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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】浴槽洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20241205BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241205BHJP
   B08B 9/093 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
B08B3/02 F
B08B9/093
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020213336
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099531
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】田附 洋人
(72)【発明者】
【氏名】小川 純一
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-188973(JP,A)
【文献】特開2017-148256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内に設けられた洗浄ノズルに湯水を供給する注湯管と、
洗剤を貯留する洗剤タンクと、
洗剤タンク内の洗剤量が所定残量以上であるかどうかを検出する洗剤センサと、
洗剤タンク内の洗剤を注湯管へ導く洗剤混合配管と、
洗剤混合配管の流路を開閉する洗剤開閉弁と、
洗剤と湯水とが混合された洗浄液を洗浄ノズルから浴槽内に噴射する洗浄工程と、湯水を洗浄ノズルから浴槽内に噴射するすすぎ工程とを有する浴槽洗浄運転を実行する制御装置と、を備える浴槽洗浄装置において、
制御装置は、洗剤開閉弁に閉弁を指示しているときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上から所定残量未満になった場合、洗剤開閉弁の開故障と判断して、所定の異常対応処理を実行し、
浴槽洗浄運転の実行中、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定の実行時間を、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上である場合よりも所定時間、延長させる制御構成を有する浴槽洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽洗浄装置において、
制御装置は、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定の実行時間を、洗剤タンク内に所定残量の洗剤が残っていたときに洗剤が浴槽に流出するのに必要な時間以上、延長させる浴槽洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の浴槽洗浄装置において、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させるすすぎ噴射ステップと、浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ前待機ステップのすすぎ前待機時間を延長させる浴槽洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の浴槽洗浄装置において、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させる複数回のすすぎ噴射ステップと、すすぎ噴射ステップ間に実行される浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ噴射ステップ間に実行されるすすぎ前待機ステップのすすぎ前待機時間を延長させる浴槽洗浄装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の浴槽洗浄装置は、さらに、
洗剤混合配管と注湯管との合流部に湯水が流通するときの負圧によって洗剤を吸引して、洗剤と湯水とを混合するベンチュリを有しており、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させるすすぎ噴射ステップと、浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ噴射ステップのすすぎ噴射時間を延長させる浴槽洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤を貯留する洗剤タンク内の洗剤量を検出する液量センサを有し、浴槽洗浄運転の実行回数が所定回数未満にも関らず、液量センサで検出される洗剤量が所定の下限値未満になった場合、洗剤タンクと洗浄ノズルに湯水を供給する注湯管とを接続する配管に設けた洗剤開閉弁に開故障が生じていると判断する浴槽洗浄装置がある(特許文献1)。
