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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】バルコニー用手摺の面材支持構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E04F11/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020201745
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089382
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明
(72)【発明者】
【氏名】池田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】岸川 楓
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 美紀
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-155030(JP,A)
【文献】特開平11-303196(JP,A)
【文献】特開2007-255084(JP,A)
【文献】特開平06-346576(JP,A)
【文献】特開2002-349038(JP,A)
【文献】登録実用新案第3216050(JP,U)
【文献】特開2013-53419(JP,A)
【文献】特開2007-284916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
E04D 13/15
E04H 17/16
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と、
下枠と、
上端部が前記上枠に支持されると共に、下端部が前記下枠に支持される面材と、
前記面材の横方向の端部に接着部材を介して接着され、前記面材の横方向の端面を塞ぐ端面塞ぎ材と、を備え
前記端面塞ぎ材の縦方向の長さは、前記面材の横方向の端部において縦方向に延びる前記端面の長さと同じ長さであるバルコニー用手摺の面材支持構造。
【請求項2】
前記面材は、中間層を介して複数のガラスを貼り合わせた合わせガラスである、請求項1に記載のバルコニー用手摺の面材支持構造。
【請求項3】
前記端面塞ぎ材は、横方向に切断した断面形状が、C字形状に形成される、請求項1又は2に記載のバルコニー用手摺の面材支持構造。
【請求項4】
前記端面塞ぎ材は、前記バルコニー用手摺の見込方向に延びる端面隠し板部と、前記端面隠し板部における前記バルコニー用手摺の見込方向の両端部から前記面材側に突出する一対の突出板部と、を有し、
前記突出板部の見付方向の長さは、前記端面隠し板部の見込方向の長さよりも小さい、請求項3に記載のバルコニー用手摺の面材支持構造。
【請求項5】
前記端面塞ぎ材は、アルミニウム材料による押し出し形材により形成される、請求項1~のいずれかに記載のバルコニー用手摺の面材支持構造。
【請求項6】
前記接着部材は、基材と、前記基材における厚さ方向の外側の両面に設けられアクリル系の粘着剤により構成された接着層と、を有する両面接着テープである、請求項1~のいずれかに記載のバルコニー用手摺の面材支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バルコニー用手摺の面材支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バルコニー用手摺において、上枠、下枠及び縦枠に支持されるパネル(面材)を有するパネル支持構造(面材支持構造)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-75049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の縦枠は、見付方向の幅が大きく意匠性を改善する余地がある。また、特許文献1に記載の縦枠は、下枠にネジ固定されており、施工性を改善する余地がある。そのため、バルコニー用手摺の面材支持構造において、意匠性を向上させつつ、施工性を向上させることができることが望まれる。
【0005】
本開示は、意匠性を向上させつつ、施工性を向上させることができるバルコニー用手摺の面材支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上枠と、下枠と、上端部が前記上枠に支持されると共に、下端部が前記下枠に支持される面材と、前記面材の横方向の端部に接着部材を介して接着され、前記面材の横方向の端面を塞ぐ端面塞ぎ材と、を備えるバルコニー用手摺の面材支持構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態のバルコニー用手摺のパネル支持構造をバルコニーの外側から見た場合の斜視図である。
