(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シート状部材の収納箱への収納方法、収納箱入りシート状部材の生産方法および収納箱入りシート状部材
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65D83/08 G
(21)【出願番号】P 2020200978
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】500275692
【氏名又は名称】株式会社サンヨ
(73)【特許権者】
【識別番号】000250384
【氏名又は名称】リケンテクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 久満
(72)【発明者】
【氏名】高橋 安沙美
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3216076(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0114099(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0186552(US,A1)
【文献】実開平01-026291(JP,U)
【文献】特開2014-037253(JP,A)
【文献】特開2019-001497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 5/00- 5/76
B65B 5/06- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製のシートである薄い矩形のシート状部材の収納箱への収納方法であって、
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する前記シート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群において、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記第1の辺から前記シート状部材の積層方向に見て、積層された前記シート状部材同士の互いに隣接する前記凸状湾曲部の位置および向き、および互いに隣接する前記変曲点の位置が揃った状態として前記シート状部材群を形成し、
当該シート状部材群を、前記第2の辺が筒状の前記収納箱の側面に沿うように前記収納箱の開口部から前記収納箱に挿入して収納する、収納方法。
【請求項2】
前記シート状部材群は1つ以上の変曲点を有するよう正弦波状に湾曲されている、ことを特徴とする請求項1に記載の収納方法。
【請求項3】
前記収納箱は、底面、前記底面と対向する開閉可能な上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる前記側面とで構成され、各前記側面は、前記第2の辺以上の長さを有し、前記上面は開放された状態で前記開口部を形成する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の収納方法。
【請求項4】
前記シート状部材群を収納補助箱に前記正弦波状に湾曲させた状態で収納し、前記収納補助箱を用いて、前記収納補助箱に収納された前記シート状部材群を前記収納箱に収納する、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の収納方法。
【請求項5】
前記収納補助箱は、前記収納箱と相似形状で前記収納箱に挿入可能とされ、底面、前記底面と対向する上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる側面の一つとがそれぞれ開放された箱であり、前記シート状部材群を前記開放された側面から前記収納補助箱に前記正弦波状に湾曲させた状態で収納し、前記シート状部材群を収納した前記収納補助箱を、その側面が前記収納箱の側面に沿うように前記収納箱の開口部から前記収納箱に挿入し、その後、前記収納補助箱を前記収納箱の開口部から引き出すことにより前記シート状部材群を前記収納箱に収納する、ことを特徴とする請求項4に記載の収納方法。
【請求項6】
前記収納補助箱は、前記シート状部材群を前記収納補助箱に収納した際に、前記凸状湾曲部の凹部に位置するよう、前記収納補助箱の前記開放された側面に垂直な側面に沿って平行に延在するように、前記開放された側面に対向する側面上に設けられた仕切り板を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の収納方法。
【請求項7】
前記収納補助箱は、前記シート状部材群を前記収納補助箱に収納した際に、前記凸状湾曲部の凹部に位置するよう、前記収納補助箱の前記開放された側面に垂直な側面に沿って平行に延在するように前記開放された側面に対向する側面に立設された少なくとも1つの仕切り板と、前記開放された側面に設けられた開閉可能な側面に立設され、当該開閉可能な側面が閉じられた際に前記凸状湾曲部の凹部に位置し前記垂直な側面に沿って平行に延在するようにされた少なくとも1つの仕切り板と、の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項5に記載の収納方法。