【0003】
一般に、上記のように洗剤タンクに液量センサが設けられている場合、洗剤タンク内の洗剤量が所定残量まで減少すると洗剤の補充を報知させているが、使用者が洗剤を補充するまで一定の時間かかる場合がある。そのため、補充を報知する所定残量を洗剤タンク内に一定回数の浴槽洗浄運転が可能な洗剤量に設定することや、所定残量が検出されてから所定回数、浴槽洗浄運転が実行された後で報知を行うことが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-148256号公報
【文献】特開平10-314056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、洗剤開閉弁が閉弁されている状態で、洗剤タンク内の洗剤量が所定残量以上から所定残量未満に減少すれば、洗剤開閉弁が開故障していると判断できる。
【0006】
しかしながら、上記のように洗剤タンク内の洗剤量が所定残量未満になっても浴槽洗浄運転が実行可能な浴槽洗浄装置では、洗剤タンク内の洗剤量の変化を検出できないため、浴槽洗浄運転中に開故障が生じた場合、開故障を判断することができない。そのため、洗浄工程が終了しても洗剤タンクから洗剤が浴槽内に流出し続け、浴槽洗浄運転後に浴槽内に洗剤が残る場合がある。その結果、浴槽洗浄運転後に湯張り運転が継続して実行される場合、風呂水に洗剤が混入してしまう虞がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、洗剤開閉弁が開故障したときに浴槽内に洗剤が残った状態で湯張りされるのを防止可能な浴槽洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
浴槽内に設けられた洗浄ノズルに湯水を供給する注湯管と、
洗剤を貯留する洗剤タンクと、
洗剤タンク内の洗剤量が所定残量以上であるかどうかを検出する洗剤センサと、
洗剤タンク内の洗剤を注湯管へ導く洗剤混合配管と、
洗剤混合配管の流路を開閉する洗剤開閉弁と、
洗剤と湯水とが混合された洗浄液を洗浄ノズルから浴槽内に噴射する洗浄工程と、湯水を洗浄ノズルから浴槽内に噴射するすすぎ工程とを有する浴槽洗浄運転を実行する制御装置と、を備える浴槽洗浄装置において、
制御装置は、洗剤開閉弁に閉弁を指示しているときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上から所定残量未満になった場合、洗剤開閉弁の開故障と判断して、所定の異常対応処理を実行し、
浴槽洗浄運転の実行中、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定の実行時間を、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上である場合よりも所定時間、延長させる制御構成を有する浴槽洗浄装置が提供される。
【0009】
上記浴槽洗浄装置によれば、制御装置が洗剤開閉弁に閉弁を指示しているときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上から所定残量未満に変化した場合、洗剤開閉弁の開故障と判断できるから、開故障の報知などの所定の異常対応処理を実行することにより、浴槽に洗剤が付着していることを使用者に注意喚起することができる。
【0010】
一方、浴槽洗浄運転の実行中、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗剤量の変化から洗剤開閉弁の開故障を判断することができず、浴槽内に洗剤が残る虞がある。しかしながら、上記浴槽洗浄装置によれば、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定の実行時間を、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量以上である場合よりも所定時間、延長させるから、洗剤量が所定残量未満の状態において洗剤開閉弁に開故障が生じても、浴槽に流出した洗剤をすすぎ工程による湯水で洗い流すことができる。
【0011】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置において、
制御装置は、洗浄工程が終了したときに洗剤センサで検出される洗剤量が所定残量未満である場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定の実行時間を、洗剤タンク内に所定残量の洗剤が残っていたときに洗剤が浴槽に流出するのに必要な時間以上、延長させる。
【0012】
上記浴槽洗浄装置によれば、すすぎ工程中、洗剤タンク内に残っていた洗剤を確実に流出させて、浴槽から洗い流すことができる。