図2】一実施形態のバルコニー用手摺のパネル支持構造をバルコニーの内側から見た場合の斜視図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4図1のB-B線断面図である。
図5図1のC-C線断面図である。
図6】ガラスパネルの端面に接着部材を介して小口隠しキャップが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7】ガラスパネルの端面に接着部材を介して小口隠しキャップが取り付ける状態を示す分解斜視図である。
図8】接着部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示のバルコニー用手摺1のパネル支持構造2を備えるバルコニー10の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態のバルコニー10(図2参照)は、建物11(図1参照)の付設物として設けられる。バルコニー用手摺1は、内外領域を仕切る柵として設けられることで、バルコニー10からの転落防止用の柵としての機能を有する。
【0009】
なお、本実施形態の説明においては、バルコニー用手摺1に対してバルコニー10(図2参照)側を内側といい、バルコニー用手摺1に対してバルコニー10と反対側を外側という。本実施形態においては、バルコニー用手摺1は、平面視で、L字状に形成される。本実施形態においては、バルコニー10の正面側及び側面側に配置されるガラスパネル22は、延びる方向は異なるが、バルコニー用手摺1の平面視においてガラスパネル22が延びる方向を、横方向という。ガラスパネル22の横方向の端部に形成される端面223が延びる方向を、縦方向又は上下方向という。なお、本明細書において、「見付方向」とは、バルコニー用手摺1におけるガラスパネル22の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記ガラスパネル22の厚さ方向を意味する。
【0010】
図1及び図2に示すように、バルコニー10は、建物11の外壁から突き出た床部12(図2参照)と、床部12の周縁部に設けられた腰壁部13と、腰壁部13の上部に配置される下笠木14と、下笠木14を介して腰壁部13の上部に配置されるバルコニー用手摺1と、を備える。腰壁部13は、平面視で、L字状に形成されている。
【0011】
バルコニー用手摺1は、平面視で、L字状に構成され、正面側において横方向に延びる長尺直線状部分1aと、側面側において横方向に延びる短尺直線状部分1bと、長尺直線状部分1aと短尺直線状部分1bとの角により形成されるコーナー部1cと、を有する。バルコニー用手摺1は、複数のガラスパネル22(面材)がバルコニー用手摺1のパネル支持構造2により支持されることで構成される。
【0012】
バルコニー用手摺1のパネル支持構造2は、腰壁部13から下笠木14を貫通して立設される複数の支柱21と、複数のガラスパネル22(面材)と、ガラスパネル22の下端部を支持すると共に支柱21の下部の前側の面に固定される下部保持枠23(下枠)と、ガラスパネル22の上端部を支持すると共に複数の支柱21の上端部に接続される上笠木24(上枠)と、ガラスパネル22(面材)の横方向の端部に取り付けられる小口隠しキャップ25と、を備える。
【0013】
ガラスパネル22は、下端部が、下部保持枠23に保持された状態で支柱21に固定され、上端部が、上笠木24に保持された状態で、支柱21に固定される。
【0014】
本実施形態においては、複数の支柱21は、バルコニー用手摺1の短尺直線状部分1bにおいて、腰壁部13から1つ立設され、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aにおいて、腰壁部13から2つ立設される。支柱21の数は限定されず、バルコニー用手摺1の横方向の長さに応じて適宜設定される。
【0015】
複数の支柱21の下端部は、それぞれ、腰壁部13に固定される。複数の支柱21の上端部には、それぞれ、上笠木24が固定される。複数の支柱21の下部には、下部保持枠23が固定される。これにより、複数の支柱21は、ガラスパネル22を保持する上笠木24及び下部保持枠23を支持する。
【0016】
上笠木24は、ガラスパネル22の上端部に沿って、ガラスパネル22の横方向に延びる。上笠木24は、図3に示すように、上笠木本体241と、上笠木カバー材242と、を有する。上笠木本体241は、内外方向に延びて形成され、上方側に開放する部分を有する。上笠木カバー材242は、上笠木本体241の上側を覆うように、上笠木本体241に取り付けられる。
【0017】
上笠木本体241の内外方向の中間部分は、支柱21の上端に固定される。上笠木本体241の内外方向の外側には、ガラスパネル22の上端部を保持するガラス保持溝241aが形成される。ガラス保持溝241aは、下方に向けて開放して形成され、ガラス保持溝241aの下端部の内側には、一対の気密材241bが配置される。
【0018】
