造物10Aの複数の段ユニット15A、パネル16A、及び連結部材17Aと同様に構成された、複数の段ユニット85、パネル86、及び連結部材(不図示)を備えている。
【0042】
例えば、第3段状構造物100Aは、第1段状構造物10Aに対して、電気配線差込口42Aを備えず、上方開口21aAが形成されない以外は、第1段状構造物10Aと同様に構成することができる。第3段状構造物100Bについても、第3段状構造物100Aと同様である。
【0043】
図1に示すように、連結段状構造物110は、第1段状構造物10Aと第1段状構造物10Bとの間に配置され、段状構造物10A,10B同士を連結する。
連結段状構造物110に対する第1側に、第1段状構造物10A及び第3段状構造物100A(以下、第1側構造物2Aと言う)が、この順で同一直線上に並べて配置されている。
連結段状構造物110に対する、第1側とは異なる第2側に、第1段状構造物10B、第2段状構造物80、及び第3段状構造物100B(以下、第2側構造物2Bと言う)が、この順で同一直線上に並べて配置されている。
なお、第3段状構造物100A,100Bは、使用者Pが段状構造物10A,10Bに登るためのステップとして機能する。
平面視において、第1側構造物2Aと第2側構造物2Bとが内側になす角度θ1は、120°である。
【0044】
図7に示すように、連結段状構造物110は、手前側ユニット111と奥側ユニット112とが、互いに連結されて構成されている。なお、
図7では、第1側構造物2A及び第2側構造物2Bを二点鎖線で示している。連結段状構造物110は、奥側に向かうに従い高さが段階的に高くなっている。すなわち、手前側ユニット111よりも奥側ユニット112が高い。
手前側ユニット111の高さ、及び第1段状構造物10Aの手前側ユニット20Aの高さは、互いに同等である。奥側ユニット112の高さ、及び第1段状構造物10Aの奥側ユニット21Aの高さは、互いに同等である。
平面視において、ユニット111,112の中心角θ2(後述する一対の起立壁119のなす角度)は、60°である。
手前側ユニット111の側板115には、手前側開口115aが形成されている。奥側ユニット112の第2段112aには、上方開口112bが形成されている。
【0045】
手前側ユニット111の側板115及び奥側ユニット112の側板117で、起立壁119が構成される。起立壁119と、第1段状構造物10A,10Bとは、前記幅連結方法により連結されている。
第1段状構造物10Aと第3段状構造物100A、第1段状構造物10Bと第2段状構造物80、第2段状構造物80と第3段状構造物100Aの接続についても、同様である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の第1段状構造物10Aによれば、例えば、
図3に示すように、使用者Pは、奥側ユニット21A上に腰を載せ、手前側ユニット20A上に足を載せて、着座することができる。
また、手前側ユニット20A及び奥側ユニット21Aが互いに分離されている状態から、例えば、設置面F上にいる作業者は、手前側ユニット20Aの上方開口21aAを通して内部空間25aAに連結部材17Aを入れる。手前側ユニット20Aは奥側ユニット21Aよりも低いため、手前側ユニット20Aに形成された上方開口21aAを通して、手前側ユニット20Aの内部空間25aAに連結部材17Aを容易に入れることができる。そして、内部空間25aA側から手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとの接続部分にアクセスし、連結部材17Aにより、手前側ユニット20Aと奥側ユニット21Aとを、内部空間25aA側から連結する。
同様にして、手前側ユニット20Aの内部空間25aA側から、連結部材17Aによる連結を解除する。
従って、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット15A同士を、連結部材17Aにより容易に連結するとともに、この連結を解除することができる。
【0047】
第1段状構造物10Aは、閉塞部材である天板24Aを備えている。これにより、手前側ユニット20Aの手前側開口25bAを天板24Aにより閉塞することで、手前側開口25bAが形成される手前側ユニット20Aの外観を向上させることができる。
手前側ユニット20Aは、天板24A及び周壁25Aを備えている。このため、手前側ユニット20Aにおいて、周壁25Aの手前側開口25bAを、天板24Aにより開放可能に閉塞することで、上方開口21aAが形成される手前側ユニット20Aの外観を向上させることができる。そして、この手前側開口25bAを通して、手前側ユニット20Aの内部空間25aAに連結部材17Aを容易に入れることができる。
さらに、手前側ユニット20Aの天板24Aと、閉塞部材とを兼ねることができる。
【0048】
本実施形態の第1段状構造物10A及び連結段状構造物110は、以下に説明するようにその構成を様々に変形させることができる。
図8に示す第1変形例の連結段状構造物130のように、平面視において、連結段状構造物130の中心角θ4は、90°であってもよい。この場合、平面視において、第1側構造物2Aと第2側構造物2Bとが内側になす角度θ5は、90°である。
このように、平面視において、連結段状構造物の中心角は限定されず、0°よりも大きく180°よりも小さければよい。
【0049】
図9に示す第1変形例の第1段状構造物135Aのように、手前側ユニット140Aの天板141Aが、本実施形態の手前側ユニット20Aの天板24Aに代えて、複数(本変形例では2つ)の分割天板142A,143Aを備えてもよい。
分割天板142A,143Aは、平面視でそれぞれ矩形状を呈している。
分割天板142Aは、天板141Aにおける手前側X1の部分を構成する。分割天板142Aは、周壁25Aに固定されている。すなわち、分割天板142Aは、周壁25Aに対して着脱不能である。