【0013】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置において、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させるすすぎ噴射ステップと、浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ前待機ステップのすすぎ前待機時間を延長させる。
【0014】
上記浴槽洗浄装置によれば、湯水を使用せずに洗剤タンク内の洗剤を流出させることができるから、省エネルギー化を図ることができる。
【0015】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置において、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させる複数回のすすぎ噴射ステップと、すすぎ噴射ステップ間に実行される浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ噴射ステップ間に実行されるすすぎ前待機ステップのすすぎ前待機時間を延長させる。
【0016】
洗浄工程後、湯水を噴射させる前のすすぎ前待機時間を長時間、延長させた場合、浴槽内に噴射させた洗浄液が乾燥してすすぎ工程で洗剤が十分に洗い流されない虞がある。しかしながら、上記浴槽洗浄装置によれば、すすぎ噴射ステップ間のすすぎ前待機時間を延長させるから、確実に洗剤残りを防止することができる。
【0017】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置は、さらに、
洗剤混合配管と注湯管との合流部に湯水が流通するときの負圧によって洗剤を吸引して、洗剤と湯水とを混合するベンチュリを有しており、
すすぎ工程は、浴槽に湯水を噴射させるすすぎ噴射ステップと、浴槽への湯水の噴射を待機させるすすぎ前待機ステップとを有し、
制御装置は、すすぎ工程におけるすすぎ噴射ステップのすすぎ噴射時間を延長させる。
【0018】
洗剤混合配管と注湯管との合流部にベンチュリが設けられた浴槽洗浄装置では、洗剤開閉弁が開故障していた場合、すすぎ工程において、湯水がベンチュリを流通するときの負圧によって洗剤タンクからベンチュリに洗剤が吸引されるから、短時間で洗剤タンク内の洗剤を流出させることができる。このため、すすぎ噴射時間を延長させる方がすすぎ前待機時間を延長させるよりも短時間で同量の洗剤を流出させることができるから、浴槽洗浄運転の長時間化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、洗剤開閉弁に開故障が生じた場合でも、浴槽への洗剤残りのない状態で湯張り運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄システムの一例を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄装置の開故障検知処理における制御動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄運転の基本工程を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄運転における制御動作の一部を示すフローチャートであり、排水工程処理のフローチャートと、予備すすぎ工程処理のフローチャートを示す。
図5図5は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄運転における制御動作の一部を示すフローチャートであり、洗浄工程処理のフローチャートを示す。
図6図6は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄運転における制御動作の一部を示すフローチャートであり、延長判定工程処理のフローチャートと、すすぎ工程処理のフローチャートを示す。
図7図7は、本発明の実施の形態2に係る浴槽洗浄運転における制御動作の一部を示すフローチャートであり、延長判定工程処理のフローチャートを示す。
図8図8は、本発明の実施の形態3に係る浴槽洗浄運転における制御動作の一部を示すフローチャートであり、延長判定工程処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る浴槽洗浄装置4を用いて構成される浴槽洗浄システム1は、浴槽2と、浴槽2内の風呂水や上水道から供給される水を加熱する熱源機としての給湯器3と、給湯器3から供給される湯水を浴槽2の洗浄ノズル25に供給する浴槽洗浄装置4と、給湯器3や浴槽洗浄装置4の動作を設定指示する操作端末5とで構成されている。
【0022】
給湯器3は、個別に点消火可能な給湯バーナ31Aと、追焚バーナ31Bとを備える。また、給湯器3は、給湯バーナ31Aから放出されるガスの燃焼熱を回収し、上水道から給水配管11を通じて供給される水を加熱する給湯熱交換器32Aと、追焚バーナ31Bから放出されるガスの燃焼熱を回収し、浴槽2から戻り配管13を通じて供給される風呂水を加熱する追焚熱交換器32Bとを備える。