【請求項8】
前記収納補助箱は、当該収納補助箱の上面から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させた板状の仕切り板を、当該凸状湾曲部が当該収納補助箱の側面に沿って平行に延在するように、前記開放された側面に対向する側面上に設けている、ことを特徴とする請求項5に記載の収納方法。
【請求項9】
収納箱入りシート状部材の生産方法であって、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の収納方法を使用して前記収納箱に前記シート状部材群を収納する工程、を含む生産方法。
【請求項10】
クッキングシートである薄い矩形のシート状部材の収納箱への収納方法であって、
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する前記シート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群において、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記第1の辺から前記シート状部材の積層方向に見て、積層された前記シート状部材同士の互いに隣接する前記凸状湾曲部の位置および向き、および互いに隣接する前記変曲点の位置が揃った状態として前記シート状部材群を形成し、
当該シート状部材群を、前記第2の辺が筒状の前記収納箱の側面に沿うように前記収納箱の開口部から前記収納箱に挿入して収納する、収納方法。
【請求項11】
前記シート状部材群は1つ以上の変曲点を有するよう正弦波状に湾曲されている、ことを特徴とする請求項10に記載の収納方法。
【請求項12】
前記収納箱は、底面、前記底面と対向する開閉可能な上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる前記側面とで構成され、各前記側面は、前記第2の辺以上の長さを有し、前記上面は開放された状態で前記開口部を形成する、ことを特徴とする請求項10または11に記載の収納方法。
【請求項13】
前記シート状部材群を収納補助箱に前記正弦波状に湾曲させた状態で収納し、前記収納補助箱を用いて、前記収納補助箱に収納された前記シート状部材群を前記収納箱に収納する、ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一項に記載の収納方法。
【請求項14】
前記収納補助箱は、前記収納箱と相似形状で前記収納箱に挿入可能とされ、底面、前記底面と対向する上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる側面の一つとがそれぞれ開放された箱であり、前記シート状部材群を前記開放された側面から前記収納補助箱に前記正弦波状に湾曲させた状態で収納し、前記シート状部材群を収納した前記収納補助箱を、その側面が前記収納箱の側面に沿うように前記収納箱の開口部から前記収納箱に挿入し、その後、前記収納補助箱を前記収納箱の開口部から引き出すことにより前記シート状部材群を前記収納箱に収納する、ことを特徴とする請求項13に記載の収納方法。
【請求項15】
前記収納補助箱は、前記シート状部材群を前記収納補助箱に収納した際に、前記凸状湾曲部の凹部に位置するよう、前記収納補助箱の前記開放された側面に垂直な側面に沿って平行に延在するように、前記開放された側面に対向する側面上に設けられた仕切り板を有する、ことを特徴とする請求項14に記載の収納方法。
【請求項16】
前記収納補助箱は、前記シート状部材群を前記収納補助箱に収納した際に、前記凸状湾曲部の凹部に位置するよう、前記収納補助箱の前記開放された側面に垂直な側面に沿って平行に延在するように前記開放された側面に対向する側面に立設された少なくとも1つの仕切り板と、前記開放された側面に設けられた開閉可能な側面に立設され、当該開閉可能な側面が閉じられた際に前記凸状湾曲部の凹部に位置し前記垂直な側面に沿って平行に延在するようにされた少なくとも1つの仕切り板と、の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項14に記載の収納方法。
【請求項17】
前記収納補助箱は、当該収納補助箱の上面から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させた板状の仕切り板を、当該凸状湾曲部が当該収納補助箱の側面に沿って平行に延在するように、前記開放された側面に対向する側面上に設けている、ことを特徴とする請求項14に記載の収納方法。
【請求項18】
収納箱入りシート状部材の生産方法であって、
請求項10ないし17のいずれか一項に記載の収納方法を使用して前記収納箱に前記シート状部材群を収納する工程、を含む生産方法。
【請求項19】
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する、紙製のシートである薄い矩形のシート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群と、