分割天板143A(複数の分割天板の一部、閉塞部材)は、天板141Aにおける奥側X2の部分を構成する。分割天板142A,143Aは、周壁25A上で互いに奥行方向Xに並べて配置されている。分割天板143Aには、天板24Aの凹部24aAと同様の、凹部143aAが形成されている。分割天板143Aは、複数の分割天板142A,143Aのうちの(最も)奥側ユニット21A寄りの分割天板である。
周壁25Aは、分割天板142A,143A全体としての外周縁を下方から支持している。分割天板143Aは、手前側開口25bAにおける奥側X2の部分(一部)を開放可能に閉塞する。
係止部39Aにおける上方に突出した部分は、分割天板143Aの凹部143aAに嵌め合っている。
図9中には、天板24Aから取り外された分割天板143Aを、二点鎖線で示している。
なお、天板141Aが備える分割天板の数に制限はなく、3つ以上でもよい。
【0050】
以上のように構成された第1段状構造物135Aでは、分割天板142Aを周壁25A上に配置したままで、分割天板143Aを周壁25Aから取り外すだけで、手前側ユニット140Aの周壁25Aの手前側開口25bAの一部を、手前側ユニット140Aの外部に露出することができる。このため、連結作業時に、作業者が分割天板142A,143A全体を保持したり、分割天板142A,143A全体を一時的に周壁25A上以外の位置に置いておく必要がなくなる。従って、連結部材17Aによる連結作業をより容易かつ効率的に行うことができる。
さらに、分割天板143Aと、閉塞部材とを兼ねることができる。
分割天板142A,143Aは奥行方向Xに並べて配置され、分割天板143Aは、複数の分割天板142A,143Aのうちの奥側ユニット21A寄りの分割天板である。複数の分割天板142A,143Aのうちのいずれかの分割天板を取り外した際に、外部に露出される手前側開口25bAの一部の中でも、複数の分割天板142A,143Aのうちの奥側ユニット21A寄りの分割天板143Aが取り外された部分に形成される手前側開口25bAの一部は、手前側ユニット140Aと奥側ユニット21Aとの接続部分に近い。従って、この手前側開口25bAの一部を通して、互いに高さが異なり隣り合う段ユニット15A同士を、連結部材17Aにより、さらに容易に連結するとともに、この連結を、さらに容易に解除することができる。
【0051】
なお、複数の分割天板の一部は、手前側X1の分割天板142Aであってもよい。
【0052】
図10に示す第2変形例の第1段状構造物150Aのように、奥側ユニット151Aが、前記奥側ユニット21Aの前面板53A、底板49Aに代えて、前面板153A及び電気配線差込口154Aを備えるように構成してもよい。なお、
図10では、電気配線差込口42A,154A及び配線43A,155Aを、実線で示している。奥側ユニット151Aは、上方開口21aAが形成されない、いわゆるクローズタイプの段状構造物である。
【0053】
前面板153Aは、前面板53Aにおいて、上端が後面板54Aの上端まで延びている。奥側ユニット151Aが、底板49Aを備えないことで、収容空間47aAは奥側ユニット151Aの内部空間47dAに一致している。
奥側ユニット151Aの下方における設置面F上には、テーブルタップ(Power Strip)161Aが配置されている。テーブルタップ161Aは、設置面Fに設けられた電気配線差込口に接続されている。なお、テーブルタップ161Aは、手前側ユニット20Aの下方に配置されてもよい。この場合、底板27Aに開口が形成されているか、底板27Aが配置されないことによって、露呈した設置面Fにテーブルタップ161Aが設けられていることが望ましい。
【0054】
本第2変形例では、手前側ユニット20Aにおける後面板37Aには、下方開口37bAが形成されている。配線43Aは、後面板37Aの下方開口37bA及び前面板153Aの下方開口53aAを通して、収容空間47aAに引き回されている。プラグ44Aは、テーブルタップ161Aに接続されている。
【0055】
電気配線差込口154Aは、前面板153Aの上端部に固定されている。電気配線差込口154Aは、手前側X1に露出している。電気配線差込口154Aには、配線155Aの第1端部が接続されている。配線155Aにおける第1端部とは反対の第2端部には、プラグ156Aが接続されている。プラグ156Aは、テーブルタップ161Aに接続されている。
奥側ユニット151Aでは、周壁47Aに対して天板46Aが着脱可能である。天板46Aに凹部46aAが形成され、各側板52Aには、天板46Aの凹部46aAに嵌め合う係止部56Aが固定されている。
以上のように構成された第2変形例の第1段状構造物150Aによっても、本実施形態の奥側ユニット21Aと同様の効果を奏することができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態及び変形例では、手前側開口は、手前側ユニット20A,140Aの周壁25Aの外面に形成されてもよい。この場合、第1段状構造物は、閉塞部材を備えなくてもよい。この手前側開口は、周壁25Aに支持された扉、のれん等の閉塞部材により、開放可能に閉塞されてもよい。閉塞部材は、他の段ユニット15Aであってもよい。
前記実施形態及び変形例では、連結部材はボルト17aA及びナット17bAを備えるとした。しかし、連結部材はこれに限定されず、ブラインドリベット等でもよい。
周壁25A,47Aは、角筒状に形成されているとしたが、円筒状に形成されているとしてもよい。
第1段状構造物10Aは、アジャスタ28A,50A,64Aを備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10A,10B,135A,150A 第1段状構造物(段状構造物)
15A 段ユニット
17A 連結部材
20A,140A 手前側ユニット(高さが低い段ユニット)
21A,151A 奥側ユニット(高さが高い段ユニット)
24A 天板(閉塞部材)
25A,47A 周壁
25aA,47dA 内部空間
25bA 手前側開口(開口)
46A,141A 天板
142A 分割天板
143A 分割天板(閉塞部材)
X 奥行方向(高さが低い段ユニットと高さが高い段ユニットとを結ぶ方向)