【0023】
給湯熱交換器32Aの水入口は、給湯用の入水管33Aを介して給水配管11に接続されている。一方、給湯熱交換器32Aの湯出口は、給湯用の出水管34Aを介して給湯配管12に接続されている。なお、給水配管11は、上水道に繋がっており、給湯配管12は、カランやシャワーなどの他水栓の温水利用先Kに繋がっている。
【0024】
追焚熱交換器32Bの水入口は、追焚用の入水管33Bを介して戻り配管13に接続されている。一方、追焚熱交換器32Bの湯出口は、追焚用の出水管34Bを介して往き配管14に接続されている。
【0025】
給湯用の入水管33Aには、給水配管11から給湯熱交換器32Aへの水の通水量を検出する給水量センサ35と、給水配管11から入水管33Aに供給される水を給湯用の出水管34Aに分流させる分流弁36とが上流側よりこの順序で配設されている。
【0026】
給湯用の出水管34Aは、中間部から分岐し、湯張り用バイパス管30を通じて追焚用の出水管34Bの中間部に合流接続されている。湯張り用バイパス管30には、給湯用の出水管34Aから追焚用の出水管34Bへの通水を遮断可能なバイパス開閉弁39が設けられている。
【0027】
給湯器3には、温水利用先Kや浴槽洗浄装置4へ湯水を供給する給湯運転、浴槽2へ湯水を供給する湯張り運転、浴槽2内の風呂水を循環加熱する追焚運転など、給湯器3の動作を制御する従来公知の回路構成を有する給湯制御装置3Aが組み込まれている。
【0028】
浴槽2の浴槽内周面21には、浴槽2内の風呂水を給湯器3との間で循環させるための注湯口部となる浴槽金具23が設けられている。浴槽2の底部には、浴槽2内の風呂水や浴槽洗浄運転中に浴槽2内に噴射される湯水を外部に排水させるための排水口20が開設されている。排水口20には、排水口20を自動で閉塞可能な排水栓24が設けられている。浴槽2の浴槽底面22には、浴槽洗浄装置4から供給される湯水を浴槽内周面21へ向けて噴射させる洗浄ノズル25が設けられている。
【0029】
浴槽金具23は、給湯器3の追焚用の熱交換器32Bに戻り配管13及び往き配管14を介して接続されている。図示しないが、浴槽金具23は、浴槽2内の風呂水を戻り配管13を通じて給湯器3に導入させるための吸込口と、浴槽2内の風呂水や給湯器3で加熱された湯水を往き配管14を通じて浴槽2内へ導出する吹出口とを備えている。
【0030】
排水栓24は、図示しない弁駆動部に接続されており、浴槽洗浄装置4に組み込まれた洗浄制御装置4Aからの指示に応じて自動で開閉するように構成されている。このように、自動開閉可能な排水栓24を備えた浴槽2を用いて浴槽洗浄システム1を構成することで、浴槽洗浄運転が終了した後、引き続き湯張り運転が自動で実行されるように構成することができる。
【0031】
温水利用先Kに繋がる給湯配管12には、浴槽洗浄装置4の出湯配管41が分岐接続されている。洗浄ノズル25は、浴槽洗浄装置4の出湯配管41に洗浄配管15を介して接続されている。従って、本実施の形態では、出湯配管41及び洗浄配管15によって、給湯器3の給湯配管12から分岐して、洗浄ノズル25に湯水を供給する注湯管が構成されている。
【0032】
図示しないが、洗浄ノズル25は、浴槽洗浄装置4から洗浄配管15を通じて供給される湯水を浴槽内周面21の全周に亘って放射状に噴射する噴射口を備えている。上記噴射口は、浴槽洗浄装置4の洗浄配管15から洗浄ノズル25へ供給される単位時間あたりの湯水の流量が増加するほど浴槽内周面21の上域へ向けて湯水を噴射し、減少するほど浴槽内周面21の下域へ向けて湯水を噴射するように構成されている。
【0033】
浴槽洗浄装置4は、洗剤を貯留可能な洗剤タンク40と、既述した洗浄配管15及び出湯配管41と、洗剤タンク40内の洗剤を出湯配管41へ導く洗剤混合配管42とを備えている。
【0034】
洗剤混合配管42は、上流端が洗剤タンク40の洗剤排出口に接続され、下流端が出湯配管41と洗浄配管15との合流部に配設されたベンチュリ44に合流接続されている。また、洗剤混合配管42には、洗剤タンク40から出湯配管41への洗剤の導出を遮断可能な洗剤開閉弁43が配設されている。洗剤タンク40の内部には洗剤量を検出するためのフロートセンサ80が設けられている。フロートセンサ80は、洗剤タンク40内の洗剤の液面に追随して上下方向に浮沈可能であり、洗剤タンク40内の水位が所定水位より高くなるとオンされ、所定水位より低くなるとオフされるように構成されている。フロートセンサ80のオン・オフ検出信号は洗浄制御装置4Aに出力される。
【0035】
出湯配管41におけるベンチュリ44より上流側には、出湯配管41の上流側への洗剤や湯水の逆流を防止するための逆流防止弁45と、出湯配管41から洗浄配管15への湯水の供給を遮断可能な注湯弁46と、給湯配管12から出湯配管41へ供給される単位時間あたりの湯水の流量を検出する流量センサ47と、出湯配管41から洗浄配管15へ供給される単位時間あたりの湯水の流量を調整可能な流量調整弁48とが下流側よりこの順序で配設されている。