底面、前記底面と対向する開閉可能な上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる側面とで構成され、前記シート状部材群を収納した筒状の収納箱とを備え、
前記シート状部材群は、前記第2の辺が前記収納箱の側面に沿うように収納され、
前記シート状部材群は、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記第1の辺から前記シート状部材の積層方向に見て、積層された前記シート状部材同士の互いに隣接する前記凸状湾曲部の位置および向き、および互いに隣接する前記変曲点の位置が揃った状態として形成されている、収納箱入りシート状部材。
【請求項20】
前記シート状部材群は1つ以上の変曲点を有するよう正弦波状に湾曲されている、ことを特徴とする請求項19に記載の収納箱入りシート状部材。
【請求項21】
前記収納箱
の各前記側面は、前記第2の辺以上の長さを有し、前記上面は開放された状態
で開口部を形成
し、前記シート状部材群は当該開口部から前記収納箱に挿入されて収納される、ことを特徴とする請求項19または20に記載の収納箱入りシート状部材。
【請求項22】
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する、クッキングシートである薄い矩形のシート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群と、
底面、前記底面と対向する開閉可能な上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる側面とで構成され、前記シート状部材群を収納した筒状の収納箱とを備え、
前記シート状部材群は、前記第2の辺が前記収納箱の側面に沿うように収納され、
前記シート状部材群は、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記第1の辺から前記シート状部材の積層方向に見て、積層された前記シート状部材同士の互いに隣接する前記凸状湾曲部の位置および向き、および互いに隣接する前記変曲点の位置が揃った状態として形成されている、収納箱入りシート状部材。
【請求項23】
前記シート状部材群は1つ以上の変曲点を有するよう正弦波状に湾曲されている、ことを特徴とする請求項22に記載の収納箱入りシート状部材。
【請求項24】
前記収納箱
の各前記側面は、前記第2の辺以上の長さを有し、前記上面は開放された状態
で開口部を形成
し、前記シート状部材群は当該開口部から前記収納箱に挿入されて収納される、ことを特徴とする請求項22または23に記載の収納箱入りシート状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッキングシート等の薄いシート状部材の収納箱への収納方法、収納箱入りシート状部材の生産方法および収納箱入りシート状部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理用の紙製品やアルミホイルなどのシートを予め一定量収納箱に収納しておき、使用に際して収納箱から一枚ずつ取り出すことのできる包装体として、筒状に巻き丸めて巻き芯がない状態でシートを収納箱に収納した包装体が知られている。これらは、使用する際に一枚ずつ、切断することなく、折り目をつけることなく取り出すことができるものである。
【0003】
特許文献1は、クッキングシート、アルミホイルなどの調理用シートを筒状に巻き丸めて収納箱に収納すると、取り出して使用する際に、調理用シートが巻き戻ってしまい、作業性が悪くなるという課題を解決すべく、少なくとも一箇所折られた状態で凸状の角部が複数形成されるように調理用シートを丸めて収納箱に収納するようにしている。特許文献2は、シリコーンペーパー同士を摩擦抵抗もなく、一枚ずつスムーズに収納箱から引き出せると共に、収納箱内部での巻き崩れや巻き癖も生じ難くすべく、収納箱に横断面がT字形の仕切りを設け、多数枚積層されたシリコーンペーパーの中間部分が仕切りのステム部の頂点にあるように配置し、かつ、両端部分は内向きにカールされて仕切りのステム部の付根の両側にあるように配置されて収納箱内に収納されるようにしている。
【0004】
特許文献3は、多数枚のクッキングシートを包装体から容易に一枚ずつ取り出すことができるようにすべく、巻き丸めた内層側のクッキングシートの外周に外層側のクッキングシートを1枚ずつ順次巻き付けた状態で包装体に収納したものである。特許文献4は、1枚ずつの取り出しが容易な収納箱入りシート状物を提供すべく、シート状物を、第1、第2の凸状部を設けるようにS字状に湾曲させ、その第2の凸状部側の一辺側を第1の凸状部の外周に沿って他方辺側に近づけるように曲げた状態で収納箱に収納したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6030824号公報
【文献】実用新案登録第3216076号公報
【文献】特許第4091175号公報