一対の気密材241bは、ガラスパネル22の上端部の外側の面を外側から内側に押し付ける気密材241cと、ガラスパネル22の上端部の内側の面を内側から外側に押し付ける気密材241dと、から構成され、ガラスパネル22の上端部を内外方向に挟むように配置される。
【0019】
このように構成される上笠木本体241の内外方向の外側においては、一対の気密材241bが、ガラスパネル22の上端部を内外方向に挟み込んでシールした状態で、ガラス保持溝241aには、ガラスパネル22の上端部が保持される。
【0020】
支柱21の下部の前面(外側の面)には、ガラスパネル22の下端部を保持する下部保持枠23が固定される。下部保持枠23は、下部に配置される下部中空部231と、下部中空部231の上側に形成され上方に向けて開放したガラス保持溝232と、ガラス保持溝232の支柱21側に配置される接続片236と、を有する。接続片236は、下方に開放したL字状に形成され、支柱21の前側の面に固定される。下部保持枠23は、図1図3に示すように、バルコニー用手摺1の横方向の所定の位置において、支柱21の下部の前面に取り付けられた下部支持板237により下方から支持される。
【0021】
ガラス保持溝232の下部には、セッティングブロック233が配置され、ガラス保持溝232の上端部の内部には、一対の気密材224が配置される。
【0022】
一対の気密材224は、ガラスパネル22の下端部の外側の面を外側から内側に押し付ける気密材224aと、ガラスパネル22の下端部の内側の面を内側から外側に押し付ける気密材224bと、から構成され、ガラスパネル22の下端部を内外方向に挟むように配置される。
【0023】
このように構成される支柱21に固定された下部保持枠23においては、一対の気密材224が、ガラスパネル22の下端部を内外方向に挟み込んでシールした状態で、ガラス保持溝232には、ガラスパネル22の下端部が保持される。
【0024】
このようにして、ガラスパネル22は、下端部が、下部保持枠23に保持された状態で支柱21に固定され、上端部が、上笠木24に保持された状態で、支柱21に固定される。
【0025】
図1図5に示すように、複数のガラスパネル22の横方向の両方の端部の端面223には、それぞれ、小口隠しキャップ25(端面塞ぎ材)が取り付けられている。ガラスパネル22の横方向の端面223は、ガラスパネル22の小口面を構成する。
【0026】
小口隠しキャップ25は、接着部材26を介して、ガラスパネル22の横方向の端部の端面223に接着されて固定されている。小口隠しキャップ25は、ガラスパネル22の横方向の端部を塞いで、ガラスパネル22の横方向の端部に取り付けられる。小口隠しキャップ25は、上下方向に延びて形成され、横方向に切断して上下方向に見た場合の断面形状がC字状に形成される。小口隠しキャップ25は、アルミニウム材料による押し出し形材により形成される。
【0027】
小口隠しキャップ25の上下方向の長さは、ガラスパネル22の横方向の端部において上下方向に延びる端面223の長さと同じ長さ、又は、ガラスパネル22の横方向の端部において、ガラスパネル22の上下方向の長さから、ガラスパネル22が上笠木24(後述)及び下部保持枠23(後述)に飲み込まれた部分を除いた上下方向に延びる外部に露出された端面223の長さと同じ長さである。
【0028】
小口隠しキャップ25は、図6及び図7に示すように、上下方向に延びる端面隠し板部251と、端面隠し板部251におけるガラスパネル22の見込方向の両端部からガラスパネル22側に突出する一対の突出板部252と、を有する。
【0029】
端面隠し板部251は、ガラスパネル22の端面223を覆うように、ガラスパネル22の端面223の横方向の外側に配置される。端面隠し板部251は、ガラスパネル22の横方向に厚みを有する板状に形成される。端面隠し板部251は、バルコニー用手摺1の見込方向に所定幅で延びる。端面隠し板部251は、見込方向において、ガラスパネル22の厚さ以上の所定幅を有し、上下方向に延びる。端面隠し板部251のガラスパネル22側の面には、接着部材26を介して、ガラスパネル22の端面223が接着される。
【0030】
一対の突出板部252は、見込方向に厚みを有する板状に形成され、上下方向に延びる。一対の突出板部252は、それぞれ、端面隠し板部251におけるバルコニー用手摺1の見込方向の両端部からガラスパネル22側に突出して形成されることで、ガラスパネル22の端面223を隠すと共に、ガラスパネル22の端面223と端面隠し板部251との間に配置される接着部材26の見込方向の端部の端面を隠すことができる。突出板部252の見付方向(横方向)の幅の長さは、端面隠し板部251の見込方向(ガラスパネル22の厚さ方向)の幅の長さよりも小さい。
【0031】
本実施形態においては、接着部材26は、例えば、両面テープが用いられる。接着部材26は、例えば、図8に示すように、基材261と、基材261における厚さ方向の外側の両面に設けられた粘着剤により構成された接着層262と、を有する両面テープにより構成される。
【0032】