【0036】
ベンチュリ44は、略中央が縮径する構造となっており、洗剤混合配管42は、ベンチュリ44の縮径部に連結されている。従って、洗剤開閉弁43が開かれた状態において、洗剤タンク40内の洗剤は、出湯配管41に供給される湯水がベンチュリ44の縮径部を流通する際の負圧によって出湯配管41に引き込まれ、湯水と混合される。
【0037】
流量調整弁48は、流量センサ47で検出される流量が所定流量となる開度に調整されるように構成されており、例えば、出湯配管41から洗浄配管15を介して洗浄ノズル25へ供給される湯水の流量が所定の設定流量(例えば、6L/分)に設定されている場合は、流量センサ47で検出される流量が設定流量となるよう開度が調整される。その結果、洗浄ノズル25から浴槽内周面21の所定範囲へ向けて湯水が噴射される。
【0038】
浴槽洗浄装置4には、給湯器3から供給される湯水を洗浄ノズル25から浴槽2内に噴射させる浴槽洗浄運転など、浴槽洗浄装置4の動作を制御する洗浄制御装置4Aが組み込まれている。図示しないが、洗浄制御装置4Aには、浴槽洗浄装置4の洗剤開閉弁43、注湯弁46、流量調整弁48や、流量センサ47、フロートセンサ80などの各要素が電気配線を介して接続されている。
【0039】
洗浄制御装置4Aは、マイクロコンピュータやメモリなどを含む電子回路ユニットであり、操作端末5の操作状態を監視する操作判定部、注湯弁46の開閉や流量調整弁48の開度の調整を行う噴射量制御部、洗剤開閉弁43の開閉を行う洗剤量制御部、排水栓24の開閉を行う排水制御部、洗剤開閉弁43に閉弁指示をしているときにフロートセンサ80の検出信号がオンからオフになるかどうかを判定する開故障検知部、浴槽洗浄運転の実行中、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80の検出信号のオン・オフを判定し、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80の検出信号がオンである場合、洗浄工程後のすすぎ工程における所定のすすぎ前待機ステップのすすぎ前待機時間を初期のすすぎ前待機時間に設定し、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80の検出信号がオフである場合、初期のすすぎ前待機時間よりも所定時間、延長したすすぎ前待機時間に設定する実行時間設定部、各工程における待機時間などの所定時間を計測する計時部や、各工程における待機時間、洗浄工程やすすぎ工程における所定の設定流量、洗浄工程やすすぎ工程において洗浄ノズル25から所定の設定流量で洗浄液や湯水を噴射させるときの噴射時間などが格納された記憶部等の回路構成を備えている。これらのデータは、浴槽2の形状やサイズ、給湯器3や浴槽洗浄装置4の構成などに基づいて予め実験により求めることができる。また、洗浄制御装置4Aは、浴槽洗浄運転の各工程を実行する実行部等の回路構成を備えている。
【0040】
操作端末5は、浴槽洗浄システム1の運転スイッチ50、湯張り運転の開始を指示する湯張りスイッチ51、追焚運転の開始を指示する追焚スイッチ52、浴槽洗浄運転の開始を指示する浴槽洗浄スイッチ53、給湯温度や湯張り量、洗浄回数などの設定を加減するための加減スイッチ54、設定された給湯温度や湯張り量などの動作条件を表示する表示部55、及び湯張り運転や浴槽洗浄運転が終了したことを音声にて報知する音声出力部56を備えており、給湯器3及び浴槽洗浄装置4のそれぞれの制御装置(給湯制御装置3A、洗浄制御装置4A)に有線または無線で接続されている。
【0041】
次に、本実施の形態に係る浴槽洗浄装置の制御動作について説明する。図2は、本実施の形態に係る浴槽洗浄装置の開故障検知処理における制御動作の一例を示すフローチャートである。開故障検知処理は、電源がオンになっている間、常時、実行されており、洗剤タンク40内の洗剤量が減少して、フロートセンサ80がオンからオフに変化するかどうかが監視される(ステップS101)。
【0042】
フロートセンサ80がオンからオフに変化している場合(ステップS101で、Yes)、洗剤開閉弁43に開弁指示中であるかどうか、または閉弁指示がなされてから所定時間以内であるかどうかが判定される(ステップS102)。なお、洗剤開閉弁43に閉弁指示がなされてから所定時間(例えば、1分間)経過しているかどうかを考慮するのは、閉弁による液面変動やフロートセンサ80の検出遅れによる影響を排除するためである。
【0043】
このとき、洗剤開閉弁43に開弁指示がされておらず、閉弁指示から所定時間が経過していれば(ステップS102、No)、洗剤開閉弁43に閉弁指示がされているから、洗剤開閉弁43の開故障により洗剤タンク40から浴槽2に洗剤が流出している可能性が高い。このため、操作端末5から洗剤開閉弁43に開故障が生じていることを示す所定の異常報知をさせる(ステップS104)。これにより、湯張り前に使用者は浴槽2に洗剤が付着していないかどうか確認することができるから、洗剤が付着した状態で湯張り運転が実行されるのを防止することができる。