【文献】特許第6302656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、シートは全体として一方向に螺旋状に丸められて収納されるため、特に、クッキングシートなどの調理用シートの場合、収納箱から取り出して使用する際に、全体として巻き癖により丸くなった状態で広がり、使用勝手が悪いものとなる。特許文献2においては、シリコーンペーパーは、両端が同一方向に凸状に丸められ、中央部が反対方向に凸状に丸められた状態で収納されるため、収納箱から取り出して使用する際に、両端側がそれぞれ巻き癖により丸まった状態で全体としては凸状に広がり、使用勝手が悪いものとなる。
【0007】
特許文献3においては、各クッキングシートは螺旋状に丸められた状態で包装体に収納されるため、包装体から取り出して使用する際に、全体として巻き癖により丸くなった状態で広がり、使用勝手が悪いものとなる。特許文献4においては、シート状物はジッパー袋であるため、クッキングシート等に比べて収納箱から取り出して使用する際の巻き癖が少なく、巻き癖を考慮していないものである。従って、特許文献4において、シート状物は一辺側を第1の凸状部の外周に沿って他方辺側に近づけるように曲げられて収納箱に収納されているため、シート状物がクッキングシートなどの調理用シートの場合、収納箱から取り出して使用する際に他方辺側が巻き癖により丸まった状態で広がり、使用勝手が悪いものとなる。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑み、収納箱からシート状部材を一枚ずつスムーズに取り出せると共に、取り出し広げた際に巻き戻らず、その後の作業性に優れた、シート状部材の収納箱への収納方法、収納箱入りシート状部材の生産方法および収納箱入りシート状部材を提供すること目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るシート状部材の収納箱への収納方法は、以下の構成を備える。
薄い矩形のシート状部材の収納箱への収納方法であって、
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する前記シート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群において、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記凸状湾曲部および前記変曲点の位置が互いに揃った状態として前記シート状部材群を形成し、
当該シート状部材群を、前記第2の辺が筒状の前記収納箱の側面に沿うように前記収納箱の開口部から前記収納箱に挿入して収納する、収納方法。
【0010】
本発明の第2の態様に係る収納箱入りシート状部材の生産方法は、以下の構成を備える。
収納箱入りシート状部材の生産方法であって、
本発明の第1の態様に係る収納方法を使用して前記収納箱に前記シート状部材群を収納する工程、を含む前記生産方法。
【0011】
本発明の第3の態様に係る収納箱入りシート状部材は、以下の構成を備える。
一対の対向する第1の辺と、前記第1の辺と直交する一対の対向する第2の辺とを有する薄い矩形のシート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群と、
底面、前記底面と対向する開閉可能な上面、および前記底面と前記上面とに挟まれる前記側面とで構成され、前記シート状部材群を収納した筒状の収納箱とを備え、
前記シート状部材群は、前記第2の辺が前記収納箱の側面に沿うように収納され、
前記シート状部材群は、各前記シート状部材の平面を、当該平面に沿った前記第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させ、前記凸状湾曲部および前記変曲点の位置が互いに揃った状態として形成されている、収納箱入りシート状部材。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シート状部材が多数揃えられて積層されたシート状部材群において、各シート状部材の平面を、当該平面に沿った第1の辺方向から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するように正弦波状に湾曲させた状態としてシート状部材群を形成して収納箱に収納するようにした。このようにして収納箱に収納されたシート状部材は、隣接する凸状湾曲部が互いに逆方向に湾曲されているため、必ず互いに変曲点を中心に逆向きの巻き癖がつけられ、収納箱から取り出して使用する際には、変曲点を中心にその両側の湾曲部にはその曲率を減少する力が作用し、全体として平坦状になり、使用勝手が良いものとなる。
また、シート状部材は、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう積層された状態で収納箱に収納されるため、最外周側または最内周側のシート状部材を取り出す際には、当該シート状部材は、隣接する凸状湾曲部の一方の頂部、および凸状湾曲部が偶数ある場合には対向する第2の辺の一方側付近のみが収納箱の内壁と接するため、取り出す際の摩擦抵抗は少なくスムーズに取り出すことが出来る。