本実施形態においては、例えば、基材261は、アクリル系の材料で形成された発泡体で構成され、接着層262を構成する粘着剤として、耐候性・耐薬品性に優れたアクリル系の粘着剤が用いられている。
【0033】
複数のガラスパネル22は、図6及び図7に示すように、いずれも、合わせガラスが用いられてる。本実施形態においては、ガラスパネル22を構成する合わせガラスは、複数のガラス221が、中間層222を介して、ガラス221を貼り合わされて構成される。例えば、中間層222として、例えば、合成樹脂材料が挙げられる。複数のガラスは、例えば、光を透過する材料で形成され、中間層222として、例えば絵柄が描かれたシートを含んで構成してもよい。
【0034】
図4に示すように、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aにおいて、2つのガラスパネル22が、隙間S1を空けて、横方向に直線上に並んで配置される。2つのガラスパネル22は、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1a(ストレート部)を構成するように、互いの面方向が同一平面上に位置するように並んで配置される。2つのガラスパネル22の端部には、それぞれ、小口隠しキャップ25が設けられている。小口隠しキャップ25の端面隠し板部251の外面251aは、互いが対向して配置される。
【0035】
バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aの横方向において、2つのガラスパネル22の横方向の端部の端面223を覆う小口隠しキャップ25が配置される位置の後方には、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aに配置される2つの支柱21のうちの1つの支柱21が配置される。これにより、2つのガラスパネル22の横方向の端部の端面223を覆う小口隠しキャップ25と支柱21とが重なる位置に配置することで、支柱21を目立ちにくい位置に配置している。
【0036】
バルコニー用手摺1のコーナー部1cにおいて、図1に示すように、コーナー部1cで合わせられる2つの上笠木24は、平面視で、横方向の端部同士が互いの角部側の端部において傾斜角度が45°の傾斜端部243が形成されており、傾斜端部243同士が傾斜合わせ部244を介して合わせられている。コーナー部1cで合わせられる2つの下笠木14は、平面視で、横方向の端部同士が互いの角部側の端部において傾斜角度が45°の傾斜端部141が形成されており、傾斜端部141同士が傾斜合わせ部142を介して合わせられている。
【0037】
図5に示すように、バルコニー用手摺1のコーナー部1cにおいて、2つのガラスパネル22は、バルコニー用手摺1のコーナー部1cを構成するように、互いの端部の間に最短距離で隙間S3を空けた状態で、互いの面方向が直交(交差)するように配置される。別の見方をすると、2つのガラスパネル22は、図5に示すように、バルコニー用手摺のコーナー部1cにおいて、平面視で、上笠木24の角部の下方側において、上笠木24の傾斜合わせ部244に対応する部分及び下笠木14の傾斜合わせ部142に対応する部分から、隙間S2を空けた状態で、互いのガラスパネル22を面方向が直交するように配置される。2つのガラスパネル22の端部には、それぞれ、小口隠しキャップ25が設けられている。
【0038】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態のバルコニー用手摺1の面材支持構造2は、上笠木24と、下部保持枠23と、上端部が上笠木24に飲み込まれた状態で支持されると共に、下端部が下部保持枠23に飲み込まれた状態で支持されるガラスパネル22と、ガラスパネル22の横方向の端部に接着部材26を介して接着され、ガラスパネル22の横方向の端面223を塞ぐ小口隠しキャップ25と、を備える。
【0039】
そのため、ガラスパネル22の横方向の端面223に接着部材26により小口隠しキャップ25を固定できる。これにより、ガラスパネル22の横方向の端部を、縦枠などにネジ固定する構成ではないため、施工性を向上できる。ガラスパネル22の横方向の端部を、縦枠などに固定する構成ではないため、見付寸法を小さくできるため、意匠性を向上できる。よって、意匠性を向上させつつ、施工性を向上させることができる。更に、ガラスパネル22の横方向の端面223に接着部材26により小口隠しキャップ25を固定できるため、ガラスパネル22の横方向の小口面としての端面223が露出しないため、ガラスパネル22の端部の欠けや割れを防止できる。
【0040】
本実施形態においては、ガラスパネル22は、中間層222を介して複数のガラス221を貼り合わせた合わせガラスである。これにより、ガラスパネル22の横方向の端面223を小口隠しキャップ25で塞ぐことで、合わせガラスにより構成されるガラスパネル22の中間層222の露出を防ぐことができるため、中間層222への水の浸入を抑制できる。