【0044】
なお、洗剤開閉弁43に開弁指示中であるか、または洗剤開閉弁43に閉弁指示がされてから所定時間以内である場合(ステップS102で、Yes)、操作端末5から洗剤の補充を報知させる(ステップS103)。
【0045】
図3は、本実施の形態に係る浴槽洗浄装置で実行される浴槽洗浄運転の制御動作のメインフローを示し、図4図6は、各工程における制御動作の処理フローを示す。図3に示すように、本実施の形態に係る浴槽洗浄運転は、排水工程、予備すすぎ工程、洗浄工程、延長判定工程、及びすすぎ工程を有する(ステップS1~S5)。以下、各工程について詳述する。
【0046】
(排水工程)
浴槽洗浄スイッチ53のオン操作がなされると、まず、排水工程が実行される。排水工程は、排水栓開栓ステップと排水待機ステップとからなる。具体的には、浴槽2の排水栓24が開かれて(ステップS201)、浴槽2内の風呂水が外部に排水される。次いで、排水栓24を開いてから所定の排水待機時間(例えば、10分間)が経過すると(ステップS202で、Yes)、予備すすぎ工程に移行する。
【0047】
(予備すすぎ工程)
予備すすぎ工程は、すすぎ噴射ステップとすすぎ噴射停止ステップとからなる。具体的には、注湯弁46が開弁され(ステップS301)、図示しないが流量センサ47で検出される湯水の流量がすすぎ用の設定流量となるよう流量調整弁48の開度が調整される。また、給水量センサ35で検出される水の通水量が所定水量以上になれば、給湯器3で水の加熱が開始され、給湯熱交換器32Aで加熱生成された湯水が給湯配管12を通じて浴槽洗浄装置4の出湯配管41に導入されて、洗浄ノズル25から浴槽2内に湯水が噴射される。所定の予備すすぎ用のすすぎ噴射時間(例えば、30秒間)が経過すると(ステップS302で、Yes)、注湯弁46が閉弁されて(ステップS303)、洗浄工程に移行する。
【0048】
(洗浄工程)
洗浄工程は、洗浄前待機ステップと洗浄液噴射ステップと洗浄液噴射停止ステップと噴射回数更新及び洗浄間待機ステップとからなる。具体的には、予備すすぎ工程の終了時に注湯弁46が閉弁されてから所定の洗浄前待機時間(例えば、10秒間)が経過すると(ステップS401で、Yes)、注湯弁46が開弁され(ステップS402)、図示しないが流量センサ47で検出される湯水の流量が洗浄用の設定流量となるよう流量調整弁48の開度が調整され、さらに洗剤開閉弁43が開弁される(ステップS403)。これにより、出湯配管41から供給される湯水と洗剤混合配管42から供給される洗剤とが混合された洗浄液が洗浄ノズル25から浴槽2内に噴射される。所定の洗浄用の噴射時間(例えば、2秒間)が経過すると(ステップS404で、Yes)、注湯弁46及び洗剤開閉弁43が閉弁され(ステップS405及びS406)、メモリに登録されている噴射回数に1を加算して更新する(ステップS407)。次いで、噴射回数が所定回数(例えば、6回)未満である場合(ステップS408で、No)、注湯弁46及び洗剤開閉弁43が閉弁されてから所定の洗浄間待機時間(例えば、40秒間)が経過すると(ステップS409で、Yes)、再度、洗浄液の噴射及び停止が実行される(ステップS402~S406)。洗浄回数が所定回数になれば(ステップS408で、Yes)、延長判定工程に移行する。
【0049】
(延長判定工程)
延長判定工程は、フロートセンサ判定ステップと実行時間設定ステップとからなる。具体的には、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオンになっているかどうかが判定される(ステップS501)。このとき、フロートセンサ80がオンになっている場合(ステップS501で、Yes)、後述するすすぎ工程における第2すすぎ前待機時間を初期の待機時間A(例えば、10秒間)に設定し(ステップS502)、一方、フロートセンサ80がオフになっている場合(ステップS501で、No)、第2すすぎ前待機時間を初期の待機時間に所定時間(例えば、180秒間)を延長した待機時間B(例えば、190秒間)に設定して(ステップS503)、すすぎ工程に移行する。従って、本実施の形態では、第2すすぎ前待機時間がすすぎ工程における所定の実行時間に対応する。なお、所定時間延長した場合の第2すすぎ前待機時間は、好ましくは、フロートセンサ80でオフが検出される量の洗剤が残っている場合に、自重により洗剤が洗剤タンク40から浴槽2に流出するのに必要な時間以上に設定される。
【0050】
(すすぎ工程)