【0013】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る収納箱入りシート状部材が開封状態の収納箱へ収納された状態を示す斜視図である。
【
図2】シート状部材及びシート状部材群の斜視図である。
【
図4】シート状部材群が湾曲されて収納箱に収納された状態の一例を示す正面図である。
【
図5】(a)は、収納箱から取り出し直後のシート状部材の形状の一例を示す正面図であり、(b)は、収納箱から取り出した後のシート状部材の形状の一例を示す正面図である。
【
図6】(a)、(b)は、それぞれ、シート状部材群が湾曲されて収納箱に収納された状態の他の例を示す正面図である。
【
図7】(a)、(b)は、それぞれ、収納箱から取り出し直後のシート状部材の形状の他の例を示す正面図である。
【
図8】シート状部材群を収納した収納補助箱及び収納補助箱を用いてシート状部材群を収納箱に収納している状態を示す斜視図である。
【
図9】(a)は、仕切り板を設けた収納補助箱の一例の斜視図であり、(b)は(a)に示す収納補助箱の正面図であり、(c)は、仕切り板を設けた収納補助箱の他の例の正面図である。
【
図10】仕切り板を設けた収納補助箱のさらに別の一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて例示的に詳しく説明する。
以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるものであり、以下の個別の実施形態によって限定されるものではない。
【0016】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る収納箱入りシート状部材1を説明する。
図1は、収納箱入りシート状部材1が開封状態の収納箱20へ収納された状態を示す斜視図である。収納箱入りシート状部材1は、シート状部材10が多数積層されたシート状部材群12と、シート状部材群12を収納する収納箱20とを備えている。収納箱20は、例えば、紙製の筒状の角柱もしくは円柱であり、一例として、ここでは四角柱(直方体)であり、底面21、開放可能な上面22、及び4つの側面23で構成される。図中、Xは側面の長さ、Y、Zはそれぞれ底面の幅および長さを示す。側面の長さXはシート状部材10の長辺の長さより若干長いものである。なお、
図1以下の図においては、図面を簡略化するためにシート状部材群12のシート状部材10の枚数を少なく表しているが、実際にはシート状部材群12は多数のシート状部材10で構成されるものである。
【0017】
図2を参照して、シート状部材10及びシート状部材群12について説明する。
図2は、シート状部材10及びシート状部材群12の斜視図である。シート状部材10は、薄い矩形のシート状物であり、一例として、紙製のクッキングシートが挙げられるが、本発明はこれに限らず、他の材料で形成された巻き癖の付きやすい種々の薄いシートにも適用可能である。シート状部材10は、1枚の、例えば、長方形状のシートであり、その一対の対向する第1の辺、例えば、短辺を11Sa、11Sbとし、短辺と直交する一対の対向する第2の辺、例えば、長辺を11La、11Lbとする。シート状部材群12は、シート状部材10を多数、短辺側及び長辺側を揃えて積層したものである。
【0018】
図3及び
図4を参照して、シート状部材群12を収納箱20に収納する際のシート状部材群12の湾曲方法の一例、収納箱20への収納方法及び収納箱入りシート状部材の生産方法を説明する。
図3は、シート状部材群12及び収納箱20の斜視図であり、
図4は、シート状部材群12が湾曲されて収納箱20に収納された状態の一例を示すもので、シート状部材群12を収納箱20の開放された上面22側、即ち、短辺11Sa(または11Sb)方向から見た正面図である。
図1及び
図3に示すシート状部材群12は、
図4に示す湾曲状態のシート状部材群12である。
図4のシート状部材群12の各シート状部材10は、正面図に示すように、一つの変曲点Lを有し、当該変曲点を中心に互いに逆向きの一対の凸状の湾曲部P1,P2を有するように正弦波状に湾曲させたものである。言い換えれば、隣接する凸状湾曲部P1,P2の間に変曲点Lを有するようにしたものである。
【0019】
なお、このような状態のシート状部材群12は、上記の様に湾曲させた各シート状部材10を多数、短辺側及び長辺側を揃えて積層して形成しても良く、またはシート状部材10を多数、短辺側及び長辺側を揃えて平坦に積層した後に上記の様に湾曲させて形成しても良い。このような状態のシート状部材群12は、
図3において矢印Aに示すように、収納箱20の開放された上面22から第2の辺(長辺)11La、11Lbが収納箱の側面23に沿うように収納箱20に挿入されて収納される。
【0020】
このように収納箱20へ収納されたシート状部材群12では、シート状部材10を収納箱20から取り出す際、
図4に示す最外周側のシート状部材10aまたは最内周側のシート状部材10nから順次取り出す。最外周側のシート状部材10aから取り出す場合は、一方の凸状湾曲部P2の頂部及び一方の長辺11Lb側付近のみが収納箱の内壁と接するため、取り出す際の摩擦抵抗は少なくスムーズに取り出すことが出来る。同様に、最内周側のシート状部材10nから取り出す場合は、他方の凸状湾曲部P1の頂部及び他方の長辺11La側付近のみが収納箱の内壁と接するため、同様に取り出す際の摩擦抵抗は少なくスムーズに取り出すことが出来る。