【0041】
本実施形態においては、小口隠しキャップ25は、横方向に切断した断面形状が、C字形状に形成される。これにより、ガラスパネル22の横方向の端部の縁部を外部から見えないように隠すことができる。よって、意匠性を向上できる。
【0042】
本実施形態においては、小口隠しキャップ25の上下方向の長さは、ガラスパネル22の横方向の端部において上下方向に延びる端面223の長さと同じ長さ、又は、ガラスパネル22の横方向の端部において、ガラスパネル22の上下方向の長さから、ガラスパネル22が上笠木24及び下部保持枠23に飲み込まれた部分を除いた上下方向に延びる外部に露出された端面223の長さと同じ長さである。これにより、小口隠しキャップ25を、ガラスパネル22の横方向の端部の端面223が外部に露出しないように、必要最小限の覆いとすることができる。
【0043】
本実施形態においては、突出板部252の見付方向(横方向)の幅の長さは、端面隠し板部251の見込方向(ガラスパネル22の厚さ方向)の幅の長さよりも小さい。これにより、ガラスパネル22をバルコニー用手摺1の正面側から見たときに、スッキリとした見た目にすることできる。よって、意匠性を向上できる。
【0044】
本実施形態においては、小口隠しキャップ25は、アルミニウム材料による押し出し形材により形成される。これにより、上笠木24や下笠木14をアルミニウム材料で形成した場合に、質感を合わせることができるため、意匠性を向上できる。また、小口隠しキャップ25がアルミニウム材料で形成されているため、現場などで、容易に切断できるため、上下方向の長さを調整しやすい。
【0045】
本実施形態においては、接着部材26は、基材261と、基材261における厚さ方向の外側の両面に設けられアクリル系の粘着剤により構成された接着層262と、を有する両面接着テープである。これにより、ガラスパネル22の横方向の端面223に、小口隠しキャップ25を強固に固定することができる。
【0046】
本実施形態においては、複数の支柱21のうちの一の支柱21は、小口隠しキャップ25が配置される位置の後方に配置される。これにより、2つのガラスパネル22の横方向の端部の端面223を覆う小口隠しキャップ25と支柱21とが重なる位置に配置されるため、支柱21を目立ちにくくすることができる。
【0047】
本実施形態においては、2つのガラスパネル22は、バルコニー用手摺1のコーナー部1cを構成するように、互いの端部の間に隙間S3を空けた状態で、互いの面方向が交差するように配置され、小口隠しキャップ25は、2つのガラスパネル22の端部それぞれに設けられる。これにより、バルコニー用手摺1のコーナー部1cにおいて、小口隠しキャップ25は、2つのガラスパネル22の端部それぞれに設けられるため、バルコニー用手摺1のコーナー部1cをスッキリとした見た目にすることができる。よって、意匠性を向上できる。
【0048】
本実施形態においては、ガラスパネル22は、少なくとも2つ設けられ、2つのガラスパネル22は、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aを構成するように、互いの面方向が同一平面上に位置するように並んで配置され、小口隠しキャップ25は、2つのガラスパネル22の端部それぞれに設けられる。これにより、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aにおいて、小口隠しキャップ25は、2つのガラスパネル22の端部それぞれに設けられるため、2つのガラスパネル22の端部を固定する縦枠などを設けなくてよいため、バルコニー用手摺1の長尺直線状部分1aをスッキリとした見た目にすることができる。よって、意匠性を向上できる。
【0049】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0050】
前記実施形態においては、例えば、接着部材26を両面テープにより構成したが、これに限定されない。接着部材26を、例えば、液状の接着剤で構成してもよい。
【0051】
前記実施形態においては、小口隠しキャップ25を横方向に切断した断面形状をC字状に形成したが、これに限定されない。例えば、小口隠しキャップ25を平面板状に形成さいてもよい。
【0052】
前記実施形態においては、面材22を、合わせガラスで構成したが、これに限定されない。例えば、面材22を、1枚のガラスから構成された強化ガラスで構成してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 バルコニー用手摺、2 バルコニー用手摺のパネル支持構造、21 支柱、22 ガラスパネル(面材)、23 下部保持枠(下枠)、24 上笠木(上枠)、25 小口隠しキャップ(端面塞ぎ材)、26 接着部材、221 ガラス、222 中間層、223 端面、251 端面隠し板部、252 突出板部、261 基材、262 接着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8