すすぎ工程は、第1すすぎ前待機ステップと第1すすぎ噴射ステップと第1すすぎ噴射停止ステップと第2すすぎ前待機ステップと第2すすぎ噴射ステップと第2すすぎ噴射停止ステップとからなる。具体的には、洗浄工程の終了時に注湯弁46及び洗剤開閉弁43が閉弁されてから第1すすぎ前待機ステップにおける所定の第1すすぎ前待機時間(例えば、40秒間)が経過すると(ステップS601で、Yes)、第1すすぎ噴射ステップに移行する。第1すすぎ噴射ステップでは、所定の第1すすぎ噴射時間(例えば、10秒間)、注湯弁46が開弁され、洗浄ノズル25から浴槽2内に湯水が噴射される(ステップS602及びS603)。第1すすぎ噴射時間が経過すると(ステップS603で、Yes)、第1すすぎ噴射停止ステップに移行し、注湯弁46が閉弁される(ステップS604)。次いで、第2すすぎ前待機ステップに移行し、注湯弁46が閉弁されてから、上記した延長判定工程処理で設定された所定の第2すすぎ前待機時間(フロートセンサ80がオンの場合:10秒間、フロートセンサ80がオフの場合:190秒間)が経過すると(ステップS605で、Yes)、第2すすぎ噴射ステップに移行する。第2すすぎ噴射ステップでは、所定の第2すすぎ噴射時間(例えば、90秒間)、注湯弁46が開弁され、洗浄ノズル25から浴槽2内に湯水が噴射される(ステップS606及びS607)。第2すすぎ噴射時間が経過すると(ステップS607で、Yes)、第2すすぎ噴射停止ステップに移行し、注湯弁46が閉弁される(ステップS608)。
【0051】
図示しないが、上記のようにして浴槽洗浄運転が終了した後、引き続き湯張り運転が自動で実行されるように設定されている場合は、浴槽洗浄運転が終了した後、排水栓24が閉じられて湯張り運転が実行される。
【0052】
本実施の形態に係る浴槽洗浄装置4によれば、開故障検知処理において、洗剤開閉弁43に閉弁指示がされているときにフロートセンサ80がオンからオフに変化すると開故障と判断して、操作端末5から異常報知を行うから、湯張り運転を実行する前に、浴槽2への洗剤の付着を使用者に注意喚起することができる。
【0053】
一方、浴槽洗浄運転の実行中、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオフしている場合、洗剤量の変化から洗剤開閉弁43の開故障を判断することができない。しかしながら、上記浴槽洗浄装置4によれば、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオフである場合、洗浄工程後のすすぎ工程における第2すすぎ前待機時間を、フロートセンサ80がオンであるときの初期の第2すすぎ前待機時間よりも所定時間、延長させるから、洗剤タンク40内の洗剤量が所定残量未満の状態において洗剤開閉弁43に開故障が生じても、浴槽2に流出した洗剤をすすぎ工程による湯水で洗い流すことができる。従って、上記浴槽洗浄装置4によれば、浴槽2内に洗剤が残留した状態で湯張り運転が行われるのを防止することができる。
【0054】
また、上記浴槽洗浄装置4によれば、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオフである場合、第2すすぎ前待機時間はフロートセンサ80がオフされたときの洗剤量が浴槽2に流出するのに必要な時間以上に設定されるから、すすぎ工程中、洗剤タンク40内に残っていた洗剤を確実に浴槽2内に流出させて、浴槽2から洗い流すことができる。
【0055】
また、上記浴槽洗浄装置4によれば、すすぎ工程における第2すすぎ前待機ステップの第2すすぎ前待機時間を延長するから、湯水を使用せずに洗剤タンク40内の洗剤を流出させることができる。従って、省エネルギー化を図ることができる。
【0056】
また、上記浴槽洗浄装置4によれば、複数のすすぎ噴射ステップが実行されるすすぎ工程において、第1すすぎ噴射ステップと第2すすぎ噴射ステップとの間に実行される第2すすぎ前待機ステップの第2すすぎ前待機時間を延長させるから、洗浄工程後、湯水を噴射させる前の第1すすぎ前待機ステップの第1すすぎ前待機時間を長時間、延長させる場合に比べて、洗浄液が浴槽2内で乾燥し難い。このため、確実に洗剤残りを防止することができる。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る浴槽洗浄装置の構成は、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオフである場合、すすぎ工程における第2すすぎ前待機ステップの第2すすぎ前待機時間を延長せず、第2すすぎ噴射ステップの第2すすぎ噴射時間を延長させること以外、実施の形態1のそれと同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については説明を省略し、延長判定工程及びすすぎ工程のみを説明する。
【0058】
(延長判定工程)
図7に示すように、本実施の形態の延長判定工程は、フロートセンサ判定ステップと実行時間設定ステップとを有する。具体的には、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオンになっている場合(ステップS801で、Yes)、すすぎ工程における第2すすぎ噴射時間を初期の噴射時間C(例えば、90秒間)に設定し(ステップS802)、一方、フロートセンサ80がオフになっている場合(ステップS801で、No)、第2すすぎ噴射時間を初期の噴射時間に所定時間(例えば、100秒間)を延長した噴射時間D(例えば、190秒間)に設定して(ステップS803)、すすぎ工程に移行する。従って、本実施の形態では、第2すすぎ噴射時間がすすぎ工程における所定の実行時間に対応する。なお、所定時間延長した第2すすぎ噴射時間は、好ましくは、フロートセンサ80でオフが検出される量の洗剤が残っている場合に、出湯配管41を流通する湯水がベンチュリ44を通過するときの負圧によって洗剤タンク40からベンチュリ44に洗剤が吸引されて、浴槽2に流出するのに必要な時間以上に設定される。