【0021】
図5を参照して、収納箱20から取り出し後のシート状部材10の形状について説明する。
図5の(a)、(b)はそれぞれ、収納箱20から取り出し後のシート状部材10を短辺11Sa(または11Sb)方向から見た正面図であり、ここでは
図1、
図3、
図4に示すシート状部材10の場合について説明する。シート状部材10は、隣接する凸状湾曲部P1、P2が互いに逆方向に湾曲されているため、取り出し後のシート状部材10をテーブル等の平面に置いた場合、
図5の(a)に示すように、凸状湾曲部P1については、その両端側においてR1、R2方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P2についても、その両端側においてR3、R4方向に巻き戻る力が作用する。ここで、変曲点Lを中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R2、R3が作用することとなるため、これら湾曲部の曲率は減少する。このように、変曲点Lを中心に隣接する凸状湾曲部P1、P2は互いに逆方向に湾曲しているため、収納箱から取り出して使用する際には、変曲点Lを中心として隣接する湾曲部にその曲率を減少する力が作用し、
図5の(b)に示すように、取り出し後、暫くすると(例えば、数秒経過後)、これら隣接する湾曲部が平坦状となり、結果としてシート状部材10全体として平坦になり、使用勝手が良いものとなる。
【0022】
次に、
図6を用いてシート状部材群12が湾曲されて収納箱20に収納された状態の他の例を説明する。
図6の(a)、(b)はそれぞれ、
図4の(a)とは異なる例を示すもので、シート状部材群12を収納箱20の上面22側から、即ち、短辺11Sa(または11Sb)方向から見た正面図である。
図6の(a)においては、シート状部材群12の各シート状部材10が、二つの変曲点L1、L2を有し、各変曲点L1、L2を中心に互いに逆向きの一対の凸状の湾曲部P1、P2及びP2、P3を有するように正弦波状に湾曲させたものである。言い換えれば、隣接する凸状湾曲部P1、P2の間に変曲点L1を有し、隣接する凸状湾曲部P2、P3の間に変曲点L2を有するようにしたものである。
図6の(b)においては、シート状部材群12の各シート状部材10が、三つの変曲点L1、L2、L3を有し、各変曲点L1、L2、L3を中心に互いに逆向きの一対の凸状の湾曲部P1、P2;P2、P3;P3、P4を有するように正弦波状に湾曲させたものである。言い換えれば、隣接する凸状湾曲部P1、P2の間に変曲点L1を有し、隣接する凸状湾曲部P2、P3の間に変曲点L2を有し、隣接する凸状湾曲部P3、P4の間に変曲点L3を有するようにしたものである。
【0023】
図6の(a)に示すように収納箱20へ収納されたシート状部材10を収納箱20から取り出す場合について説明する。最外周側のシート状部材10aから取り出す場合は、凸状湾曲部P1、P3の頂部及び一対の長辺11La、11Lb側付近が収納箱の内壁と接するため、それらの摩擦抵抗に抗して取り出すこととなる。他方、最内周側のシート状部材10nから取り出す場合は、凸状湾曲部P2の頂部のみが収納箱の内壁と接するため、取り出す際の摩擦抵抗は極めて少なくスムーズに取り出すことが出来る。
【0024】
次に、
図6の(b)に示すように収納箱20へ収納されたシート状部材10を収納箱20から取り出す場合について説明する。最外周側のシート状部材10aから取り出す場合は、凸状湾曲部P2、P4の頂部及び一方の長辺11Lb側付近のみが収納箱の内壁と接するため、取り出す際の摩擦抵抗は少なくスムーズに取り出すことが出来る。同様に、最内周側のシート状部材10nから取り出す場合は、凸状湾曲部P1、P3の頂部及び他方の長辺11La側付近のみが収納箱の内壁と接するため、同様に取り出す際の摩擦抵抗は少なくスムーズに取り出すことが出来る。
【0025】
以上のことから、
図4及び
図6の(b)に示すように凸状湾曲部が偶数、即ち、変曲点が奇数ある場合には、最外周側または最内周側のシート状部材を取り出す際には、当該シート状部材は、隣接する凸状湾曲部の一方の頂部、および対向する一対の長辺11La、11Lbの一方側付近が収納箱の内壁と接するため、それらの摩擦抵抗に抗して取り出すこととなる。他方、
図6の(a)に示すように凸状湾曲部が奇数、即ち、変曲点が偶数(m個)ある場合には、最内周側のシート状部材10nから取り出す際は、1/m個の凸状湾曲部の頂部のみが収納箱の内壁と接するため、取り出す際の摩擦抵抗は極めて少なくスムーズに取り出すことが出来る。
【0026】
図7を参照して、
図6の(a)、(b)に示すように収納箱20へ収納されたシート状部材10を収納箱20から取り出した場合のシート状部材10の形状について説明する。
図7の(a)、(b)は収納箱20から取り出し後のシート状部材10を短辺11Sa(または11Sb)方向から見た正面図であり、ここでは
図6の(a)、(b)に示すように収納箱20へ収納されたシート状部材を収納箱20から取り出してテーブル等の平面に置いた場合を示す。
【0027】
図5の(a)に示した場合と同様、
図6の(a)に示すシート状部材10を取り出してテーブル等の平面に置いた場合は、
図7の(a)に示すように、凸状湾曲部P1については、その両端側にR1、R2方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P2についても、その両端側にR3、R4方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P3についても、その両端側にR5、R6方向に巻き戻る力が作用する。ここで、変曲点L1を中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R2、R3が作用することとなるため、これら湾曲部の曲率は減少する。同様に、変曲点L2を中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R4、R5が作用することとなるため、これら湾曲部の曲率は減少する。このようにして、変曲点を中心に隣接する湾曲部が平坦状となり、結果としてシート状部材10全体として平坦になり、使用勝手が良いものとなる。
【0028】
図6の(b)に示すシート状部材10を取り出してテーブル等の平面に置いた場合は、同様に、
図7の(b)に示すように、凸状湾曲部P1については、その両端側にR1、R2方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P2についても、その両端側にR3、R4方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P3についても、その両端側にR5、R6方向に巻き戻る力が作用し、凸状湾曲部P4についても、その両端側にR7、R8方向に巻き戻る力が作用する。ここで、変曲点L1を中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R2、R3が作用することとなるため、これら湾曲部の曲率は減少する。同様に、変曲点L2を中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R4、R5が作用し、変曲点L3を中心にその両側の湾曲部には互いに逆方向の力R6、R7が作用することとなるため、これら湾曲部の曲率は減少する。このようにして、隣接する湾曲部が平坦状となり、結果としてシート状部材10全体として平坦になり、使用勝手が良いものとなる。
【0029】
このように、いずれの場合も、シート状部材10は変曲点を中心に隣接する凸状湾曲部は互いに逆方向に湾曲しているため、収納箱から取り出して使用する際には、変曲点を中心に隣接する湾曲部にその曲率を減少する力が作用し、全体として平坦状になり、使用勝手が良いものとなる。
なお、シート状部材10は、変曲点が多い程、収納箱から取り出して使用する際に全体としてより平坦状になり、使用勝手が向上するものとなる。その場合、シート状部材10の変曲点が多い程、収納箱20の上面22側、即ち、短辺11Sa(または11Sb)方向から見た収納箱20の正面形状を、底面21の長さZ(
図1、
図6の(b)参照)がより長い長方形状としてよい。
【0030】
図8を参照して、収納補助箱を用いたシート状部材群12を収納箱20に収納する方法及び収納箱入りシート状部材の生産方法を説明する。
図8は、シート状部材群12を収納した収納補助箱50及び収納補助箱50を用いてシート状部材群12を収納箱20に収納している状態を示す斜視図である。収納補助箱50は、収納箱20と相似形状の、例えば、一つの側面、底面および上面が開放された断面U字状の箱であり、3つの側面53、54、55で構成される。収納補助箱50を収納箱20に挿入可能とすべく、収納補助箱50の側面53,54の長さX2,開口底面51の幅Y2および長さZ2は、それぞれ、収納箱20の側面23の長X1,底面21の幅Y1おおび長さZ1より僅かに小さくされている。開放された側面に対向する側面55は、開口底面51と対向する開口上面52側において、他の側面53、54より延長された取手部55aを備える。
【0031】
図8の下側の図は、ここでは
図1、3、4に示す湾曲されたシート状部材群12を収納補助箱50の開放された側面から内部に収納した状態を示す。このようにシート状部材群12を収納した収納補助箱50を、矢印Bに示すように、収納箱20の開放された上面22側から収納補助箱50の側面53、54、55が収納箱の側面23に沿うように収納箱20に挿入されて収納される。次いで、収納補助箱50の取手部55aを掴んで収納補助箱50を矢印C方向、即ち、挿入方向と反対方向に引き出すことで、シート状部材群12が収納箱20に収納される。このように収納補助箱を用いることで、湾曲されたシート状部材群12をその湾曲形状を崩すことなく保ったまま収納箱20に容易に収納可能となる。
【0032】
図9を参照して、収納補助箱の他の例を説明する。
図9の(a)は、
図8の収納補助箱50に仕切り板60a、60bを設けた収納補助箱50Aの斜視図であり、ここでは