【0059】
(すすぎ工程)
図示しないが、本実施の形態のすすぎ工程では、実施の形態1と同様に、第1すすぎ前待機ステップ、第1すすぎ噴射ステップ、第1すすぎ噴射停止ステップ、及び第2すすぎ前待機ステップが実行され、所定の第2すすぎ前待機時間(例えば、10秒間)が経過すると、延長判定工程処理で設定された所定の第2すすぎ噴射時間(フロートセンサ80がオンの場合:90秒間、フロートセンサ80がオフの場合:190秒間)、注湯弁46が開弁され、洗浄ノズル25から浴槽2内に湯水が噴射される。所定の第2すすぎ噴射時間が経過すると、注湯弁46を閉弁させる。
【0060】
上記実施の形態によっても、洗浄工程後のすすぎ工程において、確実に洗剤タンク40内の洗剤を浴槽2に流出させて洗い流すことができる。これにより、洗剤が浴槽2内に残留した状態で湯張り運転が実行されるのを防止することができる。
【0061】
また、上記実施の形態に係る浴槽洗浄装置4によれば、洗剤混合配管42と出湯配管41との合流部にはベンチュリ44が配設されており、洗剤開閉弁43が開故障していた場合、すすぎ工程において、湯水がベンチュリ44を流通するときの負圧によって洗剤タンク40からベンチュリ44に洗剤が吸引されるため、短時間で洗剤タンク40内の洗剤を流出させることができる。このため、本実施の形態における第2すすぎ噴射時間を延長させる時間(例えば、100秒間)は、実施の形態1における第2すすぎ前待機時間を延長させる時間(例えば、180秒間)よりも短くすることができる。これにより、浴槽洗浄運転の長時間化を抑制することができる。
【0062】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る浴槽洗浄装置の構成は、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオフである場合、すすぎ工程における第2すすぎ前待機ステップの第2すすぎ前待機時間を延長せず、すすぎ工程における第1すすぎ前待機ステップの第1すすぎ前待機時間を延長させること以外、実施の形態1のそれと同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については説明を省略し、延長判定工程及びすすぎ工程のみを説明する。
【0063】
(延長判定工程)
図8に示すように、本実施の形態の延長判定工程は、フロートセンサ判定ステップと実行時間設定ステップとからなる。具体的には、洗浄工程が終了したときにフロートセンサ80がオンになっている場合(ステップS901で、Yes)、すすぎ工程における第1すすぎ前待機時間を初期の待機時間E(例えば、40秒間)に設定し(ステップS902)、一方、フロートセンサ80がオフになっている場合(ステップS901で、No)、第1すすぎ前待機時間を初期の待機時間に所定時間(例えば、200秒間)を延長した待機時間F(例えば、240秒間)に設定して(ステップS903)、すすぎ工程に移行する。従って、本実施の形態では、第1すすぎ前待機時間がすすぎ工程における所定の実行時間に対応する。
【0064】
(すすぎ工程)
図示しないが、本実施の形態のすすぎ工程では、第1すすぎ前待機ステップにおいて延長判定工程処理で設定された所定の第1すすぎ前待機時間(フロートセンサ80がオンの場合:40秒間、フロートセンサ80がオフの場合:240秒間)が経過すると、第1すすぎ噴射ステップに移行する。以後のステップは、第2すすぎ前待機時間が所定の待機時間(例えば、10秒間)であること以外、実施の形態1と同様である。
【0065】
上記実施の形態によっても、洗浄工程後のすすぎ工程において、確実に洗剤タンク40内の洗剤を浴槽2に流出させて洗い流すことができる。これにより、洗剤が浴槽2内に残留した状態で湯張り運転が実行されるのを防止することができる。なお、本実施の形態では、第1すすぎ前待機ステップにおける第1すすぎ前待機時間を延長させるため、第1すすぎ噴射ステップの第1すすぎ噴射時間を所定の噴射時間(例えば、100秒間)とすれば、以後の第2すすぎ前待機ステップ、第2すすぎ噴射ステップ、及び第2すすぎ噴射停止ステップを設けなくても、流出した洗剤を洗い流すことができる。
【符号の説明】
【0066】
3 給湯器
4 浴槽洗浄装置
12 給湯配管
15 洗浄配管
40 洗剤タンク
41 出湯配管
43 洗剤開閉弁
44 ベンチュリ
46 注湯弁
4A 洗浄制御装置



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8