図1、3、4に示す湾曲されたシート状部材群12を収納するように構成された例を示す。収納補助箱50Aは、収納補助箱50における側面55に対向する解放された側面に代えて開閉可能な側面56を設けている。
図9の(b)は、
図9の(a)に示す収納補助箱50Aを開口底面51の反対側、即ち、正面側から見た図であり、
図1、3、4に示す湾曲されたシート状部材群12を収納した状態を示す。収納補助箱50Aには、その側面55の、シート状部材群12の凸状湾曲部P2の頂部に対応する位置、即ち、凸状湾曲部P2の凹部に、仕切り板60aが側面55に垂直な側面53、54に沿って平行に延在するように立設されている。また、側面55に対向する開閉可能な側面56には、シート状部材群12の凸状湾曲部P1の頂部、即ち、凸状湾曲部P1の凹部に対応する位置に、仕切り板60bが、側面56が閉じられた際に側面53、54に沿って平行に延在するように立設されている。仕切り板60a、60bの高さは幅Y2より小さく、例えば、半分程である。
【0033】
図9の(c)は、
図9の(b)に示す収納補助箱50Aの変形例である収納補助箱50Bを示す図であり、
図6の(a)に示す湾曲されたシート状部材群12を収納するように構成されたもので、収納補助箱を開口底面51の反対側、即ち、上面側から見た図である。
図9の(c)に示す収納補助箱50Bには、その側面55の、シート状部材群12の凸状湾曲部P1、P3の頂部、即ち、凸状湾曲部P1、P3の凹部に対応する位置にそれぞれ仕切り板60c、60aが側面53、54に沿って平行に立設されている。また、側面56には、シート状部材群12の凸状湾曲部P2の頂部、即ち、凸状湾曲部P2の凹部に対応する位置に、仕切り板60bが、側面56が閉じられた際に側面53、54に沿って平行に延在するように立設されている。仕切り板60a、60b、60cの高さは幅Y2よりやや小さく、例えば、半分程である。
【0034】
このような収納補助箱50A、50Bにシート状部材群12を収納する際には、シート状部材10が平坦に積層された状態のシート状部材群12を、側面56を開放した状態でその開口から収納補助箱50A、50B内に
図9の(b)、(c)に示すように仕切り板を利用して湾曲させて収納し、その後、側面56を閉じる。これにより、シート状部材群12を、仕切り板を利用して容易に湾曲させて収納補助箱に収納させることができると共に、収納補助箱内で湾曲形状を崩すことなく保ったまま収納箱20に容易に収納可能となる。なお、収納補助箱50A、50Bの仕切り板の数、位置は上記のように、シート状部材群12の凸状湾曲部の数、その頂部の位置に合わせて適宜設計可能である。
【0035】
図10を参照して、収納補助箱のさらに別の例を説明する。
図10は、
図8に示す収納補助箱50に正弦波状の仕切り板60dを設けた収納補助箱50Cの斜視図であり、ここでは
図1、3、4、8に示す湾曲されたシート状部材群12を収納するように構成された例を示す。収納補助箱50Cは、収納補助箱50Cを開口底面51の反対側、即ち、開口上面52側から見て、
図4の最内周側のシート状部材10nと同様の形状を有する正弦波状の仕切り板60dを、側面55の上に側面53、54に沿って設けたものである。即ち、収納補助箱50Cは、当該収納補助箱の上面52側から見て、複数の凸状の湾曲部を有し、隣接する凸状湾曲部の間に必ず変曲点を有するよう正弦波状に湾曲させた板状の仕切り板60dを、当該凸状湾曲部が当該収納補助箱の側面に沿って平行に延在し、かつ少なくとも一つの当該凸状湾曲部が開放された側面に対向する側面55上に位置するように、側面55上に設けたものである。
【0036】
このような収納補助箱50Cにシート状部材群12を収納する際には、シート状部材10が平坦に積層された状態のシート状部材群12を、側面55に対向する開口側面から収納補助箱50C内において仕切り板60dの上に置き、上から軽く押さえることで仕切り板60dの形状に沿って湾曲させて収納させる。これにより、シート状部材群12を、仕切り板60dを利用して容易に湾曲させて収納補助箱に収納させることができると共に、収納補助箱内で湾曲形状を崩すことなく保ったまま収納箱20に容易に収納可能となる。なお、収納補助箱50Cの仕切り板60dの形状は、上記の
図6に例示するように、収納すべき種々の所望のシート状部材群12の形状に合わせて適宜設計可能である。
【0037】
上記の実施形態等においては、収納箱20は、例えば、紙製の筒状の角柱もしくは円柱であり、一例として、四角柱(直方体)としたが、材質、形状はこれに限られるものではない。即ち、材質はプラスチック等の樹脂などでもよく、形状は底面(上面)の辺の数が5以上の角柱としてもよい。収納補助箱50(50A、50B、50C)の材質、形状も、収納箱20と同様としてよく、上記の実施形態等に限られるものではない。
【0038】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0039】
1 収納箱入りシート状部材
10 シート状部材
12 シート状部材群
20 収納箱
50、50A、50B 収納補助箱
60a、60b、60c、60d 仕切り板
L、L1、L2、L3 変曲点
P1、P2、P3、P4 凸状湾曲部